飛鳥「総選挙の夜」 (16)








飛鳥「来ない、か」

飛鳥「ハハッ、どうやらボクはまだまだ神様に愛されてないらしいね」


飛鳥「正直…来ると思ってたんだけど、ね」


飛鳥「当たり前のように来ると思って…ふたを開けてみればこの様か」


飛鳥「待ち続けるだけじゃ…ダメみたいだね」


飛鳥「自分から行動を起こさないままでは結果なんて与えられることは無い」

飛鳥「わかってた…つもりだったんだけどな」



飛鳥「このままで……いいんだろうか」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1398183557




飛鳥「…考えれば考えるほどに思考は腐っていく」

飛鳥「ならばいっそ考えないという手もあるし、諦めてしまうというやり方も勿論ある」


飛鳥「実際…前のボクだったら諦めてただろうね」


飛鳥「…プロデューサーに会う前、だったらね」



飛鳥「プロデューサー…あの人はいつも言っていた、願うだけでも、行動にうつすだけでも結果はついてこない」

飛鳥「願うことと行動すること、その2つを持たなければ望むモノは手に入らない」


飛鳥「でも…プロデューサー…ボクはどうしたらいい?」


飛鳥「いくら大人ぶったって…ボクはまだ子供なんだ…わかっていても体は動かない時がある」

飛鳥「待つだけじゃ…ダメなのかな?」

飛鳥「行動にうつさなきゃ…ダメなのかな?」





飛鳥「なんで…なんで……」


飛鳥「なんでカラアゲだけまだ来ないんだ……」






飛鳥「今は夜の8時くらい…総選挙の結果発表が終わってからお腹が空いてファミレスに一人で来た……」


飛鳥「この時間帯はそんなに忙しくもないはず……実際ボクが頼んだオーダーのふわとろタマゴのオムライスはすぐに来たしね」

飛鳥「でもこれだけじゃ足りないと思ってサイドメニューのカラアゲ4個を頼んだわけだけど……そのカラアゲだけがまだ来ない」


飛鳥「店内はお客さんがまばらで店員はなかなか出てこない…」チラッ



店員A「やっぱりしぶりんが1位だよな」

店員B「ニュージェネ全員5位圏内とかすげぇなぁ」




飛鳥「それどころか雑談してるレベルだね……これだから大学生しかいないシフト時間帯のファミレスは嫌なんだ…!」



飛鳥「今は夜の8時くらい…総選挙の結果発表が終わってからお腹が空いてファミレスに一人で来た……」


飛鳥「この時間帯はそんなに忙しくもないはず……実際ボクが頼んだオーダーのふわとろタマゴのオムライスはすぐに来たしね」

飛鳥「でもこれだけじゃ足りないと思ってサイドメニューのカラアゲ4個を頼んだわけだけど……そのカラアゲだけがまだ来ない」


飛鳥「店内はお客さんがまばらで店員はなかなか出てこない…」チラッ



店員A「やっぱりしぶりんが1位だよな」

店員B「ニュージェネ全員5位圏内とかすげぇなぁ」




飛鳥「それどころか雑談してるレベルだね……これだから大学生しかいないシフト時間帯のファミレスは嫌なんだ…!」





飛鳥「でも……オムライスも全て食べ終えてしまったこの状況で……」



飛鳥『カラアゲまだですか?』


飛鳥「なんて聞いたら……」


店員(どんだけ食うんだよ)



飛鳥「とか思われてしまうかもしれないし…」


飛鳥(まぁでも言うのが恥ずかしいという気持ちも勿論ある…だけど一番の理由は…)


飛鳥「オムライスだけで結構お腹いっぱいになってしまった事だね…」




飛鳥「正直いってカラアゲ4個も胃袋に入れる自信が無い…写真だったら小さく見えたのに実物は意外と大きかった…」


飛鳥「でも伝票を見る限り…」ペラッ


『にわとりの愛情たっぷりつまったふわとろタマゴのオムライス 


広々とした環境で育ったにわとりのさくさくカラアゲ』


飛鳥「カラアゲも書いてある…つまりこのまま帰るとボクはカラアゲの代金を損してしまうということだね…ていうかにわとりしか食べてないなボク」






飛鳥「……店員は」チラッ




店員A「お前って誰推し?」

店員B「鷺沢さんマジ女神」



飛鳥「…気づく様子は無し、だね」

飛鳥「というかお皿くらい下げて欲しいんだけどね、こっちに全く来ないよあのバイト」


飛鳥「だいたいボクは注文するときに…」




飛鳥『あ、あの、にわとりの愛情たっぷりつまったふわとろタマゴのオムライスと広々とした環境で育ったにわとりのさくさくカラアゲください…//』

店員『オムライスとカラアゲっすね』



飛鳥「こっちは恥ずかしい思いして全部言ったというのに…!!!」

飛鳥「…いや今はそれよりもカラアゲだね、本題を忘れてしまうところだったよ」






飛鳥「本音を言ってしまうとカラアゲはもう正直いらない」

飛鳥「だけど食べてもないカラアゲの代金を払うのは嫌だ…どうすればいいんだろう…」


飛鳥「…ん?待てよ…そうだ!」


飛鳥「ボクはカラアゲにまだ手をつけてないしそもそも席に運ばれてもいない…だったらキャンセルすればいいだけの話だね」

飛鳥「なんだ簡単な事だったんだ…ふぅ、解決したね」


飛鳥「そうだ、ドリンクバーも頼んでるんだしコーヒーでも飲もうか、食後の一杯は欠かせないしね」スッ




飛鳥「ファミレスのコーヒーは案外バカに出来ないね、中々の香りだし」コポコポ

飛鳥「さてと…砂糖とミルク…………まぁ誰もいないし良いか」ヒョイッ



飛鳥「ふぅ……それじゃキャンセルを…ッ!!!?」



カラアゲ『よう』



飛鳥(お、置かれているっ!!?さっきまであったオムライスのお皿と交換するようにカラアゲが…ッ!?)


飛鳥「ま、まさか…ッ!」チラッ



店員A「新ユニットCD買う?」

店員B「当たり前だろ」




飛鳥「こ、こ……この大学生バイト…ボクが席をたった瞬間にカラアゲを……!!」


飛鳥「しかも…!」



カラアゲ『コイツを見てどう思う?』


飛鳥「カラアゲも写真で見るよりもずっと大きい…!!」


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom