榛名「……ええっと、いいんですか？」

提督「まあ問題はないとは言い切れないが」

提督「くれぐれも機密を漏らしたり、はめをはずしすぎたりするなよ？」

榛名「本当にいいんですか？」

榛名「ほら、モラルとか……」

提督「ある程度の給料は出ているだろう？使えるところが購買部だけじゃかわいそうだ」

榛名「えっと……無駄遣いの注意とか……」

提督「そうだな、ほどほどにな」

榛名「……その……こういうのじゃなくて……」

提督「ああ、大丈夫だちゃんとわかってる」

榛名「！！」ﾊﾟｧｧｧ

提督「他の子には内緒ってことだろう？」

榛名「」

提督「そういうデリケートな問題だからな」

提督「お前の姉妹にも内緒にしておくさ」

榛名「」

提督「よく言いにくいのに異性にそういう相談してくれたな」

提督「こういったことに気が回らないのはすまなかった」

提督「そういう欲求も当然あってしかるべきだよな」

提督「お前がこういう話題を言ってくれて助かったよ」

提督「そのへんはうまく改善できるようにしていこう」

提督「ほら、許可証だ」

提督「くれぐれも、とは言わないがなるべく見つからないようにな」

提督「特に駆逐艦には気を付けること」

榛名「」

榛名「ええっと本当にいいんですか……？」

榛名「ほんとにほんとに？」

提督「大丈夫だ、上にも漏らすことはあり得ないしそこは信頼してほしい」

榛名「提督は信頼していますが……」

提督「ほらほら、行った行った！夜はまだ長いが短いぞ！」

榛名「……はい」

榛名「ちなみに……ちなみにですが前例は？」

提督「そういうプライベートなことには答えられないんだが……」

提督「まぁそこそこにここの鎮守府にいるが初めてだな」

提督「これくらいは言っても大丈夫だろう」

提督「ほら、また必要になったら許可くらい出してやるから悩まず行って来い！」

榛名「……はい」

榛名「榛名、失礼します……」

榛名「……鎮守府始まって以来のビッチ扱い確定です……」

榛名「限りなく黒にちかいグレーです……」

榛名「うう……榛名頑張ったのに」

榛名「榛名勇気出したのに」

榛名「もうなにもかも終わりです……」

榛名「榛名は大丈夫じゃないです……」

榛名「……まだ勝利の可能性は残っているんでしょうか……」

榛名「榛名の手にはもう負えないかもしれません……」

榛名「もしかして誰かに相談できれば……！？」

榛名「こういう場合頼りになるのは金剛お姉さま？でしょうか……」

金剛の場合

榛名「失礼します、榛名です」

金剛「オー！入るね！こんな遅くにどうしたの？」

榛名「その……榛名がビッチになっちゃって……」

金剛「え？」

金剛「……え？」

金剛「どういうこと？襲われたの？大丈夫！？」

榛名「いえむしろ襲われようとして……」

金剛「はい！？話が見えないネ」

榛名「榛名が提督に食べられようとしたら……」

金剛「は？何それは！？」

金剛「こんな夜に提督に迫ったってこと！？」

金剛「それは私でもしたことないのに……！」

榛名「いえ、ですからそれはまだ……」

金剛「やっていいこととダメなことがあるよ！」

金剛「たった今からあなたはジャパニーズビッチね！」

金剛「ちがう！そんなワードじゃ済まされないよ！」

金剛「そう……日本語でいうところの……」

金剛「淫乱！」

金剛「そう淫乱ね！」

榛名「ですからお話を……」

金剛「釈明は軍法会議で聞くよ！」

榛名「……ダメですね」

榛名「これはダメです……」

榛名「ビッチで淫乱の二倍きついです……」

榛名「ほんの冗談だったのに……」

榛名「これ以上傷口をえぐられるのは……」

榛名「比叡お姉さまなら……？」

比叡の場合

榛名「失礼します、榛名です」

比叡「どうしたの？今テレビ見てたんだけど見ながらでもいい？」

榛名「榛名……ビッチになっちゃいました」

比叡「アハハハハハ！！」

比叡「今の見た？アハハおもしろいなあ」

榛名「ちゃんと聞いてください！榛名ビッチなんです！」

比叡「へぇ～……えっ？」

榛名「その提督からビッチに思われてるんです！」

比叡「マジ？」

榛名「ビッチをやめるにはどうすればいいですか？」

比叡「ああ～……ええっと」

比叡（どうしよう、まるでわからない）

比叡（ここはある程度無難に……）

比叡「親からもらった大事な体でしょう？」

比叡「大事にしないとだめじゃない！」

比叡「きっと将来後悔することになるから！」

比叡「大丈夫きっとほんとのことは司令もわかったくれるはず」

比叡「まぁ、ビッチの生き方もありなのかもしれないけど」

榛名「榛名、まだビッチじゃ……」

比叡「後の後悔もダメだけど今の後悔もしないようにね！」

比叡「私はあなたがどんな生き方をしようと応援してるから！」

榛名「……やっぱり駄目です」

榛名「会話になる気がしません……」

榛名「適当にそれっぽいことではぐらかされます……」

榛名「金剛お姉さまよりは冷静かもしれませんが……」

榛名「こういう時に頼りになるのはやっぱり……霧島……？」

霧島の場合

榛名「失礼します、榛名です」

霧島「ん？どうしたの夜遅くに」

榛名「その……提督にビッチって思われてるみたいで」

霧島「え？なんで？」

榛名「正直よくわからないです……」

霧島「いいから順をおって話してみて？」

榛名「提督に夜間外出の申し出を届けて」

霧島「うん」

榛名「そうしたら夜遊びをするような艦娘は榛名がはじめてで……」

霧島「それから？」

榛名「またいつでも外出したいなら外出させてやるって」

霧島「なるほど」

霧島「榛名はビッチって勘違いされてるのがよくないのよね？」

榛名「はい……」

霧島「じゃあ本当に遊び歩いてみたら？」

榛名「」

霧島「嘘がだめなら本当にすればいいじゃない！」

霧島「演じ続けていればいつかほんとうの振る舞いになるわ！」

霧島「うん、論理的にも正しい！」

榛名「霧島もダメです……」

榛名「論理はともかく結論がぶっ飛んでます……」

榛名「榛名には頼れる人はいないのでしょうか……」

榛名「ここにいる限り陰でビッチとささやかれながら過ごすのでしょうか……？」

榛名「もう提督にごめんなさいするしかないのでは」

榛名「執務室の前まできちゃいました」

榛名「ビッチ扱いされるよりはちゃんと謝ってなんちゃってビッチのほうがまだましです」

榛名「……」

榛名「……よし！」

榛名「榛名！いざ、出撃します！」

榛名「失礼します！」

榛名「……」

榛名「……」

榛名「時間も遅いし私室でしょうか？」

榛名「……もう大丈夫！榛名は私室にも訪ねられます！」

榛名「私室の前に来ました……」

榛名「今度こそ……！」

榛名「榛名！いざ、出撃します！」

榛名「失礼します！」

榛名「……」

榛名「……？」

榛名「私室にもいないんでしょうか？」

榛名「他にいそうなところは……？」

榛名「……榛名は大丈夫です……！」

榛名「提督がお戻りになるまでお待ちします！」

榛名「……」

榛名「フタサンマルマル。提督、たまには早めに休んだりしないのでしょうか……」

榛名「……」

榛名「マルマルマルマル、提督、深夜の任務もないのに何をしているのでしょう……」

榛名「……」

榛名「ん…マルヒトマルマル、榛名は今日は一人です……ちょっと眠いです……」

榛名「……」

榛名「マルフタマルマル、気を抜いてはいけません！榛名も頑張ってお待ちしないと！」

榛名「……」

榛名「マルサンマルマル…ここは…榛名が見張ってますから……そろそ」

提督「ん？榛名こんなところでどうしたんだ？」

提督「真夜中だが早めに切り上げたのか？」

榛名「提督！お話があります！」

提督「お、おう夜中だから声を抑えてくれ」

榛名「提督……？私服で外出なさってたんですか？」

提督「あ、ああ……ちょっとな」

榛名「……ずいぶんお疲れのようですが？」

提督「ああ、久しぶりに夜に外出したしな」

榛名「……どちらまで行ってらしたのですか？」

提督「ああ、まあそれはプライベートだから秘密ってことで」

榛名「お酒を飲まれたようですが？」

提督「まぁ少しだけだけどな？」

榛名「その割にこざっぱりしてらっしゃるようですが先にお風呂に？」

提督「あ、いや……」

榛名「少々そのお洋服から女性ものの香水の香りがしますが……？」

提督「いや……きのせいじゃないかなあ……？」

榛名「本当に？」

提督「……はぁ」

提督「……お前だから言うけどお前と似たような店に行ってきたんだよ」

提督「いままでは自分だけ夜遊びっていう罪悪感があってな」

提督「たまにはいいだろうと思ってな」

提督「他の子には内緒だぞ」

提督「お互いそういった欲求はあるだろうしな！」

提督「ほらほら寝た寝た！」

提督「話は終わり！疲れたからもう寝るぞ！」

提督「心機一転明日もまた任務をこなさないとな！」

提督「それじゃあお休み榛名」ｶﾞﾁｬ

提督「ふぅ……明日もあるしさっさと寝るか……」

榛名「お話はまだ終わってませんが？」

提督「！？」

提督「え？ここ俺の私室内なんだけど……」

榛名「ええ、先ほど一緒に入りました」

提督「もう寝たいんだけど」

提督「榛名ももう眠いだろう？」

榛名「いいえ？榛名は大丈夫です」

榛名「ちなみにお聞きしますが今日は何回ほど楽しまれたのですか？」

提督「えっ？」

榛名「……」

榛名「何回ほど？」

提督「2回ほどです……」

榛名「じゃあ提督も大丈夫ですね」

提督「えっ」

提督「……えっ？」

榛名「勝手は、榛名が、許しません！」

提督「うわ！やめっ……」