海未「指パッチン...ですか」絵里「そうよ」 (89)


のんびりと。
真姫ちゃんも出てきます。

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部室


絵里「ここはリズム感をいかして、体を揺らす感じの振り付けにしましょう」

海未「なるほど」

絵里「あとここは、一回ターンして、前に手を伸ばす...とか。真姫、どうかしら?」

真姫「うん、曲のイメージにも合ってるし、いいと思うわ」

海未「私も異論はありません」




絵里「なかなか順調ね」

海未「ええ、振り付けは今日で大体決まりそうですね」

真姫「あ、ちょっといいかしら。
私からも振り付けの提案があるの」

絵里「真姫が提案とは珍しいわね、どんな感じ?」

真姫「えっと。ここでね、みんなで指を鳴らすのよ」


海未「.......!!!」


絵里「いいわね!
この曲のイントロは結構クールだし、雰囲気が出ると思うわ!」

絵里「さすが真姫ね、センス抜群だわ」

真姫「フ、フン。当然デショ?」

絵里「海未もこれでいいわよね」


海未「・・・・・」

海未「えーっと...」

海未「あの...ですね...」

海未「・・・指パッチンは無しです」


真姫「!?」


真姫「チョット!! どーゆう事よ!!
説明しなさい説明!!」

海未「・・・・・」

絵里「真姫、落ち着いて。
海未が理由もなく真姫のアイディアを否定するわけないわ」

真姫「うっ、それもそうね...。
分かったわ、海未。どうしてダメなのか教えてくれる?」

海未「り...理由は」

真姫「うん」



海未「.......無いです」

真姫「ハァァァァァァ?」


絵里「押さえて!気持ちは分かるけど押さえて真姫!」

真姫「我慢ならないわ!絵里も認めてくれた振り付けを理由もなしに否定するなんてぇぇぇ!!!」

海未「・・・・・」

絵里「賢いチョップ!!」トンッ

真姫「うっ....」フラッ

絵里「落ち着きなさい真姫」

真姫「ごめんなさい、頭が冷えたわ。」

海未「・・・・・」

海未「・・・ないんです」

真姫「さっき聞いたわよ....。一体どうしちゃったのよ海未」

海未「・・・違うんです」

海未「指パッチンは...できないんですぅ...」ポロポロ


絵里「・・・・・」

真姫「・・・は?」

海未「うっ・・・うっ・・・」

絵里「えーっと、それは、海未が指を鳴らすことができない...ってこと?」

海未「はい...。その通りです...。
昔から練習してるんですが、どうも鳴らないのです...。」

真姫「意味ありげな言い方しといてそんなことだったの?」

絵里「あはは、なにも泣くことないじゃない、はやく泣きやみなさい」

海未「すいません取り乱しました」キリッ

真姫「早いな」


絵里「しかし海未は指を鳴らすことを指パッチンっていうのね」

真姫「久しぶりに聞いたわよこの単語」

絵里「可愛いわよね」クスクス

海未「なっ、からかわないでください!」

海未「大体どうなってるんですか指パッチンて!逆にあなた達は出来るのですか!?」

絵里「もちろん」パチン!

真姫「できないのに提案するわけないでしょ」パチィン

海未「・・・・・」シュッ

海未「・・・くっ」シュッ シュッ シュッ シュッ

真姫「指紋がすり減るわよ」


海未「なんで出来ないのですかぁ!」シュッ シュッ シュッ

真姫「なんかガスの出が悪いライターを何回も着けてる人みたいよ」

絵里「...ぶはぁっ!!!!」

海未「!?」

真姫「何よいきなり!?」

絵里「だって...海未...手....!!」プルプル

海未「手!?手がなんです!?」

絵里「人差し指と親指で鳴らしてるんだもの...!!!」プルプル

真姫「何ツボってんのよ...」


海未「人差し指を親指で弾くのではないのですか!?」

真姫「普通は中指よ...。それに海未は指を鳴らすことを親指と人差し指のこすれる音だと思ってたみたいね」

海未「違うのですか!?」

真姫「関節が鳴ってるとか思ってる人もいるみたいだけど、あれは中指が親指の付け根に当たった音よ」

海未「そうなんですか...。しかしなんでそんなに大きな音が」

真姫「薬指と小指がメガホンの役目をしてるのよ。これが分かれば海未も練習すれば出来るんじゃナイ?」

海未「頑張ります!」

絵里「ふっ...ライター...ガスの出が悪いライター...」プルプル

真姫「時間差で笑ってんじゃないわよ...」


絵里「まあとにかく一件落着ね。
指パッチンの件は保留にしましょう」

シュッ

真姫「仕方ないけど、他の所を決めましょうか」

シュッ

絵里「じゃあうーん、ここはどうする?一番出だしの所よ」

シュッ

真姫「登場も兼ねてるし、地味だと曲全体のイメージに影響しかねないわね...」

シュッシュッ

絵里「そうなのよ。
華やかかつ可愛い感じの振り...」

シュッ

真姫「ごめん海未、練習は後にしてもらえる?」

海未「あっ、すみません」シュッ


海未「お詫びと言ってはなんですが、出だしの所にひとつアイディアがあります」

絵里「あら海未やるじゃない。
どんな感じなの?」

真姫「もうすっかりいつもの海未ね」

海未「みんなでスキップで出てくる...なんてどうでしょう!」



絵里「・・・!!!」


真紀「なるほど...!
両手が空くから、一人一人パフォーマンスができるし、同時に移動もこなせるわね」

海未「その通りです。
結構見栄えはすると思うのですが」

真姫「うん、いいと思うわ。
絵里はどう?」

絵里「・・・・・」

絵里「・・・えーと」

絵里は「・・・認められないわね」


海未「!?」


海未「何故ですか!?
結構いいと思ったのですが...!!」

真姫「そうよ!ここはこれしかないわ!」

絵里「・・・・・」

絵里「スキップは...ダメよ」

真姫「理由を言えって言ってるのよ!」

海未「落ち着きアローシュート!」ドスッ

真姫「うっ...」フラッ

絵里「・・・・・」

海未「落ち着いてください真姫」

真姫「私ばっかり痛めつけられてる気がするけど...落ち着いたわ」

絵里「・・・・・」


絵里「できないのよ・・・」

海未「え?何が出来ないんですか?」

真姫「理由よ、理由を言いなさい」

絵里「・・・スキップが・・・できないのよ・・・!!!」

海未「・・・・え?」

真姫「・・・・馬鹿な」

絵里「子どもの頃から、スキップって足がどう動いてるか見当もつかないのよ...!!!」

海未「そうだったのですか・・・」

真姫「よく海未を馬鹿にできたわね」


海未「しかしスキップは簡単ですよ?少し練習すれば出来ると思います」

絵里「海未は運動神経がいいからそんなこと言えるのよ...」

絵里「私がどれほど練習したか知らないでしょ!毎日毎日、家のリビングでも学校の教室でも練習したのよ!」

海未「それは相当な努力ですね...」

真姫「そして相当怪しいわね...」

絵里「高校に入ってもう出会うことは無いと思ってたのに...人生は残酷よ」

真姫「スキップできない人がよくバレエやってたわね」


海未「まあまあ、一回やってみましょうよ。その場で動かずにこう、跳ねればいいだけす」スタタッスタタッ

絵里「...こ、こう?」ダッカダッカ

真姫「両足が上手く動いて無いわね...。それじゃ交互にケンケンしてる人よ」

絵里「...うう、しばらくやってなかったからむしろ悪化してるわ...
向こうにいた頃は一応形にはなってたのに」

海未「大丈夫ですよ。その恥じらいを無くせば、ちゃんと出来るはずです」

海未「私にもできたんです!ほら絵里!自信を持って、スキップです!」

絵里「...うん!分かったわ!」


へ○へ
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く\

海未「!?」

真姫「!?」


http://imgur.com/1Y9mKdQ.jpg


海未「!?」

真姫「!?」


絵里「できてたかしら!?」

海未「いやなんでそうなるんですか」

真姫「それアニメでやったやつじゃない。なんで両手が上がっちゃうのよ」

絵里「やっぱり私には無理よぉ...」

海未「仕方が無いですね。スキップは保留にしましょう。絵里は練習しといてください」

真姫「大丈夫なのこれ。
振り付け今日で終わるの」



海未「では今度はここの、私達がアップになるところですね」

ダッカダッカ

真姫「そうね、なんかポーズでもとってみる?」

ダッカダッカ

海未「しかし三人密集するくらいですし、あんまり大げさなのは...」

ダッカダッカダッカダッカ

真姫「そうよねえ...」

ダッカダッカ

海未「なにか、大げさすぎず印象を与えやすいパフォーマンス...」

ダッカダッカ

真姫「絵里、スキップなら外でやっててくれない?」

絵里「あ、ごめんね...」

ペスッ

真姫「今の音は何!?」

海未「真姫、少し指が鳴るようになりました...!!!」キラキラ

真姫「真面目にやってくれない!?」


海未「そ、そうです!
ウインク!ウインクはどうでしょう!」

絵里「なるほど!確かに体は使わずに可愛さをアピールできるわ!」

海未「その通りです!
可愛さだけでなく絵里ならばセクシーさも表現できると思いますし」

絵里「うん、決定ね!
真姫も大丈夫よね!」

海未「そうです真姫に了解をとっていませんでした、大丈夫ですよね真姫?」

絵里「出来るわよね?」

海未「スター西木野ですもんね?」


真姫「いや、もちろん出来るけど...」

絵里「・・・・・・」

海未「・・・・・・」


海未「...あ、そうですか。」

絵里「じゃあ...決定ね。」

真姫「...なによ、言いたいことあるんなら言いなさいよ...」

海未「いいえ?別になにも?」

絵里「真姫ちゃんはなんでも出来てすごいなぁ~~って」

真姫「なによその態度!
なに拗ねてるのよ!」

海未「はいはい...。指パッチンできるのがそんなに偉いんですか」ペスンペスン

絵里「大体流れが分かってないのよ...。なんでウインク出来ちゃうのよ」

ペスン

真姫「出来るもんは仕方ないでしょ!?」

ペスンペスン

真姫「海未うるさい!」

海未「反省しています」ペスン


海未「逆に何が出来ないんですか!?」

真姫「エェ!?」

絵里「真姫が出来ないことを散々いじり倒しでもしないと私達の羞恥心が拭えないわ!」

真姫「そんなこと言われても...。
今まで出来なかった事なんて特に無いし...。」

海未「人のことは散々馬鹿にしておいてずるいですよ!!究極生命体ですかあなたは!!」

絵里「そうよ!!なんかあるでしょ!!」

真姫「あー...そういえば自転車に乗るのは苦手だわ...」

海未「絵里、登場はスキップでなく自転車に乗ってというのはどうでしょう」

絵里「海未、ハラショー」

真姫「悪いけどノーハラショーよ」


海未「自分が出来ないことはそうやって...」

真姫「普通に考えてボツでしょ...。
それに私は苦手なだけでちゃんと乗ることは出来るわ」

絵里「はぁ...完敗のようね。
海未、冗談もここらへんにしときましょうか」

海未「そうですね...振り付けは完全に煮詰まってしまいましたし、他のことをやりましょうか」

真姫「切り替え早いわね...。
あ、他のことなら、歌の表現について考えましょう」

海未「真姫がそう言うのなら」

絵里「これなら指パッチンとかは出てこないわね」

海未「もう、からかわないでください」

真姫「さ、取り掛かるわよ」


真姫「ここは最後の方でビブラートが欲しいわね...絵里、出来るわよね?」

絵里「任せて。じゃあこのパートは私ね」

真姫「それと、ここのロングトーンは力強い感じにしたいわ、海未?」

海未「では、そこは私が歌わせてもらいますね」

真姫「二人とも頼もしいわね」

絵里「さっきの挽回だと思ってもらえばいいわ」

海未「思い返すと些細なことで随分騒ぎましたね」

真姫「まったくよ...。で、二人がそのパートってことは私はここね」

絵里「提案なんだけど、その真姫の部分、タングトリルを取り入れるとかっこいいんじゃないかしら?」

海未「巻き舌のことですね。
確かに、キーが高くなる所ですし、真姫の高音が生きますね」


真姫「・・・・・・!!!」


海未「じゃあ決定ですね」カリカリ

真姫「まっ、ちょっ....!!」

海未「ん?なんですか?」

真姫「いや、あのね」

絵里「何か気に入らなかった?」

海未「何かあるなら言ってください」

真姫「あの...なんていうか」

真姫「巻き舌は...オコトワリシマス」

海未「!?」


海未「な、なんでですか!理由を言ってください!」

真姫「いや...それは...」

絵里「まさか出来ないの?」

海未「えっ」

真姫「・・・・・・」

海未「まき...なのに、まき舌が出来ないのですか....?」

絵里「真姫だけに...?」

真姫「上手くないわよ」


真姫「だって仕方ないじゃない!
今まで歌って来た歌でそんなの必要なかったのよ!」

海未「そうですよね...」ポン

真姫「えっ」

海未「誰にだって出来ないことの一つや二つ、あって当然です。私は笑ったりなんかしませんよ」

真姫「(うざい...)」

絵里「真姫」ポン

真姫「・・・・・・」

絵里「ようこそこっちの世界へ」

真姫「うざい....」



眠気が限界なので続きは明日書きます...


絵里「こう見てみると、私達って相当なポンコツ集団ね」

真姫「ちょっと一緒にしないでよ」

海未「巻き舌出来ない人が何を言うんですか同類ですよ」

真姫「巻き舌なんか人生で必要ないじゃないの!」

海未「指パッチンもスキップも必要はないです!」

真姫「....くっ」



絵里「ハルァショーよ海未」

真姫「巻き舌アピールしないで!!」


真姫「いつからよ...。いつから私達は変わってしまったの....」

真姫「歌唱力!知性!スタイル!
それらを全て兼ね備えたユニットが私達!違う!?」

真姫「いつからポンコツ、変顔、棒読みのハリボテ集団になったのよ!」


海未「真姫...。」

絵里「真姫...。」


真姫「...ごめん。少し熱くなりすぎたわ。巻き舌も出来ないってのに...馬鹿ね私」

真姫「キレるなら巻き舌の一つや二つ盛り込んでみろって話よね、はは....」


絵里「・・・・・・」


海未「そんなことありません真姫...」ギュ

真姫「海未...?」

絵里「ごめんなさい...。あなたのプライドと尊厳を傷付けてしまったわ」ギュ

真姫「プライドと尊厳って同じ意味だけど...絵里...?」



海未「真姫が私達のユニットを...。
そんなに気高く思ってくれているとは思いませんでした」

絵里「ええ...。
真姫はそこまで意識してたってのに私達のこのポンコツぶり...。
先輩失格だわ」

真姫「海未...絵里....」

真姫「ううん、私も言い過ぎたわ。
仮にも先輩相手に...」

真姫「それに...。
今だって尊敬はしてないわけじゃないのよ。ダンスも歌もとっても上手なポンコツさん達をね」

海未「真姫....!」

絵里「もう、素直じゃないんだから...」

真姫「ふふっ」



絵里「そうと決まれば、やることは決まったわね!」

真姫「ええ...」

海未「そのようですね...」

絵里「技術の向j
真姫「弱点の克服....!!!!」

海未「真姫...どうやら考えてることは変わらないみたいですね...」

真姫「当然でしょう?
指パッチン、スキップ、巻き舌...。
これらを乗り越えることで私達は」

海未「更なる高みに行ける...!!」

絵里「...さあ、二人とも準備はいい?
言ったからにはビシバシいくわよ?」

真姫「もちろんよ!」

海未「やるったらやります!」

絵里「ハラショー(苦手は置いといて前の状態に戻ればいいと思ったけど、まあ二人がやる気ならこれでいいチカ)」


ーーその日からソルゲ組の過酷な練習は始まった。


海未「きょうはここまでです!」


穂乃果「ふぁ~つっかれた~」

希「今日のはハードやったもんねー」

凛「はやく帰ってご飯食べるにゃー」

花陽「真姫ちゃん!一緒に帰ろう?」

真姫「あっ、ごめん花陽」

海未「絵里!真姫!
私達は特訓ですよ!集合です!」

真姫「...そういうことだから、凛と帰って、悪いわね」

花陽「ううん?じゃあね?」

凛「なんかいつにも増して付き合い悪いにゃー」

穂乃果「最近ずっと残って特訓だもん
ね、あの三人...」

ことり「海未ちゃんともうしばらく一緒に帰れてないよぉ...」

希「まあまあ、あの三人最近ええ顔つきになって来たと思わん?ウチらは見守ろうよ」



絵里「海未は指パッチンをあと50回!
始め!」

海未「はい!」ペスンペスン

絵里「真姫は巻き舌で発生練習よ!」

真姫「分かったわ!」ルロロロロロロロ

絵里「私はスキップ100回!!」ダッカダッカ



凛「...本当かにゃ?」

希「多分」



ーーー葛藤があった


絵里「やめます....」

絵里「ソルゲ組...やめます」

パァン

海未「あなたがそんな人間だとは思いませんでした」

海未「あなたは最低です!!!」


ーーー勇気があった

海未「私は、指パッチンもできないし、すぐに変顔してしまいますし、恋愛映画もロクに見ることができません」

海未「ですが、指パッチンに対する想いは誰にも負けません!」

海未「私をソルゲ組に入れてください!」


ーーー想いがあった

真姫「誰にも見向きもされないかもしれない、応援も全然もらえないかもしれない」

真姫「でも私達が頑張って、とにかく精一杯頑張って、届けたい!」

真姫「私達がここにいる、この想いを!」


ーーー特訓は過酷を極めた


真姫「海未!?あらた指が....」

海未「ええ...皮が剥けてしまいました。」

海未「しかし!これしきのことが指パッチンの練習を怠る理由にはなりません!」ギリッ

真姫「やめらさい!二度と指パッチンれきない体になってもいいろ!?」

海未「そういう真姫こそ...。巻き舌のしすぎで呂律が回ってないじゃありませんか。真姫が頑張ってるのに私がサボれるわけありません」

真姫「海未...」


絵里「痛っ!!」

ドシャア

真姫「!? 絵里!!」

海未「突然転んで...足を痛めたのですか!?」

絵里「どうやらハラショーが切れたみたい...」

絵里「心配しないで、ハラショーでも付けとけば治るわ」

真姫「らめよ!ちゃんと診察しなきゃ!」

海未「そうです!体は大切にしないと!」

絵里「...ふふ、分かったわ。
優しいわね二人とも...」


ーーー3人の強い想いは、他のメンバーにも伝わった


穂乃果「最近、あの3人すごくしっかりしてきたよね」


絵里「ワン、ツー!ワン、ツー!」ダッカダッカ


希「うん...。ポンコツなんて言われてるのがおかしかったんや」

希「やっと戻ってきてくれた...。
あれがウチの知ってる、本物の絢瀬絵里なんよ....!!!」ポロポロ


海未「諦めません!諦めるわけにはいかないのです!」ペスンペスン


ことり「海未ちゃん、すごい凛々しい顔つきになったよ...」

ことり「ババ抜きやってた頃とは全然違う...これが海未ちゃん....!!!私の幼馴染....!!!」チュン


真姫「レロレロレロレロレロ」

花陽「いつも素直じゃないけど、好きなことにいつも一生懸命」

花陽「どこまでもストイック...頑張り続けるっていう純粋な心を持ってる。
それが西木野真姫って人間なんだ...!!!」モグモグ


凛「で、あれ何やってるのかにゃ?」

穂乃果「さあ?」


ーーーその時はやってきた

パチン.....


海未「!!!!」


スタタッ スタタッ....



絵里「.....!!!!!」




真姫「ぶるぁぁぁああああ」


真姫「っ!!!!」


ーーー叶え、私達の夢


海未「ついに出来たんですね!真姫!絵里!」

真姫「海未こそ!聞こえたわよ!
あなたの...音色が。」

絵里「真姫も素晴らしかったわ。
これで教えることは何もないわね」

ーーー3人で叶える物語


海未「ついにこの時が来たんですね」

真姫「初めは何も出来なかった」

絵里「でも、こんなに素晴らしいダンスが出来るなんて」


海未「1!」

真姫「2!」

絵里「3!」


3人「ミュージック、スタート!」




穂乃果「わー」パチパチ

凛「いきなり講堂に呼び出されたにゃ」

希「きっと素晴らしいステージになる。
カードがそう告げるんやで」





ーーーーーーー
ーーーー

流れだすクールなイントロに鳴り響く指パッチン。

真姫の綺麗に鳴り響く、カリスマさえ感じられる指パッチン。

絵里のしなやかかつ力強い、教会の鐘と聞き違えるほど素晴らしい指パッチン。

そして海未の指パッチンは、一筋の蒼い弓となり観客の耳を通り抜けた...
それはもう、弓パッチンであった。


その三つが合わさった音色の素晴らしさは、筆舌に尽くし難い。


海未「(なんでしょうこの感覚....)」

海未「(指パッチンが...楽しい...?)」

海未「(もうすっかり癖になってしまいました...人の前で指パッチンをする楽しさが....!!)」



ーーーーー
ーーー

その間、三人の足はリズムを刻み続ける。
そう、スキップである。

大人でさえ出来ない人間が多いとされる高等技術、スキップを指パッチンと同時に行うことを三人は可能としていた。
血の滲むような努力の賜物である。

弓道や日舞で鍛えた海未の足は、軽やかに床を叩く。
その無駄のないスキップは例えるならば...鹿。さながらバンビであった。

真姫の長い足はもはや動かすだけで見る者を魅了した。
美しい動きは例えるならば...カモシカ。
カモシカ、ただそれだけである。


そして絵里。
彼女の動きは、数週間前までスキップが出来なかった少女の成せる物ではなかった。
バレエの経験と元々持っていた天賦の才能がこのスキップを可能にしていた。
彼女の動きは何かに例えられる物ではない。唯一無二のスキップが、ここにあったのだ。

絵里「(....わかったわ。私のやりたいこと)」

絵里「(私は、スキップをするために、ここにいる!)」



ーーーーーー
ーーーー

そして歌。
他ユニットを物ともしない圧倒的歌唱力。
絵里のしなやかでどこか妖美な雰囲気を漂わせる美声。
海未の全てを射抜くような力強い歌声。

そして、真姫。

彼女の歌唱力がμ's随一であったことは言うまでもない。
声量、声域、テクニック。
全てが高校生の少女を思わせる物ではなかった。

それだけで充分であったが、真姫はこのステージで新たなるテクニックに挑戦していた。

巻き舌である。
この曲の実に80%は巻き舌で構成されている。
実際ならばありえないことだがこれは真姫の望んだことだ。
そして真姫は無理難題と言われたこの曲を、完成させていた。


真姫「(す?ぁるぁしいわ....)」

真姫「(私はずっと親の敷いたレールの上を歩いてきた。でもそんな人生に足りなかった物が今なるぁわかる)」

真姫「(巻き舌よ.....)」



三人は6分に渡るこの曲をμ'sのメンバーに届けた。
驚くなかれ、振り付けは指パッチン、スキップ、巻き舌だけで構成されている。


葛藤が、勇気が、想いが

三人の努力が作り上げたこの曲。


以前ヘタレポンコツ組と呼ばれた彼女達は、すでに輝きを取り戻していたーーー

そして曲は終わりを迎える。


ジャーン♪


海未「...やりましたね。真姫、絵里」

真姫「ふん、当然でしょ...。この私がいるんだから」

絵里「二人とも少しのミスもズレも無かったわ...。最高のパフォーマンスよ」


海未「私、二人にお礼が言いたいんです。私一人だったならば、この景色を見ることは叶わなかった。」

真姫「それは私も同じよ。
あなた達は、いつも私の知らない景色をみせてくれる。私はそれを後悔したことはないわ....」

絵里「ふふ、二人とも。
私達の感謝は後で、今はお客さんにお礼を言うのが先よ?」

海未「そうでした...」

真姫「そうね...」


3人「ありがとう、ございましたっ!!」



希「・・・・・」

凛「・・・・・」

花陽「・・・・・・」

ことり「・・・・・・」

にこ「・・・・・・」


絵里「どうだったかしら?私達のLIVE...!!!」



穂乃果「....」ガタッ


海未「!」

真姫「!」

絵里「!」


穂乃果「3人とも」

海未「はい!」

真姫「はい!」

絵里「ええ」


穂乃果「ふざけてんの?」



ーおしまいー


これにて完結とさせていただきます。
ただひたすらに、謝りたい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年07月14日 (月) 22:29:03   ID: jpZn9YxF

クソワロタwww

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