コナン「えっ…元太の背中にファスナーが付いてた?」 (25)


コナン「えっ…元太の背中にファスナーが付いてた?」

歩美「うん…」

灰原「吉田さん」

灰原「ゴミか何かと見間違えたんじゃないの?」

歩美「ううん、違うよ哀ちゃん」

歩美「だって歩美…」

歩美「確かに見たもん!」

__

歩美「あれ、元太くん」

歩美「こんなところにファスナーが付いてるよ?」サッ

元太「…!」

元太「さ、触んな!」ドスッ

歩美「きゃ」バタッ

歩美「い…いたた…」

元太「わ、わりぃ歩美」

元太「大丈夫か?」

歩美「元太くん…?」

元太「はは…ちょっとびっくりしちまってよ…」
__


コナン「そんなことが?」

歩美「うん」

灰原「小嶋くんがそこまで慌てるなんて珍しいわね」

コナン「…」

コナン「確かめてみる必要があるな」

コナン「歩美ちゃん、元太がどこにいるか分かる?」

歩美「さっき図書館で絵本読んでたよ」

コナン「よし、俺たちも行ってみよう!」


コナン「お、いたいた」

コナン「歩美ちゃん」

コナン「ファスナーって背中のどの辺に付いてたの?」

歩美「Tシャツとズボンの間の、少し肉が出てるところ」

歩美「体の左側の方だよ」

コナン「わかった」


コナン「あいつの後ろから回り込んで確認してくるぜ」

コナン「おめーらはここでちょっと待ってろ」

歩美「うん」灰原「ええ」


ソーッ

コナン(左側の方だったな)

コナン(どこだ…)

コナン(…)

コナン(こ、これは…)

コナン(YKK!!)


灰原「どうだったの?」

コナン「ああ、間違いねえ」

コナン「褐色に塗られていたが、あれは正真正銘ファスナーだ」

灰原「でも、そんなことって…」

コナン「実は俺も元太について怪しいと思ってたことがあったんだ」

コナン「歩美、灰原」

コナン「協力してくれねえか」

灰原・歩美「」コクッ

__

灰原「」ゴホッ

灰原「え、江戸川くん!」

灰原「今なんて…!?」

元太(ん…何だ?)

コナン「さ、佐藤刑事が…」

コナン「事件に巻き込まれたみたいなんだ!」

元太(…!)

歩美「えー」

歩美「それは大変だねー」

元太「」タッタッ


コナン「おい元太!」

元太「」ビクッ

元太「な…なんだよコナン?」

コナン「そんなに急いでどこ行くんだよ?」

元太「と…トイレだよ!」

元太「やべえ、漏れる!」タッタッ

コナン「…」

コナン「よし、追うぞ!」

プルルルプルルル

佐藤「はい、もしもし」

元太「さ、佐藤さん!無事なんですか!」

元太「今どこに!?」

佐藤「えっ、何よ急に?」

佐藤「家でテレビを見ていたところだけど」

元太「…へ?」

佐藤「一体何なのかしら?高木くん」

元太「あ、あれ…事件に巻き込まれたんじゃ?」


佐藤「はあ?何とぼけたこと言ってるの」

佐藤「今日は有給取って家でくつろいでいたところよ」

佐藤「もうっ、休みの日くらい静かに過ごさせてよね」

元太「はい…すみません」

佐藤「それじゃ切るわよ」

プツッ

元太(…)

元太(あれれ…おかしいなあ)

元太(確かに佐藤刑事って聞こえたはずなんだけど…)


元太(まあ無事でよかった…)ホッ

バンッ

元太(…!)

元太「こ、コナン君!」

元太(あ…しまった)

元太「こ、コナン…」

コナン「なあ元太」

コナン「旧校舎のトイレまで来て何してたんだ?」

元太「それに歩美と灰原もいるじゃねえか…」

元太「ここ男子トイレだぞ…?」


灰原「話をそらさないで」

元太「…」

元太「別に何もしてねえよ…」

コナン「さっきの会話、全部聞いてたんだよ!」ガシッ

元太「や、やめろよ!コナン」

元太「そこに触るな!」

ビリッ

ビリビリビリビリ

歩美「…!」灰原「……」


高木「や、やあ」ヒョコ

高木「コナンくんじゃないかい…」

高木「それに歩美ちゃんと灰原さんまで…」

歩美「…」

灰原「見苦しいわよ」

高木「…」

高木「わかったよ…全て話すよ」

__

コナン「もう一度小学生に戻ってみたかった?」

高木「うん…」

灰原「それだけの理由で今まで小学生に成り済ましていたの?」

高木「初めはすぐに転校でもして、やめるつもりだったんだよ」

高木「でも、君たちとあんなに仲良くなれて…やめれなくなったというか…」

灰原「はぁ」

灰原「刑事の名が聞いて呆れるわね」

高木「みんな…本当にごめん!」

高木「元太くんは今日で…」

高木「少年探偵団を卒業するよ…」


コナン「バーロー!」

コナン「何言ってんだよ」

高木「え?」

歩美「私たち少年探偵団は、この先ずーーーーっと友だちだよ?」

高木「あ、歩美…」ウルッ

コナン「元太!」

コナン「卒業するときはみんな一緒だぜ!」

高木「コナン…」ウルウル

高木「お、おう!」

__

カチャカチャカチャカチャ

高木「おい!コナン!」

高木「このボスどうやって倒すんだよ?」

コナン「またかよ?元太」

コナン「ったく、しょうがねえな」


あれ以来、元太は俺たちに以前より心を開いてくれるようになった


高木「おい!歩美!」

高木「うな重まだ半分残ってるぜ?」

歩美「もうお腹いっぱーい」

歩美「元太くん、歩美の分も食べる?」

高木「いいのかよ!?」

高木「それじゃもらうぜ!」

ガツガツガツガツ

高木「うな重うめーーーー!!」ビュルビュル


他の大人が居なければ、高木刑事の姿の時でも、
同級生のようにフレンドリーに接してくれる

少年探偵団の一員として活動する一方で、
刑事としても第一線で活躍しているみたいだ


佐藤「今回の相手は手強いわね…」

佐藤「気を引き締めて行くわよ、高木くん」

高木「了解です!佐藤さん!」


もちろん佐藤刑事と共にね

 『真実はいつもひとつ』
 俺は探偵を目指しはじめた頃から、ずっとこう信じてきた


高木「おい!コナン!」

高木「サッカー行こうぜ!」


 でも、あいつが


コナン「おう!」


 元太が教えてくれたんだ


コナン「今行くぜ!元太!」


 『たまには真実がふたつ在ってもいいんじゃないか』
 ってな


高木「おい!灰b

灰原「私に話しかけないで、二度と」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月24日 (火) 02:53:23   ID: MPxuuILW

おもしろかった

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