VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」【艦これ×VAKA】 (964)



ドヒュン!!ドゴゴゴゴ!!ドカーーーーン!



ガシャン…ガシャン…ガシャン…



VAVA「エックス…」



エックス「ぐ…ぅぅ…」ビリビリ…バチ…


ゼロ「…」バチバチ…



VAVA「確かにお前は強くなった」


VAVA「だが…」


VAVA「死んでしまっては世界を変えることはできんぞ?」


VAVA「あぁ??」ゲシッ!



エックス「ぐ…ぶ…ぅ…」ゴロゴロゴロー!!



VAVA「ふっ!どうした!?エックス!」ガンッ!


VAVA「お前の真のチカラとやらを見せてみろよぉ!!」ガンッ!ガンッ!ガンッ!



エックス「…」ゴロ…



VAVA「はっ!っらぁ!!」ゲシィッ!!


VAVA「所詮、エックスはエックスだ。これで終わりだ…」ウィン…カチャリ…




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406298610



ガシッ…!



VAVA「!?」



ゼロ「世界を変えるだと…?イレギュラーの考えることだっ!!」グイィィィ!!



VAVA「くっ…離せ!」ジタバタ!



ゼロ「エックス!今だ!!撃てーーーっ!!」



VAVA「はっ!?」



エックス「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」キュオオオ…!



VAVA「バカな!気づかれないように、チャージしていたのか!?」



エックス「はぁああああああああああああああ!!」ドオォン!



VAVA「ぐわぁああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」



VAVA「…わからん」バチバチ…バリリ…



VAVA「何故…あいつ…なんだ…」



VAVA「ふはは…」



VAVA「はははは…はは…はははは…馬鹿らしいぜ…結局…」



VAVA「俺…は自分が何をしたかったのか…解らぬまま…エックスと戦い…負けたのか…」



VAVA「今…となっ…ては…もう解ら…ずじ…ま……いか。はは…はははは…はは…」



バチバチバチ…ザー…ザー………



VAVA「俺の名は………VAVA(ヴァヴァ)」



VAVA「俺を…心から…受け入れて…存在を…認めてくれ…る奴は…どこにも…いな…いのか…?」


VAVA「俺は……オレハ……」




ザーーーーー…ザーーーーーーーー………ブツン…



とく…て…く…!てい…とく!




提督っ!




VAVA「はっ!?」バッ!



VAVA「こ…ここは、どこだ?俺は…一体?」



大淀「もう、提督。しっかりして下さい。ここは、我が軍が誇る、横須賀鎮守府じゃないですか」


大淀『最近の提督は、こんなに武装と鎧を身に着けてるものなのかしら…?あ、いけない!わたしったら失礼なことを…!』


大淀「でも、御気になさらないで下さい。誰でも初めての配属は緊張するものですから!…て、実は私もなのですが…えへへ♪」



VAVA「ん……?ヨコスカ…??あぁ…お前は、誰だ?」



大淀「はい?…あー!そう言えば……失礼しました!まだ名乗っていませんでしたね」


大淀「初めまして。私、任務娘…もとい、大淀(おおよど)です。提督、これから よろしくお願いいたしますね」ニコ!



VAVA「よろしく…?何をだ?」



大淀「何を仰るんですか、提督。我が艦隊の指揮に決まってるじゃないですか。ふふふ♪おかしな提督さん」



VAVA「…」



大淀「あら?……あのー…提督、どういたしました?」



VAVA「俺の名前だ…聞くばかりで、名乗ってなかったよな?」



大淀「御名前?はい!提督の御名前も、是非教えて下さい」



VAVA「俺の名は VAVA。忘れるな、この名を!」



大淀「はい!」



VAVA「ふっ…」



VAVA「俺が提督だと…?いいだろう。やってやろうじゃないか」




VAVA「何故、俺がこんな所に送られたかは、もうどうでもいい。今は…」


VAVA「俺が提督となり、全てに俺の存在を認めさせるだけよ!」



大淀「提督、やる気十分ですね。では、この資料を御覧いただけますか?」ピラ



VAVA「これは何だ?」



大淀「現在の、提督としての錬度や 所有する艦娘保有数。それと、各資材の総量が記されています」



VAVA「司令部Lv1……あと資材は大体分かるが…艦娘?」



大淀「はい、私もその1人ですが、詳しく説明いたしましょうか?」ニコッ



VAVA「…長くなるならやめてくれ」



大淀「では、簡潔に…つまり、あなたの部下です」



VAVA「そういうことか。わかった…ん?この艦娘保有数…0となってるぞ!?」



大淀「はい。提督は、まだ着任されたばかりですから」



VAVA「どうすれば増やせる?」



大淀「方法はたくさんありますが…とりあえず、次のページを御覧下さい」



VAVA「次?おぉ!!!」


VAVA「これは…皆、可愛いな」ペラペラ…



大淀「彼女達は、提督の初めての部下となる可能性のある、駆逐艦たちです。この5人の中で、御気に召された子はいましたか?」



VAVA「可能性?」



大淀「はい。この中から、実際にここへ配備されるのは一人だけですから。あとで変更することもできませんので、慎重に決めてください」



VAVA「選ばなければいけないのか…」


VAVA『正直…女と真面目に向き合ったことがなかったからな…どの子にするべきだ…?』


VAVA「そうだ!性能で…」



大淀「性能はみんなほぼ一緒ですよ~…性格は保障しかねますが…」ぼそ…



VAVA「なんだって?」



大淀「いいえ♪さぁ、御気に召した子はいましたか?その子が、当面の提督の秘書艦も勤めますので」ニッコー!



VAVA「そうだな…」



大淀「…」



VAVA「…」

VAVA「…」

VAVA「…」

VAVA「…」

VAVA「…」

VAVA「…」



VAVA「決めたぜ。この五月雨だ」



大淀「了解しました。早速、手配しますね。では、少々お待ちを♪」



VAVA「…」そわそわ


しばらくして


VAVA「遅いな。もう、だいぶ待ったぞ…」ぶつぶつ…



ガチャ!



大淀「提督!」



VAVA「!!来たか…!!」



大淀「いえ…それが…その、提督」



VAVA「…状況を報告しろ」



大淀「はい、それが…この鎮守府へ配属されるはずだった、五月雨ちゃんと、給糧艦 間宮さんが、深海凄艦の襲撃を受けているとのことです!」


大淀「駆逐艦一隻に給糧艦が一隻…持ちこたえられるかしら…あぁ!心配だわ…」



VAVA「深海棲艦…それが敵の名か」



大淀「その通りです。我々の任務は、深海棲艦を殲滅することです」



VAVA「…くくく。なんだ、分かりやすく話せるじゃないか…で?」



大淀「あ!はい!今、友軍艦隊へ救援要請を…」



VAVA「必要ない」



大淀「え!?」



VAVA「今すぐ、そちらへ救助に向かう。そう伝えろ」



大淀「提督!危険です!!敵は強力な…!」



ババババババババババババババン!!……シュゥゥゥゥゥ~~…パタン…パカ…




大淀「ひ…ひゃぁ~~………司令室の壁に穴が!?」



VAVA『チッ…武装が揃ってねぇ…あるのは チェリーブラスト・フロントランナー・バンピティブームだけか』


VAVA「……ここから出た方が早そうだったんでな、ドアを作った…おい、通信機か何か、持ってるだろう?」



大淀「は、はい」



VAVA「それで俺をオペレートしろ。道案内は任せる。いいな?」



大淀「え?え?あの…わ、わかりました。周波数、合わせます!」



VAVA「上出来だ…いくぜ」



VAVA「俺のチカラを…見せてやる!」



VAVA「フン…」



VAVA「弱小の輸送隊を襲い、わざと生かしておくことで敵に救援を出させ、戦力を分断させる作戦…か」




VAVA「深海棲艦だかなんだか知らんが、ぶっ潰せるのなら、喜んでぶっ潰してやる!」




VAVA「このゲームにスペードの3はいない…ならば心置きなく破壊するまで」



VAVA「深海棲艦ども…俺がジョーカーだ!」




鎮守府正面海域




ボカーン!




五月雨「もうっ!…なんでぇ?」



間宮「五月雨ちゃん!」



五月雨「あっ…間宮さん、私は…まだいけます!」



間宮「でも、体が!」



五月雨「降伏なんて通用しない敵なんです!ここは、どうにか切り抜けます!!」ドンドン!



ボォオン!!



ロ級「ギャアアアアアア!」



五月雨「やった!あと軽巡1隻に駆逐が2隻……やるしか!!……あ!?」



間宮「五月雨ちゃん!危ない!!」



ホ級「…」ドォン!!



五月雨「回避…間に合わない!?」


五月雨『私、こんなところで沈むの…?そんなのいや…いや…』



五月雨「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」




そらよ




五月雨「え……?」



バシューーーー!!ガイーーンッ!!………ボチャン…




ホ級「!?」


ハ級「!?」


ロ級「!?」




VAVA「おら」カコン!…コロン…コロ…




ホ級「???」



ボォオオオオオオオン!



ギャヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!ドカーーーーン!



VAVA「ケッ………もっと強力な敵を想定していたが…大したこと無かったな」



大淀(提督、聞こえますか?そちらの状況は…)



VAVA「問題ない。今カタがついた……くくく」



大淀(提督?)



VAVA「クハハハハハハハハハハハッ!!」






大淀「はぁ…自ら出撃して深海棲艦の艦隊を殲滅するなんて…なんだか、すごい提督の下へ配属されてしまったみたい…私」



明石「まぁまぁ、いいじゃない。軟弱な男の人より、強い男の人のほうが好きだな。私」



大淀「そうね…って、明石!あなたはまだこっちにきちゃダメよ。すぐ持ち場の売店に戻って」



明石「はいはい…相変わらず固いんだから…あぁ~VAVA提督かぁ!私はいつ部隊に編入されるんだろ。たのしみね!」



大淀「もう、明石ったら…さてと…」



大淀「職人妖精さんたち!提督が戻るまでに、どうにかこの穴が開いた壁を直してください!!」




がってんでーい!やったるで!せやな




執務室




VAVA「…」



大淀「五月雨ちゃん、間宮さん。よくご無事で…さぁ、提督に着任の報告をお願いします」



五月雨「はっはい!五月雨っていいます! よろしくお願いします。護衛任務はお任せください!」



VAVA「頼りにしてるぜ。お前が持ちこたえていたからこそ、俺が間に合ったんだ」



五月雨「はい!ありがとうございます!」



間宮「給糧艦 間宮です。提督、甘いものはお好きですか?」



VAVA「それなりにな。ちなみに好物は酒だ」



間宮「まぁ♪」



大淀「以上二名が、この鎮守府に配属されました。この瞬間から、提督も1人の司令官です。頑張ってくださいね」ニコニコ



VAVA「わかった。よろしくな。……もういいだろう?悪いが一人にしてくれ」



大淀「え?…は、はい、分かりました。では、各施設の説明は、また後日しますね」



VAVA「頼む」



間宮『あら…残念…でも、影がある男性ってなんだか素敵…ちょっと暴れん坊そうだけど…今後に期待ね♪』


間宮「提督、本日は助けていただいて、本当にありがとうございました。今度、私の作ったお菓子を食べてくださいね」



VAVA「あぁ、いいぜ。だが今は休め」



間宮「はい。ではでは…」カチャ…パタン




大淀「では、私も失礼します」パタン…



五月雨「…!」



VAVA「…どうした?お前も下がっていいぞ。秘書艦ってったって四六時中一緒は嫌だろう?」



五月雨「嫌じゃありません!」



VAVA「…」



五月雨「私、恩返しが…私と間宮さんを助けに来てくれた提督に、恩返しがしたいんです!!」



VAVA「ほぉ」



五月雨「私にできることだったら、何でもします!言ってください!私、頑張りますから!!」



VAVA「何でもする?」



五月雨「はい!!」



VAVA「ふー…」



五月雨「へ??」



VAVA「おい、小娘!」



五月雨「ひっ…」



VAVA「何でもするなんて言葉、おいそれと使うんじゃねぇ。それも、女が男に使うのはもっと気にくわねぇ…いいな?」



五月雨「は……はい…ごめんなさい……あの………私…自室で待機してます…大変失礼しました…」ショボン…



VAVA「おい」



五月雨「はい…?」



VAVA「お前。酒は飲める…わけねぇか……まぁ、注ぐぐらいはできるだろう?なぁ、頼むぜ」



五月雨「わぁ…!はい!五月雨、お酌します!!」




トクトクトク…カラン…クイ…ゴクゴク……




VAVA「ん…これが、ニホンシュってやつか。なかなかうまいじゃないか」コクン…



五月雨「私はお酒って飲んだことがないですけど…そうやって、小さいコップに氷を入れて飲むものなんですか?」



VAVA「さぁな、この酒の適切な飲み方は知らねぇ…だが、この飲み方が一番板についている気がするのさ」


VAVA「ロック…って飲み方さ、五月雨にはまだ早いがな。ふふふ」



五月雨「あ…私の名前…うふふ。はい、提督。五月雨にはまだ早いです♪」



VAVA「…何故、5人の中から五月雨を選んだのか…教えてやるよ」



五月雨「え!ホントですか?知りたいです!!」



VAVA「気に入ったからさ…資料にあった。その素直なところと…青い髪…青い瞳をな…」



五月雨「光栄です!五月雨、明日からもっとがんばっちゃいますから!」キラキラ!



VAVA「あぁ…頼む」クイ…ゴクン…

これって初代(X)のVAVA?それともMk-ⅡかⅤ?

>>33

VAVAMk-2

カラーリング派手な方か

ライドアーマーって海底運用できましたよね(ゲス顔)


>>35さん

すみません。打ち終わる前に送信しちゃった。



>>33


VAVAMk-2=改

VAVAⅤ=改二


みたいに考えてます。


とりあえず、今は無印のVAVAです。




VAVAファンがいてくれて、私は嬉しい。



五月雨「それから、ちょっとだけ月日が流れていきました」



五月雨「この鎮守府は、未だに戦う艦娘は私だけ」



五月雨「あとは、任務を伝えてくれる大淀さん。売店で売り子をしている明石さん。鎮守府の中で甘味処をひらいた間宮さんの3人」



五月雨「妖精さんはたくさんいます!提督は、売店で明石さんのお手伝いをしている緑のカゴを持った妖精さんがお気に入りみたいです」



五月雨「ふふふ♪こないだなんて、その妖精さんにこっそりコンペイトウをあげてたの、私見ちゃいました!」




五月雨「よーし!提督のためにも、もっと戦力を整えなきゃ!提督……」


五月雨「提督は……見た目も少し怖いし、いっぱい怒ります。でも、優しいところもたくさんあります!!」


五月雨「業務にはまだなれていないようで、書類と睨めっこする日が続いていました」


五月雨「でも、今日の任務は工廠で新しい艦娘を建造することなんです!新しい仲間。早く会いたいですね~♪」




VAVA「五月雨ー!初建造するぞ!早く来い!!




五月雨「はーーーい!今行きまーす!」



カシャコン…カシャコン…




VAVA「これで…いいのか?」



五月雨「そうですか?もっと弾薬を多くしたほうがいいんじゃないですか?」



VAVA「そうか?じゃあボーキサイトも増やしてみるか!」



五月雨「じゃあ、鋼材も増やします?」



VAVA「この際だ。燃料も景気良く入れろ」



五月雨「はい!了解しました!!」




ALL MAX




VAVA「よし、資材なんて放って置けば増えるんだ。使ってしまえ」



五月雨「では、いきます!!」




大淀「妖精たちの体調管理も完了と……あら?あれは提督と五月雨ちゃん…え!?まさか…止めなきゃ!!」



五月雨「えい!」ポチ!



大淀「待って下さい!!建造は資材を詰め込めば良いって物じゃないんですよ!?」



VAVA「ん?」



五月雨「え?あ、大淀さん」



大淀「ああぁ…遅かったわ…もう!提督!!あれっっっっっっ……ほど資材は大切にって言ったじゃないですかぁ!!」



VAVA「あぁ、そうだったか?」



大淀「もう…これっきりにしてくださいよ?ALL MAX建造なんて…そういえば、建造の結果はどうなったのかしら」



04:20:00



大淀「はっ!?こ、これで正規空母だったら、まだ…でも、もしも…う~ん」



五月雨「やりました!提督!4時間以上です!」



VAVA「??……まぁ、よくやったぞ!五月雨!!」


時間経過



ドキドキ…ワクワク…パアァ!



扶桑「扶桑型…超弩級戦艦、姉の扶桑です。妹の山城ともども、よろしくお願いいたします」ペコリ



大淀「やっぱり…」



五月雨「提督!戦艦さんです!!これで戦力アップ間違い無しです!!」



VAVA「なかなかの迫力だな」



扶桑「あの…山城はいるんでしょうか?」



大淀「いいえ、山城さんはここにはいないわ」



扶桑「そうですか…」



大淀「提督…」コショ…



VAVA「なんだ?」



大淀「建造した以上、彼女が一番力を発揮できる環境を作らなければいけません。そのためには、もっと艦娘の数を増やさなければいけないと思うんです」



VAVA「なるほど、昨日説明で聞いたな。戦艦が部隊に一人でもいると、二回攻撃がどーたらな」



大淀「そうです。そのためにも、提督にはしてもらわなければならないことがあります」



VAVA「何?」



南西諸島海域




ゴポ……ゴポン…



ガシュン…ガシュン…ガシュン…



VAVA「まさか…ドロップってやつを狙うために、海へ放り込まれるとは…」



VAVA「前は海面で戦ったが、やはり海底は静かでいいぜ」



VAVA「深海棲艦を沈めれば、どこからか艦娘がやってくる。か…本当かどうか、眉唾ものだがな」



ガシュン…ガシュン…



VAVA「歩けども歩けども、岩と魚しかいねぇ…」




ヲーー…ヲーーー…



VAVA「なんだ…?今、声がしたような気がしたが…」



ヲー…



VAVA「やはり、聞こえる。かなり弱っているようだが…見に行ってみるか」



ガシュ!ガシュ!ガシュ!



VAVA「何だこいつは?」



ヲ級「ヲー…ヲ!?ヲッヲッヲ!!!」シャー!



VAVA「…威嚇のつもりか?しかし、こいつはなんなんだ。深海棲艦ってのはもっと魚っぽいんじゃないのか…?どう見ても女だ…艦娘か?」



ヲ級「ヲー!!」



VAVA「ん?……ドラム缶…そうか、人間が捨てた大量のゴミが、運悪く落ちてきたのか。ゴミに両足も潰されて動くに動けず、餓死寸前ってわけだ」



ヲ級「ヲ…!!ヲ…ヲ」



VAVA「…どっちか見当がつかん以上、しかたねぇな」



グッ…ガコン…ゴゴゴ…ゴガンッ!!



ヲ級「ヲ…?」



VAVA「大人しくしてろ。今自由にしてやる」




ズズーーーン!




ヲ級「ヲ…ヲッ!ヲーーーー♪ヲ゛ッ…!?」ズキッ…



VAVA「はしゃぐからだ マヌケ。とりあえず、応急処置をしてやる。人間用とレプリロイド用、両方だ」



スチャ…グルグル…ペタペタ…



VAVA『まさか…ハンター時代の知識が役に立つとはな』



ヲ級「ヲー?ヲ!ヲ!」



VAVA「まだ、立つな。両足がイカれてるんだぞ」



ヲ級「ヲ~…」



VAVA「ほら、腹が減ってるんだろう?好きなものを食え」



ヲ級「ヲ…!?ヲヲヲヲヲヲヲ!!!!」むしゃむしゃ!!



VAVA『この様子じゃ、5日間絶食が続いたってとこか』



VAVA「ん!?……お前、ボーキサイトばっか食いやがって!!他のも食え!!」



ヲ級「ヲーーー♪」



ザー…ザーーーーー…



VAVA「こちらVAVAだ。聞こえるか?五月雨」



ヲ級「ヲッヲ…♡」ツンツン!



VAVA「大淀!応答しろ!!」



VAVA「ダメだ…鎮守府から離れ過ぎたか?…性能の悪い通信機だぜ」



ヲ級「ヲ~~♡」スリスリ



VAVA「あー!!離れろ!鬱陶しい!さっきからなんだ!!」



ヲ級「ヲー…♡♡」モジモジ…



シュルルルル…ピッタリ!



VAVA「うぉ!?触手が…おい離せ!!お前、恩を仇で返す気か!」



ヲ級「ヲ…違ウヨ…………ッヲ…アッチ」グイグイ



VAVA「お前、喋れたのか!?何?あっちだと?」



ヲ級「私ノ…オウチ…アッチ……オンブ~♡」



VAVA「…」



VAVA「俺に家まで送れってのか?」



ヲ級「ヲ…歩イチャ ダメ ダッテ VAVAガ言ッタヨ…」



VAVA「…何故俺の名を知っている?」



ヲ級「サッキ 自分デ 言ッテタ」



VAVA「チッ…」



ガシュン…ガシュン…ガシュン…



ヲ級「ヲ…アリガトウ………」ギューッ♡♡♡



VAVA「やめろ!!」



ガシュン…ガシュン…ガシュン…




ヲ級「着イタ…」



VAVA「家というか、馬鹿でかい岩だな。こんなところに住んでるのか」



ヲ級「ウン。シェアハウス」



VAVA「シェアハウスだと!?お前のようなのがまだいるのか!?」



ヲ級「ヲ…?VAVAモ私タチト同ジ仲間ジャナイノ?」



VAVA「俺はレプリロイドだ。人間でも、艦娘でもない」



ヲ級「ジャ、仲間♪私タチ、人間モ艦娘モ嫌イヨ…デモ、VAVAハ大好キ♡私ヲ助ケテクレタ」



VAVA『ということは…こいつは深海棲艦なのか』



VAVA「人間と艦娘が嫌いと言ったな。だが、お前らがそれらと対立しているのがいけないんじゃないのか?」



ヲ級「ヲ…私タチハ、静カニ暮ラセレバソレデイイノ。デモ、中ニハ 人間タチヲ ヤッツケテ、海ヲ 独リ占メ シヨウトスル 悪イ子モイルヨ…」



VAVA「そういうことか…」



ヲ級「ケド、人間モ艦娘モ…ソンナコト 構ワズ撃ッテクル…ソレデ 怪我シタ 友達、イッパイ イルンダヨ?」



VAVA「…」



ヲ級「私ダッテ、イルカ ト競争シテタ ダケナノニ、上カラ イキナリ 重イ物ガ 降ッテキテ………痛カッタ」


ヲ級「デモ、VAVAガ 助ケテクレタ ♡ ヲッヲ…私、コノ恩ハ忘レナイ」



VAVA「そうかい、精々憶えていてくれ。VAVAって名前をな」



ヲ級「ヲッ♡」



VAVA「で?どうやって入るんだ?そもそもこの家?にドアはあるのか?」



ヲ級「アルヨ。オートロック ダカラ、ソコノ インターホン デ、友達ニ中カラ開ケテ貰ウノ」



VAVA「お前の鍵は?」



ヲ級「無クシチャッタ…新シク、作ッテ貰ワナキャ」



VAVA「お、おぅ。そうか、よし、押すぞ」ピンポーン!



VAVA『人間達は、まずこいつらの生態を調査するべきだな…』



ピー…ガチャ…



ドナタ?



ヲ級「タダイマ」



!?……ヲーチャン!待ッテ スグ 開ケル!



ガーーー



VAVA「岩の一部が…割れた」



ヲ級「リッチャン!」



リ級「ヲーチャン!!5日モ帰ッテコナイデ 何処行ッテタノ!?ッテ…何デ、オンブ サレテルノ?コノ人ハ……誰?」



ヲ級「私ノ 命ノ恩人ナノ」



リ級「恩人!?」



ヲ級「話スト長クナル カラ 家ノ中デ話ソ」



リ級「ワカッタ。トニカク帰ッテキテクレテ良カッタワ。サ、恩人サン。中へドーゾ」



ヲ級「ドーゾ!」



VAVA「待て、勝手に話を進めるな。俺は俺の目的があって、こんな暗くて塩辛いとこに来たんだ」



ヲ級「ヲ?」



VAVA「礼が欲しくて助けたんじゃねぇ。ただの気まぐれだ……オラ、降りろ。俺にも仕事がある」



ヲ級「……ヲ」ストン…



VAVA「じゃあな。両足、治るまで走ったり飛び跳ねたりしないことだ」



ガシュン…ガシュン…ガシュン……シュルルルル……ピタ!



ヲ級「VAVAァ…」くいくい



VAVA「ぐっ…お前また…いい加減にしろ!」ババッ!



ヲ級「ヲ…怒ラナイデ……VAVA…ネ?ショッパクナイ オ茶出スカラ…」



VAVA「ふざけるな!!何故助けた奴に体を締め付けられなければならんのだ!」ジャキン!


VAVA『あのタコ野郎のことを思い出すぜ……余計に腹が立ってきやがる!!!』



ヲ級「タ、大砲構エルノヤメテ…怖イヨ…」ぶるぶる



VAVA「うるせぇ!恩知らずはこうだ!!」ドゥンドゥン!!



ヲ級「キャー!?」



リ級「大変!?………ン?


リ級「コレハ??」



リ級「モシカシタラ…」


リ級「恩人サン!チョット コッチ来テ!!」グイィ!



VAVA「なっ…うぉわああああ!!」



ヲ級「…酷イヨ、VAVA……信ジテタノニ…グスッ…ウゥッ…」




深海ハウス




VAVA「これは…ファイヤーマーレイン!」ジャキン!



リ級「ワァ~!ピッタリ クッ付イタ!予想的中ダネ♪」



VAVA「お前、なぜ俺の装備を持ってる!どこで手に入れた!!」



リ級「エーットネ…コナイダ、北方海域ヲ散歩シテタラ 偶然 見ツケタノ」



VAVA「落ちていただと?」



リ級「ソ、最近ヨクミカケルノヨネ。珍シイシ 綺麗ダカラ、見ツケタラ集メルコトニシテルノ」



VAVA「他にもあるのか!?おい頼む!それは元々俺の物だ。返してくれ!!」



リ級「ウーン…ドウシヨウ?デモ、ヲーチャン ノ 命ノ恩人ダシ…ネェ、ヲーチャン。ドウスル??」



ヲ級「ヲッ…………知ラナイ」プイ!



リ級「アハハ!嫌ワレチャッタ ミタイネ、命ノ恩人サン」



VAVA「くっ…!」



リ級「ソーダワ!ジャ、コウシマショ?私ガ拾ッテキタ物、アナタ ニ 売ッテアゲル。コレナラ オ互イ得スルヨネ!」



VAVA「なるほどな……確かに元々は俺の物だが、回収したのはお前……ただ寄越せと言うのは筋違いということか」


VAVA「しかし、お前らの通貨は今は持ち合わせていない。が、教えろ。いくら欲しいんだ?言ってみろ」



リ級「オカネ?ソンナモノ ココニハ ナイヨ。欲シイノハ 燃料 カナ」



VAVA「燃料?そんな物でいいのか?」



リ級「ウン!私ノ大好物ナノ!!イッパイチョーダイ!」



VAVA「具体的に言え。コップ一杯にされても知らんぞ」



リ級「エェ!?ソレは嫌ダナ…ジャ、燃料イクツ マデナラ イイノ?」



VAVA『そうきたか…』



VAVA「そうだな…取り合えずだ。お前が拾ったパーツ、全部見せてみろ」



リ級「ハーイ」



VAVA「肩部兵装は、ファイヤーマーレインとケルベロスファントム」


VAVA「腕部兵装はジップザッパーとバンザイビートル」


VAVA「脚部兵装はピースアウトローラーだけか…」


VAVA「おい、これで全部なんだな?」



リ級「ウン。ソレニシテモ ビックリシタワ」



VAVA「何がだ?」



リ級「大砲ハ ピカピカ デ 綺麗ダシ ソーデモナイケド、腕 トカ 脚 トカ ガ 海ニ落チテルンダモノ」



VAVA「悪かったな………で?全部で5000でいいのか?」



リ級「ドーシヨウ…全部アゲチャウ ノハ ナンカ 嫌ダナァ…手足ダケナラ5000 デ イイヨ」



VAVA「……わかった。一先ず、交渉成立だ。三つの兵装、買い取らせてもらうぜ」



リ級「リッ!!!ヤッター!アリガトー!!」



VAVA「燃料は、今は無い。後日ここに持ってくる。それでいいな?」



リ級「ハイ♪ナルベク早クネー!!」



VAVA「さて…本来の仕事に戻るか……おい、出口はどこだ?」



リ級「置ク行ッテ 突キ当タリヲ 右ダヨ」



VAVA「おぅ、邪魔したな。あばよ」



ガシュン…ガシュン…ガシュン…



ヲ級「ハァ…」



リ級「ヲーチャン。恩人サン、帰ッチャッタネ。デモ、大丈夫。明日マタ来ルッテサ!燃料持ッテーー♪」



ヲ級「VAVA ナンテ…イーモン……ベツニ…」



リ級「アァ、ヤッパリVAVAデ イイノネ?私モ次カラVAVAッテ 呼ンジャオ!」



ヲ級「ム…」



リ級「人間 デモ 艦娘デモ ナイナンテ、素敵ジャナイ!私、雄ッテ 初メテ見タワ!ネェ!ヲーチャンモ 初メテ デショ?」



ヲ級「…ウン…デモ、モウ信ジナイ……」



リ級「アララ…?」




横須賀鎮守府




五月雨「遅いですね…」



大淀「あの提督だから、命に別状は無いと思うけど…まさか、迷ったりして…」



五月雨「提督…」



ガチャ…ガシュン…ガシュン…



五月雨「提督の足音!!」



大淀「良かった!収穫はあったのかしら!」




VAVA「よう…今帰ったぞ」



五月雨「お帰りなさい!提督!」



大淀「……提督?どうなさいました?なんだか、元気が無いような…」



VAVA「あぁ…まぁ、色々あってな。帰り道に襲ってきた深海棲艦を蹴散らしてたら…こいつらをドロップした…」



大淀「こいつら…?う…」





霞「何がこいつらよ!文句があるなら目を見てはっきり言いなさいな!!」



満潮「ウザイのよッ!!そのダサいT字顔が!!」



曙「ホント、冗談じゃないわ。このクソ提督!!」





大淀「…」



VAVA「五月雨、お前は稀有な駆逐艦だったんだな…」



五月雨「えぇー!?」



扶桑「不幸なのね…提督。なんだか、親しみやすいかも…」



VAVA「扶桑…」

ロクフォルでコールドマンのステージに行くと
ロールちゃんとの通信で「帰ったらホットオイルをいれる」とか言われる

いれるが「淹れる」なら飲むんだろうけど
「入れる」だったら単なる給油かオイル交換
平仮名だからどちらなのかは不明



深夜の海辺




VAVA「…俺は、何故こんなところに送り込まれたんだ…」



VAVA「…」



VAVA「記憶は消えていない。シグマパレスの最深部で、奴等と戦った…」



VAVA「あの時、確かに俺は破壊された…しかし」



VAVA「俺はこうして存在している。正直、成行きとその場の勢いでこんな状況になってしまったが…悪くない」



VAVA「…それにしても」



VAVA「俺はどこへ行っても戦ってばかりか…性に合ってるな」



VAVA「艦娘…深海棲艦。俺に言わせればどちらも同じだ。そのうち一方が潰されても、俺の知ったことではない」



VAVA「だが、俺も変わらなければならないのかもな…もし、あの時…」



VAVA「俺に信頼できる仲間…いや、部下がいれば…!!」ガチャ!




ドゥンドゥンドゥン!!!………シュ~………




VAVA「あんな不意打ちを喰らう事はなかった!!」



VAVA「エックス!!ゼロ!!」


VAVA「…」



VAVA「俺も…信頼が…」



扶桑「提督」



VAVA「!……悪いな、今ので起きたか?」ガチョ…スッ…



扶桑「いえ…ただ、独りで夜を過ごすのが寂しくて、海辺を散歩していたんです」



VAVA「体に障るぞ」



扶桑「ありがとうございます…心配して頂いて…でも、ご安心を」


扶桑「私は燃費が悪いので、まだ実戦には使って頂けないと、大淀さんが…」



VAVA「そうか、なら自由にしてろ……じゃあな」ガシュン…ガシュン…



扶桑「提督…お待ちになってください」



VAVA「…」ピタ



扶桑「私も…御一緒させてください」ペコリ…カラ…


扶桑『いけない……お辞儀で、髪飾りが…』



コロ………サッ!パシ…



VAVA「……落ちたぜ」



扶桑「あ………ありがとうございます」



VAVA「ついて来たいなら、好きにしろ」



扶桑「はい…好きにさせていただきます…♪」



ガシュン…コツ…ガシュン…コツ…



VAVA「…」



扶桑「…」


扶桑『どうしましょう…会話が…あ!』


扶桑「あの、提督」



VAVA「なんだ」



扶桑「提督の主砲…綺麗ですね。傍目に見ても、よく整備されているのがわかります。とても…ピカピカ…」



VAVA「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」ピクン!


VAVA「そう思うか?」ズイ!



扶桑「え!?……はい、凛々しくて私は好きです」



VAVA「そうか!……くく、わかるか。このショルダーキャノンの良さが」


VAVA「扶桑、お前見る目があるな」



扶桑「光栄です…提督」


扶桑『良かったわ…とても喜んでくれているみたい』



VAVA「扶桑、俺の部屋に戻るぞ」



扶桑「司令室へ?」



VAVA「お前に興味が湧いた。お前が寝るまででいい。付き合ってくれ」



扶桑「はい。提督のことは、よく大淀さんから聞いていますから…あまり強くはないですけれど、私なんかでよければ…」



VAVA「話が早いな。いくぜ」



扶桑「はい」



司令室




扶桑「すー…てぃ…とく…もぅ…のめません……くー…」



VAVA「寝たか」


VAVA「どれ、そろそろ行くか」



ガタガタ…トクトクトク…



VAVA「燃料5000。こんだけありゃあ足りるだろ。ん?」



扶桑「すー…すー…」



VAVA「…」


VAVA「…」ガラ…グイ…



パサ…



扶桑「…んぁ……すー…」



VAVA「よし」



ガシュン…ガシュン…





深海ハウス





リ級「VAVA遅イナ~」



ヲ級「…」



ピンポーン



リ級「ア!噂ヲ スレバ!」



ガチャ!



リ級「ハイハイ、コンバンワー!ハイッテハイッテ!」



ヲ級「VAVA…」




ゴトゴトゴト!!



VAVA「おら、これで満足だろう?」ゴトン!!



リ級「ウン、確カニ 燃料5000 アルネ。ジャー、コレ持ッテイッテ イイヨ」



VAVA「おう。これで武装を変えられる」



リ級「WIN WIN ノ 関係ッテヤツヨネ!トコロデ、VAVA。私モ、VAVAッテ呼ンデイーイ?」



VAVA「何だ藪から棒に、もう呼んでるじゃねぇか。好きにしろ」



リ級「リリリ♪VAーーーーーーーーーーーーVAァアーーーー♪」



VAVA『わからん。何が楽しいというのだ…』


VAVA「おい、用は済んだんだ。もう帰らせてもらうぜ」



リ級「エー…モウ帰ッチャウノ??」



VAVA「今は…帰る場所があるからな。そうだ、忘れる所だった。コレをあいつに……」ガタッ…



リ級「何コレ?オッキーネェ……アー!ソウナノ!優シイノネ♪」



VAVA「気まぐれに作っただけだ。他意は無い」



リ級「ソゥ?マァ、マタ 遊ビニ 来テヨネ。楽シミニシテルカラ」



VAVA「当たり前だ。お前から取り上げなきゃなんねぇ武装がまだあるからな。覚悟してろ」



リ級「キャア怖イ♪」



ガシュン ガシュン ガシュン



VAVA「お?……よう。そんなとこに隠れてどうした?」



ヲ級「ヲ…!?……フ、フンダ!!」ぷいっ!



VAVA「脚、大事にしろよ」



ヲ級「!!」



ガシュン…ガシュン…



リ級「…」



ヲ級「…」



リ級「ヲーチャン。送ッテアゲナイノ?」



ヲ級「ヲッ…ヲッヲヲーーーヲヲヲ…」



リ級「マタマター!ソンナコト言ッテ!好キ ナンデショ?VAVA ノコト」



ヲ級「!?……私、乱暴ナ人…嫌イ……大砲向ケタリ…怖イ声ダシタリ………」



リ級「ハァ~…ショウガナイワネェ。コノママ ジャ VAVA ガ 可哀想ダカラ、教エチャウネ」



ヲ級「何ヲ…?」



リ級「アノ時、VAVA ガ シツコイ 私タチ ニ 怒ッテ、大砲ヲ ブッ放シテイタケド、アレ実ハ 全弾空砲ダッタノヨ?」



ヲ級「ヲヲヲ!?」



リ級「ホントヨ。ダカラ、最初カラ VAVA ハ 私タチ ヲ 傷ツケル 気ナンテ 無カッタノヨ」


リ級「ジャナキャ、私ダッテ 我ガ家 ニ 入レル ワケナイワ。ソウデショ?」



ヲ級「ヲ…ヲヲ…私…」



リ級「ソレニ、コンナ物マデ置イテ行ッタノヨ」



ヲ級「コレハ…杖!?……カナ?」



リ級「多分ソウデショウネ。怪我ヲシタ オーチャン ノ 為ニ VAVA ガ 作ッテキタッテ。優シイヨネー♪」



ヲ級「……」


ヲ級「……ヲッ!」


ヲ級「リッチャン!私、VAVA ヲ 追イカケテクル!!オ留守番ヨロシクネ!!!」



南西諸島海域




VAVA「武器の変更が出来るようになったのはいいが…どれも主力としては使えねぇな」


VAVA「せめて肩部武装があればな…」



ギュウウンーーーーー!!



VAVA「ん?」



ト級「ギャハハハハーーーーーーーーー!!」


ヘ級「グオオオーーーーー!」



VAVA「…なんだ、深海棲艦か。逃げるなら見逃して…」



ガゥン!!ドンドンドン!!



VAVA「…」チュン!ビシビシビシッ!カイーーンッ!!



ト級「ギョ!?」



VAVA「そうか…」



VAVA「撃ってくるってことは…俺も撃っていいんだな?あぁ!!」ドドドドゥン!!



ドカーーン!!



ギャアアアアアアアアアアア……




ガシュン…ガシュン




VAVA「せっかく全滅させたのによ…ドロップしなかったか。弾薬を損しちまったな」


VAVA「そろそろ、鎮守府か」


VAVA「…静かだ。今頃あいつらは寝てるとこかな…」


VAVA「俺に睡眠は必要ない…しかし、何故人間ではない艦娘が睡眠を必要とするんだ?」


VAVA「そもそも、艦娘とは…」


VAVA「いや、やめておくか。考えるだけ無駄だ」



ガシュンガシュン……ザパァ!



VAVA「…体が磯くせぇ……ん」


VAVA「弾の跡が………クソ、あの魚モドキ共が…手間増やしてくれたな。俺のボディが汚れちまってるぜ」


VAVA「朝になったら…チビ達に磨いてもらうか…」



ガシュン…ガシュン…



司令室




VAVA『扶桑がいない…大方、明石あたりが部屋まで運んでいったんだろうが…』



ギシ……



VAVA『座り心地が悪い椅子だ』



VAVA『正直、この時間が一番暇だな』



VAVA『夜が好きな艦娘てやつぁいないのかな』ボソ…



トクトクトク…



VAVA「ふぅ…酒は良い」カラン…



VAVA『さて……当面は大淀の助言に従っておくのがいいか』



コンコン…



VAVA『窓?』



VAVA「誰だ、そこに居るやつ。出て来い。出てくりゃあ、スクラップはカンベンしてやるぜ」ガチャ!



パタパタ…!



VAVA「ホワイトフラッグ(降伏)…だと?」



ヒョコ!



ヲ級「ヲ…」トントン…



VAVA「お前は…!?」



カチャ…ギィィ…



VAVA「おら、入れよ」



ヲ級「ウン」ヒョコ!



VAVA「…」ガバ!



ヲ級「!?」ビク!



パサァ…



ヲ級「ヲ…?」



VAVA「とりあえずそれで体を拭け。床が濡れるからな」



ヲ級「リョーカイ」ふきふき



トクトク…



VAVA「…ふぅ、まさか着けて来たとはな。お前の追跡に気づかないとは、俺も甘ぇな」クイ



ヲ級「追跡ッテユーカ…ニオイ ヲ辿ッタッテ感ジ?」



VAVA「鼻がよく利くと言う訳か…」



ヲ級「ヲ!」えっへん!



VAVA「で、何しに来た?まさか ここ を襲いに来たってんじゃねぇんだろう?」



ヲ級「違ウヨ!私ハ 争イ ナンテ嫌イダモノ!!」



VAVA「そうかい。じゃあ、何だ?」



ヲ級「ソレハ……ヨイショ…」スッ…ゴトン!



VAVA「馬鹿…!でかい音を立てるな」



ヲ級「ゴメンナサイ…デモ、コウシナキャ…」




チュ…♡




ヲ級「チ、チュー出来ナイカラ…」ぽっ///




VAVA「…」



ヲ級「エット…ゴメンネ!デモ、ドウシテモ…VAVAガ大好キニナッチャタノ…ダカラ、コーシナキャ気ガスマナクテ…」



VAVA「…」



ヲ級「アノ…VAVA。何カ言ッテ…私モウ…アァ!!恥ズカシイ!」ガシ!スポ!↓


ヲ級「ア!?ソーカ!ホ、ホッペ デ ゴメンネ!クチ ハ…ケ、ケッコン ノ 時マデ…ソノ…」




VAVA「物好きな奴だ」グイ…カラン…




ヲ級「ヲ…」



VAVA「まぁ、お前のことは好きだぜ。俺は自分の願望のままに動ける奴が好きだ」



ヲ級「ヲヲ!!ジャア、一緒ニ海底デ暮ラ…!!」



VAVA「だが、一緒にいてやることはできねぇ」



ヲ級「ソンナ…ドーシテ?」



VAVA「悪いな…俺にはこれしかない」ウィーン…ガシャン!



VAVA「これは性分なんだ。戦うことしか出来ない俺が、海の底で平穏に暮らすなど、考えられん」



VAVA「きっと…俺に殺された奴等も納得しないだろうぜ。いいか?俺はそういう奴なんだ」



ヲ級「嘘ヨ!VAVAハ優シイヨ!!私ニハ ワカルワ!」



VAVA「戦って壊すことが楽しい。そんな風に考えてるクズだ」



ヲ級「ウゥ…グス…ヤメテ…」



VAVA「こんな風に呼ばれたことだってある。Vail(ヴァイル)…醜悪で最低な奴って意味さ」



ヲ級「ソンナコトナイ!!!!」ガタッ!




やっぱり、怪しい声と物音がします。


提督の執務室からです!!


止むを得ないわ、突入するしか…


ちょっと、まって!扉を撃ち抜く気!?


うるさいのよ!鍵かけてんのはあいつでしょ!


しょうがないったら!


このクソ任務娘!




ヲ級「ア……艦娘!?」



VAVA「言わんこっちゃねぇ…」スチャ…



ヲ級「ヲ…?」カチ…



ヲ級『何カ、耳ニ…?』



VAVA「誰かいないか!!敵の諜報員だ!!侵入されているぞ!!!」



ヲ級「エ!?」



ヲ級「ソ、ソンナ!?嘘ダヨネ?VAVAァー!!」



あぁ!提督!!


どきなさい!手柄は私のものよ!


提督…ご無事で…




ビュン!……バリーーーン!!



ガラスの割れる音…もう待てないわ!突入!!



ドカーーーーン!



大淀「あぁ……鎮守府が壊れていく…」



曙「どこよ!深海からのスパイは!蹴散らしてやるわ!」ガチャ!



五月雨「提督は!?どこ!!」



扶桑「次弾装填…」ゴトン…!



霞「敵がいないわ!」



満潮「あ!Y字顔!」



五月雨「提督!よかったぁ…」



VAVA「油断するな!敵は窓を破って正面海域へ逃げた!全員で追撃しろ!」



了解!!



大淀「えぇ!?私もですか!?」



VAVA「当たり前だ!人手不足なんだろう!!」



大淀「ひぇええん…まだ専用艤装届いてないのにぃ…」



VAVA「お前は軽巡なんだろう?装備は主砲でも副砲でも何でも積んでいい!行け!」



大淀「積むほどないけど……はい…ご命令とあらば…」


VAVA「…」



VAVA「派手にやりやがって」



トコトコトコーー!



VAVA「お、チビ達、悪いな。起こしちまったか?」



「きにすんなー」


「だいじょうぶー?」


「装甲へっこんでるでー」


「なおすー?」


「ドアこわれてるぜ」



VAVA「おぅ、俺はいいから、とりあえずここを直しといてくれな」なでなで



「りょーかい」


「やるでー!ねむくない!」


「「「「えいえいおー」」」」



明石「あのー…」



VAVA「明石か」



明石「何があったんですか?なんか、血相変えてみんな出撃しちゃいましたが…」



VAVA「ちょうどいい所に来たな。チビ達と一緒に、ここを直してくれ。時間は特に指定しない。気楽にな…」



ガシュン…ガシュン…ガシュン…



明石「え!?いや、何があったのかと……ねぇ!提督はどちらへ!?」



VAVA「見回りだ」



明石「そ、そうですか…」



VAVA「すまん。詳しくは全員揃ってから話す」



明石「はぁ…分かりました!工作艦の名にかけて、元通りにします!」



VAVA「ありがとよ。あぁ、あと 通信機 がひとつ破損した。新しいの仕入れといてくれ」



明石「はーーーい!」



ガシュン…ガシュン…



南西諸島海域




ヲ級『VAVA…』


ヲ級『アノ時』


カチ…



ヲ級『コノ 通信機 ヲ 私ノ耳ニイレテクレテ…逃ゲラレルヨウニ 指示シテクレタ…』



ヲ級「ヲ………」



ザザ…ザー…



ヲ級「ヲ?」



(こ…ら…ビー…ザー…V…聞こ……か?)



ヲ級「VAVA!」



(ザー…もう……こんなことはするんじゃねぇ……戦いが嫌いなら……ザー…深海から出るな…)



ヲ級「ッ!?デモ…」



(また……兵装を……ガー……取り戻しにいってやる。またな……ザザザーーーー…ブツン…)



ヲ級「…」



ギュッ…



ヲ級「ウン、マタネ。VAVA…」


工廠




VAVA「…」



コンコン!ゴシゴシ!



VAVA「いい腕だな」



「ありがとー」



VAVA「全員俺の部屋の修理で出払ってると思ったが、よかったぜ。一人……残ってたとはなぁ?」



「ギク!?………エヘへ、もうかんべんしてー」



カンカン!



VAVA「何、別にサボるのが悪ぃと言ってるんじゃねぇ。バレるのが不味いと言ってんだよ」



「へぇー!司令は寛容だなー」



VAVA「そうかよ」



キュッキュ!



「はい、ボディの修理は完璧だー」



VAVA「うむ、いい仕上がりだ。礼を言う。タッパはねぇが、腕は一級品。上の上だ」



「褒めても、なにもでないよ///」



VAVA「これでお前のサボりもチャラだ。次からは気をつけろよ」



「あーい。しれぇーー!今度は全身の火器いじらせてねー!」



VAVA『ほぅ、ボディを診ただけで気づいたか?』



VAVA「今度な」



ガシュンガシュン…



VAVA「次からはボディの整備はあのポニーテールチビにやらせるか…」



VAVA「さて、そろそろあいつらも戻ってくる頃だな」

司令室



VAVA「ご苦労。で?どうだったんだ?」



五月雨「…」


大淀「…」


扶桑「…」


曙「…」


満潮「…」



五月雨「懸命に探しましたが…ごめんなさい!!鎮守府に侵入した密偵を、取り逃がしてしまいました!」ペコペコ!



大淀「艦載機があれば…は!?私としたことが!いいわけなんて…」



扶桑「提督、低速の私が…皆の足手まといになったんです…皆は何も悪くありません。処罰なら…私一人で……」



曙「そ、そうよ!このノロマがいけないのよ!」



グイ!



曙「な!?」


満潮「バカ、今は黙ってなさい…!5人が責任を1人に押し付けるなんて、それこそかっこ悪すぎよ…違う?」


曙「うっ…し、失言だったわ。忘れて」



五月雨「いえ、旗艦の私がもっとしっかりしていれば!」



VAVA「おい、ちょっと待て」



五月雨「はい?」



VAVA「霞はどうした。いないようだが?」



五月雨「あ!?………そ、それが…」



うるさいったら!!ねぇ!!ちょっとは大人しく…きゃあ!?



夜戦だぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!



VAVA「なんだ…今の奇声は」



扶桑「帰還する途中に、小さな戦闘がありまして……そこで軽巡の子をドロップしたのですが…」



VAVA「良いことじゃないか」



五月雨「そうでもないんですよぅ…」



大淀「会ってみればわかります」



VAVA「?」


VAVA「おい霞。新入りを連れて来い。さぁ!遠慮せず入って来い」



わかったわよ!ほら、あんた!夜戦したいんでしょ!相手するっていってるわよ!



ほんと!?



ガチャ!ドアバーーーン!!ダダダー!!




川内「やせーーーーーーーーん♪」



VAVA「よぅ、俺の名はVA…」



川内「夜戦しよーーーーーーーーーーーー!!」



VAVA「お゛ぅっ!?」ドゴッ!



バリーン!ガシャーーン!ひゅ~…バシャーーーン!!



きゃーーー!提督と川内が落ちたー!?無理心中よーーー!!??



司令室



ふきふき…



「せっかくピカピカにしたのにー」


「VAVAだいじょうぶー?」


「関節の中にカニがおるで」




VAVA「…」


VAVA「随分と元気がいいやつだな」



川内「ありがとー!」



五月雨「あの…川内さん。今のは褒めたんじゃないんですよ…」



川内「?」



VAVA「取り合えず、自己紹介でもしてみろ」



川内「自己紹介?いいよ!」



川内「5500トン級の軽巡洋艦の最終タイプ、それが私、川内型よ」



川内「熟成された軽巡の魅力、たっぷり教えてあげるから!」



川内「もちろん、夜戦でね!!」

数日後…


川内「ねぇー!なんで昼ばっかなのー!?夜戦までやっちゃおうよ!」

川内「提督!聞いてるの?」


VAVA「あぁ」

川内「嘘ー!全然聞いてないよ!夜戦よ!やーせーん!」


VAVA「そんなに死に急ぐこともないだろう。深追いは禁物だ。こんなもの常識だろうが」

五月雨「そうですよ。無理してS勝利とることもないんですから」


川内「わかってなーい!私はそんな軽い気持ちで夜戦するんじゃないの!!」

大淀「じゃあ、なんですか…?あー、経費が…本部からの電文が…」ぶつぶつ


川内「夜戦はね、魂だよ!!ロマンなの!!」


満潮「バカじゃないの。ロマンじゃ戦いには勝てないわ」

川内「もー!満潮だって駆逐艦じゃん!軽巡の私と同じく夜戦大好きじゃないの!?」


霞「遊びでやってるんじゃないのよ!!勝ちは勝ちよ!」


曙「こんな奴を野放しにしてるなんて、あんたの指揮もどうかしてるわ!!」

VAVA「クソ提督か?」


曙「クソて…!?な、なによ、自覚してんの信じらんない!ばーか!ヴぁーか!」ガチャ!バタン!


VAVA『最近、少し理解出来てきたな。三人とも毒々しいだけかと思っていた』

VAVA『それぞれ違った方向から、俺に文句を言ってくる…』


VAVA「寧ろ心地よく聞こえるようになったな」


扶桑「提督…?」


VAVA「何でもねぇ」


扶桑「失礼いたしました…提督、お飲み物を淹れたので、よろしければどうぞ…」


VAVA「紅茶じゃあないだろうな?」


扶桑「はい…黒豆出汁です。お砂糖なし、みるくがひとつですね…?」


VAVA「良く覚えているな」


扶桑「提督が好むことは…覚えておきたいんです…」


VAVA「扶桑…」

扶桑「提督…」


五月雨「むっ…提督、こっちの緑茶も飲んで下さい!」


川内「だぁー!!結局夜戦はー!?」パタパタ!



それから数日後のある夜…




川内「…」パチ…



川内「…」ムラムラ…



川内「…」ギンギン!



ス…キィ…バタン…




司令室



なでなで…



「ねー、司令室と執務室って、どうちがうのー?」



VAVA「さぁな、どっちも同じだろ」なでなで…



「わたしもなでて」


「こらー割り込むなー!」


「なんだとこのー!豆鉄砲のくせに」


「そっちだって三式弾のくせにー」


「けんかだー」


「いいぞーやれやれー」


「やめろよー」



VAVA「ケンカするな」



工廠




「すー…」


「くかぁー…」


「むーん…」



Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz………



VAVA「…」そー…カシュン…カシュン…パタン…



VAVA「やっと寝た…」


VAVA「そろそろネタ切れだな。明石に新しい絵本の取り寄せをさせるか…」


VAVA「他に本は……何?~鋼の冒険心~だと?大そうなタイトルだな。とても子供が喜ぶ絵本とは思えん…」 



間宮「提督さん」



VAVA「ん……間宮。どうした?もう消灯時間だぞ」



間宮「そうですね。ふふ、提督も本が好きですか?」



VAVA「見ていたのか」



間宮「ごめんなさい。でも、微笑ましくて♪」



VAVA「俺が子供を寝かしつけるのが、そんなにおかしいか?」



間宮「第一印象からは、あまり想像できないですね」



VAVA「はっきりいいやがる」



間宮「似合いませんけど…好きです。そんな風に、一生懸命 自分を変えようとしてるところ」



VAVA「冗談じゃねぇ。お前らのために、誰が何を変えるってんだ」コトン…!



間宮「うふふ。提督、絵本 落ちましたよ?」




ヒラヒラ…



VAVA「お前こそ、エプロンはどうした?」



間宮「え…?あら?……あらあらあら???」サササ!



VAVA「ほらよ。返すぜ」パサ…



間宮「あの……いつの間に?」



VAVA「さぁな?ただ、エプロンを外した姿も悪くないと思っただけだ」



間宮「話、逸らされちゃいました?」



VAVA「さあなあ?」ガシュン…ガシュン…



間宮「今日も見回りを?」



VAVA「おう。こいつをしないと夜も眠れねぇんだ。じゃあな。間宮」



間宮「はい。また明日」ペコリ





ガシュン…ガシュン…ガシュン…



VAVA「異常無し」



VAVA「さて、外出でもするか…」




南西諸島海域




ゴポン…ブクブク…



ガシュン…ガシュン…



VAVA「…」



VAVA「そうだ、またあいつらの所にでも行ってみるか」



ガシュン…ピタ…



VAVA「ん…?」



ガヤガヤ…ガヤガヤ…



VAVA「ほう、気分転換に新しいルートで歩き回ったのがよかったかな。まさか深海でバーを見つけるとは」



VAVA「一応敵地だが」



VAVA「入るしかないな」



深海BAR ダーウィン




「ソレデサァ!コナイダナンカ生意気ナ艦娘ヲ ブッ殺シテヨォ~」


「マジデェ?チョーウケルwww」



ゲラゲラwww……




港湾「…」キュッキュッ…




ギィイイイ………ガシュン…ガシュン…




港湾「…?」ピタ…




ギャハハハハ!ワイワイ!……シーーーーーン…………



ガシュン…ガシュン…ガラ…




VAVA「…」スッ…




ヒソヒソ…ボソボソ…ザワザワ……




港湾「イラッシャイマセ…何ニ致シマショウ…?」



VAVA「ジントニック」



港湾「カシコマリマシタ。今、注文ガ タテコンデイル ノデ…少々 オ待チ 頂ケマスカ?」



VAVA「かまわねぇよ」



港湾「ドウモデス…」チャカチャカ…


ザッ…


チ級「オイ テメェ、ココノ モン ジャネーナ。何シニキタ?」



VAVA「…」



チ級「テメェ ニ 言ッテンダゾ!!肩二単装砲ノッケテル テメェ ダ!」



VAVA「なんだ、俺に話しかけていたのか。何か用かい?」




チ級「見タコトモネェ面ダ。薄気味ワリィ」


「コイツ、艦娘カ?オレラノ 同類 ナノカ?」

「イヤ、モシカシタラ 姫タイプカモシレナイゼ?」

「ダトシテモ ヨソ者ダ。ソレニ、ビビル コタァネェ。港湾ノヨウナ ヨエー 姫タイプモイルンダ」

「ソウダ! ココハ オレタチノ ナワバリダゼ」

「ヨソモノ二 デケェ 顔ハ サセネェ!」


チ級「ソウイウコッタ。オラ、死ニタクネェ ナラ トットト 消エナ」


VAVA「悪いが、そうはいかねぇな」


チ級「テメェ……立場ガ ワカッテネェ ヨウダナ!フザケヤガッテ!!」ジャキン!


ザワザワ…!


コト…


港湾「オ待チドウ サマ」


チ級「ナ…!」


VAVA「見ろよ、注文がきちまった」


チ級「ダカラ ドーシタ!コノ…」


VAVA「不思議だな」


チ級「!?」


港湾「何ガデス?オ客サン」


VAVA「店に入ったとたん、塩っ辛さが消えた」


港湾「ウフフ…不思議ナノハ貴方ヨ?ココニ 来テ、ソンナコト ヲ 言ッタ オ客サン ハ 貴方が初メテ…」


VAVA「ほぅ、誰でも思い付くと思ったぜ」


バンッ!


チ級「オーイ!!港湾サンヨォ!ヨソモノト話スナヨ!!」


港湾「…」


チ級「デモッテ コノT字 野郎! ナメガッテ!モウ勘弁ナラネェ!ブッコロス!!」


ガラララーー!カエレッ!


チ級「ワッ!?」


VAVA「なんだ…子供か?」


北方「カエレカエレ!!ケンカ スルナラ カエレ!」


港湾「北方、ダメヨ、奥デ遊ンデナサイ」


北方「ヤダ!オ姉チャン ヲ 困ラセル ヤツ ハ 、オ客サン ジャナイ!!」


港湾「イイ子ダカラ」


北方「ミンナ カンバク デ ヤッツケルー!!」


港湾「…北方、帰ッテ貰ウカラ…言ウコトキイテ……ネ?」


北方「オ姉チャン ヲ バカ 二 スルヤツ!爆砕スル!!」


港湾「ダメ。暴力デハ 何モ 解決スルコトハ出来ナイノヨ…サ、奥ノ部屋デ待ッテテ」


北方「ムー!!」


チ級「チッ……!」


「姉貴、北方ガ キチマッタゼ…怒ラセタラ ヤバイ …!」

「アイツ ハ 港湾 ト 違ッテ攻撃シテクルゾ…」

「ダガ、アノ Y字顔ヲ ホットク ノカヨ!」

「アレハT字ジャナイカ?」


チ級「ドチラデモイイ!クソ………ハッ!?」


VAVA「悪党は……お呼びじゃねえってよ」ボソ…


チ級「速…ウッ…」ゴッ…


「ゲッ…」

「ブホ…」

「ンベッ…」

「アグッ…」


ドサササササーーーッ!!


港湾「…?」


北方「……アレ?寝テル?」


VAVA「皆寝ちまったな。大方、姉ちゃんがいれた酒がうまいんで、のみ過ぎたんだろう」


北方「ワァ…」ポカーン


港湾「アノ…ドウモ」ペコリ



VAVA「気にするな。もとはと言えば俺のせいだ。さて…」


VAVA「これじゃあ掃除が大変だな。手伝ってやる」



ギイィィ……ポポイ!ポーイ!ドササ!




クイ…コトン…



VAVA「うまい」



港湾「アリガトウ…」カチ…



北方「??……口ガ見エナイノニ、ドウヤッテ オ酒ヲ飲ンデルノ?」



VAVA「秘密さ」



北方「ムムム…ケチダ」ぷいっ!



港湾「コラ、大事ナ オ客様デショ。スミマセン」



VAVA「子供はそれでいいんだよ」



港湾「…フフ」ニッコリ



グイ…パサァ…



VAVA「なんだ、そのボロキレは?……これは?ジュークボックスってやつか。実物を見るのは初めてだ」



港湾「今夜ハ…特別」チャリン……カチ!



………ジャ~ジャ~ン♪



VAVA「…」クイ…



港湾「…♪」キュッキュ…



北方「ルンランラ~♪」



VAVA「……良いもんだな、ジュークボックスてのは。どこで手に入れた?いや、何故ずっと鳴らしておかない?」



港湾「誰モ 聴カナイト思ッタカラ……ソシテ、コレハ タダノ 拾イ物」



VAVA「良い物を拾ったな」



クイ…カラン……ガタ…



港湾「モウ…帰ルノ?」



VAVA「騒がせてすまなかったな。だが、良い店を見つけた。また来るぜ」



港湾「ソウデスカ。私モ貴方ガ来ルノ、待ッテマス」



VAVA「ありがとよ、いくらだい?」



港湾「今夜ハ特別デス…コレハ、私ノ奢リ」



VAVA「そうかい、恩に着る」

シュッ……!シャーーーーー!!



北方「コップ?……ア!落チル!?」


港湾「…!」



パシィッ!



VAVA「おい……既に席を立っている奴にシュートするのが、ここの礼儀か?」コト…


北方「ナイスキャッチ!」



泊地「ハハハ…ウマク キャッチ 出来タジャナイカ」



港湾「泊地、ココハ…」



泊地「分カッテイル。ココデ暴レタリハ シナイ…タダ、目ノ前ニ オモシロソーナ 奴ガ 現レ タンデネ」ペロリ…



VAVA「…」



泊地「サッキハ 見事ダッタゾ。雑魚トハイエ アノ数ヲ 一瞬デ ノシテシマッタ」


泊地「ソノ強サニ 魅セラレテ……イテモ タッテモ イラレナクナッタ ノサ」



VAVA「で、なんだこれは」カラン…



泊地「私カラモ奢ラセテ モラオウッテ ワケダ。美味イゾ、ココノ ソルティードッグ ハ」



VAVA「遠慮しておく」



泊地「ナゼダ?」



VAVA「二杯目は バーボン と決めてるんだ。あばよ」



ギィイイイイ……パタン…



泊地「…」



泊地「ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」



泊地「面白イ奴ダ。コレハ……久々ニ楽シメルゾォ!!!ハハハハハ!!!」




ガシュン…ガシュン…



VAVA「あのシュートしてきた女、明らかに雰囲気が違っていた…いや、あのマスターとチビも…」



ドンドンドン!!!ボシュウウウウウ!!!



VAVA「?」スカ…



テメェー!



VAVA「さっきの仮面女か。どうした?飲み直しなら付き合ってやるぞ」



チ級「ホザクナ!!テ、テメェ ノ セイデ 子分ニ 愛想ツカサレチマッタ!!テメェ ダケハ 沈メル!」



VAVA「くだらねぇな」



チ級「ダマレ!雷巡ノ恐怖ヲ教エテヤル!!」



VAVA「いいだろう、だが店の前じゃあ営業妨害だぜ。場所を変えるぞ」



チ級「望ムトコロダ!!」



ガシュン…ガシュン…



VAVA「…よし。これだけ離れれば十分だろ」



チ級「オラ!何シテル!トットト構エロ!」



VAVA「構えろだと?西部劇でもやるつもりか?」



チ級「チ!三ツダ!!三ツ数エタ瞬間カラ開始ダ!」



VAVA「…」



VAVA「わかった。三つだな」ウィン…



チ級「行クゾ!!」ジャキ!



チ級『オレハ 雷巡 ダ!真正面カラノ早撃チ ナラ、オレニ 分ガアルンダ!! 』



VAVA「…」ガチャリ…



チ級『絶対 T字野郎 ナンカニ…』



チ級『負ケタリシナイ!』キッ!



VAVA「…」



チ級「…」



チ級「ヒトーツ」






チ級「フター………ツ ト 見セカケテ 死ネ!!」チャ!





チ級「エ…」




VAVA「…」ドォン!




チ級「ソンナ!?1ノ時点デモウ 撃ッテ……ワァアアア!?ヒキョウモノォオオオオオオ!!!」ドカーン!



VAVA「けっ……そんな手はもう使い古された手なんだよ。マヌケが」


数分後…



ギャヒィーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!




チ級「モウヤメテェ!!死ンジャウヨォーー!!」



VAVA「なるほど、体の強度はかなりのモンだな。おら、喚くな」ペチペチ!



チ級「ゴメンナサァイ…モ、モウ ハナシテェ!!」



VAVA「ダメだ」



チ級「ヒッ…」



VAVA「どれ、次は…」



ガシッ!……グギギギギギ…



チ級「イダダダダダダダ!!ムリムリムリ!コレ ダケハ ダメェーーー!!」ジタバタ!



VAVA「この仰々しい仮面を…取ってもらおうか」グィ!



チ級「イヤイヤイヤァーーーーー!!!」



バツン…ポロ…



チ級「アーーーーーッ!?」

VAVA「なんだ…つまらん」



チ級「ウゥ……ヒドイ…」



VAVA「もっと醜い怪物のような顔だろうと思ったが、普通に女の顔じゃないか」



チ級「普通ジャナイヤイ!」



VAVA「まさか、右目と左目の形が違うだけで 普通じゃないなんて 言わないよなぁ?」



チ級「ワーーーーーーーン!!一番気ニシテルコト言ッターーー!」ボロボロ



VAVA「うるせぇ」ぺちん!


チ級「ウゥ!…ジャア…セメテ……」



VAVA「あぁ?」



チ級「コンナ ニ 乱暴シタンダカラ 責任トッテ!」ガシ!



VAVA「………知らん。そもそも、てめぇが撒いた種だろう」バッ!



チ級「ダッテ…素顔ヲ見タジャン!!今マデ誰ニモ見セタコト ナイノニ!!」



VAVA「だからといって、会って間も無い奴に そんなことを言える お前の頭がどうかしてるぜ。他をあたりな」



チ級「ウグ…」


チ級『イジメテ キタリ…カト思ウト、突然スカシテ キタリ…何ナンダ!コノ男ハ……エ?オトコ…』



VAVA「ま、これくらいで許しといてやるからよ。次にケンカを売るときは、もっと安い奴にしとくんだな」


VAVA「ほぉら、仮面だ。返してやるぜ」



チ級「…ウゥ……ケダモノ……」カポ…


VAVA「気をつけろ?今度こんなことがあったら、お前の顔のことを深海中に言いふらしてやる」


チ級「ヒェ…」



VAVA「へっ、じゃあな」ガシュン…ガシュン…



チ級「…」


チ級『体モ…プライド モ ズタズタ ニ サレテ…コ、コウナッタラ…!』




ゴゴゴゴゴゴ…!




VAVA「…!」






チ級「死ナバモロトモ!!」ジャキン!






VAVA「バカが!!何をしてる、伏せろ!!!」


ズズズズズズズ……!





チ級「エ…?」





VAVA「ふっ!」ドォンドォンドォン!!





ボカーーーン!!シュー……




チ級「ア…アァァ」ぺたん




VAVA「…」ウィン…ガコン





スイー!!





ワ級「スンマセン!積荷ガ全部落チテ シマッテ…オ怪我ハ アリマセンカ!?」




チ級『コノ人…オレヲ…守ッテ…』///




VAVA「怪我だと?ふざけるな!!こっちは危うく死ぬところだったぞ!」



ワ級「本当ニ ゴメンナサイ!!デモ、仕方ナカッタンデス。海面ヲ進ンデイタラ、イキナリ……」




ダダダダダダーーーー!




ワ級「ワー!?ヤツ ガキター!?アンタラモ逃ゲタ方ガイイゾー!」ピュー!



VAVA「あ?」



チ級「ヤツ?」



一つ…昼を憎んで夜を憎まず



二つ…穢れ無き戦いに身を投じ



三つ…暗闇を友とする




そんなヤツは!!




川内「夜戦仮面!!ここに………」ババッ…キュッキュ…バァーン!




川内「参上!!」キュピーン!




ドォーーーーーーーンッ!!(夜戦仮面の後ろが爆発)





チ級「アーーー!!コナイダ、オレ達ノグループニ奇襲ヲ カケテキタ ヤツダ!!??」




VAVA「夜戦仮面だと…ッ!!」




VAVA『気配が掴めねぇ、一体何者なんだ…!?』


川内「ふふふ…逃げる深海棲艦は敵だ!逃げない深海棲艦はよく訓練された敵だ!」



チ級「オイ!オレラガ 何シタッテンダ!!」



川内「問答無用!深海棲艦は、残らず夜の闇と共に消えてもらう!」



川内「さぁ…夜戦開始よ!」



チ級「ク…!」



川内「ふはははー!もっと怖がれ!!………ってあれ?」




VAVA「…!」


川内「あ」




川内「…」


川内「…」プルプル…


川内「…!」




川内「いたたたた……」




チ級「!?」


VAVA「!?」




川内「なんか…頭がいたいなぁ…風邪かな?ごほごほ!」


川内「あー、だめだ。これじゃあ戦えない。2人とも、命拾いしたね」


川内「っというわけで、夜戦仮面は今日は帰ります。じゃーーねー!」




ダダダダダダダダーーーーーーー!!!




チ級「何ダ…?」



VAVA「…」


ガシュン…



VAVA「…」



チ級「ア…オイ、ドコ行クンダ」



VAVA「疲れたんで、帰るのさ。俺には帰る場所がある」



チ級「ソウカ………ナァ、オレモ連レテ イッテクレヨ」



VAVA「やめとけ」



チ級「頼ムヨ!オレ、テメ…ンッン!ダンナ ニ 教エテ欲シイコトガ沢山アルンダ!子分ニシテクレ!」



VAVA「二度は言わん」



チ級「頼ムヨ!後生ダ!!今、オレ ニハ 帰ル場所ガ ナインダ!」ペコー!



VAVA「クソ…めんどくせぇ。着いてこい」



チ級「チ!アリガトアリガト!!ソウイエバ、互イニ名乗ッテ ナカッタヨナ!オレ、雷巡チ級!ダンナ、名前ハ?」



VAVA「VAVAだ。忘れるなよ」



チ級「忘レルモンカ!VAVAノ ダンナ!」



VAVA「調子のいいやつだ」



深海ハウス



チ級「ダンナ?ココノ家ハ ダンナノ家カイ?」



VAVA「一目で家だとわかるんだな」



チ級「?」



VAVA「気にするな、こっちの話だ」ポチ



ピンポーン…ピー…ガチャ…



ハーイ、ドナタデスカ?



VAVA「よう」



VAVA!!スグ アケルネ!!!



ガーーー



VAVA「おい、何をしている。入るぞ」



チ級「ア、ウン……?」



ヲ級「ヲッヲ…♪」///



ヲ級「私、VAVA ガ キテクレテ トッテモ嬉シイヨ」ギュー…



VAVA「そうか」ギチチチ…!



ヲ級「今度ハ イツマデ 居テクレルノ?」シュルルル…



VAVA「日が昇るまでだ」ガギギギ…!



ヲ級「ソウ………ヲ、コナイダ 星 ガ ヨク見エル 綺麗ナ場所ヲ見ツケタノ。今度一緒ニ イコーネ… ♡」パッ…



VAVA「いつかな」



ヲ級「ヲ ♡」スリスリ…



ヲ級「デ」



ヲ級「コノ 女 ハ………………………………誰?」ジー…



チ級「アノ……ドモッス…」ペコ…



VAVA「ここに住まわせてやって欲しいんだが、できるか?」



ヲ級「部屋ガ空イテルカラ…出来ナクハ ナイケド…」



ヲ級「私ガ聞イテルノハ…コノ女ガ VAVA ト ドウイウ 関係カッテコト!!ヲッ!!!」シャー!



チ級「子分デス!」



VAVA「だそうだ」



ヲ級「…何カ、納得イカナイ」



VAVA「そうか…いや、こいつには居場所がないんだそうだ。だから、ここなら…と思ったんだがな」



ヲ級「ヲッ!?」



VAVA「仕方が無い。おい、お前 掃除ぐらいならできんだろ?」



チ級「アンマリ シタコト ナイケド…掃除クライナラ…」



VAVA「上出来だ。俺の鎮守府で面倒を見てやる」



チ級「エエ!?鎮守府!?」



ヲ級「待ッタ!!ダイジョブ!OK!住ンデモイイカラ!!」



VAVA「ん?そうか?悪いな。今回は借りにしといてくれ」



ヲ級「ウフフ!イーノヨ。VAVAノ頼ミ ダモン」///



リ級「オーイ VAVAァーー!」



VAVA「リ級か」



リ級「コナイダ ブリ ジャナァイ。ネェ、チョット 見セタイ モノガ アルカラ キテ!」ピュー!



VAVA「なんだ唐突に…まぁいい。ヲ級、こいつのことを頼む。自分の召使いだと思って置いてやってくれ」



チ級「ダ、ダンナァ…」



ヲ級「任セテ!」



ガシュン…ガシュン…


深海アイテム屋さん




VAVA「なんだこれは…?」



リ級「アレ?言ッテナカッタッケ?私、家ノ裏デ マニア ナ アイテム屋サン 経営 シテルンダ」



VAVA「初耳だぞ」



リ級「リリリ!マァマァ、細カイ コト ハ イイカラ!コレVAVA ノ デショ?」ガギン…



VAVA「こいつは…クイックホームシック!探していたんだ。いくらで売る?」



リ級「ソウネェ…コウイウノ ハ ドウ?アナタ ノ 体ヲ 診セテクレタラ、タダデ アゲルワ」



VAVA「そんなことでいいのか?よし、買った」



リ級「売ッタ!!ア、診ルノハ時間ノ アル 時デ イイカラネ」



VAVA「おう」キィ…



VAVA「ん…?何か、開発室のようなものがあるが…お前メカニックだったのか」



リ級「エヘへ…ソウイウ 言イ方ハ 照レルネ…マァ、趣味ガ高ジテッテヤツヨ」



VAVA「なるほどな、俺の兵装も珍しがるわけだ」



リ級「ソユコト♪ホラホラ、ソロソロ 夜ガ 明ケルヨ」



VAVA「そいつは不味いな。悪い、ヲ級には…」



リ級「大丈夫。事情ハ全部聞イテタカラ、後ハ ウマク ヤットイテアゲル。早ク 帰リナヨ♪」



VAVA「恩に着るぜ。またな」ダダダダー!



シーーーーン……



リ級「…帰ッタ」ドキドキ…



リ級「……ハァ…ナンダロウ?最近、エンジン ノ 調子ガ 悪イカモ…ヤッパリ、全身火器ッテ素敵…」ポッ///


朝になって



執務室



VAVA「お前等、今日は来るべき戦闘に備えて、より実戦に近い演習を実施する」




はい!!




VAVA「順次点呼を取りつつ、体調報告!」




五月雨「1番、五月雨です!元気いっぱいです!!」キラキラ!



扶桑「2番、扶桑です……体調は良好です」キラキラ!



霞「3番、霞よ。演習に支障は無いわ」



満潮「4番、満潮。万全の状態よ。いつもこうありたいものね」



曙「5番、曙。ゴホ…!ベスト………オ゛ホン……!コンディションよ…」赤




VAVA「明石、間宮」




明石「はーい!」



間宮「はい♪」




VAVA「曙を休ませてやれ」




曙「なっ!勝手に決めないでよ!!」



VAVA「気に入らないから外したんだ。文句あるか?」



曙「くぅっぬ…!…………………了解」ガチャ…バタン!!



VAVA「次!………………おい、次はどうした。もう一人いただろう!」




川内のへや




ぐーーーーーーーーーーー…



ぐぐぐーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…










川内「むにゃ……やせーん……」ゴロン…









スヤァ……………





大淀「遅刻しているのは……川内さんです」



VAVA「なかなかいい根性をしているな」



大淀「提督、このままでは部隊全体の士気に影響します。私が…」



VAVA「必要ない。休みてぇならそのままにしといてやれ」



大淀「……分かりました。提督がそう仰るなら」



VAVA「全員、1時間後に演習場へ集合だ。その間に、装備などを整えておけ。実戦用の弾と演習用の弾を間違えるなよ」



了解!!



VAVA「以上、解散」



パパッ!!!



1時間後



演習場



VAVA「よし、定時だ。これより演習を開始する。何か質問があるヤツはいるか?」



五月雨「はい、提督。相手の艦隊が見えませんが、どんな艦隊が相手なんですか?」



VAVA「俺だ」



えぇぇーーーーーー!?



VAVA「遠慮はいらん。ドンドン撃って来い」



ゴクリ…



VAVA「ちなみに、俺に参ったと言わせたヤツには、一週間の有給休暇をやる」



!!!!!!!!!!!!!!!!



VAVA「大淀、開始の合図だ」



大淀「これより、実戦形式の演習を開始します。体調に異常を感じたり、怪我をした時点で直ぐに白旗をあげること」



はいっ!!!!!



VAVA「現金だな…」



大淀「それでは、演習開始!!」パーン!



バキューーーン!!ドパーーーーーン……




五月雨「あ、当たらない…」小破



霞「なんで高火力がでるのにあんなに速いのよ!ずるいったら!!」小破



VAVA「…」ドゥンドゥン!!



扶桑「そこ…!」ドォン!!



VAVA「む!」バシィ!ドカーン!



シュゥーーーーーーーー…



VAVA「やるじゃないか」バルルルルルッ!!



扶桑「回避は…ダメね」ビシシシ!ボン!!



扶桑「さすが提督…」小破



ザパーン!………ザバァ!



VAVA「波の裏から接近してきたか。いい手だぜ満潮」



満潮「スキあり!」ボシュゥ!!



五月雨「すごいです満潮さん!」



霞「やった!位置ピッタリ!着地の瞬間に命中よ!!」



満潮「くらいなさい、四連装魚雷!」



VAVA「甘いな」




VAVA「おら」ドゥン!ドゥン!!




フワァ…ドゥン!…フワァ…ドゥン!…フワァ………ストン




五月雨「え…」小破


扶桑「提督が…浮いてる」小破


霞「は…」小破


満潮「な…」



 
VAVA「どうだ?主砲をうまく使えば、はずみを利用してこんなこともできるんだぜ」ウィン…ガシャコン!




嘘だッ!!






ウーーーー!ウーーーーーーー!!




!?




大淀「警報!?」


大淀「みんな!演習やめー!!提督、非常警報です。直ぐに司令室へ戻りましょう!」




VAVA「わかった。全員聞こえたな!」




了解!



司令室




VAVA「演習がパァになったわけだが…入電だと?」



大淀「はい、本部からの入電、読み上げます」ピラ…



VAVA「頼む」



大淀「我が軍の偵察艇が、敵艦隊 前線 泊地 に異常な数の深海棲艦が集結していることを察知した」



五月雨「深海棲艦が集結…」ごくり…



大淀「各艦隊は、敵戦力が整う前に これを強襲し、敵を殲滅されたし。諸君等の健闘を祈る。以上」



大淀「ハァア!…とうとう我が艦隊にも出撃命令が下りました!」



VAVA「命令されるのは嫌いなんだが」



大淀「お゛ーーーーねーーーーーがーーーーーいーーーーーーでーーーーーすーーー!!!!」ぎりッ…



VAVA「……………まぁ、お前の頼みならば聞いてやる。お前には借りが山ほどあるからな」ウィン…



大淀「提督ぅ…」じーん…



VAVA「くっ……………仕方なくだ!そんな目で見るな!」プイ!



大淀「……限定海域、がんばってくださいね!うまくいけば上層部に認められて、我が艦隊の待遇もよくなりますから!!」



VAVA「ようは奴等を殲滅すればよいのだろう…?やってやる」



五月雨「提督、編成はどうしますか?」



VAVA「何?」



満潮「ふむ…本部からの情報によると、色々な種類の艦娘がいないと、最深部まで辿り着けないですって」


霞「厄介ね、ここには駆逐艦、軽巡洋艦、戦艦しか戦闘要員はいないわよ」


扶桑「困ったわ…」


五月雨「うー…曙さんは作戦に参加できないみたいだし、川内さんは警報鳴っても起きてこないし…」



VAVA「心配するな。お前たちは待ってるだけでいい」



五月雨「提督!1人なんて危険すぎです!私もいっしょに行きます!」



扶桑「提督…御武運をお祈りしています」キュ…



VAVA「ありがとよ、扶桑」ス…



五月雨「扶桑さん!?」



満潮「…いいんじゃない?その強さなら」



五月雨「むうぅ…!」



満潮「でも、着任して一年も経たずに上官殉職だなんてやめてよね」



霞「満潮………ったく、私はまだ あんたのことを認めたわけじゃないわ」



五月雨「霞さん…!不敬ですっ!!」



霞「うるさいったら!」



五月雨「ひぅ……」



霞「見せて貰おうじゃない。その自信が本物かどうか」



VAVA「あぁ、そこで見ているがいい」ガシィン!


限定海域




ドドドドドド!!!ボォーーーーーーーーーーーン!!




ガシュ!ガシュ!!ガシュ!!!




VAVA「最深部に行くにつれ、敵の攻撃も激しくなってきたな」



VAVA「…」ギラリ…



VAVA「そこだろう」ドゥン!




「ワッ!?」カッ…!


「ギャアアアアアア!!」ドカーン!




VAVA「はっ…下っ端が」



大淀(……ザ……ザーーーーー……提督)



VAVA「大淀か、もうオペレートはいい。傍受される危険がある」



大淀(でも、ギリギリまで…ザーーーー…!!ちょっとみんな!オペレーターは私がキチンとやってるから!マイクとらないで!)



VAVA「切るぞ」



大淀(あ、待って下さい!)



VAVA「なんだ?」



大淀(本部より追って情報が入りました…て、集結している敵の中に 姫タイプ の深海棲艦が1隻確認されているようです…)



VAVA「姫…?」



大淀( 鬼タイプ とも言われています。通常の深海棲艦を遥かに凌ぐ戦闘能力を持った、異質な深海棲艦です)



VAVA「ほう」



大淀(なお、確認された姫タイプは 泊地棲鬼 。圧倒的な速力と火力を持つ恐ろしい敵です)



VAVA「くくく……楽しみだ」



大淀(もう……提督)



VAVA「ん?」



大淀(気をつけて)



VAVA「…もういい」ブツン…



VAVA「…フゥ」



VAVA「俺も似合わないことをよくやるぜ…」ウィン…!



限定海域 最深部





ズズズズズ……!!!ゴゴゴゴゴゴ!!





泊地「騒ガシイゾ。艦娘 ゴトキ 蹴散ラス ノニ 時間ヲ カケルナ」



「申シ訳アリマセン…艦娘ドモノ 進撃ハ スベテ 防イデイルノデスガ…」



泊地「ナンダト?」



「単騎デ 進撃 シテキテイル 奴ガ イマシテ…」



泊地「単騎…?タッタ1人デ ココニ 近ヅク 者 ガ イル ト 言ウノカ?」



「ハイ…!ソ、ソイツ ガ 信ジラレナイ ホド 強クテ…!!第3、第4防衛ライン モ 既ニ 突破サレマシタ!!」



泊地「ソウカ………クク、本土攻略 ノ 為 ニ 集メタ 精鋭達 ガ、コウモ容易ク アシラワレル トハナ」グゥウン…!




「泊地様、イカガ致シマショウ。コノママ デハ 敵ガ ココヘ ノリコンデ 来ルノモ 時間ノ問題デス」





泊地「ヨシ、前線ノ部隊ハ後退サセロ。私ガ 出撃スル」ブッピガン!






「ハッ!了解シマシタ!!者共!姫様ガ 出撃 ナサルゾ!!護衛ノ者ハ 姫様ニ 続ケー!!」





オオオオオオオオオーーーー!!!!





泊地「フフフ…楽シイ。コノ 緊張感…久シク 忘レテイタ」ドクン…!ドクン…!



泊地「互イニ 脅カサレル…コレデコソ 戦争 ダ!!」カッ!


十数分後



「…」



「つ…つえぇ…」



ガシュン!ガシュン!



VAVA「あと少しか………ん?」



ピカァ…!



VAVA「ドロップだ。今度はどんな奴がでる…」




青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」ニコッ!




VAVA「VAVAだ」



青葉「わかりました!馬場さんですね。鎮守府に着いたらよろしくです!」



VAVA「馬場じゃない。VAVA(ヴァヴァ)だ」



青葉「???…………高度なボケですか?」



ヒョコ!




黒潮「いやいや、今のはボケちゃうやろー」





漣「なんもいえねぇ♪」






青葉「あぁ!もしかして2人もここで馬場さんと邂逅したんですか?」



黒潮「そうやでー黒潮や、よろしゅうな」



漣「漣です。青葉さん、これからシクヨロ!」



青葉「きょーしゅくです!」




ワーワー!キャッキャ!




VAVA「やかましい!」





限定海域 最深部



ウィーーーン…カシャ…



VAVA「いいかお前等、ここで大人しく待ってろよ。俺の経験上、ここは安全だ」



はーい!



VAVA「絶対に、ここを動くなよ。これは命令だ」



りょーかーい



VAVA「よし、あとは…ここのボスだけだ」ウィン…



ウィーーーーン…カシャ




WARNING!WARNING!WARNING!




泊地「始メルカ…」シュ!




ゴォオオオオオオオ……スタン…




泊地「フフフ、マタ逢エテ嬉シイゾ」




VAVA「泊地棲鬼とは……やはりお前だったのか」




泊地「ソウ。コノ広イ海デ、泊地 ト呼バレル 深海棲艦 ハ 私 ダケダカラナ…人違イナド、早々起キンヨ」



泊地「サァ、私ノ名前ハ憶エタロウ?今度ハ オマエ ノ 名前ヲ 教エテ欲シイ」



VAVA「聞いてどうする」



泊地「深イ 理由ハ無イ。タダ知ッテオキタインダ。イイダロウ?」



VAVA「………VAVAだ」



泊地「VAVA ト イウノカ……礼ヲ言ウ。コレデ 何モ 気ニセズ 戦エル」



VAVA「取り巻きがいないようだが?」



泊地「皆、オマエ ニ ヤラレテ シマッタヨ」



VAVA「嘘をつくな。楽しみを邪魔されたくないからだろう?」



泊地「…」



VAVA「こい、遊んでやる」ガチャリ…




ゴワーーーーーーーーン!!




泊地「グッ…」



VAVA「…」



泊地「ココマデ ヤルトハ……」中破



VAVA「航空 砲 雷 撃戦 全て攻撃か、確かに凄まじいが、当たらなけりゃ意味はねぇ」



泊地「ナンナンダ…オマエハ?マルデ……背中ニ目 ガ ツイテイル ヨウダ」中破



VAVA「悪いが、話をしている時間はない。沈んでもらうぜ」フッ…!



泊地「ソウハイカナ………ムグッ!?」中破



ガシ!ピタ…



VAVA「…」ギリギリ…!



泊地「マサカ………ング…!?」中破




バルルルルルルルルルルルルルル!!!!!




泊地「ンッグ…!!………ン゛ンンンーーーーーーー!!」大破




バルルルル!!!………シュゥーーーーーーーー……パッ……




泊地「………」ぐら…バタン…!撃沈




VAVA「バルカンといっても、至近距離でこれだけ喰らえばきくだろう」



VAVA「ジップザッパー。相変わらず射程は短いが、良い連射性能だ」



VAVA「そうだ、一つ前で残してきた連中は………!」




ゴォオオオン!!




VAVA「ハッ!」ピョン!




泊地「クク…ハズレ カ」




VAVA「まだ生きていやがったか……おまけに体力も回復したようだ」



泊地「生憎ナ。トコロデ、私 ハ VAVA ガ モット 気ニ入ッテ シマッタヨ。ダカラ 私 ガ オマエ ヲ 沈メル」



VAVA「サディストか、正気を疑うぜ」



泊地「オマエ ニ 言ワレ タクナイ。女 ノ 腹 ニ 零距離 デ 機関銃 ヲ 撃ツ ナンテナ」



VAVA「女?怪物の間違いだろう?」



泊地「怪物…モウ鬼デハナイ。見ロ、コノ姿ヲ」



VAVA「ただ脱いだようにしか見えないが」



泊地「泊地棲姫。コノ速力、着イテ来テミセロ」ビュン!




バキッ!




VAVA「ぬぁ!!」



VAVA「こいつは……速いな…イーグリード並だぜ」




ギュウウン!!



VAVA「う…」



バシィイイイイ!!



VAVA「ご…」



泊地「ドウダ、目デ 追ウノデ 精一杯カ?」スタッ!



VAVA「チッ…今まで着けてた大型艤装はフェイクか…」



泊地「ヨク 見抜イタ。コノ 状態 ダカラコソ コノ スピード ナノダ」



ドカッ!



VAVA「くそ…」



泊地「フフフ…読メテキタゾ、VAVA。オマエ、ソノ 機関銃 以外 足ヲ止メナケレバ 撃テナインダロウ?」



VAVA「…」



泊地「ダカラ ソノ 立派ナ 主砲モ 使ワナケレバ、脚 ニ 隠サレテ イル ト イウ 爆雷 モ…」



泊地「使エナインダナ!」



VAVA「…」



泊地「ソノ 沈黙 ガ 全テ ヲ 物語ル…ククク」



泊地「速力 ノ 勝ル 敵ノ前デ、一瞬デモ 動キ ヲ 止メルコト ハ 死 ヲ 意味スル カラナ」



VAVA「どう推測しようがお前の勝手だ。だが、そんな甘い考えでは背中に火傷を負うことになるぜ」



泊地「フン!口 ダケ ハ 達者ダナ!!」



ゴシャ!ドズン!!バキ!!!



VAVA「けっ…」



泊地「十分 ニ 楽シメタ。私 ヲ ココマデ 本気 ニ サセタ ヤツ ハ ソウハ イナカッタゾ」



泊地「去ラバ!」ゴォ!





VAVA「おら!」ドゥン!ドゥン!





泊地「オォ!?」シャ!



スカッ!



泊地「ア、危ナカッタ…絶妙 ナ タイミング ノ 砲撃 ダッタガ……………惜シカッタナ」



VAVA「…」



泊地「沈メ!!深海 ハ イイゾォ!!VAVA!!ハッハハハハハハハハハハハハ!!」





ヒュン…ヒュン………




ドス!ドスッ!!




泊地「グェ!!……ア゛ーーーーーーーーーーッ!!!」中破



VAVA「そんなにいいなら一人で沈め」



泊地「後ロダト……!?VAVA!オマエ………!?」中破



VAVA「だから言ったんだ。背中に火傷を負うってな」ガパ!



泊地「ナァアアアア!?」中破



VAVA「お前には、こいつがお似合いだぜ」



バシュウ!!バリリリリリリ!!



泊地「グァアバババババババーーーーーーーーーッ!!」中破



VAVA「喰らったが最後、装甲を貫通し、対象を痺れさせる」



VAVA「ピースアウトローラーってんだ。濡れた体なら、また格別だろ………後は」



VAVA「蜂の巣になってもらうぜ」チャキ…



バルルルルルルルルルル!!





泊地「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」





VAVA「…」ガシャコン!



泊地「ゥゥゥ……」ドサァ…!



泊地「私ハ…滅ビヌゾ……」大破




ピーピー…



VAVA「…ん」ピッ!




VAVA「大淀……そうか……あぁ………じゃあ俺に最高級のバーボンを……ダメか…わかった」ショボン……プチ




泊地「…ぬぅ?」



VAVA「ここも、上も決着だ。そのまま寝てな」ウィン…シャコン



泊地「ナニ…?ドウイウ…コトダ!?」



VAVA「たった今通信が入ったのさ。上じゃもう静かになってるだろう」



泊地「バカナ…艦娘ゴトキ ニ 我々ガ……」



VAVA「お前が前線に出ていたら、結果はわからなかったがな」



泊地「VAVA…オマエ ノ 目的ハ…!!」



VAVA「戦いに勝つことだ」



泊地「…」




泊地「負ケタヨ…VAVA」



VAVA「…」



泊地「今度 ハ ユックリ 酒ヲ…」



ドゴーーーーン!!バン!



VAVA「友軍か…」




「いたぞー!泊地棲鬼じゃん!!」


「捕らえろー!!研究材料にするのよ!」


「なるほど、最近噂の馬場提督が足止めしてくれていたのかー!」


「ボスのいない海域なんて楽勝だったわ!」


「ありがとう!T字提督!」


「ハラショー」




泊地「ト…イウ ワケニモ イカナイカ……忌々シイ 艦娘ドモメ…」クル…



泊地「アリガトウ VAVA。最高 ノ 30分間 ダッタゾ」



VAVA「…」






3 < ひゅるり~~~るり~~~~♪





VAVA「あいつは……!?」





「な、なに!?この口笛は!」


「どこだ!?」





川内「フハハハハハハハハハハハハハハ!私はここだ!!」





「あ!あんなところに!?」



「サイボーグか!?」



「忍者か!?」




「いや……夜戦仮面だ!!」




川内「御名答!」



川内「夜戦仮面!!ここに………」ババッ…キュッキュ…バァーン!



川内「参上!!」キュピーン!



ドォーーーーーーーンッ!!(夜戦仮面の後ろが爆発)



川内「そして御免!!アイエエエエエエエエエエ!!」シュシュシュ!



「わぁ!手裏剣投げてきた!」


「違う!これ夜偵だ!」


「プロペラ危なッ!」



川内「ここはお前に譲ろう!!行けぃ!!」



「何いってんだあいつ!」


「やっぱりキチガイってのはホントだったんだ!!」



川内「スモーク夜偵!」ボシュウウウウウ!!



「ゴホゴホ!」


「キチガイ忍者め!」



川内「馬鹿めどこを見てる!!」ピカァ!



「うぉ!まぶし!?」


「探照灯だぁ!?」



川内「どうした!早く行け!!」




VAVA「!」ガシィ!



泊地「マ、待テ…私 ヲ ドウスル気ダ…」



VAVA「黙れ、行くぞ」ヒュン!



横須賀鎮守府




大淀「提督、応答してください!何があったんです!?」



ピ!



大淀「あ!提督やっと繋がりました!……えぇ!!泊地棲鬼………泊地棲姫を撃沈!!!」



五月雨「やったぁ!!提督ーーーーーー!!!」



明石「私が整備した体ですもの!!当然よ!!やったね提督!あ、まだダメよ曙ちゃん」



曙「自分が情けないわ……ぐすん…もう!……クソ提督のくせに、なんて戦果…ごほごほ!」



扶桑「提督…おめでとうございます」



満潮「はい、私の勝ちね。むこう一週間、間宮さんのアイス奢ってもらうわ」



霞「くく…くやしぃ!!」



ピー!



大淀「バーボンはダメです!でも、シャンパンなら沢山用意して待ってます!早く帰ってきてくださいね!!」



プツン…



わーーーーわーーー!!きゃーーーー!!!



間宮「みんなー!祝勝会の準備てつだってー!」



はーい!!




ガシュン…ガシュン…テクテク…




漣「ほぇーここが横鎮ですかぁ」



青葉「もーヒドイです!あんなに待たせるなんて」



VAVA「すまん」



黒潮「まぁまぁ、ええやん。司令はん、すごい戦果上げたんやし」



漣「そうそう!つまり私達は、オイシイ脂がのってる提督のとこに来たってコト!深海ザマァwww」


VAVA「…」



黒潮「??……もしかして、司令はんウチのこと見とる?」



VAVA「黒潮、お前…秘書艦やってみるか?」



黒潮「えぇ!?」



漣「お?」ぽかーん



青葉「ろ?」ぽかーん



黒潮「え、えーと…こっちとしては願ったり叶ったりなんやけど…なんで?」



VAVA「わからん…」



黒潮「そんなこと言わんと、教えてーなー」



VAVA「強いて言うなら…その喋り方だな。何かは知らんが、聞いていると落ち着く」



黒潮「なんや…照れるでー!司令はん!会って間もないのに…はずかしいこと言わんといて!」ぺしぺし///



VAVA「そうか、おら、執務室に着いたぞ」




パパーーーン!



VAVA「銃声か!」



VAVA「下がっていろ!」ウィン!



漣「ちょw」



青葉「提督はドジっ子ツンデレかまってちゃん…と」メモメモ



黒潮「司令はん!クラッカー!クラッカーやろ!」



ガチャ!



VAVA「クラッカー…?むぉ…」



おかえりなさい!提督!!



VAVA「…お、おう」



五月雨「提督、こっちです!」



満潮「やったじゃない。今回は素直に褒めてあげるわ」ニコ!



霞「まぁ、よくやったわ…さすがね」



扶桑「私、信じていました」



曙「おめでと……どう?これで満足!」



明石「妖精さんたちもみんな祝福してくれてますよ!」



間宮「今日は無礼講です♪」



VAVA「お前ら」



大淀「提督」



VAVA「大淀…?」



大淀「提督、本部より、先ほど勲章と賞状が届きました…うっぅ…昇進も、確定ですって…うぅ」



VAVA「大淀!どうした?どこか故障したのか!!」ササ!



大淀「いえ、嬉しいんです。さぁ!今日はハメはずします!!みんなで騒ぎましょう!!」




わーわーーーーー!!



テクテク…



川内「ふわぁあああ……騒がしいなぁ。あれ、新人の子?」



漣「どうも、漣です!」



青葉「青葉です!一言どうぞ!」



川内「眠いかなぁ…」



黒潮「黒潮です。先輩、よろしゅう頼みますわー」



川内「はいはい…で、ふふふ…いい鎮守府でしょ?」



漣「モチ!盛り上がり半端ネェwww」



青葉「でも、主役がさっきとは打って変わってオドオドしてますねぇ」



黒潮「うんにゃあ、慣れてないんやろ。無理もないわぁ」



川内「うーん、よかったよかった……はわぁ…疲れたし、部屋戻って寝よ」



川内「私は寝るから、3人は混ざっちゃいなよ、楽しいよ!きっと…ふわぁ」



がってん!!!





数時間後




くーーーー…



すーーーー…



ぐーーーー…




VAVA「時々、こいつ等の体力にも驚かされる。やっと騒ぎ疲れたか…」



VAVA「…」ガシュ…



五月雨「ん……てーとく……どこいくんれすかぁ…?」



VAVA「手を洗いに行くだけだ。もう遅いから、そのまま寝ろ」



五月雨「ふぁい……すー…」



VAVA「…よし」



ガシュン…ガシュン…

倉庫



VAVA「どうだ、ここの居心地は」



泊地「良イモ悪イモ…体 ガ 重クテ カナワン。早ク 海 ニ 帰リタイゾ」大破



VAVA「なら、お前が知ってること一切合財俺に話すことだ。その上で俺の部下になるというのなら、逃がしてやる」



泊地「強引 ナ 男 ダ………ダガ、共感デキル。ソノ考エハナ」



VAVA「共感…だと?」



泊地「私 モ オマエ モ、対等 ナ 関係 ヲ 持テル 相手 ガ 居ナイ トイウ コトサ」



泊地「自分 デ 言ウノモ ナンダガ、姫トシテ 生マレタ 私 ニハ、友 ト 呼ベル 相手 ガ 居ナカッタ。オマエ ハ ドウダ?」



VAVA「…今も昔も、俺にはそんなもの…!」



泊地「居ナイ。ガ、欲シカッタロウ?」



VAVA「…」



泊地「私モ………………………ソウナンダ」



泊地「同ジク 姫 ハ 数多ク 居ル。ダガ……」



泊地「ソレゾレ ノ 個 トシテノ 主張 ガ 強スギテナ、一時的 ニ 手ヲ組ム コトハ アレド ソレ 以上 ハ 無イ」



VAVA「俺ならばそれ以上になれると?……はっ、殺しあった相手と手を取り合える言うのか?」



泊地「ダカラコソサ、互イニ理解デキル」





VAVA「深海にいると頭の中までふやけるようだな。馬鹿馬鹿しい」



VAVA「これ以上お前と話してもしょうがねぇ。ここは開けといてやる。とっとと行け」



泊地「ン……」ズルズル…



VAVA「…………ここをそのまま進めば、海の見える場所に着く」



泊地「…ハハ、ワカリヤスイ ナ VAVA ハ」



VAVA「黙れ、夜が明けん内に 早く海へ行け。敗戦の将が」



泊地「手厳シイ」



VAVA「…」



泊地「…」



泊地「……私ハ待ツヨ」



VAVA「行けってんだ」



泊地「チョット待テ……ン」スチャ…



VAVA「なんだこれは」



泊地「私 ノ 首 ノ 代ワリ。ドンナ 時モ 外サナカッタ 髪飾リダ。ソレ ヲ ヤル」



VAVA「…」パシ…



泊地「去ラバ ダ、VAVA」ズルズル…



執務室



カロン……グイ……



キラ…



VAVA「…」



VAVA「この髪飾り…見たことも無い金属だな」



VAVA「触れた物の温度を奪うほどの冷たさ……もしや」



VAVA「使えるかもしれん」




後日



工廠



明石「あ、提督おはようございます…んー!」



VAVA「どうした?」



明石「いえ、まだ昨日のアルコールが残ってるみたいで…提督は元気ですね」



VAVA「俺は二日酔いにはならないからな」



明石「へぇー、お酒に強いんですねぇ!!」



VAVA「まぁ、そういうことにしとけ」



明石「ふっふふ♪ところで、何か御用があったんじゃないですか?」



VAVA「あぁ、こいつをな」



明石「これ…?…!?こ…これって…!?」



VAVA「泊地棲姫の艤装の一部だ」



明石「すごぉい…」ごくり



VAVA「どうだ…?これを改造して……このプランはどうだ?」ピラ…



明石「本気ですか……?」



VAVA「無理そうか?」



明石「申し訳ないですが、私では…でも、この金属で空気の層をどうこうってプランならできるかも…」



VAVA「やるぞ。手伝ってくれ」



明石「了解!」



パァ…!



明石「出来ました!」



VAVA「よし、さっそく取り付けてくれ」



明石「では……」



VAVA「思い切りやってくれ」



明石「……えい!」




ガギィイイン!



VAVA「…!」



明石「…失敗?」



VAVA「いや……礼を言うぜ明石。成功だ」



明石「おぉ!やりましたね!さっそく成果を見せてください!!」



VAVA「どれ」ダダッ!



明石「はっやーーーーい!」



VAVA「スピードデビル…こんな形で取り戻すとはな」



明石「提督、残ったもう片方の髪飾りはどうしますか?研究のため、本部へ送ります?」



VAVA「いや、俺が保管する。おもちゃにするには度が過ぎるぜ」



明石「わかりました。では、これはお返ししますね……あ、もうすっかり夕方」



VAVA「付き合せてすまなかった」



明石「いえいえ、提督のためですから」



VAVA「…」



ピー!



VAVA「ん、今行く」



明石「大淀さんから?」



VAVA「あぁ、上から今回の褒美が届くんだと。中には正規空母の艦娘もいるそうだ」



明石「我が艦隊初の空母ですね!」



VAVA「クセの強くない奴なら歓迎するんだが」



明石「同感です」



VAVA「俺のサインが必要らしい、行って来る」



明石「はい、行ってらっしゃい。今度間宮さんのパフェ奢ってくださいね」



VAVA「わかった」



ギィ…バタン


執務室



サラサラ…VAVA



VAVA「これでいいか」



大淀「はい、これで一週間もすれば物資が届いて、新しく配属される子が着任できます」



VAVA「デスクワークは性に合わん」



大淀「私もそう思います。あと、これは当面のスケジュールです」ドササ!



VAVA「どれ……建造…開発…演習…新たな海域の攻略作戦…接待……海外艦との邂逅……山のようだな」



大淀「今回の件で、上層部から信頼を勝ち取りました。なので、任されることも多くなります」




VAVA「なるほどな……おい、この潜水艦面接ってのと、陸海合同会合ってのはなんだ?」




大淀「毎年恒例。潜水艦の子達のための面接です。同じく上層部から信頼されて、我が鎮守府も候補となりました」



VAVA「そんなもんが……」



大淀「これがなかなか激戦でして、彼女達からしてみれば就職先の奪い合いです。きっと優秀な子が来ますよ♪」




VAVA「俺が面接官……」




大淀「あと、陸海合同会合というのは、要するにパーティーです。



大淀「でも、いつもピリピリしているらしいので、ここは出席するだけですぐ帰りましょうね」



VAVA「お前の言うとおりにことを進めろ。面倒だからな」



大淀「はい、ご指示のとおりに」ペコ



数日後



演習場




ドドドドドドドドッ!!




VAVA「よし、今日はこの辺でいいだろ」



川内「提督も結構やるね」



VAVA「のらりくらりと かわしやがって」



川内「えへへ」



青葉「川内さんだけ一発も当たってない!これはプチスクープ」小破 カシャ!



五月雨「すごいなぁ…」小破



黒潮「せやなぁ」小破



曙「また負けた…」小破



霞「なんで勝てないの…?」小破




大淀「みんなお疲れさまー!夕食よーー!」


食堂



わいわい!



VAVA「…」



五月雨「みんな、好きなものを食べてますけど…提督は、何も食べないんですか?」



VAVA「あぁ、俺はいい」



五月雨「そうですか…こ、このお味噌汁、私が作ったんですけど…」



VAVA「くれるのか」



五月雨「はい!どうぞ!!」



VAVA「…」ズズ…



五月雨「どうですか…?」



VAVA「うまい」



五月雨「わぁ…やった…!!」てってってー♪



VAVA『飲食はそこまで必要ないんだが…まぁいいか』




その日の夜




深海BAR ダーウィン





港湾「…」キュッキュ…



キィイ…スタスタ…



港湾「イラッシャイマセ……キタノネ」



ガタッ…ストン…



港湾「最近、姿ヲ見セナカッタカラ……艦娘達 ニ ヤラレタノカト 思ッタワ」



港湾「…」



港湾「ソウネ。私達 ハ、簡単ニハ 死ネナイ 体ダモノネ……カンパリオレンジ ネ」



港湾「珍シイワネ、リキュール・ベース ナンテ……」チャカチャカ…



港湾「……………ウン、ソンナ 日 モ アルワ」



港湾「ハイ、カンパリオレンジ」スッ…



クイ……ゴク…



港湾「……作戦、失敗シタッテ聞イタワ」



ピタ…



港湾「モウ…ヤメマショウ。争イ ハ 果テ無キ 愚行。ソノ先 ニハ 何モナイワ」



港湾「……ヘェ、素直ネ。コンナ 貴女 ハ 初メテ見タワ」



港湾「キット…手 ヲ 取リ合エル。私 ハ ソウ 信ジテイル モノ」



港湾「……フフッ♪ソウネ、私 ノ 大キナ 手デ ハ、ビックリ サセチャウ ワネ♪」



港湾「…」



港湾「ソウ言エバ、イツモノ 髪飾リ ガ ナイワ」



港湾「……嘘。ドンナ 戦場デモ、貴女 ガ アノ髪飾リヲ 落トス ワケ 無イ」



港湾「プレゼント シタンデショ?」



プッ……!ゴホゴホ!!



港湾「マァ!ハイ、オシボリ…………ナンデ知ッテルノカッテ?ソレハ…」




シュッ……!シャーーーーー!!




!?




港湾「オット…」パシ…




港湾「キャッチ シ 損ネルナンテ、貴女ラシクモナイ……ハイ、 アチラ ノ オ客様カラデス」コト…



!……………ガタ…!!ツカツカ…!!



港湾「アララ…席 ヲ 移ル ナラ、一声 カケテ ヨネ…」




泊地「…」




グイ………コロン…カロン……




VAVA「…」コト…





泊地「待ッテイテ…クレタノカ…………私 ガ 待ツ ト、言ッタノニ」





VAVA「ここは俺のお気に入りだ。居合わせたって、おかしくはないだろ」



泊地「コレ…」カラン…



VAVA「シュートにはシュートで返せってな。モスコミュールは嫌いか」



泊地「 モスコミュール ………」



VAVA「…」




泊地「隣……イイカ?」



VAVA「俺に聞くな」



泊地「アァ…………………エット、港湾。コノ席ニ客ハ?」



港湾「イナイワ。ドウゾ、オ好キ ナ 席ニ」



泊地「アリガトウ」ストン…



VAVA「…」



泊地「……グラス ガ 空ダゾ、今何杯目ダ?」



VAVA「一杯目だ」



泊地「ソウカ……港湾、バーボン ヲ クレ」



港湾「ハイ」



泊地「今度 ハ 飲ンデ クレルカ…?」



VAVA「ロックでな」



泊地「勿論ダ」


数日後



早朝




五月雨「提督、大淀さんが」



VAVA「おう、五月雨はお茶でも淹れてきてくれ」



五月雨「はい!」





大淀「提督、予定通り物資が届きました。こちらがそのリストです」





VAVA「応急修理女神 46cm三連装砲 震電改……よくわからんが、明石に回しておけ」



大淀「私もそのほうがいいと思います」



VAVA「新入りってのはどいつだ」



大淀「扉の向こうに待機してもらっています。呼びますか?」



VAVA「頼む」



大淀「はい、翔鶴さん。提督がお呼びです」




はい。







ガチャ…ふわさぁぁああ………





VAVA「おぉ……」



翔鶴「翔鶴型 航空母艦 1番艦、翔鶴です。一航戦、二航戦の先輩方に、少しでも近づけるように瑞鶴と一緒に頑張ります!」



大淀「よろしくお願いしますね、翔鶴さん」



VAVA「この鎮守府ではお前が初の空母だ。期待しているぞ」



翔鶴「はい、粉骨砕身の覚悟で励みます」



VAVA「気軽にやるんだな。お前らのここでの生活について、あまり口を出す気は無い。何か知りたいことがあったら大淀に聞け」



翔鶴「了解しました」



VAVA「大淀、案内してやれ」



大淀「はい、翔鶴さん。行きましょうか」



翔鶴「はい」





スタスタ…




翔鶴「大淀さん。あの…」



大淀「どうしました?」



翔鶴「提督についてなんですけど…」



大淀「驚いたでしょう?」



翔鶴「はい…」



大淀「そうですよね。全身鎧で身を固めて、なおかつ肩に単装砲を乗せている提督なんて、いませんよね」



翔鶴「ご、ごめんなさい。ただ、珍しいと思っただけで」



大淀「大丈夫ですよ。見かけも言動も怖めな方ですけど、私たちにはそれなりに優しいですから」




数日後




翔鶴「ここでの生活って、とても楽だけど……提督はそれでいいのかしら…?」



ジジジジ……!!コンコン!!!



翔鶴「工廠から音がする……」





工廠




VAVA「…」コンコン!



翔鶴「提督、お疲れ様です」



VAVA「翔鶴か。なんだ、何か用か」



翔鶴「いえ、提督が何をされてるのか気になって」



VAVA「開発だ。お前らが装備するものだからな。こうして一から造ってる訳だ」



翔鶴「それって…!」



翔鶴『烈風と流星改が二つずつ…』ゴクリ…



VAVA「大淀が言っていた。空母は艦載機が揃っていなければ。とな」スッ…



翔鶴「いただけるんですか?」



VAVA「いらんのか」



翔鶴「ほ、ほしいです!」



VAVA「ならば持っていけ」



翔鶴「はい!」



VAVA「がんばれよ」



翔鶴「これならいけそうです!…あ……」



翔鶴『よく見たら…油とすすまみれで体が真っ黒』



ズシ…



翔鶴『しかも、こんなに…失敗を重ねて…』



VAVA「何を見ている?………あぁ、これか、気にするな。何度も失敗しているが、資材は使うためにあるんだからな」



翔鶴「提督…」



VAVA「この後、建造もするつもりだ。妹の瑞鶴といったか、いつ出るかはわからんが、善処する」



翔鶴「…ごめんなさい。少しでも提督の采配を疑った私が愚かでした…」



VAVA「何のことだ。もともと指揮官なんてガラじゃない」



翔鶴「いえ…その、失礼します!」うるっ…



VAVA「おぅ」



ガチャ!タタター!



VAVA「妹……家族か……」コンコン!





パァ…!




VAVA「このシステムも未だに理解できんが、今度はどんな部下に会えるか…」




山城「「扶桑型戦艦姉妹、妹のほう、山城です」




VAVA「扶桑の妹か、確かにそっくりだな」



山城「!?」ビクッ!



山城「あのぅ…あなたが提督でいいんですか?」



VAVA「あぁ」



山城「扶桑姉さま、見ませんでした?」



VAVA「見たというか、居るぞ。だいぶ前からここで働いているが、扶桑からお前の話は聞いて…」



山城「扶桑姉さまぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」ダダダー!



VAVA「…」



VAVA「まぁいい。五月雨か大淀がどうにかするだろ。次だ、あと三回もか…」





パァ…!




天龍「オレの名は天龍。フフフ、怖……い………か…?」



VAVA「…」



天龍「きゃ…!」ササッ…!



VAVA「あ?……………」



天龍「…」ビクビク…



VAVA「おい、どうした。何もしやしねぇよ、隠れなくてないで出て来い。俺は提督だぞ」



天龍「…!」



天龍「ちげーし、ビビッてねーし。あと、隠れたんじゃねぇし。俺の素早さを見せてやったんだ」



VAVA「そうか。取り合えず、ここの秘書艦に会って来い」



天龍「何だ?…戦闘か?」



VAVA「そんなわけないだろ……ん?おーーーい!!」






漣「あ~あ~♪オトコの人って~いくつも~愛をもって~いるのね~♪………んにゃ?ご主人さま?」てくてく…






VAVA「漣ーー!用がある!こっちに来い!!」




漣「んー?」タタター!




漣「なんですか?」



VAVA「こいつ…あー」



天龍「天龍だ!フフフ、怖いだろう?」



漣「わー こわーい」



天龍「!」




天龍「そうだろう!そうだろう!!」ピコピコ!




VAVA「そう、この天龍を執務室まで連れて行ってくれ。そこに五月雨がいるから、着任の手続きを頼む」



漣「ほいさっさー♪じゃ、いきましょーか。天龍さん」



天龍「よっしゃぁ!」





VAVA「少し疲れてきたな…」



VAVA「初めて見たら飛び退くほど、俺の顔は酷いのか……」



VAVA「……次だ」カシャコン




パァ!




北上「アタシは軽巡、北上」



VAVA「よろしくな。俺の名はVAVAだ」



北上「へぇー、随分かっこいい提督だねぇ~♪」



VAVA「!」



北上「主砲も整備行き届いてるし、全身の隠し武器も渋いじゃーん。まー よろしく」



VAVA「…」カァ…





VAVA『調子が狂う奴だ………が、全身の兵装を瞬時に見抜くとは、こいつ只者では無いな』




VAVA「着任の手続きだが、あと1回建造をすれば俺も手があく。それまで…待ってくれ」



北上「いいよ」



VAVA「…」カシャコン カシャコン…




北上「…」じー…




VAVA「…」



北上「ん~~にしても、いいねぇ」



VAVA「何がだ」



北上「あ、ごめんねー?初対面なのに、いろいろ言っちゃって……たださぁ」



VAVA「あぁ」






北上「単装砲って、なにげに侘び寂びよねー」







VAVA「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」






VAVA「その通りだ!よくわかっているじゃないか!!」



北上「でしょ~♪」にこにこ



VAVA「よぉし、建造するぞぉ!!」




北上「あー、ストップストップ。提督、メーター見てみなよ。もう各資材ヤバイでしょ。これじゃあ、やめたほうがいいよ」



VAVA「何…」ピタ…



北上「でも、任務はこなさなきゃー。なんだよねー」



VAVA「…最低建造か?」



北上「その方がいいかな~」



VAVA「…わかった。言う通りにしよう」カシャコン



パァ…!




夕張「はーい、お待たせ?兵装実験軽巡、夕張、到着いたしました!」




VAVA「おぉ!!金背景だ!やったぞ北上!」



北上「よかったねー」




夕張「提督、これからよろしくおね……はぅっ!!」




北上「?」



VAVA「おう、俺はVA…ん?」




夕張「は…はぁ……あぁ…あ……あん………」ハァハァ…




夕張『全身に張り巡らされた装甲…大口径でスタイリッシュな主砲…破壊に特化したデザイン…どれも洗練されていて…』




夕張「す…素敵///」クラ…



北上「わ、鼻血だしてぶったおれた」



VAVA「誰か!明石を呼べ!!明石!!明石ーーーーーッ!!」



後日




執務室




五月雨「えーっと…か、漢字が…うーんと…」



大淀「五月雨ちゃん。私が読み上げるわ」



五月雨「あ……はい。今度は読めるようにしてきます…」



大淀「山城、天龍、北上、夕張、以上四名です」



VAVA「諸々の手続き、ご苦労だった。既にお前らの私室は用意されている。好きに使え」



北上「ねぇ、自分の部屋には漫画とかお菓子は持ち込んでいいのー?」



大淀「北上さん。上官に対してその口の聞き方は…」



VAVA「かまわん。全て許可する」



北上「さっすが、わかってるよね~」



大淀「…」



VAVA「この後は交流や休憩用に設けてあるラウンジに行ってみろ。ちょっとした歓迎会をするそうだ」




ラウンジ




ワイワイ!




夕張「あー!やっぱり?スゴイ体してますもんねぇ…あんな体いじれるんだぁ…羨ましい。私もあの主砲つけたいなぁ…///」



明石「そうなの。提督の体って本当にスゴイのよ!特に主砲がもう……暴れん坊で…///」




ガヤガヤ!




青葉「おー!そうなんですか!?メモメモ…じゃあその眼帯も?」



天龍「あたぼーよ。俺の勲章だぜ」



青葉「えー!すごいですね!」



天龍「へへ!」ピコピコ!



青葉『ふむふむ…褒められ好きで、嬉しくなると頭のアレがピコピコする。と…メモメモ』






ザワザワ!




曙「り、料理おいしい!さすが間宮さんよね!」



北上「…」



川内「…」



曙「……ねぇ」



北上『川内か、食えないヤツ…こりゃあ猛者だねー…』



川内『北上、この子…腑抜けを装っている…かなり強い…』



曙「ちょっとは喋りなさいよ!!もぉーーー!なんでこいつらと同じテーブルなの!?」





カチャカチャ……




扶桑「提督…こちらの すてーき も美味ですよ」



VAVA「うむ」



扶桑「提督。 そーす がおでこに…」ふきふき…



VAVA「すまん」



山城「扶桑姉さま!」



扶桑「あら、山城。再会できて嬉しいわ。提督、そろそろお酒を注ぎましょうか?」



山城「え…」



VAVA「いや、今日はいい」



扶桑「そうですか。では、お茶を淹れますね」



VAVA「緑茶がいいな」



扶桑「そう思って、いい茶葉を用意しておきました」



山城「…」



山城「……なにこれ」




間宮「提督さん」



VAVA「どうした、間宮。こんなときに」



間宮「はい、厨房もひと段落着きまして……それより、折り入ってお話が…」




VAVA「わかった。扶桑、食器類は頼んだ」スク…




扶桑「はい」



山城「…」



執務室




VAVA「なんだ、遠慮なく言ってみろ」



間宮「私の不注意です…砂糖がなくなりそうで…手に入りませんか?」ボソ…



VAVA「サトウ…あの調味料の 砂糖 か?」



間宮「はい、発注したんですけど、深海棲艦の度重なる妨害によって、輸送船がこれなくて…」



VAVA「うむ…砂糖。陸路はダメなのか?」



間宮「ダメでは無いんですけど…大量に仕入れた方が安くなるので…陸路で少しずつはちょっと…」



VAVA「わかった。考えておこう」



間宮「お願いします。砂糖がないと、みんなの大好きなお菓子を作れなくなってしまうんです」ペコ



VAVA「砂糖…か」



その日の夜




工廠




VAVA「おう、チビ達。全員集まったな…」



「「「はーい」」」



VAVA「今後は艦娘も急速に増える。それに伴って、今夜も寮の増築作業及び、各施設の充実化を実施する。眠いだろうが、頑張ってくれ」



VAVA「よし、やるぞ」



トンカン!トンカン!


トントン!




間宮「お疲れ様です」



VAVA「差し入れか。すまない、チビ達にやってくれ」



間宮「はい。さぁ、みんな食べてね。おにぎり作ってきたから」




「「「わーい!おかか だー♪」」」




間宮「……すみません。さっきの、砂糖の件なんですが…」ボソ…



VAVA「またか…」



間宮「えぇ…今日の歓迎会があったでしょう?」



VAVA「あぁ」



間宮「あれで、結構な量の砂糖を消費してしまって…迂闊でした」



VAVA「何故、気づかなかったんだ…砂糖が少ないのは、前もってわかっていたんだろう?」



間宮「はい…厨房の妖精さんたちが、皆の注文通りに、お菓子を作ってしまったんです。あの子達…悪いことはしてないし、叱るに叱れなくて…」



VAVA「うぅむ…協力してやりたいが、スケジュールを詰められていてな。俺もしばらくは手があかんぞ」



間宮「砂糖がないと、戦力に影響しますよ…」



VAVA「どうするか…」



「なんのそうだん?」



VAVA「何でもない。気にしないでゆっくり食べろ」なでなで…



「むふー…///」



深海BAR ダーウィン





泊地「コナイ…」



港湾「ソウネェ、最近見ナイシ……キット 忙シイノヨ」キュッキュ…



泊地「……バーボン クレ」ぐすん…



港湾「貴女、最近 飲ミスギヨ?」



泊地「ウルサイ。店 ノ 売上 ニ 貢献シテルンダ。文句アッカ!」ドン!



港湾「ハァ……………ロック デ?」



泊地「ソウダヨ!……………ハヤクシロ」



港湾「カシコマ」チャカチャカ…



ガラ…



北方「オネーチャン。ビデオ ノ 録リ方 ガ ワカンナイ。教エテ」



港湾「ハイハイ…チョット待ッテネ。今 注文 入ッテルカラ」



北方「早ク早ク! トネえもん 始マッチャウ!」



泊地「港湾……私 ノ ハ イイカラ…イッテヤレ」



港湾「ドーモ」



スス…



泊地「…ナンダ?騒ガシイ客 ガ イルナ」



ヲーー!ヲーーー!


ヲ級「マスター!モウ一本ビール…ヒック…ハリーアップ!ドコ行ッタ ノ マスター!」



リ級「ヲーチャン。モウ 飲ミ過ギヨ…今日 ハ モウ 帰リマショウ?」



ヲ級「ヤダ!!倒レタラ……ヒック…VAVA ガ マタ助ケニ クルモン!」グビー!!



チ級「リ級サン…スミマセン。俺 ガ VAVA ノ ダンナ トハ ココデ 逢ッタ ナンテ 言ッタカラ…」



リ級「リリ……ショウガナイワヨ…一途 ナ 子 ナンダカラ…ネ?ヲーチャン。帰ロウ?」



ヲ級「ヤダィ!!ムカ着火ファイヤー!!」グビグビ!





泊地『何!?VAVA…ダト!……アイツ ラ、 VAVA ト 知リ合イナノカ!』





リ級「………モウ、分ラズ屋!!ソンナ ニ 飲ンダクレテ ダラシ ナイカラ、VAVA ガ 来ナイノヨ!!」ムカッ!





ヲ級「!?」



泊地「!?」




チ級「ン……ハ、泊地棲鬼サン ガ イル!?」




ガラ…




港湾「スミマセーン。オ待タセ シマシタ……アレ?」



泊地「バーボン イラナイ……帰ル。釣リ ハ イラン…」ゴトト…



スタスタ……ヨロヨロ…



港湾「…ドウシタノカシラ?泊地…」



ヲ級「オ勘定……ヲ…割リ勘デ」チャリン…



港湾「ア、ハイ……毎度アリガトウ ゴザイマシタ」




港湾「景気 ノ 良イ オ客サン ダト思ッタケド…ドウシタノカシラ?」ペコ



ヲ級「ヲ…」



テクテク……ユラユラ…




リ級「…ソンナ ニ 効イタカナ…?今ノ」チャリン…



チ級「クリーンヒット ッスヨ……アレ?泊地サン モ 帰ッチャッタ…?」チャリン…


後日


早朝



VAVA「砂糖か…」



VAVA『結局、一晩中考えちまった…だが、間宮の深刻なあの表情…』



VAVA『きっと、砂糖ってのは艦娘にとって、重要な物に違いない』



ガチャ…



黒潮「司令はーん。おはようさん」ニパッ



VAVA「ん…黒潮か。朝早く何のようだ?」



黒潮「ひどいわー。五月雨はんと交代するって、こないだ言ったやん。五月雨はん、泣いてまうでー?」



VAVA「あぁ、そうだったな…」



黒潮「なんや、悩み事?」



VAVA「ちょっとな、取るに足らないことだ」



ガチャ…



大淀「おはようございます。あら、黒潮ちゃん。おはよう」



黒潮「おはよー、大淀はん。今日から秘書艦やさかい。よろしゅうなー」



大淀「こちらこそ♪さて、提督。今日は待ちに待った潜水艦 面接の日ですよ~♪」



VAVA「やけに上機嫌だな」



大淀「それはもう!潜水艦の子達が増えれば、資材の調達も楽になりますから♪」



VAVA「?……そうか」



黒潮「楽しみやなぁ」



VAVA『潜水艦か……砂糖はとってこれるだろうか?』



ボ~~~!



大淀「潜水艦の子達が到着したみたいですよ!提督、最終的な判断は提督に一任されています。どうか、元気な子をお願いします」



VAVA「わかった」



黒潮「大淀はん。重複については説明せんでええの?」



大淀「あ、そうね。提督、同種艦娘の重複についてですが…」



VAVA「必要ない。その辺の情報は、全部頭に入れておいた」



VAVA「ようは、潜水艦は種類が少ないが出番が多いので、同じ艦娘が複数いてもいいってことだろう?」



大淀「そうです!さすが提督、恐れ入ります♪」



VAVA「うむ、既に母港も拡張済みだ。これならば、かなりの数を採用できるはずだ」



黒潮「かっこええなー♪強いだけやのうて、執務も完璧やん!いや~たまらんなぁ///」



VAVA「ほっとけ」カァ…





時は、少し昔にさかのぼる…





……ポー!シュッシュ……ポッポ………ガタン…ゴトン…ガタン…ゴトン……





ゴーヤ「おかぁーーーーさぁーーーーん!ゴーヤ、立派な潜水艦になって、お国の為にがんばるでちーーーー!」ノシ




母「うぅっ……ゴーヤ!!体には気をつけてね!!!手紙もきちんと返すんだよーーーー!!!」




ゴーヤ「ぐすっ…おかぁさーーーーーーーーーーーーーん゛!!」ぶんぶん ノシ




ポッポーーーーーーーーーーーー!!…………



せんすいかーん♪ の がっこうはー♪ うーみーのーなーかー♪ 




潜水艦 訓練 学校




ガヤガヤ…




ゴーヤ「ここが有名な、潜水艦のとーりゅーもん。潜水艦訓練学校 でち…先生もみんな怖そう でち…」



ちょんちょん!




ゴーヤ「?」




イク「ティヒヒ!はじめまして、伊19候補生のイクなの♪」




ゴーヤ「えっと……い、伊58候補生の、ゴーヤでち」



イク「よろしくなの!」



ゴーヤ「でち!……あの、イクちゃん。ゴーヤに何か用?」



イク「うーうん。何も無いの!でも、せっかく隣の席にいるから、仲良くなりたかったの♪」



ゴーヤ『わぁ…良い子でち。こんな子と同じクラスになりたいでち』





イムヤ「この子、そう言って私にも声をかけてきたのよ。ビックリしちゃったわ」







ゴーヤ「わ…!あの…」



イムヤ「伊168候補生のイムヤよ。よろしくね、ゴーヤさん」




ゴーヤ『ちょっと勝気だけど、優しそうな子でち』




ゴーヤ「ゴーヤでいいでち。よろしくでち、イムヤさん」



イムヤ「ふふ♪私も、イムヤでいいわ」



ゴーヤ「えへへ、イムヤ!」



イムヤ「うん!」



イク「みんな仲良くが一番なの♪」



ヒョコ…




ハチ「あ、あの…」



ゴーヤ「前の人…どうしたの?」



イク「あなたも仲良くなりたいのー?」



イムヤ「あなたは?」



ハチ「Acht…いえ、ハチです…仲良くなりたいですけど…そろそろ、校長先生のお話が始まりますよ…」ボソ…



ゴーヤ「お話…?」



イク「あ!もう台についてるみたいなの…」



イムヤ「ほんと…ハチさん、ありがとう…」



ハチ「ハッちゃん…で、いいよ…」ササ…



ゴーヤ「静かにしたほうがいいみたいでち…」



シーン…




校長「…」←Lv150




校長「皆さんごきげんよう。今年も元気な新入生たちで、私も嬉しいです。さて…」



校長「知っての通り。卒業生の着任率100%を誇る我が校です」



校長「これから、この学校のルールについて、説明をさせていただきます。一度しか言わないので、集中して よく聞くように」



校長「まず、皆さんの座っている椅子の真下に、こんな封筒があるはずです。それを、手にとっていただきたい」



ゴソゴソ……



ゴーヤ『あったでち』パッ…



校長「まず、封筒そのものが無い者。いませんか?」



シーン…



校長「よろしい。では、封筒を開けてください」



ガサガサ…ビリビリ…





校長「中に、紙が一枚入っているはずです。入ってなかった者はいませんか?いたら、起立してください」




はい…私も……なの……私もです………




ゴーヤ『入ってるでち。(合格)……?なにこれ?』



ゴーヤ『あれ…?入ってなかった人、こんなにいるの?…あ、後ろに同じ 伊58 候補の子が…』



「なかったでち」スク…




校長「そうですか、紙が…入っていませんでしたか…」




校長「残念です」ポチッ




パカ!パカカカカカカ………!!!




「え……」ヒュン…!




ヒュヒュヒュヒュヒュ……ン!…パタン…パタタタタタタ………パタン…




ゴーヤ「へ?」





ゴーヤ「…」



ゴーヤ「!?」




ゴーヤ「ひ…………き、消え……」ガタガタ…




イムヤ「…」キッ…!


イク「…」ガタガタ…



ガッ…



ゴーヤ「むぐ…!?」



ハチ「叫んじゃ…ダメです…。落ち着いて…」ボソ…



ゴーヤ「ん…むんんん」こくこく…



ハチ「じゃあ…放しますよ…?話が終わるまで…静かに…」ボソ…



パッ…





シーン…




校長「素晴らしい」



校長「毎年、一人や二人ほど…叫び声をあげる不心得者がいるものですが…今年の新入生は優秀ですね」




校長「そう、潜水艦はうろたえない。どれだけ痛くても、怖くても、心の奥にそれらを閉じ込め、戦わなければらない」




校長「それが、低耐久、低装甲をもった、我々の宿命なのです」



校長「今、落ちて行った者のことなら心配無用。この程度の確立で選ばれない 運 では、戦場で生き残れるわけがない」



校長「大丈夫、優秀な者なら直ぐに出て来れます。皆さんとも合流できるでしょう」



校長「私は、優秀な皆さんを高く評価します。この期待を、裏切らないでくださいね」



校長「改めて、入学おめでとう。私から話すルールは以上です。合格通知の裏に、クラス分けが載っています。各自、担当教官の指示に従うように。解散」






三年に渡る、彼女達のここでの日常は熾烈を極めた…




イムヤ「え、スマホ持ち込んでいいんですか?」




教官「ダメとは言ってない」






来る日も来る日も厳しい訓練…




イク「い…いくのー…///」テレ…



教官「全然違う。もっとこう…胸を寄せて脚を開いて大胆に…」むにゅ…



教官「イクのーーーーー♡」




おぉーーーー!




教官「こうやるの」



イク「はいなの!」





筆舌に尽くし難い忍耐の連続…




ハチ「あの…ドイツパン、売ってますか?」



教官「ここは訓練学校の売店だぞ。そんなものは無い」



ハチ「すみません…」シュン…



教官「ただし、シュトーレンならある」



ハチ「Danke!」




心休まる瞬間など、なかったと言う…





ゴーヤ「も、もう…いっぱいでち」ふらふら…



カキカキ…ポト…



ゴーヤ「手が…動かない……すみませぇん…休ませてくだちぃ」



教官「ダメだ!お前のようなバカには根性が足らん!続けるんだ!!」



ゴーヤ「嫌でちー!ひたすらバケツに(赤城)と書くだけの作業なんて、もうやりたくないでちー!!」



教官「ノルマを達成できなければ、ガムテープ水着の刑に処する!それでもいいのか!」



ゴーヤ「いやでち~!!もうあんな点数とらないから許してくだちぃ~~!!」



教官「ならん!!」




月日は経って…




ゴーヤ「やっと…三年経ったでち…」



イムヤ「長いようで…短かった、不思議な学校生活だったわね」



イク「う~♡ウズウズしてきたの!まだ見ぬ提督に早く逢いたいのね~♪」ゆさっゆさ!



ハチ「すっかり伊19ですね」



イク「ありがとーなのねー♪」



イムヤ「……とうとう明日ね」



ゴーヤ「でち…」



イク「たとえ、どれだけ離れても、四人は仲良しなのね!」



ハチ「もちろんです」



イムヤ「そうよ!」



ゴーヤ「でも、着任する鎮守府は、自分で選べるって聞いたでち」






イムヤ「…ねぇ、皆。提案があるんだけど、見て」ピラ…



ハチ「これは…校内新聞ですね……えぇ!?」




!?




ハチ「………横須賀の新人提督、 泊地棲鬼 を自ら撃沈す!これぞ日本男児なり!……ですって!」



イク「すごいのね!!」



ゴーヤ「鬼・タイプって、深海棲艦でもっとも怖い種族って、教官が言ってたでち……こんなの倒すなんて、人間じゃないでち!!」



ハチ「でも、事実みたいですね……ええっと…馬場提督?」



イムヤ「そう。ごく最近、着任先に追加されたのよ。この提督の艦隊に、みんなで着任しようじゃないの!!」



イク「賛成なの!」



ハチ「私も…その提督に、逢ってみたくなりました」




ゴーヤ「無理でち!きっと大人気で、ゴーヤの偏差値じゃ面接すらできないよぅ…」




イク「そんなの、ヤってみなければわからないの!」



ゴーヤ「みんな は 良くても、ゴーヤはきっと落ちるでち……」



ゴーヤ「そして、浪人は許されないから、落ちてブラック鎮守府に飛ばされるんでち!」



ゴーヤ「ねぇー!みんなでもっと入りやすい所にいこーよぉ!岩川基地とか なら楽勝でち!」



イムヤ「ゴーヤ、一先ず落ち着きなさい」



ゴーヤ「でちぃ…」



イムヤ「確かに、馬場提督は今、英雄扱いされてるけど、実際の応募数を見なさい」バッ!



ゴーヤ「?……少ないでち」



イムヤ「そう。今、この提督には色んな噂が立ってるわ」



ハチ「いい噂だけじゃないみたいですね…新聞に載ってます」




イムヤ「わかる?皆怖がって 応募してないのよ、チャンスじゃない!」




ゴーヤ「でもぉ…」




イク「イクはもうここに決めたの!」



ハチ「私も」



イムヤ「無論。私もよ。みんなで、栄光の横須賀鎮守府に行こうじゃない!!」



ゴーヤ「…う~……わかったでち!!ゴーヤ、ここに決めたでち!!」



イク「決まったの!」



ハチ「大丈夫。私たちなら」



えいえい!おーーーー!





横須賀鎮守府



執務室



VAVA「応募者12名……か」



黒潮「司令はん。緊張しとる?」



VAVA「俺がきんつうなどするわけないだろう」



黒潮「あはは、せやな」



大淀「提督、準備が整ったようです」



VAVA「うむ」




大淀「一番の方。どうぞ」



ガチャ…!



イムヤ「はい!失礼します。伊168です」



VAVA「…」



イムヤ「わぉ!?」



VAVA「どうした?」




イムヤ『こ、この紫色の鎧の人が…ここの提督なのね……』




イムヤ「いえ!……何でもありません」



VAVA「まぁ、座れ」



イムヤ「はい!」ササ…



イムヤ『よし、がんばるぞ!』




数分後



VAVA「成程な…訓練学校での成績も悪くない。そして、これまで大きな問題は起こしたことがなく、性格もいたって真面目…と」ペラ…




大淀「特技は狙撃ですって」ヒソヒソ…


黒潮「でもって、シュミは甲標的の分解、組立やろ?売り込むなぁ」ヒソヒソ…




イムヤ「…」ドキドキ…



VAVA「わかった。こちらから聞く事はもうない。何か、お前から質問はないか?」



イムヤ『な、なにか聞かなきゃ…!』



イムヤ「はい。提督の肩についている主砲の威力が知りたいです!」



大淀「!」


黒潮「!」





VAVA「なんだ、そんなことか。しょうがない、やはり気になってしまったか。このショルダーキャノンが…ククク……」ウィン…



黒潮「あっはっはー!冗談やて、司令はん。ほら、単装砲畳んでやー」なでなで



VAVA「そうか…」カシュ…



イムヤ「…」



VAVA「ん……いいだろう。合格だ。お前を採用する。既に私室は用意されているから、自由に使っていいぞ」




イムヤ「即日で着任していいんですか!?」




大淀「えぇ、我が艦隊は特別に候補となりましたから。上層部にある程度の我侭がきくんですよ」



大淀「もちろん、学校にも話はついていますのでご安心を」



黒潮「それほど潜水艦のチカラが借りたいーっちゅーわけやな」




VAVA「そういうことだ。嫌ならニ、三日経ってからでもいいが…どうするんだ。ここでいいのか?それとも辞退するか?」




イムヤ「ここがいいです!即日着任したいです!!」




VAVA「いい返事だ。霞を呼べ。霞に新入りの案内をさせろ」



大淀「はい。仰るとおりに。では、次をもう呼びますか?」



VAVA「あぁ、頼む」




大淀「二番の方、どうぞ」




ハチ「はい、失礼します。伊8です」




VAVA「よく来たな。俺がここの提督。VAVAだ」



ハチ「初めまして、ハチと呼んでください」



VAVA「わかった。ハチ、座っていいぞ」



ハチ「はい」


数分後




VAVA「オール甲…ほぅ。座学での成績も三年間トップクラス…射撃訓練、格闘訓練でも軒並み良い成績だな」



ハチ「予習復習を頑張っただけです」



VAVA「おまけに謙虚ときたか。だが、模擬戦の成績が芳しくないようだが?」ピラ…



ハチ「す、すみません。戦闘は…あまり好きじゃないんです…」



VAVA「謝ることは無い。それもいいだろう」



ハチ「はい…」



大淀「提督…」ボソ…



VAVA「なんだ?」



黒潮「あんまりいじめちゃ、かわいそうやで」


大淀「そうです。彼女、ドイツ語が話せるようですよ。先に任されていた、海外艦との邂逅に適任ではないでしょうか?」ボソソ…



VAVA「何?そうなのか……確かに」



VAVA「ハチ、ここで働きたいか?」



ハチ「勿論です!……大声だして、すみません……」



VAVA「よし。ハチ、お前も合格だ。大淀」



大淀「既に、満潮さんを呼んであります」



満潮「ま、これも先輩の務めってね」



VAVA「気が利くな。後は任せた」



満潮「新入り、ついてらっしゃい」



ハチ「はい」



VAVA「よし、次だ」



大淀「はい」





ガチャ…!



イク「はーい!失礼します!」



VAVA「やっと活きの良いのが来たな」



イク「ひゃあ!ウェヒヒ!!」



VAVA「?」



イク「素敵な提督で嬉しいのね。伊19なの!そう、イクって呼んでもいいの♪」ゆさっ…



大淀「負けた…」


黒潮「弩級やな…」



VAVA「面白いやつだ。お前と話がしたい。座っていいぞ」



イク「はいなの!」




VAVA「うーむ…総合的な成績は並だが…夜間における模擬戦に限り、全勝無敗か…」



大淀「提督、ちょっと性格はアレですけど、頼もしいですよ」ボソ…



VAVA「俺もそう思ったところだ。磨けば輝くだろうな」





イク「あと~特技はマッサージなのね!」





VAVA「マッサージ…まぁ、ここならばその技術は役に立つだろう。いい特技だ」



イク「ありがとうなのねー!じゃあ~褒めてくれたお礼に、ここで披露しちゃうのね……」サッ…フッ…



VAVA「!?」



VAVA『消えた…ハッ!背後を取られただと!?』



さわさわ…なでなで…ずりずり…




イク「はわぁ…提督の肩、鋼みたいなのね~」ぐりぐり…



VAVA「…」



イク「くぅっ……提督の…かたくておおきいのね…///」すっすっす…



黒潮「ちょ!」



VAVA『わからん…何が面白いんだ…?そうか!こいつもショルダーキャノンに興味があるのか』ウィン…




イク「きゃっ……えへへ、立派な主砲なのね~///」




大淀「す、ストーーーップ!!合格!合格でいいですから!!ですよね!?」




VAVA「あ…?……あぁ、採用だ」




大淀「了解しました!この子は私がつれて行きます!!ほーら案内するから来てねー!」ぐいぐい!



イク「あん!強引なのね~」



イク「提督、続きはまたこんどなのねー!採用してくれてありがとーーー……」




ダダダダダーーーーーーーーーーーッ!!!




VAVA「いきなりなんだったんだ…?大淀」




黒潮「えーーーっと…次!次いこか!!」




VAVA「そうだな」



数十分後…



VAVA「いいだろう。お前も合格だ」




「やったでちー!」



五月雨「おめでとうございます!さぁ、私についてきてくださいね」



「はいでち!」




黒潮「にしても、潜水艦の学校って嫌なとこやなぁ。入学式に新入生を落っことすーなんて」



VAVA「だが、あいつは這い上がってきたんだ。根性がある奴は大歓迎だ」



黒潮「せやけど、ウチら駆逐艦は学校統一なんてされとらんし、色々とたのしかったでぇ」



VAVA「ちょっと待て。お前はドロップでここに着任したんだぞ」



黒潮「そうやね」



VAVA「ドロップする前はどこにいたんだ?何故海で出会えるんだ?」



黒潮「ウチも難しいことはようわからんけど、SFとかファンタジーによくあるやん。召喚術的な何か。そんなのと違う?」



VAVA「そうだったのか…」



ガチャ…




大淀「ただいま戻りました…すみません…ちょっと、イクちゃんの案内で手間取ってしまって」ゼェゼェ…



VAVA「ご苦労……随分疲れてるな」



大淀「いえ、この程度………それに、連日頑張った後は、間宮さんのつくった甘味がいっそう美味しくなりますから!」



VAVA「…」



大淀「提督…?」



黒潮「司令はん。どないした?」



VAVA「いや、何でもない。それより、次で最後だったな」



黒潮「せやな。次も伊58の子やで」



大淀「お呼びしてもよろしいですか?」



VAVA「いい、休んでろ。俺が呼ぶ」



大淀「でも…」



VAVA「おい、最後の!入って来い!!」




ガチャ……トトト……パタム…



ゴーヤ『とっ…とうとうゴーヤの番…』



ゴーヤ「は…はひ…」カチコチ…



ゴーヤ『あ、あしが竦むでち……』



テクテク…ストン…



VAVA「…」



黒潮「あちゃ~…」



大淀「…」



大淀「提督は、着席していいなんて一言も言ってませんよ」



ゴーヤ「あ!?ご、ごめんなさいでち!!」バッ!



大淀「あなた、名前は?」



ゴーヤ「はっ!?あの!!……伊58…」ボソソ…



大淀「入室する際に礼もせず、失礼します。と、声もかけない……あろうことか、ドアを締めるとき、こちらに背を向けましたね…」



ゴーヤ「あうぅ…」



大淀「面接…学校で教わりませんでしたか?」ギラリ…!



ゴーヤ「えっと…あのその…ひぇ…」



VAVA「よく来たな」



大淀「提督…」




VAVA「大淀、お前ダメなヤツには厳しいんだな」



ゴーヤ「ダメなヤツ…」



大淀「いえ!そんなことは…ただ、常識がなってないと私は…」



VAVA「始めるぞ」



大淀「あ……はい」



ゴーヤ『…どういうことでち?あんなに失敗したから、てっきり追い出されるものとばかり……』


数分後




ゴーヤ「とっ…得意なことは、海水の味でどこの海のものかわかることでち!」



VAVA「ふぅむ……なかなかの曲者だな」



大淀「ここに来た子達の能力は、みんな高水準にまとまっていると思ったのですが…この子はちょっと…」ボソ…



黒潮「でも、自分のアタマ悪いのを言い訳せずに、一生懸命受け答えしとるやん」



大淀「それは当然のことよ。それまで何を積み重ねて、これからをどうしていくのか。それを聞きたいのよ」



黒潮「数字や能力だけで判断する人事はどうかと思うで。性格や人柄をその場で見極めんと、あとで痛い目みるんはウチらやん」



大淀「確かに…密偵は怖いけど、それでも能力は度外視できないはずよ」



VAVA「うるせえぞ」



大淀「…」ショボン…


黒潮「…」クテー…



VAVA「もういい。最後の質問にするぞ」



ゴーヤ「はいでち!」



ウィン…



ゴーヤ「え…えぇ!?」



ゴーヤ『た…単装砲がこっち向いたでち!?』





VAVA「無限の可能性を秘めたチカラと…」



VAVA「今、目の前にある強大なチカラ…」



VAVA「どちらを信じる?」



ゴーヤ「は…?えっと、それはどういう…」



VAVA「質問しているのは俺だ!とっとと答えねぇか!!」ガチャ!





ゴーヤ「きゃあああ!?強いチカラでち!可能性なんて、信じられないでち!!」ズサーッ!




VAVA「…」





ゴーヤ「ひぃぃ…」ガタガタ…!



VAVA「そうか」ス…



ゴーヤ「あえ…?」



ポン…!



VAVA「合格だ。ここで働いてもらう」



ゴーヤ「?……本当に?ホントにここで働いていいでち?」



VAVA「驚かせてすまなかったな。お前の考えを知りたかっただけだ」



ゴーヤ「え?」



黒潮「司令はん、もう後は無いし。ウチ、案内しよか?」



VAVA「頼んだ」



ラウンジ




黒潮「ここはラウンジっちゅーてな、皆で話したり、遊んだり、何してもええんよ」



ゴーヤ「はい!…あ……!」



黒潮「お、同級生?」



ゴーヤ「そうでち」



黒潮「もう、案内は終わりや。あとは、司令はんの指示があるまで、この艦隊の子はの~んびりしててええんやで」



ゴーヤ「わ、わかったでち…」うるっ…



黒潮「邪魔者は消えるわ~ほな、何かあったら遠慮なく聞いてや。じゃあね」テクテク…




ゴーヤ「み……みんなーーーーーー!!!」ダダダーー!



イク「きゃん!ゴーヤ、激しいのね♪」ダキッ!



イムヤ「おめでとうゴーヤ!」



ハチ「これで、また4人一緒ですね」



イムヤ「みんな、採用してくれた提督のために これからガンガンがんばりましょ!!」



イク「なの!」



ゴーヤ「でち!」



ハチ「Ja!」





ゴーヤ『お母さん。やったでち…ゴーヤ、あの横須賀鎮守府に合格したでち!!提督はスターウォーズみたいだったけど』





執務室




大淀「面接、終わりましたね」



VAVA「…」



大淀「12人、全て採用ですね」



VAVA「…」



大淀「ごめんなさい」



VAVA「何がだ」



大淀「私……………いえ、今日のお仕事はこれで終わりです。下がりますね」ニコ!



VAVA「待て」



大淀「何でしょう?」



VAVA「………ご苦労」



大淀「…」



大淀「ありがとうございます…では、また明日…」パタン…




その日の夜




VAVA「提督、司令……か」



VAVA「名前で呼んでくれ。なんて言える訳ねぇ……」カポ…




トクトクトク…スカ…




VAVA「何…!?」



VAVA「酒…酒が無い……だと…!」



VAVA「ニホンシュも無い…ワインも無い…そうだ、あんなに沢山あったんだ。シャンパンの一本くらい…」



ガタガタ…ガサゴソ……スカーン…



VAVA「無い…」



バタン!……ガシュン!ガシュン!ガシュン!





深海BAR ダーウィン




港湾「ネェ…ココ、バー ナンダケド…」



泊地「ソレガ ドウシタ?ング………プハァ!オカワリ、アイスミルク ヲ ダブル ダ」



港湾「ハァイ……」しぶしぶ…



トクトク…



港湾「ハイ、牛乳」コト…




泊地「アイスミルク!!」




ギィイイイイ……ガシュン…ガシュン…




泊地「………コノ足音ハ!?」




港湾「イラッシャイマセ。最近、来ナイノデ心配シチャッタ」



ガラ…ストン…



VAVA「すまん、忙しくてな。会いたかったぜマスター」



港湾「私モ♪サ、一杯目ハ 何ニ致シマス?」



VAVA「テキーラをストレートで頼む」



港湾「チェイサー ハ ナシヨネ?」



VAVA「あぁ」



泊地「VAVA!!」



VAVA「よう、久しぶりだな……なんだ、カルシウム不足か?」



泊地「ナ、何ヲ言ッテイル?私 ハ 泊地棲鬼ダゾ。コンナモノ 単品 デ 飲ム ワケ ナカロウ?コレ ハ チェイサー ノ ミルク ダ」



VAVA「そうか」



泊地「ソウダ。オイ港湾!ウィスキーキテナイゾ!コノ 際 ダカラ VAVA ノト 一緒 ニ ダセ。アト、席移ルカラナ」



港湾「ハイハイ、毎度アリ~」



十数分後




港湾「ヘェ…ソンナコト ガ」



VAVA「砂糖がない。おまけに酒もな」



港湾「ダカラ ココ ニ 来タノ?」



VAVA「言ったろう、ここは俺のお気に入りだ。暇が出来たらまた通ってやる」



港湾「ドウモ♪」



泊地「砂糖…酒…ドレモ、嗜好品ダナ。ソウ言エバ…」



VAVA「何か知っているのか?」



泊地「ウム。最近、艦娘達 ノ 輸送船 ダケヲ 狙ッテ 襲ウ 連中 ガ イルラシイ」



VAVA「それだ……その連中ってのは何者だ?」



泊地「コレハ 定カ デハ 無イガ……装甲空母鬼 ノ 配下 ダト 、部下達 カラ 聞イタ コトガアル」





VAVA「装甲空母鬼…」





泊地「我々 ノ 中 デモ 一目置カレル ホドノ 防御力 ヲ 持ツ 姫ダ」



VAVA「そいつの居場所はわかるか?」



泊地「アイツ ニ 会イニ行クツモリカ?」



VAVA「無論だ。借りた物は返して貰わなくてはな……」




泊地「ソウ言ウト思ッタゾ。ダガ、気ヲツケロヨ………アイツ ハ トンデモナイ性悪ダ」



VAVA「そっちの方がやりやすくていいぜ」



港湾「戦イハ好カナイワ…何トカ、話合イ デ 解決 出来ナイカシラ…」



泊地「無理ダナ」



VAVA「………努力はしよう。相手次第だがな」



港湾「ソウヨネ……ア、ソロソロ 夜 ガ 明ケルワ」



VAVA「もうか…泊地、案内の件頼んだぞ。明晩、またここで落ち合えるか?」



泊地「明日モ来テクレルノカ!」



VAVA「当たり前だろう」



泊地「ワカッタ。ココデ待ッテイルゾ」



VAVA「恩に着る。マスター、いくらだ?」



港湾「鋼材500ボーキ500デス」



VAVA「ちょうどだ」チャリン



港湾「ドウモ♪ジャ、マタ明日ネ。VAVAサン」



VAVA「…」



VAVA「…そうだな。明日だ……あばよ」


曙「名前で呼べばいいの?じゃあクソVAVA」





後日




VAVA「…」



VAVA「酒が無くても死ぬことは無い…そもそも、飲食自体必要ないが、無いと落ち着かん…」




トントン



VAVA「誰だ?」



私です。



VAVA「間宮…入っていいぞ」





ガタン…!




間宮「うっ…うぅ…砂糖が無いばっかりに、艦隊がやがてボロボロに…」ポロポロ…



VAVA「そうか…いよいよ砂糖が…」



間宮「はい…カロリーオフとか野菜スイーツとか小細工を弄して来ましたが…もう、限界です」



VAVA「何とかもたないか?」



間宮「どれだけ節約しても…今日の日没までもつかどうか…」



VAVA「モタモタしている時間は無いな」



間宮「あぁっ!!心配かけまいと、提督や大淀さんに相談しなかった私の責任です!!提督、私を撃ってください!!」



VAVA「自棄になるな」



間宮「いいえ!お菓子を作れない私なんて、弾薬の無い戦艦です!どうか私を!!」




ガシッ…ズイッ……!




間宮「きゃ…」





VAVA「おい」



間宮「は…はい…」ぽっ…///




VAVA「俺は、撃ちたい。と思ったことは何度もあるがな、撃ちたくない。と思ったのはこれが初めてだ」




間宮「提督…」



VAVA「待っていろ。砂糖は必ず俺が手に入れる。俺を信じてくれ…」



間宮「…」



VAVA「…」



間宮「信じます。私も、日没まで必ずもたせます。提督、よろしくお願いします」ギュッ…



VAVA「信じてくれるか…この俺を…?」



間宮「はい」



VAVA「間宮……大淀に伝えろ。俺のいない間、艦隊を頼んだとな!!」ウィン!




ドゥンッ!!…バーン!ガシュン!ガシュン!!ガシュン!!!




間宮「提督…///」



間宮「…はっ!?」



間宮「何も…ドアを吹き飛ばしていかなくても…」


>VAVA「間宮……大淀に伝えろ。俺のいない間、艦隊を頼んだとな!!」ウィン!

家族を妻に託して二度と帰らぬ戦場へ赴く夫の図



深海BAR ダーウィン




ギィ!バーン!



VAVA「マスター!!泊地はいるか!?」



港湾「イ…イラッシャイ…?アノ、マダ来テナイケド…約束 ハ 今夜 ジャナカッタ?マダ昼ヨ?」



VAVA「予定が変わった。今すぐに装甲空母鬼とやらに会いたい。泊地を呼べないか?」



港湾「チョット 待ッテネ 今、電話シテミルカラ」




店外




数分後…




ゴォ…!スゥ…



泊地「フゥ…」シュウウウウ…



VAVA「待ったぜ」



泊地「無茶 ヲ 言ウナ。コレデモ、本気ダシテ ココマデ スットンデ 来タンダゾ」



VAVA「すまなかった」



泊地「イイサ、状況 ガ 変ワッタンダロウ?」



VAVA「そうだ。今すぐに案内してもらう」



泊地「ワカッタ。ダガ、私 ガ 一緒 ニ 行ケルノハ アイツ ノ 城 ノ 近ク マデダ」



VAVA「かまわん。拠点制圧は一人の方がやりやすい」



泊地「制圧 カ…フフフ、アイツ ノ 驚イタ 顔ナラ 見タカッタガ、ソウモイカナイ」





VAVA「何だ?」



泊地「スマン。私 ニモ 立場 ガ アルノデナ…ジャア、行クカ?」



VAVA「頼む」



泊地「私 ニ 掴マレ。直グ ニ 連レテ行ッテヤルカラ」



VAVA「いや、必要ない。お前は全力で目的地へ向かってくれ」



泊地「着イテクル気カ!?」



VAVA「あぁ」



泊地「……本気カ?」



VAVA「今、嘘をついてどうする」



泊地「ワカッタ…行クゾ!!」



しばらくして



岩と岩の隙間




泊地「ソレニシテモ…本当 ニ 走ッテ 着イテクル ナンテナ」コソ…



VAVA「お前のおかげだ」ササ…



泊地「エ?」



VAVA「アレが、装甲空母鬼の城か?」



泊地「ア…アァ、ソウダ。アレガ ヤツ ノ 城 ダ」



VAVA「悪趣味だな」



泊地「ナンデモ、配下 ノ 者 ヲ 強制的 ニ 働カセテ 築イタ 城ラシイ」



VAVA「その配下も、大半は無理やり配下にさせられたんじゃないか?」



泊地「当タリダ。 何故 知ッテル?」



VAVA「知り合いにも似たようなのがいたからな…さて」ウィン…




泊地「私 ハ ココ ニ イル。終ワッタラ ココヘ 戻ッテコイ」



VAVA「いや、さっきの一度で道は全て記憶した。帰り道の案内なら大丈夫だ」



泊地「シカシ…一度キリ ノ 記憶 ナンテ 曖昧 ナ…」



VAVA「俺の記憶は完璧だ」




泊地「ダメダ。私ハ……ミ……身 ヲ アンジテ…」のの字クルクル…///




VAVA「騒ぎになる。もし、お前がここにいることが知れ渡ったら、お前の立場はどうなる?」



泊地「…VAVA」



VAVA「行け」



泊地「……気 ヲ ツケロ。アイツ ハ 卑怯 ノ 化身 ダ」



VAVA「ありがとよ。泊地」



VAVA「ハッ!!」ドォッ!ピョンピョン!!


装甲城



チャララララ~~ン♪



「ドウゾ…装甲様」



装甲「ア~ン」パク!



装甲「クフフ……アァ、美味シイ。甘味ッテサイコ~ネェ~!」もぐもぐ



チャララ……ラ゛ララ~ン♪



装甲「…」



装甲「チョットォ…ヴァイオリン ミスッタヤツ 手ヲアゲナサァイ…」



「ワ…ワタシデス…」



装甲「マタ貴女ァ?下手糞。モウ イラナイワ」



「ソンナ…!?オマチクダサイ!休ミ ナシデ 演奏 シ 続ケル ナンテ…!」



装甲「ジャア、休マセテアゲル。牢・獄・デ・ネ!」



「…行クゾ」


「…サッサト立テ」



ガシ!ガシ!




「ソンナ…………ワァー!!離シテ!!アソコハ嫌ダァーーー!!」じたばた!




バタン!…シーン………




装甲「………プッwww」



装甲「アーーーーーッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」





装甲「ア~可笑シイ。ネェ、今 ノ 顔見タァ?」



「滑稽 デ ゴザイマシタ」



装甲「ホント!可笑シイッタラナイワwww」



装甲「ハァ…ンッン!ソウダ、次 ハ オ酒 ガ 飲ミタァイ」



「ハイ…何 ヲ 御飲ミ ニ ナラレマスカ?」



装甲「ン~~…ソウネェ、アッ!」



装甲「バーボン ガ アッタワネェ。アレ」



「直チニ…」



装甲「ア~!混ゼテ 飲ム カラ、ラムネ モ 持ッテキテ」



「…ハイ」


ツ級「装甲様。新シイ ケーキ ガ 焼キ アガリマシタ…」



装甲「待ッテタワァ!早ク切リ分ケテ!!」



ツ級「ハ、ハイ…」ヨロリ…



サッサ……ボロッ…!



ツ級「アァ!?」



装甲「…」



ツ級「申シ訳アリマセン!手元ガ狂ッテ…!」



装甲「ドーシテクレルノォ?折角貴女 ガ 作ッテクレタ 美味シ~~イ!ケーキ ナノニ……崩レチャッタジャナイ……」



バシン!ドカ!!ゲシィ!!!



ツ級「アウ…!」



装甲「ドウ、反省シタ?」



ツ級「ハイ…」



装甲「ジャ、牢獄デモォーーーーット反省ネ?」ニタァ…



ツ級「ヒッ…」



嫌ァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!



バタン!!…シーーーン……



チャララララ~~ン♪




装甲「コノ世 ハ チカラ ガ 全テ……弱者 ハ 強者 ノ 為 ニ 働ク シカ デキナイノヨ……クフフフフ♪」




ゴゴゴゴゴ…!!グラグラ!




装甲「何?コノ揺レハ?」



ダダダー!



「装甲様!侵入者デス!!」



装甲「侵入者?艦娘?ソレトモ 同類?今度 ハ ドレクライ 入リ込ンダノカシラ?」



「侵入者ハ一人デス!!単騎デ コノ 城ヘ侵入シマシタ!!」





装甲「ナンデスッテ…??単騎…マ、マサカ………戦艦 ヤ 飛行場 ジャナイデショウネ!?」ガタガタ…





「イエ!姫デハ アリマセン!!見タコトモ無イ風貌デ…」



装甲「ホッ………全ク!!ソウジャナイ ナラ 早ク ナントカ シナサイ!!ウルサイノヨ!!」



「ソレガ、我々デハ 全ク 敵ワナイ ノデス!!」



装甲「ナ…何ィ~!?」




装甲城




VAVA「装甲空母鬼とやらはどこにいるんだ?」



「オ…オイ!!トマレ!トマラント撃ツゾ!」ブルブル…



VAVA「下がってな」



「シ…侵入者メ!」ガタガタ…



VAVA「返事はどうした!!」



「ヒィ…」


「コ、怖イ…」


「アノ口径ノ主砲ヲ喰ラッタラ…アワワ…」




「ウゥ……!コノ城 ハ オシマイダ!私ハ逃ゲルゾ!」




「ズルイ!俺モ逃ゲル!!」


「アチキ モ!!」


「アタシ モ!」



スタコラーーー…サッサ……!!



VAVA「利口なやつらだ。忠義心に欠けるようだが…チッ、一人捕まえておくべきだったな」



VAVA「しかたねぇ、もっと奥へ進んでみるか」





ガシュン…ガシュン…



VAVA「妙な所に来たな…牢屋か?」



ギチ…ユラユラ…



VAVA「これは…」



VAVA『鎖で自由を奪い、吊るし上げか…やはり悪趣味だな』




ウゥ…




ツ級「…ウッ…グス…」



VAVA「おい、生きてるか?」



ツ級「ハッ!?ゴメンナサイ!涙 ガ 勝手 ニ デテ……許可サレテ ナイノニ 泣イテ ゴメンナサイ!!」ガタガタ…



VAVA「…」



VAVA「涙を流せるんだな。俺には無理だ」



ツ級「…?アナタ ハ 誰?」



VAVA「VAVAだ」



ツ級「ヴァヴァ…?」




ツ級「装甲様 トハ 関係ナインデスネ?」



VAVA「無い」



ツ級「良カッタ…アノ、スミマセン。ソコニ 落チテイル 仮面。拾ッテ 私 ニ 被セテクレマセンカ」



VAVA「仮面…これか?」ヒョイ…



ツ級「ハイ…イツモ 肌身 離サズ 着ケテイル モノデス」



スポ…



VAVA「これでいいか」



ツ級「アリガトウゴザイマス……アァ…落チ着ク」



VAVA「お前と似たようなやつを知ってるぞ。そんなに仮面が大事か?」



ツ級「ソレハモウ。自分 ノ 一部 デスカラ」



VAVA「そうか。ところでお前、装甲空母鬼の居場所を知っているか?」




ツ級「知ッテイマス」



VAVA「よし、ここから出してやるから教えろ」



ツ級「本当デスカ!?」



VAVA「お前、戦闘員じゃないだろう?ならば、解放しても邪魔にはならないからな」



ツ級「ソウデス…私、オ菓子 ヲ 作ル 為ダケ ニ 北 ノ 海カラ ココニ 連レテ来ラレテ…」



VAVA「悪いが、お前とゆっくり話している時間は無い」ガシ…!



ツ級「エ…?」ユラ…



ブチンッ!!トサ…



ツ級「……!鎖 ヲ 引キチギル ナンテ…」



ヒュッ!ガシュ!ガシュ!ガシュ!



ツ級「キャア!?アノォ!私、歩ケマス!降ロシテ下サーイ!」



VAVA「時間がねぇんだ!俺が走るからお前は案内しろ!!」



ツ級「ハ、ハイィ!!ソコ 右 デスゥ!!」



装甲「コノ 城 ハ 防衛設備 モ 完璧 ナ ハズ…ナノニ……クックゥ…!」わなわな!



装甲「侵入者 ハ マダ 掴マラナイノ!?」



「侵入者、依然トシテ健在!!……ワァ!?」



装甲「ドウシタノ!」



「先ホド マデ 無鉄砲 ニ 暴レテイタ 侵入者 ガ……ココヘ一直線 ニ 向カッテキマス!!」



装甲「…誰カ ガ 口 ヲ 割ッタンダワ……クソ!無能ドモメ!!」




「ト、到着マデ…残リ…」




ドゥン!ドカーン!!シュゥー………




VAVA「…ゼロだ」




装甲「何テ ヤツダ……長門型 ノ 主砲 サエ 跳ネ除ケル 扉ヲ……!?」




「ギャアーー!?バケモノダァーーーー!」




装甲「待テ!!逃ゲルナ!?敵前逃亡 ハ 死刑ヨ!!」




VAVA「ハッ……どうせ死ぬんなら、少しでも生の望みがあるほうに賭けたんだろう」



VAVA「普段なら皆殺しにする所だが、今は遊んでる時間は無い。お前が 装甲空母鬼 だな」



装甲「無礼ナ!!人 ノ 城ニ ズカズカ ト……フン!!ダッタラドウダトイウノ?」





VAVA「砂糖を返してもらおう」





装甲「……ナニ?」




ツ級「…」チラ…



装甲「ア!……ツ級!サテハ…… オマエ ガ ココヲ 教エタナ!!」



ツ級「!」ササッ!



装甲「裏切リ者メェ……沈メ!!」ゴォ!



ツ級「ハッ!?」



ゴォーーー!!ドンドンドン!……ポトポト…



装甲「私 ノ 艦載機ガ!?」



カシャコン!



VAVA「バンザイビートル。驚いたろう?羽の着いたミサイルは、艦載機の掃除にうってつけだぜ」



装甲「見タコトモナイ 兵器 ヲ …クッ…!」



ツ級「ウ…腕、大丈夫デスカ?」



VAVA「もともと俺の腕は外せるように出来てんだよ。お前は逃げるなり、隠れるなりしてろ」



ツ級「ハイ…」





装甲「マ…待テ!オマエ ハ 何者ナンダ!?」



VAVA「そう聞かれて答えるヤツは相当なマヌケだろうな。俺は盗んだ物を返せと言ってるんだ」



装甲「ワカッタ…奪ッタ物 ハ 返スワ!!」



VAVA「始めからそう答えときゃあいいんだ。さっさとしろ」



装甲「…」ニヤ!



装甲「ナーンテ、素直 ニ 返スカ!!T字顔ガ!!」ポチ!



パカ!



VAVA「ん…?」ヒュー…



ツ級「床ガ!?」



装甲「馬鹿メ!ソノ先 ハ 針地獄ヨ!!古典的 ナ 罠 ダケド…ダカラコソ 使イヤスイ!!クフフフ!今頃アイツ ハ 串刺シニ…」




ガッガッガッガッガッガ……




装甲「?」




装甲「何 ノ 音 カシラ?」ヒョコ!




装甲「…………ゲェーーーーーッ!?90度 ノ 壁 ヲ 蹴リ上ガッテ来ル!!」




スタンッ!



ツ級「ス…スゴイ!」



VAVA「三角跳びなんぞ、基本中の基本だろうが」



装甲「エェー!!」



VAVA「貴様」



装甲「ハ…ヒャイ!」



VAVA「覚悟は出来てるんだろうな?」



装甲「ヒェェ…」





VAVA「…」ウィン…





装甲『マ…マズイ…鬼 ノ 状態 デ アンナ モノ ヲ 喰ラッタラ…私トテ 危ウイ!…時間 ヲ 稼グ ノヨ…』



装甲『ソウダ!コイツ ガ T字 ノ 通リ、艦娘ドモ ノ 提督ナラ…アノ手ダ!!』




VAVA「観念したようだな…」コォォ…




装甲「アー!アンナ 所 ニ 初風 ガ イル!!」ビシッ!




VAVA「何!?」クル!




装甲「今ダ!」ダダダーーーッ!




VAVA「どこだ!?初風……クッ…いないじゃねぇか!!……しまった!」




装甲「倉庫…倉庫 ニ 行キ サエ スレバ…!!」




VAVA「謀ったな!待ちやがれ!!」




装甲「待ツモンカ!!消化装置作動!!」ポチ!




ブシュウウウウウウーーーーーーーーー!!




VAVA「うぐわ…!味なマネを……!」べチャ…



VAVA「大淀から聞いていたデータが仇になったか…クソ!!待て!今待てば楽に殺してやる!!」ドゥン!ドゥン!ドゥン!




装甲「キャアーーーー!?マジ ダ!殺サレルーーーー!!」ダダダダダーーーーー!!




ツ級「行ッチャッタ………」ぽつーん




VAVA「あの手この手で逃げ回りやがって…だが、追い詰めたぜ」



VAVA「観念しろ!大人しく出てきやがれ!!!」




シーーーン………




装甲「クフフフフフフ…」



VAVA「ほう、覚悟を決めたようだな」



装甲「イイエ………覚悟 ヲ 決メルノハ アナタ ヨ」



VAVA「……えらく余裕じゃないか」



装甲「オマエ ハ マンマ ト 私 ノ 策略 ニ 絡メ 取トラレタ ノヨ……」



VAVA「随分必死に逃げていたようだが?」



装甲「アレ ハ オマエ 油断 サセル タメノ 演技……気ヅカナカッタノカシラ?」



VAVA「アレが演技か、大した女優だぜ。リアル過ぎて気づかなかったなぁ」



装甲「ウ、ウルサイ!馬鹿 ニ シテ!!…………目ニ モノ 見セテクレルッ!!」バサァッ!





VAVA「…」



装甲「フフン!」



VAVA「脱ぐとは思っていたが……まさか、下まで脱ぐとは。言っておくが、俺に色仕掛けは無意味だぞ」



装甲「チ…///…チガウ!ソウジャナイ!ヨク見ロ!体 ニ フィット シテイル 鎧ヲ!!」



VAVA「百歩譲ってそれが鎧だとして、フィットし過ぎだろう。恥じらいはないのか?」



装甲「ヌ……ウ……………ウルサイ!ウルサイ!!ウルサイ!!!」



装甲「コノ 姿 ヲ 見テ、生存 出来タ 者 ハ 一人 モ イナイ!!」



VAVA「その話も眉唾物だな。信じられん」



装甲「ソンナ軽口、二度ト 聞ケナイ ヨウニ シテクレルワ……… 装甲空母姫 参ル!覚悟ナサイナ!」





ドドドドドド!………ポトポトポト…




VAVA「チッ……どうだ!」




ボン!…シュー……




装甲「クフフフ…痒イワァ」



装甲「ソノ 羽根ツキ 魚雷、艦載機 ヲ 落トセル 威力 ハ アッテモ、私 ニ ダメージ ヲ 与エラレル 威力 ハ 無イヨウネ!!」




ヒュヒュヒュン!




装甲「ソコヨ!!」




ドガーン!




VAVA「ク……ヤツの艦載機は無限なのか?いくら落としても爆撃が止まねぇ……」



装甲「サァ、休ンデナイデ イラッシャイナ♪」



装甲『私 ガ ココヲ 離レヌ 限リ……負ケハ無イ!!』モグモグ…




VAVA「………」カク…カク…



装甲「ドーシタノォ?肩 デ 息 シチャッテ。貧弱ネェ……行ケ!艦攻!!」ヒュッ!!



VAVA「うぉ!!」



VAVA『ヤバイな……エネルギーの回復を待たなければ……』



装甲「ホォラ!!避ケナキャ、灰 ニ ナルワヨ!!」



VAVA「クソッたれが!!」バシュ!バシュ!!



VAVA『バンザイビートルでは火力が足りないぜ…!』



装甲「クッ……シブトイワネ…ア!艦載機 ガ ゼロ……ボーキ ヲ 補給シナクテハ…!」



VAVA「攻撃が弱まった…?ん、あいつ…何をしているんだ?」




ヒョイ!パク!!ヒョイ!パク!!




装甲「!」モグモグ!!




ポロ……カラン…コロン……



VAVA「アレは…ボーキサイト……」じー…



VAVA「あいつがコンテナの上に陣取ってたのはそういう訳か……視界の為でもなく、地の利を生かすでもなく…」



VAVA「まぁ、地の利と言えば地の利か……………気づかない俺が馬鹿だった」



VAVA「どれ、そろそろこの茶番を終わらせてやるか」ウィン…





装甲『?……照準 ヲ ズラシタ』



VAVA「そらよ!!」ドゥン!ドゥン!!




ビシッ!ビシィィッ!!




装甲「!?」



装甲「ワー!何処 ヲ 狙ッテルンダ!!私 ハ ココヨ!!」



VAVA「ちょっと待ってな。今たまりにたまった羊の毛を刈ってやるところだ」



装甲『バレタ!?私 ノ 完璧 ナ 作戦ガ……』



VAVA「おら!」



装甲「待テ!ヤメロ!!ボーキサイト ガ ドレダケ 貴重 カ 知ラナイノ!?」





VAVA「知ったことか!!」



装甲「ウゥッ…!」



VAVA「俺は自分の目的を果たすだけだ!」



装甲「ナ…何故!?如何シテ 砂糖ナンカ ノ 為 ニ ソコマデ デキルノ!!」



VAVA「…」ピク…!



VAVA「砂糖なんか………だと…!」ブチッ!



装甲「エ…」



VAVA「そもそも、貴様のせいだろうが!!輸送船を襲わせてさえいなければ、俺が来ることもなかったろうぜ!!」



装甲「ワ…私ガ 自分デ 疫病神 ヲ 呼ビ込ンデ シマッタト…!?」





VAVA「いいや、お前が呼んだのはジョーカーだッ!!」カコンッ!





コロ…コロン……ボォン!!





装甲「何年 モ カケテ 集メタ ボーキガァ!アワワ……崩レルゥ!?」グラ…!




ドンガラガッシャーーーーーン!!






ドロォ…ブクブク……




装甲「ングゥーーーーーーーーー!?」ジタバタ!



装甲『熱イィィィ!!ボーキ ガ ヤツ ノ 放ッタ爆弾 デ ドロドロ ニ 溶ケテ……カ、体 ニ ヘバリ 着イテクル!?』



装甲『コレハ タマラン!!分厚イ 装甲 モ 高熱 ノ 前ニハ 無力ダ!!』



装甲『ハ、早ク 鎧ヲ 脱ガナクテハ!鎧ガ 邪魔ダ!!』




ドボォォォォ!




装甲「プハァ!ヤット抜ケ…」




チョン…




VAVA「…」ガチャリ…





装甲「ア……」サー…





VAVA「随分熱かったみたいだが…ご自慢の鎧はどうした?それに………顔が青ざめてるぞ」コォォ…



装甲「ヒェエーーー!マ、待ッテ!殺サナイデ!!私 ヲ 殺シタラ、砂糖 ノ 場所 ハ 永遠 ニ ワカラナイ ママ…」





3 < ひゅるり~~~るり~~~~♪





装甲「ナンダ!?」



VAVA「またあいつか…」






川内「あい、やせんかめん。さんじょ~」ムスー




装甲「夜戦仮面!?」



川内「また会ったな、鋼鉄の提督。どうやら今日は私の出る幕はないようだ」



VAVA「何しにきた」



川内「そら、受け取れ」ヒュ!



VAVA「………鍵か?」パシ!



装甲「ソレハ…!!」



川内「そいつのバカでかい椅子に敷いてあったざぶとんの下にあったものだ」



VAVA「貯蔵庫 ノ 鍵 ……とあるが…まさか」



川内「お前が暴れている隙に、私が捜索、確認してきた。この城の最下層に、その鍵で開く扉がある」



装甲「バカナ…侵入者 ハ 2人ダッタノカ……」



川内「フフフフフ……!そしてその先の貯蔵庫に、奪い集めた嗜好品が貯められているのだ。後は好きにするといい」





VAVA「お前の言うことを信じろと?」



川内「信じて欲しいな」



VAVA「…」



川内「…」じっ…



VAVA「…チッ」



VAVA「いいだろう。だが、なぜ俺を手助けする?お前はただ夜戦がしたいだけの戦闘狂じゃないのか?」



川内「決めつけられる事には慣れてる。しかし、本当はそうじゃない」



VAVA「………何が言いたい?」



川内「ファンの一人だよ……さらば!!」ヒュン…



VAVA「夜戦仮面………か」




装甲「…」そろーり…そろーり…




VAVA「どこへ行くんだ?」ガシ…




装甲「ハ…ヒ……」ガタガタ…




ペコォーッ!!




装甲「ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!!ゴメンナサイ!!!」土下座



装甲「今マデ悪サ ヲ 働イテ スミマセン デシタ!!モウシマセン!!」ペコペコ!



装甲「何モ カモ オ返シ シマス!!モウ アナタ ニハ 逆ライマセン!!」



VAVA「…」



装甲「命ダケハ…御慈悲ヲ…!」



VAVA「……助けてやろう。しかし、条件がある」



装甲「ウゥ……ヒック……ハイ。ナンナリト…」



VAVA「よし…」


横須賀鎮守府



食堂



天龍「おーい!俺、エビチリなー!」



北上「こっちはナポリタンねー」




ハーイ!!タダイマー!!




ワイワイ!




間宮「提督!ありがとうございました!!この活気も提督のおかげです!」



VAVA「これも仕事だからな」



間宮「それにしても、砂糖以外にも、世界中の食材が山ほど手に入ったのはどういうわけですか?」



VAVA「ホッカイドウで買って来たんだよ」



間宮「なるほどー…って!?北海道まで行って来たんですか!?さすが、提督です!!」



VAVA「そうだ。新入りの給仕係はどうだ?」



間宮「とても熱心に働いていますよ。そういえば、あの子が食材を全部もって来ましたよね。すごい怪力ですよ」



VAVA「そうだろうな。きっと北国出身だからだろう」



間宮「道産子は鍛え方が違うんですね。肌も美白で綺麗ですもの」




漣「近いじゃん!とか、つっこんじゃだめだゾ♪」




満潮「ねぇ…私、こんなの頼んでないわよ」



霞「ちょっと!これ辛口じゃない!!カレーは甘口に決まってるでしょ!!」



曙「このポテトフライ冷めてるわ!!持ってくるの遅すぎよ!このデクノボー!!」




装甲「ゴメンナサーイ!!」ペコペコ!




曙「ゴメンで済んだら憲兵はいらないのよ!グズ!!冷めたポテトほど不味いものないわ!!」ブン!




バラララ!!




装甲「アウッ!直グ代ワリ ヲ オ持チシマス!!」





装甲『駆逐艦 ニ 好キ勝手言ワレテ……コンナ、屈辱ゥゥゥ…』




装甲『ウゥゥ……給仕ダッテ、シタコトナイノニ……鬼!悪魔!!』うる…




VAVA「…クッ」ぷるぷるw



間宮「あらら…曙ちゃんたら、食べ物粗末にして…後で言っておかなくちゃ。あ、提督、あの子ですよ。怒られてますけど」



VAVA「ククク…」



間宮「提督…?」



VAVA「クハハハハハハハハハハハハハ!!」




後日の夜




VAVA「ってなわけでな。砂糖不足だったわけだ」



大淀「もう、そういうことがあったなら、言ってくだされば良かったのに…」



VAVA「お前に心配をかけたくなかったんだ」



大淀「それは…嬉しいですけど…なんですか、この雇用契約書は?」



VAVA「どうしてもここで働きたいというヤツでな。それでもいいというから、慈悲をくれてやったのさ」



大淀「それにしたって、ひどい内容ですね…でも、無理やり契約させて無いなら、まぁ…」



VAVA「それにな、こいつを見てみろ」ピラ…



大淀「資材総量…えぇ!?いつの間に!!まだオリョクルもカレクルもしてないのに……!?」



VAVA「?」



大淀「あー!いえ!!何でもないです。そんなことより、どうやってこんな大量の資材を…?」



VAVA「どうでもいいだろう。とにかく、それで少しは運営も楽になるだろ」



大淀「もちろんですよ!」



VAVA「なら、それでいい。定時だ。下がっていいぜ」



大淀「わかりました。今回の臨時収入は有効に使わせていただきます。では、失礼します」パタン…



VAVA「…」トクトクトク…カラン



VAVA「ヤツからせしめた上物…このバーボンはなかなかだぜ」クイ…



VAVA「…」



VAVA「しばらく生活して気づいることは…この世界には俺以外のレプリロイドが存在しない。ということだ」



VAVA「全く別の世界。それも送り込まれたのではなく、迷いこんだというほうが正しい気もする」



VAVA「案外、エックスの居ない世界ならば…どこでも良かったのかもな…」



VAVA「もしも帰れるなら…この世界を捨てて、俺について来るヤツはいるかな…?」




ガタ…!




VAVA「誰だ」ウィン!



VAVA「覗き見とは趣味が悪いな…入って来い!説教してやる!!」




ガチャ…ピョーン!ズサー!




装甲「…ゴ、ゴメンナサイ…ゴメンナサイ…!」ペコペコ!



VAVA「お前……」



VAVA「早速俺の寝首をかきに来たってことか?」



装甲「違イマス!反抗スル 意思 ハ 毛頭 アリマセン!私 ハ 何処デ 寝レバ イイノカ 分ラナクテ」



VAVA「そんなもん、厨房の妖精か間宮にでも聞けばよかったろう」



装甲「デモォ…」



VAVA「でも、じゃねぇ。城に居た時の ふてぶてしさ はどこに行ったんだ?」



装甲「ココ…知ラナイ場所ダシ…コウイウ場合、ドウヤッテ他人 ト 話 ヲ スレバ イイノカ…ワカラナインデス。私、姫ダシ…」



VAVA「……人より上の立場にいなければ、まともに会話もできねぇのか」



装甲「ダッテ!……イ、イエ…ソノ通リデス…ゴメンナサイ」



VAVA「……甘ったれるな。謝ってもどうにもならねぇだろう。こうなった以上、お前はここで生活するしかないんだからな」



装甲「ヒェ………アノ…ドレ位 ココデ 働イタラ 海 ニ 返シテ 貰エルンデスカ?」



VAVA「そうだな…お前何か得意なことはあるか?」



装甲「エ?ウ~~ン………体 ガ 固イ コトト……艦載機 飛バセマス……」



VAVA「それ以外はないのか?」



装甲「チ…チカラ サエ アレバ ドウニデモ ナッタノデ……」



VAVA「呆れて物も言えねえ」





装甲「ジャア…戦ウコト 以外 ニ アナタ ハ 何ガ 出来ルンデス?」ムッ…



VAVA「俺か…?」



装甲『ソレ見ナサイ!結局、自分ダッテ ソレシカ デキナイ 癖ニ…!!』



VAVA「いいぜ、見せてやろう。着いて来な」



装甲「へ…?」



音楽室




装甲「鎮守府 ニ コンナ 部屋ガ…?」



VAVA「軍に音楽は付き物だ。だからこんな部屋がある」



装甲「ヘェ…」キョロキョロ



VAVA「…」パサ…



装甲「綺麗 ナ ピアノ…」



VAVA「すぐ終わる」ストン…



装甲『嘘…アンナ ゴツゴツ ナ 手デ 弾ケルワケ……』




~~~♪




装甲「ワァ…」



装甲『ナンテ……美シイ音色』




装甲『コンナ演奏…聞イタコトナカッタ…コレガ、本当 ノ ピアノ ノ 音色ナノネ…』



装甲『荒々シク モ……ソノ中 ニ 怒リ ト 悲シミ ヲ 感ジサセル…イヤ、ソレダケジャナイ』



…~~♪



装甲『嫉妬…?孤独 ナ メロディ…』



!~~♪



装甲『!?……曲調 ガ 変ワッタ…!今度 ハ 明ルイ…光 ニ 包マレテ イクヨウナ…軽快 ナ リズム…』



装甲『アァ……コノ胸 ガ ハチ切レソウナホド…感情 ガ 込モッテイル 演奏…』



装甲「…ア」ぽろり…



装甲「涙…ガ」



VAVA「…」スク…





VAVA「どうだ、即興にしては よくやったところだろう?……どうした?」



装甲「イイエ…私……明日カラ 心 ヲ 入レ替エテ働キマス。ア……アリガトウゴザイマシタ」



VAVA「礼を言われるとは思わなかったな。まぁ、今晩の寝る場所は自分でどうにかしろ」



装甲「ハイ…ジャア、コノ ソファ デ 寝マス」



VAVA「勝手にしろ」



装甲「オヤスミナサイ…」



VAVA「あぁ、そうだ、さっきの答えだが、ここで面白い芸でも身に着けて、俺を唸らせるんだな。その時はどこへ行こうとお前の自由だ」



装甲「ハイ…エット…」



VAVA「VAVAだ。俺の名はVAVA。忘れるんじゃねぇぞ」



装甲「ヴァ…ヴァ。ハイ、忘レマセン決シテ……」



VAVA「頑張りな…元の居場所に帰れるまで」



ガシュン…ガシュン…





後日



VAVA「陸海合同会合?」



大淀「こないだ言ったじゃないですか」



VAVA「そうか?」



大淀「そうです。提督に合う軍服を仕立てなければいけません」



VAVA「俺が軍服を着るのか!?」



大淀「規則ですから。それと、その右肩の主砲も外していただきます」



VAVA「スケジュール詰め込み過ぎじゃないのか?」



大淀「何を言います。忙しいうちは幸せです。ほらほら、そのために皆さんを助っ人として呼んだんですから!」



翔鶴「私、お裁縫とか得意なんです」



間宮「私も」



明石「私もですよ!」



扶桑「提督…採寸、図りますね」



大淀「勿論、私もです。淑女の嗜みですから。さぁ、提督。さぁさぁさぁ!」



ワサーーーーーーー!



VAVA「待て!!やめろお前ら!!俺に触るな!?ぐわぁあああああああああああああああああ!!」




天龍のお部屋




天龍「で、ここに逃げて来たってか?」



VAVA「そうだ」



天龍「何で俺の部屋なんだよ。他の奴等のとこに…」



VAVA「お前なら何も言わずかくまってくれると思っていたんだが…俺の見当外れだったようだ」スク…




ガシッ…クイッ…クイッ…




天龍「まぁ、座れよ。ざぶとん?座いす?」



VAVA「ざぶとん」






天龍「ほら、天龍茶だ。遠慮しないで飲めよ」コト!



VAVA「なんだそれは」



天龍「烏龍茶ってあるだろ?だったら 俺が淹れたお茶は、もはや天龍茶だろ?」



VAVA「いまいち理解できんが…」ゴク…



VAVA「普通だな」



天龍「そりゃーそうだ。パックの麦茶で作ったんだから」キョトン?



VAVA「…」



VAVA「じゃあ麦茶じゃないのか?」



天龍「天龍茶だ」どや!



VAVA「…そうか」ゴクゴク…





数分後




天龍「にしても、海軍と陸軍のパーティかぁ」



VAVA「俺に何をさせたいのか、サッパリわからん」



天龍「俺だってわかんねぇよ」



VAVA「だろうな」



天龍「…」



VAVA「…」



天龍「いつまでここに居る気だよ」



VAVA「出てけってことか」



天龍「そうは言ってねぇだろ…行けよ、明日だろ。パーティ」



VAVA「…」



天龍「そう意固地になるなよ………そうだ、俺も一緒に行ってやるから」



VAVA「お前が?」



天龍「さっきも言ってたけどよ…ここに来たってことは、俺のことを頼って来たんだろ?なら、最後まで面倒みてやるよ」



VAVA「…」



天龍「あいつら、ぜってー心配してるぞ。お前に無理やり んーなもん着せて、嫌われたんじゃないかって」



VAVA「俺は、この程度で…」



天龍「わかってるって!お前はそんなヤツじゃねえよ。お前と演習してるからわかるんだ」



VAVA「天龍…」



天龍「見直したか?なら、演習だけじゃなく実戦もさせろよ。俺たちは戦うためにここに居るんだぜ!」



VAVA「…結局は戦いたいから俺にあーだこーだ言ったんだろ。天龍」



天龍「ゲッ…なんでわかったんだ!?」



VAVA「クハハ………お前は可愛いやつだな」



天龍「はぁ!?か、可愛くねぇし…///俺は怖いんだぞ!!」ムガー!



VAVA「あぁ…怖ぇよ。とてつもなくな」スク…



天龍「お…………行く気になったのか?」



VAVA「明日だからな。準備しなきゃならねぇだろう?おら、行くぞ」



天龍「うっしゃぁ!」



後日



ブロロロロロ…!



VAVA「…」軍服



五月雨「提督、軍服似合ってますよ!」ドレス



VAVA「ありがとよ」



天龍「久しぶりの街だなぁ」いつもの



大淀「2人とも、内地に来たからって浮かれちゃダメ」ドレス



五月雨「はーい……せっかく黒潮ちゃんが変わってくれたのに…」ショボン



大淀「いい?私は参謀。五月雨ちゃんは秘書。天龍ちゃんは提督の護衛。という名目で、同席が許可されているのよ」



天龍「へいへい」



大淀「刀、しまいなさい」



天龍「鞘に収めたあと更に皮袋に入れろ。だろ?そんなんじゃ護衛なんてできねぇよ」



大淀「名目だからいいのよ」



VAVA「あれか?」



大淀「そうです!そのまま駐車場までお願いします」



VAVA「おう」




駐車場




天龍「なんだよ、皆ヘタクソだな」



大淀「空いてないわね…」



VAVA「空いてるじゃないか。よく見ろ」ピッ!



五月雨「提督、あそこに入れるのは難しいですよ」



VAVA「お前らは先に降りろ」



大淀「え?」



五月雨「わかりました…?」



天龍「おい…お前まさか…あんなところに縦列駐車する気か?」



VAVA「…」グイ




パーーーパーーーーーッ!!




天龍「わーったわーーーった!!降りるよ!!」




ブロロロロロロ…!!グルン!



キキィィィィイイイイイイイイイイイイ!!



……ピタ



天龍「あいつ…ほとんど一台分の隙間しかないのに…やりやがった」




「「「おぉぉぉーーーーーーーーーーー!」」」




「さすがだ…」



「あのお方が 泊地棲鬼 を仕留めたのか…」



「素晴らしい体をしている…」



五月雨「…///」



五月雨「なんだか、提督が褒められてると、私まで照れちゃいます…」



大淀「そうね♪」



「あの紫の鎧に兜、あれが噂の………勇ましいお姿だ」



「まったくだ… 中佐殿 は自動車の運転までいい腕をしておられるようだな」



天龍「中佐?」




ガチャ……バタン!スタッ……



VAVA「…」



ガシュン…ガシュン…



天龍「知らなかったぜ。お前、中佐だったんだな」



こつん!



天龍「いてっ!なにすんだよ!?」



大淀「昇進したんです。自分の上官の階級くらい、常に把握しておきなさい。そんなことより、その言葉遣いを直しなさい」



VAVA「…」



天龍「なんでもいいじゃんかよー!なぁ?」ササ…



VAVA「俺に対する言葉など、なんだってかまわん」



天龍「そらみろ!」どや!



大淀「すぐ甘やかすんですから…もぅ…」



五月雨「提督」



VAVA「ん?」



五月雨「ちょっと、かがんで下さいませんか?」



VAVA「あぁ…なんだ?」スッ…



ちょこちょこ…クイ



五月雨「はい!これで大丈夫です!!帽子、ずれてましたよ」



VAVA「……そうか。ありがとな」なでなで



五月雨「えへへへ…///」



会場内



天龍「あくびがでるぜ。ねむてぇ話ばっか」



五月雨「難しい話ですね」



大淀「なるほど…今後の作戦は攻勢の傾向が強い…と」メモメモ





「…である。引き続き、陸軍としては、深海棲艦の上陸に備えた準備と、テロ対策を~…」





「え~…で、あるからして。今後も海軍は各国と協力して深海棲艦の撃滅~…」





VAVA『何が陸海合同会合だ。それぞれで勝手に進行させているじゃねぇか。とても合同とは言えんな』



大淀「提督」



VAVA「どうした?」



大淀「あと1時間ほどで帰れますから、辛抱してくださいね」



VAVA「わかった。……ワインが飲みたいんだが、取りに言っても問題は無いか?」



大淀「どうぞ、ここならいくら飲み食いしてもタダですから♪」



VAVA「……行って来る」




ガシュン…ガシュン…



VAVA『食い物も飲み物も、バイキング形式に似ているが…いちいち給仕が手渡ししているな』



あきつ丸「い、いらっしゃいませ…であります」



VAVA「ワインをくれ」



あきつ丸「わ…わいん でありますか…?少々お待ち頂きたいのであります」



VAVA「うむ」



あきつ丸「えっと……これは…違うであります…こっちも…ない。う~~ん…種類が多くて…」



VAVA『ぎこちない給仕だな』



あきつ丸「あ!これでありますか!!」



VAVA「それはブランデーだ」



あきつ丸「ぶらんでー?……と、とにかく、わいん ではないのでありますな…?」



VAVA「そういうことになる」



あきつ丸「あわわ…申し訳ないのであります。英語ばかりで……自分、英語は苦手でして…」





てくてく!!




まるゆ「あきつ丸さぁん!お酒とおつまみの追加、もってきましたぁ!」



あきつ丸「かたじけないであります!その中に わいん はあるか?」



まるゆ「はい!箱の下の方に……たぶんコレです!!コレが最後の在庫で…………ひゃあ!?」こてん!




ガシャアアアアン!




あきつ丸「まるゆ殿!?」



まるゆ「うあーーーん!痛いです!!」



あきつ丸「あぁ…最後の わいん がぁ…」



まるゆ「ごめんなさぁい!!何かが、脚にぶつかってきて…!!イタっ……」ズキィ…!



VAVA「…」



あきつ丸「申し訳ない!!御覧の通り、こちらの不手際で わいん は…」



VAVA「酒などいい。そっちの小さいやつの手当てをしてやれ」




あきつ丸「咎めないので……ありますか?」



VAVA「お前を咎めてワインが飲めるならそうする」



あきつ丸「……貴殿は、寛大でありますな…その厚意に今は甘えさせて頂きます」



まるゆ「すみませんでした…」



あきつ丸「まるゆ殿、今手当てするであります…しかし、出血しているとあっては包帯が…こうなったら、自分の服を…」



コツコツ…



VAVA「!?」



ファサァ…サラァ…



白髪の美女「瓶が割れる音がしたけれど……大丈夫?」





あきつ丸「ヘンダーソン嬢!いえ、問題ないであります!!」直立!陸軍式敬礼!






VAVA『表情…仕草…全てメッキだな』



VAVA『だが…この女のかもし出す雰囲気に…俺は懐かしさを感じている』



VAVA『真の鬼……あの至上の感覚を、この女も持っているのか…?』



VAVA『この世界で初めて出会った真の鬼……かつてシグマが説いた、自ら狂うことができる者…』




VAVA『イレギュラー』




白髪の美女「敬礼なんていいわ。まるゆちゃん、怪我をしているじゃない。このハンカチを包帯代わりにするといいわ」スッ…



まるゆ「そんな!?恐れ多いです!!」



白髪の美女「いいのよ。どうせ…消耗品だもの」



まるゆ「ヘンダーソン嬢ぅ」うるうる



あきつ丸「かたじけないであります…では、失礼して」




ゴソゴソ…




白髪の美女「……すみません。急に横から入ってしまって。ところで、先ほどはワインをご所望でしたよね」



VAVA「あぁ」



白髪の美女「白ワインでよければ、良いものがあるのですが、どうです?少し私とお話しませんか?」



VAVA「俺と…?」



白髪の美女「えぇ♪これは楽しいパーティですもの。楽しまなくちゃ!何か、おかしいですか?」



VAVA「いや、何もおかしくはない。良い白ワイン、いただこうじゃないか」



白髪の美女「まぁ…嬉しい。では、テラスに行きましょう。あそこは静かですから」




ガシュン…ガシュン…




あきつ丸「…ヘンダーソン嬢なんと徳のある女性でありましょう。見習いたいものであります」



まるゆ「でも、あの鎧兜の人も優しかったです…聞いていた海軍の人とは大違いです」



あきつ丸「そうでありますな…それにしても、男性嫌いと噂されているヘンダーソン嬢が…男性と並んで歩いているなんて…」



まるゆ「もしかしたら、鎧兜の人は声が低いだけで、女性かもしれませんね」



あきつ丸「なるほど、納得であります」


テラス



チン…♪



VAVA「乾杯」



白髪の美女「カンパイ♪」



VAVA「…… ヘンダーソン嬢 と、呼べばいいのか?」



白髪の美女「あら、いけない。申し遅れました。私、陸海両軍で特別顧問をしています。 リコリス・ヘンダーソン と申します」ペコリ…



VAVA「特別顧問…?」



リコリス「そうです。たとえば、海軍では深海棲艦の出現位置を予測したり…」



リコリス「陸軍では、防衛にはどんな兵器が向いているか助言したり…まぁ、簡単に言えば、軍事専門のアドバイザーです。軍人ではありません」



VAVA「だから、ヘンダーソン嬢 というわけか」



リコリス「皆さんがそう呼んで下さるだけですよ……リコリス……と呼んでください」



VAVA「スティングだ。スティング・カメリーオ」



リコリス「スティング…さん?」



VAVA「いい名だろう?」



リコリス「フフフフフフ……冗談が好きなんですね♪」



VAVA「ほう、冗談と?」



リコリス「私は、陸海両軍全ての人員の名前と所属を記憶しています。その中に、スティング・カメリーオ という名前はありませんよ。ウフフ…」





リコリス「軍服からチラリと見える紫の鎧、特徴的な兜。そして、中佐の階級証と、新しい勲章を持ち、なおかつ海軍の提督。そうなると、アナタは…」



VAVA「VAVAだ」



リコリス「フフフ…やっぱり冗談でしたか!もう、からかわないで下さい♪」



VAVA「悪いな、リコリスも冗談が好きだと思ったんでな。つい口をついてしまったんだ」



リコリス「…私も?」



VAVA「そうだろう?リコリス・ヘンダーソンだと?そんな人間、存在しない」



リコリス「なぜ、そウ…思ウンデス?」



VAVA「マヌケどもは騙せても、俺を騙すことはできん。お前は真の鬼だ。紛れもない…バケモノだ」



ガシッ!ググググ……!



VAVA「!?」



リコリス「フフフフフ……」ギラン…(赤眼)



VAVA『う…腕が…引き戻せん…!!』





スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ………………



VAVA「な…何だ……?」



リコリス「ハァァァ……♪私 ノ 目ニ、狂イ ハ 無カッタ……」ほおずり♥



リコリス「ソウ…リコリス・ヘンダーソン ナンテ 人間、コノ世 ニ イナイ」



リコリス「私 ノ 本当 ノ 名前 ハ …」






五月雨「提督ーーーー!!どこですかーーー!?大淀さんが探してますよーーー!」





VAVA「五月雨…!?」



VAVA『よせ……来るな五月雨!!』



リコリス「ウフフ…時間切レネ」フッ…(黒眼)



パッ……



VAVA「はっ…?」





リコリス「心配しないで。今は、アナタと敵対するつもりは無いから」



VAVA「目的はなんだ?」



リコリス「待って…お楽しみは最後までとっておかなくちゃ」



VAVA「…」



リコリス「そうそう、黙って話を聞いてくれる人って素敵よ♪…3ヵ月後、とある姫が南方海域から本土へ攻め込むわ」



VAVA「姫だと…?」






五月雨「てーーーーいーーとーーーくーーー!!」






グイ!ササ…




VAVA「うっ…!?」



リコリス「ごめんネ。あとちょっと、時間をちょうだい♪」






リコリス「彼女の名は 南方棲鬼 。泊地や装甲と同じだと思っていると、痛い目に合う。彼女の砲撃は本物よ」




リコリス「アナタだけでも勝てるかもしれないけど、絶対ではない。艦娘と協力したほうが得策よ」



リコリス「しかし、今のままでは駄目。戦艦と正規空母を揃えて、それぞれの錬度を高めること。各資材の備蓄や装備の充実も忘れないで」



VAVA「お前…」



リコリス「あと、雷巡でもいたらもっと楽かもね。潜水艦がいるなら、削りも期待できるわ」



VAVA「…」



リコリス「今言ったことでわからないことがあったら、参謀のメガネちゃんにでも聞けばわかるはずよ」



リコリス「はい、アドバイス終了。大丈夫、アナタなら勝てる。そう願ってるわ」ぽんぽん!



VAVA「何故、仲間を売るような真似をするんだ……向かってくるならば、俺は容赦なくそいつを潰すぞ?」



リコリス「答えてあげたいけど……ほら…お迎えよ。次に会うときを楽しみにしてるわ……じゃあね」






五月雨「あーーーーー!いたぁーーーーーーーー!提督♪」






五月雨「もぉー!探しましたよ!!提督!」



VAVA「すまん、酒を飲みすぎてしまってな。テラスで涼んでいたんだ」



五月雨「なんだ、そうだったんですか。飲みすぎには注意です!」



VAVA「そうだな」



五月雨「さ、行きましょう。大淀さんが呼んでますから」



VAVA『あいつの話を信じていいのだろうか…?リコリス…結局、名前を言わずに去りやがった』



大淀「すみません。呼び出した挙句、こんなお願いまで」



VAVA「ん……俺は黙っていればいいんだな?」



大淀「そうです。私が全て受け答えをしますから」



VAVA「わかった」





天龍「お?おい…お偉方がきたぜ」





五月雨「提督、がんばって下さい…!」

 

VAVA「頑張るも何も…な」



大淀「少将、ご機嫌麗しゅうございます」ペコ



少将「ほっほっほ!堅苦しい挨拶は結構。おお、君か!艦娘を用いず 泊地棲鬼 を倒したという新米は!話通りの鎧兜だ」



VAVA「…」



少将「ん…?どうしたのかね?」



大淀「ふむふむ…申し訳ございません少将。提督は極度な上がり性なもので……提督は、恐縮です。と申しております」



少将「そうか!初々しいのぉ!!まま、気楽にな」



VAVA「…」



大淀「提督は、今回の会合にお呼び頂いたご厚意に、深く感謝しています。と申しております」



少将「ううむ!礼儀正しいな。感心だ!日本男児たるもの強いだけでは駄目だからな」



大淀「提督は、仰るとおりです。と申しております」



VAVA『なんだこれは…』



数分後



VAVA「やっと終わったか」



大淀「お疲れ様です」



VAVA「俺は何もしてねぇぞ」



天龍「はははっ!つっ立ってただけだからな」



VAVA「くだらねぇ。帰るぞ。こんなところに長居は無用だ」



五月雨「了解!」



ガシュン…ガシュン…



バリーーーン!



五月雨「提督、なにか騒がしいですね」



VAVA「そうだな。あれは……さっきの給仕じゃないか」



大淀「珍しいですね。彼女達は、陸軍出身の子達なんですよ」



VAVA「陸軍出身?ということは、あの2人は艦娘ではないのか?」



大淀「うーん…定義の問題ですね。しかし、根本的には私達となんら変わりはありません」



天龍「にしても、2人とも弱そうだなー………なんだ?陸軍の奴が騒いでるけど、揉め事か?」



大淀「関わらないほうがいいわね。提督、帰りましょう」



VAVA「あぁ」



バチン!



天龍「…あーあ」



五月雨「あ!?提督!陸軍の人たち、いじめられてます!!」



VAVA「俺はあいつ等の提督じゃない。放っておくんだ。帰るぞ」



五月雨「しかし…!」



大淀「五月雨ちゃん。仕方ないのよ。気の毒だけど、私たちにはどうすることも出来ないわ」



五月雨「でも……やっぱり、見過ごせません!!」ダダダー!!



大淀「五月雨ちゃん!?」



天龍「馬鹿!戻って来い!!」



VAVA「世話が焼ける…」



あきつ丸「も、申し訳ないであります!」



まるゆ「ごめんなさぁい!」



「また貴様等か!!一体なんど無能を誇示すれば気が済むのだ!!まったく…陸軍出身だというのに…船だなどと」



あきつ丸「しかし…こんな悪環境でまともな給仕など……しかも、自分は揚陸艦で…」



「たわけ!通常任務でも無能の貴様等を、情けで会合の給仕係にしてやったことを忘れたか!!」



まるゆ「でも…まるゆは…」



「いいわけするな!今もお国のために頑張っている同志達に、悪いと思わんのか!」バシン!



あきつ丸「ぐっ…」



「どうだ、根性がついたか!」



あきつ丸「…」



まるゆ「あきつ丸さん!」



「なんだ!その眼は!反抗的な眼だな。その腐った根性を叩きなおしてやる!!」




五月雨「やめて!」




あきつ丸「!?」


まるゆ「!?」




「なにぃ…?何故子供がこんなところにいる?」



五月雨「子供じゃありません!海軍 横須賀 鎮守府 所属。駆逐艦、五月雨です!!」



「海軍…はん、艦娘というやつか?悪いが、これは我々陸軍の問題なのだ。邪魔をしないで頂きたい」



五月雨「止めます!何が問題ですか2人をいじめてるだけじゃないですか!!理不尽な暴力は軍紀を乱す蛮行です!」



「貴様ぁ…!子供だと思って優しく言っていれば、付け上がりおって!!もう海軍だろうが関係ない!貴様の根性も叩き直してやる!!」ゴォ!



五月雨「うぅっ!」




サッ!



VAVA「…」



「!?」



ゴンッ…!!



「ぎにゃあああああああああああああああ!?手がああ!」



五月雨「提督!」



VAVA「馬鹿、俺は放っておけと言ったはずだぞ」こつん!



五月雨「あうっ…ごめんなさい。でも……」



VAVA「だが、お前は間違っていない。ぐじぐじ悩んでいるよりは、行動したほうが遥かにいい」



五月雨「提督…///」



「おい!貴様!!」



VAVA「髪が乱れているじゃないか。綺麗な青髪が痛んだらどうする」サラリ…



五月雨「…えへへ♡ 」



「くぬ!!!聞こえんのか!?貴様に言ってるんだ!!この鎧兜め!!」ガシッ!



VAVA「俺に用があるのか?」



「大有りだ!」



VAVA「まぁ、許してやってくれ。お前も俺を殴って満足したろう」




「するわけないだろう!!」



ざわざわ…なんだなんだ……?ケンカか?



VAVA「欲張りなやつだ」



「今すぐに土下座して謝罪すれば見逃してやらんこともないぞ!」



VAVA「一応、レプリロイドは人間を攻撃できないようにできているんだがな……」



「何をブツブツ言ってる!」



VAVA「俺はできるんだよ…何故かなぁ…」



「謝れと言っているのが聞こえんのか!?礼儀をわきまえぬ海軍め!」チャキ!



VAVA「…そんなものを出して、どういうつもりだ?」



「貴様がいかんのだ。中佐の分際で、大佐の私に口ごたえしたからな!」



VAVA「大佐だったのか」



「ふざけるな!これは脅しではないぞ!!不敬には厳重な罰を…」





リコリス「そこまでです!」






VAVA「…リコリス」



五月雨「ヘンダーソン嬢!?すごーい!本物だぁ!!」



「はっ…!?ヘンダーソン嬢!ただ今、私にあらぬ因縁をつけてきた無礼者を…」



リコリス「嘘はいけません。私は一部始終を見ていました」



「い、いえ、ヘンダーソン嬢。元はといえば、失敗を重ねるこの二名が…」



あきつ丸「…」



まるゆ「…」



タッタッタ……



少将「ほぉ……はぁ…どう…したのかね?ヘンダーソン嬢。急に立って走り出して…あまり年寄りをいじめんでくれ」ゼェゼェ



リコリス「ごめんなさい、少将。少将には運動が足りないと思いまして」



少将「そうかね?言われてみると確かに…では、明日から散歩でもするかのぉ」



「か、海軍少将殿!?」



少将「ん?陸軍の……なんじゃ?何か、あったのかの?」



リコリス「いえ、少将。何もありませんよ。ただ、一度中佐にお会いしてみたくて」



VAVA「…」



少将「おぉ!彼か!!その気持ちはよくわかる!!ワシも頑張る若者は大好きでの」



リコリス「そうだわ!!……あ、失礼しました」



少将「なんじゃ?言うてみい」



リコリス「先ほど話していた、陸海における人事の最適化の件です」



少将「ふむ、それがどうかしたかの?」



リコリス「いかがでしょう。急成長を続ける中佐の艦隊に、陸軍の揚陸艦と潜水艦を転属させるというのは」



少将「何?……これまた酔狂な。だが、君が言うのなら間違いはあるまい。陸軍のワシの知り合いに頼んで…」



リコリス「その必要はありません。ねぇ?大佐」



「え…?」



リコリス「優秀な2人の部下ですが、ここは後輩のために一肌脱いで頂けませんか」



「わ、わかりました。手続きは私のほうで…」



リコリス「決まりですね。あきつ丸さん。まるゆさん。今からあなたの上官は中佐です。いきなりで申し訳ないですが、そういうことなので」



あきつ丸「ヘンダーソン嬢…これは…?」



まるゆ「え…?え?え?」



少将「ほっほっほっほ!やはり君はゴーインじゃのう!!」





「では……自分は手続きを急ぐので…これで!」



スタター!



天龍「なんだよあれ…あんな人事ありかよ」



大淀「リコリス・ヘンダーソン……彼女の影響力は絶大よ。でも、ここまでだなんて……少し危険じゃないかしら…」



天龍「たくっ…早く戻ってくりゃいいのに、何してんだよ」



なんだ…ケンカじゃないのか…不発かよ…つまんね………ゾロゾロ…



VAVA「五月雨、もういいだろう。その2人を連れて戻れ」



五月雨「はい!あの、提督は?」



VAVA「少将とヘンダーソン嬢に……挨拶をしなくてはならん。ほら、早く行け」



五月雨「わかりました。えっと…あきつ丸さんと、まるゆさん?」



あきつ丸「はい…いきなりのことで、頭がこんがらがっているであります…だが、命令は絶対であります」



まるゆ「五月雨さん。よろしくおねがいします」



五月雨「はい!行きましょう!!」



リコリス「フフ…」にっこり



リコリス「少将。先ほど、元帥がお話があると呼んでましたよ」



少将「な……なぬー!?どうしてそれを早く言わん!全く君は年寄りを振り回して…あぁ、君!今後とも頑張るんじゃぞ!!またいつかじゃ!」ダダダー!



VAVA「…」



リコリス「また2人きり」



VAVA「……次に会う時ってのは、まさかこれのことじゃないだろうな?」



リコリス「まさか、これは偶然。アナタって厄介ごとに巻き込まれるのが得意ね」



VAVA「得意じゃない」



リコリス「そう。でも、よかったじゃない。新しいタイプの部下ができて」



VAVA「結局、お前の思い通りに事が進んだわけか……気に食わん」



リコリス「そんな邪険にしないで。アナタ次第で、私は敵にも味方にもなるんだから」



VAVA「その上から物を言う態度が気にいらねぇんだよ。顎を上げて話すな」



リコリス「ごめんなさい。コレは単なる癖よ。気にしないで」コク…



VAVA「フン…新しい艦娘や助言に関しては感謝している。だが、俺はお前の言いなりにはならん。それを忘れるな」



リコリス「わかったわ……じゃ、また会いましょう。VAVA」



VAVA「…」



VAVA「待て」



リコリス「?」



VAVA「お前の本当の名前を教えろ」



リコリス「聞いてくれないと……思ッテタ」



VAVA「早く言え。部下を待たせてる」



リコリス「 飛行場姫 …コレ ガ 私 ノ 本当 ノ 名前」



VAVA「覚えておいてやる」



リコリス「……私の名前を聞いた者は、皆口を合わせてこう言う。二度と会いたくない。と、アナタはどうかしらね…」



VAVA「どうもしねぇよ。またな」



ガシュン…ガシュン…



リコリス「…」



大淀「お疲れ様です」



VAVA「あぁ、全員いるな?帰るぞ」



了解!



あきつ丸「提督殿。自分、あきつ丸であります。艦隊にお世話になります」ペコ



まるゆ「まるゆも、よろしくお願いします」



VAVA「あぁ………不味いな」



あきつ丸「!?」



まるゆ「!?」



五月雨「え…?何がですか?」



大淀「あ!?車が……」



天龍「そういやぁ…」



VAVA「乗ってきた自動車は4人乗りだ…」


ガシュン…ガシュン…テクテク…



VAVA「どうするか…」



天龍「って、そうだお前!これどーすんだよ」



あきつ丸「車間距離が……す、すごい駐車であります」



大淀「これくらいなら大丈夫よ。提督、お願いします」



VAVA「離れてろ」



五月雨「はい!」



VAVA「おらよ…!」グイ!



ズ…ズズズズズ……!!



まるゆ「すごぉい…車が真横に動いちゃいましたぁ…」



VAVA「これで車は大丈夫だな。あとは人数だが…」



五月雨「はい!!提督、私に良い考えがあります♪」



VAVA「なんだ?言ってみろ」



ブロロロロロ…



五月雨「こ、こんなはずじゃなかったのにぃ……」グスン…



天龍「ん、何か言ったか?」



五月雨「なんでもないです…うぅ……あ、天龍さん柔らかい…」パフ…



天龍「そうか?ま、俺は座り心地さえ、世界水準かるーく超えてるからな♪」



まるゆ「あの…まるゆ、重くないですか?」



VAVA「軽過ぎる」



まるゆ「あぅぅ……ごめんさぁい…」



VAVA「とにかく、よく食べ、よく寝て、よく動く。これが大切らしい。なぁ、大淀?」



大淀「そうですよ~」



まるゆ「わかりました!まるゆ、いつか大きくなって戦艦になります!」



VAVA「あぁ、頑張れよ」



VAVA『それは無理だろう』


天龍『無理だろうなぁ』


大淀『絶対無理ね』


五月雨『戦艦かぁ…』



あきつ丸「それにしても、2人の膝の上にまるゆ殿と五月雨殿が座るとは、体の小ささを生かしたのでありますな。良い作戦であります」



五月雨「あ、どうも…あははは…」ショボン



ブロロロロ…




大淀「あと少しで鎮守府ですね」



VAVA「あぁ」



大淀「色々ありましたけど、無事に済んでよかったですね」



VAVA「あぁ」



VAVA「…!」



VAVA『この音…近いな』



まるゆ「わぁぁ…海と夕日が綺麗ですー」



五月雨「…そうですね」ぷい!



まるゆ「五月雨さん?あの…どうして怒ってるんですか?」



五月雨「怒ってません。私、怒ってなんかいませんもん」ぷくー!



天龍「ははは!風船みたいだな!!」



VAVA「お前ら、何かしらに掴まってろ。とばすぞ」




ギューーーーーーウウン!!





あきつ丸「おぉ!?どうしてでありますか!?」



大淀「提督、もう近いんですから急ぐことは…!」




ヒューーーー………




天龍「はっ!?……風切り音だ!!近いぞ、全員衝撃に備えろ!!」




チュドーーーーン!!チュドドドドドドドーーーーーン!!!




VAVA「よっと」クルクル…ガチャッガチャッ!シュッ!




ブロロロロロローーーー!!




大淀「爆発!?………敵襲だわ!!」



五月雨「道路が……あ、あと少し後ろを走っていたら…!」ゾゾー…



天龍「こいつぁ…戦艦クラスの遠距離砲撃だ…!」



まるゆ「きゃあああー!こわいぃ!!」わたわた!?



VAVA「砲撃ぐらいでビビるな。大人しくしてろ。前が見えねぇだろうが」ギュ!



まるゆ「むぎゅ…ふぁい」



あきつ丸『こ、この非常事態に…まるゆ殿を制し、平然と片手で運転している…!やはり提督殿は只者ではない!』




VAVA「よし、一旦砲撃が止んだな。止めるぞ」



キキィィィィィ…!



VAVA「まるゆ。今度は大淀の膝の上に座れ」ヒョイ



まるゆ「え?…あぅ!」ぽす!



VAVA「どれ…」グィ…ピリ…ビリリ…



VAVA「…」



VAVA「仕方ねぇ…」ぬぎぬぎ…



大淀「提督!肩の主砲も無しに、どこへ行くんです!?」



VAVA「なに、せっかく挨拶してくれたんだ。お返しをしなきゃ、失礼だろう?おら、コレを預かってろ」ガチャン!ス…



大淀「軍帽と軍服…」



VAVA「…お前たちの…力作だからな。焦がすわけにはいかん」



大淀「提督…///」



五月雨「提督、私も行きます!」



VAVA「来るな、足手まといだ。そんな格好で何ができる」



五月雨「…はい」



天龍「じゃ、俺はいいわけだな?へへ…待ちわびたぜ。こんな時をさ」刀ぺろーり



VAVA「ククク…遅れるなよ?」



天龍「おうよ!」



あきつ丸「提督殿、では運転は自分が交代するであります!全員で無事に鎮守府まで辿り着くであります!!」



VAVA「そうしてくれ。大淀、鎮守府に着いたら、全員に完全武装での警戒態勢を命じろ。ただし、出撃はさせるな。援護もいらん」



大淀「お返しって…はぁ…どうせ止めても無駄なんですよね……わかりました。2人とも御気をつけて」



VAVA「よし、行くぞ天龍」



天龍「うっしゃあ!!天龍様の手並み、見せてやるぜ!!」



ガシュ!ガシュ!タッタッタ!!




VAVA「海面での戦闘は久しぶりだ!!」バルルルルッ!!



天龍「いつも演習でやってんじゃねぇか!!」ドンドン!!



VAVA「そうだったな!」バルルルルルッ!!



「ギャアアアア…!!」



ワラワラ……!



天龍「どっから湧いてくんだよ!雑魚どもが!!」スパァン!ザシュ!!



VAVA「天龍、俺の後ろに隠れろ!まとめてやる!!」バシュッ…!



天龍「あいよっ!」ササ…



カコン…コロン…ボォオオン!!



天龍「よっし、いっちょあがり!」



VAVA「このまま鎮守府正面海域の敵を一掃するぞ」



天龍「了解!」





ギャアアアアアア!!!!ドカーーン!!!!!



天龍「へ…へへ……初めての実戦でこんなに稼いじゃ、次に撃沈スコアを更新するのはいつになるかな!」ゼェゼェ…



VAVA「天龍?体力が持たないようなら、もういい。下がれ」



天龍「冗談だろ!まだまだ……これからだろ。にしても、鎮守府正面海域にここまでの深海棲艦が現れるのは異常だぜ」



VAVA「あぁ、恐らく後ろで手綱を握っている奴が居るはずだ。そいつを始末する」



天龍「まかせろ!俺たちの恐ろしさを教えてやるぜ!」




数分後



「…」



ドドドドドドン!バシュゥー!!



VAVA「戦艦タイプ…あいつだな、俺たちを狙い撃ったのは。そして、雑魚どもに指示を送る司令塔でもある訳だ」



天龍「ハァ…ハァ…」



VAVA「俺が正面から仕掛ける。天龍は後ろに回り込んでヤツを斬れ。これで終いだ」



天龍「あ…あぁ!了解だ!!」ジャキン!



VAVA「いくぜ!」バルルルルルッ!!



「!?」



VAVA「うろたえてやがる。今だ、天龍!」



天龍「おう!………ぁ…」ヨロ…



VAVA「天龍!?」



「…!」ニヤリ



ドン!



天龍「ぐぶわぁっ……!!」大破




VAVA「しっかりしろ天龍!!………貴様ぁ、図に乗るな!!」バルルルルッ!!



「…イテ…イテテテ…!テ、撤退!!」チュチュチュチュチュンッ!!



スィー!



VAVA「逃がさんぞ!」



天龍「ぅ…うぅ…」



VAVA「天龍……チッ…見逃してやるぜ」



天龍「すまねぇ…俺がヘマしたせいで…」



VAVA「いい、喋るな。帰還するぞ。歩けるか?」



天龍「あたぼーよ………わっ…」ガク…



VAVA「…」ガシッ…



天龍「わ、わりぃ……へへ、膝がイカれちまったみてぇだ」



VAVA「すまなかった…」グイ!クルリ!



天龍「おいおい…俺、ガキじゃねえって…おろせよ」



VAVA「…」



天龍「おろせってば…ははは、お前ってめんどくせぇなぁ」



ガシュン…ガシュン…



横須賀鎮守府



入居ドック



明石「大丈夫?まだ、どこか痛い所はある?」



天龍「だいじょぶだよ。もう少し寝りゃあ、こんな傷治っちまうって」



明石「そう…あんまり無茶をしちゃ駄目よ」



天龍「ちぇ…」



明石「私たち艦娘には、連続で何度も戦えるほどの持久力はないわ。こまめな補給が必要不可欠なのよ」



天龍「…」



明石「提督は特別。激しく動いても燃料は消費しないし、弾薬も凄い速さで自然回復していく…本当に凄い身体よね」



天龍「あいつがすげーってことは、俺だってとっくに知ってるんだよ!!」



明石「!?」



天龍「けど………約束したんだ。最後まで面倒見るって。だから、あいつの背中くらい俺が守ってやんなきゃいけないんだ…」



明石「天龍ちゃん…」



天龍「情けねぇ…あいつはピンピンしてんのに、俺だけ息があがっちまって…着いていけないなんてよ…主砲の代わりにもなりゃしねぇ…うぅっ…情けねぇよ…」グスン…




独房



VAVA「…」



ガンガンガン!!



大淀「てーいーーとーーーく!!出て来て下さい!!天龍ちゃん、気にしてないって言ってましたから!」



大淀「新しく入った子達の面倒も見ないでどうするんです!?」ドンドン!



五月雨「提督、みんな心配してますよ!」



満潮「なんで閉じ込めるはずの独房に引きこもれるのよ。鍵で開ければいいじゃない」



夕張「それが…提督が中からドアを捻じ曲げちゃったみたいで、鍵じゃ開かないの…」



満潮「はぁ!?まったく、バカなんだから…」



黒潮「そんなぁ!?司令はーん!後生やから出てきてー!」



青葉「提督、自主禁固刑…と」メモメモ



漣「空気嫁!」バシン!



青葉「ふぎゃ!?」



扶桑「みんな、落ち着いて!!」



シーーーン…



扶桑「今は、そっとしておいてあげましょう…」




しばらくして



VAVA「…」



トントン…



VAVA「…?」



ゴーヤ「提督…提督が居ないと、ゴーヤ寂しいでち」



イムヤ「そうそう。提督が居てくれないと、みんな締まらないのよね」



ハチ「待っていますね…」



イク「はいこれ。みんなで作ったビスケットなのね。よかったら食べてなのね♪」



ゴーヤ「…じゃあ、また来るでち」



ぺたぺた…




VAVA「…」ぽりぽり…



コンコン…



翔鶴「提督、お疲れ様です」



翔鶴「…」



VAVA「…」



翔鶴「んー…なんだか、昔を思い出します」



翔鶴「私に、 瑞鶴 という妹がいる事は知っていますよね?」



翔鶴「小さい頃から負けん気が強くて、いじっぱりで…それでも、優しいところがあったり、寂しがり屋だったり…」



翔鶴「瑞鶴って、何か嫌なことがあると、物置や押入れの中にこもって出てこないんです。何故だと思いますか?」



VAVA「…」



翔鶴「……瑞鶴は言っていました。これは、過去の自分と決別するための特別な儀式なんだって」



VAVA「フッ…」



翔鶴「ほら、思わず笑ってしまうでしょう?私もそうでした」にこ…♪



VAVA「!」



翔鶴「提督が何の為にそこにいらっしゃるのか、私にはわかりません。気が向いたら、教えてくださいね」



VAVA「…」



翔鶴「提督…待っていますよ」



コツコツ…




ズンズン…



カンカン…



北上「ねぇ~いるの~?」



VAVA「…」



北上「なんだ、いるじゃん」



ガギギギギ…バカン!



北上「お邪魔♪」



VAVA「北上…」



北上「や、話に来たよ。別にいいでしょ?開けるな。ってどこにも書いてなかったし」



VAVA「あぁ…」



北上「ちょっと詰めて。ベッドに座りたいから。ほらほら~」ぐいぐい!




数十分後




VAVA「……そして、ペンギン野朗を焼き鳥にしてやったんだ」



北上「ははははは!!おもしろ~♪ねぇ、クワァ!って言ってた?」



VAVA「何度も言っていた」



北上「本当!?あっははははは!!いやぁ、いい話が聞けたよ。また、提督の武勇伝聞かせてよね」



VAVA「いいぜ。聞きに来い」



北上「んふふ…その時は、提督の部屋でね。次もこんな場所じゃ、いやだかんね?」



VAVA「わかった…礼をいうぜ。北上」



北上「なんの、これくらい。礼には及ばないって。じゃぁね~」ノシ



ギギギギギギギギ…ガゴン!!ピタァ…!



VAVA「…」



スッ…



VAVA「きちんと閉めて行きやがって…」ガシ…



バガァアン!!



VAVA「開けるのが面倒じゃねぇか」



ガシュン…ガシュン…



VAVA「俺としたことが、まったくの不覚だ。早く大淀に会わなければ…!」



チョロ…じぃー…



川内『やられた…やっぱあの子只者じゃないなぁ。私の出番を……ま、立ち直れたみたいだし、いっか』ヒュン…


執務室



ガチャ…



VAVA「大淀、いるか……ん?」



くー…すー…



VAVA「そうか。もう夜だ…」



ぐー…



VAVA「この狭い部屋へ…………よくもこんなに入ったもんだ………これは…」



VAVA「ホットケーキか…何かチョコレートで書いて……」クルリ…



VAVA「ていとくげんきだして……」



VAVA「…」



VAVA「…」ムシャムシャ…



VAVA「美味い…が、感想を言うのは明日にするか…」



カチャ…




VAVA「だが、夜は暇だ……そうだ川内のところに行ってみるか」



川内の部屋



トントン…



VAVA「川内、俺だ」



VAVA「…」



VAVA「なんだ、寝てるのか」



VAVA「仕方ないな…また見回りでもするか」



ガシュン…ガシュン



川内「…」フッ…



川内『部屋に戻るタイミングを完全に見失ってた…こんなことなら、もっと早く部屋に戻るべきだった…!アーッ!私の出番が…』わしゃわしゃ!!



廊下



VAVA「異常は何も無し。夜更かしするやつもいない……疲れて当然か。引きこもりの馬鹿がいたからな…」



VAVA「ん…?何か音がする。何の音だ…?」ス…



ポロロン~♪



VAVA「ピアノだ。これはピアノの音だ。音楽室に誰かいるのか?」



ポロロン…ゴッ…ポロロ…ジャ…



VAVA「あまり…上手くはないようだが」



ガチャ…



VAVA「誰だ?ピアノを弾いてるのは」



装甲「ア……」ビク!?



装甲「コンバンワ」ペコ…



VAVA「装甲…お前、ピアノを弾いていたのか?」



装甲「オ恥ズカシイ……///アノ時、 聴イタ メロディ ガ 忘レラレ ナクテ…」ペコ…



VAVA「あの即興のか」



装甲「ハイ…私デモ デキルンジャ ナイカト 思ッテ…練習シテイタンデス」



VAVA「ほう」



装甲「ピアノ ッテ、 トテモ 難シクテ 奥 ガ 深イ 楽器デスヨネ。初メテ 知リマシタ」



VAVA「良い心掛けじゃないか」



装甲「アリガトウゴザイマス」ペコペコ…



VAVA「…」



VAVA「何かと頭を下げるんだな」



装甲「イエ!ソノ……ゴメンナサイ」ペコ…




VAVA「まぁ、お前の好きにしろ」



装甲「ハイ」ペコリ



VAVA「練習はもういいのか?」



装甲「今日 ハ モウ コレデ オシマイ デス。続キハ マタ明日 ヤロウト思ッテ…」



VAVA「ここで寝るわけか?」



装甲「エェ、ココガ 気ニ入ッタンデス。防音 デ 静カ デスカラ」



VAVA「なるほど。ここは誰も使っていないようだしな」



装甲「アレ?デモ、防音ナノニ VAVAサン ニハ ピアノ ノ 音ガ 聴コエテ……アレレ?」



VAVA「それは気にするな。俺の耳は特別だ。ここで何をしようが、外には何も聴こえんだろうよ」



装甲「ソウデスカ。ナラ、ヨカッタ」



VAVA「うむ。ところで、お前に頼みがある」



装甲「私ニ?ナンデスカ?」



VAVA「南方棲鬼のことを知っているか?」



装甲「ナンポー……アァ、南方デスカ。知ッテイマスヨ」



装甲「姫 ノ 中 デモ カナリ ノ 実力者デス。アイツ ノ 火力 ハ、並ノ 戦艦トハ 桁違イデ アラユル モノ ヲ 粉砕 スルト 言ワレテイマス」



VAVA「真っ向からの殴り合いになるな…」



装甲「モシヤ、南方 ガ 攻メテクルノデスカ!?」



VAVA「あぁ、三ヵ月後にな。知らなかったのか?」



装甲「ハイ…実ハ、深海棲艦 ハ 、トテモ 同族間 ノ 仲間意識 ガ 強イ 種 ナノデス。シカシ、姫 ハ ソウトハ 限ラナイ」



VAVA「お前もか?」



装甲「勿論デス!ナンセ 私 ハ 鉄壁 ノ 装甲 ト、 戦艦並ノ 火力 ヲ 併セ持ツ。装甲空母姫デスカラ!!」えっへん!



VAVA「そういうことを聞いてるんじゃない」



装甲「ア…ゴメンナサイ。エット…マァ、要スルニ、姫 同士 ノ 仲 ハ 険悪 ナ コトガ多イノデス」




VAVA『ぺンギーゴとナウマンダーのようなものか?』



装甲「ダカラ、滅多 ニ 話シ合ウコトモ無イ。一部、穏健ナ姫 モ イマスガ 殆ドハ…アハハ…」



VAVA「お前の様に力づくで好き勝手ってか?」



装甲「ハイ…反省シテマス…」ペコォ~!



VAVA「いや、礼を言おう。これだけでも結構な情報だからな」



装甲「イエイエ、今 ノ 私 ノ BOSS ハ VAVAサン デスカラ。ソレニ、他 ノ 姫 ガ ドーナロート、コレト言ッテ 私ニハ 関係アリマセン」



VAVA「そうか…にしてもBOSSか。いいのか?お前は巨大な城の女王だったんだぞ?こんな地位でいいのか?」



装甲「イインデス。私 ハ 海 ニ イナガラ、井 ノ 中 ノ 蛙 デシタ。VAVAサン…モットモット私 ニ 色ンナ コトヲ 教エテクダサイ」ペコリ…



VAVA「装甲…」



装甲「VAVAサン…」



VAVA「は…………ッ!…もう、用は済んだ。邪魔したな」ササー!




ガチャ!バタン!!




装甲「ア……VAVAサン…」



装甲「ナンダロウ?エンジン ガ 温カイ…私、故障シタノカシラ。コンナコト…生マレテ初メテダワ…」ドキドキ///



VAVA「…」



VAVA「まだ、かなり時間があるな」



VAVA「…外出でもするか」



VAVA「約束があったしな」



ガシュン…ガシュン…




海辺




ザプン!……ゴボ……ゴポン……



VAVA『いつ見ても、代わり映えしねぇな。海の中ってのは』



VAVA『鉄の魚を狩れないのが、こっちの海の寂しいところだな』



深海ハウス




VAVA「…」ポチ




ハーイ、新聞 ナラ 間 ニ 合ッテマスケドー?




VAVA「よう」




ヴァ…!?ドンガラガッシャーーーン!!



ドドドドドド!!…ガー!



ヲ級「VAVAァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」ピョーン!!



ダキッ!シュルルルルルル…ピタ…



VAVA「元気そうだな」




ヲ級「元気ジャナカッタヨ……ズウット…待ッテタンダカラ///」のの字クルクル



VAVA「そうか」



ヲ級「ウン!デモ、モウ 元気 ニ ナッタ!!ホラ、入ッテ入ッテ!」



VAVA『求められるのも…悪くない』



時を同じくして




南方要塞




コツコツ…



泊地「…」



「泊地様…ワザワザ オ越シ 頂キ、アリガトウゴザイマス」



泊地「早ク 南方 ノ 所ヘ 案内シロ。事 ハ 急 ヲ 要スルノダ」



「デハ、コチラヘ」



コツコツコツコツ……





泊地『イツ来テモ、慣レナイ 場所ダ……コンナ 物 ヲ 廊下 ニ 並べテル ナンテ…』



泊地「オイ、コレ ハ 何ダ」



「ソチラ ハ、 カツテ 南方様 ト 死闘 ヲ 演ジタ 大和型 ノ 艤装 デ ゴザイマス」



泊地「アイツ ノ 新シイ コレクション ト 言ウ 訳カ。昔 ト マルデ 変ワッテ イナイナ」



「泊地様 ト 南方様…ドレホド ノ 時 ヲ 隔テ テノ 再会 ナノデスカ?」



泊地「細カイ コト ハ 忘レタ。少ナクトモ オマエガ 生マレル マエカラ ダ」



「左様デ…」





コツコツ…



「到着致シマシタ。我ガ主、南方様 ノ 御部屋デゴザイマス」



泊地「自分 ダケ 贅沢 ヲ セズ、部下 ノ 部屋 ト 同ジ 間取リ ノ 部屋 ヲ 使ウ……ヤハリ 変ワッテイナイナ」



「南方様、泊地様 ガ 御見エ ニ…」



泊地「入ルゾ…」



「ア!?泊地様!」



泊地「急イデルト言ッタロウガ!!」




ガチャ!




泊地「…」



南方「…………髪型、変エタ?」



泊地「オマエ ハ……何処 モ 変ワッテナイナ。南方」



南方「ソレホドデモ……久シブリネ……泊地」





南方「ニシテモ、酷イジャナイ。人ノコト、変ワッテナイ。変ワッテナイ。ッテ」



泊地「ドウセ 聞イテルト 思ッタ カラダ」



南方「ソコハ、アナタ ラシイ」



泊地「南方。私 ハ オマエ ト 世間話 ヲ スルタメニ ココ ニ 来タノデハナイ」



南方「ソウデショウネ」



泊地「私 ノ 申シ入レ。シカト 受ケ入レテ欲シイノダ」



南方「マァ、珍シイ。ドウゾ」



泊地「地上ヘ ノ 攻撃作戦 ヲ 中止シテクレ。頼ム」ペコ…



南方「断ル」





泊地「コレホド 頼ンデモカ?」



南方「アナタ ホドノ 姫 ガ 頭ヲ 下ゲテマデ 頼ム ト 言ウコトハ、余程 深イ 事情 ガ アルト見エル」



泊地「ソコマデ 察シテ イルノナラ、何故断ル」



南方「私 ノ 決意 ハ 変ワラナイワ。何故ナラ、ソレガ 私 ノ 使命 ダカラ」



泊地「オマエ マダ ソンナコト ヲ……」



南方「良イ戦イ ヲ シタイ トカ、闘争 ヲ 遊ビニ シテイル アナタ ニ、 ソンナコト ダナンテ 言ワレル筋合イ ハ 無イ」



泊地「グ…」



南方「アナタ ニ ドンナ 心変ワリ ガ アッタノカ 知ラナイケド、私 ニハ 無関係。ソレ 以外 ノ 頼ミ ナラ、聞イテ アゲタカモネ」



泊地「使命、使命 ト…頑固者メ。神 ヲ 気取ッテ 何 ニ ナルノダ」



南方「イイエ、神 ハ 残酷ヨ?ソノ点 私 ハ 優シイノ」



泊地「言ウニ事欠イテ!」



南方「誤解シナイデ。私 ハ コノ 世界 ノ 均衡 ヲ 保ツ 為 ニ、 間引キ ヲ シテイルダケ。コレハ 仕方無イ事ナノヨ」



南方「ダッテ ソウデショ?人間 ヤ 艦娘 デ 言ウトコロノ 試験 ト 同ジ」



南方「駄 ヲ 捨テ 良 ヲ 残ス。ソレノ 何ガ イケナイノ?」



泊地「ソレハ…極論過ギル」



南方「極論デモ 何デモ 無イ。慈悲ヨ。簡単 ナ 事デショ?私 ガ 攻メ込ム」



南方「退ケタラ 生キ残リ」



南方「ソレ以外ハ 滅ビル」



南方「ネ?簡単!」



泊地「フザケルナ!何ガ、ネ?ダ!!」



南方「…フゥン。ナァンダ、アナタ モ 変ワラナイジャナイ」



泊地「ソノヨウダ。ヤハリ、オマエ達 ノ 事 ハ 昔カラ イケ好カヌ!!!」



南方「ナラバ、姫 ノ 掟ニ 従ウノミ」



泊地「望ムトコロダ。今一度、オマエ ニ 両膝 ヲ ツカセテヤル」



南方「私 ヲ 昔 ノ ママダト 思ッテイルト、大破スルワヨ」



泊地「面白イ。表ヘデロ」



南方「承知」



バババーーーーーーーーッ!!




数十分後







「コレガ、姫 同士 ノ 対決 カ…コノ 眼 ニ 焼キ 付ケテ オコウ」



「2人トモ 恐ロシク 強イガ…素晴ラシイホドニ 美シイ…」



「シカシ、我等ガ 南方様 ガ 押サレテイルゾ!?」



「安心シロ、勝負 ハ 見エテエイル。南方様 ニ 負ケハ ナイノダ!!」




南方「ナント速イ………ヤッパリ強イワネ、泊地」




泊地「サァ、負ケ ヲ 認メロ。姫 ノ 掟 ハ 絶対 ダ」



南方「掟…ネェ?フハハハハ…ソノ 言葉 ガ 聞キタカッタ。カツテ 私 ニ 屈辱 ヲ 与エタ、ソノ 言葉 ヲ!!」



泊地「屈辱…?」



南方「ソウダ!例エ オマエ ガ 忘レテモ、私 ハ 忘レハシナイ!アノ時 ノ 屈辱、今コソ 拭イ去ル!!」


南方「オマエ ハ 私 ニ 変ワッテイナイ ト 言ッタナ。ダガ、ソレハ 大キナ 間違イダ!!!」クワッ!!



泊地「コノ気迫…!」ゾワ~…





南方「見セテ アゲル。偉大 ナ 艦娘トノ 死闘 ノ 末ニ 手 二 入レタ、 本物 ノ 戦艦 ノ チカラ ヲ!!」




ピカァーーッ!!シュゥゥゥゥゥ…




泊地「コ…コレハ…ソンナ…」



南方「コノ姿 ニ 名 ヲ 冠スルナラバ…… 南方棲戦姫 」ギラギラ…!!



泊地「馬鹿ナ…!!互イニ 変身 シテ 戦ッテイタハズダ!!」



南方「ソノ通リ。ツマリ 私 ハ 深海 ノ 姫トシテ、 第二 ノ 進化 ヲ 遂ゲタノダ!!」



泊地「二段変身 トデモ 言ウノカ!?」



南方「ソウヨ…正直、私自身 驚イタモノダ。ソシテ深ク 感謝 シテイル。私 ノ 眠レル チカラ ヲ 目覚メサセテクレタ、偉大 ナ 艦娘ニネ」



泊地「偉大 ナ 艦娘……………ナントイウコトダ。コンナ奴ガ、二段変身ダナンテ…」



南方「紛レモナイ事実ヨ!!サァ、本物 ノ 砲撃 ヲ……ソノ身 ニ 刻メ、泊地棲姫!!!」ドォン!!




ドカーーーーン!




泊地「ウワァアアアアアアアアア゛ーーーーーーーーーーーーVAVAーーーー!!!…………」大破





深海ハウス




VAVA「!」ガタ!



ヲ級「ドウシタノ?イキナリ 立チ上ガッテ」



VAVA「誰かが俺を呼んだ…」



リ級「VAVAー!」



VAVA「リ級」



VAVA『気のせいか…』



リ級「ヨク来タネ。サ、ヲーチャン。モウ 思ウ存分 抱キツイタ デショ?VAVA ハ 私 ト 約束 ガ アルノ」



ヲ級「ア…アト、5分!!」



リ級「ダーメ」



ヲ級「モゥ…VAVA、スグ 戻ッテキテネ」



VAVA「リ級次第だな」



リ級「早ク 早ク!!私 ノ ラボ マデ ゴーゴー!」




深海アイテム屋さん



チ級「ア!VAVAサン!!オ疲レ様デス」



VAVA「家事の次は店の手伝いか?」



チ級「色ンナ 物 ガ アッテ、案外 楽シイッスヨ」



リ級「VAVA、コッチコッチ!!」



VAVA「あぁ」



ガチャ…



リ級「サァ、コノ ベッド ニ 横ニ ナッテ」



VAVA「わかった……!?ん………おい!!アレはなんだ!?」



リ級「ア……シマッタ。シマイ忘レテタ…モー!イツカ 驚カソウト 思ッタノニ。 リリ!!」



VAVA「お前が造ったのか!?」



リ級「モウ、隠シテモ ショウガナイワネ。チーチャン、持ッテキテ」



チ級「ハイ!」グイグイ!




深海アイテム屋さん



チ級「ア!VAVAサン!!オ疲レ様デス」



VAVA「家事の次は店の手伝いか?」



チ級「色ンナ 物 ガ アッテ、案外 楽シイッスヨ」



リ級「VAVA、コッチコッチ!!」



VAVA「あぁ」



ガチャ…



リ級「サァ、コノ ベッド ニ 横ニ ナッテ」



VAVA「わかった……!?ん………おい!!アレはなんだ!?」



リ級「ア……シマッタ。シマイ忘レテタ…モー!イツカ 驚カソウト 思ッタノニ。 リリ!!」



VAVA「お前が造ったのか!?」



リ級「モウ、隠シテモ ショウガナイワネ。チーチャン、持ッテキテ」



チ級「ハイ!」グイグイ!




ピカピカ…




リ級「ドウ?カッコイイ デショ!!完成シタラ、VAVA ニ 使ッテモラオウ ト 思ッテ!」



VAVA「俺のボディ……か……なかなか機能的で良いデザインをしている…」ペタペタ…



チ級「紫モ 良イケド、緑 モ カッコイイッス!!」




十数分後



VAVA「ふむ……フィンガーバルカンは無しか…」ペタペタ…ポキ…



VAVA「あ…」



リ級「気ニ入ッタ?」



サッ…!



VAVA「あぁ、なんだ……これは…いいんじゃないか?完成が楽しみだ」



リ級「ソウ 言ッテ 貰エテ 嬉シイワ。完成サセル 為ニモ VAVA ノ 体ヲ 調ベナクチャ イケナイノ」



VAVA「そうだったのか」



ガチャ!



ヲ級「VAVAー♪暇ダカラ アンコウ鍋 作ッチャッタ~!戻ッテ 一緒 ニ 食ベヨ!!」スキップ♪



ヲ級「アー!リッチャン。VAVA ノ 新シイ 鎧、結構 進ンダネ。キャー♪カッコイーーー♡♡」ギュ♡



リ級「待ッテ!!実 ハ ソレ………!!」



ポキ…バラバラバラバラ……!!ドシャ…



ヲ級「ヘ…?」



チ級「ア…アァ……アアアア!!!ダンナ ノ 鎧ガ!?」



ヲ級「ゴッ…ゴゴ…!!ゴメンナサァアアイ!!!悪気 ハ ナカッタノ!!タダ、チョット抱キツイタダケデ ポキ ッテ……リッチャン!ゴメン!!」



VAVA「リ級。ヲ級は悪くない。俺が先に壊しちまったんだ」



ヲ級「VAVA…///嘘マデ ツイテ 私ヲ 庇ッテ…」ポッ…♡



VAVA「いや、違う。これは事実で…」



チ級「ヲ級サン ノ 為ニ…VAVA ノ ダンナ……サスガダァ…///」ポッ…♡



VAVA「違うと言ってるだろうが!!」



リ級「リリリリリリリリッ!!アー…可笑シイ♪気ニシナイデ。ソノ鎧、実ハ 外見 ダケノ 模型ダカラ」




南方要塞







南方「イイザマダ。胸 ノ 奥 ガ スカッッッッッッット、シタワ♪」



泊地「バカ ナ ヤツメ…」



南方「?」



泊地「知ル コト ニ ナルゾ。モウ 我々 ガ 海 ノ 覇者 デハ ナイ ト 言ウコト ヲ…」



南方「ハッ…敗北シテ 何 ヲ 言ウカト 思エバ、戯言ダワ」



泊地「イイヤ…コレ ハ 警告ダ… 艦娘 達ハ、トテツモナイ 怪物 ヲ 味方 ニ ツケタ ノダ…ダカラ、止メニ 来テ ヤッタノニ…」



南方「警告ダト…?」



南方「棲戦姫 ト ナリ、攻守 トモ ニ 完璧 ナ チカラ ヲ 持ツ 私ガ 敗レルト?」



南方「………間引ク 対象 デアル 地上 ノ ゴミクズ 共 ニ ……マ・ケ・ル・ダ・トォ!!!!」



泊地「…」



南方「腑抜ケ タワネ!!泊地ィーーーーッ!!!」




ガシィッ!!



「南方様!オ止メ下サイ!勝負 ハ 既二 ツイテ イマス!!姫 ノ 掟 ヲ 破ッテハ ナリマセン!」



「コレ 以上 攻撃 ヲ 続ケテハ、泊地様 ノ 生命 二 関ワリマス!!ドウカ、オ静マリヲ!」



南方 「エエイ!ハナセ!!泊地、深海 ノ 誇リ ハ 何処ヘ ヤッタ!?」



泊地「誇リカ…フフフ……奪ワレテシマッタヨ。私 ノ……真心 ト…… 共… 二…」ニコ…!



南方「…コッ……コノ、恥晒シ ノ アホ ガァーーーッ!! 」ジャキッ!



「アァ!?南方様!!」



南方「!…」ピタリ…クル…



「南方…様?」



南方「捨テテ キナサイ」カシュ…



スタスタスタ…



泊地「…」




「コ、コレハ…泊地様 ハ……笑顔 ノ ママ 気 ヲ 失ッテイルゾ!?」



ドヨドヨ!?






南西諸島海域




「モウ少シカ…」



「アァ」



スィー…



泊地「…」



「泊地様、我々 ハ 南方様 直属 ノ 部下 デスガ…」



「姫 ニ 対スル 畏敬 ノ 念 ダケハ 忘レタ コトハ ナイノデス。ソレハ、勿論 貴女 モ 例外 デハ アリマセン」



「無礼 ハ 承知 デスガ」



「オ許シ下サイ…アナタ ノ 要塞 マデ オ連レスルコト モ デキマシタ ガ…」



「人望 ノ 厚イ 貴女ノコト。貴女 ノ 部下 達 トノ 衝突 ハ 目 ニ 見エテイマス」



「ナノデ、貴女 ト 友好関係 ニ アル アノ方 ナラバ……」



泊地「…」




深海BAR ダーウィン




北方「ピカピカ ピカリン!」



キャッキャ!



北方「オネーチャン! ミテミテ!!プリキュア~♪」



港湾「マァ、可愛イ!セーラームーン?」



北方「ムーン?ナァニソレ??」




トントントントントン!




港湾「アラ?勝手口 カシラ?チョット、見テクルワネ」



北方「オウ」



港湾「VAVA ノ 真似 シチャ ダメ。今 ニ 顔 ガ コー ナッチャウ カラ」( T )



北方「カッコイー カラ イーモーーーン」



港湾「フフフ♪」ガラ…



コツコツ…






台所



港湾「ドナタデスカー?」



シーン…



港湾「オカシイワネ…確カニ、戸 ヲ 叩ク 音ガ…」ガチャ…



港湾「アッ!?」



泊地「…」



港湾「泊地!!酷イ 傷…… 何 ガ アッタノ!?泊地!!泊地ィィィィィイイイイ!!!!」




深海アイテム屋さん




リ級「コレ デ オシマイ。オ疲レ様ネ」



VAVA「おう」



リ級「ソレニシテモ、ヤッパリ 艦娘 ヤ 私 達トハ 違ウノネ。体 ノ 中ヲ 見テ 驚イチャッタ」



VAVA「どうだ、少しは勉強になったか?」



リ級「モチロン!デモ、コノ事 ハ 私達 ダケノ 秘密ニ シテオキ マショウ」



VAVA「そうしてくれるか。俺もそれが良いと思っていた」



リ級「ウン。コノ データ ハ、VAVA ノ 為 ニシカ 使ワナイ。約束スルワ」



VAVA「…あ…ありが……………………ゴホン!!礼を言う」



リ級「リリリ♪戻ッテ アンコウ鍋 食ベマショ!」



VAVA「鮟鱇か……確か居たな。そのまんまの奴が…」



リ級「ドシタノ?」



VAVA「何でもない。昔の話だ」



しばらくして…




リ級「リリリ♪」ニヤニヤ…



チ級「チッ♪」ニタニタ…



ヲ級「アーーーン♡」



VAVA「…」もぐもぐ



ヲ級「美味シイ?」



VAVA「美味い」



ヲ級「マ…毎日食ベタクナァイ?」



VAVA「できることならな」



ヲ級「ジャア!ココデ 一緒ニ!!」



VAVA「くどい」



ヲ級「ヲ…」



VAVA「…」




VAVA「まぁ…」



VAVA「いつになるかは、わからんが…」



ヲ級「ヲ?」



VAVA「全てが終わって、俺にやることが無くなったら…その時は……」



ヲ級「一緒 ニ 暮ラシテ クレルノ!?」



VAVA「馬鹿、早とちりするな!考えておいてやるだけだ!!」



ヲ級「ヲヲ♡」シュルル…



VAVA「触手はやめろ!!」ぺんっ!



ヲ級「ヲ……私 ノ 種族 デハ 最上 ノ 愛情 表現ナノニ…」ショボン…




リ級「ヲーチャン、嫌ワレタンダァ?」クスクス!



ヲ級「違ウモン!」



チ級「マーマー、楽シク イキマショウッテ。ダンナ、酒デモ ドウデス?ハイ、グラス」



VAVA「おぉ、頼む」パシ…



チ級「ダンナ ハ 酒 ガ 好キ デスヨネ。思エバ、ダーウィン デ 逢ッタノモ 運命カモ…」チョロチョロ…



VAVA「おい」



チ級「ハイ?」



VAVA「空じゃないか。その瓶」



チ級「エェ!?ソンナ ハズハ……ホント ダ。空ッポ…」スカー…



ヲ級「テヘッ♪」ぺろ




リ級「コナイダ、家飲ミ シテ ソノママ ダッタンダッケ…?」



ヲ級「寂シクテ ツイ 飲ミスギ チャッタノ」



チ級「チ~…オレ ノ トッテオキ ノ 日本酒 ダッタノニ…」グスッ…



VAVA「なら、BARでも行かないか?」



ヲ級「ヲヲ!名案!!」



リ級「賛成!」



チ級「オレモー!」



VAVA「決まりだな」



VAVA『マスターの顔も見たくなってきたしな…装甲の件以来、泊地はどうしているんだろうか…』




十数分後…



深海BAR ダーウィン



キイィ…



VAVA「マスター、飲みに来たぜ」



ヲ級「私タチモー!」



ツ級「イラッシャイマセー……!?……ア…………ァ…アナタハ!?」ぷるぷる…



VAVA「お前は…!装甲の城で会った…」



リ級「アレ?今日 ハ マスター休ミ?ホッポチャン ノ オ世話 カナ?」



チ級「ツ級チャン?ドウシタンダヨ」



ヲ級「マサカ…」





ツ級「VAVAサァーーーーン!」ピョン!



ダキッ!



VAVA「こんなところで再会するとはな」



ツ級「エェ!驚キマシタ。新シイ 職場デ、VAVAサン ト 再会 デキルナンテ…私、ツ イテマス!!」



ヲ級「…」



VAVA「おい、取り合えずそのデカイ手を離せ。身動きが取れん」



ツ級「ア!?スミマセン…VAVAサン…♡」スト…



港湾「ツ級チャン。騒々シイケド…何 カ アッタ?」ガラガラ…



VAVA「よう、マスター。元気そうだな」



港湾「エェ、ドーモ……ッテ…アー!?VAVA!!良カッタ!コッチニ 来テ!!」グィィ!!



VAVA「うぉお!?なんだ!いきなり!?」ヒョーイ…!




バタン……シーーーーーン…




リ級「…何ダロウネ?コレ」



チ級「サァ…?」




港湾の寝室




VAVA「一体なんだと言うのだ」



港湾「側ニ 居テ アゲテ…」



泊地「…」



VAVA「泊地!?どうしたんだ!この損傷は…!?」



港湾「安心シテ。命 ニ 別状 ハ ナイワ」



VAVA「何ガあったんだ?」



港湾「ワカラナイ。瀕死 ノ 泊地 ヲ、誰カガ ココマデ 運ンデ 置イテ行ッタノヨ…」



VAVA「泊地…」



港湾「デモ、誰ガ 泊地 ヲ 撃ッタノカ……私ニハ ワカルワ」



VAVA「誰だ、そいつは」



港湾「見テ。弾痕 ニ 癖ガ アルノ」ペタ…スス…



VAVA「これは…急所を避けて撃っているのか?」



港湾「サスガネ ソノ通リヨ 。逆ニ 肘 ヤ 膝 ト言ッタ、体 ヲ 動カスノニ 重要 ナ 箇所 ヲ 執拗 ニ 撃チ 続ケ…」ススス…



ピタ…



港湾「最後 ニ 腹部 ヲ ズドン…!コンナ 撃チ方 ヲ スル 姫 ヲ、一人 知ッテイルワ」





VAVA「まさか…南方棲鬼というやつじゃあるまいな」



港湾「ソノマサカ。知リ合イナノ?」



VAVA「いや、話で聞いていただけだ」



港湾「ソウ……デモ、泊地 ト 南方 ガ 再ビ 戦ッタナンテ…」



VAVA「再びだと?」



港湾「深海 ノ 姫…アナタ ニ ナラ 話シテモ 良サソウネ。モウ、薄々気ヅイテイルンデショウ?」



VAVA「お前と、あのチビも深海の姫ってことだろう」



港湾「ウン、ワカッチャウワヨネ。ソユコト。ソシテ、教エテアゲル。深海 ノ 姫達 ノ コトヲ…」




港湾「ズゥット 昔 ノ 話ヨ……深海棲艦 ハ 皆 純粋デ、仲間同士 助ケ合ッテ 生キテイク 種族ナノ」



VAVA『装甲も同じようなことを言っていたな』




港湾「時ニ、 ソノ 純粋サ ガ 仇ニ ナッテ…艦娘 ヤ 人間。果テハ、同族間 デ 争ウ ヨウニナッテ…」



港湾「ソンナ時、各地 ノ 海デ 特別 ナ チカラ ヲ 持ッタ 深海棲艦 ガ 続々 ト 名乗リ ヲ アゲテ ハ 、圧倒的ナ 武力ト カリスマ デ 事態ヲ 収拾 シテイッタ」



VAVA「それが姫というわけか」



港湾「ソウ…姫達 ハ 愛サレ、尊敬サレ、ヤガテ コノ 海 ノ 中心的 存在 ト ナッテイッタ…」



港湾「所 ガ 、今度 ハ 一部 ノ 姫達 ガ ケンカ ヲ 始メテ シマッタ。理由 ハ トテモ 些細 ナ 事 ダッタケド」



港湾「ソレ ヲ 重ク 見タ トアル 姫 ガ、ケンカ ヲ シテイル 姫達 ヲ チカラ デ 制シ、コレハ 姫 全テノ 問題ダトシテ…」



港湾「姫全員 ヲ 集メ、話シ合ッタ。ソシテ、姫 ノ 掟 ガ 創ラレタノ」



VAVA「面倒なやつらだな」



港湾「ホント、ソウヨネ…デ、一悶着アッテ 今 ニ 至ル。泊地 ト 南方 ノ 戦イハ、掟 ガ 出来タ アトダッタワ」



VAVA「話を聞く限り、くだらなさ過ぎる。結局は自己満足でしかない」



港湾「ソレデモ、掟 ハ 絶対。ト言ウ モラル ガ 出来タダケ 良カッタノヨ」



VAVA「……なるほど」

大淀「私たちを助けて」

大淀「敵の基地を破壊して」

大淀「司令塔を叩いて」

大淀「捕虜を救出して」

大淀「次は…」


VAVA「英雄じゃないから無理!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月09日 (土) 03:10:18   ID: Gzqpf-zi

イレハンのVAVAと艦これとは、またすごい組み合わせだな。これは支援せざる終えない

2 :  SS好きの774さん   2014年09月21日 (日) 05:55:47   ID: 5E_Xa6On

艦これは知らないがVAVA が好きなのでハマりました

3 :  SS好きの774さん   2014年09月24日 (水) 04:10:47   ID: Mt1NJPvy

夜戦仮面きた!
そしてやっぱりVAVAはVAKAだった!

4 :  SS好きの774さん   2015年01月10日 (土) 02:17:41   ID: Fnh7HLE7

これもうVAVAも艦娘でいいんじゃね

5 :  SS好きの774さん   2015年05月20日 (水) 09:58:02   ID: sBPVyw8T

実はエックス本人とその関係者以外には普通な対応ができるVAVAさんである。

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