モバP「まるごとバナナおいしい」 (48)


P「うめえうめえ」
モグモグ

幸子「………………」

P「舌触りのいいスポンジ、たっぷりの生クリーム、そしてバナナ…黄金比だぜこの味」

幸子「ふーんそうですか」

P「ん?幸子どうしたそのつまらなさそうな反応は、お前だって好きだろ」

幸子「好きというか食べたことありませんので」

P「なっ…!?」
ガタッ

幸子「な、何ですか急に立たないで下さいよ、そんなに驚く様な事ですか?」

P「そりゃそうだ!まるごとバナナを知らんとか人生の損失だぞ!」

幸子「えぇ…」

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P「一体どんな生活してればまるごとバナナと出会わないんだ!!」

幸子「ボクはお嬢様ですからね、そういったコンビニで買うようなお菓子には縁が無いんですよふふーん」

P「甘いわ!俺はコンビニでは買わん!スーパーで特売なのを狙うからな!」

幸子「…みみっちいです」

P「っけ衣食住を提供されてるお前に解るまいよ高めのお菓子が特売されてる感動は」

幸子「はあ」

P「どうでもよさそうな目で見やがって…!お前みたいな奴こそ目黒のさんまになるんだ!」

幸子「なんですかソレ?」

P「それは落語の一つなんだが…ええい詳しく話すと長くなる、とにかく食べてみろって事だ」

幸子「別にいいですよPさんの貰ったら悪いですし」

P「遠慮するな、というより食わせないと気がすまない、ほれ切り分けてやる」
トントン

幸子「どっから包丁出したんです?」

P「さあ食うんだ!」

幸子「…まあそこまで言うのなら(真ん中は悪いですし端の方貰いますか)」
ヒョイ

P「え?端ってちょっと待」

幸子「頂きます」
パク

P「あっ」

幸子「………………」
モグモグ

P「……………」

幸子「(あ、ほんとだおいしいですね、こういうのも案外馬鹿にできませ…ん?)」

P「………………」

幸子「(あんだけテンション高かったのにいきなり死にそうな顔に)」

幸子「あ、あの、どうしました?」

P「なんでもなぃ」

幸子「なんでもあった顔ですよねソレ」

P「何でもないって!端を食べられたくらいで落ち込むくらい子供じゃないって!」

幸子「端を食べられたから…?でもバナナほとんど入ってませんでしたよ」

P「それがいいんだよ生クリーム大目のが好きなんだから」

幸子「子供じゃないですか」

P「いいんだ、俺がどうなってもアイドルが幸せならソレがプロデューサーの幸せなんだから───」

幸子「たかがケーキの食べる部分でそんな事言われても」

P「それより味はどうだった?」

幸子「え?あ、はい、おいしかったです」

P「…ならよしッ!」

幸子「はい?」

P「お前がおいしく食べてくれたし正真正銘悔いは無い!元気出た!!」

幸子「Pさんが元気出たならもうボクはそれでいいです」


P「また買ってくるからな!」

幸子「Pさんが食べたいだけなのでは」

P「さっちゃんはバナナが好きなんだろ本当はね?」

幸子「小さい頃散々言われましたそのネタ」

P「あ、ごめん」

幸子「だから急にテンション落とさないで下さいって…やれやれ、大丈夫ですボクも食べたいですよ」

P「っ!」

幸子「でも今度はちゃんと二人分お願いしますよ?」

P「勿論!」

幸子「…ふふっ」


………
……



次の日




P「ロールちゃん美味いなあ」
モグモグ

輝子「ふひ、うまいな」
モソモソ

P「こういうシンプルなケーキっていいよなスポンジと生クリームだけの黄金コンビ、男の子味だ」

輝子「え?わ、私は女の子だけどいいのかP?」

P「勿論いいさ」

輝子「そっか…良かった…」

P「手も汚れないしこうして分けるには最適なお菓子だ」

輝子「…でも本当に良かったのか?」

P「ん?」

輝子「これ元々Pのおやつだったんだろ?わ、私が貰っちゃってさ」

P「当然、たまたま食べる前に輝子が通りがかって良かったよ」

輝子「良い…のか?食べる量減っちゃうのに?」

P「輝子、美味い物は一人で食べるもんじゃない」

輝子「?」

P「勿論一人で食べたっておいしいが…皆で食べるともっと美味いんだ」

輝子「そうなのか?」

P「ああそうなんだ…そうだな、輝子って人の気持ちって解らないだろ?」

輝子「え…?あ、ああ…そうです、解らないです…ぼっちですから…フ、フフ…私じゃ永遠にぼっちで…ヒヒヒヒヒャア!」

P「あ、ごめん言い方悪かった、お前だからって意味じゃないから落ち着け」

輝子「ッハー?」

P「俺だって人の気持ちなんて解らん、というか心が読めでもしない限り誰も他人の気持ちは解らない」

輝子「……………」

P「だが美味いって気持ちは一緒だろ?」

輝子「!」

復帰したみたいなので再開します


P「美味いって事は幸せ…だからこそ分け合うのさ、こんなお手軽に他人と幸せな気持ちが共有できるんだから」

輝子「な、何か凄いな…」

P「そうでもないって単純な話さ、友達の輝子には美味いもん食って欲しいって事」

輝子「…………P」

P「それに…だ、元々一人で食うには多いんだロールちゃん」

輝子「?」

P「普段一人で食うなら二回に分けて食べる量…しかし二回に分けて食うと二回目は硬くなってあんまおいしくない…つまり」

P「ロールちゃんは友達と分け合うためのお菓子だったんだよ!!」

輝子「っ!?」


P「───輝子」

輝子「───P」

P「乾杯するか?(ジュース)」
スッ

輝子「ああ、私達の友情に、な」
スッ

P「かんぱーい」

輝子「かんぱーい」






机の下のまゆ「…こんな時、どんな顔して出ていけばいいのいいか解りません…」

………
……


さらに次の日




P「ピノうめえなあ」

小梅「うん…」

P「冷たくて甘いという武器、アイスを発明した人には頭が上がらん」

小梅「…そうだね、つめたいのは私もすき…」

P「それもピノはチョコとバニラという凶悪ダブルス、7-0でノックアウトだ」

小梅「?」

P「これは準優勝なんてもんじゃない、優勝だ!」

小梅「…そ、そう」

P「とどめに今日のはハート入り!」

小梅「たまにあるよね…し、心臓型…ふふ」

P「………ハートな?」

小梅「…心臓」

P「……………」

小梅「……………」

P「とどめに今日のは心臓入り!」

小梅「うん」

P「これはいい事あるかもな」

小梅「…そうなの?」

P「ハー…心臓入りを当てると幸せな事が起きるらしい、ちなみに星は願いが叶う」

小梅「………………」

P「そんな本気にするほどの話じゃないけど朝の占いくらいには信じてもいいかなーって」

小梅「なら、当たったね」

P「ん?」

小梅「…こうして、ゆっくりPさんとおやつ食べるの…し、幸せ……なーんて」

P「………………」

小梅「うふ…ふふふ」

P「ふっ………小梅」

小梅「はい、な、何です…わっ!?」

P「よーしよしよしよしよしよしよしよし」
ナデナデナデナデナデ

小梅「わ、わわわ…」

P「可愛い事言いやがってこの野郎!」

小梅「だ、駄目…はず、恥ずかしい…です」

P「あー連れ帰って小梅育てたい」

小梅「…え?そ、そのまだ私、こ、心の準備が」

P「ってもそれは駄目か捕まっちまう」
パッ

P「ふぅ堪能した」

小梅「…いいのに」

P「えっ」

小梅「………………」
プゥ

P「(ふくれてる小梅可愛い)」

P「だが駄目なものは駄目さ、ほらピノでも食べて…あれ?」

小梅「…あっ?」

P「(気づけばピノがもう空っぽ、俺はまだ二つしか食べてないから…)

P「はっはっは意外と食いしん坊だな小梅」

小梅「ち、違う…違います、これ私じゃ…」

P「いいんだって、遠慮せずバクバク食べるくらいのが好きだぞ」

小梅「だ、だから、そうじゃなくて…その…」

P「ピノは子供の頃は6個じゃ物足りないが大人になったら満足する…そういう物だ、最も俺は大人になってもまだ物足りないけど」

P「つまりピノは分け合いながらの争奪戦でもある!気にする必要はどこにも」
トントン

P「おう?背中を叩くのは誰で」
あの子「バァ」

P「」

小梅「…た、食べたのは…あの子です」



………
……





P「」

小梅「だから…私が二個…Pさんが二個…」

あの子「ソシテワタシガノコリノニコ」

小梅「もう、なんでこんな事するの?Pさん…き、気絶しちゃった」

P「」

あの子「オマエラガイチャツイテルアイダニトケテルノガモッタイナカッタノ」

小梅「…な、え…?ち、違…馬鹿っ!」

あの子「ケラケラケラケラ」

P「」


さらにさらに次の日
オサレなサテン





P「……っ………っ」

幸子「感無量なのは解りますけど顔が怖いです」

小梅「うん…おいしい」

P「ああ、美味い…涙が出そうだ…」

幸子「出さないで下さいね、全く、大げさすぎですよ」

P「お前はこのゴージャスセレブプリンパフェに感動しないのか?」

幸子「そりゃ凄くおいしいですけど泣くほどではないかと…」

輝子「…ふ、ふひひ…なあ私大丈夫か?場違いじゃないか?」

まゆ「大丈夫ですよ輝子ちゃん、かわいいですから」

P「しかし皆がいて良かった、男一人じゃこういうお店は入りにくいからな…というか今でもちょっと気まずい」

まゆ「うふ、何言ってるんですか、ほら皆も堂々として」

輝子「うう…やっぱりこんなふわふわしたお店は落ち着かないな…いっその事ハジけてしまうか…ク、ククククヒャ」

小梅「…可愛いけどちょっとキラキラすぎ…も、もっと黒くて…暗い…赤が欲しいかも…ふふ、ふ…」

幸子「ちょ、ちょっと二人とも何やら黒いオーラ出てますよ!」

P「…まゆ、おいしいなパフェ」

まゆ「…ええ、おいしいですね」

P「(ちょっと暇が出来たのでその場にいた3人と机の下の一人を連れて足を伸ばし噂のスイーツを食べにきたのだが)」

P「うーん中々どうして賑やかだ」

あの子「ワタシモイルゾ」

P「え?」

小梅「…めっ」

あの子「ウフフ」

P「???」

幸子「ご馳走様でした」

P「もう食ったのか幸子…ん?まだパフェ残ってるじゃないか」

幸子「おいしいですけど量が多すぎますよコレ、ボクは小食なんですから」

P「んな事言ってるからそんな小さいんだぞ」

幸子「いいんです今の完成されたボクのカワイイボディに無駄な肉など必要ありませんよ」

P「その肉が全然足りてない体でか?むしろもっと太ったほうが」

幸子「おや?何処見てるんですか?幾らボクがカワイイからってこんな場所で嘗め回すような目で見ちゃうのはどうなんですかふふーん」

P「………………」
グリグリグリ

幸子「あいたたたた、や、止めて下さい!セクハラですよ!」

P「やかましいわ」

輝子「…ふ、ふふ…楽しそうだな…」

P「そうね、輝子はちゃんと食えよ?」

輝子「…私も太ったほうがいいのか?そういう方がPは好きか?」

P「そりゃ肉付きがいいか悪いかで言うなら付いてる方が良いに決まって…って何言わすんだ」

輝子「そっか…ふひ、ひ……スケベめ」


小梅「……………」
モグモグ

まゆ「……………」
モグモグ

P「お、二人はしっかり食ってるないい事だ」

あの子「ワカリヤスイナァ」

P「さてそんじゃ俺も負けずに食うか」

幸子「あの、いい加減離して欲しいんですけど…はぁ、しょうがない人ですね」

輝子「たのしいな…ふふ…皆でワイワイ…フヒ」

P「全く甘いものは幸せだぜ!」


おしまい

読んでくれた方ありがとうございました
アイドル達は幸せにスイーツを食べて終了

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