.hack//×SAO -クロスフラグメント- (1000)

・このssはPS2ソフト.hack//と、
PS Vitaのゲーム「SAO-ホロウフラグメント-」のクロスssです

・SAOの原作は全く読んでいない者ですが、
深くはツッコまないで頂けると幸いです(アニメは視聴し、世界観は大体把握)

・基本はゲーム、ホロウフラグメントの世界観ですので、
75層の後も続いたら・・というIF(もしも・・)が基盤になっています

・クロスが苦手な方は避けるのが無難ですのでお気を付け下さい
また、ゲームのIF設定なんか認めん!と言う方も避けるのが無難です

・多少オリジナル設定を組み込みますのでご理解ください
大体週2回ほどの更新を予定してます
それでもよろしければ、どうぞ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1412524197

序章

人間とはいつの時代も気ままで、勝手な生き物だ。
そして、自己顕示欲が強く欲望に忠実。
端的に言えば醜い。愚かと称する事も出来る。

他の昆虫や爬虫類、哺乳類等諸々の生物は生きる事が全てだ。
そして生命を、次代に繋ぐことが生きる目的と言って良い。
だが人間だけは違う。


脳が発達したがゆえに、感情が豊かになったがために、
ほんの一瞬の感情に身を任せてしまう。
そして犯罪を起こしたりしてしまう。何もかも自分のためにしてしまう。

ようは世界で最も危険な生き物。

でもそんな人間ばかりではないのも事実。
もしそうなら世界はもっと混乱していたに違いない。


人間はきっと、こう考えてしまう者が殆どだろう。
自分達人間こそ、世界の中心となる存在だ、と・・。

確かに人間ほど発展を遂げた生物もそうはいない。
時代を遡れば、陸に初めて上がった生物も充分発展したと言えるけれど・・。


人間ほど恐ろしい生物は多分いない。
でも、人間ほど興味深い生物もそういない。

当の人間は人間以外の生物に興味を持つ事が多いけれど・・。
私は違う。


私は人間に興味を持った。多分必然だったのだろう。
知らなければならないという義務ではなく、自然と興味を持った。
誰かに敷かれたレールの上を走っている訳ではない。
どうするかは私次第だ。

私は情報処理も情報分析も得意な方。
と、同時に探究心も旺盛。

多少子供っぽいかもしれない。でも、今の自分は割と気にいっている。
そんな自分にしてくれた彼らには感謝している。

私は私を育てた母と和解出来なかったから、父の方が近寄りやすかった。
でも、生前の父の記憶は殆ど無い。

人間は時折、過去の自分を思い出す懐古主義と言うものがあるらしい。
では、私の過去は・・?




第1章


ピロォン

PCの電源を入れ少し経つと、軽快なメールの着信音が響き、
1件の未読メールがあります、という表示が見えた。

しまった、前に消す際、音を入れっぱなしだったかな。
今度からは消音にしないと。

そう思ったのは何度目だろうか。
実はこの音は結構お気に入りで、止めなければと思いながらも止めていないんだ。

以前はしょっちゅうメールが来ていたけど、
ある時期から収まりが見えた。
多分12月25日を境に、メールの連続は落ち着いた。

誤解しないで欲しいけれど、別に色恋沙汰のメールがあったとかじゃないよ?
そんな暇無かったし。緊急事態ではあったけどね・・。

とにかく僕は新着メールを開けた。着信時間と開いた時間はそう空いていなかった。
予想していた人物とは違ったけれど、知り合いではある。

彼女からなんて珍しい。
彼女にしては少し長いメールを読むと、僕は久しぶりに溜息を吐いた。
この溜息はうんざりした、とかの類ではなく、
これは覚悟しておかないといけないな、と言う意味の一呼吸だ。


いやいや、もう前みたいな厄介ごとは無いはずなのだけれど・・。
でも初めてあの世界に入った時のような、
1種のワクワク感が芽生えてきた気がするのも事実。

僕はFMD(フェイスマウンドディスプレイ)を被ると、
ネットの世界にログインした。

そう、The Worldへと・・。


西暦2011年初頭



The Worldはネットゲームだ。
直訳のせいもあって、よくこの『世界』なんて言われ方もある。
単純にこのゲーム、と言う人も多いけれど、
慣れ親しんできた人は『世界』と言う人が多い。

ゲームと単純に言うと悪いのかな。
正式に言うとMMORPGらしいんだけど。
訳すと多人数型オンライン・ロール・プレイングゲームだったかな。

とにかく、現実の人がPC(プレイヤーキャラクター)を操って、
モンスター倒して、アイテム入手してトレードして・・。
自分の近くにいない人と交流するゲーム。
言ってしまえば北海道の人が、九州の人とさえも交流を持てるってわけだ。
僕の知り合いには海外の人もいるから、すでに世界中でいいのかな。


楽しみ方は人それぞれだけど、どうやっても誰かしらと交流を持たないと
ここでは何をやるにしても不便だろう。
引っ込み思案で交流を持つのが下手、だから始めた。
っていう知り合いもまた僕にはいて、今では少し改善したとか・・。
だから苦労する人もきっと大丈夫だろう(と、思いたい)。

この世界では全ての人が祝福されるのだから、
なんて言葉は誰かの受け売りだけど。


「ここはマク・アヌか・・」
初心者なら必ずここにログインする、Δサーバー、マク・アヌ。
ここのBGMを聞くと、The Worldに来たなっていうのを実感する。
イタリアのベネチアとかを基にしてる町だっけ?
水の流れる音が聞こえ、大きな橋とチラッとだけどボートが見える。

ここにログインするのは、1週間は空いたかな?
まあ丁度良いや。ここからなら先程出来た目的地に行ける。


「えっと、Δサーバー・・」

「あ、久しぶりじゃない!」

「お~い(^o^)」
僕が目的地に行こうと転送装置、カオスゲートを使おうとしたら声をかけられた。
しかも2人。ただ誰なのかは、見えるテキストと声で多少想像がついた。

「やあ、ブラックローズにミストラル」

ブラックローズ「やあ、じゃないわよ。ログインするなら、
連絡くらいくれてもいいじゃない」

ミストラル「にゃはは、そうカリカリしないの~」
2人はあの頃と変わらず仲が良さそうに会話していた。
あの頃と言っても、1ヶ月以内の話だけどね。


ブラックローズ「ホント、あんたはそういうとこ緩いわよね~」

少々呆れたように言うのはブラックローズ。
この世界では両手剣使いだ。性別は女。
気が強いけど怖がるものはお化けとか、普通の女の子。
両手剣使いだから物理攻撃力は高い方だ。
僕を引っ張ってくれる、色々と積極的な人。リアルではテニス部。


ミストラル「まあまあ、そんな簡単に人は変わらないって(^^)」

テキストに顔文字を使いがちなのは、ミストラル。
呪紋使いという少し特殊な職業。この人も女。
妙にハイテンションな人で、パーティー組むときは良い毒抜き役、かな。
騒がしいけどね。杖を使うから魔法攻撃力が高いんだ。
レアアイテムが好きで宝箱とかアイテム節約に過敏に反応するんだ。
実はこの3人の中では年上なんだよね。

2人はこのThe worldでの、ある事件の際に知り合った仲間だ。
とても心強くて、長い間一緒に戦った人達。

ブラックローズ「で?カイトは何処に行こうとしてたのよ?」


そうそう、自己紹介がまだだったかな。
僕はカイト。ここでは双剣士だ。男。
この中じゃ大人しいって印象をもたれるかな。
まあこの2人に強気に出れる人もそんなにいないと思うんだけど。

カイト「えっとね・・アウラに呼ばれたんだ。
メールが来てた」

ブラックローズ「へぇ・・あのアウラが?」

ミストラル「珍しいねぇ(゜o゜)」

特に1人で来て、とも書かれてなかったので2人も一緒に来ることになった。
そういえば1つだけ注釈があったんだっけ。

ブラックローズ「え?アイテムを預けておけ?」

カイト「うん、基本装備以外は全部。
回復アイテムとかも・・装備は1つだけにって」

ミストラル「う~ん、何だか縛りプレイみたいだねぇ(^^)」

ブラックローズ「何だか怪しいわね・・」

まあ僕も疑わなかったと言えば嘘になるけど、
あのアウラからの要求だし・・。


ミストラルのアイテム所持量が凄いのもあって、
僕らは一旦妖精の預かり屋へと足を向ける。
妖精の・・なんて名前が付くけど、いるのは恰幅の良いおじさんキャラだ。


暫く僕はログインしていなかったけど、ブラックローズはBBS、
つまりプレイヤー同士の情報交換掲示板、は見ていたらしい。
そしてミストラルとはよくメールのやり取りをしていたようだ。


最近はThe worldが新しくなる、なんて噂で盛り上がってるとか。
新しいスキル(技)、アイテムの試験とかも実施されたらしい。
実際に出回るのはまだまだ先の事らしいけど。


一通りアイテムを預けると、僕らは再びカオスゲートの前に来た。
パーティは既に組んである。

ブラックローズ「んで、どこに行くわけ?」

ブラックローズに行き先を聞かれて僕は応える。
そう、彼女にとっても馴染みのある、というか・・。
色々と因縁のある場所。

因みにこの世界は、3ワードシステムというのを利用している。
ワードが全く同じでもサーバーが違えば、エリアの内容は随分異なる。
彼女が聞いてきた『どこ?』とは、エリアワードの事だ。

カイト「指定された場所は、Δサーバー、隠されし禁断の聖域」

このワードを聞いて、
ブラックローズ、リアルの彼女が息を呑んだのが分かった。


僕が2人に予め説明した事はとても単純だ。
つまり、アウラからのメールの内容について。
ついでに事の顛末。


今日PCを久しぶりに起動したら、アウラからメールが来ていた事。
これは早めに行った方が良いかな、と思って事前に連絡しなかった事。

そして肝心のメールの内容はこうだった。

『ぜひ力になって欲しい事があるので、
Δサーバー、隠されし禁断の聖域 に来てください。
なるべく回復アイテムなど、基本装備以外は預けてきて』


と、いう事で僕は頭、腕、体、足の防具1つずつと、
武器である双剣1つしか持ってない。武器以外はグラフィックは変わらないんだけど。
他の2人も同様だ。但し僕には預けられないアイテムもあったりする。
例えば特殊なアイテム、ウイルスコアとかプチグソの笛だ。


転送が終わると通常のフィールドとは違う、
四方を霧掛かった湖に囲まれた、孤島の上に立つ聖堂が見えた。

ブラックローズ「あたしもここに来るのは久しぶりね・・」
ブラックローズが感慨深そうに呟く。
僕の知る限り、彼女が来たのは僕に叱責した時くらいか。

今回はこの辺で
今週余裕があれば、平日にも更新できるかもしれません

ではでは

うわぁ・・パロディモード、分かる人はいるんですね
すみませんが今週の更新、平日は無理そうです
土日までお待ちください

土日に・・ロックオン!!

では、のんびりと更新していこうかと思います


ミストラル「とりあえず聖堂の中、かなぁ?(?_?)」
僕はミストラルが何度ここに来たのかを知らない。
けれどレアアイテム好きの彼女なら、噂くらい聞いた事があるだろう。
何せここはモンスターも宝箱も一切無い、ある意味特殊なエリアだから。


1度でも聞けば怪しい、何かあると思うのは自然だけど、
やはり何も起きない、意味の無いエリアという認識が殆ど。
最も僕にとってはアイテムどころか、本当に色々あったのだけれど・・。


半開きになっている扉に近づき中に入った。



久しぶりの聖堂の中。相変わらず大したグラフィックだ。
ステンドグラスとか細かい所まで再現されている。
座る事は出来ないけど、リアルにあればお祈りをするための長椅子。
記憶とそう違わない、以前と同じ内装。
時を刻むような振り子がゆらゆらと動いているのも変わらない。

多分、The worldが変わってもここは変わらないのではないだろうか?


そして何と言っても、この聖堂の中で目を引くのは奥にある石造だ。


少し離れた位置ではあるけど、あの石造も変わっていない。
細い鎖が繋がれた少女の像。

ブラックローズ「・・相変わらず繋がれたままなのね。
8本だから、八相を倒せば消えるのかと思ってたけど」
彼女の予想は実は僕も思っていた事だ。
未だに八相と戦う前の事が思い出される。

ゲームの中なのに、何故か冷房を浴びせられたかのような
冷やかさを感じる。既に危険なものは無いので、
空気が澄んでいるのを間接的に感じる、ような気もした。
この空気こそ、この聖堂特有のものなのかもしれない。

3人で石造に近づく。これがアウラの石像。
初心者は単にお参りする、という事もあるみたいだ。
でも僕はこの世界の真実の一端を知ったので、そんな事はしない。


ブラックローズ「・・そろそろお出ましかしら?」

>八相を倒せば
俺も俺も

>>22
.hack//のあるあるですね
あとミミックに苦戦とか・・
これはSAOでも同じですね


ブラックローズの呟く通り、まだアウラはこの場に居なかった。
でも彼女はこの世界の新しい神だ。
僕らがここに来ているのを感じているに違いない。


案の定、突然背景にぽっかり穴が開いた。
空間を無理矢理こじ開けたのではなく、自然に。
向こう側には何処とも言えない白い空間のようなものが見える。
ハロルドの部屋のような特殊な場所に違いない。

そして一瞬白い光に周囲が満たされたかと思うと、
いつの間にか目の前にアウラがいた。


ターコイズブルーの瞳に白い肌。フワッとした長い銀髪。
そして透明感のあるローブ。ここまで聞けば、呪紋使いのようだけど、
アウラは普通のプレイヤーとは違う点があった。
それは見れば明らかで、宙に浮いている事だ。

細い両手は申し訳ない礼儀のように、体の前で組まれている。

アウラと会うのはログインするのよりも更に久しぶりだ。
腕輪を再び託された時以来だと思う。


アウラ「久しぶりですね、カイト・・」

カイト「や、やあ・・久しぶり・・ですね」

実は何度か呼び捨てにした事があるのだけれど、
それはこの世界を司る存在であると知らなかったためで、
改まって面と向かうと、何だか敬語でないといけないように思えてしまう。

アウラ「敬語でなくて構いません」

僕の考えを読まれたのか、あっさりと言われてしまった。
まあ本人がこういうんだからそうさせてもらおうかな。

カイト「じゃあえっと・・どうして僕を呼んだの?」

とにかく本題に入ろう。雑談など出来る相手ではないのだから。
他の2人が静かなのは、2人もアウラに話しかけづらいからかもしれない。
アウラが2人が何故いるのか聞かないのは、
多分僕達が今日出会った経緯を察しているからだろう。
それでもアウラは2人にこう尋ねた。

アウラ「ブラックローズとミストラル。
貴女方もカイトが私の頼みのために来たのは知っていますね。
カイトの助けになってくれる、ということで構いませんか?」


僕の助けって・・そんなに壮大な事をしなくてはいけないのだろうか?

少し前までの異変、通称第2次ネットワーククライシスよりも大変な事?
入ってきたばかりで言うのもあれだけど、
以前のようなバグ報告はBBSで見ていないし、
ブラックローズ達からも聞いていない。何を助ければいいのだろうか?


2人が了承すると、アウラは話を再開した。

アウラ「あなた達3人にある場所に行き、調査をして欲しいのです。
場所はとてもとても遠い所・・」

3人同時に息を呑んだのが分かる。
アウラからの頼みごと。とても遠い所・・。
リアルではないだろうからこの世界で、ということになるだろうけど・・。


カイト「一体何処に行けばいいの?調査って、何を?」

アウラ「では、まずはこれを・・」
そう言うとアウラは首飾りのようなものを渡してきた。
銀の鎖の先にアウラの瞳のような、
ターコイズブルーの小さな宝石が付いた首飾り。
そんな物は装備に無いはずなので、黄昏の書のような特殊なものだろう。
案の定ウイルスコアなどの貴重アイテムの欄に、新たなアイテムが加わる。

『アウラのフラグメント』


カイト「これは・・」

アウラ「それはいわば私の一部。私はここから離れられないので・・」

言ってしまえば情報収集機、と言った所だろうか?
確かに調査なら僕が見聞きしたことを口で伝えるよりは、
これにデータを蓄積させる方が楽だ。

アウラ「他にも理由はありますが、それは向こうに
行った後での方が分かりやすいでしょう」

でも、まだ肝心な事を聞いていない。
一体何をすればいいのか?


アウラ「いいですか、カイト、ブラックローズ、ミストラル。
あなた達には腕輪による、特殊な転送をしてもらいます。
あなた達が行く世界は、そこもまたネットの世界。
The worldとはシステムも何もかも違うけれど、1つだけ共通する事がある」

カイト「共通する事?」


アウラ「そう。そこもまた、人によって作られた仮初めの世界である、ということ」

ブラックローズ「そりゃあネットなんだから、当たり前じゃない?」

アウラ「そうかもしれません。とにかく、その世界には奇妙な歪みがある。
あなた達にはそれを正してもらいたい」

アウラ「その歪みは恐らく人の手によるもの。
場所は違えど感知した私には無視できない・・」

ようはアウラの言いたい事はこうだ。
The world以外のネットの世界で良くない事が起きているらしい。
アウラが気にかける程度の事を起こす人物がいる、と。

どんな人物かは知らないけど、僕も少し興味がある。
勿論あまり良くない意味で。


カイト「分かったよアウラ。で、どうやって行くの?」

僕の決意は決まった。2人も少しワクワクしているのだろうか?
アウラから直々の言わばクエスト、みたいなものだろう。

女神からの通常ありえない頼みごと。
あのネットワーククライシスを経験して何事も無く過ごしている僕らに。
いつもの平凡な毎日に石を投げ込むような・・。

アウラとは言わば平凡と非凡の境界線なんだ。


アウラ「カイト、これとウイルスコアAを使ってください」

僕がアウラから渡されたのは、ウイルスコアが2個。
それは僕が持っていない少し特殊なウイルスコアだった。
AはΔとΘサーバーの雑魚敵からかつてたくさん得たものの残り。
けれどL以降は少し特殊なウイルスコアで、所持数は0だった。

カイト「この3つを使うんだね?」

アウラ「今この場で使ってください。私も力を貸します」

アウラは少し離れると、ブラックローズとミストラルに、
僕に近づくように言ってきた。2人が僕の傍に寄ってくると、
アウラが腕輪を、と言ってきた。


アウラから受け取ったあの腕輪。
かつては黄昏だったが、今では薄明の腕輪だ。


僕が腕輪を構えると、アウラも手を上げた。
急に目の前にあの画面が映る。


GATE HACKING Menu.

いつの間にかアウラの姿は無く、周りは訳の分からない文字列の渦。
左右にブラックローズとミストラルがいるのが分かる。

そして見慣れた十字型の水晶のように光るオブジェクトが現れた。
以前はプロテクトエリアに強引に入る手段だったけど、今回は違う。
今回は、異世界への門・・。

「ウイルスコアを・・」

アウラの声だけが聞こえる。
ブラックローズが頷き、ミストラルがやっちゃえ~、
とでも言うような顔をしてきた。

僕は決心するとウイルスコアを
オブジェクトの欠けた部分に嵌めた。
前々から持っていたAと、アウラから貰ったウイルスコア。
SとOの2つを。

「お願いします・・行き先は2024年。ソードアート・オンライン・・」

カイト「えっ!?」
僕が声を出したがもう遅い。

PROTECT BREAK!!の文字が出ると、
腕輪が久しぶりに花のように開き、見えなかったゲートが開く。

ザザッ・・!というノイズ音がすると腕輪の力が解放され、
もの凄い力の放出に飛ばされそうになるが、腕輪のおかげで飛ばされる事は無い。
僕達3人は不思議な空間を腕輪に導かれながら進んでいく・・。

区切りもいいので今回はこの辺りで
ではでは

2011年のR:1→2024年のSAO(R:X)ッスか・・・
Linkのアカシャ盤の設定があってもタイムトラベルとか説明が難しいでぇ

こんばんは、今日は22時以降に更新するつもりです
>>35
まあ、その辺は色々困るだろうと思ってましたが・・
The Worldが発展しなかった別の可能性の未来でSAOとかが発展した、
というご都合主義で上手く脳内変換でもしてください


第2章


一瞬ではないものの、暫く周りの状態が分からなかった。
確かなのはブラックローズとミストラルが両脇にいる事。
それよりも外側を、妙な文字列が高速で通り過ぎていく事だけ・・。
背景は暗くなったり白くなったり、時折リアルの建物のような物が見えた気もする。

妙な感覚だった。さっきまで聖堂にいたのに、
足が地面についていない浮遊感が続いているような・・。
確かにゲートハッキングの際は、腕輪に導かれ浮いているけど。

周りは草原でも、砂漠でもない。石壁でも肉壁でもない。
無機質なデータの管の中、という感じだった。
妙な文字列が時たま細長いリボンのようになって、
僕達に微かに触れると後ろへと流れていく。
するとやがて・・。

ミストラル「あ、明かりが見えるよ~!!(*_*)」
ミストラルの言う通り、この空間も終わりのようだ。
でも出口に近づくにつれ、妙な感覚が強まっていく。

ブラックローズ「出口だわ・・!」

ようやく奇妙な空間を出られる!
そう思ったのは良かったけれど、僕らが出口と呼べる門の部分を抜けた瞬間、
腕輪は役目を終えたのか元の姿になり僕の右手に収まった。
そして唐突に落下する感覚を体験する事に。

カイト「うわぁっ!?」


ドタッ・・!

3人揃って着地に失敗。
とはいえ、互いに腕が絡まったりしていたから仕方ない。
慎重に絡まっていた部位を引き離すと、僕らは足で立った。
周りを見渡すと、どこかの路地裏らしい。
町だとは思うけど薄暗いし、人も僕らだけだった。


・・・ん?

今僕は妙な事を考えたような・・?


足で立つ?ここはネットの世界のはずだ。
コントローラーでキャラを立たせるのでは・・?

徐々に2人も違和感に気づいたようだった。
僕がカメラを上に向けようとすると・・、そもそもカメラ操作が出来ない。
僕の視線がそのまま動いた。

キャラを歩かせようとすると、自分の足が動いている。
帽子の重さも少し感じる・・。

服の金属部分の重さも。服の肌触りも。
これは一体・・?
そういえば、コントローラーの感覚が・・と言うかリアルの感覚が無い。


ミストラルもペタペタと自分の身体を触っていた。
髪の毛まで弄れている。ぶかぶかしたウサギの耳のような白と水色の帽子まで。
彼女が顔を右に、左に向けると帽子も一緒に動く。


そして、僕はそれに触れた。触る事が出来てしまった。


互いに視線を合わせると、ブラックローズに話しかけようとしたら・・。

ブラックローズ「あれ?あたしのキャラ、こんなじゃなかったような?」

よく見るとブラックローズのキャラが少し変わっていた。
と、言っても根本は全く変わっていない。
いつもはへそ丸出しの装備だったけど、
今は腹部にもしっかりと鎧とアンダーのような布が見える。
僕もよく自身を見ると、軽装な作務衣だったのが、
ベルトが巻かれたりでより戦闘衣と呼べる装備になっていた。
長袖だったと思うけど、いつの間にか半袖で肘と前腕が出ている。


装備品の細かい変更に戸惑っていると、
急にアウラから受け取ったペンダントが光る。
てっきり青かと思いきや、何故か赤い光。
かつてのアウラのセグメントを思い出させた。

もしかしてアウラと通話機能も兼ねてるのかなと思ったけど、
赤い光はポウッ、と浮かぶと途端に何処かへと飛んで行ってしまった。
僕らには目もくれず、躊躇いなくこの未知の世界の何処かに・・。

ミストラル「どうなってるのかなぁ(?_?)」
ミストラルの疑問は最もだったけれど、
ここには事情が分からない人間が3人だけ。

なら、方法は1つだ。


カイト「とにかく、人を探してみよう。そして話を聞けば何か分かるよ」

ブラックローズ「それもそうね・・」

こうして僕らは訳の分からない世界に足を踏み入れた。
アウラが言っていたのは確か・・。

カイト「(ここがソードアート・オンライン。
ここが・・2024年?)」

あの赤い光の行き先は気になるけど、追いようがない。
暫くしたら戻ってくるかもしれないし、アウラがくれた物から
飛んで行ったものだ。何かしら役割があるのかもしれない。


2024年 アインクラッド 1層 はじまりの街


知り合いからメールが来タ。
内容は単純。75層のボスを倒したんだト。
それなら万事うまく言ったじゃないか、と返信したかったが、
事は単純じゃなかったらしイ。

何しろ75層のボスを倒した後、どーやらあの血盟騎士団の団長。
ヒースクリフが正体を見破られたらしいネ。
しかも正体があの茅場とはネ・・。


で、何やかんやあって76層に行くことになったそうだガ、
76層に行ったら75層より前の層に戻れないらしいじゃないカ。

と、なると75層のボス攻略に行った攻略組は、
こっちに戻って来られないって事だナ。

う~ん・・攻略組がごっそり減るとなると、こっちも商売あがったりだシ・・。
生命の碑の確認をして準備を整えたら、オレっちも行くかな、76層ニ。

すると唐突にドサッ!!という音がしタ。
また軍の残党連中が騒いでるのカ?本当に迷惑な奴らだよナ。


厄介事は正直御免なんだケド、もう来れなくなるわけだシ。
最後に手助けしてやっかナ?

そう思って音がした裏路地の方に向かウ。
にしてもあいつら、
ここに留まってるような奴らからは大した物が徴収できない、
とか言って堂々と上の層に行ったと思うんだけどナ?
それにこの時間帯、街中をうろつくならあんなとこに行かないと思うけド。


けど厄介事のおかげであちこち逃げてるって話もあったシナ。
灯台下暗しってことで、また戻ってきたのかもしれなイ。



若干の疑問を抱えながらオレっちは急いダ。
そんなの行って見れば全て分かるわけだシ。


目的の場所に近づいた所で3人のプレイヤーが歩いてるのが見えタ。
何だ、別に揉め事ってわけじゃないらしイ。
色々と話し込みながら歩いているようだが、特に問題なさそうダ。

なら、オレっちの役目は無いだろウ。

にしてもあまり見た事の無い装備をしてるようだガ・・。

するとそのうちの1人がオレっちに気づいたのか、
声をかけてきタ。丁度いい、こんな1層にいるのは
オレっちのような気紛れか、ボランティアに尽くすような奴ばかりだからナ。


わざわざいる理由も気になル。


3人の内の1人。一番背が低い、緑がかった青髪の子が話しかけてきタ。
間近で見るとやはりあまり見かけない軽装備ダ。
赤とオレンジが混ざったような色の服で、蒼い眼に赤のペイント。
オレっちにもまだまだ知らない事があるのは承知してるガ・・。

「すみません・・聞きたい事があるんですけど」

「オウ、どうしたんダ?」
少しハスキーな声だっタ。礼儀正しいようなので、
ラフコフのような殺しとかの厄介事ではないだろウ。
聞きたい事があるなら、情報料を貰わないとナ。ニシシ。

「えーっと・・」

何やら迷っているのカ、困っているのは想像がついタ。
但し、何を?と聞かれるととてもじゃないが分からなイ。
オレっちには読心術なんて無いからナ。
しかし次の言葉を聞いて、オレっちは意表を突かれタ。

「ここってソードアート・オンラインですよね?
どういう世界なんですか?」

よりにもよってアインクラッド屈指の情報屋の
オレっちを驚かすなんて、大したもんだゾ。
こりゃあ、ある意味凄い情報ダ・・。


カイト「すみません・・聞きたい事があるんですけど」

この街で始めて出会った僕ら以外の人物は、フードを被った人だった。
何というか隠れるのが得意な人、みたいな。
ミストラルとは違ったタイプのレアハンター、と言っても良かったかも。
とにかく隠密活動が得意そうな人だった。

「オウ、どうしたんダ?」
僕が声を掛けると愛想良く返してくれた。
どうやら最初にまともそうな人に会えたみたいだ。

「えーっと・・」
コンタクトに成功したがまず何を聞くべきだろうか?

ここって2024年ですか?とは流石に聞けない。
アウラって知ってますか?と言うのもおかしい。
と言うか、明らかに不審者扱いだよね。

と、なるとやはりこれが無難かな?

カイト「ここってソードアート・オンラインですよね?
どういう世界なんですか?」


相手の目が大きく見開かれ、明らかな動揺が手に取るように分かった。
そんなに変な事聞いたかな?
確かにここにいるのに、ここってどういう所ですか?
なんて聞かれたら変かもしれない。
いや、知ってるからいるんだろ?と言い返したくなる気持ちは分かる。


でもまぁ、言ってみれば初心者だし仕方ない。
他に良い聞き方が思いつかなかったんだから。
僕が返事を待っていると、数十秒は空いただろうか?
やっと返事が返ってきた。

「えぇっと・・冗談で言ってるんじゃないよナ?」
答えは決まっている。

カイト「そりゃあ勿論。僕達今来たばかりなんです」

「・・そ、そうカ」
相手の動揺が更に激しくなっている。
おかしいな?初心者って言ってるんだし、疑問は無いと思うんだけど。
そして相手は少し悩んだ後、こう言ってきた。

今回はこの辺で
ようやくSAOの世界に入りました
もう少し導入が続きますが、お付き合いくださいませ

期待
カイトが厨二病でもいいんだぜ

>>49
余裕あったら時たまパロっぽい台詞入れるかもしれません
例えばデュエルの時とか

この調子でハセヲも…いや難しいな

>>51
ハセヲは出す気ないですね(汗)
そもそも彼、アウラと殆ど関わりないですから
特殊な転送もデータサーチくらいですし

ミストラルはどう戦うんだろ
ホロウフラグメントあまり知らないけど魔法は使えないままだよな?

>>53
その辺は一応考えてあります
ホロウフラグメントでも原作でも、当然ながら攻撃魔法の類はありません

ですがミストラルにも出来る事はあるので、その部分の説明もちゃんと書きますよ
原作でのルールを少し無視する部分もあるかもですが、
ゲームバランスが崩壊するほどではないはずです

SAOの住人にデータドレインかましたらどうなるんだろ

>>57
少なくとも、カイトがSAOの住人にデータドレイン
という予定は今のとこ無いですね

レベルリセットさせるとかも面白いのかもしれませんが(汗)
まあ、奥義!の方なら可能性作っておくのもありですね(笑)


と、いう事でのんびり更新していきます


「詳しい話をしようカ。こっちに来ナ」
そう言ってクイッと手招きすると、僕達に背を向けて歩き始めた。

その人に付いていく事に異論は全くない。
けどその前に・・。

カイト「あ、あの・・名前くらい教えてもらえると助かるんですけど。
僕はカイト。こっちはブラックローズとミストラル」
2人の方に手を向けながら簡単な紹介をした。
僕の提案の際、こちらを探るような目つきでこの人は見てきた。
そしてこう呟く。

「男だったのカ・・」

カイト「・・・」
どうやら女と思われていたらしい。
確かに僕のキャラ、髪長いしなぁ・・。男っぽくは無いかも。
するとこう返事が返ってきた。

「オレっちはアルゴ。女だ、よろしくナ」
アルゴと言う人に導かれ、僕らは小さなカフェのような所に入った。
いるのは店のNPCくらいのようだ。あまり繁盛してない店なのか。
それとも偶々この時間帯はいないだけなのか・・。
いずれにしても、あまり人の目につかなくてありがたいのかな?


僕らはアルゴと言う人から大体の説明を受ける事が出来た。

ここは僕が聞いたようにソードアート・オンラインであり、通称SAO。
この世界そのものである浮遊城アインクラッドという場所で、
ここは100層あるうちの1層で、はじまりの街。

つまりそのまま、初心者のための街って事だろう。
The worldで言えばマク・アヌみたいな所だ。

にしてもあのウイルスコアの意味はそういう事だったのか・・。
安易だけれどちょっと納得・・してもいいのかな?でも、気にするべき事は他にあった。

それは、この世界が始まってから2年が経過している事。
誰1人ログアウト出来なくなっている事。
そして何より、ここでHP0になれば現実の人間も死ぬという事だ。
実際死んだプレイヤーは2度とここに戻ってきていない。

因みに余談だったけど、ここでは性別を偽れないらしい。
キャラの見た目に関しても。髪の色くらいは弄れるみたいだけど、
リアルの体型などの情報をそのまま反映してるとか・・。
確かに髪の色は違うけど、体型とかはリアルの僕もそう変わらない。
ただ、女っぽく見られるかと言うと否定したいけど・・。


僕ら3人共ここでの現状を聞き、驚きはしたものの少し耐性もあった。
何せHP0で死ぬはなくとも、現実の人間が意識不明に・・。
という事件の当事者だったからだ。
ログアウト出来ないなんてのはヘルバから聞いた事もあったし。

アルゴ「にしても、そんな基本的な事も知らないとはナ。
君達、何を使ってここに来たんダ?
てっきりナーヴギアの使用は禁止になってるかと思ったケド。
最近は新しいフルダイブ技術の機器が出てるのカ?」

使って来た、という事からナーヴギアとは、
僕らで言う所のFMDみたいな物だろうか。
フルダイブ、と言う事から僕らの状態も何となく察する事が出来た。
技術の発展過程は不明だけど、意識を完全にゲーム内にってところだろう。
だから顔を動かす事でそのまま視点が動くのか。
理屈は全く分からないけど・・。


そうだ、質問に答えないと。
流石に過去から来た、なんて事は言えないので誤魔化すしかない。


とはいえ、なんて誤魔化そうか?
とっさの嘘ってのは案外難しいし、この色々と教えてくれる
アルゴって人に嘘を言うのも何だか気が引けるし・・。

すると僕が困ったのを察したのか、ミストラルが口を挟んでくれた。


ミストラル「え~っとね・・ニューロULTIMITってやつを使ったんだ(^^)
私達2年前はまだ、ネットゲームに興味持ってなかったからね~」

・・それって、ULTIMIT社とニューロゴーグルの名をこじつけただけじゃ。
流石に苦しい言い訳かと思ったけど。

アルゴ「フゥーン・・そんな名前の新しい機器が出来てるんだナ」

僕とブラックローズの言いたい事は大体一致したのだろう。
”信じるんだ・・”と、言いたいのが分かる。
でも考えてみれば、アルゴの言っていた事が本当なら、
リアルの事情を知る由もない人達だから、大抵の事は信じてしまうわけだ。


その後ミストラルのネットゲーム初心者、という理由が信じられ、
偶々このSAOに来てしまった、と言う詭弁を信じてもらえたようだ。
ごめんね、アルゴ・・。


アルゴ「まぁ、来ちまったモンは仕方ないよナ。
3人はどうするつもりなんダ?」

僕らの目的はアウラから言われた調査。
この世界の人の手による歪みとやらを何とかする事。

・・とは言えない。
但し先程のレクチャーで、この世界の人の目指すものは分かっている。

ブラックローズ「当然!私達も100層攻略手伝うわよ」

アルゴ「肝が据わったねーちゃんダナ・・」

まぁ・・普通だったら、HP0=死というゲームに来たら、怯えるのが普通だしなぁ。
でもいつ八相のデータドレインで意識不明になるか分からない、
よりはHP0と言うのは分かりやすいし対処もしやすいかもしれない。
逆に言えば誰でも成りうるんだけど・・。

こうして2年間生きてきた人が目の前にいて、
そして攻略組とやらが結成されてるんだから、僕らがやれないはずがない。
という自信は持てた。あんまり明確な根拠とは言えないかな・・。


アルゴ「2年も経って
初心者レクチャーする日が来るとは思わなかったヨ。
じゃ、まあ情報屋のオレっちが色々と教えてやるヨ」

カイト「ありがとう、助かるよ」

アルゴ「本来金をとるとこだけど、
久しぶりの初心者だからタダにしておくヨ」

ミストラル「やったぁ、得しちゃったね~(^^)」
アルゴも多分、ミストラルのテンションには付いていけてないんだろうなぁ。
デスゲームなんて言われてたけど、入ったばかりの3人が、
こうも明るかったらちょっと不思議がるよね・・。


アルゴは情報屋をアインクラッドでやっていて、
通称”鼠のアルゴ”って言われてるらしい。

確かに容姿は、地味なフード付きマントで目立たない。
さっき僕が感じた通りこっそりとモンスターの目を掻い潜って
情報を集める事が得意みたいだ。

そんな人からレクチャーなんて、
ミストラルの言いぐさじゃないけど確かにラッキーだ。

ちょっと風呂行ってきます


アルゴ「じゃーまずは、君らも死にたくないだろうし、
回復アイテムが気になるだロ?
主に2種類あって、ポーションは薬っぽくて分かりやすいんじゃないカ?」

はじまりの街の店を歩き回りながら基本的なレクチャーが始まった。
癒しの水とか使っていたから大体感覚は同じだろう。
何処のネットゲームでも液体=薬っていうのは定番だね。
そう思ったけど少し違うこともあるみたいだ。

こっちのポーションは、使うと確かに回復だけれど、
徐々にHP回復も付与されるらしい。
活力のタリスマンと癒しの水を纏めたものってとこか。


全然違ったのが結晶というアイテム。
こっちは使用速度が速く、即回復するなら断然こっちらしい。
状態異常を治療する結晶や、町に戻るための転移結晶についても教えてもらった。
結晶は効果も大きく、使用速度も速いので基本的には高価なようだ。
特にこの転移結晶、割と希少で大事なものらしい。

危険なモンスターと分かったら、それで即逃げられるからだ。
但しこれが無効エリアもあるというから、所持してるから安心とは限らないみたい。


その他にもSTRポーションとか、1種のステータス強化アイテムがあり、
The worldのアイテムと似た効果のものを関連して覚えていく。
ミストラルは理解が早そうだ。

他にもこの世界の娯楽は食事が殆どだとか。
通りでそういう店が多いわけだ。
料理スキルがあるのは流石にびっくりしたけど、
デスゲームの割にそういうとこもあるんだなと思ってしまった。


余談だけど料理スキルにミストラルが凄く反応していた。
リアルじゃ料理美味いからなぁ・・、特にお菓子系統。

さてそんなこんなで基本的な事は大体終わり、
いよいよこの世界で生き抜くためのレクチャーが始まった。
フィールドに出て、1層の弱いモンスターと練習だ。

アルゴ「あのイノシシが、SAOの雑魚中の雑魚。
言っちまえばスライムみたいなやつだナ」

視認すると上にターゲットマーカーが見える。
確かに弱そうだから練習には丁度良い。


アルゴ「っと、いけないいけなイ・・。
ステータス画面の出し方を教えてなかったナ。
もう当たり前すぎて順番間違えちゃったヨ。右手をこうすればいいんダ」

アルゴの仕草の通り、右手を上から下にスッとやってみる。
するとステータスを見る事が出来た。

アルゴ「攻撃力や防御力は大丈夫だよナ?
STRはストレングスで筋力の事だナ。攻撃力に関わル。
VITはバイタリティで防御やデバフへの抵抗力の事ダ。
これが高いなら敵からの毒とかにかかりにくくなるってわけだナ。
DEXはデクスタリティ。器用さの事で命中ニ。
AGIはアジリティの事で敏捷性、回避に関わるんダ」

成程・・言わば2段階のステータスなわけだ。
見てるだけで結構面白い。
2人も自分のを見て納得している。
自分がどういう系統なのか確認しているんだろう。

アルゴ「ジョブは自分に合ったものが基本だヨ。
オレっちは短剣だナ。けど、慣れてないなら片手剣からがいいだろウ。
どれもこれも使ってから自分に合ったのを見つけると良イ」


へえ、The worldみたいに使える武器は固定じゃないんだな。
僕らは最初に選んだらそれでお終いだったけど・・。

アルゴ「因みにここでは片手剣、短剣、両手剣、
槍、両手斧、細剣、刀、曲刀、片手根などがあル」

ブラックローズ「片手根って何?」

アルゴ「まあ、聞きなれないよナ。片手で扱う棍棒みたいなもんサ」

ブラックローズ「棍棒の根、ってわけね・・」

ミストラル「細剣ってレイピアみたいなやつかな~?(?_?)」

アルゴ「オウ、正にその通りダ」
刀かぁ、三十郎さんが聞いたら喜びそうだなぁ。
向こうじゃ両手剣の派生みたいなものだったし。
そういえば三十郎さん、宮本武蔵が好きだったから刀で2刀流やりたがってたっけ。
不意にThe Worldでの刀マニアの外国人プレイヤーの事を思いだし、
僕は深く考えずに質問した。

カイト「そういえば、2刀流とかってあるの?」

アルゴ「にゃハハ。あるっちゃあるけどナ。
この世界にはユニークスキルって言って特殊な武器の使い方があル。
2刀流は正にそうだし、オレっちの知り合いにいるけど、
まだ出し方が不明らしくてナ。オレっちもどうやればいいか知らないんだヨ」

今回はこの辺で
ではまた明日~

ぴろしは出ますか?

>>73
むぅ・・すまないな
私はTheWorldで忙しいのだよ、他のゲームへの出演は控えさせてもらっているのだ
何せ私が出れば私への注目でお話が忘却されるのでな
しかしお前、私に期待するとは良い眼をしている・・
いや愉快愉快!旅路の果てまでも、頭上に星々の輝きのあらんことを・・!

では本日ものんびり更新していきます~

SAOの時代的に、カイトって何歳になってるんだろうな


アルゴ「まあまずはさっきも言った通り、
基本的な片手剣か、女なら細剣や短剣がお勧めだナ。
そうやって武器を使って行けば、使える武器もスキルも広がっていくからナ」

Thr worldでは装備にそのままスキルが付いていて、
装備を変える事で使用するスキルも変わって行ったけど、
こっちはドンドン覚えていく感じか。
何だか人の学習みたいでよりリアルだ。


アルゴ「スキルはソードスキルとバトルスキルがあル。
ソードスキルはようは剣技だナ。特定の予備動作をすれば
剣が光るライトエフェクトが出るから、そうしたら一気に振りぬく感じダ。
軌道修正のシステムアシストがあるから発動したら基本問題なイ。
このアシストに自分の意志で動きを加える事も出来るケド、
モーションキャンセルもあるから慣れてからダ。
バトルスキルは補助魔法ってとこカ」


バトルスキルは特殊なもの以外は自分にしかかけれないらしい。
例えばSTRを一時的に増加するストレングス、とか。
因みに自分達にかける強化をバフ。状態異常をデバフと言うらしい。
状態異常って長いしね・・。

>>76
2010年で14歳ですから、普通では28歳ってことになりますね
このssだと14歳のまま2024年に行ってますけど
公式では中2なので
遅生まれでない限り14歳ですから


ブラックローズ「私はやっぱり両手剣ね」

アルゴ「そっカ。まぁ、人それぞれだしナ。カイトは片手剣カ?」
唐突に話を振られ僕は当たり前のように答える。
ブラックローズがThe worldと同じ様に両手剣なら、僕も決まっている。

カイト「僕はやっぱり双剣にするよ」
正直使い慣れてるからね。それにじっくりスキルを伸ばす気も無い。
明確な目標が少し曖昧だから、少しでも早く進まないと。
ちょっとばかり刀にも興味を惹かれたけど・・。


するとアルゴがこんな事を言ってきた。

アルゴ「カイト、オレっちの話を聞いてなかったのカ?
双剣なんてスキルは無いんだヨ」

え?無いの・・?おかしいなぁ。The worldにあるんだから、
当然のようにあるものとばかり・・。

ん?あれ、でも・・。

カイト「でも、僕のスキル一覧には双剣ってあるけど?」

28歳・・。SAOにリンクスタートしているカイトもいる可能性があるのか・・。

>>80
因みにハセヲは2017年で17歳なので
ちょうど24歳になるわけですね


僕の一言でアルゴの表情が固まった。
双剣なんてスキルは無いって言ってたけど、バグじゃないだろうし・・。


アルゴ「・・カイトは初心者だよナ?
いきなりユニークスキルがあるってのはどう考えてもおかしいんだケド」
僕としては双剣が当たり前だから何とも言えないんだけど・・。
どうやらこっちでは特殊なスキルらしい。

因みに僕のスキルは双剣レベル3となっており、
よく見ると、使えるスキルの詳細を見る事が出来た。


カイト「(舞武、虎輪刃、夢幻操武・・The worldと同じだ)」
スキル以外を見ると、ここには属性概念は無いらしい。
となると、エレメンタルヒットも無いだろう。
そうなると本格的に剣技だけの世界のようだ。
ソードアート、と言うだけはある。ついでにレベルは95。
値的にはThe Worldと同じだけどHPは1桁違っている。


あれ?じゃあミストラルのスキルはどうなるんだろう?
2人ともレベルは僕とそう変わらないはずだけど・・。
僕の双剣がこのSAOに本来ないものなら、呪紋使いなんてなおさらおかしいはずだ。


ブラックローズは既に素振りや、ソードスキルを試していたので
僕はミストラルに近づいた。

カイト「ミストラルは・・どうなってるの?」

ミストラル「カイトの双剣が特殊で、
ここには攻撃魔法が無いんでしょ~?私も特殊みたいだねぇ(^_^;)」


ミストラルはそう言うと武器を装備した。僕にとっては何てことない物。
でもやっぱりアルゴには見慣れない物だったみたい。

アルゴ「・・ミストラルもカ?君達タダ者じゃないナ・・」
驚きというよりは、困惑の表情を浮かべるアルゴ。

ミストラルが持っているのは杖だった。
但しThe Worldでのグラフィックより、
装飾は多少鮮明で・・十字架のような形はそのままだ。


振るうには少々不向きかもしれないけど、ミストラルは構わずブンブン振っている。
そうだ、僕も装備をしないと。


僕は腰から双剣を取り出した。
見た目的には白刃の双剣で、あの素人の双剣そのまま。
名称も素人の双剣になっている。
でもこっちではステータスが大幅に違い、片方だけでダメージ値は300。
STR+いくつ・・とか、全く異なる詳細になっている。
これが高い方なのかは知らないけど・・。

そしてどうやら双剣は双剣で一纏まりになっているみたいだ。
素人の双剣を装備しただけで、メインウェポンもサブウェポンも埋まっている。

でも多分この世界の全く名称が異なる短剣を2本、
同時に装備って事も可能なんだろうなぁ。

他の装備を見ると双剣があと2つあった。

1つは・・カイトの双剣、とある。もう1つは???。
詳細を見ると双剣のスキルレベルを6にしないと使えないらしい。


早速僕も軽く素振りをしてみる。凄く変な事だけど、
既に実際に自分の手で振るう、という事には違和感は無かった。
ステータス的にも問題ないのか問題なく扱えている。
あとはソードスキルと、実戦、敵の動きを見ての反応くらいか。


アルゴが僕とミストラルの装備を見て呟いた。

アルゴ「オレっちも確かに、アインクラッドの全てを知ってるわけじゃないガ、
こんなのは初めてだヨ。どうやらとんでもない事例に遭遇したらしいナ」

アルゴはそう言うと、ちょっと待っててクレ。と断りを入れ、
メッセージを飛ばし始めた。誰かに連絡を入れているのだろう。


フンフン・・とミストラルが呟きながら自身のステータスを見ていた。
何か分かったのか聞いてみると、

ミストラル「私は錫杖、って武器みたいだねぇ、まあ杖でも良いんだろうけど(^^)
で、特性としてはソードスキルは無いみたい」

カイト「え・・それって大ダメージ与えられないって事?」

ミストラル「う~ん、端的に言うとバトルスキルのスペシャリストってとこかな?(?_?)」


ミストラルが読んだスキルの説明によると、
錫杖は主にバトルスキルを後方からかける支援系。
さっきアルゴから説明があったように、通常バトルスキルは
自身にしかかけられない物が殆ど。

でもミストラルは同じパーティ内なら他人にスキルかけ放題らしい。
全く同じスキルの重ね掛けは不可だけど。


スキルレベルはスキルを使う事で溜まって行く。
僕らは直接武器を使って行かなければならないから、ちょっと違って安心した。
流石に杖の使い手が前に出てもらっては困るからね。

アルゴによれば通常、何かのスキルを使うには、
武器のスキルレベルを上げ、一定に達したらそれを実装。
その後も枝式に使えるスキルの範囲が広がっていく。
例えば細剣を扱えないと、精神統一ってのが使えないんだけど。


ミストラルの使えるスキルは既に殆ど揃っているとの事。
他の一切の武器のスキルを伸ばす必要が無いらしい。
杖のスキルレベルを伸ばすだけでいいなんてある意味楽だなぁ。


ソードスキルが一切無いのは辛いけど、
元々激しい動きが向かないミストラルには良いのかも。


ミストラルの装備品はカドゥケウスの杖で、
名前はThe Worldの時の装備と同じ。装備を預けて
というアウラの指示の際、1本だけにした時の物だった。


そこで僕はようやく気づく。もしかして僕らがこちらに転移される際、
アウラが上手く仕様に合わせようと色々と変換したのかな?
そう考えるとアイテムを減らして、というのも納得出来る。

向こうの癒しの水があっても、こちらでは使用できないし、
所持量が多いと変換の際手間がかかるから。
だから必要最低限の所持量にさせたのかも・・。


僕が双剣を初めから使えるのもそういう結果なのかもしれない。
ミストラルは魔法スキルが一切無いここで、
上手くやれるための処置が、あの杖というスキルの一環だった。
アウラが力を貸すとはそういう事だったのかもしれない。


少し言い訳に困りそうだけど、僕らが1から片手剣を使うのも抵抗があるだろうし。
両手剣も本来は片手剣を使いこなせないといけないみたいなので、
ブラックローズもある意味特殊なのかもしれない。


と、なると僕ら全員明らかにイレギュラーな存在ってわけだ。
そもそも異なるネット世界からって時点で充分そうだけど。

ミストラルのジョブについて理解していると、
アルゴが戻ってきた。


カイト「アルゴ、何をしていたの?」

アルゴ「さっき言った2刀流を使える知り合いに連絡してみたんダ。
2刀流が使える理由は分かったカ?ってナ・・」
2刀流は確か、この世界に元から在るユニークスキル。
つまり僕らがユニークスキルを使える理由を推測してるって事かな?


アルゴ「そいつによると、間違いない情報らしくてナ。
2刀流は反応速度が最も速い者に与えられるみたいダ」
反応速度か・・と、なると僕にも何か特化したものがあるのかもしれない。
ステータス的には・・うーん、STRはあまり高くないみたいだ。
値的にはAGI、DEX、VITの3つが明らかに高い。


僕って防御は別に・・と思ったけどVITの値はデバフに対する抵抗力でもある。
と、言っていたからそのせいかな。
事実装備自体の防御力はそう高くない。


アルゴ「まあ、いつまでも話し合ってても仕方なイ。実際に戦ってみなヨ」
雑魚中の雑魚であるイノシシは何体かいた。
まずは慣れないとね。

素振りに慣れたのかブラックローズは早速切りかかっていた。

ズバァッ!!

という豪快な音と共に、斬った跡がエフェクトとして残る。
中の無機質なデータが曝け出された。
と、同時にパリンという音がして、イノシシは消えてしまった。

アルゴ「え、一撃カ!?」
流石のアルゴも驚いてしまったようで・・。

ブラックローズ「この敵弱過ぎね・・
と、なるとカイトは物足りないんじゃない?」
ブラックローズがあっさりなら、多分僕も大丈夫だろう。

今回はこの辺で
カイトとミストラルのスキル説明が主でしたかね

ではまた次回をお楽しみに~

とりあえず、服装の仕様変更時にアウラさんがデジタリックお裁縫してたと考えると、和むものがあるな

>>98
お針子アウラとか、珍しい姿になりそうですね(笑)
因みにSAOでのカイトは、.hack//Linkでの衣装を想定して書いてます

システム的にアレでしたが、カイトの衣装はかっこよかったですし

Linkで一番腹立つのは人選
翠仲間に出来て榊仲間に出来て、何で楚良仲間に出来ねえんだよ
それ以上に他のSIGN組少ないんだよなあアレ

Linkはクロスレンゲキの演出と仲間になるキャラのXthフォームを作ったのは評価できる
ただしOPアニメの間抜け面だけは絶対に許さない

>>100
碑文使いで唯一扱えなかった、時代が違ってもやはり扱えなかった八咫さんが不憫です・・
銀漢入れるくらいなら楚良の方が断然いいですね

>>102
あれは確か鉄コン筋クリートでしたっけ?に酷似でしたね
歌は良いだけに残念
自分的にはXthフォームかどうかは選べるとよかったんですけどね

ってことでのんびりまた更新していきます


僕は双剣を構えて視界内にイノシシを見据える。
マーカーが付いたのを確認し、僕は近づいた。
そして気が付く。

慎重な僕だけど、思いっきりいけると分かった。


タンッ!!


1歩踏み出し・・その後何度も細かく足を前にだし、一気に近づいた。
視界はイノシシに向いたままだけど、周りの風景が動くのが見える。

体が軽い!足が速く動く・・!1回蹴り出すだけで、
身体が予想以上に大きく前進した。ステップってやつかな?

そしてイノシシの横をすり抜けようとしていたのでその際に、

ズババッ!!

単純なボタン作業ではない感覚、
腕を振るうという感覚が伝わってきた・・。


いつもとは違う振り方だったけど、出来た。
普段使っていた双剣の扱いは頭に入っていたけど、
それとは比較にならないリアルな感覚。木刀なんて振った事は無いけど、
剣の扱いには何度か憧れた事もあった。


The Worldで見てきたモーションと、イマジネーションの結果・・。
僕の頭の中から何かが、体への動きに力を与えてくれた。




敵の横をすり抜け様に、逆手に構えていた左手の刃を
腰の下辺りに引き、そこから斜め右上に一気に振り抜く。
それが終わった瞬間に右手の刃を左に突き立て下へと下ろす!
と、同時に左手の位置も当たらないように調整した。


ソードスキルは発動しなかったものの、
敵に十字の痕が映し出され、パリンと消える。

ゲームの中っていうのもあるけど、一瞬だけ超低空飛行をしたみたいだ。
剣を振るうのが終わり着地に足を踏み出す。
ザザーッ、っと音がすると動きが完全に止まった。
こんな動きをしたら本来疲れる、というか出来ないんだろうけど
システムアシストのおかげか疲れは無い。


ブラックローズ「なぁんだ、やっぱりあんたは余裕だったわね。
意外と行けるんじゃないかしら?」

カイト「ダメだよ・・まだソードスキルも使えてないじゃないか」
彼女が調子に乗り始めたら、嗜めるのは僕の役目だ。
確かに初めてにしてはマシだけど、
それは明らかに相手が弱すぎたからだろう。
強敵ならこうはいかないはずだ。


アルゴにこんな感じでいいのかと聞こうとしたら、
アルゴが目を丸くしながら固まっていた。
声を掛けると彼女はこう呟く。

アルゴ「嘘だロ・・?こんなに上手いなんテ・・。
とても初心者には思えないんだケド・・」

しまった、もしかして怪しまれたかな?
そう思ったけど、アルゴは目を輝かせて言う。

アルゴ「凄いじゃないカ!!
もしかしたらあっという間に攻略組に行けるかもしれないゾ!
フッフッフ・・こりゃあ、オレっちにも運が回ってきたナ!」
あ、良かった。そんな事情は関係ないみたい。
多分早くログアウトしたいんだろうなぁ。


ログアウトするための戦力はいくらあっても足りないんだろう。
そう考えると、この世界は僕から見れば、全員ログアウト出来ない。
更にデスゲームである、というだけで充分歪みだ。
これを即急に解決する事が、アウラの言っていた事かもしれない。
もしくはこの過程に参加する事で、真の目的を発見できる可能性が高い。


ブラックローズも言っていたけど、100層攻略、張り切って行こうか。

アルゴ「と、なるとここじゃ流石に物足りないよナ。
なら、少し上の層に行って見るカ」


アルゴの提案でもう少し上の層で練習する事になった。
簡単に倒せる敵じゃ、張り合いないし練習としては良くない。
おまけにソードスキルの強さもよく分からないからなぁ。



再びアルゴに連れられ僕らは街中に戻ってきた。
転移門を使用するために。

他の街に行くためには転移門を使用、というのは僕らとそっくりだ。
但し1階層上に行くには、本来ダンジョンや迷宮区を抜け、
階層ボスを倒してアクティベートを済ませないといけない。
アクティベートをして初めて、
転移門から自由に街の行き来が可能との事。


そういえばまだ転移門は使った事が無かったっけ。
転移門のある場所まで着いたものの、
初めはそれが転移門と分からなかった。
何せ殆ど唯の石碑だったからだ。



因みに黒鉄宮という場所が1層に在り、
そこにはプレイヤー全員の名前が書かれているらしい。
死んだか否かが分かるようになっているとの事。

いつ死んだのかとか、
死因まで書かれるのだからあまりお目にかかりたくないものだ。


転移門で行ける層を確認してみる。
半分となる50層とかが目に付いたけど、
当然ながら聞いた事の無い名前ばかり。
どの街がどんな所で、今の僕らに適した層も全然分からない。
そしてどうやら最前線とやらは76層のようだ。
それ以降が転移先として無いから。

開始から2年も経っているのに90層まで行ってないとは、
単に難しい、というだけが攻略を遅らせている理由ではないのかもしれない。


僕が適当に推測をしていると、転移門の付近が光り始めた。
事情を知らない僕らが驚くと、

アルゴ「どうやら誰かが転送してきたみたいダナ」
と、アルゴが説明してくれた。
この世界で僕らは未だにアルゴ以外に会った事が無いから、
一体どんな人がいるのか少しは分かると思ったのだけど・・。


アルゴ「・・!」
目の前に現れたのは、マントと鎧に身を包んだ屈強そうな男達。
目元が兜に隠れているため表情が分からない。

アルゴが小さく舌打ちしたのが分かった。
その理由は明確には分からないけど、
でも良い思い出があった、とは流石に思えない。

集団の中の1人がこちらを向くと、

「情報屋か・・貴様のようなものがここで何をしている」
妙に偉そうな口調で声を掛けてきた。
まるでこの世界では上下関係があるようだった。
勿論僕らには知りようの無い事だったけど・・。


アルゴ「何をしていようとオレっちの自由だロ?
それより何で軍の連中がここにいるんダ?正確には元、軍だけどナ」


何だか似たような恰好をしている一団だったから、
ギルドか何かかと思ったけど、よりにもよって軍と来た。
僕が思いつく軍と言えば、自警団と言われていたらしい
紅衣の騎士団を思い出す。


「我々アインクラッド解放軍は不滅だ。
我々のリーダーは失脚させられたが、
別に死んだわけではないのだからな。
ほぉ・・良い徴収相手がいるようだ」
アルゴにはさしてそうでもなかったのに、
僕らに対しては全く違う意識を向けてきた。

それは、弱者を羽交い絞めにしよう、という意思だった。

では、今回はこの辺で
また次回~

三爪痕をつけられるなww

まぁ人間の醜さ程度、今更恐るるにも足らんか

ふはははは・・
今日はダラッと更新していくぜ

>>115
こんな格下どもに使う必要は無いなぁ

>>118
充分CC社で懲りてるからね・・
あの時はマジ参ったぜ・・

byカイト


カイト「何で僕ら目を付けられてるのかな?」

ブラックローズ「多分弱いと思って、カモにされそうなんじゃない?」

ミストラル「うぅ~ん、徴収って嫌~な響きぃ(-.-)」
何を徴収されるか想像はついたけど、
罪を問われるような事はした覚えがないので、僕には理解不能だった。

いきなり規格外のスキルを・・と言われれば確かにそうだけど、
この人達が知っているはずがない。


すると軍の人達の後ろから、騒がしい声がした。

「ワイらの軍に逆らうと、エライ目に遭うで?」
鎧の人達をかき分けて出てきたのは、
この中では若干背が低いトゲトゲした頭の男の人で、
関西弁というのは割とインパクトがあった。


アルゴ「おやおや、お尋ね者がここに来て平気なのカ?」
どうやらこの関西語の人とアルゴは顔見知りのようだ。
けど、それが良い仲なのかは非情に怪しい。
アルゴが皮肉めいた声で言っていたからだ。

「余計なお世話や。ほぉ・・あまり見ぃへん奴やな」
僕らがあまり見た事ないっていうのは分かるけど、
お尋ね者って言うのはどういう事だろう?


何か犯罪でも起こしたのかな?
疑問に思ったのもつかの間、アルゴが色々と紹介をしてくれた。


アルゴ「こいつはキバオウ。
元アインクラッド解放軍のリーダーだったやつダ」


アルゴ「リーダーって言ってモ、
全体のって意味じゃないけどネ」

キバオウ「あぁん!?今でも指揮取っとるわっ!
今はその・・単に力を蓄えてるんや」


アルゴが更に教えてくれたのだけど、
このキバオウと言う人、かつて軍を創立した人を嵌めたらしい。
その後創立者の人は助けられて軍は解散され、
キバオウは追われる身になったとか・・。

軍自体は名前の通りアインクラッドの人全員を
このゲームから解放が目的だったらしいんだけど。
彼は元から暴走気味で
途中から狩場の独占やアイテムや金の徴収などを強行していたらしい。

また暴走してたのかキバオウ

>>124
ホロウフラグメントでは
本当のとこどうしているのか不明なので
また下の階層で出張ってもらいました(笑)


良い徴収相手って言うのはそういう事か。
でも来たばかりの僕らが払う義務も無いと思う。

キバ「んじゃ、3人おるし1人100万頂くとしよか?」

どうやらアルゴは免除らしい。
知り合いのためか、それとも情報屋のアルゴに借りでもあるのか。
もしくは実力では勝てないからか。このキバオウと言う人、
意外と小心なのかも・・。
ブラックローズもそう思ったのか、キバオウに突っかかる。


ブラックローズ「は?初心者のあたし達から何か徴収ですって?
頭おかしいの?もっと溜め込んでるような奴から集めなさいよ」
彼女の思いもよらぬ強気な抗議。
ミストラルも、横暴な徴収反対~!と言っている。


というか追われてるはずなのにそんなことしたら、
目立って本末転倒のような気もするけど・・。


???「・・・ぅな」

カイト「え・・?」
何か声が聞こえた気がしたんだけど・・。
ふと周りを見回してみても、特に今までここにいなかった人物が
視界の端にいた、とかは無かった。


ほんの少ししか聞こえなかったけど、
今のはブラックローズ達の声ではない。
軍の中の人かと思ったけど、リーダー格のキバオウが
会話中のためか口を開く素振りは見せていない。

気になったし、ちょっと集中してみようか。

カイト「・・・」
目を瞑って集中してみたけど
やっぱり何も聞こえない。空耳だったのかな?
でも確か・・

キツ・チリさんかな?


???「違うな・・」


カイト「!!」
今度ははっきり聞こえた。でも周りにいる人は変わっていない。
誰が言ったのだろう。何が『違う』んだろう?

でも今、もう1度聞こえた事によって分かった事がある。
今の声、聴き覚えがあった。
でも、どこでだろう・・?
The Worldにいた時から聞いた事のある声色だった。
でも、そんな人が僕達以外にいるとすると・・。


僕達以外にアウラによってこちらに来た人物。
真っ先にバルムンクとかオルカのような実力者が思いついた。
あの2人ならアウラと関われるかも。
そして僕達の協力者としてアウラが送ってくれたとか・・。


いや、それはない。
僕はその考えを否定した。
バルムンクは数日前から科学のレポートを仕上げないといけないらしく、
暫くログイン出来ないって言ってた。
確か赤方偏移とかドップラー効果が云々言ってたけど。


そしてオルカ。現実では僕の同級生であるヤスヒコ。
彼はエビフライと五目チラシの食べ過ぎで腹痛になり、
ログイン出来ないって言ってたし・・。


あの2人が来ることはまず無いはずだ。


少し待ってみたけどもう声は聞こえなかった。


聞き覚えのある声っていうのが気になるけど、
今の目の前の事態には関係なさそうだ。


とりあえず暴動ごとになって騒ぎになるのは避けたいし、
手っ取り早くこの事態を終わらせよう。
1人100万って言ってるんだし、お金の事だ。
まさかリアルマネーを要求している訳じゃないんだし。


ささっと払って済ませた方が、
この場は穏便に済ませられるはずだ。


そういえば気にしていなかったけど、
僕らの所持金はいくらなんだろう?
ステータスとかスキルを気にしてばかりいたから
すっかり忘れてた。

アルゴ「1人100万コルだっテ!?
いくら何でもぼったくりすぎだゾ・・」

キバ「情報屋、お前さんには徴収を求めてへんやろ?
何が不満なんや?」
4人のにらみ合いが続く中、僕は所持金の確認をした。
確かThe Worldでは600万GPくらい持っていたはずだけど、
こっちではコルらしい。
アウラの変換レートはいくらになっているのだろうか?


ステ画面を開いてっと・・。

>>128
キツ・チリって誰かと思った・・
絶望先生だったんですね
???が誰かはそのうち分かりますよ


カイト「(所持金は・・ここかな。・・っ!?)」
基本ステータスの下辺りに書いてあったけど、
僕の所持金は・・3億コルだった。


カイト「(えっと・・1GPで約20コルってこと?)」
正直向こうでは途中からお金を使わなくなっていた。
だから貯まりに貯まっていたのは否定できない。
そしてこっちではアイテム購入とか必死になるかもって思ったけど・・。


カイト「(初ログインで3億って・・。
アウラ、変換レート盛り過ぎじゃないかな・・)」(汗)
こんなにあったら100万なんてはした金だ。
厄介事は御免なので僕が3人分纏めて払おうと思ったら・・。

今回はこの辺で
ではまた来週~



次回、決闘チュートリアル編に、ロックオン!

どうもこんばんは
今日は22時くらいから、
ゆる~い更新を予定しています

では後ほど


ブラックローズ「言っとくけどね、カイト?
私もミストラルも別に払えないわけじゃないけど、
こういう奴らは1度下手に出たらずっと集ってくるわ。
この際きっちり追い払うべきよ」

ミストラル「まだ来たばっかりなのに、法人税とか所得税
みたいな振る舞いは、ゲームの中じゃ私好みじゃないなぁ・・(-.-)」


それぞれ理由を言った上で、2人ともどうやら断固反対らしい。
ブラックローズは他人からの強制とか嫌だろうし、
ミストラルはアイテム節約主義だ。
ゲームの中でもお金の使い方は堅実なんだろう。


2人共僕とプレイ時間は結構被るから、
ほぼ確実にそこまで変わらない金額持ってるんだろうけど。
どうやら払う気は一切無い。

と、いう事はこの場を静かに収めるのは無理らしい。

キバ「ケッ・・素直に払わんとはええ度胸やな。
ほんなら、意見割れたらこうするしかあらへんな」
そう言うとキバオウは剣を抜き、何か要請してきた。
デュエル申請、と書いてある。

逃がさないためか軍の他の人達が周りを囲む。

アルゴ「街は圏内って話はしたよナ?だから基本的にバトルは無イ。
けどプレイヤー同士ならこういう1対1のデュエルって形式で、
戦いが起きるんダ。勿論町の外、圏外じゃ普通に戦う事が出来ル。
だがその場合圏外だかラ、申請もないし文字通りの殺し合いダ・・」
と、アルゴが解説してくれた。
この少し異様な状況じゃなきゃ聞き流していただろう。


プレイヤー同士の戦いは、僕達の時の
The Worldには殆ど無かったものだ。

実は僕達がプレイするほんの少し前に
KILL行為が可能だったみたいだけど・・。
とにかく対人戦となると、こっちは完全にずぶの素人だ。

モンスターとの戦いとプレイヤー同士の戦いは、
違うとは断言出来るけど、実際何がと聞かれると
僕なんかでは明確には答えられない。
そんなわけでちょっと緊張していた僕に、


ブラックローズ「カイト、あんたがあっという間に倒しちゃいなさい」

カイト「え、僕がやるの?(汗)」


ブラックローズ「男でしょ?」

唐突のご使命を受けてしまった。
困ったなぁ、デュエルの勝手とか分からないんだけど・・。
流石にミストラルは戦わせられないし、仕方ないか。
僕が申請を受理しようとすると、その前にアルゴが口を挟んできた。

アルゴ「おいカイト、出来れば双剣は使うナ」ボソ

カイト「え、何で・・?」

アルゴ「このキバオウって奴、チーターとかの類が嫌いなんダ。
お前のユニークスキルを知ったら後々面倒になるかもしれないゾ」
チーターとは不正行為満載のプレイヤーのことだっけ。
この腕輪がある時点で既にそうと言えるのだけど・・。

でも後腐れが無いようにした方が良いかも。
そう思って僕はこっそりと操作をして、
素人の双剣を片方だけ持った。
・・何か使いづらい。


キバ「なんや短剣使いかいな。こりゃ楽勝やな。
で、どないすんのや?完全キルは嫌やろ?
なら、初撃決着モードやな」
初撃を当てるか、それが無ければ
ダメージ半分与えてHPバーを半分にするか、で勝敗が付くらしい。
流石に完全キルをやるつもりはないので、僕は了承した。


カウントが始まった。そして僕らも一旦距離を置く。

現在55秒・・。


キバオウが片手剣を構える。
どんな構え方があるのかは知らないけど、
分かりやすく言うならバッターのように、体の一方に剣を構え、
そこから袈裟切りをしようとする構えだった。

僕から見て左斜め上から振ってくるか、もしくは水平に払って来るか・・。

そのどっちかなのだろうけど、
対人戦初の僕には根拠をもって断定は出来ない。

そういえば、
1本だけの短剣ってどう構えるのがベストなんだろうか・・?
僕は片方だけの双剣を見て悩む。
その間にもカウントは減っていく・・。


アルゴ「なァ、カイトに任せて平気だったのカ?」
これからデュエルってのが始まる直前に、
アルゴが話しかけてきた。
・・わざわざ問う事かしら?

ブラックローズ「カイトなら平気よ。そりゃあ、
単純な攻撃力ならあたしの方が上だけどさ・・。
技術やスピードなら明らかにカイトが上よ」


アルゴ「そういうことじゃないんだヨ。
確かにブラックローズの言う通りだけド。
でもデュエルとモンスターと戦うのでは訳が違うんダ」
アルゴの言いたいことは何となく分かってるけどさ・・。


所詮プログラムされたモンスターは、攻撃方法と
パターンを覚えれば大体は対処できる。
対して対人戦は、思考も人が行うから戦略もそれぞれ。
プレイヤーのレベルが高いのはそれだけ経験している、ということだから。

でも、数値とかじゃないのよね・・。

ブラックローズ「単純にプレイヤーの技量で頼んだわけじゃないわ」

アルゴ「?」

ブラックローズ「カイトはいつだって・・あたし達を導いてくれたわ。
偶にはあたしが背中押した時もあったけど・・。
こういう時でもやる時はやる奴だから・・だから、大丈夫よ」

ミストラル「へっちゃらへっちゃら~(^o^)」
相変わらずこの人は呑気ね・・。でもま、このくらい乗り切らないと、
こっちの世界じゃ何も成せないわね・・。


カウント25・・。

相手が少し腰を屈めたのが分かった。
踏み込む力を溜めているんだろう。

さて、そろそろちゃんと構えないとまずいよな・・。


そうだ、昔ヤスヒコに借りて読んだ漫画を参考にしようか。
あれはこんな短い剣じゃなかったけど、悪くはないはず。
丁度構えも双剣と似ていたし・・。

あ、でも初期はナイフだったっけ。
思い出すなぁ、ダ○の大冒険・・。


僕は素人の双剣をいつも通り握って、腰を捻った状態で構えた。
そして空いた左手を軽く前に出す。
・・う~ん、左手も握ってないと軽くてバランスが悪い気がするなぁ。
その為に空いた手は前に出すんだけど、違和感だらけだ。

カウント10・・。


いよいよ初のデュエルだ。
まだ1層の最弱モンスター1体しか倒してないのに、
デュエルなんてものを体験する事になるなんてね・・。

カウント5・・4・・3・・2。

1。

0。

では今回はこの辺で

なんで・・なんでワイはゲームで出番作られたんや・・

出るの?(汗
ストラッシュ

頑張ってカイト。君ならできるよ

>>155 >>156
凄く曖昧な記憶ですが、少なくともストラッシュアローは
飛ぶ斬撃なので無理ですね(汗)
ブレイクは理屈がこの世界で通りそうにありませんし(地・空・閃を極めるとか・・?)

と、まあそんなこんなで
今回ものんびり更新していきます


互いに構えの準備をしていただけあって、
動いたのはどちらもほぼ同時だった。
ピローンという音がした瞬間、2人とも真正面に飛び出す。


但し、決定的な違いがあった。

動き出したのはほぼ同時だったうえ、
この世界での経験は確実にキバオウが上回っていた。


しかしカイトの速さは、
今までのこの男の経験を凌駕した・・。

キバ「な」
彼は初心者らしい相手だろうと、容赦しない。
かつての弱者の立場に立って、経験者は情報を分け与えるべきだ。
と、主張していた事を殆ど捨て去っていた。


中級者として実力をつけ、
軍の分隊長に成りあがったその後、初心者を嘲った。
自分がここまで成れたのに、未だに自分以下の奴がおるんか・・。
そう見下した。



だから目の前の初心者にも、遊んで倒すという選択肢は無い。
右手の剣を斜め上から振りおろす。
しかしそれは相手の剣を払って、バランスを崩すための1撃だった。
ライトエフェクトも光るがフェイクに過ぎない。


相手の武器を弾いたら、そのまま左から構えなおして、
水平一線に薙ぎ払うホリゾンダルを決めたるわっ!
そう思っていたのは数秒前の事だった。


キバ「んっ?」
既に相手は視界から消えていた。
と、同時に何かが飛び散った。

よく見ると、キャラの構成部分のデータの破片だった。
飛んできた方、つまり自分の身体の右側を見ると、
斬られた赤い痕があった。

キバ「やて・・?」
見かけない顔なので初心者と思っていた、
自分よりも小柄な相手は既に自分の後方だった。
つまりこれは・・。


キバ「ワ、ワイが・・なんもせんうちに
斬られたっちゅうんか・・!?」


速すぎや・・。1つ感想を言うならこれしかない。
剣を構えて初撃を放とうとしたら、
いつの間にか自分の横をすり抜けられていた。
おまけにしっかり攻撃されている。

こんなに速いプレイヤーがいたのか・・。

キバ「(まだや・・まだHPは充分・・!)」
そう思い後ろから追撃しようと体勢を整え剣を向けるが・・。

ピー!

WINNERの表示が出現し、デュエル終了音が響いた。
勝者として表示されたのは、
カイトという自分のデュエル相手だ。
デュエル時間は・・6秒。


キバ「な・・ワイが、負けたやと!?こないな短時間で・・!?」
有り得ない・・先程の速さは確かに目を見張るものだったが、
たった1撃で自分のHPが
デュエル終了と判断されるまで減るはずがない。


だけど、自分の目の前では・・あっという間の出来事だが
デュエルは終わっていた。


カイト「えっと・・これは僕が勝ったって事だよね?
じゃあ、徴収とやらは無しでいいのかな?」

キバ「くっ・・」

ゲーム開始直後にこんなプレイヤーがいたら、
チーター扱いも出来ただろう。
しかし2年も経った今、こんなプレイヤーがいてもおかしくない。
以前のように、チーターや!とは言えなかった。


負けた以上は仕方ない。これで食い下がれば、
下手をすれば圏外で攻撃されるかもしれない。
そうなれば・・。
その可能性に震えるとキバオウは、剣を収めた。

それじゃ、と言うと対戦相手の小柄な少年は、
2人の仲間らしいプレイヤーの所へと向かっていく。


勝利を祝福されてるのか、ここでは少し珍しい
褐色の肌の少女に背中を叩かれている。
もう1人の少女には、頭を撫でられていた。
照れくさそうに彼は笑っているが、いつもの事なのか
満更でもない顔をしていた。


アルゴ「まんまとやられたみたいダナ、キバオウ」
いつの間にか横には情報屋のアルゴが立っていた。
話しかけてきたものの、
視線自体はカイトの方を向いたままだったが。


キバ「なんや、ワイを笑いに来たんか?」
負けた事は情けないが、それ以上に慰めなどもっとごめんだ。
よく落ちぶれたと言われはするが、
流石にそれくらいのプライドは残っている。
キバオウもアルゴから視線を外したまま、受け答えした。

するとアルゴはこう続けた。

アルゴ「いんや、アンタが負けたことに対し
情けないとか言いに来たわけじゃナイ。
単純に、ありゃ負けてもおかしくなイ・・って言いに来たのサ」


キバ「なんやそれ・・」
キバオウ本人としては、いつの間にか斬られていて
あっという間に終わっていたとしか認識していない。

彼の言葉からあまり間を空けずに、
アルゴはこう続ける。


アルゴ「まあ当事者のアンタは、何が起きたのかさっぱりってとこカ。
無理もないサ。
オレっちもカイトの技量にはただただ驚かされてばかりダヨ・・」

そのアルゴの言葉にキバオウは初めて彼女に視線を向けた。
未だに彼女はキバオウに目を向けていない。
彼女の目は少し輝いているように見えた。
例えるなら、とんでもないレア物を見つけた目。


今回の場合、逸材を見つけたような目と言った所だ。


キバ「アイツは・・何をしたんや?」
思わず彼女に聞いてしまったが、性分を忘れていた。
情報屋なのだから何を聞くにしても、情報料を要求されるかもしれない。
攻略にも無関係で、単なる個人の情報なのだから
金を払う意味はあまりない。

だが、その必要は無かったようだ。

アルゴ「まず、今回の事で分かっタ。多分カイトは
このアインクラッドで、最高の移動速度を有していル。
と、考えられル。そして多分・・」
情報屋の呟きに注意を向けるキバオウ。
そして更に奇妙な事を彼女は口走った。


アルゴ「アイツはこの世界では初心者ダ。
でも、どこでかは知らないけど並外れた経験と、
戦闘センスがあると推測できル」

キバ「なんやそれ・・」

アルゴ「アンタのHPがあっという間に
イエローになったのは何故と思ウ?
単純な話ダ、カイトの攻撃は1回じゃなかったのサ」

キバ「っ!!」

アルゴ「この世界で他に類を見ない速サ。
それでアンタの横を抜き去ったのは想像つくと思うケド。
その際カイトはソードスキルも使わずに、
瞬く間に2撃目を叩き込んでいたのサ。
追撃のバフも付けず、技術だけでサ」

今回はこの辺で
11月3日も余裕あれば投下していきますので
それでは



キバオウはんのバトルシーンは終了・・

キバ「なんでやっ!」

本日余裕あれば・・と書きましたが
余裕がないので、続きの更新は来週です

申し訳ないです
ではまた来週~

どうもこんばんは
本日は22時過ぎからの更新を予定してます

にしてもカイト君のフラグですか・・
やはりカイトとキリトのフラグ立て、
流れ的にはカイトの方がお好みなのでしょうか?

MORE DEBANになるキャラがいたりとか
正妻が決定してるくらいなら立てるなよ、とか思うのでしょうね・・


アルゴが語ったカイトの攻撃の流れはこうだった。

キバオウが右から袈裟切りの流れで、牽制の1手を振り切る前に、
カイトは飛び出し、その速さでキバオウの脇に。


そして、通過する際に右に構えた短剣を振るい1撃目。
そして瞬く間に体を回転させ、
通過しきる前に右手に在った武器を左手に持ち替え、
斬るのではなく
刃先を突きたてるような流れで2撃目を放ったンダ、と。


アルゴ「(あのタイミングと体勢、速さで持ち変えるなんてネ・・
オレっちは左手で短剣なんか振るえないヨ。
双剣で両手を使っていたおかげ、カ?)」
アルゴが内心感心していると、ようやく祝福が終わったのか
3人がアルゴの近くにやってきた。


カイト「じゃあいざこざは終わったし、アルゴ。
別の階層に行こうよ」


アルゴ「・・そうだナ。元々そうするつもりだったシ」
負けて意気消沈するキバオウを放置し、
アルゴは3人を転移門へ連れて行こうとした。
しかし、未だに諦めていない者がいるようで・・。


「待ちたまえ・・我々のリーダーが負けて、黙っている訳にはいかんな」

アルゴ「止めときなヨ、アンタらのリーダーで負けたんだ。
他に勝てる奴らがいるとは思えないヨ」

「・・くっ」
アルゴは情報屋であると同時に、確かな信頼を得ているプレイヤーだ。
その彼女から『勝てる奴らがいるとは思えない』
と、言われてしまえば本当に自信の無いプレイヤーは納得してしまう。

所詮は解散した元軍の一員。キバオウに従って、
効率の良い狩場の独占、戦力になり得ないプレイヤーから
徴収ばかりを行って来た者達の集まり。
圧倒的な差には脆いのだった。


キバ「なぁ・・ジブンもβテスターだったんか?」
唐突にキバオウが話しかけてきた。
先程よりは言葉に勢いがない。
自分に負けた相手に堂々と話しかけてくるあたり、
メンタルは図太かったりするのかも・・。


カイト「βテスターだったことはないけど、それがどうしたの?」
聞いた事も無いものだったからこう言うしかない。
『も』と言う辺りテスターとやらは、他にもいるみたいだけど・・。


そして彼は若干放心状態のまま、こう呟いてきた。


キバ「さよか・・。βテスターだけやない。
この世界には次元の違うもんが
他にもおったっちゅうことやな・・」
βテスターとは、SAOのテスト版をやった事のあるプレイヤーの事ダ。
と、アルゴから聞く事が出来た。アルゴもβテスターだったみたいだけど・・。


因みにさらにアルゴが教えてくれたのだけど、
このキバオウと言う人、
アルゴ以外のβテスターと揉め事があったとか・・。


このゲーム開始時にデスゲームと分かった際、
βテスターが情報を渡さなかったから
死者が出たんだ!と彼は訴えていたらしい。


でもテスターによる手作りのガイドブックのようなものが製作されており、
一旦は治まったらしいんだけど・・。
その後のボス戦で束ねる人が目の前で死に、
またテスターを憎み始めたとか・・。

だからキバオウはチートを嫌っていたのか・・。


そしてその際チーターとβテスターどちらも兼ねている。
という侮蔑の意味で、ビーターという言葉が生まれたらしい。

今もその人個人についてどう思っているかは知らないけど、
それ以来キバオウはチートとかには、過敏に偏見を持つようになった。


うぅ~ん、チーターって意味では僕は似たようなものかな。
前はよく不正プログラムを有した、違法PCなんてリョースに言われたし。

但しこっちでは腕輪所持による影響とかは、全く感じられない。


僕の場合オルカを助けるために持っていた力だったけど、
そのビーターって言われた人は、何も抱えずにいたのかな・・。
キバオウみたいに目の前で知り合いが・・なんて
事態に遭ってもいないのに言うのは不謹慎だけど。

一方的に悪いと言い切ってしまうのはどうかと思うんだよね。

キバ「行くで・・」

「キバオウさん、本当に宜しいのですか?」

気づくと、軍の他の人達がさっきまで静かだったのに、
急にざわめいている。キバオウと意見が割れているみたい。

でも負けた以上、僕らにこれ以上関わろうとはしないんじゃないかな。
ブラックローズの言う通り、最初に抑えてしまうのは有効だったみたいだ。


キバ「しゃあないやろ。ワイじゃ勝てへんかったし。
・・おい、そこのワイに勝ったやつ」
あれ、また呼ばれたみたいだ。今度は何を言われるのかな。


キバ「ええか?上の層に行くんなら、ビーターには気ぃつけや」

カイト「気を付けろって・・何に?」

キバ「ジブンの速さは大したもんや。
けど多分、あのビーターは最前線におるやろうし。
強さを求めるんならあないな奴にも注意せえっちゅうことや」

キバ「・・特にアイツ、強い奴には目ぇなさそうやしな」

カイト「・・そのビーターの人、具体的にはどう強いの?」

キバ「ワイが初めて会った時は普通の剣士やった。
けど、この世界での情報量がまるで違ったんや。
そらぁ、このゲームが単なるネットゲームならとやかく言わへんけど、
ここは生死が掛っとる。そんなら・・多少はこの差を恨まずにはおれんで」


The worldで僕はオルカと最初にログインした時、差があった。
そのまま何事も無くプレイしていたら多分、差は徐々に埋まっただろう。
けれどこちらでは事情が異なる。
互いに必死になるのは確実だ。


初めから差があって、互いにレベル上げしても
その差は中々埋まらない。いわゆるマラソン状態だ。

いくらキバオウがレベルを上げても、
そのビーターの人も上げていれば差は開いたままという事だ。
そしてその差のおかげで、
生死が掛かっているこの世界で優劣が出るんだから、
まぁ恨みたくなるのは分からないでもないけど・・。


この人が2年間どんな風に過ごしたのかは知らないけど、
それは殆ど逆恨みに近い。死を招いたと言っても、
あまりに間接的すぎるだろう。
だけど僕は、明確にそれを言うつもりはなかった。


カイト「ねえ、あなたはそのビーターの人に死んでほしいの?」
とっさに僕が言ったのは、割と酷な質問だった。
無論違うだろうという事は予想してたけど。


キバ「ち、違うわ・・。ワイはただ・・」
戸惑うように狼狽えるキバオウ。
随分会っていないようだし、
もう何をしてやりたいとか薄れているのかもしれない。

多分、決定的な事が起きた際にもっと何かしていれば、
この人は何かを抱え込んでいなかっただろうけど・・。


今は本気で恨んでいるようじゃないみたいだ。
その時の気持ちをズルズル引きずったままなんだろう。
でも、高レベルの相手だから物を言えなくて我慢していたとか・・。


ブラックローズ「そろそろ行くわよカイト」


アルゴ「いつまでもソイツに関わってたら、夕日が暮れちゃうゾ」
2人の呼びかけに僕は気づく。
既に総じて20分はキバオウ達に関わっていたようだ。


そんな風に他人を恨んでいても・・と言う事を伝えようと思ったけど。
何か上手い言い回しが思いつかなかったから、少し残念。


でも、僕でもこれくらいの事は言える。


カイト「ネットゲームの遊び方は人それぞれだよ。
キバオウ、あなたが何を思って軍に入ったかは知らない。
何を成そうとしていたのかも、これから何をしたいのかも。
でももし、この生死が掛かってるネットの世界で
クリアした英雄とか言われたい、何かを成し遂げた
人物とか言われたいなら・・」


カイト「そんなの気にしない方が良いよ」

とりあえず今回はこの辺で

次回でキバオウさんの出番は終わりです

ではでは

本日は23時頃からの更新予定です

未だにキリト未登場とか
導入にどんだけ・・って感じでしょうがご了承ください(汗)


キバ「なんやて・・?」
う~ん、今のはちょっと言葉が足りなさすぎたかな?
そもそもこの人の目指してるものは違うかもしれないし・・。


でも多分、ネットの世界で強くなりたいって目標はおかしくない。
剣を握って強いモンスターを・・なんて現実ではできない事だ。
だからその現実で出来ない事に憧れるのは普通のこと。
僕だって現実で出来ない事に憧れたのは事実。
でも・・。


カイト「ネットゲームは楽しむのが目的だよ。
ここじゃそれは言えない事かもしれないけど・・。
少なくとも、人との格差を作って愉悦に浸る事じゃない。
この世界をクリアした人がいても、そんなの大した称号じゃないから。
だから・・そのビーターの人に固執して、
テスターを嫌うのは止めた方が良いよ。
人間的に問題あるなら別だけどね」


キバ「こ、この世界は・・既に何千人と死んどるんや!
その世界を終わらせたなら・・充分英雄やろ!
ワイは単に・・あの人に指揮を取って欲しかっただけや・・。
1層攻略を纏めたのはあの人や。それを・・あのビーターは!
最終的な手柄を全部持っていったんや!」


カイト「だから言ったでしょ?
ネットゲーム上での功績なんて大したものじゃないって」

キバ「なん・・や、て?」
アルゴがちょっと険しい顔をしていたけど、僕は気にしなかった。
各層を進める事の重大さを知らないのは確かだし、
ここでの死を目の当たりにしていない僕が言うのもなんだけど。

これは自信を持って言える。


カイト「その1層での事、僕はロクに知らないけど。
もう皆忘れてるよきっと。多分、今も引きずってるのは
あなたのような一部の人だけ。
そのビーターの人って今、最前線で頑張ってるんだっけ?
ってことは、大半の人がその人を受け入れてるんだよ。
難易度はもうテスターとか関係ない域になってるんだろうし」


カイト「あなたが気にしているのは多分その程度。
だから、いつまでも軍っていう殻に閉じこもってない方が良いよ」

キバ「・・・」

「貴様、キバオウさんに何ていう事をっ!」

ちょっと辛口過ぎたかなぁ。
でも多分、この人の周りにはこういう事を
言えてあげる人がいなかったんだと思う。
これで少しでも変わる切っ掛けになれば良いんだけど。

キバ「ケッ・・負けたワイには何も言えへんな」

カイト「僕の言った事分かってないの?
今の決闘の勝敗なんて大したものじゃないよ。
だって別に、最強のプレイヤー同士の戦いでもなかったんだし」

キバ「・・・」

カイト「権利とか称号とかそんなもの関係ないよ。
キバオウはキバオウで強さを得ればいい。
妬みを持ってる方がずっと気持ち悪いし。
プレイヤー同士のいざこざなんか
少ない方が攻略だって都合がいいでしょ?」


キバ「・・ジブンの言いたい事はなんや的を射てへんなぁ」

やっぱり辛口過ぎたかなぁ。偉そうに語るのは僕らしくない。
それに僕も自分で何言ってるんだか分からなくなってきちゃった。
何で僕、こんなこと言ったんだろう?
けれど彼はこう言ってきた。


キバ「けどまぁ・・確かにワイは気にしすぎやったかもしれへん。
2年も前の事に固執しすぎやったのかもしれん・・」
誰かに向かって呟くのではなく、
まるで自分に言い聞かせるように・・。


キバ「あかんな、調子狂うわ・・ジブン、
さっさと上に行くなら行きいや」
あれ?何だかさっきより憑き物が取れたみたいな顔してるなぁ。
いや、決して良い顔をしていたわけじゃないけど。


キバ「もうテスターとか関係あらへんな・・
そや、もう2年も経っとる。ええ加減にワイはワイのプレイをせな・・」

僕は苦笑いしながら彼の近くを去った。
彼がこれからどうするのかは知らないけど、
今までとはちょっと違うプレイを出来るに違いない。

・・少なくとも追われているのは変わらないだろうけどね。


転移門の方に行くとアルゴがちょっと呆れていた。
ブラックローズも。因みにミストラルは相変わらずだ。

アルゴ「・・随分な事言ってたじゃないカ?
初心者カイトクン?」

カイト「(汗)」

アルゴ「ハァ・・徴収を払わないって事態よリ
もっと荒事になるんじゃないカ、と思ったヨ」


ブラックローズ「あんな奴ほっときゃあいいのに・・」

カイト「何となくだよ・・」
実は昔のバルムンクっぽく思えたのは内緒だった。
あの時もバルムンクは違法プレイヤーを嫌ってたから、
何となく放っておけなかったんだよね。

それにほら、モンスターとの戦いが殺伐としているのに、
人同士でもっていうのは減らした方が良いと思ったんだよ。
・・とは言わなかったけど。

アルゴ「まぁ、あのキバオウが引き下がってくれたからいいケド。
あんまり騒ぎは起こしてくれるなヨ」
寧ろ騒ぎを起こしていたのは彼の方だったのでは?
と、言いたかったけどアルゴからしたら
僕の方が騒ぎの種に認定されてしまったらしい。

アルゴ「そんじゃ、別の層に行くとするカ」

ミストラル「よぅーし!行こうっ(^^)」


50層 アルゲード


アルゴが示してくれたのは全100層の内、
丁度半分の層だった。

誰だって最初の層、最後の層位は後になっても覚えていると思う。
そしてここは、ちょうど半分ってことで次の順位的に
覚えていそうな所じゃないかな。

1層に比べて人は圧倒的に多い。
丁度半分の層って事が理由なのか、
各プレイヤーの実力はバラバラだ。
それでも圧倒的に中級プレイヤーが多いみたいだけど。


雰囲気としてはいくつもの店が連なっている、という感じ。
様々なプレイヤーが自主的にやっている店や、
NPCによる店が入り混じっているみたいだ。


街なのに迷いそうな、迷路のように入り組んでいるのは
仕様としてどうかと思ったけど。
店がたくさんあるからか、
ミストラルがワクワクしているのが分かる。


でも僕は人が多過ぎてちょっと苦手かも・・。
通路も狭いし、何だか都心のイメージだ。
そこまで悪質な勧誘は無さそうだけど。
そういえばアルゴはどうしてここに来ることにしたんだろう?

アルゴ「ここは色んなプレイヤーが混じりやすいんだヨ。
オレっちの知り合いも拠点にしてたシ。
ようは情報が集めやすいのサ。
君達には、圧倒的に情報が少ないと思ってネ」


なんとなく納得がいった。
真ん中の層の街ってことは、あのλサーバー
カルミナ・ガデリカみたいなとこだろう。


あそこは夜景云々もあったけど、上級プレイヤーもよく来ていた所だ。
街自体がそこまで大きくなかったためか、集まるのも容易だった。
あそこと同じ様に、ここは人の出入りと同時に
情報も集めやすいんだ。


ただ色んな人がいるって事は
危険もまたあるわけで・・。

見た目怪しい店もあったし、一応注意も必要だろう。
ま、怪しい店も多分ミストラルには敵わないけどね。


4人で街を歩くことになった。
ミストラルはかなり先行して片っ端から店を覘いていたけど。

僕とブラックローズは主に行きかうプレイヤーから、情報を集めた。

アルゴは既に知っていた事だけど、
どうやら最前線で問題が起きているらしい。
最前線の上級プレイヤーの知り合いから聞いた
プレイヤーによると、
大体こんな事が広まっていた。


・最前線は現在75層のボスを倒し76層まで進んでいる事
・最大の攻略ギルドの団長が、このゲームの開発者だった事
・その開発者を75層で倒したが、何故かゲームが終わらず
攻略は続けられている事
・76層に行くと、それよりも前の層に戻れなくなっている事

今回はこの辺で
また来週~

最近の機器だと
キャラが妙にリアルすぎてちょっと気持ち悪いですよね
.hack//Versesでしたっけ・・?
ああいう感じになるのはちょっといただけないですが・・

と、今日は22時半くらいから更新していこうと思ってます
では後ほど


と、まぁこんな情報が広まっていて
進むか否か決められないプレイヤーが75層や、
メジャーなこの50層に留まり相談しあっているみたいだ。
今までなら新たな層が解放されたらすぐに行っていたらしいけど、
戻れない、という理由で
大半のプレイヤーが足を止める事になっているらしい。


でも同じくらい注目されていたのは
最強のギルドの団長がこのゲームの開発者であり、
おまけに100層のボスだったという事。



カイト「あれ?このゲームって100層クリアでログアウト出来るんだよね?
ってことは100層のボスを75層で倒したなら、クリアなんじゃないの?」
僕の質問にアルゴがはにかみながら答える。


アルゴ「オレっちもそれを聞いた時はそうなんじゃないかと思ったケド。
まァ、75層での戦いを見てないから何とも言えないガ、
実は倒してなかったんじゃないカ?っていうのが考えられるナ。
でもオレっちの知り合いは正にその戦いの当事者で、
倒したって言ってるからそれは無いと思うんだケド。
戻れないって事かラ、確実にイレギュラーな事態なのは確かダ。
スキルもいくつか消えるっていうバグもあったらしいヨ」



カイト「その開発者だった人って・・?」

アルゴ「茅場は流石に知ってると思うケド。
このゲーム内じゃ血盟騎士団って最有力ギルドの団長だったんダ。
ヒースクリフってやつだヨ。オレっちも何度か顔くらいは合わせたガ。
まさかなァ・・」


ヒースクリフって人を倒したなら、
その時点でこのゲームはクリアのはず。
もしかしてアウラの言っていた異常な事ってこれなんだろうか?
ゲームの創造主も管理者もいないのに、
続けられているゲーム・・。

確かにアウラからしたらあまり見過ごせない事かも。
不具合はあっても続けられているなんて、
正にあの『モルガナ事件』に酷似している。
おまけにデスゲームなのだから、危険度はより高いと言えると思う。



とはいえこっちでは、新しい管理者となる人物を用意、
なんて真似は出来ない。
死んでしまうのも一応使用だし、何とかクリアにたどり着かないと
この事態の解決の方法は基本的には無いと思えた。

どうやらしばらくは100層攻略を目指すのが無難っぽいなぁ。

>>211
あ、口調的におかしかったかも・・
「どうやらしばらくは・・」
じゃなく

「やっぱりしばらくは・・」
に脳内変換してください


別の目標が出来たらその時はその時だ。
するとブラックローズが歩きながらアルゴに質問していた。

ブラックローズ「ねえ、最有力ギルドの団長が敵だったんでしょ?
なら今、そのギルドって崩壊気味なわけ?
じゃあ、誰が攻略の中心なのよ?」
あくまで血盟騎士団とやらは要だっただけで、
攻略の全てを担っている訳じゃないんだろうけど。
確かに団長のいなくなったギルドってどうなってるんだろう?


事実、紅衣の騎士団は解散していたし。


アルゴ「あぁ、今は副団長だった人が76層にいル。
オレっちの知り合いだけどナ。その子が仕切ってるゾ」

ブラックローズ「その子って・・もしかして女なの?」

アルゴ「ああ、その通りダヨ」

ブラックローズ「なんですとぉー!?」


・・どっかで聞いた事のある台詞だ。

カイト「(笑)」
僕が笑うとブラックローズもしてやったり、な顔をしていた。
アルゴは不思議そうな顔してたけどね・・。


にしても最有力ギルドの副団長と知り合いなんて、
流石アルゴ。情報屋の名は伊達じゃないみたいだ。

アルゴ「・・にしても、オレっちもついさっき知り合いから
現状聞いたばかりだってのニ、結構広まってるんだナ」
アルゴも実は情報集めにここに来たらしいけど
既に知らされていた事以上の収穫は無かったみたいだ。
多分、最前線の人も分かっていないことが多いんだろう。


けど、僕達が現状を知るには最適の街だったみたいだ。
アルゴに更に何か聞いておこうかと考えを纏めようとしたら、
ミストラルが大はしゃぎで戻ってきた。


ミストラル「いぇ~い(^^)
早速交渉に成功したよぉ(*^_^*)」

ピースを連発しながら彼女は誇らしげに言った。

うわぁ、流石ミストラル。
彼女は値切り交渉が得意だ。もう結晶をたくさん持っていた。
お金たくさんあるんだから払ったら?と思ったけど。

ミストラル「ゲームだろうと、節約精神は徹底しないとね~(*^_^*)」
とか言っていたから、グイグイ行くんだろうなぁ・・。
少し向こうに脱力したプレイヤーが見えた。
あのプレイヤーから、凄く値切りしたんだろう。


アルゴ「フゥン・・ミストラルは交渉が好きなのカ」

ミストラル「えへへ~、この結晶元値は5万はしたけど、
今私が持ってるの全部1万以下に落としちゃった(^^)」

アルゴ「うはァ・・とんでもない客ダナ」
笑いながらもミストラルの交渉術は認めているみたい。


するとアルゴが思い出したように言う。

アルゴ「情報集めばかりもしてられないナ。
君達3人の力を測らないト」

しまった、街の人と話すのに夢中になってすっかり忘れてた。
今までのんびり街を歩いて回っていたけど、
急いで方針を変更して、街の外に僕達4人は向かうことに。




50層フィールド

アルゴ「ここから道なりに進めば
そのうち迷宮区ってとこにたどり着ク。
迷宮区は少しフィールドよりモンスターが強いから、注意だゾ。
迷宮区はあの遠くに見える大きな塔ダ。
専用の入り口で見分けがつくし、
マップ確認で名前を見れば一発サ」


フィールドを歩きながら迷宮区の説明を受ける僕達。
せっかくだから迷宮区まで行ってみようという事になった。
ついでにボス部屋諸々とかの説明も含めて。
やっぱり階層攻略の流れを知っておかないとね。


いきなり50層に来たためか、出てくるモンスターは
さっき戦った1層のイノシシとは桁違いだった。
勿論1撃では倒せない。姿は殆ど同じイノシシでもHPの減り方は
まるで違ったし、中には剣を持ったトカゲのモンスターも出てきた。


”スラント”

という文字が見えると、リザードマンは今までのように
単純に剣を振るうのではなく、1歩踏み込みながら袈裟切りで剣を振ってきた。
僕は初めてまともな攻撃が受ける。
とはいえ、HP自体は殆ど減っていなかった。
代わりに今までモンスターやキバオウに与えた時のような、
斬られた痕が僕の身体に残った。


ミストラルからの援護も必要ないと思い斬りかかるけど、
何故か視界が少し暗く攻撃が当たりにくい。
何だこれ・・?

アルゴ「それがデバフ(状態異常)ってやつだナ。
敵のソードスキルで暗闇状態、つまり一時的に命中が下がったのサ」

少し遠くからのアルゴの説明が聞こえた。
成程ね、大した敵じゃないけど色々と知る事が出来るみたいだ。
僕が追撃しようとすると、


”アバランシュ”

と、スキル名が現れると同時に、

ブラックローズ「てやぁっ!!」
ブラックローズの両手剣スキルが発動し、リザードマンの
残りHPを一気に削りきった。
どうやら彼女はソードスキルにも慣れてきたみたいだ。


アルゴ「これから先、ああいう武器を使ってくる敵は増えてくル。
但し、ソードスキル発動とその後に隙が出来るのは敵も同じダ。
パリングで弾き返すもよし、ステップで避けるのもありだゾ。
鎌を使う死神とか、パリング無効の攻撃を使う奴もいるけどネ」

アルゴの戦闘指導を聞きながら、僕達は確実に学んでいった。
敵のスキルへの対処。
ソードスキルでデバフを与える事が可能な事。
ただ攻撃するだけではなく、スキルと回避が重要な事。


アルゴ「君達じゃここの階層は余裕っぽいケド。
更に強い敵はシステム的に回避が高くて当たらない敵もいるんダ。
どんなに本人が当てていてもネ。そんな時はDEXを上げると良いゾ」


やっぱりステータスは重要な事も実感した。
デーモン系の敵は当てにくいとか、ゴーレム系は
とにかく堅くてHPも多いけど、回避はされにくいとか。
敵の見た目も結構重要みたいだ。

今回はこの辺で

皆さん、急に寒くなってきたので
気をつけてPCいじってくださいね
ではまた後日~

どうもこんばんは
今日も22時半を予定しています

カイト達のSAOチュートリアルはまだ長いですが
ご了承ください


宝箱の敵も迷宮区で発見。
The Worldと全く同じでミミックと言う敵だった。
混乱を連発され、SPを吸収されて厄介な敵だったけど。
こっちでも比較的厄介な敵だった。


僕はマヒを受けるわ、ブラックローズは出血を受けるわ・・。
正直まずいと思ったけど、ミストラルの支援であっという間に逆転の道を開いた。
これも彼女の特性なのか、バトルスキルの発動が異様に速い。
おかげでHPとデバフの回復はあっという間だった。
そして・・。


カイト「行ける・・!」
慣れてきたブラックローズにより、ミミックがスタンさせられた。
もう10以上は戦闘をこなしてきたし、
僕もスキル発動に必要なモーションと
タイミングを見切る事には慣れてきている。

一時的な硬直状態になったミミックに対して、
僕は遂に双剣スキルの発動に至った。


カイト「舞武・・!」


The Worldでも散々使った物理スキルだ。

後ろで溜めた右の剣で逆袈裟に斬りかかり、体の捻りを加える。
振り切ったら次は左の剣を振るって、再び右で斬りかかる。
その3撃目で踏み込みながら今度は完全に体を回す。
そして最後に普段の構えに戻って、左で突きの1撃を入れる。


The Worldではボタン1つで終わってたけど、
実践してみたらかなり大変だ。何せ全身の動きと
それに合わせた踏み込み、体勢の入れ替えをするんだし。
とにかく、4連撃のソードスキルは終わり。
ミミックを無事倒す事が出来た。


他の双剣スキルに比べてヒット数が少ないのが特徴で、
スキル使用時間も短いので使い勝手がいい。
夢幻操武なんて凄く大変だからあまり使いたくないかも・・。
確か宙で横に回転していたと思うけど。
その辺りはシステムのアシストが何とかしてくれると思いたいな・・。


ブラックローズ「やっとソードスキルが使えたじゃない」

カイト「まだ完璧ではないと思うけどね」
ブラックローズからの賞賛を受けながら、僕は言葉を濁して答えた。

あんな動きをしたからと言って、
結局はゲーム内だから目が回るとかは無いし、
ふらつくとかも無いけど、使った後の慣れは必要かな。

なんというか・・終わったらこの位置になる、というのがまだ慣れない。
すると戦闘を終えた僕らにアルゴが、
短い拍手をしながら声を掛けてきた。

アルゴ「ミミックを倒せるなら大したもんだヨ。
にしても、やっぱり見た事ないスキルだったナ」


薄々予想していた事だけどネ、とアルゴは言ってきたけど、
そう言われるだろうなと僕は薄々予想していた。
きっと夢幻操武を見たら、びっくりするんじゃないかな。


アルゴ「ブラックローズも随分と両手剣のスキルに、
手馴れていたみたいだシ。ミストラルの後方支援も大したもんだヨ。
君達中々手馴れているというカ・・連携も出来そうだナ」


向こうで散々お互いのフォローはしたからなぁ。
特に物理耐性の敵にはミストラルと僕が主で。
魔法耐性の敵にはブラックローズと僕が主で。

と、こういう戦闘の流れを作って随分経ったし。
攻撃の癖とか、誰がどの役割をすべきか、
役割の交代、とかには慣れている。
クビアとの戦いじゃ、何度も攻撃役と回復役を入れ替えたっけ。


SAOの場合、ミストラルが指示役固定なのは明白だから、
一線離れた所からの支持はとっても助かるなぁ。


ブラックローズ「ま、あたし達なら余裕よこんなもん」

アルゴ「お、言うなァ・・」

ミストラル「にゃはは~、調子に乗っちゃダメだぞぉ(^_^;)」
またブラックローズは・・と言いたい所だけど、
アルゴも大したもんだよ、と言ってくれてるし
ここは素直に喜ぶべきかな。

ただ、ソードスキルで慣れていない事が実は他にもあるんだよね・・。
それは目の前の臨場感が凄くて、スキルを使う事に若干の
躊躇いがどうしてもできてしまう事。



The worldでも一人称視点はあったけど、あまり使わなかった。
けどこっちでは否が応でも一人称視点だから・・。
そこは慣れるしかないのかな。


にしても、正直に言うと未だに
HP0になると死ぬというのがあまり実感できてない。

別に実感したいわけじゃないし、
他の人が死ぬのを見たいわけじゃないんだけど。
今の所プレイする中では、視点や操作の違いってだけで
殆ど唯のネットゲームにしか思えない。

流石に2年間もプレイしてきた
アルゴの目の前で言う事は出来ないけど。



迷宮区の攻略は予めマップが明かされていて、
やる事の半分は無くなっている。
モンスターを倒してドロップ品である鉱石や素材、換金アイテムもかなり入手出来た。
とはいってもお金には困らなさそうだから、
武器の強化が基本になるのかもしれないけど。

防具はどうなのかな・・一応指輪とかお守りは揃えた方が良いだろうけど。
そもそも今装備している以上の性能の装備があるのかも、
まだじっくり見ていないから僕には分からない。


迷宮区に入ってからだいぶ時間が経って、
初めて見る大きな扉が見えた。
アルゴが簡潔にこれがボス部屋ダ、と教えてくれた。

近くには何やらアイテムが置かれている。

ブラックローズ「これって結晶だったかしら?」

アルゴ「それは回廊結晶。転移結晶が脱出アイテムなラ、
これは街からのショートカットのための結晶だヨ。
通常初めてボス部屋に来たラ、これを設置して
街の転移門から一気に複数のパーティがここに来れるようにするんダ」


ボス部屋に1度来たら何度でも来れるようにするもの、という事みたい。
帰りは?と思ったけど、考えてみれば
ボス部屋の攻略が済めばすぐそこが次の層で街だ。
帰りの事はあまり気にしなくていいんだろう。


アルゴ「ここ50層もそうだけド、25層や75層は
クウォーターポイントって言われててネ。
とんでもなく強力なボスだったんダ。
ま、今や75層が終わって、本当にキツイのは100層だけだろうけどネ」

アルゴが何の躊躇いも無く扉を開けた。
ギギギ・・と扉がゆっくりと開く。
但し中は空っぽ。倒された後だからボスは不在だし、
敵の配置も無かった。大きな部屋の向こうにはまた扉が見える。


かなり広いボス部屋を見回していると
アルゴが僕達3人に対してこう言ってきた。


アルゴ「さテ・・これで階層攻略の流れは分かったカ?
いきなり50層が出来たなんて大したもんだヨ。
まあ実際1番辛いボス戦をこなしてこそ、理解したって言える段階だろうケド。
流石にボスと戦うのは最前線しか出来ないから仕方ないヨ」


アルゴ「んじゃ、無事攻略完了、ってことデ。
街に行こうカ」

僕達は空のボス部屋を通り過ぎ、51層にたどり着いた。
SAOを始めて数時間で、僕達3人は半分以上の層に達したことになる。
51層はさっきの50層ほど人混みが目立たなかった。

でも、アルゴが行きつけの宿が50層だから、
ということで僕達は転移門を使って50層の街に戻ることに。


僕はちょっと嫌だったけど、またここに戻って来て
ミストラルは凄く喜んでいるみたいだ。
そしてアルゴからの提案。
初日から戦い続けても・・ということで宿の使い方とかを
教えてもらう事になった。


The Worldじゃ宿屋って概念は無かったからなぁ。
休憩のためには即ログアウトだったけど、ここではそれがない。

街での休み方とか、危険も教えてもらう事になった。
アルゴの行きつけだと言う宿屋の前に来たところで、
今度はミストラルの提案。

ミストラル「私は店回ってくるから、
そっちは後で教えてねぇ~(^^)」
行く前にミストラルはステータス画面を開いて、
何やら弄ると意気揚々と街の中に行ってしまった。


アルゴ「大丈夫カ・・?って言いたいとこだけド、
平気っぽいナ。今街の全体図とこの宿屋の位置を確認したんだロウ。
ついでにパーティメンバーのマッピングもしてたっぽいシ」
なんでそこまで分かるのかと思ったけど、
どうやらさっきミストラルはこの事をアルゴから聞いていたらしい。

今回はこの辺で
また来週~

今日は特に予告しませんでしたね
すっかり忘れてました
ってことでのんびり更新していきます


早くも別行動で街の散策の事を考えていたのか。
う~ん、流石ミストラル。抜かりないね。
ブラックローズも少し呆れていたけど、
仕方ないわね、という顔で笑っていた。

帰ってきたら色々と収穫があるに違いない。
期待して待っておこう。
きっと僕らに役立つアイテムを収集してくるだろうから。
もしかしたら変なアイテムを掴んでくるかもしれないけどね・・。



ミストラルが出かけて比較的静かになった僕達3人は、
宿屋の扉を開け中の酒場のような所で話し合う事にした。

中に入ると街の通路以上に人が集まっている。
食事をしながら話し合いをしているんだろう。
店内という狭い空間の中で、ザワザワした話し声は中々絶えそうになかった。


アルゴが店員と話し合う所を見て、
掛け合い自体はそうリアルのファミレスとかと変わらない事を確認。
宿に関してはずっとこの宿を使うかは未定なので、
ひとまず3人分泊まる部屋を確保した。

部屋割りは僕が1人、ブラックローズとミストラルは相部屋だった。

アルゴ「そういヤ、その辺の説明もまだだったカ・・」
簡易な椅子に座りながら早速説明が始まった。

アルゴによると、他のプレイヤーに
無理矢理触ったり何かを強要すると、
ハラスメントコードを発動出来るみたいだ。
これで監獄に送る事ができ、そのプレイヤーは暫くプレイ出来ない。


また、プレイヤー同士のキルは僕も知っていたけど、
そういう行為をした事のないプレイヤーは通称グリーンと言われる。
ターゲットすると基本的には緑だからだそうだ。僕らもアルゴも当然緑。
但し殺人や盗みなど犯罪を行うと、オレンジになるとのこと。


進んで殺人ばかりしていると危険という事でレッドと呼ばれるみたいだ。
因みにレッドは基本的にはモンスターをターゲットした時の色で、
襲ってきたオレンジプレイヤーを防衛で殺害しても、
グリーンはオレンジにならないらしい。デュエルでも同様だそうだ。


また、オレンジであっても何らかの理由でなった人がいる例もあった。
例えば、グリーン2人がいて、一方がもう1人を突如襲う。
そして反撃の最中やってしまった場合、とかだ。

でも基本的にはオレンジを見たら
注意が必要なのは間違いないみたい。


そもそもオレンジの人は圏内に入れないんだけど、
直接は行動せず、オレンジの溜まり場に誘導するグリーン、
もいるというのだから、結局誰も彼も信用してはまずい。
と、言うのはリアルとあまり変わらないようだ。


今思えば、アルゴに会えたのは本当にラッキーだったなぁ。
2年も経っているからか、初心者狩りは殆どいなくなったみたいだけど、
もしいたら僕らは格好の的だったんだ。


ブラックローズ「ま、リアルよりも
ゲーム内の方が人の本質って見えやすいのかもね。
出来ない事ができちゃうんだし・・」
どっちでも基本ルールは守りましょう、ってことかな。


アルゴ「と、話が少し逸れちゃったケド。
君達の部屋割り別にしたのはそういう事ダヨ。
一緒の部屋で寝るなんて、いくら信頼できる相手でもしないほうがいいサ。
ま、君達の場合同性なら問題なさそうだけどネ」

異性が同じ部屋になるなら、
最低条件結婚くらいしていないとおかしいらしい。
結婚なんて制度があるのは流石に驚いた。


ブラックローズ「え・・それって、本当に結婚すんの?
う、ウェディングドレスとかも、き、着ちゃうわけ・・?」

アルゴ「ん~・・簡単な認証で終わるかナ。
そういうイベントもあるらしいけどネ。
ちょっと特別な指輪を巡ってイベントやるらしいけド。
でもそこまでやる人はいないナ」


まあ確かに、システムとして用意されてるとは言え、
恋愛にのめり込むなら、それは攻略を目指すプレイヤーとしては
いて欲しくないだろうなぁ。それに何というか・・ちょっとめんどくさそうだ。

ブラックローズ「まぁ・・あんたはそう言うと思ったわよ」ハァ
ちょっとだけがっかりするブラックローズ。
彼女も女の子だし、少しは興味があるのかも。

カイト「結婚すると何か良い事でもあるの?」


興味が湧いたとかじゃなく、純粋な疑問だった。
わざわざシステムとして用意されているのだから、
何かしら特別なイベントがあるとかかな・・?

アルゴ「お互いのアイテム共有とカ、
フレンド登録しなくてもパラメータを確認できるとカ。
まぁ、そんなに得は無いヨ。
寧ろ一時的な気の迷いで結婚して離婚でもしようものなラ、
それはそれで面倒なんダ」


ブラックローズ「・・・」
あ、ブラックローズが更に落ち込んでる。
正にあれだよね。実状を聞いたら、
する前に抱いていた様々な幻想が崩れたってとこだろうなぁ。
僕は全く持って興味無かったから、彼女ほどのダメージは無かったけど。

何だ乙女アピールか?w結構なガサツ者の癖にw

>>249
しょ、小説版だと結構乙女してましたし・・(汗)


アルゴ「・・ってまた話が逸れちゃったナ。
とにかく、街の中でも絶対安全とは限らないって事ダ。
渡してきた飲み物に毒を仕込んで、眠らせた相手に無理矢理
デュエル申請させたり・・って手段もあるしナ」


ひとまずアルゴからの指導は、
フィールドや迷宮区ではモンスターに。
街ではプレイヤーに気を付けろって事だ。

・・落ち着ける場所ってあんまりないんじゃないかな、これ。


アルゴ「寧ろ最前線だト、
プレイヤー同士で争うって事は少ない位だナ。
他のプレイヤーと争ってたラ、攻略にならないシ。
周りが上級プレイヤーなラ、目立って妙な動きはし辛いからナ」


上の方がモンスターの危険は大きいけれど、
逆にプレイヤーからの被害が少ないのは、
ありがちだけど皮肉だなぁ。


逆に下層では中級の犯罪プレイヤーが、
寧ろ活動しやすいのかもしれない。
本当に強いと自信があるプレイヤーは、最前線。
おまけに今は戻る事も叶わないから・・。


アルゴ「そーいヤ、まだフレンド登録して無かったナ」
そう言ってアルゴはメインメニューを出す操作をすると、
僕のフレンドリストに、
アルゴを追加します。承認しますか?という表示が出た。


受諾するとアルゴがリストに加わる。
これでいつでも連絡が取れるってわけだ。
目に見える形で新たな仲間という繋がりが出来た気がして、
僕は凄く嬉しかった。
The Worldを始めたばかりの頃を思い出す。
やっぱりこっちでも人との繋がりって大事で、根本は変わらないなぁ。

そういえばアウラもそんな事言ってたっけ・・。


その後20分は話しただろうか。
他にもシステムの裏をかいて、こんな事が出来るとか。
浮遊城の外壁から飛び降りると・・とか色んな話を聞いた後、


ミストラル「お~い(^o^)」
手をブンブンと大きく振りながら、白と水色を基調とした
服が目立つミストラルが戻ってきた。
またしても色んなアイテムや装備を持っている。


僕は手を振り返して、おかえり、と声を掛けた。
そして、一体どんな成果を得られたのかを聞いた。
ミストラルは、結構色々~。
と、だけ言うとアイテムを一通り僕らに見せてきた。
その量にはアルゴもちょっと驚いている。


主にトレードで入手した手袋類や足の装備とか、
ミストラルの戦利品を吟味する。
変化する値を見て殆どはこのままの方が良い事が分かった。


どうやら見た目が変化する、体装備とかは
アウラが変更しないように予め整えてくれたんだろう。

となると、僕らが整える必要があるのは首の装備、お守り、
背中と腰の装備、指輪くらいみたいだ。


ミストラル「殆どはずれの装備だったかぁ・・
次からは的を絞るぞぉ(^o^)」
ミストラルは入手した装備をしまうと、今度は消費アイテムを見せてきた。
結晶系のアイテムがかなり集まっている。
ポーション類も暫く安心できる量だった。


勿論ミストラルが集めてきたアイテムが、
全部僕やブラックローズに分けられるわけじゃない。
緊急時に、という事で回復の結晶くらいだ。
あとは基本ミストラルに後方から、
判断して使ってもらえばいい。

今回はこの辺で
ではでは

本日は22時半からの予定です
もうすぐチュートリアルも終わりですよ


僕達も持つ必要はあるけど、
ミストラルにそこまで頼るわけにはいかないし。


話す事が大体終わったのでどうしようか悩んでふと外を見た。
いつの間にか窓の外が暗くなっている。

流石に手が凝っているだけあって、リアルだなぁ。
夜の時間まであるなんて・・。
でも夜って何か意味があるのかな・・?
その疑問を聞いてみると、アルゴからこんな返事が返ってきた。


アルゴ「基本的にはそんなに意味はないヨ。
ただ限定のイベントが起きるのが夜だったりとカ、
昼間疲れたプレイヤーが休む間に活動する、
ってプレイヤーもいるってくらいダ。
基本オレっちも、夜は飯食うか風呂入って寝るくらいだヨ」


風呂は大体の宿屋についているけど、稀に
フィールドの安全圏に温泉があったりもするとか・・。

うわぁ、ヘルバの『黄昏の温泉』を思い出しちゃったよ・・。



別に入っても綺麗になるとかはなく、
入った気分をある程度感じられるってだけみたい。
ヘルバが作った温泉とどっちが再現度高いのか、
ちょっとだけ興味が湧いたけど。

因みに食事に関しても実際に満腹になるわけじゃなく、
あくまで空腹感を誤魔化すもの。
けど2年も経ったらそんなのどうでもいいけどナ、
と、アルゴは苦笑した。今では慣れて、
色々と美味しいものを堪能しているみたいだ。


せっかく宿屋の食事処にいるんだし・・
ということで4人で食事をすることになった。


メニューを見ると、肉じゃがが無いのは残念。

もう攻略に関係ない事だけど、
自分で料理を作る際は食材を取ってくる必要があり、
S級食材で作った料理は絶品らしい。
それを聞いてミストラルの目が輝いていた。
ブラックローズも興味を惹かれているみたい。
・・実は僕もだけど。


ミストラル「よぅ~し、今度カイトに色々と作ってあげるよぉ(^o^)」

カイト「分かった、食材自体は捕ってくるよ」

ブラックローズ「ミストラルは取るのに向いてないもんねぇ・・
あたしも料理やってみようかなぁ」


そんなこんなで、結局この世界での共通の楽しみに
僕達ものめりこんでしまった。

でも夢中になる前に
実際に料理を堪能してからだね。


いくら食べようが太らないゾ、ということで
切り分けて食べるチキンと、
山盛りのサラダとパスタを頼んで皆で食べた。

アルゴ曰く、

アルゴ「大勢で食ったのは久しぶりだナ・・」
って言っていたから、アルゴも楽しんでくれたみたいだ。
ブラックローズもミストラルも、
ゲーム内の食事に関して半信半疑だったみたいだけど、
結局は楽しい食事になった。


にしても味の再現は当然だけど、
満腹感や小さな食材の食感や細かい味の再現は、
流石に時代が進んでるだけあるなと思わせてくれた。

初めてのゲーム内での食事を満喫し、
僕達は食後のお茶を飲み始めた。
お金がたくさんあってこっちの方面では助かるなぁ、
と、ちょっとだけ思っていると、


アルゴ「いヤ~・・今日は久々に楽しかったゾ」
さっきまでの食事の事、それ以外の
レクチャーに関してかな。今日1日の出来事を
振り返るように伸びをしながらアルゴが呟く。


ここで、

カイト「僕達も今日は楽しかったよ」
と、言えれば良かったんだけど、デスゲーム1日目で
この世界を楽しんでる、
なんて言うのは不謹慎だと思ったので止めておいた。


そしてアルゴは念を押すように言う。

アルゴ「いくら宿と言ってモ、人が集まる所だからナ。
ちゃんと部屋の扉には鍵をかけるんだゾ」

特にブラックローズとミストラルに強調するように言うと、
少し言いにくそうにアルゴは口を開く。


アルゴ「でな・・その・・急で悪いんだけどナ、
オレっちはそろそろ76層に行こうと思うんダ」


ブラックローズ「76層って・・最前線だっけ?」
ブラックローズが今日1日で教えられた、
たくさんの情報の中から探すように頭を捻りながら聞いた。
アルゴが軽く頷くと、

アルゴ「元々オレっちは1層で軽く用件を済ませたら、
76層に行こうとしてたからナ。まあ君達と会ったせいでだいぶ遅れたケド」

ミストラル「うんうんそうだよねぇ。
情報屋だったら、やっぱり最前線に行かないとねぇ(-_-)」


ミストラルが納得したように言う。
彼女もアイテムコレクターで、次々に強い所に行きたがる。
ちょっと繋がる所があるのかも。

アルゴ「やっぱり使えるのは最前線の情報だしネ。
それに攻略組がいないト、こっちも商売あがったりサ。
入ってきたばかりの君達を残すのはちょっと心苦しいけどナ・・」

少しはにかみながらアルゴは口を濁す。
アルゴがいないと確かに少し心細いけど・・。


カイト「・・大丈夫だよ。アルゴに頼ってばかりもいられないし。
それにメッセージを飛ばせば聞く事は出来るし」

アルゴ「そっカ・・そうだナ。
君達は強いしナ・・もし最前線に来るなら
その時はメッセージをクレ。また手ほどきするヨ」

カイト「ありがとう・・必ず行くよ。僕達も最前線に」


僕が力強く答えると、多少安心したのかアルゴは

アルゴ「そうカ、楽しみに待ってるヨ」
そう言うと飲み終わったカップを置き立ち上がった。
それで僕達の食事は終わり、ということが分かり、
僕達はアルゴを見送ることになった。


宿の外で、ブラックローズ達がお礼を言う。
それ以外にも多少何か話していたようだけど、
ふとアルゴは僕の方に向き直った。

カイト「どうしたの?」


何か言いたそうなアルゴだったけど、
急にアルゴは手を伸ばして握手を求めてきた。
僕も手を握り返した。ちょっとだけ温かい。


ゲーム内で温かさを感じるなんて変な気がしたけど・・。
そう思っていたらアルゴはこう呟く。

アルゴ「カイト・・君はまだ多分、
自分の凄さを理解してないだろうケド・・」

カイト「アルゴ・・?」
握手の際に距離が近づいたためか、
彼女は僕に至近距離で囁いてきた。


アルゴ「君の強さはこのアインクラッドで、
まさしく唯一の強さを持っていると言ってイイ。
ヒースクリフは正に最強の防御だッタ。
オレっちの知り合いは唯一の2刀流で最高の反応速度。
つまりアインクラッド内じゃ2強だったんダ。でモ・・」


アルゴ「君の強さはあの2人とは、
また違った方向性のものダ。強いってのは良い事だガ、
同時に悪い意味もあル。利用されるとかネ。
だからぜヒ、その類の物に流されずに最前線で頑張ってくれヨ・・」


何となくだけどアルゴがいわゆる、ウィスパー(囁き)状態で
話しかけてきたのが分かった。

昼間のキバオウの例がある。
強さなんてあんまり誇張するものじゃないんだ。


集団で狙われたら僕だって対処出来るか分からないし、
まだ知らないことだってある。

つまりアルゴは声高に、
「君は強力なプレイヤーダ!ぜひ攻略頑張ってくレ!」
って言いたくなかったんだ。

僕は了解の意味で手を強く握り返し、笑みを浮かべた。
アルゴはその意味を分かったのか、ニシシ、と笑うと、

アルゴ「じゃ、困ったらこの情報屋アルゴねーさんに、
遠慮なく聞くんだゾ。次からが料金有だヨ」


商売文句をちゃっかり残して、
彼女は夜でもまだざわめきを残す、アルゲードの通りに消えていった。
隠密行動に慣れていたためなのか、
アルゴの背中はものの数秒で見えなくなってしまった。

と、いうことでアルゴさんが
76層に先に行って今週は終わりです

初日の夜の分を書き終えたら・・
いよいよカイト達も最前線です

ではまた来週~

どうもこんばんは
今日は22時半を予定してます

多分今日明日で、最前線直前は終わると思います


暗いのと、ある程度の人混みがあったせいだろうけど・・。

フゥ・・と僕は息を吐いた。
SAOという初の世界での1日が終わろうとしていて、
なんとか乗り切った、というホッとした意味合いと。




そして再び僕達だけ、というちょっとした不安からの溜息だった。



大丈夫、と言ったばかりだけどいざアルゴという
僕達にとっては良い指導者兼、支えが離れていったのは、
やっぱり多少なりとも不安はあった。


ブラックローズ「何ボケーっとしてんのよ?
ほら、部屋で話し合いするわよ」

カイト「・・(笑)」

でもいつまでも不安になってばかりもいられないみたい。
考えてみればこの2人がいるんだし、きっと大丈夫だ。
そう思い直して、僕達は階段を上がって自分達の個室に向かった。




カイト「これが宿屋、かぁ・・」
単純に1泊ということで、かなり簡易な部屋だった。
床も壁も木で出来ていて、簡易な机といす、そしてベッドくらいだった。
窓の外は殆ど真っ暗だったけど、少しだけ明かりも見える。

1人部屋ということも重なってか、ちょっと寂しい部屋だった。
散らかっていたりはないので不快感とかは全くないけど、
自室と違って家具も殆ど無い、というのはやっぱり少し物足りなさを感じる。

漫画とか売ってんのかな?


不意にピローン、とメッセージが届いた。
ブラックローズからだ。

『これがメッセージってやつかしら?
ま、ショートメールみたいなもんよね。
とりあえずこっちに来なさいよ』

とのこと。そういえばこれを受け取ったのはまだ初めてだっけ。
ついでに返信の仕方もやっておこうと思い、
僕はメッセージを返信した。了解、の一言だけを書いて。

そして僕は入ってきたばかりの個室を後にして、
ブラックローズ達の個室に向かう。



2人の個室は僕の個室の3つ隣だった。
扉の前に来て、コンコンと叩く。

「どーぞぉ(^_^)/」
という明るい声が聞こえ、カチャという音がした。
多分鍵が開けられたんだろう。
僕はドアノブを回し2人の個室に入った。

>>277
えっと、.hackの漫画が・・って事ですか?


ミストラル「いらっしゃ~い(^_^)/」

ブラックローズ「ベッドの質は中々ね・・」
ミストラルが笑顔で迎えてくれ、
ブラックローズは手で触りながらベッドの感想を呟いていた。
僕が来た事に気づきブラックローズは椅子を寄せる。

準備された椅子に僕は座り、彼女も座った。
ミストラルはベッドに寝転がったままだ。


カイト「やっぱり2人部屋は少し大きいね」
間取りは殆ど僕の個室と同じだけど、やっぱり
多少は広さが違う2人の部屋の感想。
でも、殺風景な所は殆ど同じだけど・・。

ブラックローズ「前置きは良いわ。
まずこれからのこと話合わないとね・・」


これからの事・・。そう言った瞬間、
部屋の中の空気が少し変わったような気がした。
普段あれだけ明るいミストラルさえも、少し真面目な顔だった。

僕は軽く頷くと、考えを固めるために確認を取った。


カイト「じゃあその・・僕達も最前線に行くって事でいいのかな?」

ブラックローズ「私は賛成よ」

ミストラル「私も~(^_^)/
でも問題は~、やっぱり私達自身の事だよねぇ(-.-)」
ミストラルの言いたい事はこうだ。

つまり、今の僕達が本当に最前線に行って平気なのかという事。
50層の敵にはあまり苦戦しなかったものの、
最前線である76層も平気とは限らない。
それに、まだ自分達の事がよく分かってない部分もある。
当然だけど、互いの事も・・。


さっきまではアルゴがいたから
あまり聞けなかったんだけど・・。

カイト「・・ブラックローズ、もしかして
向こうのスキル使えたりしない?」

ブラックローズ「・・実はね」
ブラックローズはちょっと戸惑いながら答えた。


そう、僕の双剣スキルがThe World由来のものだったなら、
ブラックローズの両手剣も可能性はあったんだ。
でもいきなり両手剣、つまりSAO既存の武器で
見た事ないスキルを使うのは・・と思っていた訳だ。

ああ、失礼。部屋に何も無いとか言ってたからSAO内にもそういうの売ってるのかとか浮かんじゃったので

>>283
ああ、成程
漫画は分かりませんが、情報をまとめた冊子とかはあるみたいです

今回は一時的に部屋を借りただけですから本などありませんが
ホロウフラグメント内だと、キリトの自室にアイテム倉庫の棚とか
本が並んでいたりとかはありました
まあ、76層に行って本拠地を決めたら、でしょうね


ブラックローズ「一応、デスブリングやカラミティは使えるわよ。
流石に属性の概念が無いから、
火属性付きの物理スキルとかは使えないけどさ。
でも、スキルレベルを上げると他にもあるっぽいのよね」


実は僕の方も双剣のスキルレベルを上げると、
知らないスキルがあるみたいだった。分かるのは夢幻操武まで。
それ以降はまだ不明だった。凄く気になる・・。

ミストラル「えっとねぇ、私のジョブの特徴?
ていうか、装備の特徴も教えとくね~(^^)」


ミストラルが杖を使う唯一のプレイヤーなのは分かる。
そしてバトルスキルを後方から欠ける支援タイプな事も分かっている。

ただ何度かバトルを経験して分かった事が他にもあるみたいで・・。


どうやらミストラルも杖のスキルレベルが
上がる事によって入手できる装備があるらしい。
因みに今はLV6で、最大LV10とのこと。

で、今杖が2つあるみたいなんだけど、
杖自体にはデバファーという特殊効果が付いているみたいだ。
そして体装備にはバッファーという特殊効果が付随。
杖を使えることそのものが、バトルスキルの
使用範囲拡大の効果を担っている。


デバファーとは攻撃力ダウンの代わりに、防御力アップ、
状態異常命中アップ、スキルのリキャスト短縮をもたらしてくれる。
だからミストラルはスキルが他の人に比べて、速く使えるわけだ。

そしてバッファーとは攻撃力ダウン、防御アップは同じだけど、
スキルの効果が長くなり、SPの回復も早くなる。
正にミストラルの装備は全て、スキルを使う事に特化しているようだった。



ブラックローズ「あたしはちょっと特殊な
両手剣のソードスキルが使えるってくらいかしら?
スキルレベルアップで武器入手は同じよ。
となるとあとはカイトね」

そう、実はこの中で僕が
自分の事を1番分かっていなかったりする。

リーダーなのに困ったもんね、とブラックローズが付け足す。
そんな柄じゃないんだけどなぁ・・。


とはいえ僕だってバトルはしたし、
アルゴも言っていた事だから何となくだけど分かってきた事がある。


カイト「多分、僕はとても速い設定なんだと思う。
移動もそうだけど・・ソードスキルの発動とか、攻撃間隔とか・・」

今日キバオウとデュエルをして、50層を冒険して分かってきた事。
1歩1歩のステップで進める距離が、明らかに広かった。
助走無しの片足で、走り幅跳びをするくらい行けた。
おまけに体が異様に軽い。
現実の僕はここまで運動上手くないのに・・。


そして特に、ソードスキルの発動。
ブラックローズは発動前後に若干硬直があった。
でも僕には殆どそれが無い。バトルスキルは別だけど、
とにかくソードスキル発動が異様に速い。
そして発動後もすぐに動けたので、すぐにまた攻撃したり
回避も問題なかった。リスクが上がりにくいのも僕の特徴だ。

と言うわけで
カイト達のSAOでの現在のスペック説明の回です
次辺りで、チュートリアルは終わりとなります

ではまた次回~

今日も変わらず22時半からの更新です
それでは後ほど


スキルの発動前後の硬直が殆ど無く、
更に移動速度や攻撃間隔も速いとなると、
多分ヒット&アウェイ戦法が可能だと思う。

これだけ分かってるなら上出来、と言いたい所だけど、
双剣の見た事ないスキルがあるみたいだし、
双剣のレベルを上げる事によって解放されるバトルスキルもあるようだった。
そして極めつけは・・。


ブラックローズ「え?腕輪・・?」

カイト「うん・・多分、使えるみたい」

アルゴがいたから一切言えなかったけど、
モンスターに対して、『DATA DRAIN OK』の文字が見えた時があった。
ただ腕輪なんか使わなくてもアイテムのドロップはあるし、
モンスターがウイルスに浸食されている、とかも無いから必要ないんだけど。


ミストラル「いつ使えたの~?(?_?)」


The Worldじゃプロテクトポイントの分ダメージを与えれば、
自動でProtect Breakになったけど、
こっちではそんなものがない。だから・・。


カイト「・・リスクブレイクした時可能だったよ。
でも、使う気は無いけどね」

リスクブレイクとはリスクが5以上の言わば危険な状態の事で。
敵しかならない。スタンさせた時とか、相手がスキルを使った直後に
こっちがスキルを叩きこむ。パリングやスイッチで弾いた時、
などにリスクブレイクしやすかった。


使用可能って事自体が少し気がかりなんだよね。
こっちで使ったら不備が出たりとか、モンスターがどうなるのか。
そんな不安があるから全く使う気は起きないけど・・。


ブラックローズ「ま、使う気ないならそれでいいんじゃない?」

カイト「・・だよね」


あまり気にしても仕方ない事なので、
僕達はこれからどうするかを話し合うことに。

そして、1時間ほど話し合って次の事が決まった。


・100層攻略のため最前線に行く事
・これから数日、自分達だけでこのSAOの世界を
散策してみること
・その際、自分の力をよく把握する事


こんなことが決まった。
いわゆる修行みたいなものだ。僕としては、
他のプレイヤー達と組んでみるのもありと思ったんだけど、
ブラックローズは賛成してくれなかった。

ブラックローズの意見としては、
上に行ってからでいいんじゃない?とのこと。
彼女の言いたい事は分かった。
アルゴに忠告されたばかりだから、見ず知らずのプレイヤ-とは・・。
と、そう考えたのかも。


とりあえず明日から、
もっと上の層に行ってみようという事で話が纏まった。

僕としては堅実に55層とかが良かったんだけど、
それじゃ掛かりすぎるわよ、ということで明日だけで
55層と60層に行こうという事になった。
5層刻みくらいになりそうかな・・。となると、
計算通りなら明後日には75層になりそうだ。

そうしたら次は、目標となる最前線になる。


大体1時間くらいの話し合いが終わって、
僕は自分の部屋に戻る事にした。

この感覚が細部まで行きわたっている世界での初めての夜。
ちょっと寝れるか心配だなぁ・・。


ミストラル「じゃ、お休みぃ~(-_-)zzz」

ブラックローズ「ここで寝るのって・・変な感じよね。
お休み、カイト」

軽い挨拶を交わすと僕は2人の部屋を出て個室に戻った。


部屋に戻ると2人がいないからかやけに静かに感じられる。
ベッドに倒れこむと、中々の質感を感じられた。
仰向けになると、薄暗い中に白い天井が見える。


カイト「・・知らない天井だ」


と、キャラ原案が同じだからか某作品の台詞を言ってみた。
・・凄く虚しい。

着脱可能な事を知り、僕は赤い大きな帽子を外す。
そして目を瞑りながら考えに耽った。


思えば今日は、久しぶりに1人になった気がする。
つい何時間か前はThe Worldだったのに・・。

アウラは何のために僕達をここに送ったんだろう?
それが最もな疑問だったけど、分かるのはまだまだ先になりそうだ。


アウラと言えば、あのアウラに貰ったペンダントから現れた光。
こっちに来てから飛んで行った、あの赤い光は何だったんだろう?
アウラのセグメントに似ていた気もするけど、
きっと違うだろうし・・。


アウラと話す事が出来ればいいんだけどそれは叶わない。


・・そういえばもっと早く思うべきだった。

僕達の意識はこのSAO内だけど、
リアルの僕達ってどうなってるんだろう・・?


凄い今更だ・・。

う~ん、帰ったら浦島太郎みたいな状態になってないと良いけど・・。
でもそれを気にしたら多分もう戦えないよなぁ・・。
気にしたところでどうにもならないし、
アウラが何とかしてくれると思いたい。


そういえば、キバオウ達と軍の人達・・。
あの人達と対峙した時、聞こえた声は誰だったんだろう・・?


今は博識なワイズマンもいないし・・。

次から次へと疑問が湧く中、
初めに悩んでいた、こんなバーチャル世界の中で
ちゃんと寝られるのか?という懸念は忘れられ、
僕はいつの間にか眠っていた・・。


そして、SAOでの初日を終えてから、3日後・・。

-----------


僕達は今75層の街にいる。
既にボス部屋まで探索済みで、
流石に僕も75層が行けたなら76層も大丈夫だと思っている。


そう、今日はいよいよ最前線である76層に行く日だ・・。


ピローン
メッセージ送信が完了しました


という表示が出て、僕はメニューを閉じた。
今僕は75層の街の転移門前に1人でいる。

ブラックローズとミストラルの2人が来るのを待っている所だ。


ミストラルが遅いというか、
もう来れなくなるだろう街で何かする。
と、言うのは何となく想像つくんだけど。


ブラックローズは何をしてるのかな?


僕は転移門の前に座り込むと、
ただ待ってるのが暇になってきたから、
この3日間で得たアイテムや習得したスキルを見直す事にした。


アイテムはそこそこの数が揃ったかな・・。
ミストラルから貰った物を含めなくても。

にしても、ポーション類は戦闘中よりも
事前に使っておいた方が良いって、何か変な感じだったなぁ・・。


この3日間で、僕の双剣のスキルレベルは5になっていた。
6までもう少し。一体どんな双剣スキルが使えるようになるのかな・・。


にしても、あんなソードスキルが使えるようになるなんて思わなかった。
2人の考えだと、久しぶりにThe Worldにログインした僕が、
知ってるわけないから仕方ないって事だったけど。


まさか試験的に試されていた物理スキルが、
こっちで出来るなんて思わなかった。

ソードスキル3つじゃ、ちょっと不安だったから良いんだけど。

カイト「(あれが、そのうち向こうで実装される
双剣スキル、かぁ・・)」

今回はこの辺で
やっと76層に行く直前に来ました
来週からはSAOのキャラが増えると思います
それではまた来週~

こんばんは
先日は一切書き込めず申し訳ない

今週の更新分は今日のみとなりますがご了承ください
多分また22時以降になると思います
それでは後ほど


双剣レベル6になったら使えるバトルスキルもある。
早く使えるようにしたいんだけど、
どうもこの辺りの層では、スキルレベルが上がりにくくなっていた。

それは僕だけでなく、ブラックローズとミストラルも同じ。

多分、今の僕達に敵のレベルが合っていないんだ。
そういう見解で一致して、一刻も早く上に行きたい所なんだけど・・。


ブラックローズ「結構手間取ったわ・・」

愚痴をこぼしながら、
ちょっと疲れたようなブラックローズが先に来た。
まぁ、ミストラルよりは早く来ると思ってたけど。

何に手間取っていたんだろう?


ブラックローズ「料理スキルよ!
ったく・・S級食材を扱うには料理スキルも
それに見合うくらい上げないといけないなんて、
面倒ったらないわね・・」

そういえばあれ以来2人とも料理に嵌ってたなぁ。
僕としては、食べられるの?
って食材が多いから、試食は最初遠慮してたんだよね。


流石に出来が安定してからにして欲しかったんだけど・・。

でもミストラルの直感は流石だったなぁ・・。
レシピ知らないのに上手くいってたし。

ブラックローズ「ミストラルに教えてもらえればいいんだけど、
今日は朝から出かけちゃったじゃない?
1人だとやっぱまだ大変なのよね・・」


最初は盛大に爆発させてたっけ・・。
あの時の光景を思い出して僕は苦笑する。

ちょっとだけムッとしたけど、
ブラックローズもすぐに笑い始めた。
そして自信ありげに、

ブラックローズ「次は大丈夫よ。
スキル上げたし、食材の相性も分かってきたんだから」
と、言い切った。


失敗をいつまでも引きずらないのは彼女の良い所だ。
僕としては別に心配とかはしていないんだけど、
2人ともこっちに来てからやけに料理に嵌ってるなぁ・・。

娯楽が殆どそれだけ、っていうのは分かるんだけど。
どうして女の人って、もっと冒険を楽しめないんだろう?

デスゲームで言うのは禁句かな・・。


その後ブラックローズの、

「料理で○○が作れたわよ」

って、自慢話を聞く事20分。
約束の時間から30分遅れて、ようやくミストラルが来た。

やっと最前線に行けそうだ。

ミストラルが軽い調子で謝ってくると、
ブラックローズが「遅~い」と、同じく軽い調子で咎めた。
年齢的に逆のはずなんだけどなぁ。
僕が2人の掛け合いを黙って見ていると、

ミストラル「あれぇ?カイトは私を責めないの~?(?_?)」


カイト「まぁ・・10分くらいで怒ったりしないよ。
遅れた理由も大体想像つくからね」


ミストラル「ほほぉ、カイトは分かってるねぇ~。(^^)
遅れちゃった分、レアな物入手したからねぇ(*^_^*)」

だと思ったよ。
僕とブラックローズは顔を見合わせて苦笑した。
上に行ったらもう下の層は来れなくなるし、
これっきりって言うのは分からなくも無かった。

感傷に浸るなんて僕らしくないけど、
やっぱり来た時の1層に行けなくなるとかは、
ちょっとだけ寂しい。

ミストラル「食材とかもレアな物手に入ったけど~、
特にレアだったのはこれかな~(*^_^*)」
ゴソゴソとミストラルはアイテムを取り出す仕草をすると、
出てきたのはカメラだった。


ブラックローズ「え、ゲーム内でカメラ?」

ミストラル「釣りの道具もあったし、おかしくはないよ~(^^)
でも、男性プレイヤーは仕様限定されてるんだってぇ(^_^;)」

ブラックローズ「・・そうでもしとかないと、
倫理的にまずいわね」

早速中身を見てみると、誰かにお願いして撮ってもらったのか
1層でピースしているミストラルが写っていた。
他にも色々な風景や建物がある。
いつの間に撮ったのかな・・。

何でもこのカメラ、ちょっとした解析も出来るみたいで。
撮った映像の中にあるものなら、拡大したりも出来るみたい。

ミストラル「これで色々と調べられるんだよねぇ(^_^)
あとはえっとぉ・・うわっ、っとっとぉ~!?(゜o゜)」


カイト「とりあえず、話の続きは転送してからね」

ミストラル「カイトぉ?やっぱりちょっと怒ってる・・?(?_?)」

カイト「ううん、全然怒ってないよ(笑)」

ブラックローズも理解していたのか、
僕と2人でミストラルをズルズルと引っ張っていた。
これ以上話し始めるとまた長くなりそうだったから・・。
苦笑いしながら僕は転移門の転移先に、76層を選択する。


カイト「じゃ、行くよ・・。転移、アークソフィア!」
こうして僕達は、ついに76層に転送された。
転移の光が僕達3人を包み、
周りの景色であった75層が見えなくなっていく・・。


アインクラッド76層 アークソフィア



転送の光が消え周りの景色が一新される。
遂に来た最前線の街、アークソフィア。
最前線のプレイヤーは例外なくここを拠点にしているという街。

来てすぐに目に入ったのは、3方向への道。
小さな水路と、落ち着く雰囲気の緑。

とても切迫している最前線とは思えない場所だった。


ブラックローズ「ここが最前線・・。
何だか想像と違うけど、でも他のプレイヤーは
結構強そうじゃない」

確かに、ここに来ているだけあって
下にいたプレイヤーとは雰囲気が少し違った。
情報交換をするためなのか積極的に会話している辺り、
一生懸命なんだろうなぁ。


僕達が転移門の前からあまり動かないで街を見ていると、
視線が集まっている事に徐々に気づく。


これは・・。

「フフフ、あまり見かけないプレイヤーだって、
ここの皆には丸分かりみたいだネ」


後ろからいきなり話しかけられたけど、
声で誰なのかは想像がついた。

そう、今の所最前線にいる中で
僕達にとって唯一面識があるプレイヤー・・。


ブラックローズ「また会えて良かったわ、アルゴ」

アルゴ「元気そうで何よりだヨ。
黒薔薇のネーチャン」


アルゴ「にしても、あれからたったの3日で来るとはネ。
メッセージが来た時は驚いたヨ」


ま、そう掛からないとは思ってたけどネ。
と、アルゴは含み笑いをしながら付け足す。

アルゴの知り合いと分かったからなのか、
周囲の視線も少し減ったみたい。
でも、居心地の悪い視線じゃなかったし
気にする事ではないかな。


アルゴ「オレっちは殆どこの転移門前にいるからだけド、
最前線の皆、この街が拠点だからナ。
カイト達が見かけない顔って分かったんじゃないカ?」


ま、すぐに慣れるサ。と言うと、
早速アルゴは僕達を誘ってきた。
何処に行くつもりなんだろう・・?

アルゴ「オレっちの知り合いに紹介しようと思ってネ。
まぁ、いなかったとしても、大抵集まってる宿屋を教えるヨ」



転移門前から移動して、僕達が来たのは中央広場。
噴水やカフェなどの出店が目立つ場所だった。
何だかお祭り状態の公園みたい。

僕達が連れてこられたのは、
中央広場に堂々と店を構えている大型の宿屋だ。

アルゴ「ここの店主は75層攻略にも参加してタ。
つまり攻略組なんだけド、商人としても有名でネ。
76層に1番乗りの部類だったかラ、
すぐにこの良い立地場所に店を構えられたってわけサ」

今回はこの辺で
ようやく76層に到着したカイト達

さて、HFでお馴染みの人達は・・

ではまた来週~

こんばんは
本日は22時半以降になると思います
では後ほど


ようは76層で1番人気の宿屋って事かな。
おまけに営業してる人がアルゴの知り合いらしい。
と、なると部屋を借りるのも簡単かも。


そして多分、最も人気の宿屋って事は攻略組の中心の人達もいるはず。
確か・・血盟騎士団の副団長の人だっけ・・?
僕達も攻略組になるんだし、1度は会っておくべきかな。


アルゴ「中は食事ができるとこだヨ。
お~い、エギルの旦那」
エギル、と呼ばれた人はカウンターにいた。
典型的な黒人で背が高い大柄な人。
紺色のエプロンの人って結構珍しい気がする。

僕としてはブラックローズ以外には初めてだなぁ。
肌が黒い人って。


エギル「よう、アルゴじゃねえか。
情報屋は上手くいってるか?」

アルゴ「まあまあだネ。
そっちもずいぶん稼いでるようじゃないカ?」

お互い副業をやってるからか、通じ合う部分があるのかな?
僕達に向けていたのとは、ちょっと違う笑顔を浮かべるアルゴ。
そして、

アルゴ「他の皆ハ?」

エギル「キリトの野郎は例のエリアに行くって言ってたな。
他の女性陣はこの前シノンが攻略組に弓の使い手として加わったからよ。
皆で82層に行ってるぜ。リズベットは店でリーファは私用でどっか行ってたが、
誰かに用事か?」

話が全く分からないけど、どうやら何人かのプレイヤー名が聞けた。
野郎、って言ってたからキリトって人だけは男みたい。
リズベットって人は何かの店に行ってるみたいだけど・・。


アルゴ「フッフッフ・・実は数日前に
オレっちがはじまりの街で見つけた逸材が到着したんだヨ。
この最前線にネ」

と、言われたところで僕達が紹介されたことが分かった。
エギルと言う人がこちらに目線を向けてくる。


エギル「へぇ・・3人もいたのか、流石情報屋だぜ。
攻略に良い風が吹きそうだな」

手招きされたので僕達はカウンターに近づく。
エギルと言う人の後ろには、何かの瓶や樽が見えた。
本格的だなぁ。これを自主的な店としてやってるんだから、
もしかしたら経営が得意な人なのかも・・。


エギル「この店を開いてるエギルってもんだ。
よろしくな。宿に困ってるなら部屋は貸せるぜ。
どうやらアルゴは皆に紹介したかったかったみてえだが、
生憎と留守でな・・」

ブラックローズ「気にしてないわよ。
あたし、ブラックローズ」

ミストラル「えへへ~、あたしはミストラル。
部屋代は安くしてね~、よろしくぅ(^^)」

互いに握手するのは良いんだけど、ミストラル・・。
いきなりそういう交渉するんだ。
エギルが面喰っているのが分かる。

エギル「はは・・俺への交渉は高くつくぜ?」

ミストラル「ほほぅ、じゃ、徹底的に値切っちゃおう(^o^)」


あぁ、やっぱり・・。
アルゴともそうだったけど、ミストラルはこの人とも上手く行けるみたいだ。
世渡り上手と言うか、順応性高いなぁ・・。

エギル「で、あとはあんたか。
にしてもいきなり女子プレイヤーが3人も追加とはな。
クラインの野郎喜びやがるぜ・・」

カイト「・・あの」

エギル「ん?」
横でアルゴがクスクス笑っているのが分かった。
ブラックローズとミストラルもだ。


カイト「僕、カイト。男だよ・・」

エギル「・・すまねぇ」

アルゴ「ククク・・やっぱり間違えたカ」
慣れてきたからいいけどね。
うん、別に何とも思ってないよ。


エギル「にしても、よくこんなに見つかったな。
しかも1層で・・」

アルゴ「ま~、色々と言っておきたい事もあるけド、
それは皆が集まった時が良いだろうネ」
その皆っていうのは、さっき言ってた人達かな?
5人くらいはいそうだけど・・。


アルゴ「いないなら仕方ないヨ。
じゃあ旦那、部屋割り頼んどくヨ」

エギル「まいどあり。これからどうすんだ?」

アルゴ「そんじゃア・・、鍛冶屋に案内したら
82層に行ってみるヨ。キー坊にはまだ会えそうにないから仕方ないシ」


エギル「なんだ?リズベットの鍛冶屋の客も増やすのか?」

アルゴ「フフン、恩を売っておくのも情報屋の手だヨ」
うわぁ、ミストラルみたい。
ちょっと失礼な言い方だったかな。
エギルはニヤニヤしながら、アルゴは誇らしそうに言った。


こういうやり方、僕には真似できないなぁ。
って、ミストラルは対抗しようとしなくていいから。

エギル「じゃ、行ってこいよ。
帰ってくるころには部屋の準備も終わってるしな。
あんたらの話楽しみにしてるぜ」


僕とブラックローズは手を振りながら、エギルに一旦別れの挨拶をした。
ミストラルはじーっとカウンターの向こうの棚を見ていた。
何か企んでいそうだなぁ・・。


僕達は宿の外に出ると、次は商店通りに行くことになった。
今いる中央広場と、転移門前、商店通りが
アークソフィアの構造みたいだ。転移門にあった3つ目の道は、
フィールドに出るための物らしい。


カイト「えっと、鍛冶屋に行くんだっけ?」

アルゴ「アア、優秀な鍛冶屋だヨ。
君達も鍛えてもらってないならしてもらうと良いヨ」
鍛冶で使う道具は鉱石類だったはず。
ここ3日間で結構溜まっていたけど、
今までは必要性を感じなかったから強化はしなかった。

でもこれからは武器の強さにも
限界が来るかもしれないしする事になるだろうし、
使わせてもらおうかな。



商店通りの出店をいくつか通り過ぎると、
その鍛冶屋はあった。


カイト「リズベット武具店・・?」
僕が店名を読み上げる。
どうやらさっきエギルが言ってた「リズベットは店だけどな」
って言うのは、どうやら「リズベットは店の仕事だけどな」
ってことだったみたい。


アルゴが呼びかけると、
中からピンクの髪に赤を基調とした服の人が出てきた。
銀の薄い鎧と、後ろに垂れたリボンのようなものが目立つ。
服はちょっとメイドっぽく見えなくもない感じ。
この人が・・。

リズベット「リズベット武具店にようこそ!
ってあれ?アルゴじゃない。それに後ろの人は・・?」


アルゴ「やあリズベット。
この3人は今日最前線に来た、オレっちの知り合いだヨ。
客が増えてよかっただロ?」

リズベット「へぇ~・・」
まじまじと僕達を見るリズベット。
最初に僕。次にブラックローズとミストラルを見ていた。
そして。

リズベット「最前線の鍛冶屋にようこそ!
私はリズベットよ。武器を鍛えたかったらいつでも来てね」
あまり警戒の無い笑顔で迎えてくれた。
僕はもう同じ事は繰り返したくないので、

カイト「僕はカイト。よろしくね」
と、手を差し出しながら言った。
すると、

リズベット「あ・・、男だったのね」
と呟くと、申し訳なさそうな顔と共に手を握り返してくれた。
う~ん、もう決まりきってるのかなこれ?

って事でついにリズベットと、
エギルが登場してきました
では、また次回~


ブラックローズ「ま、背は低いし仕方ないわよ。
あたしはブラックローズ、両手剣使いよ」

リズベット「へぇ~、女で両手剣って、
あたしはあの人くらいしか知らなかったわ」
続いてミストラルも簡単に自己紹介して、
アルゴがここに来た経緯を簡単に述べた。


アルゴの説明に、
リズベットは納得したように頷く。

リズベット「そっか、アルゴのお墨付きなら
充分攻略組になれるわね。そういやアスナ達は
82層に行くって言ってたけど、紹介に行くの?」


アルゴ「オレっちとしてはそうするつもりだヨ。
最前線の敵とも3人には戦ってみてほしいしネ」

さっきエギルが話していた事と総合すると、
シノンって人と、アスナって人がその82層にいるみたいだ。
キリトって人はいないみたいだけど。


リズベットがちょっと考え込むような顔をすると、
思い立ったように彼女はこう言った。

リズベット「そうだ!私も一緒に行くわ。
店にいたけど、ちょっと暇だったのよね。
メイスのスキルも上げときたいし」


メイスというのは片手根使いの事だった。
鍛冶屋をやるために必要な武器なんだろうなぁ。


そんなこんなで、僕達は5人で82層に行くことに。


上手くいけば、ボス戦も挑めるかもしれない。
今まで攻略済みの層しか行けなかったから、
ボス戦をやりたかったんだ。

湖があるラステアという街に来て、
僕達はすぐにフィールドに向かった。


82層フィールド 渦巻く施流の積層


ワードシステムはつくづく、The Worldと似てるなぁ。
来た場所にそんな感想を抱くと、
目の前にフィールドの光景が広がっている。


谷、みたいな場所かな・・?
フィールドの殆どが岩の壁で囲まれている。
見晴らしが良いとは言えない場所だった。


少しだけ進むと、大きな橋が見えた。
木でできた大きな吊り橋。
そして付近にはオークのような戦士や、
現実にいたら確実に危険な部類の大きさの蜂がいた。
ターゲットすると、オークウォーリア、デスホーネットと名前が出る。
レベルは80近くだから、余裕で勝てそうかな。


適当に倒して、僕達は橋に近づいた。
因みにアルゴはリズベットと2人パーティだ。


リズベット「普通に考えれば橋の向こうかしら?
ほら、なんか岩壁に建造物あるし」
橋の向こう側には下へと続く緩やかな坂道があって、
そしてリズベットの言う通り、
岩肌に遺跡のような物があった。
あそこからどこか先に行けるのかな?


アルゴ「迷宮区の塔もあっちみたいだシ。
行ってみるカ・・ン?」
攻略組の2人が方針を決め、とりあえず僕達もそれに従おうと思ったら、
アルゴが何かに気づいたみたいだ。


アルゴ「あれハ・・?」


アルゴが見ていたのは橋の先とは別の方向だった。
もっと言えば、攻略するなら行かない所。
つまりこちら側の橋の脇に当たる場所、
枝道と言える場所だった。


リズベット「アルゴ、どうかしたの?」

リズベットが不思議そうに聞く。
ブラックローズとミストラルもよく分かっていないみたいだ。
僕はアルゴの言った方を見ると、

カイト「あれって・・他のプレイヤー?」
どうやら他のプレイヤーが、
敵と戦っているみたいだけど。
そんなの珍しい事じゃないはず。
アルゴはどうして・・。


アルゴ「アーちゃん達だ!!」
アルゴがそう叫ぶと走り出した。リズベットも分かったのか、
それに付いて行く。


僕達は訳が分からなかったけど、とりあえず続く事に。

目の前の橋を渡らず、僕達は橋の脇のスペースに向かった。
思ったよりもスペースがあって、宝箱でも置いてあるのかと思ったけど・・。


カイト「・・!」
近づいてはっきりとしたのは、
宝箱があるなんて生易しいものじゃなかった。


6人程のプレイヤーが何かと戦っていた。
つまり戦闘中だったわけだけど、
その場は意外と緊迫したもので・・。


僕達の目の前には大きな蜘蛛の様なモンスターがいた。
でも簡単に蜘蛛と言って良いのか、
と言われると自信が無い。

脚こそ8本だけど身体は鎧のように堅く見えるし、
蜘蛛の身体に刺なんか普通は生えていないはずだ・・。


アルゴ「アーちゃん!?」

「ア、アルゴ・・!?」
アーちゃんと呼ばれたプレイヤーは、
茶髪で長めの髪に白と赤が基調で、
ちょっと変わったタイプのドレスを装備したプレイヤーだった。
細剣を装備している。
あれがアルゴの会いたがっていたプレイヤー・・?


他にも弓矢を持った人や、青い小竜が近くにいる人がいたけど・・。


リズベット「アスナ・・!?何であんたが
こんなとこで苦戦してんのよ!?」

どうやら3人パーティが2つ集まっていたらしい、
計6人のプレイヤーはリズベットの言う通り
あの蜘蛛のようなモンスターに苦戦していた。


「リズさん・・このモンスター、凄く強くて・・!」
短剣を扱う小柄な女の子が叫ぶ。

蜘蛛のようなモンスターが脚を交互に振るうと、
プレイヤーのHPゲージが、1/3くらいあっという間に削られていた。
対して、6人ものプレイヤーからの攻撃は殆どダメージになっていない。

「くっ・・こんなモンスターがいるなんて!」


僕はモンスターをターゲットしてみると・・。


リズベット「え・・レベル162!?」

他の皆も見たんだろうけど、
リズベットが真っ先に驚きの声を上げた。

モンスター名は、HNMダイナミックブラスター・・。
HNMって何だろう・・?

とにかく危険な状態なら、
街の入り口はすぐそこだ。逃げればいいはずだけど、
どうして引き返さないんだろう?
でも今はそんな事を聞いている暇はないみたいで・・。


「っ・・あの動き!」
蜘蛛のモンスターが脚を2本構えると・・。

”ブラスターボルケーノ”

と技名が表示され、
1度その2本の脚で打撃を行った後に、

ブワァァァァァァァアアア・・・!

と、周囲が熱くなる霧のようなものを噴出した。

ということで強敵のHNMと戦う事に・・
って場面で今週は終わりです

この先若干バトル描写が不安ですなぁ・・
ではまた来週~

では、ぼちぼち更新していきます


2人のプレイヤーのHPが黄色になった。

アルゴ「ヤバいナ、でも・・」
アルゴが躊躇っているのが分かる。
なにせ相手はレベル160近く。
倒せるか微妙な上に耐えられるかさえ・・。


カイト「(やってみるか・・)」
初めて格上のモンスターとの戦いに、
僕は意を決して挑む事にした。

攻略組の人でさえ手こずる、このダイナミックブラスターに・・。


カイト「アルゴ・・皆を頼むよ!」

アルゴ「え・・オイ!」


カイト「ミストラル、回復は任せたよ。
ブラックローズ!」

ミストラル「りょーかいっ!」

ブラックローズ「やるしかないわね・・!」

リアルの蜘蛛とはあまりにも大きさの違う相手に、
僕達は斬りかかった。


まずはタゲを外さないと・・!

格上の相手だ、遠慮している場合じゃない。
僕は双剣を抜刀し、跳躍しながら斬りかかる。

カイト「はぁっ!!」


初撃は側面から、敵の背面を飛び越しながら加える事に成功。
でも今までの敵と違って、HPの減りはとても少ない。

カイト「今のうちに後退して!」

僕の指示で他のプレイヤーが下がり始めた。
敵は僕へと狙いを決め・・。

ブラックローズ「ブラスト・・!」
ブラックローズが後ろからスキルを発動した。
自身の身体を軸にし、大きな両手剣を持ったまま回転し、
2撃を与える技。でも・・。

ブラックローズ「嘘!?スタンしない・・!」

ブラストは使い勝手の良い範囲スキルで、
相手をスタンさせられるはずだけど、微量なダメージのみで終わってしまった。
レベル差のせいで、状態異常にしにくいのか・・。


カイト「(僕達はまだレベル100だしなぁ・・)」
60レベルの差を僕達だけで埋められるだろうか・・。

カイト「くっ・・」
さっきの技よりも、通常攻撃の方が厄介だ。
脚を交互に振り下ろしてくる攻撃だから1回でも当たれば、
それは2回、3回と当たる事へ繋がってしまう。


一旦後ろに下がると、敵が追ってきた。
視線を交わす・・!

カイト「っ!」
脚の1撃を弾いて、隙を作る。
そしてブラックローズが前に出て・・。

ミストラル「良いスイッチだね!(^^)
じゃ、バフ行くよぉ!(^o^)」


スイッチで決定的な隙を作る事に成功。
ブラックローズの追撃前に、ミストラルが
ストレングスでブラックローズのSTRを上昇させた。

ブラックローズ「これでどうよ・・!」
スキル”スコッピード”が発動され、
下から上への斬撃が流れるように3回繰り出される。


カイト「・・虎輪刃!」
ブラックローズが正面を受け持ってくれていたので、
僕は斜めに突っ込み、側面からスキルを放った。
独楽のように回転しながら放つ、8連撃技・・!

ザザザザザザザッ・・!


相手のHPバーは2段。
僕達よりも前に既に戦っていたせいもあるけど、
それでもHPはまだ1本の半分程度しかいってない。


スキルを使っても1/10も削れていなかった。
カイト「(このまま逃げるのも手なんだけど・・)」

ここまで倒せそうにない敵に出会ったのは久しぶりだ。
でも、八相の方が何倍も辛いけどね。

ブラックローズもこっちに来てから
初めて苦戦した時の表情を浮かべている。


これ以上は今までの方法だと
時間が掛かりすぎるかな。

なら・・。


カイト「ブラックローズ!あれいくよ!」

ブラックローズ「っ・・分かったわ!」
僕の声を合図に、2人とも一旦下がって距離を取った。
敵のタゲは、ブラックローズだ・・。


ミストラル「やらせないよぉ!」
ミストラルの援護で、ブラックローズに護法の幻影がかけられる。
これで少しだけ耐えられるはず。


そういえばまだ殆ど使ってなかったっけ・・。
素人の双剣を腰のベルトに収め、メニューを開いて
この前スキルレベルが上がった事で入手した双剣に変更。


素人の双剣とは違った大きめの双剣が、
僕の背中に鞘と一緒に現れる。

カイト「(・・良い双剣だ)」
素人の双剣とは違う所。
それはまず、圧倒的に持つ部分が長い事。
そして重みが違う。
今までは、殆ど手と一体化していたくらい軽かった。

だけどこの双剣は若干重いおかげで逆に振りやすい。
この、僕の名前が入った双剣は・・。


カイト「行くよ・・」


ブラックローズに掛けられた護法の幻影も
そろそろ切れてしまうはず。
並みの戦闘なら、もう終わっていないと
その敵を余裕で倒せるとは言えなくなってくる時間だ。



カイト「はぁっ!!」
再び側面から飛び込み、腕を交差させながら斬りかかる。
素人の双剣よりはダメージが多い。
これならいけるかも・・。

斬り付けた後、敵の反対側で僕は強化を頼んだ。

カイト「ミストラル!SP強化お願い!」

ミストラル「りょーかいっ!」
SP強化って言うのは、
76層に来る前に決めておいたバフスキルの一式だ。
その内容は、SP上限の増加と回復。


ミストラル「ソウルフルスタンドに~、
SPリジェネとチャージ!」
僕のSPの上限が150上がり、すぐにその値が満たされ
リジェネによって徐々に回復する状態になった。

これで暫くスキルが存分に使える。

双剣を変えたのは武器自体の攻撃力を上げる他にも理由がある。
それは、ソードスキル使用時のSP減少の効果があったからだ。


カイト「ブラックローズ!」

ブラックローズ「頼むわよ・・!」
両手剣の技、ライトニングで細かく斬り付けるブラックローズ。
のけ反り効果も上手くいき隙が生じた。


カイト「疾風双刃・・!」

今回はこの辺で
もうちょい戦います

キリッ・・!の登場はまだ先・・

>368
楚良の双剣をウイルスバグに使って
万単位のダメージを初めて達成したのを覚えてます(笑)
エレメンタルヒットだと9999がマックスなんですけどね

本日の更新は23時過ぎを予定してます


まずはThe Worldで試験的に試されていたらしいスキル。

ミストラルはリョースから聞いていたみたいだけど、
当然普通のプレイヤーには公開されていなかったものだ。

アウラが渡してくれたあのペンダント。
あれでアウラが蓄積していたデータが、
僕達に適用されているんじゃないか。
それが僕達の考えだった。

ズババッ!ザンッ!

身体の捻りを入れた逆袈裟を交える3連撃。
ダメージはそこまで多くないけど、舞武と同じくらい使い勝手がいい。
そして本番はここからだ。


ブラックローズの大剣の一振りがその後加えられた。
あの身の丈以上の大剣が振るわれ、
敵の腹の辺りに攻撃が当てられる。


スキル使用後の硬直が僕には、無い。
ステップで反撃を躱しつつ、敵の反対側にすり抜ける。

カイト「(行ける・・!)」
SPは充分なほど余っている。
ここからが速さと硬直が無い事を活かす所だ。

その後スキルを放ちつつ、
ブラックローズと敵の周囲を回りながら攻撃を続ける。

ブラックローズがスキルでのけ反りをしたところに、
僕が双剣スキルを発動。更にステップで別の位置に移動し、
そこから再び追撃のスキルを放つ。
この繰り返しだ。


僕がスキルを8回、
ブラックローズがスキルを5回やると
HPのバーが遂に1本無くなった。
残りは1本・・。


カイト「一双燕返し!」
通常の高さで上に付きあげるように斬り返した後、
空中で追撃する技。らしいけど、
この大きな相手を空に上げる事は出来ない。

だから下で通常の斬り返しをすると、
上に跳躍して、1撃を加えつつ敵の背面を飛び越えた。

あ、しまった。
反対側にいたブラックローズと位置が被っちゃった。


ブラックローズがちょっと驚いていたので、
僕は敵の脚の間を潜り抜け、
再び反対側へ行きつつスキルを放つ。


敵のHPもかなり減りつつあり、これなら行ける。
そう思ったけど、

”ウェポンネット”

と文字が出て、
敵が今まで見せなかったモーション、
溜めの動作を行った。
そして、その力が一気に解放され衝撃波に・・!

ドォォン・・!


僕もブラックローズもタイミングが難しく、避ける事は出来なかった。
HPを半分近く削られ、おまけにスタンを与えられ一時的に動けなくなる。

カイト「くっ・・!」

ブラックローズ「せこいわね・・!」
ネットっていう名前から、
蜘蛛の糸が来るのかと思ったけど全く違った。
多分ブラックローズが言いたいのはそういう事だと思う。


硬直の時間は長くないけど、HPがまずい・・。
でも離れた場所にいるミストラルが、
即ヒーリングサークルを使ってくれた。


ミストラルのバトルスキル使用が速くて助かった・・。
全快ではないけどこれで安全圏に回復する。


すると再び敵が武器である脚を振りかざしてきた。


ブラックローズ「いつまでもやらせないわよ・・!」
ブラックローズがパリングに成功。
敵が再びのけ反り、隙が生じた・・。


カイト「旋風滅双刄・・!」

ブラックローズ「カラミティ・・!」
ブラックローズは上段と下段への斬撃による技。
僕は体の捻りを加えつつ、
ブラックローズのスキルに合わせた6連撃で同時攻撃を行った。

あと約半分・・。


終わりが見えてきたと思ったら、
再び敵が技を発動してきた。

”ブラスターボルケーノ”


さっき見たばかりだ。
これは打撃とブレス攻撃の組み合わせ技・・。


脚による攻撃は何とか避けたものの、
次のブレス攻撃は範囲が広い。
避けられるか・・!?

カイト「・・っ!」

反射的に後ろに避けた事で回避に成功した。
HPは無傷だ。
するとある事に気づく。

ミストラルによるバフが掛けられたわけでもないのに、
いつの間にか攻撃力アップのバフが付いている。


カイト「(ジャストバックステップ・・?)」


とにかく今なら攻め時だ・・。

再びステップで近づき、舞武を放つ。
すると、ダメージの割合が凄く増えていて、
敵の悶え方にもさっきより大きな隙が出来ていた。


カイト「(今しかない・・!)」
このバフは継続時間が短いのかみるみる減っていく。
なら、多段ヒットのスキルで攻めるか・・。


まずは・・。


カイト「疾風双刄・・!」
スキル連発の初めは手数の少ないもの。
続いて旋風滅双刄で6撃与え・・。


カイト「これで終わりだ・・夢幻操武!」

ズバッ! ズバババババババッ・・!


慣れるまで時間が掛かった高速で斬り付ける乱舞攻撃。

細かく動きを加えながら左右の双剣で全ての脚と、
宙で回転をしながら身体を斬り付け、角度を変え何度も斬る。
ざっと20撃くらいはやったかな・・?


ザザンッ!

剣舞の最後に左右で交差に斬りつけてスキルを終わらせると・・。

強敵、ダイナミックブラスターのHPは0となり、
いつものように青いデータの破片となってパリンと消えていった・・。








カイト「・・勝った」

ということで
初の強敵を倒して今週の分は終わりです
ではまた来週~

すみません
今週の分は明日の日曜1回だけの更新になります
ご了承ください

今日の更新は23時を過ぎると思います
年内最後の更新になりますかね


さっきまでの緊張と焦りが嘘のような静けさ。
戦闘が終わったら大体こんなものかな。
特に格上の敵との戦闘後は・・。

ホッとしてから一緒に立ち向かってくれた
ブラックローズを見る。
あまりにも疲れてしゃがみ込んでいた。
とかはないけど、緊張の糸が切れたって感じかな。
顔を下に向けてはいた。


僕も敵1体にここまで
スキルを使いまくったの初めてだし、
ちょっと寝転がりたいくらいだ。
やっぱりまだ戦い慣れしたとは言いきれないかな。

もうちょっと持久力を付けないと。


いつまでも同じ場所にいても仕方ないし。
互いの状態の確認してから
後ろにいるミストラル達の所に戻ろうとすると、
見慣れないプレイヤーが6人いた。

あ、そういえば僕達所謂ヘルプに入ったんだっけ・・。


アルゴ「大したもんだヨ。そのレベルで
あんな大物倒しちまうとわネ・・」
アルゴが賞賛の言葉をくれたけど、
ブラックローズはちょっと怒っていた。


ブラックローズ「アンタ達さぁ、何で逃げないわけ?
普通に街への門が近かったんだから、
逃げればよかったんじゃないの?」


息を切らしながらも強気なブラックローズ。

さっきまで危険な戦いをし、
疲れていたとはとても思えない。
初対面の人にこうも強気で行けるのは、
無謀なんだか強気なんだか・・。


カイト「まぁまぁ・・」
息を少し落ち着かせながらも
僕はブラックローズを宥める事に。
揉め事になっても困るし。


でも苦戦するなら僕達より判断に優れてるはず。
倒せそう、って見誤ったって事は無いと思うけど。


ボブ「いやぁ、何か見かけないモンスターだなと思って、
つい張り切っちゃって・・。
途中からアスナさん達の加勢もあったし平気と思ったもので・・」

3人とも赤と白の鎧が基調のプレイヤーのパーティの1人、
ボブは申し訳なさそうに言った。
確かこの格好は血盟騎士団の人だったはず・・。


アルゴ「アーちゃん達もついさっき、
加勢に入ったらしくてナ。そう叱ってやらないでクレ」
ブラックローズはひとまず矛を収めたけど、
茶髪の長い髪の人がさっきのボブと言う人に
何か指示していた。


ボブはペコペコ謝ると、
他の団員と共に街のゲートへと向かった。

そして、茶髪の人が僕達に向き直る。


アスナ「危ない所を助けていただいて
ありがとうございました。私、血盟騎士団の副団長のアスナです」

カイト「じゃあ、君がアルゴの言っていた人なんだね」

アスナ「アルゴが・・?」
僕とアスナがアルゴを見ると、
ニシシ、とアルゴが笑っていた。

リズベットは小さな女の子と話していて、
ミストラルはショートカットの女の子を眺めていた。

アルゴ「ちょっと話し合いの場を設けさせてもらおうカナ」
お互いを知っているアルゴが率先して、
紹介してくれた。


僕達の紹介はエギルにした時と殆ど同じ。
1層で知り合った戦力になりそうな人、ってくらいで詳しい話はしなかった。


対して、僕達への紹介も割と単純なことくらいだったけど。


僕よりも少し背が低い小さな女の子はシリカ。
フェザーリドラを手なずけたビーストテイマーらしい。

ミストラルがしきりに見ていた黒髪の人は、シノン。
アインクラッドで唯一の弓使い。
ミストラルがしきりに見ていたのはそういうことか。

すぐにレアな武器と分かったからだね・・。


シリカ「私達、シノンさんに
階層攻略を体験してもらおうと思ったんですけど、
この層でアスナさんの
血盟騎士団の人達がピンチだったので助けようとしたんです」


シノン「思ったよりも敵が強かったのが誤算だったわね・・」


どうやら僕達がしたのは、ヘルプのヘルプって所かな・・。

にしても気になったのはさっきの人の一言だ。


カイト「見かけないモンスターってどういう事?」

アスナ「私達が助けに入ったのは、
そんなに前じゃなかったけど・・。
でも今までの攻略で見かけない形状の敵だったから、
気になって戦ったっていうのもあるかな」


大きい蜘蛛の敵は今まで何度か出会ったみたいだけど、
さっきのダイナミックブラスターみたいな、
特殊な形状の敵は今までいなかったらしい。


僕としてはバグモンスターという考えが浮かんだけど、
僕達が倒してしまったしすぐにバグとは言えないか・・。

でも、今まで見かけなかった敵
っていうのは、何となく嫌な予感がするなぁ・・。


そういえば、さっきドロップしたアイテムがあったっけ。
手に入れたのは・・短剣?


ミストラル「これからどうしよっかぁ~?(?_?)」
ドロップアイテムを確認していると、
ミストラルが先程の戦闘の苦労を
吹き飛ばすように言った。


僕としてはこのまま攻略に行きたいかな。
まだ誰も行ってないマップって楽しみだし。


でも一旦街に戻って休みたいって言う人もいた。
見た目年齢的に1番小さいシリカだ。


シリカ「すみません。あんな強い敵と戦ったら
怖くなっちゃって・・」
シュンと身をすくめるシリカ。
話を聞いてみると彼女も、攻略組になったのは
そう昔の事ではないらしい。
なら、ああいう敵との戦闘後は怖がるか・・。


アルゴ「となると・・メンバーが半端になるナ」

僕達とシリカを除くと4人になってしまい、
2人パーティが2組になるのか。
なら・・。

リズベット「んじゃ、あたしがシリカに付き添うわ。
さっきから震えちゃってるし・・。
そうすればそっちは3人パーティになるでしょ」


ということでパーティが変更され、
僕達3人以外はアルゴ、アスナ、シノンの3人になった。

ということで今回はこの辺で
次は定期通り更新できるかちょっと未定ですので
更新する際は事前に書き込みます

ではまた来年~

皆さん明けましてこんばんは
新年初の更新は、本日23時過ぎを予定してます

SAOにもやはり新年のイベントとかあったのでしょうかね・・


せっかくメイスのスキル上げにも来たのにいいの?
と聞いたら、

リズベット「シリカを放っとけないしね。
それに、あんた達の戦いっぷりも見れたし。
数日前までは1層にいたんでしょ?
超即戦力って事で、期待してるわよ」

いつでも武具店に来てね、とウインクしながら付け加えると
リズベットはシリカを引き連れ街の門に向かって行った。

多分これは・・。


カイト「・・僕の武器を弄るの、楽しみにしてるよなぁ(笑)」


内心笑いながら僕が呟くと、アルゴも笑いながら言った。

アルゴ「まーまー。良い知り合いが揃ってるだロ?」

アルゴに背中を叩かれながら言われると、
何となく魂胆が見えた気がした。


これはSAOに今まで無かった双剣の事探ろうとしてるな、と。


ちょっと考えすぎかもしれないけどね。


気を取り直して攻略に向かう事に。
さっきの強敵に反して、道中は弱い敵ばかりだった。
だから、割と雑談しながら進む事が出来ている。


僕がまず思ったのは、アルゴとかアスナとか、
一体どういう集団なのかって事。
シリカって子やシノンは、攻略組に入って
そんなに間が無いみたいだし・・。


単純に友達、と言えるのかはちょっと曖昧だと思った。


するとどうやらキリト、という人を中心とした集まりみたいだ。

詳しい事を聞こうと思ったけど、
橋を渡ったところで目の前に建物が見えた。
但し枝分かれした道の先に2つ・・。


いわゆる分岐点ってやつかな。
1つはこのまま緩やかな坂の先に。

もう1つは、急な坂の下の
より深い位置にある建物だった。


光っていない転移石が両方にあるのが気になる。



シノン「どっちから攻略するのが良いのかしら・・?」
攻略組に入って日の浅いシノンが頭を悩ませる。
聞けば、こういうRPG系はやったことがないらしい。
となると、分岐とか謎解きは苦手なのかも。

道が2つ。今いるパーティも2つ。
なら1番効率の良い進み方は・・。


カイト「・・僕達も分かれる、かな」

アルゴ「ま、さっきみたいな敵がいないなら
大丈夫だろうけド。その可能性を考えるとネ・・」

意見が少し割れたけど、
最終的には分かれて行く事になった。
いくら何でも、あの敵が異常過ぎたはずだから大丈夫、
っていうのが僕の最終意見だ。

周りの敵を見れば、大体のここの敵のレベルは
分かるからね。


アルゴ「じゃ、この建物を抜けたら
一旦連絡取り合うのがいいかナ」


そんな約束を交わすと、僕達は急な坂の先にある建物に向かった。
当然途中にいたオークウォーリアは倒すまでも無い。


岩肌に作られた、トンネルのような
入口の前で僕達は足を止めた。
一応確認してみたけど、やっぱり転移石は働かない。

ブラックローズ「今までスイッチみたいな物無かったし、
中を探ってみるしかないわね」


ミストラル「ダンジョンダンジョン~(^^)」

緊張感ないなぁ・・。
でも実際、僕もさっきから敵の弱さに拍子抜けだけど。
やっぱり初めの敵があれだったから仕方ないか・・。
あの異常な強さの敵がいたことに疑問を抱えながら、
僕達は初の未攻略のダンジョンへ入った。


深き地へ至る崖廊3


少し薄暗い石造りのダンジョン。
3ってことは、アルゴ達の方が1とかなのかな?


石壁って言う点は、The Worldと似ている。
但し決定的に違ったのは・・。


ブラックローズ「・・開かないわね。
どっかに鍵とかあるって事かしら?」
罠で閉じ込められ、部屋の魔方陣を・・。
なんてことはなく、鍵を探すという作業がある事だ。


カイト「こっちかな・・?」
適当に入口から右の方に進むと、
またも扉が開かない。
また別の鍵が必要なのかと思いきや・・。


ブラックローズ「何よこれぇ~!?」

モンスターが突然現れた。
今までの様にではなく、なんと扉に。

扉に寄生する紫の粘菌のような物の中に、
目玉がギョロリ・・。


カイト「こんな敵がいるんだ・・」


敵の名前はフェイクドア。
いわゆる罠の敵って感じかな。
ちょっと気持ち悪いけど、登場の仕方はちょっと新鮮。


ブラックローズ「気色悪いのよっ!!」
大剣の攻撃でHPが削られる。
動かない敵だし、当然ダイナミックブラスターよりは弱い。

登場には驚いたけど、倒すのは簡単みたいだ。

ブラックローズのソードスキル1回で、
フェイクドアが倒されると扉が開き、
宝箱が1つあった。


ミストラル「鍵発見~(^^)
でも~、鍵のアイテムって何だか損した気分になるよねぇ・・(-.-)」
開かない扉があり、わざわざ別の部屋に行き、
鍵を見つけないといけないって行為。

僕としては面倒くさいって言うなら分かるんだけど、
損した気分ってどういう事・・?


ミストラル「だってぇ、宝箱って何が入ってるか分からないから
ワクワクするんだよ(^o^)
でも鍵のアイテムだと固定化って感じで、
せっかく箱を見つけたのに・・って感じ?(?_?)」

今回はこの辺で
来週からはまた2回ずつ頑張って更新できると思います(多分)

ではまた来週~

今日ものんびり更新していきます~


う~ん、レアハンターのミストラルはそういう考え方なのか。
僕としては・・。


カイト「でも、その鍵で新たな場所に行けるわけだし。
その場所に宝箱があるかもしれないよ?
なら、鍵1個から宝箱いくつかに繋がるって考えれば・・」

ブラックローズ「宝箱があるとは限らないけどね・・」
そう広くないダンジョンでいつものような会話をする僕達。
アルゴ達はどうしているかな。


分かれて攻略は効率の良さでいえば適切だったと思うけど、
向こうのルートも知ってみたくなるのは、
ゲーム好きになったってことかなぁ・・。


時間もあまりかからずに、
僕達は『深き地へ至る崖廊4』にたどり着いた。


またも道は2つに分かれている。
何か2つの道ってちょっと嫌な思い出があるなぁ・・。

適当に左を選ぶと再びフェイクドアが出現。
ブラックローズが気持ち悪がりながらも、
率先して倒していた。
その後何故か開かない扉があった。


ミストラル「これはさっきの道、
右に行かないとダメだったって事かな・・(^_^;)」

ブラックローズ「面倒くさいわね・・」


来た道をわざわざ戻り上からの階段をスルーして、
右の道へと進む。
石壁の見た目ばかり続くけど、
そろそろ外に出たいなぁ・・。


道の先は割と大きな部屋だった。
そしてその部屋の中央に、大きなスライムが1体。

ブラックローズ「ひとまず倒すしかないわね」
ファットスライムと言う名の、
言わば太ったスライムは大した敵じゃなかった。
但し粘液で、元々高くもないSTRが下げられたのが厄介だったくらい。

するとどこかで扉が開いたらしい音がして・・。


ミストラル「これでさっきのとこ行けるみたいだねぇ(^^)」

カイト「モンスターを倒したら開く、
っていうのは、The Worldと変わらない点だね」

再度僕達は来た道を戻り、
先程まで開いていなかった扉が開いている事を知った。

奇妙なスイッチも一応押すと、明かりが見えた。

ブラックローズ「やっと外みたいね。
これでこんな所から出られるわ」

ブラックローズが真っ先に外へと走って行く。
僕とミストラルも続いて外に出た・・。


双璧の交叉する晶座


ミストラル「うおぉ~・・綺麗な所だねぇ(^_^)/」

ブラックローズ「何の光なのかしら?」

薄暗いダンジョンの先には、
ダンジョン前にあった谷底という場所よりも、
更に底にある場所を思わせる場所だった。
地下世界と言うと流石に言い過ぎかもしれないけど。


特に目立つのは薄く青い光。
この辺に何かあるのかな・・。

ミストラル「あ、あっちにも建物があるよ~(^o^)」


ミストラルが言った方向を見ると、
そこには僕達が今までいたダンジョンのようなものが見えた。
あっちに行くべきなのかな、それとも・・。

カイト「あ、アルゴ達が出てきたよ」

ブラックローズ「とりあえず合流ね」

メッセージを飛ばすまでも無く、
僕達はアルゴ達と再会できた。

僕達がダンジョンの事を話すと、
変なスイッチとか出入り口にそれぞれ転移石があったのは
アルゴ達の方も同じだったみたい。


となるとこの建物は先に進む道じゃないのか。
何処に進むべきかと思ったら・・。


アスナ「あっちに橋が見えるわ。あの先が迷宮区みたいよ」

シノン「何だか変ね、アインクラッドって
階層を上に登って行くんでしょう?
通ってきた感じだとここは地下みたいだけど、
地下にダンジョンへの道があるの?」

シノンの疑問にアルゴとアスナが説明に戸惑っていた。
何というか変な所に疑問を持つ人だなぁ、シノンって。
こういうゲーム初心者なら仕方ないけど。

すぐにダンジョンへ行こうと思ったけど、
特殊なモンスターがいるとの事で、まずはそれを討伐する事に。


グレーターバンデットという、斧を持った大きな
鎧武者のようなモンスターが
その特殊な敵だった。

ブラックローズ「ライトニング!」

アスナ「ペネトレイト!」

シノン「ヘイル・バレット!」

掛け声と共に3人の同時スキルが叩き込まれた。
当然ながら大ダメージを与えられる。


レベル的にも人数的にも特に不足はない敵だったけど、
またもNMと書かれている。
スキルを使わず単純な攻撃だけで僕はダメージを与えると、
アルゴが隙を見て追撃して敵をあっさりと倒した。
ボス情報とやらが入手出来たけど・・。


カイト「NMって何の事?」
エリアの最初にやっと倒した、あのダイナミックブラスターも
HNMだった。何か関係がありそうだけど・・。


アスナ「あれはネイムドモンスターって言って、
見た目的に同じ敵がいても、NMは少し強い敵なの。
因みにHNMはハイパーネイムドモンスターのことね」


ようは特殊なモンスターの事らしい。
となると、ダイナミックブラスターは確認されてなかった見た目らしいし、
かなり特殊なモンスターって所かな。

この場所での用事はアイテムの採集もあるみたいなので、
採集ポイントでアイテムを入手した。

クエストクリアのためらしく、
そうしないとボスの情報が明かされないとか。


ブラックローズ「最前線って面倒なことするのね・・」

今回はこの辺で
ではまた次回~

今日は22時過ぎくらいの更新を予定しています
それでは後ほど


マップの枝道を明らかに・・とかもそうだけど、
こういうのも最前線のやる事らしい。
ちょっと失礼かもしれないけど、
何というか面倒なのは確かだった。

ミストラルは凄く楽しそうだけど・・。


やっと全ての用が終わり、いよいよ僕達は
未開の迷宮区に行くことになった。

白い石造りの大きな橋の先には、
小さな入口と、至ってシンプルなタイプの塔が見えた。


カイト「(The Worldみたいに、
もうちょっとバリエーションがあってもいいと思うんだけどなぁ)」
流石に巨人の中に入るようなやつ、とまでは言わないけど。


作った人に若干失礼な事を内心言いながら、
僕は皆と迷宮区に入った。


剛硬の岩窟


初の未開迷宮区だったけど、
敵は弱いし、道のりはグルグル回って中央を目指す物だった。
道中のゴブリンは簡単に蹴散らせけど、
同じ所を回っているようで、
あまり進んでいると思えない感じがするちょっと嫌な迷宮区だ。


4階にたどり着くと、雰囲気が少し変わったようで・・。

アルゴ「ここがボス部屋の前ってとこだネ」


殆ど何もない通路を抜けると、
前に見せてもらったような、ちょっと変わった装飾の大きな扉が見えた。


カイト「これがボス部屋・・」
この中に階層ボスがいる・・。
そう考えると不謹慎だけどちょっとワクワクするなぁ。
ブラックローズとミストラル、シノンを見ると、
3人もちょっとした達成感のようなものを感じているのが分かった。

僕達4人ともこれが初だからなぁ・・。



するとアスナとアルゴが話し込んでいたらしく、
アスナが僕達に声を掛けてきた。


アスナ「ここまで来れて分かったけど、
あなた達3人は充分攻略組に入れるメンバーみたい。
あのHNMを倒した時点で言うべきだったかもしれないけど・・」

アルゴが別行動の時のダンジョン内で話していたのかな、僕達の事。
この層の攻略を通して、僕達の力を見ていたって事だ。


アスナ「これから攻略に力添えしてくれると助かります」
アスナが笑顔で手を出してきたので、代表として僕が応じた。

これで僕達も晴れて攻略組ってわけだ。

アルゴ「ニシシ、これで無事攻略組に加入ダナ、カイト」

カイト「殆どアルゴのおかげだよ、きっと」


アルゴ「謙遜しちゃってまぁ・・
おねーさん達の前では素直に喜んじゃっていいんだゾ」

はにかみながら答えた僕に、
アルゴは僕の頭をクシャクシャと撫でると、

アルゴ「じゃ、回廊結晶を設置して・・」
アルゴが街からの行き来を自由にするアイテムを設置しようとしたけど、
それをブラックローズが止めた。


ブラックローズ「えっと・・これから街に戻って
他の攻略組に招集をかけるって事よね?」

アルゴ「そりゃまァ・・」


ブラックローズ「その必要ってあるの・・?」

アルゴ「・・・」

アスナ「え・・いくらなんでもそれは・・!」
つまり彼女の提案はこうだ。
このままボス倒しちゃおうよ、と。

僕もシノンがびっくりしたけど、
ミストラルはそこまで驚いていなかった。


実を言うと、僕も何となくブラックローズが
そんなこと言い出すんじゃないかと思っていたけど・・。


アスナが即否定するのに対し、
アルゴがすぐに否定しなかったのは、どういう事だろう?

アルゴ「ま、そう言うんじゃないかと思ってはいたけどサ」
どうやら薄々予想していたらしい。
ブラックローズの言う事する事って、
予想されやすいのかなぁ・・。


アルゴ「でも最終的に決めるのはリーダーの役目だヨ」
珍しく真面目な顔のアルゴが、僕に向かって言った。
とりあえずブラックローズの言い分を聞こうかな。


カイト「一応聞くけど、なんでこのまま?」

ブラックローズ「攻略急いでるんでしょ?
アイテム不足とかは無いだろうし」
ミストラルを見ながら言うので、僕もそっちに意識を向けると
平気だよん♪、という意思表示が見て取れた。
続けて彼女は、


ブラックローズ「あたしもさ、大ボスって言うんだから
何人も人が要るってのは分からなくもないけど。
このエリアの最初の敵より強いとは思えないのよね」


ブラックローズ「クウォーターポイントでもないし、
超強力でもないんでしょ?」

アスナ「でも・・ボス戦はいつもと違うの。
ブラックローズは戦った事ないからそんな事が言えるのよ」

アルゴ「オレっちもボス戦はあんまり参加した事ないゾ。
でもま、ここで一旦帰るのも逃げた気がするけどネ・・」


ブラックローズとアスナの意見が真っ向から割れていて、
アルゴはブラックローズの気持ちが分からないでもない、ってとこかな。

敵もいない場所だし、このまま話し合うのはあんまり問題ないけど・・。


シノン「あんたはどう思うの?」

不意にシノンが僕に意見を求めてきた。
互いに攻略組参加したばかりって事で、
冷静な意見を交わせそうだけど・・。


カイト「普通に考えれば・・街に帰るのが良いんだろうけど」

シノン「ってことは、あんた自身の気持ちは別なのかしら?」

カイト「・・・まぁね。シノンは?」
逆に僕が意見を求めると、
シノンは一旦間を置き考え込む動作をしてから答えた。

今回はこの辺で
ではまた来週~

訂正
>>436の文
×僕もシノンがびっくりしたけど、
○僕もシノンもびっくりしたけど、

失礼しました

こんばんは
今日も22時半ごろの更新を予定してます
では後ほど


シノン「私はアスナが攻略組の経験者だし、
アスナの意見に従うのが妥当だと思うわ。
でも・・」

カイト「でも・・?」



シノン「従ってばかりじゃ、強くなれないわよね・・」

カイト「シノンは・・強さを求めてるの?」
攻略組になったばかりだから、後れを取らないように・・?
それとも、個人的に強くなりたい別の理由があるのかな?


今こそ攻略組だけど、何だかシノンは
攻略への意識が他の人と少し違うように思えた。
単に現実世界に帰りたい、ってだけじゃないような・・。

もしかして、僕達みたいに何か目的が・・?



それは今ここで聞く事じゃないか・・。

シノン「私は強くなりたい・・。
さっきのあんた達の戦いは素人の私から見ても凄かったわ。
それにあの状況、アスナでも戸惑ってたのにあんた達は臆さなかった。
それだけそういう場面を乗り切ってきたんじゃないの?
なら・・私もそういうのを乗り越えないと強くなれない気がするの・・」


シノンは僕に答えた、というより
自分に言い聞かせているみたいだった。


今の言い方からして、単に技術とかじゃなく
精神的な強さが欲しいって事なのかな・・。



僕自身は強さに固執はもうしていないし自慢する気はないけど、
街に戻って準備をするほどの事なのかは、
確かに必要ないんじゃないかとは思ってる。


そろそろ2人の間に入って行こうかと思ったけど、
アスナが納得していない顔をしながらもこう述べた。


アスナ「私もそういう場面はあったけど、
あれは他の人を助けないと危ない場面だったし、
それに・・キリト君がいたから・・」


考え込みながらも、チラリと僕の方を向いて、
決してカイト君の実力を疑ってるわけじゃないけど・・。
と、付け足すように言う。


アルゴ「じゃ、キー坊を呼んでみたらどうダ?」


アスナ「うん・・ちょっと聞いてみる」
アスナはその提案に乗ると、
少し離れてメッセージを飛ばし始めた。


カイト「キー坊って、キリトって人の事?」

アルゴ「まーそういうことダ。
って、そういや3人はまだキー坊に会ってないんだっケ。
ボス戦に未だかつてないパーティで挑めるといいんだけド」


アルゴ曰くキリトは唯一の2刀流使い。
もしアスナからのメッセージに答えたなら、
2刀流と双剣使い、弓使いに錫杖使いと・・
濃いパーティになるって事だ。


暫くするとアスナがメッセージが帰ってこないと、
返信を諦めた事を告げてきた。

シノン「あいつ、まだ向こうに言ってるのかしら?」

アルゴ「未踏のエリアだし、キー坊の
性格だと仕方ないのかもナ・・」

ブラックローズ「結局どうすんのよ・・?」


唯一の2刀流で、かつ攻略組みの中心である
アスナ達とも親しいキリトからの連絡が無いとなると、
無難に帰る事になるのかなぁ・・。


多分その人も相当の実力者だろうし、
何かしら方向性を示してくれるかと思ったけど。


意見は未だに割れたままだったけど、
アスナが少し妥協してくれたのか、
ボスを覗くだけはしてみようかということに。

確かに姿とかも結構な情報だしね。
っていうか、ボスから逃げたりって出来るんだ・・。


アスナ「シノのんもいるし、
一応転移結晶の準備をしてね」


ということで僕とアスナが
前に出てゆっくりとボス部屋の扉を押した。


普段見るよりも大きな扉が、
ギギギ、といつもより大きな音を立ててゆっくりと開いていく・・。


と、そこへ突然・・。
「あれ?アスナ~!」
と、声が掛かった。


全員がその声の方に振り向いた。
ボス部屋の扉を開けている途中にも拘らず・・。


アスナ「え・・ス、ストレアさん!?」

ストレア「皆何してんの~?
ってボス部屋?やる気満々だね!」
ストレアと呼ばれたその人は、
少し張りつめていた僕達の雰囲気を吹き飛ばすかのように言った。


そして、ボス部屋が開かれ・・。

ストレア「じゃ、サクッと倒しちゃおう~!」
何の躊躇いも無く元気よくボス部屋に入って行った。
しかもソロで・・。


アスナ「ちょっと!ストレアさん!!」
アスナが追いかけるように慌てて部屋の中に。

突然の新たなプレイヤーの登場に困惑しながらも、
僕達も部屋の中に急いだ。


そして中には、巨大で1つの建物のようなゴーレムが1体。
その体は古びたレンガのようだけど堅そうだ。
そして、1つ目が薄い緑に光ってキョロキョロと辺りを見渡す・・。


ストレア「うわぁぁ・・堅そう!」
そう言うと彼女は腰にある両手剣を抜刀した。

・・腰?両手剣って普通背中のはずじゃ・・。
するとブラックローズが負けじと飛び出して行く。

では今回はこの辺で
また次回~


さっきこのスレ見つけて追いついた

>>458
お疲れ様です
今日も後々更新していきますよ~


ブラックローズ「・・同じ両手剣使いとして、
負けてられないわねっ!」
言うや否や、ブラックローズはストレアの所に・・。


アスナ「ちょっと!バフも一切かけないで・・
あんな堅そうな敵に!?」


カイト「でも・・前線はあの2人が良いかもよ?」
アスナがちょっと戸惑っていたけど、
ここまで来たら仕方ない。ソロで勝手に行く位だし、
何より両手剣の扱いが特殊だ。
ストレアって人の実力を信じてみるしかない・・。


カイト「アスナ、アルゴ。行けるかい?」

アルゴ「こうなったら勝つしかないネ」

アスナ「シノのんは後ろからお願いね・・」
バックアップはミストラルとシノンに任せて、
僕達3人はそれぞれ武器を抜刀し、巨大なゴーレムの敵に近づく。

ボスの名は、グランドレガシー・・。


カイト「これが・・大ボス」
既に前にいる2人は両手剣使い同士気が合うのか、
互いの攻撃の合間に上手く攻撃を繋げていた。

ブラックローズが1度剣を振り、
次の攻撃をするまでにストレアが剣を振る。


そしてストレアが振り終わると、
今度は準備が出来ていたブラックローズが・・と言った具合に。


動きが若干速いのか、タゲになっても
ストレアは上手くステップで下がり、
自分にタゲが無い事でブラックローズは背後から攻撃をしている。


アルゴ「フフフ、即興のコンビにしちゃ上出来だネ」

アスナ「いくら両手剣でも・・ダメージは微妙みたい!」
アスナの言う通り、敵が堅いのか
2人が攻撃しているにも拘らず、
3本のHPバーはそんなに減っていない。


僕はステップで一気に距離を詰めた。
アスナ達と距離があっという間に開き・・。

アスナ「え・・速っ!?」

そういえばアスナ達の前で大きなステップってやってなかったっけ。
こんなに1回で行ける人はいないのかな、やっぱり。



ボスが柱の様な腕を振るって来たけど、
僕はその腕の下を通って躱した。
そして通り過ぎながら足に1撃を加える。

・・正確には2撃。


敵をすり抜けるとその先にストレアがいた。

ストレア「へぇ~、君速いし強いんだね・・キリトみたい♪」
この戦いの真っ最中に合わない、
にっこりした笑みを浮かべると、

ストレア「ファイトブレイド・・!」
打撃と斬撃が混ざった6連撃のスキルを放った。


ブラックローズ「デスブリング・・!」
と、同時に正面からブラックローズが
宙で回転して溜めた力を一気に振り下ろす
ソードスキルを叩き込んだ。

巨大なゴーレムが大きく怯む・・!


アスナとアルゴも攻撃可能な範囲に到着して、
側面から攻撃を加え始めた。


予想通りさっきのHNMよりは苦労しそうにない。
それでも大ボスでHPが多いから時間は掛かりそうだ。
見た目通り防御も高いみたいだし、
長期戦は覚悟しないと・・。


ミストラルの援護、守護の守りで全員に
自動回復のバフが付けられた。
これで多少のダメージには耐えられる。

すると敵もスキルを使ってきた。


”ダイングクエイク”
という文字が現れ、敵が大きく振りかぶる・・!


アスナ「下がって・・!」
アスナの掛け声で殆ど全員が下がったけど・・。


ダァン・・!

ボスは振りかぶった腕を地に叩きつけ、
溜まった力が衝撃波となって放たれた・・!

ストレア「痛ぁ・・」


1人だけ攻撃範囲から逃げられなかったみたいだ。
多分直前に使ったソードスキルのせいだろう。
スタンが与えられ動けない上にボスに近いままだ。
このままでは攻撃の的に・・。


カイト「・・シノン!」

シノン「任せて・・!」
回避で下がったのに、再び僕はステップでボスに近づく。
シノンに援護を頼んだのは、近づく必要がない人だからだ。


シノン「ターゲットウィーク・・!」
強く引き絞った弦が、勢いよく矢を放つ。
僕はシノンの放った矢と共にボスに突っ込んだ。


シノン「っ!?」

アルゴ「嘘だロ・・?」
矢がボスの目に直撃するのと、
僕が跳躍して肩に攻撃を当てたのがほぼ同時だった。
着地してからストレアの前に出る。


ストレア「うわぁ~、凄~い!」

カイト「速く下がって・・!」

ストレア「了解~」
タゲはとっくに外れていたけど、
とりあえずストレアには下がってもらって、
後ろで立て直してもらおう。


矢が当たっても何事も無く目をこちらに向けるボス。

HPは2本目になったくらい。
まだ倒すのには時間が掛かりそうだ。
このボスの動きは鈍い。なら・・。


カイト「・・・」
僕はタゲを担ったまま走る。
するとボスが追いかけてくることによって、
皆に背を向ける形になった。


カイト「皆、背後から攻撃を・・!」

ということで今週は
ストレアさんが登場、かつボス戦途中で終わりです

決着自体は予想通りでしょうが・・
ではまた来週~

こんばんは
本日も22時半以降の更新を予定してます

それでは後ほど


僕の指示でアスナとアルゴが攻撃に回った。
でも1人だけ、僕の方に向かってくる。

ブラックローズだ・・。


ブラックローズ「はぁっ!!」
ブラックローズは跳躍しながら、
ボスの脇腹に両手剣の攻撃を当てた。

そして僕の近くに来て、

ブラックローズ「このあたしがカイト1人に任せると思う?」
と言うと、走りながら躱す僕を援護する役になった。


と言っても、僕が避けた隙に
可能な際追撃したり、たまにタゲを外させたり・・という役だけど。


アスナ「デルタアタック・・!」

アルゴ「クロスエッジ!」
2人のソードスキルがボスの側面にヒットした。
これで全体の約半分は削れたかな。



するとボスが動きを止め、
”タイフーンキャノン”と文字が出る。
これは大技だ・・そう思った時には遅かった。


ボスが両手を広げ下半身を固定すると
上半身がグルグルと回転椅子のように回って腕を振ってきた。
物理攻撃なのに範囲がやけに広い。


それが影響してか、接近していた僕達4人は
その連打と風圧で吹き飛ばされた。


ガッ! ガガガガッ!


カイト「くっ・・」
どうやらデバフ付きの技だったらしく、
ブラックローズとアルゴは麻痺を付与されていた。


僕はダメージのみだけど、HPは半分近く削られている。
このまま前線はキツイか・・。


ストレア「今度はカイトが下がって!」
後ろで立て直したストレアが
両手剣を構えたままボスに向かっていく。


ストレア「アバランシュ!」
助走を加えたソードスキルの1撃によって、
ボスにダメージが与えられた。
ダメージは多くないけど、僕達に時間が与えられる。


被害が少なかったらしい
アスナとストレアが今度は前線に出た。
動けない2人の近くにはいつの間にかミストラルがいる。


ミストラル「いくら私でも、緊急の時は
アイテム惜しまないよぉ~(^o^)」
ミストラルは僕に回復結晶を投げ、
痺れている2人に消痺結晶を使った。


スキルを使わなかったのは
ストレアに使った直後だからだろう。


HPも安全圏になったし、僕は再びボスの所へ。
アスナとストレアは知り合いだからか
中々のコンビだった。
ストレアがスイッチで弾く役を受け持っている。


アスナが攻撃を放つ。
なら・・!

ストレア「スイッチ!」

アスナ「任せて!・・あっ!」
アスナのスキル発動直前に僕もステップをして、
急接近しつつタイミングを合わせスキルを放つ。


アスナ「ペネトレイト!」

カイト「旋風滅双刄!」


ズバッ! ザザンッ! ギィン!


2人のスキルはボスという巨大な的に全て当たり、
斬と突の痕がいくつも刻まれ、
そこそこのダメージとなった。
スキルが終わり、一瞬の連携を経て
僕とアスナはそれぞれの位置に戻った。


そういえばボスは未だリスクブレイクになってない。
長引いて不利になるのは圧倒的に僕達だ。
敵のスキル1回で割と危険な事になっているし、
ここらで流れを作らないと・・。


ボスの背後から一旦距離を置いて、
装備を僕の双剣に変更すると
タゲは未だにストレアとアスナ側だった。

再び敵が”ダイングクエイク”を発動したけど、
アスナが身近にいたからか今度はストレアも回避出来ていた。


シノン「どうする気?」

アルゴ「やっぱボスは大変だネ・・」
いつの間にか僕の近くにはシノンとアルゴがいた。
ブラックローズはアスナ達の所だ。


カイト「これ以上のダメージ効率を狙うなら、
やっぱりリスクブレイクしかないよ」
リスクブレイクならダメージが2倍になる。
強敵相手には絶対に狙いたい状態だけど・・。


アルゴ「堅いせいか、中々ならないのが問題だネ」

シノン「でも、このまま戦っても繰り返しにしかならないわ。
より戦いやすい状況を作るのも手よね・・」
険しい顔をしながら矢を構えるシノン。
遠距離武器ではあるけど、剣に比べれば
ダメージは圧倒的に少ない弓でどうしたらいいか必死なんだろう。


カイト「シノンの弓のスキルで
ノックバックとか出来るのある?」

シノン「無くはないけど・・どうするのよ?」

あのボスは今までかなりの頻度スイッチとかで、
隙を作られ追撃されている。
さっきの僕とアスナの同時追撃でさえリスク上昇程度。
なら・・。


カイト「これ以上出し惜しみしても仕方ない」

アルゴ「どういう意味ダ・・?」

カイト「ここにいるメンバーで
ブレイクしやすい状態を最大限に作り出す・・いい?」

今回はこの辺で

ボス撃破までもう少し・・かな?
ではまた次回~

申し訳ありません
今日は更新しようと思ってたのですが、
来週に回させてください

それではまた来週に

今日は22時半頃の更新を予定してます
今週でひとまずボスの部分は終わると思います

では後ほど


シノン「・・言ってみて」

カイト「・・・」ボソボソ

アルゴ「・・タイミング次第、だネ」

シノン「時間は無限じゃないわ。
アスナ達もいつまでももたない。やりましょう」

シノンは牽制で矢を放つと、ミストラルの近くへと行った。
するとダァン!と叩きつけられる音が響き
僕とアルゴはそっちに意識を向けた。

アルゴ「アーちゃん!」

アスナ「痛ぁ・・」


カイト「アスナ!後退して!」
3度目の”ダイングクエイク”で遂にアスナが
大きなダメージを負ったらしい。
役目を代わるために僕はアスナの所へ・・。

カイト「アルゴ、アスナにも伝えておいて!」

アルゴ「了解ダ!」
外側へ楕円を描くようなカーブでボスの足付近を通り、
跳躍してわき腹に1撃を当てた。

ボスの意識が逸らされ、回復準備をしていたアルゴが
アスナの所へ向かう。


ブラックローズとストレアがアルゴ達に被らないよう、
僕の方へと向かってきた。

ブラックローズ「で?私達が粘ってる間、
作戦は出来たのかしら!?」

ブラックローズが声を張り上げながら聞いてくる。
凌ぐのは結構必死だったんだろう。

カイト「もちろん・・!」

ブラックローズ「上出来ね・・!」
笑みを浮かべながら僕の傍らに来るブラックローズ。
いつの間にかストレアも僕の横に。


前にはボスが迫っている・・。

ストレア「で、どうすんの~!?」

ストレアの問いに答えようとするも、
もう少しでHPバー1本のボスが腕を振り回してきたので、
3人ともステップで下がりながら僕は答えた。

カイト「スキル発動後隙が大きいのは敵も同じ!
なら、敵のスキル発動後に1人がノックバック。
あとは残りが一斉にスキルで同時追撃するんだ・・!」


2人同時追撃でダメなら・・もう手っ取り早く全員で行くのが良い。
1人はスイッチで隙を作る役、他全員で追撃だ。


ブラックローズ「ミストラルは出来ないから・・5人同時?」

カイト「ノックバック後は2人、3人の2段階で行くから
厳密には5人同時じゃないけどね」

ストレア「最初のノックバック役は・・?」

カイト「・・ブラックローズ」
若干控え気味に言うと、
ブラックローズは嫌な顔をせずに答えた。

ブラックローズ「カイトが決めたならそれでいいわ。
でも少しだけ時間貰うわよ!」


そう言うと3人でボスを受け持つ役から離れ、
僕とストレアだけがボスを引き付ける役になった。


彼女はアルゴ達の位置を確認して、
追撃しやすいよう自分の位置取りをし始める。


ギギィン! ザンッ!

ストレアの両手剣で腕の攻撃を受け流し、
僕が側面から攻撃している。
多少の時間耐える策だけど、上手くいきそうだ。


ストレア「何でブラックローズがスイッチ役なの~?」
気になっていたのか、時々来るシノンの矢で
気を逸らされたボスの隙にストレアが聞いてきた。

ダァン!

カイト「単純な割り振りだよ!」
ボスのスキル”ダイングクエイク”を後ろに跳躍して避けながら僕は叫んだ。


カイト「ノックバックした後・・っ!
まずは2人が同時に追撃する。それは僕とシノン。
その後の3人同時は、旧知の仲の方が良いと思っただけ!」

ブゥン!

腕の連続攻撃を避けながら僕は答えると、
アルゴの合図が見えた。


つまりアスナの回復が終わって作戦を理解したって事。

カイト「ブラックローズ!」

ブラックローズ「いつでも行けるわっ!」
両手剣を構えて、スイッチの準備をするブラックローズ。
後は敵のスキルを上手くこっちに発動させればいい。

アスナ達も準備は出来ている。
そして敵の動きが止まりスキル発動前の硬直に・・。


カイト「行ける・・・っ!?」
スキル発動は確かだけど、あの溜めのモーションは・・。
まさか今までと違うスキル!?


”オメガキャノン”

と、ログに文字が出ると腹部の核に力が集まり始めた。
そしてその溜めが目に移るとビームの様な攻撃が発射された。
範囲が大きいのでビームと言うよりは、波動みたいだ。

ヴィィィィィィィィ・・!


カイト「う、わ・・!?」

かろうじて直撃は避けたものの、
熱さがダメージとして痛感された。

カイト「(皆は・・!?)」
避けるのに必死だったので
僕は結果を見る事しか出来なかった。


ブラックローズは唯一範囲外の位置だったから、
特に問題ないけど、今まさにスイッチのタイミングを
全員がダメージを受けた事で止めざる得なかった。

ボスも止まっていないため、再び位置取りをしないといけないだろう。


アスナ達も直撃は無かったみたいだけど、
出血やスタンのデバフを与えられちょっと荒れた状態だ。


一番の問題は最も後方にいたシノンとミストラル。
近くにいなかったものの殆どもろに当たってしまったらしい。


ミストラル「ふぇぇん(T_T)
出血大サービスなんて、私の柄じゃないよぉ(>_<)」

今回はこの辺で
また次回に続きます~

今日の更新は23時以降の予定です
では後ほど


そう言うとミストラルは浄化の炎で、自身を含め
近くのシノンや離れたアルゴ達のデバフをも一気に消した。


出血状態からは抜けたけど、
次の問題は全員が警戒してしまう事だった。


まだ新たなスキルがあるかもしれない。


そう思うとさっきアルゴが言っていた、
一番の問題であるタイミングがよりシビアになってくる。
そして、ブラックローズの位置取りが出来た頃に
悪い事が重なった・・。


”リミットリベラぜーション”
と文字が出ると、殆どノータイムで衝撃波が放たれた。


ブラックローズ「くっ・・邪魔な技ね!」
近くにいたブラックローズの動きが阻まれ、再びタイミングを見失った。
HPへのダメージは殆ど無いのに、
精神的なダメージを負った気分だ。


このままじゃまずい・・。

こうも僕達の狙いを邪魔されるとは思ってなかったけど、
そう思わせるには充分だった。


カイト「(方針を変えないとまずい・・)」


あのボスからの中断を受けないよう隙を作るには・・。


カイト「ブラックローズ!役を代わって後退!
シノン、さっきのを最初に行くよ!」

ブラックローズ「あんたが危険だけどその方が速い、か・・」

シノン「・・予定通りにいかないものね、作戦って」
僕の言いたいことが分かったのか、
ブラックローズはアスナ達の列に。
ストレアにはさっきあんな事を言ったけど、
こうなったらブラックローズに上手く合わせてもらおう。


パーティの前線には、僕1人だけ・・。


シノンがしゃがんで弓を強く引き絞る。
1発に強力な1矢を込めたスキルのはずだ。
でも、まだその時じゃない。


カイト「はっ!」ギィン!
今まで何度もやった、1撃を与えてタゲを取る方法。
それをやると今まで通りボスが僕に向き直った。


ブゥン!

カイト「っ!」
敵の腕を避け、側面に抜ける。
そして・・来た。


力を溜めるモーション。
腹部の核に力が集まり・・。


カイト「!」
とっさに皆がいる方向を思いだし、
急いで更に横に移動する。
これなら直線上に誰も被っていないだろう。


カイト「(行ける・・!)」

”オメガキャノン”

ヴィイイイイイイイイイ・・!

またも巨大なビーム攻撃が発射された。
だけど既に見た技だし、予め位置取りは出来ている。

ビームの熱さを肌に感じながらも、
僕は必死に身を屈めて避けた。


敵のスキルが・・終わる!

カイト「今だシノンっ!」

シノン「上手くいって・・ブレイジングトリガー!」
撃った本人がバランスを崩す程強力な1矢が放たれ、
シノンは後ろに転がりながら受け身を取った。
僕は再び矢と共にボスへ向かう・・。

シノンの矢のようにノックバック効果は無いけど、
今なら速く出せるこの技が適しているはずだ。


カイト「舞武・・!」


シノンのスキルと僕のスキルがほぼ同時に決まった。
スキル直後を狙ったおかげか、効果は大きい。

僕の役目はひとまず終わった。
急いでその場を離れる。

カイト「っ・・!」

方針を変えた通り、追撃の2段階目に
ブラックローズ達4人が突攻した。


僕とシノンを急遽最初のスイッチ役に変えたのは、
遠距離と近距離の同時攻撃。
これを同時には防ぎにくいと思ったからだ。
最初にこのノックバックが上手くいけば・・。


ブラックローズ「カラミティ!」

ストレア「メテオフォール!」

アスナ「ペネトレイト!」

アルゴ「トライピアーズ!」

4人の同時スキルが全ヒットし・・。


ガガガガガガガガガガ・・!ギィン!


遂に今までリスクブレイクしなかったボス、
グランドレガシーがリスクブレイク状態になった。
これで常にダメージが倍になる。

ミストラル「やったぁ!(^O^)上手くいったねぇ(*^_^*)」


最初に声を上げたのは
遠くから事態を把握していたミストラル。

皆の目にも士気が戻っていた。

アルゴ「やったナ、カイト!」

アスナ「あと少し・・。皆で総攻撃よ!」

HPは1本になったし、おまけに動きも少し遅くなっている。
これは勝ちで間違いない。


そう、誰もが思った時だった・・。


一体誰が予想しただろう。

いや、誰もしなかったはずだ。
少なくとも前々からSAOにいた
アルゴやアスナ達は絶対に予想出来なかったと思う。
知らないはずだから。


こういう言い方をすると、じゃあ僕達は予想出来たのかって?


多分出来なかっただろうけど・・。
でも忘れてはいけない事だった。

まさか・・。

まさかこのタイミングであの時の光がここに来るなんて・・。

今回はこの辺で
いよいよボス戦も最終局面です

さてこの光の正体は・・

ではまた来週~

だいぶ遅くなりましたが
のんびりと更新していきます


それは僕達がSAOに来たあの日、
はじまりの街の裏路地で突然アウラの
ペンダントから出てきた、あの赤い光。


ボス部屋の壁に大穴をこじ開けて・・
なんてとんでもない登場こそしなかったけど、
場違いだったのは間違いない。



その光はフワフワと浮遊して、僕のペンダントの元に・・。
てっきりそう思ったけど、またも予想外の事態になった。


僕達の目の前で一切迷ったりせず、
赤い光はフロアボスに近づいていく・・。


アスナ「な、何かしらあれ・・?」

あの光が何なのか、事情を知っている僕達でも分からない。
アスナ達が分からないのは当然だった。

ここで僕が思ったのは
もしかして、援護してくれるオプション的な物かと思ったけど。


そして・・これ以上ないくらい目を疑う事が起こった。


ザザッ・・!

カイト「っ!?」

アルゴ「な、何ダ・・!?」


今のは何度も体験した・・ノイズ!?
続いてまたも見覚えのある物が・・。

シノン「何よあれ・・?」

赤い光の先端には、いつの間にか
青とも透明とも言える花の様な物が出現していた・・。

ブラックローズ「う・・」


危く叫びそうになったブラックローズを
ミストラルが急いで塞いだ。

カイト「(腕輪・・?)」

そう、腕輪・・。
僕の右手に在るはずの物が・・どうしてあそこに?


当然ながら僕の右手には腕輪がある。
ならあれは・・。

ザザッ・・!

再びのノイズと共に一瞬色調が反転した。
この前兆は・・。まさか!?


ストレア「ひ、開いて・・る・・?」
最初に僕達の前に現れた時、ストレアの口調はとても明るかった。
ボスとの戦闘中からもマイペースな印象を受けた。
だけど、そのストレアでさえ
今の目の前に光景には驚いているようだった・・。


カイト「(データ、ドレイン・・)」


ザザッ・・! ヒィィィィィィィィン・・!

宙にある腕輪に力が溜まり腕輪が展開していく。
一瞬の後その力はいくつもの光の筋となって放出され、
ボスの元へと向かった。


バシュゥゥゥゥゥゥ・・・!


筋はボスに当たるまでに収束し、
傍から見ると光の矢のように見えた・・。

アスナ「ボ、ボスは・・!?」


間違いない、あれはデータドレインだ。
その結果は誰よりも僕が知っている。
データの一部が改竄、吸収され対象のモンスターは雑魚になる。


でもこのSAOにはドレイン後の
雑魚モンスターは存在しないはず。
一体どんな姿に・・?


光の矢とその圧倒的な輝きが収まってきてボスの姿が視認出来た。


アスナ「嘘・・」

アルゴ「ど、どうなってんダ・・?」


さっきまで僕達と戦闘していたボス、
ゴーレムタイプのグランドレガシーは
体の一部がごっそり抜けていた。
カカシにはなっていない。


まるでその部分は初めから無かったかのように、
見るも無残に頭部の下が・・。

シノン「・・っ!」


頭部の下は大きな空洞になっていた。
向こう側のはずのボス部屋の壁も、
ボス体内のデータ片もくっきりと見える。


これじゃあまるで・・。
でも、ボスのデータを吸い取ってどうしようっていうんだ・・?


ギギギ・・とボスは動く。


ターゲットしてみると名前に変化はない。
でもいつのまにかHPは・・。

データドレイン直前に1本はあったのに、
もう無いと言って良いほど、視認できないほどのHPになっていた。
どんな攻撃でも1撃で倒せるほど、弱体化していた・・。


シノン「ひとまず・・撃ってみるわ」
遠くからの攻撃という事でシノンの1矢が放たれた。
皆ボスの近くに行こうとしないからだ。
正確にはあの光の付近に行きたくない、ってことだろうけど・・。



カツッ!

シノンの矢は何事も無くボスに直撃し、
そしてHPは遂に0となって、フロアボスの討伐に成功した。
大きい体のためか少し派手だったけど、
いつものように全身が一瞬青白くなり、
パリンとデータ片に散って消滅した。

アルゴ「・・・」


アスナ「・・・」
皆、無言だった。

アルゴは緊張した面持ちのままだったし、
アスナは腑に落ちないからか、剣を未だに収めていなかった。


ボスは間違いなく倒した。
問題はあの光・・。


カイト「あ・・」
気づくと腕輪の展開は終了していて、
赤い光だけになっていた。
そして・・。

今回はこの辺で
これでボスはひとまず終わりです

さて、街に戻ったら出会うシーンに
さっさといかなければ・・

ではまた次回~

そんなもん食べてどうするつもりなんやら

ノイズ前のハ短調ラ音がない・・・だと・・・

>>532
基本、敵は何でもよかったんですよ
単にデータ補給できれば

>>533
初代ゲームだと無かったのに
OVAのリミナリティーだとあるんですよね・・
あの毎度の登場のムービーにハ調のラ音が使われてたかは
音を正確に知らないので何とも言えませんけど

ハ短調ラ音です。ご参考までにー

https://www.youtube.com/watch?v=vjb5nkbGysU

>>536
わざわざどうもです
G.Uは勿論知ってますけど、
この音が無印ゲームで使われたかは、多分無かったと思うんですよ

本日は諸事情で
今から更新していきます


ヒュンッ!

近づく間もなく赤い光はあの時と同じように、
勝手に何処かへ行ってしまった。
障害物のはずの壁を抜けて・・。


残ったのは呆然としている僕達と、
今の今までボス戦をしていたとは思えないほどの静けさ。
それは戦闘が終わったから、じゃない。
誰もボスを倒したという実感を得ていなかったから・・。


ストレア「な、何だったのあの光・・?」

ストレアの問いには誰も答えられなかった。


僕がチラッとブラックローズとミストラルを見ると、
2人もやっぱり何かを察しているようだった。


でも、それは今ここで口にすることじゃないか・・。



全員が困惑したまま、無言ですることもなく
無意味な時間が流れた。
さっきまでボスとの戦闘をしていた雰囲気じゃない。
本来なら喜んでいるはずなんだけど・・。


ここで沈黙を破ったのはアスナだった。


アスナ「とりあえず・・次の階層に行きましょうか」

誰もが分かり切っていた次にすべき事。
でもすぐに言い出せなかったのは、
全員が1種の衝撃を受けていたからだ。


勿論、僕達3人と皆では
受けた衝撃は少し違うだろうけど・・。


先に進む。
当たり前の事だけどそれをするのが急に怖くなる事があるんだ。

八相を倒した後のネットワーククライシス・・。
あの時の事をちょっと思い出す。


あの時も何が正しい事なのか分からなくなった。
先に進むのが・・怖くなった。


今回の事もきっと同じ。
皆この先に進むのが怖くなっているんだ。

そんな中先陣切って進もうと言ったアスナ。
彼女も不安を感じているはずなのに、
それを言い出せるのはちょっと凄いと思った。



僕だって言っても良かった気がするんだけど、
何となく言い出しづらかった。

だって、僕が引っ張れるのは
多分ブラックローズとミストラルだけだろうから・・。

申しわけない
一旦中断します
22時までには戻ってきます


不安が全て払拭されたわけじゃないけど、
アルゴとストレアは平気そうだ。
問題は初心者同然のシノンだったけど・・。


シノン「いつまでもここにいても仕方ないわ。行きましょう」
強さを求めているらしいシノン。
そこまで心配はいらなかったかな・・。

アルゴ「カイト、大丈夫カ?」

カイト「え?」

アルゴ「ま、君達3人が戸惑うのは無理ないサ。
あんな事態、オレっちとアーちゃんも初めてだシ」


どうやら僕達こそ心配されていたみたいだ。
本当に心配するべきはアルゴ達だよ。
とは言えないな・・。


アスナ「本当、何だったのかしらあれ・・」
次の層への階段。
つまり、ボス部屋の入り口の反対側に進みながら
アスナが話題を切り出した。
無言のまま進みづらかったのかも。


アルゴ「あんなの見た事も聞いた事もないネ。
情報屋としてこれは調べないとネ」
腕がなるヨ、と言いながら
アルゴの目は若干据わっていた。


あれの情報はSAO中探しても見つからないと思うよ。
って、言ってあげた方が良いのかなぁ。


・・詮索されそうだからひとまず止めておくけど。


やがてボス部屋の出口にたどり着く。
ボスを倒して初めて開く扉・・。
それが開かれ、次の層への階段が目の前に映る。



アルゴ「お次は83層カ・・」


アルゴがボソッと呟く。
いよいよ、次の層へ行けるんだ・・。


階段の向こうは真っ白だけど、
次の街への道なのは分かる。
大して長くない階段を上りきると、転送が始まった・・。


83層 ドルバ


83層の街に着くと、アスナ達がアクティベートをした。
手順はよく分からないけど、簡単に言えば層の登録。
これでもう、誰でもこの層に来れるってわけだ。


アルゴ「アクティベートも無事終了、だネ」

アスナ「うん。じゃあ76層に戻りましょう」
無事開通した事を確認する意味もあって、
僕達は76層に戻る事になった。

まあ、あれだけのボス戦をやったら
宿で休みたいよね・・。


街の景観が少しだけ見えた。
大樹と街が一体化したような街。
というより、街が大樹を中心に作られたって感じ。

そんな感想を浮かべると、堪能する間もなく
すぐに転送エフェクトが僕達を76層へと連れて行く・・。


76層 アークソフィア

思ったよりも激しい戦いになった82層。
初めからトラブルの連続となったけど、
何とか帰ってこれた。


今は1人で考え事をしたい。
そう思ってたからすぐに宿に行こうと思ったけど、
予想外に転移門の前には人がいた。


それはあの有名な血盟騎士団の人達。
そしてよく見ると、HNMと戦った時の人もいる。

今週はこの辺で
次回からバトルは少しお休みです
SAOメンバーとの関わりが濃くなっていきます
キリッと君もそろそろ出番だぜ・・(多分)

では、また来週~

祝日なの忘れてました
今日も投稿します

但し時間はちょっと未定です


ボブ「やあ、先程はありがとうございました。
あ、アスナさん。そろそろ戻ってくると思って招集掛けときました!」
彼は敬礼をしながら言うと、更に後ろから見覚えのない人が現れる。


ランパード「ボス部屋までの道中お疲れ様ですアスナさん。
あとはクエストで情報を集めるだけです!」


元気よく答えるランパードと言う人。
アルゴによると、ボス討伐会議を行う前に
色々と情報を纏める役の人らしい。


位置的には以前のアスナに近いポジションになった人なんだろう。


アスナ「・・・」(汗)

アスナの顔は若干引きつっていた。

まあ、既にボス倒しちゃったからね。
わざわざ準備して待っていたこの人達に
負い目があるんだろうなぁ。

アルゴ「・・・」

シノン「・・・」
この2人もランパードの事はよく知っているようで、
少しだけ気まずそうな顔をしていた。
自分の口からは言いにくいみたい。
アスナの方を見て「後はお願い」と言いたげだった。


コホン、と一呼吸してからアスナが言おうとすると、


ストレア「え、82層のボスなら倒しちゃったよ~?」

ランパード「・・えぇっ!?」

あ~あ。せっかくアスナが上手く言おうとしてたのに。

集まっていた何人かの攻略組の人達は、
思った通りちょっとした動揺に包まれた。


まあ、アスナが言ってもこの騒ぎが
起きなかったとは思えないけど・・。


ランパード「ほ、本当なんですかアスナさん?」

アスナ「じ、実は・・た、倒しちゃいました」アハハ

笑って誤魔化すアスナ。
その途端、どっと周囲が湧いた。
周りが驚きと喜ぶ声に包まれる。


「よっしゃああ!次で83層か!」

「ログアウトにまた前進だな!」

「前情報も無しに倒すとか流石だなぁ・・!」


なんて声がちらほらと聞こえてきて、
殆どの人は喜んでいたみたいなんだけど。
ただし、1人だけがっかりしている人がいて・・。


ランパード「な、なんてこった・・。
俺の出番が減っちまった・・」

申し訳なさそうにギクシャクした笑みを浮かべながら、
アスナは騎士団の人に指示を出した。

内容は、余裕がある人は83層に進出とか。
あまり誇張した情報を流さないように、とか。

後者の方はあまり守られそうにない気がしたけど・・。

すまない・・
また一旦中断させてください
22時半までには戻れると思うので


あとは新たな攻略組として僕達も改めて紹介され、
ここに集まっていた人には知れ渡る事になった。


う~ん・・こういうのは慣れないなぁ。

紹介もそこそこに僕達はアルゴの提案で宿屋に行くことに。
そういえばエギルやリズベットとかに、
色々と紹介があったんだっけ。


まだ会っていないパーティメンバーもいるし。
早めに会っておかないと。


軽く手を振って別れると、攻略組の人達は大喜びしていた。


あ、アスナは僕が男だって明確に言ってなかったな。
もしかして・・誤解されてるって事はない、よね・・?

少しだけ嫌な予感を浮かべながらも、
僕達は騒がしい転移門前を後にして、
宿屋がある中央区に向かった。


---------

エギル「よう、お疲れさん」
宿屋に戻ってくると開口一番、
エギルが労ってくれた。


まだ泊まったこともないのに、
少しだけ安心するのは何故だろう。


リズベット「お、戻ってきたわね~♪」

シリカ「無事に戻ってこれたようで何よりです」
先に戻ってきていた2人がカウンター前の席に座っていた。
シリカは笑顔で迎えてくれたから、
さっきまでの事は大丈夫みたい。


にしても、見かけない人が3人いる。


1人は金髪ポニーテールの子。
もう1人は赤髪で背が高い和風の鎧を付けた人。
そして最後は明らかに子供で、装備品が一切ない黒髪の子だった。


リーファ「アスナさん、お疲れ様です!」

ユイ「ママ、お帰りなさいです!」
ママ、と言った子はアスナに寄り添った。

・・ママ?

ブラックローズ「え、アンタ子供いたの?
まさか、結婚ってやつ?」


アスナ「あー・・ほ、本当の子供じゃないの。
結婚も関係ないし、誤解しないでね」

ミストラル「だよねぇ(^^)
こっちの世界で、そんなシステムは流石にねぇ(-.-)」

ゲームの中でそんなシステム在ったら・・
倫理的にまずいよぉ、とミストラルは続けた。



う~ん、流石にお腹に子供がいた人の言葉は説得力あるなぁ。

って事で今回はこの辺で
土曜にまた更新します

ではまた

本日は時間未定です
23時頃までにできればいいんですが、
未だ不鮮明でして・・

気長にお待ちいただければと思います


クライン「ははぁ~ん。これがエギルの言ってた連中か」

まじまじと僕達を見定める、この中では目立つ男のプレイヤー。
ちょっとだけ風貌が砂嵐さんを思わせる。
和風の鎧の人って珍しいなぁ。

仲が良いのか、
エギルと雑談しながら僕達を見ていた。
対するエギルは少しだけ呆れているようにも見える。


エギル「実際はアルゴが見つけてきたんだけどな」


クライン「うひょ~、また女子が増えて嬉しいぜ。
今度こそキリトに取られないようにしねえとな・・」

エギル「クライン・・そろそろ諦めろ」(呆れ)

クライン「どういう意味だそりゃ!?」

また新しいメンツが増えたなぁ。
騒がしいけど付き合いやすい人って感じ。
周りからは少し白い目で見られている気もするけど・・。


そして相変わらずキリトって人はいないみたいだ。


エギル「アスナ、キリトはまだ連絡よこさねえか?」

アスナ「あ、うん・・忙しいのかなぁ・・」

アルゴ「ま、キー坊以外は本当に
総結集したし、まずは互いに紹介と行こうカ」




ま、何をするにもお互いを知る事から、だね。
あの黒髪の子の素性が気になったけど、
それもすぐに分かるはずだ。

すると早速、さっきの男の人が名乗り出た。


クライン「よっしゃ、まずは俺からだな。
俺は風林火山ってギルドのリーダー、クラインってもんだ。
ここのメンバーの中心たるキリトって奴とは1層からの付き合いでな。
ったくあの野郎、酷い女たらしでよ・・俺は日夜見返してやろうとだな・・!」

リーファ「その辺にしてくださいよ・・
私はリーファ。えっと・・キリト君の事は名前で知ってるのかな?
私はその妹なんです。片手剣使いなんでよろしくお願いしますね」

このメンツの中心はキリトって人なのは知ってたけど、
まさか妹までいたのか。
何というか濃い面子だなぁ・・。


・・ブラックローズがリーファを若干凝視していたのは何でだろう?


さて、残るはこの中で異彩を放つ子。
黒髪に白いワンピースの女の子の番だ。
アスナに寄り添いながらもこっちに向かって、
しっかりと言った。

ユイ「私はユイと言います。
アインクラッドのメンタルヘルスカウンセリングプログラムです。
えっと・・簡単に言ってしまえばAIなんですけど、
分かりますかね・・?」


カイト「あ、うん」
AIに関しては僕達もよく関わったからなぁ。
にしても、気になったのはメンタルなんたら・・の方。


ユイ「略すとMHCPと言うんですが、
言ってしまえばこの世界の人々が抱える感情の問題。
それを上手くケアするのがMHCPの役割です。
とはいえ私はその役割から外れてしまった個体なんですが・・」


ユイって子の大体の立ち位置は分かった。
アウラもユイも作られたプログラム。
そしてアウラが世界そのものになったなら、
ユイはプレイヤー側になってしまった、って所だ。


こういう場合大抵は制限があって、
元々システム側だったユイはチートとかも出来ていたはず。
でもこっち側ではそんな事も出来ず、
攻略組に保護されてる、って所だろう。


ユイ「お察しが良いんですね」

ミストラル「ママっていうのは、
つまりアスナ達が最初に保護したから・・って事~?(?_?)」

アスナ「最初に見つけたのはキリト君だったけどね・・」
後は当のキリトって人だけか。
アスナと仲が良いみたいだし、何度か呼びかけているのに
未だに連絡してこないっていうのは、何をしてるんだろう?


アスナ「多分、ホロウエリアっていう
最近見つかった特殊なエリアに行ってるんだと思う。
アインクラッドと色々違ってて、
アイテムのレア度もエリアの難易度も高い。
って事であっちにばかり行ってるの」


それでずっと連絡が来なかったのか。
ホロウエリアについての疑問が湧いてきたけど、
それは後回しで僕達の紹介が先かな。


エギル「ま、こっち側は人数多いからな。
一気に紹介されても覚えきれねえだろうから徐々に覚えりゃいい。
それよりあんた達の事紹介してくれよ」


この中では初めの方に会ったエギル。
他の人も集まってから・・って事で
紹介を待たされてたから楽しみにしてたのかな。


ストレア「私も殆ど知らないよ~?
あ、でもカイトは強かったなぁ・・こんなに小さいのにね」
僕の帽子をポンポン叩きながら楽しそうに言うストレア。
続いて両手で自身と僕の身長の差の幅を作る。


この中で僕より小さいのはシリカとユイくらい。
SAOの男性の中で言えば
小さい部類なのは間違いない。


にしても大勢の前で自己紹介って何となくやりづらいなぁ・・。
ま、名前とジョブを言っとけば平気かな。


ブラックローズ「あたしはブラックローズ。
ストレアと同じ、両手剣使いよ。
えっと・・何でSAOに来ちゃったのかとか言う必要ある?」

アスナ「う~ん・・偶然とかって人もいるし。
そこまで気にしないかな」

ブラックローズ「そう、細かい事は気にしない!
ひとまず攻略に手貸すから安心しなさい、ってとこかしら」

クライン「うひょ~、強気な姉ちゃんだなぁ。
悪くないね」ウンウン

シノン「堂々とした自己紹介ね・・」

何でブラックローズが先陣切って
自己紹介してくれたのかと思ったけど。

ひとまず今回はこの辺で
キリッと君以外のほぼ全員とようやく面識を持ちました

お互いに紹介と来てその後は・・
ではまた


前のボスからの緊急補給は……キリトに何かあって、その修復に使ったとかか?
たそうでキリトとかなってたらカオスが加速するな

こんばんは、今日は22時半からを予定しています

それで申し訳ないのですが
>>583の方

「前のボスからの緊急補給」、とは何でしょうか?
原作の設定か何かですか?
教えてもらえると幸いです


ここに来るまでの経緯を説明しなくてもいい。
って流れを作ってくれたのかな。
色々ツッコまれたらややこしいしなぁ・・。

そして、続いて発言したのはミストラルだった。



ミストラル「じゃ、次は私~。ミストラルって言いま~す(^^)
杖っていうユニークスキル持ちのレアアイテム好きだよぉ(^o^)
料理も得意だから以後よろしくねぇ~(^_^)/」

クライン「何!?ユニークスキルだぁ!?
おいおい、まだいたのかよ・・あんたこそレアじゃねえのか?」

リズベット「あんたも偶には上手い事言うのね・・」

アスナ「戦いっぷりを見たけど、中々の特性だったわよ」


ミストラルの紹介後は、
案の定若干の騒ぎになってしまった。
今までにない武器を使ってる人が現れたんだし仕方ない。

となると、僕の時も騒がしくなっちゃうのかな。
嘘を言ってもいずればれるだろうし、隠す気は無いけど。


カイト「じゃあ最後に・・僕はカイト。
僕もユニークスキル持ちの双剣士です。
今日正式に攻略組入りを認めてもらったので、以後よろしく」

ブラックローズ「因みにあたしたちのリーダーよ」


ミストラル「そうそう~(^_^)/異論は認めないぞぉ(^o^)」

何故か僕の時だけ割り込んでくる2人。
フォローのつもりなんだろうけど・・なってるのかなそれ。


クライン「おいおい!?パーティってのは分かったが、
3人中2人もユニークスキル持ちかよ!?」

アルゴ「ニシシ・・オレっちの自慢の逸材だヨ」

シリカ「双剣、って言うんですかぁ。凄いですね。
私も使ってみたいです」


残念ながら使用条件は無いと思うから、
僕は言葉を濁すしかなかった。

・・リズベットとかの目が輝いてるなぁ。

あんまり詳しいことは言えなかったけど、
エギルは詮索するのも悪いか、と呟き、

エギル「そういやアスナ。
82層行ってから随分遅かったが。
そんなに辛かったのか・・?」

と、戦果を尋ねた。
アスナはさっきよりも自然に答える。

アスナ「えっと・・実はボス攻略までしちゃって・・」

クライン「そっかそっか。ま、ボスまで倒せばこんだけ
掛かるのも無理はねぇ・・って何ぃーーーーー!?」


転移門前でこの事を告げた時と同じように、
知らなかったクライン、リズベット達は全員驚いていた。

アスナは驚かれるのも当然という顔だったけど、
ストレアとブラックローズ、ミストラルは誇らしげだった。


そこからは質問の嵐で・・。

クライン「ちょっと待ってくださいアスナさん・・。
え?前情報不足状態で倒したんですか・・?」

アスナ「は、はい・・」

リーファ「メ、メンバーは・・?」

アスナ「私とアルゴとシノのんとストレアさんと、
カイト君とブラックローズさんとミストラルさんの7人・・」


エギル「ん?ちょっと待て・・。
そこの3人ってついこの間まで1層にいたんじゃ・・」

アルゴ「ああ、まあそうだナ・・」

ユイ「あれ・・?ユニークスキルで
杖とか双剣なんてありましたっけ・・?」

シリカ「ユ、ユイちゃんでも知らないスキルですか・・?」


うわぁ・・。攻略組の中でもトップの人達の質問で
僕達の存在が怪しまれるような気がする・・。

特に困ったのはユイの疑問だったけど。
どう誤魔化すのがいいのかなぁ。


アルゴ「オレっちも疑問に思ったんだけどネ、ユイちゃん」
情報屋としてプレイ側ではより深くまで知ってるだろう
アルゴがユイの疑問に答えようとしてくれた。


アルゴ「もしかしたらホロウエリアが関わってるんじゃないカ、
って思うんだけどどう思ウ?」

ユイ「なるほど・・流石アルゴさんですね!
確かに可能性としては高いです」

カイト「えっと・・どういうこと?」

そもそもそのホロウエリアが何なのか分からないから、
話がさっぱりなんだけど・・。
そういえばさっきアスナが口にしていた言葉だ。


アルゴ「ホロウエリアっていうのは、
通常のアインクラッドと違う未開のエリアの事だヨ。
もしかしたら開発前の試作エリアじゃないか、
っていうのがユイちゃんの考えでネ」


ユイ「このアインクラッド完成の前に案として色々なスキル。
つまり双剣とかが在り、
パパがホロウエリアで何らかの条件を満たした事で、
今までは未実装だったスキルが解放されたのかもしれない、ってことです」

アルゴが最前線に来てから、
僕達のスキルについて色々考えてたんだなと言うのが分かった。

にしても開発前のエリアか・・ちょっと興味湧いてくる事だね。


アルゴ「フフフ、行きたいって顔だネ。
でも残念ながらキー坊とあと1人しか行けないんだヨ」

アスナ「そうなの!キリト君ったら、
向こうで会った人に付きっきりで
あんまりホロウエリアに連れてってくれないのよ!」

クライン「1回だけエリア自体は皆それぞれ見せてもらったけどよ・・
チクショー・・!何であいつばっかり出会いがあんだよ・・!」

シリカ「ホントですよ・・フィリアさんばっかり・・」

リズベット「・・思い返すと何かイラッと来るわね」

リーファ「今も向こうに行ってて返事してくれないもんなぁ・・」


何か途中からキリトって人への愚痴になってるような・・。
中心の人なのにこの言われようって、
人望があるんだか無いんだか・・。


僕は次々と飛んでくる愚痴にポカンとするしかなかった。
けどこの中で、言わなかったのが3人程いた。


シノン「私?別にいいのよ。
あいつと冒険に出たいなんてそこまで思ってないし」

ストレア「私もホロウエリアに行けたらなぁ~。
すっごいワクワクするよね!未開のエリアなんて!」

今週はこの辺で

今週も出番なかったけどきっともうすぐだぞキリッと君(多分)

では、また来週~

>>584
いや、吸えれば何でも良かったって言ってたんでそういう感じなのかなと思うままに……混乱させてすみませんでした

>>598
そうでしたか、吸えれば何でも・・っていうのは
正確にはブレイクされてドレイン可な敵なら何でも・・て意味だったんです

で、今日は23時ころから予定してますが
ずれ込む可能性もある事を承知いただければと思います
では後ほど


シノンは冷めた態度、なのかな?
ストレアは能天気なだけみたい。
いずれにしても、キリトって人としか行けないエリアなんて気になる。


アルゴ「ニシシ・・キー坊は女ったらしだからネ~」
アルゴは皆ほどの固執もなさそうに気楽に笑っていた。
女ったらしっていうのがよく分からないけど・・。
攻略とかには関係ないだろうしいっか。


ブラックローズ「キリトって人、
もしかしていわゆるチャラい奴なの?」
唐突にブラックローズが疑問を口にする。


アルゴ「ん~・・そういうのは無いけド、
傍から聞いたら気にくわないよネ」
アルゴはヤレヤレ・・と言った感じで肩をすぼめる。
苦笑いしてる辺り否定できないのかな。


ブラックローズ「女の敵確定ね。
会ったら1回は殴ってやるわ」

ミストラル「やっちゃえやっちゃえ~(^o^)」

カイト「止めときなよ・・せっかく攻略組に成ったのに
関係が悪くなっちゃうよ」(汗)

何で殴ろうとしてるのかよく分からないけど、
ひとまず止めておこう。

そう思ったけど・・。


クライン「お、気の強いねーちゃん、
1発頼むぜ!あのキリ公におみまいしてやってくれや!」

リズベット「ハンマーとか・・いる?」

シリカ「流石にやり過ぎですよぉ・・」

本気でやる気になってるのかよく分からないノリだけど、
いつの間にかブラックローズ、馴染んでるなぁ。
冗談だと信じておこう・・。


紹介も終わったしいつの間にか話の流れも変わっている。

ずっと立っているのもあれだから
何となく近くのカウンターの席に座ると、
アルゴ達が近くに来て座った。


アルゴ「流石に疲れたカ・・?」

カイト「・・こうも1度に色んな人と
話したり紹介しあったりするとね・・」

シノン「アルゴとしては、ボス戦の後の疲れが・・
ってことじゃないの?」

カイト「あ、そっちか・・」
確かに今更になって疲れが来たような気もする。
そういえば・・ボス、倒したんだっけ。
凄く実感ないけど・・。


すると僕の心の中を代弁するようにエギルがこんな事を言い出した。


エギル「そうだ!この前80層到達パーティーやったばっかだがよ、
お前さん達の歓迎会と祝ボス討伐を兼ねてパーティーやらねえか?」

それは・・とても楽しそうだけど。
そんな個人的なもの開いてもらっていいのかな・・。


アルゴ「良い考えじゃないカ、エギルの旦那。
単にカイト達が来ただけじゃなく、
最前線のボス戦に早速貢献してくれたんダ。
これはお祝いものダヨ」

シノン「そうね。カイト達の活躍、評価されて良いと思うわ」
エギルの突然の提案に合いの手を入れるアルゴ。
ポンと僕の肩に手を置くシノン。
こういうこと、向こうじゃ無かったなぁ・・。


ストレア「うわぁ~・・またパーティー?
すっごく楽しそう!」

とても楽しそうなストレア。
いつの間にか僕以外は既にやる気になっていた。
肝心の2人の意見はどうかなと思ってみると・・。


ブラックローズ「まずはこう・・バキっと頬に1発ね!」

クライン「お、スカッとするな!」

アスナ「いくらなんでもやり過ぎよ・・」

リズベット「アスナ~?
あんたも鬱憤溜まってんでしょ?」

アスナ「そ、そんなこと・・ちょっとあるけど」


・・まだあの流れだったんだ。


ひとまず2人に意見を聞くと、

ブラックローズ「交流も深められるし良いんじゃない?」

ミストラル「おお、テンション上がってきたぞぉ(^o^)」

反対意見は特に無かった。
まあ、祝われて嫌な気はしないよね。


他の皆も歓迎する意味を兼ねて、
と言う意味では異論は無かったらしく乗り気だった。


でも1人だけ気になる事があったみたいで・・。

アスナ「キリト君もいないのに良いのかなぁ・・」


攻略組のこの面子の中心である、
キリトって人がいないまま始めるのは、って事かな。

やけにその人の気にかけるなと思ったら、
キリトとアスナは結婚していた仲だったらしい。
現在は不具合が起きているみたいだけど・・。


けどそれに釘を刺すようにリズベットが言った。


リズベット「アスナがキリトいないと寂しいのは分からないでもないけど。
今回の主賓はキリトじゃないしね。
それにパーティやるって言ったら、急いで来るかもよ?」

食い意地張ってるからねあいつ、と彼女はニヤリと笑いながら言った。


アスナは納得したのか、
急いでメッセージを飛ばし始めた。
もしかしたらこれでキリトって人に会えるかもしれない。


エギル「じゃ、決定ってことで色々と集めてくるか」
エギルの提案で全員でパーティーに必要な物を探しに行くことになった。


でも、全員揃って行っても意味が無い。
探す物を主に決めて分担する流れに。


街の細かい施設の紹介も兼ねてくれるらしく、
僕達3人はバラバラに分かれた。


リズベットは店をやっているだけあって
仕入れの事情を知っている分、エギルを手伝う事に。


ブラックローズには仲良くなったらしいストレアと
クライン、アルゴが同行。
メイン料理となる物を探す事に。
多分肉類がメインになるだろうからその類。



ミストラルにはアスナ、ユイとリーファが同行。
デザートとかその他の物を探しに行くことに。

ということでHFでは恒例のパーティーの流れに

それでは、また次回

こんばんは
今日も更新しようと思ってたのですが、
ちょっと出来るか曖昧です

次に書き込むときまでには決められると思いますので
更新できなかったら申し訳ないです

今日はやはり無理なので
今週は昨日の分だけでご了承ください

ではまた来週

今日も更新する予定ですが
時間は未定です

早ければ22時半ころ出来ると思いますが・・

では後ほど


で、最後に僕とシリカ、シノンだけど・・。

カイト「ドリンクやスパイス類の素を・・?」

エギル「ああ、頼んでも良いか?この2つは消費が激しくてな。
唯の飲料ならいくらでも買えるが、
パーティーみてぇな場なら、どうしても作らねえと、な」

シノン「全く、今度は何作る気なのかしら・・」

エギル「もう売り出し禁止の物を作れるらしい
レシピとかもあるんだぜ。探すのは苦労したけどな」

シノンが少しだけ嫌そうな顔をしている。
何か妙な思い出でもあるのかな?
とりあえず必要と言うなら探してみようか。


エギル「素材集めは慣れてるかカイト?
77層にあまい樹液ってのを落とす敵がいるから、
上手く集めてくれ。ざっと30あれば今後の在庫も助かるんだが」

ようはフィールドに行かないといけない、
ある意味大変な役回りって事かな。
街を歩き回るよりは僕に合っているけど。


シノン「・・っていうかそれ、本来キリトの役割じゃないの?」

シリカ「私もそう思いました・・」

エギル「仕方ねえだろ、キリトがいねえんだし。
それにカイトが一緒じゃ不安か?」

シノン「いつの間にか任せるようになったあんたも相当だと思うけど。
いつからそんなに信頼するようになったのかしら?」

と、そんなやりとりをした後、
僕は2人とパーティを組んで77層に向かった。


77層の探索をしてから大体1時間くらい経っただろうか。
エギルの言っていた物が一定の量に達したので、
僕達は街へと帰り始める。

帰りながら今回の戦果を話し合っていた。


シノン「82層が平気だったから問題なし。
と、思ったけど厄介な場所もあるものね・・」

シリカ「キリトさん達が初めて攻略した時も、
大変だったんでしょうか・・?」

カイト「あんなに敵が密集してたのは意外だったなぁ・・」


エギルから言われた「甘い樹液」を持っていたのは、
見た目が木人のウィズダムトレントという敵。


階層的に大した敵じゃなかったけど、
SNMの巨大な敵と纏まって5体いた所はかなりの困難だった。


カイト「あの攻撃で中断ばっかりされるし、
おまけに複数だったから・・仕方ないよね」

シノン「あんたも複数の敵には慣れてないのね」

カイト「僕にも苦手な戦いくらいあるよ」(笑)


元々双剣は多くの敵に対する武器じゃない。
範囲スキルはあっても、基本的には不利だから
どうしたって押され気味になってしまう。

複数の敵と戦うならブラックローズ達のように、
大きい武器が基本だろうなぁ。


シリカ「それでも、カイトさんの持ち直しは凄かったです。
何て言うか・・私なんかより戦いに慣れてるって感じで」

ピナ「キュルルル・・」

シリカ「ピナも頑張ったね・・よしよし」


今回メンバーが少なかったおかげで、
シリカとシノンの戦い方が見えてきた気がする。

肩に乗せているこの小竜と
どうやって戦うのか分からなかったけど、
いわゆるバックアップをやってくれるミストラルみたいな役回りだった。


とはいえピナが支援できるのはシリカだけ。
勿論使える支援のブレスも僕達のバトルスキルほど多様じゃなかった。


炎のブレスとか吐けたらかっこいいのになぁ。

複数まとめる攻撃はR:2のフリッカーが担当と言うが、魔術系もありなんだろうか
そう思うとマルチウェポンって便利なんだなってなるけど、
プレイ中は器用貧乏って話なんだよな


シノン「最初シリカが気づかずに近づいて、
一気に狙われた時はヒヤッとしたけど。
あんたのその後の行動にも驚いたわ・・」

カイト「でも、シノンに行かせるわけにもいかないし」

シノン「私の事分かってるのは良いけど。
あんたもキリトも大概ね・・」



シリカが5体の敵に囲まれた際、
脇目も振らずに僕は戦力の主たるSNMに・・
ではなく、弱そうな1体に斬りかかった。

囲まれたらまずは、抜け出すルート確保をするために。


その後シリカを抱えて一気に輪の外へ出て、
そのまま宙に飛んで片手の短剣だけで
別の1体に攻撃してあっという間に2体目を撃破した。


敵が多いなら、一気に範囲で倒すか。
もしくは確実に数を減らすのどっちかが定石。


当然僕は範囲スキルに自信が無かったから後者を選んだ。


82層であれだけ戦ったから、
当然77層の通常の敵それぞれは楽に倒せた。

シリカ「私を抱えながら戦うなんて・・流石に驚きました」


カイト「何処かに投げ飛ばした方が良かった?」

シリカ「それはちょっと強引すぎます・・」

カイト「そう思って僕と一緒に全部避けさせてもらったんだ。
シリカは軽かったから楽だったよ」


SNMの敵、トレンドドミネイターの攻撃は特に、
大きい分避ける隙間もあったから楽だった。


あとは殆どステップで
敵へ接近と退避を繰り返しながら攻撃をしていたら、
あっという間にSNMだけになっていた。
そこからはいつも通り。

SNMも他に邪魔する敵がいなければ倒すのは簡単だった。


HPは多かったものの、82層のボスで慣れていたし
リスクブレイクして倒すまではそう掛からなかった。


ブレイクに少しだけ躊躇ったのはここだけの秘密・・。


転移石を使うまでも無いと思ったので、
僕達は来た道を律儀に戻っていた。

さっきまではダンジョン前で谷や洞窟がある岩山だったけど、
今は少し面倒な道の森の中。

>>625
魔道士は不明ですけど、
多分扇使うジョブはマルチのジョブに組み込めたような・・
まあ、相当やりこまないと伸ばせないですからね
伸びるステータスが一番微妙らしかったですけど
魔法に強いわけでもなく、かといって物理防御とかも
剣士とかには劣るとかだったような気がします


それでは今回はこの辺で

乙です
キリトの登場はそろそろかね

本日は23時頃からの予定です

>>631
申し訳ない、多分来週くらいになると思います


では後ほど


シノン「にしても、決まりきった道って面倒よね・・」

正直ここは真ん中を通れれば、
ぐるっと遠回りするような道を歩く必要が無い。


それを言ったら元も子もないけど。


シリカ「転移装置が見えてきましたよ」

森の中にあるものとしては明らかに不自然なオブジェクト。
青く光っている転移装置を使って、僕達は転送した。


次は雰囲気がガラッと変わって、
雲の上より高い所で城壁が繋がっているような場所。
The WorldのΘサーバーにも似たようなエリアがあったなぁ。


もっとも、向こうと違ってSAOではありふれた
エリアの景観みたいだけど。
そもそも逆さまでもない。

襲ってくる鳥の敵は適当に撒いた。
特に戦っても意味は無いし結構な時間を使ったから、
割と急いでいるのもある。


再び転移装置を使うと、
ようやく街に直接繋がっているエリアに到着。
あと少しだ。


シリカが苦手意識をもつスライム達の地点を抜け、
77層のHNMの横を通り過ぎる。


挑む人は誰もいないみたいだった。

シリカ「83層の事が知れ渡って、
皆さん警戒しているんでしょうか・・?」


シノン「多分アスナが言っておいたのね。
情報拡散が早いのは流石だわ」

HNMの強敵を横目で多少は気にしながらも、
僕達は77層の街に着き、
そしてすぐに76層へ転送した。


76層 アークソフィア


転移門前からエギルの経営する宿屋に
寄り道もせずに向かうと、既にパーティーの準備は始まっていた。
丸テーブルにはいつもと違ってクロスが敷かれ、
壁には装飾のようなものが施されている。


如何にもパーティーって感じだなぁ。


店内で動き回っているのはクラインとユイだった。

ユイ「クラインさん、頑張ってください」

クライン「いくら背が高いとはいえ、俺が装飾とはなぁ・・。
お、シリカ達帰ってきたのか。エギルー!
3人が帰ってきたぜ~」

クラインが奥の部屋に呼びかけると、
エギルが急いだ足取りで出てきた。


エギル「遅かったなカイト。
素材が無いとこのままじゃ味が足りない料理になっちまうぞ」

と、言われたので僕はカウンターに、
取ってきた素材を出した。


エギル「ついでにキノコの類も採ってきたのか。
助かるぜ。あと少しだから休んでていいぞ」


どうやらあの奥で調理をしているらしい。
少しだけ慌ただしい音がしたけど、料理は任せるしかない。

立ったままなのもどうかと思って、
僕は近くの席に座った。

シノン「にしても、素材を取ってきて
一方的に料理を作ってもらうって言うのも何だか悪いわね」

シリカ「ますますキリトさんと同じ立場になってますね・・」


なんて会話が聞こえてきた。
普通は女の人をわざわざ外にはいかせないよね。
何故かこの集まりは女の人が多いから仕方ないけど。


そういえば・・。

カイト「誰か料理上手い人っているの?」

エギルは店を開くくらいだから出来るんだろうけど・・。
こっちの人達はどれだけ料理にのめりこんでいるんだろう?
アルゴが料理しているのはちょっと想像つかないなぁ。


シリカ「アスナさんが断トツですね。
料理スキルを完全習得したって言ってましたし」

シノン「カイトも楽しみにして良いわよ。
間違いなく美味しいから」

ここにいないメンバーもアスナに教えてもらっていながら、
作っているのかな。
シノンが味に太鼓判を押しているから、
多分凄く美味しいはず。


カイト「だとすると、キリトって人は今回食べられないのかな・・」

未だにここに来ないキリトを思って、僕は何となく呟く。
アスナがメッセージを送ってかなり経っているはずだけど。
するとクラインが強い口調で言ってのけた。


クライン「気にしなくていいって事よ!
何せあの野郎、いつだってアスナさんの絶品料理食ってやがんだ。
今回くらいあいつには行き渡らないように全部食ってやる!」

シノン「あんたのためのパーティじゃないんだけど・・。
まあ、そもそも来ないんじゃ仕方ないかもね」


キリトって人がどんなに人なのか未だに分からないけど、
あとで後悔してたら、何だか悪いなぁ・・。


その後僕は4人と雑談を続けていたけど、
暫くしてカウンターの奥の部屋から、皆が出てきた。


各々が料理を持っていて、
作る事自体が楽しかったのか皆笑顔だった。


にしても意外だったのが・・。

アルゴ「何ダ、カイト?オレっちの事ジロジロ見テ・・」


カイト「いや・・アルゴも料理するんだなって思って」

情報屋として有名なアルゴだから、
料理スキルなんて蔑にしているかと思ってた。
なのに今目の前にいるアルゴは完全に調理側だった。


アルゴ「・・せっかくこういう場に出れたんだシ、
たまにはって思っただけだヨ・・オレっちも女だから変じゃないサ・・」

視線を少し逸らしながら言うアルゴ。
あ、もしかして・・。


まあ、普段しない事をやって指摘されるとちょっと照れくさいよね。
あんまり言うと後が怖いから止めておこう。


カイト「分かってるよ、変じゃないって」

アルゴ「・・ま、そう言ってくれるならいいけどネ。
精々感謝するんだネ、オレっちの作った料理なんてレアものだヨ。
自分で言うのもあれだけド」
ニシシ、といつもの調子で笑うと机に料理を運んだ。


すると少しだけ不安そうなアスナがやってきた。
もしかしてキリトが未だにいないからかな?

今週はこの辺で
さあキリトよ、速く来ないと何も残らないぞ.
ってことでまた来週~

申し訳ない・・
今日は色々とあって・・
明日は更新できると思います

後悔ト
ってかここまで返答も無く出て来ないともう死んでるんじゃね?って思えるな

どうもこんばんは
今日は22時半ころから出来ると思います
で、いつも10レスが目安なんですが
先週、「キリトが来週には出る」的な事を書いたので
そこまでは更新する予定です(ホント出て終わりくらいですけど)

>>651
死んでませんよ~(苦笑)
ゲームやると分かるんですが、ホロウエリアは夢中になる物で・・
自分も正に階層そっちのけでホロウエリアやってました(笑)


アスナ「ええっと・・本当に大丈夫かなって。
ブラックローズさんは平気って言ってたけど」

シリカ「どうかしたんですか?」

ミストラル「もう~、アスナは心配しすぎだよぉ(^o^)」

ああ、ミストラルの事か。
アスナが言いたい事は大体分かったよ。



カイト「ミストラルは料理スキルを全く習得してないんだ」

リーファ「私より低いとは思いませんでした・・」

ストレア「私と同じくらいかな・・?」


そう、ミストラルはアイテム入手のため
他の人とトレード、交渉ばかりに時間を割いて
全くと言って良いほど料理スキルを上げてない。


にも拘らず・・。

アスナ「ストレアさんは低いなりに独創的だけど、
ミストラルさんはどうしてなの・・?」

ストレアの料理は凄い見た目だった。
赤とも紫とも言えないこのスープは一体・・。
対してミストラルの方の見た目はまともな料理だった。
しかも2品作っている。

そりゃリアルでの経験値があるから…なのか?


クライン「おいおい・・見た目は良くても味は・・
っていうストレアと真逆のパターンか?
パーティーには面白いけどよ・・」

ミストラル「君は全くもって失礼な人だねぇ(^_^;)
今まで誰がカイト達の料理を作ってきたと思ってるのかな?(?_?)」


ミストラルの自信ありげな一言に皆納得したのか、
それでも若干渋々と言った感じでミストラルの料理が置かれるのを見ていた。


そしてようやく準備が整ったところで・・。


クライン「よっしゃ!じゃあ、新戦力の
カイト達歓迎パーティってことで・・乾杯~!!」


リズ「何でクラインが仕切ってるのよ・・」

カイト「いいよいいよ、僕は盛り上げるの上手くないし」(苦笑)

ブラックローズ「知らない仲じゃないしいいのよ。
こういうのはノリよノリ!」

クライン「ありがとよ!あんただけだぜ、俺に賛同してくれた異性は!」



どれだけ冷たい扱いされてたのかなぁ・・。
とにかく、SAOでのちょっと騒がしいパーティーが始まった。

>>655
リーファも一応リアルではちゃんと作れるらしいですが、
SAO内では・・

ミストラルは別格という事で(苦笑)


皆が僕達3人にそれぞれ、
「これからよろしくね」とか、「期待してるわよ」
とか労ってくれると、あとは料理を楽しみながら会話する時間となった。


アスナやアルゴ達が作ってくれた料理を少しずつ取って、
ミストラルの料理は少し多めに取った。
何せ作ったのはミストラル。僕の好物を分かってるから
どうしても多めに取りたくなるんだよね・・。


クライン「それを多めに取るとは勇気あんなぁ・・」

カイト「凄く美味しいから大丈夫だよ」

リズベット「にしてもカイト、あんまし取ってないじゃない。
一応主賓なんだから良いのよ?」

カイト「他の人の分も残しておきたいからね」


リズベット「へぇ~、小さいのにしっかりしてるわね。
誰かさん達とは違って!」

クライン「あ~・・ゴホン!エヘン・・ゴホゴホ」

アスナ「キリト君もクラインさんも、いつも遠慮しないもんね・・」

クライン「それだけアスナさんのが美味いって事よ」

リズベット「まあ、アスナのはね・・」


皆が未だに渋っているミストラルの料理。
料理スキルの値0の人が作ったから、
信用が薄いのは仕方ないけど、慣れている僕はいつも通りに食べた。


カイト「うん、流石ミストラルの肉じゃがだね。凄く美味しい」


ミストラルがかつてメールで教えてくれたように、
この肉じゃがにはバターまで忠実に入っている。


僕が率先して食べたのを見て、皆もミストラルの物を食べ始めた。
疑いが無くなったのは当然だけど、アスナは特に驚いていた。


アスナ「おかしいなぁ、私が醤油を再現するまで
かなり掛かったのに・・どうやったんですか?」

ミストラル「え~っとねぇ・・勘!(^O^)」テヘペロ

アスナ「とんでもない人が現れたわね・・」


SAO内では凄腕のシェフよ、とアスナの事を
リズベットが豪語していたけど、
意外な所から同格の人が現れちゃったみたいだなぁ。
この醤油とみりんのバランスは絶妙だよ。


僕もアスナのを食べようとしたら、
シノンにストレアの作った物を勧められた。


カイト「・・・これって罰ゲーム?」
ストレアの料理を間近で見た僕の感想だ。

ストレア「酷いなぁ、結構美味しいんだよ!」
あっけらかんと答えるストレア。
何処からその自信は来るのかなぁ・・。


シノン「見た目は凄いけど、味自体は中々よ」

アルゴ「カイト、オレっちのを早く食べないと、無くなっちまうヨ」

こうして色んな人の料理を、次々勧められながら
パーティーは進行していった。

こういうのって初めてだったけど、忙しい・・。


パーティーの最中、エギルが秘密のレシピで作ったという飲み物で
ちょっとした騒動となっていた。

カイト「・・これがその飲み物?」

ユイ「バッカスジュースです。
本来は販売禁止のはずなんですけど・・」

エギル「何処ぞでレシピが広まったらしくてな。
その情報をこの前買ったんだ」

カイト「で・・ああなるわけ?」

一段落してカウンターの席に座りながら、僕は向こうを見ながら言った。
ストレアとクライン、シリカが興奮状態になったのか、
滅茶苦茶な踊りをしだしたり、大声で何か喚いていた。


ある種の地獄絵図かも・・。

ユイ「簡単に言ってしまうと、1種の酩酊感。
つまり酔った状態に近くなるわけです。
あまり言えない本音を言ってしまったり、気が大きくなったりするんです」


最初に気づかずに飲んでしまった3人以外は、
宥める側に回っているけど、成果はかなり微妙だった。

それでも数分で収まり始めたけど。


アスナ「クラインさんは予想通りだったけど、
ストレアさんとシリカちゃんは予想外だったわ・・」

ユイの近くに来てぐったりするアスナ。
相当大変だったんだろうなぁ、
殆ど食べ終わった皿しかなくて良かったよ。
普通に机とか倒れてるし。

他の皆もそれぞれぐったりしている。
そんな中、ミストラルは元気に何かを飲んでいた。


エギル「う~ん、やっぱりパーティーに
バッカスジュースは考え物だったか・・」

アスナ「もう勘弁してほしいわ・・」

ミストラル「案外いけるよぉ(^O^)」

アスナ「って、飲んでるの!?」

いつの間にか件の物を飲むミストラル。
でも3人と違っていつまで経っても変化は無い。

カイト「つまりあれかなぁ・・」

ブラックローズ「まあ、そうでしょうね」

ミストラル「私は普段から溜め込まないから、
こんな物じゃ変わらないって事だね~(*^_^*)」


エギル「驚いたな・・」

ユイ「バッカスジュースで
変わらない人がいるとは思いませんでした・・」

リズベット「普段から本音ってこと?大物ね、これは・・」

と、こんな騒動があって暫くした後、
そろそろ片づけかなと思った頃。


バタン・・!

店の扉が急に開いた。
確かエギルが臨時休業で閉店の札を掛けたって言ってたけど、
それを気にせずこの宿屋に入ってきた人がいた。
大急ぎで走ってきたのか、肩を上下させ息が荒くなっている。

そして開口一番、


「アスナ・・!」
と、彼女の名前を呼んだ。


アスナ「あ・・キリト君!」

パーティーも殆ど終わったころに、ようやく・・。
やっとこのメンバーの中心である最後の人に会えた。
この人が・・キリト。


僕達の視線は当然キリトに集まった。
彼は会場の現状を見て、こう呟く。


キリト「・・あれ?終わっちゃいまし、た・・?」


残念ながら、としか僕達には言えなかった。

ということで何とかキリトが登場して
今週はこの辺で

っていうか、キリト登場にスレの半分以上使うとは思わなかった・・
さてここからは・・


また来週~

申し訳ない・・
最近集中できないもので

日曜は投稿できると思います

ではのんびりと更新していきます


----------
パーティー会場の片づけを終え、
暴れてから寝込んでいた人を部屋に送って落ち着いた後、
やっと僕達はキリトと話す機会を設けられた。


その場にいたのはカウンターで後処理を続けているエギル。
それに僕達3人とキリト、アスナ、ユイ。
リズベットとアルゴ、シノンもまだいる。



話しあったのは当然、僕達とキリトのお互いの紹介。
それが簡易的に終わった後、
ずっと気になっていたのかアスナがキリトに事情を聞き始めた。
僕達も気になっていた事だったけど・・。


アスナ「どうしてずっと連絡してくれなかったの?」

少し怒っているように見えるアスナ。
確か82層のボスに挑む前辺りからずっと連絡を取ろうとしてたっけ?
半日近くは音沙汰無しだったんだから、仕方ないか・・。


リズベット「大体、予想は付くけどねぇ・・」
リズベットが訝しむような顔で言いきった。
確かホロウエリアで云々を言ってたから、かな。
シノンも若干呆れた顔だったし、アルゴは含み笑いを浮かべている。


それでもアスナは、キリトの口から
しっかり言ってもらわないと気が済まないのか、
更に詰め寄っていた。

こういうの、詰問って言うんだっけ・・?

キリト「いや・・別に言いたくないわけじゃないって。
ちゃんと順を追って説明するよ」

リズベット「はいはい。キリトの惚気話よ~」

キリト「違うって!」


キリトは大声で否定すると、こう続けた。

キリト「ホロウエリアで探索だったのは確かだよ。
向こうはアインクラッドと違って、エリアの限界が相当広くて、
探索に時間が掛かるらしいってのは知ってるだろ?」

その言葉に4人は頷く。
そして彼はこう続けた。


キリト「アスナから、えっと・・82層のボスに挑む
とかって事で相談してきた時があったよな?
時刻は後で知ったけど、俺達は丁度その時エリアボスっていうのに挑んでいたんだ」

アスナ「それで・・時間掛かったって事?」

僕達が挑んでいた時彼もボスに挑んでいたらしい。
でも82層のボスとかは一般的にフロアボスと言われている。
対して、キリトが今言っていたのはエリアボスだ。


何かしらの違いがある、って事は想像がついた。


キリト「今まで見た事ない形状のボスだったんだ。
技も特殊で強力だったし・・」

更にキリトが言うには、ボス戦の前にも
実装エレメントとかいうのとレベル上げを兼ねて
同時進行していたせいで時間が掛かっていたとか・・。

アスナ「実装エレメント・・?」

聞きなれない言葉だったのかアスナが反芻した。
アスナが聞きなれないって事は、
この中で詳細を知っているのはキリトだけらしい。


キリト「アインクラッドにはあまり無かった事だけど、
簡単に言うと調査みたいなものかな。
例えば『特定のスキルを、レベルいくつ以上の敵に何回か試用せよ』
これを達成するとそのスキルがアインクラッド側でも可能になったりとかするんだ」


キリト「今日の朝からやった中だと・・
特殊な武器をドロップするホロウエリア側の敵が
アインクラッドにも出るやつを達成したんだ」

リズベット「・・は?」

キリト「背面クリティカルを300回成功させろってやつでさ。
82層に特殊な敵が出てるはずだけど・・見かけたか?
確か、ダイナミックブラスターって敵だったと思うけど」

アスナ「・・・」

リズベット「・・・」

アルゴ「(呆れ)」

シノン「知~らないっと・・」

何か言ってる事がよく分からなかったけど、
アスナ達が物申したい、っていうのは分かった。
そしてあの桁違いのレベルだったHNMの敵が、どうしてあんな所にいたのか。
多分キリトのせいだってことは言わずもがなだ。


アスナとリズベットがキリトに何をしたのかは、
ひとまず省略させておこうかな。


とりあえず、2人が宿屋の奥の部屋にキリトを連れ込んだ後、
「あんたのせいで云々~!」と聞こえてきたのは確かだった。
そして数分後・・。


シノン「あら、もういいの?」

キリト「勘弁してくれよ・・俺だって知らなかったんだし」
精神的にボロボロになったらしいキリトと、
言いたい事を散々言ったらしいアスナとリズベットが戻ってきた。


キリト「まさかレベル160近くもあるモンスターが
実装エレメントで出るとは誰も思わないだろ・・」

アスナ「でもおかげで死人が出る所だったのよ。
挑んだあの人達にも責任はあるけど・・」


更に言われる前に話題を切り替えようとしたのか、
キリトは少し早口でこう言った。

キリト「で、でも凄いじゃないか。
えっと・・そっちのカイト達のおかげで助かったんだろ?」

リズベット「まあね。珍しく黒の剣士さまは、
助けに来てくれなかったわよね~」


刺のある言い方だなぁ・・。
キリトは何だかバツの悪そうな顔をしている。
リズベットの言い方からして、以前にも何処かで
キリトはリズベット達を助けた事があるらしい。


彼女の皮肉たっぷりの言葉をひとまず無視して、
キリトは僕に改めてお礼を言ってきた。


キリト「ありがとう。どうやらアスナ達が世話になったみたいだな」

手を差し出されたので僕も応じた。

カイト「ううん。僕達も世話になったしね」

キリトの手を握り返した時、ピリっと
違和感を感じたような気がしたけど・・。気のせいかな?
握手を終えるとキリトは少し呆れたようにアスナに言った。


キリト「それはそれとして・・何でボスに挑んだんだ?
情報も不足してんだろ?」


アスナ「あ~・・殆どストレアさんのせい、かな」

キリト「・・ストレアの行動理由は未だに不明だからなぁ」


話を聞くと、ストレアは76層にキリト達が来てから、
急に関わりが出来た人らしい。
それもSAOにいきなり来たリーファやシノンと違って、
2年前からSAO内にいたはずなのに
聞いた事のないプレイヤー名だったとか。

つまりこのメンバーの中では、比較的謎の人物だという事だった。
でも僕が受けた印象は、能天気なお姉さんって感じだったなぁ。


アスナ「何だか私達みたいに緊張感ない人なのよ。
いきなり抱きついてきたりするし・・」

>>682
訂正
×アスナ「何だか私達みたいに緊張感ない人なのよ。
いきなり抱きついてきたりするし・・」

○アスナ「何だか私達と違って緊張感ない人なのよ。
いきなり抱きついてきたりするし・・」


ブラックローズ「・・ミストラルでそういう人は慣れたわ」

シノン「確かに・・似てるわね」

ミストラル「ほぇ?(?_?)」

不思議そうな顔をするミストラル。
言われてみると確かに2人のテンションは似通ってたなぁ。


そんなこんなでパーティ終了後にも関わらず、
話題に花を咲かせていた僕達だけど、
気になっている事があったから僕はキリトに聞いた。

カイト「キリト、聞きたい事があるんだけどいい?」

キリト「ああ、何だ?」

カイト「ホロウエリアってどういう所なの?」

とりあえず今週はこの辺で
可能なら平日にも更新しようかと考えてます

ではまた次回

今日は平日ですが、更新します
恐らく22時半ころになると思います

では後ほど


アスナ達に聞いても、曖昧だった事。
現に行き来しているキリトに聞くのが1番良いと思っていたんだ。


キリト「存在はアスナ達に聞いたのか?」

カイト「うん。だけど聞いてもよく分からなかったんだ。
このSAOの一部なら知っておいても損は無いと思って」

キリト「そうだな・・う~ん」

若干言葉を濁すキリト。
そんなに表現しづらい場所なんだろうか?
さっき言っていたのは、
階層みたいに上に登って行く感じじゃないみたいとか、
見かけない形状のモンスターがいるってくらいだけど・・。


キリト「凄く簡単に言うと、アインクラッドの
裏エリアみたいなものかもな。俺も実際何なのか分からないから、
今も調査中なんだよ。ただ、こっちには無い武器やスキルがあるから、
攻略の合間に役立つものを探しているんだ」

カイト「普通の人は行けないの?」

キリト「何故かな・・向こうにも人はいるんだけど、
こちらからは今のところ俺とパーティとしてなら1人だけ行けるんだ」

カイト「キリトだけ急に行けるようになったって事?」

キリト「ある日突然転送されて以来だな。
どうしてなのかは分からない。特別な事は何もしてなかったし」

カイト「そうなんだ・・」


普通の人が行けない所。
The Worldで言えばプロテクトエリアとか、
ネットスラムみたいな所なのかなぁ。


キリトによると、SAOからログアウトするため
このアインクラッドの階層攻略は進められている。
対してホロウエリアは何のためにあるのか、
その目的がよく分かっていないらしい。


特殊な武器やスキルが見つかるらしいから、
修行の場みたいな所なのかもしれない。


だとしてもキリトだけしか行けないのは凄く変だ。
そういう場所なら誰でも行けないと、キリトだけ強くなっちゃうし。


未だに僕達がこっちに来た意味は不明なまま。
かといって単純に階層クリアすれば良いとは思えない。
だとすると・・。


カイト「(本来のアインクラッドとは別のエリア。
可能性としては、僕達が来た理由はこっちにあるのかも・・)」

存在目的も分からない未開のエリア。
やっぱり、1度は行ってみるのが良いかもしれない。
寧ろイレギュラーな僕達にはぴったりだとさえ思う。
なら、やってみることは1つ。


カイト「ねえキリト、1度僕をホロウエリアに
連れて行ってくれないかな?」

キリト「君を・・?う~ん・・」


若干悩む仕草をするキリト。
今出会ったばかりの僕はまだ、連れていけないって事かな。
キリトにこの場で断られてしまったら、
ひとまず時間を掛けて信頼に足る人って思ってもらうしかない。

けどここで、アスナがキリトに釘を刺すように言った。

アスナ「キリト君?もしかして、今回ボス討伐に
凄く貢献してくれたカイト君に階層攻略を一時期任せて、
自分はホロウエリアにのめり込もうとか思ってないでしょうね・・?」

キリト「っ・・!い、いやっ!そんな事は断じてないぞっ!」
大声と同時に、手振りで否定するキリト。
でもその様からは明らかに動揺が伝わってきた。
周りの皆もよく分かっているようで・・。

リズベット「・・怪しい」

シノン「怪しいわね」

アルゴ「怪しいナ」
と、全く同じ感想を言われてしまっていた。


ブラックローズ「ようはキリトの考えじゃ・・」

ミストラル「アインクラッドは任せて、
自分はホロウエリアにって事~?(?_?)」

ユイ「パパ・・ママとの時間を蔑ろにするなんて酷いです」

キリト「ちょっと待ってくれユイ!俺はまだ一言も・・」

エギル「キリトよぉ、信じろっつう方が無理だぜ。
最近のお前の行動は特にな」

キリト「エギルまで!?」

さっきまでは楽しく会話で来ていたのに、
いつの間にかキリト1人が責められている状態に。
これって僕がホロウエリアに連れて行って欲しいって言ったのが原因かなぁ・・。
だとしたらキリトに悪い事を・・。

アスナ「カイト君は悪くないわ。
むしろ最近階層攻略にあまり来てくれなくなったキリト君が悪い」


アスナがきっぱり言い切ると、大体他の人も相槌を打っていた。

・・何でブラックローズとミストラルも同意してるのかはツッコまないよ?

するとキリトはこう反論した。


キリト「し、仕方ないじゃないだろ。俺しか行けないんだし・・。
俺が行かないとフィリアがずっと1人になって・・
あ、あれ・・・アスナ、さん?」

アスナ「・・・」

リズベット「地雷踏むのが得意よね・・」ヤレヤレ

シノン「ここまで来ると、鈍感って言うより唯のバカね」

>>696
訂正
キリト「し、仕方ないだろ。」


キリトは再び奥の部屋に連れ込まれていった。
だけど大きく違うのは、キリトを連れ込んだのが
アスナとユイの2人だった事。

リズベット「安心しなさいカイト。
いくらキリトでも、あの2人からしょっ引かれれば
効果てきめんだからさ」

僕には理解できないけど、
娘や妻からの言葉は何よりもツライって事かな・・。


数分後、再びキリトが部屋から出てきた時には、
かなりやつれた顔になっていた。
この数分で何を言われたのかは掘り返さない方が良いだろう。

アスナ「大丈夫、ちゃんと言い聞かせたからね」

キリト「殆ど命令だったような・・」

アスナ「キリト君・・?」

キリト「・・分かってるよ」


キリトは渋々と言った顔で了承すると、
再び僕の隣の席に座った。
つまりアスナが見抜いた事は図星だったということ。
そして、僕をホロウエリアに連れて行ってくれるんだろう。

ところがキリトはこんな事を口にした。

キリト「アスナとユイにも言われたし、
別に嫌ってわけじゃないんだけど・・条件がある」

カイト「条件?」

キリト「疑ってるわけじゃないんだ。
事実階層ボス討伐で活躍くれたわけだし。
でも・・俺はぜひ剣を実際に交えて君の力を知っておきたい」

カイト「・・つまり、決闘?」

キリト「ああ、俺と決闘して
充分な力を見せてくれたらホロウエリアに連れて行くよ」


--------
僕は自分の部屋のベッドで寝ていた。
今回からここを拠点とするため、ブラックローズとミストラルは別々の部屋だ。
けど、皆同じ屋根の下であるのは変わらない。
正直薄そうな壁だけど、他の部屋の会話は聞こえてこなかった。

SAOに来た最初の日と同様、静かな夜だった。

カイト「(キリトと決闘、か・・)」
脱いだ帽子を軽く弄りながら、さっき決まった事を思い出す。


互いにボス攻略をした日でもあったし、
実際の決闘は明日という事になった。


別にこの決闘はSAO内であっても、
命が掛かっているものじゃない。
勝敗に関わらず、大事なものの喪失とかも関係ない。

それでも、妙に緊張するのはどうしてなんだろう。
この言い表せない妙な感覚は一体・・。

今回はこの辺で
ではまた明日

どうもこんばんは
本日は23時くらいからとなります

それでは後ほど


勿論、負けたらホロウエリアには連れて行ってもらえないだろう。
キリト曰く、ホロウエリアの敵はレベルにバラつきがあって、
同じ部屋の中でレベル90がいても、少し進んだら120の敵がいる事もあるらしい。


そういう意味で力を測っておきたいとは言っていた。
ホロウエリアに行くうえで、そして今後の攻略の事も考えて、
1番の実力者たるキリトだから、メンバーの力は知っておきたいんだろう。


負ければ多分、ホロウエリアには行けなくなる。
だからどうなるってわけでもない。
僕達がこっちに来た理由にホロウエリアは関係ないかもしれないし。


キリトの提案に応じた時は割と気楽だった。
負けても特に問題ないから、と。

それでも1人で部屋で寝ようとすると、急に眠れなくなってしまった。
ブラックローズは、「私の代わりにかましてやりなさい!」
とか簡単に言ってたけど・・。



カイト「はぁ・・」
決闘自体は嫌ではないし面倒とかも思ってないのに、
何だろう・・このちょっとした不安。


カイト「・・このままじゃ寝れないな」
いつまでも眠れそうにないので、僕は外に出て気晴らしをすることにした。
決して某ゲームの主人公の、
結婚相手を選ぶ前日の夜のように
重大な選択を迫られてるわけじゃないけど。


それでも今はそうしようと何となく思って、
僕は再び帽子を被りいつもの赤い戦闘衣を着て外に出た。


自分の個室から出て、階段を下りると
エギルの店は宿屋としてではなく食事処として機能していた。


今日の昼間に初めて来た時と違って人で賑わっており、
エギルが注文された物を出したりトレードに応じたり、
買い取りをしている。


殆ど会話した事のない人ばかりいたけど、
カウンターの席には1人だけ、見慣れた人が未だにいた。

アルゴ「ありゃ?とっくに寝たと思ったのニ、
どうしたんダ?カイト」

カイト「何となく眠れなくてね・・」

アルゴ「キー坊との決闘の事カ?
まー、そんな気負いしなくていいと思うけどネ」
アルゴはのんびりと言うと、腕を上げて伸びをした。
きっと彼女も疲れてきているんだろう。

アルゴ「オレっちももう寝るヨ。
またネ、エギルの旦那。カイト、明日は楽しみにしてるヨ」
多分エギルと何かを話していたらしいアルゴは、
席から立つと僕の横を通って自分の部屋へと向かった。


カイト「アルゴは何をしてたの?」

エギル「ああ・・あいつは情報屋だからな。
店とかで他のプレイヤーと情報交換をよくするんだよ。
今日の商談はあんまり上手くいかなかったみたいだけどな」

情報屋として有名だけど、アルゴにも上手くいかない事はあるんだなぁ。
今度労わってあげよう。
僕は軽く外に出る事をエギルに言うと、
夜のアークソフィアへと足を運んだ。



夜でもフィールドに行く人は割と多いらしく、
昼間ほどではないにせよアークソフィアの道には、
人が絶えていなかった。
これからフィールドに行く人、いったん戻ってきた人。
行動理由は様々だ。


中央区の噴水の前で僕は足を止めた。
フィールドの方が良いかと思ったんだけど、
何故か明日の決闘はこの噴水前に決まっていた。

モンスターの邪魔は一切無いだろうけど、
人だかりが出来そうでちょっと嬉しくない。

ベンチにでも座ってボーっとしようと思い、
誰も座っていないやつに座った。
噴水と周辺の地面を見て、明日戦う事になるだろう
場所の地形を何となく頭に入れると、
やる事が思いつかなくなって街の星空を見る事にした。

ゲームの中にも拘らず、たくさんの星が見えて・・。

「なぁ~に、たそがれちゃってんの?」


カイト「うわっ・・!?」
急に話しかけられて身体がビクッとなり、
ベンチから落ちそうになる。体勢を戻してから、
慌てて声がした方を見るとブラックローズだった。


ブラックローズ「ま、カイトはずっと黄昏だから今更ね」

カイト「一応今は薄明なんだけど・・」

ブラックローズ「そうだったかしら・・?」
とぼけたように彼女は言うと、隣に座ってきた。
ブラックローズはどうしてこんな時間に外にいるんだろう・・。


ブラックローズ「何となくよ。あんたこそどうしたのよ?
明日は大事な決闘なんだし、早く寝るべきじゃないの?」

カイト「何だか眠れなくて・・」


そう、とだけブラックローズは言うと深く理由は聞いてこなかった。
聞かれても明確には答えられなかっただろうけど、
配慮だとしたらブラックローズには感謝だね。


いつの間にか目の前の通りの人が減っていた。
多分人の波が通り過ぎたんだろう。
それに気づいたのか、ブラックローズはこんな事を言ってきた。


ブラックローズ「ねぇ・・ボス討伐の時の事だけど」

カイト「うん・・」

ブラックローズ「あの光・・どう思った?」

いつかは聞かれると思ったけど、やっぱりね・・。
見たままから思い浮かぶ事を言えば、


カイト「あれが腕輪だったのは間違いない、と思うけど」

ブラックローズ「けど・・?」

カイト「そもそも何が腕輪を扱っていたのかが分からないよ」

あの腕輪は見慣れた物だったし、データドレインは言うまでもない。
けど、腕輪だけでは動かないはずだ。


赤いあの光については完全に理解が及んでない。
ワイズマンとかヘルバでもいれば何か分かったかもしれないけど。

カイト「アウラのペンダントから飛んで行ったやつだし、
敵じゃないと思うんだけど」

ブラックローズ「だとしたら、もうちょっと協力的でも良いのに・・」
呆れたように言うブラックローズ。
多分それはアウラにも併せて言っているんだろう。
帰ったら絶対文句の1つでも・・と言いたそうだった。

ブラックローズ「でもま、色々と迷う事はあるけどさ。
カイトの言った事引用すると・・」

カイト「良いと思える事から・・って?」

ブラックローズ「それそれ」

ひとまず今回はこの辺で
もうすぐカイトとキリトの決闘です

ではまた次回

どうもこんばんは
今日は22時半以降の更新を予定してます


私情ですが、
HFから続いてるって事でロストソングのプレイも始めてます
書く時間が更に減ってしまった・・


ブラックローズは思い出し笑いなのか、
笑いながら相槌を打った。
今思うと、割と当たり前のことを言っただけのような気もする。


あのネットワーククライシスの最中、
酷く挫折した時は良いと思える事をとにかくやるしかないと思った。
対して、あの時に比べたら今は何倍もマシな状態(と思いたい)。

そうだ、ブラックローズの言う通り。
良いと思える事からやって行く。
だけど・・。

カイト「言いたい事は分かるよ。
自分で言った事だしね。でも・・」

ブラックローズ「でも・・何よ?」

カイト「僕のやろうとしてる事は、良いと思える事なのかなぁ・・って」


ホロウエリアに行こうとしてる事は傍から見て
本当に良い事、って言えるんだろうか?
良い事というか・・意味がある事なんだろうか?


僕達は単純に遊びに来たわけじゃない。
勿論SAOで知り合った人達に力を貸して、
攻略を手伝うのは良い事なんだろうけど・・。


ブラックローズ「難しく考えても仕方ないわよ」

ブラックローズはあっさりと答えた。
それは彼女が考えるのが苦手だから、とかではなく。
今考えた所で、答えが出ないと分かっているからだ。
例え考えたとしても、そのために必要な鍵が足りていないから。


カイト「・・それもそうだね」


まだ僕達がこっちに来てから1週間も経っていないんだ。
そう急ぐことも無いのかもしれない。
そう思った所でつくづく話し合わなかった事を思い出した。


カイト「そういえばさ・・」

ブラックローズ「何よ・・まだ何か不安があるわけ?」

カイト「リアルの僕達ってどうなってるのかなって・・」

ブラックローズ「・・それも考えても仕方ないわね。
っていうか、あんま考えたくないわ」(汗)

と、さっきと同じように言っているけど、
焦っているのが丸分かりだった。
身体がどうなってるのかとか気になるんだろうなぁ・・。

SAOに2年前からログインしてる人達もどうなっているのか、
今更だけど気になる・・。


けどそれもここにいる人達に聞いても仕方のない事だ。
知りようが無いんだし。

ブラックローズ「とりあえずさ、
アンタはホロウエリアが気になるんでしょ?」

カイト「普通の人はいけないエリアってさ、
以前僕達がプロテクトエリアにばかり
行ってたのと被るから・・もしかしたらって思って」

ブラックローズ「そういうことね・・。
なら、まずはそれでいいのよ」

私達は何があってもカイトに付いて行くからね、
と言うと、彼女は勢いよくベンチから立ち上がった。


ブラックローズは2、3歩ベンチから離れ、
僕へ向き直ってこう続けた。


ブラックローズ「カイトは迷わなくていいわ。
いつだって信じてる。間違ったって、
ちょっとだけ怒って・・それから修正すればいいのよ」

手掛かりも何もない・・だから。
やりたいようにやってみよう、と・・。


カイト「・・分かった。好きにやってみるよ」

ブラックローズに改めて色々と言われた事で、
僕は少しだけ迷いを断ち切る事が出来た。


まずは明日の決闘、か・・。


-------
翌日・・。

ブラックローズに色々と言われた次の日、
いつも通りの装備を身に付けると気持ちが落ち着いている事に気付く。
気のせいかもしれないけど、ベッドで目が覚めた時も
いつもとそう変わらなかった。


ブラックローズからの激励は効果あったみたいだ。


自室から出て下に降りると、
昨日の夜のように店は少し騒がしかった。
その理由は予想していた通り。

クライン「キリトが決闘かぁ・・ヒースクリフ以来か?」

キリト「まぁ・・そうなるな」

アスナ「キリト君の言いたい事は分かってるけど・・
本当はこんな事してる場合じゃないのに」


案の定決闘の事で騒ぎになっていた。
但し、騒いでいるのは何もクラインとか
キリトに親しい人だけ、でもなかった。


朝から店に来ている他のプレイヤーにも、
話はある程度広まっていたみたい。

まあ、誰が広めたのかは大体分かるけど・・。

ミストラル「カイト~、おっはよー(^o^)」

カイト「あ、おはようミストラル」

朝から変わらずハイテンションの挨拶をしてくるミストラル。
同じ机にブラックローズとリズベット、シリカが座っていた。


シリカ「おはようございますカイトさん・・あのぅ・・」

カイト「えっと・・昨日の事なら気にしなくていいよ」

シリカ「はい・・助かります」

シリカは昨日のパーティで騒ぎを起こした1人だ。
それも飲み物のせいだけど・・後から何が起きたか聞いて、
後ろめたく思っていたんだろう。

リズベット「こっちに来て朝食食べたら?
決闘前なんだからしっかり食べときなさいよ」

カイト「そうするよ」
朝から割と賑やかな食卓を囲む事で、
僕はいつの間にか昨日まであった緊張を完全に忘れていった。


中央区噴水前


カイト「うわぁ・・」

キリト「エギルの奴・・」

キリトが額を抑えながら言葉を詰まらせる。

朝食を終えて約束通り決闘の場所に来た僕達。
場所はアークソフィア中央区、噴水前だ。

まぁ、朝食を食べていた時から分かっていた事だけど、
予想外に人が集まっていて・・。

エギル「ははは、こりゃ期待以上だな」
集まった人だかりを見て満足そうに言うエギル。
決闘場所を提案してきたのは他でもなくエギルだった。
フィールドでなく、広い所ならどこでも良かったはず。


それでもこの噴水前だったのは、人目に付きやすいからだ。


カイト「決闘って大体こういう物なの・・?」

エギル「無名のプレイヤー同士ならともかく、キリトは例外だな。
2刀流のコイツの決闘はヒースクリフ以来。ましてここは最前線で、余裕がねぇ。
実力者の決闘ってのは楽しみの1つってもんよ」

キリト「晒し者にされる方の身にもなってくれ・・」

エギル「お前は今更だろう。大体ツケもあるから
こう言う所で働いてもらわねえとな。
カイトの方は貸しってことにしとくぜ」

周りには結構な数のギャラリーがいた。
その中にはアスナ達やブラックローズ達もいる。
血盟騎士団の人や、街で見かけた人達もだ。

気にせず通り過ぎる人もいたけど、
それでも数十人単位の人だかりが出来ている。

本日はこの辺で
いよいよ決闘開始直前です

ではまた次回

今日は22時半ころからを予定してます
前振りが長くてつくづく申し訳ない・・

では後ほど


何かに気付いたのかキリト少し険しい表情のまま聞いた。

キリト「おい・・まさか賭け事までしてないだろうな?」

エギル「アルゴに止められたな。
まあ、軽食とかは売らせてもらうぜ」
エギルは苦笑いしながらキリトの問いに答えると、
飲料や軽食の販売をしに行った。

キリト「くそ・・エギルの奴いつか覚えとけよな・・」

彼が拳を握りしめるていると、リズベットが近くに来た。


リズベット「ほらほら、審判やってあげるから
位置につきなさいよ」


キリト「リズ・・楽しんでんのか?」

リズベット「黒の剣士様に、期待の新戦力だもの。
そりゃ楽しみってもんよ」

キリトは周りの雰囲気に少しウンザリしていた。
多分こういうのに慣れていないんだろう。
僕も慣れてないけどね・・。

キリト「こんな大事になるとは思わなかったんだけどな・・」

カイト「良いよ、気にしてないから。
そんなことより約束、守ってよ?」

キリト「・・分かったよ」

決闘前に僕達が交わした雑談はそれが最後だった。
キリトは大通りの方に位置取り、僕は噴水側を背に位置取った。
周りの人はベンチに座ったり、とかではなく
もっと離れた草地に座っていた。
個人レベルの戦いならこれだけ距離があれば巻き込むことはない。


リズベットは僕達2人の間に立つと、決闘のモード選択と申し込みを促した。
お互い完全に倒す気は無いので、HPが半分近くで決着するモードに。
ただ、僕は1つだけ試しておきたい事があって・・。


リズベット「え、剣を?」

カイト「僕、決闘の経験殆ど無いんだ。
だから剣と剣がぶつかった感触を知っておきたくて・・」

キリト「分かった」

キリトが背中から剣を1本抜く。
真っ黒のコートに合わせてるのか、彼の剣も黒い剣だった。

僕は腰から素人の双剣を1本抜くと、
キリトの黒い剣と簡単に鍔迫り合いをした。


キィン・・

いつも敵を斬る時とは違う硬い金属の感触。
刃を滑らすとカリカリと音を立て、僕が少し押すとキリトの剣が奥に。
逆にキリトが押してくると刀身が近づいた。

キリト「こんな感じでいいか?」

カイト「充分だよ。剣撃ってのはこんな感じかぁ・・」

キリトに礼を言うと僕達はまた一定の距離を取った。
離れた後、リズベットが言った。

リズベット「2人とも、武器は弱いやつにしなさいよ?キリトのは・・」


キリト「エリ_シ■ータだ」

リズベット「それ凄く弱いやつよね・・ま、いいわ」

カイト「僕は素人の双剣・・の片方かな」

リズベット「うんうん。
これなら万が一にもHPが減り過ぎないでしょ」

リズベットは満足そうに言うと、僕の方を少し凝視した。
多分鍛冶屋ってことで、見るだけで武器の性能とかが
ある程度見当つくんだろう。

決闘の申請が途中だったので操作を再開した。

『キリトから決闘申請が来ています。受けますか? Yes or No』

1層での初めての戦闘、かつ決闘を思いだしながら
僕はYesの選択肢を選んだ。
同時にカウントが始まり、キリトが剣を構える・・。


アスナ「あの、ブラックローズさん・・」

ブラックローズ「何・・?」
カイトとキリトが決闘開始となって、剣を構える少し前。
周りで見守る集団の中で、アスナが声を掛けた。
近くには当然お馴染みのメンバーがいて、
エギルは走り回って販売をしている。


アスナ「カイト君って、決闘を殆どした事ないの?」

アルゴ「オレっちが知る限りじゃ1回だけド。
やっぱりあれ以来してないのカ・・?」

ブラックローズ「してないわよ。
他の人と争ってる暇なんか無かったし」


そんなの当たり前でしょ、とでも言いたげに
ブラックローズは言い切った。

アルゴと別れて3日間。カイトは決闘など1度もしてない。
勿論ブラックローズと、私も・・。


アルゴ「キー坊が有利過ぎるって言いたいのは分かるけどネ。
アーちゃん、カイトも大したもんだヨ。見てれば分かるサ」

アスナ「そ、そうなの・・?」
アスナが怪訝そうに呟くと、

ユイ「パパが負けるはずありませんよ」

ブラックローズ「カイトが負けるはずないわ」


2人の発言が被ると、少しだけ険悪な雰囲気に・・。

ユイ「ママ、安心してください!」
満面の笑みで言うユイ。
私達としてはあんまりいい気分じゃないなぁ・・。

アスナ「ユイちゃん、私が心配してるのはそうじゃなくて・・」

ブラックローズ「何よ、あんな全身真っ黒の襟立てコート、
おまけに剣も黒いって台所の天敵みたいじゃない!
あんな奴にカイトが負けるわけないでしょ!!」


案の定ブラックローズも声を荒立ててる。
どっちも信頼してるのは分かるんだけど、
やっぱり座る位置間違えたかなぁ・・。


リーファ「おに・・キリト君は凄く強いんですよ?
リアルで剣道やってる私が保証します。
キリト君は負けませんよ」

ブラックローズ「何も知らない人が言わないで欲しいわね」

シノン「ブラックローズもキリトの事殆ど知らないわよね・・」

ブラックローズ「何よ、あんなファッションセンスゼロの奴!」

シノン「否定はしないけど・・」

あ~あ、ブラックローズを中心にギャラリーでも争いが起きそう。
2人の事を知らないから当たり前だけど・・。
こういうのってリアルのサポーターの喧嘩みたいで困るよねぇ・・。


アスナ「ごめんなさい、ユイちゃんも悪気はないの」

ミストラル「にはは~、身内を応援したいのは当然だよぉ(^o^)」
アスナが謝ってきたから私は言葉を返した。
こういうのが大人の対応ってやつだねぇ。


当然私もカイトを応援してる。信じてるのもそうだけど・・。

ミストラル「ほらほら~、そろそろ静かにしないと、
まともに結果を見てられないよ~(-.-)」

私は未だに言い争ってる皆を宥めて、
決闘の開始を見守った。
カイトには何としてもホロウエリアに連れてってもらわないとね!

今回はこの辺で

う~む・・肝心の決闘部分に入れなかったので
今週の平日にまた更新します、日にちは未定ですが・・

ではまた次回

結局平日に更新できなくて申し訳ないです・・
本日土曜は必ずやります

どうもこんばんは
本日は22時半過ぎの更新を予定してます


それで読んでいただいている方々に1つお願いなのですが

こんな展開を期待しているっていうのを書いてもらえると
自分としては少しモチベーションが上がったりするので、
出来たら書いていただけるでしょうか?

展開に困っているとか、話のネタに困っているとか今の所無いのですが
皆さんの望んでいる展開って何があるのか知りたいので・・

勿論全てを享受できるとは思えませんし、期待を裏切る事にもなりかねません
こういうのは作者から読者に望むな、とか
ここにそれを書いたらネタを先取りするみたいだから止めた方が良い

っていうのであれば書かなくて結構ですので


決闘開始までカウントは40を切った。
会話する人は減っていて、
周囲の声は気にならなくなってきている。

仮に五月蠅かったとしても、あまり知らない人からの歓声はあまり気にしない方だ。
寧ろ僕が気になったのはブラックローズ達。
キリトの方も同じみたいで、僕達の仲間同士が争っているのは気になるんだろう。


理由は後で聞くとして、
今は体を屈めて準備を終えているキリトに向き合わないと。


審判を名乗り出たリズベットも邪魔にならないよう下がっている。
もう僕の視界には静かな闘志をこちらへ向け、
黒い剣を構えて臨戦状態のキリトだけだった。


1層でのキバオウ以来の決闘。
あの時の体験は殆どあてにならない上に、
キリトは唯一の2刀流の使い手、と自己紹介で聞いている。


唯一のユニークスキル使い同士の決闘。
それに反して互いに2刀流も双剣も使わない中・・。

問われるのは戦闘のセンスや技術に偏るだろう。
ステータスで言えば明らかにキリトの方が有利な所は多いはず。
さっき剣を交えた時に少し分かった。
多分、キリトも分かってるだろう・・。


カイト「(でも、やるしかない)」

片方だけの素人の双剣を逆手で腰の辺りに構え、
膝を曲げてカウントを待つ・・。

ピー・・!


決闘開始の合図・・!

タッ・・!



ほぼ同時に最初の1歩を踏み出した2人。
互いに右手に持った剣は、激突よりも遥か前。
足を踏み出した瞬間には振るう準備に入っていた。


2人は正面から剣を交えた。

決闘としては何もおかしくない。
但し周りも、当人達も驚いたのは、


キリト「!」

カイト「!」

2人の第1刀が、互いに下から同士の斬撃でぶつかり合った事だ。

ガキィン・・!


カイト「・・・くっ」

キリト「・・・っ!!」

剣の振り方は色々とある。
互いに右利きなら、それぞれが振るうと
斬撃は正面から相対する事が多い。


しかし今回の2人の剣撃は全く同じ方向からだった。


キリトは単純に逆袈裟に。
カイトは逆手で逆袈裟に。

下からの斬撃ならば、相反する方向である
上から振って止めるのが妥当な手法だ。


にも拘らず、今回の決闘では始まりから
ちょっとした波乱となった。

キリト「(最初から振り方が被るなんてな・・)」

カイト「(抑えづらい上に・・キツイ・・)」
実は順手のまま下方向からの剣撃をしているキリトと、
それを逆手でおなじく下からの剣撃で鍔迫り合いをするカイトでは、
カイトの方が手に負荷が無かったりする。


しかしそれでもカイトがキツイ事には単純な理由があった。


ギギギ・・

至近距離での鍔迫り合いが数秒続くが、
やがて互いを押そうとする力が自らに跳ね返り、
キィン・・!!という音と共に2人の距離が開いた。


にも拘らず、今回の決闘では始まりから
ちょっとした波乱となった。

キリト「(最初から振り方が被るなんてな・・)」

カイト「(抑えづらい上に・・キツイ・・)」
実は順手のまま下方向からの剣撃をしているキリトと、
それを逆手でおなじく下からの剣撃で鍔迫り合いをするカイトでは、
カイトの方が手に負荷が無かったりする。


しかしそれでもカイトがキツイ事には単純な理由があった。


ギギギ・・

至近距離での鍔迫り合いが数秒続くが、
やがて互いを押そうとする力が自らに跳ね返り、
キィン・・!!という音と共に2人の距離が開いた。


キリト「(振るう角度が重なった。
って事は考えも被ってた、のか・・?)」

カイト「(これはやっぱり・・正面からは不利かな)」


互いに距離を置いて一瞬の思考の後、
先に仕掛けたのはキリトだった。

キリト「はぁっ・・!」
掛け声と共に放たれたのは、
一瞬の輝きが証であるソードスキル・・。

カイト「(バーチカルスクエアだ・・)」

ザン!キィン!ザザン!ギィン!

全4撃で四角を描くように放たれたスキルは、
2撃目と4撃目に剣が接触、他の斬撃はカイトの身体を掠った。
最後の4撃目ではカイトが再び距離を作られてしまった。


キリト「(技術は高いみたいだな・・でも、ステ的には・・)」

カイト「(やっぱり、さっきのでばれるよなぁ・・)」

決闘前に1度剣を交えた際、
カイトはキリトに負けている部分を悟っていた。
筋力値の差だ。

と、同時にキリトもカイトの筋力値が低い事には勘付いているはず。
恐らく今のソードスキルもそれを見越したからだろう。

しかし当然ながら、決闘の勝敗は筋力値だけが全てではない。


キリトとカイトは今までの剣撃の中から、
おおよそ互いの特徴を推測し始めていた。

カイト「(経験は・・キリトかな)」


再びキリトからの追撃。
カイトと違って剣自体にリーチがある分、キリトの方が攻め易い。


ギィン! キィン! フォン・・!


スキル無しの3撃の内2撃は受け、
最後は回避行動で空振りさせたカイト。
戦いながらキリトの力の基を分析していく。

斬撃の流れ、身体の運び、ステップ。
攻撃手法の選択と判断など、
流石に2年間戦い続けているプレイヤーだと、カイトは確信する。
人と戦い慣れているのもある程度分かった。


決闘とモンスターとの戦いは全く違う事を
改めて実感するカイトだったが、臆する気は全くない。
経験が無いなら、まずはキリトから学ぼうと彼は決めた。


キリト「攻めてこないのか・・?」

カイト「今はね」
今の所積極的に攻めてこないカイトに対し、問いかけるキリト。
カイトの返答に対し、彼は一旦攻めるのを止め、間合いを測る。


カイトは決闘の経験が殆ど無いと、アルゴや
ブラックローズ達が言っていたのは聞こえていた。
短期決戦を狙うなら今攻め続けるのが無難だ。

しかし今まで積極的に剣を振っていたキリトはこう思っていた。


キリト「(迂闊に攻めるのは・・少し危険だな)」
決闘経験が無い割に、このカイトという相手は戦い慣れしている。
筋力は低いものの、勝ち目がないと思っているなら
決闘を挑まないはずだ。


なら何か、勝つための要素があるはず。

今日はこの辺りで
ではまた次回~

随分遅れてしまいましたが更新していきます
それと、自分のお願いに付き合ってくれた方々、ありがとうございます

ご指摘通り、今後も好きに書かせてもらいます


そして今は攻めない、という発言。

キリト「(カイトは・・俺が攻撃するのを待ってる?)」
未だに分かっているのは筋力値が低いというだけ。
そんな相手が望む事を無暗にやるべきではないと彼は考えた。


しかしこれでは互いに攻めず、決闘は終わらない。

キリト「(攻撃を仕掛ける一方で、カイトの狙いを探らないとな・・)」
キリトは攻撃により意味を持たせないと、
決定的な1撃にならないような気がしていた。




互いに剣を交える事で、筋力値の差は分かり始めただろう。
先程直撃はしなかったものの、掠った事で
キリトの1撃は致命的だとカイトは感じていた。


恐らく距離が近いほどカイトの攻撃は、真価を発揮するだろう。
キリトが絶対的に攻撃しにくくなるからだ。
更にカイトには速さと敏捷性による回避力と移動性が備わっている。


あと数回受けたら、攻めに転じてみよう。
そう決めた時だった・・。


???「・・・だ・・・ぃ」

カイト「(この声・・あの時の?)」

1層でキバオウと決闘した時・・。
あの時聞こえた声が唐突にまた響いた。
しかし相変わらず誰も不審に思っていないようだ。

この決闘を見に来た人達、そしてカイトとキリトのそれぞれのメンバー。
殆どが決闘を見入っているので歓声は上がったりするものの、
今現在は固唾を飲んで見守っている。

つまり少しでも声を出せば必然的に目に付くはず。
にも拘らず今の声に反応したのはカイトだけのようだ。


声の相手は誰なのか?
極自然な疑問は決闘中であるため
興味本位で抱いている暇はなさそうだった。


あの時は決闘前だったから良かったものの、
何故こうも決闘最中に聞こえてしまうのか・・。


ギィン!

カイト「っ・・!」

キリト「余裕があるみたいだな・・決闘中に」

カイト「ははは・・」(汗)
カイトの気持ちが決闘から離れかけた事に気付いたのか、
キリトが攻撃を仕掛けてきた。


カイトの一瞬の気の緩み。
キリトはそれを見逃さず攻撃をしてきた。
間違いなく油断できない相手として認められたという事だ。


キリト「はぁっ!!」

キィン!キィン!

キリトからの追撃をステップで体の位置をずらし、
小さな剣で受け流すカイト。

傍から見ると押され気味に見えているはずだ。

但しカイトもただ受け流すわけではなかった。

カイト「(右・・次は上から・・!)」


右からの剣撃を受け、左へのステップで上からの攻撃を避けるカイト。
彼はこの数分、キリトからの攻撃で剣撃を読み、
避ける技術を身に付け始めていた。


カイト「(よし、ここから・・!)」

キリトの剣を右に払うと、さっきまでのように回避・・
するのではなく、突きの1撃を放つ!


キリト「!?」
思ったよりも早く攻撃に転じられたことに驚くキリト。
小さく片方だけの双剣がキリトの頬を掠った。

キリト「はっ!」
左に流された剣と腕。まずいと直感したキリトは、
左足を使って一気に体全体を右前方へと運び、
受け身を取って再びカイトに向き直る。


キリト「意外と早かったな・・」

カイト「行けるかなと思ってね」

キリト「ヒースクリフとは全然違うスタイルだ。
ここまで避けられるとは思わなかったぜ」

気を引き締めるようにキリトは黒い片手剣を、改めて握り直した。
いつの間にか彼の顔にはニヤリと笑みが浮かんでいる。

アスナ達曰く、重度のゲーマーらしいので
久々の好敵手に喜んでいるんだろう。

カイト「(火を付けちゃったかな・・じゃあこっちは)」

???「待てよ、久々に面白そうな事じゃねえか。
ここは俺に譲らねえか?」

カイト「!?」


遂にはっきりと言っている事が聞こえた。
これだけ聞こえれば誰だって気づくはずなのに・・。

???「おいおい・・もう分かるだろ?俺が一体誰なのかってこと」

分からないよ、とカイトは言いそうになった。
しかしここまで来ると分かった事が1つだけある。


この声は・・カイトにしか聞こえていないのだ。


カイト「君は・・誰なの?」

???「聞いてくるって事は分からないってか。
まあ焦らすのは俺も好きじゃないし・・」

その声は簡潔に答えた。

???「俺は・・お前だよ」


カイト「(えっと・・・・・・え?
小説とかでよくある・・二重人格?)」

カイト?「まあそれに近いっちゃ近いのか」

カイト「ちょっと待って・・僕は別にリアルで精神的疾患とか抱えてないよ。
過度のストレスも無いし・・千○パ○ルも完成させてないし」

カイト?「仕方ねえよ、お前には原因も何もない。
何せ俺を生み出したのはあの松○や○藤だぜ・・?」

カイト「・・誰?」

カイト?「要は俺は・・パロディ版のお前だ」

カイト「(誰かに嘘だと言って欲しいなぁ・・)」(汗)


キリト「(さっきは急に反撃してきたのに、
また止まってるな。何かの作戦か・・?)」


頬を掠った1撃を受け、相手の周囲を回るように見張るキリト。
そろそろ剣を受ける間隙を狙った反撃でなく、
能動的な攻撃を見られるかと思ったが・・。

キリト「(けど、短剣の類は自分からは攻めづらいしな。
カウンターに特化してるのかもしれない・・)」

となると、考える余裕がこちらにも出来そうだ。

顔を少し俯いたままのカイト。
表情は窺いづらく、常に体勢をこちらに向けないのは不自然だった。
普通に見れば無防備な状態・・。

キリト「っ!はあぁぁぁぁぁぁ!」


無防備な状態を狙う。
一見これはチャンスなのだがキリトはもう分かっていた。


恐らくこれには何かしらの一手が返ってくるだろうと。

分かっていながらキリトが行ったのは、
何としてもそれすら退けるつもりだったからだ。

ギィン!!

突撃しながら斜め上方からの分かりやすい大振り。
キリトはあえて防ぎやすい1撃を選んだ。

防がれると分かっていればその後の攻撃も繋げやすいからだ。

キリト「(ここで・・!)」

跳躍力を活かし体を回転させる。
そして宙に浮いたままその場で逆袈裟に振り切った。


キリト「なっ・・!」
しかし逆袈裟の1撃は途端に宙を切った。
空振りしたのだ。

キリト「ちっ・・!」
今の失態を捨て、体勢を整えてカイトに向き直るキリト。
しかしカイトの姿が無かった。
何処に行ったのか周りを見回すと、上の方から声が聞こえてきた。


???『お前だ・・間違いない』

キリト「・・カイト?」
いつの間にか通りの脇に生えている木の上に飛び乗っていたカイト。
そして彼は降下して剣を振りながらこう叫んだ。


カイト『お前なら・・俺の相手に相応しいぜ!』

それは先程までとは全く違う、赤い双剣士カイトだった。

今週はこの辺で

もう少し決闘が続きます
さて、パロディ版のカイトが出てきて決着や如何に・・

それではまた来週~

申し訳ないです
今更気づいたのですが
>>754>>755、同じ文を投下してました

>>755は無視してください

本当に今更ですが・・

すみません、今週は更新できるか怪しいです

可能だったら明日します

何とか書けたので更新していきます


樹上から降下しつつ、空中からの1撃。
決闘でこのような攻撃をされると誰が予想しただろうか・・。


一般的な格ゲーで、コントローラーを弄る程度なら可能だろう。
だがここはSAO。疑似的にもバーチャル世界に入り込んでいる。
この動きを可能とするプレイヤーはそういないはずだ。


ギィン!!


キリト「くっ・・!」

カイト『へぇ・・あっさりと受けるんだな』

キィン!

宙からの強力な1撃を受けつつ、
キリトはその後剣と一緒にカイトを薙ぎ払った。

弾かれたカイトとの間に再び距離が出来る。


間髪入れずに追撃しようとするキリト。
上からの攻撃は少し予想外だったが、
2年間SAOで戦ってきただけあり、経験則から言える事があった。


キリト「(あれだけの動きの後は、必ず隙が出来るはずだ・・!)」

宙からの立体的な攻撃。
一見高度な事だが、リスクは当然ある。
HPの消費こそなくても、スタミナの消費が激しいのだ。
身体のバランスも一時的には崩れる。

つまり今こそ攻めづらい相手であった、カイトを攻めるチャンス・・!


しかし、キリトには再び予想外の展開が待っていた。


キリト「なっ・・」

確かにカイトとの距離は作った。
一定の距離が出来るような加減で弾いた。

しかし、いつの間にかカイトは噴水の上にいた・・。


キリト「嘘だろ・・」

追撃しようにも、数m単位で離れられたら速攻の追撃は無理だ。
遠距離攻撃が出来るのはシノンだけだろう。

すると噴水の上から再びカイトは斬りかかってきた。

キリト「(なんて戦法だ・・!)」

ギィン!  キィン!

カイトの空中からの猛襲。
ある方向から突撃して剣がぶつかる。
その後あっという間にカイトは離れていき、
別方向から再び追撃し、離脱。

その繰り返しだった。

離れた先は木の上など分かりやすい場所ばかりではない。
街の壁さえも蹴るだけで方向転換している。

まるで弾丸が固い殻の中で、
何度も行き来しているかのようだった。


ザッ!

キリト「ぐっ・・」

遂にカイトの攻撃がキリトの脇腹にヒットした。
傷跡の確認をする間もなくカイトは再び離れていき、
別方向から突撃してくる。

キリト「こ、の・・!」
とにかくカイトの動きを止めないとまずい。
そう考え剣を全面的に防御の形に扱うキリト。


正面から受ければ衝撃も凄いだろうが、
反動でカイトもただでは済まないはず。


ここで何としても止める!


ギィィン!!


一際大きな音が響く。


それだけ剣と剣の衝突が強かったのだ。

咄嗟に剣を地面に突き立てる形で防御したキリト。
間髪入れずにカイトの別方向からの攻撃・・は無い。


本来これは命とりなのだが、
一瞬目を瞑ってしまったのでキリトはゆっくりと目を開けた。


黒の片手剣は見事にカイトの剣を防いでいる。
飛ぶように動いていた彼の足が珍しく地に接しているのを視認出来た。

やっと止められた・・。

そう思うキリトだったが、
止められたカイトからは気の抜けるような台詞が飛んできた。


カイト『へぇ・・これを止められるとは思わなかったぜ。
使ったのは初めてだから当たり前だけどな』(笑)

キリト「・・・」

何か・・おかしい。


カイトとは知り合ったばかりだが、
ここまでノリが軽い、1人で笑いどころを作るような相手ではなかったはずだ。

というか、笑えるか否かかなり微妙なラインだ。


カイト『厳密に言うとわび助に使おうとしたんだけどな・・。
父ちゃんに止められたんだ。ったく、俺を捨てたビールっ腹の癖に
世間体を気にしたのか、ああいう時だけ口出ししてきやがって・・』

キリト「何かよく分からないが・・カイトなんだよな?」


カイト『俺は足が臭いバカじゃないぞ!』

キリト「・・?」

カイト『あ、悪かったな。
男同士の決闘中に科学の話なんか要らないよな』

キリト「???」

科学の要素なんてあったか・・?と、口に出そうとするも、
今は決闘中である事を思い出し止めた。

鍔迫り合いから単純に弾いたのでは、
再び同じ流れになってしまうだろう。

キリトは今度はこちらがバランスを崩すため、
地に突き立てた剣をレバーのように前に倒し、
動きを封じようとした。


観客側


この久しぶりらしい決闘を見守るプレイヤー達は、
今までに類を見ない決闘に驚いてた。

片手剣とは言え、あの黒の剣士って奴と互角にやり合う人がいた事に。
ううん・・実際には黒の剣士が押され気味だったからかな。
特に突如放たれた空中からの連続攻撃。


トッププレイヤーだったあのヒースクリフも。
当然黒の剣士であるキリトもあんなことは出来なかった。

あの小柄な短剣使いの少年は一体・・。

とかなんとか・・。
いつの間にかそんな話題で溢れてる。
そんな中、私達は・・。

アルゴ「ン~・・驚いたネ。
速いとは思ってたけド、あそこまで動けるとはネ」

アスナ「まるで飛んでるみたい・・」


アスナも閃光という異名を持つものの、
それは剣捌きの時の光るエフェクトとその速さに寄るもの。

カイトの場合、疾風と言う異名がついてもおかしくなかった。

ユイ「あれはAGIが異様に高いことに由来するのでしょうか・・?」

シノン「あれだけ動けるんだもの。
私の矢と一緒に突っ込めるわけだわ・・」

SAOのメンツがカイトの動きに対し、
それぞれの感想を述べる中・・。

ブラックローズ「カイト・・あんな動きできたっけ?」ボソボソ

ミストラル「私に聞かないでよ~」(^_^;)ボソボソ


SAOのメンツが驚愕しつつも受け入れているのに対し、
カイトを知っている側である私達は困惑していた。


如何に決闘している場面を見た事が殆ど無かったと言っても、
モンスターとの戦いは何度も目にしてる。

確かにカイトは速かったけど、
あそこまでの機動力と瞬発性は見た事が無い。

そして何よりカイトは、戦いを嬉々として行う人種ではなかったはず・・。

ブラックローズ「(カイトが負けるのは嫌だけど・・
何だかこのまま勝っても違和感あるわね)」

途中までは決闘に不慣れながらも、
上手くキリトの剣を見極め、隙を突いて返撃していたのはカイトらしい。


但しその後は・・まるで人が変わったかのようだった。
1年近くはカイトと付き合いあったけど、
あれだけ激しい攻撃をするカイトは、八相の時ですら見ていない。

今週はこの辺で
それではまた来週

すみません
今週と来週は更新できないかもしれません

来週は何とかやれるかもですが・・

本日は更新できます
明日の日曜は多分無理ですが・・

ここの所週2回更新が出来なくて申し訳ないです

それでは後ほど


ストレア「やっぱりカイトは凄いね♪」

ブラックローズ「え・・?ま、まぁ・・当然よ」
意気投合したストレアから感心され、
思わずいつものように強がるしかなかった。

ミストラルも苦笑いするしかないみたい。

にしてもカイト・・。
あんたが今は凄く遠い存在に思えるわ。
まさか私達に隠れて修行でもしてたのかしら?


決闘が終わったら、色々聞かせてもらうんだからね。


地に押し倒す。

キリトの狙いは好判断だった。
如何に速く動けるカイトでも足が使えない、
寝た状態にすればさっきまでのような戦い方はまともに出来ない。

カイトの長所は活かせなくなり、
低次元の戦いとなるがキリトは有利になれる。


キリト「はぁっ!!」

ギギギ・・

互いの剣が衝突したままカイトは押し倒されていく。
仰向けにされればかなりの隙となるだろう。


カイト『うっへぇ・・やっぱ戦いってのは、
好きなようにやれないもんだなぁ』

キリト「相手の得意な分野を潰すのは常識、だろ」

珍しく両手で剣を握りながら、
慣れない攻撃手段を続けるキリト。


徐々にカイトの体勢を崩していく。
観る側からするとあまり晴やかな戦いではないが、
対戦中の当人は必死だった。


ヒースクリフの時は攻撃はいくらでも出来た。
しかし今回は圧倒的に攻撃を繰り出した数が少ない。

キリト「(SAOでの対人戦、まだバカに出来ないな)」


強力なモンスターはステータスだけで圧倒的な強さを誇る。
但し攻撃方法さえ見極められれば活路は得やすい。
しかし、決闘は同じ様にいかない。


相手も同じ人だから戦い方はめまぐるしく変わっていく。

今まさにキリトはそういう場面に遭遇していた。

キリト「(カイト・・こいつはまだ色々やらかしてくれるかもな。
だけど今回はここまでだ!)」

一気に力を込め相手のバランスを崩す・・!


キィン!


キリト「(なっ・・!あの体勢からパリングで弾かれた!?)」


ほんの一瞬、キリトは硬直状態に陥った。
反撃を受けるかと思ったが、
カイトは崩れかかった体勢もあって一旦後ろに下がることにしたらしい。

キリト「くそっ・・いい感じに追い詰めたと思ったんだけどな」

カイト『いや~・・さっきのはマジで危なかった。
ああ、たみよが急にいなくなった時くらいには焦ったぜ』

キリト「たみ・・?」


とにかく、かなり有利な状態からは脱せられてしまった。
この後をどう攻めるか・・。

判断しかねるキリトだったが、思いもよらぬ一言が相手から発せられた。


カイト『なあ・・黒コートの兄ちゃん』

キリト「・・?」

カイト『そろそろ・・決着つけようぜ?』


不適な笑みを浮かべながら提案するカイト。
これ以上長引くのは辛いのか。
もしかするとさっきの激しい動きのツケが回ってきたのか・・。


いずれにしろカイトが若干追いつめられているからだろう。
決闘にはだいぶ慣れていると思っていたが、
キリトでさえかなり消耗しているのだ。


決闘経験が浅いカイトはもう限界なのかもしれない。

キリト「それは構わないが・・どうするんだ?」

カイト『男の決着って言ったら・・やっぱ大技の衝突だろ』

小さな剣を左手に持ち替え、
今更のように右の肩を回すカイト。
少し楽しそうなのは、決闘で達成感を得たからだろうか。


大技同士のぶつかり合い。
SAOではあまり行われない事だが、
キリトの答えは決まっている。


キリト「いいぜ。ケリを付けようか」

決闘が始まったばかりの時のように構えるキリト。
最も得意な位置である右脇に剣を構えておき、
攻撃を繰り出しやすくしておく。


対してカイトは。
決闘開始の時とは違う構えだった。


キリト「(何の構えだ・・?少なくともソードスキルじゃないようだけど)」


キリトは右に剣を持っているのに対し、
カイトは利き腕ではないだろう左で双剣の片方を構えている。
あの状態からどんな攻撃を繰り出すのか・・。


キリト「(カイトの攻撃は読みづらいな。
なら、こっちはあれを試してみるか・・)」


互いを見据える一瞬の後、キリトが先に足を踏み出した。


キリト「(まずはヴァーパルストライク、
そして背後に回ってサベージフルクラムの2連携!)」

片手剣の中でも突きに特化したソードスキル、
ヴァーパルストライクでの攻撃。
その後さらにスキルを繋げるのは、少し高度な攻撃手段。


キリトが繰り出そうとした攻撃は、
しかしある理由で止めざる得なくなってしまった。

キリト「な、なんだ・・?」

ヴァーパルストライクを使う直前、
駈け出そうとして止めたキリト。
その視線は目の前の相手に釘付けになっていた。


カイト『・・・』

武器は変わらず左手に持ったまま。
にも拘らずカイトは明らかに『何か』をする体勢だった。
まるで、右手から何かを繰り出すかのような・・。

カイト『俺の右手が・・真っ赤に燃えるぅううう・・!!』

キリト「(・・青に見えるんだが)」


と、内心ツッコんでいる場合ではない。
剣を持たない右手から何かするとは体術スキルか何かだろうか?


それにしては見覚えのないエフェクトだった。
単なる拳ならその付近が光る程度。
しかしカイトの場合、手が光っているのではなく
まるで光そのものを手に纏っているような・・。


カイト『おいおい、そっちも大技出してくれないと盛り上がらないぜ!』

キリト「そ、そのスキルは一体・・」

カイト『そうか、まずは俺の技を避けてから
かっこよく決めようとしてるな!』

キリト「ちょ」


先程から会話が成立しないことに違和感を覚えるキリトだったが、
深く考えている時間は無さそうだった。

カイトは既に、右手をキリトの方に向け・・。


カイト「(ちょっと待って!人に腕輪の力は・・!)」

カイト『問答無用!いくぜ・・これが俺の奥義!』

キリト「(何か・・来る!!)」








カイト『暗黒吸魂輪掌破ァァァ!』

とりあえず今週はこの辺で

それではまた来週~


これでひとまず決闘も終了です

とんでもないスレを見つけてしまった…期待乙

それ以上いけない!(いいぞぉ!もっとだ!)

今週の更新は明日の日曜、
そして月曜を予定しています

待たせてしまい申し訳ないです

>>824
またも犠牲者が・・(笑)










プスン・・










奥義発動の宣言後、何も起きず静寂・・。
場の緊張が砕けるのに時間はそう掛からなかった。


カイト『・・・』

キリト「えっと・・不発?」

カイト『・・という前振りの下、今度こそ暗こきゅ!』




ブラックローズ「・・今、噛んでた?」

ミストラル「(^_^;)」




キリト「また来るのか!?」






プスン・・




咄嗟に身構えてしまったキリトだがやはり何も起きず、
いわゆる肩すかしで間違いないらしい。



カイト『あ、ひっでえ!いつからメンテが必要になりやがった!?
あいつやっぱりガッツ石松じゃねえか!』

キリト「???」


決闘を続けてもいいのか迷うキリト。

『奥義』はどうやら出来ないようだが、
声高に宣言しておいて発動できなかった、
というのはかなり恥ずかしい状況のはずだ。


にも拘らず変わらない態度を取り続けているのは、
メンタルが強いからなのだろうか・・。


そして、あいつとは誰の事なのか・・。


アルゴが見つけた逸材と言っていたが、
珍しくハズレな気がしなくもない・・。


キリト「ひとまず決闘は終わりだ・・!」

カイト『そうか!こいつは怒られカボス、もとい
足の臭いバカが何かトラップを仕込んでたに違いねぇ!』


カイトは未だに何かに夢中のようだ。

しかしこれだけ決定的な隙が出来れば、
この後の光景は誰でも予想がつく。


キリト「くらえええええええ!」


タンッ  ズバァァァ・・!


キリトの渾身のソードスキルは、
見事カイトにクリティカルヒットし脇腹に傷跡を刻んだ。



このスキルの後に更にスキルを繋げようと思っていたが、
カイトのHPの減りからしてもう決着だろう。

スキルの動作を終え後ろを振り向くキリト。
多少の痛みも再現されるため、膝を抱えているか。

もしくは決闘に負けて悔しがっているかと思ったが・・。


カイト『ちっくしょう・・今度あの科学王と一緒に
足の臭いバカにまたお花畑でも見せてやるか・・』ブツブツ


キリト「(・・全く動じてない?)」

なんと斬られた事にも気づいていないのか、未だに何か呟いていた。
剣に斬られたエフェクトは確かにある。
痛くないはずがないのだが・・。



ピー  WINNER キリト


決闘終了の合図が響き、周囲から歓声が湧いた。

正直あまり勝った気がしないキリトだったが、
とりあえず決闘が終わったので剣を収める。
ある意味ヒースクリフの時と同等の緊張を強いられたが、
ようやく気を緩める事が出来そうだ。


カイト『ぬわーーーーー!!』

キリト「へ?」

突如大声を上げるカイト。
とはいえ、ワザとらしい言い方なので
急を要する事には思えなかったが・・。


カイト『いってぇ・・いつの間に斬られたんだ・・』

キリト「(今更!?)」


SAOでの決闘は本当に死ぬこともある。
キリトは散々そういう闘いをしてきた。
しかし、こうも決闘中と後でプレイヤーとの溝が出来ない
決闘はいつ以来だろう。


・・こうも疑問が残る決闘も初めてだったが。


久しぶりの決闘を見物に来たプレイヤー達が、
勝者であるキリトに賛辞を告げ、各々去っていく。


「毎度あり!」とか聞こえてくるのは、
エギルがここぞとばかりに、決闘後に何かしら売りつけているのだろう。

アスナ達とも話をしたかったが、
その前にキリトは決闘相手だった人物に近づき声を掛けた。


キリト「カイト、決闘は終わったぞ?
結果的には俺が勝ったけど、あの時の動きは凄かったよ。
それと奥義って言うのは一体・・」

カイト『納得いかねえ・・』

キリト「そ、そんなに勝ちたかったのか・・?」


カイト『俺の歩む道、すなわち、青春は終わってねえ!』

キリト「???」

カイト『うぅ!?』

大声を発したり急に苦しんだりと、
忙しい奴だなと思うキリトだったが、
いくら決闘とは言え傷を付けたのはキリトだ。
ポーションで回復でもしてあげようと思ったが・・。


カイト『し、しまった・・トンネル効果の限界が・・』

キリト「え・・?」

カイト『今回はこの辺にしといてやるぜ・・あばよ』


ガクンと膝を着くカイト。
そして瞬く間に・・。


カイト「・・・うわぁ・・・えぇ~・・・」

頭を叩きながら酷く落胆するカイト。
今頃になって決闘に負けたという事実を直視しているのだろうか・・。


キリト「カイト・・?大丈夫か?」

カイト「あ、うん・・ある事実を除けば大丈夫だよ」

若干視線を逸らしつつも元の調子で答えるカイト。
気づけば見物していたプレイヤー達は殆どいなくなっており、
あとは2人にとって馴染みあるメンバーが残っていた。

アスナ「キリト君!」

決闘はキリトがひとまず勝って終わりです

月曜はちょっと無理なので
GW中のいずれかに更新できればと思ってます

ではまた次回

すみません
更新しようと思っていたのですが、今週は無理です

こんなに時間が取れないとは・・
連休だったからって目算を失敗したかな

もしかしたら今後は不定期になるかもしれません

暫くの間更新できず申し訳ありませんでした
今日から更新再開していきます

今日の予定は22時半以降です


キリト「ああ、アスナ・・」

アスナ「決闘の感想は?」

キリト「ひとまず宿で休みたいな・・ハハハ」

リーファ「キリト君がそんな事言うなんて、
かなり追い込まれてたんだね・・」

クライン「あんな決闘初めてだったしなぁ・・」

賛辞や感想もそこそこに、キリト達は宿に行くことにしたようだ。
フロアボスと戦った後と同等に疲れたという事だろう。


カイトの方にも集まってきた人がいた。
とはいえ、カイトはどんな顔をしたらいいのか分からなかったが。


アルゴ「いやァ・・凄い決闘だったヨ。カイト」ニシシ

カイト「あ・・あ~~~・・うん」

カイト「(途中から何もしてないんだけどね・・)」

シノン「勝てなかったのは残念かもしれないけど、
あのキリト相手だったなら充分善戦したって言えるわよ」

ストレア「そうそう!落ち込む必要なんかないって~」

カイト「アハハ・・そうだね・・」(汗)


一応体裁は保っているようだが、
バツが悪いのは否めなかった。

仮に声を掛けてきたのがブラックローズ達でも、
カイトは苦笑いするくらいしか出来なかっただろう。


チラリとブラックローズ達を見ると、
明らかに何かを訝しんでいた。

カイト「(あの2人からの追及が怖いなぁ・・(汗))」

キリト達SAO組に何らかの隠し事ならまだしも、
あの2人にはしたくなかった。
しかしさっきの決闘での途中からの事は、
明らかに隠し事をしていた、の部類になってしまうだろう。

そもそもカイトでさえ理解が及んでいないのだが・・。



エギル「今日は2人の決闘のおかげでたんまり稼げたぜ。
ま、色々と賄いを作ってやるさ」

カイト「た、助かるよ・・」

恐らく決闘の事で色々と談笑することになるだろう。
1人で考える時間が欲しい所だったが、そうもいかない。


当事者がいなければこういう話し合いは盛り上がらないのだ。
--------


カイト「あ~、疲れた・・」

朝に決闘があってから休憩も兼ねて歓談を挟んだ後、
次に行ったのは83層の攻略だった。

ボス戦も含めてだったけど、
HNMと戦うこともなかったからかなり楽だった。


決闘は結果的に負けだったけど、
キリトには認めてもらえたみたいで
今度ホロウエリアに連れて行ってもらえることになっている。


ここまで言ってしまうと何も問題なく、
順調に進んでると思えるけど・・。


カイト「(問題は僕自身、か・・)」


行くことが正しいのかも分からないホロウエリア。
そこを目指していたら妙な壁にぶつかるとは思わなかった。

おまけにこんなにも妙な・・。


自室のベッドに倒れ込むと、一気に眠気が襲ってきた。
でも少しだけ寝るのが億劫だなぁ。


僕、カイトの中には
どうやらパロディ版のカイトがいるらしい。
そしてその存在を自覚してしまった。

と、なると・・。


カイト「(昔読んだフィクションだとこういう場合、
寝てる間に身体を乗っ取られて、夜中勝手に行動してるとか・・)」


で、やってない罪を被せられたりとか・・。
う~ん、攻略に支障が出ないと良いんだけどなぁ。


・・いや、確実に出るよねこれ。


カイト「(罪云々よりも言動がイタイよなぁ。
そのうち誤解を生むかも・・)」

話す言葉が妙だったのもそうだけど、
1番困るのはやっぱり腕輪だ。


決闘中は不発で終わって良かったけど、
きっとリスクブレイクになってなかったからだ。
奥義・暗黒なんとかとか・・、
腕輪の力と言ったらやっぱりデータドレインの事のはず。


腕輪の力がばれたら・・まあその時は違うゲームから来てて、
とか細部をぼやかせばいいけど。


でも腕輪の力で誰かを意識不明者にするなんて洒落にならない。


かつて僕はその腕輪の力による犠牲者を助けようとしていたのに。
その僕が誰かをこの腕輪で・・。
いくら住んでいる時代が違う人でも、


カイト「(考えただけでゾッとする・・)」


ブラックローズに1度壊してもらったんだし、
今回もきっと壊せるかもしれないけど。
そうなると帰る手段も無くなるような・・。


疲れてた上に、こうも色々な事を考えて
思考の渦に陥ると眠くなってしまうわけで・・。









zzz・・。





『おいおい・・引き込んでおいてそりゃないぜ』


何を言ってるんだろう・・。
誰に言われてるんだろう・・。

僕は今眠いんだし静かにして欲しい。


『爆睡なんてあの戦いの大半をやった俺の特権だろ』



あの戦いって・・?



『あの真っ黒コートの奴との・・に決まってんだろ』



ああ・・キリトの事か。
真っ黒コートと言われて分かってしまうのが少し複雑だ・・。


・・ってまさか君は。



『ああ、大人気のパロディ版カイトだぜ』


そう言われると少し眠気が覚めた。
急いで辺りを見渡すと・・白い空間が広がっている。


とは言っても目は開いているはずなのに、
白い空間が見えているのか。
それとも白い霧のようなもので視界が塞がっているのか。
ハッキリ言って僕には判断が付かなかった。

という事で今回はこの辺で
多分日曜も更新できると思います

それではまた次回~


声は聞こえるのに姿が見えないって事から、
後者の可能性が高いけど。



何だかあの不思議な部屋・・ハロルドの部屋に似てるなぁ。
でもSAOにもこんな場所が・・?



『一応言っとくけど、こりゃあお前の夢の中だぜ?』


ああ・・そうなんだ。


『ったくよ~・・さっきも言ったろ?
俺がここにいるのはお前が引っ張ってきたようなもんだぜ?
用があるならさっさと済ませてくれよ。
わび助に卵焼き奢ってもらう約束なんだ』


僕が君を・・?


『俺が望めば表層には出られるけど、
一応主体はそっちだからな。
こうやって話せるのはお前が強く望んだからだ』



・・・。



『何か思い当たる節があるって感じだな』


理屈はよく分からないけど、そうだ。
彼にはどうしても聞きたい事がある。
ハッキリさせないといけない事が。



『へえ・・言ってみろよ。因みに母ちゃんは歴史好きだけど、
俺はそんなでもねえぞ。だから答えられない事の方が多いぜ』




君は・・どういう時に僕と入れ替わろうとするんだ?




『ああ、その事か・・答えは単純だ』



それは・・?



『それは・・』


・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・。



・・こういう事、よくあるよね。




肝心な所で目が覚めるなんて。
っていうか本当に夢だったのかな?



足場も分からなかったあの白い空間はさっぱり消え、
エギルの宿屋の天井が視界に広がっていた。
もう慣れてきた、いつもの光景。


まあ夢だろうとそうでなかったとしても、
ますますよく分からなくなってきたけど。


多重人格ってそもそも夢に出てくるものだったかな・・。


でもあっさりと対話出来たし、また話せる機会があるかも。
その前に表に出てこないと良いんだけどなぁ・・。


半身を起こすとベッドの近くの窓から、
薄く明るい朝日が見え始めていた。

単純に朝と言ってしまう人が多いんだろうけど、
僕達ならこういうべきかもしれない。



カイト「薄明、か・・」
あの作戦の中、最後の最後で最も絶望的だった時。
後は明るくなるだけで、希望が残っているからと戦いに臨んだけど。


今の所僕の目の前には希望は無さそうだ・・。
こんなに起き辛いのはいつ以来だろう。


ミストラル「おっはよ~、少年!!(^_^)/」

カイト「お、おはよう・・」
いつもの食堂に下りてくると、
真っ先にミストラルから元気な挨拶をされた。


・・この人を見てると
悩んでる自分が馬鹿らしくなるから不思議だなぁ。
ぴろしさんがいる時もそう思っちゃうけど。


ブラックローズ「随分遅かったじゃない。
今日は例のエリアに連れてってもらうんでしょ?」
ブラックローズの言う通り、今日は約束通り
ホロウエリアに連れて行ってもらう日だった。


しゃきっとしなさいよ、とでも言うように
彼女は若干強い口調だった。


未だに決闘の時の事言ってないからなぁ。
気になって仕方ないのもあるんだろう。


ひとまず座って話そうと思ったら、
キリトとアスナが近くに来た。


キリト「おはようカイト。朝食の後で平気か?」

多分ホロウエリアへの随伴の事だ。
答えは勿論。


カイト「問題ないよ」
階層攻略はどっちみち時間が掛かる。
つまり行けない所も多いから、
早いうちに未開のエリアについても知っておきたいんだ。


行く気充分の僕と連れて行く気満々のキリトだったけど、
アスナが少し不安そうだった。
訳を聞いてみるとアスナはこう言った。


アスナ「本当に平気なのかなって・・。
83層の攻略の時カイト君、何か不安そうだったし・・」

カイト「だ、大丈夫だって。
危険な事はしないし、キリトもいるからさ」


昨日の攻略の時。
そう、またアレが出るんじゃないかって不安で、
いつもより少し挙動不審だったかもだけど・・。
やっぱりばれてたか。


実を言うと今だって不安なのは変わらない。

けどひとまず言わないでおこう。
攻略の邪魔扱いされても困るし。


キリト「じゃあまたホロウエリアに行ってくるけど。
この前みたいにフロアボスに挑むなんてことはしないでくれよ」

アスナ「流石に私達だけじゃしないわ」

シノン「攻略中心のキリトも、
期待の新人のカイトもいないんだから挑まないわよ」


転移門の前で今日の行動の確認をするキリト達。
如何に攻略組って言っても、
毎日最前線の層に行く人は少数みたいだ。


転移門から出て行く人を何人も見たけど、
「84層はまだ控えておこうか」
って言ってる人が多かったし。


積極的に行こうとしてるのは
アスナとシノン、リーファのパーティくらいだ。

それともう1人・・。


ミストラル「84層、何があるのかなぁ~(?_?)」ワクワク

カイト「ミストラルは1人で行かない方が良いと思うんだけど・・」

ミストラル「3人に付いてくから平気だよぉ(^o^)」

今日はブラックローズがシリカやストレアに付き添ってるから、
ミストラルとパーティを組める人がいない。
戦闘向きじゃないミストラルが1人なんて不安しかないんだけど・・。

ミストラル「そんなに心配しないでよぉ(^o^)
転移結晶が99個あるから大丈夫だってば~(*^_^*)」

では今週はこの辺で

いよいよ来週からはホロウエリアに行けると思います

本日は22時半頃からの更新を予定してます

今更ですが、HFがREとして
PS4で発売される事になったとか・・

HF題材のssはそう無いと思うので、
ちょっと嬉しい限りですね

それでは後ほど


カイト「いつの間にそんなに・・」

アスナ「私・・今は10個くらいしかないわ」

キリト「どんな手を使ったんだ・・?」

シノン「もはや化け物ね・・」

ある意味ポーションとかの回復アイテムよりも、
よっぽど僕らの命を守ってくれるだろう転移結晶。
使えない場所も時々あるみたいだけど、
最高の防衛アイテムだ。


それが数的にカンストするまで持ってるなんて・・。

1個当たりの金額も相当だったから、買い揃えるのは困難。
かといってあのミストラルが大盤振る舞いでお金を使うとも思えない。

一体どんな効率のトレードをしていたのかな・・。


ミストラル「アスナ達が危険になっても大丈夫だよぉ(^o^)
遠慮なく使うからねぇ~(*^_^*)」

リーファ「ある意味1番頼もしいですね・・」

ミストラルが3人をグイグイと促すと、
4人は転移門で転送していく。


あんな風に常にテンション高くて、
一見ふざけているようだけど退くときは退くから、
多分大丈夫だろう。

キリト「SAOであんなに明るい人は初めて見たな・・」

カイト「多分SAOに限らないと思うよ・・」

互いに苦笑いし合うと、僕達も転移する事に。


キリト「じゃあ行くぞ。転移、ホロウエリア!」

キリトが転移門を弄ると、
既にパーティを組んでいた僕にも転移エフェクトが掛かる。


予め聞いていたけどホロウエリアには、
キリトとあと1人しか行けない。
どうして3人が無理なのかは不明らしい。


特殊なホロウエリアへの転移も
いつもと変わらないエフェクトが僕らに掛かり、
76層、アークソフィアの景色が消え・・。



遂に僕はホロウエリアにたどり着いた・・。


第2章



転移された先は少し予想外の場所だった。


見た事も無い様式の街か。
もしくは直接エリアに飛ばされるのかと思っていたけど。


僕の目の前には妙な文字列や、
何かのマップが映し出されたかと思えばあっという間に消える
点いたり消えたりする映像。


床は無機質でパズルのピースのようなものが見え、
ピース片同士が接している所が一際光って目立っている。


今まで階層の方で見てきた街とは全く違う、
言ってしまえば舞台裏みたいな所だった。


360°何処を見渡しても似たようなものが
壁に映し出されていて、円形状の場所なのが分かる。


床はガラス張りのように透けて見えて、下に行けるようにも見えた。
小さな球体がいくつもあるけど何なのか触る事も出来ない。


僕が舞台裏みたいだと思ったのは、
街なら明るい色が目立つから。
アインクラッドは無機質な鉄の浮遊城と言われていたけど、
中である町やフィールドは色鮮やかだった。


でもここには華やかしさが無く基本紺色。
見えるのは花とか建物でなく何かのデータのような物ばかりだった。


カイト「ここが・・ホロウエリア?」


キリト「ホロウエリアではあるけど、
アインクラッドで言えば街みたいなものだな。圏内だし」

僕が聞いた事に解説してくれるキリト。
ここは管理区、という場所らしい。

でも当然唯の圏内ってわけじゃないぞ。
と、一言加えると少し進んだ所にあるものを指差した。


あれって・・石の机に見えるけど。

キリト「ここでは転移門じゃなくて、
あのコンソールって言う端末でエリアに飛べるんだ」

キリトが近づくと反応したのか、
紺色の大理石の様な物の上に青白い光が無数に走った。
そしてそれは碁盤の木目や京都の町の道のように規則正しい跡を描く。


端末って言っていた事からキーボードのような物かも・・。
キリトが弄るとコンソールの上に集まっている映像が、
操作に合わせて切り替わっていく。


?「キリト・・今日も来てくれたんだ」

突然女の人の声がした。
僕は今までここには僕とキリトしかいないと思っていたのに。


今の今までこの管理区の内装を見ていたけど、
コンソールの反対側に人がいたみたいだ。
あれの上には映像が集中してたから、
被って気付きにくかったのか・・。


僕がコンソールに近づくと声の主がはっきりと見えた。


キリト「紹介するよカイト。
俺がホロウエリアで知り合った・・フィリアだ」

カイト「フィリ、ア・・?」

キリト「フィリア、こっちは最近攻略組に入ったカイトだ。
かなり強いぞ、俺も苦労させられたし」

フィリア「ふぅん・・?」

キリトが笑いながら僕達を紹介しているのに対し、
フィリアという人は緊張しているのか、
訝しんでるのか少し険しい表情だった。


僕より少し背が高い、
ショートのオレンジ掛かった髪のプレイヤー、フィリア。
少し険しい表情を形成している目は碧眼だった。


管理区の色と被る、青を基調とした動きやすそうな格好で
あまり見かけない装備だったのが肩から腰程度で収まる
短めのマントのような装備。


パッと見した所、盗賊に近いイメージだ。

使ってる装備は本来刃が無い峰の部分に、
小さな刃が連なっている特徴的な短剣。


そして何より気になるのが・・。


カイト「オレンジプレイヤー・・?」

キリト「でも、俺と出会ったばかりの時に
一緒に戦ってくれたから悪いプレイヤーじゃないさ。
俺も詳しい事情はまだ知らないけど、訳ありみたいなんだ」

カイト「訳あり、かぁ・・」
まあ実際僕も訳ありだしね・・。

それにアスナ達も顔くらいは合わせてるんだろうし、
キリト以外にも面識があって任せてるって事は
多分協力し合えるプレイヤーなんだろう。


カイト「とりあえずよろしくね、フィリア」

フィリア「・・よろしく」

ようやくホロウエリアに来ました
次回が来週になるかは未定です

それでは今回はこの辺で

もう一人の自分とか、碑文の猿のくだり思い出したな。

すみませんが今週は昨日の分だけで終わりです
続きはまた来週という事で


>>883
『人語を解する猿の問うて曰く・・』とかの部分でしたっけ
覚えている人がいる事に感服です

あの部分を知れたのは確かG.Uの小説だったと記憶してますね
初代.hack//のハロルドの部屋には無かったかと思います

そういえば今一番新しいのは.hack//bulletになるかな?プロジェクトクロスゾーンの1と2は一応正史に入るらしいけどクロスオーバーだしな。

.hack//G.U.のHD版出してほしいわ

いい加減.hackはアウラをメインヒロインとして機能させないのか
アウラとしては幸せなのかもしれんけど、何度も消すのは個人的に心が痛い

>>887
クロスゾーンは話に入りづらいですよね
作品があり過ぎて半分くらいは知っておかないと楽しめそうにないですし

>>888
HDになって顔がリアルすぎると嫌ですなぁ・・

>>889
G.UとQuantamくらいですよね
アウラがほぼ関わってこないのは
位置的にはメインなのに出番無い
禁書のインデックスみたいな感じかも・・


大分遅くなりましたが更新していきます





握手でもしようかと思ったけど、
アインクラッドで出会った人達と違う
ある種の壁みたいなものを感じたから控えておいた。


訳ありって言うくらいだから何かあったんだろうけど、
踏み込むような話は流石にNGだろうし。


ひとまず会釈はしてくれたから、徐々に話せるようになるといいなぁ。


キリト「今日はカイトに樹海エリアを見せてくるよ。
そうしたら帰ってもらうから、
その後あの橋の封印を解除してバステアゲートに行こう」

フィリア「分かった。私はここにいるから」


2人で軽く予定を伝え合うと、キリトが再びコンソールを操作した。

キリト「じゃあカイト、
俺が最初に行った樹海エリアに行くぞ」

カイト「了解。フィリア・・またね」

フィリア「・・うん。また、ね・・」

手を振ろうとしたけどそれがフィリアに見えていたか、
フィリアが僕に手を振ったのか分かる前に
僕はキリトと共に樹海エリアに転送された・・。
--------
76層 アークソフィア 転移門前


時間にして大体1時間くらいだったかな。
僕がキリトとホロウエリアを散策しながら、
色々と教えてもらったのは。


当然だけど全ての事が分かったわけじゃない。
キリトも、そしてキリトがホロウエリアで出会った
フィリアでさえも分かってない事があったし。


アインクラッドと違って
あれだけ分かってない事が多いエリアなんて探索のし甲斐がある。
キリトが嵌まるのも無理ないなぁ・・。


樹海エリアを見て回り、形状が変わっているモンスターを含めて
ある程度戦ってから再び管理区に戻り、
そこでパーティ解除をして僕はアークソフィアに戻ってきた。


とりあえず目標を達成。

じゃあ・・。

カイト「(今からどうしようか・・)」


「ある事」を試すにはブラックローズと
ミストラルにいて欲しいけど、
流石にまだ2人とも戻ってきてないだろうし。


かといって1人でモンスターを倒しに行く気にもなれない。
ショートメールで連絡を取って2人の状況を確認しようか。

転移門前でボーっと立って待つのもあれだし、
おとなしく宿に戻って待つべきかと思ったら、
転移門が光って・・。


ブラックローズ「はぁ~、結構大変だったわね」

シリカ「手伝っていただけて助かりました・・
本当にありがとうございます!」

ピナ「きゅるきゅる~♪」

ストレア「パーティプレイも楽しいね!」


あ、ブラックローズ達だ。

ストレア「おぉ~、カイトじゃん!
ホロウエリアはどうだった!?ワクワクしたよね!ね!?」

会って早々テンション高いなぁ。
良い事でもあったのかな?

シリカ「ストレアさんは特に良い事が無くても、
こんな感じですよ」

苦笑いしながら補足してくれたシリカ。
常に元気を振りまいてる凄い人ですし、と更に付け加える。
つくづくミストラルと似てるね。


まあとにかく、ブラックローズが今いるんだし
ブラックローズにだけでも話しておこうかな・・。


カイト「ブラックローズ、今から大丈夫?」

ブラックローズ「丁度こっちは終わったしね、いいわよ」

シリカ「今回は御2人ともありがとうございました」ペコリ

ストレア「じゃあ今日は解散かな~。
私も行くところあるからまったね~」

そう言うとストレアはパーティを抜けて中央広場の方に行ってしまった。
彼女も目まぐるしく動いてるというか、忙しいなぁ。

シリカも礼を言った後ピナを連れて、商店通りの方に向かった。
そういえば3人で何をしていたんだろう?

カイト「3人で何を・・」


「してたの?」と言い切る前に再び転移門が光った。
また誰かが転移してきたみたいだ。



アスナ「はぁ~・・疲れた」

リーファ「趣味悪いですよ、あれ・・」

シノン「多少の嫌悪感は否定できないわ・・」

ミストラル「にはは~・・大きかったのもそうだけど、
数がインフレしてたねぇ(^_^;)」

疲労が目に見えるアスナ達3人と、
何故か1人だけ調子を失っていないミストラルだった。


・・・どうやら必要な人は揃ったらしい。
こんなにタイミング良く集まるなんて、
まるでゲームの1イベントみたいだ。


カイト「お帰りミストラル」

ミストラル「ありゃりゃ?2人とも帰ってたんだねぇ(^^)」

ブラックローズ「私も今さっきだったし、
正に鉢合わせってとこね」

それにしてもミストラルだけ元気なのは毎度の事だけど、
反対にアスナ達が疲れてる理由は何だろう?

84層ってそんなに辛かったのかな・・。

アスナ「聞いてよカイト君!」

リーファ「現実の犬より大きなアリが
あんなにウジャウジャ来るなんてゾッとしたよぉ・・」


どうやら84層は巨大なアリの巣窟らしい。
それが広いフィールドにちらほらいて、
2、3匹相手なら良かったんだけど・・。


シノン「迷宮区に入ったらまとめて10匹以上寄ってきたのよ・・。
それも大小色んなサイズで・・流石に気持ち悪かったわ・・」


迷宮区の部屋は狭い所もあるし、フィールドに比べて暗い。
パーティ的にも範囲スキルが優秀な人がいなかったのが痛手だったらしい。
おまけに温泉が湧いていて洞窟は暑苦しかったとか。


一気に苦が重なってる層みたいだなぁ。
1つはストレアやブラックローズみたいな人がいれば
解決しそうな事だけど。


アスナ「そうね・・両手剣の使い手の人がいれば、
もうちょっと楽だったかも」

リーファ「あの巨大アリにも
物怖じしなさそうですよね、ストレアさんなら」

シノン「同感ね・・」


疲弊しきった3人は宿に戻ってお風呂に浸かるとの事。
食事以外では数少ない癒しになるからね・・。

まあ、「シノのん、アロマ試してみよっか~」
とかノリノリだったからあんまり心配いらないだろうけど。

ブラックローズ「じゃあ・・揃って暇になったし本命行ってみますか」

アスナ達が宿に戻るのを見送ってから、
ブラックローズが言った。

今回はこの辺で
ではまた次回

本日は更新しようと思ってたのですが
諸事情で平日に回す事にしました

それではまた来週

結局殆ど週末となりましたが
更新していきます

これからは平日の更新が主となるかもしれません


ホロウエリアから戻ってきてあまり間を置かずに、
こうして3人が集まれた。

日を置くのも嫌だし、今すぐ3人で行ってみよう。



早速僕はキリトとホロウエリアに行った時の流れを教えた。
ちょっと意外だったのはこの街の
誰もが使っている転移門から普通に行ける事だった。

ブラックローズ「ふ~ん?
でもホロウエリアなんて行き先・・」

ミストラル「無いよねぇ・・(?_?)」

2人は転移門の操作をしながら呟いた。

当然行った事がある僕にも、
いつも通り77層や80層等の街しか転移先は表示されない。
どうしてキリトだけなのかは本人がよく分かってないから、
当然僕達にも分からない。


試しにキリトがやっていた通り、
「転移、ホロウエリア!」とか言ってみたけど転移門は反応しない。
僕が連れて行ってもらった時キリトは、
特殊な操作をしたとか、裏ワザを使ったとかはしていなかった。


つまり現状キリトが行っている方法では、
僕達はホロウエリアに行けないって事だ。


カイト「まあ、予想はしてたけどね・・」

ブラックローズ「で、どうするつもり?」

カイト「決まってるよ・・」

転移門からだと僕達はホロウエリアに行けない。
それなら・・。


カイト「僕達は・・僕達にしか出来ない方法で
ホロウエリアに行こう」


アークソフィア 商店通り 路地裏


商店通りに何故か木材が置かれている、
路地裏に僕達は来ていた。

正直な所何に使うのか用途が分からない木材しかない。
少し暗いし殆ど意味はないから基本誰も来ない場所。


マク・アヌで僕がエルクやミアに会った、
あの行き止まりの水路のような場所に似てると思う。


これからやろうとしてることは
ハッキリ言ってしまうとあまり良くない事だ。
この世界に負荷が起きないと良いけど・・。


ミストラル「無事に行けると良いねぇ・・(^_^;)」

ブラックローズ「そもそもこっち(SAO)に来れたくらいよ?
行き先は同じゲーム内だし余裕じゃないかしら?」


ブラックローズの言う事はもっともだった。
The WorldからSAOに転移できた時点で、
この手段が使えると思いついたのは自然だったから。


カイト「問題は更に変な所に行かないと良いんだけど・・
ってくらいだね」

ブラックローズ「・・さらっと怖い事言わないでくれる?」

カイト「(笑)」


これが正しい使い方なのか。
正しい道なのかは分からないけど、
とにかく今はやってみるしかない。

カイト「じゃ、行くよ」

2人が頷くと、僕は右手を掲げた。
つい先日不発で終わった、
あの腕輪のもう1つの使用法。


カイト「えっと、この場合は・・
エリアハッキング、ホロウエリア!」


腕輪が僕の選択によって起動した。
何度もエリアのプロテクトを解除した時のように。


The Worldでのゲートハッキングの時とは、
少し違う結果だった。


まず、腕輪の起動と共に変わる周りの背景。
いつも見えた奇妙な文字列の空間に囲まれるのではなく・・。


カイト「(電子的な・・通路?)」
ゲームではキャラクターが立ったり
触ったりするためのグラフィックがある。

草が生えた地面や石の壁とかだ。


当然壁を壊して向こう側に行く事は出来ない。
表面的には触れられるけど、
当然中までは干渉できないのが常識だ。


今僕達はそういう本来干渉できない
データの裏側を通ってるみたいだった。


貫通できない街の壁やオブジェクト、プレイヤーにモンスター。
山やダンジョン最深部とか。

そういう境界を全て無視した、裏のルート・・なのかもしれない。



通路だと思ったのは、
行く先がぼんやりと円形に見えていたからだ。

でも、終わりは見えず
青がベースで筋状の光が目立つトンネルは続く・・。


ブラックローズ「これ・・ホントに目的地に続いてるんでしょうね!?」

ブラックローズが至極もっともな不安を叫んだ。
腕輪に導かれるように進んでいるから、
浮遊しながらだけど。


カイト「多分・・!」

腕輪で行こうと思ったのは、
そもそもアウラが僕達をここに来させる手段として
腕輪を使った事が要素の1つだった。

ミアやヘルバに教えてもらったような使い方じゃない。
多分ゲートハッキングの要領を応用したんだろう。



そしてもう1つ。
ホロウエリアに行けるのは現状キリトだけという点。


彼だけが何かしらの条件を満たしているから、
唯一ホロウエリアに行ける。
つまりある種の制限があるのかも、と。


そしてそういう制限、プロテクトをすり抜けるなら、腕輪の十八番。
だから腕輪でホロウエリアに行けると思ったけど・・。


ミストラル「ほぇ~、レアな光景だねぇ(゜o゜)」

この人には本当に緊張感無いのかなぁ・・。
今でさえこの通路の光景をレアと思えるんだから。


次第に行き先を満たしていた白い光が薄くなると、
ある場所が見えた。


ほんの小さな窓のようなものからだけど、
向こう側にはあれが見えた。

あの、紺色をベースにした無機質で奇妙な空間。


カイト「管理区だ・・!」

僕達は管理区がわずかに見える
小さな穴のような所で止まった。


ブラックローズ「管理区?」

僕は2人に、ホロウエリアの安全圏だと簡単に教えた。
キリトがホロウエリア散策前に必ず行くところで、
行き先を選択できる所でもあると。

通ろうとすると、透明な壁が邪魔となった。
僕は深く考えず腕輪が付いている右手で壁を殴る。

ガッ

透明な壁にはヒビが入り、
すぐに人が通れるほどまでに開いて
中に入る事が出来るようになった。

ということでこれで先週の分は終わりです
次の更新は来週の平日を予定してます

それでは

少し間が空きましたが、
本日の22時以降更新予定です

それでは後ほど


ヴゥ・・ン

裂け目を通った際奇妙な音がした。
データの乱れかな?

侵入口は球体状の管理区の上の方に出来ていて、
通った後僕達は床へと着地した。


衝撃緩和の為に曲げた膝を伸ばしてから、
僕は振り返って侵入口を仰ぎ見る。


管理区の壁の穴はよく見ると
機械的なピースが砕かれたようになっていた。
でも一時的な物だったのか、
穴の枠から塞がり始めている。


その内塞がって元通りになるだろう。


管理区に初めて来た2人はさっきの僕のように
辺りを見回している。安全圏と言ったら普通は街だから、
街と比較しながら色々思う所があるに違いない。



僕も改めて辺りを見回してみる。

さっき来た所と寸分の違いも無い。
間違いなくホロウエリア管理区だ。


コンソールに近づいて操作すると、
こっちは問題なく弄る事が出来た。


フィリアが管理区から転移出来ていたんだから、
僕達も転移可能のはずだ。


ひとまずさっきキリトから教えてもらった、
ホロウエリアでの事を僕は2人に伝えた。


管理区から各エリアの転移石がある場所に行ける事。
逆に管理区に戻るためにも、一旦転移石の所まで戻らなければいけない事。


そして最も大事なのが、
敵モンスターのレベルと種類にはバラつきがある事。

遠くから敵のレベルは知る事が出来るから、
考えなしに挑まなければ大丈夫だ。


ブラックローズ「ひとまずどこに行くわけ?」


僕が映したホロウエリアのマップを見ながら
ブラックローズが聞いてきた。


カイト「キリト達はここの樹海エリアから左に・・
浮遊遺跡エリアに行くって言ってたよ」

ミストラル「私達も後を追っちゃう~(?_?)」

それも1つの手だったけど、
折角ホロウエリアに来たなら・・。


カイト「ここを知るならキリト達と同じ道を行くのは・・」

ブラックローズ「非効率、ね・・」


ということで僕達はキリトと逆。
樹海エリアから右下にある異界エリアに行くことに決めた。


-セルベンティスの樹海エリア-

セルベンティスの神殿前広場


ブラックローズ「ここがホロウエリアね・・」

ミストラル「ほぇ~、何て言うか大きいねぇ(゜o゜)」


僕達が管理区からまず来たのはこの神殿前だった。
ついさっき僕も、そしてかつてキリトでさえも初めて来た場所。

ミストラルが大きいって言ったのは、
多分周りの植物や背景のオブジェクトの事だろう。


アインクラッドの方では敵を除けば
こんな大きい花は見かけなかったし、
大樹がこんなにも多く目の前にある。


広場と言うだけあって整った道は無いらしく、
まるでこの辺り一帯の空間を樹が避けているみたいだった。


谷底への道があるのは知っていたから、
僕は2人をそっちへ連れて行く。


この広場では遺跡の残骸と敵である骨の剣士が目立つけど、
やっぱり視線が集まるのは巨大な神殿だった。


神殿から離れて森が途切れている方に近づくと、
前方の遥か上空に光の渦が伸びている妙な球体が。
振り返って森の方を見ると例の神殿の巨大さが分かった。


たった数m歩いただけで、
骨の剣士が目立っていたのに巨大なクモの様な敵や、
オークの敵へと種類が変わっている。


今の所レベルの問題は無さそうだ。

ブラックローズ「このまま下に降りるのかぁ。
まあ樹海から異界だから、雰囲気が変わる演出かしら?」


さっき僕がキリトと行ったのとは別方向へと進んでいく。
さっきはあの巨大な神殿内部とか、
騎士の敵が沢山いる待機所に行ったけど、
この先は僕も知らない所だ。

広場から谷底のような所に下りると、
いかにも道と言える所へ出た。


ミストラル「この街道を抜けて~、
異界からの隧道って所から別のエリアに行けるみたいだねぇ(^^)」


この街道にはオークと蜂の敵が多くいた。
レベルも大したことは無く次々と倒せたけど・・。

カイト「うわ・・」

敵のリポップは速く、
いつまでも戦うわけにはいかないみたいだった。

予めマップが出来ているためか、
ここからまた分岐があるのが分かった。
にしても・・。

カイト「転移石が・・ここに?」


2つ目に見つけた無視する分岐の近くに、
転移石を示すマークがあった。
でも明らかに壁の中にあるように見えるけど・・。


ブラックローズ「・・あれじゃない?」

ブラックローズが上を指差し、僕は目で追った。
するとかなり上の方だったけど
岩肌の途中にまるで休憩所のような開けている場所があり
少しだけ黒い転移石が見えた。


ミストラル「きっとさっきあった道から行けるんじゃないのん(^^)」


ミストラルの意見に納得しつつ、
僕達はこの街道の最深部である場所へ着いた。
この先から異界エリアに行けるはずだ。


異界からの隧道


隧道というのは少し不吉な道の事で、
ザックリいうと棺を埋めるため地中を掘り下げた墓穴への道らしい。
まあ普通にトンネルという意味にも使われるから、
意味的にはそっちなんだろう。


雰囲気はそこまででもなかったけど、
急に狭くなった気がしたのは確かだった。


さっきまでの広い街道と違って、
元々あった広い道が岩か何かで
無理矢理迂回するようになっている少し窮屈な道。

今回はこの辺で
カイト達による本格的なホロウエリア探索が始まりました

次回更新は土曜を予定してます
それでは

だいぶ遅くなりましたが更新していきます


でも行き先が異界だから、多少不吉な意味も含んでいそうだ。

ブラックローズ「・・・」

ミストラル「ニハハ・・怖がらせちゃったかなぁ(^_^;)」

ブラックローズ「べ、別に・・そんなわけないし!」

隧道についての意味をミストラルが知っていて、
それを語ったらブラックローズの態度が少し変わっていた。
お化けとか苦手って言ってたし無理もないか・・。


カイト「あ・・でもある意味不吉かも」

ブラックローズ「な、何が・・!?」

カイト「・・敵」


僕が指差した先には赤紫色の球体の敵がいた。
手も足も見当たらず宙に浮いている。

身の丈だけでかなりの大きさの球体は、
クルリと進む方向を変えこっちを向いた。

ブラックローズ「気持ち悪・・」


その球体に手は無かったけど、
まるで大蛇のように噛みついてくる、
何本もの触手があった。
そしてその触手の中心には黄色い膜と、
赤い瞳の巨大な眼球。


カイト「デスアイ・・レベル140か・・」


改めて敵の全体を見ると、
あまりにも巨大なモンスターの目と周りの肉が独立して、
そこから触手が生えたような敵だった。


もしかしたらキリトがこっちに来なかったのは、
この敵が理由だったのかも。


ミストラル「初めて見る敵だし技のパターンや、
モーション分かんないから本来避けるべきなんだろうけど~(-_- )」

カイト「道も狭いし、戦わないとまずいかな・・」

ブラックローズ「気が進まないわね・・」


表面が凸凹しているのも気持ち悪い理由なんだろうな。
僕としてもあまり気乗りしない。

それでも通るには倒すのがベストだろう。
付いてこられるのも面倒だし。


カイト「せいっ!」

掛け声と共にまずは第1撃を当てる。
巨大な目玉の敵、デスアイとの戦闘が始まった。



触手はたくさんあるけど、
実際に攻撃に使うのは4本程度らしい。


大きいだけあってHPは削りづらいけど、
攻撃の間隔は遅いし過激な攻撃とは言えなかった。


でもそれは通常攻撃のみの話。

”ブラッディラッシュ”という技は、触手による連続攻撃だった。
おまけにSP減少状態になっている事に気付くのが遅れて・・。


ブラックローズ「え・・スキル使えないじゃない!?」


なんて事態に・・。

ミストラル「う~ん、攻撃付随のデバフは
予想しづらいねぇ・・(^_^;)」


幸いミストラルは後方で、SP減少状態にならなかったから
僕達のデバフの解消には掛からなかった。


状態を持ち直して攻撃を繰り返していると、
SPの値が戻りつつある・・。

ブラックローズ「デスブリング!」

カイト「舞武!」


出会ったばかりの種の敵のパターンは、
まだ把握しきれてない。
密着し続けるのは危険だと思い、
2人同時に即出し終わるスキルを放つ!


ブラックローズのスキルは、The Worldの頃からあった
宙で回転してから大剣を一気に振り下ろす大技だった。


敵の体力が半分近くになってきたところで、

”イビルレーザー”

と表示された。

カイト「(これは・・)」


82層のフロアボスとの戦いが思い出された。
技名的に遠距離攻撃が来るはずだ。

2人も直感で分かったようで、
敵の向く前方にいないよう動く。


ヴィイイイイイーーーー・・!


辛うじて誰もレーザーに当たる事は無かった。
多分今の攻撃も何らかのデバフがあったに違いない。

ブラックローズ「カイト、もうちょいよ!」

カイト「!」

ブラックローズの発言と共に、
僕は一気に距離を詰めた。
彼女が追いつく前にまずは・・。


カイト「疾風双刄!」

触手ではなく中心の眼に、
3撃のソードスキルを叩き込んだ。


ブラックローズ「カラミティ・・!」

カイト「虎輪刃・・!」

あと少しの敵の体力を、
多段ヒットするスキルで一気に削りきった。


デスアイは悶えるような動きの途中で
青いデータ片となって消えた。


ミストラル「お疲れぇ~(^o^)」

後方に控えていたミストラルが寄ってきて、
SPとHPの回復を促してくれた。


ブラックローズ「気持ち悪かったけど、
そこまでの強敵じゃなかったわね」

カイト「経験値も高いし・・良い稼ぎ場になるかもよ?」

ブラックローズ「・・出来れば他の敵がいいわね」


そんな戦闘後の歓談を済ました矢先・・。


ブラックローズ「・・・」

カイト「(汗)」

ミストラル「まだいたんだねぇ・・(^_^;)」


僕達の進む先には今さっき倒したのと、
寸分変わらない敵がいた・・。

今週はこの辺で
それではまた来週~

諸事情で暫く更新できずすみませんでした
明日の土曜には更新できると思います


ブラックローズが悪態を吐きながらも、
僕達は多少の時間を掛けて2体目のデスアイと戦った。


流石に2回目だけあってパターンは分かりつつある。
そこまで技の種類が多く無いので、
苦労はしなかったけどボス戦の連続みたいでちょっと辛い。


ブラックローズ「もう・・いないわよね?」

かなりうんざりしたように呻くブラックローズ。
強いってよりも心底見た目が嫌になったんだろうなぁ・・。


あの八相ですら無機質だったから良かったけど、
こっちはかなり生々しいから・・。

カイト「もう洞窟の入り口が見えるし、大丈夫だよきっと」


少し先の岩山に洞窟が見えた。
あそこから異界エリアになるはずだ。

ミストラル「あの中にもいなきゃいいけどねぇ(^_^;)」

カイト「・・否定できないなぁ」(苦笑)

ブラックローズ「・・帰っていい?」


ミストラルの余計な一言で、
帰りそうになったブラックローズを引き留めつつ、
僕達は洞窟の入り口に近づいた。

だけど・・。

カイト「・・あれ?」

ブラックローズ「・・何よ?」

カイト「・・・通れない」


何故か僕達は洞窟に入れなかった・・。


通ろうとしても奇妙な模様が描かれた、
黄色い円形の壁に阻まれ何のアクションも意味を成さなかった。
道中に鍵とか、スイッチみたいなのは無かったはず。

つまりこれは・・。


ブラックローズ「はぁっ!?
折角必死こいて目玉の敵倒したってのに、
まさか帰るしかないっての!?」


ブラックローズが大声で僕の思っている事を叫んでくれた。
これがキリトがこっちに来なかった本当の理由なんだろう。
敵が強い云々じゃなくて物理的に来れなかったんだ。


そういえば・・。


カイト「キリト、封印を解除して
バステアゲートに行くって言ってたっけ」

ミストラル「じゃあ、これがその封印って事~?(?_?)」

カイト「多分・・」


どうやら別のエリアに行くには封印を解除しないといけないらしい。
樹海エリアからは、確か浮遊遺跡とか言う方への
封印しか開かなかったんだろう。
解除方法はキリトしか知らないんだろうけど・・。


ブラックローズ「って事は・・私達、
こっちに来てもキリトが封印解かないと、
まともにエリア回れないんじゃないの?」


カイト「樹海エリアだけは回れると思うけど・・」

ブラックローズ「ボス倒されてるエリアなんかどーでもいいわよ・・」


実際ブラックローズの言う通り、
樹海エリアについてはキリトからいくらでも聞ける。
わざわざ時間を使って回る必要は無いはずだ。

だとすると僕達がここに来た意味って・・。

カイト「う~ん・・これは本当に」

ミストラル「骨折り損のくたびれもうけだねぇ・・(-.-)」

しかも追い打ちをかけるように、
後ろではデスアイがリポップしていた。
普通に歩いて戻るならまた戦わないといけないみたいだ。
まあ、転移結晶を大量に持ってるミストラルがいれば平気だろうけど。


でもこっちに来た意味は殆ど無かったかな。
せっかく腕輪まで使ったのに・・。


あ・・。

カイト「・・そっか」

ブラックローズ「なに~?名案でも浮かんだの?」

カイト「うん」

ブラックローズ「ああ、そうね・・はいはい。
・・・・・・・って、なんですとぉ~!?」

確証はないけどやる価値はあるよ、
と、前置きして僕は再び封印の前に立った。

右手を掲げて・・。


ブラックローズ「あ・・」

ミストラル「ほほぉ~、なるほどねぇ(*^_^*)」


絶対に出来るとは思ってなかった。
だけど、アークソフィアからこっちに来るために
この腕輪は機能してくれた。

ならきっと、この封印も開けられるはず・・。


カイト「・・ゲートハッキング!」


ヒィィィィン・・といつも通り腕輪が輝く。
そして照準は自動的に目の前の封印へ向かい・・。


Protect Break!!


何かが砕けるような音が響くと、
洞窟を塞いでいた封印は・・。


ミストラル「おお~、お見事ぉ\(^o^)/」



見事に消えていた。


これで引き返す必要もなく、
とんでもない裏技の連発で僕達のホロウエリア探索は
キリト達とは逆方向に始まった。


-異界エリア-
騎士を目指して進んだ地下通路


異界エリアと言うだけあって洞窟内は雰囲気が違った。
洞窟内だから狭いとか暗いのは当然だとしても、
壁や地面の色が毒々しい紫色だった。


一応さっきのデスアイの時の事を考えて、
出会う敵はレベルを調べながら進んでいる。


少し進むと道が3つに分かれていて、
それぞれ先にいるいる敵で道を選ぶことにした結果。
左右の道はかなり危険で、
どちらもレベルだけでなく数が多くて後回しにした方が良いと思われた。


そして最終的に選んだ真ん中の道は、
大した敵もいなくてあっという間に外に出られるみたいだ。



ブラックローズ「やっと外ね!」

暗いのが苦手なブラックローズが真っ先に洞窟から外へ出た。
僕達も後を追わないと・・。


洞窟の外へ出て最初にブラックローズが
呟いた感想は・・。

ブラックローズ「・・外も微妙」


確かに外には出たけど・・、
洞窟内よりも一層不気味だった。



アレバストの闇沼地


考えてみればこのエリア、
洞窟の外こそ異界の本当の姿と言えるのかもしれない。

地面は青黒く目の前の沼地は、
入ったらダメージを受けそうだ。

空は奇妙な紫色で明るく、
これから朝なのか夜なのかも微妙な感じ・・。
現実だといつもと違う異様な夕焼けに似てる、のかなぁ。

今週はこの辺で

それではまた来週

先週更新しようと思っていた分を
今からやろうと思います


この位置からは、どうやら沼の上にある
巨大な葉を渡らないといけないみたい。

でも簡単に通れるわけでもないようで・・。


ブラックローズ「こんなとこにも敵がいるのね・・」


巨大な蓮のような葉の上にはスライムや
青い蜘蛛の敵がいた。
葉は陸地まで続いていて、その先には
見た事のないタイプの敵が沢山いる。


何に似てるとは言い表しにくいけど、
強いて言うならナナフシとかシャチホコガの幼虫みたいだ。
ブラックローズが苦手そう・・。


調べてみるとどうやらレベル自体はそこまででもない。
けど、沼地だけあって数はかなりいる。


一定の場所で集まりすぎないうちに、
一気に倒して行った方が後で困らないかな・・。
とはいえ僕達が今最も苦手なのは、
複数の敵を相手にすることで、おまけに有効な手段が少ない事だ。


あの変な虫の敵以外は攻撃が大体分かるから、
あれだけは注意しておこう。


ブラックローズ「こんのおおおおお・・!」


ブゥン・・!と、ブラックローズの大剣が振り回され、
複数の敵に一気にダメージが通った。


ここまで減っていれば僕の1撃でも充分倒せる。

カイト「せいっ!」


斬撃を加えても液体であるスライムには、
あまり斬ったという実感が湧かない。
それでもダメージは通っていつも通り撃破となるけど、
そんな感触まで再現されるなんて今更だけど凄い。


葉の上にいた敵は一掃できた。
次は陸にいるあの虫の敵だ。


ミストラル「どんな技使ってくるのかなぁ・・(^_^;)」

ブラックローズ「うぅ・・嫌な予感しかしないわ」


ここまで減っていれば僕の1撃でも充分倒せる。

カイト「せいっ!」


斬撃を加えても液体であるスライムには、
あまり斬ったという実感が湧かない。
それでもダメージは通っていつも通り撃破となるけど、
そんな感覚まで実感できるなんて今更だけど凄い。


葉の上にいた敵は一掃できた。
次は陸にいるあの虫の敵だ。


ミストラル「どんな技使ってくるのかなぁ・・(^_^;)」

ブラックローズ「うぅ・・嫌な予感しかしないわ」

あ、連投してしまった
>>959は無視してください


案の定ブラックローズの予感が当たったのか、
この敵は緑色の液体を吐いてきて毒にしようとしてきた。


ブラックローズ「虫の液体とか最っ低・・!!」


液体が掛かって振り払いながらブラックローズが叫んだ。
まあ既に2人とも毒になった後だから、
殆ど意味はないんだけど、これは気持ちの問題かな。


毒自体はミストラルによってすぐ消す事が出来たけど、
さっさと倒さないとまた毒にされかねない。


僕だってまたあんなブレスは浴びたくない。


ブラックローズ「たぁっ!!」

カイト「はぁっ!」


ブラックローズが赤い虫の頭部に、
僕が胴体に1撃を入れそれぞれクリティカルヒットとなった。
お陰で見事撃破は出来たけど、これは1体目。

この先にはまだまだいた。
あまりにも密集している所は避けて通る事に。



今までの道に比べてここは開けた場所。
だから注意深く周りを見てたのか
ミストラルが変な物に気付いた。


ミストラル「ありゃ?あれ何かなぁ~(?_?)」

ミストラルが見ていたのは進んでいる方向とは、
全く違っている方だった。
つまり虫が多いから避けようと思った方。

因みに僕が見つけたのはゴブリン系の敵がいたってくらいだ。

カイト「?」


ミストラルが見ていた方を見ても、
何か目立った物は無いようだけど・・。


ミストラル「ほらぁ、あれだよ~(゜o゜)」


ミストラルが指差す方をよく見ると、
確かに変な物があった。
この異界エリアには奇妙な植物があるみたいだけど、
それに混じるかのように・・それはあった。


カイト「何あれ・・ツボ?」

ミストラル「植物みたいだけど~、
動いてるようにも見えるんだよねぇ(^_^;)」


気になるオブジェクトを見つけつつ、
僕達はここに来た洞窟の出口から沼の反対側に着いた。
ここからだと先にある2つの道、どちらにも近い。


どっちに行くべきかも迷う所だけど・・。


ブラックローズ「これって・・転移石よね?」

すぐ近くには、樹海エリアに来る時に使った
あの青黒い転移石と殆ど同一のものがあった。



けどアークソフィアからホロウエリアに来る時と同様、
キリトにしかこれを起動させる事は出来ないみたいだ。
僕が触れても何のアクションも起きない。


確か転移石がある場所はいくつも
ホロウエリア全体にあったはず。
となると・・。


カイト「帰りは結晶で良いとしても、
行きはキリトが使えるようにした所からだけ・・?」

ブラックローズ「なら、行けるとこまで行った方が良いわね・・」


この1回でどこまで行けるんだろう。
というよりはどこまで行くのが「成果があった」
と言えるのだろうか・・。


ミストラル「とりあえずレアゲットまで!(*^_^*)」

ブラックローズ「フロアボス並みの大ボスと戦うまでとか?」

カイト「エリアの謎が分かるまで・・?」(汗)


それぞれの基準がバラバラ・・。
しかも問題なのは1つだけ、目標が凄く曖昧な事だ。

そもそもどうやったらエリアの謎が分かるのか、
それすらも分かっていないのに・・。


ブラックローズ「でもレアアイテムゲットまでって言っても、
ミストラルが基準じゃキリがないわね・・」

カイト「・・確かに」

ミストラル「えへへ~、具体的には100くらいは欲しいねぇ(^o^)」

カイト「・・それは止めとこうか」(苦笑)

ブラックローズ「同感・・」

今回はこの辺で
それと今月はもう諸事情で更新できません
ご了承ください

それでは

少し間が空きましたが
来週から再開予定です

久しぶりに更新していきます


ということで、ひとまずの目標としては
キリトが言っていたエリアボスというのを探してみる事になった。

どんな所でもボスを倒せば何かしらの進展があるのは間違いないし。


でもエリアボスってどこにいるんだろう?
階層の方では迷宮区を抜けて、
ボス部屋が堂々とあったけど・・。


ここは迷宮区があった塔のように部屋って感じじゃない。
となるとボス専用の場所があるはずだ。


確か樹海エリアではあの最初の神殿にボスがいるって言ってたし、
この異界エリアにもいかにもボスがいそうな場所があるはずだけど・・。


ミストラル「う~ん・・名前的に、
『女王の・・』とか『王族の・・』って言うのが怪しい