晶葉「出来たぞ! 性質与奪装置だ!」 (24)

P「せいしつよだつそうち?」

晶葉「うむ。その人間の性質を吸収し、装置に溜めた性質を人に与える事が出来る装置だ」

P「ふーむ。聞く限りじゃよくわからないな」

晶葉「そうだな。例えばあそこにアイスを食べてるみくがいるな」

みく「今日も暑いにゃ」ペロペロ

P「俺のアイス食ってるぞ、あいつ」

晶葉「これを向けて、みくから猫成分を吸収する」シュオーン

みく「うわああああ! いきなり何するの!」ペチャ

みく「ぎゃあああ! みくのアイスがー!」

P「俺のな」

みく「晶葉チャン! 責任取ってもらうからね!」

晶葉「まぁこんな風になるわけだ」

P「確かに語尾ににゃが付かなくなったけど……」

みく「ほら、行くよ!」

晶葉「わかったわかった。そう引っ張るな。
   それじゃあ後は好きに使ってくれ。悪用はするなよ」バタン

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P「悪用するなって言われてもなぁ」

P「とりあえず今は猫成分しか入ってないのか」

装置『猫成分 570ニャントロン』

P「困ったな。知らない単位だ」

P「まぁいいか。えーっと、他に誰かいないかな」

杏「あずぃ」

P「おい、杏。お前もうレッスンの時間じゃないか?」

杏「体の表面から水が吹き出るから今日は休むよ」

P「汗かいてるだけだろ。そう言う奴にはこうだ!」シュオーン

杏「わわわわわ。いきなり何するのさ」

P「お仕置きだ。ほら、レッスンまでもう時間ないぞ」

杏「ん? あ、本当だ。遅刻したら怒られるし走ってくかな」

P「おお、怠け成分を抜いたらちゃんとレッスンに行ったぞ」

幸子「ここでカワイイボクの登場です! みなさん、拍手でお迎えしてください!」ガチャ

P「」シュオーン

幸子「あばばばば」

P「おはよう、幸子」

幸子「おはようございます、Pさん。あ、待ってください」ゴソゴソ

P「なんだ、手鏡なんか出して」

幸子「」ヨソヨソ

幸子「ど、どうですか? 今日のボク、カワイイですか?」

P「カワイイぞ」

幸子「やったー! フフーン!」クルクル

P「幸子から自信成分を抜くとああなるのか。上目遣いでカワイイですかとか聞いてきやがって」

P「カワイイに決まってるだろ」

P「カワイイに決まってるだろ!!」

ありす「一人で何叫んでるんですか」

P「おう、ありす。お前は……うーん……」

ありす「なんですか。出会い頭にいきなり唸りはじめて」

P「そうだな。猫成分を与えてみるか」ズビーン

ありす「きゃっ。何するんですか。また晶葉さんの発明品ですにゃ?」

P「まぁな」

ありす「一体何をしたんですにゃ。教えてくださいにゃ」

P「あれ、なんかリラックスしない?」

ありす「リラックス? 別にしないですにゃ」

P「あっれーおっかしいなー。これを当てるとリラックスするはずなんだけどなー。
 ありすには効かなかったかなー。残念だにゃー」

ありす「Pさん。にゃーってなんですか、にゃーって。そんなことするのは前川さん
    くらいですにゃ」

P「お、おう。そうだな」

ありす「全く……」テクテク

P「本人全く気付かないのか。やべーな」

雪美「P……」

P「おはよう。雪美。どうしたんだ?」

雪美「ううん……目を見たかっただけ……」

P「そうか。……待てよ、これを使えばあるものだけじゃなくてないものも
 吸収できるのか?」

雪美「P……?」

P「やってみるか。雪美、ちょっとごめんな」シュオーン

雪美「ん……」

P「一応起動はしたけど……」

雪美「何したの?」

P「えっと晶葉の新しい発明品だけど……何か変わったところあるか?」

雪美「ない」

P「そ、そうか。うん、悪かったな」

雪美「大丈夫。気にしない」テクテク

P「寡黙成分を抜いたが……はっきりと喋るようになったな。
 あれはあれで素晴しい」

菜々「おはようございまーす」

P「おはよう」

菜々「今日も頑張りますよー!」

P「まぁ無理なさんなよ」

菜々「大丈夫ですよ。最近は腰も……っとっと体の調子もいいですからね!」

P「……」

P(性質……性格やそういったものだけだと思うがまさか肉体的なものも
 与奪可能なのか? だとしたら……)

菜々「ちょ、ちょっとなんで黙っちゃうんですかぁ!」

P「菜々、少し我慢しろ」シュオーン

菜々「うわわわあー」

P「出来た? まさか……入ってるか確認しよう」ピピピ

機械『年齢 少し』

P「出来た……だと? まさかっ!」

菜々「さっきからどうしたんですか?」

P「……」ジー

菜々「そ、そんな熱心に見つめないでください。テレちゃいますよ」テレテレ

P「うーん。ちょっと失礼」サワサワ

菜々「!?」

P「肌のハリがあるような……」

菜々「な、何するんですか! 年頃の女の子の腕をいきなり!」バッ

P「え? あ、すみません」

菜々「全くもう! プロデューサーなんですからちゃんとその辺もわかってください!」プンスカ

P「怒りながら行ってしまった。しかしやはりあの感じ……」

P「十七歳になっている。間違いなく。肉体的だけでなくおそらく精神的にも!」

P「じゃあもしかして他の物も……?」

桃華「おはようございます」ガチャ

P「ああ、おはよう……」

桃華「何か考えてますわね。またよからぬことでも?」

P「……ああ、そうだな。しかし必ずしも悪いことではないさ」ズビーン

桃華「きゃっ」

P「菜々さんから吸収した年齢を与えた! とりあえず五歳分だ。これで十七歳の桃華が
 できあがr」

桃華「」ビリビリー

P「」

桃華「……見ないでくださいまし」

P「アッ、ハイ」

桃華「なぜ服が突然破けましたの?」

P「いや、ちょっとわかんないっスね」

桃華「あら、わたくしに嘘を押し通せるとでも?」ギュッ

P「すいません。服着ませんか?」

桃華「つれないですわね」

ありす「Pさん。そろそろ桃華さんとレッスンの」ガチャ

P「あっ」

桃華「あら」

ありす「ギャーーーーー!! なんで桃華さんが裸で大きくなってPさんに抱き付いてるんですにゃー!!」

桃華「色々ありますのよ。ありすさんもカワイらしい語尾で……。ところで身長縮みましたの?」

ありす「縮んでないにゃ! とりあえず服を着てくださいにゃ!!」

桃華「もう。しばしお待ちくださいまし」バタン

ありす「……」

P「……」

ありす「……Pさん」

P「はい」

ありす「どういうことか説明してもらいますにゃ」

P「イヤー、まさか桃華が十七歳になるとあんなナイスバディな子になるとは」

ありす「そういう話じゃないですにゃ! なんでいきなり桃華さんがあんなに大きくなったにゃ!」

桃華「着替えましたの」ガチャ

ありす「なんで! セクシーキャットの! 衣装なんですにゃ!」

桃華「これしかありませんでしたの。でもちょっときついですわね」ギュウギュウ

P「いやー、すげーな。ほんとすげーな。すげーわ」

ありす「Pさん!」

P「わかったよ。実はなかくかくしかじか」

ありす「性質与奪装置、ですか」

桃華「それでありすさんの語尾ににゃが付いてますのね」

ありす「桃華さんが大きくなったのもそれなんですにゃ」

桃華「わたくしは全く実感がありませんわ」

P「まぁ使われた人間はそういうものらしい」

ありす「戻してくださいにゃ」

P「え?」

ありす「戻 し て く だ さ い に ゃ !」

P「仕方ないなぁ」スゥ

ありす「まずは私の猫成分とやらを……」

P「お前には杏の怠け成分をくれてやろう」ズビーン

ありす「あわわわわ~」

桃華「Pちゃま!」

P「こんな素晴しい装置を早々手放せるか」

ありす「はぁ……だるいですにゃあ……」

桃華「でもレッスンの時間が……」

ありす「えー……あ、そうだ。今日は地球が太陽の周りを回ってるから
    お休みするってことでいいんじゃないかにゃ」

桃華「よくありませんの!」

P「これさえあれば怖いものなしじゃないか」

桃華「もう、早く戻してくださいまし」

P「いーよーいーよー。今日はこんな具合にしといてさー」

桃華「Pちゃま!」バン

P「ヒッ」

桃華「晶葉さんは決してこのような使い方をするためにあなたにその装置を
   渡したわけではないはずですわ。他人に迷惑かけてはいけませんのよ?」

P「ふぇぇ……だって大きくなった桃華だってノリノリだったじゃんか……」

桃華「使われた本人は気付かないってさっき話したばかりでしょうに。わたくしは
   未だに実感が沸きませんけど、もしも本当にこれで大きくなったと言うならば
   また小さくなることを厭いませんわ」

P「そんな……」

桃華「大人なんですからその辺の分別はしっかりしてくださいまし。これでは安心して
   プロデュースも任せられませんわ。なのでこれはもっとしっかり使える人に渡しますの」

P「使える人?」

ちひろ「ええ」ニッコリ

P「あっ……」

桃華「とりあえずちひろさんに皆さんを戻してもらいますわ」

ちひろ「ええ、わかりました。プロデューサーさんの処罰はその後ということで」

P「」

その後、プロデューサーは休むことなく労働するマシーンになった。

以上

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