P「誰かのノック (126)



6月に入り、梅雨入りの影響で毎日雨が降る今この頃…


P「嫌だな~…」


などと嘆きつつ、俺はニコ動を見ていた


P「おっ、765プロもランキングに入るようになったか」


嬉しい事だが、これは違法にアップロードされた動画だ


もったいないけど、消すしかない

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1402025180

カチカチッ…


P「これでOK」


コンコンコン…


P「うん?」


突然玄関のドアがノックされる


P「こんな時間に誰だ?」


チラッ

時計を見ると、時間は2時11分…夜中だ


コンコンコン…


P「(まただ…)」


部屋に変な空気が流れる


P「(あり得ないけど、もしかして霊的な何かか?)」


そんな事を考えると、なおさら怖くなってきた…


コンコンコン…コンコンコン


ノックする間隔が短くなる


P「怖い…」


コンコンコン…コンコンコンコン…


P「(いや、考えるんだ、誰かのイタズラかもしれない)」

意を決し、玄関に向かう


コンコンコン…ゴンッ!!


P「うわっ?!」


俺は驚いて、思わず尻餅をついてしまった


…………………
………………
……………
…………
………
……

どれくらい時間が経っただろう…


相変わらずドアを叩く音が部屋に鳴り響いていた


P「くそ…怖ぇ…いつまで続けるんだよ…」


あっ、そうだ!


俺は『ある事』を思い付いた


P「けっ、警察!」


早く、早く連絡しないと!


ゴソゴソ…ポチッ


P「……………えっ?」





2時11分…そう表示されていた




P「えっ?なんで?」


頭が混乱する


P「(落ち着け俺!スマホが壊れたんだ!そう、それしか考えられない!)」


無理やり思考を『いい方行』に向ける


ゴンッ!バンッ!ドンッ!


だが、そんな行為も虚しく、執拗にドアが叩かれる


P「あ~もう!いい加減にしろ!!」


我慢の限界を越え、俺は玄関に駆け寄った


P「いい加減にしろ!近所迷惑なんだよ!!」


ドンッ!


怒りを力に変え、ドアを蹴った

シーン


すると、先程まで響いていた音が止まった


P「………静かになったな…」


P「(逃げたのか?)」


俺は、覗き穴を覗く



ソロ~…


恐る恐る覗き穴を覗くと、真っ黒な『何か』が見えた


今日はこれにて終了します

P「何だこれ…」ボソッ


ギョロッ…


P「?!」


俺はこの時理解した


この真っ黒な『何か』は、ドアを挟んで向かいにいる『何者かの目』だと

P「うわっ?!」


恐らく、向こうも覗き穴を覗いていたのだろう


俺は後ずさり、『何か』に備えた


本能が『備えろ』と警鐘を鳴らしているのだ


ゴンッ!ゴンッ!ドンッ!

???「アケテクダサァイ…アケテェ…」


ゴンッ!ゴンッ!バンッ!!


P「ひっ!?」


扉の向こうから声がした


何処かで聞いた事のある声


しかし、この時の俺は錯乱し、思考がまともじゃなかった


だから、この声の主も分からなかった


それよりも、このよく分からない状況が早く終わっらないかという思考の方が勝っていた


P「あ~もう!早く消えろー!!」



半狂乱の俺は、勢いよくドアを開けた


バンッ!!


一旦終了

チュンチュン…チュンチュン…





P「ん…」


ムクッ…


P「はぁ…夢だったか…」

P「(嫌にリアルな夢だったな…)」


全身を汗で濡らし、ベッドも湿っていた


P「まぁいいか」


俺は出勤する準備をはじめた


1時間後…


P「良し、行くか」


夢で見た光景を思い出し、額に汗が滲む


P「(夢だ夢!気にするな!)」


首を振り、気分を切り替える


ガチャッ…

P「うん、良い天気だなぁ!」


朝日を浴び、伸びをする


P「う~!…………ん?」


何故、この時後ろが気になったのだろう…


何故だかは分からない


そして、振り返った俺は後悔した


P「何だ…これ…」


ぼこぼこに凹んだドア…


それに付着する赤いモノ…


俺は警察に通報した


今日はこれにて終了します

数分後、警察官達が来た


だが…


警察A「…何もなってないじゃないですか」


P「そんな?!『コレ』が見えないんですか!?」


警察B「コレって言われても…」


P「そんな…」

警察A「貴方、変なクスリとかヤってないですよね?」


P「えっ?」


警察B「とりあえず、署でお話しをしますか」


P「ちょっ!?俺は何もヤってない!!」


警察A「確認だけですから」

P「クソッ…なんでだよ…」



しばらく後、事情聴取と薬物検査をさせられた


なんで、こんな事に…


全てが終わり、警察が高木社長に連絡を入れた


数分後、直ぐに社長が迎えに来た

社長は警察官達に頭を下げ、謝罪の言葉を述べていた


帰りの車の中で社長に…


高木「疲れているのだろう。しばらく休みたまえ」


オカシイのは俺なのか?





に~こにこ動画


ドワンゴが、午前2時ぐらいを、お知らせします


P「また、この時間か…」


ブルッ…


ヤベぇ、オシッコしたくなってきた…


コンコン…


来た…


やっぱり、夢じゃなかった


P「…………」


コンコンコン…


そうだ、優しく返事したらどうなるんだ?


P「はっ、は~い…」


シーン…


静かになった…


P「どなたですか~?」


シーン…


P「…………」


…………怖い…


P「用がないなら、ノックをするのを止めて頂けないでしょうか?」


???「……………」

その後、特に何も起こらないまま時間が過ぎていった


P「帰ったか…」


1時間ぐらい経っただろうか、ニュースを観る為にテレビをつけた


ピッ…


P「……………またか」


時間が止まってる…何故だ

コンコンコン…


また始まった…


P「何か原因があるのか?」


コンコンコンコン…バンッ!


P「うるせぇ!!」


シーン…


P「(あっ、何か可愛いかも)」

そう不覚にも思ってしまった

P「…………」


……あの時、何をやって抜け出したんだろうか…


ノックが始まってしばらくして、ビビりながらドアを蹴った


そんでも収まらないからドアを開けた…


『ドアを開けた』…


P「…コレだ」


一か八か、俺は玄関のドアを開ける事にした


コン…コンコンコン


P「(怖い……)」


歯を食いしばり、恐怖を噛み[ピーーー]


P「…コレだ」


一か八か、俺は玄関のドアを開ける事にした


コン…コンコンコン


P「(怖い……)」


歯を食いしばり、恐怖を噛み[ピーーー]

玄関に近づくにつれ、空気が冷たくなる


P「(ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……)」


得体のしれない恐怖に足が震える


しっかり!しっかりしろ俺!!


バンッ!バンッ!バンッ!


近づくにつれ、ドアを叩く音が激しくなる


P「…着いた」


たった数メートルの距離を、数分かけて歩いた


何もしてないのに息が上がる


P「はぁ…はぁ…」


ゴクッ…


いくぞ…


ガチャッ…


P「…………」

開けた瞬間、心臓が強く跳ね、全身から汗が吹き出た


玄関を開けた先には、白いワンピースを着た『少女』が立っていた


辺りは暗く、顔がよく見えない


???「……………」


でも分かる…


俺はこの子と会った事がある

メール欄にsagaっていれるといいよ

余計なお世話かもしれないけど

>>49


ありがとうございます



P「…君は、何故こんな事をするんだい?」


そう問う俺に答えるように、彼女は俺に拳を見せる


P「?!大丈夫か!?」


彼女の拳は赤く染まり、血が垂れていた


ニヤッ…


この時、彼女が不気味な笑みを浮かべたのを、俺は気づかなかった


???「………ヤットアケテクレタ…」


P「えっ?」

彼女の身体からドス黒い『何か』が現れる


???「ネェ…ワタシトヒトツニナリマショウ…」


P「がっ…がはっ……」


どうなってる…んだ?


白いワンピースを着た少女は、片手で俺の首を掴み、身体を地面から浮かせる


言ってる意味が分からないだって?


俺だって、分からないさ…

P「ぐっ!息が…!」


???「プロデューサー…ダイスキ…フフフ…」


P「かっ…はぁ…」


ダメだ…意識ガ…ヤ…ロ…

ピピピッ…ピピピッ…ピピピッ…


P「ふぁっ?!」


ガバッ!


P「はぁ…はぁ…はぁ…」


なんとか…戻れたな……

P「イテッ?!」


首がヒリヒリする


やはり、『アレ』は現実なんだと再確認する


P「………仕事行くか…」


今は、一秒でも長く『アレ』の事を忘れたかった

事務所


P「おはようございます」


音無「プロデューサーさん!もう大丈夫なんですか?」


P「ええ、もう大丈夫ですよ」


音無「あまり無理はしないで下さいね?」

P「ええ、ありがとうございます」


音無「あっ!そういえば…」


P「何かありましたか?」


音無「ええ、ちょっと…」


P「雪歩が休んでる?」


音無「ええ、親御さんからは『風邪だ』っと…」


P「風邪だったら仕方ないじゃないですか」


音無「う~ん、そうなんですけどねぇ…どうも、風邪だけじゃないみたいなんですよ」

音無「たまたま春香ちゃんが『右手に包帯を巻いてる』雪歩ちゃんを見たんですよねぇ」


P「右手に包帯……」


右手に包帯……右手に包帯…


P「あっ!!」


音無「どうかしましたか?」


P「いえ、ちょっと雪歩のお見舞いに行ってきます」


音無「分かりました。いってらっしゃい」

ダメだ…睡魔が…お休みなさい…

ガチャッ!


俺は急いで雪歩の元に向かう


P「(まさか雪歩が…)」


プロデューサーとして自分のアイドルを疑うというのはどうかと思うが、

今はまず、その疑いを晴らす意味も込めて、雪歩に会って話をするしかない


P「(雪歩…)」


貴音「貴方様、そんなに急いで何処に行くのですか?」


P「おはよう貴音、ちょっと雪歩の何処にな。じゃあな!」

ピーンポーン…


ガチャッ…


???『はーい』


P「雪歩か?俺だ、Pだ」


雪歩『プッ…プロデューサー!どうしたんですか?』


P「お見舞いに来たんだが、元気そうで良かった」


雪歩『はっ、はい…大分良くなってきたので…』


P「雪歩」


雪歩『はっ、はい』


P「中に入れてくれないか?少し、話したい事があるんだ」


雪歩『…………えっと、明後日じゃダメですか?』

>>67に抜け発見

正しくは


今はまず、その疑いを晴らす意味も込めて、雪歩に会って話をするしかない


P「(雪歩…)」


貴音「貴方様、そんなに急いで何処に行くのですか?」


P「おはよう貴音、ちょっと雪歩の何処にな。じゃあな!」


ダッダッダッ…


貴音「……………」


P「ダメだ。今、雪歩と話したいんだ」


雪歩『えっとぉ…』


P「頼む…」


沈黙が訪れる

一分位だろうか、何かを決心した様に、雪歩は口を開いた


雪歩『……………わっ、分かりました。ちょっと、待ってて下さい』

数分後、門の向こうからパタパタと走る音がする


ガチャッ…


雪歩「ぷっ、プロデューサー…」


P「雪歩、ありがとう」


雪歩の顔は、前より少し窶れていた


そして、右手には…

P「(包帯…)」


やはり、何か関係があるかもな…


とにかく、俺は『悪夢』から抜け出す為に、どんな些細な情報でも欲しかった

雪歩「首、酷い傷…」


えっ?


P「見えるのか?!」


誰にも見えなかったのに、なんで…


雪歩「えっ?当たり前じゃないですか!」


確定だな…


雪歩はこの件に関係してる

一旦終了

P「あっ、ああ、そうだな。大したことないよ」


雪歩「そうですか…どうぞ…」


P「お邪魔します」


門をくぐり、雪歩に着いて行く


P「(昔ながらの旧家って、感じだな…)」

数分後、客間に着いた


P「(迷子になりそうだな…)」


雪歩「粗茶ですがどうぞ」


コトッ…


P「ああ、ありがとう」

雪歩「それで、お話しってなんですか?」


俺は単刀直入に聞く


P「その包帯の事だ」


雪歩「これは……」


何故か言い淀む

P「どうした?」


やはり、雪歩だったのか?


そんな事を考えていると、雪歩が口を開いた


雪歩「……プロデューサー、私が今から言う事を信じてくれますか?」


P「当たり前だ。俺はお前のプロデューサーだ、自分のアイドルを信じないプロデューサーは居ないだろ?」

雪歩「………昨日の朝、痛みで目が覚めたんです」


雪歩「最初、なんで痛いか分からなくて、右手を見たんです。そしたら…」


雪歩が包帯を解く


ファサッ…


雪歩「こんなふうになってました…」

包帯の中から痛々しい手が現れる


拳は皮が裂け、紫色に腫れ上がっていた


P「……酷い」


雪歩「それだけじゃないんです…今日の朝、また傷が増えてたんですぅ…」


やはり、雪歩と何か関係があるのか…

俺は雪歩の右手にそっと触れ、「ある事」を聞く


P「雪歩、怪我をする前日に、何かをしたか?」


雪歩「何か……あっ!」


P「なんだ?」


雪歩「いっ、いえ、特には…///」


……何故照れるんだ?


まぁ、いい


P「………恐い夢を見たとかは?」

雪歩「恐い夢、ですか?え~と…ごめんなさい、憶えてないですぅ…」


夢は関係ないのか?


P「そうか…分かった、ありがとう。お茶、ごちそうさま」


そう言って俺は立ち上がり、立ち去ろうとしたが…

雪歩「プロデューサー!」


それを雪歩が引き止める


P「ん?なんだ?」


雪歩「あのっ、気を付けて下さいね?」


どういう事だ?

P「?分かった。じゃあ、失礼するよ」


何かが引っかかるが、まぁ、いいだろう


俺は見舞を置いて、雪歩の家を後にした


雪歩「プロデューサー…」

ブォーン…




帰りの車中、さっきの会話を整理していた


目が覚めると怪我をしていた


特に、これといった事はしていない……らしい


夢を見たか憶えていない


そして…


P「気を付けて…か」

悪夢の事か?


あっ、後…


雪歩『いっ、いえ、特には…///』…


何か隠していたな…


女の子が寝る前にする行動…


歯を磨く…お風呂に入る…本を読む…携帯をいじる…詩を書く…後は…

P「………まさかな…雪歩に限ってそんな事は…」


いや、雪歩ももう17歳だ


もしかしたら、もしかするかも…だな



P「……………ん?」



本日は、これにて終了です


一瞬だったが、確かに見えた


バックミラー越しに不敵な笑みを見せる、白いワンピースを着た『あの』少女を…


P「なっ!?」


キキキキキッ!!


驚いた俺は、急ブレーキをかけた


幸い車の通りが少ない道だったために、他の車と接触する事はなかった




だが…

ドンッ!!




ピー!ピー!ピー!…



分離帯に突っ込み、アラートが鳴り響く



P「いっ…てぇ…」

ガチャッ…


ピー!ピー!ピー!…


頭を怪我したのだろうか、ポタポタとアスファルトに血が垂れる


P「はぁ…はぁ…」



辺りを見渡し、助けを呼ぼうとしたが…





P「まただ…時間が止まってる…」

どうして…何が原因なんだ…何故…


???「……フ………タ…」


P「っ…!?」


後ろから聞こえた声に驚き振り返る



本日はこれにて終了です

???「フレテモラエタ…ウレシイ…フフフッ…」


そこに居たのは、同じ白いワンピースを着た少女…


だが、前回よりもハッキリ見える…この子は…

P「…………雪歩…なのか?」


俺は目の前の少女に問いかける


雪歩?「ヒヒッ…プロデューサー……ワタシダケノ…ヒヒヒッ…」


ギュッ…


P「なっ?!」


不意に抱きしめられ、唖然とする俺


とても優しく暖かい…


P「(落ち着くな…)」


雪歩?「ヒヒッ…ヒヒヒヒッ!!」


P「?!」

ギリギリッ!


P「いっ、イテェ!」


ギリギリギリギリッ!!


ミシミシミシッ!


P「ゆっ、雪歩!やめてくれ!!」

雪歩?「プロデューサー…プロデューサー…ドコニモイカナイデ…プロデューサー………」ポロ


フッ……


そう言って、彼女は消えた

P「はぁ…はぁ…終わったか…」ケホッ


ポタポタ…


P「………この怪我どうするかな…」










???「………」

本日は、これにて終了しますm(__)m

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