神「人間多すぎね?」天使「減らしますか」(876)





神が存在するなら、人間は奴隷だ。


人間は自由でありえるし、
またそうでなければならない。


結論として、神は存在していない。




ミハイル・バクーニン

天界

神「あーもうマジめんどい」

天使「仕事してください」

神「いやだいやだー!」

神「今日はかわい子ちゃん達と遊ぶんだい!!」

天使「はぁ…あなたは本当に全知全能の神様なんですか」

神「全知全能だから全てを悟って暇してるのさ」キリッ

天使「全然かっこよくないですよ」

神「仕事なんてしなくていいじゃん」

神「だって神なんだし」ゴロンゴロン

天使「はぁーなんでこんな人が上司なんですかねぇ…」

神「天使ちゃんは生真面目過ぎるんよ」

神「たまには遊ぼうぜ」

天使「そうこうしてるうちに罪を犯した人間が300万人にも到達していますよ」

神「えーこれ全部裁くのー」

天使「当たり前です」

神「閻魔大王…いつまで夏休みだっけ?」

天使「あと20年ぐらいです」

神「長すぎない!?」

神「はぁーマジ意味分かんね」

神「俺は自由きままに生きていきたいだけなのに」

天使「自由には責任があるんですよ」

神「なにそれふっけぇ」



神「はぁ……なんでこんなに人間の霊ばかり来るんだよ」

神「人間多過ぎね?」

天使「減らしますか」

神「何それ怖い」

天使「普通に無理矢理人数を減らすんですよ」

天使「私達天界人が人間が死ぬのを待つより直接成仏させてやるんです」

神「神の力で?」

天使「神の力で」

神「ふぅん……」



神「いいね面白そう!」

神「早速やるか!」

天使「天変地異でも起こしますか」

神「いやそれよりも楽しい方法を考えようよ」

神「どうせなら高みの見物したいし」

天使「といいますと?」

神「最近さぁ暇過ぎて読書ばっかしてるんだ」

天使「読書?」

神「死んだ人間が抱えていた本を貰ったんだ」

神「人間って物語を創造するのが好きみたい」

天使「へぇーそうなんですね」

神「で、だ。こんな方法どう?」ゴニョゴニョ

天使「ふむふむ…」



天使「いいですねぇどうせならもっとこうしませんか?」ゴニョゴニョ

神「おおっ天使ちゃんドSぅ!!」




神「じゃあ早速これをばらまくか」

天使「楽しみですね」

神「暇だから人間減らしてみた(笑)」

天使「その口調凄くウザイです」



パラパラーッ……



人間界 日本

とある高校



先生「で、ここがこうであるとして…」カンッカンッ

チョークが叩きつけられる音が
静かな教室に鳴り響いている…

女「………」スラスラー

男(今日も女さんキレイだなぁ…)

男(あー授業なんて受けずに女さんとデートしたい)

男(ペロペロしたい)

男(あわよくば付き合ってセックスしたい)

まだ熱が残る9月の昼下がり
僕は退屈な数字との戦いを横目に
クラスのマドンナ、女さんを見ていた

友「おいっ男!」ボソボソ

男「なんだよ…数学の先公厳しいから後でな」

友は幼稚園からの幼馴染み
いつも一緒にバカな事して
いつもモラトリアム期間を共に過ごしてきた




友「お前の足元にあるサイコロなんだ?」

男「へ?あっ……本当にサイコロある」

友「後で大富豪やるときにそれ使って順番きめよう」

男「お、いいねぇ~」

昼休み

男「うっし!さっき拾ったこのサイコロで順番決めようぜ!」

友「数字が大きい奴から順番にな」

オタク「ぐへへ...20面サイコロを用意するとは分かってますなぁ男殿wwww」

ヤンキー「いいから早く振れや」

男「まぁまぁ焦るな」




女「何してるのみんなー?」

男「おわっ!」

友「女じゃん」

女「おわっ!ってちょっと酷くない男くん?」

女「私傷付いちゃったなぁ」ギュッ

オタク「コポォwww」

ヤンキー「なんだおめぇら腕なんか組んで」

男「ごめんごめん...いきなり出てくるから驚いちゃって...」


女さんは少し天然だ
誰にでも明るく接するんだけど
とにかくスキンシップが激しい


...誰にでもベタベタさわるというか
男なら皆コロッと落ちちゃう
まさに魔性の女というやつだ

友「女...今から男の戦いが始まるんだ...」

友「この戦いに女っ気はいらない...」

友「邪魔しないでくれ」キリッ

いつも僕たち4人は
昼休みにそれぞれ持ってきた
お菓子を掛けて大富豪をしている


女「戦いってただのババ抜きじゃないの?」

ヤンキー「分かってねぇな」

女「もうっ!何だっていいじゃん!」

女「暇だし見ていていい?」

友「ちっ...見るだけだぞ」

女「なんで今舌打ちしたの!?」

ヤンキー「時間もったいないから早くやろーぜ」

オタク「それでは男殿からどうぞwww」

男「そうだな...」

男「そりゃっ!いい目出てくれ!!」ポイッ


大富豪の順番なんて
正直どうでもいい

けどこういう時大きい数字が
出たら嬉しいよね



サイコロはしばらく
机の上に円を描きながら
踊りやがてカタカタと
音を鳴らし静かに止まった

友「ぷっwww」

ヤンキー「おまっ5ってwww」

オタク「これは幸先嫌な予感がしますぞ男殿www」

男「うっせ!勝ちゃあいいんだよ!」

女「ねーババ抜きじゃないのぉ?」


パァッ...

友「な、なんだ!?」

ヤンキー「眩しい...!!」


その瞬間、サイコロが輝き出した
発せられた光は僕たちを包み込んで
別の世界に飛ばされた




男「うっ...ここは...?」


光が収まり重たくなった
瞼を開くとそこは
緑が生い茂る森に囲まれたお城の傍だった


友「おいおい...一体どうなってるんだ?」

女「何処なのここ!?」

ヤンキー「学校じゃねぇな...」

オタク「立派なお城でござるなぁ...」


目の前にたち憚るお城は
まるでいつか美術の教科書で見た
中世ヨーロッパにあるような
歴史を感じる建物だった

僕たちは雲にも届きそうな
その建造物をただ見上げていた

ヤンキー「俺たち一体どうなっちまったんだ?」

男「さぁ...」

女「見て!あそこに噴水があるよ!」

友「今どうでもいいだろそんな事...」


ガサッ...

5人「!!」

女「な、何!?」

オタク「きっとこの城の王女様ですぞwww」

オタク「おーい隠れてないで出てくるでござるwwww」タタッ

男「お、おい迂闊に近付くなよ!」



ゴトッ


女「きゃああああああ!!?」


何が起きたのか分からなかった
さっきまで一緒にいた
オタクの頭が一瞬で
胴体と切り離されたのだ


コロコロコローッ


友「うっ...おええええぇぇぇ...」

ヤンキー「マジかよ...」

男「オタク...死んじまったのか...?」

オタクの生首が僕の足に触れた


茂みに向かった時の笑顔のまま
こちらを見る目は生気を失っていた



ウサギ「神のお告げだ...」
ウサギ「アリスと共にハートの女王を倒せ...」


男「!!」

ヤンキー「し、白いウサギが喋った...」

女「あなたがオタクくんを殺したの!!?」

ウサギ「はて...オタクとはそこに転がっている脂肪の塊の名称かな?」ポリポリ

友「...てめぇがオタクを殺したのか」

ウサギ「ゴミを始末しただけだ」

ウサギ「家畜以下の豚が死んだだけなのに何故涙を流す?」


1mはないであろう
二足歩行をするウサギは
とても低く枯れた声だった

死にかけのおじいちゃんのような
声だというのにその声は
最強最悪の魔王が発しているように
感じられて僕は足が震えていた...

友「うおおおおお!!」

男「友!!」

ヤンキー「やめろ友!お前まで死ぬ気か!?」ガシッ

友「ふざけんな!絶対にてめぇは殺してやる!!」

ウサギ「ふむ...人間ごときが私に敵うとは思わないが」

ビュンッ

友「!!」


ツーッ...

白ウサギが投げたナイフは
友の頬を掠りキレイに
後ろの木に突き刺さっていた

友「くっ...」

ウサギ「私を殺したければゲームで殺せ」

男「ゲーム...?」

ウサギ「既に神の試練は始まっている...」

ウサギ「元の世界に戻りたければアリスとともにハートの女王を倒せ」

女「元の世界に戻れるの!?」

ウサギ「ゲームをクリア出来ればだがな...」

ウサギ「それと最後に運が必要とだけ言っておこう」

ヤンキー「なんなんだよゲームって...」

ウサギ「アリスはもう不思議の国に向かっている...」

ウサギ「北の穴を目指せ」

そう言うと大きな懐中時計で
時間を確認したウサギは
森の奥に消えていった...
4人となった僕たちは
庭の片隅でただただ立ち尽くすしかなかった



ヤンキー「...で、どうすんだよこれから」

女「うえええん...お家に帰りたいよぉ...」

友「...とりあえずオタクの墓をつくろう」

男「そうだな...」

僕たちは日が暮れるまで
近くに落ちていたスコップで
オタクの墓を掘った



友「今までありがとうな...」

ヤンキー「クソッ...もうてめぇと帰り道にゲーセン行けないのかよ」

女「オタクくん...天国でも幸せにね」

男「いつもオタクには大富豪勝てなかったな...」

男「本当に死んじまったのかよ...」

男「もう一生負けを取り返せないじゃん...」


突如始まった神の試練
訳も分からず友達が一人死んだ...
これから僕たちは一体どうなってしまうのだろう

男「...さっき言ってたウサギの言葉なんだけどさ」

友「あぁ...アリスってやつと一緒にハートの女王を倒せ...」

ヤンキー「とにかくアリスと一緒にソイツをブッ飛ばせばいいんだな?」パキポキ

女「ねぇ...これって不思議の国のアリスじゃない?」

ヤンキー「あ?なんだそりゃ?」

男「物語だよ」

友「昔ディズニーの映画で見た事あるぞ」

女「多分ここってその物語の中なんだよ」

男「アリスの話の中...」

女「私ディズニー大好きだから話分かるよ!」

男「本当!?」

女「うん!確か穴に落っこちて大きくなったり小さくなったりして...」

女「ネコと帽子を被ったオジサンとお茶会するの!」

女「で、なんだかんだあってハートの女王とケンカして...」

友「ケンカして?」

女「うーん...随分前に見たから覚えてないやゴメン...」

ヤンキー「んだよそりゃ」

男「まぁまぁ...」

友「確か裁判で死刑になったところで夢オチじゃなかったか?」

女「そうだっけ?」

男「待って!夢オチって事は...」

ヤンキー「俺たちは夢の中って事か」

友「そうか!!なら目が覚めればオタクは...」

4人「「「「生きている!!」」」」


友「なんだよハラハラさせやがって...」

ヤンキー「さっさと終わらせて大富豪の続きやろうぜ!」

女「多分授業始まっているよ」アハハ

ヤンキー「お墓作って損したな」

友「間違いねぇ!」

男(...本当にそうなのかな)

男(いくらなんでも夢にしては長すぎる...)

男(お墓を作って三時間以上は経ったはず)

男(それに夢って五人も同時に同じ夢を見るものなのか...?)


一抹の不安を感じていたけど
口には出せなかった...
皆を不安にさせるかも
しれないから


とにかくオタクは生きている事を信じよう...
これがただの夢であって欲しい
目が覚めたらまたいつもの
日常に戻るんだ!!

森の奥

友「もうすっかり夜だな」

男「暗くてよく見えない...」

パキッ

女「ひゃあっ!?」ダキッ

男「え!?なになに!?」

ヤンキー「木の枝踏んだだけだろ」

女「もう...びっくりしたんだから!」

男(女さんにまた抱きつかれた...)

友「早い事終わらせて帰るぞ」

しばらく進んでいくと
僕たちは大きな大木に辿り着いた

根元には大きな穴がぽっかりと開いていた


女「ねぇねぇこれじゃない!?」

友「暗くてよく見えないな...」

ヤンキー「なんつーかこういうのワクワクするよな!」

ヤンキー「先行ってるぜ!!」

友「俺も行く!」




女「二人とも先行っちゃった...」

男「僕たちも早く行こう」

女「怖い...」ブルブル

男「大丈夫だって」

女「手握ってくれる?」

男「へ?あ、うん」


ギュッ


女「えへへ...男くんの手あったかい♪」

男(な、なんか凄く...)

男(可愛いです!!)ハァハァ

女「なんだか息遣いが荒いよ?」

男「そんなことない!せーので入ろうよ!」

女「うん!男くんと一緒なら怖くない!」

男「え」

女「行くよ!せーのっ!」ピョンッ

男「うわっ待ってよ!」ピョンッ

男(今の...まさかの告白!?)


スタッ



女「あれ...意外と浅かった」アハハ

男「本当だね」

友「おい遅えぞ!」

ヤンキー「早く来やがれ!」

男「すぐ行くよ!」

穴の中は思っていたより
浅くてびっくりしちゃった

木の幹でできた通路を少し進むと
白い扉があったんだ


ガチャッ


ヤンキー「やっと来たか」

男「な、なにこの部屋?」

友「暖炉とテーブルしかないんだよ」

女「あ!ここが大きくなる薬と小さくなるケーキがある部屋なんだよ!」

男「そうなんだ」

友「薬ってこれか?」チャポンッ

女「そうそう!それそれ!」

友「ふぅん」ゴクッ


シュインシュイン...

ヤンキー「おい...友のやつ小さくなっちまったぞ」

女「あ、逆だったかも」エヘヘ

男「服まで小さくなるんだ」

友「オイ!ツギドウシアライインダ!?」

女「えーっとね...」


ガチャッ


男「ん?」クルッ

ヤンキー「おい男、どうした?」

男「今ドアが開いた音が聞こえなかった?」

女「そう?」

男(...入ってきたドアは何も変わっていない)




女「ねぇ!!友くんがいないよ!?」

男「え!!?」キョロキョロ

ヤンキー「俺たちが踏んじまったんじゃね?」ケラケラ

男「縁起でもない事言うなよ!」



男「辺りを調べたけど友の姿は見当たらない...」

ヤンキー「靴の裏も見たけど大丈夫だったぜ」

女「うーん...」

女「どこ行っちゃったのかなぁ?」

男「もしかしたらまたウサギに殺されたのかも...」

ヤンキー「男!」

男「多分だけど...」

ヤンキー「チッ...まぁ夢から覚めちまえばいいんだよ」



男「もし覚める前に全員死んでしまったら...?」

ヤンキー「死んじまったら...って確かにどうなるんだ?」

女「そしたら夢から覚めるんじゃない?」

男「...早く友を助けよう!嫌な予感がする!」ゴクッ

ヤンキー「おい男!」

女「私も手伝う!!」ゴクッ

ヤンキー「クソっ!男だけにカッコつけささねぇぞ!」ゴクッ

シュインシュイン...



ヤンキー「おいこれって...」

男「トランプに囲まれてる...」

女「多分薬を飲んで小さくならないと見えないんだ!」

トランプ兵「よぉ兄ちゃんたち!どうだい!」

トランプ兵「ゲームしてかない?」

ヤンキー「お、お前らノリいいじゃん!」

ヤンキー「やってやるよ!何すんだ?」

女「ちょっと!友くんどうするのよ!」

ヤンキー「後だ後!どうせアイツなら死んでも生き返るさ」

トランプ兵「お兄ちゃんやる気あるね!」

トランプ兵「じゃあゲームの説明すっか!」

男「ゲーム...」

トランプ兵「神経衰弱って分かるか?」

ヤンキー「あれだろ?同じ数字が揃えばゲットってやつ」

トランプ兵「知ってるじゃーん♪」

ヤンキー「へへっ!記憶力には自信あるぜ!」

トランプ兵「うんうん!」

トランプ兵「じゃあルールの説明するぞ!」

男「ルール?」

ヤンキー「おいおいだから知ってるって」

トランプ兵「チャンスは一度きり!」

トランプ「一度で全部取れれば次の道を案内してやるよ」

女「そうか!友くん成功して先に行ったんだ!」

男「でも一度で全部取るなんて何回挑戦したんだろ」

トランプ兵「けれど一度でも失敗したら死亡だぜ」



ヤンキー「え?」

女「死亡って...どういう事?」

トランプ兵「パインパインのお姉ちゃんはバカだなぁ」

トランプ兵「おっぱいばっか栄養送って頭は成長してないのかい?」

女「むかっ!!」

トランプ兵「普通に斬首刑に決まってんじゃーん♪」


男「嘘だ...」

トランプ兵「俺たち生まれてこのかた嘘なんてついたことなーい♪」

ヤンキー「おい...さっき一人人間が挑戦しなかったか?」

トランプ兵「あーいたいた!」

トランプ兵「すぐに失敗したよ?」

ヤンキー「そうか...」

女「そうかってヤンキーくん!」

ヤンキー「関係ねぇ...俺たちが女王をぶっ飛ばせばいい」

女「でも...」

ヤンキー「黙ってろ!」バンッ

女「ご、ごめん...」

ヤンキー「俺だって友もオタクも夢の中とは言え殺されて切れてんだよ...」

男「ヤンキー...死ぬなよ」

ヤンキー「ったりめーだ!!」



トランプ兵「そろそろいいかな?」

ヤンキー「おう!かかってこいや!」

トランプ兵「そんじゃっレッツパーティ!!」

シャシャシャシャシャシャ...

ヤンキー「...」

女「早い!」

男「女さんも記憶して!」

女「え!?うん分かった!」



トランプ兵たちは仰向けのまま
高速で動きおよそ一分ほどして
うつ伏せになった...


トランプ兵「んしょっんしょっ...」

ヤンキー「へっ...ご丁寧にちゃんと整列しやがって...」

トランプ兵「制限時間は1時間!」

トランプ兵「挑戦者はジョーカーを除く52枚の全てを獲得すること!」

トランプ兵「なお仲間と相談はおっけー!」

トランプ兵「どうだ俺たち優しいだろ!感謝してくれて...」

ヤンキー「もう始めていいのか?」

トランプ兵「もう...まだ話してるのに」

トランプ兵「いいよ!スタート!」

トランプ兵「めくる時は頭をさわってくれ!」

ヤンキー「それじゃあ早速...」

ヤンキー「まずはお前と」ポンッ

ヤンキー「お前だな」ポンッ

トランプ兵「ちきしょー!」

トランプ兵「やーらーれーたー」

ヤンキー「うしっ4ゲット!」


女「凄い!ヤンキーくんあの速さをちゃんと見ていたんだ!」

男「中学の時野球部やってたからね」

男「動体視力ならヤンキーに勝てる奴はいないよ」

女「えー意外!今金髪ロングだから坊主姿が想像できないんだけど!」アハハ

ヤンキー「うるせぇてめぇら!黙ってろ!」

女「あ、ごめん...」シュンッ

男「分からなくなったら相談するんだぞ!」

ヤンキー「わーってるよ!」



40分後

ヤンキー「はぁ...はぁ...」

女「あと12枚...ここまで一人でやるなんて...」

男「ヤンキー!まだ20分ある!」

男「一回休憩しよう!」

ヤンキー「あぁ...そうだな」



ジョーカー兵「どうぞ...温かい紅茶です」スッ

女「わぁいい匂い♪」

ヤンキー「...睡眠薬とか入ってないよな?」

ジョーカー兵「ゲーム中は絶対に不正はいたしません」

ジョーカー兵「もしそのような事があった場合」

ジョーカー兵「私たち兵士が女王に殺されてしまいますので」

男「そっか、ゲーム中は何かされる心配ないって事だね」

ジョーカー兵「そういう事です」

ヤンキー「とりあえず覚えている範囲は全部手に入れたけどよ...」

ヤンキー「流石に全部は無理だったわ」ズズッ

男「そっか...まだ覚えているとこはある?」

ヤンキー「左端手前とその奥はそれぞれ13と11のはずだ」

女「待って!もしかして残り全て絵札!?」

ヤンキー「...」コクッ

男「あんなに速く動いてちゃ絵札までは覚えられないよな...」

女「こんなの絶対無理だよ...」

三人「「「......」」」

ジョーカー兵「あと10分です」

ヤンキー「っし...行ってくる」

女「待って!死ににいくようなものじゃん!」

ヤンキー「...何もしないまま死ぬより挑戦して死にてぇんだよ」

男「ヤンキー...力になれなくてごめん」

ヤンキー「気にすんな!もし俺が死んだら先に学校で待ってるからよ!」

男「うん...」



男(頼む...夢であってくれ...)

トランプ兵「へへっもう分かんないだろ?」

ヤンキー「うっせぇ!絶対当ててやるよ!」ポンッ

トランプ兵「いやんっ」クルッ

ヤンキー「よし...確かにキングだ」

ヤンキー「くそっ...思い出せ俺!俺なら出来る!!」

ヤンキー「お前だ!」ポンッ

トランプ兵「くっ...」クルッ

ヤンキー「しゃあっ!!キングゲット!!」

残り3分

ヤンキー「はぁ...はぁ...」

女「あと4枚!確率的には3分の1だよ!」

男「ヤンキー!行けるぞ!!」

ヤンキー(覚えてるのは全て取った...)

ヤンキー(...もう後は神頼みだ)

ヤンキー「残りは11と12!」

ヤンキー「まずはお前だ!」ポンッ

トランプ兵「んっ...気持ちいい///」クルッ

ヤンキー「12か...」

ヤンキー「どれだ...クイーン!!」

トランプ兵「俺だよ俺」

トランプ兵「違う私よ」

トランプ兵「わしじゃよ」


ヤンキー「くそ...」

ジョーカー兵「あと一分です」

ヤンキー「確率3分の1...」

ヤンキー「夢だとしても死にたくねぇ...」

ヤンキー「生きて夢から覚めたらもう一度野球やろう...」

ヤンキー「また沢山ホームラン打ってやるんだ!」

ヤンキー「頼む!神様!!もう一度俺に生きる意味を与えてくれ!」





ポンッ

トランプ兵「嬉しい...私を信じてくれたのね...」

ヤンキー「やった!!」



クルッ




トランプ兵「残念だったなバーカ!!!」

ヤンキー「マジかよ...」


スパァンッ




男「ヤンキー!!!」

女「そんな...」

男「くそおおおお!!!!」


そこにあるのはヤンキーだった入れ物だけ...
本当に死んじゃったのかよ...


トランプ兵「ははははは!!!」

トランプ兵「楽しいいいいいい」

男「てめぇらああああ!!」

ジョーカー兵「おっと...通しませんよ」

男「どけええ!!てめえら全員殺してやる!!」

ジョーカー兵「無駄です...」

ジョーカー兵「物語以外のキャラクターはいわゆるイレギュラー...」

ジョーカー兵「イレギュラーはレギュラーより弱いのです」

ジョーカー兵「郷には従った方が身のためですよ?」

男「うぅ...」

男「オタクに友、ヤンキーまで死んじまった...」

男「なぁ!!夢なんだよな!?」

男「この悪夢が覚めたら僕たちはまたいつもの日常に戻れるんだよな!?」

ジョーカー兵「......」フルフル

男「うあああああああ!!!!」

女「男くん...」ギュッ

男「くそぉ...」ポロポロ

男「...絶対!絶対に生きて戻るんだ!」

男「女さん!一緒に学校に戻ろう!」

女「うん!絶対生きていつもの日常に戻ろうね!」

男「そしてまた皆で日がな一日をダラダラして生きるんだ!」

男「だから!!次は俺がやる!!」グッ



トランプ兵「なになにまだやんの?」

トランプ兵「いいねぇ青いねぇ」

トランプ兵「ルールはもう知ってるよね?」

男「ああ」

トランプ兵「じゃあさっそく...」

女「待って!!」

トランプ兵「はい」

男「女さん?」

女「男くんまで死んじゃったら私...絶対にクリア出来ないよ...」グスッ

男「...大丈夫」

男「絶対に全て当てて生きてかえるから」

女「うん...約束だよ?」

トランプ兵「ヒューヒュー!」

トランプ兵「でえきてえる」

男「早くやろうぜ」

トランプ兵「よし来た!!」

トランプ兵「皆!本気出すぞ!」

トランプ兵「おおっ!!」

シャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャ!!


女「さっきより数倍早い...こんなのってないよ...」

男「くそっ...全然見えない...」

トランプ兵「シャッフルやめ!」

ピタッ



男「まったく見えなかった...」

女「男くん!!」

男「大丈夫...なんとかするから」

トランプ兵「そんじゃスタート!!」

男「確かコイツが8のはず...」ポンッ

トランプ兵「残念きゅうりの9ちゃんでーす!」クルッ

男「!!」

女「そんな...」

男「大丈夫...時間はまだある...」


10分後

男「まだ大丈夫...」

20分後

男「まだ40分ある...」

男「ひっくり返すだけなら5分あれば行けるはずだ!」

50分後

男「......」

女「うぅっ...」グスッ

男「なにか...なにか手掛かりがあるはず...」

トランプ兵「ねーまだぁ?」

トランプ兵「9ちゃん風邪ひいちゃうよ!」

男「ぐっ...」

トランプ兵「9ちゃん可哀想だからもう教えるわ!」

トランプ兵「俺だよ俺!」

トランプ兵「俺クラブの9!」

トランプ兵「だから早くダイヤの9ちゃんを休ませてくれ!」

男「信じていいんだな!?」

トランプ兵「ああ!だから早く俺の頭を押すんだ!」
男「恩に着るよ...」



男「......」フラフラー

女「ダメ!ソイツ絶対嘘ついてるよ!!」

男「何もせず死ぬより挑戦して死ぬんだ...」フラフラー

女「だめえええええ!!!」



男(だめだ……頭がクラクラする…)

男(目の焦点が合わないぞ……)



男「!!!」ピタッ

トランプ兵「どうしたんだ?早く俺の頭を…」

男「……お前は嘘つきだな」

トランプ兵「は!?何言ってんだよ!早く俺の頭を」

男「コイツだ!」ポンッ

トランプ兵「いや~ん」クルッ

女「8!なんで分かったの!!」

男「神のお告げが聞こえるんだよ」ニヤッ

男「おらおらおらあああ!!」ポンッポンッポンッポンッ

トランプ兵「うわああああ!!!」



女「す、凄すぎるよ男くん!!」

女「でも…なんで急に数字が分かるようになったの?」

ジョーカー兵「実は私達はジュースカードなのですよ」

女「ジュースカード?」

ジョーカー兵「目の焦点をずらす事によって表からも数字が透けて見えるのです」

女「へぇーそうなんだ」

ジョーカー兵「それに気付く事が出来る挑戦者はなかなかいません」

ジョーカー兵「時間制限がある事によって焦りも生じますからね」

女「とにかく凄いって事だね!」

ジョーカー兵「はい」ニコッ

女「いっけえええ男おおお!!」




男「うおおおお!!!」ポンッポンッ

男「ラストオオオォォォ!!」ポンッ

ポンッ



男「よっしゃああああ!!!」

ジョーカー兵「ゲームクリアです」

ジョーカー兵「おめでとうございます」パチパチ

女「男くんっ!!」ギュッ

男「わわっ何?」

女「もう…心配したんだから」

男「ごめんね女さん」

女「ううん…カッコよかったしいいよ///」

男「あはは…」



ジョーカー兵「さてクリアした貴方達には次のエリアへの道を教えましょう」

男「……本当に夢じゃないのか?」

ジョーカー兵「はい」

ジョーカー兵「どうやってイレギュラーの貴方達が来たのかは知りませんが」

ジョーカー兵「今までこの物語の中にたまに入り込んでくる輩は全て女王様に辿り着く前に死んでいます」

ジョーカー兵「物語の中で命が終われば現実でもこと切れていますね」

女「じゃあもう皆…」

男「……誰が一体俺達をここに…」

ジョーカー兵「分かりません…まさに神のみぞ知るですね」

男「神か……」

ジョーカー兵「さぁ!暖炉に近付いて下さい」

男「うん」

ジョーカー兵が暖炉のレンガを一つ外して
現れた隠しボタンを押した
すると暖炉の火は消え次への道が開けたんだ


ジョーカー兵「奥に進めば光るキノコがあります」

ジョーカー兵「そちらを召し上がれば元のサイズに戻れますので」

男「…ありがとう」

ジョーカー兵「どういたしまして」ニコッ

ジョーカー兵「それではお気を付けて」

男「なぁ…アンタはなんで俺達に親切なんだ?」

ジョーカー兵「実は私も元イレギュラーなのです」

女「って事は人間だったの!?」

ジョーカー兵「はい」

ジョーカー兵「ゲームのルールは必ずしも負ければ死亡ではありませんので」

男「なるほど…」

ジョーカー兵「さぁ!ウサギが来る前に早く!」

男「ありがとう…」

女「また来ます!!」

こうして元人間のジョーカー兵と別れて
僕たちは暖炉の中を進んでいった

ゲーム終了後にヤンキーの遺体は
トランプ兵達に処分はれてしまった

ヤンキーのお墓を作れなかったのは
心残りだけど今はただアリスと協力し
ハートの女王を倒すしかない



僕は生きるためにこの世界の物語を全てクリアしてやるんだ!

男「暖炉を抜けた…ここはどこなんだろう」

女「あ!光るキノコを見つけたよ!」

男「よし、早いこと食べてアリスを探そっか」

女「……その前にこれ見て」

男「どうかしたの?」


緑が茂るどこかの森の中
石の壁に友から
メッセージがかいてあったんだ



先行ってるぜ
皆で早く帰ろう





男「良かった…友、生きていたんだ」

女「トランプ兵さん達嘘つきしかいないね」

男「俺達がイレギュラーだからじゃい?」

女「うーんそうなのかなぁ?」

フゥ…
気分転換に書いてみた
体調も良くなったしこれから
またじゃんじゃん書いてくわ

キノコを食べて僕たちは森を道なりに進んだ
しばらくして開けたとこに出たんだ

長いテーブルがありおかしな帽子を被った頭でっかちの男と
オタクを殺した白ウサギ、それに見知らぬ茶色のウサギと
紫色した猫が座っていた...


男「ここは...?」

女「きた!!!お茶会だよ!!」

白ウサギ「ようやく来たか...」

男「お前...」

帽子屋「あひゃひゃひゃひゃ!!!おちんちんファイヤーゴンザレス!!!」

茶ウサギ「お、おちんちんだなんてはしたないですよ///」

チェシャ猫「おい紅茶はまだか」

茶ウサギ「はい!ただいまお持ちしますね!!」ヒョコヒョコ

男「おい!友は来てないのか!!」

白ウサギ「ふむ...お前たちの仲間のアレか」

チェシャ猫「あの男は優秀だったな」

帽子屋「俺たちとのゲームに勝ちやがって!アナルショッカーだぜまったく」

茶ウサギ「帽子屋さん...もうお茶会抜けてくれませんか?」

帽子屋「お前がおちんちん咥えてくれたらいいぜ!」

茶ウサギ「うう...もう嫌...」シクシク

男「生きてるんだ...」

女「やった!私たちも早く合流しよ!」

男「うん!」

女「その前に...」

女「私もお茶会混ぜて!もう喉がカラカラなの!」ヨイショット



白ウサギ「ほう...お前も我々とゲームするのか」

男「!!」

女「へ!?」

帽子屋「椅子に座ったらスタートだぜ」

チェシャ猫「ゲームテーブルマナー...はたしてお嬢さんにクリア出来るかな?」

茶ウサギ「クリアすれば次の道を教えます」

白ウサギ「失敗すればこのポットで一生を過ごしてもらう」

帽子屋「一度入れば死ぬまで出られない!こりゃあいい人形が手に入りそうだな!」

男「ま、待て!!」

白ウサギ「悪いがこのゲームはもう始まっている...協力者はなし、一人ずつだ」

女「男くん...助けて」

男「俺も参加する!」

白ウサギ「一人ずつだと言ったはずだが...」

帽子屋「いいじゃねぇか!一人ずつちまちまやるのめんどくせえし!」

茶ウサギ「私も二回もお茶を淹れ直すのはちょっと...」

白ウサギ「ふむ...」

チェシャ猫「決まりのようだな」

白ウサギ「仕方ない...お前の挑戦も認めよう」

男「終了条件は!?」

白ウサギ「コースすべてが終わるまで...およそ1時間といったとこか」

男「よしはじめよう!」



茶ウサギ「それでは食前酒の代わりの紅茶です」カチャ

男「...」

女「...」

チェシャ猫「いただこうか」

白ウサギ「今回のコースの内容はなんだ?」

茶ウサギ「はい、食前にお紅茶、前菜は野菜のテリーヌです」

茶ウサギ「スープは採れたてのとうもろこしを使ったコーンポタージュをお出ししましたら焼きたてパンを配りますね」

茶ウサギ「メインディッシュは鴨肉とバジルのステーキとなります」

茶ウサギ「デザートに自家製ニンジンを使ったソルベ、最後にまたお紅茶をお出ししますね」

女「うう...全部おいしそうだよ...」

男「ゲームじゃなかったらちょうどいい休憩になったのにね...」

男(まずはどうしたらいいんだ?)

帽子屋「あひゃひゃひゃひゃ!!ナプキンナプキン!」

帽子屋「あれ?これ茶ウサギちゃんのナプキン!?なんつって!」

茶ウサギ「もうこの人をポットに閉じ込めませんか?」

チェシャ猫「ホッホッホ...私もそう思うな」

白ウサギ「帽子屋...死にたくなければ静かにしろ」

帽子屋「わかったわかった!ビークールビークール...俺クール!!」


女「男くん...」ボソボソ

男「うん...あの帽子屋の行動を待てば何をすればいいのか分かるかもしれないね」ボソボソ

男「まずは...」

女「ナプキンを膝の上に乗せる...」

茶ウサギ「うふふ...分かっていますね」ニコニコ

白ウサギ「ふん...これぐらい出来て貰わないと食事が始まらないからな」

チェシャ猫「では乾杯しようか」

帽子屋「おい男!お前が音頭とれ!!」

男「あ、あぁ...」



男(音頭...?乾杯って言ってティーカップを突き出せばいいのか...?)

白ウサギ「どうした?早く始めて欲しいのだが」

男(くっ...俺がしていいのか...)

男(それに乾杯なんてする必要があるのだろうか...?)

男(マナーなんて全然分からないぞ...)チラッ



女「......」ジーッ

男「女さん...?」

男(ずっと白ウサギを見ている...)

帽子屋「大丈夫大丈夫!お前がやっても問題ないから!」

チェシャ猫「ほっほっほ...まぁ初めてなら緊張してもしょうがあるまい...」

男(何か伝えたいのか...?)

男(このテーブルは長方形...)

男(向かい側には右から白ウサギ、猫、帽子男の順に並んでいる...)

男(こちら側は僕と女さんだけ...)

男(本来なら僕たちが客人で白ウサギが主催者ということなのか?)

男(それなら女さんが白ウサギを見つめている理由は主催者が乾杯をするのを待つことを伝えるため...?)



男「...乾杯は主賓がするべきだと思う...」

帽子屋「チッ」

白ウサギ「ふむ...まぁそんなに堅苦しい会ではないのだがな」

白ウサギ「確かに私が座っているのは上手側」

白ウサギ「仕方あるまい...私が乾杯を取ろう」

男「ありがとう…女さん」

女「ううん!一緒に食事を楽しも!」

男「あはは…」

白ウサギ「それでは…」

帽子屋「早く!早く!」

チェシャ猫「もう始まるだろう」

白ウサギ「食事を楽しもうではないか」カチャッ

男(…皆カップに指はかけてるけど…)

男(なんで指だけかけて持ち上げないんだ?)

女「やっと紅茶が飲めるよぉ!」

男「!!」

男(そうか!白ウサギは人間に比べると手が短い…)

男(なんで飲まないのに指だけ掛けるのか…)

男(それは白ウサギがほんの少ししか持ち上げられないから!)

男(きっと主催者よりカップは高くあげてはいけないんだ!)

男「ゴホンッ」

女「??」チラッ

男(気付いてくれ…)

女「??」

白ウサギ「どうした女子…カップを持たないのか?」

女「あ!そっか!」カチャッ

女「……?」キョロキョロ

女「あ」

男(気付いてくれた…)ホッ


白ウサギ「やっと始められるな」

白ウサギ「それでは乾杯」

帽子屋「イェーイ!!茶ウサギちゃん!早くミルク!」

茶ウサギ「はい!ただいま!」ヒョコヒョコ

チェシャ猫「ミルクを入れない紅茶なんて野蛮だ…」

白ウサギ「私はストレートも好きだがね」

ワイワイガヤガヤ

女「い、意外と喋ってもいいんだね」

茶ウサギ「それが私達のお茶会ですから♪」

男「マナーが求められる基準が分からないや」

茶ウサギ「そうですね…多分お料理を食べる時だと思いますよ?」

男「あー食べ方とかスプーンとかの順番とかって事?」

茶ウサギ「はい!」

女「ねね!こっそりその順番教えてよ!」

茶ウサギ「もう…しっかりここでマナーを学んでください!」プンプン

女「あ~ウサギさん可愛い!!」

女「食事が終わったらいっぱいもふもふしてあげるからね!」

茶ウサギ「本当ですかっ!?えへへ…楽しみにしてます!」

男「とにかく白ウサギが毎回食べ始めるのを待とうよ」

女「うん、そうすれば何をすればいいのか分かるもんね!」



茶ウサギ「お待たせいたしました」

茶ウサギ「じゃがいもとカボチャを使った野菜のテリーヌです」コトッ

女「うわぁキレイ!」

チェシャ猫「茶ウサギの料理は味だけじゃなく見た目もこだわるからな」

帽子屋「うめぇし早いしな!」

白ウサギ「私も食事時にはいつもここに足を運んでいるのだよ」

男「何だか高級レストランに来たような感じがするね…」

茶ウサギ「えへへ…ありがとうございます♪」

帽子屋「調子にのんじゃねぇ!」ゲシッ

茶ウサギ「痛っ!」

女「ちょっと!食事中に人を蹴るのはマナー違反じゃないの!?」

帽子屋「ウサギだからいいんだよアバズレ女!」

女「むっ!茶ウサギちゃん後でいっぱいなでなでしてあげるからね~♪」

茶ウサギ「それだけが私の楽しみです…」シクシク

白ウサギ「それでは頂くか…」

スッ……パクッ

男(……何処を取っても無駄のない動きだ…)ゴクッ

男(このウサギ…堅苦しくないとか言いながら自分はしっかりやるんだな)

男(僕たちにはそれを強いらない……案外優しいのかもしれないな)

女「……」ジーッ

白ウサギ「……女子よ…そうまじまじと見るのもマナー違反になるぞ」

女「あ!ごめんごめん!」

チェシャ猫「このゲームはこの国で最も簡単だ…」

チェシャ猫「そう気張るな…肩の力を抜いてゆっくりと食事を楽しもうではないか」

帽子屋「俺は早く女の人形が欲しいんだけどな!」バクバク

茶ウサギ「女さん!絶対にクリアしてもふもふとやらをしてくださいね!」

女「うん!約束だよ!」

男「優しいね…女さん」

女「そうかな?」

男「うん…だって…」

男「……やっぱりいいや」

女「なになに気になるんだけど!?」

男(言わないでおこう…)

男(コイツラはただの人殺しだって事…)

男(オタクを殺した白ウサギなんて正直憎い…けど)

男(今はゲームクリアが優先…)

男(せっかくのお茶会…僕も楽しまないとな)



茶ウサギ「お待たせしました」

茶ウサギ「私の畑で出来たトウモロコシを使ったコーンポタージュです」コトッ

白ウサギ「…お前達はさっきずっと私の方を見ていたな」

女「え?だってそりゃあ見るでしょ?」

男「女さん!」

白ウサギ「今度は私がお前達の方を見させてもらうよ」

女「えー!そんなのどうスープを飲んだらいいか分からないよ!?」

男「くっ…主催者が最初に食べるのがマナーなんだろ!?」

白ウサギ「言っただろ…決して正式な場という事ではない」

白ウサギ「むしろ誰からでも好きに始めてくれていいんだ」



茶ウサギ「お二人とも…音を立てなければ問題ありませんよ?」

帽子屋「余計な事言うなよ!」ボロンッ

茶ウサギ「キャアッ!!?」

チェシャ猫「帽子屋…お前は一度席を外せ」

帽子屋「はぁっ!?なんでちんこ出すだけで席を立たなきゃいけねーんだ!?」

白ウサギ「帽子屋…その粗末なイチモツを早くしまえ…」

白ウサギ「さもないと今すぐその気持ち悪いモノを切り落とすぞ?」スチャッ

男「ナイフ…!」

帽子屋「……チッ」イソイソ

女「初めて男の人のアレ見ちゃった…///」

男(処女だったのか!クソ!俺の童貞を君に捧げたい!!)

茶ウサギ「もう…」

白ウサギ「すまないな…さぁ存分に味わってくれ」



男(……スプーンは真ん中に二つある…)

男(一つは小さい事からデザート用かな)

男「では…」カチャッ

女「茶ウサギちゃんのスープ、残さず飲むからね!」

茶ウサギ「うふふ…冷めないうちにどうぞ♪」

男(…どうすくえばいいんだ?)

白ウサギ「イギリス式でもフランス式でも構わんよ」

男(という事は手前からでも奥からでもいいのか?)スッ

女「えへへ…いただきます!」

女「ん~美味しい!!凄く甘いよ!」

茶ウサギ「ありがとうございます!」ニコニコ

男「うん、美味しい…」


女「……」

男「……」

白ウサギ「今日も濃厚だな」

帽子屋「ぎゃははは!何が濃厚なんだよ!!」

チェシャ猫「お前の頭は煩悩しかないなか」

男(もうスプーンですくえるほどの量がない…)

男(全部飲まないとダメだよな…?)

男「……」

女「どうしよう……」チラッ

茶ウサギ「ふんふん~♪」ヒョコ

女「あ…」

女(耳を前に倒した…ありがとう!茶ウサギちゃん!)

女「よし!」クイッ

男「女さん!?」

女「んっ…ごちそうさまでした!」

男「……ごちそうさまでした」


白ウサギ「やるじゃないか」ニヤァ…

女「えへへ…」

男「どうして皿を奥に傾けてすくうって分かったの?」

女「内緒だよ!」

男「???」

茶ウサギ「パンが焼き上がりましたよ!」

女「わぁちっちゃくて可愛い!」

帽子屋「俺メロンパン!」

チェシャ猫「私はクロワッサンを頂こうか」

白ウサギ「そうだな…このバジルのパンを一つ」

茶ウサギ「はいどうぞ~♪」

茶ウサギ「男さんはどういたしますか?」

男「あ、じゃあメロンパンと…」



女「もう残り半分だね」

男「そうだね」

男「こうゆっくりと食事をしていると…」

男「なんだかさっきまでの事が夢のようだよ…」

女「本当だね…早く三人で戻ろう!」

男「うん!」

白ウサギ「食事は疲れた体に安らぎを与えてくれる…」

白ウサギ「お前達も適度にいい食事を摂るんだぞ」

男「あぁ…そうするよ」

男「ところでさ…神の試練って何なんだ?」

帽子屋「何だそりゃあ?」

茶ウサギ「神の試練…?イエス様にお祈りするのですか?」

白ウサギ「……私はお前達に試練の存在を伝えるだけだ」

女「教えてくれてもいいじゃん!」

白ウサギ「今は食事を楽しもう」

女「あーはぐらかした!!」

チェシャ猫「神様など存在するのかねぇ」

男「……なんなんだよ一体」

フゥ…
また後でな

男「あっ」ポロッ

男(やべっ...パンを落としてしまった!)

白ウサギ「......」

男「..,これってアウト?」アハハ

帽子屋「アウトアウトー!!!!あひゃひゃひゃひゃ!!!」

女「そんなっ男くん!!」

男「クソ...油断してた...」

男「死んじまうのか...俺!!?」

チェシャ猫「ほっほっほ...」




白ウサギ「何を言っている...?お前は皿の上にパンを置いただけだろ」

男「へ?」

帽子屋「んな訳ねぇだろ!!コイツはマナー違反を犯したんだ!」

帽子屋「アウトに決まってんだろ!早くポットに詰めようぜ!!」

茶ウサギ「もう...イジワルですよそれは...」

男「ど、どういうことなんだ!!?」

茶ウサギ「テーブルをよく見てください」

女「パンはテーブルの上にあるよね...」

男「うん...白いテーブルクロスの上に落ちたんだ」

白ウサギ「はぁ...まったくもって無知だな」

白ウサギ「いいか?この白いクロスはお皿なんだ」

白ウサギ「お皿にパンを置くのはそんなに不自然なものか?」



男「そうか...綺麗なクロスにパンを置いてもいいんだ...」ホッ

帽子屋「ああああもう!!いつになったらお前らミスるんだよ!!」

帽子屋「もうステーキとソルベぐらいしかねぇじゃねぇか!!」

女「あいにくだけど私たちは全部完食してみせるから!」

茶ウサギ「うふふ...その意気です」

茶ウサギ「さ!メインのステーキが完成しましたよ」

女「やったぁ!!お肉だお肉♪」

男「あと実質2品...食事を摂るのは大事な事なんだろ?」

男「僕たちちゃんと全部たいらげてやるから!」

白ウサギ「そのとおりだ...さぁいただこう」

帽子屋「クソォ...こんなんじゃ飯も不味く感じるぜ」

チェシャ猫「怒らなければよかろう?」

茶ウサギ「そうですよ!食事は笑顔で食べてもらいたいものです!」

女「そうそう!」

女「それじゃあ...」パクッ

女「んー美味しい!!」

女「全然鴨の臭みもないしスパイスが効いててとっても香ばしい!」

男「うん!おいしいよ!」

茶ウサギ「えへへ...ありがとうございます!」



帽子屋「あぎゃああああああ!!!!!!!!!!!!」

男「!!?」

女「あっ...」ポロッ

白ウサギ「帽子屋...お前はもう駄目だ...」

白ウサギ「このポットで一生を過ごせ...死なない体で永遠の老いを味わえ」

パカッ

帽子屋「ざまあみろバアアカ!!女!てめぇも早くこっちに来いよ!!」スゥゥゥ...

男「帽子男が吸い込まれていく...」

女「嘘...ステーキがクロスの上に...」

帽子屋「ああああああぁぁぁぁぁ......」

シュポンッ

女「最悪...」

茶ウサギ「女さん...」ウルウル



白ウサギ「すまなかったな...」

男「い、今のはノーカンだろ!」

女「そうだよ!あの変態が奇声を上げなかったら落とさなかったもん!」

白ウサギ「しかしゲームの終了条件はコースが終わるまで...」

チェシャ猫「まだコースは終わっていないなぁ」

女「え!?」

茶ウサギ「女さんっ!まだチャンスはあります!」

茶ウサギ「このような場合にも正しい対処法があるんですよ!」ピョコピョコ

女「ほ、ほんと...?」

白ウサギ「あぁ、食事にトラブルは付き物だ」

チェシャ猫「いかなる場合にもれっきとした対応の歴史があるのだよ」

女「男くん...」

男「ごめん...相談がオッケーでもこれは僕にも分からない...」

女「茶ウサギちゃん...」

茶ウサギ「ごめんなさい...教える事は出来ないんです...」

女「うぅ...やだ...」グスッ

女「こんなの分かる訳ない!!」

女「ポットの中で死ぬまで過ごすなんていやだよぉ...」

男「女さん...」

女「ねぇ男くん...?」

男「何...?」





女「私ずっと男くんの事好きだったの...」

男「え!?」

白ウサギ「ふむ...死を目前にしての愛の告白か」

チェシャ猫「ほっほっほ...美しい...実に美しい!」

茶ウサギ「まだ終わっていないです!」

茶ウサギ「女さん...いっぱいもふもふしてくれるって約束しましたよね!?」

女「ごめんね茶ウサギちゃん...」

女「約束、守れそうにないや...」

茶ウサギ「そんなっ...」

茶ウサギ「まだデザートも残ってるのに...」

茶ウサギ「ステーキなんてどうでもいいです!」

茶ウサギ「女さん!私と一緒にニンジンのソルベ...食べましょ?」ウルウル

男「!!」

男(な、何だ...今の茶ウサギの発言...)

男(ステーキなんてどうでもいい?)

女「あはは...せっかく茶ウサギちゃんが一生懸命作ってくれたんだもん」

女「お肉のひときれだって残したくないの」ニコッ

男「女さん!!」

女「クロスはお皿...でしょ?」

男「ち「アドバイスも相談の内だぞ」

白ウサギ「何かに気付いたようだが言えば女子を殺す」チャキッ

男「まっ、待ってくれ!!」

女「男くん...」

男「一回落ち着こう!まだ告白の返事だってしてないし!」

女「初めて出会った時から男くんの顔も声も匂いも」
男「何も焦る必要ない!一緒に生きて帰るって言ったじゃないか!」

女「全部ぜーんぶ大好きだったよ」

男「やめてくれ...俺も!俺も女さんがずっと好きだったんだ!」

男「初めて出会った時から今までの顔も声も匂いも全部っ...」

男「だから...そんなっ今から死ぬみたいな事言うなよっ...」




女「えへへ...大好き」パクッ

男「そんなっ...」

男「頼む!これが正解であってくれ!!」

男「なぁ!?女さんはマナーぐらい出来て当然なんだよ!」

男「女さんが間違うはずない!そうだろ!!」

白ウサギ「......」




白ウサギ「残念、ゲームオーバーだ」

男「違う!!そんな訳ない!!」

男「違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!!」

男「うあああああああ!!!!!」

白ウサギ「せめてもの慈悲だ」

白ウサギ「帽子屋とは違うポットに入れてやろう」

パカッ

茶ウサギ「女さん!」

女「えへへ...毛がほわっほわだね」ギューッ

茶ウサギ「うぅ...せっかく仲良く出来ると思ったのに...」

女「私も!たまにはポット覗いてね!」

茶ウサギ「はい!いっぱい覗きますよ!」

男「女さん!!」

女「男くん...」シュウウゥゥ...

女「生きて...」

男「うん...」

女「あーあ、せっかく両想いだって分かったのに」

女「こんな事ならもっと早く告白すれば良かっ...」

男「女さん!!!」



カタッ

白ウサギ「残念だがもう全て中に入った...」

男「くそ...何でこんなゲームなんかに巻き込まれなきゃいけないんだよおお!!」

茶ウサギ「男さん...女さんは私に任せてください!」

男「うぅ...嫌だ!俺が外の世界に連れていく!!」

チェシャ猫「無駄だ...ポットの中に入ったのならそもそもこの国から出れない」

男「そんな...」

白ウサギ「さぁ食事に戻ろう」

白ウサギ「早く食べてくれないか?」

白ウサギ「時間が押しててな、今日は昼から女王のパーティに参加しなければいけないんだ」

男「うぅ...」

茶ウサギ「女さんが残したステーキ...どうしましょう」

白ウサギ「ふむ...」

チェシャ猫「ここは一つゲームしてみてはどうかな」

男「何言ってんだ...このお茶会がゲームだろ...」

白ウサギ「あぁなるほどなるほど」

白ウサギ「それはいい考えだな」

白ウサギ「時間も短縮できるしこの男にとってはどう転んでも美味しい...」

男「どういう事だ...?」

白ウサギ「救済措置だ」

白ウサギ「あの女子が出来なかったクロスの上にステーキが落ちた時の処理」

白ウサギ「もしお前が正しい対応を出来たのなら」

白ウサギ「私の能力で女子を元に戻してやろう」

男「ほ、本当か!!?」

白ウサギ「その代わりお前も間違えてしまった場合」

白ウサギ「お前もポットに入れてやろう」

白ウサギ「この女子が入っているポットにな...」

男「そうか...」

茶ウサギ「男さん...無理せずクリアしても構いませんよ?」

男「...なんで急にそんな事言い出したんだ?」

男「お前らが俺を殺したら済む話じゃねえか!!」

白ウサギ「帽子屋が迷惑をかけたからな」

白ウサギ「お詫びのつもりだ...」

男「なんでっ今言うんだ!!」

男「女さんが!女さんが失敗する前に言えばこんなことには!!」

白ウサギ「まさかあれぐらいで失敗するとは思わなくてな」

白ウサギ「だから提供するのだよ...お前にラストチャンスを」

男「...わかった」

男「絶対に約束は守ってくれよ...」

白ウサギ「お前はつくづく面白いやつだな」ニヤリ



白ウサギ「それでは女子の席を元に戻そう...」

白ウサギ「”時間操作”」カチッ

男「なんで懐中時計をいじって...」

ギュルギュルギュルッッ

男「!!」

男「ステーキがクロスに戻ってる...!!?」

チェシャ猫「それが白ウサギの能力だよ若造」

男「時間を操作できるのか...」ゴクリ

白ウサギ「さぁ元の状態に戻したぞ」

白ウサギ「こちらの椅子に座るんだ」

男「あ、あぁ...」

茶ウサギ「男さん...女さんは生きてと言いました」

茶ウサギ「分からないのなら諦めて先に進んだほうが身のためですよ?」

男「やるんだ...助けられるのなら俺は絶対に見捨てたくない...」

白ウサギ「若きの至りとでもいうのか...私は是非とも挑戦してほしいのだが」

茶ウサギ「男さん!!」

男「ぐっ...」

男(始めなければ女さんを助けられない...)

男(でも...正直どうしたらいいのか分からないぞ)

男(茶ウサギを呼んで処理してもらえばいいのか?)

男「......考えても分からない...
やってやるよ!!」


「ちょっと待ちなさい!!!」

男「だ、誰だ!!?」

茶ウサギ「あなたは...!!」

白ウサギ「アリス...また私の邪魔をするつもりか...」

アリス「私がその男の代わりにやるわ」

男「お、お前がアリス...」

アリス「えぇそうよ!」凛っ

アリス「よろしくね!」ニコッ

男「...こんなところにいたんだ...」

アリス「あら私はもう女王のいるお城まで行ってたわよ?」

アリス「あなたのお友達に男を連れて来るよう頼まれたの」

男「友...ずっと前ばっかり行きやがって!!」ヘヘッ

アリス「どんな賭けをしてるのかしらないけど早いとこ終わらせてこっちを手伝ってほしいのよ」

男「うん!頼む!友達がポットに閉じ込められてるんだ、助けてくれ!!」

読んでくれてる人ありがとね
厨二全開だけどこれギターの完結編に
繋がるから三部作の真ん中という
位置付けで頼んます

白ウサギ「ま、待て!」

アリス「待たないわ」スタッ

アリス「椅子に座ったらゲームスタートなんでしょ?」

白ウサギ「……アリス、お前はこの世界にいるべき存在ではない」

男「どういう事だよ!お前がアリスと共に女王を倒せって言ったじゃねえか!」

白ウサギ「私は道標を教えただけだ」

チェシャ猫「ある意味アリスもイレギュラーなんだよ」

アリス「もう…うるさいわね」

茶ウサギ「うぅ…アリス…私はあなたを許しません…」

男「おい!なんなんだよ!まったく意味が分からないんだけど!」

白ウサギ「ゲームというのは融通が聞かないんだ」

白ウサギ「一度ルールを決めてスタートするとどう足掻いてもルールを変えられない」

男「え?」

茶ウサギ「女さん……私が一生面倒を見てあげますからね…」

男「……まさか」

チェシャ猫「このゲームのルールは男が挑戦するから成り立つ…」

白ウサギ「アリスが挑戦する場合、成功失敗に関わらずルールが適用されない…」

白ウサギ「何の意味もないゲームなんだこれは」

男「…………」

男「アリスが成功しても女さんは元に戻らないし失敗してもポットに閉じ込められない……」

アリス「早く終わらせていいんでしょ?」

男「ふざけるな!俺がやるんだ!どいてくれ!」

白ウサギ「そして挑戦者を指定したにも関わらず別の者が挑んだ場合…」

白ウサギ「そのゲームに関してはもう終わりだ」

白ウサギ「二度と同じルールでは出来なくなってしまう」

男「……時間を「無理だ」

白ウサギ「私の能力は毎回一度きり…女子の席で挑戦するからこその特別ルールだ」

男「だったら俺のステーキでやるから!」

チェシャ猫「見苦しいぞ…私は早くデザートを頂きたいんだ」

白ウサギ「私も時間がない…まぁゲームにトラブルはつきものだ」

白ウサギ「運がなかったとしか言えないな」

男「アリスウウウ!!!!!」

アリス「まずはナプキン…基本ね」スッ

男「何悠長に始めてんだよ!!」




アリス「なにか?」凛っ




男「な…」

男(な、なんて威圧感……何なんだコイツ!!)

アリス「さて…このクロスの上のステーキは」サッ

アリス「ナプキンで包んでそっと置いておく…」

白ウサギ「…正解だ」

男「マジかよ……」

茶ウサギ「さぁ!お待たせいたしました!」

茶ウサギ「人参のソルベと時間がないので紅茶も一緒にお出ししますね!」カチャッ

男「………」

チェシャ猫「どうした男?食べないのか?」

男「どうかしてる……お前ら本当どうかしてるよ…」

アリス「あらこのソルベ少ししょっぱくない?」

茶ウサギ「……そういうものですので」プイッ

アリス「可愛くないウサギさんね」

茶ウサギ「可愛くなくて結構です!!」

白ウサギ「最後は皆で食べ終わろう」

男「………」カチャッ

男「……うっ………」ポロポロ

アリス「あら?男のくせに弱虫なのね」アムッ

男「誰のせいだよ!!」

アリス「あなたの事情なんて知らないわよ」シャリシャリ

アリス「一度でもゲームに失敗した者なんてどうでもいいじゃない」フキフキ

アリス「一番レベルの低いテーブルマナーで即死じゃなかっただけ運が良かったんじゃない?その女の子は」フゥー

男「くっ……」

男「女さん……俺も好きだったよ……」



パクッ




男「あっ……しょっぱい……」ホロッ

白ウサギ「ゲームクリアだ」

チェシャ猫「おめでとう」

茶ウサギ「男さん…私は女さんに寂しい思いをさせません!」

男「あぁ……頼むよ……」フラフラ

アリス「ちょっと!どこに行くつもり!?」




気持ち悪い……
突如現れた最悪の存在…
両想いだと分かった女さんの死…
何故か殺す事を目的としていないキャラクター…


男「おええええええぇぇぇ……」


あまりにも多過ぎる理不尽の暴力…
俺の胃はその威力に耐えられなかった…

ポタポタ……


アリス「こんな茂みで汚いわね」ガサッ

男「はぁ……はぁ……」

アリス「もういいかしら?」

男「アリス……もう俺に関わらないでくれ……」

アリス「意味分かんないんだけど」

アリス「あなたのお友達が待ってるわよ」

男「友……」

アリス「あと一人来ないとゲームが始まらないの」

アリス「クリアしない限り女王の城には入る事が出来ない」

アリス「お友達と国に帰りたいのでしょ?」

男「……お前、嫌いだわ」

アリス「うふふ…嫌いで結構よ」

アリス「どうせ女王にゲームで勝ったら国に帰るんでしょ?」

男「あぁ!女王でもなんでも倒してこんなキチガイだらけの国、さっさと出ていってやる!!」グイッ

アリス「あら?私に喧嘩売るつもりかしら」

男「てめぇが一番の悪だ!!許さねぇ!!」

アリス「私は早くあなたを連れていきたいだけなのに酷い仕打ちね…それに」

アリス「レディに暴力を振るってはいけないってパパに教わらなかった?」グイッ

男「やんのかコラ!!」

アリス「ふふっ…可愛いわね」

男「あぁ!!?」

アリス「そんなにその女の子を忘れられないなら忘れさせてあげるわ」

チュッ

男「!!」

アリス「んっ……」レロレロ

男(舌…絡ませて……)

男(ていうか…初めてのキス……)

男「やめてくれ…」トンッ

アリス「これで満足?」

男「これ以上俺をガッカリさせないでくれ…」

アリス「私がいないと女王の元までいけないわよ?」

アリス「私はこの物語の主人公」

アリス「この世界は私を中心にまわっているのよ」

男「なんでお前みたいな奴が主人公なんだよ!!」

アリス「いいから!早く行くわよ」グイッ

男「やめろ!!離せっ!!」




白ウサギ「さて私は女王の城に行ってくる」

チェシャ猫「帽子屋はどうする」

白ウサギ「以前も同じ事で能力を使ったからな…」

茶ウサギ「もうあの顔を見なくて済むのですね…」ホッ

茶ウサギ「女さ~ん…これから毎日お喋りしましょうね~♪」スリスリ

チェシャ猫「茶ウサギの収集癖にも困ったものだな」

茶ウサギ「もうっ!まだ2000人目ぐらいですよ!」

白ウサギ「お前も趣味が悪いな…」

白ウサギ「ポットに入れた人間を太らせ食べるとは…腹を下すぞ」

茶ウサギ「えへへ♪女さんって一体どんな味がするのかなぁ?」スリスリ

チェシャ猫「聞いていないな」

白ウサギ「やれやれ…」

茶ウサギ「あ!今まで食べた人のリスト渡しましょうか?」

チェシャ猫「私は遠慮しとくよ」

白ウサギ「私もだ…それと」



白ウサギ「食器棚のポット…全て洗っておくんだぞ」

白ウサギ「いくらなんでも血なまぐさすぎる…」

茶ウサギ「血を熟成させているんですよ♪」

フゥ…
お腹すいたね

ハートのお城 門前

トランプ兵士長「かぁーっまた負けちまった!」

友「へへっ!早くあいつら来ないかな」

トランプ兵士長「本当だぜまったく!」

ザッ

アリス「お待たせ、連れてきたわよ」

男「友…」

友「男…お前だけなのか?」

友「ヤンキーと女は…?」

男「………」フルフル

友「そうか…まぁもうクリアは目前だ!」

友「早く夢から覚めてあいつら叩き起こそうぜ!」

男「うん、そうだね…」

男(友はまだ知らないのか…)

アリス「死んだ人の事グダグダ言ってもしょうがないじゃない」

アリス「早く女王に会いましょ」

男「こいつ…」

兵士長「よぉアリス!また女王と喧嘩か?」

アリス「ムカつくからぶっ飛ばすだけよ」

兵士長「仲良くしろよなまったく…」

兵士長「とりあえずゲームだゲーム!!」

兵士長「俺とゲームして勝たなきゃ門は開かねぇからな!」

友「で、何すんだよ?」

兵士長「へへ…やっと4人集まったんだ!」



兵士長「大富豪とかいいんじゃねぇか!」

友「お!いいじゃん大富豪!」

友「俺たちいつもやってるよな!男!」

男「…うん」

友「こいつマジで弱いから楽勝だぜ?」

兵士長「へへ、こりゃあ地雷踏んじまったかな!」

アリス「何か言葉の使い方間違ってない?」

あははははは…


男(友…あいつらは本当に死んじまったんだよ…)

男(女さんなんてこの女に殺されたようなもんなんだ…)

男(楽しくゲームしてる場合じゃないんだ…)

兵士長「それじゃあゲームの説明だ!」

兵士長「ルールは一般的なやつでいいよな?」

アリス「ちょっと待って、私大富豪って知らないんだけど」

友「マジか!お前人生の7割ぐらいは損してんぞ…」

男「そんなことないんじゃないかな」

友「暇な時があれば時間潰せるいい遊びじゃん!」

アリス「へぇー面白そうね」

兵士長「お前でも知らないゲームがあったんだな」

アリス「だって皆私とゲームしたがらないんだもん」

兵士長「そりゃあそうだろ!主人公の時点で負ける事ないもんな!」

男「能力…」

兵士長「とりあえずジョーカーを含むトランプをシャッフルして全員に配るんだ」シャシャシャ

兵士長「で、スペードの3を持ってる奴からスタートだ」

兵士長「お、丁度持ってたわ」ポイッ

兵士長「そしたら順番に3より大きい数字を出していくんだ」

友「ほい6」ポイッ

アリス「ふぅん…で、どうやったら勝つの?」

兵士長「一番最初にカードを全て使い切ったやつからだ」

兵士長「ちなみに3が一番弱くて2が最強だ」

兵士長「またジョーカーは2より強いからな」

友「最強カードなんだよ」

アリス「なるほど」

兵士長「で、俺がここで2を出すとする」ポイッ

友「あー持ってねぇわ…パス」

兵士長「こうして最後にカードを出したやつより強いカードを持っていない場合パスが出来る」

兵士長「そして誰も出せず最後に出したやつまで戻ってきたらこの山はどける」

兵士長「そしてどかした奴からスタート」

兵士長「スペードの3の山が終われば好きな数字、枚数を合わせてスタート出来るんだ」

兵士長「とりあえず5を2枚な」ポイッ

友「ほい7が2枚」ポイッ

アリス「2枚以上出した場合は枚数を揃えないといけないのね」

兵士長「そう言う事だ!」

友「スキップとか革命はどうするんだ?」

兵士長「そこはシンプルに革命と8切りのみでいこうじゃないか!」

アリス「革命?8切り?」

友「男も手伝ってくれよ」ホイ

男「ほぇ?あ、うん」

友「何素っ頓狂な声出してんだwww」

兵士長「お前面白いやつだなぁ!」

アリス「そんな馬鹿置いといて早く革命を教えなさいよ」

男「なんなんだよまったく…」

兵士長「じゃあ説明しよう!」

兵士長「男とやら!君は手札をいっぱい持ってるはずだね」

兵士長「一気に8切りと革命を起こせるんじゃないか?」

男「うん、とりあえず8を二枚出すよ」サーッ

アリス「あら?何で場札を勝手に全て流したの?」

友「これが8切りっつーんだよ」

友「8を単体で出すか連番の中に8があるとその場で流せて自分からスタート出来る」

兵士長「くっ…俺にも説明させてくれよ!」

友「俺に勝てたならな」ニシシ

男「はい9が三枚とジョーカーで革命!」

男「キングね」ポイッ

兵士長「10だ!」ポイッ

友「6!」

アリス「革命…つまりジョーカーを含む4枚以上の同じ数字のカードを出せばルールが逆になるのね」

アリス「なるほど、面白そうじゃない!」

友「ちなみに革命返しって言ってもっかい革命を起こせば元に戻るんだぜ」

兵士長「このように大富豪は様々なルールがあって色々詰め込む事によって楽しさも倍増するんだ!」

友「…お前意地でも自分がまとめたかったんだろ」

男「で、ゲームの条件は?」

兵士長「ああそうそう!ゲームのルールだったな!」

兵士長「ゲームは全部で10回勝負!」

兵士長「最も最下位を多く取った者…そして下から3人までがこの門をくぐる事が出来る!」

男「負け抜けって事か…最も大富豪を取った人はどうなるの?」

兵士長「トランプ兵となりこの城に一生仕えて貰う!」

男友「!!」

男「そうか…ジョーカー兵はここでトランプ兵になったんだ…」

アリス「勝てば問題ないじゃない」

アリス「あ、負ければだったわね」

友「絶対に3人でクリアしようぜ!」

男「うん!絶対にもう誰も犠牲にしたくない…」

友「…なんか変わったな、男」

男「え?そうかな…?」

友「あぁ」

友「何かしっかりしてるっていうか…」

男「……ここに来るまで色んな事があったからね」

友「へへ…夢から覚めても今の男でいろよ?」

男「覚えているのかな」アハハ

夢じゃないんだ…
なかなか言い出せない…

ここでクリア出来なかったら一生
物語の中から出てこれない…
何故その一言を言えないんだろう

兵士長「ちなみに意図的なスキップは禁止だ」

アリス「どういう事?」

兵士長「わざと負けるのはダメだと言うことだ」

兵士長「手札の中に出せる手があれば必ず出して貰う」

友「なるほど、それなら運が必要になるな」

兵士長「悪いが俺はゲーム全般弱いからね」

兵士長「こうでもしなきゃ勝てやしないんだ」

アリス「確かに負けたければずっとスキップすればいいものね」

男(このゲーム…必勝法がない)

男(そして必ずしもこの兵士長を出し抜けるとも限らない)

男(多分…この3人の中の誰かがトランプ兵になる…)

兵士長「んじゃ始めるか!」

僕たちは門の傍にある小屋の中で
テーブルを囲いゲームを始めた

一回戦

男「スペードの3だ、じゃあ僕からね」ポイッ

アリス「次は私ね、5よ」

兵士長「7だ」

友「……10」ポイッ

兵士長「待て」

友「な、何だよ…?」

兵士長「むむ…わかる…わかるぞ!お前の手札が!」

兵士長「どうやら2を4枚持っているみたいだな…」

友「!!」

男「透視能力!?」

アリス「ハッタリよ」

友「まったく…そんな訳ないだろ」

兵士長「信じてないな!俺には分かる!」

友「当たってねぇよバーカ」

友「それにあったとしても最良の手で出さなきゃいけない訳じゃないだろ?」

兵士長「俺は真っ向勝負を望みたい!」

友「いやそんなのねぇから」

男「提案した本人が一番弱そうだね」アハハ

兵士長「うるさい!もう手札全部見せてやるよ!」ホレ

友「……マジか」

男「最高で8…」

アリス「あら、貧相な手札だこと」クスクス

友「本当に運がないんだな」

男(マズイ…明らかに兵士長が不利…)

男(つまりこの一戦、兵士長が大貧民になる可能性が高い)

男(都落ちが適用されてない限り大貧民スタートは明らかに有利だ)

男(友…革命を起こしてくれ!!)チラッ



友「男…お前の言いたい事分かるぜ」

友「だけど、この戦いは大貧民で終わればではなく回数で決まるんだろ?」

兵士長「あぁそうだ!」

兵士長「あ、やっぱりルール変えるか」

男「え!?」

友「あ、やっぱり終了時の結果にするか?」

兵士長「その方が面白そうだと思ってな」

アリス「つまり最初の一戦が大事になるのね」

男「待ってくれ!ゲームのルールは途中で変えれないんじゃないのか!?」

兵士長「あーそうだった!」

男「……」

友「そうなのかよ」

アリス「いつも思うけどもっと融通利かせてもいいと思うのよね」

兵士長「まぁ都落ちもないから順位も中々ひっくり返らないだろうし」

兵士長「やっぱりこのままのルールが良さそうだな」

友「次兵士長だぞ」

兵士長「おおもう回ってきたのか、スマンスマン!」アッハッハ

男(絶対にルールは変えさせない…)

男(だって…そうじゃないと何の為に女さんはポットから出られなくなったんだ…)

男(……何で楽しそうにしてんだよ皆)




男「よし貧民だ!」

兵士長「はっはっは!やはり俺が大貧民!」

友「クソォあそこで革命を起こさなければ…」

アリス「勝負に乗った貴方が馬鹿なのよ」

友「次こそは負けてやるからな!」

兵士長「果たして出来るかな?」

アリス「ねぇお菓子はないの」

男(ヤッバイ…楽しい!)

男(……ごめん女さん)

男(今頃一人で寂しい思いをしていると思うけど)

男(やっぱり皆で楽しく大富豪をするのは面白いんだ…)

友「スコーンとか女子かよ」

兵士長「紅茶文化の国だからな、こういうのしかないんだ」

アリス「私は好きよ、この国の食事」

アリス「紅茶は美味しいしこうやって優雅にゲームをするのも趣があっていいじゃない」モグモグ

男「そうだね…」

男「本当は昼休みに大富豪をやるつもりだったのに…」

男「どうしてこうなったんだろう」

友「神の試練なんだろ?」

友「もしかしたら俺たち神様にでもなれるのかもよ」

友「それにどうせなら楽しまないとな!」

アリス「そうよ、ゲームは楽しむものなのよ」

兵士長「アリスは絶対に負けないからそりゃ楽しいだろ」

男「神様になれる…か」

男(もしそうなら…)

男(いつもの日常に戻ることが出来るかな…)



アリス「はい!スペードの3よ」ポイッ

友「お!始まったか!」

フゥ…
もし良かったら次の世界の
リクエストとかくれたら助かる
童話じゃなくてもいいかな



5回戦終了

男(マズイ...兵士長は既に3回、アリスは2回も大貧民に...)

友「そろそろヤバイな男」

男「うん...このままじゃ俺たちのどちらか一人が...」

友「ゲームオーバーだな」

兵士長「ははは!負ければ勝ちならこんなにも強いんだな、俺は!!」

アリス「えばる事じゃないでしょ」

アリス「ほら、後半戦早く始めましょうか」ポイッ

兵士長「スペードの4だ!」

友「スペードの8な」

友「で、革命」ポイッ

兵士長「何!!2が4枚とジョーカーが2枚だと...!?」

友「そろそろ負けに行かないとな」ニヤッ

男「何してるんだよ友!!?」

男「この戦い、沢山カードを消費する革命は避けるべきだろ!」

アリス「うふふ...勝負に出たわね」

アリス「好きよ、あなたのそういう所」

友「へへっ...ずっと兵士長は弱いカードばかり...」

友「ならば強くしてやればいいだけ...これで兵士長が大貧民になる可能性は減ったはず!」

男「でもジョーカーを出さなくて...も...」

男「!!」

友「気付いたか」

男「そうか...ジョーカーを使い切ってしまえば出す事のできないパターンが増える...」

兵士長「くそ!!やっぱり運がねぇよ俺!!」

友「さぁ!反撃するぞ!」

男「うん!!」



6回戦
大貧民 友
貧民 アリス
富豪 男
大富豪 兵士長

友「よっしゃあああ!!!!」

アリス「まさか残りが絵札ばかりだなんて...流石私が見込んだだけあるわ」

兵士長「くっ...大富豪か...」

男「......」

男(ここまでで大富豪が3回、富豪が2回,、貧民が1回...)

男(あれ?まさか俺が一番ヤバイんじゃ...)



友「......」

兵士長「クヨクヨしてもしょうがない…」

兵士長「さぁ!7回目をやろうか!」

友「えーと今までの結果どうだったっけ?」

アリス「確か…」


大貧民 貧民 富豪 大富豪
一回戦 兵士長 男 アリス 友
二回戦 アリス 兵士長 友 男
三回戦 兵士長 アリス 男 友
四回戦 アリス 兵士長 友 男
五回戦 兵士長 アリス 友 男
六回戦 友 アリス 男 兵士長


アリス「もう男が勝ちでいいんじゃない?」

兵士長「ははは!なんだ、もう勝負はついていたのか!」

男「ま、待ってくれ!!」ガタッ

友「男…まだゲームは終わってないぞ」

男「と、友…」

アリス「男…あなたはなんの役にも立たなそうだしもうここで諦めてよ」

アリス「ポットの中の女の子も救えないくらいだし」

男「ふざけんな!」

男「大体お前が勝手にイスに座らなければっ…」

アリス「あら人のせい?酷いわね」

アリス「言わせて貰うけど想い人を救えなかったのはあなたのせいでもあるのよ」

アリス「助けたかったらさっさと挑戦すれば良かったのに」

男「ぐっ…」

アリス「大好きな人のために命をも賭けれないようじゃ本当に好きだったのかも怪しいわね」

アリス「まったく…それでも男の子かしら?」

友「言い過ぎだぜアリス…」

男「友…!!」

友「男…夢から覚めるにはアリスが必要だ」

友「悪いが俺がお前たちを助けてやるから!ゴメンなっ!」

男「嫌だ……死にたくない…」フルフル

友「は?何言ってるんだよ、本当に死ぬ訳ないだろ」

兵士長「そーだそーだ!!」

アリス「命乞いまでしてみっともない…」

アリス「それにしても友……あなたいいわぁ…」サワサワ

アリス「凄く私好みよぉ……んっ」クチュクチュ

男「な、なにしてるんだよ!!?」

アリス「さっきの六回戦…革命を起こす事はルール上不利なのにも関わらず迷わずカードを出した…」クチュクチュ

アリス「結果それを逆手にとり見事大貧民を獲得……あぁん…こんなのっ興奮するに決まってるじゃない!!」ビクンビクン

アリス「はぁ……はぁ……」

男「コイツも狂ってる…」

友「いやアリスは俺が最初の神経衰弱を全て運で当てた時からこうだったぞ」

アリス「だってぇ……ジュースカードって見破らずに全て当てた人なんて初めて見たんだもん…」

男「な、なんだって!?」

兵士長「女王を打ち負かした後もいっつもこっそり門の近くでしてるしな」

アリス「あら兵士長…それを見ていつも滾らせているのもお見通しよ……」ハァハァ

男「クソっ変態ばかりだ!!」

男(アリスは見た感じ18歳ぐらい…)

男(すらっとしてて脚も長いし美しいタイプの顔立ちで凛として付け入る隙なんてないのに…)

男(今は頬を赤らめて夢中でオナニーしているっ!!)

男(クソっ!!俺には女さんしかいないのに…反応するなMyムスコ!!)ムクムクッ

アリス「あら…興奮しちゃった?」ペロッ

男「そ、そんな訳ないだろ!!」

友「男ぉ…気持ちは分かるぜ…」

友「俺たちずっと童貞仲間だったもんな…」

男「へ?だったって…」

アリス「さっきは気持ちよかった…また後でいっぱいしてよね///」

兵士長「でえけてえる」

友「うるせっ茶々入れんな!!」カァーッ

男「」



男「なんなんだよ呑気にセックスまでしやがって…」

友「夢の中だから素人童貞かもしれないけどな」

男「友っ!!」

友「あ?」

男「絶対負けねえ!!」

男「皆心配してたのに先に行って勝手な事しやがって!」

男「ここは絶対に俺が勝ち抜いてやるからな!!」

友「へっ…ずっと俺の後ついて来るだけだったお前がそんな事言うなんてな…」

友(夢の世界に来てから本当に変わったな…)

友(あんなに毎日無気力で自分から何もしなかった男がまさか俺に勝負を挑むなんて)

友「いいぜ…かかってこいよ」クイクイ

男「昔の話だ!今は違う!!」

友「ケッ…カッコつけやがって」

友「さぁやろうぜ七回戦!!」

七回戦

男(また絵札が多い…ジョーカーも2枚ある…)

アリス「はい私からね」ポイッ

兵士長「5だ!!」ポイッ

友「7」ポイッ

男「9」ポイッ

アリス「早い内に使っておくわ」ポイッ

兵士長「くっ…2か」

男(……待てよ)

男「兵士長!連番での革命もありだよな!?」

兵士長「そうだな、あ、いや…俺のためにやらないでくれ!」

友「マジかお前…」ニヤッ

男「へへ…」

アリス「悪いけどさせないわ」ポイッ

男「6が3枚…!!」

兵士長「パスだ」

友「俺も」

男「くっ…」

アリス「さぁあなたは持っているんでしょ?」

アリス「早く出しなさいよ」

男「………分かってるよ」

男(手持ちはJが2枚、Qが2枚、キングが1枚…)

男(後はとびとびで一枚ずつ…せめて9か10を一枚でも持っていたら…)

男「……」

男(せっかくのチャンスだったのに…)



アリス「ねぇ…いつまで出さないつもり?」

兵士長「かれこれ10分ぐらいは経ったんじゃないか」

男「あはは…ちょっと待ってよ」

アリス「さっきまで友に啖呵切ってたくせに…」

アリス「意気地なし」

男「だから待てって…手はあるんだけどどれ出すか悩んでるんだよ」エート…

男(ダメだ…せめてこの戦いは勝たないと絶対に後がキツい…)

男(最低でも残り全て貧民は取らないと…)



スッ…

友「………」

男「………」チラッ

男(友!?なんで8を三枚も…)

男(俺にくれようとしてるんだよ!!)

友「男…お前はやっぱり意気地なしだったな」

男「何!!?」

友「知ってるだろ?昔からお前は俺に何一つ勝てなかった事」

友「それは俺が凄いからじゃない」

友「目の前のチャンスを掴もうとしないお前が原因だ」グイッ

男「なんで……」ポロッ

友「俺に勝ちたかったら自分でチャンスを掴め!!」

友「一度ぐらい俺を負かせてみろよ!!」

アリス「なんで泣いてるのよ気持ち悪い…」

兵士長「ははは!友情とはいいものじゃないか!」

男「友…ここで死んだら本当に死んでしまうんだ…」

男「夢なんかじゃない…俺たちの体は確かに本物なんだよ…」

友「へっ……分かってたよ」

男「え!?じゃあなんで…」

友「ずっと心配だったんだ…」

友「ずっと俺の後について来てただ流されて生きていくだけのお前が…」

男「うぅ……」

友「ずっと勝手に子分みたいについてきやがって…」

友「俺たち友達だろ!対等の立場なんだよ!」

友「だからこれは貸しだ」

友「次からは真剣勝負だからな」

男「……」コクッ



こうして俺たちはアリスと兵士長に
バレないよう机の下でカードを交換した…

流した涙だけはバレてたから袖で拭ったんだ



男「アリス…これから俺は絶対に負けない!」ポイッ

アリス「8切り……!!」

男(友に渡したカードは4と6、7だ)

男(これで残りカードは1が2枚と絵札、ジョーカーを合わせて9枚)

男(2が不安だけどここで勝負を決めるしかない!!)

男「まずはJQとジョーカーだ」ポイッ

アリス「……パスよ」

兵士長「同じく」

友「俺も」

男「そして革命!」ポイッ

男「革命返し……出来る人はいるか?」

アリス「ふん…」



アリス「パスよ」ギリッ

男「そして1!」ポイッ

アリス「ちょっと待って!!あなたもう手札が一枚しか残っていないじゃない!!」

兵士長「クレイジーだなおい…」

男「言っとくけど2じゃないから」

アリス「い、イカレてる…」

アリス「ここでアガってしまえばあなたは勝ちが濃厚になるのに…」クチュ…



男「いいから早く出せよ」

アリス「んっ……6よ」フンッ

兵士長「7だ」ポイッ

友「8切り!」

男(まだ持っていたのか!!?)

友「そして…先に使わせて貰うぜ」ポイッ

男「!!!」

男(2が2枚……)

男「パス…」

アリス「もう…ジャックが2枚よ」ポイッ

兵士長「10だ」ポイッ

男「友…」

友「まだ俺の負けは確定していないぜ」

友「最後まで負けるつもりはねえから!」

男「あぁ!俺も絶対に負けない!!」

ごめん寝ぼけてた
革命中だから↑はアリスが12、兵士長は10で頼んます

七回戦終了

大貧民 貧民 富豪 大富豪
男 兵士長 友 アリス

男「やった…負けた!!」

アリス「ちっ…男を勝たせるためにバンバンカードを出さなければ良かった…」

友「スゲェな一枚だけで最後まで残るなんて」

兵士長「最後は俺がカードを出し続けるだけだったな」

男「友がさっき革命をやったから思い付いたんだ…」

男「このルール、運もあるけどこれが必勝法だ!!」

友「へへ…こりゃあマズイぞ」



アリス「……手持ち一枚だけで後はただ待つだけなんて…」

アリス「本当にイカレてるのはあなただったようね」ウットリ

そして大富豪は全て終わった...



大貧民 貧民 富豪 大富豪
一回戦 兵士長 男 アリス 友
二回戦 アリス 兵士長 友 男
三回戦 兵士長 アリス 男 友
四回戦 アリス 兵士長 友 男
五回戦 兵士長 アリス 友 男
六回戦 友 アリス 男 兵士長
七回戦 男 兵士長 友 アリス
八回戦 兵士長 男 アリス 友
九回戦 アリス 男 兵士長 友
十回戦 アリス 兵士長 男 友


男「これは…どうなったんだ…」

友「見りゃ分かんだろ」

友「俺がトランプ兵行きだな」

男「そんな…」

友「男…これから先も生きろよ」

男「……うん」

男「やっと追い付いたのに…」グスッ

友「泣くなよバカ!」

男「だって…皆で生きて戻りたかったから…」

男「もう女王を倒しても一人じゃんかぁ…」

友「戻ったらクラスメイトがいるだろ」

男「でもっ…俺は友とヤンキーとオタクのいつもの4人でいるのが好きだったから!!!」

男「それで皆でダラダラ過ごしてさ!」

男「帰りにゲーセン寄ったりマック行ったりカラオケ行ったりさ!」

男「毎日同じ事してても大丈夫だから、だから、死ぬなよぉぉ…」

友「お前に殺されたようなもんだけどな」アハハ

兵士長「もういいか?とりあえずゲートオープン!!」

ゴゴゴゴゴ……

友「あ、そうだ男!」

男「なに?」

友「生きたいっていう俺の意志、継いでくれよ」トンッ

男「あ、あぁ分かった…」

男(今なんで胸を軽く殴ったんだ?)

アリス「はぁ…こんな冴えない男とだなんて」

アリス「まぁ少しは見所あるみたいだけど」

兵士長「じゃあ行ってこいよ!」

友「またいつかな!」

男「またいつかじゃない!絶対にまた再会するから!」

友「へへ……絶対にな」トンッ

男「うん、絶対に」トンッ

俺たちは最後のお別れに拳を合わせた...

フゥ…
次でアリス編ラスト
お腹すいたね

女王の城 庭

アリス「さぁ行くわよ」

男「あぁ…」

アリス「あなたが女王に挑戦するんだから落ち込まない」

男「うるさい…」

もう誰もいない…
物語のキャラクターとだけで
進むなんて何か意味があるのだろうか

女王の城は最初に見つけたお城と
似たような形をしていた
古びていて緑に囲まれているぐらいの違いはあるけど


白ウサギ「生き残ったんだな」

男「お前は…」

アリス「また女王に呼ばれたの?」

白ウサギ「そうだ、この男とのゲームのディーラーを頼まれていてな」

男「んだよそれ…俺が生き残るの分かっていたのか」

白ウサギ「いや…きっとイレギュラーのうちの誰かがここまで来ると思っていたのだろう」

男「そうか…」

白ウサギ「どうした、さっきまでの覇気が無くなっているぞ」

男「誰もいないんだ…友もヤンキーもオタクも…」

男「女さんも……」

白ウサギ「お前が優秀だっただけの事だ」

白ウサギ「生きていくという事は誰かを蹴り落としてでも形振り構わず先に進むという事」

白ウサギ「気に病むな、お前は喚いていた方が生き生きしていたぞ」

男「なんでウサギに慰められなきゃいけないんだ…」

アリス「もう…友がゲームに負けるのは想像していなかったけど」

アリス「負けた人にはもう興味ないわ」

アリス「今はあなたと共に女王に会うのが私の目的よ」

男「アリス…お前は何のために生きてるんだ…」

アリス「死ぬまでの暇潰しよ」

男「何だよ暇潰しって…」

男「友とヤっておいて涙も流さないなんて有り得ねぇよ…」

アリス「ただ単に気が合ったから合わさっただけ」

アリス「毎日お紅茶を飲んで負けもしないゲームをして…」

アリス「そんな日がな毎日のある日、あの破天荒は現れた…あまりにも面白いから胸が躍ったわ」

アリス「ただそれだけ…ねぇもういいでしょ?中に入りましょうよ」

男「……さっさとこんな世界おさらばしてやるよ」

アリス「あっそ、頑張ってね」


生まれて初めてお城という建造物に入った
俺たちは階段を上がり二階にある大きな扉を潜りぬける…

その先にはきちんと整列した
トランプ兵の道が出来ていた
そして玉座には細身のやや小さく感じる
一人の少女が妖しく笑いこちらを見つめていたんだ


ハートの女王「おぉ遂に来たかイレギュラーよ」

男「お前がハートの女王か…!」

男(ツルペタで背も150ぐらい…しょ、小学生なのか!!?)

アリス「あら女王…相変わらずガキンチョね」

女王「またお前かアリス!もう二度と私の前に現れるなと言っただろ!」プンプン

アリス「その条件で私にゲームで勝てたらの話でしょ?」

アリス「運ばかりに頼って戦略も何も立てないから私に勝てないのよ」

アリス「それに体のあらゆる所でもね」フンッ

女王「きぃ~っ!!!ムカつくムカつくムカつく!!!」

男「え、アリス…もしかしてお前女王にも負けた事ないのか!?」

アリス「えぇそうよ」

アリス「あのおチビは自身の能力に頼り切るだけ」

アリス「戦略性が必要なゲームならまず負ける事はないわ」



男「……帰れる」ゴクリッ

白ウサギ「さて…ゲームを決めようか」

女王「私だってまだ成長期だ!!」

アリス「分かったから早くしなさいよ」

男「戦略性のあるゲーム…」

白ウサギ「とりあえずルールを決めよう」

女王「うぅ……そうだな」

女王「私が勝ったらイレギュラーは私の奴隷だ」

男「え?」

女王「周りに人間がいないからちょうど人間の下僕が欲しかったんだ」

女王「……私のおっぱいを毎日揉んでもらうからな」

男「いやちょっ…」

アリス(小さい頃男の人におっぱいを揉んでもらったら大きくなるって嘘…)

アリス(まだ信じてたのね)

男「いや…今までの流れ的に命を賭けたりとかじゃないのか!?」

女王「それは国民それぞれが勝手に決めた事…」

女王「イレギュラーはどう処分しても構わんと伝えてあるからな」

アリス「良かったじゃない、ご褒美よ」

男「……俺が勝ったら?」

女王「そうだな…自由に決めていいぞ」

男「そうか…だったら……」

男「死んだ友達を生き返らせてくれ!!」

女王「そんな事出来る訳なかろう…神じゃあるまいし」

男「そんな……」



男「じゃあ…このゲームに何の意味があるんだよ……」

女王「決まらぬのならそうだな…」

女王「見たところなかなかハンサムな顔立ちだな」

女王「お、お前が勝ったら…」

女王「私の体を好きにしていいぞ///」

男「…いらない」

女王「なっ…この国の女王の体を好きに出来るんだぞ!!?」

男「意味分かんねぇよ…それに悪いが俺はロリコンじゃないから」

アリス「じゃあ勝ったら死ぬでいいんじゃない?」

男「…そうだな」

男「もう学校に戻っても元気に過ごすなんて出来ないや」

白ウサギ「決まったか?」

男「あぁ…勝っても負けても俺を殺してくれ」

女王「…無粋な奴め」

アリス「まぁ死ぬのは勝手だけど」

アリス「友と約束したんじゃなかったの?」

アリス「これからも生きるって」

男「……」

アリス「もっと何か欲しがりなさいよ」

アリス「私はゲームという刺激が欲しいし女王はバストが欲しい」

アリス「人間は何かを欲しがって初めて生き生きとするものよ」

アリス「辛気臭い顔しないでゲームを楽しみなさいよ」

男「……生きる意味が欲しい」

白ウサギ「……しばし待とうか」

男「俺が負けたら死でいい......」

男「勝てば...何でもいい、俺のやるべき事を教えてくれ」

女王「それは私に求めているのか?」

アリス「そうなんじゃないかしら」

女王「そんな難しい事考えた事ないから分からんぞ...」

白ウサギ「決まったようだな」

白ウサギ「して、ゲームは何にするのだ?」

男「何でもいい...」

女王「そうか...なら王道にポーカーでいこうではないか」

男「やったことない」

女王「まぁまぁ、この私が直々に教えてやろうではないか」

白ウサギ「ではポーカーでの勝負で決定だな」

アリス「あら、もう勝負はついたじゃない」

男「へ?」

アリス「女王の能力、”強運”には運任せの勝負ならまず勝てないわよ」

男「ま、待ってくれ!違うゲームにしよう!!」

白ウサギ「もう決定した...ルールは今更変えられないぞ」

女王「まぁまぁ、まだ始まってもいないぞ」

女王「まだどうなるか分からないではないか」ニヤリ

男「クソッ...」

アリス「本当つまらない男...今更命乞いだなんて恥ずかしくないの?」

トランプ兵「そーだそーだ!!」

トランプ兵「恥を知れバーロー!!」

男「わ、分かった...ルールを説明してくれ」

女王「よしそれでは説明しよう」

女王「ポーカーとはジョーカーを除く52枚のトランプを使うのだ」

女王「今回は二人でやるから特別に白ウサギに手札を配ってもらう」

女王「はじめにお互い5枚ずつ手札を貰い強い役を作る...」

女王「勿論それだけではまったく役が出来ないかも知れない」

女王「だから一度だけ最大5枚までの手札をディーラーに渡し新しい手札を貰うことが出来る」

男「ということは絵札が多かったらそれ以外を捨てて役が揃うのを待てばいいのか」

女王「そのとおり!そして交換が終わればチップを賭けて互いの役を見せて勝負するのだ」

女王「役は強い順にロイヤルストレートフラッシュ、ストレートフラッシュ、フォアカード、フルハウス、フラッシュ、ストレート、スリーカード、ツーペア、ワンペア...そして役なしのブタだ」

女王「チップは互いに100枚スタート、最低5枚までで勝負してもらうぞ」

女王「先攻がチップを出したら後攻はコール、レイズ、ドロップすることが出来る」

女王「コールは同じ枚数のチップを賭ける」

女王「レイズは相手より多い枚数のチップを上乗せして賭ける」

女王「そしてドロップは勝負を降りる...そのとき5枚のチップを相手に支払ってもらう」

アリス「簡単に言えば手札に自信があればドンドン吊り上げていけばいいのよ」

アリス「ブタとかワンペアぐらいで勝てないと思えばドロップするの」

男「なるほど...先攻がチップを出して後攻がコールなりドロップしたりした後、先攻がドロップすることは出来るのか?」

アリス「勿論よ!あとレイズは互いに1回ずつまで」

女王「レイズして更にレイズされたらまず相手はストレートフラッシュとかフルハウスが完成していると思ったらいいのだ」

女王「あとゲームはどちらかのチップが無くなるまで行うぞ」

男「分かった...はじめようか」

女王「あらかじめ言っておくが私は強いぞ」ニヤニヤ

男「くっ...」

白ウサギ「それでは始めようか」シャシャッ

白ウサギ「まずは5枚だ」

男「あぁ...」

男「!!」

男(クラブの8、9、10、J、Q...これって)

女王「先手は譲ってやろう」

男「あ、あぁ...じゃあ20枚だ」

女王「ほぅ...いきなり大きくでたな」

男「いくら運が良いって言ってもロイヤルストレートフラッシュなんてそうそうでないだろ」

女王「さぁ、どうかな?」

女王「レイズ、50枚だ」

男「え!!?」

アリス「あちゃー...本当につまらない男ね」

白ウサギ「男よ...どうするのだ?」

男(いや...いくらなんでもまさかな...)

男(こっちはストレートフラッシュだ...そうそう負ける事はないはず)

男(つまり...ハッタリ!!)

男「更にレイズしてもいいんだよな?」

白ウサギ「あぁ、互いに一回ずつまでだ」

男「じゃあ勝負を決めるよ」

アリス「バカじゃないの」

男「うるさい!勝てる時なら勝ちに行きたいんだよ!!」

アリス「それはただの自暴自棄よ」

アリス「言ったでしょ?女王は強運の持ち主...簡単に勝てる訳ないじゃない」

女王「あっはっはっは!!!私は好きだぞ、お前みたいな人間」

男「......」

女王「確かに勝てる時なら勝ちにいけばいい...そのとおりだな」

女王「さぁ、一気に勝負を決めようじゃないか!!」

男「......レイズ、55枚」

白ウサギ「では互いにレイズを使い切ったから手札をオープンしてくれ」

男「ストレートフラッシュだ」

女王「ふふふ...」

男「どうしたんだ...早く見せてくれよ」

女王「いいんだな...くくく」



女王「ロイヤルストレートフラッシュだ」

男「うそだろ!!?」

女王「自信があったようだが私の凄さにはかなわなかったようだな」

女王「さぁ、55枚分のチップをよこせ」

男「くそ...ほらよ」

アリス「本当にバカね」

アリス「女王はこれからずっとロイヤルストレートフラッシュを出すわよ?」

男「え?そ、そんなの無理だろ」

アリス「ギャンブルに絶対とかこれなら勝てるとかなんて思い込みはしてはいけない」

アリス「勝てそうにないのなら最低限の被害に収めるかそもそもしないか...」

アリス「そうでもしていかないといつか自分の身を滅ぼすことになる...」

アリス「あなたは既に死が確定しているわ」

男「...そうか」

アリス「一時の気の迷いで負けが確定しているゲームで了承したあなたが悪いのよ」

アリス「まぁもう死にたいみたいだしそれでいいんじゃない?」

アリス「お友達が皆死んじゃったから生きていくのが辛いのならさっさと死になさい」

女王「そう責めてやるな...いきなり55枚も賭けてくるやつなぞ初めて見たぞ」

女王「いい肝っ玉を持っているな、男よ」

女王「どうだ?今ならこのゲームを中止して私の僕として生かしてやってもいいぞ」

女王「お前がいれば退屈することもなさそうだし」

女王「どうしたいかはお前が決めていいぞ」

男「...もういいかな」

女王「!!そうか!私の僕になるか!!」

男「違う...もう死んでもいいや」

男「疲れた...もう疲れたや...」

女王「ふん...確かにつまらない男だ」

女王「もう一気に決めてやろう、ウサギよ!カードを配るのだ!」

白ウサギ「わかった...」シャシャシャッ



男(勝てないってわかっているのなら...)

男(諦めてしまえばいい...)

男(手札も10が4枚か...勝てもしない手札なんて確かにつまらない俺みたいな組み合わせだな...)

女王「...1枚てチェンジだ」

白ウサギ「わかった」シャッ

女王「私は20枚賭けるぞ」

男「あ、あぁ...」

女王「どうするんだ?レイズでもして一発逆転を狙ってみるか?」

男(このままジリ貧で耐えしのぐのも有りかな...)

男「どろっぷ...」

男「!!」

男「ちょっと待ってくれ!」

男(あれ?たしかロイヤルストレートは10JQKAだったよな...)

男(女王は毎回ロイヤルストレートを引ける程の運を持っているはずなのに)

男(何で俺が今女王が手にしているはずの10を全て持っているんだ?)

アリス「...あら?もしかして...」

女王「横槍を入れるんじゃないぞ」

アリス「はいはい分かってるわよ」



男(...もし女王がJQKAを引いていたとしたら1枚チェンジしても最高で1ペア...)

男(対する俺はフォアカード...フルハウスが来ても勝てるぞ)

白ウサギ「決まったか?」

男「あぁ...レイズ!手持ちのチップ全てを賭けるよ」

女王「本当にいいのかな?私の運は毎回1/649740の確立を引き当てるのだぞ」

男「あぁ、いいんだこれで」

男「それに、カードをチェンジした時点でその確立は既に間違っている!!」

男「オープンだ!!」

女王「ぐぬぬ...Aのワンペアだ」

男「勝った!!」グッ

白ウサギ「ではこれで男は90枚...女王は110枚のチップとなる」

女王「何故じゃ!!?何故私の強運を前にお前が勝ったのだ!!?」

男「しらねぇよ...これでほぼ枚数は同じ...こっからが本当の勝負だ!」

アリス「...なるほど」


3回戦

男「30枚だ」

女王「また勝ったつもりか...コールじゃ」

白ウサギ「ではオープンだ」

男「フルハウスだ」

女王「チッ...フラッシュだ」

トランプ兵「ありえねぇ!!女王に運で勝てるはずねー!!」

トランプ兵「そーだそーだ!!イカサマしてやがるに違いねぇよ!!」

トランプ兵「こーろーせ!!こーろーせ!!」

「こーろーせ!!こーろーせ!!」

スパンッ

トランプ兵「だ、ダイヤのAの首が!!」

女王「お前達うるさいぞ...少し黙っておれ」ギロッ

男(トランプを投げて首を切断とかコイツ本当に人間なのかよ...)

男「俺がイカサマできる訳ねぇよ...さっき初めてルールを知ったぐらいだし」

女王「分かっておる!!!そもそも私にイカサマなぞ通用するはずがない!!」

女王「怪しい動きをすればすぐにその首を切り落としてやっていた所だ!!」

アリス「まぁある意味この男はイカサマしてるわね」

女王「何!!?」

男「は!!?」

男「ちょっと待てよ!どういう事か説明してくれ!!」

女王「それはこっちのセリフだ!!」

白ウサギ「...事によっては男はすぐに息の根を止めてやるぞ」

アリス「やってることは女王と一緒だけどね」

女王「...まさか」

アリス「そう、そのまさか」

男「ど、どういう事だよ...」



アリス「この男、能力持ちよ」

アリス「しかも、女王と同じ運を強くするものね」

男「能力...」ゴクリッ

男「能力って外から来た人間でも手に入るものなのか?」

アリス「それは分からないわ」

アリス「でも、あなたの持つその能力は元から持っていたものじゃない」

アリス「友から引き継いだものよ」

男「友から!!?」

アリス「さっき大富豪が終わった後、友があなたの胸に拳を当てたでしょ」

アリス「きっとその時に渡したのね」

アリス「そして違う器に馴染むまで少し時間がかかり2回戦の時にやっと身体に馴染んだのよ」

女王「なるほど...通りでいつものように行かぬ訳だ」

白ウサギ「女王が能力を使っている以上、男を反則にする訳にはいかないな」

男「じゃ、じゃあ...!!」

白ウサギ「試合はこのまま続けよう」

アリス「少し希望が見えたわね」

男「そういえば友は神経衰弱の時に成功したって言ってたよな」

アリス「きっとあの時から使えるようになっていたのね」

男「じゃあなんで大富豪の時、負けたんだよ...」

アリス「負けたのじゃない...勝ったのよ」

アリス「きっと女王のように万能な運ではなく、ただ勝つことだけに使えるタイプの運だったのね」

男「そんな...」

アリス「そもそも負ければ勝ちだなんてルール自体が特殊だから仕方ない...」

アリス「ある意味運がなかったのよ」

アリス「良かったわね、友に救われて」

男「友...うぅ......」

白ウサギ「泣いてる場合じゃないぞ、4回戦だ」シャシャッ

男「...あぁ」

男(友...それに皆、俺は皆の分も絶対に生きてやるからな)

女王「...ぐぬぬ」

男「顔に出てるぜ女王!何枚かけるんだ?」

女王「うるさい!死んじまえバーカ!!」ベーッ

アリス「女王に勝る運...まさに天運ね」

女王「全部じゃ!!80枚全て賭けるぞ!!」

男「コール!これで終わりだ!!」

白ウサギ「ではオープンだ」



男 ロイヤルストレートフラッシュ


女王 ストレートフラッシュ

男「......勝った...」

男「これで元の世界に戻れる...」

女王「クソォ!!反則じゃ!!お前たち!コイツを殺せ!!」

白ウサギ「見苦しいぞ女王...ゲームは絶対だ、例えそれが女王であっても」チャキッ

女王「何でその男の味方をする!!?」

白ウサギ「私はディーラーだ...この場をしきり、違反を取り締まるのは当然だろう?」




男「ははっ!!生きてる!!!俺、生きてるぞ!!!!!」

アリス「さっきまで死にたいとか言ってたくせに調子いいわね本当...」

生きてる!!
この突如始まった殺戮ゲームで俺は生き残ったんだ!!

生まれて初めての達成感に興奮が抑えられない...
まだまだ分からないことだらけだけど、とにかく今は嬉しくて嬉しくて仕方ないんだ!


女王「キーッ!!悔しい悔しい悔しい!!」

女王「もう一回だ男!!私ともう一度ポーカーをするのだ!!」

男「あぁいいぞ...だけどその前に...」

男「白ウサギ!目標は達成したぞ!!早く元の世界に返してくれ!!」

白ウサギ「...確かにお前は女王に勝った...だが私は神からのお告げを知らせただけ...」

白ウサギ「この世界にやってきたお前をどうやって帰すのかまでは聞いていない」

男「は!!?」

アリス「あらもしかして帰れないんじゃない?」クスクス



男「そ、そんな馬鹿な...」

女王「ならば私と毎日ゲームをしよう男よ!!ちゃんと食事と寝床も用意するぞ」ニヤニヤ

男「じゃあクリアしても結局帰れなかったのか...?」ガクッ



ジョーカー兵「いえ...もうすぐ帰れますよ」

男「お、お前は...」

女王「元人間の兵か...何用だ?」

ジョーカー兵「神のお告げを待つのです」

アリス「なにそれ?神様なんて所詮空想のものでしかないと思うんだけど」

ジョーカー兵「実は私も神の試練によりここに飛ばされたのです」

男「ジョーカー兵さん!俺と一緒に元の世界に戻ろう!!」

ジョーカー兵「運が良ければそうさせていただきましょう」

男「運?一体どういう...」

カランッ...

男「6面のサイコロが落ちてきた...まさか」

ジョーカー兵「そのまさかです」

アリス「何なのそのサイコロは?」

ジョーカー兵「神の試練とははじめにサイコロを振り出た目の数だけの人数が違う世界に飛ばされ」

ジョーカー兵「帰る時もまた出た目の数だけの人数が帰れるみたいです」

男「じゃ、じゃあこれを振れば帰れるのか!!?」

ジョーカー兵「はい」ニコッ

ジョーカー兵「そしてサイコロは振った人物を中心に認識する...」

ジョーカー兵「つまり男さんが振り6が出れば男さんを中心に6人が元の世界に帰れるはずです」

アリス「はずって...確信して説明したんじゃないの?」

ジョーカー兵「実際に帰った人物を見たことがないのですはい...」

男「まぁ俺とジョーカー兵さんだけだしいくらなんでも帰れないことはないよきっと!」

ジョーカー兵「1が出なければですね」

男(...あぶれた人はどうなるんだ?)

男「じゃあ振るよ」

アリス「ふん...早く帰りなさいよ」

男「言われなくてもな」

カランカラン...

シンプルなサイコロは少しの間だけ回り続け
はじめに教室で振った時と同じようにやがてその勢いを緩め、やがて止まったんだ



白ウサギ「2か、ギリギリだな...」

男「ふぅ...良かった...」

男「ジョーカー兵さん!早く俺の傍に!!」

ジョーカー兵「...やっぱり行けません」

男「は!!?何言ってんだよ!!」

ジョーカー兵「私はかれこれもうこの世界で50年は過ごしました」

ジョーカー兵「今更元の世界に戻っても果たして生きていけるのか...」

パアッ...

男「大丈夫だよ!!もう時間がないから早く!!!」

ジョーカー兵「それに...元の世界に戻れたとしても元の姿に戻れるのかまではわからない...」

ジョーカー兵「怖いのです、人間の世界でたった一人異形の姿をした自分が存在するのが」

アリス「眩しいっ...そんな事言ったってここにいるイレギュラーはあなたたち二人だけよ!」

アリス「普通に考えて強制的に返されるんじゃないのかしら!?」

男「そうか!大丈夫だよジョーカー兵さん!俺が友達になるからさ!」

ジョーカー兵「...そうですね」ニコッ



女王「男ぉっ!!まだ私との勝負が終わってないぞ!!」ダキッ

男「な...抱きつくなよ...」

白ウサギ「そろそろ姿が消えてきたな」

男「そうか...白ウサギ...」

白「何だ」

男「俺はお前のことは許さない...けど、助けてもらったこともある...」

男「だから...礼だけは言っとくよ...ありがとう」

白ウサギ「ふん...公正なディーラーを務めただけだ」

アリス「男...もう友みたいに勝ちを譲って貰うなんてふざけた事しないでね」

男「分かってるよ...ていうかお前が原因で女さんはポットに閉じ込められたんだよな」

アリス「いつまでも過去を振り返らないの」

男「何言ってん...」

チュッ

男「!!」

アリス「最後はちょっとだけカッコ良かったよ」ニコッ

男(ま、またちゅーしちゃった...)

男「って、俺には女さんが...」ブンブン

アリス「バーカ」プイッ

男「おい!うるせぇよ...って」

男「おええええええええええぇぇぇぇ!!!!!」ボタボタ

いつの間にか激しい光は収まり俺は元の世界に戻っていた
ここは自分の教室だ...

帰ってきたのも束の間、目の前に広がる死体の山を見て嘔吐してしまった
クラスメイトはみんな首から上だけが弾け飛んだかのように死んでいたんだ
床には脳みそらしきものが散乱していた...
誰のものか分からない目玉はこちらを向いていた...

男「はぁ...はぁ...」

女王「どこじゃここは...男、お前の家なのか?」キョロキョロ

男「え!!?」

女王「悪趣味じゃのう...流石にすぷらったーとやらは理解してやれないぞ...」


神よ...希望はどこの世界にもないのか





神々と肩を並べるにはたった一つのやり方しかない。


神々と同じように残酷になることだ。


サルバドール・ダリ

男「な、なんで女王がここに...?」

女王「それはこっちのセリフじゃ」

女王「もしかしてここがお前の元いた世界なのか?」

男「あ、あぁ...」

女王「ふぅん...で、私はどうやって帰ればいい?」

男「...帰れないんじゃないかな」

女王「ええええ!!?」

男「またサイコロがあればいいんだろうけど同じ世界に行くのかも分からないし」

女王「嫌じゃ嫌じゃ嫌じゃ!!!!早くお城に帰って紅茶が飲みたいぞ!!」

男「紅茶ならこの世界にもあるから駄々こねるなよ...」

女王「うぅ...このままこの汚らわしい男にたっぷり犯されバラバラにされてしまうのか...」グスッ

男「そんな事しねぇよ」

男「...友、オタクにヤンキー、それに女さんの死体がない」

男「体ごと違う世界に飛ばされるのか?」

女王「男!!早くこの気持ち悪い場所から出るのじゃ!!」

男「そうだな...行くか」

女王「......」ジーッ

男「......行くか」

女王「行くぞ」

男「早く歩けよ」

女王「背負え」クイッ

男「この野郎!!!」



男「はぁ...はぁ...」

女王「ここが日本という国の学校なのじゃな」

男「そうだ...重いからそろそろ自分で歩いてくれ」ハァハァ

女王「お前の家までこのまま連れて行くのだ」

男「ちょうどこんなところにイスになりそうな死体の山が...」ヨイショット

女王「分かった!!歩く!!自分で歩くから!!」



男「誰一人生きていないのか...職員室にも生きてる先生なんていなかったぞ」

女王「うぅ...久しぶりに自分でここまで歩いた......」ペタペタ

まだお昼の13時頃、俺と女王は学校中を探索し、外に出た
どうやら自分達以外に生きてる人はいないらしい...


男「日付はまだあの世界に飛ばされた日だ...」

男「確か丸一日はいたはずなのに...時間は別々に動いているんだな」

女王「人っ子一人いないのぉ...日本は寂しい国なのだな」

男「そういう訳じゃないけど...とにかく家に一度帰ろう!!親父とお袋に話さないと!」

女王「まだ歩くのか!!?」

ゴンッ

男「痛っ!!?」

女王「何をしている?早く家に連れて行け」

男「いてて...分かってるよ」

ゴンッ

男「~~~っ!!?」

女王「一体何をしているのだ」

男「なんだ?見えない壁があるぞ」ペタペタ

女王「そんなものあるわけないだろ」スタスタ

女王「ほら!この通りじゃ!!」フンスッ

男「あれ...確かにあったのに...てか何で俺だけ校門から出られないんだ?」




「ハッローエブリワーーーンッッ!!!!!!」




男「!!?」ビクッ

女王「うるさいのぉ...一体どこからこの声が聞こえてくるのだ?」

男「...上だ」


神「はい皆さんお疲れちゃん!どだった?楽しかった?」

天使「もうはしゃぎすぎですよ」

神「だって見ていて最高だったじゃん!!」ゲラゲラ

天使「確かに面白い人間は何人かいましたね」

天使「シンデレラと殴り合いをしてボコボコにされたヤクザはウケましたwwwww」

神「あと魔人のランプでカップ焼きそばを作ってた中学生とかねwwwww」

天使「ちょっwww草生やし過ぎですよ私たちwwwwwww」

神「仕方ないじゃん面白かったんだしwwwwwwwwwwww」



男「だ、誰だ?」

女王「空から声が聞こえるぞ」

男「あ、あぁ...」


天使「ほら、そろそろ説明しないと皆置いてけぼりですよ」

神「えー超だるーい」

天使「一度決めたら最後までやりましょう」

神「わかったわかった...えー諸君、私が神だ」ドヤッ



男「神!!?」

女王「何だ、日本には神様がいるのだな」

女王「しかもちゃんと挨拶するとは礼儀正しいではないか」ウンウン

男「いや、普通神なんて存在しない...空想上の産物のはずだ...」

神「まぁあれだ...えーと...人間って多すぎない?」

神「確か地球上に70億人はいるんだよね」

神「なんか子蝿が沸いてるみたいで気持ち悪いじゃん」

神「だから減らすことにしましたー♪いぇい!!」

天使「ヒューヒュー!かっこいいですよー!!」


男「...何言ってんだ」


神「でもただ減らすだけじゃ面白くないからね」

神「ゲームをすることにしました」

神「次世代の神を決める大会だよ」

神「ルールは簡単!ただ生き残ればいいだけ!」

天使「説明が足りてないですよ」

神「あ、そうだった」

神「コホンッ、生き残っているのならお分かりだろうけどまず始めに異次元転送装置を配ったよね」

神「わかり易いようにサイコロにしてみたwwww」

神「それを振った人物を中心に出た目の数だけの人物が別の世界に飛ばされます」

神「飛ばされた世界ではクリア条件があるからそれを目標に生きるっ!!」

神「見事クリアすれば帰りの転送装置を送るからまた振ってね」

神「で、また出た目と同じ人数だけ元の世界に戻れるから!」

神「それを繰り返すだけ!大体15人ぐらいまで絞るかな」

神「見事生き残れた人はもうめんどくさいから神にしちゃう!いやぁ我ながら素晴らしいルールだ」ウンウン


男「何を言ってるんだ?」

女王「ほぉ面白いではないか。生き残れば神になれるのだろう」

神「そんじゃ頑張ってね~」

神「次回は三日後!」

天使「まだ能力(アビリティ)について説明してないですよ」

神「まだあんのかよ...もう天使ちゃん説明してよ」

天使「はぁしょうがないですね」

天使「異次元装置で転送された人間には特別に能力の種を体に埋めておきました」

天使「何が出るかはわからない!ドッキドキのスペシャルな救済措置です♪」

天使「もう何人か開花した人もいるみたいですけどまだまだ出てきてない人もいっぱいいますね」

天使「生き残りたければ能力を開花して大体レベル3ぐらいまで成長させれば多分楽勝ですよ」

天使「まぁ大体こんなものですかね」

神「ねぇ早くスマブラやろうよー」

天使「わかりましたよ...」

天使「あ、ちなみに異次元装置から漏れた人は例外なく頭が吹っ飛びますから」

天使「大体エリアごとにわけて認識してるのでたとえば学校で振ればその学校内の人が対象ですね」

男「ふざけるなよ!!何が神を決める大会だ!!」

女王「面白いからいいではないか、勿論私も参加していいのだろう?」

男「神!!聞こえるのなら出て来い!!俺が殺してやる!!!」


神「...なーんか聞こえるねぇ」

天使「不思議の国のアリスの生還者ですよ」

神「あーあの情けない男の子か!」

男「うるせぇ!!お前がこんなことを始めなければ誰も死ななかった!」

男「生き返らせろよ!!死んだ皆を!!」

神「めんどいから無理」

男「なっ...」

神「生き返らせたかったら君が神になって生き返らせたらいいじゃない」

天使「本当それですよ、おまけにロリっ子幼女を連れ帰ってくるなんて...ただの性犯罪者ですね」

女王「私はまだ14歳じゃ!!」

男「お前年下だったのかよ...」

神「まぁ神になればそんなことどうでもよくなるなるなる♪」

天使「...あれ?この人能力2個持ってないですか?」

神「本当だね」

男「友の能力に...俺の本来の能力があるのか....?」

神「なんかずるーい」

神「ボッシュート!!」

ピカッ

男「え!!?」

神「これで君は自分の能力だけだよ」

男「か、返せ!!それは俺が友から引き継いだ能力だぞ!!」

神「普通にだめー」

神「見たとこなかなかいい能力持ってるじゃない」

神「次頑張りなさいよ」

神「んじゃねー、あでゅー☆」

男「待て!!」

男「声が消えた...一体どうなってんだよ、世界は...」

女王「なぁ男よ」

男「何だ?」

女王「転送装置がどうとか言っておったが...それは私の国でも適応されるのか?」

男「......スマン、それはわからない...」

女王「そうか...アリスやウサギ、国民達は皆死んでしまったのかもしれないのだな」

男「...あの世界に行けない以上死んだかどうかは分からないよ...」

女王「......」




女王「あはははははははは!!!!!!!!」

男「何で笑うんだよ!?」

女王「だってあの憎いアリスが死んだのかもしれないんだぞ!!」

女王「いっつも胸のことばかり馬鹿にされた屈辱!まさかこのような形で晴らせるとは!!」

男「なんだかんだ仲良くやってきてたんじゃないのか」

女王「そんな訳なかろう!愚か者め!!」



女王「おろか...ものめぇ...」グスッ

男「大丈夫、きっと生きてるよ」

女王「うええええええん...」

男「とりあえず俺ん家に来いよ...しばらく住んでいいから」ポンポン

女王「おんぶ...」ヒック...

男「自分で歩け」



男「あ、門から出られるようになった」スッ

女王「お前がズルして能力を2個持っていたから出られなかったのだ!!」

男「そうなのかな」

女王「はよう家まで連れて行け!!」

男「背負われながら偉そうにするな」


こうして最初の神の試練は幕を閉じた...
昨日までのいつもの退屈な日常はどこかに消え去り
俺は何故かやってきたハートの女王とともに帰路を辿る


帰り道は学校よりも酷く道路は赤に染まりきっていた
いつも通る商店街には人っ子一人存在していない...


この悪夢はいつまで続くのだろうか

男の家

男「親父!お袋!!いるか!!?」

女王「なんだここは...物置小屋じゃないのか」

男「うるせぇ!」

男「確か今日は火曜日...親父は仕事、お袋はパートだったな...」

女王「さぁ!紅茶を出すのだ!!」

女王「私はミルクから入れたロイヤルミルクティーしか認めんぞ!」

男「..ほらよ」ポイッ

女王「な、なんだこれは?」

男「何って紅茶パックだよ、リプトンだぞ」

女王「り、りぷとんとは何じゃ?」

男「紅茶界のトップメーカーだよ、多分」

女王「つまり世界一の紅茶という事か!中に葉が入っておるのぉ」

男「お湯を入れて一分待てば完成だ」

女王「何と!!本当か!!?」

コポコポコポ...

女王「ふむ...いい香りじゃ」

女王「はっ!!これはどうやってミルクを最初に入れたらいいのだ!!?」

男「ミルクを入れたカップに移し変えたらいいんじゃないか」

女王「それは作法がなっとらん、却下じゃ!ポットをよこせ!!」

男「何だっていいよ...とりあえずテレビだ」ピッ

女王「箱の中に小人が現れた!!?」

男「もうお前黙っといてくれ」


アナウンサー「ははははは!!!どうだこれが俺のビッグマグナムだ!!!」

男「何やってんだよこいつ...」

女王「きゃああ!!?き、汚いものを見せるな!!?」チラッチラッ

男「...コイツ、多分テレビ局の生き残りだな」

アナウンサー「俺は生き残ったんだ!!俺は神になるんだ!!」

アナウンサー「うざかった上司も部下も皆死んだ!!」

アナウンサー「俺こそが生き残るべき存在!!見ろ!俺の力を!!」

ゴオッ



男「手から炎が出た!!」

女王「これがコイツの力という訳だな...早く粗末なものをしまってくれないかのぉ」

男「この世界でも能力は使えるのか...だとしたら、コイツみたいに狂ったやつが暴れまわる可能性があるな...」

男「それにしても能力って普通こういうのだよな」

女王「どういうことじゃ?」

男「いや...お前の運が強くなるって...戦えなくね?」

女王「え?戦うって拳でか?」

男「いやだってコイツにもし襲われたら俺たちどうすればいいんだよ」

女王「それは男がドカーン!バキッ!ズガガガガーン!と」

男「いや喧嘩した事ないし...それに相手は大の大人だぞ」

女王「情けない男だな」

男「うるせぇ」

女王「男の能力で戦えばいいではないか」

男「...どんな能力かわからないんだよ」

女王「ふむ...私の国では主に能力は運に時間操作、技術系のスキルが高くなるぐらいしかなかったからのぉ」

男「コイツみたいに魔法みたいなものだったらいいんだけど」

女王「手から出してみればいいではないか」

男「出すって...どうやって?」

女王「念じるのじゃ」

男「何だそれ...やってみるけど」



男「ふんっ!!」

ポンッ

男「え!?」

女王「これは...鍵だな」

男「何だよこれ...普通の鍵じゃねぇか」

女王「あはははは!!鍵でどう戦えばいいのじゃ!!」ゲラゲラ

男「クソッ...何がなかなかいい能力だよ...」

女王「おかしすぎて腹がよじれてもうたぞ!!」ヒーッヒーッ

男「レベルがどうとか言ってたからきっとこれがレベル1なんだよ...」

男「...何でも開けれる鍵だったりして」



男「ダメだ...家の扉すべてで試したけどどこにも刺さらなかった...」

女王「あははははははは!!!!!」

女王「使えない鍵なぞまさに必要ない存在じゃな!」

男「確かにな...」

男「...一応持っておくか」

男「今日はとりあえず家で親父達の帰りを待とう...」

女王「こんな小汚い小屋で過ごせと言うのか!?」

男「じゃあ出てけよ、外で死体を枕にして寝たらいいじゃん」

女王「そ、それだけは嫌じゃ!!」フルフル


パァンッ

男「銃声!?一体どこから!?」

女王「この箱の中から聞こえたぞ!」

アナウンサー「ぐはっ...てめぇ...何しやがるんだ!?」

警官「ケケケ...ゴミ掃除」

テレビの中には撃たれたであろうアナウンサーと
国民の平和を守るはずの警察官が映っていた

その男はひどく細身で身長が高く、血で赤く染まった青い制服を
だらしなく着こなしていた...

男「何だこの警察官は!?」

女王「銃らしきものは持っていないぞ」

男「...一体どんな能力なんだ」ゴクリッ

アナウンサー「てめぇ...ポリは国民を守るものじゃねぇのかよ!!」

警官「俺が神だ」

アナウンサー「は?」

警官「馬鹿だよなぁ、ゲームで生き残った者は普通世界がどうなっているかまずは情報収集するだろ」

警官「テレビ、インターネット、電話にメール...グループ毎に分けて大体一人や二人が生き残ったとすればやることはひとつ...」

警官「テレビかインターネットで情報を集めるに決まってるだろ」

警官「で、たまたま生き残った馬鹿なアナウンサーが調子にのっていたから殺しにきた」

警官「ライバルは一人でも少ないほうがいい...違うか?」

アナウンサー「くっ...そうだな」

アナウンサー「つまりてめぇが死ねば俺は神に一歩近づけるわけだ!!」バッ

ゴオオオオオッ

男「凄い量の炎だ...」

女王「流石にあの男も死んだのではないか?」

男「どうだろうな...」



アナウンサー「はぁ...はぁ....」

アナウンサー「死体も残らなかったか...やはり俺のこの能力は最強だ!」

パァンッ

アナウンサー「!!?う、後ろか...」

警官「せいか~い♪」

アナウンサー「い、いったいどんな能力なんだ!?」

警官「教えるかよバ~カ」

警官「さっさと死ね」

パンパンパンパンパンパンッ



男「ひ、ひどい...とっくに死んでるのにいつまで撃つんだ」

女王「指で銃を作っているように見えるが...見えない弾が飛んでいるのか?」


警官「アヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!!!最高(エクスタシー)だ!!!」

警官「これを見てるやつら!俺はもうレベル2まで能力を成長させたぞ!!」

警官「死にたければかかってこい!!死にたくなければさっさと死ね!!!」

男「マジでやばいやつだ...しかも能力がレベル2だなんて...」

女王「見えない弾を撃つのと...後はなんじゃろな」

男「テレビのスタジオだろうから東京か...割と近いぞ」

女王「男...命令じゃ!この男を倒してこい!!」フンスッ

男「何で命令されなきゃなんねぇんだよ...」ピッ

女王「わぁっ!?箱の中身が映らなくなったぞ!」

男「今日は色々ありすぎて疲れた...このまま家で親父たちが帰ってくるのを待とう」

女王「そ、それまで獣と二人きりだと言うのか!!?」

男「ロリコンじゃないから安心しろ」

女王「ふ、ふん...覚悟はできてるぞ」

男「何のだよ...」

まだ夜の9時だったが俺たちは家で休息をとることにした
アリスの世界から戻ってきてまだ8時間ぐらいしか経っていなかったが
まるで3日間徹夜した後のようにすぐに眠りについた


...ヨーロッパ育ちの気高い小さなお姫様に布団では寝れないと
文句を言われたが割とすぐに馴染んだようだ






男「んっ...もう朝か」ムクッ

女王「ふははは...どうじゃアリスよ...私の方がお前より大きくなったぞ...」ムニャムニャ

女王「ZZZカップじゃ...」

男「どんな寝言だよ...ていうか胸の方なんだな」



女王「みみみ見たのか!!私のパンツを!?」

男「見てないから...ほら朝食だぞ」

女王「ほぉトーストか...もちろん蜂蜜はあるのだろうな!」

男「家にそんな高級なものはない」

女王「そ、そんな...」


...朝になっても親父とお袋は帰ってきていなかった
もう会えないんだな...一軒家に女王と二人だけは寂しいよ...


男「...一体何人生き残ったんだろうな...」

女王「計算してみればいいではないか」

男「そうだな...やってみるか」

男「最初が20面サイコロだから...平均10人でいいのかな」カキカキ

男「で、帰りは6面だったからおよそ3人...」

女王「実際はもっと少ないのではないか?」

女王「男も最初来た時は5人だったのじゃろ?」

男「...日本の人口はおよそ1億人ぐらいだったからまず半分の5000万人」

男「10人中5人が死んだとしたら更に半分の2500万人」

男「そして3人が元の世界に戻れたとして5分の3だから...1500万人か」

男「...多分もっと少ないはず...1000万人は切っているだろうな」

女王「酷いものだな...しかし、神になれる可能性はぐんと上がるのぉ」

男「あんな奴が神なら俺は神になんてなりたくねぇよ」

女王「何にせよ死にたくないだろう?だったら生き残るしかないぞ」

男「そうだな...友の分も俺は生き延びるって決めたから、まだまだ死ねない」

女王「いい面構えになったではないか」フフフ

男「うるさい」

男「でも。確かにそうなんだろうな」

男「ただぼんやり過ごしていただけの今までと違って、今はかなり緊張してるよ」

男「いつ死ぬかわからない...ゲームだけじゃなく能力者にも気をつけないといけない」

女王「ふふふ...あと2日、この家に閉じこもっておくか?」

男「それは出来ない...サイコロを振るか振る人の近くにいないとあぶれて死ぬ可能性が高いからな」

女王「サイコロはどこに落ちてるのだ?」

男「多分人の多いとこに時間になれば落ちてくるだろうから...」

男「2日後、東京に着くようにしよう!危険だけど、そうするしか生き残る道はない!」

天界

神「......」ジーッ

天使「珍しいですねじっとしてるなんて」

神「シッ!今いいところだから静かにしてよ!」

天使「?分かりました」



神「いやぁ良かった!もう涙がちょちょ切れちゃったよ」

天使「一体何をしてたんですか?」

神「映画だよ映画!」

天使「映画?」

神「ほら見て!映画監督の魂に貰ったんだけどさ!」

神「小説とかマンガとかの物語を映像化したものだよ」

天使「へー凄いですね」

天使「こんな薄っぺらい円盤に映像と音が入っているのですか」

神「天使ちゃんも一緒に見ようぜ」

天使「あ、私彼氏いるんであなたと二人では見たくありません」

神「ガビーン!!」

神「ま、まぁとにかく映画はいいよ~」

神「色んなドラマが見れて泣いたり笑ったり出来るし」

天使「もう小説を読んだりしないのですか?」

神「しばらく文字は見たくない...」

天使「あーずっと同じ事してたらある日突然嫌になりますよね」

神「いちいちページを捲るのもめんどくさい!」

神「神のマイブームは映画だわーマジ映画だわー」

神「あぁ...この気持ち、皆と分かち合いたい...」

天使「じゃあ今度は映画の世界にします?」

神「イイネ!」

天使「何かそれムカつきます」

神「人間ってどうでもいい事を分かち合いたいものなんだよ」

神「インターネットで世界中の人と繋がってする事は今日皆で遊んだ!楽しかった!だからね」

神「で、そのどうでもいい日記を読んだらイイネ!するんだって」

天使「イイネ!」

神「イイネ!」

神天使「「イイネ!イイネ!イイネ!イイネ!」」

天使「わざわざそんな事で日記書くんですね」

神「モーゼが海を割ったぐらいの事じゃないと日記なんて書かないよね」

神「それが神々の遊び」キリッ

天使「もう意味分かんないです」

神「つまり今度は映画の世界を分かち合おって事だ!」

天使「なかなか面白そうですね」

神「だしょ!?」



神「よし!次の転送装置完成!」

天使「本当にそんなゲームでいいんですか?」

神「いいのいいの!ちょっと一気に減らしすぎちゃったからね」

神「次は簡単にしてあげないと可哀想だしょ?」

天使「さっきからなんですかだしょって」

神「人間の真似してみた(笑)」

天使「うざい...まぁでも思ってたよりも減りましたよね」



天使「もう地球上に一億人もいないし」

2日後 人間界

男「はぁ…はぁ…」キコキコ

女王「まだか~暑くてかなわんぞ男!」パタパタ

まだ初夏の早朝に、俺たちは
自転車で二人乗りして東京に向かっていた
地図上ではそんなに遠くないはずなのに
丸一日移動していただけでその距離は
永遠にも感じた…40kmぐらいしかなかったけど


男「クソ…よく考えたら電車も止まってるんだもんな…」キコキコ

女王「既にとうきょーとやらには着いているのだろう?」

男「あぁ…だけど人が多いとこが分からないからとりあえず東京駅に向かってるんだ…」キコキコ

東京駅前

男「やっと着いたけど…」

女王「臭い!臭すぎるぞ!」

目の前に広がるのはおびただしい量の死体の山…
暑さで虫が沸いているしとても
長居できる場所じゃなかった


男「……流石に人はいないな」

女王「そりゃそうじゃろ!ひーっ!ハエがウザイ!!」

男「どこか建物に入ろう」

女王「そうしよう!お腹もすいたしの!」

百貨店

サラリーマン「おい!誰か来たぞ!」

OL「ひぃっ!?あの警官じゃないわよね!?」

社長「見たところ子供のようだな…」

社長「どれ…私が挨拶してこよう」

従業員「社長、危険です!」

社長「なに…私の能力の前に勝てるやつはそういないだろう」




男「中に人がいる!!」

女王「よし、早く入って食事にしようではないか」

男「何かくれたらいいけどな…」

スタスタ…

女王「ん?誰か近付いてきたぞ」

社長「やぁ、私の経営する店に何か用かな?」ニコッ

男「あ…はい!生きている人を探してここを見つけたからやってきました」

社長「ふむ…学生服に黒のワンピースか…学生で兄妹かな?」

女王「この男は私の奴隷じゃ」フンスッ

社長「そうかそうか」アハハ

男「俺たち隣の県から自転車でやってきました…」

男「次のゲームの開催地を探してやってきたんですけどこの中に人は沢山いますか?」

社長「開催地?何故人数を聞くんだい?」

男「サイコロはエリア毎の人が集まる場所に現れると思って」

社長「人が多いとサイコロが現れるというのかい?」

男「多分ですけど…」

社長「どうしてそう思うのか聞かせて貰っていいかな」

男「…生きるためです」

男「サイコロが現れるかどうかは分からなくてもいいんですけど」

男「もし外にいてサイコロが現れてしまったらサイコロを振れる可能性が低いじゃないですか」

男「範囲が広いしおそらく市内がエリアになる可能性が高いです」

男「だけど建物内なら振れる可能性も上がるし範囲内にいれる可能性も高い…」

男「狭い空間の中で人がなるべく10人近くいるとこにいるのが一番生存率が上がる…」

男「だから僕たちは生き残りが多そうな東京にやってきました!」

女王「何を言ってるのかさっぱりじゃ」

男「いや一応神の言っていた事を考えると分かるだろ…」

社長「なるほど…確かにサイコロが現れなくとも建物というエリアにいれば外のエリアの転送であぶれることはないな」

社長「よろしい…どうやらなかなか頭がキレるようだ、中に入りなさい」

女王「やったぞ!早く紅茶を用意するのだ!」

社長「だがその前に…君たちの能力を見せてくれないか?」

男「はい…」サッ

社長「これは…鍵?」

男「これが俺の能力です」

女王「wwwww」

男「お前後で覚えとけよ」

社長「……これでどうやって生き延びたのかね」

男「あ、いやゲーム自体は能力なしでクリアしました」

社長「何!?」

女王「嘘をつくでない男…お前はあの時イカサマしたようなものじゃ」

男「いや友から能力を引き継いだだけだろ…」

社長「能力を引き継いだだと!!?」

男「色々説明すると長いんで、一度入らないですか?」

男「僕たちお腹空いてて…」グゥー

社長「あ、あぁそうだな」



社長「皆!今日から仲間になる男くんと女王くんだ!」

社長「仲良くしてやってくれ!」

パチパチパチ…

男「よ、よろしくお願いします!」

女王「ふん…私は下民と仲良くする気はないぞ」

男「ばっ…ちゃんとこういう時は挨拶しろ」グイッ

女王「や、やめるのじゃ!!私に頭を下げさせるな!!」ジタバタ

サラリーマン「……」ジーッ

OL「……」ヒソヒソ

JK「……」ヒソヒソ

男(あんまり歓迎されてないな…そりゃそうか)

従業員「しゃ、社長…本当に信用出来るのですか!?」

社長「あぁ、この男くんはなんとゲームを能力なしでクリアしたそうだ」

サラリーマン「ま、マジかよ!?」

OL「一体どんなゲームだったのよ…」

JK「多分戦闘がなかったんですよ…そうでないと無理に決まってます」

男「あはは…確かに戦闘はなかったですよ」

社長「しかも能力を2個持っているんだ!!」

一同「えええ!!?」

男「いや今は自分の能力だけですけど」

男「ゲームの世界内で友人に譲って貰って…それでなんとか最後まで生き残れました」

OL「今はって…どういう事よ?」

男「学校に戻った後に神に没収されちゃって…」

JK「なるほど…ゲーム内なら能力の譲渡が出来るんですね」

社長「ちなみにさっき聞きそびれたが二人の能力を教えてくれないか?」

社長「あの鍵の使い道が気になってしょうがないんだ」

男「あ、あの鍵はまだ使い方がわからなくて…」

社長「わからない?」

男「何ていうか…鍵を出現させるのがレベル1みたいで」

男「一体何に使えるかまだ分かっていないんです」

社長「な、なるほど…妹の君は?」

女王「い、妹じゃと!!?」

女王「よく聞け民よ!私は偉大なるハートの女お…」

男「コラ!こういう場で中二病出すなって言ってるだろ!!」ガバッ

女王「ん~!!?」モガーッ

一同「???」

男「いいか女王…お前は本来この世界にいるべき存在じゃないんだ…」ヒソヒソ

男「元の世界に帰るまでは自分が物語の住人って事をばらさない方が良い…」ヒソヒソ

女王「はっ、離せ~!!」

男「皆他の物語の世界で友達や家族を殺されてるかもしれないだろ…」ヒソヒソ

女王「………」

男「神は勿論物語の世界の住人を恨んでいる人がいてもおかしくない…」ヒソヒソ

男「場合によってはこっそり殺されるかもしれないぞ?」ヒソヒソ

女王「……分かった」


女王「ふん…私は妹だ」

女王「能力は強運…ギャンブルならまず負ける事はないぞ!」

社長「そ、そんな能力が存在するのか…」

従業員「どうやら妹ちゃんの方が役に立ちそうですね」

OL「ほんとほんと~!何よ使い方が分からないって!」

JK「妹ちゃん可愛いです!」

女王「可愛い?」ピクッ

男「あはは…ここにいるのはこれだけですか?」

社長「あと一人いるのだが孤独を好んでいてな」

社長「ここの食料品コーナーに居着いている子がいるんだ」

社長「まったくコミュニケーションをとらない子だが特に害もないし放っておいているよ」

男「そうなんですね…あ、まだ皆の名前と能力を聞いてないです」

女王「男!私は可愛いか!?」キラキラ

男「はいはい可愛い可愛い」

女王「むぅ…」

社長「そうだな、二人の事を聞いておいてこちらが話さないのは酷い話だ」

社長「それでは朝食をとりながら自己紹介といこうではないか」

サラリーマン「今9時っすもんね」

OL「もうお腹ペコペコ~!!早く取りに行こうよ!」

従業員「そうですね、お二人も来てください」

従業員「食料品コーナーまで御案内致しますよ」

男「マジで助かる…ありがとうございます!」

女王「ここは何やら高級な感じじゃのぉ…これは期待できる!」ジュルッ

食料品売場

女王「な、なんじゃここは…」

従業員「電気が止まらなくて良かったです」

従業員「ここには産地直送の新鮮な野菜に果物、日本中の有名な産地から取り寄せた肉や魚に保存食、飲料も沢山あります」

社長「全て私が実際に足を運んで契約したものばかりだ」

社長「味は保証するぞ」ニコッ

サラリーマン「今日こそは松坂牛を食いきってやる!」

OL「無理無理…まだ100kg以上はあるんじゃないかしら」

JK「私は果物を早く食べ切ってしまいたいです!」

男「凄い…こういう時食料品売場って便利だなぁ」

女王「男ぉ!とにかく喉が渇いた!紅茶を作るのじゃ!」

男「あぁいいぜ、ペットボトルっていう便利な物を教えてやるよ」

男「勝手に取って行っても?」

社長「構わないよ」

社長「いつ死ぬか分からない身なんだ…後悔がないように好きなだけ食べたい物を食べてくれ」

男「ありがとうございます!」

社長「じゃあいつものように各々食べるものが決まったらフードコートに集合だな」

サラリーマン「了解っすー☆」

OL「チャラいんだよ…これだから新入社員は…」

JK「男さん、妹ちゃん…私も一緒に選んでいいですか?」プルルンッ

男(む、胸が超デカイ…それに身長がちっちゃくて小動物みたいで可愛い!)

男「オフコース」キリッ

女王「気持ち悪いぞ男よ」



男「本当になんでもあるんだな」

女王「こ、こんな容器に紅茶が入っているというのか!?」ジーッ

JK「妹ちゃんって不思議ちゃんなんですね」

JK「お二人はどこから来たんですか?」

男「川越市からだよ」

JK「川越市?」

男「埼玉県!」

JK「そうなんですね!私地理に疎くて…」

男「行かなかったら誰だって分かんないよ」

男「JKさんは?」

JK「都内です、世田谷区って分かりますか?」

男「え…高級住宅街じゃなかったっけ」

JK「そんな事ないですよ!お父さんの
給料も少ないですし」

男「でも良く見たら私服も凄い高級感漂ってる…」

JK「うふふ...似合ってますか?」ニコッ

男「はうぅ!!!」ズキュウウウウンッ!!!!

男「俺には女さんがいる俺には女さんがいる俺には女さんがいる...」ブツブツ

JK「だ、大丈夫ですか!?」

女王「男!このまかろんとやらは一体どんな菓子じゃ!!」

男「甘酸っぱい初恋の味...」

JK「そんな味しますか!?」

ガタッ

男「!!だ、誰だ?」

JK「あぁ...さっき社長さんが言っていたここに住み着いている子ですよ」

チルチル「......」ジーッ

女王「お前...物語の住人だな」

男「え!?」

女王「見てわかる...同じ匂いもするしな」

チルチル「君は...?」

女王「私か?聞いて驚くなよ...ハートの国の女王様じゃ!」フンスッ

男「お、おい...」

JK「え...男さんの妹じゃなかったの...ていうか物語の住人って...」

男「JKさん...実は転送装置は物語の住人も認識するんだ」

JK「そんなことあり得るの?」

男「実際こうしてこの二人がいるんだ...そういう事なんだと思う」

男「......皆には内緒にしてくれないかな」

JK「え?あ、うん...」

女王「お主は何というのじゃ?」

チルチル「チルチル...」

JK「チルチル?どの物語のキャラなの?」

チルチル「物語?僕は妹と二人で青い鳥を探しに行ってたんだ...」

チルチル「そしたら突然青い服を着た男が現れて僕たちが探していた鳥を殺したんだ...」

男「あの警察官か...」

チルチル「そして男がサイコロを振るといつの間にかその男と僕だけがこの近くにいたんだよ...」

女王「チルチルも私と一緒なのじゃな...」

チルチル「どうやったら家に帰れるの!?妹が家で僕の帰りを待っているはずなんだ!」

男「...まだ帰りかたが分からないんだ」

チルチル「そ、そんな...」

男「チルチルもここに来てしまった以上、神の試練を乗り越えないといけないな」

チルチル「あぁ...あの天から聞こえてきた話だよね...」

JK「可哀想...まだこんな小さな子供なのに」

女王「ふん...チルチルよ、死にたくなければ神の試練で勝ち残るしかないぞ」

チルチル「...神の試練に生き残れたら妹に会えるの?」

女王「そ、それは分からん...だが試練は生死を賭けたゲームじゃ」

女王「生き残らなければ妹に会うことも家に帰ることも出来ないぞ」

チルチル「...うん!僕頑張るよ!!」

男(こういう子達が他にもいっぱいいるのかな?)

JK「あ、そろそろ行かないと!もう皆集まってると思いますよ」

男「そうだね、チルチルも一緒に行こう」

チルチル「ぼ、僕も行っていいの?」

男「サイコロは近くにいる順に認識するんだ」

男「皆でご飯を食べて試練に参加できるよう祈るしかないよ」

チルチル「分かった...大人って怖くない?」

女王「怖い訳なかろう!生意気なやつがいたら私が懲らしめてやる!」

チルチル「ありがとうお姉ちゃん!」

女王「お、お姉ちゃんだと?」


女王「そう呼ばれるのもいいものじゃのう」ニシシ

男「結構単純だな」

フードコート

社長「集まったな」

社長「では食べながらで結構だ、私から自己紹介を始めよう」

サラリーマン「あれ?あのガキがいるじゃん」

男「この子も最初の試練で生き残った子なんです」

JK「今日の試練のために私達が誘いました!」

社長「そうか、君も大変だったろう?名前は?」

チルチル「ち、チルチルです」

社長「チルチル?あの青い鳥のか?」

男(あ、しまった!!)

JK「あだ名です!私がつけました!」

OL「あだ名って...本名はなんていうのよ」

男「少年です!」

OL「なんであんたが答えるのよ」

社長「まぁまぁ、怯えているんだ、仕方がないだろ」

机を何個かくっつけて俺たちは食事を始めた
小学校の頃の給食の時間を思い出すなぁ

社長「とりあえず私から自己紹介をしよう」

社長「この百貨店を経営している社長だ」

社長「最初の試練は千夜一夜物語...いわばアラジンの元となった物語をクリアした」

社長「そして能力は契約...相手と自分で条件を指定してそれを遵守しなければならない」

男「す、すごくざっくりといきましたね」

社長「長々と自分の事を語るのは苦手でな」

社長「次は...時計周りでいこう」

従業員「では私ですね!私ここの百貨店で働いています従業員です!」

従業員「たまたま社長がここを視察しにきたので試練は同じく千夜一夜物語でした」

従業員「能力は模範です」

男「模範?」

従業員「いわば相手と同じ行動をとることができます」

JK「あぁ!模範解答ってことですね!」

従業員「そういうことです」

サラリーマン「次は俺だな!俺の能力は...」

カランカラン...


一瞬で周りが静まり返る...
来た...あのサイコロだ
机の上に現れた瞬間、その場に緊張が走った

社長「...どうやら始まるみたいだな」

男「サイコロ...」

OL「ちょっと待って早くない!!?」

サラリーマン「いや三日前もサイコロが現れたのはこの時間だったぜ」

JK「これ...10面サイコロですよ」

社長「...どうする?もうはじめるか?」

サラリーマン「お、俺が振る!!」バッ

OL「ちょっ、ふざけんな!もし1が出たら私ら死ぬんだよ!?」

社長「落ち着け...今すぐ始める必要はないだろう」

従業員「そうですよ!多分今日中なら神様に殺されることもないと思いますし!」

サラリーマン「んなの誰も知らねぇだろ!!もしかしたら今日は今すぐ振らなきゃいけないかもしれないんだぞ!!」

JK「お、落ち着いてください...」アタフタ


女王「騒々しいのぉ」モシャモシャ

男「こんなときに暢気だなお前は...」

チルチル「ぼ、僕も参加できる?」

男「...とにかくサラリーマンさんからサイコロを手放すようにさせるしかないぞ」

サラリーマン「とにかく!!俺が振るんだ!!」バッ

OL「馬鹿!!!」

パシッ

サラリーマン「あ」

社長「......落ち着けと言っているだろ」

さっきまで優しそうな顔をした社長さんの顔はとても強張っていた
その右手はサラリーマンさんが投げたサイコロを強く握り締めて...

社長「いいか?私たちは仲間だと言ったはずだ」

社長「次の試練も生き残るためには皆が協力する必要がある」

サラリーマン「そ、そんな事言ってアンタも選別から外れたくないだけだろ!」

社長「それはそうだ...私だって死にたくない...神になって死んだ妻と子供を生き返らせるまでは」

サラリーマン「......」

社長の言葉は皆の胸に突き刺さった
皆一緒のはずだ
家族や恋人、友達が死んだのだから出来ることなら神になって元の日常を取り戻したいはず...

JK「神になったら死んだ人を生き返らせれるんですか!?」

社長「それはわからない...だが、そう思わないと私は怒りと悲しみでこの命を投げ捨ててしまいそうなんだ...」

男「社長さん...」

サラリーマン「社長さん...すみませんでした」

社長「気にするな、誰だって一度ルールを知ってしまったら取り乱してしまうものだろう」ニコッ

OL「で、でも今この場には8人もいるのよ!10面サイコロで8以上を出すなんて難しいと思うわ!」

JK「誰が振るかは結局決められないですもんね...」

社長「確立は10分の3...この中の誰が振ってもそうだろうな」

社長「ただ一人を除いては」チラッ


女王「む?」モシャモシャ

男「あ...そっか、女お...妹の強運ってサイコロにも適用されるのかもしれない」

女王「なんじゃなんじゃ~?私がいないとお前たち何にも出来ないのかぁ?」ニヤニヤ

男「う、うざい...」イラッ

社長「現実世界でも能力は使える...ならば妹くんに振らせてみるのが一番の最善手だと思うな」

JK「妹ちゃん!頼んだよ!」

女王「仕方ないのぉ~♪」

男「まずは口周りにいっぱいついてる食べかすを拭けよ」フキフキ

女王「こら!勝手に触るな!」フガフガ

OL「はぁ...こんなの見てたらさっきまでの騒ぎが馬鹿らしく思えてきたわ...」

サラリーマン「た、頼んだぞ!!!妹ちゃん!!!」



警官「チッ...どこにもサイコロなんかねぇぞ...」

警官「このままどこかで誰かが振っちまうと最悪だ」

警官「...百貨店」



警官「ここならいっぱい人もいるだろうな」ニヤァ



サラリーマン「とりあえず俺はサラリーマンだ!能力は恥ずいから教えねぇ!」

従業員「まぁあなたの能力は確かに恥ずかしいですもんね」

男「皆言ってるんだから教えてくれてもいいじゃないですか!」

サラリーマン「ガキがうるせぇんだよ!次だ次!」

OL「はぁ...私はOLよ」

OL「そこの馬鹿と一緒の会社で働いていたところ赤ずきんの世界に飛ばされちゃったわ」

OL「能力はなんて説明したらいいのかしら?」

社長「実際に見せてみてはどうかな」

OL「それもそうね」

さらさら~

男「...空中に文字が浮いてる!?」

OL「この口紅でどこにでも字が書けるの」

OL「だから何だって話なんだけどね」

JK「伝言に使えばいいと思いますよ!」

OL「確かにそうね...私一人じゃそれぐらいしか出来ないけど」

社長「試練の最中にはぐれる可能性もある、これは便利な能力だな」

OL「ポジティブね」

社長「後は...JKくんと少年くんだな」

JK「わ、わたしは...」

JK「試練は桃太郎でした」

男「...能力は?」

JK「恥ずかしながら...まだわかってないんです」

サラリーマン「何だそれ!チッ...これだからガキは」

OL「あんたもまだ22歳でしょ」

男「ははは...俺も一緒だよ」

JK「男さんは鍵があるから多分何かを開ける能力なんですよ!私は何も出てませんから...」

社長「なに...これから探していけばいい」

従業員「あとは少年くんだけですよ」

チルチル「ぼ、僕は...」

パァンッ

一同「!!?」

OL「ぐふっ......な、なにこれ...もしかして私、撃たれたの...?」ポタポタ

男「OLさん!!?」



警官「よぉゴミクズ共」ニタァ

社長「お前は...」

女王「出たな...男!さっさと倒すのじゃ!」

男「無茶言うな!アイツは見えない弾を飛ばすんだぞ!」

警官「ひいふうみい...ふぅん」

警官「ゴミが8個も集まってやがったのか」

JK「酷い...あなたも私たちと同じ人間じゃないですか!」

警官「うるせぇおっぱい揉ませろ!」

JK「ななななにをいってるんですか///」

サラリーマン「先輩!大丈夫っすか!!?」

OL「はぁ...はぁ...流石に痛いわね...足、撃たれちゃった」

サラリーマン「クソォ!!」

社長「女王くん!頼む!8を出してくれ!!」ポイッ

女王「た、多分10が出ると思うぞ!!」パシッ

社長「それでも構わん!転送中に私があれの動きを止める!早くゲームをスタートさせるんだ!」

男「社長さんはどうするんですか!!?」

社長「言っただろ?私の能力は契約だと」

警官「次はそこのじじいだ」

社長「お前、名前は?」

警官「ああ?」

↑ミス

妹くんだね

社長「名前だよ」

警官「なんだお前...さてはそれが能力のスイッチだろ」カチャッ

社長「クッ...」


女王「どりゃあ!」ポイッ

男「なんちゅう声で投げてるんだよ...」

コロコロコロー...
あのテレビ放送でイカれていた警官が侵入してきた2回目の試練...
果たして俺たちはどうなってしまうんだろう

女王の強運は確かにサイコロにも影響があった
目は10を向いていたのだ
その目が示すのは幸運か不運か,,,
今この場にいた9人全員が次の物語の世界に行く事になったんだ


パアッ......



男「......ここは?」

古びた木製の事務所に俺たちは飛ばされていた
窓から見下ろすと作業着らしきものを着た女性がなにやら作業をしている

サラリーマン「なんだこの世界!?ふ、普通の工場じゃねぇか?」

OL「そんな事より...今はあの警官よ...どうなったの?」



社長「契約成立だ」ニヤッ

警官「う、動けねぇ......なんだこの能力は!!」

男「社長さん!」

社長「ここは私に任せてお前たちはクリア条件を教えてくれる人物を探してくれ!」

JK「でも...」

従業員「私が社長のサポートをします!外に伝言を書いておいてください!」

女王「ふむ...あの女子たちの顔立ちからしてどうやらヨーロッパのようじゃな」

チルチル「そ、そんな事より早く逃げないと...」

男「クソォ!一旦外に出よう!」

サラリーマン「先輩!俺が先輩を背負います!」ヨイショット

OL「ふん...かっこつけちゃって...」

男「外に出ましょう!!」


警官「待て!てめぇら!!」グググ

警官「何なんだよこの能力!!ジジイ!早く解除しやがれ!!」

社長「動けないのは私もだ」

社長「私の能力、契約は契約したい相手と自分が数回言葉を交わすと発動する」

社長「契約内容は5分経つまで動けない...これは絶対に互いに遵守しなければならない」

警官「キモい能力使いやがって...」



作業員「キャアアア!!?だ、誰あなたたち!?」

男「すいません!ちょっと通してください!!」

事務所らしき所から俺たちは階段を下り作業場を駆け抜けた
外に出れそうな大きな扉の前に着く瞬間、太った男が目の前に立ちふさがる...

工場長「ストップストップ!」

サラリーマン「そこをどいてくれ!!」

工場長「まだ駄目だ...君たちに神のお告げを告げなければならないからな」

JK「クリア条件は何ですか!」

工場長「物語を完成させること」

男「物語を完成って...前と同じだ」

工場長「ノンノン!同じなようで少し違うな」

男「何が違うんだよ!」

工場長「君たちはこれから主人公を正しい道に導きださねばならない」

工場長「それがクリア条件だ」

JK「ここは何の物語なんですか!」

工場長「さぁね...とにかくお告げは伝えた...早く帰ってくれ、商品の完成が遅れちまう」

男「......一旦出よう」

いやらしい笑みを浮かべる男を通り過ぎ俺たちは外に出た
目の前に広がるのは煉瓦で出来た下町だった

男「...ハリーポッター?」

JK「確かにヨーロッパっぽいですけど...魔法使いなんていなさそうですよ」

サラリーマン「んな事より今は先輩の治療だ!ガキどもは医者を探してくれ!」

男「わ、分かりました!!」

女王「なんでコイツに命令されなきゃならないのじゃ」

男「いいから行くぞ!」

社長さんたちの事もあるが
サラリーマンさんに急かされた事もあり
俺たちは医者を探しに町中を走り回った

そこで気付いたのだがどうやら
この町はどうやら路上生活者が沢山いるみたいだ

男「はぁ…はぁ…こんな町で医者なんて見つけられるのかよ…」

女王「男ぉ!疲れた!おんぶじゃ!」

男「うるせぇ」

チルチル「ねぇ…一度戻った方がいいんじゃないかな?」

JK「そうですね…医者を探すよりも前に社長さん達とOLさん達と合流する方がいい気がします」

男「と言ってもさっきの工場がどこかも分からないよ…」

ドンッ

女性「す、すみません…」

男「あ、こちらこそすみません!」

男「…あの」

女性「な、なにか?」

男「この付近で工場を探してるのですが道を教えて貰ってもいいですか?」

女性「……働いていたから知ってるわ」

男「ほ、本当ですか!?」

JK「さっきはお騒がせしてすみません!」

女性「あぁ…もういいの、クビになったから」

男「え…それって俺たちのせいですか!?」

女性「違うわ…道を教えてあげるからさっさとついてきなさい」

男「お、お願いします!」

女王「なにやら事情があるみたいじゃのぉ」

女性「それはお互い様じゃないかしら?」

女性「それだけ汗だくになって走っているという事は何か用があったのでしょ」

女性「余計な詮索はやめてもらえるかしら」

男「…そうですね」

さっきの工場をクビになったばかりだと言う
女性に俺たちは着いていく
…服が汚れているからきっと工場から無理矢理
締め出されてしまったのだろう

通行人「……」ジロジロ

JK「すっごい見られてますね」ヒソヒソ

男「俺たち日本人だもんね、そりゃ目立つよ」ヒソヒソ

女性「…黙っていた方が身のためよ」

男「す、すみません!」

女王「婦人よここは一体どこなのじゃ?」

男「こ、こら!」

女性「モントルイユよ…そんな事も知らずにどうやってここまで来たのよ」

男「モントルイユ?」

女性「はぁ…フランスも知らないのかしら」

JK「すみません無知なもので!」

女性「…日本人って言ってたものね」



女性「さぁ着いたわよ」

男「ありがとうございます!」

チルチル「あの…お姉さんの名前は?」

女性「名乗るほどの事をした訳じゃないから」

JK「聞いておきたいんです!」

女性「はぁ…明日からの仕事を早く探さないといけないっていうのに…」

女性「ファンティーヌよ」

男「ファンティーヌさんっていうんですね」

女性「もう行くわ…小さな娘のためにお金が必要なのよ」

JK「そうなんですか…なんか、本当にすみません」

女性「あなた達が謝る必要はないわ」

女性「全ては嫉妬深い同僚とスケベな工場長が悪いのよ」

女王「なに!?さっきの豚め!私が教育し直してやる!」

女性「あはは!そうしてくれると胸がスカッとするわ!」

男「初めて笑いましたね」

女性「あ…見つかったら面倒だから行くわね」

男「はい!ありがとうございました!」


JK「ファンティーヌさん、キレイな人でしたね」

男「うん…ああああ!!!」

女王「ど、どうしたのじゃ急に!?」

男「もしかしてファンティーヌさんがこの世界の主人公じゃないのか!!?」

JK「あ…」

女王「何故そう思う?」

男「いやだってこの世界に来て初めて名乗ったのあの人だぞ!」

JK「その他の人は名前知らないですからね…」

ヌッ

サラリーマン「おい…なに手ぶらで帰って来てんだよ」

男「サラリーマンさん!なんで馬車の陰に隠れてるんですか!」

サラリーマン「下手に動けねえんだ…先輩の傷が開いちゃいけねぇ…」

男「…すみません」

OL「おかえり……私のことはいいから一度あなたたちだけで社長さん達の様子を見てきて貰えるかしら?」ハァハァ

JK「まだ出てきてないんですね…もう30分ぐらいは過ぎたはずなのに」

男「分かりました…俺が見てきます」

JK「わ、私も行きます!」

女王「お、おいお前たち!もしあのけーさつかんとやらがいたらどうするつもりじゃ!」

男「撃たれてでもとっ捕まえて拘束する!」

JK「早く行きましょう!」

男「あぁ!」

女王「あーもう!私も連れていくのじゃ!」

チルチル「ぼ、僕も!」



意を決した俺たちが工場の扉を開こうとすると
後ろから急に大きな手が俺の肩を掴んだ

男「え!?」クルッ

黒服警官「お前たちこんな所で何をしている?」

サラリーマン「変な女を連れてきたと思ったら次はオッサンかよ」

男「あ、あの…僕たち急いでるので後にしてもらってもいいですか?」

黒服警官「不審者が市長の工場から出てきたと通報があったのだがお前たちの事だな」ガシッ

男「ちがっ…」

黒服警官「さっきも全身血だらけのアジア人が逃げたのだがどうやら仲間らしいな」

JK「ど、どっちなのでしょうか?」

男「あぁもう!中で銃を持った人が暴れ回ってるかもしれないんです!」

黒服警官「銃を?」ジトッ

JK「怪我人もいるかもしれません!一度中に入りませんか!」

黒服警官「それが本当なら犯人確保が最優先だ」

黒服警官「ここは私に任せてお前たちはここで待っていなさい」

男「それじゃ遅い…行くぞ!」

JK「はい!!」

バァンッ!!

黒服警官「コラ!勝手に入ってはいけないぞ!」



男「うっ…」

JK「そんな…」

黒服警官「な、なんだこれは!?」


この世界の警官に掴まれていた肩を振りほどき
無理矢理中に突入すると、鼻をつく酷い臭いが襲ってきた
ついさっきまで作業をしていた女の人達は
既にその命が終わってしまっていたんだ…

黒服警官「酷いな…一体誰がこんな事を…」

男「畜生!!なんでこんな事するんだよ!」

JK「社長さんと従業員さん…無事でいてください!」ダダッ

黒服警官「どういう事だ!説明しろ、おい!」

カランカランッ
さっきまで勤務していた人が作っていたのであろう
装飾品が転がってきて足元に触れた

男「宝石…?」

社長「ゴホッ…お、男くんか…」

JK「社長さん!?」

社長「JKくんもいるのか…」

男「血が…!!どれだけ撃たれたんですか!!」

JK「社長さん…出血の量がやばいですよ!」

社長「私のことはいい…従業員くんが…上にいる…」

男「最初に来た部屋ですね!」

JK「私が見てきます!」

男「うん!頼んだ!」


黒服警官「…さっきの血まみれの奴が犯人という事か」

社長「話が分からないがそういう事だと思います…」

社長「男くん…悪いが私の目を拭いてくれないか?血で目が開けられないんだ…」

男「はい!」ゴシゴシ


JK「キャアアアアアアア!!!?」

男「JKさん!?ま、まさか…」

社長「……」コクッ

社長「従業員くんは…契約が終わった後私を庇ってあの男に撃たれてしまった…」パチッ

男「そんな…」

社長「気を付けろ…あの男の能力はおそらく透明化だ…」

男「透明化!?」

社長「そうだ…う…意識が途絶えそうだ…すまないが私と従業員くんをどこか安全な所まで連れて行ってくれないか…?」

男「わ、分かりました!警官さん!病院までお願いします!!」

黒服警官「……分かった」



「な、なにが起こったというのだ!!!」

男「!?」

扉の方を見ると青ざめた大きな男が
ただただ立ち尽くしていた…
男は身なりからしてこの世界では貧民では
なさそうな立派な人に見える

黒服警官「マドレーヌ市長…残念なお知らせですが銃を持った犯罪者が先程ここで暴れ回ったみたいです」

市長「なんだと!?さっきまで皆一生懸命働いていたんだぞ!」

男「市長さんか…」

社長「…そうか、ここはレ・ミゼラブルの世界だったのか…」

男「レ・ミゼラブルって…あのミュージカルの…?」

社長「あぁ…長い戦いになるぞこれは…」ガクッ

男「社長さん!!しっかりしてください!!」



俺たちが工場の事務所に転送されてから
わずか40分ほどでここまでの大惨事に
なるとは誰も思わなかっただろう


泣きじゃくるJKさんを慰めた後
市長さんと警官さんに宿を手配して貰い
そこで俺たちはしばらく拠点を置く事にした

怪我人は社長さんとOLさん
死者は…従業員さんと工場で働いていた
沢山の女性達だった

問題を起こしたあの警官は何処に逃げたのか…
そして少しずつ本来の話から狂ってしまった
この世界を果たして無事に
クリア出来るのだろうか…


俺たちはただ怪我人が目を覚ますのを
待つ事しか出来なかった…





『レ・ミゼラブル』




.

フゥ…
こういうの書くのは楽しいけど
読む側は物語を汚すな!とか思いそうだよね
もしそうだったらすまんこ


レ・ミゼラブル編の次はゲームの世界な
あとエロい能力誰か助言下さい



社長「ん...」パチッ

男「社長さん...目が覚めましたね」

社長「男くんか...ここは?」ムクッ

男「この町の市長さんが手配してくれた宿です」

男「医者が言うには全治3ヵ月ぐらいはかかるそうです」

社長「そうか...迷惑を掛けたな」

社長「ところで他の皆はどこだ?」

男「JKさんと妹とチルチルは食料を買いに行きました」

男「サラリーマンさんとOLさんは町の観光をすると言ってました」

社長「歩けるようになったんだな...従業員くんは?」

男「......」フルフル

社長「...そうか」

社長「彼女はとても優秀だった」

社長「元々ビジネスホテルで働いていたそうだがそこでの経験を活かして全力で働いてくれていた」

社長「試練の日に視察で彼女を見たがとても気持ちの良い接客をする人だったよ」

社長「愛する子供のため女手ひとつで...」

男「社長さん...もういいです...」

社長「あぁすまない...従業員の遺体は?」

男「あそこのベッドにまだ寝かせてあります」

社長「...すまなかった、私なんかのために」

男「社長さん!まだ動ける状態じゃないですよ!!」

あまり陽の当たらない隅のベッドに横たわる従業員さんの死体を
社長さんはゆっくり撫でた...

体中に撃たれた跡が生々しくて、俺は直視する事ができない...
そんな従業員さんの体を労うように優しく撫でる社長さんは
とても哀しそうな顔をしていたんだ


社長「......君の分もがんばるからな」ニコッ

男「社長さん...」

市長「お取り込み中のとこすまないが失礼するよ」

男「あ、市長さん」

市長「やぁ、どうかな体の調子は?」

社長「あぁ、なんともありませんよ」

男「いやなんともないことないじゃないですか...」

社長「動けるなら動いたほうが体のためにもなる」

市長「あまり無理をしてはいけないよ」

市長「ところでだ、私の所有する工場で暴れたのは誰なんだ?」

男「あ...血まみれの青い服を着た長身の男です」

市長「君たちの仲間か」

男「違う!俺たちは人殺しなんてしてません!」

市長「神に誓えるか?」

男「か、神に誓って!」

市長「......」

男「...........」

市長「そうだな、君の目は嘘をついていない」

男「ほっ...」

市長「だが工場の勤務員を殺されたおかげで工場は潰れることになった」

市長「市長の座が危うい所だがそんなことはどうでもいい...」

市長「頼む!逃げた犯人を捕まえて連れてきてくれないか?」


男「あの警官を捕まえる...」ゴクリ

市長「男くん、この男が主人公だ」ボソボソ

男「え!?」

市長「私は一度本場の公演を見た事がある...話も大体は知っている」

訂正

市長「そうだな、君の目は嘘をついていない」

男「ほっ...」

市長「だが工場の勤務員を殺されたおかげで工場は潰れることになった」

市長「市長の座が危うい所だがそんなことはどうでもいい...」

市長「頼む!逃げた犯人を捕まえて連れてきてくれないか?」


男「あの警官を捕まえる...」ゴクリ

社長「男くん、この男が主人公だ」ボソボソ

男「え!?」

社長「私は一度本場の公演を見た事がある...話も大体は知っている」

男「じゃあ市長さんを正しい道に導くのが今回の条件ってことですか」

社長「そうなるな」

市長「やってくれるか?」

男「は、はい!!」

市長「そうか、頼んだよ...しばらくはこの宿で泊まるといい」

市長「私は色々やらなければならないからこれで」

男「あ、ありがとうございます!必ず犯人を捕まえてきます!」


男「はぁ...銃持ちの相手なんて捕まえられるのかな...」

社長「だが彼の気持ちも痛いほどわかる...私もあの男を捕まえて懲らしめてやりたい」

男「従業員さんもあいつに殺された...そうですね!やるしかない!」

JK「あ、社長さん!よかったぁ目が覚めたんですね」

社長「あぁ心配かけてすまなかったな」

女王「ふん、軟弱者め...さっさとこれを食うがいい」

社長「これは美味しそうなパンだな、ありがとう」ニコッ

男「すいません馬鹿な妹で...」

夜になり、全員が宿に帰ってきた

皆で社長さんが目を覚ました事、
OLさんが無理をしなければ多少は
歩けるようになった事を祝い、
従業員さんが亡くなった事に悲しんだ

そして、これからどうゲームを
攻略するかの作戦会議をする事になった


社長「あれから3日も経っていたのか...」

JK「そうなんですよ」

サラリーマン「身動きが取れなかったのは仕方ねぇけどよ」

サラリーマン「このままのんびりしてて大丈夫なのかよ!?」

社長「まだ大丈夫だ」

OL「何を根拠に言ってるの?」

社長「私はこの世界の物語を知っている」

サラリーマン「マジかよ!?なんて物語なんすか!」

社長「レ・ミゼラブルだ」

JK「あ!!聞いた事あります!」

OL「ちょっと前に話題になった映画よね」

社長「元を辿れば小説なんだ、きっとそれが選ばれたのだろうな」

女王「知らんのぉ」

男「お前は知らなくて当然じゃないのか?」

社長「知らない者もいるようだし思い出せる限りストーリーを説明しよう」

チルチル「お、お願いします!」

社長「まずこの宿を用意してくれた市長がこの物語の主人公になる」

サラリーマン「あぁあのオッサンか」

社長「...確か工場にいた女の娘を預かるんだ」

男「ファンティーヌさんだ...」

社長「そして...」

一同「そして?」

社長「......」

一同「......?」

社長「えーとだな......すまない」

サラリーマン「忘れたのかよ!」ズコーッ

社長「戦争するのは覚えてるんだが」

男「戦争!?」

女王「そんなに物騒な世界なのか?」

社長「いや待てよ...暴動だったかもしれん」

OL「はぁ...これじゃあ市長さんをどうしたらいいのかわからないわね」

社長「見たのがかなり前だったからな、面目ない」

JK「昔見たものってなかなか思い出せないですよね、仕方ありませんよ」

男「その暴動が起こるのはいつなんですか?」

社長「今から数年後のはずだ」

男「数年後って...そんなに長い話だったんですね」

社長「市長の一生を追う話だからな」

OL「結末は覚えていないの?社長さん」

社長「確かみんなで歌ってハッピーエンドだ」

OL「......先が思いやられるわね」

男「とにかくハッピーエンドにすればいいんですよね!」

男「だったら市長さんと行動を共にすれば出来るはずですよ!」

一同「......」

男「あ、あれ...?」

JK「一緒に行動するのはいいんですけど、何をしたらいいのかわからないし...」

OL「いったい何年一緒にいないといけないのって話よ」

男「......確かに」

社長「そうだ!ひとつ思い出した事がある!!」

サラリーマン「お、やっとすか」

社長「冬だ!」

男「冬?」

社長「冬にそのファンティーヌという人が死ぬんだ」

男「ファンティーヌさんが...」

社長「そしてファンティーヌから娘を託され市長は娘と共に旅に出る」

JK「つまり冬までは何も起こらないという事ですね」

社長「あぁ!きっとそうだ!」

サラリーマン「まぁ冬までなら今は秋ぐらいだって町で聞いたから長くて3,4ヶ月ぐらいって事だな」

社長「3,4ヶ月か...その間にあの警官を捕まえるっていうのはどうだ?」

JK「えええ!!?そ、そんなの無理に決まってますよ!!」

社長「まだわからないぞ」

OL「何を根拠に言ってるのよ」



社長「まだ男くん、JKくん、少年くんの能力が不明だということだ」

男「確かにまだ分からないですけど...」

JK「一体どうやって能力を発動させたらいいのかも分かりませんよ?」

チルチル「僕も能力が一体何か分からないよ」

社長「だから今から特訓だ」

社長「能力を開花させるためのな」

男「特訓か...市長さんのためにも警官を捕まえたいし」

女王「そんなの退屈じゃ!早いとこ終わらせられないのか!?」

JK「多分時間は普通に過ぎるから嫌でも待たないといけないよ」ウフフ

OL「まだ私も本調子じゃないし、社長さんの怪我もあるから仕方ないわね」

サラリーマン「本当にこんなガキたちに任せていいのかよ社長さん!」

社長「君の能力は極めて戦闘に向いてないんだ、仕方ないだろう?」

サラリーマン「チッ...」

男「俺たちが頑張りますよ!サラリーマンさんは警官の居場所を探ってもらえませんか?」

サラリーマン「はぁ!?なんで俺が!」

OL「うるさい、つべこべ言わずにやるの」ゲシッ

サラリーマン「痛っちょっ蹴らないでください先輩!!」

JK「うふふ...仲良しですね」

OL「誰がこんな馬鹿なんかと」

サラリーマン「ひ、酷い...今日一緒にデートしたじゃないすか」

男「ヒューヒュー!」

サラリーマン「やめろ!!」

OL「デートじゃないし」

社長「ははは!君たちがいると楽しいよ、ありがとう」

女王「なんだか蚊帳の外って感じじゃのぉ」

チルチル「僕たち何したらいいのか分からないもんね」


会議も終わり食事を終え皆が寝静まった後、
その晩にJKさんの能力が開花してしまった


......男からしたらとても恐ろしい能力が...

夜 女部屋

女王「むにゃむにゃ…もう食えん…」スピースピー

OL「すぅ……すぅ……」

JK「皆さんぐっすり寝ていますね」

JK「ふわぁ~…私もそろそろ寝ますか」



JK「……そういえば最初の試練が始まってから体感的には今日でちょうど一週間ぐらい」

JK「もういっぱい溜まっちゃってる…だけど今なら落ち着いて出来るはず……!!」

JK「発散出来ることは発散しないとね」

JK「んっ…」サワサワ

JK(だめぇ…もうこんなにとろっとろだよぉ///)クチュクチュ


男「!!」ビクンッ

宿 男部屋

男「あ、あれ…」ギンッ

男「ムスコが急に元気に…」

サラリーマン「……お前もか」ムクッ

男「あ、サラリーマンさんも溜まってたんですね」

サラリーマン「バカ言うな、今日俺はちゃんと出してきたぞ」ムクムクッ

社長「OLくんとかね」ギンッ

サラリーマン「うわぁ社長さんも起きてたのかよ!」

社長「しっ!チルチルくんはもう寝てるんだ」

チルチル「………ぐぅ~…ぐぅ~…」

社長「夜も遅いし静かにしよう」ギンギンッ

サラリーマン「んなこと言って社長さんも溜まってんじゃないすか」

男「あはは…まだまだ若いですね」

社長「あ、いや…これはだな…」


チルチル(どうしよう…おちんちん大きくなって起きちゃったよぉ…)

JK(はぁ…皆さんには実は試練の日にメイトに行ってたなんて言えない…)クチュクチュ

JK(私が二次元にしか興味ないなんて恥ずかしくてとても…///)クチュクチュ

JK(あぁ…跡部様…今宵も私を滅茶苦茶に犯して…)クチュクチュ

ぽわんぽわ~ん

跡部「久しぶりだな…なんでもうこんなに濡れてるんだ」

JK「ご、ごめん…だって…景吾くんがカッコ良すぎだから…」

跡部「下着までびしょ濡れじゃねぇか」

跡部「スケスケだぜ」クチュ

JK「はぁん!そ、そこは…」

跡部「俺様の指技に酔いな」クチュクチュクチュクチュ

JK(ダメえぇ!!景吾のスマッシュ決まっちゃうよおおおお///)ビクンビクン


どぴゅっ

男「……」

サラリーマン「……」

社長「……」

男「…なんか勝手にイキました」

サラリーマン「俺も…」

社長「こんな事ありえるのか?」

社長「三人同時に勃起して射精するなんて…」

男「溜まってたんならあるんじゃないですかね」

サラリーマン「いやだから俺は今日抜いてきたって」

社長「OLくんとだろ」

サラリーマン「ばっ、ちげぇよ!」

男「サラリーマンさん…羨ましいです」

社長「あのムチムチのパンストにぶっかけて来たのか」

サラリーマン「なんで下ネタになると生き生きしてんだよ」

社長「今は男だけなんだ…息抜きにちょうどいいじゃないか」

サラリーマン「うっせ!いつ死んでもおかしくないんだ!別に付き合ったっていいじゃねえか!」

社長「し!静かに!」

男「あはははは!!」

テメェオモテデロ!!
カエリハパンストハイテナカッタデスヨネ
コロスゾ!!


OL「もう…うるさいわね」ムクッ

JK「………」クチュクチュ

OL「………あんたも溜まってたのね」

JK「!!」ビクンッ

JK「……すぅ……すぅ……」クチュクチュ

OL「聴こえてるわよ…したいならすればいいじゃない」

JK「す、すみません…///」クチュクチュ

OL「別にあいつらには言わないから安心して」

JK「んっ…ありがとうございまぁっ!!……すぅ」ビクンビクンッ

OL「……ちょっとひくわ」


ウワァマタデタ!!ナ、ナンデ!?

OL「……あっちも何してんのよ」

JK「あっ……景吾ぉ…そこぉ!」ビクンビクン

サ、サンカイレンゾクハヤバイ!!
チンコガイタクナッテキタ…

OL「3回連続って…男だけでオナニー大会でも開いてるのかしら…」

OL「本当男って単純な生き物よねぇ」ハァ…

JK「跡部王国万歳いいいいい!!」ビクンビクン

OL「何よ跡部王国って…」

モウヨンカイメダ!!シ、シヌ…

OL「……なんか同じタイミングでイッてない?」

JK「ほぇ…?」ハァハァ

OL「ちょっともう一回イッてみて」

JK「え///そ、そんなの恥ずかしいですよ!」

OL「好きな人との想像したらいいのよ」

JK「でも…」

OL「つべこべ言わずにやる」

JK「は、はい!」

JK「はぁん…景吾…今年もチョコいっぱい送るからね///」クチュクチュ

JK「去年は1000個だったから今年は2000個よ…いっぱい食べて…」ビクンビクン


マ、マタデタ!!
コレッテモシカシテダレカノアビリティジャネエカ!!?
モシカシテ…テキシュウ!?


OL「……マジ?」

JK「はぁ……はぁ……」クチュクチュ

OL「ちょっ、ストップストーップ!」

次の日

JK「うっ……」モジモジ

OL「ほら、あんたの口から言いなさい」

リビングに集められた俺たちは
OLさんからJKさんが皆に話があると聞いていた

朝食は昨日女王達が買ってきたパンに宿の店主から
貰った野菜で作ったポトフ、市長の知り合いから
譲ってもらったチーズだ

…今日は7人で机を囲ってフランスの
家庭料理に舌鼓を鳴らしていた
しかしJKさんはなかなか口を開かない…

男「話って何なの?JKさん」モシャモシャ

女王「ふむ、私が食べていたチーズと近い味じゃの」モチャモチャ

チルチル「お姉ちゃんまた口周りいっぱいついてるよ」フキフキ

女王「ふん!弟に仕事を与えてやったのじゃ!」

JK「えと……その……ごめんなさい!!」ダッ

男「ちょっ!?どこ行くの!!」

サラリーマン「なんだよ話って…そして逃げるのかよ」

OL「はぁ…景吾、あなたの出番よ」ポンッ

男「へ?」

社長「景吾という名前だったんだな」

男「いや、違います!」

サラリーマン「つべこべ言わずに追いかけろよ景吾」

男「は、はい!!あと景吾じゃないです!」ダッ

女王「私も行くぞ!」

OL「ちょい待ち」ガシッ

女王「なんでじゃ!!」

OL「あんたのお兄ちゃんね…たった1日で大人になったのよ」ウンウン

女王「さっぱり話が分からんぞ!?」



男「はぁっ...はぁっ......待って!JKさん!!」

何故か景吾と呼ばれ訳もわからないまま
モントルイユの下町を無我夢中で走り続けた
彼女は意外と足が速い...

男「くそ、見失った...」

ざわざわ...がやがや...

男「なんだこの人ごみ...」

JK「きゃああああ!!!」

男「JKさん!すみません!通してください!!」

沢山いる人を掻き分け人だかりの中心に出ると信じられない光景が目の前に待ち受けていた...


JK「やめっ...やめて...あぁん!!」

警官「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」モミモミ

男「てめぇ!!何してんだ!!!」

警官「何って見たらわかるだろ?」

警官「そこに乳があるから揉んでいる...それに理由がいるのか」

男「くっ...羨まけしからん...」

JK「早く助けてください!!」

男「あ、はい!!」

警官「動くな...」カチャ

男「...銃を透明化してるんだろ」

警官「よく分かったな、てめぇの能力はなんだ?」

男「...教えない」

警官「あ、そ」

警官「じゃあ死ねよ」

男「待て!お前神になりたいって言ってたよな!?」

警官「あぁ?だからなんだ?」

男「この世界のクリア条件は知ってるのか?」

警官「知らねぇなぁ...」

男「神になりたかったらゲームに生き残るしかない」

男「だから、交換条件だ!神のお告げを教えるからJKさんを離すんだ!」

警官「お前みたいな子供にそんな権利あると思ってんの?」

男「うっ...」

警官の目は酷く濁って見える...
とても冷たくて、ぐるぐる気持ち悪い感じがする

JK「やぁ...手ぇ止めて...」

警官「やだ♪やっぱりいい乳だわ!ギガントマシュマーロォォォォ!!!」モミモミ

JK「男くん...」

男「大丈夫!?」

JK「恥ずかしいから...目ぇつむってて?」ハァハァ

男「え...わ、分かった...」

警官「お?生パイ触らせてくれるの?」

言われた通りに目を閉じた
雑音と警官の笑い声が聞こえる...

クチュクチュ...クチュクチュ...

男(一体何の音だこれ?水?)

男「JKさん!一体何を...」

男「!!」ムクムクッ

JK「はぁんっ...だめぇ、まだ...」

町民「うっ...急にあそこが」バッ

町民「あんなおっぱい見てたらそりゃ勃つっきゃねぇぞ!!」バッ

警官「いいねぇ...俺のテクに興奮しちゃったんだ」ペロッ

JK「ひゃんっ!ち、違うもん!!」クチュクチュ

男「JKさん、一体何を!?」バッ

JK「ナニもしてない!!お願い...耳も塞いで...」クチュクチュ

男「そ、そんなこと言ったって...」

JK「んっ...男くん......イクよ?」クチュクチュ

男「え?」

JK「あああああぁぁぁん!!!!」ビクンビクン

どぴゅぴゅぴゅ!!!

男「うっ...」

警官「うぎゃあああああああああ!!!!!???」ビクンビクン

JK「はぁ...はぁ...男くん、早くこの変態を...」

男「フゥ...ちょ、ちょっと待って」

JK「いいから早く!誰か縄持ってませんか!!?」

町民「俺の短い縄なら...」ブランブラーン

JK「きゃあああああ!!?」

男「な、なんだよこの状況...イカ臭ぇ...」

宿

警官「......なんだ、拷問でもするのか?」

突然失神した警官を捕まえた俺たちは宿まで
コイツを運び皆で取り囲んでいる

縄で縛られて身動きが取れないというのに毅然とした態度をとる
コイツはやっぱり危険だ...頭がおかしいとしか思えない

社長「何故工場で人を殺したんだ」

警官「楽しいから♪」

サラリーマン「てめぇ!!」

OL「やめな...こんなやつ殴る価値ないよ」

警官「お前らまだ自分達が優位な立場だと思ってんの?」ケラケラ

男「どういう意味だ!」

警官「ゴミに囲まれても臭いだけっつってんだよ」

男「ふざけんな!!!」

JK「酷い...従業員さんはこんな人に殺されたの...」

警官「んなことよりマシュマロちゃんの能力はなんだ?」

警官「急に全身が快感に包まれて気絶しちゃったんだけど」

JK「な///」

男「そういえば昨日の晩も何もしてないのに射精した...」

男「そしてさっきも...もしかして」

JK「あーあー!!何も聞こえない!!!」

社長「......強制的に射精させる能力か」

サラリーマン「マジか...最強の能力だな」

女王「お前たち下ネタばかり言うんじゃないぞ!!」

JK「好きでこんな能力になったんじゃないです!!!!」

警官「マジか!!めっちゃ気持ちよかったんだけど!」

警官「もっかいやってよ!発動条件はオナニーなんだろ?」ニタァ

JK「ち、違うもん!!」

OL「はいはいあんた達は耳を塞いでいてね」ガシッ

女王「離せー!おなにーとは何じゃ!!?」ジタバタ

チルチル(凄い能力...あれが射精っていうんだ///)

警官「自分がイくと周りの男もイっちゃうんだろ、いい能力じゃん!」

警官「そして触れていた人は気絶するまでイク...もうレベル2なんだな!」

警官「なんて能力なんだ!マシュマロちゃんは俺と一緒に神になろうよ!」


バキッ


男「黙れよ!!」

警官「...ってぇじゃねぇか」

JK「男さん...」

男「人を殺しといて何ヘラヘラしてんだよ!お前が従業員さんを殺したんだぞ!」

警官「ババァはいらねぇ...それだけのことだ」

男「この野郎!!!」

怒りに身を任せ再度拳を振り上げた瞬間、目の前の警官は宙に舞った

社長「...彼女を侮辱するな」

社長さんが思いっきり殴ったんだ...
その手からは血が滴り落ちている

男「社長さん...」

社長「皆、すまないがコイツと二人にしてくれないか?」

サラリーマン「怖ぇ...マジで殺っちゃうつもりですか」

OL「いいから出ましょう...社長さん、何があっても私達はあなたの味方だから」

社長「あぁ、ありがとう」ニコ



OL「...何するつもりなのかしらね」

男「分かんないです...そういえば市長さんは呼んだんですか?」

サラリーマン「あ...忘れてた」

男「もう...しょうがない、俺が行ってきますよ」

サラリーマン「おぉサンキュ!」

OL「確か工場の近くに住んでるって言ってたわ、多分大きい家でしょうからすぐ見つかるわ」

JK「あ、わ、私も行きます!」

女王「それじゃあ私も....」

OL「邪魔しないの」ガシッ

女王「むぅ...つまんないのぉ」



男「...大丈夫?」

JK「はい!このとおり元気ですよ!」

男「そっか、よかった」

JK「......」

男「......」

少し気まずい空気が流れてる...
そりゃあんな能力が開花したなんて恥ずかしいもんなぁ


男JK「「あ、あの!」」

男「あ」

JK「すみません!お先どうぞ!」

男「いやしょうもないことだからJKさんからどうぞ」

JK「私もです!」

男「......」

JK「......」

男JK「ぷっ!」

男「あはははは!なんかお互い控えめな性格だよね」

JK「優柔不断っていうんですよ!」

男「そっか...とりあえず聞いてもいい?」

JK「いいですよ」ニコッ

男「あの能力って...やっぱりそういう能力なの?」

JK「そ、そういうって///」

JK「......ばか」プイッ

男「ごめんごめん!聞いておきたかったのは女の人には効かないかって事だったんだ!」

JK「知りません」

男「......」

JK「恥ずかしいから...女王ちゃんとチルチルくんには説明しないでね?」

男「あ、うん」

JK「今度は私からいいですか?」

男「うん、どうぞ」

JK「さっきはありがとうございました」

男「へ?何が?」

JK「あの変態にセクハラ発言されてた時のことですよ」

男「あー」

男「ついカッてなっちゃった」アハハ

JK「とてもカッコよかったですよ」ニコニコ

男「照れるなぁ」

JK「初めて三次元にちょっとだけキュンってしちゃいました」

男「三次元?」

JK「あ!な、なんでもないです!!」

男(い、今のって告白!?)

男(JKさん...顔もロリ顔で可愛いしおっぱいも大きいし...)

男(いや待て待て!俺には女さんがいるじゃないか!!)ブンブン

男(惑わされるな!!おっぱいがなんだ!!)


JK「男さん?どうしました?」

男「な、なんでもないです!!」タラーッ

JK「鼻血が出てますよ!?」

男「......ちょっと顔洗ってくる」ダダッ

ジャブジャブジャブジャブジャブジャブ!!!!

JK「ちょっ!!?なんでそんな全力で洗ってるんですか!!」

男「うおおおおおおおっぱい触りたいよおおおおお」ゴボゴボ


男「はぁ...はぁ...」

JK「えっと...水の中で何を叫んでたんですか」

男「噴水の中心でちょっと愛をね...」

JK「え///」

男「あ!ち、違う!今のはちょっとしたギャグで...」

JK「......最後まで生き残ったらいいですよ」

男「え!?ま、マジ?」

JK「皆には内緒で...ね?」

男「そ、そうだね!」


男(やったあああ!!合法的にJKさんのおっぱいが揉めるぞ!!!)グッ

JK(男さんってキンハーのソラくんみたいにキーブレードみたいな能力になりそうだし...これはリアル二次元彼氏ができるかも///)

実はお互いにこの時勘違い
していたんだけどそれはまた後の話…

初めての海外の世界、JKさんと
並んで歩くだけでフランスの下町も
いいもんだなぁと思えた

……俺って単純だなぁ


「うわあああああ!!」

男「悲鳴!?」

JK「あの路地から聞こえましたよ!」

男「行ってみよう!」



町人「うぅ…助けてくれ……」

JK「酷い…馬車が崩れて下敷きに…」

男「JKさん!そっち側回って!」

JK「はい!」

男「ふんっ!」グググッ

JK「はぁんっ!」グググッ

町人「痛ぇ…痛ぇよぉ……」

男「クソ…全然持ち上がらねえ!」

JK「どうしよう…こんなの私達だけじゃ無理ですよ…」

男「誰か!誰か手伝ってください!!」

ザワザワ…

男「見るだけじゃなくて手伝ってくれよ!」

市長「大丈夫か!?」ヌッ

男「市長さん!!」

町人「市長さんかい……頼む……助けてくれ…」

市長「当たり前だ!私が来たからにはすぐに助けてやるからな」

市長「君たち!せーので持ち上げるぞ!」

JK「は、はい!」

市長「せーのっ!!」グググッ

オオオオッ

大柄の市長さんは見た目通りの力持ちだった
高校生の俺たち二人じゃピクリとも動かなかった
馬車が僅かに持ち上がったのだから


男「ぐぬぬ…重てぇ!!」ピクピク

JK「私が引っ張り出します!!」

町人「はぁ……はぁ……」ズルズル



黒服警官「騒ぎがあったから来てみれば…」

黒服警官「あの持ち方、間違いない」

黒服警官「見つけたぞ……囚人24653号」



男「はぁ…はぁ…」

JK「私力仕事なんてやった事ないから…もう腕が動かないですよ…」

市長「手伝ってくれて助かったよ、ありがとう」ニコッ

男「あはは…」

町人「すまねぇ市長さん…恩に着るよ…」

市長「ケガはないか?」

町人「少し腰を痛めちまったがまだまだ大丈夫だ!」

町人「坊主達もありがとな!」ニカッ

男「あ、いえいえ…当たり前の事をしたまでです」

JK「無事で何よりですよ…」



パチパチパチ

黒服警官「流石です市長殿…私が着くより先に事を解決するとは」

男「この世界の警官さん…」

市長「町民を助けるのは市長として当たり前の務めですよ」

黒服警官「素晴らしい精神をお持ちのようで...」

黒服警官「ところで...先ほどの馬車を持ち上げる動作を見て思い出したのですが」

黒服「確か8年前だったか...仮出獄許可証を破り捨てて逃げた極悪犯罪人がいたのです」

市長「!!」

男「一体何の話を?」

黒服警官「その男はとても力持ちでな、軽々と船のパーツを持ち上げる事ができた」

黒服警官「確か名は...24601だったかな」

JK「24601って...もしかして囚人番号ですか?」

市長「......人違いだ」

黒服警官「いやいや、市長を疑っている訳ではありません」

黒服警官「ただあの馬車を持ち上げる姿が、囚人24601に似ていてですね...」

市長「私はまだやることがある...工場を再建しまた国民のために職場を作らねばならないのでね」タタッ

男「あ!待ってください市長さん!」

ミス
囚人番号なんだけど24601の方で行きます

黒服警官「あぁそうだ...24601はこの前捕まえたとこなんですよ」

市長「なんだと!?」

JK「なんだ...市長さんのことではなかったのですね」

市長「あ、当たり前だ...」

黒服警官「来月には裁判にて処罰が下されるでしょう...いやはや、町民を脅かす危険人物が捕まって良かった」

市長「......そうですな」

市長「それでは私はこれで」

男「待ってください!」




黒服警官「24601...さぁどうする?」

俺たちは急ぎ足の市長さんに必死についていく...
なにやら話しがけづらい空気だけど、警官を捕まえたことを伝えなきゃ

男「市長さん!」

市長「......思い出した、ジャベールめ!クソッ!!」

男「ジャベール?さっきの警官さんの名前ですか?」

市長「あぁそうだ!......私は今悩んでいる」

JK「よければ話を聞きますよ?」

市長「...ここではなんだ、私の家に招待しよう」

男「はい!」


夕方になりほの暗い市長さんの家の中、俺たちは市長さんにおもてなしをされた
あたたかい紅茶が冷えた体を温めてくれる...
しかし、市長さんの顔は動かない...瞳に俺たちは映っていなかった

市長「今からおよそ28年程前だったかな...私はとある罪を犯した...」

男「......」

一息ついた市長さんは消え入るような声で過去を語りだしてくれた...

市長「姉の子供が餓えで死にそうだったからパンをひとつ盗んだんだ」

市長「パンを盗んだ罪は5年程だったが何度も脱走を繰り返した...」

市長「刑期は延びに延びて20年もの間私は投獄される身となった」

市長「檻の中にいる間はとても辛かった...毎日重労働を繰り返し人の心なんてとうの昔になくなってしまった」

JK「市長さん...辛かったでしょうね」

市長「あぁ...だが刑期が19年過ぎたある日、あの冷徹な男、ジャベールに仮出獄を言い渡されたんだ」

男「その時に逃げたんですね...」

市長「いや、正確には生まれ変わったんだ」

男「生まれ変わった?」

市長「出獄してから私は三日間...およそ50kmぐらいだろうか」

市長「とにかく歩き回った...泊まる宿やパンなんて誰からも与えてもらえなかった」

市長「当然だ...危険人物として知れ渡った私に誰が優しくしてくれると言う話だ」

市長「だが、あの人は違った...」

JK「あの人?」

市長「ディーニュの街で野宿していた私をミリエル司教が教会に招待してくれたんだ」

市長「司教さんはとても寛大な方だ...私に恐れも抱かず温かい食事と寝床を用意してくれた」

市長「生まれて初めての優しさに私は戸惑った...だが、生きていくためには金が必要...」

市長「その日の内に私は金になりそうなものを盗める限り盗んだ...人としてもう終わっているな」

市長「勿論私はすぐに捕まり司教の前に投げ出された」

市長「その時司教さんは何と言ったと思う?」

男「...分からないです」

市長「ふふふ...誰にも見当つかないだろうな」

市長「その銀食器は確かに私が譲ったものだ...それにどうしてこの燭台を持っていくのを忘れたのですか?というんだよ」

男「とても優しい方だったんですね」

市長「あぁ、警官がしぶしぶ帰ると彼は私に言った...」

市長「この燭台を使って真人間に生まれ変わりなさいと...」

市長「罪を咎めるどころか私を赦してくれたのだ!!」

市長「私はなんて愚かな人間だったのだろう...気づけば私は人のために働く人間となっていた」

市長「やがて人々に認められこのモントルイユの市長に選ばれた...過去の名前を捨ててな」

JK「なんていい話なんですかぁ...」グズッ

男「泣いてる....」

市長「ははは!ありがとう...」

男「ところで、市長さんの本当の名前はなんていうんですか?」

市長「...ジャン・バルジャンだ」

男(名乗った...じゃあ社長さんの言ったとおりこの人が主人公...)

男「バルジャンさん、これからどうするつもりですか?」

バルジャン「そうだな...町の人々は私を慕ってくれている...放置する訳にもいかない」

JK「逃げちゃいますか!」

バルジャン「いや...私の代わりに捕まった人がいるんだ」

バルジャン「彼はきっと困っているだろう、人違いだと言っても聞いて貰えないだろうしな」

男「じゃあ...」

バルジャン「あぁ!悩む必要などなかったんだ、私こそが24601だ!!」

男「...いい覚悟だと思いますよ」

バルジャン「罪を反省せずに何が真人間だという話じゃないか」ニコッ

バルジャンさんは清々しい顔になっていた
これで話は終わり...?戦争は?

ふと疑問に思った瞬間、周りの景色がぐるぐると回り始めたんだ

JK「な、なにこれ!?男さん!!」

男「分からない!!手を!!」

JK「はい!」

ミスった
すまんこ

手を繋いで数秒後、視界が元に戻った...
ここはまだバルジャンさんの家だ...

男「...あれ?バルジャンさんがいない」

JK「あの...」

男「それに雪が降ってる...時間が進んだのか?」

JK「男さん!」

男「ん?どうしたの?」

JK「手が...///」

男「あああ!!ご、ごめん!!」バッ

JK「なんで手を繋いじゃったんでしょうね」

男「確かに!なんか何処かに飛ばされると勘違いしちゃったからつい...」

JK「大胆ですね///」

男「それより...どれくらい時間が過ぎたのかな?」

JK「さぁ...冬になったとしか分からないですし」

男「ていうか皆はどうなったんだ!?」

JK「あ...一度宿に戻りますか!」



宿

男「皆!!」バンッ

社長「男くんとJKくんか...いきなり時間が進んだようだが何かしたのか?」

JK「いえ...市長さんが馬車を持ち上げて24601で捕まった他人を助けるってなったんですけど!」

OL「何言ってるのか分かんないだけど」

男「えっと...」

JK「あれ?あの変態はどうしたんですか?」

サラリーマン「いねぇ!!い、いつの間に!」

女王「男ぉ!!寒いぞ!暖めるんじゃ!」ブルブル

男「ちょっと黙っとけ」



男「...そしてバルジャンさんが罪を悔いるための覚悟をした所で時間が進んだんです」

女王「ふっふーん♪」パタパタ

時間が進むまでの話をしている間、女王は俺の膝元で小さく丸まっていた
...足が痺れてきた

社長「つまり本来の話が進んで時間が進んだ訳だな」

社長「何年も待つ必要はないのか」

OL「まぁ時間が進んだのはいいんだけどね、警官がいなくなった理由にはならないわ」

男「...多分バルジャンさんが連れて行ったのかもしれない」

サラリーマン「俺たち以外は本来の早さで動いていたことか」

社長「...従業員くんの遺体がなくなったのは誰かが処分したのだろうな」

男「あ...」

男「…透明化したんだ」

社長「…遺体がか?」

男「違います!あの警官本人ですよ!!」

ガラガラガッシャーン!!

OL「はぁ…もう捕まえられないでしょうね」

男「クソっ…テレビ中継のアレはそういう事だったのか!!」

チルチル「ねぇ!逃げた方がいいんじゃない!?」

JK「でもどこへ?私達は宿の中だけど変態は部屋の外ですよ…」

サラリーマン「いや…外見てみろよ」クイッ

社長「…なるほど、厄介な能力だな」

真っ白な雪道を足跡だけが歩いている…
とりあえず襲われる心配はないようだ

社長「とにかく物語を進めるために私達も行動しよう」

社長「あの警官に物語の主要人物を殺されては全員死んでしまうかもしれない…」

男「はい!」

社長「従業員くん…またいつか会おう」



雪が降るモントルイユの街並みを
俺たちは走り続けた…
裁判所にバルジャンさんはいるはずだ


人が集まる建物…
裁判所らしき建物を見つけ中に入ると
そこにはくたびれた老人が審判に掛けられている最中だった



男「はぁ…はぁ…ま、間に合ったのか?」

JK「バルジャンさんがいないですよ」

バンッ!

裁判長「これはこれは市長殿…」

バルジャン「……」

男「バ…市長さん!!」

自分たちより少し遅れてやってきた
バルジャンさんは神妙な面持ちをしていた…
自白するつもりだ…

バルジャン「裁判長殿…真実を申し上げます!」

バルジャン「この男に罪はありません」

バルジャン「私こそ24601号!!」


会場がざわめく
皆とても信じられないといった様子で
互いに顔を合わせたりして…



OL「ふぅん…そういう話なのね」

サラリーマン「先輩!俺に分かるように話してください!」

OL「生きて戻れたら一緒にDVDを探して見ようね」

裁判長「…市長殿は具合が悪い、病院へ」

バルジャン「警部が承知している」

男「バルジャンさん…」

バルジャン「久しぶりだな君たち…私はもう自分を偽らない事にするよ」

バルジャン「私こそが本物のジャン・バルジャンだ!!!」

JK「自分を偽らない…」ゴクリッ

女王「なんだかつまらんから寝てていいかのぉ?」

男「こら」

社長「とにかく市長さんを病院まで護衛しよう」

社長「ここで死なせる訳にはいかないからな」


会場内のどよめきがなくならないうちに
俺たちは裁判所を後にした
後は病院まで連れていけたら次の時間に進むはずだ

病院

ファンティーヌ「コゼット…冷えてきたわ…」

バルジャン「ファンティーヌ…」

窓から刺す青い光は変わり果てた姿の
ファンティーヌさんを照らしていた

顔は痩せこけ頭はほとんど坊主、
小さく丸まった体はもうボロボロだ…
一体どこを見ているのか分からない瞳に
あの気が強くて何があっても
生き抜いてやるぞっていう強い意思はもうなかったんだ…

男「ファンティーヌさん!?何故ここに…」

JK「酷い…初めて会った時はとても綺麗な髪をしていたのに…」

バルジャン「彼女は私のせいでこうなってしまった…」

バルジャン「工場が襲撃される前、揉め事を起こした彼女の処罰を工場長に任せたんだ」

バルジャン「預けた娘のために身を粉にして働いていたとも知らずにな」

社長「思い出した…この人の娘のために市長さんは生きるんだ」

男「なるほど…」

バルジャン「髪を売り体を売り、彼女は金を稼いでいたのだろう」

バルジャン「もう、限界だろう…本当にすまなかった」

ファンティーヌ「コゼット!おいでコゼット!」

ファンティーヌ「私の可愛い子…どこに行ったの!?」ガバッ

OL「幻覚ね…この時代に体を売っていたのなら間違いなく性病を患っているでしょうし」

男「…悲しい話ですね」

バルジャン「静かに…娘は私が守る」

バルジャン「約束する!何不自由なく育てよう」ギュッ

ファンティーヌ「はぁ…はぁ……お願い…」

我を失っていたファンティーヌさんは
バルジャンさんに抱き締められ落ち着きを
取り戻した…けど体は小刻みに震えている

ファンティーヌ「あなたは神の遣い…」

バルジャン「もう喋るな…」

ファンティーヌ「お願い…あの子に伝えて」

ファンティーヌ「愛していると…」



ファンティーヌ「目が覚めたら…」


ファンティーヌ「会いに行くわ……」



そう呟いて彼女は笑顔で逝った
物語の中って事は分かっているけど
人が目の前で死ぬのは本当に辛いんだね…

バルジャン「……以前港で娼婦として働いていた彼女を見つけた時、工場長と争っていた」

バルジャン「無理矢理迫る工場長に傷を追わせてしまったファンティーヌは、たまたま居合わせたジャベールにその罪を問われていたんだ」

バルジャン「今にも死にそうな彼女を助けようとした私は、その時に罪のない彼女を窮地に立たせていた事を知った…」

バルジャン「死にかけの娘のために今にも倒れそうな体に鞭を打ち続けていた事を…」

バルジャン「その時、私は気付いたんだ」

バルジャン「娘のコゼットを救う事こそが私に与えられた使命だと」

男「時間が進んでいる間にそんな事が…」


ファンティーヌさんの目を閉じ月を眺めながら
バルジャンさんは秋から冬の間に起こった事を
そっと教えてくれた…

JK「そうなんですね…コゼットさんってどこにいるんですか?」

バルジャン「宿屋に預けたと聞いた」

バルジャン「今から私はコゼットを迎えに行く」

バルジャン「君たちには悪いが私はこれで失礼するよ」スッ

ジャベール「悪いがそうはさせない」

バルジャン「ジャベール…!!」

男「警官さん!!」

ジャベール「ついにお互い正体を表したな!」チャキッ

社長「レイピアか…皆!バルジャンさんを守るんだ!!」

サラリーマン「んな事言ったって俺たち誰もそんな能力持ってねえよ!」

社長「今こそサラリーマンくん…君の出番じゃないのかね」

サラリーマン「……絶対嫌だ!!!」

バルジャン「危ないぞ!君たち!」

男「女お…妹!少年!先に逃げろ!」

女王「なんじゃ邪魔物扱いしおってからに…」スタスタ

チルチル「僕たちじゃどうしようもないよ…早く逃げよ!」タタタッ



バルジャン「…子供達には手を出さないのだな」

ジャベール「当たり前だ…罪のない人間を襲っては神の御心に背く事となる」

ジャベール「さぁ24601号…再び法の鎖に繋がれる時が来たぞ!!」

バルジャン「頼む!私にはやり残した事がある!」

バルジャン「彼女に子供を託された…救えるのは私だけだ!!」

バルジャン「必ず戻る!どうか、どうか猶予を与えてくれないか!?」

ジャベール「俺がお前の言葉を信じると思っているのか?」ジリジリ

ジャベール「悪党は死ぬまで悪党」

ジャベール「お前のような凶悪犯が善人に変われるものか」

バルジャン「くっ…」



男「人は変われる!」バッ

バルジャン「男くん!?」

ジャベール「なんだ小僧…その男を守ろうというのか」

ジャベール「そんな板切れ一枚で私に歯向かうつもりか」

JK「男さん!!」

男「……バルジャンさんは子供のためにパンを一つ盗んだだけだ」

男「それだけで懲役20年の刑にされて、危険人物なんかにされて…」

男「本当のバルジャンさんは市民を守るために職場を作り、見ず知らずの人の子供を助けようとする善人だ!!」

バルジャン「男くん…」

ジャベール「歯向かえば貴様も悪人だ」

男「救える命を救って何が悪い!!」



OL「ほら、あんた高校生よりダサいわよ?」

サラリーマン「…チッ」

社長「男くんはまだ能力が開花していない」

社長「私も傷が完治していないから能力を使える程の余力がない…頼むぞ!」

JK「サラリーマンさん!助けてください!」

サラリーマン「ああああああもう!分かった!やるよ!やってやるよ!!」



サラリーマン「すみませんでしたあああああ!!!」

男「…へ?」

ジャベール「………」

サラリーマン「何でもします!許してください!!!」


……あ、ありのまま今起こった事を話すと
『サラリーマンさんが走ってきたと思ったらいつの間にか土下座していた』

な…何を言ってるのか分からないと思うけど
俺も何が起こっているのかわからなかった…

…な、なんでジャベールに向かって土下座してるの…?


ジャベール「……くっ!やめろおお!つい許したくなるだろう!!!」

男「えええええ!!?」

社長「男くんはそう言えば知らなかったんだな」

社長「サラリーマンくんの能力は謝罪だ」

社長「彼に謝罪されるとつい心が何もかもを許してしまうんだ」

男「そ、そんな能力あるんですか!!?」

JK「バルジャンさん!今の内に逃げてください!!」

バルジャン「すまない!恩に着る!」

ジャベール「ま、待て!」

…バルジャンさんは月の光が差す窓から
海に向かって飛び降りた


……あれ?俺の覚悟、無駄だった?

サラリーマン「何でもします何でもします宜しければ靴を舐めますだからどうか!クビだけは!!」レロレロ

ジャベール「やめろ!お前たちのせいで24601を逃がしてしまったじゃないか!!」

男「……きっつ」

ジャベール「ふん!奴への執念が無くなる前に今日は諦めてやる」クルッ

男「…これで良かったのか?」

ジャベール「だが!」クルッ

男「!!」

ジャベール「男と言ったか…次に邪魔をすれば貴様も法の裁きを受ける事になるぞ」

男「…上等!!」

眼球とレイピアの先端の距離は僅かと
いったところ…それでも、ここは引き下がりたくなかった

ジャベール「……ふん」

男「……はぁ~良かった」ヘナヘナ

JK「なんであんな無茶するんですか!」

OL「バカよね」

社長「バルジャンが逃げるまではフラグが立っていたから立ち向かう必要はなかったんだが…」

男「あはは…なんかいてもたってもいられなくなって」

サラリーマン「俺が助けてやらなきゃお前死んでたかもよ」

男「はい…ありがとうございます謝罪の王様(笑)」プププ

サラリーマン「てめぇ!だから使いたくなかったんだよ!」

JK「えーと…あれ本当に能力なんですか?」

サラリーマン「…能力だよ!!」

OL「まぁ過ぎた事は置いといて…どうする?」

社長「時間が過ぎないという事はまだ話があるという事だろう」

社長「バルジャンを追いかけるぞ!」

女王、チルチルと合流した後、
近くの宿屋を探す事にした俺たちは
再び歩き出した
時間が勝手に進むのなら話は早い

…逃げた警官についてはどうしたものか



男「…おい降りろ」

女王「すぴー…もう食えんぞ~」ムニャムニャ

チルチル「ふわぁ…」

JK「ふふふ…おんぶしてあげるなんて優しいですね」

男「まだ妹だけだからいいけどチルチルも限界そうだね…」

チルチル「僕はまだ大丈夫…」フラフラ

サラリーマン「もう夜中だもんな…体感的にも半日以上は過ぎてるし」

社長「休息が必要だな…目的地の宿屋を見つけたら今日はそこに泊まろう」

OL「そうね、社長さんの傷も癒えてないし」

早くてすまんこ
もっと丁寧に書く

すぐに宿屋を見つけられると思ったが実は目的地の宿は
パリの郊外モンフェルメイユという所だった...

モントルイユの宿屋でコゼットを尋ねるもどこにもいないの一点張り...
そりゃそうだ、モントルイユにはいないんだから

サラリーマン「はぁ...もう足がクタクタだ」

OL「私も...今日はもうどこか適当な宿に泊まらない?」

社長「そうだな...だがその前に...」

社長「いるんだろ?出て来い!!」バッ



警官「...ケケケ、よく分かったな」

男「お前!!」

JK「尾けられてたんですね...」

警官「返せよ、俺の銃...お前らが持ってんだろ?」

社長「男くん...頼む、奴を捕まえてくれないか?」

男「俺がですか!?」

社長「私は今能力を使っても体が持たないんだ...」

社長「だが契約でお互いに動けなくするぐらいなら出来る」

社長「契約が成立したら皆で奴を捕まえるんだ!」

男「...分かりました」


警官「作戦ごっこは終了か?じゃあ俺から行くぜ」フッ

OL「消えた...どうする!?」

男「勿論捕まえます!!」


足跡が見えるのだけが頼りだったが、猛吹雪にすぐかき消されてしまう...
能力も何もない俺だけど、頑張るしかないんだ!

男「......」

社長「クソ...奴が見えないと契約は成立出来ないのか!」

JK「試したんですね?」

社長「あぁ、しかも能力の射程は試した結果およそ半径5m以内なんだ」

男「じゃあ奴の姿が見える状態で近くにいないと契約が出来ないのか...」


ボコッ

男「ぐっ!!?」

JK「男さん!!」

男「大丈夫...横腹殴られただけだから...」

男(全然大丈夫なんかじゃないけど...めっちゃ痛い!!)

サラリーマン「汚ねぇぞ!!正々堂々と勝負しやがれ!!」

警官「あらよっと」

サラリーマン「ぐはっ!!」

JK「サラリーマンさん!!」

もみっ

JK「ひゃあっ///」

警官「ひゅー最高!!」モミモミ

男「またJKさんのおっぱい触りやがって...!!」

OL「男くん!あんたの彼女ちゃんと自分で守りなさいよ!!」

男「つ、付き合ってなんかいないです!!」

JK「そんなんじゃ...んっ...ないですよ」

OL「......童貞と処女か」

男「手を離せ!!」ブンッ

警官「よっと」サッ

警官「んだそのパンチ?お前全然スポーツした事ないだろ?」

男「あぁ!万年帰宅部だ!!」

警官「...ふーん」

警官「殴るっていうのはなぁ、腰を落として相手の弱点目掛けてぶち込むんだよ」

警官「こうやってな」ブンッ

男「つっ...!!」

警官「そこで寝てろ」ゲシッ

男「うわっ!!?」

雪が冷たい...
体中冷えてきて痛さが少し麻痺してるみたいだ

グリッ

男「ああああ!!?」

警官「ほれほれ~どうした?威勢だけか?」

OL「手を足でにじり潰して...ちょっと!あんた早く助けなさいよ!!」

サラリーマン「くっ...分かってます!!」ダッ

警官「ほいっ」ゲシッ

サラリーマン「うげえ!!?」ズサーッ

OL「...だっさ」

警官「もういいだろ?国家公務員なめんなよゴミども」モミモミ

JK「皆さん...」

社長「やめるんだ!!私たちの負けでいい...男くんから足をどけてくれ」

警官「銃を返してくれたらいいぜ」

男「社長さん!渡したら駄目です!!」

警官「お前は黙ってろ」グリグリ

男「うっ...」

JK「んっ...」クチュクチュ

警官「マシュマロちゃんは殺さないであげるからやめなよ」

JK「いや!!あなたと一緒にゲームを続けるぐらいなら死んだ方がマシです!!」キッ

警官「いいねぇその目!!まぁ悪いが能力は使わせないよ♪」ガシッ

JK「あっ...」

OL「サラリーマン!早く立ち上がりなさい!!」

サラリーマン「......」

警官「もういいだろ?ほらほら早くしないとコイツの手が使い物にならなくなるぜ?」グリグリ

男「くっ...」



女王「とりゃっ!!」ポカッ

警官「......あ?」

チルチル「お姉ちゃん!早く逃げようよ!!」

女王「うるさい!!召使いがやられて黙って見てる訳にはいかないんじゃ!!」ブルブル

男「お前ら...俺の事はいいから早くどっか逃げろ...」

女王「ふざけるな!私を元の世界に返すまでは絶対男は死なせんぞ!!」

警官「ガキがうるさいんだよ」ゲシッ

女王「きゃあっ!?」

男「おい!!やめろ!!!」

チルチル「お姉ちゃん!!」

警官「あれ?お前最初の試練にいたガキじゃん」

警官「まだ生きてたんだ!早く死ねよ!」ゲシッ

チルチル「うわあ!!」

男「チルチル!!」

男「クソォ...何なんだよ!お前神になりたいんじゃねぇのか!!」

警官「なるさ、一人でな」

男「だったら俺たちと協力しろ!!一人でゲームクリアなんて絶対無理だ!!」

警官「なれるさ、俺はお前らみたいに群れないといけないほど弱くない」

警官「俺の能力インビジブルはまだまだ強くなる!!次は気配も消すほどのイメージをして俺は更に高みを目指すのさ!」

男「イメージ...?」

警官「あひゃひゃひゃひゃ!!マイネームイズGOD!!人間滅亡楽しみだぁ♪」

男(イメージ...もしかして能力ってそれぞれ自分の個性を生かした形に仕上がっていってるんじゃないのか?)

男(白ウサギは時計を使って時間操作...女王はギャンブル好きだから強運...)

男(友は勝ち上がりたい性格だったからそういった能力だった...)

男(じゃあ俺は?鍵はどういう意味だ?)

男(友ならきっと生き残るために能力を成長させていったはず!)



男「俺は!!今コイツに勝ちたい!!」グググッ

警官「...何の経験もないお前が俺に勝てると思ってんのか」


空いている左手でポケットに入れていた鍵を取り出し、俺は強く願った
もう最初の試練のように誰も死なせたくないから、皆を守れる力が欲しいと

男「大きくなれ鍵!!!」パアッ

警官「な!!」

男「おらぁ!!」ブンッ

警官「くっ...」

JK「やった!!リアルキーブレードキターーー!!!!」バッ

警官「待て!!マシュマロちゃん!!」



男「く...右手が滅茶苦茶痛い...」グググ

男「これがレベル2...まるで剣みたいな大きさになった...」

警官「んだそれ!!めちゃくちゃ痛ぇじゃねぇか!!」フーッフーッ

男「軽い...まるで元の大きさぐらいの軽さだ」ブンブン

男「これで形勢逆転だな、まだやるか?」

警官「ガキが調子乗りやがって...」ビキビキ

あの小さな鍵が大きくなった...
なんとなく警官を倒すには剣があればいけると想像したら
まさか本当に剣みたいになるなんて...


男「JKさん!女王とチルチルを頼む!!」

JK「は、はい!!」タタッ

社長「女王...チルチル...?」

警官「まさかそんな能力だったとはな...だが剣なんて使えねえだろ?」

男「......た、確かに!!」

OL「使い方なんてどうでもいいわ!そいつをぶった切ったらいいの!」

男「ぶった切る....」

警官「殺すか?あのババアの復讐でも果たしたいのか?」

男「......」

男「人を殺すなんて...俺にはできない」

警官「だろうなぁ、お前はまだまだガキだもんなぁ」ニタァ

OL「ちょっと!!殺さなくたって負傷させればいいのよ!!」

男「か、軽く切ればいいんですかね!?」

警官「はぁ...んだよやらねぇのかよ」パシッ

男「あ!!か、返せ!!」

警官「やだね♪ふーん軽いなぁ」ブンブン

警官「質量保存の法則とか完璧無視してんじゃん」

男「くっ...戻れ!!」バッ

警官「ははは!!ゲームのやりすぎだぜ!そう都合良く戻るわけ...」

パシッ

警官「...んだよそれ」

男「剣が手元にワープしてきた!?」

警官「一体どんな能力なんだてめぇのそれはよぉ!!」

男「俺が知りてぇよ!!やってやる!!」チャキ

男「やらなきゃやられるんだ!!俺は皆を守る能力に仕上げてみせる!!」



ゴスッ


警官「...うっ」バタッ

JK「男さん!!」

男「大丈夫...人を切れないようにただの鍵状の棒に変えてみたんだ」

男「俺は、"皆"を守る能力にするって決めたから」

警官「ケッ...反吐が出るぜ...」

社長「誰も殺さない剣か...いい能力に開花したな」

警官「ふざけんな...俺はまだやれる!てめぇら全員ぶち殺して俺は神になるんだよ!!」グググ

男「なんでそんなに神になることに執着してるんだ」

警官「...てめぇらには関係ない話だ」

OL「もうフラフラじゃない、男くん!こんなやつほっといて早く宿を探しましょう」

男「はい...ところで提案があるんですが」

OL「駄目よ」

男「聞いてください!!」

OL「こいつは従業員を殺したただのサイコ野郎なのよ!?」



男「俺は!こいつと一緒に神を殺したいんです!!!」

警官「神を殺す...?」

OL「はぁ...あんたもこいつに感化されておかしくなったの?」

男「いや、なんていうか...」

社長「何故今それを?」

男「そのですね...こいつは確かに最低な糞野郎です」

男「だけど、俺たちにはない戦闘向きのいい能力を持っています」

社長「確かに私たちに戦闘要員はいなかった」

社長「だが!今君が使っている剣はなんだ?」

男「これは...」

社長「それに神を殺すだなんて本気で言っているのか?」

OL「できる訳ないじゃない...ゲームに生き残ったとして神になったとしても相手は本家の神様なのよ?」

警官「いいじゃねぇか神殺し!!いい響きだなぁ!」ヒョコ

OL「こいつ...元気じゃない」

警官「どこからそんな発想が出てくるんだ?」

警官「なんだかお前からは俺と似た匂いがするしなぁ」

男「...そもそもこんな理不尽なゲームに付き合わされたせいで俺の友達皆が死んだんです」

男「幼稚園からずっと一緒だったやつとか不良なんだけど根は真面目なやつとか」

男「一緒にゲームしてくれるやつとか...好きだった人も...皆死んだ...」

JK「好きだった人...」

社長「...気持ちは分かるが」

警官「リア充かよ...まぁいい!俺のインビジブルとお前の剣があれば十分いけんじゃね?」

警官「さっさとこいつら殺してマシュマロちゃんと三人で神になろうぜ!」

男「黙れ!!」ボコッ

警官「おぅふっ!」

男「これは契約だ...絶対に仲間を殺さないこと、皆を守って必ず全員でゲームクリアすること」

男「この二つを守らないなら、俺はお前を許さない」キッ

警官「いいねぇ...お前も十分狂ってるじゃねぇか」

警官「で?報酬は?」

OL「ちょっと!」

男「...何がいい?」

警官「マシュマロちゃんのおっぱいを自由に揉み尽くす!」

JK「えええええええ!!!そ、そんなの嫌ですよ!!」

男「分かった、ゲームクリア出来たらな」

JK「いやあああああ!!!!!」

警官「契約成立だな」スッ

男「ちゃんと守れよ?」スッ

ガシッ

こうして俺は警官を仲間にすることにした
むかつく奴だけどゲームクリアするにはどうしてもこいつの力がいると思ったんだ


社長「不本意だがしょうがない...私は男くんが決めたことに反対はしないよ」

男「ありがとうございます社長さん!」

OL「私は反対よ...いつ殺されるか分からない恐怖に怯えないといけないなんて嫌よ」

JK「わ、私もです!!!なんで私の胸で丸く収めたんですか!!」

女王「よくわからんが私も反対じゃ!!この女王を足蹴にした無礼者だぞ!!」

チルチル「ぼ、僕もちょっと怖いなぁ」

警官「大丈夫大丈夫♪マシュマロちゃんのその豊満な乳を自由に揉んでいいなら俺何でもする♪」

社長「そうか、ならまずは従業員くんを殺したことを反省するんだ」

警官「......は?」

男「今なんでもするって言っただろ」

警官「やだよ普通に」

警官「俺にやられるぐらいならそこまでの人生だったって事だ」

男「次は腹を思いっきり剣で叩く」スッ

警官「や、やめろ!!それマジで痛いんだよ!!」サッ

社長「人を殺すっていうのはとても重い罪なんだ」

社長「例えそれが神であろうとも私は反省をしない者に対しては神よりも重い罰を与える」

警官「んだよ奇麗事ばっか言いやがって...」

男「社長さんは従業員さんを認めていたんだ...殺されないだけありがたく思えよ」

警官「わーったよ...ま、俺は誰にも殺されるつもりなんてないけどな」

警官「日本人なら黙祷すればいいんだろ?やってやるよ」

そう言って警官はギョロリとした大きい目を閉じその細い体を
ピンと伸ばししっかりと一分間静止したままでいた

モントルイユの宿で分けて貰ったコートを着ている
俺たちは体の震えを抑えられないというのに
赤に染まった青だった制服のみのこいつはこれっぽっちも動かなかった

警官「フゥ...ジャスト一分だ、いい夢見れたぜ」キリッ

JK(くっ...この変態さん、オタクの可能性が高い!!蛮きゅーん!!!)

社長「...もしお前が死んだらその時は直接従業員くんに謝るんだ」

警官「ケッ、注文の多いおっさんだな...」

社長「よし!警官くんもしっかりと反省してくれたようだし早く宿を探そう!」

OL「なんで男って皆勝手に物事を自分の物差しで決めちゃうのよ...」

男「あはは...すみません勝手に決めちゃって...」

女王「ふわぁ...なんでもいい...私はもう寝るぞ」

JK「あ、もう!雪の上で寝ないの!!」

チルチル「お姉ちゃん!ちゃんと宿が見つかるまでは我慢しよ?」

女王「ええいうるさい!!もう一体何時間起き続けていると思ってるのじゃ!!」

男「ほらとりあえずおぶってやるからそこで寝るな」

女王「男よ...お前もいい召使いになれるぞ」

男「あそこに池が見えるなぁ」

女王「や、やめるのじゃ!!?」


社長(まったく...若いっていうのは素晴らしいなぁ...)

社長(私ももう傷が...少し眠るとするか...)バタッ



社長「......ここは?」

天使「グッモー♪やっと目が覚めましたねぇ!」

社長「だ、誰だ君は!!」ガバッ

男「社長さん...こいつがこのゲームを始めた首謀者の一人です」

男「ここはモントルイユから少し離れた宿です、社長さんが気絶してここまで運び、今皆は寝ています」

男「そして俺がトイレに行こうとフロントに行く途中に急にこいつが現れたんです」

天使「もう...こいつこいつって酷いですねー!私には天使という立派な名前があるんですよ!」

男「何しにこの世界にやってきたんだ!」

天使「うーん...あなたたちが想像以上にゲームクリアまでに時間が掛かり過ぎてるので茶化しに?」

社長「天使か...見たところ羽根が生えているし本物なのだろうな」


今目の前にいる女は不思議なやつだ
背中から大きな白い翼が生えているし頭にはわっかが浮いている
急に目の前に現れたと思ったらいきなり
「一体いつまで時間かかっとんねーん」と突っ込まれてしまった...

天使「本物に決まってるじゃないですか!ほら足見て足!」

男「...足がなんだよ」

天使「昨日ネイルサロン行ったんですよ!」

男「......」

社長「綺麗な赤だな」

天使「でしょ!?いやぁあなたは乙女心をよく分かってます!」

男「ど、どうでもいい...」

天使「な!?この天界一のサロンでやってもらった最高の出来をどうでもいいだなんて...」

男「何しにきたんだよ...」

天使「教えません!あ、あなた生意気な人ですよね!覚えています!」

男「顔見てたんだ...ていうか今すぐゲームを終わらせろ!そして死んだ人たちを生き返らせるんだ!」

天使「めんどいから嫌です」

男「ふざけんな!今すぐ殺してやる!!」チャキッ

天使「出た出たキーブレード(笑)」

天使「さっき俺には人は殺せない...とか言ってたのに私は殺すんですか?」

男「全部見てた訳か...」

天使「当たり前じゃないですかぁ!こんな楽しいことやめらんねぇ!」ジュルッ

社長「まぁまぁ男くん...一度落ち着くんだ」

男「そんなこと言ったって...」

むにゅっ

天使「ひゃんっ///」

警官「そうだぜこのナイスバディな俺のエンジェルを殺すだなんて...考え直せっ♪」モミモミ

男「警官!起きてたのか!」

サラリーマン「起きてるも何もお前がうるせえから目が覚めちまうんだよ...」

男「サラリーマンさん!」

天使「ふわぁ///もっといじってくださいいいい!!」ビクンビクン

警官「あひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!」モミモミ

男「と、とりあえず揉むのをやめろ!!」

サラリーマン「お、俺にも揉ませろ!!」

社長「よせ...君にはOLくんがいるじゃないか...次は私だ」

男「ふざけないでください!!」

天使「んっ...もうめんどいからやっぱり用件を言いますね///」

男「...何だよ」

天使「いちいち寝泊りしすぎなんですよ...あんっ」

天使「ちゃんと話を進めれば時間も進むしあなたには移動する能力があります...」

男「移動する能力...?」

天使「まだ自分の能力を把握してないんですかぁ?幼女を連れてきたロリコンのくせに///」

男「...女王のことか」

社長「女王...チルチル...つまりあの二人は物語の住人ということか」

男「あ...」

社長「隠さなくたっていいんだ...本当は妹ではないことぐらい顔を見れば分かる」

天使「そうそう...そもそも外人を自分の妹と言い張るだなんてエロゲのやりすぎなんですよおおおっ!!?」ビクンビクン

警官「お?乳首弱いのか!」クリクリ

天使「らめぇ!!!彼氏にもこんなに責められたことないのにいいい!!」

男「...どうやって移動したらいいんだ」

天使「はぁ...はぁ...もう自分で分かってるくせに...」

天使「いくらなんでもあなたの能力はチートすぎますよ///」

天使「鍵で何でも出来る能力なんて世界中にあなた一人しかいないんだから」

男「何でも出来る能力...?」

男「おい!どうやったらそんな事が出来るか教えろ!」

天使「えーめんどくさっ」

天使「そうですねーあなたの能力をやっぱり教えてあげたほうが早いですね」

男「俺の能力...」

天使「繋ぐんですよ」

男「繋ぐ?」

天使「ヒントはこれだけ!あ、ついでに次の目的地まで一度あなたを連れて行きます!」ガシッ

男「へ?」

天使「れっつらごー♪」

男「うわぁ!!?空を飛んでる!!?」

社長「男くん!!」


天使は俺の肩を掴みその翼をはためかせた
驚いた...ただの淫乱女が本当に飛べるなんて...

イギリスの町より少し上空の方を移動している
まだ電球なんて普及していなかったんだ
ちらほら見える明かりはきっと火を灯した光なんだろう

天使「ふんふーん♪」

男「さ、寒い...」ブルブル

天使「後で暖めてあげましょうか?人肌で」

男「......遠慮しとく」

天使「これだから童貞は...捨てれる時に捨てとくのが男ってもんじゃないんですかねぇ」

男「うるせぇ!後で絶対お前を殺してやるからな!」

天使「楽しみにしときますね」ペロッ

天使「そうこうしてる内に見えてきましたよ!あの森です」

男「森?なんでそんなとこに...」

少しずつ高度が下がりゆっくりと暗い森の土に足を下ろす
ここがコゼットのいる宿の近くなのか?

天使「さ!こっちこっち!」グイッ

男「何にもないじゃないか!」

天使「ここで待っといてください」

男「待つって何を」

天使「次のストーリーですよ♪」

天使「じゃあ私はこれで」

男「待て!」ガシッ

天使「私をこんな人気のない暗い闇の中でレイプする気ですか!?」

男「するかバカ...言ったろ?お前を殺すって」チャキッ

天使「いいですねぇ...そういうところ、好きですよ」

天使「でも、今はまだ無理」グイッ

男「!?」

天使「あんっ!もっと激しくさわってぇ!!」

男(で、でかい...)モミモミ

天使「はぁ...はぁ...今日はここまで!次の試練まで待ってますから♪」

天使「ばいばーい!」シュウゥゥ...

男「消えた...」

何だったんだあいつ...
普通の人間ではないことは分かったけど
神の仲間か...このゲームを仕組んだ張本人...


おっぱいでかかった...

男「何を待ったらいいんだよ...」

ガサッ

コゼット「誰!?」

男「!!」

バルジャン「こんな暗い森に一人とは...お嬢さん、君の名前は?」

男(バルジャンさん!あの少女は?)

コゼット「コゼット...コゼットよ」

バルジャン「君がコゼット...私は君のお母さんから頼まれて迎えに来たんだ」

男(あの子がコゼット...ボロボロの服を着てこんな暗い森に一人だなんて...)


茂みから二人の出会いをこっそり眺めていた
なぜだろう?今飛び出すのは良くないって何故か思えてしまったんだ

(ファミチキください)

コゼット「お母さんが?お母さんはどこ?」

バルジャン「お母さんは遠いとこまで君のためにお金を稼ぎに行ったんだ...」

バルジャン「しばらくは私が君のお父さんでありお母さんでいようと思う」

バルジャン「だから、君が住ませて貰っている宿まで案内してくれないか?」

コゼット「お父さんになってくれるの!?うれしい!」

バルジャン「ふふ...いい子だな」ニコッ



男(バルジャンさん...あんな顔するんだな)

男(...俺もいつかお父さんになったら同じ顔できるのかな?)

男(...追いかけよう)

バルジャンさんとコゼットは森を抜けモンフェルメイユの町を歩く
道中売女やホームレスであろう年寄り、貴族らしき人達とすれ違ったが
一体どんな町なんだろう?

男「あそこに入っていった...」

男「......くさっ」

二人が入っていった宿屋はモントルイユに宿屋に比べると
些か...いやほぼ確実にランクダウンしている
外見もそれほど良いとはお世辞にも言えないし何より
食べ物が腐った匂いが中からプンプンする...


男「コゼットを見つけたのはいいけど、これからどうしよう...」キョロキョロ

男「俺一人でこのまま進める訳にも.........なんだあれ」

鍵穴だ...
大きめの鍵穴が地面から1mほど離れて浮いている

男「...これってもしかして...」チャキッ

大きくした鍵をゆっくりと差し込む...
はまった!これだ!

男「何なんだこの鍵穴は...今まで見たことないけど...」

男「地獄への門でも開いちまうのかな」

カチャッ

あ、あいちゃった



JK「男さん!?」

男「JKさん!?それに皆も!」

社長「男くん!無事だったか!!」

男「モントルイユの宿...もしかしてこれがあいつの言ってた移動能力か?」

鍵穴を開くといつの間にか俺はモンフェルメイユからモントルイユの宿にいた
...ワープ?瞬間移動?とにかく戻ってこれた!

警官「チッ...レベル3か」

JK「心配してたんですよ!!急に女の人に誘拐されたって聞いて!!」ダキッ

女王「あ!ずるい私も混ぜろ!!」ダキッ

男「あはは...心配かけてごめん」

サラリーマン「一体どこに連れて行かれたんだよ」

男「わからないです...ここから結構離れた森に下ろされて...そこでバルジャンさんとコゼットを見つけました」

社長「なるほど、本当に目的地に連れて行かれたのだな」

OL「で?ロビーに急に現れたのはどうしてよ」

男「コゼットの住む宿の近くで鍵穴を見つけて...それを鍵で開けたらいつの間にかここにいたんです」

警官「瞬間移動か...ふざけやがって...」ギリッ

社長「それが本当ならすごい能力だぞ!」

警官「おい男」

男「な、なんだよ...」

警官「どうやってレベル3まで成長させたんだ」

JK「そ、そんなことより今は休みませんか!?とりあえず私もうクタクタで倒れちゃいそうです」

OL「私も...これで目的地にいつでも行けるんだし明日からでもいいんじゃない?」

女王「チルチルのやつももうぐっすり眠っておるぞ」

警官「黙れ...俺はこの世界をクリアするまでしかてめぇらと一緒に行動しねえからな」

男「おい!約束が違うだろ!」

社長「まぁ喧嘩するんじゃない...そうだな、私も男くんとまだ話したいことがある」

社長「一度私と警官くんを連れてコゼットのいる宿まで連れて行ってくれないか?」

サラリーマン「まだ起きるつもりかよ...俺もパスな」

警官「まぁいい...早く連れていけよ」

男「わ、わかった...じゃあ社長さんもこっちに」

社長「近くにいればいいのか?」

男「た、多分...さっき初めて移動したから自分以外も連れて行けるか分からないですけど」

JK「身体に触れていれば確実かもしれないですよ!」

警官「...虫唾が走るぜ」

男「じゃあ来るなよ!!俺もまだ把握できてないし」

社長「行こうか」

男「はい!」

さっきは一度皆の元に戻りたいと思ってたら出たから...
出た!鍵穴だ!条件はその場所に行きたいと思えば鍵穴が出るのかな

男「じゃあ、もう一度行ってきます」

JK「はい!危なくなったらすぐ戻ってきてくださいね!」

男「うん!」

カチャッ

社長「...もう着いたのか」

男「はい、この宿です」

警官「ケッ...」

二人とも何故か俺の肩に手を置いていたんだけど意味あったのか...?
とにかく、この二人を連れて俺はもう一度モンフェルメイユの汚い宿の前に立っていた


宿屋主人「おいおいこれでもコザットを5年間育ててきたんだぜおっさん」

宿屋婦人「コゼット」コホンッ

バルジャン「今まで育ててくれた礼だ、いくらでも出そう」ニコニコ

男「バルジャンさん!」

バルジャン「男くん!?それに君たちは...」

警官「誰だよこいつら」

バルジャン「その長身の男は?」

男「あ...えっと、俺たちの仲間です!あの時はまだ紹介していなかったですね!」

咄嗟に嘘をついてしまった...
こいつが工場で働いていた人たちを殺したこと、今は言えないと判断したんだ

コゼット「...いっぱいいる」

警官「誰が仲間だって?」ギロッ

社長「まぁまぁ、ところでバルジャンさん、お取り込み中のようですが」

バルジャン「あぁ、モンフェルメイユのご立派なこの宿屋でコゼットを預かってもらっていたのでね」

バルジャン「今引き取ろうとしていたところなんだ」

宿屋主人「待て待て...まだ大事な娘を引き渡すなんて一言も言ってないぜ」

宿屋婦人「見て、コゼット、私たちの元から離れたくないって言ってるわ」

コゼット「......」フルフル

男「...思いっきり首振ってますけど」

宿屋主人「緊張してるんら」

宿屋婦人「なまってるわよ」

警官「このチビガキを引き取らないといけないのか」

男「あぁ...コゼットがこの世界をクリアする鍵なんだと思う」


宿の経営者二人は一向にコゼットを引き渡そうとはしない...
旦那さんはあまりにも痩せこけていて眼光がギラっと鈍く光っている
奥さんは似合ってない派手な服に厚化粧...こっちはまだ話が通りそうなんだけど


バルジャン「仕方ない...言い値を払おう、いくらがいい?」

宿屋婦人「お金なんかで娘は売れないわ!」

宿屋主人「まぁ待て...邪魔者を売り払って借金も返済できる一世一代の大チャンスだ...」ヒソヒソ

宿屋婦人「でも借金は1500フランもあるのよ!そんな大金持ってるように見えないけど!!」ヒソヒソ

バルジャン「コホンッ...1500フランでいいのか?」

警官「こいつらわざとだろ、殺していいか?」チャキッ

男「ばっ、やめろよ!!」

社長「余程お金に困っているようだな」

バルジャン「ここに1500フランある...さぁおいで!コゼット!」

コゼット「!!」パァッ

宿屋主人「ま、マジで1500フランある!!?」

宿屋婦人「コゼット...寂しくなったらいつでも帰っておいで」グスッ


男「...1500フランっていくらぐらいなんだろ」

社長「確か19世紀のフランスだと1フラン600円から1500円ぐらいだったと思うが」

男「てことは...1500円だとしたら225万円!!?そんな大金出して大丈夫なんですか!」

バルジャン「安いものさ」

社長「まぁまぁ男くん...法外だと思うかもしれないが5年間の養育費で225万なら良心的な数字だと思うが」

男「でもこれからバルジャンさんは、コゼットと暮らすんだと思う...いくらなんでも...」

警官「ケケケ...こんなボロ雑巾みたいなカッコさせられてんだから実際は100万も掛かってねぇんじゃね」

コゼット「む...この人嫌い」

バルジャン「大丈夫、私が洋服も買ってあげるからね」

コゼット「本当!?」

バルジャン「あぁ、まだまだお金を心配する必要なんてないからな」

宿屋主人「...あーやっぱり駄目だ」

男「!!」

宿屋婦人「そうね、確かに5年間の養育費で1500フランは安すぎるもの」

バルジャン「そうだな、あとどれぐらい欲しい?」

宿屋主人「15000フランでいいよぉっ」ニヤニヤ

社長「随分酷い値上がりだな...」

バルジャン「少々痛いがそれぐらいは当然だろうな、わかった!出そう!」

宿屋夫婦「うぃーーーー!!!!!!」



男「ちょっと待った!!」

宿屋主人「あ?坊主、今大人の契約を結んでるんだ、口をチャックするんだな」

男「さっき1500フランでいいって言ったじゃないか!何だよ10倍って!」

宿屋主人「当然だろう、コゾットにはそれぐらい掛けてきたんだから」

宿屋婦人「コゼット」コホンッ

社長「そうかもしれないが、少々上げすぎではないかね?」

宿屋主人「関係ねーやつは入ってくるなって言ってるだろ」

男「そんな金額駄目だ!娘はお金なんかで売れない...そう言ってたじゃないか!」

宿屋主人「はて?言ったかなぁ」

宿屋婦人「コホッコホッ...私ももう病で倒れそうでね...経営難なのよ、わかって頂戴」

男「さっきまで元気だったくせに...」

バルジャン「男くん、気持ちは嬉しいよ、ありがとう」

男「...納得いかない」

宿屋主人「...なら賭けるか?」

男「賭け?」

宿屋主人「そう、ゲームをしようじゃないか」

男「!!!」

社長「ゲームか...まさかこの世界でもあるとは思わなかったよ」

男「...女王はいない...何するんだ?」

宿屋主人「かくれんぼだよ」

男「かくれんぼ?え、あのかくれんぼ?」

宿屋婦人「ちょっと!あんた!」

宿屋主人「黙ってろ!どうせ俺たちに勝てはしないんだ!」

男「...わかった、やろう」

社長「これはチャンスだな...向こうは警官くんの能力なんて知りもしないだろう」ヒソヒソ

男「はい!負ける気ないとか言ってるけどそれはこっちの台詞ですよ」

宿屋主人「ひひひ...決まりだな」

宿屋主人「俺たちが勝てばおっさん!あんたの有り金全部出すんだ」

バルジャン「そ、それは...」

宿屋主人「お前たちが勝ったらコゼットはそのまま引き渡そう」

男「大丈夫!俺たち絶対に勝ちますから!」

バルジャン「お金が無くなるのは非常に困る...頼んだよ」

社長「悪いが私は参加できない...傷口から血が滴り落ちる可能性があるのでな」

男「俺と警官がいれば絶対負けないんで大丈夫ですよ!」

警官「誰がやるかよ、かくれんぼなんて」

男「いやお前がいないとクリア出来ないんだぞ!?絶対参加な!」

警官「こんなの俺には関係ないだろ、一人でやってろ」

宿屋主人「おやおややる前から喧嘩かい?」

宿屋婦人「別にやらなくてもいいんだよ、どうせあんたらなんてすぐに見つけちまうからね」

警官「......あ?」

警官「誰がすぐに見つかるって?」

男(挑発に弱すぎる...俺も人のこと言えないけど)

警官「上等だコラ...誰がてめぇらみたいなピエロ兄弟に負けるかよ」

宿屋主人「ピエロだとぉ!!?」

男「...確かにピエロみたいだ」

宿屋主人「ええい!もう怒った!俺は怒ったからな!」

宿屋主人「ゲームスタートだ!ルールはこの宿から出ないこと...」

宿屋主人「つまり宿内から出なければどこに隠れてもいいって事さ」

宿屋主人「時間は互いに10分ずつ、互いの2名両方が見つかるまでの時間で競う」

男「つまりなるべく長い時間見つからずにかつ早く相手を見つければいいのか」

社長「時間は私が計ろう、どっちが先に隠れるのかな?」

宿屋婦人「先に隠れていいよ、5秒で見つけてあげるからね」

男(...多分何かしらの能力を持っているからこその自信だ)

男(おそらく気配を察知できるとかどこにいるか見える能力なのかもしれない)

社長「では私たちのチームが先だな...では早速はじめようか」

宿屋主人「じゃあ数えるぞ!あ、ちなみに家具とか食器とかは壊すんじゃないぞ」

男「分かってるよ、さぁ隠れよう!」

警官「...なんでババアの方はこっちを見てるんだ」

宿屋婦人「チッ...わたしゃあまだ30代だよ!」クルッ

宿屋夫妻「いーち...にー...」

警官「さてと...」

男「え!?」

バルジャン「おい...いくらなんでもそこはないんじゃないか?」

コゼット「バカ」


警官はカウントが始まるとすぐにロビーにある古びた食器棚の一番下...
人一人入れるかどうかの空間に迷わず入り込み戸を閉めた

男(いや...いくらなんでもそれは...でも透明になれるし...)

男(ってまてよ!あいつ確か透明化してても触ることは出来たはず!!)

男「おい!!いくらなんでもそこは駄目だ!!」ダダッ

俺は勿論一度2階に行くことにした
空いている客室や厨房などがどこかにあるはずだからだ
でも、警官は一向に場所を変えようとはしなかった...
くそっ!俺一人で隠れないといけないじゃないか!!

客「へっへっへ...こりゃあ今夜はご馳走にありつけそうだな」

社長「客人は既に買収済みか...男くん、頼んだぞ」

宿屋主人「じゅーうっと...ひひひ、お前たちどこに隠れたか見なかったか?」

社長「助っ人を雇うのは卑怯じゃないかね?」

宿屋主人「そんなこと一言も言ってねぇぜ!ちゃんとルールを確認しなかったお前たちが悪い!」

客「ひっく...そういや食器棚の下に大きなネズミが入り込むのを見た気がするなぁ」

宿屋婦人「そうかいそうかい...後でいっぱい酒を注いでやるからね」

社長「開始してからまだ30秒も経っていない...これはまずいな」

宿屋婦人「さぁて悪いネズミはここかなぁ!!」パカッ



宿屋婦人「......」

宿屋主人「あれ?どうしたんだ?」

宿屋婦人「いない...人どころかネズミだっていやぁしない」

社長(流石に能力は使っているか...だが触れられたら最後、そこにいることはバレてしまう...)

客「んな訳ねえ!!俺は確かにここに入るのを見たんだ!」スッ

社長「!!」

宿屋主人「ちゃんと探せ!!見つけられなかったらお前たちの今までのツケも全部払ってもらうからな!」

客「くっ...まずい酒に1フランも値段つけてるくせによく言うぜ...」

社長(今確かにあの小汚い男が中に手を入れたが...)

社長(たまたま触れられなかっただけか?)

宿屋婦人「...いや、確かにここにいるね」スッ

宿屋婦人「大方透明になれるとかじゃない?私の勘がそう告げているよ」ニヤッ

社長「奥まで手を...もう駄目だ」



宿屋婦人「...なんで!?いるのは分かっているのに!!」ブンブンッ

社長「!!?」

社長(馬鹿な...一体どうやって...)

警官「あいつら馬鹿だなぁ...俺はここにいるっていうのに」ガシッ

社長「...レベル3か」

警官「あぁ、これで俺はあのガキよりも強い能力を手に入れた!」

警官「名づけてハイドアンドシーク...透明になるんじゃねぇ...そこからいなくなるんだ」

社長「つまり完全にすり抜けることが出来るんだな...今、私の肩を触っているのか?」

警官「さっき棚から出て試しにババアを呼んでみたが反応がなかった...」

警官「声も、存在もそこからなくなる訳だ...後あんたで色々実験中」

社長「なるほど....完璧な能力だな」ニコッ


バルジャン「全員消えた...一体どこに行ったんだ!?」キョロキョロ

コゼット「あのおじさんもいない...」

社長「いや私はここにいますよ...」

社長「反応がないな...もしや」

警官「ケケケケケ!!!俺と触れてる奴も同じく存在が消えるのか!!」

警官「なるほどなるほど!これなら確かにイケるかもな、神殺し♪」

社長「男くんの剣に君のハイドアンドシーク...最強の組み合わせじゃないか」

警官「まぁあんなクソガキと組む気はさらさらねぇよ」

社長「どうだか...さて、残り5分か」

社長「男くんも逃げ切れれば勝ちはほぼ決まりだが...」



男「くそ...キッチンも空き部屋もあるのに隠れられる場所が全然ない!」

あそこにいるぞぉー!!

男「やばい...何で場所がわかるんだ!?」

宿屋主人「ヒヒヒ...さぁ出ておいでぇ」ガチャッ

男(きた!)

宿屋主人「んん~?匂うなぁ...この部屋から君のスメルがプンプンするよぉ」

男(やばいやばいやばい!!!)

男(ワープ!!でもあれはこの町とモントルイユ間でしか使えてない...)

男(違う部屋...キッチンだ!!キッチンにワープ出来れば...)



宿屋主人「う~ん...カーテンの裏かなぁ?」シャーッ

宿屋主人「それともベッドの下かぁ?」バッ

宿屋主人「......どこにもいない」

厨房

男「はぁ...はぁ...」

男「出来た!!けどどうやって?」

カラン

男「あ...」

宿屋婦人「あらぁ今度はここにネズミがいるみたいね」

宿屋主人「おい小さい男の子の方はあの部屋にいたぞ!」

宿屋婦人「見つけたのかい?」

宿屋主人「いや...部屋にはいたはずなんだけど...その...」

宿屋婦人「はぁ...ちゃんとベッドの下とかクローゼットの中は見た?」

宿屋主人「見た見た!!でもいなかったの!」

男(さっき一度キッチンに来たから出来た...?)

男(そういえば天使のやつが何故一度俺をこの町に連れてきたのか...)

男(考えられるのはひとつ...一度来たことがあるかどうかがワープできる条件なのかもしれない)

男(つまり、セーブポイントを増やせばワープできる場所が増えることなのか?)

男(なら、もう一度さっきの部屋に戻ることも出来るはず...)


男「開け!!鍵!!」ガチャッ



宿屋主人「あれ!!ここにいたの!?」バッ

宿屋婦人「...いない」

宿屋夫妻「ど~して~!!?」

空き室

男「で、できた...」

男「モントルイユとこの町を移動する時の鍵穴は大きかったのに、この宿屋内なら穴は小さい...」

男「移動する距離によって大きさが変わるんだろうか?」

男「それにセーブのきっかけが分からない...願えばどこでも行けるのかな...」

警官「もう俺たちの勝ちで決まりだ、ロビーに戻るぜ相棒」ガシッ

男「う、うわぁ!!?」ビクッ

男「しまった...」

警官「大丈夫大丈夫...俺たちの存在は誰にも気づかれないし触れない」

男「レベル3!?」

警官「あーもうどうでもよくなっちまった...帰って一緒にシコろうぜ」

男「やらねぇよ!!」



社長「...10分経ったぞ」

宿屋主人「くそ!!俺たちかくれんぼの達人だっていうのによぉ!!!」

宿屋婦人「まさか私たちのホームで負けるなんてね...どこに隠れているのかしら」

警官「へっへっへ...ずっとここにいたぜ」シュー...

宿屋主人「ほれ見ろ!!お前たちがちゃんと探さぬらんから!」

宿屋婦人「いたわよ!!いたけど見ることも触ることも出来なければ”発見”したことにはならないだろ!」

バルジャン「助かった...」ホッ



男「ベタベタくっつくなよ...」

警官「いいじゃねぇか!この能力があればこれから誰にも気付かれずにマシュマロちゃんのおっぱいいっぱい触りほーだいいいい!!!」

社長「是非私も同行させて貰えないだろうか」

男「ちょっと!!馬鹿なことばっか言わないでくださいよ!!」

あはは...

宿屋主人「クショー!!クリスマスの夜に好き勝手暴れやがって...まだ俺たちの番が終わってないぞ!」

男「...多分5秒で捕まえちゃうから止めといた方がいいですよ?」

宿屋主人「何ぉー!!こうなりゃお前たちが俺たちを一人でも時間内に捕まえりゃあ勝ち!」

宿屋主人「見つけられなかったら俺たちの勝ち!これでいいだろ!」

宿屋婦人「ちょっと...あんたギャンブル運ないんだから」

宿屋主人「うるそい!女は黙ってろ!」


男(今夜はクリスマスだったんだなぁ...JKさんと聖なるキスを...って気持ち悪いな俺...)

警官「じゃあこっちはこいつ一人でやってやるよ」ビシッ

男「え!?俺!!?」

社長「何だか可哀想に思えてきたからな...少しぐらいハンデを与えてあげてもいいだろな」

宿屋主人「なめやがってクソ坊主!この俺を誰だと思ってる!」

男「......胡散臭いおじさん」

宿屋主人「むっかー!!もう怒った!絶対に許さないからな!!」

宿屋主人「俺の名はな!テナルディエだ!あのナポレオン戦争で軍曹だった男だぞ!」

バルジャン「何?ではナポレオンが負けたのは君みたいな者がちゃんと指揮を取れなかったからなのか!?」

宿屋主人「あ、いや、その...あの時俺はな、トイレ掃除を担当していてだな...」アタフタ

男「...もうはじめちゃいましょうか」



男「いーち…にーい…」

宿屋主人「ははは!!お前たちはもう俺様を捕まえる事は出来ないぜ!」

警官「んだよアイツ…どうせ隠し部屋とかに逃げ込むつもりだろうな」

宿屋婦人「その通りさ」

警官「お?」

社長「バレても問題ないのか…ところで奥さんはもう隠れないのですかな?」

宿屋婦人「私ゃああの部屋に行く度胸なんざ持っていないのさ」

宿屋婦人「あぁ…思い出しただけで寒気がするっ!!」ブルブル

警官「男とあのオッサンの一騎打ちか…見に行こっと♪」スゥーッ…

厨房

宿屋主人「へへへ…この残飯を捨てる穴の中に隠し部屋があるなんて思わないだろな…」

宿屋主人「うっ…くせぇ…だが金のためだ!!いっちょ本気出して飛び込むか!!」ヌギヌギ

男「……パンイチで何してるんですか」

宿屋主人「な、何ぃ!!?」クルッ

男「みーつけた!」ポンッ

宿屋主人「ひ、卑怯だぞ!ちゃんと数えたのか!!」

警官「数えてたぞ…こいつの脚力舐めんなよ」スゥーッ…

男「走ってねえから!!」

宿屋主人「ありえねぇ!!ロビーからこの厨房までどれだけ走っても10秒以上は経つはず!」

男「5秒もかからなかったですね」ニコッ

警官「早く服着ろや、変態親父」

宿屋主人「うがああああああああああ!!!!」



宿屋主人「ケッ!てめえらの顔なんざもう二度と見たくねえ!」

宿屋主人「早く連れてけよ!」

男「へへ…あざまーす!!」

コゼット「雪……寒いね」

社長「大丈夫…これから君の新しいお父さんが暖かい部屋で温かいスープを毎日飲ましてくれるさ」ポンッ

コゼット「…うん!」

警官「はぁー疲れた…ほんとしょーもねえゲームだったな」

男「レベル3に成長出来たから良かっただろ!」

警官「はいはいそーでちゅねー」

男「ムカッ!」


バルジャン「やはりお金を払わないのは心苦しい…」

バルジャン「せめて最初に提示した額は払わせてくれないか?」

男「バルジャンさん!?」

男「僕たちゲームに勝ったんだから1500フラン払わなくてもいいんですよ?」

社長「男くん…形がどうであれ5年間コゼットくんを預かってくれていたんだ」

社長「例えまともな服を着せてあげなくても、これまでにちゃんと寝る場所とご飯を与えてくれていた事に変わりはない」

男「…そうですね」

バルジャン「感謝の気持ちだよ…本当にありがとう」

宿屋主人「……フン、こんなんじゃ借金を返したらすぐなっちまうよ」

バルジャン「借金がなければそれだけで少しは気持ちが楽になるのではないかな?」

宿屋婦人「うぅ…コゼット…元気にやっていくんだよ」グスッ

男「素直じゃないなぁ二人とも…」


奥さんの足元に目薬らしき小瓶が
落ちていたけど見てみぬフリをした

この二人はコゼットをちゃんと可愛がっていた訳じゃ
ないんだけど、悪い人という訳ではないんだろう
命を掛けたゲームにはならなかったんだし

おまけ
男達がモンフェルメイユに行った後の女子部屋

JK「初めて会った時から思ってたんだけどなんでじょ…妹ちゃんって自分の事私って言うの?」

女王「へ?どういう事じゃ?」

OL「あー確かにね」

女王「なんじゃ!私に分かるように説明しろ!」

JK「語尾がね…」

女王「語尾?」

OL「儂とか妾とかっぽいのよね」

女王「ど、どういう事じゃ!?」

JK「まるでSSでよく出てくる狐っ子みたいな語尾なの!!これから自分の事は儂って言ってみて!!」

女王「おい!SSとか狐っ子とか訳分からんぞ!?」

OL「妖怪の事ね」

女王「わ、儂は人間じゃあーっ!!」

エポニーヌ「コゼット…どこ行くの?」

コゼット「エポニーヌ!」

バルジャン「ん?その子は?」

宿屋婦人「私の自慢の娘だよ」

宿屋主人「おい!俺たちの!だろ!」

宿屋婦人「うるさいね!エポニーヌ…コゼットはお父さんが迎えに来たからね」

宿屋婦人「今日でお別れだよ、バイバイしな」

エポニーヌ「そうなんだ…バイバイ、コゼット」

コゼット「うん…バイバイ」

社長「可愛い娘さんだな」

警官「こっちはマトモな服着てやがるな…自分の娘は可愛いものだもんな」ケケケ

男「そんな言い方ないだろ」

二人はよく分からない表情で互いを見つめ合う
どんな関係だったのだろう?
歳も近そうだし寂しいのかもしれないな



宿屋主人「二度と顔を見せんなよバーカバーカ!!」

男「何歳なんだよあの人…」

こうしてこの世界初のゲームは完全勝利で終わった
もっと早く能力について分かっていたら
アリスの世界で誰も死ななかったのだろうか…
今は過ぎた事に悩んでも仕方ない



バルジャン「色々と助かったよ…ありがとう」

男「何処に行くつもりですか?」

バルジャン「パリに行こうと思う…あそこならコゼットも安全に暮らせるだろう」

男「パリか…」

警官「あー眠い…早く宿に戻ろうぜ」

男「あぁ…そうだな」

社長「………ふぅ……ふぅ……」

男「社長さん!?息が荒いですよ!!」

社長「だ、大丈夫だ…ちょっと血が足りないだけで…」

バルジャン「凄い傷だな…宿はどこかな?送っていこう」

社長「お気遣いなく…まだまだ若い者に任せ切りにする訳にもいかなくてな…」

男「やっぱり安静にしてないとダメだったんですよ!」

警官「ケケケ♪ジジイ、もうくたばりそうじゃねえか!」

男「お前のせいじゃねえか!」

バルジャン「……やはり君が工場で暴れた男だろ」

警官「ご名答♪だから何?殺すか?俺を」

男「……すみませんでした」

バルジャン「許さない…と言いたいとこだが許そう」

警官「は?」

バルジャン「私にはコゼットを育てる義務がある」

バルジャン「いや、義務ではないな…神が与えた使命とでも言うのか」

警官「頭いかれてんのかお前?」

バルジャン「いたって正常だよ…私は君を許す」

警官「…意味分かんねえ」

バルジャン「だが、人を殺した罪は反省するべきだ…それは神が許さない」

バルジャン「いつか罪の意識に追い詰められ、どうしようもなくなった時…君も新しい自分に生まれ変わるだろう」

男「バルジャンさん…ありがとうございます」

バルジャン「君たちが私のために一生懸命頑張ってくれたからこそ言えるんだ」

バルジャン「それに私も罪人だからこそ、人を咎める権利がある訳ではないともね」

男「あはは…お元気で」

バルジャン「何を言ってる?君たちも乗るんだ」

男「へ?」

バルジャン「怪我人を置いておいて幸せに暮らせるというのか?」

バルジャン「恩人にはちゃんと恩を返さないとな」ニコッ

男「…その通りですね!」


テナルディエ夫妻が経営していた
ボロ宿を見送り、俺たちは馬車に乗せてもらった
パリに向かう途中にある病院まで送ってくれるそうだ

パカラッパカラッ

コゼット「すぅー…すぅー…」

警官「……」

男「月が綺麗だ…」

社長「ははは…知っているか?とある文豪がアイラブユーを月が綺麗ですねと訳したんだ」

男「夏目漱石ですよね…社長さん、もう休んでください」

社長「まだやれるさ…次の場所まで一度足を運んでおこう」

バルジャン「タフだな君たちも…私もそろそろ寝るよ」

運転手「…もうすぐ検問でーす」

バルジャン「検問?もしや…」ヒョコッ




ジャベール「24601…必ず私の手でもう一度牢屋に送ってやるからな」

バルジャン「!!おい運転手さん!他に道はないのか!?」

運転手「どうしてですか?」

バルジャン「どうなんだ!!」

運転手「ひっ!?た、ただの荷物の検査でしょ?」

運転手「大方犯罪者が荷物に紛れていないかとか危険物を持ち込んでいないかとかの簡単な確認するだけじゃないですか!」

警官「まぁまぁ慌てんなよ…俺の能力でオッサンを消してやるからさ」

バルジャン「……頼む」

男「……ジャベールさんか」

検問所

ジャベール「いいか!必ず24601はここを通るだろう!絶対に見つけるんだ!」

門番「どうしてそう言い切れるんですか?」

ジャベール「神のお告げだよ」

門番「はぁ」

ジャベール「私は死んでも貴様を必ず牢屋に送り込んでやるぞ...それが私の正義だ」



運転手「次の次ですよ...いいんですね?このまま通って」

バルジャン「あぁ、ここには君以外に誰もいない」

運転手「...本当に大丈夫なのかな...」

警官「大丈夫なーのだ♪俺の能力は完全無敵の神をも超える能力だぜ?」

運転手(何だよ能力って...)

ジャベール「次だ」

運転手「どうも」

ジャベール「...君だけか?」

運転手「ごらんのとおり」

ジャベール「......この荷物は何だ」

運転手「パリの友人に届けるものです」

ジャベール「そうか」


バルジャン「ほっ...」

男「このままやり過ごせたらいいけど」

社長「くっ...」ポタ...

警官「オッサンはもう限界だな、置いてくか」

男「ふざけんなよ!社長さん!!大丈夫ですか!?」

ジャベール「よし、通っていいぞ」

ジャベール「おい!この馬車を案内しろ!」

門番「...了解」

運転手「へへ...お勤めご苦労様です」



バルジャン「...何故案内をする必要がある?」

男「バレてはいないはず...多分道が混んでて別の道を案内してくれてるんじゃ?」

社長「いや、奴は感づいているだろう...見るんだ」

男「社長さんの血...」

警官「俺が触れていなけりゃ血までは透明化できねえ...こりゃバレたな」

社長「すまない...私のせいだ」

男「い、一度モントルイユの宿に戻りましょう!」

社長「戻ったところで君のワープはセーブした所でしか使えないんだろ?どうしたものか...」

警官「もうめんどい!おらあ!!馬のケツしばいてスピードを上げるんだ!!」スーッ

運転手「わああああ!!?突然現れた!!!」

バルジャン「スピードを上げるんだ!!とにかく奴の手が届かない場所まで馬を走らせてくれ!!」

運転手「無茶言わないでくださいよ!!ただでさえ定員オーバーなんだから!」

バルジャン「頼む...このジャン・バルジャン一生のお願いだ」

運転手「...分かりましたよ」

パシンッ

強めに叩かれた鞭の音が静寂を切り裂く...
急にスピードを上げた馬車はパリへと続く道を走り抜ける

ジャベール「やはりいたか...行くぞ!」バッ

門番「え!?私もですか!!?」

ジャベール「早くしろ!検問は中止だ!これは24601を捕まえるためだけに行っていたからな」

門番「わ、分かりました!」バッ



運転手「あいやー!!」バシンッバシンッ

馬「ヒヒーン!!!」

コゼット「何?なんでこんなにお馬さんたち急いでるの?」

バルジャン「すまないコゼット...今からパリに逃げ込む!少しの間だけ我慢してくれるか」

コゼット「何で逃げる必要があるの?それに誰が追ってきているの?」

バルジャン「......正義のヒーローは少々厳しすぎるみたいでね」



男「...来た!ジャベールさんだ...」

バルジャン「私の問題なのに巻き込んでしまってすまない...」

男「...どっちが正しいか悪いかなんて分からないけど、俺はバルジャンさんが悪人には見えない」

男「寧ろいい人だって思ってますよ...だから、出来ることなら手伝いたいんです!」

社長「それにあなた達を幸せにする事が私たちの目標でもありますのでね」

バルジャン「...ありがとう」

バルジャン「運転手よ...悪いがこのまま安全な所まで逃げ切ってくれ」

運転手「む、無理に決まってるでしょ!!警察からは絶対に逃げ切れないんだ!」

警官「そのとおりだぜ?俺たちは犯罪者を捕まえるまで絶対に諦めないからな」ケケケ

男「...どこにも安全なとこなんてないのか」

ジャベールさんが率いる馬は馬車の馬とは違うのだろう
スピードが段違いだ...徐々に距離を詰められている
どうする?このままじゃバルジャンさんはまた牢屋行きだ...


男「...あそこは?」

社長「教会のようだが」

バルジャン「いや、あれは修道院だな」

男「修道院?」

バルジャン「キリスト教に属する者が集まりキリストの教えに従って共同生活を送る所だ」

運転手「も、もう駄目だ...このままじゃ俺まで犯罪者扱いされちまう...」バッ

男「お、おい!!」

警官「ふざけんなよあの野郎...手綱を離して逃げるか普通?」カチャッ

社長「やめるんだ...彼にも家庭があるだろう」

警官「チッ...」

構えた銃をしぶしぶホルダーに戻すと警官は激しく揺れる運転席に座り馬をいなす

男「馬の扱いなんて出来るのか!?」

警官「やったことねえな」

社長「頼むから転倒しないようにしてくれよ」

警官「それは保証できねえな」ニヤリ

バルジャン「頼む!あの修道院の隣にある時計塔まで突っ込んでくれ!」

警官「あいよ」パシン

コゼット「どうなってしまうの...?」ブルブル

バルジャン「大丈夫...私が必ず君を守るからね」

男「...俺たちも全力で守りますよ」

大きな時計は丁度深夜3時を指す
車輪がガタガタと鳴り今にも馬車は壊れてしまいそうだ...

警官「突っ込むぞ!!」

バルジャン「皆!飛び降りるんだ!!おいで、コゼット!」ギュッ

コゼット「うん」

男「社長さん!」

社長「大丈夫...まずは自分の身体を守ることだけを考えるんだ!」

警官「行くぜ!!」


ドオオオオオォォォン...

ジャベール「血迷ったか...いや、奴はこれぐらいでは死なん」

門番「うわぁ...大事故ですよ」

馬車は時計塔に勢いよく突っ込み大破した
受身なんて取ったことないから頭を守るように地面に身体を放り出したけど
やっぱり痛い...幸いかすり傷で済んだけど...

男「いたた...皆!!」

壊れた馬車が起こした砂煙が目に染みる...
風がやがて煙を吹き飛ばすと徐々に凄惨な景色が目の前に広がり始めた...


社長「うぅ...」

男「社長さん!!?」

社長「私のことはいい...バルジャンとコゼットを...」

男「もう...血が止まらない...」

社長「いいか行け!!」

男「無理です!!!」


ジャベール「勇敢な少年よ、また出会ったな」スタッ

男「ジャベール...!!」

バルジャン「はぁ...はぁ...怪我人がいるんだ!ここは見逃してくれないか?」

ジャベール「ならん...法は絶対に破ることは出来ない」

警官「なら殺すぜ?」カチャッ

男「やめろ!!」

社長「男くん...」

男「社長さん!今宿にワープしますから!」

社長「宿に戻ったところで医者はこんな時間にすぐは来ないだろう...」

社長「それに今君がいなくなったら誰が二人を守るんだ?」

男「でもっ!!」

社長「わたしはどの道長くない...」

男「そ、そんな...」

社長「はは...血が温かいな...」

男「社長さん...」

社長「そうだ...最後に能力を渡しておくよ...どうすればいい?」

男「そんなのいらないから!諦めないでください!!」

社長「私の子供が丁度君ぐらいの年頃でな...と言っても大学生になったんだった...」

男「社長さん!!!」

社長「ほら...受け取ってくれ...」

男「社長さん!!?」

社長「......」

男「ちょっ...冗談やめてくださいよ!!起きてください!!」ユサユサ

警官「余所見してんなよ」

男「うるせえ!!こうなったのもお前が原因だろうが!!」

警官「わーってるよ...オッサンの死を無駄にする気か?」

男「......」

バルジャン「すまない...私達のために...」

男「...いいんです」スッ

冷たくなった社長さんの瞼をそっと下ろす
また守れなかった...あんなにいい人だったのに...

男「うああああああああああ!!!!!!!」

警官「くるぞ!!」

ジャベール「そこをどきなさい」

男「絶対にどかない!!」

ジャベール「泣いているじゃないか...今邪魔をしなければ君たちは見逃そう」

男「うるさい!!俺たちは死んでも絶対にゲームクリアしてやる!!」チャキッ

ジャベール「ほう...私と勝負するつもりか?」

男「バルジャンさん!早く逃げて!!」

バルジャン「......怪我しないようにな」

コゼット「お兄ちゃん...ありがとう」

男「...」コクッ

敵はジャベールの他に三人...
警官が能力で逃がすとしてもある程度は時間を稼ぐ必要がある

ジャベール「...退く気はないようだな」

男「当たり前だ」

ジャベール「なら仕方ない...少年よ、これより法を執行する」チャキッ

門番「わ、私達も加勢します!!」

ジャベール「お前達は24601を捕まえるんだ」

門番「でも...」

ジャベール「このジャベールを侮辱するつもりか?私は20年間町を守るために神にこの身を捧げてきたんだぞ」

門番「...了解」

警官「ケケ...お前一人で大丈夫か?」

男「大丈夫だ、問題ない」

警官「死亡フラグ立ててんじゃねーよ...ま、その台詞をはいて生き残れたら改めて神殺しの作戦立てようぜ」

男「あぁ」

ジャベール「ふんっ!!」

男「はやっ!?」キィンッ

警官「じゃあ先に行ってるぜ」

男「頼んだ!」

ジャベール「よく受け止めた...だが!!」グググッ

男「くっ...プレッシャー半端ねぇ...!!」

ジャベールの初手は何とか剣で受け止めたものの、
そのまま上から凄い力で押さえつけてくる...
いきなりピンチだ

男「ふぬぬぬぬぬ!!」

ジャベール「...青い」

男「は?」

ドゴッ

男「かはっ...横腹が....」

ジャベール「青すぎるな少年...お前が剣術などろくに使えないことぐらい構えを見ればわかる」

ジャベール「それに実践経験不足だ...これならそこらの子悪党の方が余程強いぞ」

男(くそ...確かに俺は戦う経験なんてない...)

男(相手はレイピアだけじゃない...隙を見てまた蹴りやパンチが飛んでくるのは明白...!)

ジャベール「さて...待っていろよ24601...」

男「待て...」

ジャベール「やれやれ...」


立ち上がった後もジャベールに挑み続けるものの、
何度も顔を殴られたり硬い雪の上に転ばされたりし続けた...
駄目だ...どうしようもないくらい強い...


男「......」

ジャベール「ふん...口先だけではどうしようもないこともある」

ジャベール「まったく...極悪人を逃がすとは...」

男「...まだだ」グググッ

ジャベール「...これ以上は手加減できないぞ」

男「絶対にここは通さない!」

ジャベール「もう立っているのもやっとではないか...」

男「社長さん...今あなたの力、借ります...!!」

ジャベール「子供をいたぶる趣味はない...先に行かせて貰おう」スタスタ

男「...」

ジャベール「......透明な壁?」

男「出来た...!!」

ジャベール「貴様の仕業か!!?」クルッ

男「契約だジャベール...どちらかが参ったって言うまで互いにここから半径10m以内を出ることはできない!」

ジャベール「降参するまでだと...?正気か!?」

一体何を話したかったんだろう...
きっと隠し事なんてする必要ないって言いたかったのかな

かくれんぼをする前まではあんなに
元気につまらないジョークを飛ばしていたのに
今となっては聞く術もない


ちらつく粉雪が目に沁みる
冷たい涙が頬を伝う


男「...更に条件追加」

ジャベール「何!?」

男「10分以内にどちらも降参しなかった場合、どちらも死ぬ」

ジャベール「貴様を殺してもここを抜け出す事は出来ないと言うのか!」

男「これがレベル2!契約更新だ!!」チャキッ

ジャベール「ふん...例えそれが本当だとしても、私は拷問が得意だ」

ジャベール「意味が分かるか?決して口を開かないと誓っても私の手にかかれば...」

男「だからなんだ?」スッ

ジャベール「...いつの間に後ろに」

男「ジャベールさん...降参してください」

男「そして、もうバルジャンさんを追いかけないでほしい」

ジャベール「...私は20年間24601を監視してきた」

ジャベール「奴は何度も脱走を繰り返し、何の罪もない少年から僅かなお金を奪った罪がある!!」

ジャベール「法とは最後の砦だ!悪に敗れることなどあってはならない!!」

男「あの人の名前はジャン・バルジャンだ!!」

男「悪人でも善人でもない!ただファンティーヌさんを死なせてしまった罪を背負って精一杯生きている立派な人間なんだ!」

ジャベール「ファンティーヌ?あの汚らわしい娼婦か」

男「ち、違う...」

ジャベール「お前は知らないだろうがまだ雪が降り出した頃、とある商船が帰ってきた」

ジャベール「船乗りというのは長い間船の上で揺られ続け家族のために我が国の装飾品を高値で売りさばくんだ」

男「な、何の話だよ...?」

ジャベール「彼らにとって国に帰ることは体を休ませるために必要な休暇だ」

ジャベール「家族との再会、おいしい食事に暖かいスープ...そして性欲を発散させたくて仕方がない」

男「...」

ジャベール「君も見ただろう?痩せこけた彼女を」

ジャベール「あいつはな...いきり立つ船員達を満足させる事も出来ずに髪を売り、歯を売り、己の魂までも売りさばいた」

ジャベール「死にそうだから何だ?自ら選んだ仕事もろくにこなせずに生きる?」

ジャベール「そんな甘い考えではこのフランスの大地を踏み立派に生きる資格はない!!」グイッ

男「うわあ!!?」

ジャベール「チェックメイトだ」チャキッ

油断した...
思いっきり剣を引っ張られジャベールの前に放り出されてしまった
目の前にはレイピアの鋭い先端がわずか数mm程度の距離を開けピタリと止まっている

ジャベール「死ななければ口は動く...両の目を突き刺した後、お前の四肢を感覚が無くなるまで刺し続ける」

ジャベール「それでも降参しなければ、貴様のペニスに思いっきりするどい一突きを味合わせてやろう」

男「くっ...」ゴクッ

ジャベール「犯罪人を助けるからこうなるのだ」

ジャベール「さぁ、負けを認めろ」

男「...残り一分」

ジャベール「言え!30秒を切ればまず右目を刺す!!」


参った...
どうしたらいいんだよ...

俺には何が足りない?
十分能力だって開花したはず...
剣だってワープだって...

あぁ...
こんな事なら条件追加は10分間互いに傷つけられないとかにすれば良かった...



「戦う決意だよ」

ふと友ならそんなことを言うだろうなと頭に浮かんできた



男「......参った」



ジャベール「...こんな子供に手間を取らされるとはな」クルッ

男「...」グッ

男「契約だジャベール...どちらかが参ったって言うまで互いにここから半径10m以内を出ることはできない...」

ジャベール「貴様ァッ!!!!」

男「そして契約更新...この円の中にいる間、甲と乙はずっと傷が癒え続ける...」

ジャベール「何だと!?」

男「これで時間は十分に稼げるはず!」

男「そして!お前に勝つまで何度でも挑み続けてやる!!」

ジャベール「一体どんな魔術を使ったんだ!?さっきまで顔面痣だらけだったというのに...」

男「俺には時間を制限して勝てるほどのギャンブル運なんてない...だったら、当たるまで何回でもやり続ければいい!」チャキッ

男「俺はあんたがバルジャンさんとファンティーヌさんを侮辱した事を謝るまで絶対に降参しないぞ」

ジャベール「傷が癒え続けるのならばその分拷問も永久に出来るということだぞ...」

男「捕まらなければ怖くない!!」

男(考えろ...ワープをするには鍵を鍵穴にさして回す...)

男(そして回した瞬間にセーブした場所に辿り着いている)

男(つまりワープした瞬間は回した瞬間の動作のままだった)

男(この性質を利用する!突きの体制で鍵を開ける!)ガチャッ

男「そして!!このまま突き刺す!!」ドゴッ

ジャベール「ぐはっ!?ま、また背後から突然現れた...だと...」

ジャベール「一体どんなからくりだと言うのだ!」ブンッ

男「こっちだ」

ジャベール「...瞬間移動か」

男「そうだ!互いに回復しながら戦うのなら俺は絶対に降参しないぞ」

ジャベール「...分からん」

ジャベール「何故そうまでしてあの男を助けたいというのだ」

男「神を殺すため」

ジャベール「神を?ふっ、また戯言を」

ジャベール「教えてやろう...お前には神どころかこの私にすら勝つ事が出来ないことを」

男「やってみなけりゃわかんねえだろ!!」シュンッ

ジャベール「ふん...」サッ

男「避けた!?」

ジャベール「動きが単調過ぎるな」ザクッ

男「痛っ!!」

男「何でだよ...ワープしても避けられるだなんて...」

ジャベール「お前はさっきから背後から攻撃することしか考えてないのか」

男「......そうか」

ジャベール「そう何度も同じ手は通じない...お前が消えた瞬間に少し体をそらせば避けることは容易い」

ジャベール「それに先程の不意打ち...残念だがお前のその剣はただのハリボテだという事も分かった」

ジャベール「おもちゃの剣など持ってきて何の意味がある?」

ジャベール「私を倒したいのならば殺すつもりで挑んでこい」キンッ

男「鍵がっ!!」

ジャベール「ははははは!!!降参だ!」

男「くそっ...手が届かない場所まで...」

ジャベール「これでもう傷が治ることもない」

ジャベール「腕が立たない所か頭も悪いな...その契約とやらも穴だらけだ」

ジャベール「互いに解除出来るのなら何故もっと厳しい条件を掲示する事は思いつかないものか?」

ジャベール「10分以内に降参しないとどちらも死ぬ...そして降参した方は容赦なく死が与えられるだとか」

男「...鍵!!飛んで来い!!」グッ

ヒュンッ

ジャベールに飛ばされた鍵を手元まで呼び戻す
鍵と自分の間に立っていたジャベールに当たるように...

ジャベール「ぐっ...!!そ、そんな事まで出来るのか...」

男「まだだ...まだ時間を稼がないといけない...」グググッ

ジャベール「くそ...やはりここで殺しておくか」

男「やれるもんならやってみろ!!だけど、俺はあんたを殺したくはない!」

ジャベール「愚か者め...私は絶対に犯罪者に頭を下げるつもりはない!」

ジャベール「私こそが!!正義だ!!」タタッ

男「ワープ!!」

ジャベール「ははは!!また後ろからだろ!!手の内は分かっているぞ!!」クルッ

男「あぁ、そのとおりだ」ドゴッ

ジャベール「かはっ...ま、また後ろからだと...?」

男「一度あんたの後ろに移動して更にもう一度元の場所に移動した...」

男「おらあ!!これで終わりだ!!」ブンッ

ジャベール「ぐっ...くそ...絶対に許さないからな...地獄の果てまで追いかけてやるぞ...」

バタッ

すまんこ
考えときます

男「はぁ...はぁ....やったぞ...」

体が重い...
一日中動き続けたのもあって体の節々が悲鳴を上げている

男「もう無理...」フラッ

警官「お疲れちゃん」ガシッ

男「警官...」

警官「オッサンとガキは修道院に行ったぜ、他の三人もボコボコにしといた」

男「ははは...そっか...」

警官「気ぃ失う前に宿にワープしやがれ」

男「そうだな...社長さんも一緒に...」

警官「どうせ嫌だって言ったって連れてくんだろ?」

男「当たり前だろ...」

薄暗かった空が仄かに赤みを帯びている
もうすぐ朝になる...

男「よし、ワープするぞ...」カチャ

警官「あいよ」


モントルイユの宿

JK「男さん!!社長さんが!!」

男「......」

OL「嘘...死んだの?」

男「俺が不甲斐なかったのが原因だ...」

サラリーマン「マジか...ついさっきまで元気に下ネタかましてたのに?」

警官「俺はもう寝るわ、何が悲しくて男3人でオールしなきゃならねえんだよ」フワァ...

JK「ちょっと!!それは酷くないですか!?社長さんはっ...」

男「いいんだ...警官がいなければゲームクリアは出来なかったんだし...」

JK「え!?クリアしたんですか!!?」

男「ごめん、俺これから寝る...社長さんの遺体も今日はとりあえず寝室に...」バタッ

JK「男さん!?」ガシッ

男「スゥー...スゥー...」

JK「...お疲れさま」ギュッ



社長さんは戦争がどうとか言っていたけど何もなかった
無事バルジャンさんとコゼットを引き合わせたし目標は達成したはず
きっと目が覚める頃には百貨店のフードコートに戻っているだろうな

その前に社長さんの弔いだ
皆で協力しないとゲームクリアは出来ない...
そう声を上げて自らチームを作り上げどんな時も冷静に状況判断してくれた
仲間が死んだら悲しんでくれて、空気が重くなったら冗談を言って...
尊敬してますよ...俺もあなたみたいな大人になりたいです


だけど、ゲームはまだ終わっていなかった
これからやっと後半戦が始まるなんて信じられなかったんだ...

とりあえず今日はここまで
明日から書き溜めやるかも
ちょっと時間貰います

書き溜め出来るならしたいけどね
パソコン持ってないしスマホも持ってないんだわ
バイト(試写室)の休憩中しか書く事が出来ません
たまにネカフェで書き溜めして投稿します



JK「...今日はもう寝ますか」

OL「あら添い寝してあげるの?」

JK「ち、違いますよ///」

サラリーマン「俺が連れていくわ」ヨイショット

JK「あ、ありがとうございます」

OL「...社長さんもお疲れ様」

JK「......」

ぎゅるるる...

JK「え!?また時間が進んでる!!?」

OL「クリアしたんじゃなかったの!!」

サラリーマン「多分終わってないすよコレ!サイコロがどこにも落ちてきていないし!」

JK「...それにしても長くないですか?」

男さんと一緒に時間が過ぎた時はすぐに終わったのに、
今回は1分...いや、2分ぐらいは経った気がする...

JK「...もしかして数年単位で話が進んでるんじゃ」

OL「そうとしか考えられないわね...あ、終わった」

サラリーマン「一体何年経ったんだよ...とりあえず明日に備えて寝ようぜ」

JK「はい...あ、社長さんの遺体が!」

OL「またか...こればかりはどうしようもないわね」

JK「どうしようもないって...男さんが目を覚ましたら怒りますよ」

OL「時間の流れには逆らえないのよ...ゲーム内でも現実世界でもね」

JK「...そうですね」



体が重い...
きっと一日中動いていたからだ

目を覚ましたくないな
どうせ起きたらまた神の試練を待たないといけないし


今までの楽しい事を思い出す
教室で大富豪をしてる夢だ
毎日毎日飽きもせずにやり続けた
俺が一番弱かったなぁ
何回やっても友にもヤンキーにもオタクにも勝てなかった
たまにまぐれで勝つけど、そもそも勝ち負けなんかに
興味はなかったからどうでもよかったな

ただ、楽しければ何でも良かった


パシンッ

痛い!!くそ、誰だ思いっきり頬を叩いたやつは!!

男「ってぇ...んだよ...」

女王「おお!やっと目を覚ましたか!」

男「女王か...何だか久しぶりな気がする...」

体の上に女王が馬乗りしてビンタしていたのか...
道理で重い訳だ

女王「そりゃそうじゃろ、もう三日間も寝ておったのだぞ」

男「え!!?三日も!!?てか、ここ...」キョロキョロ

女王「まだゲームは終わっておらんぞ、男よ」ニシシ

男「...最悪の目覚めだよ」

女王「起きたならさっさと紅茶を淹れるのじゃ」

男「自分で淹れろよ馬鹿」

女王「嫌じゃ嫌じゃあ!!動きたくない!!」ユサユサ

男「ちょっおま...腰振るなよ!!」

女王「ん?なんだか下からかたいモノが...」

男「ど、どけ!!」

ガシャン!!

男「え」

JK「......」

...俺のために持ってきてくれたであろう飲み物が散乱している
てか顔怖っ

男「JKさん!こ、これは...」

JK「まさか本当にロリコンだなんて思わなかったです」プイッ

男「こ、興奮してないから!!」

女王「あいたたた...いきなりベッドから落とすとは酷い奴じゃのぉ...」

床に勢い良く臀部を叩き付ける
女王を尻目に、俺は膨れっ面の
JKさんのご機嫌を取り繕う事で
精一杯だった

JK「私がずっと看病してたのに...」

JK「酷い人ですね」

女王「そうじゃそうじゃ!」

男「お前が原因だろ!」グリグリ

女王「や、やめろぉ!頭をグリグリするでない!」

JK「...ぷっ」

JK「あはは!本当の兄妹みたいですね!」

男女王「「誰がこんなやつなんかと!」」

チルチル「お兄ちゃん、大丈夫?」

男「おーチルチル!」

OL「やっと目覚めたみたいね」

男「OLさん!あとサラリーマンさんも!」

サラリーマン「俺はついでかよ!」

男「あれ?警官は?」

警官「ここだぜ」モミッ

JK「ひゃあああああ!!?また透明化ですかぁっ


」ビクッ

警官「あひゃひゃひゃひゃ!!!!」モミモミ

男「...元気そうで良かったよ」

JK「や、約束が違うじゃないですかあ!!」

OL「バカばっかりね...」



男「そうだ!社長さんの遺体は?」

男「俺いっぱい助けられちゃったしちゃんとお礼しときたいんだけど!」

JK「......あの」

男「てかいつの間に雪が止んでたんだ?」

男「すっかり暖かくなって...いい散歩日和だなぁ」

OL「壊れたか...無理もないわね」

JK「男さん!!また時間が進んで社長さんの遺体ももうっ...」ギュッ

男「...分かってたよ」

JK「へ?」

男「また守れなかった...供養してあげる事も出来なかった...」

サラリーマン「...ガキが大人を守ろうとしてんじゃねぇよ」

OL「そうよ...あの人の分も私たちがあなた達子供を守ってあげるから」

男「...うわあああああああぁぁ...」

警官「気持ち悪いなお前ら...俺は先に行ってるぜ」

OL「ちょっと!どこ行くって言うのよ!!」

OL「...行っちゃった」

女王「本当に泣き虫じゃのぉ、男よ」

男「うるせえよ...」グスッ

チルチル「お兄ちゃん、僕たちを助けてくれてありがとう」

男「...助けてなんかいねえよ」

チルチル「あの警官さんに襲われた時、お兄ちゃんが剣を持って戦ってくれたから」

男「......」

チルチル「大人ってこういう時に頼りになるんだなぁって思ったよ」ニコッ

男「はは...ありがとうチルチル」

OL「どっちもまだまだ子供なんだから、もっと私たちを頼りなさい」

サラリーマン「でも俺たち全然戦える能力じゃないすよ」

OL「うるさい」バシッ

サラリーマン「痛っ!?」

JK「あはは!もう夫婦みたいですよ」

OL「ふん...それよりこれからよ」

OL「話が進めば時間は進む...それは分かってるけど今回の時間経過は時間から考えるに数年単位で進んだのは間違いない」

OL「だとすれば、これからの私たちの目標は何?」

サラリーマン「...のんびり暮らす」

OL「死ね」ゲシッ

サラリーマン「あぁん///」

男「決まってる...バルジャンさんを探してもう一度ジャベールから守ることですよ」

OL「...元気出たわね」

男「はい!もう三日三晩も眠ってたから体が鈍っちゃいましたよ」

JK「良かった...でもこれからどこを探せばいいんですか?」

男「バルジャンさん達はパリの検問を抜けて修道院に逃げたって聞いたから...」

男「一度修道院までワープして探してみたらいいんじゃないかな」

サラリーマン「ワープって修道院まで行ったことあったのかよ」

男「え?あ、はい」

あいつ...俺たちがどこで何やってたかとか全然皆に話してないのかよ...

OL「じゃあ明日行きましょう」

男「え?今からじゃないんですか?」

OL「何言ってんのよ、あんたは今日目覚めたとこだしあの変態はどこかにふらふらーっと消えたのよ?」

OL「全員で目的地に行かないとゲームクリアできない。でしょ?」ニコッ

男(あ、初めていい笑顔した!!)

という訳で、今日一日は自由行動をとることになった
俺はJKさん、女王、チルチルと一緒に様変わりしたモントルイユの町を
高台から見下ろしている

JK「わぁ...すごいキレイ!!」

男「町全体が煉瓦作りの建物だし屋根も赤っぽい色で統一してるね」

女王「ふんっ儂のいた城には随分劣るがの」

チルチル「お姉ちゃん城住んでたの!!?」

女王「そうじゃ!!それはもうこーんな立派なお城にな!!」

男「確かにでかいけど庭の手入れぐらいちゃんとしろよ...壁中ツルだらけだったじゃん」

女王「む、うるさい!!」

JK「あはは...あ、見て!!あれエッフェル塔じゃないですか!?」

男「あ、本当だ...あんな遠くにエッフェル塔...モントルイユとパリって近かったんだ」

男「...なんでこんなゲームなんかに参加してるのかな」

JK「へ?いきなりどうしたんですか?」

男「いや...何のために俺こんなに頑張っちゃってるのかなって急にさ...」

JK「...死ななければそれでいいんですよ」

男「...うん」

はるか遠くのエッフェル塔を見てると、ふいに涙が出てきた
今までやってきた事は間違いだったのかな
答えなんて分かんないけど、俺はまだ生きてる

男「...お腹空いた」ゴシゴシ

JK「あはは!どこか食べに行きます?」

男「いいね!フランスって何が美味しいのかな」

女王「おーい!紅茶じゃ!!紅茶を出すのじゃ!!」

男「うるせえなあいつ...」

モントルイユ 下町

男「という訳でお昼ご飯を食べに行くぞ」

女王「マカロン!!マカロン!!」

男「この時代にあるかわかんねえぞ?」

チルチル「マカロンって何?」

女王「それはな...紅茶に良く合うとっても美味しいカラフルな食べ物じゃ!」

チルチル「カラフル!!?」

女王「そうじゃ!赤青緑に黄色やチョコレート色など何種類もある!」

チルチル「へえすごい!!僕も食べてみたいな!!」

男「くっ...キラキラ目ぇ輝かせやがって」

JK「私たちが普段食べているマカロンはパリ発祥のものなんですよ」

男「え!!そうなんだ!」

JK「はい!正式にはマカロン・パリジェンヌっていうんですけど」

JK「元々マカロンはイタリアのお姫様が一流のシェフを集めて作らせたと言われててそれがフランスに伝わり様々なアレンジが加えられたそうです」

チルチル「国中のシェフを集めて!?」

女王「ふふん...これはいい事を聞いた!儂も国に帰ったら早速家来達につくらせるぞ!」

JK「その他にもナンシーという地の修道女が助けてくれた医師のために作ったとも言い伝えられていますね」

JK「その修道女が作ったマカロン・ド・ナンシーはひび割れたまっ平らなものですし、パリジェンヌはメレンゲを加えてふっくらとさせた日本でもよく食べられているあのマカロンなんです」

男「へー...詳しいね」

JK「女子ですから」ニコッ

男(ぐはっ!!さ、殺人スマイルだ!!)







JK「せっかくですしパリのマカロンを食べに行きましょうよ」

男「うん...」

JK「どうしたんですか?」

男「...多分それほど遠くないだろうし歩いていかない?」

JK「あ!いいですね!フランスの景色を楽しみながら街を散策するの、ずっと夢だったんですよ!」

女王「嫌じゃ嫌じゃあ!!歩きたくないぞ!!」

男「帰りは一瞬だから大丈夫だって」

チルチル「でも見たとこ相当な距離だよ?一日以上掛かるんじゃないかな?」

JK「うーん...歩きはしんどいかぁー...男さん、ワープしましょうよ」

男「...わかった」

深呼吸。
大丈夫。

がちゃり

JK「わぁ!すっごい!!大きな時計塔ですね!あの川ってもしかしてセーヌ川!!?」

またこの時計塔に戻ってきてしまった
ここまで話を進めるために無理して社長さんを同行させたから死なせてしまったんだ...
あの時、馬車に乗るまでに無理矢理にでも宿に返しておけば何とか命は助かったかもしれないのに...

男「...すみませんでした」ボソッ

女王「誰に謝っている?」

男「...ううん、何でもない」

男「女王、お前も絶対に無事元の国に帰してやるからな」ポンッ

女王「ふん...どうせ国民皆が生きているかどうかさえも分からんのじゃ...」

女王「それなら神になって自堕落な生活を送るのもいい余生だと思わないか?」

男「余生って早すぎだろ!」

チルチル「僕も神様になれるかな?」

男「待て待て…」

JK「なれると思うよ!一緒に頑張ろうね!」

チルチル「うん!」

男「……まぁいいか」

過ぎた事を考えても仕方ない
…正直に言えば自分が考え過ぎなのだろうか
という疑問もあるんだよなぁ
周りの皆はなんか人の死になれてきてる気もするし


男「あー腹減った!早くご飯食べようぜ!」

JK「はい!」

天界

神「うーん困ったなぁ」

天使「どうしたんですか?」

神「出たなっ!最近キャラがぶれまくっている私の可愛い部下よ!」

天使「何か人間がいっぱい死んでるのを見てたらどうでもよくなってきちゃってwwww」

神「うーんいいね!ところでさ」

天使「はい?」

神「私の息子を見てくれ、コイツをどう思う?」ボロンッ

天使「すごく…小さいです」

神「わおっ!ちょっタンマタンマwwwこれはちょっとしたギャグだからwww」

天使「で、本当にどうしたんですか?」

神「人間なんだけどさー…今殆どの奴等がクリアして出てきたんだけど」





神「残り200人切っちゃってるんだよねー」

天使「えー!!?もうですか!!」

神「やっぱり裏ルールが厳しかったのかな」

天使「ついでに私が追加ルールを加えに行ったのも原因ですね」

神「ズルしてクリアしちゃダメだって事だよねー」ニヤニヤ

神「しょうがない…予定より早いけど、クリアした人間は皆神様にしてあげるか」

フランス パリ

男「ふぅ…貝ってこんなに美味いんだなぁ」ゲプッ

JK「ムール貝をワインで蒸してあるだけですけどパンによく合いますね」

女王「のぉ!もうメインは済んだろう!マカロンはまだか!?」

男「だからこの時代にまだマカロンは全然ないんだって!通りを見たら分かるだろ!」

女王「くそぉ…」ムスーッ

チルチル「お姉ちゃん、パンあげるよ」

女王「いらぬわ…儂は寝るぞ」

男「レストランで寝るな馬鹿」

JK「エッフェル塔見たかったけどもう宿に戻りますか?」

男「しょうがない…」



男「もう夕暮れかぁ…早いね」

JK「ヨーロッパは日本よりも北にありますからね」

チルチル「それにお兄ちゃんが起きたの昼過ぎだよ?」

男「ま、マジか…とりあえず帰ろう」カチャッ


ふて寝した女王をおぶり宿にワープした瞬間…

OL「はぁん…もっとぉ…もっと奥までいっぱい突いてええええ!!」

サラリーマン「へへへ…どこが感じるんだ?」パンパン

OL「うぅ……おまんこ!おまんこが気持ちイイのぉ!!」ビクンビクン





男「……」ガチャッ

男「チルチル…今のは見なかった事にするんだ」

チルチル「大丈夫…何となく言っちゃいけないって悟ったよ」

JK「あわわ///まさかせっ…性行為を行う関係にまで発展していたなんて…」

男「ストッキングは履かせたまま…分かってるなサラリーマンさん…」

男「…エッフェル塔見に行こうか」

JK「そうですね…」


さっき子供を守るとか言ってたOLさんの
はしたない姿を見て、正直勃起しました



モントルイユの宿

警官「ひゃっほお!!コイツラ俺のレベル3知らねえからって盛ってんじゃねえよ!!」シコシコ

次の日

OL「皆、準備はいい?」

男「は、はい」

警官「プッwwwwww」

JK「......///」

サラリーマン「な、何だよてめえら気持ち悪いな」

男「何でもないです、行きましょうよ」

OL「...見たのね」

JK「な、何も見てないです!!」

サラリーマン「あ...そうか、ワープ...」

警官「俺は一部始終見てたぜ」

OL「...しょうがないじゃない、いつ死んでしまうか分からないんだもん」プイッ

男(恥じらい顔...とてもいい)

男「行きますか」

JK「これで終わりだったらいいんですけど」

男「大丈夫...絶対に俺は皆を死なせない」

OL「だから」

男「男は女を守るために生きてるんですよ、ね?サラリーマンさん」

サラリーマン「...大人ぶりやがってよ」

OL「ふふ...好きよ、サラリーマン」

サラリーマン「ええ!!?い、いきなり何すか!」

OL「無事にクリアして神になったら、結婚してください」

サラリーマン「...それ、俺の台詞だから」ギュッ

警官「死亡フラグ立てまくりだなおいwwww」

男「やめろよ」

男(生まれて初めてプロポーズを見た)

男(こんな状況だからこそ、愛を見つける人達もいるんだな)

男(...絶対に誰も死なせない!今は社長さんに貰った能力もある!警官のレベル3もある!)

男「行きましょう!」ガチャッ

OL「ここがパリ...立派な時計塔ね」

サラリーマン「エッフェル塔が見えるぞ!いい景色だな!」

警官「新婚旅行しに来たんじゃねえぞ」

OL「いいじゃない...パリなんてなかなか来れるものじゃないんだし」

JK「バルジャンさん、どこにいるんですか?」

男「そこの修道院に逃げたはず...訪ねてみよう」

修道院

修道女「あぁ、あの親子ですね?お二人はつい最近ここの主様がお亡くなりになられてから出て行きましたよ」

男「ど、どこに行ったか分かりますか!?」

修道女「そこまでは...そういえばこの前他の者がリュクサンブール公園で二人を見たとか」

OL「リュクサンブール公園...その名の通りリュクサンブール宮殿に属する国民の憩いの場ね」

OL「あちこちに彫像、記念碑、噴水があることで有名ね」

修道女「お詳しいですね!ですが、彫像なんてありませんよ」

OL「まだよね?それも知ってるわよ...ずっとヨーロッパ旅行したかったんですもの」ニコッ

JK「分かります!私も意味もなくパンフレットを眺めたりしてましたよ!」

男「公園か...」

リュクサンブール公園

女王「おお!大きくて緑も沢山生い茂っておる!チルチル!遊ぶぞ!」

チルチル「うん!何する!!?」



男「子供はのん気なものだなぁ...」

JK「いいじゃないですか、見てて癒されますよ」

男「そうかな?あいつらそこそこ大きいからそうは思わないな」

OL「こんな人が沢山いる場所で二人を見つけるなんて困難でしょうね...」

男「はい...それに数年立ったって事は恐らくコゼットはかなり大きくなったはず...」

サラリーマン「じゃああの市長を見つけるしかねえのか...こりゃ骨が折れるな」

警官「ケケケ...」

男「な、何ニヤニヤしてんだよ?」

警官「見ろよ、あの男を」

男「ん?」

青年「あぁ...ユルシュール...あなたは今どこに?」

誰がどう見ても彼はイケメンだろう...黒髪がよく似合うフランス人なんて初めて見た
少女マンガから出てきたような彼は、一輪の薔薇を片手に恋焦がれているようだ...
す、すげえキャラが濃い...!!

警官「あー気持ち悪ぃ!!!絶対ナルシストだぜあいつ!!」

男「い、イケメンなのになんか残念そうな人だな...」

JK「でもあんな人から想われるなんて、ユルシュールって人、とっても美人なんでしょうね」

OL「...ねえ?その青年を見てるもう一人の恋する乙女がいるわよ?」

男「くっそ!!そんな光景見たくない!!」

警官「分かるぜその気持ち...リア充なんて皆爆散してしまえばいいのにな」

嫌々ながらもどんな人なのか見てみたいとつい、その人を見てしまう
...あれ?どこかで見た事あるような...

エポニーヌ「あぁ...マリユス...」

男「...何か見た事あるぞあの女の人!!」

警官「...あいつ、あのピエロ夫妻の娘じゃね?」

男「...何て名前だっけ」

エポニーヌ「...はっ!!あ、あなたたちは!!」

男「気付かれた!!」

エポニーヌ「うぅ...」ダダッ

JK「泣きながら近づいてきてますよ!!?」

エポニーヌ「お願い!!私と彼の赤い糸を結んで!!!」ガシッ

男「な、何だよ急に!!」

エポニーヌ「あなた達覚えているわよ!!私がまだ幼かった頃、コゼットを連れて行ったわよね!!」ユサユサ

男「な、名前なんだっけ?」

エポニーヌ「エポニーヌ!!エポニーヌ・テナルディエ!!あの弁護士の卵、マリユス・ポンメルシーを愛してるの!!」

男「う...あの宿屋の娘さんか...」




エポニーヌ「ずびー」

イケメンの彼、マリユスを愛しているというエポニーヌはどうやらいつもこうして
彼を後ろから眺め続ける生活を送っているようだった

OL「泣き止んだ?」

エポニーヌ「うぅ...ありがとうございます」

サラリーマン「そんなに好きなら告ればいいじゃねえか」

エポニーヌ「こくっ///そんなことしたって...彼はもう私以外の人に恋しているもの」

OL「ふぅん?でも彼もまだあなたと同じ一人身のようだけど」

JK「そうですよ!付き合ってないみたいだし今がチャンスじゃないですか?」

エポニーヌ「は、恥ずかしい...///」

OLJK「カワイイ!!」

男「...ご両親はどうしてるの?」

エポニーヌ「...この前捕まったわ」

男「やっぱり」

エポニーヌ「やっぱりって何よ!私たちだって生きるのに必死なのよ!!」

警官「どうせまた詐欺まがいな事してジャベールにでも捕まったんだろ」

エポニーヌ「その通りよ...」

男「ジャベール!!パリにいるんだな...」

エポニーヌ「あのバルジャンとかいう男を無理して捕まえるから...パパとママは...」グスッ

男「バルジャンさん!?おいエポニーヌ!詳しく教えてくれ!!」

エポニーヌ「...嫌よ」

男「そこをなんとか!!」

エポニーヌ「...マリユスと私をくっつけてくれたら考えてあげてもいいけど?」

男「くっ...親子そっくりに育ちやがって...」

もう三ヶ月経ったんだね
レミゼ編長いね
エロが書きたいね



おちんちん

JK「いいじゃないですか、恋愛成就!私は応援してますよ!」

エポニーヌ「本当!?ありがとう!!」

男「...こんな事してる場合じゃ」

OL「別にいいじゃない、もしかしたら市長と再会できるかもしれないし」

男「はぁ...分かりましたよ」

エポニーヌ「じゃ、じゃあ!作戦なんだけど!!」

男「...どんなの?」

エポニーヌ「彼がね、噴水近くに座ってる時に私がバゲットをくわえて走るの!」

エポニーヌ「それで目の前であんたが嫌味たっぷりな顔で私をこかして!」

エポニーヌ「すると彼があんたをやっつけて私にそっと手を伸ばしてね...キャーー!!!」

男「却下」

エポニーヌ「何で!?」

男「どいつもこいつも漫画の読み過ぎだろ」

警官「俺がこかしてやるよ」ケケケ

OL「あんたの能力だとエポニーヌが一人でこけたようにしか見えないわよ」

男「そういう問題じゃないです」ムスッ

JK「男さん、すねないで」ヨシヨシ

男「すねてねえし!!」

男「はぁ...ちょっと散歩してくる」

エポニーヌ「ちょっと!!私のことなんてどうでもいいって言うの?」

男「気分転換するだけだって」

JK「男さん...」

何だか頭が痛くなってきた...
なんであのテナルディエ夫妻の娘の恋を応援しなきゃいけないんだよ...
そうこうしてる内にもバルジャンさんは歳を取り体も弱っているはず
この時代に社長さんの言う戦争が関係している可能性もなくはないんだから守ってあげないと...

男「はぁ...」ドスッ

公園中央の噴水に重たい腰を下ろす

マリユス「はぁ...」ドスッ

男「あ」

マリユス「奇遇だな...君も恋の病かい?」

男「ち、違います」

マリユス「では何だというんだい?」

男(あんたの事好きな奴がいて色々めんどくさい...なんて言えないな)

男「人を探してるんです」

マリユス「人?僕もだよ」

男(知ってるよ!さっきわざとらしくあぁ...ユルシュール...とか言ってたじゃねえか!)

男「へ、へぇ...どんな人です?」

マリユス「名前も知らないんだ...」

男「へ?」

マリユス「彼女がハンカチを落としたのを拾ってね...返そうと思ったが運の尽き」

マリユス「見失ってしまった...だが、その美貌に僕は恋に落ちてしまった」

男「一目惚れしたんですね」

マリユス「勉学ばかりに打ち込んでいたこの僕が、初めての胸のざわめきにどうしてこうも変えられてしまったのだろう」

男「気持ちは分かります、恋ってそんな感じですよね」

マリユス「分かってくれるかい!!?君、名前は!!」ガシッ

男「お、男です!!」

マリユス「そうか、私の事はマリユスと呼んでくれ!」

男「ま、マリユス!!」

マリユス「これで僕たちは親友だ!さぁ、一緒に彼のユルシュールを探しに行こう!」

男「彼の??」

マリユス「あぁ失敬...説明していなかったな」

マリユス「拾ったハンカチのイニシャルから私がそう名付けたんだ」

マリユス「彼女は大柄の中年男性に手を引かれていたんだ...きっと彼女の父親なんだろうな」

男「大柄って...もしかしてバルジャンさん!?」

マリユス「なんと!知り合いだというのか!?」

男(何て面倒くさい...エポニーヌはマリユスを、マリユスはコゼットを愛しているって事か)

女王「おーい!男よ!!鳩を捕まえたぞ!!」タタタッ

男「おまっ、何やってんだよ...」

チルチル「あれ?この人は?」

男「...マリユス」

マリユス「こちらは?」

男「妹と弟です」

女王「お前は家来じゃろ」

チルチル「お姉ちゃん!初対面なんだからちゃんと挨拶しないと!」

女王「弟の頼みならば仕方あるまい...マリユスよ!儂のためにマカロンを用意するのじゃ!!」

マリユス「マカロン?そんなものでいいのかい?」

チルチル「ちょっと!まずは初めましてからだよ?」

男「色々突っ込みたいとこだが一つ聞かせてくれ、マリユスはマカロンを知っているの?」

マリユス「あぁ!今はあそこの方にある友達の家に住んでいるんだが少し前まで祖父の屋敷にいてね」

マリユス「祖父は父を勘当するし僕とは思想も違うから嫌いだが、金は持ってる」

マリユス「だから幼い頃に色々な食べ物を食べたが、その中に確かにマカロンというものがあったぞ」

男「へーそうなんだ」

女王「知っているならば話は早い!早速屋敷まで連れて行くのじゃ!」

男「お前話聞いてたのかよ」

マリユス「ははは!あれぐらいなら多分僕でも作れるさ!良かったら家まで来るかい?友達の家だけどさ」

男「友達の家なのに自分ん家みたいに言うなよ!」

マリユス「ははは!そのとおりだね!」

男「まったく...」

マリユスは馬鹿なのか?いや、弁護士の卵って聞いたから賢いんだろうけど...
どこか抜けているよな...でも、不思議と波長が合う
きっと歳も見た感じ近いからだろうか...まぁとにかくバルジャンさんの手がかりを見つけるなら
エポニーヌよりマリユスだ!彼の方が真っ当な人生を歩んでるだろうし

男「おーい!皆!マリユスの家に行こう!」

マリユス「おいおい、だから僕の家じゃないってば」

エポニーヌ「え!?ま、マリユス!!?」

マリユス「エポニーヌか、男くんの知り合いだったとは」

JK「ちょっと!いくらなんでもいきなり連れて来いなんて誰も言ってないですよね?」ヒソヒソ

男「あ...エポニーヌの事忘れてた...」

エポニーヌ「お、おはようマリユス」

マリユス「??おはようエポニーヌ」



JK「...まったく異性として見られてないじゃないですか」

エポニーヌ「いいの...私、今幸せだから」

OL「典型的な貢ぐタイプね、エポニーヌ...」

http://imgur.com/vtmqCRk

600まで頑張ったから絵を描いてみた。
自分には絵の才能なんてないと自覚した。
友「お前ギターな」男「弾いた事ないよ!!」からメイドさん。

俺のイメージはこんな感じだった
これから100毎にリベンジするから見とけよお前ら

マウスだよ
りょ



マリユス「こっちだよ」

全員集合した所で美形男子の案内により入り組んだ通りを入る
ヴェ...ヴェルリー通りと読むのだろうか?

JK「うわぁパリって感じしますねぇ!!」

マリユス「そうかい?ここら辺はこじんまりとしてると思うけどな」

男「...おい、エポニーヌ」

エポニーヌ「な、なによ...」

男「バルジャンさんはどうなったんだ」

男「まさか殺したんじゃ...」

エポニーヌ「そんなことしないわよ...ただ、お金欲しさに身柄を拘束しただけよ」

エポニーヌ「ただ、パパがね、悪党と手を組んでたの...パリでも悪名高いパトロン=ミネットっていう集団...」

男「パトロン・ミネット...?」

エポニーヌ「その名のとおり、夜に悪事を働き朝には仕事が終わる意味から名づけられたの」

エポニーヌ「4人のボスがいてそれぞれが沢山の部下を携えてお金を盗むために知恵を働かすのよ」

OL「何だか物騒な話ね」

エポニーヌ「8年と半年前ぐらいだったかしら...そのバルジャンとあなた達がコゼットを引き取る際、いくらでも払うって言ったそうじゃない」

男「い、言ってたな」

エポニーヌ「パパね、たった1500フランしか取れなかった事、後悔してたのよ...まだまだお金を取る事が出来たって」

男「いやいや待て待て」

エポニーヌ「何?」

男「その悪党集団の話やお金はどうでもいいんだ、バルジャンさんはどうなったんだよ!」

エポニーヌ「...さぁ?」

男「てめえ!!」

マリユス「どうしたんだ男くん!そんな恐ろしい形相して」スッ

男「...なんでもない」

マリユス「そうか。ところで、さっき公園で君はユルシュールを連れていた男性について知っていたようだけど」

マリユス「詳しく教えてくれるかな?」

JK「うわぁこの人こんな近くに素敵な女性がいるのに平気でそんな事言うんですね」

OL「関係ないわ。恋は当たってくだけてしまえばいいのよ」

エポニーヌ「くだけたらダメじゃない!?」

マリユス「誰がくだけるんだい?」

エポニーヌ「そ、その...何でもない///」

マリユス「??」

JK「鈍感」

OL「禿げればいいのに」

サラリーマン「まぁまぁ先輩...恋は盲目っていうじゃないですか」

OL「何?あんたこの色男の肩持つ気?」グイ

サラリーマン「ち、違うけど...」

JK「男さんもマリユスさんの恋よりエポニーヌの恋を手伝ったほうがいいと思いませんか?」ニコッ

男「え、笑顔が怖いよJKさん...」

女王「恋とは一体なんじゃろな」

チルチル「僕たち子供にはまだ早いものだと思うよ」

警官「ケッしょうもね」

警官「所でよ、マリユス?だっけ」

マリユス「何かな」

警官「...さっきからお前と同い年ぐらいの奴等がこっちを見てるのは何だ」

こっからの展開はかなり難航してる
しばらく書き溜めが多くなります


レミゼ編を読んでない人のために前半の要約
レミゼ編は>>317から

レ・ミゼラブルの世界にやってきた男たち
元の世界で謎の能力を駆使して人殺しを行っていた警官の襲撃から逃れ
男たちはさっきまで工場で働いていたファンティーヌという女性と出会う
彼女の案内により工場には戻ってきたものの、工場で働いていた人は皆殺しにされ、
社長は重傷、従業員は殺されてしまう

凄惨たる光景を前にうろたえていると、工場を経営するマドレーヌ市長、モントルイユに属する
警察官、ジャベールが現れ自分達が犯人だと疑われる
しかし、ジャベールの血だらけの警官を見たという発言、自分達はやっていないと反論したことにより
マドレーヌ市長は社長の状態も考え、警官を捕まえるという条件と交換に男達のために宿をとる

その後どうするか考えていると警官がJKのおっぱいを揉むために現れる
しかし、彼は愚かだった...JKの能力はオナニーするとほひんひんが立ち
絶頂すると強制的に射精させられるという恐ろしいものだったのだ

イカされ気絶した警官を捕まえた男とJKは一度宿まで警官を運ぶ
市長に報告するために市長を探しに行くと馬車が崩れ下敷きになっている市民がいた
市民を助けようとすると市長が現れ、協力して市民を助ける
その現場を見ていたジャベールは、市長の動作を見て市長が過去に
自分が捕らえた囚人、24601号であることを思い出す

市長は昔、姉の子供のためにパンを盗み懲役を食らうが逃げ出していた
19年間過酷な環境で働かされ続けた彼の心は荒み、助けてくれた神父から銀の食器を
盗み逃亡してしまう。勿論すぐに取り押さえられ彼は再び神父の前に現れる事となった
再び牢屋に入れられる...そう思った彼を神父は神の御心のままに罪を許す
それどころか立派な蜀台までプレゼントしたのだ
神父はこれを使って真っ当な人になりなさいと助言し、彼はジャン・バルジャンという名を捨て
マントルイユで市長として人々のために一生懸命生きる事を誓った

市長の過去話を聞き、時間が進みだした
その間にジャベールは自分の立場を守るために偽の24601を捕まえ、バルジャンに報告する
自分と関係のない人が捕まったことにより罪の意識を感じるバルジャンだったが、
神父の言葉を思い出しマドレーヌ市長という偽りの名前を捨て、自ら
「私こそが24601、ジャン・バルジャンだ」と名乗り出る。

時間が経過するという混乱に紛れて警官が逃亡するものの、ひとまず目標のバルジャンの
ストーリーを完成させるために男たちは追ってくるジャベールの手からバルジャンを逃がす
その少し前、バルジャンが訪れた病院にて衰弱するファンティーヌが眠っていた
彼女はモンフェルメイユで暮らしている娘コゼットのため。日夜体を売る商売をし
性病を患い瀕死の状態だった。彼女をクビにした事により追い詰めた事をしった
バルジャンはファンティーヌからコゼットを託され、迎えに行く決心をする

逃亡したバルジャンを追うため、男達はコゼットがいるという宿を探す
道中、警官に再び襲撃されるも男の能力、鍵を剣にする力が発動、見事撃退する
人殺しの警官と一緒にゲームクリアなんて出来ないとメンバーが言う中、
男はゲームを仕組んだ神を殺すために警官を仲間にするべきだと提案する
反対の声もあったものの、乗り気になった警官は人殺しをしないことを条件に仲間になる
警官の能力は物体、自分の体を透明化するというものだった

コゼットが見つからないのでひとまず休息をとるために宿をとると
ゲームを仕組んだ神の遣い、天使が現れ男を誘拐してしまう
誘拐された男はモンフェルメイユの森に下ろされ天使に逃げられてしまったものの、
そこでバルジャンとコゼットを発見。バルジャンはコゼットをテナルディエ夫婦から
引き取るために宿に向かう。そこまで見送った男はレベル2、位置を繋ぐ能力ワープを発動させ
今度は社長、警官を連れテナルディエ夫妻の経営する宿屋に戻る

テナルディエ夫婦はコゼットを引き取るなら今までの養育費を払えと
バルジャンに有り金全てを要求する。憤慨した男はゲームかくれんぼで
コゼットの養育費を掛けテナルディエ夫婦と勝負する
警官のレベル3発動、男のワープにより完全勝利を収めコゼットを引き取るものの、
再びジャベールが追ってくる。バルジャンとコゼットをパリの修道院に逃がした男は
ジャベールと対決、なんとか勝利するも社長が傷により死んでしまい後悔する
社長の能力を引き継いだ男はモントルイユの宿に戻り眠りにつく

これでゲームは終わったかに思えたが...?
後半は>>554から
複雑な話ですまぬ

一回ageます
後で0番ホーム更新するかも

男「!!」バッ

サラリーマン「な、なんだよ!!てめえら俺たちをどうするつもりだ!!?」

マリユス「どうもしないさ...おーい!!この人達は僕の友達だ!!軍や警察の人間じゃない!!」

囲まれたと気付いた時はしまったと思ったが、
どうやら敵ではないらしい
ぞろぞろと若者達が小さな通りに集まってくる
その数はおよそ20人ほどだ

アンジョルラス「そんな事は見てわかる!だが余所の国から来た振りをしてスパイだったらどうするつもりだ」

マリユス「聞いてくれアンジョルラス!僕はただ彼のユルシュールについて知っている男くんと色々話し合いたいだけなんだ!」

アンジョルラスというマリユスにも引けを取らないその美少年は、
一見大人しそうに見える綺麗で落ち着いた服を着ているが
どうやら中身は男らしさで溢れているようだ

アンジョルラス「またそれか...マリユス、お前今恋なんかに現を抜かしている場合か?」

マリユス「...それは」

OL「まぁまぁ落ち着いて、アンジョルラス?くんだっけ」

アンジョルラス「何だよ」

OL「私たちは日本からこの世界に来てこのエポニーヌと出会ったの」

エポニーヌ「え?」

OL「で、エポニーヌがフランスの美味しい料理を食べたいならマリユスに案内して貰えーって言うからね」

OL「それで彼女の紹介でマリユスに接触して今に至る訳」

マリユス「なんだ、エポニーヌが僕を紹介したのか」

エポニーヌ「ちっちが///」

アンジョルラス「...ちなみにどこの店に行くつもりだ」

女王「マカロンじゃ!!」

アンジョルラス「マカロン?」

アンジョルラス「マカロンってなんだ?」

女王「ふっ...そのようなものも知らん下賎な者だったとは...仕方あるまい!」

女王「このハートの国の女王の儂自ら紅茶のお供となるマカロンについて教えてやるぞ!!」

男「お、おい...」

女王「光栄に思うのじゃ!」フンスッ

男「何ドヤ顔決めてるんだよ...」

アンジョルラス「ハートの国の女王って...」プルプル

女王「む?」

学生たち「あっははははははははは!!!!!」

女王「な、何故笑う!!?」

学生「不思議の国のアリスだろ?懐かしいなぁ」

学生「俺も子供の時よくおふくろに読んでもらったっけ」

アンジョルラス「お嬢さん、君はまだまだ小さいからな...物語の世界と現実の境が見えなくなるのは分かる」ククッ

アンジョルラス「だがな!見たとこ君ももう10歳にはなっただろ?」

アンジョルラス「そろそろママのおっぱいから離れて少しずつ大人にならないとな」ププッ

女王「わ、儂はもう14歳じゃああああ!!!!」

学生「見栄を張るなよ女王様!!そんなまな板の女の子が14歳な訳ねえだろ!!」

学生「こりゃいいや!今日のティータイムの肴にすっか!!」

あっはっはっはっは...

女王「うぅ...」プルプル

チルチル「お姉ちゃん...ファイトッ!!」

女王「うるさい愚民ども!!お前たちなどもう知らぬわあああああああ!!!」ダダッ

男「おい!!どこ行くんだよ!!」

チルチル「ぼ、僕が追いかけるよ!」

男「...いや、大丈夫だ」チャキッ

アンジョルラス「おい!?いつの間にそんな剣を!」

男「あー...とりあえず誰か話しといてくれる?」

OL「いいわよ、私たちが話をしておくわ」

OL「物語の住人たちとね」

男「はは、頼みます」

警官「待て、俺も行く」

男「は?何でだよ」

警官「美少年様に囲まれて仲良しごっこなんざごめんだ」

警官「どうせなら可愛い白人女性様と話がしたい」

男「はぁ...逃げるなよ」

JK「男さん!待ってますからね」

男「うん、すぐ戻るよ」

カチャリ

マリユス「消えた!?男くんと背の高い方は一体どこに!?」

OL「あなた達は顔ばっか良くても頭の中は空っぽね」

アンジョルラス「何だと!この俺を馬鹿にしてるのか!」

OL「はぁ...初対面に向かっていきなりスパイだとかほざいてる時点で男らしくないのよ」

アンジョルラス「ふざけるな!お前も国王を支持しているのならばこの場で殺すぞ」

サラリーマン「ちょっと待てよ!さっきからスパイだとか国王だとか意味わかんねえ!」

サラリーマン「誰か分かりやすくどういう状況か教えてくれ!」

マリユス「......思想の違いだよ」

JK「思想?」



リュクサンブール公園

女王「はぁ...はぁ...」

男「よ!大丈夫か?」

女王「む、男か...」

警官「俺もいるよぉん」ケケケ

女王「お主には会いたくない!どっかに行けぇ!!」

警官「言われなくても、女王様♪」スゥー...

女王「キィー!!むかつく!!!」

男「ほら、早く戻ろうぜ」

女王「...ふん!どうせお前も儂を子供扱いするんじゃろ」プイッ

男「随分ご機嫌斜めだなぁ女王様」スッ

そっと手を差し出す

女王「だから!やめるんじゃ!!」パシッ

男「いって!何すんだよ!」

女王「どうしてじゃ!!儂は女王様じゃぞ!!?立派なお城に100人は超える部下も持っておる!」

女王「お前みたいな一般人なぞ本来この儂を見る事すら一生叶わぬものじゃ!!」

女王「それを軽々と誘拐してこんなとこに連れてきて...挙句の果てはほったらかしにして他の女子とばかり喋りよって!!」

男「誘拐ってお前が勝手についてきたんだろ...それにJKさんは仲間なんだし喋って当然じゃん」

女王「それに!!この儂をぶったあの気色悪い背高のっぽまで仲間に引き込んで!」

男「おいおい...確かに警官の野郎は気持ち悪いけど今はもう一番心強い仲間じゃねえか」

女王「あああああもう嫌じゃ!!お前なんて大嫌いじゃああ!!」

男「何でそんな怒ってるんだよ...構わなかったのは悪かったけどさ」

女王「さっきだって全然助けてくれなかった...」グスッ

男「悪かったよ、ちゃんと俺が責任持ってお前を国に帰してやるから」ナデナデ

女王「そういう問題じゃない!!」

男「じゃあどういう問題なんだよ!!」



天使「ほーんと鈍い男ですねー」ニパー



男「お、お前は!!」バッ

男(またどこからともなく出てきた...)

天使「もう!とにかく速さが足りない!!のんびりしすぎですよ!!」

女王「ま、また女子をたぶらかして...責任をちゃんと取るつもりがあるのか男よ!!」

男「待て待て...話がややこしくなるからお前は黙っとけ」ガシッ

女王「ふがー!!」ジタバタ

男「一体何の用だよ」

天使「思想の違いって怖いですよねー」

男「は?」

天使「人間って自分が育ってきた環境、見てきた物聞いた話経験した事全てが常識だと勘違いしますよね?」

男「何の話だ...?」

天使「で、精神が大人になるともう長年培ってきたその常識は一生広がることはない...つまり偏見になるんですよ」

天使「よくあるじゃないですか!団塊世代がテレビを見ながら今の若い世代はやれ根性がないだの、やれやる気が足りないだの」

天使「自分達が若い頃の方が根性がないからろくに学校も行ってない、喧嘩に明け暮れる毎日、イライラしてたら親兄弟他人やファミレスの店員に八つ当たりしてストレスを発散してたくせに」

天使「それはもう思想が今の若者についていけてないからなんですよねー。つまり思想の違い」

天使「醜い...醜すぎて美しい!!だからあんなに色んな物語や映画を作ったり出来るんですね!!!人間って凄い!!凄すぎて怖いわー」

男「こ、怖...」

天使「あ!失敬!話がずれちゃいました!つまり私が言いたいのは若いうちに何でもやるのはいいけど、後悔はするなって事です」

男「"思想の違いが怖い"からなんでそうなんだよ...」

うすら笑いを浮かべて支離滅裂な持論をこねくり回す金髪の少女は朗らかに言った

天使「えへへ...どうせなら死ぬ前に告白した方がいいんじゃないですか、そこの女王様?」

女王「!!」フガフガ

男「どうせって何だよ...俺はもう誰一人死なせたりなんかしないからな」

天使「ひゅー!!流石主人公!!主人公と言えば出てくる女性キャラ全てをいつの間にか虜にしちゃってでも本人は鈍感だから気付かないのが相場ですよねー」

天使「どうして日本の漫画や小説ってそんなのばっかりなんでしょう?」

男「主人公なんかじゃねえし誰も虜になんか出来てねえから...もうすぐクリアするから首を洗って待ってろ」

天使「おお怖い怖い!!ま、そんな真っ直ぐな所がカッコイイんじゃないですか?ねえ女王様?」

男「何でさっきから女王に質問してんだよ」

天使「まだ分からないんですかぁ?」

天使「ハートの国の女王様はね、男さん、あなたに恋してるんですよ!」

男「!!」

天使「あっ言っちゃった♪てへぺろー」

女王「ぷはっ!ち、違うぞ男!!お前のような一般市民など全くもって興味ないぞ!!」アタフタ

天使「人生急がば急げ♪恋もゲームも早め早めにやっておかないと駄目って事ですわ」

天使「あ、ちなみにこの世界をクリアするためにはジャン・バルジャンだけを助ければいい訳じゃないですよ」

男「何!?他に何をすればいいんだ!!」

女王「話を聞けぇ男ぉ...」ギュッ

天使「もう一人の主人公を助けること...その主人公は大人達との思想の違いから一種のデモに参加しちゃいますよ」

天使「これがまた泣かせるんですよー...あっもう一回DVD見てこよーっと」スゥーッ

男「おい!!また消えるな!!話は終わってないぞ!!」

女王「うぅ...そんなに儂の事はどうでもいいのか...」ポロポロ



男「くそっまた逃げられた...」

女王「うぅ...」

男「女王...」

分かってる

未だにちょっと信じられないけど
まさか物語の住人が俺たち人間に恋するだなんて

男「ほら、帰るぞ」スッ

女王「うわあああぁぁん...マカロン食わせろぉぉぉ...」ギュッ

男「もっと上手に誤魔化せよ」

今は妹みたいな存在だとしか思っていなかったし
俺には神を殺すという使命がある

こういうのって難しいなぁ...
例えるなら友達の妹が真剣に告白してきた時のような
感じなのだろうか...

手が痛い
女王の小さな手が思いっきり俺の左手を握り締めているからだ

女王「あぁもうっ...何だというのじゃあの女は...」

独り言を呟く女王を片目に、ふとこんな妹がいたらいいなと思う
めんどくさいし我が儘だけど一緒にいて楽しい存在

男(不安だよな...一人きりで俺たちの世界にやってきて...頼れるのは俺だけの状態だったんだし)

男(思想の違い...それが何を指すのか分からないけど、俺はずっとゲームクリアと仲間を守る事ばっかり考えていたのかな)



サラリーマン「...ガキが大人を守ろうとしてんじゃねぇよ」

OL「そうよ...あの人の分も私たちがあなた達子供を守ってあげるから」



男(...俺もまだまだ子供だなぁ)ツゥー...



市民「アイス屋が来たぞー!!行こうぜ!!」

市民「アイスと言えばトルコ!!」

市民「美味いけどあのジョークが毎度めんどくさいんだよなぁ」

ざわざわ...

男「ん?何だ?」

女王「アイス?シャーベットのことか...」

女王「男...アイス食べたい」

男「...あぁいいよ、行こうぜ」ニコッ


公園の中央付近に出来た人だかりを掻き分けるとその噂のアイス屋さんが準備を終わらせた様だ

トルコ人「イラッシャイ!マイドオナジミ、トルコノドンドゥルマダヨ!!」

女王「ドンドゥルマ?シャーベットじゃないのか?」

カタコトの怪しい髭を生やしたトルコのアイス屋さんの顔はくしゃくしゃで気持ちいい笑顔だ

トルコ人「アラカワイイオジョウサン、トルコノシャーベットハイカガ?」

女王「お、おぅ...ひとつ貰おうではないか」

男「へーこの時代にもアイスクリームって存在してたんだなぁ」

市民「へへ...お嬢ちゃん、トルコアイス初めてみたいだぜ」ニヤニヤ

市民「こりゃ主人も喜ぶぞ」ニヤニヤ

男「???」

トルコ人「コーンモッテ」サッ

女王「お?何じゃこれは?」

トルコ人「ヨイショット...」

とろぉーっ

女王「おお!!何じゃその粘り気のあるアイスは!!」

男「なるほど...鉄の棒にアイスを練り飴を取るように巻いてお客さんの目の前で乗せてあげるのか」

トルコ人「オマタセ!ハヤクタベテ!!」

女王「おぉ!!これは素晴らしい!!では早速...」アーン

すっ

女王「...あれ?アイスはどこじゃ?」キョロキョロ

トルコ人「ココダヨーン」ニコニコ

男「...ははっなんだそりゃ!!」

アイスをコーンに乗せたと思ったらコーンごと遥か上空に持ち上げられてる...
そりゃそうだ、トルコアイスはあんなに粘り気があるんだから

トルコ人「ハッハッハ!ジョークジョーク!!カルイトルコジョークダヨー」

市民「見ろよアイス屋のやつ上機嫌だぜ!」

市民「久々の初見のお客だもんなぁーしかも小さな子供だし」

女王「わ、儂のアイス返せ!!」ピョンッピョンッ

トルコ人「アハハ!ソノハンノウ、スゴクウレシイ!ハイ!ユックリタベテネ!」スッ

男「結局自分で渡すのかよ!!」

女王「おおおお!!こ、こんなアイス儂の国では存在していなかったぞ!!」

男「...子供みたいにキラキラ目を輝かせやがって」ハハッ

丸くてもちもちとしているアイスを口いっぱいに頬張り食べる女王様は上機嫌だ

トルコ人「キミハコノコノオニイサンカナ?」

男「あ、はい」

トルコ人「キョウダイナカヨクタベナヨ」ニコニコ

男「...ありがとう」


コーンを受け取るとバニラ味のアイスを乗せてくれた
そして俺のトルコアイスはコーンごと遥か上空に持ち上げられ観衆は再び沸き上がる
苦笑いをしていると太っちょのナイスガイな主人はとても悲しそうな顔をしていた

ガチャリ

ヴェルリー通りに戻ってくると先程の若者達の群れは消え
小さなパリの町は夕焼けに身を任せ孤独を愛していた

男「あれ?誰もいないな」

女王「のぉ?男よ」

男「ん?どうした」

女王「...さっきの金髪の女が言っていた事じゃが」

男「...」

女王「あれは戯言じゃ!!」

女王「儂がお前のような下賤な者を愛するなど甚だしいにも程がある!!」

男「...はいはい」

女王「...じゃが、少しはお前にもいい所があると思っておるぞ」

男「当たり前だろ」

小さな女の子がその手に持っているアイスは粘り気なんて
とうの昔に忘れたかのように溶け出していた

女王「あ...いかん!儂のアイスが溶けてしまう!!」

男「おいおい、口の周りにいっぱいついてるぞ」

女王「...ふふふ」

べちゃっ

男「...冷た」

女王「はっはっは!!ざまあみろ!」

男「この野郎!!」

べちゃっ

女王「冷た!!よくもやってくれたな!!」

互いにアイスを口ではなく顔面全体で食して戯れた
喧嘩だ。兄妹喧嘩。



JK「もう!何してるんですか!!」

男「あ、JKさん」

女王「男ぉ!!早く儂の顔を綺麗にするのじゃ」

男「はいはい...」フキフキ

JK「うふふ...女王ちゃん、もう元気になった?」

女王「ふん...見ての通りじゃ」

JK「そっか、良かった」ニコッ

女王「...可愛いのぉ」

JK「え?私が?」

女王「お前みたいなのがいつの時代も愛されるんじゃろな」

男「女王...」

JK「どうしたの?急に」

女王「儂は生まれた頃からずっとトランプの国を統治しなければならんかった」

女王「トランプ兵達は何でも言うことを聞くしアリスの奴もむかつくが儂の遊び相手になってくれた」

女王「寂しかったんじゃ...ただそれだけで他には何もなかったし...」

チルチル「あ!お姉ちゃん帰ってきたんだー良かった!」ダキッ

女王「やめろ、くっつくんじゃない」

JK「今はそうでもないんじゃない?」

女王「ん?」

JK「だって今の女王ちゃん、とってもいい笑顔してるよ」

女王「...あはは、そうか」

チルチル「???」

男「そうだぜ、お前は一人じゃないんだ」

女王「うるさい馬鹿者!!」ゲシッ

男「痛っ!!ばっやめろよ!地味に痛いんだけど!!」

JK「あはは!良かった!」

女王「何も良くないわ!!」

チルチル「お姉ちゃんまだ怒ってるの?」

女王「む...怒ってなどいない」ムスー



マリユス「やぁ、戻ってきたんだね」

男「マリユス」

マリユス「さっき焼き上がった所なんだけど、食べるかい?」

マリユスがそう言い俺達に差し出したものは
ヒビ割れた大きなクッキーのようなものだった

男「おお何これマリユスが作ったのか!!?」

JK「美味しそう!フランスの伝統料理?」

マリユス「マカロンだよ」

男「へ?」

マリユス「マカロンだよ」

女王「...のぉマリユスよ」

マリユス「何だい?」ニコニコ

女王「儂はこれをマカロンとは認めないからな」

マリユス「何で!!?君のために一生懸命作ったのに!!?」

後で知ったけどこれが噂のマカロン・ド・ナンシー(マリユス風)だったそうだ

女王ともっちりトルコアイスに舌鼓をうっている間、
どうやら皆はマリユスの家で秘密会議をしていたらしい

男「へーここがマリユスの家」

マリユス「だから友達の家だってば」

OL「お帰り男くん」

男「あ、ども」

サラリーマン「うぅ...」

男「え、何で泣いてるんですか」

アンジョルラス「君もわかってくれるか!!」

サラリーマン「ああ分かるぜアンジョルラス!!俺も大学の頃は教授の無茶振りにデモを起こしたってもんだ!」

男「えーっと...」

OL「はぁ...馬鹿は馬鹿と共鳴するのね」

狭い二階建ての家に何と先程の学生達が全員ぎっしりと詰まっていた
く、苦しい...小さい頃ペットショップでハムスターが同じように
なっていたのを見たことあるな...

アンジョルラス「諸君!!彼らは我々の友人だ!!」

アンジョルラス「我々の思想に同意してくれるどころか涙を流し話を聞いてくれた!」

学生達「うおおおおおおお!!!!!」

男「うるせ...今一体どういう状況なんですか?」

OL「はぁ...それがね...」



JK「思想の違いって...どういう事ですか」

アンジョルラス「しらばっくれやがって...」

マリユス「まぁまぁアンジョルラス...僕から話すよ」

マリユス「今のフランスはね...まさに地獄なんだ」

OL「地獄?リュクサンブール公園にいる人たちはまるで楽園に住んでいるかのようだったけど」

アンジョルラス「そりゃ宮殿付きの公園だ...浮浪者が溜まると警察が出動するに決まってる」

マリユス「通りに浮浪者がいただろ?あれは年々増えてるんだけど原因はまさに国王にある」

OL「なるほど...そういうこと」

JK「え?え?一体どういう事ですか??」

サラリーマン「そうだぜ先輩!俺にも分かりやすく教えてくれよ!!」

OL「もう...この子達は革命軍って事よ」

JK「革命軍?」

アンジョルラス「そうだ!!俺達はABC(ア・ベ・セー)の友だ!!」

マリユス「民衆の地位向上を目指す会だよ」

OL「確か1830年にフランスは大不況に陥ったって学校で教わったわ」

アンジョルラス「あぁ...7月革命は知っているだろ?」

サラリーマン「お、覚えてねぇ...」

アンジョルラス「マジか...お前ら本当に何も知らないのか」

マリユス「だから言ってるだろ?彼らは国王のスパイなんかじゃないって」

アンジョルラス「...嘘は言ってないように見える」

OL「本当よ、私達は別に誰の味方でもないの」

アンジョルラス「自由を求めるというのか...いいな」

エポニーヌ「マリユス...あなたまさか政府に対して暴動を起こすつもりじゃ...」

マリユス「...時代遅れの王政復古さえなければ市民はもっと貧困に陥る事なんてなかったんだ」

サラリーマン「つ、つまり?」

JK「どういう事だってばよ?」

OL「NARUTO?」

JK「はっ///」

OL「しょうがない...簡単に説明すると今のフランスは国王の政治により大不況に陥ってるの」

OL「18世紀、フランス革命により民衆は地位向上、貴族が甘い汁ばかり吸っていたのが気に食わなかったのね」

OL「だけど、市民の英雄ナポレオンが失脚した事によって再び国王の座についた者がいる」

アンジョルラス「ルイ18世だ...ナポレオンに恐れをなして逃げ出した情けない奴だったらしい」

マリユス「彼が死んでもやはり次の国王は現れた...名をシャルル10世という」

アンジョルラス「シャルルの奴も勿論ブルジョワ寄りの思想だった!国はどんどん貧困の差が激しくなってしまったんだ!」

マリユス「そのシャルルは例の7月革命により退位せざるを得なくなった...次に現れた現国王ルイ・フィリップはようやくまともだと思っていたんだけど...」

JK「あ!なんか聞いたことある名前ですね!!」

OL「歴史で習うもんね」

サラリーマン(やっべえ何一つ理解できてねぇ...)

アンジョルラス「フィリップは我こそがフランス国民の王だなどと言っていたが結局何も変わっちゃいない!!」

エポニーヌ「...それどころか今年になってコレラが流行りだしたもんね」

サラリーマン「コレラは知ってるぜ!!あれだろ?病気!!」

OL「もうあんたは黙ってて」

サラリーマン「はい」

マリユス「コレラは勿論下層民の者達に容赦なく襲いかかる...それを政府は一切打開しようともしない」

アンジョルラス「それどころかますます貴族と市民との差が広がる一方だ...」

アンジョルラス「我々民衆寄りのラマルク将軍がいなければもうとっくに俺達は暴動を起こしていただろうな」

OL「なかなか大変な時代よねぇ...私だったら国外逃亡しちゃうかも」

マリユス「はは...僕達も日本に逃げれば何とかなるかもね」

アンジョルラス「笑えないぞマリユス...」

マリユス「分かってる...それにユルシュールと何もないままフランスから逃げるなんて考えられないよ」

JK「む!本当に色男様はむかつきますね...」

エポニーヌ「ううん、いいのよ」

サラリーマン「ふーん...だったら王を退位させたらいいじゃねえか」

OL「ちょっと...そう簡単な話じゃないのよ」

アンジョルラス「君もそう思うか!!」

サラリーマン「色々考え込んで悩んでる間に段々貧乏になるなんて耐えられねえよ...」

サラリーマン「日本だって同じく不況なんだ!消費税は上がるし給料だってもう1年はずっと20万しかねえんだよ!!」

アンジョルラス「そうかそうか!!それもこれもすべて王が悪い!!」

OL「...という訳」

男「暴動...もしかしてそれが社長さんの言っていた戦争じゃあ...」

OL「そうかも知れないわね...ただ、その暴動もいつ起きるのか...」チラッ



アンジョルラス「いける口だなぁ!!ほら、もっと酒持って来い!」

学生「おっしゃあいつものとこからかっぱらいに行こうぜ!!」

サラリーマン「ったりめぇだろ!!俺だってまだ23だ!!お前らよりも人生の先輩なんだよ!!」

わっはっはっは...



OL「...本当にこんな子達が暴動なんて起こすのかしら」

男「ある意味始まってる気もしますけどね」

革命のための暴動か...
俺には関係ない話だけど天使の言ってた事も気になるしな

男「もう一人の主人公...考えられるのは...」チラッ


マリユス「ほらエポニーヌも飲みなよ」

エポニーヌ「え!?う、うん///」

アンジョルラス「お前もさぁ...名前の知らない女なんかより近くにこんなに愛してくれる人がいるじゃねえか」

マリユス「ん?誰のことだい?」

エポニーヌ「///」


男「...マリユス?コゼットに恋してるし」

JK「えっへっへ...男さんも脱いでくださいよぉ」ヌギヌギ

男「わぁっ!!?何脱いでんの!!早く服!着なさい!!てか酒臭っ」

OL「あらもう出来上がったのかしら」グビグビ

JK「できあがってなんかいらいれすよー」ヒック

男「ちょっ俺たちまだ未成年じゃん!!お酒なんて駄目だって」

サラリーマン「どうせもう取り締まる警察とかもいないしいいじゃねえか」グビグビ

サラリーマン「俺たちはいつ死ぬか分からないんだ、ちょっとぐらいハメ外したって大丈夫さ」ヒック

男「まったく...」

女王「儂も飲むぞ!!」

チルチル「僕も僕も!!」

男「駄目だ駄目だ、子供はオレンジジュースでも飲んでろ」

アンジョルラス「お?なら男もオレンジジュースしか飲めないな」

男「は!?そんなことねえし!」

マリユス「男くんも飲むかい?」

男「お、俺だって飲めるさ!」

マリユス「まぁ初めてならこれがお勧めかな」ハイッ

男「な、なにこれ?林檎ジュース?」

マリユス「シードルさ、林檎の皮を発酵させて作れる果実酒だよ」

OL「あら洒落てるじゃない」

男「へえ、シードルっていうんだ」

マリユス「フランスでは皆子供の頃から飲んでるよ」

サラリーマン「酒じゃねえのか?」

アンジョルラス「酒だよ、子供はワインなんて飲まして貰えねえからこればっか飲んでたな」

男「何で子供がこれを飲むんだ?」

マリユス「うーん...何でだろ?」

OL「海外じゃ水なんて飲めたものじゃないって聞いた事あるわ」

アンジョルラス「そりゃそうだろ汚いし」

アンジョルラス「俺たちフランス人は小さい頃から果実酒飲んで大人になったらワインが当たり前だから」

男「へーそれは知らなかった」

マリユス「さぁ前置きはこれぐらいにしておいてグイっといきなよ」

男「う、うん...」

グイッ

男「何これバカウマ」

女王「儂も儂も!!」

男「やべっジュースじゃんこれ」グビグビ

マリユス「あはは!一応甘口のドゥーを選んだからね」

JK「ずるーい私にも飲ませて」ガシッ

JK「んっ...ぷはーっ」グビグビ

男(あ...間接キス...)

OL「鼻の下伸びてるわよ」

男「ちっ違います///お酒のせいですよ」

男(てかこれ見られたら女王またすねるじゃん...)チラッ

女王「ぐかー...」

チルチル「お姉ちゃんしっかりして!?」ユサユサ

男「勝手に飲みやがって...まぁ弱くて助かった」ホッ

アンジョルラス「あぁもう全然酒が足りねえ!!」

学生「まだまだ俺の部屋にいっぱいあるぜ!全部シードルだけど」

アンジョルラス「辛口か」ヒック

学生「とびっきりのブリュットだぜ」ニヤリ

アンジョルラス「全部だ!全部持ってこい!」

学生「あいよリーダー!」

JK「男さぁん...やさしくだきしめてぇ?」ギュッ

男「ちょっ胸当たってるって///」

JK「当ててんのよ...」ボソッ

OL「でぇきてぇる」ニヤニヤ

男「やめてくださいよ!!」

サラリーマン「おい男!ちょっとこっち来い!!」

男「もう...何ですか急に...」ヨイショット

呼ばれたから絡みつくJKさんを必死に引き剥がしサラリーマンさんの元に向かう
う...足元には女王やら顔がまっかっかな革命軍もとい酔っ払い学生共が寝転がってるぞ...

男「あぁもう皆酔いつぶれてるじゃん...」

サラリーマン「ほら、これ」ピラッ

男「...」

サラリーマン「ほら隠せ隠せ!!...避妊はちゃんとしろよ?」

男「余計なお世話ですよ!!」サッ

とか言ってズボンのポッケにねじ込む
つ、つけ方とかわかんないんだけど

OL「男くん!この酔いどれちゃんと見といてよ」

JK「えへっえへへ...」ヌギヌギ

男「あああああだから脱ぐなよJKさん!!!」

普段大人しそうな子に限ってエロいんだぜとか友が言ってたな
あーもうこんな時でも俺のジョニーが勃っちゃう...

夜も更けて...

アンジョルラス「ABCの友万歳!!!」

男「いえーーい!!!独裁国家はんたーい!!」

エポニーヌ「あぁマリユス...あなたはどうしてマリユスなの...?」

JK「くぅー...くぅー...」

OL「こんだけ飲むなんて若いと思って舐めてたわ...」ヒック

マリユスの(友達の)家はもうしっちゃかめっちゃか
酔っ払いたちは皆床やら台所やら階段やらで寝てる
サラリーマンさんは全裸でトイレに頭から突っ込んだまま寝てるけどまぁいいか

マリユス「皆ー!バゲットにクロワッサン、マカロンが出来たよー!」

OL「あんた意外と家庭的よね...皆寝ちゃってるし明日の朝食にでも置いておいたら?」

マリユス「あはは...そうさせていただきます」

マリユス「そうだ...その前にパンを持って行こう」

男「おいおいこんな時間に誰に持ってくんだよマリユス~」

マリユス「君もなかなか酒乱だね...彼のユルシュールだよ」

男「え...家知ってるのか!?」

マリユス「実はさっきエポニーヌが教えてくれたんだ...」

マリユス「あはは...彼女の事ばっかり考えてたらいつの間にかいっぱいパンも焼きあがっちゃったしね」

一気に酔いが覚めた...てか乙女だなこいつ!!
そうだ!コゼットの家が分かるのならそこに必ずバルジャンさんがいるはずだ!!

男「...俺も一緒に行くよ」

マリユス「本当かい!?最近物騒だしちょっと不安なとこもあったから助かるよ!」

男「いいよ、俺たち友達なんだろ?」

マリユス「...あぁそうだね」ニコニコ

OL「あら?こんな時間にお出掛け?」

男「はい!ちょっとJKさん見といてくださいね」

OL「嫌よ」

男「え」

OL「めんどくさいから連れてきなさいよ...」ニヤニヤ

男「う...絶対良くないこと考えてる顔だ...」

OL「間違っても無理矢理は駄目よ?後ちゃんと避妊はしなさい」

くそっ!サラリーマンさんと同じ思考回路になってるじゃないか!!
地味に酔いつぶれてるなOLさんも!

男「仕方ない...ここに置いとくのも危険だし連れてくか」ヨイショット

JK「むにゃむにゃ...赤司きゅぅん...」

男「今度は誰だよ...ほら起きて」

マリユス「じゃあ行ってきます!宜しければ階段下に秘密の部屋があるから使ってください」

OL「あらちゃんとレディーの扱い分かってるじゃない...これで鈍感じゃなかったら最高なんだけど」

マリユス「あはは...勉強します」

男「あぁもう!!おんぶするしかないな...」

OL「行ってらっしゃ~い」ヒラヒラー

エポニーヌ「マリユス...」



夜のヴェルリー通りは真っ暗だ
でも月明かりが道を照らしてくれているからまったく見えない訳じゃない
マリユスは紙で包んだバゲットを、俺はJKさんを持ち小さなパリ通りを歩く

マリユス「その子は彼女かい?」

男「いや違うよ...まぁ可愛いしそうなったら嬉しいけど」

マリユス「そうか、君も片思いしてるんだ」

男「君もって...まぁいっか」

マリユスは聡明な男だ
知的で柔軟性もあるし顔もイケてる
正直言って並んで歩くのが恥ずかしい
でもそんな彼も恋と言う単純なものに悩まされている

案外人間というのはどこの国も一緒なんだなぁ

マリユス「男くんは今まで女性と付き合ったことは?」

男「ないよ」

マリユス「僕もだ」

男「マリユスでもそうなのかよ!意外だなぁ」

マリユス「一応職業弁護士だからね、あまり恋するとか考えたことなかったんだ」

マリユス「君は過去に好きな人とか出来なかったのかい?」

男「...いたよ」

マリユス「あ、うまくいかなかった感じ?」

女さん
お茶会で最後に告白されてからずっと片思いし続けようと思っていたけど
最近その気持ちが薄れてきている

自分でもその理由は分かっている
JKさんの存在が段々と自分の中で大きくなっているからだ

男(...ごめんね女さん)

男「何でもいいだろ!今はこの子を愛してるんだよ!!」

少し酔いも残っていたのか、つい大きな声で言ってしまった



JK「へぇ~そうなんだぁ」

男マリユス「あ」

JK「私も~だいすきぃ...えへへ...」

マリユス「良かったね、両想いだよ」

男「いや酔ってるしノーカンだよ...」

だよね?

男「あはは...」

マリユス「素直に喜びなよ」

男「ん...そだね」

JK「ん~...すぅー...すぅー...」

男「やっぱり寝てる」

マリユス「ははは!いいじゃないか!覚えているかもしれないよ」


まぁ確かにそうかもしれないけど今はあんまり
恋に現を抜かしていられないんだよな
生きていなければ結ばれることはないんだ...


宿屋主人「くそ...ジャン・バルジャンめ...俺はてめえから有り金全て頂くまで諦めないぜ」

半刻ほど過ぎ、あと数時間で夜明けになる頃だろうか
俺たちはプリュメ通りという立派な家が並んでいる通りに辿り着いた
ヴェルリー通りみたいにそこら中に放浪者が座り込んでいる事はない

男「へえ...綺麗な通りだなぁ」

マリユス「少し北に行けば宮殿があるからね...この通りは僕たちみたいな学生がいると浮いちゃうなぁ」

角を曲がり少し進むと立派な庭付きの家だ

男「ここ?」

マリユス「エポニーヌが言ったのが本当なら」

マリユス「......あぁユルシュール...君も僕を待ってくれていたんだね」

男「え?あっ...」


コゼット「...彼は」

マリユスが惚れるわけだ
あの小さかった大人しい少女は今や立派なドレスを纏いブロンドの髪は
テナルディエの宿にいた頃から大分伸びて埃ひとつ付いていない
まるで絵画から抜け出した絶世の美女だ

庭園の緑が萌える隙間から彼女は顔をこちらに向ける
どうやらマリユスを見ているようだ
微かに顔を紅潮させているしどうやら両想いだったみたいだな

コゼット「あなたは何度か公園で出会った...それに男さんですよね?」

男「久しぶり!大きくなったなぁ!」

コゼット「ふふふ...あなた様は変わりませんね」

成長したコゼットは俺と同じぐらいの高さまで背が伸びてる...
まぁ数年経ったし俺日本人だし仕方ないよね?

男「うるせ!ほらマリユス、パンあげるんだろ?」

マリユス「あ、あぁ...」ブルブル

男「...緊張してんのか?」

マリユス「そ、そんな事ないよ...」

男「いいから!色々話したいことあるんだろ?」ドンッ

マリユス「わわっ!?」

コゼット「...」

マリユス「...」


  「「あ、あの!」」

マリユス「あ...お先にどうぞ」

コゼット「いえいえそちらこそ」

庭園の扉越しに二人は言葉を詰まらせ見つめ合う

男「...まずは自己紹介からしたら?」

マリユス「あ、あぁそうだね!僕はマリユス・ポンメルシー。ヴェルリー通りに住んでる弁護士見習いです」

コゼット「わ、私はユーフラジー・フォーシュールヴァンです」

男「へ?名前変わったの?」

コゼット「コゼットと言う名は母からつけられた愛称です」

コゼット「男さんに修道院まで案内して貰った後、院で働くフォーシュールヴァンおじさまという方の姪として教育を受けました」

コゼット「そこで頂いた名がユーフラジーですが、今まで通りコゼットと呼んで貰って構いません」ニコッ

男「そ、そうか...色々大変だったんだな」

コゼット「いえいえ...男さんのおかげで無事お父様と巡り会う事ができました」

コゼット「あの時、一人の方が私達のために命を落とされたと父から聞いています...」

コゼット「宜しければ今度お礼を言いたいので失礼かもしれませんが墓標を教えていただけますか?」

マリユス「男くん!君、彼女の恩人だったのか!どうして早く言ってくれなかったんだ!」

男「あーもう二人とも喋るな!俺はあっちで待ってるしまた後で社長さんの墓の場所も教えるからしばらく二人で喋ってろよ」スタスタ

コゼット「え?え?」

マリユス「男くん...」

男「...」グッ

マリユス「...」グッ

お互いにコゼットから見えないように拳を握り締めて親指を向け合った
これの示す意味はよく分からない

男「はぁ...お似合いだなぁあの二人...」

エポニーヌ「うぅ...マリユスぅぅ...」

男「ゲッ!着いてきてたのかよ!!」

エポニーヌ「何がゲッよ!あなた達私とマリユスの仲を取り持ってくれるんじゃなかったの!?」ガシッ

男「ちょっ痛い!首絞まってる!!」

エポニーヌ「ああぁ...コゼット...あんなに美人になるだなんて...」シクシク

男「な、泣くなよ...まだあの二人は出会ったとこなんだしまだどうなるか分からないぜ」

エポニーヌ「見たら分かるわよ...運命の赤い糸で二人は結ばれてる...さっき見て確信を得たわ...」

エポニーヌ「彼は今は貧乏学生だけど祖父の家がブルジョワよ...私の家族なんて逮捕されるわ売り飛ばされるわで散り散りになって...」

エポニーヌ「こんなんじゃ釣り合わないのは分かってた...でも好きなの!どうしようもないくらい彼が好き!」

男「...」

JK「その意気ですよ」ヒョコッ

男「JKさん」

JK「えへへ...酔って記憶飛んじゃってましたけどコゼットさんと再会するとこから起きてましたよ」

JK「もう大丈夫です!」

月がもうすぐ沈みそうなパリの街中で俺たちはコゼットが住む通りに
一番近い角を曲がったところで腰掛ける

エポニーヌ「...でね、落ち込んでいた時彼は優しく私にバゲットをちぎってくれたのよ」

JK「うわぁもうそれは惚れてしまいますね!あぁ胸がきゅんきゅんするー!!」

男(これでバルジャンさんの居場所も分かったし革命運動に備えて非難して貰ったらマリユスを守って終わりのはず!あと少しだ!)

エポニーヌ「あぁ今すぐ逢瀬に乱入して彼の心を奪いたい...」

JK「いいじゃないですか!女の子はいつだって恋する女の子の味方ですから!私は応援してます!」

エポニーヌ「ありがとう...でも、ここは身を引くしかないと思ってるの...」

JK「えーなんで!!」

男(それにしてもガールズトークってちょっとうるさいなぁ...エポニーヌには悪いけど俺はマリユスを応援してるぞ)

ザッザッ...

男「....ん?何だあの集団...」


東の方角から青白い光に照らされこちらまで影が伸びてきた...
変な帽子を被った中年男性が先陣を切り、その後ろに3人の男がついてきている
細長いひょろっとした不気味な顔をした白衣の男と大柄で黒人、どこか冷たい目をしている巨漢に
マスクで顔が見えない杖をつく小柄な男...怪しい...怪しすぎる

男「...てか先頭のやつ!!!あの胡散臭い宿屋のおっさんだ!!おいエポニーヌ!!お前の父親がこっち向かってくるぞ!?」

エポニーヌ「え!?何でパパがここに?捕まって服役中のはずじゃ...!?」

JK「それに後ろの三人...いくらなんでも怪しいですね...まるで犯罪者のような...」

エポニーヌ「...えぇそうよ、彼らがパトロン=ミネットの主要メンバーの三人ね」

男「何だってこのプリュメ通り...しかも真っ直ぐバルジャンさんの家に向かってるんだよ...」

エポニーヌ「決まってるでしょ?」




エポニーヌ「復讐よ...」ボソッ



宿屋主人「ヒヒッ...久しぶりだな小僧」

男「...何の用だよ」

エポニーヌ「やめてパパ!もうこれ以上ジャン・バルジャンを狙っても仕方ないわ!」

宿屋主人「うるせえ!!お前は黙って今まで通り金を盗んでくりゃあいいんだよ!」バシンッ

エポニーヌ「きゃあっ!!」ドサッ

JK「エポニーヌ!」

男「実の娘だろ!?何でそんなことするんだ!」

宿屋主人「何のため?そりゃあ金のためさ」

男「金ならもう渡しただろ!あれで借金も返済できたんじゃなかったのか!」

宿屋主人「たった1500フランぽっちで?そんなのすぐに使い切ったよ」

宿屋主人「俺はな、とにかく生きるために金が欲しいんだよなぁ」

宿屋主人「一生遊んで暮らせるほどの大金がな!やっちまえお前たち!!」

白衣「お前に命令されるのは癪だが金のためなら仕方あるまい...しかし俺がリーダーだ!気安く口をきくな」

巨漢「殺ス!!オレこいつら殺セばいいダロ!!」

マスク男『我々は子供であろうと躊躇無くやる...逃げるなら今の内だ』

男「...こいつら全員殺人鬼なのか!!?」

JK「逃げてエポニーヌ!ここは私たちがどうにかするから!」

エポニーヌ「で、でも...」

JK「いいから早く!」

エポニーヌ「...うん!待ってて!すぐに警察呼んでくるから!!」タタッ



男「頼むからジャベール以外を呼んでくれよ...」チャキッ

宿屋主人「おい待てエポニーヌ!!くそぉ親の言うことがきけねってんだが!!」

男「訛ってるぜ道化師の宿屋さん...!!」

次回更新予定
金曜に0番ホーム

新連載短期集中で
小説:女「私古風な女ですゆえ」やってます
森見登美彦の真似事です

読んでくれてありがとう

男「くそ...住所が割れてるのなら今ここで間違いなく追い返さないといけねぇぞ」

JK「やってやりましょう!男さんならいけます!」

宿屋主人「殺人鬼とやりあうつもりかぁ?」ニタァ

白衣「罪のない子供を殺すのは気がひける...と言いたいところだが」



白衣「俺たちは今まで既に何人も金のために殺してきた」ズイッ



男「っ!?」ガタッ

JK「ど、どうしたんですか男さん!!」

男「い、今、あいつ...凄い殺気を出してきた...」ガタガタ

男「マジだ...マジで人を殺すことに躊躇しない人の皮を被った悪魔...」

JK「そんな...」

あいつ、一瞬凄みを出してきたけどそれだけで腰がひけた...
やらなきゃやられる...それは分かってるけど
今まで戦ってきた相手とはなにかが違う

本気で俺を殺しに掛かろうとしていた

巨漢「オ、オれガ殺ス!!」ダンダン

宿屋主人「お前はうるさいから駄目だってぇ」

宿屋主人「パトロン=ミネットは誰にもその居所がバレないよう行動してるんだろぉ」

宿屋主人「なら今が深夜だからって大騒ぎしちゃ不味いの分かるっぺ~」

白衣「それもそうだな...どうだ、小僧達」

白衣「一つ、ゲームをしないか」

男「何!?」

男(こ、このタイミングでゲームだと!?)

男(もし命を懸けるゲームなら俺とJKさんだけのこの状況はとても危険だ!)

男(でも...今こいつらを追い返すにはゲームに勝つしかない...)

JK「お、男さん...」

男「大丈夫...俺が絶対勝ってみせるから」ゴクリッ

男「いいぜ、やろう」

白衣「ほぉ理解が早くて助かるぞ」

白衣「ゲームは至ってシンプルだ」

男(何だ?一体どんなゲームをするつもりだ?)


白衣「死んだら負けの殺し合いをしようではないか」

男「殺し合い!?」

白衣「こちらも時間がないのでな、手短かに済ましたいと思っている」

白衣「ルール無用の殺し合いだ」ニヤァ

マスク男『まずは一人...』


ザクッ


男「...え」

JK「きゃあああああ!!?お、男さん!!!」

背中が熱いっ...
深くまでナイフかなにかが刺さっているようだ...

男「ぐあああああああ!!?」

マスク男『喚くな...人が集まるだろう』

男「っ...い、いてぇ...」ドサッ

クソォ痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
いつの間に後ろに回っていたんだこの腹話術男は...

男「JKさんっ...早く逃げろ...」

JK「そんなっ...男さんがっ...」

男「いいから早く!!」

男(もう既に勝ち目なんてない...俺が動けない以上ここは逃げるしか...)

マスク男『...とんだ伏兵がいたものだ』

男「あ”?」

マスク『む...ねん...』バサッ

宿屋主人「おい!!どうしたんだ急に!!?」

白衣「近付くな...あいつはもう死んでいる」

な、何だ急に...
俺を刺したはずのマスクを被った男が急に
背中から血を吹き出して死んだ...?

警官「呼ばれてないけどじゃじゃじゃじゃーんっ♪」

白衣「何だこいつは!!」

宿屋主人「透明野郎!!?ずっとここで待ってたのか!!」

男「け、警官...」

警官「んだよ情けねえやつだな!そんなので本当に神を殺すつもりか」ケケケ

JK「警官さん!!お願いっ男さんを!!」

警官「は?いくらマシュマロちゃんのお願いでも俺には男を助ける趣味なんてないから」

JK「そんな...」

男「いや...それでいいんだ...JKさん、肩貸してくれ...」

巨漢「オオオオオオ!!殺ス!!殺ス!!!」ドスドス

警官「うるせえミートボール」パンッパンッ

巨漢「オ、オオ?血?ナんデ?」ドサッ

男(早い...!!殺すことに一切の躊躇いなんてない!)

男(もしあの時こいつが本気で俺らを殺そうとしていたら...)ゾクッ

JK「ひっ...人殺し...!!」

男「警官っ...」

警官「分かってるって!宿屋のオッサンは殺さねぇから♪」

警官「それにこれはノーカンだろ?」

男「...後で迎えに来る」

警官「いらねえよ、ガキは早く帰って寝ろ」チャキッ

JK「とりあえずマリユス達から包帯を貰いましょう!!」

男「うん...はぁ...はぁ...」



警官「...行ったか」

白衣「お前、同業者だろ」

警官「あ?だから何だってんだよ」

白衣「俺には分かる...匂いとお前の目からな!!人を殺したくて殺したくて仕方ない人間だ!!」

警官「きっもちわりい...男が男の匂い嗅いで興奮するとかあんたホモォ?」

白衣「ふん...大方銃を透明化しているんだろう」

警官「能力のこと知ってんのか」

宿屋主人「こ、ここは頼んだぞ!!俺はガキ二人を追う!!」

白衣「やめておけ...相手は拳銃を持っているのだ」

白衣「それに私はお前を助けるつもりなんてない...死にたくなければ物陰にでも隠れているんだな」ギロリ

宿屋主人「ひぃっ!?お、おめさ恩忘れたが!!?」

白衣「何が恩だ...お前は儲け話をよく持ってくるから関わりを持っていただけだぞ」

白衣「もしこの戦いの邪魔をするなら悪いが死んで貰うぞ」

宿屋主人「わ、わかっただ...」

警官(あ、なんか知らんけどこれチャンスじゃね?)ニタァ

警官「死ね♪」パァン



白衣「大体俺たちパトロン=ミネットっていうのはだな」グルリ

ガッ

警官「なっ!?は、歯で弾を受け止めた!?」

白衣「人を殺したって別に何とも思わないどうしようもない集団なのだよ」ニヤァ

警官「ケケ...凄腕マジシャン集団の間違いじゃね?」



コゼット家前

マリユス「お、男くん!?その背中の傷は一体!!」

JK「うぅ...助けてください...」

男「ふぅ...ふぅ...」

コゼット「先程の銃声...もしやと思いましたがジャベールですか」

JK「違います!今はとにかく男さんの傷をっ!!ち、血が止まらないんです!!」

マリユス「...コゼット、どこか部屋を貸してくれないか」

マリユス「友達の命の危機なんだ」

コゼット「えぇ勿論。男さんは私にとっても恩人ですから」ニコッ



プリュメ通り

白衣「私は普段新聞を読む」

白衣「何故だか分かるか?」

警官「さぁな...そんなことよりさっき歯で弾を受け止めたトリックの方が知りたいぜ」

白衣「超反射だよ...私も貴様と同じ能力を持っている」

警官「は、反射って銃の発射速度は秒速300mを超えてるんだぜ...それに弾も透明化してるのにいくら何でもそれはないだろ」

白衣「弾の場所など音でいくらでも判断できる...それに例え目の前で撃たれたとしても私ならば避けることができる」

警官「へ、へぇー...あ、ところでなんで新聞読むんだ?」

白衣「ふふ...それはだな、習慣だ。俺は幼い頃からずっと新聞を読んでいた」

白衣「習慣というものは体に一生染み付くものでだな...俺は」

パンパンッ

警官「ペラペラうるせえなぁ!!発情期の犬かよ」ケケケ

白衣「...なかなかいい火薬を使っているな」ニカッ

警官「こいつぁ相性最悪だな」チッ

警官(何で毎回歯で受け止めるんだよ...見えるんなら普通に避けたらいいじゃねえか)

白衣「話の続きだが、俺は毎朝起きたら必ず新聞を読むように毎晩月が沈む前に人を殺し続けた」

白衣「それはもう毎日一杯のワインを飲むかのように毎日毎日繰り返してきた」

白衣「殺すことに楽しみを覚えてるわけでもないし自分の力を試したいわけでもない」

白衣「ただそこに人がいたから殺し金があるから奪う」

白衣「それこそが人の性だとは思わないか!!?」ビュンッ

警官「ただの無気力じゃねえか!人生楽しんで殺人しなきゃ損よ損♪」スゥーッ

白衣「...ふむ」ピタッ

白衣「流石透明化...てっきり見えないだけだと思っていたが実体まで消せるとはな...」

宿屋主人「きっ気をつけろおおぉ!!そいつはどこからともなく襲ってくるぞぉ!!」

警官「うるせ」バンバンッ

宿屋主人「ひぃっ!!?」サッ



白衣「...」クルッ

白衣「素晴らしい!!硝煙まで直ちに消してしまうとは!」パチパチ

白衣「どうだ!幹部を二人殺したお前ならすぐに幹部になれるだろう!!」

白衣「俺の元で働く気はないか!お前ならばすぐに10000フランは稼げるだろう!!」

警官「ナンバーツーよりオンリーワン♪」バンバンッ

白衣「ふん...」スッ

警官(や、やっと避けた!!?いや、それが普通なんだけどなー)

白衣「ふふ...実体がないのであればいくらナイフや銃を使ったところで俺に勝ち目はないだろう」

白衣「だが!!これならばどうだ?」サッ

警官(あ?んだあのガラス管?)

警官(中身はどうやら透明な液体のようだけど)

警官(めんどくさいし撃っちゃえ)バンバン

パリィンッ

白衣「はははははははは!!!!掛かったな愚か者め!!」

サラーッ...

警官「気化した!?おいおいまさか...」

白衣「お前が今撃ち抜いたこの試験管の中身はだな!猛毒だよ!!」

警官(なかなかやるな...空気を吸うだけで毒とかもはやバイオハザードの世界じゃねえか)

白衣「一応伝えるが俺の体にはこの毒の抗体がある!!つまりいくらでもこの毒をばらまける訳だ」スッ

警官(ゲッ!!?まだ十本以上あるっていうのかよ!!

市民「きゃああああ!?な、何なのあの死体は!!!?あなた一体何者なn」パタッ

警官(!!あ、あの距離でか!!?)

白衣「ははは!!まだ俺とやるというのならこのプリュメ通りを死への道にしてやろうではないか!!」

宿屋主人「やべぇ...俺もう逃げなきゃ死んじまうだ!!!」

警官「いいねぇ...そのクレイジーさはなかなか好きだぜ?」



コゼット宅

コゼット「それでは失礼いたします」

JK「うぅ...」

JK「傷はとりあえず包帯で巻いておいたけど...本当にそ、その...」

マリユス「それで男くんが助かるというのなら僕は一向に構わない!!」

コゼット「ふふ...神からのお告げでしょうか?この歳になって不思議な力に目覚めるだなんて思いもしなかったです」

男「...はぁ...はぁ...」

コゼット「失礼します、男さん」

ちゅっ

コゼット「...無上の愛でございます」ニコリ

JK(うう...男さんとキスされるのは悔しいけど...今はこれしか頼る術がないよぉ...)

JK(大体無上の愛でございますキリッって何なんですか!!キスぐらいでこんな重傷治るならっ)

マリユス「凄い!!コゼット!男くんの傷がみるみる治っていくよ!!?」ダキッ

コゼット「やりました!」ダキッ

JK「えええええええ!!!!!?」

マリユス「......コゼット」ジーッ

コゼット「......マリユス」ジーッ

JK「ちょっ!私の目の前でキスするのやめてください!!」

JK「男さん!!目を覚まして!!起きてくださいよぉ!!」ユサユサ

JK「早くしないと警官さんが死んじゃうかもしれないんですよ!!」ユサユサ

コゼット「待ってください...傷は治っても刺されたショックで意識は途絶えています」

コゼット「自然に目が覚めるのを待ったほうが男さんのためになります...ここは大人しくしてください」

JK「でもっ!!今外で私たちの仲間があなた達を守るためにパトロン=ミネットの殺人鬼と戦っているんです!!」


「一体何の騒ぎだ?コゼットよ」ヌッ


JK「あ、あなたは...」





ジャン・バルジャン「君は...」

JK「バルジャンさん!!」

バルジャン「久しぶりだな!ところで男くんは何故こんなことに?」

コゼット「襲撃でございます、お父様」

バルジャン「...またあいつらか」

バルジャン「わざわざ私たちのためにまた助けに来てくれたのだな、ありがとう」スゥッ

男「......」

JK「...男さん」

バルジャン「ところで君は誰だ?」

マリユス「は、初めましてお父様」

バルジャン「お・と・う・さ・ま?」ギロッ

http://i.imgur.com/dhpQavc.jpg

これでいいのかな
男「0番ホームで君を待ってる」より後輩と京都駅。

どうでもいいけどSSを書き出して4ヶ月経つけど
初めてここでつまんねえ...って書き込まれましたニートです
最近SSじゃなくて小説気味ですまんこ

バルジャン「君...名前は」

マリユス「マ、マリユス・ポンメルシーです!パリで弁護士の仕事をしています...」

バルジャン「ほぉ...それでお偉い弁護士様が私の可愛い娘を狙っているというのだな?」ポリポリ

コゼット「お父様!今はそれよりも!!」

バルジャン「ごほんっ...分かっている、また奴等が来たんだったな」



JK「...男さん」グスッ

JK「いつもあなたは守ってくれるのに...私は何もする事が出来なくてすみません」

JK「今だって...結局私が何かしてあげれたわけでもないし...」



ぎゅっ

男「大丈夫...おかげさまでこの通りだよ」

マリユス「男くん!!」

バルジャン「なんと...もう目が覚めたというのか!」

男「マリユス!バルジャンさん!!無事だったんですね!!」

コゼット「あなたのおかげですよ」ニコッ

男「ははっ...そんなことないよ」

JK「お、男さん...恥ずかしいです///」

男「わわっ!?ご、ごめんっ」バッ

バルジャン「相変わらず仲睦まじいな」

JK「///」

男「...そうだ、警官は!あいつは無事なのか!!」

ズキッ

男「痛っ!!?」

コゼット「まだ安静にしていてください、あなたの傷は表面上は癒えてても中の刺し傷までは完治していないのです」

男「完治って...あれ!?背中の傷がないぞ!」

コゼット「ふふ...これが私の能力でございます」

男「回復能力...そんなのまであったのか」

マリユス「男くん、君のお友達は僕が助けてくる!だから君はここで待っていてくれ!」

男「駄目だマリユス...あいつらは本物の殺人鬼なんだ」

男「それに俺やコゼットと同じ能力を持っているはず...あの瞬間移動使いがいるぐらいだ」

男「多分あの白衣の男がリーダー格...あいつ一人じゃ苦戦してるかもしれない」ググッ



JK「...行かせません」

男「...そこをどいてくれ」

JK「嫌です」

扉の前にJKさんが立ち塞がる
瞳を滲ませた彼女はまっすぐに俺の進行を拒む

男「...今まで危険な事なら何度も乗り越えてきた」

男「それにもう俺は誰も死なせないと誓ったんだ」

JK「駄目です!!そんな状態...ずっと無理して頑張ってきたんですから...」

JK「警官さんなら透明能力があるじゃないですか!!きっと今既にこの場にいていきなり私の胸を触るかもしれませんよ」

男「...ならとっくに揉んでいるはずだ」



マリユス「い、一体何の話をしているんだろ...」

バルジャン「ははは...いいじゃないか、どの道男くんは私達の恩人なんだ」

コゼット「ええ、今こそその恩をお返しする時ですね」

バルジャン「さぁ今日でこの家ともおさらばだな...」スタッ

男「バルジャンさん!?どこ行くつもりですか!!」

バルジャン「なに...ちょっと君の友達を助けに行くだけだ」

マリユス「ぼ、僕も行きます!!」

バルジャン「当たり前だろう!男くん、相手は白衣の男だと言ったな?」

男「...」コクッ

バルジャン「ならそいつは確かに頭の一人だな」

バルジャン「バベか...あいつは何を考えてるのか想像もつかないやつだ」

バルジャン「奴の厄介な所は自称科学者で様々な液体を持ち歩いていることだ...」

男「液体...酸や毒を使うってことか」

バルジャン「ならば私の相手ではない」ガチャッ

男「待ってくれ!あなたに死なれたら困るんです!!」

JK「駄目です!!」ガシッ

男「やめろ!!離せよ!!」



バルジャン「コゼット、危ないから家にいるんだ」

コゼット「はい!危なくなったらすぐに戻ってくださいね」

バルジャン「大丈夫、すぐに終わらせて今夜ここを発つ」

マリユス「今夜!?」

バルジャン「殺人鬼に家が知られているんだ...当然だろう」

男「頼む!!せめて俺も連れて行ってください!!」

バルジャン「...」クルッ

男「バルジャンさん...」



バルジャン「男くん...君は頑張りすぎだ」

バルジャン「何をそんなに生き急いでいるのか知らないがもう少しまわりに頼ることも大事だぞ」

バルジャン「人は一人では生きていけない...それを教えてくれたのは他でもない君なのだから」



男「...俺が?」

バルジャン「さぁ行こうかマリユス」

マリユス「は、はい!!」



男「クソッ...」

コゼット「ふふ...それでは私は自室にいますので」

また後で
家族ゲーム見てくる

ガチャンッ

男「...」

JK「行かせませんよ」

男「何でだよ!」

JK「...男さんのことが好きだから」ツゥーッ...

男「何で...泣いてるんだよ...」





プリュメ通り

警官「オラオラオラオラ!!」パンパンッ

白衣「ハハハッ!!無駄だ!!何度撃ってもこの超反射の前では無力!」

警官「チッ...しかしこの毒霧...厄介だな」

警官(考えろ...どうやって霧の中、銃の弾を避けれるあの怠け者大将をブチ殺すか...)

警官(初めての天敵だからな...いっぱい楽しまねえと)ジュルリ


市民「うがああぁぁ...い、息がっ...」

市民「」バタンッ

白衣「...フハハハハハ!!!出てこないというのならば先にジャン・バルジャンを攫いに行かせて貰うぞ」


警官(それにしてもヤバイぜ...関係ない人間がいっぱい転がってるけどこれ後で俺が怒られちゃう感じ?)

警官(だけどあの霧がなぁ...なんか粘っこいとゆーか...何故かあいつの周りを囲ってるんだよなぁ)

警官(しかも

俺は今風下にいるはずなのにこちらに毒は来ない)

警官(風に左右されないほど重いのか?いや...それほど重いのなら空気中を漂うことはないか)

警官(て事は正解は...)チラッ

警官(となると俺のハイドアンドシークでゼロ距離の銃撃は不可能)




警官「めんどくせー...やめだやめ」スタスタ

白衣「...気まぐれな奴だな」

警官「お前らほど暇じゃないのよ...風俗とかねえのかな」キョロキョロ

白衣「...死ね」

ブオォォォォォ!!!

警官「ぐあっ!!?う、息がっ...」

白衣「ハハハハハ!!!!どうだ!!特製の毒霧だ!吸い込んだが最後、全身を隈なく瞬時に侵すぞ!」

バタンッ

警官「......」

白衣「...消えたまま死んだか」

白衣「哀しい最期だな,,,せめてもの手向けにこの手で頭をグチャグチャに潰してあげたかったのだが」

白衣「あいにくと心眼などといったものは持ち合わせていないのでな」

白衣「さらばだ勇敢な弱者よ...」



バルジャン「待て!!」

白衣「...ジャン・バルジャァン!!!」ニタァ

マリユス「な、何だこの死体の数は!!?」

バルジャン「マリユス...奴がパトロン=ミネットのリーダー、バベだ」

バベ「手間が省けて良かったぞ!さぁお前の有り金全てを出せ!」

バベ「さもないとこの小さな通りの住人を全員皆殺しにしてもいいのだぞ」

バルジャン「...関係のない人間まで巻き込んでしまったのか...」

マリユス「ど、毒でしょうか...皆が呼吸困難で死んだかのように喉を掻き毟ってる...」

バベ「ある種のカエルから取ることの出来るテトロドトキシンだ」

バベ「これを摂取するとたちまちに神経、筋肉を硬直させ息が出来なくなる...」


バルジャン「なるほど...解毒剤もないものを使うとは恐ろしいな」

マリユス「で、でも一体どうやってこんな広範囲に多数の人間を殺せるんですか」

バルジャン「恐らく霧状にしたのだろうな...私一人捕まえるためにここまでするというのかッ!!!」

バベ「全てはこの俺を牢にぶち込んだ貴様への復讐だ」

バルジャン「お前たちを捕まえたのは私ではなくジャベールだった!八つ当たりにもほどがあるのではないか!」

バベ「関係ない...全ては金のためだ」



ざわざわ...

市民「きゃあああ!!?だ、誰か警察ー!」

バベ「...これ以上は顔を出せない」

バベ「さあ今すぐ選ぶのだ!!今すぐ金を置いていくかここで朽ち果てるか...」

バルジャン「...君と戦っていたものがいたはずだが」

バベ「あぁ、さっき毒で死んだよ」

バベ「透明人間め...大人しく仲間になればよかったものを...」

バルジャン「...すまない男くん」

死んだ振りだと思っている

マリユス「てやあああ!!」ダダッ

バルジャン「やめろ!あいつに近づくんじゃない!!」ガシッ

マリユス「で、でもこのままじゃプリュメ通り...いやパリの街が死で溢れ返ります...!」

バベ「ははは...無謀だがその勇気はいいぞ少年!」

バルジャン「勇気を持つことは確かにいい...だが無駄死にするぐらいなら臆病なほうが素晴らしいぞ」

バルジャン「......貴様には感謝しなければな」

バベ「ふっ何のことだか知らないが諦めて降参する気になったのかな?」

バルジャン「いや...だが私も娘がいる」

バルジャン「娘が立派に育ち私の手がいらなくなるまではまだ死ねんのだよ」

バルジャン「そのためには今貴様をもう一度牢に送り返す必要がある!」

パンッ

バルジャン「至高の愛...大切な者を守るために出来たバリアだ」


マリユス「す、凄い!この透明の壁は一体...?」

バルジャン「全てを塞ぐ壁だよ」

バルジャン「あの日貴様らに監禁された後に使えるようになった」

バベ「なるほど毒が効かぬという訳か...」

バベ「仕方あるまい...今日のところはお暇させてもらおうか」クルッ

バルジャン「二度とここに来るんじゃない!!」

バベ「何度でもお会いいたしましょう...貴族さま」ニタァ

マリユス(え!?や、やはり貴族だったのか...?)




警官「まぁ待てよ...まだとっておきのご馳走を用意できてないんだからも少し残っててくれや」

バベ「何!?まだ生きていたというのか!!」クルッ

パンッ!!

バルジャン「銃声!?い、生きていたのか!」

ドサッ

マリユス「う、上から人が落ちてきた!」

フード男「ぐふっ...ど、どうして私の存在に気付いた...」

警官「ケケケ...簡単なこった」シュウゥゥ...

警官「奴の能力は超反射...しかしそれだけではどうも腑に落ちない点があった」

フード男「く...毒だな」

警官「ご名答♪」

警官「いくら毒の霧を用意した本人とはいえ白衣のオッサンが毒に侵されないのはおかしい」

警官「職業柄死体の状態から見て解毒剤のない毒だって分かってたしな」

警官「それに奴を中心に霧は球状に形を保っていたと見られた」

警官「本当なら風に吹かれてもっと死者が出ていてもおかしくないんだけど不思議と白衣オッサンの周りにしか効果がなかったんだよな」

警官「霧が常に形を保ってるのはどう考えてもおかしい...となればそれはもう能力であることは免れない事実」

警官「つまり!ソイツが能力を二つ以上持っているかもう一人毒あるいは水分を操れる能力者がいるの二択が思いつくんだよ!!」

フード男「ふん!だったらどうした!今すぐ貴様を殺せばっ」

パンッ



警官「キャーキャーうるせえよお前は嵐のファンか」

マリユス「うっ...躊躇なく人を殺した...!?」

警官「あらしっく(笑)」

バルジャン「いや...どちらにせよパトロン=ミネットのリーダー格達は殺されても仕方ない犯罪者なんだ...」

バベ「...どうやって見えない霧を回避したんだ」

警官「え?あーあれね」

警官「とっくに逃げてたに決まってんじゃーんっ♪」

警官「死んだフリよ死んだフリ!」

警官「むしろコイツが形を保ってくれていたおかげで見えない毒に怯える必要もなかった訳だし」

警官「こうやってテメエとタイマン出来るなら願ってもなかった状況なんだぜ?」

警官「それはそうとコイツが死んじゃったからな,,,お邪魔しまーす♪」ヒョイッ

バルジャン「...やぁ」

警官「よっオッサン!」

バルジャン「はは、君からしたら皆年配に見えるのかね」



バベ「...うっ」

警官「あ、そうかあいつ死んじゃったから毒が風に吹かれて...」



バベ「うがあああ!!!!」

バベ「く、苦しい!!!助けてくれっ!!」

バベ「た、頼む...もう息がっ!1」

バベ「息がっ...」ガリガリ

バベ「う、腕が......うご...か......」



バサッ


警官「自業自得だぜオッサン...人殺しするってことはいつ殺されてもいい覚悟があったんじゃねえのかよ」

バルジャン「神経毒...恐ろしいものをバラ撒きおって...」

マリユス「喉を掻き毟って...血だらけになって...誰にも助けられずに死んだ...」

>>725
ご名答

次回更新
月曜に0番ホーム

年内の更新はこれで終わりの予定でっす

コゼット宅


庭には小さな噴水がある
噴水を中心に緑が生い茂り月明かりに照らされながら
俺は泣きじゃくる彼女を抱き締めていた

そういえばあの時愛(おっぱいへの)を叫んだのも噴水だったな……

つ、つまりはそういうことか!?

男「えと……合意の上でってことだよね?」

JK「え!?」

JK「は、はい……いいですよ///」



コゼット「ふふふ、人の家の庭でキスしようだなんて卑怯なロマンチストね」

もみっ

JK「!!??」

男「うわぁすっげぇ柔らかい!!」モミモミ

JK「な!なんで胸揉んでるんですかぁっ!!」

男「だってそういうことじゃなかったのか!?」モミモミ

JK「んっ……そ、そういうことってどういうことですかぁ」ハァハァ

JK「やめてください!!」バシンッ

男「痛っ!!」

JK「こういうことはちゃんとお付き合いしてから……じゃなくって!」

JK「私は男さんが一人で突っ走り過ぎてるから止めたいんですよ!」

JK「なのにもうっ……あはははは!!」

男「え?え?」

JK「もう……」ギュッ

男「……あったかい」ギュッ



「大好き」


精一杯背伸びして耳元で小さく囁かれた
心臓が驚き縮こまるのを鮮明に感じる


男「……うわぁキュンってきた!!」

JK「///」

JK「あっあの……」

男「あっはい」

JK「その……当たってます///」

男「わぁごめんっ!!」ドンッ

JK「きゃあっ!?」

ザパーンッ

男「だ、大丈夫!?」

JK「もう……びしょ濡れで最悪」

男「うわぁ本当にごめん……コゼットに着替え貰ってくるよ」

JK「……手貸してください」

男「うん」スッ

JK「えへへ」グイッ

ザパーンッ

男「……」

JK「あははは!!仕返しです!」ニヤニヤ

男「クソ!やってくれたな!!」

JK「……頭冷えました?」

男「……うん、ごめん」

JK「謝ってばっかですね」

男「あ」

JK「そんな暇あるなら自分ひとりじゃなくて皆でゲームクリアを目指しましょうよ」

JK「その、上手く言えないですけど私は男さんが皆を守りたいって気持ち、凄くいいと思います」

男「そう?て、照れるなぁ」

JK「でも!」

JK「守られてばっかじゃ嫌です!せっかく神様が皆に一つずつ能力を渡したんだから私だって戦えます!」

男「その能力で?」

バシンッ

男「何でもないです」

JK「ふふふ……体、もう大丈夫ですか?」

男「うん、まだ全力はキツイけど警官と一緒ならきっとやれる!!」

JK「じゃあ行きますか!」




警官「俺もイクウウウウウウゥゥゥゥ!!!!」モミモミ

JK「きゃあああああ!!!?」

男「お、お前……!!もしかしてもう……」

警官「いやぁ余裕のよっちゃんですわー流石神に最も近い俺!!」

JK「い、一体いつからいたんですか……」

警官「お前らが噴水で乳繰りあってるとこから?」

バルジャン「随分私の家で青春を謳歌してくれているようだな」

マリユス「どうやらその子が男くんの想い人だったようだね」

男「バルジャンさん!マリユス!」

バルジャン「コゼットは勿論無事だろうな?」

コゼット「はい、私はここにいますよ」ニコッ

男「ははは……警官、本当にありがとう」

警官「てめえに礼言われたって全然嬉しくねえよ」

警官「で?この世界はいつ終わるんだよ」

警官「いい加減長いし何の面白みもねえ……このままじゃ退屈過ぎて死んじまうぜえええええ!!」ダダッ

男「ちょっどこ行くんだよ!!」

警官「この世の果てまでカワイコちゃんを探す旅だああああ!!!!」

JK「まぁまぁ、頑張ってくれたんですし今日ぐらいほっときましょ?」

男「はぁ……少しは団体行動とか覚えてくれよな」



バルジャン「もうすぐ夜も明ける」

バルジャン「私たちはこれでお暇させて貰うよ」

男「え?」

マリユス「ま、待ってください!本当にここから出て行くんですか!?」

コゼット「マリユス……」

バルジャン「仕方あるまい……パトロン・ミネットの主要メンバーは死んでもこのパリには沢山の部下がいる」

バルジャン「それにリーダー格のバベをけしかけたのはあのテナルディエだ」

バルジャン「奴がこの町にいる限り我々は安全には暮らせないだろう?」

男「……じゃあ次はどこに?」

バルジャン「そうだな……イギリスかどこかにでも行こうと思っている」

男「じゃあマリユスがコゼットに会えない距離じゃないじゃんか」

マリユス「……僕も仕事をしないと食べて行くので精一杯なんだ」

マリユス「とてもイギリスに行く余裕なんてない」

JK「じゃ、じゃあ二人はもう会えないじゃないですか!?」



バルジャン「何か問題でも?」

マリユス「…………僕とコゼットの気持ちはどうなるんですか」

バルジャン「君が私の娘に恋をするのは勝手だ」

バルジャン「だが私はコゼットを誰よりも愛している」

バルジャン「悪いが命を狙われている以上私とコゼットはパリを離れる事を余儀なくされているんだ」

コゼット「マリユス!」

マリユス「コゼット!愛している!」

コゼット「私もです!あぁ……運命とは何と残酷なのでしょうか」

コゼット「お父様!彼もイギリスには連れて行けないのですか!?」

バルジャン「ならんならん!!私はこの男を認めた訳ではない!」

マリユス「そんなっお父様!!一生のお願いです!!娘さんを必ず幸せにしますから!!」

バルジャン「ええい帰れ!どこぞの馬の骨に娘をやる訳にはいかんのだ!!」



JK「うわぁ……なんか昼ドラみたいな展開ですねー」

男「同じこと思ってたよ……」アハハ…

JK「何とか二人をくっつける事って出来ないんでしょうか?」

男「俺レ・ミゼラブル観た事ないからなぁ……ごめん」

バルジャン「さぁ今すぐ出発するぞ!コゼット!!」

コゼット「……はい」


こうして血に染まったプリュメ通りが大きな騒ぎになる前に
バルジャンさんとコゼットは身支度を済ませ馬車に乗り込んだ

マリユスとの別れ際に手紙を渡そうとしたコゼットだったけど
バルジャンさんが運転手に出発を促せた……



そして夜明けとともにこの物語は終着へと加速していく……





マリユス「はぁ……」

男「落ち込むなよ……ってのも無理な話か」

マリユス「こればかりは僕にはどうしようもできないからね……」

JK「うぅ寒い……とりあえずマリユスさんの家に戻りませんか?」

マリユス「あれは僕の家じゃないよ……」

男「分かってるよ!このままここで塞ぎ込んだって何も解決しないんだからさ!」

マリユス「男くんはいいよね、愛する人と結ばれてさ……」チラッ

男「うっネガティブにも程があるだろ」

JK「ま、まだ付き合った訳じゃないですから///」

マリユス「はぁー……これだからカップルは……」

男「溜め息止めろよ!!」



ジャベール「どうしたのかね悩める若者よ」

男「ジャベール!!」

ジャベール「久しぶりだな少年……相も変わらず喧嘩腰じゃないか」

マリユス「そのおまわりさんと知り合いなのかい?」

JK「て、敵です!私たちの!」

男「ここにはもうバルジャンさん達はいないぞ!!」

ジャベール「ははは……先程こちらへ向かう途中ちょうど擦れ違ったぞ」

男「まさか……」

ジャベール「まだ何もしていない」

ジャベール「確かに奴を捕まえるのは私の大きな目標の一つではあるが今は市民のためにこちらを優先した」チラッ

エポニーヌ「よかった……皆無事だったのね」

男「エポニーヌ……お前あれだけジャベールを連れて来るなって言っただろ……」

エポニーヌ「だって彼しか見つけられなかったんだもん」

男「はぁ……とりあえず俺たちは帰るよ」

マリユス「そうだね……」

男「大丈夫だって、またいつかコゼットに会えるさ」

マリユス「うん、ありがとう」ニコッ




エポニーヌ「…………」ギュッ

JK「あれ?その紙は?」

エポニーヌ「な、なんでもない!」ササッ


ジャベールは確かに市民のために行動していた
だけどそれも今だけだ

またバルジャンさんを見つけたんだから必ず俺たちに接触して
どこに行ったか聞いてくるはず……

パリの朝は寒い……

何とかバルジャンさんとコゼットの無事を確認できたんだ
それだけで良しとしよう

マリユスの(友達の)家に戻ろうとすると、向こうから一人の青年が走ってくる


学生「ま、マリユス!!!大変だ!!!」

マリユス「どうしたんだい?そんなに血相を変えて」

学生「ラマルク将軍が……ついさっきお亡くなりになったそうだ」

マリユス「何だって!!?」

男「ラマルク将軍?」

JK「確か民衆寄りのお偉いさんでしたっけ?」

マリユス「……アンジョルラスには?」

学生「とっくに伝えたよ、早く戻って来いだって!!」

マリユス「マズイな……」

エポニーヌ「……行きましょう?マリユス」

男「ちょっと待てよ!そのラマルク将軍が死んだからどうするつもりなんだ?」

マリユス「そうか、君はあの時いなかったんだね……」

学生「話は後だ!とにかくいつもの居酒屋に集合だ!」

マリユス「ランビュトー通りか!分かった!」

男「ま、待てよ!お前らもしかして戦争する気か!?」

マリユス「……僕たちは実はブルジョワ出身が多いんだ」

男「ブルジョワって、金持ちってことか」

JK「なのに、どうしてブルジョワ賛成の政治が気に入らないんですか!?」



マリユス「思想の違いだよ」

思想……あいつが言っていたことか


男「……思想だか何だか知らないけどさ、どうするつもりだ?」

マリユス「きっとアンジョルラスは革命を起こすつもりだよ」

マリユス「ラマルク将軍以外にまともな政治家なんていない」

マリユス「僕たちは古いしきたりに則り貧困に悩む市民を見捨てた今の王が憎いんだ」

マリユス「だけどラマルク将軍だけは僕たちの考えに賛同してくれた」

マリユス「その将軍がいなくなった今、間違いなくそれが引き金となりアンジョルラスは民衆を従え革命を起こす」

男「つまり戦争だろ?お前が死んだらコゼットが悲しむぞ」

マリユス「……そうだね」

男「革命が起こるのは分かった。けどお前が死ぬのを黙って見過ごす訳にはいかない」

マリユス「だったらどうしたらいいんだ!!」

男「革命とか何とか言って戦争起こして死ぬなって言ってんだよ!!!」

マリユス「もう僕はコゼットに二度と会えないんだ!!」

男「そんなことはない!お金が無くたって無いなら歩いてでも会いに行けよ!!」

マリユス「無茶言うな!!僕だって仕事があるし大事な仲間がいるんだ!」

マリユス「大切な仲間を放っておいて一人で生き延びて幸せになんて……なれる訳ないだろ……」


マリユスの瞳には大粒の涙が浮かんでいる
愛する人と離れ離れになりそして今この瞬間に革命が起きようとしている

男「辛いよなぁ……分かるよ、お前の気持ち」

マリユス「昨日今日出会った君なんかに分かってたまるか!!」

JK「ちょっと!!落ち着いてください!!」

マリユス「大体君はどうなんだ男くん!誰のため、何のために生きているんだ!!?」

男「……そんなの、分からないよ」

マリユス「何の覚悟もない君に僕の気持ちなんて分からないだろ!!僕はっ……僕は……」

学生「……時間がない、急ごう」

マリユス「あぁ、分かった」

エポニーヌ「待ってマリユス!!」




JK「……行ってしまいましたね」

男「うん」

JK「バゲット、結局コゼットさんに渡せてなかったんですね」

男「うん」

JK「これ、どうします?」

男「うん」

JK「はぁ……元気出してください」

男「うん」

ふいに口の中の水分が急に奪われる

男「もがもが……」

JK「せっかくだし食べましょうよ」モグモグ

男「んっ……」ゴクンッ

男「いきなりパンを口に突っ込むやつがいるか!!」

JK「元気出ました?」

男「……ははは」

パンをちぎって無理矢理口に詰め込む
もうあのソルベを食べた時のように涙を流したりなんてしない

男「ごめん、こんな所で諦めたらダメだよな」

JK「うん、よろしい!」ニコッ

男「よし!!あともうひと踏ん張りだ!!!」

男「行こう!マリユスの家まで!!!」

アンジョルラス率いるABCの友は拠点であるサン=ドニ通りにある
居酒屋コラントに集合していた

彼らは先ほど民衆寄りであったラマルク将軍の葬儀に参列し
ここ拠点地であるコラントにて今まさに革命を起こそうと策略をしている

アンジョルラス「ラマルク将軍は死んだ……今こそ民衆が立ち上がる時だ!」

アンジョルラス「今の王政を絶対に許すな!我ら共和主義こそがフランスの未来を切り開く!」

アンジョルラス「俺についてこい!これは革命だ!!」

学生「うおおおおおおおおお!!!!!!!」




マリユス「…………」


男「お前が死んだらコゼットが悲しむぞ」

男「革命が起こるのは分かった。けどお前が死ぬのを黙って見過ごす訳にはいかない」


マリユス「男くん……」

アンジョルラス「おい、マリユス」

マリユス「な、何だい?」

アンジョルラス「ほら、ワインだ」ポイッ

マリユス「ワイン……」パシッ

アンジョルラス「やっとここまで来たな……まだユルシュールを愛しているのか?」ゴクゴク

マリユス「……うん」

アンジョルラス「しっかりしろよな!今日こそは俺たち民衆が政権を取り戻す時だぞ!」

マリユス「…………」

マリユス(もうコゼットには会えないんだ……それに男くん達にも)

マリユス(こうなればヤケだ、僕も、この暴動に参加して……)

エポニーヌ(手紙のことは言えない……どうせ結ばれないなら戦場で一緒に……)

マリユス「……あぁ!!今日は革命だ!!フィリップ王に一泡吹かせてやろう!」

アンジョルラス「マリユスの言う通りだ!!もう俺達は一蓮托生!仲間なんだ!!」


カリスマ性溢れるアンジョルラスはラマルク将軍の葬儀から演説を行い
革命を望む者、貧困に追い詰められている者、民衆達を引き連れコラントに人を集める
彼のその人を惹きつける魅力は、時に小さな訪問者を招いていた


ガヴローシュ「ドはドーナツのド~♪レはレモンのレ~♪」


彼はガヴローシュ。
あのテナルディエ夫妻の実の息子だ

テナルディエ一家はコゼットを引き渡した後、パリに移り住んだ
本来ならば家族皆で仲良く過ごしているはずだったが
彼は両親に愛されず、家には帰らずにバスティーユ公園の象のオブジェの中で暮らしていた

アンジョルラス「おい!うるさいぞガキ!」

ガヴローシュ「オレは子供じゃないやい!立派な戦士だ!」

気丈に振舞っている彼だがその実胸の内は闇を抱えていた
父親がジャン・バルジャンを襲撃した事件が原因で彼の本当の家はなくなっていたのだ

父はろくでなしで遂には罪を犯し牢獄に入れられてしまったがまだ幼い彼は
「いつか自分も愛されたい」と願い父の脱獄を手伝う
そして近くに座り込み自分に気付いてくれるのを待っていたが
たまに帰っていた家の中でもテナルディエ一家は誰とも顔を合わせていなかったため
とうとう父には自分の存在に気付いて貰えなかった


ガヴローシュ「へへっ!ワインいただき!」

マリユス「こらこら、君はまだ小さいんだからシードルでも飲んでなさい」

テーブルの上に乗りガヴローシュは愉快なダンスを始めた
これから暴動が起ころうとしているというのに若者達は勝利を確信し宴を始める……

マリユスの(友達の)家

男「おーい皆って……」ガチャッ

JK「うっ……何ですかこの異臭!?」

サラリーマン「おーおはよう……あれ?学生どもがいないぞ?」プーン

男「サラリーマンさん……とりあえず風呂入ってきてください」

サラリーマン「あ?なんで?」

OL「あんた昨日トイレに頭から突っ込んでたからクサイのよ!」ゲシッ

サラリーマン「」



チルチル「おはよう……」フワァ…

男「おはようチルチル、女王は?」

女王「むにゃむにゃ……違う……そんな岩石みたいなものマカロンとは言わぬのじゃ……」

男「相変わらず寝ぼすけだな……」

話が難しいね
しばらくは更新増えると思います。
レミゼ編ラストスパートがんばるんば。



女王「ふわぁ~…相変わらずパンしかないのか」

男「文句言わずに食え」

OL「で?一体何が起こっているの?」

男「……恐らくこの世界最後のイベント、革命が起ころうとしています」

サラリーマン「お!いよいよ最終決戦か!」

OL「一体誰との決戦よ……」


酒瓶やら食べ残したものが散らばる部屋に点在するテーブルを囲み
最後の作戦会議を開く……


男「とにかく、全員生き延びて主要キャラ全員を守る!それだけを頑張りましょう!」

男「何があっても最後まで諦めちゃいけない……皆で協力して生き残ろう!」

JK「ふふ……もうすっかりリーダーって感じですね」

男「え?そ、そうかな?」

サラリーマン「本当だな…悔しいけど俺、お前みたいに凄い能力を持ってる訳でもないし」

OL「そんなの関係ないわよ…ところであいつはどこ行ったの?」

男「さぁ……コゼットの家からどっかに向かって走っていったきり行方が分からなくて……」

女王「あんな奴いなくても問題ない!そもそも儂はあのもやし男を下僕と認めた訳じゃないぞ!」

JK「まぁまぁ、性格に問題はありますけどなんだかんだ私たち何度も警官さんに助けられてきましたからね」

男「どうせその内戻ってくるさ」

チルチル「これからどうするの?」

男「マリユスは天使が言うもう一人の主人公で間違いない…」

男「だからマリユスを守るために革命を起こす場所に行く」

男「多分軍や警察全て総出動する、ジャベールの奴も必ず現れるはずだ」

サラリーマン「なるほどぉキャスト総出演か」

OL「まさに最大の山場ね……生き残るための作戦は?」

男「うーん……安全な所で革命が終わるまでやり過ごす?」

OL「はぁ……作戦でも何でもないじゃない」

JK「そもそも革命ってどうなったら終わりなんですか?」


その言葉が沈黙をもたらす
答えなんてとっくに分かってはいるけどそれを言い出すのは……




警官「どっちかの頭が取られるまでに決まってんだろ」スゥー…

男「やっぱりいたのか」

JK「つまり……」

警官「いいじゃねえか!俺たちは主人公サイドを守って王をぶっ殺せばいいんだろ!?」

男「それが正解かなんて分からないんだよ!!」

警官「……今更正義のヒーロー気取って甘えてんじゃねえぞ」

警官「そもそもこのゲームが始まった時から生き残る術はただひとつ」

警官「やるか、やられるかだ」

男「極力人は殺さない!!」

警官「おいおいゲームのキャラを殺したからって罪に問われると思ってんの?」

男「そ、それは……」

椅子にだらしなく座りテーブルの上に足を乗せた警官は笑みを浮かべる

警官「誰も敵を殺したってもう罪が裁かれることなんてないんだよ」

警官「ドラクエもFFも敵を殺せば経験値が得られてレベルが上がるだろ?皆ハッピーじゃん♪」

男「そ、それは……」

警官「もういいだろこんな茶番?俺は仲良しごっこをしたくてお前らといる訳じゃねえから」

警官「さっさと王様ぶっ殺してさっさと神になるんだ……試練がいくつあるかなんて分からねえんだぞ」

JK「そんな言い方しなくたって…」

男「大丈夫、こいつの言ってること、間違ってるとも言い難いから」

JK「でも……」

警官「ひゃーっはっはっはっは!!!!ようやく理解してくれたか馬鹿正直で愚かな主役気取りの俺の可愛いパートナーちゃん!」ムチュー

男「やめろ、気色悪い」フキフキ

警官「連れないねー」

OL「確かに作戦にもなっていないしこれ以上無駄話は必要ないわね」

サラリーマン「とにかく行こうぜ?もう始まってるかもしんねえぞ!」

男「はい……」

女王「儂も行くぞー!」

チルチル「僕も僕もー!」

男「お前らはお留守番だ」

陽はすっかり昇りパリの街並みは新鮮な6月の空気に覆われていた

女王とチルチルをマリユスの友達の家に留守番させ俺達は通りに出た
あの学生が言っていた居酒屋のある通りを探す必要はなかったみたいだ


かっちりと着こなした制服に身を包みキビキビと歩く軍隊が一列にある方向に向かっていたんだ


不安はある
俺は確かに躊躇う事が多々あるし自分が生きるために人を傷付けたり出来る度胸もない
そんな甘い考えじゃこれから先の試練だってクリアできるか分からない

けど



JK「きっとこの人達の向かう先にマリユスさん達がいるはずです!先回りしましょう!」

男「……うん」

JK「男さんの考え……私は間違ってるとは思いませんよ?」ニコッ

男「……ありがとう」


今こそ沢山の人の死を無駄にする訳にはいかないんだ!!

ランビュトー通り

アンジョルラス「たった数時間でこれほどのバリケードが完成するとは……これも一重に市民の皆さんのおかげです」

市民「いいって事よ!あたしゃお偉いさんの考えに賛同出来る程賢くないからね!」

マリユス「本当にやるんだな?アンジョルラス……」

アンジョルラス「当たり前だろ!!人は生まれながらに皆平等だ!」

アンジョルラス「俺達人間は助け合い学び合い生きてきた!そうやって先祖から受け継いできた魂を現国王が侮辱しているのは明白だ!」

アンジョルラス「裕福であるものとそうでないものの二種類に分けられ……生まれてきた時から運命を決められるのは間違っている!!」

市民「うおおおおお!!!!!その通りだリーダー!!!」




エポニーヌ「何が運命は決められているよ……本当は家がブルジョワのくせに」

エポニーヌ「私だって好きであんな貧乏な宿娘になんか生まれたくなかったわ」

エポニーヌ「でも、革命はもう止められない……不幸な連鎖はどちらかが滅びるまで続くわ」

エポニーヌ「コゼットの手紙は絶対にマリユスには渡さない……一緒に死ねばマリユスはもう私のもの同然よ……」

革命当日 1832年6月5日 

俺達は軍隊の視界に入らないように先回りをし、恐らく革命軍が建てたであろうバリケードらしきものを発見した
しばらくして軍隊が到着し、ただちに暴動を控えるよう宣告するもリーダーであるアンジョルラスはこれを受け入れなかった
張りつめた空気を掻い潜りアンジョルラス率いる革命軍のバリケードと軍隊を率いる国王軍が見下ろせる無人の家に侵入した
相も変わらず警官の奴は透明化して鉄で出来ていると思われる軍人のズボンをパンツごとずりおろして遊んだりしているようだ……

OL「どう?動きはあった?」

男「いえ、互いに睨み合ったまま両者一歩も譲ろうとはしませんね」

サラリーマン「革命だって言うからもっと戦争みたいなのを想像していたけど違ったな」

JK「でもこれ、まさしく一触触発ですよね」

男「うん……触れたら最後、戦いが始まる」



マリユス「……君、何て名前だったかな?」

ガヴローシュ「オレかい?ガヴローシュっていうんだ!」

マリユス「そうかガヴローシュ。今いくつ?」

ガヴローシュ「12歳だ!文句あっか!?」

マリユス「ははは、そんなこと一言も言ってないじゃないか」

マリユス(12歳…僕なんてまだ遊んでばかりいた年頃じゃないか……)

マリユス(この子はまだ死んでいいような歳じゃない)

マリユス(何とかしてここから追い出せないものか......)

軍曹「これは一体何のつもりだ!事によってお前達牢に送り込むぞ!」

アンジョルラス「俺たちはお前らが忠誠を誓った主に文句がある!」

アンジョルラス「悪いが退く気はない!」

軍曹「愚かな......反逆罪に値するぞ......」

アンジョルラス「上等だ!これは国民の意思なのだからな!!」

男「何を話しているんだ?こっからじゃ全然きこえねえよ」

OL「ねぇ......革命を未然に防ぐ事って出来ないのかしら」

男「確かにそれが出来たら一番だけど......」

パァンッ

男「銃声!!」

JK「バリケードの方からですよ!」


軍曹「......銃刀法違反だぞ」

アンジョルラス「別に誰かを撃った訳じゃない」

軍曹「小しゃくな......市民がそれを持っている事が罪なのだよ」

代理ちゃんご苦労様です

OL「どうやら牽制だったようね」

サラリーマン「でもよ先輩!こんなのもう喧嘩する気満々じゃねえか!」

男「牽制……銃……思想……」ブツブツ

JK「お、男さん?どうかしましたか?」

男「考えろ……考えるんだ、この革命を無事に終わらせる方法を……」

JK「男さん……」


エポニーヌ「ねぇマリユス?」

マリユス「……どうすればガヴローシュを助けられるんだ……」

エポニーヌ「マリユス……」

ガヴローシュ「やっちまおーぜ!!このままにらめっこしてたって革命は起こらないよ」

アンジョルラス「子供だと思っていたが中身は立派な戦士のようだな」

ガヴローシュ「へへっ当然だろ?オレだって男なんだぜ!」


エポニーヌ「ね、ねぇマリユス?もうこの革命を止めるのは無理よ」

エポニーヌ「それなら一緒に戦お?私、マリユスのためなら死んでもいい」

マリユス「命を粗末にするな……僕はせめて子供だけでも助けたいんだ」

エポニーヌ「うぅ……ごめんなさい……」

エポニーヌ(私、人としてダメね……)

エポニーヌ(思えばコゼットが引き取られた時から薄々家族の異常さに気付いていた)

エポニーヌ(私の一家はお金が無ければ盗みに行ったしコゼットのお父さんを監禁したりもした)

エポニーヌ(挙げ句の果てにはあの極悪集団パトロン=ミネットとつるんで……)

エポニーヌ(でも、それは私も一緒)

エポニーヌ(どこをどう洗っても犯罪者の血は拭えない)

エポニーヌ(でも……)チラッ


マリユス「なぁガヴローシュ?ちょっとプリュメ通りまでお使いに行ってくれないかな?」

ガヴローシュ「はぁ?何のため?」

マリユス「薬莢が足りなくなると思うんだ」

マリユス「相手は国を守る軍……きっと潤沢な資産を持ち出してくるはず」

アンジョルラス「心配ない、既にパリ中の弾は買えるだけ買い込んだぞ」

ガヴローシュ「……だってよ」

マリユス「あはは……流石アンジョルラスだね」


エポニーヌ「……」ギュッ

男「……もう夕方か」

OL「お疲れさま、後は私とこのバカで見とくから朝まで休んでなさい」

男「ありがとうございます……」ヨロッ

JK「あ、足が痺れて立てません~」ヘナッ

サラリーマン「休みがてらお前らもあっちの部屋でイチャイチャして来いよ」

男「ななな何言ってるんですか!!?」

JK「そうですよ///」

サラリーマン「俺たち既に3発はヤッたから」ニヤッ

OL「///」

男「……絶対気付いてないよ」ヒソヒソ

JK「OLさんは流石に気付くと思ってたんですけどね……」ヒソヒソ

警官「ケケケ!いやぁ眼福眼福~♪」ツヤツヤ

サラリーマン「お前!今までどこ行ってたんだよ!」

警官「さぁねーどうやら君たちはお・た・の・し・みしてたようだけどねー」ニヤニヤ

サラリーマン「て、てめえもしかしてずっと見てたのか!!」

警官「あーずっと見てたよーなかなか変態的なプレーがお好きなようで」

警官「俺様程度じゃ到底太刀打ち出来ないと心底現実を突き付けられちゃいましたよー!!」

サラリーマン「悪趣味なやつめ……」

OL「いいのよ別に……私達この試練が終わったら結婚するつもりなの」

JK「ええええ!!!お、お二人はもうそんなに親密な関係だったんですね///」

警官「ここは死亡フラグ建築家の集まりか?気持ち悪ぃ……」

男「……透明化……覗き……二人は幸せに結ばれる……」

警官「さっきから何ブツブツ言ってんだよテメーもよ」

男「……そうだ!誘拐すればいいんだよ!」

警官「幼女を!?」

男「お前本当に警察官か」

男「思い付いたんだよ!どちらも傷付かずに革命を終わらせる方法を!」

JK「本当ですか!」

警官「まぁ一応聞いてやる」

男「まぁ任せろよ!」



マリユス「どうしたんだいエポニーヌ……こんな人気のない所に呼び出して」

エポニーヌ「マリユス……」

エポニーヌ「ごめんね……これ……」スッ

マリユス「……もしかして」

エポニーヌ「ええ、コゼットからあなたへの手紙よ」

マリユス「……凄く嬉しいよ」

エポニーヌ「ふふ……良かった」ツゥー…

マリユス「何で泣くんだい!?」

エポニーヌ「私もあなたやコゼットみたいに素直な人間になりたかったのよ」

エポニーヌ「もう悪い事するのはうんざり……大好きなあなたのために良い人間になりたい……」

マリユス「……もう十分いい人だよ」

エポニーヌ「うん……」ポロポロ

マリユス「本当にありがとう」ギュッ

エポニーヌ「……うわああぁぁぁぁぁん」

マリユス「よしよし」




マリユス「……手紙?」

エポニーヌ「え?」

マリユス「そうだ!手紙だよ!どうしてこんな簡単な事を思い付かなかったんだ!!」

エポニーヌ「え?え?」

夜 イギリス

コゼット「あぁ、マリユス……」

新しい新居に向かって荷馬車は揺れる

バルジャン「ゴホッ……ゴホッ……」

バルジャン「クソ……コゼットが幸せになるまでは私は絶対に死ねん……」

バルジャン「だが老いには敵わない……薬に頼っていても限界が来るのは時間の問題……」

バルジャン「気に食わないがこれから素敵な男性を探さなければ……」

バルジャン「……立派な貴族様で優しくていつでもコゼットを守ってくれる勇敢な青年がいいな」ニヤニヤ

コゼット「マリユス!」

マリユス「コゼット!愛している!」

コゼット「私もです!あぁ……運命とは何と残酷なのでしょうか」

コゼット「お父様!彼もイギリスには連れて行けないのですか!?」



バルジャン「……ふん」

バルジャン「私のコゼットを誑かしよって……」

バルジャン「まぁ多少いい所はあったかな」



コゼット「ここが新しい家ですか?」

バルジャン「あぁ、数年前から既に購入はしていたがな」

コゼット「ふふ、用心深いですね」

バルジャン「これも全てお前を守るためだ」

コゼット「……お気持ちは嬉しいのですがお父様」

コゼット「何か私に隠していませんか?」

バルジャン「な、何の事だ?急に」

コゼット「時々思うのです……何故あなたはあのテナルディエ一家やジャベール警部に追われているのかと」

バルジャン「それはか弱いお前を守るため……」

コゼット「追われているのはお父様です」

バルジャン「……娘を誘拐すれば私に多額の金を請求出来る」

バルジャン「すまないな……何度も危険な目に合わせて来て」

コゼット「テナルディエはともかくどうしてジャベール警部にまで追われているのですか!?」

コゼット「何も後ろめたい事が無ければ警察の目など無視すればいいではありませんか!!」

バルジャン「それはだな……」

コゼット「お願い致しますお父様……」

コゼット「私は父として、一人の友人としてあなたを尊敬しています」

コゼット「せめて……お父様の真実だけでも教えてください」

コゼット「そうしないと私……マリユスの事……」

バルジャン「……外は寒い」

バルジャン「中で話す、一緒に温かい紅茶でも飲もう」

コゼット「はい……」ニコッ


市民「おい聞いたか!パリで共和主義者たちが暴動を起こしているらしいぞ!」

市民「あぁ知ってるよ、何でもランビュトー通りの居酒屋にバリケードを築き上げ立てこもってるらしいな」

バルジャン(パリ?いや、まさかな……)

ランビュトー通り

男「……本当に何も聞こえていないんだよな?」

警官「るっせぇな……さっきからそう言ってるだろ」

JK「き、気付かれそうで怖いです……」ブルブル

俺たちは警官のハイドアンドシークを使い、
誰にも気配すら悟られない完全無欠の透明人間となっていた

やる事はただ一つ
双方の戦力を極力削ぐ事……

つまり圧倒的な力量差を見せつける軍の人数を
減らしていき、ほぼ殺し合いにならない人数にまで
誘拐、拘束していかければならない

軍人「すぴー……むにゃむにゃ……」

警官「ゲーッオッサンをゲッチュするとか気持ち悪っ」

男「いいから抱えろ」

警官「はいはーい」グイッ

JK「私足持ちますね」グイッ

男「……よし!ワープ!」ガチャッ


OL「おかえりー」

こうやって一人一人捕まえてはせっせと
自分達の基地に運び縄で縛りあげていく……

サラリーマン「おい!まだ10人しか誘拐出来てないぞ!」

男「クソ……思ったよりも時間が掛かる……」

OL「起こさないようにしないといけないから仕方ないわ」

JK「もし明日の朝から戦いが始まるのなら、これぐらいの人数を拘束した所で……」

警官「うん♪意味ないない♪」ケロッ

OL「もう革命派の連中を捕まえた方が現実味あるんじゃない?」

男「……もうそんな時間すらないです」

ちょっと早いけど800記念
http://i.imgur.com/rTPqVx2.jpg

勇者「賢者!回復してくれ!」賢者「ンッ…はい」クチュクチュ
から賢者。今回はニュー速VIPで出会った
絵師に描いていただきました。
本当にありがとうございます。

長くてごめん
もうすぐレミゼ編終わるから

警官「いっそ俺が今から軍を全滅させてやろうか?」カチャッ

JK「ちょっと!だから善良な市民達は殺さないって最初に約束したじゃないですか!!」

男「……本当にこんな事して意味があるのか」

JK「男さん!!」

男「もうよく分かんねえよ…アリスの国は2日分しかいなかったのにこの世界ではもう20日以上いるんだ」

男「一人一人登場キャラの思考を紐解くのももうはっきり言ってしんどいよ」

男「いっその事バルジャンさん以外は皆殺ししても…バシンッ

JK「……最低」

男「……ごめん」

警官「いやぁお前の気持ちはよーく分かるね」

OL「アンタは黙ってなさい」

警官「俺ももっと早く終わる世界が良かったぜ? 」

警官「だが俺たちは運悪くこんなつまらない世界に長々と生活せざるを得なくなってしまった」

警官「死ぬ確率は低い世界だとしてもこんな退屈な世界じゃ心は死んだも同然だ」

サラリーマン「黙れって言ってんだろ!!」



警官「もう終わりにしようぜ?所詮ゲームの中だ」



男「……何もかもが上手くいかないんだ」

警官「殺そう」

男「こうなって欲しいって思ってても皆好き勝手に動くし」

警官「いいから殺そう」

男「思想がどうとか愛がどうとか…結局後先考えずに我が儘に振り回されて…」

警官「いいじゃん終わらせちゃおうぜ」



男「うるせえ黙れ!!!」

警官「おー怖」

JK「男さん…」

男「だったら!最後まで振り回されてやるよ!!」

男「バルジャンさんもマリユスも本当好き勝手やりやがって!!」

男「お前ら主人公だろうが!幸せな人生送りたいんだろうが!!」

男「だったらもう勝手にやってくれ!俺たちも勝手にやるから!!」

警官「滾ってるねぇ……どうするつもりだ?」

男「……この物語を、さっさと完結させるのを目指そう」

男「これ以上長い事いても死ぬ確率が上がってくだけだろ?」

警官「……いいねぇ~」

6月6日 朝 革命軍

ガヴローシュ「…ねーこれ本当にオレがやる必要ある?」

マリユス「あるよ、とにかくイギリスに行ってコゼットという人にこの手紙を渡して欲しいんだ!」

マリユス「手紙には応援の要請が書いてある」

マリユス「相手は国中の軍人をかき集めてでもこの反乱を止めに来る」

マリユス「だったらこっちはこのヨーロッパ中から同志を集めるだけだ」

ガヴローシュ「…そーゆー事なら仕方ねえなぁ」

マリユス「よろしく」ニコッ

同時刻 国王軍

ジャベール「随分苦労されているようですな」

軍曹「これはこれは…脱獄囚一人すら見つけられない無能な警部ではございませんか」

ジャベール「私も歳でですね、貴方達みたいににらめっこをし続けてられる程余裕がないのですよ」

軍曹「…今日はどういったご要件で?」

ジャベール「私も法に仕える身として国のために協力させていただこうかと」ニヤリ

軍曹「ほう…」

ガヴローシュ「はぁ…はぁ…イギリスに行けって言われたってどうやってだよぉ!!」タタ

ガヴローシュ「めんどくさい事に大通りは全て包囲されてるし…」

ガヴローシュ「仕方ない!ヴェルリー通りでも通るか!」スタタッ

ドンっ

チルチル「痛っ!!」

ガヴローシュ「ってえな!てめえどこ見て歩いてんだよ!」

女王「それはこっちの台詞じゃ…儂のバゲットが……」プルプル

チルチル「お、お姉ちゃん…また新しいの買いに行こ?」オロオロ

ガヴローシュ「とにかくオレは急いでんだ!悪いなっ!」

女王「待つのじゃ!お前はちゃんと謝る事も出来んのか!」ガシッ

ガヴローシュ「あ゛?やんのか女のくせに」

女王「ほほう……この儂を女王だと知らずに発言したのならまだ許してやらんこともないぞ」

チルチル「あわわ……ど、どうしよう!!」オロオロ


バルジャン「こらこら君たち、何を揉めているんだ?」

チルチル「あ、あなたは!!」

ガヴローシュ「今度は誰だよ…小汚いオッサンまで出てきて」

バルジャン「そう言う君も身なりは立派な浮浪者だぞ」

ガヴローシュ「う、うるせえ!!」

女王「パパー!」ガシッ

バルジャン「ははは…君達ぐらいだったら孫の年頃だと思うんだがね」

ガヴローシュ「……本当の父親なのか?」

バルジャン「そういう訳ではない…だがお世話になった人の妹さんと弟くんでな」

ガヴローシュ「…ふーん」

バルジャン「そうだ、男くん達はどうした?この家の中か?」ヨイショット

女王「~♪」

チルチル「……革命に参加してると思います!」

バルジャン「何!!?何故彼らが!?」

ガヴローシュ「は!?誰だよ!まさかお前ら…」

バルジャン「私達は国王軍にも革命軍にも属してない」

ガヴローシュ「じゃ、じゃあ何処に参加してるんだ!?」

バルジャン「きっと彼らの事だ…今も誰かのために戦っているのだろう」

ガヴローシュ「……国のためでも自由のためでもなく?」

バルジャン「己が生きていくためだ…後悔しないように」

ガヴローシュ「ふーんよく分かんねえの…第三者がしゃしゃり出てくんなよ」

チルチル「お兄ちゃん達は皆を守るために頑張ってるんだよ!」

ガヴローシュ「は?なんだよテメーらはさっきからよ!」

ガヴローシュ「子供のくせに調子こいてんな!」

女王「儂は14歳じゃぞ?お前よりは年上のように感じるが」

ガヴローシュ「……」←12歳

チルチル「あはは…良かったらご飯でも食べに行かない?」←10歳

ガヴローシュ「とにかく!オレは用事があんだ!またな!」

女王「さっさと消え去れ」ベーッ

チルチル「はしたないからやめなよ…」

ガヴローシュ「…やっぱりめんどくさいな」クルッ

ガヴローシュ「ん」スッ

バルジャン「ん?私にか?」

ガヴローシュ「あばよー」スタタッ


バルジャン「………彼は一体?」

バルジャン「手紙か…」クルッ

バルジャン「!!」

親愛なるコゼットへ


マリユス


バルジャン「……」ビリビリ

チルチル「あれ?マリユスって確か…」

女王「人のラブレターを勝手に読むとは悪い奴じゃのぉ」

バルジャン「…………彼も革命に参加してるのか」

バルジャン「そして生き残る事は困難だと言う事も理解している」

バルジャン(そして何より……)


ずっと愛しています
マリユス*?櫂鵐瓮襯掘*


バルジャン「ははは!ただの貧乏弁護士だと思っていたが立派な家系の子だったのか!!」

バルジャン「ポンメルシー家はフランスでも有数の資産家…」

バルジャン「コゼットと共に生きていく資格は全て持っている」

まさか文字化けするとは…
マリユス*?櫂鵐瓮襯掘爾任

マリユス ポンメルシーです

バルジャン(認めよう!だがその前に死ぬな!若者!)ニコッ

女王「何を一人で笑っておるのじゃ?」

チルチル「ね!僕たちもお兄ちゃん達と戦おうよ!」

バルジャン「急ごう!私はどちらかと言えばボナパルティズム派だが革命そのものに興味なんてない!」

バルジャン「いつの世も人が勝手に国を作り上げてきた…私は私の事で精一杯なのだ!!」ダッ




チルチル「何を言ってるかまったく分からないよ…」

女王「そうじゃのお」モグモグ

チルチル「お姉ちゃん女王様なんだよね?」

革命軍 バリケード内

マリユス「ふぅ…」

エポニーヌ「うふふ…優しいのね」

マリユス「罪のない子供まで死ぬ事ないさ」

エポニーヌ「本当にいい人……」




学生「おい!誰だお前は!それ以上こっちに近付くな!」

アンジョルラス「どうした?」

学生「それが変なオッサンがバリケードに近付いてくるんだよ!」

ジャベール「…………」ニコニコ

アンジョルラス「おい!これ以上近付くな!」

ジャベール「おお神よ!今こそ革命の時だ!」

ジャベール「この悪しき国のしきたりを断ち切り再び民衆が手を取り合い助け合うべきだ」


アンジョルラス「……オッサン、いい奴だな」

ジャベール「宜しければこの年寄りにも手伝わせていただけないだろうか?」

ジャベール「先程軍の攻めてくる時間帯も聞いてきた!明日の朝に大軍が押し寄せてくるぞ!」

アンジョルラス「明日の朝が決戦の時か……」

アンジョルラス「分かった!早くそこの隙間から入り込んでくれ!」



ジャベール「誠感謝の極み」ニヤリ

昼 無人の家

男「ジャベール!?何でアイツが革命軍に入ったんだ!!」

OL「これは厄介ね…戦況を掻き乱すためにわざと危険を冒して侵入するとは」

JK「男さん!!どうしますか!?」

男「……行こうって…また一人バリケードに走っていくぞ!?」


ガヴローシュ「へへっ……イギリスなんかに行ってたら楽しみが終わっちゃうよ」タタッ

バリケード内

学生「よろしく!」

ジャベール「あぁよろしく」

マリユス「助かります!今は一人でもいてくれればどれだけ心強いか……」

ジャベール(……こいつはプリュメ通りにいた若者じゃないか)

ジャベール(そういえば一人俯いて座り込んでいたな…私の顔を知らないのは好都合だ)

ジャベール「お力になれるか分からないがやるだけやろう!」

マリユス「はい!!お願いします!!」


エポニーヌ「……なんでジャベールがバリケードにいるのよ」ブルブル

アンジョルラス「諸君!!決戦は明日の朝だ!」

アンジョルラス「朝になれば軍は総力を掛けて俺たちを叩きのめしに攻めてくる」

学生「そんな……やっぱり俺たちに勝ち目なんてないんじゃ…」

アンジョルラス「攻めてくる時間が分かれば今からでも対策を練る事が出来る!」

アンジョルラス「最低限の見張りだけ付け、残りはゆっくり体を休めておくんだ」

アンジョルラス「俺は明日の作戦を考える!」

エポニーヌ「………」ブルブル

ジャベール「どうした?えらく震えているが」

エポニーヌ「!!な、なんでアンタがここに…」

ジャベール「バラすなよ…そうすればお前のどうしようのない家族の犯した罪は見逃してやる」

エポニーヌ「…………はい」

ジャベール(くくく……まぁ嘘に決まっているがな)



学生「おーい!!また誰か近付いてくるぞ!!」

ガヴローシュ「オレだよー!ガヴローシュ!!早く入れてくれー!!」

アンジョルラス「いつの間に外に出てたんだ?勇敢な戦士よ」

ガヴローシュ「ちょっと野暮用でね」ヘヘッ

マリユス(な、何故もう帰ってきたんだ!!?)

ガヴローシュ「へへ…って誰?このオッサン?」

ジャベール(こ、この子供……確か以前バスティーユ公園で万引きしてる所を見つけて逃げられたはずだ…)

ガヴローシュ「ん?オッサンどっかで見た事あるような?」

ジャベール「……人違いではないかね?」

ガヴローシュ「うーん…そうかな?」


男「ダメだ……バリケードにはワープ出来ないし戦況が全く分からない…」

JK「さっきの子供、一体誰なんでしょうか?」

サラリーマン「昨日の夜みたいに軍の所にワープして透明になって探れるんじゃねえか?」

男「……ジャベールが行った今、早急にやる必要がありますね」

警官「やらねえよ?」

男「は!?」

警官「お前さっき早くゲーム終わらせるとか言ってたじゃん」

警官「早く終わらせる事には協力してやるけど人を死なせないだとか
正義感ぶった意味のない行動には賛同出来ねえなぁ」ニヤニヤ

男「……このままだと革命軍が全滅してしまう」

警官「いいんじゃね?目的はジャン*?丱襯献礇鵑寮限犬世蹇*」

警官「そもそもこの冷戦自体俺たちが介入する必要あんのかって話だよ」

男「……マリユスは友達なんだ」

警官「たった一日仲良く喋っただけで?」

警官「クソくだらねええええ!!!」

警官「どうせ試練が終わったら俺たちは元の世界に戻るんだぜ?」

男「だったらクリア後のサイコロでマリユスも連れて帰る!!」

警官「有力な嫁候補もいるのにか?」

男「じゃあコゼットもだ!」



OL「はいはいそこまで」

↑ジャン バルジャン

訂正

警官「いいんじゃね?目的はジャン・バルジャンの生存だろ?」


バイトやめたからすげー更新出来る
今週中にはレミゼ編終わらせます
誰が死ぬか予想していいのよ

OL「今はそんな事で言い争ってる場合じゃないでしょ」

男「……」

警官「そーだそーだ!!」

OL「アンタも黙ってて」

警官「へいへい」


このままじゃ駄目なんだ
バルジャンさんは無事でもマリユスが死んでしまったら
全て水の泡になる可能性が……


男「クソ……一体どうしたら…………」ギリッ

ガチャッ

「お困りのようだね?」

男「あぁ……何としてもマリユスを死なせる訳にはいかないんだ」

「そうか」

「確かに娘の夫候補が死んでしまうのを見過ごす訳にはいかないな」

男「はい……って」バッ



バルジャン「やぁ」

男「バルジャンさん!?」

女王「儂もいるぞ!」フフンッ

チルチル「勝手に来てごめんなさい……」

男「そんな……どうしてここに」

バルジャン「今言った通りだが」

JK「マリユスさんの事……認めてくれるんですね!」

バルジャン「可愛い娘一人残して死ねないからな」

警官「チッ……」

バルジャン「一体どういう状況なんだ?見た限り膠着状態が続いているようだが」

OL「その通りよ……ただついさっきジャベールが革命軍側に潜入したの」

サラリーマン「ずる賢いやつめ……きっと内部崩壊を狙ってやがるぜ」

バルジャン「ふむ……そうか」

男「なんで!何で戻ってきたんですか!!」

バルジャン「……それも先程説明した通りだ」

男「俺たちはあなたに死なれたら困るんです!!」

バルジャン「私だって同じ気持ちだ!!!」

男「っ……」


鬼気迫る剣幕の表情は俺の心をいとも簡単に抉り出す
少しの沈黙が生まれ、そしてその沈黙を破ったのもバルジャンさんだ


バルジャン「……前々から思っていたのだが何故そこまで私の命を守りたがっているんだ?」

バルジャン「私とてもう半世紀以上生き抜いたんだぞ」

バルジャン「自分の身ぐらい自分で守れるに決まっているだろう!!」

男「…………でも」

バルジャン「大人は子供を守るものだ」

バルジャン「私の能力があれば誰一人死ぬ事はない」

男「能力?」

警官「あーもうそれ言うなよ!!オッサンの能力があったらつまんねえじゃねえか!」

バルジャン「馬鹿言うな私のバリアに頼ったくせに」

警官「てへぺろ♪」

バルジャン「案ずるな若者よ」ポンッ


バルジャンさんの大きくてごつごつとした手が
肩に覆い被さる……一体どれだけ苦労してきたかが
分かるほどに痛々しい傷跡がふいに涙を誘う


バルジャン「レ・ミゼラブル(不幸な人々)の鎖は私が断ち切る」

バルジャン「君たちの分もな」ニコッ

夕方 バリケード内

ガヴローシュ「…………」ジーッ

ジャベール(チッ……このガキ、かなり厄介だぞ)

ジャベール(だが私の素性までは覚えていないだろう)

ジャベール(何とか明日まで乗り切るしかないな)


アンジョルラス「そうだ!あなたの名前を聞いてなかったな!」

ジャベール「わ、私か?」

アンジョルラス「仲間になったんだ!名前も知らないというのは失礼な話だろ?」

ジャベール「そうだな……私の名は……」



ガヴローシュ「へージャベールって言うんだあのオッサン!!」

エポニーヌ「実は近所に住んでる食堂の主人なのよ」

ジャベール「……お聞きの通りだ」

アンジョルラス「そうか!よろしくな!ジャベールさん!」スッ

ジャベール「こちらこそ」ギュッ

ジャベール(エポニーヌ!!!)ギロッ


エポニーヌ(家族なんてもうどうでもいいわ……)

エポニーヌ(大事なのは愛よ、愛)ベーッ



マリユス「…………ジャベール?」

マリユス「ジャベールって確かパトロン=ミネット襲撃の時に来た……」



マリユス「警部……」

ガヴローシュ「警部!!?あ、そういえば公園の近くで追い掛けてきたオッサンじゃねえか!!」

学生「何だって!?本当かマリユス!!」

ガヴローシュ「間違いないよ!オレ一度ジャベールに捕まりかけたんだぜ!!」

ガヴローシュ「その時はちゃんと警察官の服を着てた!」

ジャベール「ま、待ってくれ……!!何かの勘違いではないのか!!」

アンジョルラス「…………捕まえろ」

学生「了解!」

バリケード内 人気のない広場

ドゴッ

ジャベール「……ぐふっ」

学生「警察が何の用なんだよ!!」

学生「スパイがバレたらどうなるか……分かってるよな?」コキッ

ジャベール「ふんっ…………やれるもんならやってみろ」

学生「オラッ!!」ブンッ

ジャベール「かはっ…………!!」

ジャベール(いくら私でも、これだけ集団に殴られれば……)

ジャベール「…………」カクッ

学生「おい!気失いやがったぜ!」

バシャーンッ

ジャベール「おえっ!!…………ゲホッ…ゲホッ……」

学生「どうだ馬の糞尿シャワーのお味は?」

学生「汚え!!さっさと殺っちまおうぜ!!」

ジャベール「……私はお前たちに殺されない」

学生「…………はぁ?」

ジャベール「法は正義だ……貴様らみたいな悪党を裁くために存在する」

学生「……言わせておけば」ブチッ

学生「ほら、銃だ!」

ジャベール「!!」

学生「スパイを殺すためなら一発ぐらい使っても怒られないだろ?」ニヤニヤ

学生「そうだな」ニヤニヤ

ジャベール「…………これまでか」



ジャベール(警察に入って一体どれだけ働いてきたのだ)

ジャベール(……確か就任してすぐに24601を捕まえたな)

ジャベール(懐かしい……考えてみれば奴と私は永遠のライバルみたいな関係だったな)

ジャベール(フフ……奴をこの手で捕まえるまでは死なんと決めたのに何たる様よ……)




学生「死ね」ガチャッ

ジャベール「!!」

バルジャン「まぁ待ちなさい」ガシッ

ジャベール「……24601!!」



学生「は、離せ!!お前一体誰だよ!!」グググ

バルジャン「いつも居酒屋に溜まっていた、しがない老人だ」グググ

学生「その老人が何の用だよ!!」

バルジャン「ふん」バッ

学生「あっ!か、返せ!!」

警官「うるさえよ鉛玉たっぷり食わせてやろうか?」ガチャッ

学生「!!や、やめろ……」

バルジャン「……アンジョルラスにスパイの殺害を頼まれた」

バルジャン「後は私がやっておく」ガチャッ

学生「え?あ、アンジョルラスが言ったんなら任せるよ…………」

バルジャン「……さて、人払いも済んだ事だ」ガチャッ

ジャベール「……復讐か」

警官「おいおーいオッサン!早く撃っちまえよ!」

警官「俺は早くそいつを殺しちまうとこが見たくてウズウズしてんだ」

バルジャン「言われなくてもそのつもりだ」ググッ

ジャベール「…………フフフフフ」

バルジャン「……お互い長生きしたな」

ジャベール「そうだな……貴様が逃げさえしなければ既に隠居暮らししていただろう」

バルジャン「……苦しいか?」



ジャベール「あぁ!!苦しいに決まっているだろう!!」

ジャベール「私はいつだって法に従い生きてきた!!」

ジャベール「法こそが全て!法が存在しなければ悪党が蔓延り善良な市民が安全に暮らす事が出来ない!」

ジャベール「市民の安全のため私は今まで身を粉にして働いてきたんだ」

ジャベール「それなのに……最後は貴様に殺されるなど一生の恥以外の何物でもない!!」



バルジャン「ならば今楽にしてやろう」

カチャリッ





曇天が捲れそうな空に銃声が鳴り響く



ポタポタ……

ジャベール「…………ふざけるな」

バルジャン「警察のスパイ、ジャベール警部は死んだ!」

バルジャン「さぁこれで中はもう安心だぞ!!!」

ジャベール「情けのつもりか……24601!!」

バルジャン「早く逃げろ……今ならまだ誰も見ていない」

ジャベール「…………礼は言わんぞ」サッ

バルジャン「お前から欲しい訳ないだろ」ニコッ





警官「ケッ……つまんねえの」

少し前 無人の民家

男「とにかくジャベールの存在が邪魔だな……」

OL「そうね……彼はとても執念深く頭も切れる男」

サラリーマン「放っておけば革命軍は中から潰されるだろうな」

JK「一体どうすれば……」



バルジャン「私が行こう」

男「でもあなたは……」

バルジャン「長年のライバルだからな……最後は私に任せてくれ」

OL「そうね……あなたに任せるわ」

男「…………」

バルジャン「大丈夫だ、ついでにマリユスも助けてくる」

男「ついでかよ!!」

夕方 バリケード内

バルジャン「さて……マリユスの奴を連れて帰ろう」

警官「めんどくせー……何が悲しくて男二人を引き連れなきゃいけねーんだよ……」

パァンッ

学生「うわぁ!?」

アンジョルラス「おい!大丈夫か!?」



警官「……ケケケ」

警官「いよいよドンパチ始めちまう感じかぁ?」

バルジャン「……ジャベールか!」

国王軍

軍人「……2発程撃ち込んで来ました」

軍曹「よくやった!奴らに足りないのは人数」

軍曹「たまにちょっかいを掛けてやるだけでいつ攻めてくるか分からぬ恐怖に精神的に追い詰められていくはず」

軍曹「後はジャベール殿が嘘の時刻を伝えた事を信じるだけ……」

軍曹「夜だ……今日の夜に攻めるぞ!!」



バルジャン「……鳴り止んだ」

警官「何だよつまんねーな……威嚇射撃か?」

バルジャン「……まぁいい、マリユス!マリユスはいるか!?」


ざわざわ……


学生「だ、誰だよオッサン?どうやってここに……」

マリユス「……お義父さん!?イギリスに向かわれたはずでは!?」

バルジャン「お・と・う・さ・ん?」ギロッ

マリユス「あ」

アンジョルラス「また部外者か……一体どうなってるんだ……」

警官「……すたこらさっさ♪」スゥー…

夜 バリケード内

バルジャン「さぁマリユス!私と共にイギリスへ向かおう!」グイッ

マリユス「ちょっ……ちょっと待ってください!!」

バルジャン「何だ?まだこのつまらぬ革命ごっこに付き合うつもりなのか」

アンジョルラス「聞き捨てならねえぞオッサン!!」

バルジャン「ほう?貧困層に媚へつらい民衆を束ねてきた王子様が何故ここにいる?」

アンジョルラス「うるさい!俺たちは国を変えるために!!」

マリユス「よせアンジョルラス……お義父さん」

マリユス「僕は、ここで皆と一緒に戦います」

バルジャン「負けると分かっているのに?」

マリユス「……負けてもまた次の意思を継ぐ者が現れてまた戦います」