男「君が正直なところ、誰なのかも分からない。」
女「えっ?」
男「朝から元気良く挨拶してきたところを見ると、幼馴染、友人、先輩のどれかだろう。」
女「……後輩の可能性は?」
男「後輩なら、『おはようございます。』と挨拶する可能性が高い。だから君が後輩の確率は低い。」
女「……」
男「それに君が常識もないような人には見えないから……」
後輩「先輩~、おはようございます~!」
男「ね?」
女「まぁ、あなたの推理は正解よ……友達の女。」
男「あぁ、改めて宜しく。友達の女さん。」
女「何かいらっとするわね。」
男「そんなこと言われても……」
後輩「何の話ですー?」
女「それで? 記憶喪失ってのは本当なの?」
男「記憶喪失前の僕が意味のない冗談を言うような人間でしたか?」
女「……本当ってことね。」
男「イエス。」
後輩「あの……」
女「何も覚えてないわけ? 自分の名前とか、家族のこととか……」
男「朝、妹らしき女の子に『お兄ちゃん』と起こされ、姉と思しき人の手料理を食べた。」
女「……で?」
男「学校へ行く途中に幼馴染と思われる同学年の女子生徒に、『男くんおはよう!』って言われた。」
女「……」
男「所持していた学生手帳の内容も含めると、高校二年生、男。姉と妹と暮らしていて。母と父と所在は不明。」
後輩「……」
男「それ以外は知らない。」
女「……本当なの?」
男「何度もそうやって言って……」
先輩「おっとっこっくーん!」
男「qあwせdrftgyふじこlpなんだこの巨乳。」
先輩「やだ、男くん。私の胸に興味があるの? 照れちゃう///」
男「いや、あの、ないです……」
後輩「先輩ダメですよ!」
男「おっ、先ほどまで息をしてなかった後輩はどうやらこの先輩を止めるためのストッパ……」
後輩「男先輩は私のものです! 貧乳好きですからね!!」
男「記憶に御座いません。記憶喪失なだけに。haha。」
女「と、とりあえず皆落ち着いて話を聞いて!」
男「流石女さん、僕は頼れる人だと信じてましたよ。」
女「お、男は私くらいの慎ましい胸が好きなはずよ……!」
男「役たたずとはまさにこのこと。」
後輩「ぐぬぬぬ……」
先輩「ぐぬぬぬ……」
女「ぐぬぬぬ……」
男「……あの、取り敢えず遅刻するから学校行こう。」
妹「お、お兄ちゃぁん……」
男「? えーっと、妹ちゃん?」
妹「ちゃんって……、朝から言ってるけどやめてよぅ///」
男「で? どうしたの?」
妹「お弁当……忘れてるよー……」
男「あ、うん。忘れてた。最近記憶喪失気味で。」
妹「あ、皆さんお揃いで……じゃあ私は家に帰ります……」
男「学校は大丈夫? 寝巻きにジャンバー羽織ってるだけみたいだけど。」
妹「え、あ、うん……」
女「ちょっと……」
男「え?」
女「妹ちゃん最近なんでか不登校気味なのよ……」ヒソヒソ
男「え? いじめられてるとか?」ヒソヒソ
女「いや、私の妹に聞いたけど別になんにもないらしいわよ……」ヒソヒソ
男「妹いるんだ……」ヒソヒソ
女「殴ったら記憶戻らないの? 面倒臭いなぁ……」
男「そんなこと言われても。」
先輩「何こそこそ二人で話してるの?」
後輩「ずるいです!」
女「大事な話なのよ! 学校着いたら説明するから!」
男「女さんやっぱ頼りになるわぁ。」
~少女事情説明中~
女「と、いうわけで。記憶喪失らしいの。」
男「そういうこと。」
幼馴染「へー」
女「……」
男「……」
女「先輩と後輩は?」
男「学年違うしいるわけないじゃん。」
女「……」
男「痛い痛い! ごめんなさいっ!!」
幼馴染「つまりあれだー」
男「ん?」
幼馴染「私との熱い夜も忘れちゃったわけだー」
男「……」
幼馴染「もう二ヶ月なのに……」
男「……」
幼馴染「……責任。」
男「いや、冗談ですよね? なっ?」
女「……」
男「……」
男「えっ……嘘ぉ…?」
幼馴染「……」
男「……」
幼馴染「……」
女「……」
飽きたので終わり。
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