P「喉乾きません?」小鳥「そうですね」 (34)

~事務所~

P「奢りますよ」

小鳥「えっ?お茶淹れますよ」


P「小鳥さん、俺から……僕からのちょっとした恩返しですよ。何時もお世話になってますし」

小鳥「は、はぁ……な、ならお言葉に甘えて」

P「……」ジャラジャラ

小鳥「プロデューサーさん?どうして小銭を机に…」

P「俺三ツ矢サイダーな」

小鳥「!?」

P「ん?お言葉に甘えるんだろ?」

小鳥「えっ、ぷ、プロデューサーさん?」

P「ほら、俺向こうでヤニ吸ってくっから、早く行けよ」

小鳥「………」

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ガチャ

小鳥「……買ってきました」

P「ん、ありがと」スパー

小鳥「どうぞ」

P「ありがと、流石765のTHE・雑用だな」

小鳥「プロデューサーさん、事務所での喫煙は

P「窓開けてるから、それに窓に向かって吐いてるから大丈夫だ。ほら、お釣り返せよ」

小鳥「………」スッ

P「事務所の冷蔵庫にはサイダー無いからな。ファンタとか甘ったるくて飲めないっての………んしょ」プシュ

ポパプシュワワワァアァ

P「!??!」

小鳥「はい、雑巾です。私はプリント整理が有るので……」

P「……(こいつ、振りやがったな)」

P「……」フキフキ

小鳥「プロデューサーさんプロデューサーさん」

P「なんすか……今、床を拭いてるんですけど」

小鳥「今日、暇ですよね」

P「暇ですか、じゃなくて決めつけるのか…」

小鳥「ですよね。だって未だに彼女の一人も出来ないで毎晩悶えてるんですよね」

P「………」

小鳥「今日は定時で上がりましょう。駐車場集合で」

P「わ、分かりましたよ。今日の仕事終わりに駐車場集合ですね」

~駐車場~

P「で、何処行くんですかね」

小鳥「……」スタスタ

P「……(こいつ、無言で自分の車に乗り込んだよ)」

小鳥「……」

ブロロロロロ

P「い、意味が分からないんだが」

P「……?」ピロリン

P「小鳥っちからライン?」

【着いて来い】

P「………ぶっ殺してぇ」ガチャ

P「一言くれりゃ良いのにさぁ、なんつーか、ムカつくわぁ」

~居酒屋~

P「で、結局呑み屋ですか」

小鳥「すみませーん」

店員「はいはい、ご注文ですか?」

小鳥「生2つに串盛り合わせ。あっ、あときゅうり漬けで」

P「あの、会計は」

小鳥「……」スッ

P「?アンタの財布がどうかしたんですか」

小鳥「中身を」

P「中身……?」パカ

P「………」

小鳥「お給料前ですからね、それに私、無駄使いはしないタイプなんで」

P「ははっ、成る程。奢れと」

小鳥「ありがとうございます」

P「で、なんか用なんですか?」

小鳥「最近…」

P「はい?」

小鳥「最近のプロデューサーさんの私に対する態度なんですけど」

P「は、はぁ…」

小鳥「適当過ぎませんか?私を只の事務員だと思ってますよね?いや、寧ろ何か言えば従う奴隷みたいに思ってません?」

P「……」

小鳥「ムカつくんですよね、気に食わないんです」

P「そうですか…」

小鳥「………あ~、このBBAうぜぇとか思ってますよね」

P「ははは、まさか」

小鳥「思ってますよね?」

P「あぁ、思ってるよ」

小鳥「!?」

P「俺はね、プロデューサーなの。俺が居るから事務所が成り立ってるの」

小鳥「それは自意識過剰ですよ」

P「はい?」

小鳥「じゃあ聞きますけど、春香ちゃん達、売れてますか?」

P「……」

小鳥「律子さん達の竜宮小町だけですよね?売れてるの」

P「ん、まぁ……はい」

小鳥「じゃあ私と同じですね」

P「は、はい?」

小鳥「献上出来てない度合いが私と同じだって言ってるんです」

P「いやいやいや、間違いなく小鳥さんよりは献上してますよ」

P「だってアンタ、適当に書類まとめてるだけでしょ」

小鳥「あ~、それ言っちゃいますかぁ。そんなに私を怒らせたいんですかぁ」

小鳥「言っときますけどね、私は電話の対応に追われてる日だって有るんです」

P「滅多に掛かってこないけどな」

小鳥「それに、事務所の掃除だって有るんです」

P「あんな狭い事務所なんだし1時間有れば終わるでしょ」

小鳥「何時も春香ちゃん達にお茶やお菓子を出してます」

P「ウチは女子会場じゃ無いっすよ?それに、アイドル達を怠けさせてるだけでしょ」

小鳥「ッッッッ!!」

P「……他には?」

小鳥「ま、まだ有りま

店員「はい生2つね」ガチャン

P「まっ、まだ夜も長いんすから呑みましょうや」

小鳥「………ですね」

P「……」

小鳥「あっ、灰皿どうぞ」

P「ん?ありがとうございます。悪いっすね、自分の方が年下なのに」

小鳥「いえいえ、煙草の灰をその辺に落としてたら怒られちゃいますから」

P「小鳥さんは煙草とか吸って無かったんです?」

小鳥「そうですねぇ、吸いたいって思った事すら無いですよ」

P「まっ、元アイドルですからね。しゃーないっすよ」

小鳥「えっ?知ってたんですか?」

P「そりゃあ、まぁ一応」

小鳥「けど私、地下アイドルだったんですよ?どうして知ってるんです?」

P「………」スパー

小鳥「そこで無視ですか」

P「まっ、色々有るんですよ」

小鳥「どうせなんですから教えてくださいよ」

P「秘密っすよ」

~AM0:35~

P「もう0時回りましたね」

小鳥「そうですねぇ、色々話し込んでたらあっという間に」

P「……帰ります?明日、と言うより今日に響きますよ」

小鳥「私達、基本的に休み無いですもんね…」

P「超絶ブラックですよ。それに給料も糞みたいな安さですし」

小鳥「………辞めます?二人揃って」

P「酔いすぎですよ。ほら、帰りますよ」

小鳥「あ~~、明日大雪でも降らないですかねぇ」

P「これから梅雨が来て夏が来るんすよ?さっ、帰りますよ」

小鳥「プロデューサーさんは辞めたいとか思わないんです?」

P「毎日思ってますよ。何が悲しくて毎日毎日アイドル達に引っ張り回されなきゃならないんだってね」

~自宅~

P「はぁ……なんやかんやで2時か、風呂は朝でいいかな」

P「しっかし、あの人もよく分からんわ」

P「普通にしてれば可愛いと思うんだけどねぇ、しょっちゅう俺をイラつかせるし」

P「呑み屋でも意味不明な言葉を浴びせてくるし……まっ、それがあの人のいいところなのかね」

P「…………で、なんでお前が居るんだ」

貴音「……?」

P「鍵が掛かって無かったから不思議だとは思ったよ?今何時だ」

貴音「2時ですが…」

P「合鍵なんて渡した覚え無いんだが?」

貴音「そのような物を渡された覚えは……」

P「どうやって開けた?」

貴音「さぁ…」

P「お前、家は」

貴音「今日は満月でしたので…ここから見た方がよく見えるのです」

P「答えになって無いんだよなぁ」

~翌朝~

P「あれ?貴音の奴が居ない」

P「えっと、今は9時。うん、遅刻だな」

P「アレかな、きっと夢見てたんだろうな」

P「普通に考えてあんな時間に女の子が人の部屋に居座ってるなんてバカバカしいもんな」

P「さってと、風呂入って高木の野郎に怒られに行きますかね」

P「………ん?」

P「カップ麺なんて食べたかな?まぁいいや、早いとこ風呂入りますかね」

~社長ルーム~

P「はい、すみませんでした…」

高木「何度目だね?」

P「……」

高木「13回目だが……君の腐り切った性根はどうしたら治るんだね?」

P「すみません…」

高木「………ティンときた」

P「へ?」

高木「今月から減給だよ」

P「……」

高木「仕方ないだろ?こうでもしないと君の腐り切った性根は治らない、違うかね?」

P「ち、違いません」

高木「………では、今後こういうことが無いように精進してくれたまえ」

P「はい、失礼しました…」ガチャ

~事務所~

小鳥「あっ、どうでした?」

P「減給っす」

小鳥「あ~……」

P「はぁ…仕方ないっちゃ仕方ないんすけどね。遅刻したんで」

小鳥「あの、お茶淹れましょうか?」

P「コーヒー買って来てるから……今は一人にして下さい」

小鳥「………あっ、プロデューサーさん」

P「だから一人にしてくれって言って

小鳥「これ、さっき貴音ちゃんから渡してくれって」

P「……茶菓子?」

小鳥「見たいですね。お茶淹れるんでくつろいでて下さい」

P「……(今週の予定も相変わらず真っ白だね)」

P「仕事取りに行かないとなぁ…」

小鳥「どうやって取りに行くつもりなんです?」

P「ん~?そりゃあウチのアイドル達をお偉いさんに差し出すとかですかね」

小鳥「………嘘ですよね?」

P「本気にしました?」

小鳥「いや、軽く受け流そうかなと思ってますよ」

P「まっ、そんな事したら間違いなくクビっすね」

小鳥「その前に絶対断られますよ」

P「皆にですか?大丈夫っすよ、頭撫でれば一発っす」

小鳥「絶対に無理ですよ」

P「ははは、でしょうね」

小鳥「けど、お仕事が無かったら色々とマズいですよね」

P「まっ、一応、策は有るんですけどね……」

小鳥「?」

P「あの、小鳥さん?」

小鳥「はい?」

P「小鳥さんが俺……僕の立場だとしますよ?」

小鳥「は、はぁ」

P「んで、今の仕事が皆無な現状」

P「アイドル達に何とかして仕事を取ってこなければなりません。貴女ならどうします?」

小鳥「どうしますって……さ、さぁ」

P「小鳥さんも元アイドルなら分かりますよね?お偉いさんにも色々な種類が居るって事を」

小鳥「う~ん、私はその辺の知識は皆無なので」

P「まっ、そういう事っすよ」ガタ

小鳥「プロデューサーさん?」

P「ちょっくら行って来ますよ。仕事を取りにね」

~961事務所~

P「ほら、昨日呑み屋で撮ったあいつの写真だ」

黒井「……何が目的だ」

P「ん?そりゃあ、まぁ、ね?」

黒井「こんな写真如きで私を釣ろうなど甘い考えは

P「これ、酔っぱらってる際に上着脱がせたんだけどよ」

黒井「!!?」

P「いやぁ、呑み屋っつっても個室付きだからな。そりゃもうやりたい放題よ」

黒井「……まだ有るのか」

P「まっ、俺に掛かれば下着写真位余裕なんだけどな」

黒井「もう一度言う。何が目的だ」

P「じゃあ聞くけどよ、欲しいか?この写真」


P「なぁに、別にデカい仕事が欲しい訳じゃねーよ。ちょいと分けて欲しいだけだ」

黒井「……」

P「交渉成立、だよな?黒井さん」

~事務所~

ガチャ

P「ただいま」

小鳥「あっ、案外早かったんですね。で、どうでした?」

P「俺を舐めてません?余裕っすよ」

小鳥「お~、流石と言うか何と言うか」

P「……(金払ったのは俺なんだし、文句言われる筋合いは無いよな)」

P「小鳥さん」

小鳥「?どうしたんです?」

P「いや、何て言うか……ありがとうございました」

小鳥「へ?」

P「さてと、仕事貰ったんだし誰を連れてくか話し合わないとなぁ」

小鳥「あれ、誰の仕事かは決まって無いんですか?」

P「順序が有るんすよ順序が。皆が来る前に決めとこっと」

小鳥「因みに、どんな仕事を貰ったんです?」

P「色々っすよ。ラジオの収録とか雑誌の仕事とか」

小鳥「へぇ、凄いですね」

P「凄いのはアンタだよ」ボソ

小鳥「何か言いました?」

P「何も言って無いっすよ?歳だから幻聴か何かでしょ」

小鳥「かなり失礼な事をサラッと言わないでくれませんかね。殴り殺したくなったんですけど」

P「喧嘩なら負けませんよ?鼻っ面へし折ってあげましょうか?」

小鳥「プロデューサーさんは冗談が上手ですね。餓鬼っぽいところとか」

P「ちょっと表出ろや」

小鳥「私は書類の整理が忙しいので」

P「……」

小鳥「プロデューサーさん」

P「ん~?今ちょっと考えてるんで後にしてくれませんか」

小鳥「肩揉んであげましょうか」

P「おっ、いいねぇ。流石765の雑用。分かってんじゃん」

小鳥「じゃあこの椅子に座って下さい」スッ

P「はいよ」

P「…………」

小鳥「あれ?痛く無いんですか?」

P「かっ……ぎぃ…」プルプル

小鳥「あ~、痩せ我慢ですか。画鋲ですもんね、痛いなんてレベルじゃないと思いますもんね」

P「こっ、[ピーーー]ぞ糞鳥がぁ…」

小鳥「私を馬鹿にした罰ですよ、はい、絆創膏です」

P「……お、覚えてろよ…くっ、ぃってぇ…」

小鳥「ぴへへへへ」

P「あの、小鳥さん」

小鳥「あっ、すみません。今ちょっと忙しいんで」

P「そうですか、そろそろ昼なんで一緒にと思ったんですけど」

小鳥「何処行きます?」

P「いや、忙しいなら無理にとは言いませんよ」

小鳥「で、何処行くんです?」

P「……下の食堂」

小鳥「じゃあ行きましょうか」

P「そ、そうっすね…(こうやって、足を掛けてっと)」スッ

小鳥「ぴっ!?」ドサッ

P「はっ、ざまぁ見ろよ糞鳥が。誰がお前なんかと飯食いに行くかよ」

P「だいたい俺は毎日コンビニ弁当食べてるだろうが、今日も勿論コンビニ弁当だよ」

小鳥「……」

P「な~に期待してんだか、ほら、一人で食いに行けよ」

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