穂乃果「新しい光」 (17)

本ssは、以前完結した

穂乃果「μ'sがカップルだらけに」Ⅰ、Ⅱ
穂乃果「μ'sがカップルだらけに」 Ⅱ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398950725/http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1404655072/))

内で出来た組み合わせ、ツバほののその後を書いたものです。

ツバサは1学年上の設定で書いています。
後、アニメ後の話なので独自設定です。ご注意ください。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1413817700

 ――――――― 全身をジリジリと熱く照らす、照明

 ――――――― 誰よりも高く立っていられる、ステージ

 ――――――― 一面に広がる、人の海

 ――――――― 様々な色のサイリウムが彩る、光の絨毯

 ――――――― 鳴り止むことのない、歓声


私が…私たちが経験した"アレ"は、本当にあったんだろうか…
実は私が創り出した、妄想…幻…絵空事なんじゃ…
あんなにキラキラして、素敵な瞬間が実際にあったのかな

たまにやってくる、その不安を消す為に…
全てを確かめる為に…今日もまた、振り返る

いつものように録画した"それ"を再生して…

…あぁ、やっぱり…あれは、夢でも幻でもない…"現実"…だったんだ
何回も繰り返したこの作業…曖昧に、薄れつつあったキラキラがまた…鮮明になる

「私は…あそこに…いたんだ…」

画面の中の"世界"に引き込まれそうになったその時…

ふっ、と…視界が遮られ、暗闇が広がる


「また決勝の映像見てるー」

聞き覚えのある声が、耳に響く
温かな体温が、眼から伝わる
大好きな匂いが、鼻をくすぐる

体全体で…愛しいヒトの全てを、感じる

「えへへ、お帰りツバサちゃんっ!」

視界を遮っていた両手を掴んで降ろし、声の主へと振り返る

「お帰りじゃないわよ~…ただいまって言っても反応しないし!」

ふくれっ面で、私のほっぺたをつねる

「いひゃいいひゃい、ひょめんねヒュバヒャしゃん」

力の籠っていないつねりに、くすぐったさを感じながら精いっぱい謝る

「全く…最近こればっか見てない?」

「だって…本当にあの決勝のステージが現実だったか、幻だったか…分からなくなるんだもん」

「はぁ…間違いなくあったわよ…あーんなことされちゃうんだもん、幻にされちゃたまらないわ」

「あんなこと?」

「…ほら、あれよ」

ツバサちゃんが視線を画面に向ける
それに倣い、私も画面を向くと…

『これで、あなたたちが文句なしの日本一よ…はい』

『うん、ありがとう!』

『きゃっ!…ちょ、ちょっと…穂乃果!』

画面の中の私が、ツバサちゃんに抱きついていた…

「あっ…あ、あぁぁっ」

見る見る顔が熱くなるのが分かる…
久しぶりに、ここまで見てしまった…うぅ、いつもはこの前に止めるのに

「ねっ、間違いないでしょ」

「は、はい…間違い、ないです…」

「それじゃあ昔話は終わり!ほら、穂乃果座って」

「えっ、あ…うん」

私は促されるままに、ソファーに座る

「…よしっ、穂乃果の膝枕もーらいっ!」

「ひゃあぁっ!?も、もう…ツバサちゃんったら」

自分に突然掛かった重みに驚きながらも、無邪気に自分を求められことに喜びを感じる

「今日は、大学の授業だけだっけ」

「そっ…でも、ほとんど寝てたわ」

「えぇっ、それじゃあ単位とれないよ?!」

「大丈夫よ、私には英玲奈とあんじゅがいるし」

「くすくす…何か、私と海未ちゃん、ことりちゃんみたい」

「あら、でも私は穂乃果みたいに赤点なんてとらないわよ」

「むーっ…私だって最近は頑張ってるんだよー!イジワル言うツバサちゃんはこうだー!」

ツバサちゃんの髪を、ワシワシとする

「ちょっ、ちょっと穂乃果!」

「えへへ~、どうだ~」

横になりながら、止めようと必死に私の腕を掴もうと必死にバタバタするツバサちゃん…カワイイッ!

ツバサちゃんの手をスルスルと交わしながら、どんどん髪を乱していく
満足した所で、ツバサちゃんに腕を掴ませて私も手を止める

「ツーバーサーちゃん?」

「ふんっ!」

私は満足したけれど…ツバサちゃんは拗ねちゃったみたい

「ごめんね、ちょっとやり過ぎちゃったよ」

「えぇそうね、おかげでセットが崩れちゃったわ」

だって、ツバサちゃんが可愛かったからつい…

「ねぇ~ツバサちゃん、こっち向いてよ~」

「ふんだっ!穂乃果なんて知らないっ!」

ほっぺをツンツンしても、反応してくれない…
でも知らないなんて言いながら、私の膝枕から動こうとしないツバサちゃんがまた可愛くて…

このまま拗ねてるツバサちゃんを触るのも楽しそうだけど…やっぱり私も相手して欲しいわけで
もう、仕方ないなー…アレ、やっちゃいますか

ふっふっふ…こんな時の機嫌の取り方を、私は知っているのです!

「ツーバーサーちゃん、こっち向いて♪」

ツバサちゃんの頬に手を添え、力を入れ顔をこちらに向ける
そして…

「機嫌直してねっ!」

「な、何…むぐっ…」

無理やり姿勢を変えられ、不満そうなツバサちゃんの唇に私の唇を重ねる

暫しの静寂に、洩れる二人の吐息
ツバサちゃんの動きが収まるのを確認したら、静かに唇を離す

「ねっ、機嫌直して…お願い」

これで、ツバサちゃんは…


「…しょ、しょうがないわねー…もう、今日は寝かせないわよ」

ほら、もう大丈夫♪何か、予想以上の効果があったみたい

「えーっ…でも、明日朝からお仕事あるんじゃないの?」

何て、意地悪く言ってみる

「だ、大丈夫よ…英玲奈とあんじゅが、いるし」

「もー、またそれー?」

「わ、私たちは3人でA-RISEよ!私がダメでも、2人がフォローしてくれるわ!」

「それじゃあ、2人にこれからツバサさんとナニするか伝えとこうかな~」

携帯を手に取り、LINEを立ち上げようとすると…

「わーっ、分かったから!朝まではナシ!…その、1回だけ…ね」

急に気弱になるツバサさん…でも、するのは変わらないんだね
まぁ、私もしたかったしイイんだけどねっ♪


「分かった、それじゃあお風呂から入ろっか」

「えぇ、そうね!行きましょ」

ツバサちゃんに手を引かれ、ソファーから腰を上げる
私たちの時間が、始まる


μ'sとして手にした輝き…それはもう過去のモノだけど、消えることのない"永遠の思い出"
そして、新たに手に入れた輝き…それはこれからも続く、"永遠の物語"

これからも、私の…私たちのキラキラは、続く

短いですが、以上です。

9月の僕ラブでツバほの多かったので、これからも増えて欲しいものです。

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