柑奈「緊張するぅ…声だそう、あー！！！」

Ｐ「うわっ！？」ﾋﾞｸｯ

柑奈「ピース！　ピース！！　ピース！！！」

Ｐ「あの、ちょっと抑えて……」

柑奈「大自然に鍛えられたので喉のパワーが違いますよ！　ふふふ！」

Ｐ「ほら、みんなビックリしちゃってるから……」

柑奈「へ？　……ひ、人が多…ひゃあ～、都会はこわか～…プロデューサーさん！　ヘルプ！」

Ｐ「あはは……」

Ｐ「あ、ごめんね。ちょっと化粧直し……」

柑奈「はーっ！　私、そういうの考えたことないです！」

Ｐ「そう？　あまり化粧とかしない？」

柑奈「いいですね！　都会っぽい！」

Ｐ「必要無いならその方がいいと思うけど……」

柑奈「オシャレもアイドルも、プロデューサーさんと勉強していけたらなぁ……あは」

Ｐ「オシャレ、なのかな……」

柑奈「はい、虫眼鏡」

Ｐ「え？　これ何？」

柑奈「はい、脚立」

Ｐ「どこから持ってきたの？」

柑奈「はい、事務所の天井」

Ｐ「？」

柑奈「そこ登って、見て？」

Ｐ「え？　……え？」

柑奈「見ましたか！」

Ｐ「うん、裾からずっと見てた」

柑奈「歌で笑顔は作れるんだ！ファンの笑顔で私も笑顔ね！」

Ｐ「どう？　アイドル」

柑奈「みんなの前で歌って喜んでもらえるなんて、アイドルは素敵なお仕事です！！田舎にいた頃は田んぼのカエルだけがお客でしたから！！」

Ｐ「……そっか」

『ギターが無い……お、落ち着かない』


――――


『ギター？もちろん持ってきて…アレ』


――――


『ギターもあります！今日はいい？』


――――



Ｐ「……ギター、あまり意識しなくて済むようになってきたね」

柑奈「そうですか？」

柑奈「ラブ＆ピースはまず笑顔から！　です！」ﾍﾟｶｰ

Ｐ「だいぶ、ステージで笑えるようになったね」

柑奈「プロデューサーさん、ほらピース！　ピース！」

Ｐ「へ？　ぴ、ピース」ﾆｺｯ･･･

柑奈「あはは、いい笑顔ですよ♪」

Ｐ「そ、そう？」ﾆｺｰ･･･

『プロデューサーさん、まずは私が幸せにします！心にラブ&ピース！』


『私の歌で、プロデューサーさんも幸せにできるって信じてます！』


『プロデューサーさんはクリスマスも忙しいんですか？ラブは足りてますか？』




Ｐ(ふ、普段そんなに笑ってないのかな……)

柑奈「ほら！　笑って！」ﾍﾟｶｰ

柑奈「大切なギターはプロデューサーさんに預けます。大事に持ってて下さい」

Ｐ「分かった。頑張ってきてね」

柑奈「はい！」

Ｐ(ギター、私に預けちゃっていいんだ……)

――――

『――そんな腰の抜けた攻撃で、私を捕らえられると思っているのかい？　さあ、今度はこちらの番。これからその身体へ愛を刻んであげるわ』

『私のステップは波に揺れる船の上でも、リズムをはずさないわ！』


…………

……



柑奈「『――私から愛する自由を奪うなら、私の愛でアナタを奪ってあげる』」


ﾌﾟｼｭｳｳ･･･

ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ


柑奈「Ｐさん、ギターを！　今、すごく歌いたいです♪」

Ｐ「え？　わざわざ来ちゃったの？」

柑奈「はい！」

柑奈「リクエストはないですか？」

Ｐ「好きな歌でいいよ」

柑奈「はい!　……プロデューサーさんにも歌います。この海と潮風に乗せた愛の歌を！」


～♪

～～♪

～♪



ｼﾞｬｱｧﾝ･･･


柑奈「――プロデューサーさんに聞いてもらえると、ラブが胸に溢れてきますね！」

Ｐ「そう？　……ならよかった」

柑奈「プロデューサーさんなら、ラブ＆ピースで海賊時代を統べられますよね♪」

Ｐ「あ、その服……」

柑奈「あ、この服、気づいちゃいました？　いやぁ、私も都会に出てきたのでオシャレを意識して！　ラブ成分、感じますか！？」

Ｐ「そうだね、色とか好きかも」

柑奈「皆にラブ＆ピースを説く前に、まずは周囲の人に愛される人間になれということで……。プロデューサーさんに愛される格好はできたかな？」

Ｐ「あ、私の好みに合わせたの？」

柑奈「はい！　アイドルだもん、ラブ成分多めがいいですよね、プロデューサーさん♪」

柑奈「キラキラのステージはこわか……」

Ｐ「…………」ｽｯ

柑奈「あっ、プロデューサーさん…あ、ありがとう！」

Ｐ「ほら、歌でラブ＆ピースを……ね？」

柑奈「……はい！！」


柑奈「私も輝くステージに立てるなんて光栄です！ラブ大盛りで頑張ろ！」

Ｐ「……うん、その調子」

柑奈 「輝くステージからラブ＆ピースの輪を広げていけたら、きっと素敵ですよね！」

Ｐ「うん……」

柑奈「歌には想いを伝える力があるって信じてますから、きっとうまくいきます！」

Ｐ「そう、頑張って」




「さぁ、歌いましょう！私たちのラブ＆ピースを！」