理樹「来ヶ谷さんの弱みを握りたい」恭介「分かる」 (57)

理樹部屋

謙吾「また恐ろしい事を言うなお前は」

理樹「だって来ヶ谷さんだよ?弱みを握って服従させられたらこんなに愉快な事は無いよっ」

恭介「しかも元々偉そうだからギャップが激しいだろうな!」

鈴「それなら簡単だ。名前で呼べばいい」

真人「そういうと思って行ってきたぜ」

恭介「そんで、どうだっ……」

理樹(真人の顔面はモザイクを掛けないととても見ていられない状態だった)

恭介「だ…だが俺達は諦めん!必ず『も、もうやめてくれ…』と赤面して言う様な命令をしてみせるぞ!」

理樹「おーっ!!」

謙吾「ダメだこいつら」

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恭介「それで来ヶ谷の弱点だが…」

理樹「スポーツ万能、頭脳明晰、おっぱいぼーん……隙が無いや」

鈴「いーや、一つある」

恭介「聞こうじゃないか」

鈴「可愛い物には目が無い」

真人「それだ!」

恭介「よし理樹、女装して行ってこい」

理樹「なんで僕が!」

恭介「まあ聞け、お前を女だと油断して近付いてくるだろ?そこへ上手く隙をつけばあの豊満な胸を…」

理樹「行ってくるよ」

恭介「おう、この鈴の替えの服を来ていけ」

鈴「なんで持ってるんじゃーっ!?」

女子寮廊下

理樹子「……」

来ヶ谷「おや?」

理樹子「……」

来ヶ谷「どうしたこんな所で突っ立って。…具合でも悪いのか?」

理樹子「……」コクコク

来ヶ谷「よしよし、お姉さんが運んでやろうっ」

理樹(なんて嬉しそうな顔なんだ…)

ヒョイッ

来ヶ谷「ふむ…意外と重いな…っと失敬、今のはデリカシーが無かったかな」

理樹(来ヶ谷さんの胸が目の前に…!よぅし、今こそ鷲づか…)

来ヶ谷「いや、そもそも男だから失礼も何もなかったか」

理樹子「ええっ?」

来ヶ谷「君が理樹君だということはとうに気付いている」

理樹子「に、逃げ…」

来ヶ谷「そんな訳にいくか!このまま私の部屋まで直行だっ」

理樹子「う、うわぁぁあー!!」






ガラッ

真人「おっ、どうだった?」

理樹「汚された…」

鈴「なに!?私の服をか!」

恭介「お前はまだ知らなくていいぞ妹よ」

恭介「来ヶ谷の弱点を利用するのは無理っぽいな…」

理樹「そ、そんな…それじゃあどうするのさ!?」

恭介「簡単だ。俺達で弱みを作ればいい」

真人「というと?」

恭介「例えばスキャンダルを捏造して精神的に追い詰めたりだな」

理樹「なんか一発で発信源を特定されそうなんだけど…」

恭介「それじゃあ小毬達を人質に取ろう」

謙吾「お前達さっきから酷くないか?」

真人「うっせえ!俺は来ヶ谷にさえ勝てたらなんでも良んだよっっ」

裏庭

来ヶ谷「呼び出されたから来てみたら今度はなんだ」

恭介「さあ大人しく俺達の言う通りにしろ来ヶ谷!さもなくば小毬やクドがどうなるか分かるかっ」

小毬「ほえ?これは何してるの?」

理樹「君は今捕らえられてるんだよ小毬さん」

クド「さむばでぃーへるぷみー!なのですーっ」

来ヶ谷「従わなければ具体的にどうなるんだ?」

恭介「こいつらを裸にひん剥くぞっ」

来ヶ谷「ほほう、是非ともやって見せてくれ。丁度こんなこともあろうかとカメラも持っている」

恭介「えっ」

来ヶ谷「ほらどうした?」

恭介「うっ……」チラッ

クド「わふー?」

恭介「り、理樹…お前がやってくれ……俺には流石に良心というものが…」

理樹「じゃあなんでそんな事言ったんだ!」

小毬「り、理樹君~…」

理樹「……ご、ごめん…僕も無料かも」

恭介「くっ、くそ!覚えてろよ来ヶ谷!」

タッタッタ

来ヶ谷「くっくっく…」

恭介「奴め…俺の繊細な心につけ込みやがって!」

真人「まあ落ち着けよ恭介、お前は悪くないぜ」

理樹「そうだよ!まだまだ時間があるんだからゆっくり考えて行こうっ」

恭介「お前ら…」

鈴「こいつら馬鹿だ!」

ベンチ

西園「そこで私ですか」

恭介「ああ!来ヶ谷に冷や汗かかせることが出来るのはお前ぐらいだ」

真人「なんとかあのらいらいだにに勝つ方法は無いかっ!?」

西園「私を買いかぶっている気もしますが…そうですねこういう時にうってつけの本があります」

理樹「その本って?」

西園「孫子の兵法です」

恭介「ほう…戦のノウハウが書かれたアレだな?」

西園「その本と恭介さんの奇想天外な思い付きがあればあるいは…」

恭介「よし!今から皆で作戦会議だっ」

部屋

西園「とりあえず図書室から借りてきました」

真人「おお…神々しいぜ…後光が見えるっ」

恭介「これが後に来ヶ谷を破る金の本となる。丁重に扱え」

西園「所でまずは目的をはっきりとさせましょう、各々言ってみて下さい」

恭介「来ヶ谷の恥ずかしそうな顔とかしょげてる顔が見たい」

真人「俺は来ヶ谷に勝ったと誰もが認める最後になるならそれでいい」

理樹「僕も恭介と同じ感じかな?もっと言うとそこからエロい事とかしたい」

鈴「私はお前らに付き合ってるだけだからどーでもいい」

謙吾「俺はやめた方がいいと思っている」

西園「なるほど…意見を総合的に判断すると『来ヶ谷さんを激情に駆らせる』でよろしいですね?」

恭介「問題ない」

西園「ではここからその戦略を考えていきましょう」

西園「それでは次にどう屈服させるかですが」

真人「はいはい!」

西園「どうぞ」

真人「俺達全員で襲ったらどうだっ!?男3人女2人なら…」

西園「では想像してみて下さい、彼女と戦う場面を」

理樹「戦う場面……」


…………
……



ダダダッ

真人「ダメだこいつ!連射型に改良した黒ひげ危機一髪が全く歯が立たねぇっっ」

恭介「ばっか野郎!あれも人間だ、いつかは死ぬだろっ」

理樹「でもあっちの武器はマシンガンのエアガンだよっ!?」

来ヶ谷「ふはははっ怖かろう!」

ダダダッ

鈴「ぎゃー」

バタン

恭介「ちくしょう!鈴がやられた!この人でなし!」

真人「アパ…西園ーっ!弾持ってこーい!」


……
………

鈴「無理っぽいな」

真人「くそっ、奴を力で倒すのは無理か…」

理樹「いや待って…居たはずだ、ただ一人来ヶ谷さんを倒せた存在がっ!」

恭介「まさか…」

西園「直枝さんの意図は読めました。しかし彼はもう…」

理樹「マスク・ザ・斎藤さ!」

恭介「確かに斎藤は来ヶ谷を含むリトルバスターズほぼ全員を倒せるほどの力を持つ…だが西園の言う通りだ、俺は引退してあのマスクを被る資格は………まさか!」

理樹「そのまさかだよ。来ヶ谷さんを倒す方法…それは……」





裏庭

理樹「僕自身が斎藤になる事だ!」

カポッ

斎藤「うま・うー!」

来ヶ谷「次は何かと思えば…その面を被ったということは私と闘うつもりか?」

斎藤「その通りはりゃほれうまうー!」

恭介「以前は負けたお前だ、はたしてその余裕シャクシャクな顔を5分後、崩さずにいられるかな?」

西園「バトルスタート」

ゴーン

斎藤(誰かがならしたゴングが戦闘の合図となった)

斎藤「ふっ!」

斎藤(最初のミドルキックは風を斬った)

来ヶ谷「ふむ…全体的なステータスは確かに上がっている様だな。しかしまだまだ棗兄の斎藤は超えられない……なっ!」

斎藤「っ!!」

斎藤(攻撃を避けて、そこからノーモーションの回し蹴りが襲いかかった!間一髪の所で当たらなかったが仮面の塗装が少し剥げた)

来ヶ谷「……ふむ」

鈴「くるがやと理樹は互角か?」

西園「一見そう見えますがやや来ヶ谷さんの方が上ですね」

来ヶ谷「ほらほらどうした!?」

斎藤(そこから来ヶ谷さんのラッシュが僕の仮面に牙を剥く!)

恭介「あいつ…マスクを潰しにきてるな……」

真人「なるほど。奴からすればアレさえ壊せば怖いもの無しだもんな…。理樹!絶対死守しろーっ!」

斎藤(この仮面が狙い…確かにそのお陰で来ヶ谷さんの攻撃を避け続けれているのかもしれない)

来ヶ谷「君が何故先代の斎藤を倒せたか教えてやろう。それは守るべき物だ」

斎藤「守るべき物?」

来ヶ谷「そうだ、あの時の君はリトルバスターズが危機に陥ったと感じ、覚悟の力によって彼を倒した。どんな目的があって私を襲っているのかは知らないがそんなので私を倒せると思うな。今の君には覚悟と守るべき物がないッ」

斎藤「覚悟……」

斎藤(僕が彼を倒した時…なにを思っていた……)

来ヶ谷「これで終わりだ!」

鈴「理樹!危ないっ」

パキンッ

来ヶ谷「ふ…ふははは!これで君は私を……?」

シュッ

理樹「僕の守るべき物…それは皆の期待。そして僕の…僕の来ヶ谷さんをあんなことやこんな事をしたいと願う『夢』だ!」

西園「なるほど…直枝さんはわざと来ヶ谷さんに仮面を壊させる事で大きな隙を生み出しましたか」

恭介・真人「いっけぇぇーっ!!」

理樹「うおおぉおーっ!」

シュンッ

理樹「なっ…」

来ヶ谷「ふむ、なかなか楽しかったよ理樹君。よく私をここまで追い詰めた……ただ君は私の力量を見誤っていたらしいな」

鈴「来ヶ谷がくちゃくちゃ早いぞ!?」

来ヶ谷「……」トンッ

理樹「くぁ……」

バタン

理樹(来ヶ谷さんから受けた手刀はまるで例の病気の様で…僕の意識をこの世界から切り離した……)




理樹「ここは……」

恭介「気が付いたか…ちなみにここはお前のベッドだ」

理樹「そ、そうだ!あの後どうなったの!?」

真人「俺達が理樹を部屋へ連れていこうとした時の事を話してやろう…」



10分前

理樹「……」

真人「よっと」ガシッ

恭介「ひとつ聞かせてくれ、何故あそこまで強いのに俺に倒された?」

来ヶ谷「うむ。それは単純に君が強かったのもあるがね、ショーでピエロが無双しても面白く無いだろう?」

恭介「……マジかよ」






西園「後で気付きましたが来ヶ谷さんはその時裸足でいました。おそらくあの常人では出せないスピードは靴を脱いだからでしょう」

理樹「結局、力では来ヶ谷さんに叶う人はいないのか…」

恭介「まあ全ての希望が絶たれた訳じゃあない、次の方法を考えよう」

恭介「孫子によるとどう言った事が書かれているんだ?」

西園「相手を見極め、自分の戦力を自覚し、それに合った戦術を使う事ですね」

恭介「俺らは来ヶ谷1人分にも満たない戦力だが、それならどうなる」

西園「相手の10倍の戦力があれば囲み、5倍なら攻撃を、2倍なら分担し、互角なら苦心して戦って劣勢と見れば退却します。そして勝ち目が無いと見たら戦うなと書かれていますね」

謙吾「これで良い加減分かっただろう。無駄な戦いは無意味だと」

恭介「くそ…だがやらねばならぬ時の戦い方ぐらい載ってるだろ!?」

西園「もちろんです。こういう時は内部から攻める、つまりスパイを送り込むのです」

葉留佳「そこで私の出番って訳ですネ!」

真人「……」

葉留佳「なんだあその『うわーなんでよりによってコイツ頼らなきゃいけねーんだよーそれなら俺が三枝の女装した方がマシだー』ってな顔はっ!?」

真人「流石にそこまで思ってねえよっっ」

恭介「そして三枝を利用するかだが…」

理樹「…不意打ちは無理っぽいね」

鈴「肩揉んでる隙に首を折るってのはどーだ?」

真人「バイオレンスなこと考えてんじゃねーよ…」

恭介「やはりベタだが睡眠薬とかが効果的か?」

葉留佳「でも睡眠薬ってそうそう手に入るの?」

西園「それなら科学部に作らせましょう」

マッド鈴木「そんな事もあろうかと既に作っておいたぞ西園君!」

恭介「どんなことだよっ!」

真人「とにかく手には入ったんだ…頼むぞ三枝」

葉留佳「まーかせとけってぇー!」

鈴「凄く心配だ」

理樹(鈴が心配するとは相当のことだ)


来ヶ谷部屋

葉留佳「ねー姉御!喉渇いてない?」

来ヶ谷「いきなり訪ねてきて何を言ってるんだ君は」

葉留佳「いやぁ…ちょうどお姉ちゃん経由でクドのお茶っぱ貰っちゃってさ、姉御もどうかなーと」

来ヶ谷「……」

葉留佳「ドキドキ…」

来ヶ谷「うむ、まあいいだろう」

葉留佳「いよっしゃぁー!」

来ヶ谷「ちょうどティーセットもあるぞ。さあ淹れてくれ」

葉留佳「お茶の子さいさい!お茶だけにっ」



コポポポ

葉留佳「……あーっ!!」

来ヶ谷「…後ろがどうかしたのか?」クルッ

葉留佳「…」サッサッ

葉留佳「あーいや、姉御の机可愛いなーと」

来ヶ谷「そうか?何も着飾ってはいないが…」

葉留佳「さ、ささ!お茶を頂きましょうっ」

来ヶ谷「うむ」

来ヶ谷「そうだ、私はこちらのカップが好みだからこちらを頂いても構わないか?」

葉留佳「ええっ!?」

来ヶ谷「む?」

葉留佳「あーいや…な、なんでもありませんヨ…?」

来ヶ谷「何故疑問系なのかは分からんが飲むぞ?」

ゴクッ

葉留佳「……」ダラダラ

来ヶ谷「うむ、いい茶だ……君は飲まないのか?」

葉留佳「あーいえ、飲みます、飲みますとも…」

来ヶ谷「うむ… 飲 め 」

葉留佳「……こ、この人絶対気付いてるーっ!」

来ヶ谷「何か言ったか?」

葉留佳「うっ…え、ええい!ままよっ」

ゴクッ

恭介「そろそろ三枝が上手くやってくれている所か」

西園「では直枝さん、鈴さん。男子勢は女子寮には入れないので様子を見にいきましょう」

理樹「そろそろ僕をナチュラルに誘うのやめなよ」

ギィ

鈴「?ドアの前に誰か倒れてるぞ…」

バーンッ

葉留佳「すぴー…」

真人「さ、三枝ぁ!?」

西園「どうやら失敗した様ですね…」

続く

恭介「ふむ…」

恭介「ちょいと本を貸してくれ」

西園「どうぞ」

理樹(そして恭介は本を熟読していき5分が経とうとしていた)





真人「そろそろ夕日が登ってきたがまだ考えてんのかよっ?」

理樹(と、真人が口を挟もうとしたその時だった)

恭介「これだ……っ!!」

鈴「どーした?」

恭介「完璧な作戦を思いついたぜ…来ヶ谷を倒すにはこれしか無えっ」

謙吾「はぁ…それで終わりにしておけよ」

恭介「大丈夫だ、この作戦が失敗することなぞあるはずがない。とにかくメンバー全員を招集させろ、ミッションスタートだ!」

理樹(本来二人部屋のはずのスペースに真人、謙吾、鈴、クド、西園さん、小毬さん、葉留佳さん、そして僕と恭介の9人が集まった)

恭介「わざわざ理樹と真人の部屋に集まってもらったのは他でもない、打倒来ヶ谷の為だ。奴をうぐぅ~と言わせてやろうぜ!」

真人「うおおおお!!」

葉留佳「うひょー!あひょー!」

クド「わふー!」

小毬「ゆいちゃんを妥当~?何の?」

鈴「もーこれっきりな」

理樹「それで恭介、作戦って?」

恭介「ふっ…聞いて驚け!作戦名オペレーション・ドラマティックバスターズ!」

理樹「ドラマティックバスターズ?」

恭介「解説しよう。作戦の内容はその名の通りドラマティックに遂行するのを目的とする。一度しか言わないからよく聞けよ?」

恭介「まず始めに来ヶ谷の前で小毬と三枝辺りが喧嘩をする」

葉留佳「はいはい!」

恭介「どうぞ」

葉留佳「なんで喧嘩するかは置いといて喧嘩の理由はどうすればいいですカ?」

恭介「そうだな…例えば小毬が三枝のバストサイズを馬鹿にしたとかでいいだろう。…っと話がそれたな」

理樹(さらっと葉留佳さんを大いに傷付ける発言しちゃったよこの人)

恭介「次に実は小毬は真人の、三枝は謙吾のパートナーだったという設定でお互いに代理戦争を始めさせる」

真人「はーい、俺はどうせなら理樹のパートナーがいいでーす」

理樹「この場合での意味を分かってるのか知らないけど勘違いされるから喋らないでね真人」

恭介「次に真人と謙吾が何を思ったのか来ヶ谷に襲いかかります」

真人「嫌に決まってんだろっっ」

謙吾「というか何故俺まで参加することになっている…」

恭介「安心しろ、本当に襲うって訳じゃねえ。ここで我らが理樹のご登場だ」

理樹「えっ、僕?」

恭介「来ヶ谷が返り討…襲いかかられる前に理樹が真人と謙吾をよく沈黙するオヤジ真っ青の凄技で倒します」

謙吾「なるほど、八百長という訳だな」

恭介「そこで来ヶ谷が『何故私を助けた?』というはずだ。そこでクドがどこからともなく現れこう言う『それはお前の事を本気で愛しとるからや!』」

理樹「物凄く既視感がある茶番なんだけど」

恭介「だが疑り深い来ヶ谷のことだ、まだ信じずにいるなら西園が駄目押しにこう言う『そろそろ今日の行いを許してやったらどうやっ』」

西園「緊張しますね」

理樹(もちろんそんな素振りはまったく見せない)

恭介「そこで理樹が告白し、来ヶ谷はOKしざるをえないだろう。そしてその瞬間、普段は見せないウブな来ヶ谷の表情が見えるはずだから俺はそれを録画する……以上だ!」

理樹「ちょっと待って!?」

恭介「ん?」

理樹「なんで僕がその流れで告白するのさ!?」

恭介「いやごく自然な流れだろう。なあ?」

葉留佳「まったくですナ」

真人「悔しいがその通りだ」

謙吾「ラブアンドピース」

理樹(ダメだこの人達…せめて二木さんか笹瀬川さん辺りを呼ばないとまるで僕が異常な方みたいだ!)

鈴「なあ恭介、私は何もしないのか?」

恭介「お前はたまたま通りかかった猫の役な」

理樹「何その劇の余った人がやる木の役みたいなのは…」

恭介「しかしこの孫子の兵法からは色々ヒントを貰った、ありがとう孫子!」

西園「その息子が書いたという説もありますが…」

恭介「と、とにかくリハーサルだ!」

理樹「ここで!?」

10分後

恭介(来ヶ谷役)「ん?なんだかあそこがやかましいぞ?」

葉留佳「チクショー!羨ましいぞこまりん!その胸寄越せー!」

小毬「ほわぁぁや、やめぇぇえ!」

真人「待てぇぇい!小毬をいじめるとはふてえ野郎だ!」

理樹(はて、時代劇だったのかな)

葉留佳「私野郎じゃないですけどネ」

真人「やいやいやい!細けぇ事はいいんだよっ、とにかく成敗っ!」

葉留佳「うわー!次のレスでやーらーれーるー!」

「待てぇぇい!」

真人「なんだテメー!?」

謙吾「俺の葉留佳に手をあげようとするとは性根が腐り切った奴め!」

葉留佳「謙吾君!」

謙吾「俺が来たからにはもう安心していいぞ葉留佳よ」

真人「ふん…俺だって小毬のために負けらんねぇんだよ!」

謙吾「来るか真人!」

真人「しゃらぁぁあっ!!」




真人「はぁ…はぁ……」

謙吾「ふっ…ふっ……」

理樹「待ってよ二人とも、ここからどう来ヶ谷さんを襲うの」

真人「えっ?…うーん…そうだな……えーと………ううっ………く、来ヶ谷覚悟ぉぉ!!」

謙吾「うおおぉぉ!!」

理樹「無理やりいっちゃったよ!」

恭介「うわー助けてー誰かー」

理樹「本当にやらなくちゃいけないのか……」

ザッ

真人「なんだ理樹!たとえお前であろうと邪魔するなら殴るぞっ」

謙吾「そうだ!そうだ!」

理樹「僕が2人を倒す、だからきょ…来ヶ谷さんはそこで見ててよ」

恭介「ああ、なんて勇敢な少年なんだ!ありが…モゴッ」

???「……」

理樹(なにか後ろで変な音がしたけど気のせいだろう)

理樹「いやーっ」

真人「ぐわー!」

理樹「いやーっ」

謙吾「ぐわー!」

理樹(素人じみた攻撃を真人と謙吾に触れる程度で当てたら予想以上に吹っ飛んでくれた。修羅場を経験している人はやられる側の動きも熟知しているという事だろう、古事記にもそう書かれている)





真人「ぐへっ…くっ、なかなかやるな理樹め!この仮はいつか必ず返す!覚えておけよーっ」

理樹(そう言って2人は部屋から一旦出て行くとすぐにまた戻ってきた)

理樹「あとは西園さん達のセリフだね。恭介相手にそういうのやるのは抵抗があるけど…」

来ヶ谷「なら本人ならどうだ?」

理樹「う、うわぁぁ!?」

理樹(よく見ると恭介が僕の布団で簀巻きにされて転がっている…さっきの物音はそれだったか!)

鈴「にゃーにゃー」

来ヶ谷「いったい何故私をこんな茶番に付き合わせようとしたんだ?今日はずっとこんな調子だったが」

小毬「えと…そ、それはお前の事を本気で愛しとるからやっ!」

理樹(今はそれ言わなくていいよ!)

来ヶ谷「……なに?」

鈴「にゃーにゃー」

理樹「い、いやこれは…」

西園「そろそろ今日の行いを許してやったらどうや?」

来ヶ谷「なるほど…理樹君は私の事が好きだった訳か」

理樹「いや…」

鈴「にゃーにゃー」

来ヶ谷「……違うのか…?」

理樹(そ、そんな悲しそうな顔しないでー!)

鈴「にゃーにゃー」

理樹「来ヶ谷さん…その……す、す、好きです…」

来ヶ谷「うむ。それでいい」

チュッ

理樹「えっ……え、えぇぇ!?」

恭介「……」ニヤリ

理樹(来ヶ谷さんは顔を戻すと僕にこう言った)

来ヶ谷「一つ教えておこう…私の愛読書は孫子の兵法だ」

理樹(僕らの戦いは終わった…結果的に来ヶ谷さんと僕は付き合うことになったがこれも彼女の作戦だったのだろうか。西園さんが後から教えてくれたけど、孫子は戦い方について書いていたが作中でなんども、『全てにおいてもっとも良いのは戦わずに済むこと』と書いていたらしい。やはり孫子も愛と平和が1番と考えていたのだ)

終わり

次はリクエストにあった斎藤をオマケで書く。次のスレでは古式、その次は鈴の立てる予定

オマケ








ピカッ

斎藤「………」

ゴロゴロゴロ






理樹「ふぁぁ…」

シーン

理樹「んしょっ……」

理樹(今週は三連休だ。恭介達と遊ぶ事になっているけど真人はまだ起きてないのかやけに静かだ)

理樹「先にご飯食べに行ったのかな?」

理樹(とにかくここに居ないのは分かってるので謙吾の部屋に行ってみた)



コンコン

謙吾「…なんだ理樹か?出掛けるのは朝食を食べてからだと思っていたが……」

理樹「いやそれであってるんだけど真人が起きたら部屋にいなかったからそっちに行ってないかなって?」

謙吾「真人が?いや…部屋で隠れていない限りいないが」

理樹「そう…じゃあ恭介の方にも行ってみるよ」

謙吾「少し待ってくれ、俺も行こう。何か胸騒ぎがする」

理樹(恭介も反応は同じだった)

恭介「へえ、朝からいないのか」

理樹「うん…どこ行ったんだろう」

謙吾「考えられるとすればあとは食堂に行って先に食べているぐらいだな」

恭介「行ってみよう」






理樹「…?」

理樹(食堂へ行く途中の道で何かを見つけた)

真人「うっ……」

理樹「真人!」

理樹(友達の姿を認めるとすぐさま僕らは駆け寄った)

恭介「酷いな…ボロボロじゃねえか」

謙吾「誰がこんな事を!」

真人「っつ…さ…斎藤……」

理樹「斎藤って…あのマスク・ザ・斎藤!?」

真人「ああ…気を付けろ……奴らは無差別に俺たちを襲う…」

恭介「どういうことだ…確か斎藤マスクは理樹に預けたはずだ!」

真人「……」カタッ

理樹「真人っ」

謙吾「大丈夫、気絶しているだけだ…とにかく保健室へ運ぼう」

保健室

真人「………」

理樹(真人をベッドに運び、その場で話し合った)

理樹「真人をここまでコテンパンに出来る人が居たなんて…」

恭介「なに、マスクをつければ俺達3人誰でも可能さ」

謙吾「だがお前や俺、現在のマスクの所有者である理樹も使った覚えがない…だのに真人がそれを被った人間にこんな仕打ちをした。犯人は理樹達の部屋に忍び込んだのか?」

謙吾「相手はマスクなせいで対峙しても正体が分からなかっただろう、真人はそっとしておいてマスクの有無を確認したほうがいい」

理樹(僕らは早速部屋へ戻った)

理樹部屋

理樹「……あった」

理樹(以前置いて場所と変わらずそこに不気味な仮面はあった。もう無いと踏んでいたのにますます訳が分からなくなる)

恭介「こうなると可能性は一つ…」

謙吾「『仮面は二つあった』だな」

理樹「それじゃあ犯人はどうやって探せば…」

恭介「こちらから仕掛けるのもいいがそんなのが暴れていたなら生徒達が危ない。俺が放送で皆部屋から出ないように呼びかけるからお前らもここで待っててくれ、絶対出るなよ?」

理樹「それじゃあ恭介が危ないじゃないか!」

恭介「大丈夫だ、俺を誰だと思っている?」

理樹(恭介は僕を安心させようと頭を撫でた。もうそんな年じゃないってのに)

謙吾「恭介を信じろ。放送したらすぐにここへ戻ってくる…だろ?」

恭介「ああ、三人で校内の捜索を続ける。ちょっと待ってなっ」

理樹(そう言って恭介は出ていってしまった)

続く

明日には終わらせる

すまん、昨日は色々取り込んでて書く暇が無かった

再開

謙吾「とりあえず俺達はここで待つことしか出来ないか…」

理樹「そうだ、一応皆にも連絡しておこうよ!もしかしたら出掛けてる人も居るかもしれないし」

謙吾「そうだな。とにかく片っ端から電話をかけておこう」

理樹(僕らはリトルバスターズの皆を始め番号を知っている人達に注意を促した。こうすれば知り合いの知り合いにも情報が届き、その早さと範囲の広がりはねずみ算だ)

理樹「ふう、これで全…っ!?」

理樹(急に頭が痛くなりだした。誰かに抑えられているかのような衝撃だった、声を出そうにも体がいうことを聞かない…謙吾は後ろを向いていて気付いていない)

理樹(そのうち意識が真っ黒になって倒れてしまった。誰だ…こんな事をするのは……)






裏庭

理樹「………」

理樹(暖かな日差しで目が覚めた)

理樹「移動している…?ここは…」

理樹(ここは西園さんが良く本を読みに来ている裏庭の芝生だ。僕はあの後どうしてかここで寝ていたらしい)

理樹「時間はそんなに経っていない様だけどいったい……ハッ!」

理樹(立ち上がろうと腕を後ろに回すとあの忌々しい物に当たった)

理樹「斎藤マスク……何故こんなところに……」

理樹(昔見た推理小説によると物理的にあり得そうもない事を消去法で消していくとどんな不可解な出来事も自ずと答えが見えてくるらしい…)

理樹「仮面…襲われた真人の証言……何故ここにあったか……まさか…」

恭介「とうとう無事に帰ってきたぜ!……謙吾?おっ、おい!どうしたその怪我はっ!」

謙吾「ぐっ……き、恭介か…」

恭介「斎藤に襲われたのか!?…そうだ、理樹はっ」

謙吾「分からん…連れていかれたのかもしれん、俺は仲間と連絡をとっていると後ろから斎藤のマスクが目の前に…っく!俺とあろうものが部屋にいた奴の気配を察知出来ず不意打ちを喰らうとは情けない」

恭介「理樹が危ない……ん…?いや待てよ…」

謙吾「どうした…?」

恭介「とても信じられんが今俺の中じゃこの考えが1番納得がいく…謙吾、悪いが少し待っててくれ。理樹が危ないっ」

理樹「早く…そうとなればこいつを壊さなければ…!」

理樹(ハンマーさえあれば直ぐだけどそう簡単にこの仮面を壊せそうな物は見つからない)

バウッ

佳奈多「何やってるのあなた…棗先輩のアナウンス聞いてなかったの?不審者が現れたそうなのに!」

理樹「そういう二木さんだってなんでここにいるのさ!?」

佳奈多「こういう時こそパトロールよ。大丈夫、いざという時のストレルカとヴェルカは並の大人より強いんだから」

理樹「違う…そうじゃないんだ!早く離れてよっ、僕の理性が保っている間にっっ」

佳奈多「はぁ?何言って…」

理樹「うぁぁああ!!」

理樹(例の痛みが来た。そういうことだったのか…最初から僕らの部屋に忍び込んだ人なんていなかった、僕だ…斎藤は……斎藤は僕だ!)

カポッ

斎藤「はりゃほれうまうー!」

佳奈多「キャッ!?」

ストレルカ「バウッ」

ガンッ

ストレルカ「キャンッ!」

佳奈多「ストレルカ!……早い…こんなあっさり素手でストレルカを倒すなんて…」

斎藤「……」

佳奈多「………こっちへ来る気ね」

「待てっ!!」

斎藤「……?」

恭介「俺が相手だ斎藤!」

佳奈多「棗先輩!?」

恭介「もっと早く気づくべきだったんだ…初めから仮面なんて1つしか無かったことを。理樹は操られていたんだ」

佳奈多「操られていた?」

恭介「そうだ、あの仮面は所有者を操っていたんだよ!信じられん話だがそうとしか思えねえ、何故真人や謙吾に不意打ち出来たのか…それは理樹が斎藤だったなら全て解決だ」

佳奈多「でも彼にそんなことは…」

恭介「分かっている。多分斎藤マスクのパワーを制御出来ず被った時だけ人格を乗っ取られたに違いない…。なんとかしてあの仮面を壊さなくては」

ヴェルカ「わふっ」

ガブッ

斎藤「!?」

佳奈多「ヴェルカ!」

恭介「よくやった!無力化は出来ずとも仮面を取るだけなら俺にも出来るっっ」

ガシッ

斎藤「うまうぅぅーっ!!」

スポッ

理樹「……」

パタン

佳奈多「直枝がっ!」

恭介「大丈夫だ、死にやしない。理樹を保健室へ連れていってやってくれ、俺はこれから謙吾を担がなければいけないからな」



2006年6月23日付
「学校新聞小さな記事抜粋…」

2週間前生徒2名が襲われた日ー用務員は5人の生徒が焼却炉横で奇怪な仮面を持ち出しハンマーで粉々にくだいたのを目撃したという

恭介「これにて一件落着だ!俺達だけの秘密だぜ」

謎の不審者との関連と犯罪の疑いがあるので目下学校側は捜査中である

「風紀委員活動記録より」

ー不審者を目撃した風紀委員長二木佳奈多は30代のパン屋のエプロンをしたくわえ煙草の男が裏庭に現れて去っていったと報告。事件の主犯と疑われるが未だ見つかっていない……



終わり

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