娘「ねえねえお父さん!」父「なんだ、娘よ」(33)

娘「今日学校でね!巻き貝について家で調べなさいって宿題出されたの!」

父「ほお、makidaiか、知ってるぞ」

娘「本当に!?」

父「ああ、exileとかいうダンスユニットのメンバーだ」

娘「わーい、さすがお父さん!もう宿題終わっちゃった!」

父「体育の授業か?」

娘「理科だけど」

父「ん?」

娘「え?」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「今日学校でね、昨日のテレビでやってたデヴィ夫人が面白かったんだって!」

父「ほお…デビル仁か」

娘「私、見てないからわからないんだけど、どんな人なの?」

父「すごく強い、ビームとか出してな」

娘「そ、そうなの!?初めて聞いた!みんなに教えるね!」

父「やめておけ」

娘「どうして!?」

父「デビル仁を知ってるならこんなのは常識だ」

娘「そうなんだ!さすがお父さん!」

父「男の子の友達か?」

娘「いいや、女の子だよ?」

父「…ほう」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ、娘よ」

娘「今日学校でね、友達がマジカルバナナって遊んでたの!」

父「マジカル…マッシュルーム?」

娘「私もやりたかったけど、どうやるのかわからなくて…」

父「娘、友達に誘われても絶対にやるな」

娘「ど、どうして?」

父「お前の人生が台無しになる」

娘「そうなの!?」

父「ああ…そしてその友達には近寄るなよ、絶対にだ」

娘「う、うん…わかった」

娘「お父さんお父さん!あのね」

父「なんだ、娘」

娘「あのね…どうぶつの森が欲しいよー」

父「な、何だと!ペットからじゃなく、動物が棲む森だと!」

娘「友達はみんな持ってるよー」

父「娘の同年代が森を所有しているだと…!」

娘「買ってよー」

父「裏庭に犬一匹なら…なんとかなるがっ…」

娘「?犬を飼ってもいいの?じゃあどうぶつの森より犬のほうがいい!」

父「ホッ…しかし、子ども心はわからんな…」

娘「ねえ、お父さん!」

父「なんだ、娘よ」

娘「学校でね、なぞなぞやってたの!お父さんもやろう!」

父「ふっ、解けない謎はない」

娘「じゃあねえ…右手で持てるけど、左手で持てないのはなーんだ!」

父「………」

娘「時間切れー!答えはね、左手でした!」

父「そんなのは不正解だ、見ろ娘よ…フンッ」

娘「すごーい!どうなってるの!」

父「ふっ、少しばかり体が柔らかくてな…イッテテテ…」

娘「このなぞなぞはお父さんには出せないね!」

娘「ねえねえ、お父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「学校で誰かが言ってたよ!新聞紙って、逆から読んでも新聞紙なんだって!」

父「逆さまで読める訳ないだろ!新聞をナメるなぁぁぁ!!」

娘「ひっ」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ、娘よ」

娘「鼻血が止まらないよー」

父「風邪だ、首にネギ巻いて早く寝ろ」

娘「わかったよー」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「歯がぬけそうだよー」

父「どの歯だ」

娘「このとがった歯ー」

父「娘よ、俺の腕に噛みつけ」

娘「なんで?」

父「簡単に抜けるぞ」

娘「わかった!あむっ」

父「………」

娘「抜けないよー」

父「…やり方を間違えたか?」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「アニソンってなにー?」

父「ああ、兄貴が歌う、ソングだ」

娘「兄貴が歌う?お兄ちゃんいないとダメなの?」

父「ああ、そうだ」

娘「じゃあお兄ちゃんが欲しいー」

父「弟じゃダメか?」

娘「アニソン聞きたいー!」

父「困ったな…」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「今日ね、授業でパン作ったよ!」

父「…なに?パンツ…食った?」

娘「でもね、私が嫌いなレーズン入ってたから、食べなかったのー」

父「いや、どちらにせよ食べなくて正解だ」

娘「怒らないの?食べ物を粗末にするなって」

父「ああ、そんなもの、食べ物ですらないぞ娘よ」

娘「お父さんもレーズン嫌いなんだ!」

娘「ねえねえお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「みみずくってかわいいよね!」

父「ミミズ…食って可愛い?」

娘「うん!」

父「娘、裏庭にいくぞ」

娘「え、うん」

父「…こいつを…食う…!?…」

娘「な、何してるのお父さん!気持ち悪いよ!」

娘「お父さんお父さん!」

父「なんだ、娘よ」

娘「今日学校でね、生き物当番になったの!」

父「…ほう、歌うのか?」

娘「歌わないよ?」

父「ん?」

娘「え?」

娘「お父さんお父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「どうしてそんなに物知りなの?」

父「むっ、桃尻?」

娘「ねえどうして?」

父「ふぅむ…全身くまなく鍛えてあるつもりなんだが…」

娘「体を鍛えれば物知りになれるの?」

父「いや、遠ざかる」

娘「お父さんの言ってることは難しいよー」

娘「ねえねえお父さん!」

父「ふぅむ」

娘「お・と・う・さ・ん!」

父「どうすれば…」

娘「どうしよう、お父さん風邪なのかな」

父「そうか、飛車で角をを…!」

娘「首にネギを巻いてあげようっと!」

父「なんだ、ネギ臭いぞ!」

娘「早く寝なさあい!」

娘「お父さん!」

父「なんだ娘よ」

娘「お父さんの仕事ってなに?」

父「どうしたんだ急に」

娘「学校の宿題なの」

父「そうだな、ヒントをやろう…体を鍛えなければダメな仕事だ」

娘「サラリーマン!」

父「違う!」

娘「宿題終わったー!」

父「話を聞け!まったく誰に似たんだ」

娘「お父さん!」

父「どうしたんだ娘よ」

娘「今日学校で全部覚えたよ!都道府県わかる?」

父「日本人なら当然だ」

娘「じゃあ…日本で一番上にある県は?」

父「北海道だ」

娘「違うよー」

父「なにぃ!」

娘「正解はー」

父「待て、いま当てるから待て!娘よ!」

娘「ねえ…お父さん?」

父「なんだ娘よ」

娘「おムネって、どうしたら大きくなるの?」

父「ふっ…そういう事を気にするのは早い」

娘「みんな、そんな話してるの」

父「簡単だ、教えよう」

娘「ほんと?」

父「両手の平を合わせ、このまま力を入れる。これを毎日やればいい」

娘「やってみる!ありがとうお父さん!」

娘「お父さーん」

父「なんだ娘よ」

娘「明日から春休みだよー」

父「どこか遊びに行くか」

娘「わーい!…でも、お母さんも一緒に行きたかったな」

父「…俺のせいだ、すまない」

娘「お父さんは悪くないよ!ねえねえ、遊園地に行きたいな!」

父「…ああ、行こう!」

父「娘よ」

娘「…んー?」

父「携帯ばかりいじるんじゃないぞ」

娘「なんで?いいじゃん」

父「ダメだ、没収だ」

娘「ちょっと、やめて!」

父「むっ、お父さんに手を出すか」

娘「いちいちうるさいよ!もうっ、知らない!」



父「…俺が不甲斐ないせいか」

父「娘よ」

娘「…なによ」

父「どこに行くんだ」

娘「別にいいじゃない、どこでも」

父「男か」

娘「そうよ、何が悪いのよ」

父「いいか、娘よ、あんなチンピラのような男とつき合うのはよせ」

娘「あんな男とは何よ、お父さんのバカ!」

父「っ!娘!」

父「ぐっ…ゲホッ!」

父「仕事で無理をし過ぎたか…」

父「娘…よ…」

娘「ねえ…お父さん」

娘「十年も居なくなってごめんね」

娘「私、あの人と結婚することになったの」

娘「今まで、黙って仕送りしてくれたおかげよ…そうじゃなかったら、お父さんのとこに帰ってたもの」

娘「あの人ね、見た目はお父さんの言った通りチンピラみたいだけど…」

娘「まるで、言ってることはお父さんそっくりなの…ふふっ」

娘「こんな形で…本当にごめんね、お父さん」

娘「出来るなら、もう一度お父さんに会って…ちゃんと、謝りたかったよう…うぐっ、ぐすん…」

娘「お父さん、…元気でね、向こうでもお母さんと仲良くしてね」

すまない、このままだと終わらないと思ってこうした
一発ネタのつもりだったが…
これで終わりってことで、許してください

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