和「S.O.A 証明終了」 (81)

京太郎「タコスメトラーYU-KI」のside-Aでー

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・・・ガタン・・・・ゴトン・・・・


咲「あ、また山が見えてきた・・・。この辺は長野に比べると紅葉にはまだ早いみたいだね」


宮永咲は女子高生探偵である。
普段は大人しやかな文学少女として、学校でも目立たない存在の彼女は
いざ事件に当たれば解決率100%を誇る凄腕の探偵に早変わりする・・・のだが
今は自身の置かれた状況に少々戸惑い気味なのだ。


咲「ねえ、和ちゃん。所長に言われた出張依頼の現場って、もう少し先なのかな?」

主役の傍らに名アシスタント有り。
明智小五郎と少年探偵団、羽柴秀吉と両兵衛、
ジョナサン・ジョースターの雄叫びにスピードワゴンの実況解説。

そして宮永咲の側には、今日も原村和がいた。
そのピンク色の脳細胞は、いつになく真面目に
何やら大いなる計画を実行中なのだ。


和「ああ、その話ですが、事件というのはウソです」

咲「ええっ!?ウソって、長野出たのが5時間前だよ!?」

和「そうですね、小腹が空きましたか?」

和「名古屋駅ホームで食べた立ち食いきしめんは、噂通りなかなか美味しかったですね」

和「帰りは途中下車して、太閤通口から歩いたところにあるスガキヤに行ってみるのも悪くありません」

咲「いや、そうじゃなくて・・・。ここから帰るのって凄く遅くなると思うんだけど・・・」

和「心配無用です。今日は本当は清澄探偵事務所の慰安旅行なんですよ。参加者は私と咲さんの二名です」

咲「二名って・・・」

和「私たちは最近働き過ぎでしたからね。リフレッシュもかねて所長に申請しておきました」

和「今回の費用は全て経費で落ちるので安心してください」

和「口裏を合わせるのも含めて、帰ったら私と咲さんが事件2つ分タダ働きするということで手を打ちました」

咲「いや、私きいてな・・・はあ、もういいよ。いつものことだしね・・・」

咲「せっかくだから休暇だと思って楽しもうかな。でも、なんで奈良なの?」

和「奈良の吉野は、私が長野に引っ越してくる前に住んでいた所なんですよ」

咲「へー、そうだったんだ。和ちゃん、関西にもいたことあるんだね」

和「彼女同伴での凱旋帰郷は、リア充の特権です」

和「フフフ、モテてすいません」

咲「(スルー)前の人が座席ポケットに忘れていった雑誌。小鍛治プロの記事だ」

咲「さっき新幹線の待合室で、テレビの対談番組にも出てたよね」パラパラ

和「そんな素っ気なさも、ご褒美です。きっと咲さんも阿知賀が気に入ると思いますよ」

和「あ、売り子さん。カッチカチのバニラアイス2つ。あと領収書ください」


・・・ガタン・・・・ゴトン・・・・

~奈良・吉野駅~


玄「和ちゃんたち、そろそろかなー?」

灼「多分、この電車だとおも・・・」

憧「あ、あれじゃない?」

穏乃「おっ、そうだ!おーい、和ー!!」ブンブンブンッ

和「皆さん、お久しぶりです」

穏乃「初めましての人もいるよ!こっちはうちの部長の鷺森灼さん!」

玄「あと、私のおねーちゃんもいるよー」

玄「今は仲居さんの仕事手伝ってるけど、あとで合流する予定なのです!」

灼「玄のとこも、この時期結構混みだすからね。宥さんと交代で手伝ってるんでしょ?」

玄「うん、でも夕方にはみんなで集まれるから」

和「そうですか、お会いするのが楽しみですね。鷺森さんもよろしくお願いいたします」

和「さあ、そしてこちらが私の将来の伴侶、宮永咲さんです」ドジャーン

咲「和ちゃんの友だちの宮永です。よろしくお願いします」ペッコリン

穏乃「宮永さんだね!よろしく!」

憧「はあ・・・和も相変わらずで何よりだわ」

玄「じゃあ早速、今日のお宿へ案内するよ!」

ちょっと時間空きます。続きは夕方くらいに

15:00~松実旅館・葛もちの間~


咲「うわあ、凄い広いよ!」

玄「最大15名様まで泊まれる、うちの旅館で一番大きいお部屋だからねー」

玄「穏乃ちゃんたち3人の部屋わらびもちの間はこの右隣、和ちゃんと咲ちゃんの部屋さくらもちの間は左隣」

玄「赤土先生と夜に来ることになってる望さんの、かんころもちの間は向かい側の離れだよ」

玄「ただみんなで集まるにはちょっと手狭だから、しばらくここを使わせてもらうことにしたんだー」

憧「まあ、あとの準備のついでってのもあるけど、この辺りの融通は旅館の娘の特権だよね」

和「それでは荷物は、とりあえずその辺に置いておけばいいでしょうか」

咲「私は県外への遠出の用意も、お泊りの用意も全然してないけどね・・・」

和「心配ご無用です。咲さんの着替えはミリ単位でサイズを伝えて事前に全て手配してもらいましたよ」

和「それにトラベル用品も、ここに。あ、いっけね。一つしか持ってきていませんでした」コツン

和「仕方ありません、歯ブラシやタオルは二人で同じものを使いましょう」

和「どうぞ、咲さんから使ってもらって結構ですよ」

咲「いもーとさん!アメニティの!アメニティの確認をお願いします!」

玄「う、うん。そのぐらいの用意はあるから安心して・・・」

穏乃「和は昔から妙に用意周到なとこあったよなー」

穏乃「私はジャージのポケットがあれば十分!どんな山だって制覇してみせるさ!」

憧「そういってホントに熊野まで行って連絡つかなくなるからねー。せめて携帯は持っていきなさいよ」

穏乃「でも灼さんのバッグもカッコイイなー、ちょっと欲しいかも」

灼「この鷺森ボウル特製のボウリングバッグは、マイボール一つの他にシューズとグローブも収納できる仕様」

灼「真ん中のアライグマさんマークが、チャームポイントになってる」

灼「更にキャスターも付いていて持ち運びもラクラク」

灼「これで5250円(税抜き)は、いい買い物だとおも・・・」

穏乃「ええー!そんなお安い値段で!?」

憧(あ、これバッグ買わせてから、あとでボールその他諸々必要ですよって言うパターンだ)

灼「それで玄、この旅館もボウリング場出来たって聞いたんだけど・・・」

玄「うん!ミニレーンだけど、うちも最近ゲームラウンジにボウリングコーナーを作ったんだよ!」

憧「ああ、それで一式持ってきてたんだ。さすがにボウリングのことになると目がないねー」

玄「1ゲーム200円、貸靴代100円!それ以外は一切料金を頂かない、とっても良心的な価格設定なのです!」

玄「ただし場所が取れずに1レーンしかなくて基本的にお一人様のみの仕様」

玄「倒したピンと投げたボールは毎回自分で戻してね!」

憧「そんな罰ゲームみたいなボウリング、誰がやるのよ・・・」

穏乃「えー?私やってみたいけどなー」

咲「アハハ。和ちゃんの幼なじみさんたち、面白い人たちばかりだね」

和「当時はあまり面識のなかった方たちもいますが、基本的に皆さん変わっていますからね」

憧「その当時からブッチギリの変人(変態)だった人が何言ってるのよ」

憧「和のトバっちりに、ウチらが何度巻き込まれたことか」

和「確かに。高鴨和菓子店ペロペロ事件のときは、さすがの私も少々焦りました」

和「まさか憧が店番用の椅子にあそこまで興味を示すとは・・・」

穏乃「え、なになにー?私のうちでなんかあったの?」

憧「わーっ!和!その話はいいから!」

憧「わ、私はしずのやたらデカいリュックの中身のが気になるわよ!」

憧「灼さんのバッグと同じくらいのサイズあるけど、また筋トレ用品とか持ってきてるんじゃないでしょうね」

灼「まあ、5月の麻雀部合宿に私物のコタツ持ってきた人もいたけど・・・」

穏乃「フッフッフッ、ジャーン!」

憧「あれ?それって、しずのお店の箱じゃん」

穏乃「そう!高鴨和菓子店で一番でっかい贈答用の桐箱!」

玄「へー、立派な箱があるんだねー」


晴絵「私が持ってきてくれるよう頼んだんだ」カラッ

宥「クシュンッ!さっき誰かがウワサしてた気がする・・・」プルプルプル

宥「でもこのお部屋、人がいっぱいであったか~い」

玄「赤土先生、それにおねーちゃん。お疲れ様です!」

今日はここまでです
次回更新は多分来週土曜辺りの予定でー

和「お久しぶりです、赤土先生。お元気そうで何よりです」

晴絵「ほんと、ご無沙汰だったなー和。それに君が宮永咲だね、和から聞いてたとおりの子だ」

咲「は、初めまして、宮永です」ペッコリン

和「赤土さんは、私たちが通っていたこども麻雀クラブの先生だったんですよ。とっても強い方です」

和「色々あって、しばらく競技麻雀からは離れていた時期もあったのですが・・・」

晴絵「うん、来年からプロになって改めて挑戦してみようと思う」

和「・・・!そうですか、おめでとうございます」

灼「・・・本当におめでとう、ハルちゃん・・・」

憧「けど、その前にジャパンオープンだね!」

咲「ジャパンオープン?」

憧「そっ、ジャパンオープン麻雀選手権大会」

玄「所属団体・プロ,アマ問わずのオープン参加で日本一を決める大会なの!」

穏乃「つまりプロじゃなくても日本一になれるかもしれないってことなのさ!」

穏乃「それのエントリー締め切りが、いよいよ今週ってわけ!」

晴絵「まっいきなり優勝までは厳しいと思うけどね」

晴絵「でも、今の自分の力を試すにはちょうどいい舞台だと思うんだ」

和「そんな時期に、わざわざ来ていただいて。お忙しかったんじゃありませんか?」

晴絵「いや私も久しぶりに和に会いたかったし、ちょうど良い用事もあったしな」

咲「あの、さっきもそんなようなことを聞きましたが、ちょうどいい用事って・・・?」

宥「今日は、うちの旅館でOBの方たち主催の奈良大会優勝祝勝会なのー」

宥「実は18時半から、この部屋でやることになってるんだよ」

咲「え、そんな場所使わせてもらっちゃって大丈夫なんですか?」

玄「うん、まだ時間はあるし。片付けや準備もすぐだから」

晴絵「ほんとは優勝決めてすぐにやりたかったらしいんだけど、農家の人が多いからね」

晴絵「収穫作業が一段落してからって話だったんだよ」

晴絵「金銭面をメインに、なんだかんだ色々バックアップしてもらったからな」

晴絵「スポンサーさんサイドにも、少しは恩返ししないと」

晴絵「だから県大会で優勝したときのカップも持ってきたんだ」

晴絵「じっちゃまたちにも、掲げてもらおうと思ってさ」

咲「へー、長野大会のものとは少しデザインが違うんですね」

和「一回りサイズは小さいですけど、きれいな色合いです」

和「なんだか持ちやすそうな取っ手ですね。試しにこのお茶注いでみましょうか?」

憧「いやそれ、一応大事なものだから」

晴絵「まあ普段は部室の棚にそのまま置いてあるんだけど、いまいちありがたみないんで・・・ほら、どうだ!」

宥「あ、立派な箱に入れると、なんだかそれらしく見えますね」

晴絵「ただ持ってくるだけじゃ演出的にどうかなーとは思ってたんだよね」

晴絵「そしたら灼が、じゃあピッタリのがあるよって言ってくれてさ」

穏乃「おーっ、ありがとうございます!灼さん!」

灼「この前お中元に、たまたまお祖母ちゃんが同じもの貰ってたから・・・///」

憧「で、それに先駆けてまずは私たちだけで内輪の打ち上げ&ハルエの壮行会と・・・」

穏乃「今日誕生日の人をお祝いしようと思ってさ!」

穏乃・憧・玄・灼・宥・晴絵「「せーの!のどたんいぇい~」」


玄「おめでとう、和ちゃん。ケーキも用意してあるよー」ジャーン

憧「ほら、座卓の上あけてあけてー」

和「わ、わたしの為に・・・?まさか覚えていてくれるなんて、こんなに嬉しいことはありません」

咲「和ちゃん・・・」ジーン

憧「いや、今日来るって手紙に10月4日の日付と自分の誕生日にマーカー引いて送って来たの和でしょうが」

咲「の、和ちゃん・・・」

和「そう、いよいよ16歳。私の方は法的年齢をクリアーしました」

和「フッフッフ、Xデー(10月27日)が楽しみですよ・・・」

咲「この感じ・・・小さい時のお姉ちゃん以上だよ―――――!」ブルッ

穏乃「なに言ってるか全然わかんないけど、ロウソク準備したよ!」

晴絵「さ、和。バーっと吹き消しちゃいな」

和「そうですね、輝かしい二人の将来を祈念して・・・フーッ」

全員「おめでとー!!」



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16:30


玄「あ、もうこんな時間。私そろそろお仕事出なきゃ」

宥「ごめんねー玄ちゃん、忙しい時間に入ってもらっちゃって」

玄「ううん、おねーちゃんはお昼頑張ってくれたもん。あとは私にお任せあれ!」

晴絵「そうだな。祝勝会にはもうちょい時間あるけど、そろそろ片しとこうか」

灼「じゃあ荷物をそれぞれの部屋に移そう。ハルちゃん、この箱もしまっておくよ」

宥「みんなこれからどうするの~」

晴絵「望が来たら今夜の打ち合わせやんなきゃだし、その前に一風呂浴びてこようかね」

灼「私も、お風呂に行こうとおも・・・」

穏乃「ゲームコーナー行きたい!」

憧「しずは、あそこのエアホッケー大好きだよねー。しゃーない、付き合ってやるか」

和「咲さんは、どうしますか?」

咲「そうだね。私も、お風呂行きたいかな」

玄「うちの旅館は、お風呂も自慢だよ。ゆっくりしていってね!」

17:30~あんころもちの湯・脱衣所~


咲「うーん、いいお湯だったね」

和「そうですね、クセが無いのでグビグビいけました。もちろん健康のための飲湯です」

咲「先に出た赤土さんと鷺森さんはともかく、松実おねーさんは大丈夫なのかな?」

咲「サウナと熱湯風呂をずっといったり来たりしてるけど・・・」

和「サウナから出てくる度に、すぐ横にある水風呂を養豚場の豚を見るような目で通りすぎていましたね」


憧「まあ宥姉は、あれが平常運転だからねー」ガラッ

和「おや、憧と穏乃ですか」

穏乃「二人とも今出るとこ?」

咲「はい、お先にいただきました」

憧「そしたらさ、涼みがてら庭の散歩なんかもいいんじゃない?」

憧「灯篭の明かりで、昼とは違った良さがあるよー」

咲「ありがとうございます。じゃあ行ってみようかな」

18:00~松実館・中庭~


咲「クシュンッ。お庭すごく綺麗だけど、ちょっと寒くなってきたね」

和「そうですね、そろそろ戻りましょうか」

和「あまり長居して湯冷めしてもなんですし、お腹もすきました」

和「もっとも、そんなのどうだっていから秋のせいにして暖め合うのもまた一興ですが」

咲「晩ゴハン何かなー。私、茶がゆっていうの食べてみたいよ」


>>>>晴絵「 え っ ! ! ? 」


咲・和「!!」

咲「今の、赤土さんの声だよね?」

和「向こうの方から聞こえてきました。行ってみましょう、咲さん!」

~葛もちの間~


和「失礼します」ガラッ

望「あら、あなたたちはっ・・・」

和「望さん、お久しぶりです。ですが、今の声は・・・・」

望「私と晴絵はさっきこの部屋に来たの。祝勝会に備えて色々確認しとこうと思ったのよ。そしたら・・・・」

晴絵「どうして・・・」

咲「箱の中の・・・優勝カップが無くなってる!?」

宥「あのー、何かあったんですか?」

灼「さっき、ハルちゃんの声が聞こえ・・・」

憧「あれ、どうしたの?またこっちの部屋に集まったりして」

穏乃「祭りか!」


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宥「そんな・・・うちの旅館で泥棒が・・・」

穏乃「なんで優勝カップなんて・・・。でも、もしあれが無くなったって知れたら・・・」

憧「県連から授与された貴重品だからね。ちょっとヤバいかも・・・」

晴絵「・・・・・これは全部私の責任だ。当然お前たちには何も処分は行かないようにするから安心して・・・」

灼「ハルちゃん!」

穏乃「赤土先生・・・!それはっ・・・!」



やえ「話は聞かせてもらった!あとは私に任せるがいい、ニワカ事件は相手にならんよ!」バーン!

穏乃「わっ、びっくりした!」

憧「いきなり出てきて、誰よあんた」

やえ「誰だって?やれやれ、全くニワカはこれだから困るな」

やえ「いいだろう、教えてやろう。私は小走やえ、晩成探偵事務所のエースさ!」

初瀬「そして私はアシスタントの岡橋初瀬です」

宥「あ、さっきお部屋にお通しした・・・」

やえ「ああ、少し前に妹さんにも会った。同じ部の仲間で今日お祝いがあるそうだな」

初瀬「今日この旅館に我々が泊まっていたこと。そして食事に行くために、たまたま通りかかったこと」

初瀬「皆さんは本当に運がいいですよ」

初瀬「小走先輩は関わった事件の解決率100%を誇る、奈良中部橿原市内では知っている人も多い名探偵」

初瀬「この事件も解決したも同然です!」

やえ「おいおい初瀬、あまり持ち上げるな。私はただ小3の頃から難事件を見て見ぬふりが出来ないだけだ」ドヤァ

和「・・・どこかで聞いたことのある肩書ですね。どうしますか、咲さん?」

咲「そうだね、地元の人のが事情は詳しいだろうし。ここは任せてみようよ」

やえ「まず確認したい。その優勝カップは部屋備え付けの貴重品用金庫に入っていたんだな?」

晴絵「うん。16:30過ぎ、みんなで部屋を出る時に金庫のロックも部屋の鍵をかけたのも私だ」

やえ「他に無くなっていたものは?」

晴絵「何も。確認したけど、財布やカード類も全部無事だったよ。部屋の中も盗まれたものは無いと思う」

やえ「鍵は確実にかかっていたのか?」

晴絵「戻ってきた時には金庫にも部屋自体にもかかっていた。望も一緒に見ているから間違いない」

やえ「ふむ。この部屋も私たちの泊まっている部屋と同じ作りなら、暗証番号は自分で設定する形式のはずだな?」

やえ「つまり犯人はこの部屋に侵入したあと金庫を開け、金目のものには目もくれず箱の中のカップだけ取り出した」

やえ「その後箱の蓋をしめ、ご丁寧に同じ暗証番号を設定して金庫をロック。そのまま部屋から出て行った・・・」

やえ「完全に箱の中身だけを狙った犯行だな」

やえ「さて、そこで先生の忠実な教え子であるところのお前たちにも質問だ」

やえ「この先生が設定した4桁の暗証番号、そのナンバーを把握していたものはいるか?」

灼「こういうときに使う番号は毎回0410(レジェンド)うちの部員なら誰だって知って・・・え?」

憧「ちょっと待ってよ、それじゃまるで!」

やえ「ああ、そういうことだ。犯人は、お前たちの中にいる!」

穏乃「そんな!私たちがそんなことするわけがない!」

やえ「まあそう慌てなさんな、これから話を聞いていけばわかることさ」

やえ「今日の夕方この部屋から出たあとにそれぞれ何をしていたか、順番に教えてもらおうか」

今日はここまでです。続きは明日夕方頃になるかと
次で完結出来ればと思います

灼「私はハルちゃんと一緒にお風呂から出たあと、自分たちの荷物の置いてあるわらびもちの間に一旦戻った」

灼「部屋には憧がいて、テレビを見ていた。なにかのバラエティだったとおも・・」

灼「そして財布を持ってゲームコーナー横のミニレーンに行き、さっきまでボウリングをしていた」

灼「これが精算時のレシートとスコア」スッ

憧「ああ、あのボウリング、ほんとにやったんだ・・・」

初瀬「10月4日17:56 計300円也。はい、確かに今日の日付ですね」

やえ「・・・っていうか、凄いな。全投球一投目スプリットからの二投目スペアで倒してるぞ・・・」

灼「スプリットは基本・・・」

憧「最初はしずとエアホッケーやってたんだけど、途中で疲れたんでわらびもちの間に戻ってしばらくゴロゴロしてた」

憧「途中で灼さんがきて、三つ首ウサギの化け物みたいなアップリケの入った小銭いれ取り出してまた出て行った」

憧「さんまのまんま大全集も見終わったんで、私もそろそろお風呂にしようかなと思って部屋を出たのが17:30前」

憧「そのあとはゲーセンで搾取されてたしずを回収して、あんころもちの湯へGO・・・って感じかな」

やえ「まんまが、関東では夜中に放映してるって聞いた時は衝撃だったわね」

初瀬「今は土曜の夕方にやってるらしいですよ。ちなみに私はあっぱれさんま大先生派です」

穏乃「憧が戻っちゃったんで、ワニワニパニックやってハイスコア出してました!多分まだ99点って残ってるはず!」

穏乃「で、そのあとはジャンケンメダルゲームで20連敗してました!」

宥「あれ、絶対に勝てないように調整してあるんだよ」

宥「ジャンケンマンとアイドル雀士スーチーパイは、うちのゲームコーナーの稼ぎ頭だからー」

穏乃「ええーそうなんだ?どうりでいつやっても一枚も脱がせられないと思ったー」

やえ「お前は一枚脱いだらもうアウトだろう・・・」

初瀬「オワタ式の脱衣麻雀というのも新しいですね」

宥「私は、サウナと熱湯のお風呂に交互に入っていました・・・」

灼「うん、入ってた」

晴絵「入ってたな」

穏乃「私たちが来た時も、もちろん入ってたよ!」

憧「ウチらが上がる時に、そろそろ出なよーとは声かけたけどね」

やえ「どれだけ入ってるんだよ。のぼせるという概念が、あいつの辞書にはないのか」

初瀬「サウナ風呂に30分以上入っているのは危険と第3部でジョセフも言ってたんですけどね」

晴絵「ここ出たあとは、灼•和•咲ちゃんと大浴場に行ってしばらくあったまってから灼と一緒に上がったよ」

晴絵「それから湯上りの一杯・・・は我慢してラウンジで望と合流」

晴絵「コーヒー飲みながらざっと今夜の流れ打ち合わせして、確認のためにここに戻ったら・・・」

やえ「肝心の優勝カップが、不思議に消え失せていたというわけか・・・なるほどな」

憧「なーんだ。みんなアリバイ・・っていう言い方も変だけど、時間的にやってないって証拠あるんじゃん」ホッ

灼「それに、たとえ時間があったとしても部屋のカギが無ければ、そもそもこの部屋に入れな・・・」

晴絵「うん、お風呂入ってるときはコインロッカーに入れてたし、それ以外は私がずっと持ってたからね」

やえ「そうかな?お前たちは一つ大きな見落としをしている」

穏乃「え!?なんですか、それは?」

やえ「マスターキーだよ」

やえ「旅館なら、個別の鍵以外に全ての部屋を開けられるマスターキーがあるはずだ」

やえ「そして、そのマスターキーを自由に使用できて、かつ部員しか知らない暗証番号を把握している者が1人いる!」

灼「そんな・・まさか!」

やえ「そう、この場にはいないもう1人の旅館の娘、松実玄だ!」

やえ「皆よりひと足早く部屋を出た彼女は、マスターキーを取り頃合いを見計らって部屋に侵入した」

やえ「そして優勝カップを取り出したあと、何食わぬ顔で元に戻ったんだ」

晴絵「で、でもどうしてそんなこと!」

やえ「さあな、まあ本人に聞けばわかることだ」

宥「そ、そんな・・・玄ちゃーん!」ダッ

憧「あっ!宥姉!」

和「・・・本当に、玄さんが犯人なんでしょうか・・・?」

咲「ううん、いもーとさんは仕事に出てた」

咲「この時間は晩ゴハンの準備で旅館にとって一番忙しい頃なんでしょ?」

咲「常に色々なところを動きまわって、自由になる時間なんて無かったはず」

咲「多分ここにいる誰よりもきちんとしたアリバイがあるよ」

咲「別の従業員さんに聞けばすぐに証明されるんじゃないかな」

咲「それに、他の人に疑いがかかるのは犯人も本意じゃないだろうしね」

咲「きっと、この事件の犯人はとても優しい心の人だと思うから・・・」

咲「和ちゃん、みんなを集める前に一つお願いしてもいいかな?」

咲「具体的な方法はお任せするよ」

和「・・・・!それでは咲さん!?」

咲「うん。謎は、謎は多分解けたよ」

穏乃「玄さんが失踪!?」

和「ええ、疑われたと知って、よほどショックだったのでしょう」

和「『こうなったらおもち神にすがるしかありませんのだ!』と言って鹿児島方面に止める間も無く」

和「まったく、今頃どうなっているか・・・」チラッ

やえ「わ、わたしはそんなつもりじゃ・・・。え、ええと、とりあえず警察に連絡を・・・」

宥「く、玄ちゃん」ガタガタガタ

憧「マッズイなー。玄もカップも、なんとかして早く見つけないと・・・」


~わらびもちの間~


???「・・・・・・・・・・・」ゴソゴソ

???「あれ、おかしいな?そんなはずな・・・」

咲「探しものは見つかりましたか・・・・・?―――――鷺森灼さん」


灼「・・・・・・!」

咲「すいません、少し荷物の場所は移動させてもらいました。それに玄さんも・・・」

玄「ごめんねー灼ちゃん。和ちゃんがどうしても、お芝居に付き合って欲しいって言うから・・・」ヒョコッ

晴絵「灼・・・」スッ

灼「玄、ハルちゃん、それにみんな・・・」

穏乃「それじゃ、本当に灼さんが・・・?」

咲「はい、今回の事件の犯人。それは鷺森さんです」

憧「で、でも!灼さんも私たちと同じでちゃんとアリバイが!」

咲「16時半以降にどれだけ確かなアリバイがあったとしても実は関係ないんです」

咲「なぜならそれ以前に優勝カップは、もう奪われていたんですから」

灼「・・・・・!」

宥「それは、どういうことなの?」

咲「先ほどの皆さんのお話、鷺森さんの証言には少しだけ不思議な点がありました」

咲「和ちゃん、岡橋さんが読み上げていたレシートの内容をもう一度言ってもらえるかな?」

和「はい、『10月4日・17:56・計300円也』です」

咲「そう、200円でも400円でもなく300円。でもこれって妙なんです」

咲「さっき玄さんが、言っていましたよね」

咲「ゲーム代が200円で貸靴代が100円だと」

咲「他に料金の一切かからないリーズナブルさが売りのボウリングコーナーです」

咲「ただゲームをしただけでは、料金は200の倍数にしかなりません」

咲「靴をレンタルしなければ支払金額の合計が300円には絶対にならないんです」

咲「でも鷺森さんは、マイシューズの入るバッグを持ってきていましたよね?」

咲「しかもボウリングに行く前に、一度部屋に戻ってもいる」

咲「なのになぜ使い慣れた自分のシューズではなく、わざわざお金を払ってレンタルしたのでしょう?」

咲「それは、元からシューズを含めたボウリングの一式を持ってきてなんかなかったから」

咲「他のものを入れる為に、高鴨さんと同じサイズのバッグのスペースを十分空ける必要があったからです」

咲「例えば、こんな桐箱のような・・・」スッ

穏乃「それってうちの・・!」

咲「はい。これは金庫にあったもので、中身は空です。赤土さんにお願いして借りてきました」

咲「ですが、実は全く同じ箱が予めもうひとつ用意されていたとしたら?」

灼「・・・・・・・」

咲「衆人環視の場で箱の蓋を開け、中身を取り出したあとでまた蓋を閉めて元の位置に戻す・・・」

咲「それよりも、隠し持っていた空箱と中身の入った本物の箱をすり替える方が作業としては遥かに簡単に済みます」

咲「まして、みんなの視線が別のものに集まる瞬間を狙えば尚更確実でしょう」

玄「でもみんなの目が集まる瞬間って、そんなのどうやって・・・」

咲「誕生日ケーキですよ。ロウソクを吹き消す瞬間は誰もがそちらに注目するでしょう?」

憧「そっか!和のバースデーケーキが出てきたとき・・・」

咲「鷺森さん。事前にどんな箱を使うか知っていたあなたは、同じものをバッグに入れて持ってきていました」

咲「まずお祝いの為に座卓の上を片付ける際、さりげなく自分の手元、周りから死角になる位置に本物の箱を置く・・・」

咲「そして、誕生ケーキのロウソクが吹き消される瞬間を狙って、バッグからダミーの箱を取り出しすり替えたんです」

咲「重さでバレないよう、赤土さんの部屋を出る声掛けに合わせてすり替えた箱を自分で金庫にしまう」

咲「あとは鍵がかけられるのを待てばいい」

咲「次に箱が開けられたときには、中身はきれいに消えて無くなっていることでしょう」

灼「・・・すごいね。まるでずっと本当に見ていたように語る・・・」

咲「ううん、これは全部ただの想像。だから私から確かに言えることは、一つだけです」

咲「“バッグの中を見せてもらってもいいですか?”」

灼「うん、降参だよ・・・」ジーッ…パカッ

玄「優勝カップ・・・本当に・・」

穏乃「でも、どうして灼さんがこんなこと・・・」

和「・・・理由は、この記事じゃないですか?」スッ

憧「今週の、WEEKLY麻雀TODAY・・・?」


“グランドマスター復活!?小鍛治健夜5年ぶりのジャパンオープン参戦か”

ちょっと時間空きます。再開は4時の予定

和「赤土先生が競技麻雀から離れることになった要因である十年前のインターハイ準決勝。相手はこの小鍛治プロでした」

和「途中まで善戦しながら、最終的に牌を握れなくなるほどのダメージを受けた。その再現をあなたは恐れた」

灼「ハルちゃんが、また試合に戻ってくれるのは嬉しい」

灼「前みたいにカッコいい姿を見せてくれるのは、本当に嬉しい」

灼「でも、また同じようなことがあったら・・・ハルちゃんが私たちの前から消えてしまったら・・・」

灼「グルグル考えていたら、わけがわからなくなって・・・」

和「恐らく、カップはすぐに戻すつもりだったんでしょうね」

和「せめて、ジャパンオープンだけでも見送ってもらおうと」

灼「うん、週末のエントリー締め切りまでに間に合わなければそれで良かったんだ・・・」

灼「ハルちゃんが、この状況で自分だけ大会に出るはず無いと思ったから・・・」

やえ「・・このっ、バカっ!」

灼「え???」

やえ「教え子で一番のファンのお前がまず信じてやらないでどうするんだ!?」

やえ「負けたっていいだろう!カッコ悪くたっていいだろうが!」

やえ「当たって、砕けて、また立ち上がって。そうやって人は強くなっていくんだよ!」

やえ「私だって、今まで何度推理に失敗したことか!」

穏乃「あれ?でもさっき解決率100%って言ってなかったっけ・・?」

初瀬「小走先輩の推理的中率自体は、大体3割弱です」

初瀬「しかし犯人が凡ミスから自爆したり、今回のように他の誰かが謎を解いてくれたりで
   先輩がクビを突っ込んだ事件は、必ずその日のうちに解決しているのです」

晴絵「あはは。なんだ、そんなこと心配してたのかー」

灼「・・っ!そんことなんかじゃ・・・っ!」

晴絵「・・・私はさ、大学時代に子供たち相手に麻雀教室の先生をやらせてもらってたんだよね」

晴絵「そこでの日々で、自分がどんなに麻雀を好きだったかを思い出すことが出来た」

玄「赤土先生・・・」

晴絵「そして今年のインハイで、お前たちからまた教えられたものがある」

晴絵「どんな強敵相手でも決して諦めない心、勝負を心底楽しむ気持ち」

晴絵「・・・たとえ負けても、胸を張って前に進むこと」

晴絵「だから大丈夫だよ、私はもう大丈夫だ」

灼「うん・・」

晴絵「もっとも、阿知賀のレジェンドは今度の大会もかるーく優勝しちゃうかもしれないけどな!」

灼「ハルちゃ・・・」

憧「言う言う。まあ、こんだけ軽口叩ける余裕がありゃ平気でしょ」

穏乃「いやー、一時はどうなるかと思ったけど。無事に解決して良かったー!」

憧「それにさー。こんなことしても、どうやらムダだったみたいよ」


ドヤドヤ


望「ですから、優勝カップがまだちょっと見つからないのでもう少し待って・・・」

ジイさんA「そんなもんどーでもええわい。わしゃ晴絵ちゃんの話を聞きにきたんじゃ!」

おばちゃんB「宥ちゃん、玄ちゃんに、憧ちゃん、穏乃ちゃん、それに部長の灼ちゃん!」

おばちゃんB「ちゃーんと今の選手の子たちも名前覚えてきたよー!」

ママさんC「みんなとお話出来るの、楽しみにしてたからねえ」

チビD「あ゙ご゙ぢ゙ゃ゙ん゙のお姉ちゃんだ゙ア゙ア゙ァ゙゙ァ゙ア゙~~~~~」


晴絵「やれやれだな。人使いの荒いじっさまたちだこと」

灼「みんな、本当にごめんなさ・・・。特に玄には、申し訳のしようも無・・・」

灼「今日のことが済んだら、きちんとケジメを・・・」

玄「・・・・・・」

宥「玄ちゃんー、灼ちゃんも反省してるから・・・」

玄「灼ちゃん、灼ちゃんはみんなにとっても迷惑かけたよね?」

灼「うん」

玄「部長として、この責任は果たさなきゃダメだよね?」

灼「うん」

玄「だから、今からメイドさんの格好で接待してもらうよ?」

灼「うん・・・・・・え?」

玄「昔旅館で大人の人に混ざって麻雀してた時から、一度着せてみたかったんだよね!」

玄「嫌だっていってもやってもらうよー。他の方法で償おうなんて許されないのです!」

憧「そうそう!玄はしつこいからねー、OKしないとずっと付きまとわれるよー」

穏乃「メイド麻雀旅館として有名になっちゃったりして!」

灼「玄・・・みんな・・・ありがと・・・」

望「ちょっとー、晴絵まだー!?こいつらなだめるのそろそろ限界なんだけど!?」

ジイさんA「こりゃー、こいつらとはなんじゃ!わしらはスポンサー様じゃぞ!」

望「だったら、ちょっとはそれっぽく構えといてよ!」


ギャーギャー


咲「和ちゃん、和ちゃんが行きの電車で言ってた通りだね。私も、阿知賀のことが好きになりそうだよ」

咲「こんな事件があったのに、結局みんな笑ってるんだもん」

和「はい、たまにはこんな終わり方もいいでしょう」

和「S.O.A.(その大らかさが阿知賀の良さ)以上、証明終了です」

~翌日・吉野駅~


穏乃「なんか、せっかく来てくれたのに慌ただしい帰郷になっちゃったな」

和「いえ、これはこれで楽しかったですよ」

和「阿知賀こども麻雀クラブすりすり事件のことを、ゆっくり話せなかったのは少し残念ですが」

憧「・・・・・それは一刻も早く忘れて・・・」

灼「色々とお世話になりました・・・」ペコリ

和「そのメイド服なかなか、似合っていますよ。今度来たときにはマイノリティー服装談義でもしたいですね」

灼「またいつでも来て欲しい。そのときは部長として友だちとして、歓待したいとおも・・・」ニコッ

やえ「・・・今回は借りが出来たわね。あんたの推理も、まあまあ悪くなかったわ」

咲「い、いえ。そんな・・・」

やえ「覚えておきなさい。次はわたしが解決してみせる!」ビシッ

やえ「あんたがどうにも解答が分からず泣きベソかいてるときに、颯爽と現れてやるから!」

やえ「今度会う時まで首を洗って待ってなさい!」

咲「うう・・・私はのんびり学校生活送れればそれでいいんだけどなあ・・・」

和「咲さーん、そろそろ電車が来るそうですよー」

咲「はーい、今行くよー」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

~一ヶ月後・ジャパンオープン麻雀選手権決勝~


健夜「赤土さん、その北(ペー)大明槓。カンカン、もいっこカン」

健夜「ツモ・嶺上開花・四槓子・大三元・字一色。144000です」

実況「親のトリプル役満炸裂ー!決勝唯一のアマでありながら南2局までトップを守ってきた赤土選手」

実況「しかし、ここで痛恨の直撃!オーラスを待たずしてトビ終了です!どうですか、解説の愛宕さん?」

雅枝「今回は大明槓の責任払いとダブル・トリプル役満両方とも認めるルールやからな」

雅枝「せやから言うても、それを同時に達成されるんは運営も想定外やったろうけど・・・」

実況「なお、赤土選手のマイナス106,000点は大会新記録です」

健夜「お疲れ様でした。赤土さん・・・久しぶりに一緒に打てて、とても楽しかったです」

健夜「近いうちにまた・・・あれ、赤土さんは・・・?」キョロキョロ

良子「赤土選手なら、書き置きを残して全力でランナウェイしていったですよ」


『旅にでます。さがさないでください ハルエ』


灼「・・・・・・ ・・・・・・・」

公子「灼。さっきからテレビずっと観てるけど、何か面白い番組でもやってるのかい?」

灼「・・・・・・・・わずらわし・・・」



灼の愛がレジェンドを救うと信じて!



積(カン)!

以上です。ここまで読んでくれた人ありがとうございました!

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