依田芳乃「一諾千金のー」柊志乃「しのしの」工藤忍「相談箱!」 (53)



キャラ崩壊
オリ設定

あらすじ
【アイドルの抱える悩みはアイドル達で解決してみせる!だって!私たち!仲間だもんげ!】

前スレ
依田芳乃「合縁奇縁のー」柊志乃「しのしの」工藤忍「相談箱?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410927606/)


前回のハイライト

[子沢山]小早川紗枝




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412729038





芳乃「さて、始まりましてー、しのしの衆が一人、依田は芳乃でしてー」

志乃「同じくしのしのの一人、シノノン星人こと柊志乃よ...」

忍「......『しの』が名前に付くことでお馴染みの工藤忍だよ...」





芳乃「ふむーん、しのしの相談箱、早くも二回目の報告会となりますー、実にめでたいことでしてー」

忍「...わーい...やったねー...」

志乃「うふふ...もう忍ちゃんったら元気がないわよ?こういうのは切り替えていかなくちゃ...」

忍「でしたら志乃さんも、一回そのお酒を横に置いててください...」

志乃「これは一本取られたわ...それとも一杯食わされたのかしら?」

芳乃「何はともあれー、まずは一献注ぎましてー」

志乃「あらあら、ありがとう芳乃ちゃん......まずは一口」

忍「開始早々飲み会が始まるという一大事!!」






志乃「こちら、しのしの相談箱では主にアイドルたちの悩み事を年中無休で受付中よ...」



芳乃「そしてこの相談所の骨子というものはー、わたくしたちが行うのは『縁結び』であるということでしてー」



芳乃「つまりー、悩めるものがいるならばー、その方の悩みの解決にうってつけの人物をー、わたくしたちが引き合わせるということなのですー」


忍「そのうってつけの人物っていうのもアイドルから選ばれるよ」


志乃「自分一人の力で解決できない問題も二人ならもしかしたら......ということ。私たちはその二人目に最も適した子を紹介させてもらうわ」


芳乃「でしてー」






芳乃「それではしのしの相談箱の機構を皆様に改めて紹介しましてー、志乃どのー」

志乃「私が持っているのが通称『静の箱』、事務所のとある場所に設置されていて、ここに悩みを抱えたアイドルたちがその悩みを綴った手紙を投函していくの...」



芳乃「志乃どのにはー、主に静の箱の開帳を任せましてー、そして忍どのー」

忍「えーと、アタシが持ってるのが『動の箱』だよ。事前に『静の箱』の中に目を通した芳乃ちゃんが他のアイドルから聞いて回って、集めた悩みの解決案をまとめて収納してるの」


芳乃「そこにわたくしが蓄えたみなの玉稿はー、忍どのに吟味していただく流れでしてー」

忍「はーい、わかった...できれば真面目なお手紙が欲しいなぁ」





忍「それにしてもこうやって沢山の意見を集めて回るのって大変じゃない?」

志乃「確かに...芳乃ちゃんはおっとりしてる割に働き者というか...行動的なのね」

芳乃「ふむーん、お二人はー、大事なことをお忘れのようでしてー」

忍「うん?どう言う意味?」




芳乃「...わたくしはー、パッションでしてよー?」

忍「(なんだその根拠)」



志乃「わかるわ」

忍「!?」




芳乃「ではではー、本日一人目のお悩み相談でしてー」

志乃「一人目の相談者はこちら、PN【ショコラッティ・アッラー】さん」




芳乃「付け加えておきますとー、相談者に関してはー、例え如何様な偽名を用いようと必ず見つけ出しますのでー、悪しからずー」

忍「言い方が怖いよ」





志乃「さぁ、読んでいくわよ」

【皆さんこんにちは、三村かな子です】

忍「出とるっ!!本名出とるっ!!」



【今日もみんなを笑顔にするアイドル目指して幸せのお裾分けをしながら頑張ってます♪

そのアイドル活動のことと直接は関係がないのですが、私の悩みを相談させて下さい

私はお菓子作りが趣味で自分で作って食べたり他にもみんなに配ったりしてるんです

そのお菓子自体は自分でもいい出来だと思いますしアイドルのみんなやプロデューサーさんも美味しいって褒めてくれるのですが、

そのカロリーの方は決して無視できるものじゃないみたいで、体重の増加が気になることが多いんです。

特に私はよく味見をする方らしくて、これまでも体重計が怖くて上に乗れないこともありました

それで一度、お菓子作りを自重した時期があったのですがそれはそれで私らしくないと言われ、それからは砂糖や生クリームを心持ち減らして使うようにしていたのですが

そろそろ限界です。



     決壊します   】


忍「決壊するの!?」

志乃「まだ続きがあるんだから横槍を入れないの...めっ、よ...忍ちゃん」



【そこでトレーナーさんに体調管理について相談したところ、紆余曲折を経て『増えた分は運動で減らそう』という方針に決まりました。

しかし私が知りうる限りの運動、エクササイズの類で私が続けていけそうなものに心当たりがありません

そこで、どちらかというと運動が苦手な私でも続けていけるカロリー消費のためのエクササイズに心当たりがありましたら是非教えてください!!】






芳乃「ということでー、一人目のかな子どののお悩みはー【痩せられて続けられる運動】でしてー」

志乃「ふふ...決壊するか、痩せるか、ということね」

忍「なんなのその二択!?」

芳乃「そもそもー、簡単に続けられる程度の運動で痩せる訳ないのでしてー」

忍「それ言っちゃうの...?」





志乃「まぁまぁ...さぁ忍ちゃんの方もお手紙読んで頂戴ね」





忍「はーい、それじゃ、芳乃ちゃんが集めてきた解決案を読んでいくよ」




忍「一人目はPN【ボンバー】さんから」



【毎朝一緒に走りましょう!!まずはランニング10キロからです!!】



忍「ちょっと無理だね」

志乃「無理ね」

芳乃「継続どころかー、遂行自体危ぶまれるのでしてー」



忍「じゃあ二人目行くよ、【スクエアグラス】さんから」



【私たちにはアイドルとしてのレッスンという運動習慣があるが、それでも減らせないカロリーのための運動が必要なのだな

私が直々にいろいろ考えてみたぞ。


結論から言えば日常の中のさりげない動作でより多くカロリーを消費すればいい

というわけでショコラッティ・アッラーとやらはお菓子作りが趣味なようだからそれに合わせてみた。




重さ10キロのスプーンとフォーク、

同じく15キロのハンドミキサーに分量カップ、


どれから使う?見た目は普通と変わらないデザインだから安心していいぞ】



忍「何に安心したらいいの!?」


志乃「どんな素材で出来ているのかしら...」


芳乃「来週よりー、三村かな子修行編ー、開始でしてー」

忍「いや、少年漫画じゃないんだから...」




忍「普段使ってる物の重さが10キロ以上増えたら大変でしょ」

芳乃「御自身の体重なら増やせますのにー?」

忍「言い方がひどい...!」

芳乃「おほほー、冗句でしてー」




志乃「そうねぇ...スポーツ用品店のリストバンドウェイトとかならいいんじゃないかしら...あれは重いものなら1キロ位あるそうよ」

忍「へー、志乃さんそう言うのに興味ないのかと思ってた...」

志乃「やぁね、私もアイドルとしてレッスンはするんだからその手の知識がゼロなわけじゃないのよ?」

忍「はい、お見それしました」



志乃「それつながりでこんな言葉があるんだけれど知ってるかしら?」

忍「?」

志乃「酒は百薬の長といってね...」

忍「ワイン瓶ならこの企画が終わるまで返さないよ?」

志乃「いけず...」

芳乃「そもそもその言葉自体にはー、スポーツとつながりはないのでしてー」






忍「三人目【フリルドスクエアの刺し込み隊長】さんから」




忍「あのグループって戦闘部隊か何かなの...?アタシ知らないんだけど...」



【じゃあアタシと一緒にバトミントンしよっか!ってことで明日の三時に事務所近くの公園に集合ね♪】



志乃「相談に乗るどころか遊ぶ約束を取り付けているようだけど...」


忍「柚ちゃん...これメールじゃなくて手紙だよ...」



忍「四人目【ボンバー】さんから」


【ランニングが終わったらその次はご飯を山盛り食べましょう!】





忍「まさかの続き!!」

志乃「これ、減ったカロリーが戻りそうね」

芳乃「はれー?二通目でしてー?」

忍「まぁいっか、続き続き...」








五人目【ボンバー】さんから



【そして仕事の現場までダッシュです!!ボンバー!!】



忍「手紙一枚にまとめてくれないかなぁ...!」

志乃「芳乃ちゃん?」

芳乃「はれれー?」






__終了__




忍「じゃあ志乃さん二人目の相談者お願い」



志乃「さて、二人目の相談者はPN【波紋疾走】さんから」




【なんか漫画のネタが欲しいっス。原稿2、3ページ分でいいんで】




忍「知らねっす」

志乃「ここで匙を投げ出さないでちょうだい」

忍「だって一人目の悩みから深刻度の落差が酷いんだもん...」





芳乃「忍どのー、悩みを聞くというのはー、まずは親身になることから始めるものでしてー」

忍「あぁうん、まぁ...そうなんだけどさ...」

芳乃「所詮は他人事ー、とか言うのはー、めっ、でしてー」

忍「そこまでは言わないけど」

芳乃「まー、他人事ではあるのは事実でしてー」

忍「そっちが言うの!?」





志乃「まぁまぁ忍ちゃん、次はそっちのお手紙を読む番よ」

忍「じゃあはい!一人目!【鷹が来、飼えで】さんから」



【波紋疾走さんへ

十分ほど前に起きた面白かったことを書きますね。ネタに使ってくれると嬉しいです


ただ、今少し寝不足なので文章が変なとこがあったらごめんなさいね?】





【なにせ寝不足というだけあってネタりないので】




忍「やめていい?」

芳乃「だめでしてー」

志乃「これがあの子の平常運転よ、本題はまだ先なんだから」


忍「なんでわざわざ二枚目に繰り下げて書くんだよぅ...一枚目が2、3行で切れてるから何事かと思ったよぅ...ツッコミ切れないよこれ」






【夜遅くまで仕事があったんです。そのせいで帰りが遅くなったんですね


それで日付が変わる頃に帰宅したんですけども、もちろん家は真っ暗です


疲れていたのでシャワーを浴びて寝てしまおうと思ってたその時なんですよね


奥の方から「コトッ」って音がしたのは。ちゃんとは聞こえなかったんですけど、


最初、気のせいだと思ったんでそのままにしてシャワーを浴びたんです。

それで割と頭がすっきりしたんですけど、するとやっぱりさっきの音が気になるじゃないですか。


ほら、女性の一人暮らしは何かと物騒ですし




それで気のせいだといいなーって思いながら寝る前に部屋の奥の方を確かめたんですよ。



そしたら】




芳乃「......」

志乃「......」





【気のせいでした。良かったです】







忍「もう...おうちかえりたい......りんご農家になりたい...」

志乃「不退転の決意で地元を出てきた忍ちゃんとは思えないほどの弱音だわ」

芳乃「忍どのがついにツッコミを放棄しましてー」



忍「日焼け絵文字りんごのシールを貼りながら生きていきたい...」

志乃「心折れすぎよ、もっと真面目な手紙もきっとあるわよ...ね?」

芳乃「深夜の朦朧とした意識はー、稚拙な小咄をも傑作に変貌させるのでしてー」

志乃「あぁ、確か徹夜テンションとかいうのよね」

忍「睡眠が足りないんじゃなくてっ!アルコールが過多なんだよこれはっ!」

志乃「なるほど、鋭い指摘ね」

芳乃「おお、忍どのー、復活しましてー、嬉しい限りでしてー」





志乃「ところで芳乃ちゃん?どうやって酩酊状態のあの子に話を聴きに行ったの?」

芳乃「企業秘密でしてー、おほほー」




忍「じゃあ二人目読むよ...今度は真面目なの来てくれるといいなぁ...」

芳乃「ふむーん?わたくしは至って真面目でしてー?」

忍「......それはさて置き二人目【古さは紙縒り】さんから」




【なにやら物作りに詰まり、困っているようですが、そういったときはいつもと違う刺激を受け入れてみるのはどうでしょうか


いつもと違う場所に行き、いつもと違う書を嗜み、いつもと違う景色を楽しむ


何かの天啓を受け取れる、とはいかずともリフレッシュした気持ちにはなれると思いますよ?】


芳乃「ふむーん、心機一転とはー、良き考えでしてー」

忍「おお...!こういうのを待ってたんだよっ...ありがとうコヨリさん」




志乃「私たちのアイドルという仕事も日々新しいものとの出会いの連続だものね...」

芳乃「それではー、忍どのー」

忍「うんっ、次の三人目も読んじゃおうっ」



三人目【ボンバー】さんから



【ご飯のことを書きましょう!!!】



忍「何通出してるの!!?」

志乃「芳乃ちゃん、今回はどうも回答者が偏ってないかしら?」



芳乃「おほほー、なにせこの方はー、パッションでしてよー?」

忍「だからなんなのその根拠!?」





__終了__



芳乃「さてさてー、早くも本日三人目の相談者になりましてー」

忍「し、深刻な悩みと無縁すぎるよこの事務所...」

志乃「それはそれで...良いことじゃないかしら」



忍「でもせめて答える側くらいは真面目に書いて欲しいよ...下手にスルーできないし」

芳乃「珍奇な回答へのー、忍どののツッコミはー、見ごたえがありましてよー?」

忍「捨てちゃえそんな見ごたえ」









志乃「じゃあ三人目【今は、マキ○ンがない】さんから」




【スパイじゃなら私は一体なんなのかしら】





忍「スパイじゃなくてもアイドルだよ!!ア・イ・ド・ル!!」

志乃「脊髄反射でツッコミを入れてきたわね」

芳乃「ここぞという時を逃さない忍どのにー、惚れ惚れするのでしてー」








【私は諜報活動を趣味として日々、情報を集めていて、その種類は多岐にわたるわ


例を挙げると「きらりんぱわーの持続力」「木場真奈美の握力」「櫻井家の総資産」などなどよ


で、ここで問題が発生したのだけれど、その問題というのが集めた情報を使う場所がないのよ


一般的に想像できるスパイなら手に入れた情報を依頼主なり祖国なりに持ち帰るんだろうけど、

私のは趣味だからそんなものはないし


アイドルのレッスンに有効活用できそうな情報は悔しいことに私のものよりトレーナーさん達の持っているものの方が優秀なのは論を待たないし、


そういうわけで二枚目のリストに今まで私が集めた情報のリストがあるから有効活用できそうなものがあればより詳細なものをそちらに寄越すから連絡してもらえると嬉しいわ】







忍「二枚目ってこれかぁ...いろいろあるねぇ...」

志乃「そういえば前にアイドル同士の人間関係とスリーサイズとかの情報をこっそりのぞき見たとかでちひろさんに怒られてたわね」

芳乃「太古の昔よりー、人間の探求心に底はないのでしてー」







志乃「忍ちゃん、それでそっちにはどんな情報があるのかしら」


忍「えっと上から『鷺沢文香の蔵書数と既読本の内訳』...えっ、何この数...一日何冊読めばこれだけ...」

「あと『多田李衣菜のギター練習時間と学生としての成績の相関関係』......ん?練習時間が長いほど成績が上がってるのはなんでだろ...」


志乃「李衣菜ちゃん、そういえば練習中に他のことすると逆に集中できるんですよっ!...とか言ってたわね」


芳乃「ギターを放って勉強に逃げたということでしてー?」


志乃「勉強中に机の整理をし始める子がいるそうだけど......その逆かしら?」




忍「『今井加奈のメモ帳の消費量』『日野茜の突進力』『荒木比奈と成宮由愛の御用達の画材店』『オノマトペで表したときの市原仁奈の足音』......最後のはなんなの、ぽひぽひ...?」

芳乃「ほほー、なにやら趣のある項目が粒ぞろいでしてー」




志乃「あら、比奈ちゃんの画材...お仕事の増加に比例してどんどん高級なものになっているじゃないの」

忍「あー、ギャラが良くなったのかな...?」


芳乃「収入の不安定なこの業界でー、その贅沢がどこまで続くか見物でしてー」

忍「芳乃ちゃん!?」





芳乃「さて今回のお悩みー、非常に切迫したものからー、趣味の延長線上までー、三者三様選り取りみどりでしてー」


志乃「【適度なダイエット】【漫画のネタ】【無差別なビックデータの使い道】ね」


忍「そういえばかな子ちゃんの身体データみたいなのはなかったのかな?」

志乃「うーん、その手の身体データはトレーナーさん預かりみたいね」

忍「ふーん...で、芳乃ちゃん、またこの事務所奥の会議室にみんなを呼ぶの?」

芳乃「おほほー、このような埃っぽい場所にでしてー?忍どのは冗談がお好きでしてー」

忍「前回ガッツリ呼んでたけど!?」

志乃「まぁ、来たのは紗枝ちゃんと李衣菜ちゃんの二人だけだったけどね」



芳乃「まーまー、前のは栄えある一回目ということでー、わたくしもやや昂ぶってましてー」

志乃「それに...あの時は打ち合わせくらいしかしてないものね」

忍「そういえばそうだったような......というか昂るって何なの...」


芳乃「てへー」

忍「照れ隠し?」

芳乃「ぺろー」

忍「なんで二回に分けたの?」




志乃「ということは今回はこっちから相談者さんのところへ出向くのかしら...」

芳乃「ふむーん、概ねそうでしてー、ただより正鵠を得た物言いをしますとー...」


prrrrrrr


忍「?...電話?」

p!


芳乃「はいー、もしでしてー、はいー、かな子どのー、相分かりましてー、しのしの衆一同ー、おっとり刀で駆けつけますゆえー」


p!


芳乃「とゆーふうにー、今回は時が来ればわたくしたちが呼ばれる運びとなっておりましてー、参りましょうかー」


志乃「あらそうなの...今度は何をするのかしら、楽しみね...」





忍「(芳乃ちゃん携帯電話持ってたんだ)」

芳乃「(うさみん電波ー、ピピピー、というのもわたくしには可能でしてー)」

忍「(こいつ脳内に直接...!)」






芳乃「というわけでわたくしたちは今ー、事務所の中に設置されておりますー、こじんまりとした台所にいるのでしてー」




三村かな子「きょ、今日はよろしくお願いしますっ!」

志乃「この平たく伸ばされているのは......焼く前のクッキーかしら」

かな子「はい!いつもと違う味付けに挑戦しようと思いまして!」




忍「へー、クッキー生地って結構おっきいんだね...これ」

芳乃「一人で食べる分には多いのでしてー」

かな子「うん、出来たら今事務所にいるみんなで分けようと思って」





志乃「それは嬉しいわね...いいおつまみになりそう」

忍「またワインですか....」

芳乃「しかし相談に来るぐらいなのですからー、分けると言いながら人一倍食べているんでしょー?」

忍「芳乃ちゃんもう黙ってて」

芳乃「食ラ・ティアラ、でしてー」

かな子「え?はい?」

忍「芳乃ちゃん」





かな子「それで今日みなさんが来たってことは私の相談のことでしょうか?」

芳乃「そうでしてー」

志乃「確か、続けやすい運動だったわね...具体的に何をするのかは私も知らないけど」

忍「最後は芳乃ちゃんがいつの間にか段取りしちゃうからね...」



かな子「...それで、一体どんなことをするんでしょうか...」

芳乃「そう焦らずともー、まずは目の前の菓子でしてー、わたくしたちもお手伝いするので焼いてしまいましてー」

忍「うん?食べる量減らしたりとかじゃないんだ」

志乃「そういうのはトレーナーの仕事なんでしょうね、私たちが任されたのは飽くまでダイエット法だもの」

忍「あー、そっか」 




かな子「...?...でもせっかくなので皆さんでこっちのクッキー生地を型抜きしていきましょう!」

忍「はーい、えっと型抜きって星とかハート形に切り取るやつだよね」

かな子「はい、この中から好きな形のを使ってくださいね」




忍「うわぁ...スゴイいっぱいある、ネコにウサギにイルカに......この瓢箪みたいなのは?」

かな子「あぁ、それは確か...ぴ、ぴにゃこら太?とかいう生き物だそうです」

忍「......こんなところにもあのブサイクの影が...穂乃香ちゃんに作ってあげようっと」

かな子「?」





忍「二人はどの型を使うの?」

志乃「んー、そうねぇ...じゃあ私はワイングラスの淵で型抜きしましょうか」

芳乃「わたくしは法螺貝を使いましてー」




忍「こらこらダメだよ二人とも、折角かな子さんが用意してくれたのがあるんだからそっち使わなきゃ」

かな子「あの...指摘するところはそこじゃないと思います...」






かな子「オーブンから出して、と...できました!クッキーです♪」

芳乃「おおー、いい香りでしてー」

志乃「随分たくさんできたのね」

忍「こうしてたくさん並んでるのを見ると壮観だなぁ...クッキーになってもぴにゃはブサイクだけど」



芳乃「さてさて、それではわたくしたちも動くとしましてー」




かな子「?...あっ、ダイエットの話ですか?」

芳乃「さようー、まずはー、こちらの小鉢にかな子どのの分を分けるのでしてー」

忍「?かな子さんの分のクッキーだけ別の皿に余けた?」

志乃「皿というかお酒のおつまみでも入れてそうな小さい鉢ね」

芳乃「かな子どのはこれぐらいでしてー?」




かな子「あぁうん...十枚ちょっとかな、いつもはついついいっぱい食べちゃうから、そっか!こうやって最初から取り分を決めておけば食べ過ぎることもないね!」

芳乃「はいー?......まぁー、そういった考えもなくもないのでしてー」

忍「何するんだろ...」



芳乃「鉢を拝借ー、それではかな子どのー、参りましょうかー」

かな子「え?え?行くって....」




志乃「芳乃ちゃん...次はどこに行くのかしら」


芳乃「答えは自ずと明らかになるのでありましてー、マキノどのー」


ガラッ



八神マキノ「ここに居るわよ」

忍「マキノさん...?」



日野茜「ボンッバーーーーーー!!!私もいますよーーー!!」




志乃「運動...ダイエット...茜ちゃん...あらあら、これは...」

忍「これは...やっぱり最後はパッションが締めるんだね」

芳乃「ふむーん、何やら察したかのようなお顔をされておりましてー?」





茜「?...なんでしょう!?私何かしましたか!!?」

マキノ「茜さんといえば...ということなんでしょう」

茜「はい!!?」

マキノ「もう少し声のボリュームを抑えてくれない?」

茜「はい!!!」




忍「あー、これは茜ちゃんと運動する流れかな」

かな子「え......」

志乃「まぁまぁ、これが今回の解決法なのでしょう、かな子ちゃん?行きましょうか」

かな子「えぇ...?」




茜「よくわかりませんが行きましょうか!!」

芳乃「茜どのはこちらのお鉢をもって欲しいのでしてー」

茜「はい!!クッキーですね!食べていいですか!!」

かな子「そっちのはだめぇ!」





芳乃「さてみなさまの悩みを解決すべくー、お次は外に出向きましょー」

一旦中断

今日中に最終更新します

あと前スレは読まなくても大丈夫です

でも読んでくれると嬉しいです

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~





荒木比奈「あの、相談の件って言われてきたんスけど...どういう状況なんスかこれ、なんで河川敷なんスか?」

茜「なんでしょう!!?」

かな子「えっと、運動着に着替えてきたんですけど...これって、タ、タイヤですか...?」




比奈「と言いまスか、相談役って忍ちゃん達だったんスね、知らなかったっス」

忍「あれ?そうなの?」





志乃「それにしても......運動しやすそうな河川敷にタイヤねぇ」


忍「タイヤ引いて走るってこと?かな子さんには難しいんじゃないかな...」


かな子「た、タイヤ引くんですか!?そんなの無理ですよ!?」




芳乃「ではではー、こちらのお鉢を比奈どのに持たせましてー」

比奈「おぉ?はいッス」




芳乃「茜どのにはー、こちらのタイヤを腰に結わえ付けましてー」

茜「おおっ!燃えますねっ!青春ですね!!」

忍「あー、やっぱり茜ちゃんの方か」









芳乃「そしてー、タイヤの上に比奈どのを載せましてー」





比奈「スぇっ?」




茜「おおっ!!?訓練ハードモードですか!!?」

かな子「クッキーは!?」

マキノ「まぁ、見てなさい、すぐわかるから...」




忍「え、えぇ...嫌な予感しかしない」



芳乃「比奈どのー、決してお鉢を手放さぬようー」

比奈「あ、あの...これタイヤの上というか...いつの間にか茜ちゃんとロープで繋がってるんスけ...」

芳乃「では茜どのー、ぼんばーでしてー」

茜「わかりました!!ボンバーーー!!!」



ズダダダダダダダダダダダダダ



比奈「ちょっ、待ぁああううぅええぇえええええええぇぇぇ...!!?」





忍「行っちゃった...」

志乃「タイヤと、比奈ちゃんまで引きずってるわ......あ、なんとかタイヤの上に座ったわね」

かな子「......あの、」

芳乃「さぁ、クッキーを追うのでしてー」

かな子「はい!?」

忍「えっ...そのための鉢?」




かな子「ど、どうしてわざわざ...比奈さんに_」

芳乃「早くしないと比奈どのが食べてしまいましてー?」

かな子「行ってきます!」

忍「理解よりも食欲が先行したっ!?」



数分後





茜「ぜえっ、ぜえっ、いいですね!青春ですね!ボンッバーー!!」



かな子「ふぅ、ふぅ......お、追いつきそうで、追いつかなっ...!」



比奈「...タイヤの上に座りっぱなしで腰が痛くなってきたっス...」







マキノ「ふむ、五分以上走っても茜さんとかな子さんの差は広がりも縮まりもしないまま...」


忍「ん?そういえばそうだね。タイヤとか比奈さんの重さのせいかな」

芳乃「どうでしてー?情報から導いた計算通りにいきましてー?」

マキノ「えぇ、ばっちりよ...」

志乃「あぁ、そういう...」

忍「...?」







マキノ「ええ、”日野茜にどれくらい重りを付ければ三村かな子と同じ速度になるか”検証抜き、私の集めた情報だけを元手に机上
で答えを出すのは楽しかったわ」


忍「...努力する方向が迷走してない!?」


マキノ「何を言うの...しっかり役に立っているじゃない、見なさいあの力尽きて倒れない範囲ギリギリで走るかな子さんを」





かな子「はぁっ、はぁっ!あとちょっとで手がっ、届くっ!ク、クッキー...!」

茜「ボンバーーータイヤ引き!!」




忍「た、確かに...あとちょっとで手が届くぐらいの距離を保ってるから、かな子さんも止まらずに走り続けられてるね」


志乃「普通の茜ちゃんをかな子ちゃんが追いかけると、どうしても差が開きすぎて途中で諦めてしまうかもだけど...」


マキノ「私が計算で出した重量をタイヤと比奈さんその他の筋トレ用の手足用の重りで再現すればご覧の通りよ」


忍「そこまで色々考えてたんだ......確かにキュートの子って私も含めて運動が得意ってわけでもないからねー」



茜「はいはいはーい!かな子さん!あとちょっとですよ!追いついてみてくださーい!!」


比奈「お尻が痛くなってきたッス...」


かな子「ぜぇ、はぁ...あ、あと少し...!(比奈さんは目の前なのに届かない!)」


茜「青春バンザーーーイ!!」








志乃「茜ちゃんが力強いのか、かな子ちゃんが遅いのか...悩みどころね」

忍「......かな子さん...いやなんでもない」

芳乃「まるで目の前に人参をぶら下げられた馬のようでしてー」

忍「言いおった...」




志乃「ところで芳乃ちゃん、これって比奈ちゃんの相談内容は解決できているのかしら?」

芳乃「ふむー?」

忍「んん...クッキーの入った容器をもって、タイヤに座って河川敷を延々引きずられていくってのは漫画のネタになるのかな...」


芳乃「それについてですがー......」

「忍どのー、欧陽脩という方をご存知でしてー?」


忍「なに?...お、おうようしゅう?中国人...?」




芳乃「しかりー、この方は文章を書く上で肝要なものに”三上”という言葉を残しておりましてー」

「つまりー、馬上、厠上、枕上の三つの場において人は優れた考えを得ることができるということでしてー」

志乃「馬の上、厠の上、枕の上......つまり馬に乗っている時とトイレにいるとき、そして寝ているときにいいアイデアが浮かぶ...ということね」




忍「えっと、それってほんとなの?」

マキノ「あながち間違った情報でもないわよ?人は寝ている間に脳の中で思考を整理すると言われているし、お風呂でリラックスすることが考えをまとめることに繋がる可能性もある」

芳乃「しかりー、馬上、つまり今で言うところの乗り物に乗っている合間にもー、天啓は訪れ得るのでしてー」



忍「へー...ということは今、比奈さんは」

志乃「一応茜ちゃんの引くタイヤが乗り物、馬ということかしら」

芳乃「さようー、あとは比奈どの次第でしてー」





忍「......馬ねぇ...」

芳乃「さながら餌を追う駑馬と、駿馬でしてー」

忍「言いおった...」





ズダダダダダダダダダダダダダダ!!




比奈「(これいつまで続くスかねぇ...)」

「(お尻も痺れてきたッス、タイヤの癖に全然柔っこくないッス)」



かな子「ひ、比奈さんっ...ま、待ってくださぁい...」


比奈「いえ...走ってるのは茜ちゃんなんで...」


茜「まだまだ行きますよぉーーー!!!」





比奈「(クッキーの入った鉢を持って...どういうシュームレアリズムっスか、これ)」

「(あぁ、お空がきれいッス...日が暮れるのも早くなったっスね~)」





ボンバーーー!

ま、待ってくださーい!



比奈「(かな子ちゃん、追いつきそうで追いつかないっスねぇ...クッキーもうみんな割れちゃってるんスけど...)」





「(というか......)」






かな子「はぁ、はぁ...あとちょっと、なのに...!」



比奈「(届きそうなのに)」


「(...絶対に届かない、そんな距離で四苦八苦してるかな子ちゃんを間近で見てると...)」



「(なんスかねぇ......かわいいとは違うんスけど...)」



「(エサが欲しくて必死にじゃれつく子犬というか、なんというか......)」



「(棚の上に登ろうとして失敗し続ける子猫を見てる気分というか...)」




「(......なんだか...このかな子ちゃんを見てると...いじましいというか...)」










比奈「ゾクゾクしてきたっス......!」

かな子「!?」
















志乃「あら......?」

忍「どうしたんですか?」

志乃「なにかしら。礼子の......サドスイッチの入った時と同じ気配が...」

忍「サドスイッチ...?」






比奈「ほらほらかな子ちゃーん、早くしないと食べちゃうッスよ~?」

かな子「ひ、比奈さん...?」

比奈「ぱくー......これマジうまいっスねー」

かな子「比奈さぁあん!!?」

茜「まだまだ行きますよぉー!!」






芳乃「おほほー、せーしゅんでしてー」




__終了__


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



芳乃「今回のまとめでしてー」


志乃「あのあと...走るかな子ちゃんの眼前数センチで比奈ちゃんがクッキーを食べ切るまで続いたわ」

芳乃「さも美味しそうに食べておりましてー」

忍「あんな悪そうな顔した比奈さん見たことないんだけど......」




芳乃「なにやらー、新たな境地に達したようでしてー、それが創作に役立つようなら幸いでしてー」

忍「それ目覚めちゃダメなやつだよ......時子様とかの領域だよ...」



志乃「結果としてかな子ちゃんは虚ろな目で二十分間走りきった後、空っぽのお鉢を抱えて立ちすくんでたわ...」

芳乃「さながら托鉢のごときでしてー」

忍「......その言い方はダメだって」






芳乃「比奈どのはー、満足そうに帰宅なさったようでー」


忍「『これが新しい世界ッスか...』って言ってたのが不安で仕方ないんだけど」


志乃「女子寮にこもって絶賛執筆中だそうよ...由里子ちゃんから報告があったわ」



志乃「マキノちゃんの方はビッグデータの意外な使い道というものを模索しているそうよ」


芳乃「集めた情報の使い道はー、千差万別でしてー、つまり人それぞれということでしてー」

忍「具体的にはどんなことしてるの?」

志乃「えっと今算出してるのは......『北川真尋が天井を走るのに必要な脚力を得るためのレッスン内容』ね」

忍「...無謀すぎる......!」





志乃「ちなみに...後日、新しい世界とやらに目覚めた比奈ちゃんが筆の走るままに描いたという読み切り短編、


『転校生は2トントラック』は彼女のツイッター上で期間限定公開中よ


遅刻しそうになった主人公の高校生男子が曲がり角で食パンを運搬していたトラックとぶつかり、


そのあと法定速度や優先道路なんかのことで弁護士を挟んで揉めながらも恋に落ちていくというラブストーリーだとか


クライマックスでは、

パンクしたトラックの元へと腰につないだスペアのタイヤを引いて河川敷を走る主人公の姿が涙を誘うそうよ」




忍「アタシは一体何からツッコメばいいの!?」






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

後日




喜多見柚「ぐさぁーっ!」

綾瀬穂乃香「ぴにゃこら太ーーー!」






忍「食べ物で遊んじゃダメだよー」

桃井あずき「ねぇねぇちゃん!クッキーありがとうねっ」



忍「作ったのはほとんどかな子さんだけどね」

あずき「そうなんだー♪でもあのブサイク型クッキーなんて粋なことするね!ぴにゃクッキー大作戦だねっ」



忍「う~ん、粋かなぁ...?でもほら、あのブサイクにしたせいで...」




穂乃香「はぅ...おいしそうです...なのに可愛くて食べられません...」

柚「横からぱくーっ!!」

穂乃香「ぴにゃこら太ーーー!」




あずき「柚ちゃんがイキイキしてるねっ?」

忍「ある意味、穂乃香ちゃんもね...」




柚「フォークでぐさぁー!」

穂乃香「ぴにゃこら太ー!」


柚「ぴにゃの頭から、ぱくーっ!」

穂乃香「......食べ物で遊んじゃいけませんよ?」

柚「にゅっ!?」









柚「ごちそーさまっ!」

あずき「美味しかったよ!」

穂乃香「忍さん、ありがとうございました。かな子さんにもお礼を言っておいてください」

忍「うん、満足してくれたみたいでアタシも嬉しいよ...」



穂乃香「そういえば、ふと気になったんですけど...どういう成行きでかな子さんとぴにゃこら太を作ることになったんですか?」

あずき「わざわざぴにゃを作ったわけじゃないと思うけど...」

柚「穂乃香ちゃんにとってはあのクッキーもぴにゃなのカモ」

忍「えっとそれは...相談に乗ったというか」

穂乃香「相談、ですか?」




あずき「それに忍ちゃん、ここんとこたまにどっかにいなくなるよね?」

柚「そーなの?」

忍「あーそれね、っていうか柚ちゃんは知ってるんじゃ___」




(柚どのはー、わたくしたちが相談役とは知らないのでしてー)




忍「!?」

柚「...どったの?」




(いまわたくしはー、忍どのの頭に直接話しかけておりましてー)

忍「(なにその能力!?)」




(悩み事とはー、容易には明かせないものでしてー、つまりわたくしたちが相談に応じているという事実はー、みだりに露見させるべからずですー)

忍「(そういや比奈さんは知らなかったっぽいね...)」



あずき「忍ちゃん?」

穂乃香「何やら一人で思案顔をされているようですが...」



(ではでは忍どのー、わたくしたちのことは是非ともご内密にー)

忍「(はーい......わかったよ...)」



(一諾千金...しかと取り付けた約束の価値は計り知れないのでしてー、破るのはー、やぁでしてよー?)

忍「(一諾千金ねぇ、ところで芳乃ちゃんって一体何者......?)」





柚「...忍チャン、電波を受信したナナチャンみたいな顔してるカモ」

穂乃香「なんですかそれは...」

あずき「まさか、菜々さんによるウサミン増殖大作戦!?」






(おやー、ご存知ないのですかー?)


忍「(なにをさ)」








(わたくしはパッションでしてよー?)









だからなんなのその根拠はーーー!!



忍ちゃんいきなりどうしたの!?なにかの作戦!?



...忍チャンも元気だねー...あ、ぴにゃ一枚残ってた...穂乃香チャン!はい、あーん!



え、え?...あ、あーん...は、恥ずかしいし、かわいくて食べられません...!








芳乃「おほほー」



以上、終了

モデルほたるちゃんはなんとか2枚引けました

会話だけだと物足りないから挿絵でも入れようかと思ったけど止めた

お読みいただきありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom