モバP「・・・」ちひろ「・・・」 (28)

事務所

モバP「ただいま戻りましたぁ・・・って誰もいない。ちひろさーん?」

ちひろ「プロデューサーさん?」ピョコ

モバP「ああ、応接室にいたんですか」

ちひろ「お、お、お、お帰りなさい。早々に悪いんですけど、ちょっとこっちに来てください」ガシッ

モバP「へ?いや、でもこれ友紀たちを迎えにスタジオまで行かなきゃならないんで用事なら後回しに・・・し・・・て」

グラサン「・・・お帰りなせぇ、モバPさん」

ハゲ「・・・・・・」

モバP「え、あ、その・・・ちひろさん、どちら様ですか?」ヒソヒソ

ちひろ「知りませんよ!!あなたがまたどっかの訳有りのお嬢さんに声かけたんじゃないんですか!?」ヒソヒソ

モバP「ええ!?」チラッ

グラサン「・・・」パンチパーマ

ハゲ「・・・」セバンゴウ3

モバP「・・・あっ、もしかして巴の実家の方でしょうか?」

グラサン「はっ、覚えてくださいやしたか。御無沙汰しておりやす」フカブカ

ハゲ「・・・」ペコリ 

モバP(・・・やっべえ、全然覚えてない)

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ちひろ「粗茶ですが・・・」

グラサン「すみません。お構い無く」

ハゲ「・・・」ズッー

モバP「それで、本日はどういったご用件で?」

グラサン「はい。実は半年前からウチの組でカキの養殖を始めやして」

モバP「カキですか、良いですね。マガキですか?」

グラサン「いえ、イワガキです」

モバP「じゃあもうすぐ旬じゃないですか」

グラサン「お詳しい。流石、お嬢の相方です」

モバP「・・・ありがとうございます」

ちひろ(なんなのこの空気・・・)

グラサン「さて、本題に入りやしょう。実はこのヤマは自分がオツトメから出てから初めて任された仕事でして」

ハゲ「・・・同じく」

モバP「(喋った・・・)そうなんですか」

グラサン「はい。流通の斡旋は完璧なんですが、いかんせん味の方があっしには判別つきません」

モバP「何故?」

グラサン「ガキの頃にアタリやして。それ以来、見るのも嫌なんです」

ちひろ(うわぁ、御愁傷様ですねぇ)

モバP「それは何と言うか・・・。ご苦労なさってますね」

グラサン「いえ、オヤジの命令ですから」

モバP「・・・あはは」

グラサン「あっしはこのざま、こいつも図体ばっかの木偶の坊じゃけぇ、味覚に関しては信用出来んとです」

ハゲ「・・・」ショボーン

ちひろ(うーん、儲かりそうなのに勿体無いなあ)

グラサン「このまま売り出してええんかと悩んでおったら、お嬢がTVに出ていたのを見たんで。あ、感動したオヤジがモバPさんにスケを回せと言っちょりました。今夜、どうです?」

モバP「・・・それは慎んで遠慮しますとお伝え下さい」

ハゲ「・・・現役の学生から熟女までより取りみどりじゃけぇ、遠慮することなかと」

モバP「いや、聞いてないですよ?」
 
グラサン「まぁその話は追々、な。とにかく、お嬢への激励も兼ねて、日頃からお世話になっとる事務所の皆さんに、あっしらが育てたカキを振る舞いたいのですが・・・」

モバP(話聞いてくれよ・・・それにこれって事務所的にはアリなのか?)チラッ

ちひろ「・・・一応名義と品質に気を付けていることを確認してもよろしいでしょうか?」

グラサン「勿論です。よろしくお願いしやす」

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