卯月巻緒「いらっしゃいませ」春香「ケーキをくださ…ってあれ?」 (31)

春香「前に来たときはいなかったけど… 新しく入った人ですか?」

卯月「あ、初めまして 俺は卯月巻緒(うづき まきお)」

卯月「最近になってこのケーキ屋さんでケーキ作りの修行をしながらアルバイトをしています」

春香「ケーキ作りの修行?」

卯月「はい、俺はケーキがとっても大好きなんです!」

卯月「ケーキって凄いんですよ 材料や調理方法で見た目も味も全然変わるのに」

卯月「食べる人を幸せにするという点はどれも一緒なんです」

卯月「ただ最近は食べるだけでなく作ることもはじめてます」

卯月「ケーキを作っている人はどんな気分なのか」

卯月「それを知りたくて行きつけの店であるここで修行をしてるんです」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404287784

春香「ケーキ大好きなんですね 私もケーキをよく作っているんですよ」

卯月「本当ですか! ぜひ食べてみたいです ケーキを作ると作った人の個性が現れるといいます」

卯月「ケーキを食べることはあなたのことを知るいい機会になります」

春香「ケ、ケーキに対する愛情が凄いんですね…」

春香「ところで私ケーキを買いたいのですけど」

卯月「あ、これはどうも失礼しました どうもケーキに関することだと熱く語ってしまうので」

卯月「それで、どれにしますか?」

春香「ではこのストロベリーケーキで」

卯月「かしこまりました!」

春香「次にここにくるときは私自作のケーキを持ってきます」

卯月「期待してお待ちします」




アリガトウゴザイマシター

春香「なんか凄い美人で変わった人だったな~ あれが噂で聞くオレっ娘なのかな?」

卯月「いらっしゃいませー」

真美「ここがはるるんの言ってたお店かな?」

亜美「なんだか甘い臭いがしますな→」

貴音「なるほど、とても品のあるけぇき屋ですね」

響「あの人が春香が話していたケーキ職人のアルバイトなのか?」

卯月「あなたたちは…765プロの四条貴音さんと我那覇響さん、双海亜美さんと真美さんですね、テレビでよく活躍を見ています」

卯月「素晴らしいダンスと歌ですね 見ていて心が震えました」

貴音「なんと! それは真にありがとうございます」

響「いやー、照れるぞ//」

真美「えーっと、卯月『姉ちゃん』だっけ? なんかお姫ちんにぴったりなおいし→ケーキとかないの?」

亜美「ミステリアスなケーキとか」

卯月「そういうのはありませんけどさっき作った自信作ならあります」

卯月「試食してみてはどうですか?」

貴音「それではお言葉に甘えて」

卯月「ちなみに俺は男性です」

響「マジで!?」

亜美「とてもそうには見えないね→」

卯月「こちらがさっき作った試作品です、売り物ではありませんので遠慮しないで食べてください」

4人「いただきまーす!」

パクッ

真美「ん~! チョーおいし→」

亜美「卯月兄ちゃんの真心がこめられていますな~」

貴音「このほどよい甘さ、食欲をそそる香り、そしてなによりこの味」

貴音「この甘酸っぱい味は…ぶるーべりーですか? しかし他にも果物が色々入ってますね」

卯月「苺にラズベリー、ブルーベリーにカシスを入れているんです」

響「この味は…パイナップルか!?」

卯月「よくお気づきになられましたね、他にも生地はオレンジの果汁を入れたり」

卯月「クリームはマンゴーを入れたりと工夫をしています」

卯月「どうですか? 満足していただけましたか?」

貴音「このような贅沢で素晴らしい味のけぇきに代金を払わないわけにはいきません」

貴音「これはほんのささやかな気持ちです 受け取ってください」つ諭吉

卯月「え! そんな、困ります! こんなに貰うなんて…」

真美「卯月兄ちゃんが真美たちに出したケーキはそれくらいの価値があるってことだよ」

亜美「い→じゃん、もらっちゃいなよ」

響「貰っておいても損はないぞ」

卯月「…それではお言葉に甘えて」

貴音「それではまた会いましょう、行きますよ 亜美、真美、響」

真美「またね、卯月お兄ちゃん」

亜美「次も楽しみにしてるよ」

響「自分、この店のことをみんなに伝えるさー 明日になったら客が増えると思うぞ」

卯月「期待してお待ちします」

卯月「いらっしゃいませー」

雪歩「ここが響ちゃんたちが言ってたお店かな?」

真「こんにちはー、ケーキ買いにきましたー」

美希「おしゃれなお店におしゃれなケーキにおしゃれな店員さんとかおしゃれ尽くしだね☆」

卯月「765プロの方たちですね、活躍はテレビで拝見しております」

真「え! いやー、どうもありがとう」エヘヘ

美希「おいしいケーキくださいな☆」

卯月「かしこまりました、いまお勧めの一品をお持ちします」

雪歩「んー…?」

真「雪歩、どうかした?」

雪歩「いや、あの人… なんかこう…雰囲気が…」

雪歩「男の人? いや、女の人なのかな?」

卯月「よくいわれますが男性ですよ」

卯月「まあこの見た目にケーキ好きだから初めて会う人にはよく間違われます」

卯月「一人称を俺にしても女性だと勘違いされるくらいです」

雪歩「そうなんですか~ 私、男の人が苦手ですけどなんか見た目のおかげで接しやすいです」

卯月「な、なんかちょっと傷つくなぁ…」

雪歩「え!? いや、別に私そんなつもりじゃ…」

卯月「ははは、別にいいですよ もう慣れていますから」

卯月「はい、この店特性三色ケーキです」

卯月「三分の一ずつ違うケーキになっているのが特徴です」

卯月「それぞれ抹茶、チョコ、苺と分かれていて、一つで三つ味が楽しめる特製ケーキです」

美希「たしかに色がそれぞれ緑に黒にピンクなの、凄いの!」

真「それじゃあこれをお願いします」

卯月「かしこまりました」

卯月「言いそびれましたが実は自分、アイドルをやっているんです」

雪歩「え!? そうだったんですか!?」

卯月「はい、Cafe Paradeというユニット名で活躍しています」

卯月「といってもまだデビューしてから日が経ってませんのでそれほど有名ではありませんが」

真「でも僕たち、ライバルってことになるよね」

卯月「ライバル? そういうことになるのでしょうか?」

美希「友達でもあるよ」

卯月「そうですか… それは光栄です」

卯月「実は1週間後うちの事務所のライブが始まる予定なんです」

卯月「テレビで生放送として流れるのでご覧になってください」

真「わざわざありがとうございます」

美希「楽しみにしてるね☆」

雪歩「お邪魔しましたー」

卯月「いらっしゃいませー」

千早「ここね、噂のケーキ屋さん」

やよい「なんかおいしそうなケーキがたくさんありますねー」

伊織「あれがみんなの話していたパティシエかしら」

卯月「最近は765プロの皆さんがよくお客にいらっしゃってますね」

卯月「皆さんのおかげでたくさんのお客様がケーキを買いに来ていてとても光栄です」

千早「そうですか、それでは代表として私がお礼を言います」

やよい「伊織ちゃん、これなんでどう?」

伊織「あら、とてもおいしそうね これにする?」

やよい「でもこれ、お値段が1400円ってとても高いです…」

やよい「1400円もあったらもやしがえーと、えーっと…」

伊織「ちょ、ちょっと! こんなところでそんな切ないこと言わないでよ!」

伊織「ほら、あたしが買ってきてあげるから、ね?」

やよい「そ、そんなの伊織ちゃんに悪いです! ここは見るだけで我慢します!」

伊織「お願いだからそんな悲しいこと言わないで!」

千早「これください」

卯月「1400円になります」

伊織「…なんか、迷惑かけたわね…」

やよい「ごめ 千早「気にする必要はないわ高槻さん、これはあなたのために買ったのよ」」

千早「さあ、急いで帰って一緒に食べましょう ケーキは早さが命って言うでしょ」

やよい「は、はい」

伊織「あ、ちょっと待ちなさいよ!」

伊織「あ、どうもありがとうございました」

卯月「またのご利用をお待ちしております」ニコッ

千早「はい高月さん、あーん」

やよい「あーん」

パクッ

やよい「んー、おいしいです!」

千早「そうね、とてもおいしいわね高槻さん(の唾液)」ペロペロ

伊織「やだ…、私の分少なすぎ…!?」




春香「最後にクリームを塗ってっと、よしできた!」

春香「卯月さん喜んでくれるかな、明日が楽しみだなー」

卯月「いらっしゃいませ」

あずさ「あらー? また道を間違えちゃったみたい」

卯月「あなたは、765プロの三浦あずささんですか?」

あずさ「あら? 依然どこかでお会いしましたっけ?」

卯月「いえ、テレビでよくご覧になっていたので」

あずさ「あらー、そうですかー」

律子「あずささん! やっと見つけました、こんなところにいたんですか!」

あずさ「あら律子さん、なんかここおいしそうな臭いがしますよ」

律子「ケーキ屋だから当たり前でしょう! ほら早く!」

律子「ご迷惑おかけしてすみません…ってあら?」

卯月「どうかしましたか?」

律子「…」ジーッ

卯月「な、何か…?」

律子「あなた、うちでアイドルやってみない?」

卯月「え!?」

律子「その容姿に仕草に声、何もかも完璧!」

律子「私に任せればあなたをトップアイドルにすることもできるわ!」

卯月「いえ、自分アイドルですので…」

律子「え? そうなんですか?」

卯月「はい、315プロというところでアイドルをしています」

律子「ああ、315プロの方だったのですか、それはどうも失礼しました」

卯月「いえいえ」

ガチャ

春香「卯月さーん! お邪魔しまーす! …ってアレ?」

律子「春香?」

あずさ「あらー、奇遇ねー」

春香「律子さんにあずささんもケーキを買いに来たんですか?」

律子「いいえ、私はあずささんを探しにここにきたの、春香こそどうして?」

春香「私はこのケーキを卯月さんに試食してもらいたくて…」

律子「え? ケーキを試食? ちょっと春香、いつからそういう関係になったの!?」

春香「数日前にケーキについて二人で熱く語ったんです いわばケーキ仲間です」

律子「私が知らない間にいつの間にそんな仲になったの」

春香「という訳で試食お願いします!」

卯月「いいですよ」ニコッ

あずさ「私もいいかしら?」

春香「もちろんです!」

イタダキマース

パクッ

あずさ「うん、普通においしいわね」

律子「普通ね」

卯月「(普通のケーキだ)」

春香「………」

律子「ど、どうしたの春香 黙っちゃって?」

春香「卯月さん、前に言ってましたよね ケーキを作ると作った人の個性が現れるって」

卯月「ええ…」

春香「このケーキ、今の私みたいです」

春香「個性が全く感じない、これといった特徴がない」

春香「よく食べている普通のケーキです」

あずさ「………」

律子「(ここでそんなことないわよ、普通であるからこそ春香なのよといったら返って落ち込むわよね)」

卯月「………」

春香「私、もう一度作り直してきます そして、本当の自分を卯月さんにお見せします」

卯月「楽しみに待ってますよ」ニコッ



あずさ・律子・春香「ありがとうございましたー」

卯月「またお越しに来てください」

春香「うーん、何がいいのか… いったいどうしたらインパクトを残せるのか」

アナウンサー『Jupiterが終わり315プロライブも折り返しです、続いてはCafe Paradeの出番です』

真美「あれ? あそこにいるのって卯月兄ちゃんじゃない?」

亜美「本当だ、結構カッコいいじゃん 男っぽくなってるし」

真「…でもなんだろう、このメンバー 個性的って言うか」

伊織「色物が多いわね、特にあの眼帯 かなり悪趣味ね」

春香「美希、なんか入れたらいいものある?」

美希「それ言ったら春香らしさがでなくなるの、自分の力で解決することがいい方法なの」

春香「そ、そんなー…」

律子「私の見る目は正しかったわ それはそうとあのメイドの子、なんか親近感が沸くわね…」

真「いいライバルになりそうだね」

春香「私らしさ… 私…」

店長「卯月ちゃーん、お疲れ様 今日はもういいわよ」

卯月「はい、お疲れ様でした」



卯月「今日もたくさんの人にケーキの素晴らしさを伝えることができた」

「卯月さん!」

卯月「ん? 君は…」

春香「私、あの日からずっとどうやって自分らしさをだせばいいのか考えたのです」

春香「そして考えた結果、私はついに自分の個性を見つけました」

春香「それがこのケーキです」

卯月「これですか?」

春香「はい、私の特徴を完璧に引き出したケーキです」

春香「どうぞ、味見してください」

卯月「………」

卯月「うん、喜んで」ニコッ

卯月「では、いただきます」

パクッ

卯月「」

春香「ど、どうですか?」

卯月「」

バタリッ

春香「え、卯月さん? しっかりしてください!」

春香「おかしいな、私の特徴はみんなをまとめられる頼れるリーダーのような感じだから」

春香「リーダーらしくみんなをまとめるという形でみんなの好きなものを全部入れてみたんだけど」

パクッ

春香「」

バタリッ

数日後

春香「卯月さーん! またケーキ作っちゃいました! 試食お願いします!」

卯月「気持ちだけは受け取ります」

お終い

モバマスの方の卯月とは全く関係ありません
ついでに同じくモバマスのケーキ好きのアイドルも全く関係ありません
とりあえず巻緒くんは自分がもらっていきます

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom