棟方愛海「ノーブラオブリゲーション」 (91)

愛海「桃華ちゃん」

桃華「どうかされまして?」

愛海「ノーブラオブリゲーションって知ってる?」

桃華「ノーブルオブリゲーションの事かしら?」

愛海「ノーブラオブリゲーション」

桃華「存じませんわ。知りたくもないし」

愛海「高貴な人はブラジャー取るべきだよねって」

桃華「話聞く気ないですわねこの人」

愛海「桃華ちゃんもブラジャー外そうよ。それとも私が外す?」

桃華「駄目みたいですわ。もうブラジャー外す事しか頭にありませんわ」


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愛海「やっぱり揉むならブラジャー越しより何もない方が、ねえ?」

桃華「失礼しましたわ、外した後の事もちゃんと考えてらしたのね」

愛海「都合よくこのプロダクションってお嬢様多いしさ、なんかウキウキしてきた」

桃華「あの、もう帰っても…」

愛海「まずは桃華ちゃんからね」

桃華「は?いや、いやいやそれはいけませんわ、ちょっと、離れて、愛海さんそこはヒャア!」

愛海「ブラゲェーット……目標確認、櫻井桃華ちゃんのおっぱい(B72)!」

ガシッ

桃華「ヤメッ!いやぁ!そこは!そこはいけませんわ!そこ弱いンッ!からぁハァン!イヤッ!ンクゥ!」

愛海「ここかな?ここが弱いのかな?」モミモミ

桃華「ヒャンッ!そこっ!そこですのぉ!いやっ!見な、ン、いでっ!ンファ!」

愛海「ウフフ、桃華ちゃんのいい所見ーつけた」

桃華「ダメですの!それはぁン~~~~~~~ッッ!!!」ビクンビクン

桃華「ハァ……ハァ……膝が……」ガクッ

愛海「ふぃーーっ!ありがとう桃華ちゃん!ところでね!」

桃華「フゥ……ハァ……な、何です、の……?」

愛海「ドンドン他の人のおっぱいも揉みに行くから、手伝ってくれると嬉しいなって」

桃華「い、いやに決まってますわ!何でわたくしがそんな事を……!」

愛海「あ、そう……じゃあ桃華ちゃんだけで満足するしかないね」シュン

桃華「いや顔だけ悲しそうにしても指の動きが卑猥ですわ!やめて!手伝いますから!お願いしますわそれだけは…ンヒンッ!」

愛海「もう回復した?キツかったらちゃんと言うんだよ?無理は禁物だからね」

桃華「いや誰のせいだと……もういいですわ、早く済ませてしまいましょう。皆様には悪いですが……」

愛海「今事務所に一人でいるのは…西園寺琴歌さんだね。二時間後に仕事に出るけどいつもあの人早く来るから」

桃華「その周到さが恐ろしいですわ」

愛海「じゃ、早速行こうか」

桃華「琴歌さんすみません……すみません……」

愛海「琴歌さん、おはよーございます」

桃華「ご、ごきげんよう……」

琴歌「あらごきげんよう。お二人とも何か用事でも?」

愛海「用事というか……その……ちょっと相談が……」

琴歌「まあ、相談ですか?私に力になれる事があるならお聞きしますよ。どうなされたのですか?」

愛海「それが……その……」

琴歌「ええ」

愛海「桃華ちゃん!今だよ!」

桃華「琴歌さん申し訳ありませんわ!お許しを!」

琴歌「へっ?」

愛海「(桃華ちゃんの体格じゃ動きを止められるのは一瞬…でも!その一瞬は私にとっては十分!)」

愛海「貰ったァ!」ズバァン

琴歌「何を……ひゃあ!それは私のブ……下着!い、一体それをどうなさる気で……!?」

愛海「このブラジャーには興味ないよ。一応嗅いでおくけど(スンスン」

愛海「しかし!本当に用があるのは……」

琴歌「ヒッ」

愛海「そのグランドキャニオン(B87)だああああああああ!!!!!!!」

琴歌「いやああああああああああ!!!」

愛海「ほらほらほらほら!!!」

琴歌「やめ、やめええええンアッ!!!」

愛海「敏感なのはこのサウスリム(右乳)かな~~~?それともノースリム(左乳)かな~~~~???」

琴歌「んふァ!!あぅ、そこはくふぅん!!」

愛海「ここかな?ここだね?」

琴歌「いやっ、いやっ、服の、下は、あくっ、ふああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ…………」ビクビクッ

愛海「フーーーーーーッ」

琴歌「はぁ……はぁ……どう、して……」

桃華「ひえぇ……」

愛海「ごめんなさい琴歌さん。じゃっ、次行こっか」

琴歌「ま、待って……」

愛海「?」

琴歌「相談が……悩みが……フゥ……あるの、でしょう?私は……ハァ……こんな事で誤魔化されは…」

愛海「……琴歌さん」

琴歌「は、い……?」

愛海「もう一回揉むね?」

琴歌「ああああああああああああ……」ビクビクッ

桃華(鬼……)

愛海「えーーっと、次の標的は……」

桃華「愛海さん」

愛海「……なぁに?」

桃華「先ほどの琴歌さんの言葉は」

愛海「……次行こう」

桃華「愛海さん!」

愛海「次、行こう」

桃華「っ!」ビクッ

愛海「次は雪乃さんのとこに行こっか。多分あの人は給湯室かな」

桃華「紅茶が好きでいらっしゃる方ですものね」

愛海「いやー、一目見た時からずっと揉みたいと思ってたんだよね!楽しみだなあ!」

桃華「止まる気すら見せませんわね……」

愛海「ウェスト絞る服着てる事多いしさ?あんな感じで双頭を強調されたらそりゃあこっちも辛抱堪らん訳だし今からする事はある意味雪乃さんにも責任が……」

桃華「いじめられる方が悪い理論には賛同しかねますわ」

雪乃「~~~~♪」


愛海「あ、雪乃さんいるね」

桃華「楽しそうに紅茶淹れてますわね」

愛海「雪乃さんの淹れる紅茶っておいしいんだよねー」

桃華「家で飲むよりもずっと美味しいですわ」

愛海「……やっぱりそんな感じで普段からお世話になってるしねえ」

桃華「そうですわ愛海さん、やめるなら今の内――」

愛海「でも揉みます」

桃華「ちょっ」

愛海「揉みます」

愛海「雪乃おね~えちゃん」キャピッ

桃華(あれは……妹モード!)

雪乃「あ、あらおはよう愛海ちゃん」ドキッ

桃華(早くも陥落寸前ですわ)

愛海「あのね?雪乃おねえちゃん、あたしお願いがあるんだけど……」キャルン

雪乃「え、ええ、どのような?」

桃華(年上のあのような感じってあまり見たくない気が)

愛海「ギューって、させて?」キャルルン

雪乃「ああ、うう……だ、駄目ですわ、さすがに胸を触らせるのは……」

愛海「チイッ!!『おねえちゃん』より『お姉様』でいくべきだったか……!」

桃華「いやもう一押しで平和に行けたでしょうに!!!!」

雪乃「え?え?桃華ちゃん?というか『チイッ』って愛海ちゃん――」

愛海「大人とはいえ虚を突かれれば弱いもの!そのブラ貰ったあ!!」シャン

雪乃「きゃあ!!愛海ちゃん落ち着いて……」

愛海「遅いっ!」

雪乃「ああ!下着を返してください!!」

愛海「返してと言われて返すような非常識な人間がいますか!!」

桃華「今あなた常識説ける立場じゃないでしょう!!」

雪乃「それもそうですわね……配慮の無い発言でしたわ」

桃華「雪乃さん!?」

愛海「じゃあおっぱい触ってもいいですか?」

雪乃「仕方ありません」

桃華「雪乃さん!!!?」

愛海「じゃあ遠慮なく……生で」

雪乃「ええ!?服の下からですか!?」

愛海「え?」

雪乃「いえてっきり服の上からかと……」

愛海「ああー……ああ、まあ、はい、じゃあ服の上からでもいいです」

雪乃「それなら大丈夫ですわ」

桃華「いや大丈夫じゃありませんわ!!目を覚まして!!」

愛海「と見せかけてやっぱり服の下からだああああああああああ!!!!!」

雪乃「そんな!約束が違うンアあぁン!!」

愛海「あらあら?ちょっと触っただけなのに…敏感なのかな?」

雪乃「そんな……はふぅう…そんな事は……ぁあん!」

愛海「ふふっ……雪乃さんっていい声で鳴くんだね…」

雪乃「いぎッ……意地悪……んぅ!……言わない、でぇ……!」

愛海「立派なキリマンジャロとブルーマウンテン(B92)をぶら下げて、やっぱり男の人とかにジロジロ見られたり?」

雪乃「ひあっ……やめてぇ……キリマンジャロさわさわしないでぇ……」

桃華「それ紅茶じゃなくてコーヒーの産地ですわ」

愛海「誰かに触らせた事は?」

雪乃「ありませんっ……ッ……わ…」

愛海「じゃああたしが初めてなんだあ……」

雪乃「ンくフゥ……!そうで……ヒグッ……す、わ…」

愛海「初めては怖いよね、恐ろしいよね、でもそんなに心配しないんでいいんだよ?」

雪乃「えっ……」

愛海「こうやって触られる内に気持ち良くなっちゃうのも、仕方無い事なんだよ、何もおかしい事じゃないんだよ」

雪乃「おかひく……ひゃうっ……ない……っ?」

愛海「そうだよ、だからほら、我慢しないで……」

雪乃「……ッん!!」

愛海「声、出して?」

雪乃「……ああアあ!!!ふあぁ!!!くぅうんっ……はふぅうっ!!」

愛海「気持ちいい?」

雪乃「んぅああぁ!!もう!だめ!!だめですわあッ!!らめなのぉおおオオ!!!!」ビクンッビクンッ

愛海「結構なおっぱいでした」

雪乃「んふぅううう……はぁ……んあ……はっ……」

桃華「途中からノリノリでしたわね」

愛海「言葉責めにも目覚めそうだよ」

桃華「そして段々恐怖が薄れてる自分に驚きが隠せませんわ」

愛海「慣れだよ」

桃華「麻痺ですわ」

愛海「次のターゲットは~」

桃華「はい」

愛海「菲菲ちゃんです」

桃華「ご実家がかなり裕福だそうですね」

愛海「でも『お淑やか』というよりは『活発』なタイプだよね」

桃華「グイグイ引っ張ってくるので一緒にいて楽しいですわ」

愛海「それあたしもじゃない?」

桃華「あなたには今引きずり回されてますの」

菲菲「おはよーダヨー!」

愛海「あ、菲菲ちゃん来た」

桃華「何か用事でもあるんですの?」

愛海「いや、あたしがメールで呼んだ」

桃華「やりたい放題ですわね」

愛海「乳の為なら三千里ってやつだね」

桃華「だったら事務所に呼ぶんじゃなくて愛海さんがご自宅に伺うべきではないでしょうか」

愛海「それと桃華ちゃん、今の内に言っとくけど……」

桃華「どうしたんですの、そんなに改まって」

愛海「もしあたしに何かあったら、桃華ちゃんが代わりにおっぱいを揉むんだよ?」

桃華「意味分かりませんわ」

愛海「杞憂で終わればいいんだけどね」

桃華「いやもう制裁加えられるのは確定的……あれ、清良さんも真奈美さんも早苗さんも今日は不在ですの?」

愛海「その日をわざわざ選んだんだよ」

桃華「あなたもう捕まった方がいいですわ」

菲菲「何話してるんダー?」

愛海「菲菲ちゃんのおっぱいについて」

桃華「バカッ!!」

菲菲「おっぱ……エ?」

愛海「菲菲ちゃんの泰山(B82)!いただきます!!」スパァン

菲菲「アア!それふぇいふぇいのブラジャー!!」

愛海「フェイちゃんごめんね?こんな事の為に呼び出したりして」

菲菲「そーダヨ!!わざわざ来たのにィン!!」ビクッ

愛海「さっきよりも10cm小さいとはいえ、弾力がありとても健康的でいいですねえ」

菲菲「アアン!だめダヨそこは!!」

愛海「ダメなんかじゃないヨー全然いい具合ダヨー」

菲菲「そんな触り方しないでヨー!」

愛海「何をおっしゃいますか!!いやらしいチャイナ服で誘惑した事を忘れたとは言わせません!」

菲菲「そんなつもりじゃ……アイヤー!!!」

愛海「華僑がマフィアがナンボのモンじゃあああい!!!」

菲菲「アアアアア!!!!そんナァ!!!」

愛海「こっちには櫻井家がバックにいるんじゃああああい!!!」

桃華「いや勝手にアテにしないで戴けます!?」

菲菲「アアッ!!ふぇいふぇいの家はまふぃあじゃないイイイィィアハアアァァァ……!!」

愛海「国際交流だよ菲菲さん!これは異文化交流なの!!」

菲菲「フッ、ンンゥ!!意味分からないネ……クゥンッ!!」

愛海「さらけ出して菲菲さん!あなたの文化(おっぱい)を!!文化(あえぎ)を!!文化(れつじょう)を!!!

菲菲「モ……モウ……!!」

菲菲「救命阿ーーーーー!!!!!」ビクビクゥ

愛海「ごっつぁんです!!!」

菲菲「ひどい……ひどいヨ……」

愛海「3000年の歴史を感じる……とてもよいおっぱいでした」

桃華「菲菲さんは15歳ですわ」

愛海「中国語の喘ぎ声ってあんなんなんだね、ジューミンアー!って」

桃華「あれ確か『助けて』って意味だと思うんですが」

愛海「細かい事気にしてたらおっぱい育たないよ?」

桃華「あなたが異文化交流だののたまってたんでしょうがぁぁぁぁぁっ……!!!」

愛海「どうどう、意識飛ばしてる菲菲さんに毛布かけとかないとね」

桃華「そういう優しさを、こう、なんで揉む前に持てないんですの!?」

愛海「優しく揉んでるんじゃん」

桃華「そういう意味じゃ……もういいですわ」

愛海「次のターゲットは……セイカ・スズミィィヤさんだね」

桃華「そうですわね」

愛海「ツッコミのキレがなくなってない?」

桃華「そうですわね」

愛海「もう疲れた?」

桃華「そうですわね」

愛海「おっぱい揉んでいい?」

桃華「今はやめてくださいまし」

愛海「星花さんは可愛いよねー」

桃華「快活で色んな事に楽しそうに取り組む人ですわ」

愛海「髪型がコロコロ変わるのも面白いよねっ」

桃華「わたくしはツインテールが好きですね」

愛海「あ~分かるよー」

桃華「ですからもう、やめにしませんか」

愛海「揉みます」

・・・・


愛海「星花さーん!おっはよーございます!」キャピッ

星花「あら愛海ちゃん、ごきげんよう♪」

愛海「今日もバイオリンのお手入れですかっ?」キャピピッ

星花「ええ、そうですわ♪」

愛海「星花さんって、バイオリン持ってると活き活きしてますよねっ」

星花「うふふ、そうなのですか?」

愛海「うんっ!」

桃華(……)

愛海「バイオリン弾く時って首のどの辺に置くんですか?」

星花「ええ、大体この辺ですね」

愛海「この辺?」

星花「うふっ、くすぐったいですわ♪」

愛海「首が痛くなったりしないんですか?」

星花「顎あてを使うんですよ」

愛海「へー」

星花「愛海ちゃんもバイオリンに興味が?」

愛海「うーん。どっちかって言うと……」

星花「?」

愛海「おぉーっと!!手が滑ったァァァ!!!」スパァン

星花「ひゃんっ!?」

愛海「興味があるのはこっちですよ、星花さん……」

星花「ちょ、ちょっと!?どうして下着を!?」

愛海「顎あても胸あてコミック雑誌も要らない!!」

愛海「喜びが絶えないのは!!」

愛海「そこにおっぱいがあるから!!」

桃華「説明になってませんわ」

愛海「その八分音符(B82)を!あたしに聴かせて!!」

桃華「段々詩的になってきてますのね」

星花「桃華ちゃん!?愛海ちゃん!?」

愛海「それではいざ!いただきます!!」

星花「なっ……!」

星花「なんのっ……!!」

愛海「むっ……!?」

桃華「あの眼差しは……!」



愛海「『高貴な眼差し』!?」

星花「……!」キッ

桃華「これは……」

愛海「デバフ……!!」

星花「ふふっ……!攻撃力を落とさせていただきましたわっ!」

愛海「そうきましたか……!桃華ちゃん!援護を!!」

桃華「あいにく自分の攻守アップですわ」

愛海「京都気分かー!そうかー!!」

星花「これで愛海ちゃんも手が出せないはずです!!」

愛海「……」

星花「……」

愛海「いやそんな訳ないよね」

星花「ひああああぁぁぁぁぁぁぁ……!!」

・・・・


愛海「スキルはライブバトル以外では無意味だよ」

桃華「やってるのは痴漢行為ですものね」

愛海「愛を確かめてるんだよ」

桃華「愛の強盗ですわ」

愛海「なにそれカッコいい、カリオストロの城みたい」

桃華「ルパン見たことないから分かりません」

愛海「愛の強盗かー、なるほどー」

桃華「」イラッ

愛海「まあそんな愛の強盗の今日のターゲットはあと1人です」

桃華「やっと解放されますわ……」

愛海「本当は千秋さんとか翠さんとかにも突撃したかったんだけどねえ、今日はいないみたい」

桃華「じゃあ今いるのは……」

愛海「水本ゆかりさんだよ」

桃華「一応お聞きしたいのですが」

愛海「なに?」

桃華「今日事務所にいるのって……」

愛海「大体の人はお仕事前だよ」

桃華「おおう……」

愛海「桃華ちゃんは?」

桃華「わたくしは忘れ物を取りにきただけですわ……それがこんな事に……」

愛海「桃華ちゃんがいてくれたのはかなり嬉しい誤算だったよねー」

桃華「わたくしとしては人生レベルの不注意でしたわ……」

愛海「仕事前だし緊張をほぐすという意味でもこのスキンシップは重要だよねっ!」

桃華「もういいですわ……早く終わらせてしまいましょう」

愛海「桃華ちゃんノリ気だね~♪」

桃華「いやノリ気って――」

愛海「そんな桃華ちゃんの期待に応えるべく早速行くよ!」

桃華「」

・・・・


愛海「ゆかりさーん」

ゆかり「あら、おはようございます愛海ちゃん」

愛海「何やってるのー?」

ゆかり「お芝居の台本に目を通しているんですよ」

愛海「勉強熱心だねー」

ゆかり「舞台の稽古は大変ですから」

愛海「ところでゆかりさん」

ゆかり「どうしました?」

愛海「ノーブラオブリゲーションって知ってる?」

ゆかり「?」

愛海「まあ簡単に言えば『お嬢様はブラジャー外そう』って話なんだけど……」

ゆかり「……それが?」

愛海「……例外じゃないよね……ゆかりさんもさあっ!!」ビュン

ゆかり「!!」

愛海「そのブラ貰っ――」

ゆかり「甘い、ですよ」

愛海「!?」


パシィッ


愛海「ッ……」

愛海「その技は……!」

ゆかり「マ・ワ・シ・受け……」

愛海「有り得ない……そんな空手の高等技術を使えるのは……っ」

ゆかり「その『ただ1人』と最も親交が深いのは誰か……考えれば分かる事でしょう?」

ゆかり「私のブラジャーを外したいなら、戦車かミサイルか有香ちゃんを持ってきてくださいね」ニコッ

愛海「……」

ゆかり「それでは愛海ちゃん、私の胸は諦めて――」

愛海「諦めないよ……」

ゆかり「……あら」

愛海「あたしは……これ以上の喜びも知らないし……これ以上の幸せも知らない……だから……!!」

愛海「このくらいの壁もなく全ての山を踏破できるなんて……そんな甘い考えで胸なんか揉んでない!!」

愛海「そのブラは、必ず貰う!!」

桃華(き、聞いてませんわ……ゆかりさんがあんなに強いなんて……)

桃華(愛海さんに勝てる相手ではないのでは……)


愛海(空手を相手に打ち合えば当然勝てないけど……)

愛海(『組み技』なら対応できない筈……!勝機はそこにある……!)


ゆかり(と、考えるのが定石)

ゆかり(襟を掴んだ瞬間――)


ゆかり(――決めます)

愛海「あー……ところで」

ゆかり「?」

愛海「有香さんと一番仲が良いのって、雅さんだっけ?」

ゆかり「……」

愛海「同い年だし、有香さんもアダ名で呼んでて仲良さそうだもんね」

ゆかり「……」

愛海「今日も2人でお仕事だったかなあ?」

ゆかり「……何を――」

愛海「貰った!!!!」

ゆかり「っ!!」

愛海(ゆかりさんを最も動揺させる話題なんて簡単に思い浮かぶ……!)

愛海(いくら鍛錬を積んでも不意打ちには――)

ゆかり「不意打ちをすれば襟を掴めると思っているようですが……」

ゆかり「その襟は『掴ませた』に過ぎません」

愛海「なっ……」

ゆかり「来ることが分かっている不意打ちなど怖くはありませんよ」ブンッ

愛海「ッ……!」

桃華(体を捻っただけで愛海さんのバランスが……!)

愛海「柔(やわら)まで……!?」

「中野有香を激昂させてはならない。
成人男性が数人掛かりで抑え込んでも止められないからである。
彼女は空手の達人であり、ダーツ一本でダーツボードを叩き割る筋力を有する。」




「そしてそれは――――」




「中野有香から手ほどきを受けた水本ゆかりについても同様である。」


――『松田亜利沙のアイドルレポート』より抜粋

ゆかり「敵は女子一名、明確な意図を持った猥褻行為、警告済み――警戒レベルは『3』」

桃華(あれは……!!)

ゆかり「反撃による攻撃を解禁します……ごめんね?」

愛海「……やっ、ばっ」

愛海(正拳突き――)

愛海(これはさすがに――)

愛海(桃華ちゃん、ゴメ――――)

桃華「危ないっっっっ!!!!」

愛海「――――えっ?」

―――――――――
――――――――
―――――――


『どうしてあなたには協調性がないんですの!?』

『別に、アタシはパパの言う事以外聞きたくないし』

(……?)

『そういう所ですわ!』

『何よ!アンタが偉そうにしたいのは勝手だけどアタシにいちゃもん付けないでくれる!?』

(ああ……これは……)

(走馬灯か……夢か……どちらかですわね……)


『もう我慢なりませんわ!!』

『こっちの台詞よ!!』

(梨沙さんが入って来た当初は……仲が悪かったですわね……)

(今は打ち解けられるようになりましたが……)

(あら……?)

(梨沙さんと仲良くなった発端は……確か……)

『喧嘩なんかしちゃってどうしたのかな~?』


『人の話に急に首突っ込まないでくれる!?』

『これはわたくしと梨沙さんの問題ですわ!!』

『あーん手厳しいーっ、でもね、あたしが突っ込みたいのは梨沙ちゃんのその胸の方かな~』

『キモチワルイ事言わないでよヘンタイ!……えっ、ちょっと、なんでこっち来るの!?』

『ねえ!ちょっと!待って!ねえってば!嘘でしょ!?』

『ヒャッハーーーーーーーーー!!!!!』

『ギャーーーーーーーーーーー!!!!!』

『これは中々の成長性を持つおっぱいだよ!!うん!!最高!!』

(そうですわ……これで……)

『分かったかな2人とも?おっぱいの前にはみんな平等!仲良くしなきゃねっ!』

『うぅ……グシュッ……揉んでいいのはパパだけなのに……』

『いくら何でもヒドいですわ愛海さん!』

『えっ』

『桃華ぁ……』

『梨沙さん、こういう時は近くにいる折檻係の人に助けを求めるんですのよ』

『あ、あれぇ……?この流れでも普通にチクられ――げぇっ!清良さん!?』

『何も知らない新人さんに襲いかかるとはいい度胸ね』

『いやいくらなんでも早――ぴぎゃああああああああああああ!!!!!』

『ぐすっ……ありがとう、ね』

『いいんです、困った時はお互い様ですわ』

『それと……その……』

『はい』

『ゴメン、ね?さっきは……』

『いいえ、わたくしも悪かったですもの』

(無事に仲良くなれたのは……)

(愛海さんに助けられたからですわ……)

(だから……)

(だから……!!)

ゆかり「…………」

愛海「…………」

ゆかり「…………」

愛海「…………なん、で?」

ゆかり「……どうして立ち上がったんですか?」

愛海「桃華ちゃん!!」


桃華「…………さあ」

桃華「わたくしにも分かりませんわ……」

ゆかり「……物陰で見ていた事は分かっていましたが」

ゆかり「状況から推測すれば桃華ちゃんもターゲットにされた上で脅されて動いていると思いました」

ゆかり「愛海さんを庇ったあなたに突きを当ててしまった事は申し訳ないですが、そこで倒れたふりをしていればやりすごせた筈」

桃華「仰る通りですわ、わたくしったら一体何をしているのやら」

ゆかり「……大方、付き合わされる内に奇妙な友情めいた物が生まれたのでしょうが」

ゆかり「それなら、言っておかなければならない事があります」

桃華「?」

ゆかり「愛海ちゃんが胸を揉むという行為、決して褒められる事ではありません」

ゆかり「愛海ちゃんのご友人であるなら、それを止めるのが務めなのではないですか?」

桃華「……ふっ」

ゆかり「……?」

桃華「勘違いされては困りますわ、わたくしは愛海さんの友人ではありませんもの」

愛海「えっ」

ゆかり「なっ」

桃華「友人でなければ愛海さんを更生させる義務などありません」

桃華「ワルな事をしようとするならしぶしぶ付いて行きますし」

桃華「胸を揉みたいと言うなら嫌々手伝いますわ」

桃華「それが……」




桃華「それが、『悪友』というものでしょう?」

愛海「桃華ちゃん……」

ゆかり「……」

ゆかり「何であれ、事実として桃華ちゃんは桃華ちゃんの意思で私の前に立ちました」

ゆかり「敵は女子2名、目的は依然変わらず、強い意志有り――警戒レベルを『4』に変更」

ゆかり「能動的な攻撃を解禁します!」ダンッ

愛海「……ッ!」

ゆかり(作戦を練る時間も与えません!愛海ちゃんから落として戦意を削ぎます!)

愛海「チィッ!!」

愛海(作戦は既に『伝えている』けど……!伝わっているかは分からない……!)

愛海(やるしかないっ!信じるしかっ……!)

愛海「負けるかぁ!!」ダンッ

ゆかり(向かってくるだけ……!胸への攻撃を警戒しながら突きを……!)

愛海(ギャンブルもいい所だけど……行くッ!)

ゆかり「スゥーーーーーー……」

愛海(来、る……!!!)

ゆかり「せっ!!!」ダンッ

愛海「あたしのっ……狙いはぁぁぁぁ!!!」

ザンッ

ゆかり(躱した……!?)

ゆかり(違う……!これは……!!!)

愛海「始めからあぁぁぁ!!!!」

ゆかり(私の……腕を……!!!)

ガシィ

愛海「貰った……っ!!!」

ゆかり(獲られた……!!?)

ゆかり(何故腕を!?胸ではなく!?)

ゆかり(二の腕と胸の柔らかさが同じだから……!?)

ゆかり(いえ……!!)

ゆかり(違う……!!あれは……!!)

ゆかり「一体……!!『いつ』からそれを!!?」

愛海「ずっと前に伝えてたんだよ!!」


『それと桃華ちゃん、今の内に言っとくけど……』


愛海「桃華ちゃん!!後は!!」


『もしあたしに何かあったら――』


桃華「任されましたわ!!!」


『桃華ちゃんが代わりにおっぱいを揉むんだよ?』

ゆかり(愛海さんの胸への執念をブラフに私の腕を封じ)

ゆかり(『揉む』という目的そのものを捨ててまで、私の胸を……)

愛海「揉む事はできなくても!!」

愛海「羞恥に歪む顔が見られればいい!!」

愛海「その感触を後でじっくり聞けばいい!!」

愛海「勝利っていうのはそういう事だよ!!」

ゆかり(完敗……ですわね……)

ゆかり(執念に気を取られ、情熱を甘く見た私の……)

ゆかり(ごめんなさい……)

ゆかり(有香ちゃん……ごめんなさい……有香ちゃん……!)


ゆかり「ごめんね……!」

――――


ゆかり「……」

桃華「……すみません」

ゆかり「……」

桃華「……愛海さん、わたくしには揉めませんでしたわ」

ゆかり「どう、して……寸前で……?」

桃華「いえ……」

桃華「何か、大切な物を秘めるその胸は……わたくしが揉むには手に余りますもの」

桃華「ご期待に沿えず申し訳ございません」

愛海「んーん」

愛海「あたしが桃華ちゃんでも、多分同じだったよ」

ゆかり「ふっ……」

ゆかり「ふふっ」

ゆかり「うふふふふふ!!あははははは!!!」

ゆかり「何だか、気が抜けました」ポスン

愛海「あたしもドッと疲れが出てきたよ……」ドサッ

桃華「本当に疲れましたわ……」パタン

愛海「今回は引き分けだねー」

ゆかり「次は惜しかったとも言わせませんよ」

桃華「もうわたくしは巻き込まないでくださいね……」

愛海「それじゃあ、今日は帰ろうかな」

桃華「仕事も無いのに胸揉む為だけに事務所くる神経は分かりませんわ」

愛海「好きな物の為なら何だってできるんだよ」

ゆかり「桃華ちゃんにもいつか分かりますよ」

桃華「ゆかりさんもそっち側でしたのね……」

愛海「じゃあね!二人とも!」

愛海「明日はどんなおっぱいが揉めるかな~っと」ガチャ

清良「…………」

愛海「…………」

愛海「あ、あの……」

清良「何?」

愛海「直腸検査は、もう勘弁して欲しいかなって……」

清良「それなら大丈夫よ。直検はしないわ」

愛海「え?ほんと?」

清良「ええ」

清良「検査するのは」


清良「結腸の方よ」

愛海「ヒッ――――」

桃華(その日……)

桃華(今まで誰も聞いたことの無いような叫び声が町中に響き渡りました)

桃華(休日を潰され愛海さんの折檻に向かわされた清良さんの私怨も相まって)

桃華(『腕ってあそこまでお尻に入るんですね』というゆかりさんの言葉に返事に黙って頷く事しかできない程に)

桃華(そのお仕置きは凄惨を極めたのです)



清良「これは琴歌ちゃんの分!これは星花ちゃんの分!これは明日返却で今日見ようと思ってた情熱大陸のDVDの分!!!」

愛海「あひああああああああああぁぁっぁぁぁぁぁぁぁがががががが!!!!!!!!」

桃華「……悪い事はするものじゃありませんわ……」

清良「あら?何を無関係みたいな顔でいるの?」

桃華「は?え?いや、いやいやそれはいけませんわ――」

清良「人間に手が2つあるのはね……」

清良「2人同時にお仕置きする為なの」

桃華「いや絶対違――ちょっと、離れて、清良さんそこはヒャアアアアアアアアアア!!」



おわり

おまけ1


P「正座」

愛海「できる訳ないじゃん、逆さに吊るされてんのに」

P「それでもやれ」

愛海「ジャッキーでも無理だって」

P「お前自分が何やったか分かってるのか?」

愛海「欲望に忠実に生きたよ」

P「だろうなあ」

P「お前なあ、今日は琴歌、撮影あったんだぞ?」

愛海「知ってるよ」

P「今日の撮影がどんだけ大変だったかお前分かるか!!?ええ!!!?」

愛海「そうなの?」

P「そうだとも!!!琴歌がなあ、いつもの20倍くらい色気があってなあ!!!」

P「お前、ホントみんな大変だったんだぞ!!!?男のスタッフ全員前屈みで撮影だぞ!!!?場慣れしたカメラマンまで!!!」

P「撮影終わったらもうみんなスタンディングオベ-ション!!帰ったらそのままマスターベーションさ!!」

愛海「清良さーん」

P「違う違ーーう!!今のは言い過ぎた」

P「もうな、スタッフとか、スポンサーさんとか、みんなして『またお願いします』だよ!!」

P「最高の出来になるね!!琴歌の写真!!!」

愛海「じゃあ良かったじゃん」

P「良くなーーーーい!!!!結果オーライすぎるんだよお前ら!!!」

愛海「撮影前日の人を飲みに連れてって全身キスマークだらけにした友紀さんよりマシでしょ」

P「同レベルだよ!!」

愛海「あーなんか頭に血が溜まってきた」

P「聞けやコラ!!!」

おまけ2


千秋「……」ズズズ

千秋「私も事務所にいたのだけどね」

美里「揉まれたかったのぉ?」

千秋「それはないわ」

美里「じゃあなんで~?」

千秋「なんというか……所謂『お嬢様』の気品が足りないのかしらって」

美里「そんな事ないよぉ~」

千秋「そうかしら」

美里「足りないのはどっちかっていうと、愛嬌?」

千秋「なっ」

美里「もっとニコニコしてればいいんじゃなぁい?」

千秋「そういうのは……あまり私には……」

美里「えぇ~、千秋は笑ってる方が可愛いのにぃ」

千秋「か、からかわないでくれる?」

美里「からかってなんか、ないよ?」

千秋「もう……」

美里「試しに一回笑ってみてよぉ」

千秋「ま、まあ、美里が言うなら……」

千秋「ちょっと待ってね……私にも心構えが……」

千秋「優しく……優しく笑うのよ私……!」

千秋「行くわよ……!」

千秋「こ、これでどうかしら?」ニコッ

美里「あ~、今度行くなら熱海がいいいかなぁ?」

千秋「あなたがやらせたんだから見なさいよ!!!!

おまけ3


晴「愛海さんに胸揉んでもらったら仕事が上手くいくってよ」

ありす「そんな迷信は興味ありません」

晴「お前の小っちゃい胸も大きくなるかもな」

ありす「それこそ迷信です!!胸を育てるにはきちんと栄養を摂る事が――ハッ!!」

晴「へー」ニヤニヤ

ありす「な、なんですか……」

晴「優等生のありすちゃんはそういう事も調べちゃうんだなー」

ありす「ち、違いますから!!」

晴「フーン、じゃあそのタブレット貸せよ」

ありす「ああ!!それは!!」

晴「どれどれー……ってお前!!」

ありす「ヒィッ!!」

晴「アーーーッハッハッハッハ!!!!!ブックマークしてる!!!!胸が大きくなる方法書いてるサイトブックマークしてる!!!!」

ありす「いやああああああ!!!!!やめてください!!!!」

晴「ちひろさーーん!!ありすのお弁当はイソフラボン?とかいうヤツが沢山入ってるのにしてやってよ!!」

ありす「もう……もう絶対許しませんからああああああ!!!!!」



おわり

おわりだよー(●・▽・●)


過去作は

西園寺琴歌「激論!朝までそれ可愛い」

姫川友紀「冬の朝にキャッチボールを」

城ヶ崎美嘉「これ入れ替わってるー!?」

北条加蓮「正妻選手権だって」

多田李衣菜「事務所で一番可愛い子って」

木村夏樹「だりー、ライブどうだった?」

白菊ほたる「スキヤキソング」

だよー(●・▽・●)

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