男「安価で女の子と付き合う」 (229)

安価スレ始めて

誤字脱字

以上がOKな方で

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男「ふふ、今年のクリスマスも一人っきりか……」

男「まぁ、大学にも行かずに23にもなってフリーターしてプラプラしてるような男に彼女なんて出来ないか」

男「……」

男「でも、彼女ほしいなぁ」

男「よし、こうなったらいっちょ頑張って彼女を作ってみるか!」

男「じゃあ、彼女を作るためにまずは下1をしてみよう」

男「おっしゃ! じゃあ彼女を作るために援助交際でもするか!」

男「ふへへ、最初は金で釣ってそのあと俺の魅力で彼女にしてみせるぜ」

男「でも、俺はしがないフリーター」

男「とてもじゃないが援助交際一回は出来てもその後が続かないだろうなぁ」

男「仕方ないから別の方法を考えよう」

男「じゃあ、下1をやってみよう!」

男「自分磨きをしよう!」

男「そうだ! 俺には魅力がない!」

男「金もなけりゃ学もない。容姿だってよくない」

男「これじゃあ、女はよってこないよな」

男「じゃあ、自分を磨くために下1をしようかな」

男「強盗……そうだ強盗だ!」

男「俺には度胸が足りない!」

男「強盗の一つできずになにが男だ!」

男「俺は強盗をして男を磨くぜ!」

男「でも強盗って言っても色々と種類があるよな」

男「なにをすればいいんだ?」

下1

男「銀行、だな」

男「うん、金も手に入るし一石二鳥だ!」

男「でも、強盗をするには脅すための武器がいる」

男「なにを使おうか?」

下1

男「折角だから俺は台所にあったお袋の包丁を使うぜ!」

男「ふへへ、こいつぁいい包丁だァ」

男「脅すにぴったりのアイテムだぜ」

男「そうだ。銀行強盗をするには変装が必要だ」

男「どんな変装をしようか」

下1

男「ん……こいつは!」

男「よくお袋とオヤジがコスプレプレイで使ってるナース服じゃねーか!」

男「よし、俺はこいつを使ってナースに扮するぜ」

男「こいつを使えば俺がやったとはばれねーだろ」

男「じゃあ、早速明日銀行に強盗に押し入ろう!」

――

翌日

銀行

ヒソヒソヒソヒソ

男(ふへへ、ナース服で銀行に来てやったぜ)

男(周りの視線が集まって……あー、変な性癖に目覚めそうだ)

男(おっといけないいけない。俺は今日強盗をするんだった)

男(鞄の中にはお袋の包丁がしっかり入ってるぜ)

男(さて、じゃあ、どうすっかな)

男(適当にあそこの窓口に座ってる銀行員に刃物を向けてみるかな)

男「……」スタスタ

男「大人しく――」

男「あ……」

銀行員女「? どうかなされましたか?」

男(な、なんて美人なんだ……)

男「あ、いえ……その……」

銀行員女「?」

男(あ、相手が美人だからと言って引き下がるな)

男(俺はここに男磨きをしに来たんだ!)

男「お、俺は銀行ご――」

銀行員女「銀行?」

男「……」

男「いえ……今日は預金通帳を作りに来ました……」

銀行員女「ああ、そうだったんですね! では――」

――

男「ふー」

男「あー、なんて俺は情けない男なんだ」

男「でも、あの銀行員の女の人美人だったなー」

男「ふわふわしててちょっと抜けてそうだけどそこがまた……」

男「ナース服で来た俺に対しても親切にしてくれたし……」

男「そうだ! 俺はあの人と付き合おう!」

男「でも、相手は銀行員。俺は学歴もないフリーター」

男「釣り合うわけがないんだよなぁ」

男「いやいや、弱気になるな」

男「けど、あの人と付き合うにはまずはどうしたらいいんだ?」

下1

母「男~。実はお話があるのー」

男「なんだ」

母「実はお父さんの転勤が決まってね。ここを引っ越さなきゃいけないの」

男「は!? そんなの聞いてないぞ!」

母「ごめんね。決まったことなの……」

男「そ、そんな……」

――

一ヶ月後

男「……」

男(俺は親父の転勤の都合であの銀行から電車で4時間ほど掛かる街まで引っ越してしまった)

男(会いに行こうと思えば会いにいけるが……)

男(なんだか行く気力がなくなってしまった)

男「しょうがない。新しい女を探すか」

男「んー、でもどうやって女を見つけよう」

下1

男「考えても思いつかないや」

男「散歩でもして気分を変えよう」

……

公園

男「ふー、今日もいい天気だな」

男「まぁ、平日だし誰もいないよな」

男「誰も……いないか」

男「そうだ! 誰もいないし下1でもやってみよう!」

男「こう見えても俺は空手の全国大会に出たことがある猛者なんだよなぁ」

男「ふふふ、誰もいないし、久々に空手の型でもやってみるかな」

男「……」ス

シュシュ バシ シュシュ バシ

男「ふー、こんなもんかな」

男「あはは、なんだか久々にやると気持ちがいいな」

幼女「……」

男「あ、あれ? 君、誰?」

幼女「し、ししょー!」

男「はい?」

男(な、なんだこの子……)

男(六歳くらいの子か?)

男(なんでこんな平日の真昼間に)

男(んー、とりあえず下1でもしてみるか)

男「君は空手に興味があるの?」

幼女「からて?」

男「えっとー、武道ってわかるかな?」

幼女「ブドウ?」

男「そっちは果物のほうだね」

男「えっとー、まぁスポーツみたいなものかな?」

幼女「よくわからないけど、きょーみはある!」

男「ああ……そうなんだ」

男(なんか面倒なのに捕まったなぁ)

幼女「ねぇねぇ」

男「ん? なに?」

幼女「からてやればつよくなれる?」

男「んー。まぁ、強くはなれるけど一般人とかには使っちゃダメだからなぁ」

男「まぁ、精神的な強さとかそういうのは手に入れられると思うけど」

男「でも、どちらにしても君みたいな可愛い子じゃ似合わないかも」

男「どうして強くなりたいと思ったの?」

幼女「ままをまもってあげたいから」

男「へぇー……」

男(な、なんか複雑そうな家庭事情キタァー)

男(うぅ……なんか関わっちゃまずいような気がする)

男(でも、とりあえず下1をしよう)

男「お母さんを守ってあげたいの?」

幼女「うん。まま、いつもぱぱにおこられてるの」

幼女「でも、おこりかたがとってもひどくて……」

幼女「だから、わたしがつよくなってままをまもってあげるの!」

男(うぐ……重い、重いよ)

男(ナース服で強盗しようと思った俺が馬鹿みたいじゃないか)

男(でも、この子はきっといい子なんだろうなぁ)

男(俺になにかしてあげられることはないか?)

下1

男(そうだ。児童養護施設へ相談しよう)

男(とてもじゃないが、フリーターの俺には手に負える案件じゃない)

男「君、ちょっと待っててね」

男「お兄さんがお母さんを守ってくれる人を連れてくるから」

幼女「ほんと!?」

男「だから、待っててね」

幼女「うん!」

男(まぁ、児童養護施設に相談すれば、幼女の保護プラス母親に対する旦那のDVもなんとかしてくれんだろ)

男(後のことはその道のプロに任せよう)

――

男(俺はあの後児童養護施設に電話して、施設員を呼んで全てを丸投げした)

男(まぁ、俺には関係のないことだし仕方ないね)

男「よし! じゃあ、今日から気を取り直して彼女を作ろう!」

男「とりあえず下1をするかな」



男「ふー、一日考えたけどなんも思いつかなかったな」

男「ん?」

大人しそうな女子高生「や、やめてください!」

高校生ワルA「おい、早くそいつの口を塞げ!」

高校生ワルB「おう! ふへへ、清楚そうで可愛い子だぜ」

男(なんだあれ?)

ワルA「おい、洋服引き剥がすぞ」

ワルB「了解、了解」

女子高生「んー……!」

男「ちょ、ちょっと!?」

男「女の子になにしてるんだよ!?」

ワルA「ああ? なんだよおっさん。やんのか?」

ワルB「お? なにA? やっちゃう? やっちゃいますか?」

男「いや、別に喧嘩をふっかけたわけじゃ……」

ワルA「おいおい、俺たちのお楽しみを邪魔をした時点で喧嘩売ってんだよ」

男「お楽しみって……女の子に変なことしようとしてただけだろ!?」

ワルB「うるせぇな。大人しくやられてろよ」

男(んー、やり合うのはいいんだけど、その後が怖いなぁ)

男(主に警察的な意味で)

男(ここはサンドバックになるしかないな)

男(んでもって、その後、顔が見えない状況で復讐する)

ワルA「オラァ!」ゴ

男「う……」

男「とりあえず逃げて……」

女子高生「え?」

男「いいから逃げてってば!」

女子高生「は、はい!」タッタッタ

ワルB「オラヨ!」ゴ

男「アガ……」

……

ワルA「あーあ。逃げられちまったよ」

ワルB「おめえのせいだかんな」ペ

男「……」

ワルA「おい行くぞ」

男(あのクソガキどもら覚えておけよ)

男(やばい。立てない)

女子高生「……あ!」タッタッタ

女子高生「大丈夫ですか!?」

男「あれ? なんでここにいるの?」

女子高生「心配になって……戻ってきちゃったんです」

女子高生「すみません、私。見捨てたりなんかしてしまって」

男「いや……別にいいけど」

男「どうしてあんな男達に襲われたりなんかしてたの?」

女子高生「暗闇から急に飛び出てきて……」

男「ああ、そういう感じか」

男「とりあえず、さ。あの子達がどの高校か教えてくれる?」

女子高生「え? 制服から思うに○○学校だと……」

男「そっか。じゃあ、明日辺りお礼にいかないと」

女子高生「だめですよ! あの高校ってここらへんで一番評判が悪い学校なんですよ?」

女子高生「それにあのワルAさんって人」

女子高生「その学校で一番のワルだって噂が立ってるらしいんです」

男「へー。そうなんだ」

男「まぁ、まずは家に帰ろうかな」ス

男「いてて……」

女子高生「あ、動いちゃダメです……」

女子高生「顔も血だらけじゃないですか」

女子高生「私が手当をしてあげるので待っててください」

女子高生「よいしょ……」フキフキ

男(あー、女子高生のハンカチで顔を拭かれている)

男(でも、なんだか恥ずかしいな)

男「もういいよ。ありがとう」ス

女子高生「もう、いいんですか?」

男「おう。へーきへーき」

男「じゃあ、俺、一人で帰るから」

女子高生「あ、あの!」

男「なに?」

女子高生「その……ありがとうございました!」ペコ

男「あーうん。どういたしまして」

女子高生「これ、私の連絡先とお父さんのやってる病院です」

女子高生「念のためうちの病院で検査してもらってください」

男「わかった。ありがとね。それじゃ」スタスタ

――


男「おっしゃー! なんかよくわからないけど美少女高校生のメアドゲット!」

男「ふふ、しかも病院の家の娘ってことは金持ち……」

男「おお、なんて俺はついているんだ!」

男「おっと、いけない。その前にあいつに復讐という名の戦争をしなくちゃな」

男「まぁ、とりあえず顔がばれないようにフルフェイスのヘルメットを被って」

男「後は具体的にどんな復讐をしようかな」

下1

男「そうだ、あいつの家から下着を盗もう」

男「そして、置き手紙をしてあいつの恐怖を煽ろう」

男「ふふふ、そうと決まればあいつの家を特定してやるぜ……」

――

二週間後 夜

ワルA宅前

男「ここがあの女のハウスね……」

男「とりあえず、ベランダに回って」

男「あ、下着発見」

男「ベランダをよじ登り下着回収」

男「んで、置き手紙をして終了っと」

男「ふー、後は明日の朝、ここの近くに陣取ってあいつの反応を見るか」



ワルA「ふわぁ。洗濯物でも取り込むか」

ワルA「全く母ちゃんも人使いが荒いよな」

ワルA「あれ? 俺の下着が足りねーな」

ワルA「ん? なんだこの紙は」


『ワル!ワル!ワル!ワルうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!

あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ワルワルワルぅううぁわぁああああ!!!

あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん

んはぁっ!ワルたんのもじゃもじゃしたパンチパーマクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!

間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!

この前学校の北校舎でトイレをしているワルたんかわいかったよぉ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあ
ああんんっ!!

留年しなくてよかったねワルたん!あぁあああああ!かわいい!ワルたん!かわいい!あっああぁああ!

俺もこのパンツが手に入って嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!』

以下省略

ワルA「う、うわぁあぁぁぁ!」

男(どうやら喜んでくれたみたいだ)


――



男「さて、復讐も終わったな」

男「この後はどうしようかな」

男「とりあえずあの女子高生と関係を深めていきたいけど……」

男「よしじゃあ、下1をしよう!」

母「男~」

男「なんだよ」

母「実はねぇ、お父さん、仕事クビになっちゃったのよ」

男「ファ!? なんでだよ!」

母「なんでもリストラされちゃったらしくて……」

母「だからこの大きな家から引越ししなくちゃいけないの」

男「またか」

母「でも、新しい仕事先は決まったから安心してね」

――

一ヶ月後

男「なんだよ……なんだよここ!」

男「周り山ばっかじゃねーかよ!」

男「これじゃあ、新しい俺のバイト先が見つからねーよ!」

男「まぁ、いい。しばらくはニートだ」

男「とりあえず彼女を作るために下1をしよう」

男「そうだよな。俺もそろそろ独り立ちしないと」

男「いつまでも親の脛を齧ってられない」

母「男……立派になって」ポロポロ

男「ふふ、お袋、泣くなよ」

男「おし、じゃあ、ハロワに行くかな!」

――

ハロワ

男(んー、とは言っても具体的にどんな職がいいかな)

下1

男(そうだ! 土方で働こう!)

男(俺みたいな学のないやつはそれくらいしかできないよな)

男(でも、土方ってDQNが多そうで怖いな)

男(まぁ、なんとかなるだろ)

その後、なんやかんやあって男は土方の職に就くことになる。

――

一ヶ月後

男「親方! これどうします!?」

親方「おう。それは向こうに運んどいてくれ!」

男「はい!」

男(土方の仕事は思ったより楽しかった)

男(給料も良くて、体を動かすから毎日健康だ)

男(心配していたDQNも、喋ってみると思いのほかいい人が多くてびっくりした)

男(むしろ現場監督の方が性格が悪く、付き合うのが難しい)

男(しかし、俺は重要なことをまだ達していなかった)

……

親方「お疲れ様」

男「あ、缶コーヒーありがとうございます」

親方「そういえば、お前、彼女とかはいねーのか?」

男「あはは、いないんですよね」

親方「そうかぁ。まぁ、ゆっくり作れよ」

男「はい!」

男(そうだ、俺はまだ彼女が作れていない)

男(安定している職ではないが、一応職には就けた)

男(今日からまた彼女を作るために頑張らなくてわ!)

男(とりあえず下1をしよう)

男「そうだ! 職場の女をナンパしよう!」

男「とは言っても、女性が少ないんだよな正直」

男「まぁ、とりあえず、ナンパしてみるかな」

――

同僚・相撲取りのような女「男さん」

男「はいなんですか?」

相撲女「ちゃんとヘルメット付けてください」

男「はい。すみません」

一服中

和田アキコのような女「でさー、あたしの彼氏がさ」

男「……」

アキコ「聞いてんのかよ!」

男「あ、はい! 聞いてますよ」

アキコ「ったくよ。ぶん殴んぞ」

男「すいません……」

現場監督・ばばあ「なんで、何回も言っても直せないんですか」

男「はぁ……」

ババア「ったく、なんで私がこんな低脳な土方の相手をしなくちゃ……」

男「すみません……」

ババア「だいたいねぇ、アンタ。私が女だと思って舐めてるんでしょ?」

男「……」

――

男「さってどの女をナンパしようかな……(震え声)」

下1

1 相撲女

2 アキコ

3 ババア

4 ナンパはしない

男「そうだよな。さすがにこのメンバーをナンパするのはないわ」

男「さすがの俺もそこまで落ちぶれちゃいないさ」

男「よしじゃあ、下1をして彼女を作ろう」

――

親方 自宅

親方「おー、今日は飲め飲め」

男「ありがとうございます」

男(結局いいアイディアは出なかったなぁ)

ガチャ

親方「お、娘が帰ってきたか」

男「娘さん、いたんですか?」

娘「あー、また今日もお酒飲んでる!」

娘「もう、お酒は控えてって言ってるでしょ」

親方「悪い悪い」

男(中学生くらいの女の子か。活発そうでいい子っぽいな)

娘「あれ? 誰?」

親方「ああ、うちで働いてる男だ」

男「初めまして」

娘「ああ! いつも父から話は聞いてます!」

娘「すみません、うちの父のようなやかましい人間が上司で」

男「いえいえ、そんなこと」

親方「おう、やかましいとはどういうことだ!」

娘「ホントのことでしょ」

親方「ちげーねーや。わっはっは!」

男(いい家族だな。ああ、なんだか両親が恋しくなってきたぞ)

ガンガンガン!

一同「!」

ヤクザA「親方さーん。しゅーきんでーす」

ヤクザB「笑い声が聞こえたからいるのはわかってんぞー」

親方「ま、まずい」

親方「男、娘と一緒に押し入れに隠れててくれるか?」

男「え? でも――」

娘「こっちです」スタスタ

……

タノミマス モウスコシダケマッテテクダサイ

アー、コッチハドノクライマッテルトオモッテルンダ

イイカゲンニシナイト オタクノムスメサン モラッテイクヨ?

男「ねぇ、これってどういうことなの?」ヒソヒソ

ギュ

娘「……」プルプル

男(俺の洋服の裾掴んでる……そりゃ怖いよね)

……

親方「……」

男「……」

娘「……」

男「あの、家庭の事情に踏み入るのはどうかと思いますけど」

親方「いい、お前にゃあ話すよ」

男「はい……」

親方「実はこいつがまだ、小せえ頃にうちの嫁が家を出て行ったんだよ」

親方「その際にな。闇金にたんまりとお金を借りたんだよ」

親方「んで、俺を保証人にしてたらしくてな」

親方「嫁が消えてからはその借金全部俺が抱えることになっちまったんだ」

娘「……」

親方「まぁ、別に借金を被せられたことはどうでもいいんだよ」

親方「ただ、問題はこいつなんだよ」ポンポン

娘「……」グスン

親方「まだガキの頃に母親いなくなっちまって、んでもってヤクザに追われる日々」

親方「こいつにゃー申し訳ないと思ってる」

娘「お父さんが謝ることないよ!」ギュ

娘「これもあれもそれも、全部お母さんが悪いんだよ」

親方「……」

男「……」

親方「一応、元金は全部払いきってるんだ」

男「借りたお金を全部返したってことですか?」

親方「ああ、そうだ」

親方「ただ、利息がどうしても高くてな」

男「なるほど……」

男「すみません。俺、用事思い出しました」

親方「そうか。悪かったな。みっともないところみせちまって」

娘「すみません……本当に」

男「いえいえ」

男(闇金融……か)

――

ヤクザA「へっへっへ。あの親父バカ真面目にずっと金返してやがるぜ」

ヤクザB「馬鹿だよなぁ。このままだとあの嬢ちゃんも手に入れられるんじゃねーか?」

ヤクザA「ああ、あいつはなかなか見所のある女だ。体売らせれば物凄い儲けが出るだろうな」

ヤクザ親玉「お前達、楽しく話すのはいいが、金はちゃんと回収できたのか?」

ヤクザB「あ、いえ……」

ヤクザ親玉「……!」ブン

ヤクザB「う……!」

ヤクザA「B!?」

ヤクザ親玉「明日、もう一度行ってこい」

ヤクザA「へ、へい……」

コンコン

ヤクザ親玉「客だ。早く起きろ」

ヤクザB「……へい」

ガチャ

男「たのもー!」

ヤクザA「……は?」

ヤクザA「アンタ、お客さん?」

男「拙者、男と申す者でござる!」

ヤクザA「なんだお前」

ヤクザB「すみませんねー。冷やかしなら帰ってもらえませんか?」

ヤクザA「こっちも忙しいんですよ?」

男「拙者も忙しい身でござる」

男「なんせ今日は名古屋城から遠路はるばる――」

ヤクザA「……」イライラ

ヤクザB「……」イライラ

男「どうしてそんなに眉根を寄せているでござるか?」

男「あ、もしかしてカルシウム不足でござるか?」

男「ふふ、だったら拙者の――」

ヤクザA「てめぇ!」

ヤクザ親玉「待て! それだとそいつの思うツボだぞ」

ヤクザA「うぐ……なんで止めるんですか兄貴」

ヤクザ親玉「そいつは俺たちに暴力を振るわせようとしているんだ」

ヤクザ親玉「理由はわからんがな」

男(ダメか)

男(まぁ、こんなの子供騙しだし普通引っかからないよな)

ヤクザ親玉「それで、なんの要件だ」

男「借金をチャラにしてもらいにきました」

男「親方さんっていう人の借金です」

ヤクザA「お前、あいつの知り合いか?」

男「ええ、元金はもう返してるってことなので別に構いませんよね」

ヤクザ親玉「いいわけないだろう」

ヤクザ親玉「こっちも商売でやってるんだ」

男「あの人たちだって生活がかかってるんです」

男「大体、違法な利息じゃないですか」

ヤクザB「てめぇ、あんま調子に乗ってんじゃねぇぞ?」

男(大丈夫。殴ってはこないはず)

男「こっちとしても考えがあります」

男「しっかりと弁護士を立てて徹底抗戦する構えです」

ヤクザ親玉「……」

男「……」

ヤクザ親玉「わかった。うちとしてもあんまりことを荒げたくない」

ヤクザA「いいんですか!?」

ヤクザ親玉「俺がいいといったらいいんだ。それに元金はもう取り戻している」

男「じゃあ、俺の目の前で契約書みたいなのをシュレッダーにかけてください」

ヤクザ親玉「……いいだろう」

――

翌日

親方宅

親方「いやー、なんかよくわかんないけど借金がチャラになってよかったよかった!」

娘「ホントだね!」

親方「なんで急にチャラになったんだろうな」

男「な、なんででしょうね」

男(ここで俺がそういう風に仕向けたって言ったら怒られそうだな)

男(危ないことするな、って)

親方「さぁさぁ、飲め飲め」

男「はい」

……

親方「うー」

娘「お父さん、飲みすぎて寝ちゃった」

男「本当だね。それだけ嬉しかったんだよ」

娘「男さん。ありがとうございました」

男「え?」

娘「男さんがいろいろしてくれたんですよね?」

男「うーん。まぁ」

男「親方には内緒にしておいてね」

娘「ふふふ、お父さんは鈍感だから気づきませんけどね」

娘「……それから、なんですけど」

男「なに?」

娘「これ、私の携帯の電話番号です」

男「携帯持ってたの?」

娘「私はいらないっていったんですけど防犯のために持っておけってお父さんが……」

男「そうだったんだ」

娘「その……なにかあれば気軽に連絡してください!」

娘「それから……私、男さんのこと結構気に入ってます! それじゃあ!」タッタッタ

男「あ、ああ……行っちゃった」

――

男 自宅

男「おお、これがJCの連絡先……」

男「しかも気に入ってるってことは脈アリじゃないのか!?」

男「……」

男「まてまて相手はJC、捕まるぞ。それに親方の娘さんだし」

男「……まぁ、ちょっとくらいはいいよね?」

男「さて、これからなにをしよう」

下1

プルル

ピ

男「もしもし?」

父『もしもし男か? 実は母さんが病気で歩けなくなってしまったんだ』

男「え!? 本当かよ……」

父『ああ、だからお前に介護を頼みたいんだ』

父『俺も年のせいか介護をやる元気がないからな……」

男「……わかったよ。そっちに行く」

父『悪いな』

ピ

男「ああ、どうしていつもこうなんだ!」

男「俺が女の子といい感じになるとすぐ引越し!」

男「世界は俺をどうしたいんだ!」

――

実家

母「男悪いねぇ……」

男「いいよ。こっちでも土方の仕事見つかったし」

母「あんたには迷惑かけるよ」

男「フリーターの頃の俺のほうが迷惑ずっと掛けてたから別にいいよ」

母「すまないねぇ」

男(と、言ってもやっぱり彼女は作りたい)

男(よし、下1をして彼女を作るぞ!)

母「男、ちょっといいかい?」

男「なに?」

母「実はあんたにお見合いの話が来てるんだよ」

男「なんだって!? 俺にお見合い!?」

男「そいつは願ってもないチャンスだぜ!」

母「私の古い友人の娘なんだけどね」

母「とっても可愛くていい子なんだよ」

母「それにその子と結婚すれば私の友人の会社に入社させてもいいって……」

男「まじかよ! 本当にチャンスじゃんか」

男(しかも可愛い子って!)

男「ふふふ、楽しみだぜ」

――
お見合い会場

一室

女子大生「……」

母友人「今日はわざわざありがとうございます」

男「いえ、こちらこそ、母が来れなくて……」

男(わお、本当に若くて可愛い!)

男(肌が白くてちょっと不思議系っぽいけど全然いける!)

母友人「ほら、あなたも挨拶して」

女子大生「……今、宇宙人と通信中だから無理」

男「……」

母友人「……うふふ」

男(不思議系ってより電波系だった!)


母友人「じゃあ、後はお若い二人でゆっくりと」

男(ちょ、ちょっと!? お母さん出て行くの早すぎません?)

男(もっとこう……なんかあるでしょ!)

男(この状況どうすればいいんだよ!)

母友人「それでは」

パタン

男「……」

女子大生「……」

男(と、とりあえず下1をしよう)

男(そういえば、母さんの友達凄い色っぽかったよな)

男(……あー、なんかムラムラしてきた)

……

男「ぐへへ、いいだろ」

母友人「だ、だめよ!」

母友人「私には娘と夫が……」

男「そんなこと言わずに」

母友人「きゃー、やめてー!」

……

男「っと、いけないいけない」

男(ここは自己紹介からの趣味の話でいくかな)

男「俺の名前は男です。あなたは……?」

女子大生「……」

男(うわぁ、大変そうだ)

男「趣味……! 俺の……趣味は……?」

男「えっと、俺の趣味は……下1です」

男「天体観測です」

女子大生「……」

男「あ! 子供っぽいかと思うかもしれませんけど……」

男「その……今のは聞き流してください」

女子大生「星空はいい」

男「え?」

女子大生「嫌なこと全て忘れられる」

女子大生「私も好き。宇宙人との通信の次くらい」

男「へ、へー! そうなんですか」

男(か、会話が成立した?)

男(よし、じゃあこの調子で下1をしてみよう!)

プルル

男「ん? ちょっと待っててください」

女子大生「……」

ピ

男「もしもし」

父『私だ。実は母さんの調子がよくないみたいなんだ」

父『すぐに戻ってきてくれないか?』

男「でも、俺……」

男「いや、わかったよ。帰るよ」

ピ

男「ごめんなさい。実は母親が急に具合が悪くなったとかで」

女子大生「いい。家族は大切」

男(お、また会話出来た)

女子大生「その代わり来週○○駅に来て」

男「え? わ、わかりました」

男(急になんなんだ一体?)

――

一週間後



男「ごめんなさい? 待ちましたか?」

女子大生「……」フルフル

男「あ、よかった。それから敬語じゃなくてタメ語でもいいかな?」

女子大生「……」スタスタ

男(頷かなかったけどOKってことだよな)

女子大生「ついてきて」

男「お、おう……」スタスタ

男(てか、どうして急に呼び出したんだろうな)

男(しかも、向こう大荷物だし)

男(なんだか山登るみたいだな)

男「ねぇ、これからどこ行くの?」

女子大生「星の海を見に行く。ちょうど私も見たかった」

男「星の海?」

女子大生「私のとっておきの場所」

男「?」

――



男「って、なんじゃここは!」

女子大生「……」スタスタ

男「や、山って、俺聞いてないよ!?」

男「服装だって精一杯俺なりにおしゃれして今日来たんだよ!?」

男「実は初めてのデートだったんだぜ!?」

男「それがまさか……」

女子大生「……」スタスタ

男「無視ですかい……」

……



男「あの……もう夜になっちゃったんですけど……」

女子大生「……? 夜のほうがいい」

男「山歩き夜はマズイでしょう……」

女子大生「私の目は地球人のそれじゃない。だから暗闇でも道は見える」

男(ここに来て電波は辛いっす)

……

山 開けた場所

女子大生「着いた」

男「着いた? 着いたってここなんにもない――」

男「お、おお! すげー! 星が綺麗だ!」

女子大生「星の海」

男「星の海ってこれのことだったのか……」

女子大生「準備する」

男「準備って?」

女子大生「望遠鏡」

男「お前の大荷物はそれだったのな……」

……

女子大生「完了。覗いてみて」

男「どれどれー。おーよく見える!」

男「綺麗だなー」

男「前はうちから覗いてたからちょっと違った感覚だな」

男「うん。新鮮だ」

男「お前も覗いてみろよ」

女子大生「いい。私は何度もここで見てる」

男「そうか?」

男「それにしても望遠鏡なしでも本当にいい景色だ」

男「お、ペルセウス座」

男「俺、結構好きなんだよな」

女子大生「ギリシャの神話で大活躍する勇者の星座」

男「やっぱり詳しいんだな」

女子大生「私も好き。宇宙人との通信の次くらいに」

男「……ところでなんなんだ? その宇宙人の通信っていうのわ」

女子大生「詳しくは私の昔いた星の知的生命体との交信」

男「お、おう」

女子大生「私は元々その星で生まれた生命体だった」

女子大生「でも、私は生まれてすぐに大使としてこの地球に送られてきた」

男「えっと、地球侵略者の方ですか?」

女子大生「違う。私は星と地球の架け橋となる存在」

女子大生「交信しているのは日々、私の星に地球がどういう状況になっているのかを報告するため」

男(レベルたけぇ)

男「まぁ、その、頑張れよ」

女子大生「笑わないの?」

男「え?」

女子大生「この話をすると、みんな笑う」

男(そりゃ、笑うだろうな)

男「いや、まぁ、お前がそうだって言うんならそうなんだろう」

男(人の楽しみをとやかく言えないよな)

女子大生「……そう」

女子大生「……ねぇ」

男「ん?」

女子大生「私、ここにあなたを呼んで良かった」ニコ

男「そうだな。俺も来てよかった」

男(笑うと普通の女の子みたいで可愛いんだけどな)

男「そうだ。まずは友達から始めないか?」

女子大生「友達?」

男「ああ。いいだろ?」

女子大生「……」

男「どうしたんだ?」

女子大生「星にいたときもこの地球にも友達とよばれる存在がいたことがない」

女子大生「だから、どうすればいいのかわからない」

男「そ、そうなのか」

男「とりあえず笑っておけよ」

女子大生「……」ニ、ニコォ

男「どうしてさっきは柔和に笑えたのに今は出来ないんだよ」

男「まぁ、いいか」

男「ほら、そろそろ帰ろうぜ」

男「なんの準備もしてない俺はもう寒い」

女子大生「わかった」

――



男「最初はどうなることかと思ったけど、思いのほか可愛いやつだったな」

男「取ろうと思えばコミニケーションもしっかり取れるし」

男「さて、じゃあ次はなにをしようかな」

安価下1

……

母「ごめんね。迷惑かけて」

男「いいよ。でも、元気になってよかったよ」

母「それで、あんたは元住んでた場所に戻るのかい?」

男「一応そのつもり。親方の方にも仕事復帰するって言っちゃったからな」

母「そう……だったら」

男「だったら?」

母「女子大生ちゃーん」

女子大生「……」ス

男「あ、お前!? どうしてこんなところに……」

男「って、また大きな荷物持ってるな」

男「俺と会うたびいつもそんな感じじゃないか?」

母「実はね。女子大生ちゃんの大学があんたの家から近いのよ」

男「え」

母「だからね。大学通ってる間、家に上げてくれない?」

母「まぁ、どうせ結婚するんだから同棲させても問題ないわよね」

男「まてまて、俺らの意思ってものがあるだろ!」

男(そりゃ、俺としては嬉しいけど!)

男「女子大生、お前はどうなんだよ」

女子大生「別に」

男「……お前はそれで本当にいいのか」

――

男 自宅

男「ここが俺の家だ」

女子大生「……狭い」

男「失敬だな」

女子大生「でも、落ち着く」

男「そうですか……」

男「でも、この部屋で二人は狭いよな。それは俺も思っちゃったわ」

男「引越しも考えるか?」

男「でも金が……」

女子大生「私の育ての親に頼もう」

男「別にいいよ。こんなおんボロアパート、すぐに出て行くつもりだし」

女子大生「そう」

男「金は今より頑張ればどうにでもなるしな」

女子大生「家賃の半分は私の家から出す」

男「いいのか?」

女子大生「豊かな生活は大切」

男「そうか……」

ピンポーン

男「お、誰か来たな」

男「ちょっと待っててくれ」

誰が来た? 下1

ガチャ

娘「男さん! 久しぶりです!」

親方「よう、元気にやってたか?」

男「はい。おかげさまで」

親方「今日は復帰祝いでほれ」

男「うわぁ、いいお酒ですね。もらっていいんですか?」

親方「やるよ」

親方「それからほら……」

娘「……」モジモジ

娘「よ、よかったらこれ食べてください!」

男「お弁当?」

娘「はい。今日、男さんが帰ってくるというので頑張って作ってみました!」

男「うわぁ、ありがとう。嬉しいよ」

娘「そ、そうですか……えへへ」

親方「昨日帰って来るって言ったらこいつ血相変えて」

娘「お父さん! そのことは言わないでよ!」

親方「悪い悪い」

女子大生「……誰?」ヒョコ

男「あ、お前出てくんなよ!」

親方「……なんかタイミング悪かったか?」

男「あ、いえ、そんなことは」

娘「……」

親方「じゃあ、俺帰るわ」

親方「いくぞ」

娘「……お父さんは先帰っててくれる?」

親方「え?」

娘「いいから!」

親方「お、おう」

男「む、娘ちゃん?」

娘「……」ジー

女子大生「……?」

娘「す、すみません」

女子大生「……」チラ

男「お前に言ってるみたいだぞ」

娘(すっごく綺麗な人……)

娘(男さんのか、彼女さんかな?)

娘「あの、突然なんですけど……」

娘「あなたはどちら様でしょうか!?」

女子大生「私はモルゴン星からやってきた知的生命体」

女子大生「この地球には大使としてやってきた」

娘(な、なんかよくわからないけど凄い人だ!)

男「い、いや。娘ちゃん、こいつの言ってることは間に受けなくていいから」

娘「そ、そうなんですか?」

女子大生「……」ム

娘「あの……その……だったらちょっとだけ……」モジモジ

娘「男さんの家に上がらせてもらえないかなぁ、なんて!」アハハ

男「それは構わないけど、狭いよ?」

男「それにこいつもいるし」

娘「それは全然構いません! むしろいるから入りたいんです!」

男「そ、そうか」

……

男(家にあげたはいいが……)

娘「……」ジー

女子大生「……」ジー

男(この状況はどうにかならんのか)

男(とりあえず下2でもして場を和ませよう)

男「そうだみんな。引越しそばを食べないか?」

娘「引越しそば?」

女子大生「そば……」

男「そうそう。引越しした際に隣人に配るそばのことだよ」

男「んで、そのそばがほら」

娘「な、なんでこんなにいっぱいあるんですか!?」

男「いや……昔っから俺って引越しが多くってさ」

男「いつもこんぐらい大量のそばがうちにあったんだよ……」フ

娘「あ、あんまりいい思い出じゃないみたいですね……」

男「じゃあ、作るから待っててくれ」

娘「あ、だったら私が作りますよ!」

男「いいの?」

娘「はい!」

男「あ、でも材料が……」

娘「私、買ってきますから!」

女子大生「私も作る」

男「え? お前が?」

女子大生「美味しいそばが食べたくなった」

男「……さいですか」

……

娘「ってなわけで、完成です!」

女子大生「完成」

男「うん。どっちも美味しそうだな」

男(見た目はあんまり変わらないけど)

男「じゃあ、まずは娘ちゃんから」

娘「ど、どうぞ」ドキドキ

ズルル

男「んー、美味しい。家庭料理って感じがなんとも」

娘「あ、ありがとうございます! えへへ、こう見えても料理は毎日お父さんに作ってあげてるんですよ!」

男「次は女子大生のか」

女子大生「……」ボー

男「ちなみに料理経験は?」

女子大生「……どうだったっけ」

男(アカン)

男「ま、まぁ、見た目は普通だし……」

ズルル

男「……」

娘「お、男さん?」

男「どひゃーーー!」バタン

娘「男さん!?」

男「……」ビクンビクン

娘「男さん大丈夫ですか!?」

娘「そんなにまずかったんですか?」

男「ち、違う……うますぎたんだ……」

娘「え?」

男「あまりの美味さに……倒れてしまった……」

男「これは俺の舌には……刺激的すぎる!」

娘「え……えぇ……」

女子大生「食は大切」ズルズルズル

――





男「ふー、あまりの美味さに昇天するところだったぜ」

男「あのあと、娘ちゃんを家に返すの大変だったな」

男「私も泊まりたい! って」

男「さすがにJCうちに泊めたらおじさん捕まっちゃうよ……」

男「でも、今日娘ちゃんと親方が来てくれたのは嬉しかったな」

女子大生「……」スタスタ

男「お風呂出たか?」

女子大生「……」コク

男「そうか」

男(顔と、後会った時はわからなかったけどこいつスタイルがいいんだよな)

男(だから、湯上りの姿を見るとドキドキするぜ)

男(まぁ、いい。とりあえず今度は下2でもするかな)

男「女子大生」

女子大生「……?」

男「暇だからなにか喋らないか?」

男「なんだか、家ではずっと一人だったからテンション上がってるんだよ」

女子大生「喋ること、ない」

男「そんなの探せば色々あるだろ?」

女子大生「対話したことがあまりないから、わからない」

男「そ、そんな淋しいことここでカミングアウトすんなよ……」

女子大生「……ねぇ」

男「お? なんだなんか出てきたか?」

女子大生「あの子は誰だったの?」

男「あの子? 娘ちゃんのこと?」

女子大生「そう」

男「あれはうちの親方の娘だよ」

男「それ以上でもそれ以下でもない」

女子大生「そう。安心した」

男「……?」

男(こいつもしかしてちょっとだけでも娘ちゃんのことが気になったのか?)

男(ま、まぁこいつに限ってそれはないよな)

男「ところでよ」

女子大生「なに?」

男「お前って宇宙人なんだよな?(設定上)」

女子大生「そう」

男「なにか特技みたいのってないのか?」

女子大生「ある」

男「あるのかよ!」

男「例えば?」

女子大生「……念力」

男「……やってみてくれないか?」

女子大生「パワーが不足してるから現状不可能」

男「……いつやってくれる?」

女子大生「パワーが貯まる123年後」

男「なげーよ! 俺死んでるよ!」

男「しかも数字が妙に具体的だな!」

男「他にはできないのか?」

女子大生「他?」

男「ああ、そうだ」

女子大生「他は……下1とか」

男「それは本当か?」

女子大生「箱の中身……で当てる」

男「ちょっと待て。真ん中部分がよく聞き取れなかった」

女子大生「気にしない」

男「いやするだろ」

女子大生「気にしない」

男「アッハイ」

男「じゃあ、試しにあそこに置いてあるダンボール箱の中身を当ててくれよ」

男「結構色んなものが入ってるけど一つだけ当てたらその能力は信じてやるよ」

女子大生「……わかった」

男「ふふーん。本当に当てられるかな?」

女子大生「余裕」

男「じゃあ、答えてみろよ」

女子大生「……」

男(あ、目を閉じて集中し始めた)

女子大生「……」

男「……」

女子大生「ナース……服」

男「ナース服?」

男「おいおい、そんなものがダンボールの中に入ってる訳無いだろ」

女子大生「開けてみて」ムス

男「いいだろう」

男「ってあれ?」

男「ナース服が入ってる!」

男(これは俺の若気の至りに身を任せて強盗をしようとしたときのやつじゃないか!)

女子大生「……」

男「今、『本当に入ってた』って目をしただろ!」

女子大生「してない」

男「しただろ!」

女子大生「これは蔑視」

男「どちらにしても最悪だ!」

男「他にはなにかあるのか?」

女子大生「人の心がわかる」

男「はい、ダウト」

女子大生「……ばれた」

男「そりゃ、ばれるよ」

男「ほら、もうそろそろ寝るぞ」

女子大生「わかった」

ゴソゴソ

女子大生「……」

男「……」

女子大生「さっきの人の心の話の続き」

男「どうした急に」

女子大生「昔は人の心がわかればいいのにって思ったことがある」

男「ああ。それは俺も思ったことがある」

女子大生「でも今は、わからないほうが楽しいと思い始めてきた」

男「それまたどうして」

女子大生「……」

男「なんか言えよ」

女子大生「おやすみ」

男「自分勝手だな……」

男(でも……案外話見ると面白いやつだよなこいつ)

訂正

男(でも、案外話してみると面白いやつだよな。こいつ)

――

男「ふー、今日は俺の休日」

男「家には女子大生がいなくて平和だー」

ピンポーン

男「ん? 誰か来たな?」

下1 誰が来た?

ガチャ

娘「おはようございます!」

男「あ、娘ちゃんおはよう」

男「今日はどうしたの?」

娘「えっと、今日は学校が体育祭の振替休日でおやすみなんです!」

娘「だからえっと……来ちゃいました!」

男「ああ、そうだったんだ」

男「今日は一段と可愛い格好してるね」

娘「ほ、本当ですか!?」

男「うん。とりあえず中入る?」

娘「はい!」

娘(褒められちゃった!)

男「汚いけど上がっちゃって」

娘「はい」

娘「あれ? 今日女子大生さんいないんですか?」

男「ああ。なんでも教授に呼ばれただとかで」

男「まぁ、あいつ。ああ見えて化物レベルで頭いいからな。色々あんだろ」

娘「そ、そうなんですか……」

娘(頭が良くて、料理もできて、スタイルもいい)

娘(それに加えてなんちゃら星の人……)

娘(私の敵は強大すぎる!)

娘(でも、今はチャンスだよね!)

娘(女子大生さんいないってことが今がアピールチャンス!)

娘(んー、でもアピールってどうすればいいんだろう)

娘(そうだ! 下2をしてみよう!)

男(うーん、娘ちゃんが俺に好意があるかも、ってのは最近気づき始めたんだよな)

男(でも、相手は女子中学生。犯罪だよなぁ)

男(いや、いい子だし、後数年待てる自身はあるんだけどよ)

男(まぁ、それでも彼女候補は今のところ女子大生だけだよな)

娘「男さん!」

男「ん? なに?」

娘「恋占いやりませんか!?」

男「恋占い?」

娘「はい、ネットでできるんですよ!」

娘「私の携帯でやってみませんか!?」

男「んー、別に構わないけど」

娘「本当ですか?」

娘「ふふふ、名前を入力するだけで簡単なんですよー」

娘「あ、じゃあ男さんと私の相性とか占ってみます!?」

男「うん。よろしく」

娘「じゃあ、やってみますね」

娘「じゃあ、男さんの名前を入れて」

娘「私の名前を入れる」

男「できそう?」

娘「できました!」

娘「えっとーこんな感じです!」

男「どれどれ」

『決してうまくいくよい相性とは言い切れないの。

そうねえ、二人は一緒にいると好きな気持ちを忘れるほど、お互いのよさを消してしまう相性なのよ。

付き合う前は魅力的に思えていたところが、付き合い始めるとどこにいったのかわからなくなるの。

嫌いになるわけじゃないから、余計に悩む事になるわ。

気持ちがスムーズに通わないのね。だからいつも不安定な気持ちになるの。

うまくやるには、悩んでいる事を相手に伝える事が大切よ。解決はしなくても、気持ちは安定し始めるわ』

娘「……」

男「……」

男「ま、まぁ、所詮占いだしね!」

娘「そ、そうですよね!」

娘「所詮占い、所詮占い……」

娘「あはは……!」

男「あはは……」

ガチャ

女子大生「……? お客?」

娘(ここでタイミングの悪い人が帰ってきてしまった!)

男「ああ、お帰り。娘ちゃんが今来てるんだ」

女子大生「……そう」

娘「あ、そうだ! 今、相性占いをやってたんですけど一緒にやりませんか?」

娘(もしかしたら私より悪い相性が出てくれるかも!)

女子大生「占い……いい響き」

女子大生「やる」

娘「えっと、じゃあ、ここに名前をいれてください」

女子大生「出来た」

娘「どれどれです」

娘「えっと、男さんと女子大生さんの相性は……」

『成長につながるよい相性よ。

特にこの場合は女子さんが男さんと付き合う事で、どんどん人間的に大きくなるわね。

女子さんは初めは自分のコンプレックスに悩むかもしれないわ。

でも、そのときに男さんがしっかり愛情を伝える事で、そんな悩みは乗り越えるはずよ。

それが二人の相性なんだもの。そうねえ、女子さんはどんどん成長して男さんを超えていくの。

そして守ってくれる存在になるわ。この恋のお陰で仕事でも一回り大きくなるでしょうね。

向上心を持てばうまくいく相性よ』

男「……」

娘「……」

女子大生「やった」

娘「占いなんてもう信じません……!」タッタッタ

男「娘ちゃんー! 所詮占いだから。占いだからね!?」

娘(次は……次こそは絶対負けないもん!)

女子大生「どうかしたの?」

男「女心は複雑なんだよ」

女子大生「そう」

――

夜 男 自宅

男「今日は女子大生いないのか」

男「いないとなると妙に寂しいんだよな」

男「まぁ、実家から呼び出されたんだったら仕方ないよな?」

ピンポーン

男「ん、誰だ?」スタスタ

男「あ、俺の家の前にいるこの女の子どっかでみたことあるな……」

男(大人しそうで清楚っぽくて。そう。大和撫子っぽい子)

男「ああ、あのとき助けた女子高生だ!」

男「え でもなんでここを知ってるんだ?」

ガチャ

男「久しぶり」

女子高生「夜分遅くにすみません」

女子高生「その……私のこと覚えていますか?」

男「覚えてる覚えてる」

女子高生「よかったです」ニコ

男(んー、来てくれたけどとりあえずどうしようかな)

下1

男「とりあえず、家に入りなよ」

女子高生「いいんですか?」

男「いいよ」

男「外も寒いことだしね」

女子高生「では、お言葉に甘えて」

……

男「紅茶しかないけどいいかな?」

女子高生「構いませんよ」

男(悪いな女子大生。お前が愛用してる紅茶を少しもらうぜ)

男「ところで、どうしてこんな夜遅くに?」

男「あそこからここまでって相当時間かかるでしょ」

女子高生「いえ、私もここの付近に引越ししてきたんですよ」

男「引越し? それまた偶然な」

男「それで、どうして俺の家に来たんだ?」

女子高生「その……心配になったんです」

女子高生「あれからうちには来てくれませんし、連絡もなかったので……」

男「ああ、それで」

男「悪かったな。あの後、すぐに引っ越ししちゃったんだよ」

男「その後も何度か……」

女子高生「いえ、知ってます」

男「あ、うん」

男(なんで知ってるんだ?)

ちょっとだけ風呂

女子高生「それから……私、どうしてもあなたに会いたくなっちゃったんです」ポ

女子高生「あのとき私を助けてくれた映像がずっと頭をよぎって……」

女子高生「それで、あなたのことを考えれば考えるほどどんどんあなたを好きになっていって……」

男「ん?」

女子高生「もう、絶対私の運命の王子様だって思ったんです!」

女子高生「でも……男さんはそうじゃなかったみたいです」

女子高生「女子大生さんとここで同棲しますよね?」

男「ヒエ……なんで知ってるんだよ……」

女子高生「やっぱりそうなんですか……」

女子高生「……私じゃダメですか?」

男「え!?」

女子高生「女子大生さんじゃなくて私を選んでくれませんか!?」

男「いや、それは……」

女子高生「お願いします! 私、あながた望む事ならなんでもします」

男「え? なんでも?」

女子高生「だから、私を彼女にしてください!」

男「ええ」

男(ど、どうしよう)

下1

男「ごめん。俺は女子大生のことが好きなんだ」

男(今はこう言って逃れよう)

男(なんか、怖いし)

女子高生「……」

女子高生「だったら仕方ありません」

ガチャ

男「ふぁ!? 手錠、手錠ナンデ!?」

女子高生「こうなったら仕方がありません」

女子高生「少しやり方が強引ですけどあなたを私のものにします」

男「強引ってレベルじゃねぇーぞ!」

女子高生「大丈夫です。あなたはなにも心配しないでください」

女子高生「家の家事は全部私がやりますし、お金だって私が運んできます」

女子高生「性処理だって……その……恥ずかしいですけど頑張ります」

女子高生「でも、その代わり条件としてあなたは一歩も家から出てはいけません」

男「条件厳しすぎませんか!?」

男(く、どうするか)

男(このままだと、俺は家畜同然のような生活を送るハメになるかもしれない)

男(ここは下1で乗り切ろう!)

男(そうだ! 手錠を壊そう!)

男(こんなのどうせ百均かなんかで買った……)ガン

男「あ、あれ?」

女子高生「ふふ、簡単には壊れませんよ。さすがSmith & Wessonの手錠です」

男「な、なんでそんなものが!?」

男「そんなもの普通買えないだろ!」

女子高生「通販で売ってたんです」

男「嘘つけ!」

女子高生「大丈夫ですよ。痛くしませんから」ニコニコ

男「や、やめろ……なにをするんだ!?」

女子高生「おやすみなさい」

男「う、うわぁぁぁぁ!」

プシュー

――

次の日

男 家

ガチャ

女子大生「……」スタスタ

女子大生「……」キョロキョロ

女子大生「仕事?」



――

女子高生 マンション

男「ん、んー」

男「ここは、どこだ?」

男「確か俺は女子高生に……」

男「そうだ! 早くここから!」

ガチャガチャ

男「くそ! ベッドのパイプの部分と手が手錠でつながってやがる」

男(どうやら俺は女子高生に軟禁されちまったみたいだ)

男(とりあえず両手以外は自由に動かせるが……)

男(ベッドの上に寝かされた状態だから身動きが取りにくい)

男「とりあえずどうするかな」

下1

男「周りを観察してみるか」

男(ここは……寝室かなんかだろうか)

男(とりあえずこの部屋から出れそうなところはカーテンで閉まってる窓と)

男(この寝室の入口くらいだな)

男(ベッド以外の家具は置かれていないな)

男(俺の腕時計は午前10時頃を指している)

男(今日は平日。だとしたら女子高生は学校に行ってるはずだ)

男(とりあえず周りを確認してみたが……)

男(うーん、早めにここから脱出を試みたいな)

男(女子高生が帰ってきたときになにされるかわかったもんじゃないし)

男(じゃあ、次は下1をしてみよう)

男「そうだ! テレパシーを飛ばそう!」

男「自称宇宙人のあいつなら受信してくれるかもしれない!」

男「……」

男(届け……届け、届け!)

男(俺は今女子高生に監禁されている!)

――

女子大生「……」

女子大生「……」ズズズ

女子大生「紅茶、美味しい」

男(く!? 届いたか?)

男(いや、まぁ、そんなわけないよな。うん)

男(さてさて、どうするかな)

男(このまま脱出できないんだったら夜まで待って女子高生と会う事になるけど)

男(最終手段は、そこでなんとか説得して軟禁状態を解除してもらうことだな)

男(とりあえずどうする? 下1)

男「この状況じゃどうにも出来ないよな」

男「手錠されてて脱出手段は見当たらない」

男「ここはなんとか俺の伝達スキルを駆使して説得するしかないな」

男「大人しく夜まで待つか」

……



ガチャ

女子高生「男さん!? 起きていたんですね!?」タッタッタ

女子高生「私、今日はずっと男さんのことばかりを考えてしまって授業に集中出来ませんでした」

男「お、おう」

女子高生「少し待っててくださいね。今からご飯にしますから」

男「ちょっと待て」

女子高生「なんでしょう?」

男「俺を軟禁しといてなに普通に会話してんだよ!」

女子高生「……」

女子高生「まぁ!」

男「なんだよそのリアクションわ」

男「なぁ? 俺を本当に軟禁し続けるつもりなのか?」

女子高生「はい」ニコニコ

男(うう、しかしどうやって説得したものか)

男(こんなクレイジーサイコパスな女と対峙したことないからわからないな)

下1 どうやって説得する?

男「……おい」

女子高生「なんですか?」

男「こんなことをしたら家族が悲しむぞ?」

男「拉致監禁なんて、立派な犯罪じゃないか」

男「今なら、警察沙汰にもしない。許してやるから俺を開放してくれないか?」

女子高生「……家族は本当に悲しんでくれるんでしょうか」

男「え?」

女子高生「考えても見てくださいよ。私は高校生ですよ?」

女子高生「それも、女の子」

女子高生「なのに……私はここで一人暮らしをしています」

男「そういえば、そうだな。普通なら親に止められるだろうに」

女子高生「私がこの話をしたとき、父はすぐに承諾しました」

女子高生「顔は辛そうにしていましたけど、内心微笑んでいたんだと思います」

女子高生「厄介者の私が遠くへ行ってくれるから……」

男(俺がここにいる間、物音一つしなかったけどやっぱり一人暮らしなのか)

男「いや、それはあれだろ。可愛い子には旅をさせろっていう……」

女子高生「私の勝手な想像ですけど、愛情があって娘が大切な父なら」

女子高生「最終的に承諾をしても、最初は物凄く反対をするものではないでしょうか」

男「確かに……」

女子高生「私は愛されていないんですよ」

女子高生「まぁ、私は望まれて生まれた子ではないですから」

女子高生「そんなこと、とっくの昔に気づいていたんですけどね……」

女子高生「でも、こうやっていざ突きつけられると辛いものがありますね」ニコ

男(この子がこんな歪んだ子になっちゃったのは家庭環境が問題か)

男(だからと言って、俺を軟禁したことは許されないけどな)

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