アルミン「…」

ミカサ「…」ガタッ

エレン「アイツつれねぇからなぁ…どうすっかなぁ…」

エレン「なぁアルミン、なんかいい案ないか？」

アルミン「…い、いきなり何を言ってるんだよエレン…ミカサもユミルのところへ行こうとしないで…。目がこわいよ…」

アルミン「だいたい、君はユミルと全然フラグが立ってないだろ、エレン。あ、ミカサ、一旦座ろう、一旦」

エレン「いやいや、すれ違ったりは普通にするぜ？通路とかでな！」

アルミン「そのくらいなら僕もあるよ…。ミカサちょっと、ちょっとだけ待って、座ろう？ね」

エレン「いい匂いすんぜ！」

アルミン「知らないよ…。いや、会話とかそういうの」

エレン「んなもんねぇよ！分かったちょっと行ってくるぜ」

アルミン「分かってないだろ！ミカサもこら！ライナーもう死んでるから！エレン手伝って！そしたら話聞く」

......

ユミル「殺気が消えた…」

クリスタ「？どしたのユミル？」

......

アルミン「ふぅ…。とりあえずミカサを簀巻きにしたけど…」

エレン「なぁアルミン、それで俺はどうしたらいい！？そろそろ告白する段階かな！？」

アルミン「まだ何の段階も踏んでないだろ？」

アルミン「まず、いつから君が接点の無いユミルを好きになったのか、それくらい聞かせてくれ」

エレン「理由なんかねぇよ！オレは巨人を駆逐するし、ユミルも手に入れる！」ドン

アルミン「海賊王じゃないんだからさぁ…。こらジャン、動けないミカサにイタズラすんじゃないの！」

ジャン「…」コクッ

エレン「こうしちゃいられねぇ！行ってくる！先手必勝ォ！」ダッ

アルミン「あ、ちょっと…。何に追われているんだよ…。とりあえずこの簀巻きは見張らないとな」

ミカサ「フーッ、フーッ」

ジャン「…」ツンツン

ミカサ「アヒんっ」ピク

アルミン「あ、こらジャン！」

ジャン「…」

アルミン「まったく」

コニー「あで？ここ、どこだぁ？」

エレン「あ、いた、ユミル…ッ！」

ユミル「クリスタ～」

クリスタ「もう、ユミルったら！」

エレン(先手必勝ォ…)

エレン「なぁ、おい、ユミル」

ユミル「…あぁ？」

クリスタ「あ、エレン」

ユミル「私に用か？死に急ぎ野郎」

エレン「あ、いた、ユミル…ッ！」

ユミル「クリスタ～」

クリスタ「もう、ユミルったら！」

エレン(先手必勝ォ…)

エレン「なぁ、おい、ユミル」

ユミル「…あぁ？」

クリスタ「あ、エレン」

ユミル「私に用か？死に急ぎ野郎」

重複すまん

エレン「いや、まぁ、用っていうか」

ユミル「なんだよ、らしくもねぇ。ソワソワして。こう見えて忙しいんだ」

クリスタ「私にくっついてるだけでしょ！エレンの話聞いてあげなよ」

ユミル「フッ、だから、こうやってクリスタにくっつくので忙しいんだよっと」ギュ

クリスタ「もうユミルってば…」

エレン「オレと付き合って欲しい」

ユミル「…」

クリスタ「ファ…？」

エレン「おまえ

ユミル「…」

クリスタ「ファ…？」

エレン「おまえが好きだ」

ユミル「…ハァ？」

クリスタ「ええっと…」

クリスタ「ええと…気持ちは嬉しいんだけど…」

ユミル「よりによって私の前で…どういう了見だ？」

クリスタ「いきなりはちょっと…考える時間がほし」

エレン「いや、クリスタちゃう、ユミルユミル」

クリスタ「フォっ！？」

ユミル「ふぁっ」

ユミル「殴るぞ？こういう冗談は嫌いだ。大方、どっかから他のヤツらも見てん…」

エレン「オレはお前が好きだ、ユミル」

ユミル「…」

クリスタ(わぁ～っ！！私ったら早とちり！ソバカス選ぶ男がいるなんて完全に想定外！てかなんでエレンが？接点なかったよね！？)

エレン「まぁいきなりだから、驚いただろうが、本気だ。本気と書いて、ほんき、だ」

クリスタ「ルビふっただけでしょ！？」

クリスタ「というか、いきなりすぎるよ！ユミルもびっくりしてるよね！？」

ユミル「わ、わわわわ私、わたわたたわしはっあわわわ」

クリスタ「見たことない挙動！」

エレン「ははっ」

クリスタ「笑ってないで！」

エレン「おもしれーや、クリスタ」

クリスタ「私！？何で私を笑ってるの！？」

エレン「え？いつも笑ってるけど？」

クリスタ「この野郎！」

エレン「式は来月でいいよな。子供は…巨人を駆逐できるくらいだな！」

クリスタ「話を進めないで！というか何でいきなりユミル！？せめて私じゃない！？」

エレン「理由…か。力こそパワー…それじゃダメかな」

クリスタ「ダメじゃないかな！？」

ユミル「力こそ…パワー…か。お前らしいな」

クリスタ「納得しないで！顔赤らめないで！」

エレン「ははっ」

クリスタ「私見て笑わないで！」

エレン「…ユミル、一目見たときから…いや、多分最初から決まっていたんだ、こうなることは」

ユミル「エ、エレン…」

クリスタ(まずい、何か畳みかけに来た！ユミルはユミルで乙女モード入ってるし！このソバカスキモいくらい純情なとこあるからな！こそこそ少女マンガばっか読んでやがるしな！)

エレン「ユミル…」

ユミル「エレン…」

クリスタ(初めて告られて舞い上がりやがって…！)

エレン「…」

ユミル「…」

クリスタ(ええーい、こんなソバカスにさきに幸せ掴まれてたまるか！)

エレン「ユミル…ッ！」ガバッ

クリスタ「させるかドスコーイ！！」バーン

エレン「なっ！」

ユミル「キャッ」

クリスタ「ユミル逃げるよ！」

ユミル「え…でもエレンが…」

エレン「何すんだクリスタ！」

クリスタ「もぅ、抱えてくよ」ガシ

ユミル「え、ちょっとクリスタ！」

エレン「ははっ」

クリスタ「笑うな！」

エレン「クリスタ、顔、顔！」ハハッ

クリスタ「この野郎！」

クリスタ「じゃあね駆逐野郎！」

エレン「あっユミルを！」

ユミル「下ろしてよクリスタ痛いよ～！」

クリスタ「大人しくして雀卵斑！加速するね！」ビュン！

エレン「あ…行っちまいやがった…」

？「話は全て聞かせてもらいました！」

エレン「誰だ！？」

サシャ「フフ…。サシャ、とでも名乗っておきましょうか…」

エレン「いや顔見知りだろうよ俺たち…。それより…なにを知っている？」

サシャ「いえ、通りかかっただけです。パンあります？」

エレン「ポケットの中の埃ならあるぞ…」

サシャ「ありがとうございます！！」

クリスタ(これは兵舎で説得の必要があるわ…)

ユミル「エレン…うぅ」

クリスタ(待っててねユミル。すぐにいつもの、世の中全て敵で、信用してなくて、なんだけどそれじゃ辛過ぎるから少女マンガやアホなドラマに、こそこそうつつを抜かしてる人格に戻してあげるからね…)

クリスタ(確かにエレンと結ばれるのも幸せだ。実際ユミル前から男子の話する時は、エレンの名前だけはあげるもの)

クリスタ(でもねユミル私は、つっけんどんで、口が悪くて、でも根は優しくて、正しい、そんなユミルが)

クリスタ(そんな自然体なユミルが、…大好きなんだ)

クリスタ(………いや…好きではない…かな)

クリスタ(うん、嫌い。感じ悪いもん)

ユミル「ふえぇ…エレンん…」

その晩、男子寮

エレン「いやぁ～惜しかったなぁ。女アルミンの邪魔さえ入んなきゃなぁ」

アルミン「なんだよ女アルミンて…。あの雑さでそこそこ行ったのは驚いたけどさぁ」

エレン「先っぽ入ってた、といっても過言ではないぜ」

ミカサ「！？」

アルミン「それは過言だよ。あとミカサも当然のように男子寮にいないでよ…」

ミカサ「エレンの貞操は私が守る！」キリッ

エレン「ははっ。簀巻きに何が出来るって話だよな」

アルミン「まぁそうしないとめんどくさいからね。あ、ジャン、変なことしたら君も簀巻きだよ」

ジャン「………」コクッ

エレン「あ、男クリスタあのさ、簀巻きといったらさ、明日クリスタとかその辺の女子も簀巻いてくれないか？多分邪魔する気がすんだよな」

アルミン「やかましいよ。いや、そこまでは出来ないよ。クリスタだって、人の恋路を邪魔するのはどうかと思うけど、友達を思ってのことだろうし。悪いことをしてるわけではないからね」

エレン「はぁ？医者を親に持ち、人外を除けば成績は104期トップのこのオレが、熱烈なアプローチをしてるんだぜ？何の問題があるんだ？いくらアルミンの言うことでも破けちゃうぜ」

アルミン「まぁそういうところだよね、君の問題は」

エレン「うーん…。ユミル一人で行動するとは思えないしな。もっと慎重に行動するべきだったな…」

ミカサ「エレンの勢いがあるところ、好き。ユミル、嫌い」

エレン「ははっ、簀巻きがしゃべってら」

アルミン(ミカサをそろそろ自由にしてあげたいな。そしてエレンに関わるのもめんどくさいしな…)

コニー「あで？めしはくったか？あるみん？おでは、だれだ？」

アルミン「消えろ」

アルミン(うーん、ミカサだって、エレンが本当に好きな相手で、なおかつその相手とくっついてしまったなら、潔く手を引く気がする…)

ミカサ「アルミンお願い、私を解放して。女狐を削ぐ。何故なら死体と恋愛は出来ないから」

アルミン(…潔く、手を引くはず…)

コニー「あで？うちゅうがみえないぞ？あるみん？」

アルミン「消えろ」

エレン「あ、そうだアルミン、ミカサをこの部屋に置くのはいいが、ベッドは足りるのか？」

アルミン「あぁ、それなら、べ…ん？ベントル？…なんだったか、まぁノッポの人を簀巻いて捨てといたから、問題ないよ」

エレン「なるほど、それなら問題ないな！さっすがアルミンだぜ！おやすみ！明日が楽しみだな！」

アルミン「あ、うんおやすみ」

翌朝

エレン「よしアルミン、作戦通り行けばいいんだな？」

アルミン「ああ、そうだよ。君はユミルに話しかける。そのスキに僕は図書館へ行って勉強する。君はユミルと付き合えるし、僕は成績が上がる。完璧だ」

エレン「一挙両得だな！……でもよアルミン、それじゃ、そもそもオレがユミルと、付き合えるかどうかは、確実性が低いんじゃないか？というより、アルミン何もしてなくないか…」

アルミン「何故やる前から弱気なんだい？やらなきゃわからないじゃないか！…壁の外へ誘ってくれた時の君は、そんなんじゃなかった…」

エレン「いや、でも助けてくれるって…」

アルミン「エレンは僕の成績が下がってもいいって言ってるのかい！？」

エレン「あ、いやそうじゃないんだ！悪かった…オレも不安で…」

アルミン「僕のほうこそごめん…。でも、作戦通りやれば、きっと上手くいくはず。…GOODLUCK！」

エレン「ああ！じゃあ行ってくる！」ダッ

アルミン「がんばってね！……さて、と。勉強しなきゃ。成績次第では壁の中で暮らせる。アホに構ってる暇なんてないからね」スタスタ