モバP「パンデミック」 (47)


何となく続いたゆる~いシリーズものです。前作を読まなくても特にストーリーに
影響はありませんが、よろしければこちらもどうぞ。

1.モバP「パズルリング」
2.モバP「パラノーマル」



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398338167




―とある日の午後・駅前のカフェにて―



まゆ(今日は加蓮さんとショッピングです。加蓮さんはショッピングをしながら、まゆに
   東京の街を案内してくれるそうです)

まゆ「……」チラ ←腕時計

まゆ「そろそろでしょうか……」ソワソワ









 カランカラン <イラッシャイマセ



加蓮「お待たせまゆ。ごめんねこっちから誘ったのに」スタスタ

まゆ「いえ、お仕事なら仕方ありません。もうすぐデビューですからねえ」クス

裕子「こんにちはまゆちゃん!今日もオシャレさんですね!」ヒョコ

まゆ「あら?裕子さんも来たんですか?」






佐久間まゆ(16)
http://i.imgur.com/BFcb9z2.jpg

北条加蓮(16)
http://i.imgur.com/RjOSQqd.jpg

堀裕子(16)
http://i.imgur.com/j5GXDVv.jpg





加蓮「今日のCDプロモーション裕子とペアでさ、終わったらまゆと買い物に行くって
   言ったらついてきちゃった。一緒でもいいかな?」

まゆ「まゆはいいですよ。よろしくお願いしますね裕子さん」ニッコリ

裕子「こちらこそお願いします!みんなでさいきっくショッピングです!」ニコッ

加蓮「なにそれ。普通に服買うだけだからね」クス







―街中―



まゆ「うふふ、服を買いに行くなんて久しぶりです。楽しみですねえ」

加蓮「そうなの?まゆって普段はどうしてるの?」

まゆ「モデルをやっていた時に付き合いのあった衣装さんに、毎月仕入れてもらって
   寮に直接送っていただいてるんですよ。後はお仕事で気に入った衣装があれば
   そのまま買う事もありますねえ」

加蓮「へえ、いいなあ。さすが元モデルだね。アタシは通販で買ったり、オフの日に
   凛や奈緒とこうやって街に買いに行くかな」






裕子「私は全部お店に行って買ってますね。お仕事の衣装は普段着にするには派手だし、
   通販とかよくわからないので」

加蓮「ああ、アンタの仕事用衣装って色々とエキセントリックだもんね。でもそんな
   衣装を着てるわりには、裕子って普段着のセンス悪くないよね」マジマジ

まゆ「まゆも思ってました。むしろ裕子さんはお洒落ですねえ。着てる服も高そうな
   ものばかりですし、いつもどこで買ってるんですかぁ?」

裕子「ふっふっふっ、それがさいきっくショッピングですよ!エスパーユッコの力を
   使えばどんな服でも必ずゲット出来ます!」エッヘン!!

加蓮「だから何なのよそれ。それじゃまずはこの店から入ろっか」スタスタ







―アパレルショップ―



まゆ「わあ、可愛いお店ですねえ。見てるだけで楽しくなっちゃいます♪」キラキラ

裕子「アクセサリーやシュシュもいっぱいありますね。私も買おうかな」キラキラ

加蓮「ここアタシのお気に入りなんだ。女の子らしい服がいっぱいあって、店長さんの
   センスも良いからいつも流行の最先端のファッションが揃ってるの。とりあえず
   ここに来たらだいたい揃うよ」





裕子「さすがジモティーですね!この辺りには来た事がありますけど、こんなお店が
   あるなんて知りませんでした!」

加蓮「た、大した事ないよ。それより早く買えば?寮の門限もあるし……」テレテレ

まゆ「そうですね。ゆっくりしているとこのお店だけで終わっちゃいますよぉ。どれに
   しましょうかねえ……」ウロウロ



 ワイワイ キャイキャイ



加蓮「…………」








―15分後―



店員「ありがとうございましたー」

加蓮「よし、いいの買えた。そっちはどう?」

裕子「もう買っちゃったんですか!? 早いですね」ギョッ!!

まゆ「ちょっと待ってくださいね、なかなか決められなくて……」ウ~ン

加蓮「いいよ待つから。アタシ外のベンチに座ってるね」








―45分後―



加蓮「どう?決まった?」スタスタ

まゆ「どっちのピンクがいいですかねえ…… これから暑くなりますし、ピンク色でも
   爽やかな感じのする方がいいんですけどぉ……」ウ~ン

裕子「フリルをもうちょっと控えめにした方がいいんじゃないですか?全然ないのも
   味気ないですから、幅がせまくて短いやつとか……」ウ~ン

加蓮「まだかかりそうだね」

まゆ「すみません加蓮さん、3着まで絞り込んだんですけど……」

加蓮「いいよいいよ、外で待ってるから決まったら呼んで」ヒラヒラ






裕子「加蓮さんも一緒に考えましょうよ!そっちの方がいいですって!」

加蓮「え、いいの?」キョトン

裕子「むしろ加蓮さんだけ外で待ってる意味がわかりません!こうやって一緒に悩んで
   買うのが楽しいんじゃないですか!」ニコッ

まゆ「ご迷惑でなければまゆも付き合って欲しいんですけど……」

加蓮「……そうだよね、それが普通なんだよね」ボソッ

裕子「え?何か言いましたか?」

加蓮「ううん、なんでもないよ。それじゃアタシも一緒に考えてあげる」







―1時間後―



店員「ありがとうございましたー」

まゆ「久しぶりに良い買い物が出来ました。加蓮さんも裕子さんも午前中はお仕事が
   あってお疲れでしょうに、お待たせしてしまってすみません」

裕子「そんなの慣れっこですよ!ね、加蓮ちゃん♪」ニコッ

加蓮「……」

裕子「加蓮ちゃん?」キョトン





加蓮「ぐすっ……」ポロポロ

裕子「えええぇぇぇっっっ!? 」ギョッ!!

まゆ「ど、どうしたんですか!? やっぱりまゆが待たせすぎたから……」オロオロ

加蓮「ううん違うの、こういうの久しぶりだから嬉しくてさ……」グスグス





裕子「ひ、久しぶり?でもさっき凛ちゃんと奈緒ちゃんと買い物に行ってるって……」

加蓮「だって凛も奈緒もこういうカワイイ服とか着ないんだもん!いつもアタシ1人で
   バカみたいに悩んで、2人は外で待ってるかパパっと済ませちゃうし……」

まゆ「加蓮さんも苦労してるんですねえ……」ホロリ







―ファストフード店―



加蓮「二人に聞きたいんだけどさ、アイドルになってからクローゼットの中が赤色とか
   黄色とか似たような色の服ばかりになってない?」

まゆ「言われてみれば確かに…… まゆは元々暖色系の服が多かったんですけど、モデル
   時代はもう少し色々なカラーやタイプの服を着てましたねえ」

裕子「私はあまり変わりませんけど…… あ、でも仕事で黄色とかオレンジ色の服を着る
   ことが多くなりましたから、最近は無意識にそういう色の服に目がいきますね」

加蓮「やっぱり二人もそうなんだね。ウチってイメージカラーでキュートは赤、クールは
   青、パッションは黄でグループわけされてるでしょ。仕事で着る衣装の色はいつも
   だいたい決まってるし、アタシもいつの間にか青系の私服が増えてきたよ」






まゆ「でも別にまゆ達は、私服の色まで事務所から決められているわけでは……」

加蓮「そうなんだけどね。でも仕事で同じ色の服ばかり着てそういう路線で売り出せば、
   自分のキャラやファンのイメージも固定されちゃうじゃん。凛とか奈緒はそれで
   いいかもしれないけど、アタシ青とか黒とかあまり好きじゃないんだよね」

裕子「そ、そうなんですか!? 加蓮ちゃんってあんなにカッコよくトライアドプリムスで
   寒色系や黒い衣装を着こなしてるのに……」

加蓮「だって青って寒そうだし、黒って重そうじゃん。アタシはアイドルになる前は
   まゆみたいな暖色系というかピンク色の服ばかり着てたよ。だけどイメージも
   あるから、普段着もだんだんそういう色の服が少なくなっちゃってさ」




ピンク色の服が好きな北条加蓮(16)
http://i.imgur.com/BfWmpkG.jpg





まゆ「難しい問題ですねえ。事務所のイメージと本人のアイドル像が一致していないと、
   これからの活動によくない影響が出るかもしれません……」ウ~ン

加蓮「Pさんのプロデュースに不満はないし、今の路線はアタシに合ってると思うけど
   クールの子達が集合したら全員寒色系の服を着てるのはどうかと思うんだよね。
   大人組はいいかもしれないけど、年少組はまだ早過ぎると思わない?」

裕子(ウチは元々自由なカッコの人が多いから、あまり考えたことなかったなあ……)






パッションの自由なカッコの人達
http://i.imgur.com/GRE2Dbn.jpg




加蓮「だからアタシはこれからソロでの活動を通して、グループのイメージやカラーに
   縛られないアイドルになりたいと思ってるの。事務所に反発する気はないけど、
   クールは青か黒い服しか着ちゃダメってことはないでしょ?」

まゆ「白いドレスも着ていたじゃないですか。まゆもあのお仕事はやりたかったのに、
   どうしてPさんは桃華さんとさくらさんを選んだんでしょう……」ブツブツ







~回想~



P『うおぉ、よかったなあ加蓮、身体の弱かったお前がよくぞここまで立派になって……
まるで可愛い妹を送り出す兄の気分だよ……』グスッ、ヒック、エッグ

加蓮『……Pさんのバカ』ムスッ



~~~



加蓮「まゆが思ってるほどいいものじゃなかったよあの仕事。確かに本番でもないのに
   あんなドレスを着れたのは嬉しかったけどさ……」ハア

裕子(白いドレス?肝試しのお仕事とかあったっけ?)








―――



裕子「そうだ!イメージにとらわれないアイドルを目指すなら、いっそキュートや
   パッションのアイドルになりきってみるのはどうでしょうか?」ポン!

加蓮「また急に話が飛んだね。アタシは衣装の色が決まっているのがイヤなだけで、
   別にクール路線に不満があるわけじゃないんだけど」

裕子「でもさっき加蓮ちゃん言ってたじゃないですか。私達のグループ分けは色が関係
   しているんですから、加蓮ちゃんがキュートな面を見せたらまゆちゃんみたいな
   赤やピンクの衣装がお仕事で着られるようになるかもしれませんよ?」





まゆ「一理ありますねえ。試してみてはどうですか?」

加蓮「う~ん、いきなりそんな事を言われてもなあ……」

加蓮「……」チラ

まゆ「?」





加蓮「うふふ、かれんですぅ~。かれんはぁ~、Pさんのためなら楽天スタジアムの
   始球式でMAX160キロ投げますよぉ~♪」クネクネ

まゆ「誰のマネのつもりですかねぇ……?」イラッ

裕子「え!? まゆちゃん160キロも出せるんですか!? 」

まゆ「出せたらオリンピックを目指します。あ、でも野球はないんでしたっけ?」



加蓮「やっぱりクール以外はしっくり来ないね。アタシそういうキャラじゃないし」

まゆ「まだパッションがあるじゃないですかぁ。そっちもやってみましょうよ」ニヤリ

加蓮「なっ!? 」ギョッ!!

まゆ「そうですねえ、はぁとさんのマネなんてどうでしょうかぁ?」

加蓮「よりによってしゅがーはぁと!? せめて未央とか美嘉とか……」



裕子「いいですねはぁとさん!ぜひお願いします!」キラキラ

まゆ「さぁ、お願いします加蓮さん。クールを変えたいんでしょう……?」ジリジリ

加蓮「う、ううぅ……」タジタジ

加蓮「……」





加蓮「はぁ~い♪ ほうじょうかれんことのーすかりぃだよぉ☆ かりぃはぁ、北国から
   おいしいカレーをみんなにたべてもらうためにやってきたのぉ☆ 」キャハ☆

まゆ「北のカレーって…… スープカレーですかぁ……?」プルプル…

裕子「あ~っはっはっはっ!最高です加蓮ちゃん!パッションいけますよ!」ゲラゲラ

加蓮「」ブチッ



加蓮「……アタシだけモノマネやらされるのは不公平だよね。まゆもやってよ」

まゆ「うふふ、そう来ると思ってましたよぉ。プロのアイドルならどんなタイプにも
   なれないといけません。凛さんでも奈緒さんでもいいですよぉ」ニヤリ

加蓮「じゃあ李衣菜で」サラリ

まゆ「え」

加蓮「すっごくテンション高い時の李衣菜でお願い。あのセリフ絶叫してね」ニヤニヤ

まゆ「」




裕子「李衣菜ちゃんといえばアレですよね!期待してますよ!」ワクワク

加蓮「裕子はくるみね。サイキックでモノマネくらい出来るよね?」

裕子「んな!? 」ギョッ!!

加蓮「どうしたの2人とも、早くやってよ。アタシ達演技指導も普段からやってるし、
   業界長い元モデルさんとエスパーアイドルの実力見せてよ」ニヤニヤ





まゆ「う…… うっひょ~……」ボソボソ

加蓮「え?なに?よく聴こえないんだけど?」

裕子「ふぇぇん…… ゆうこバカだからぁ、スプーンまがらないのぉ~」グスッ

加蓮「……」

まゆ「……」





加蓮「……やめよっか。アタシが言うのもアレだけど、裕子が気の毒になったよ」スクッ

まゆ「……そうですね。まゆも悪ふざけが過ぎました。そろそろ帰りましょうか」スクッ

裕子「ちょっ!? なんですかそのリアクションは!? 私真剣にやったのに!! 」グワッ!!







***



加蓮「結局あまり見て回れなかったね。続きはまた今度ってことで」スタスタ

まゆ「でも今日は楽しかったですよ。やっぱり自分でお店に行って買い物をするのは
   わくわくしますねえ。誘ってくれてありがとうございました」ニコッ

加蓮「アタシも楽しかったよ。そういえば裕子は何を買ったの?アタシ達はさっきの
   お店で服買ったけど、裕子は手ぶらじゃん」






裕子「あ、気にしなくていいですよ。私は最近の流行をリサーチするのが目的でしたから。
   あとはさいきっくショッピングをすればバッチリOKです!」ニコッ

まゆ「そういえばそんなことを言ってましたねえ。結局さいきっくショッピングって
   何なんですかぁ?」

裕子「あはは、そんなに大したものじゃないんですけどね。あそこに高級ブランドの
   お店があるじゃないですか。ちょっとだけ寄りますね」スタスタ

加蓮「え?アンタあんな店で買ってるの?アタシ入った事もないんだけど……」








 <イラッシャイマセ



裕子「私の地元はお洒落な服を買おうと思ったらデパートしかありませんでしたから、
   その中でいかに安い服を見つけ出せるかが勝負なんです。どんなに高いお店でも
   一着はありますから、それを狙って自分のサイズと好みで探せば……」ゴソゴソ

加蓮「……」ドキドキ

まゆ「……」ドキドキ

店員「……」ドキドキ

裕子「ありました!この服なら私でも買えます!」ニッコリ

店員「見つかったか…… うまく隠したつもりだったのに……」ガックリ

加蓮「」

まゆ「」






裕子「それじゃ買ってきますから、ちょっとだけ待っててくださいね!」タッタッタッ

加蓮「……あのコ一体何者なの?一発でブランド物の掘り出し物を引き当てるなんて、
   どんな直感してるのよ……」アゼン

まゆ「しかも都合よく自分好みの自分のサイズがあるなんて、どう考えてもありえない
   ですよ。それこそ超能力でも使わない限り……」ボーゼン





加蓮「今度買い物する時は裕子に全部頼もっか。アタシが案内するよりよっぽど良い
   服が買えるかもしれないよ?」クスッ

まゆ「いえ、あまり楽しそうじゃないので遠慮します。ああいう買い方をするなら
   わざわざ街に出る必要はありませんから。次回は東京のデートスポット巡り
なんてどうでしょうか」フフッ

加蓮「それはダメだね。カブったらイヤだもん。まあそれ以外なら案内してあげるから、
   つなぎ合わせてとっておきのルートを作ってみれば?」



おわり






 ここまで。申し訳程度の回想シーン一行のP出演ということで。タイトル詐欺じゃ
ないよね!次回には必ず登場させますから!(出す出す詐欺)
 タイトルはバイオ○ザード的なヤバいものじゃなくて、いつの間にか影響されてた
くらいの軽いものです。クールのアイドルで暖色系が多いのは、加蓮の他には何故か
上条さんですね。絵師さんに何か理由があるのかを聞いてみたいものです。では

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom