店員「はい、コーヒー」男「ありがとうございます」 (56)

初SSです。

色々至らない点はありますが、見ていってほしいです。

22:30くらいから毎日更新していきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406554007

店員「見ない顔だな。少年は今日が初めてか?」

男「はい。少し、興味があったもので」

店員「こんな寂れたバーに一人で来るというのは、物好きなのだな」

男「そんなことないですよ」

店員「少年は、高校生くらいか?」

男「はい、高三です」

店員「受験生か。もう決めているのか?」

男「まあ、一応。僕にはレベル高いですけど」

店員「そうか。頑張ってくれ」

男「他のお客さんはいないんですね」

店員「寂れた、と言っただろう。この店は店長がずっと前からやっていたものでな。たとえ人が来なくても、私は、この店が好きなんだ」

男「僕も、この店の雰囲気、好きですよ」

店員「そうか、ありがとう」

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「まさか連続で来てくれるとはな」

男「たまの気分転換も含めてなので」

店員「そういえば受験生だったな」

男「それに、居心地もいいし、店員さんと話すのも楽しいです」

店員「……フフ」

男「店員さんは、何歳ですか?」

店員「無闇に女性に年齢を聞くでない」

男「そうですね。すいません」

店員「まあ、まだ二十歳過ぎだ。大学にも通っている」

男「なんて大学ですか」

店員「そこまでは教えない」

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「少年は、金があるんだな。ここ最近毎日来てる気がするが」

男「アルバイトしてるんです。土日だけですけど」

店員「そうか、体を壊さないようにな」

男「それはもちろん。店員さんと話せないのは辛いですし」

店員「それはありがとう」

男「そういえば店員さんは髪綺麗ですね」

店員「ちょっとした自慢なんだ」

男「触ってもいいですか?」

店員「またいつか、な」

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「今日も来たのだな」

男「このコーヒーは店員さんが淹れているのですか?」

店員「いや、奥で店長が淹れている」

男「一度、店員さんが淹れたのを飲みたいです」

店員「私はまだ店長に認められてないんだ。だから淹れることはできない」

男「店員さんは料理ができるんですか?」

店員「私はこれでも一人暮らしだからな。家事は一通りできる」

男「僕も大学から一人暮らししようと思ってます。難しいこととかありますか?」

店員「いまは慣れたからね。最初の方は炊事とか全然できなかったよ」

男「今度手料理食べていいですか」

店員「コーヒーでいいかな」

男「では店員さんの部屋へ行きましょう」

店員「少年は私の家で食べるつもりだったのか」

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「少年は疲れているのか?そんな顔をしているぞ」

男「あ、分かりますか?勉強とアルバイトで結構ギリギリなんです」

店員「それでも、ここへは来るのだな」

男「店員さんの顔を見ると、疲れなんてへっちゃらです」

店員「……フフ、嬉しいことを言うじゃないか」

男「あ、ちょっと照れてますね」

店員「さぁ、ね。どうかな」

男「店員さん、可愛いですよ」

店員「む」

男「ほんとに可愛いです。毎日通いたいくらい」

店員「少年は毎日来ているだろう」

男「だって、店員さん可愛いですし」

店員「う……」//

男「あ、赤くなってる」

店員「あー、もう、この話終わりっ」//

男「ハハハ、いいものが見れました」

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「毎回コーヒーで飽きはしないのか?」

男「一番安いので」

店員「結構な守銭奴だな」

男「店員さん、疲れてないですか?」

店員「む、そうか。最近は大学の方が少し忙しくなっているからな」

男「休んだ方がいいのでは?」

店員「それは少年に言おう」

男「僕は大丈夫ですよ。店員さんと話すだけで元気百パーセントです」

店員「少年は面白いな」

男「よく言われます」

男「あ」

店員「あ」

男「え、て、店員さん?なんで」

店員「少年こそ、何故ここに?」

男「僕はバイト帰りに参考書を買いに」

店員「奇遇だな、私も大学から帰るところだ」

男「まあ、寄れる所と言ったらこのショッピングセンターしか無いですしね」

店員「考えることは同じようだな」

男「ちょっとした運命のような気も……」

店員「私から見ると少年はストーカーなんだが」

男「たまに酷い事言いますね」

店員「冗談だ。私も少年をからかいたいんだ」

男「そうだ、今度一緒に来ませんか、ここに」

店員「それは何故だ?なぜ私と」

男「そりゃ、店員さんの事が好きですし」

店員「……少年は羞恥心が無いのか?」

男「え、僕なんか変な事言いましたか?」

店員「む。今なんて言ったのか覚えてないのか?」

男「え、好きです」

店員「……」//

男「あ、やっぱり赤くなる」

店員「それは、そうだろう」//

男「では、今度一緒にいいですか?」

店員「大学に受かったら、かな。今の少年では厳しいのだろう?」

男「あーと、はい」

店員「受かったら、どこへでも行ってやる」

男「お、約束ですよ」

店員「当然だ」

男「あ、そうだ。番号教えてください」

店員「アドレスだけ教えよう」

男「く、まあいいです。次は番号を教えて下さいよ」

店員「約束が増えて困る」

男「…………」カリカリカリカリ

友「よーっす男」

男「…………」カリカリカリカリ

友「なんだよ、勉強して。つれねぇなあ」

男「…………」カリカリカリカリ

友「おーとーこー」バンバンバン

男「いっ、いたっ、痛いっ」

友「お、復活した」

男「痛ぇなあ、友。少しは優しくしてくれ」

友「わりぃわりぃ」

男「で、どーしたんだ」

友「いやぁ、朝から男がずっと勉強してっから、らしくねぇなと」

男「いやいや、もう俺ら受験生じゃねえか。そろそろ勉強すべきだろ」

友「う、まあそうだが、でもお前昨日までやってなかったじゃん」

男「う」

友「なんかあったんか?」

男「……いや、なんも」

友「女?」

男「っ!」

友「お、ビンゴ」

男「……、はぁ」

友「まあ、女絡みなら俺は口出ししねえよ」

男「……助かる」

友「誰かの為に本気になる奴は結構カッコ良く見えんぜ」

男「サンキュ、やる気出た」

友「で、誰よ」

男「それとこれとは話が別だ」カリカリカリカリ

店員(今日も少年、来なかったな)

店員(きっと、勉強でもしているのだろう)

店員(私が約束したのだ)

店員(だが、さすがに、会えないのは寂しいな)

店長「……ちゃん、店員ちゃん?」

店員「え、あ、は、はい!」

店長「どうしたの」

店員「あ、その、考え事を」

店長「……今日はもう上がっていいよ」

店員「え、でもまだ時間が」

店長「いいからいいから、大学が忙しいんだろう?」

店員「え?」

店長「君の疲れたような顔を見れば分かる。君には少し休養が必要だろう」

店員「あ、の、えーと」

店長「ゆっくり休みな」

店員「……すみません、ありがとうございました」

店長「いいよ、今日は忙しくないしね。いや、毎日忙しくないけど……」ブツブツ

店員「失礼します」

店員(私は、そんな疲れた顔をしていたのか)

店員(確かに、最近は寝れていない)

店員(大学が、卒業に向けて忙しいのもある)

店員(だが、だが今は……)


――――え、好きです


店員(…………)//

店員(あの少年が大学に受かる頃、)

店員(私は、この街にいるのだろうか)

これ最後まで載せれそうです

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「最近は来てなかったが、勉強でもしていたのか?」

男「そのとおりです。学校でずっと」

店員「で、今日からはここでやると」

男「はい。分からない所があったら教えてくれると嬉しいです」

店員「ふむ、まあ少しばかりはな」

店員「そこは、数?でやらなかったか?」

男「え、あ、そうか。この定理を使って」

店員「そうそう。であとは足し算だけだ」

男「ありがとうございます」

店員「数学だけは得意だからな」

男「いや、それより教え方が上手いですね」

店員「塾講師のバイトをしたことがあるんだ」

男「どおりで」

店員「高校生の頃は部活が忙しかったな」

男「何部ですか?」

店員「弓道部だ」

男「あー、似合いますね。袴姿」

店員「まあ、成績は残せなかったがな」

男「僕も引退したので、前までやってましたよ。茶道部ですけど」

店員「少年は運動はあまり似合わないからいいな」

男「いやぁ、そんなことないです」

店員「別に褒めてないんだが」

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………」カチャカチャ

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………」キュッキュッ

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………」

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………フフ」

男「…………」カリカリカリカリ

店員「はい、コーヒー」

男「ありがとうございます」

店員「…………」

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………」カチャカチャ

男「…………」カリカリカリカリ

店員「…………」キュッキュッ

男「…………」カリカリカリカリ

店員「もうすぐ」

男「え?」

店員「センター試験、だな」

男「ああ、はい。そうですね」

店員「私は去年、センター試験で失敗してしまったから、少年には頑張って欲しい」

男「……店員、さん?」

店員「できる限りのことはしてやるから」

男「…………」

店員「頑張って、くれな」

男「……当然ですよ。絶対合格してやりますよ!」

店員「…………」

男「倍率四倍近くの大学です。一筋縄ではいかないです」

店員「…………」

男「合格まで本気出します」

店員「…………」

男「次は、合格証明書を持ってここに来ますので、絶対、ぜーったい待っててくださいね!」

店員「フフ……楽しみに待っているぞ」

男「はい!」

店員「それと、少し遅いがクリスマスプレゼントだ」

男「え?」

店員「私の手料理。食べたかったのだろう?軽いものだが、どうかな」

男「……あ、ありがとう、ございます……」

店員「……美味しいか?」

男「もちろんです」

店員「それはよかった」

男「じゃ、腹も膨れたので、もうひと頑張り」

店員「体に気をつけなよ」

男「では、明日からは家で頑張ってきます!」

店員「当日は落ち着いて、な」

男「ありがとうございます!では!」

ガチャ

バタン

店員「…………」

店長「店員ちゃん」

店員「は、はい?」

店長「君も、もうすぐ卒業だろう?」

店員「……はい」

店長「卒業したら、どうするつもりなんだい?」

店員「…………」

店長「君は、ここを辞めるつもりだろう」

店員「っ」

店長「わたしには、彼は君に好意を持っているように見える」

店員「…………」

――――え、好きです

店長「彼のことをどうするか。先に決めておくことだね」

店員「…………」

――――受かったら、どこへでも行ってやる。

店員(なぜ私は、あんなことを言ったのか)

店員(あの時私は、少しばかり少年と行きたいと、思っていた)

――――絶対、ぜーったい待っててくださいね!

店員(…………)

店員「……私も、少年のことが――――」




好きなのだろうか




すいません

続き明日になります

明日の22:30からまた載せていきます

なんか店員だとコンビニ店員とかを想像してしまう間違ってはいないんだが


レスありがとうございます。

今日は22:25くらいに載せれそうです。

>>27

御指摘ありがとうございます。

いやもしかしたら指摘ではないと思いますが、次に書く作品では気をつけたいと思います。

――センター試験当日

男「うわぁ、人多すぎ」

男「こんな中でやるとか、緊張感やばいな」

友「よっす」

男「おお、友」

友「俺人混み苦手なんだよなぁ。勘弁してほしいわ」

男「明日もだぞ」

友「えぇー」

男「ま、今日はお互い頑張ろうぜ」

友「明日もな」

男(皆が頭良く見える不思議)

男(だ、大丈夫大丈夫。錯覚錯覚)

男(数学はあれから頑張ったし、国語も、まあ大丈夫だ)

男(あ、でも、やってない問題だったら)

男(英語もリスニング少ししかやってないし……)

男(あ、やべ真っ白だ)


――――当日は落ち着いて、な


男(……そうだ、落ち着いて)


――――誰かの為に本気になる奴は結構カッコ良く見えんぜ


男(……店員さんの為なら)


――――受かったら、どこへでも行ってやる。


男(本気になれるっ!)


教授「では、はじめ!」

ペラッ!

店長「君もついに大学卒業か」

店員「あの、明日は」

店長「うん、休みにしておいたよ」

店員「ありがとうございます」

店長「彼は今頃、二次試験に向けて勉強中だろう」

店員「…………」

店長「それで、これからどうするか決めたのかい?」

店員「……はい、私は――――」

ガチャ

男「店員さん!僕やりました!合格し――――」

店長「ん、あぁ、君が彼女がいつも話してた少年くんか」

男「こ、こんにちは。あの、店員さんは……」

店長「彼女は、昨日辞めたよ」



男「え?」




―――― 店員「私は、ここを離れようと思います」




男「は、う、え、昨日?」

店長「うん、昨日をもってね」

男「は?は?なんで」

店長「彼女が卒業する丁度いい時期だからね。あぁ、どこに行ったからとかは口止めされてるから」

男「卒……業……」

店長「人は誰しも事情があるものだ」

男「……そ、そうだ、メール」

店長「しても無駄だよ。彼女は君に会わないと言っていた」

男「…………」

店長「潔く、諦めるべきだと思うな」

男「……く……」

――一昨日

店長「……仕事を見つけるため上京、か」

店員「すみません。それで、ここも辞めることにしようと」

店長「あぁ、いいよいいよ。考えた結果だから、仕方が無い」

店員「……すみません」

店長「ただ、彼のことはどうするつもりなんだい?」

店員「……それは、まだ」

店長「じゃあ、君は彼に会うつもりなのか?」

店員「……いや、少年とは会いません」

店長「そりゃまたどうして」

店員「私は少年と約束しました」

店長「約束?」

店員「はい」


―――― 店員「受かったら、どこへでも行ってやる」


――――男「お、約束ですよ」


――――店員「当然だ」


店員「少年が次にここに来て私に会うと、私はその約束を守らなければならない」

店長「…………」

店員「だから、少年とは一度離れます。その間に、考えます」

店長「考える?」

店員「今はまだ、気持ちの整理がついてないんです」

店長「ふぅん」

店員「なので、申し訳ありませんが、辞めさせていただきます」

店長「うん、分かったよ。でも、気が向いたらまた来てね?今度は、客として」

店員「それはもちろんです」

男「…………」

店長「大学、頑張ってね」

男「…………もう」

店長「もう?もう、なんだ?」

男「っ」

店長「君には、君の生き方がある。なにも彼女が全てということはない。いや、この世界にはそれを強いられている人もいるけど……」

男「…………」

店長「でも、君は違う」

男「…………」

店長「君はまだ何も知らない。君がこれから会う人、そして離れていく人。彼女はその中の一人だろう」

男「……それは、ち、違います」

店長「それは今だから言えることだ。現に君は、小学校や中学校で出会った人の中で、今も付き合いがある人は何人だい?」

男「っ…………」

店長「分かったかな?」

男「……でも」

店長「あと、あれだ。店員ちゃんは怒るんじゃないかな?」

男「!」

店長「合格証明書、見せるんでしょ?」

男「……はい」

店長「じゃ、行くね?」

男「……はい」

店長「よし。あ、言っておくけど、彼女、いつか来るから、また会えるよ」

男「……ホントですか」

店長「うん、彼女自身が言ってたからね」

男「……あの、一つお願いが」

店長「ん、なんでも言ってよ。できる限りならできる」


―――― 店員「できる限りのことはしてやるから」


男「っ……」

店長「ん?どうしたんだい?」

男「いえ、ちょっと思い出しただけです」

店長「……そうか。で、お願いって?」

男「……あの――――」

友「よっす」

男「おう」

友「久しぶりだな、センター以来か?」

男「あぁ、そうかもな」

友「それにしても、お前よく受かったな。あそこレベル高いのに。俺には無理だったわ」

男「まあ、な。頑張れたから」

友「いや本当すごいよお前は」

男「まあ、とりあえずそれは置いといて。今日は楽しもうか」

友「卒業&合格パーティてか」

男「そんなとこ。まぁ安い焼肉だけどな」

友「かまわんよ。その方が俺ららしいし」

男「じゃ、卒業と」

友「合格を祝して」

男友「 「 乾杯!! 」 」

友「お前こんなとこ知ってんなら早めに教えてくれよ……」

男「悪いな」

友「てか、すげぇいいバーじゃん。なんで人いねえの?」

男「それは分からん。けど、これから増やしていくよ」

友「俺はその一人目だな」

男「いや、二人目だ。俺が一人目」

友「いや、お前はこれからは『そっち側』だろ?」

男「ん?あぁ、そうか」




店員(男)「そうだったな」




――ちょっと前

男「あの、ここで働きたいです」

店長「いいよ。丁度人いなくなったし、君なら尚更」

男「え、そんなあっさりいいんですか」

店長「いいのいいの」

男「なんか、簡単ですね」

店長「あ、そうだ。実際に働くのは卒業してからね。それまで仕事の内容教えるから」

男「はい、分かりました」

店員「ありがとうございましたー」

店長「今日もよく働くねえ」

店員「段々お客さんが増えているのが、単純に嬉しいんです」

店長「大学は大丈夫なのかい?」

店員「もう三年です。ほとんど慣れましたし、それに僕にとってはこのバーの方が大事です」

店長「そうか。そういえば彼女はできたのかい?」

店員「ぶふっ……分かって言ってますよね」

店長「はっはっは!早めに楽しまないと、後々後悔するぞ?」

店員「後悔はしませんよ。ただ僕には……」

友「よっす」

店員「お、友。おう」

友「なんか似合うな」

店員「また言うか」

友「毎回恒例だな。あ、店長さん、こんにちはっす」

店長「ああ、こんにちは、友くん」

友「いいなあ、優しい上司で」

店員「そういや、友もバイト始めたんだっけか」

友「家の近くのコンビニだよ。先輩が短気ですぐキレるんだよ」

店員「それは酷い」

友「だよなあ。俺もここで働きたかったぜ」

店員「悪いな、ここは一人だけなんだ」

店員「てか、友は彼女いたよな」

友「ああ、まだ付き合ってんよ」

店員「俺にはそっちの方が羨ましいぜ」

友「お前の方は彼女は出来ないんか?」

店員「……まあな」

友「あ、悪い。聞いちゃいけなかったな」

店員「かまわんよ」

友「あれだ。楽しめよ」

店員「んなもん分かってる」

店長「じゃ、友くん。そろそろ……いいかな」

友「え、もうそんな時間でしたか」

店員「うわ、結構遅い時間だった」

友「じゃ、また来ます」

店長「うん、待っているよ」

友「男も、じゃな」

店員「おう、またな」

ガチャ

バタン

店長「じゃ、その食器片付けて」

店員「はい、分かりました」

ガチャ

店長「あ、すいません。今日はも……!」

店員「どうしたんですか」

店長「……失礼しました。どうぞ」

店員「え、もう時間ですけど」

店長「いいのいいの!じゃ、接客よろしく!」

店員「は、はぁ」

店員「いらっしゃ…………」

女「…………」

店員「え」

女「…………フフ」

店員「な、なんでここに」



元店員「久しぶりだな、少年」



男「ひ、あ、お久しぶり、です」

男「えっ、超大手企業じゃないですか」

元店員「まあ、そうだな」

男「へぇー、すごいところによく就職できましたね」

元店員「少年の方は、どうなんだ?」

男「あ、そうでしたそうでした。ちょっと待っててください」

元店員「…………フフ」

店長「やぁ、久しぶりだね」

元店員「お久しぶりです。店長さん」

店長「彼、ずっと待ってたんだ。約束を守るためにね」

元店員「約束、ね。忘れてました」

店長「嘘だろう。君は楽しみな顔をしている」

元店員「う…………」

店長「やっぱり、君には彼がお似合いだ」

男「あった!」

元店員「何だ?」

男「前に言いましたよね?受かったらどこへでも行ってやる、って」

元店員「懐かしいな」

男「はい、合格証明書です」

元店員「……そうか、受かったのか」

男「なので約束通り、一緒にどっか行きましょう」

元店員「フフ、ああ、いいぞ。少年と一緒なら、楽しそうだ」

男「まだ場所は決めてないですけど、夏休みくらいに」

元店員「海外はダメだからな」

男「もちろんです」

元店員「楽しみだな」

男「ええ、楽しみです」

元店員「さて、ではコーヒーをもらおうかな」

男「分かりました。コーヒーですね」

元店員「む、少年が淹れるのか?」

男「はい、店長に許可もらいました」

元店員「私は結局許可貰えなかったな」

男「お、僕の方が一歩前ですね」

元店員「そうだな」

男「髪、切ったんですね」

元店員「ああ、ちょっと前にな」

男「どっちも似合いますよ」

元店員「おや、ありがとう」

男「前の方が可愛かったですけど」

元店員「それは聞き捨てならん」

男「冗談です。今も可愛いですよ」

元店員「っ……少年もやるようになったな」//

男「お、やっぱり赤くなってる」

元店員「くぅ……」//

男「やっぱ僕、あなたのことが好きです」

元店員「あ、あぅ……あ、ありがとう」////

男「あなたは、どうですか?」

元店員「……す、好き、だ」////

男「あ、すいません、聞こえなかったんで、もう一回いいですか?」

元店員「……卑怯者だ、少年は」//

男「で、どうなんです?」

元店員「……す、あぅ、す、好きです……っ」////

男「……ありがとうございます!」

元店員「あー、もう」////

男「あ、コーヒーできたみたいです」

元店員「少年のコーヒーを飲むのは初めてだが……不味くないか?」

男「酷いですね、ちゃんと店長に認められた味です」

元店員「うむ、ならばいい」

男「あ、今、前と立場逆ですね」

元店員「フフ、そうだな」

―――― 店員「見ない顔だな。少年は今日が初めてか?」


あの日から、僕は変わった。

いや、変われた。

誰かとの出逢いは、それほどまでに人生に関わる。

これからは、大事にしていこう。

そう、思った。



店員「はい、コーヒーです」



女「ありがとう」








自分の拙いSSを見て頂きありがとうございます。

これから、頑張っていこうと思います。

ありがとうございました。

酉はこれでいいのでしょうか


おお、出来てました

ではありがとうございました


おお、出来てました

ではありがとうございました


被ってたので変更

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