陛下と艦娘と黒の大王(カービィ×艦これ×アルペジオ)(993)

皆さんどうも、こんにちはこんばんはダス。
醜き陛下とカタツムリの人です。
やっぱり性懲りも無く書いてしまいました、今回も長くなるかもしれんので気長に付き合ってくれたら幸いです。
ではここで注意点を。
1:キャラの口調とか可笑しいかもしれない。
2:相変わらず安定しない投稿スピード。
3:誤字脱字するかも(多分)。
4:ご都合主義や急展開があるかも。
5:今回はアルペジオ成分薄め、精々ミョウコウ達や話の間に挟むおまけ程度。

これらがokな方のみ、お進みください。

はい いいえ

本当に良いんですね?

はい いいえ




こ う か い し ま せ ん ね ?

はい いいえ


では、人物紹介を始めてから本編に行ってみよう!

ーーー人物紹介 星のカービィ勢ーーー

デデデ陛下
毎度おなじみペンギ…ではなく、ププヴィレッジの自称陛下。
ZOYが口癖だが、カービィとの決着を付ける為に作らせたマスクを装備すると一転して勇ましい口調になる。
側近のエスカルゴンすらも『バカ』と言われる程頭が悪かったが、地球に赴いて艦娘達と交流を深めた事により成長した…かもしれない。
頭が悪ければ性に関する知識も全く無い、故に風呂を覗く事を拒否される意味が分かって居ないが、やっては行けないと理解はしたようでそれ以降は覗かない様にしている。

ドクター・エスカルゴン
カタツムリ閣下である、エンジニアでもある。
一応デデデに忠誠は誓っているがつい本音が出てしまい、制裁を食らう事も。
地球に赴いてからは艦娘の艤装、艦載機、艦艇などの開発を担当。その手腕で二代目ハルバードも建造した。
カラの中身は企業秘密と言うウワサだ!

カービィ
言わずと知れたピンクの戦士。
敵を吸い込んでコピー能力を得て、敵を一網打尽!
優しい心とぽよぽよした体を跳ねさせ、いざ魔獣退治!
彼の友達は多いぞ!

マホロア
彼方からの旅人。
ローアと言う船にカービィと乗って地球にやって来た。
旅の途中で入手した物を使って状況を打破したり、なんだかんだ言いながら敵を自分の船のクルーにするなど創意工夫に優れる。
ただ目の前でいちゃいちゃされるとイラつくタイプで、その後は誰かに八つ当たりしたくて堪らない厄介者。
ただ友達や恩人は大切にするなど基本は優しい。

マルク
最凶の道化師(仮)くん。
元々食べ物がろくに手に入らない星に住んでいた為、凶悪な戦闘力を誇る。
それに似合わず食べ物のありがたみを理解していたり、好き嫌いがある艦娘を論したりして克服させるなど面倒見が良い。
何時もは食堂で間宮さんと一緒にご飯を作っている、それが要因で間宮と付き合う事になった。
その後は色々ネタにされながらも間宮との関係は良好、その所為で何時もマホロアの機嫌が損ねてしまう。
ちなみにウブい、意外にウブい、誰が何と言おうとウブい。

シャドーカービィ
影の戦士。
鏡の国騒動でディメンションミラーから生まれたカービィの影。
しかし当のカービィが本当に純粋な心を持っていたため悪戯好きな性格に収まっている。
その後は共にダークマインドらを撃破、鏡の国を守っていたが、復活したダークメタナイトに追い出されてしまう。
ちなみにダークメタナイトの事はダメナイトと呼んでいる。

ダークメタナイト
通称ダメナイト。
鏡の国に封印されていたが、長い年月を経て復活し、シャドーカービィを追い出してディメンションミラーから脱出する。
シャドーカービィとは違い、非道な性格。鏡を拾ったセクトニアの心を奪い、悪しき女王にした張本人。
ディメンションミラーから脱出した後はダークマインドを復活させるべく動き出そうとする…
……が、そのすぐに準備運動と称して暁に挑みかかり、激戦の末に再びディメンションミラーに封じられ、鏡を破壊されて永久に消滅してしまう。哀れ…

クィン・セクトニア
天空の国の女王。
嘗てタランザが拾って来たディメンションミラーによって心を奪われ、悪しき女王として君臨する事になってしまう。
その後は下界も征服しようとタランザを送り込むが、タランザが持って来た『地球』の情報を耳にし急遽それを征服しようと目的を変更、デデデ同様地球に赴く。
地球にたどり着いた後は、デデデ海軍にわずかに接触しながらも、水面下で準備を進めていた。
タランザにより洗脳されたハルナを打ち破った(結果的に)デデデ達との激闘の末、破れるがダークメタナイトの消滅と共に起床。
『操りの秘術』でイオナに寄生し、巨大な華と化して全てを飲み干そうとする。
最終的にはスターロッドを装備したカービィにより、強引にイオナから引きはがされ、その際に心も戻って一件落着に収まった。
疲れている時は思っている事と違う事を口走る体質。

タランザ
操りの魔術師。
変わり果てたセクトニアを戻す為、地球を支配しようとする。
その目的の為ならば心を鬼にし、卑劣な行為や外道な発言などをしてきた。
ちなみに死と隣り合わせの修行の末に巨大なタランチュラの様な姿の戦闘形態を獲得する。
本丸たるセクトラトアでは操ったマヤとハルナを戦わせ、ハルナに至っては無理矢理エネルギーを送り込んで戦闘を続行させる。
が、深海棲艦からぶんどったレ級を運搬の途中で落としてしまうなど浮かれると失敗しやすいタイプ。
腕が多いので細かい作業や料理は得意。

セクトルディ軍団
通称、女王親衛隊。
フロラルドの帝都付近に住むワドルディ、セクトニアから雇われ、その後は無償で仕えている。
別の種類のセクトラバートやセクトラナイトなどが居るがそれも区別せずにセクトルディ軍団と纏められる。
良くおにぎりを冷蔵庫に放置して固めてしまうタイプ。

ヘビーロブスターMk2
エスカルゴンがハルバードの艦内を守る為に建造した戦闘マシーン。
第六駆逐隊達がキス島の作戦を終えた際に持って来た深海棲艦の新兵器を改造して作り上げた、
プププランドが平和なので未だに活躍は出来ていない。
ちなみに人工知能も引き継いでいる。

ーーー艦隊これくしょん勢ーーー

吹雪型駆逐艦1番艦 吹雪
けなげで頑張りやの艦娘。
影が薄くなりがちだが、仲の良い第六駆逐隊と共にセクトラトアへと突入する。
扶桑姉妹の二人に憧れており、その二人のサインを主砲に書いてもらった時は喜んでいた。
良くも悪くも正義感が強い。

暁型駆逐艦1番艦 暁
一人前のレディー(仮)。
第六駆逐隊としても姉妹としても筆頭で、よく背伸びしたがる年頃。
他の仲間にも良く揶揄われるが、セクトニアやダークメタナイトとの戦いでは勇ましい姿を見せる。
その後はデデデや他の仲間と共にポップスターに戻る。
サンタさんはきっと居ると信じて疑わない子。

暁型駆逐艦2番艦 響
四姉妹の内の次女、
クールで穏やかな性格、滅多な事では怒らないが、怒ると手がつけられない…と言うウワサ。
始めに沢山接触したデデデに懐いている。
サンタは黒いサンタと一緒にやって来ると思っている子。

暁型駆逐艦3番艦 雷
四姉妹の内の三女。
毎度おなじみ面倒見が良いかーちゃん体質。
レ級や電と外見が似ているので良く間違われる。
サンタは袋を持って現れると信じている子。

わかっているのか2つはまだしも3つも混ぜたらついていける人間は激減するということを

暁型駆逐艦4番艦 電
四姉妹の内の末っ子。
人見知りで恐がりだが、少し克服して成長している。
優しい心も持っており、敵も助けたいと思っている。
サンタさんはきっと髭もじゃのぽっちゃりさんだと信じて疑わない子。

睦月型5番艦 皐月
ボクっ子。
男勝りの性格と小さな体で戦場を駆け抜ける!
火力は弱いが回避力と雷撃力で攻めるぞ!
デデデとは友達みたいな関係なんだ!
どこかの恥じらいすら捨てた男らしい女性とは関係がないぞ!

睦月型3番艦 弥生
物静かな子。
表情が硬いので怒っていると勘違いされがち。
口数も少ないので人付き合いが苦手。
何時も妹の卯月に引っ張られる。

睦月型駆逐艦4番艦 卯月
オンオフが切り替えられるハイテンションな子。
口癖が『ぴょん』、一人称が『うーちゃん』と色々はっちゃけている艦娘。
しかしシリアスな場面では形を潜め、口癖も無くなって一人称も『私』になる。
普段は生の人参を齧っている。

>>6
まあ前作は意外と好評だったので大丈夫じゃないかと…多分、多分。


駆逐艦島風
世界にたった一隻しか居ない艦娘。
世界で一隻しかなかったり、他の駆逐艦より速かったりと。
まさにロボットアニメの主人公的な存在。
かけっこでは何時も一番、が何時も友達が少ない。
何時も連装砲ちゃんと一緒に居る。

天龍型1番艦 天龍
いつの間にか横須賀鎮守府の風呂に沈んでいた艦娘。
自信過剰なタイプで自分を恐れる物は居ないかとワクワクしている。
剣による接近戦を得意とする。
妹の龍田はセクトニアの本拠地にて発見する。

天龍型2番艦 龍田
穏やかだが天龍よりも怖い人。
どういう訳かセクトニアの本拠地に扶桑姉妹と共に捕らえられていた。
その後はデデデ海軍に入り、共にポップスターに戻る。

球磨型軽巡洋艦1番艦 球磨
シャケが大好物の艦娘。
良くデデデのお世話をしようとして雷と衝突する(結局その後は仲直りする)。
巨大なアホ毛が特徴だが余り触れられない。
ネームシップの例に溢れずやっぱり妹想い。

球磨型軽巡洋艦2番艦 多摩
マグロの寿司が食べたい艦娘。
名前の通り猫っぽく、猫じゃらしなどのおもちゃに引っ掛かる。
寒い時はこたつの中を占領する。(熱くないのか…?)

球磨型軽巡洋艦3番艦 北上
おなじみハイパー北上さま。
重雷装巡洋艦に改造され、さらにパワーアップ。
持ち前の雷撃力で敵を殲滅せよ!
ただ装甲はめっぽう柔い。
大井っちとは親友だぞ!

球磨型軽巡洋艦4番艦 大井。
北上さんの親友。
北上と同じく重雷装巡洋艦に改造でき、更なるパワーアップが可能。
おっとりとした性格だが、北上の事となると自分の世界に入ってしまう。
それ以外は普通。

球磨型軽巡洋艦5番艦 木曾
男勝りな軽巡洋艦。
何時も提督や駆逐艦達をリードし、鍛えあげていく教官的存在。
こちらも姉想い。
ちなみに良く間違われるが5番艦である。
大事な事なので二度言う、木曾は5番艦である。
ちなみに北上や大井と同じく重雷装巡洋艦に改造が可能…らしい。

ごめん…まだ書いて間もないけど用事があるので戻るまで書けんだよ…
2時間位待ってて…ごめん…

戻ったです、今から書くです。

高雄型重巡洋艦3番艦 摩耶
デデデ海軍が誇る重巡洋艦1隻目。
口調は乱暴だが、やっぱり面倒見が良い。
天龍と木曾と良くつるんでおり、いろんな話で盛り上がっている。
基本は勇ましいが乙女な所も。

ヨーク級重巡洋艦 エクゼター
海外から救援にやって来た艦娘。
礼儀正しい口調で話す、デデデ海軍の重巡洋艦2隻目
嘗て自分(の乗組員)を救助した雷と電と再開した時はとても喜んでいた。

大鳳型装甲空母1番艦 大鳳
デデデが大型建造で運良く引き当てた最新鋭の装甲空母。
ポップスターに戻っても毎日の筋トレは欠かさず、デデデにトレーニングジムの建造を依頼している。
頑丈さと中破でも艦載機を発射出来るのが売り。

祥鳳型軽空母2番艦 瑞鳳
同じくデデデが建造で引き当てた軽空母。
良く艦載機の整備や、射出の練習をしていたり、デデデの気まぐれ秘書艦になって仕事を見守ったりしている。
金剛と同じくデデデに好意を寄せている。

赤城型正規空母1番艦 赤城
デデデ海軍の噂を聞きつけ、入軍志願をして来た艦娘。
空母の中でも指折りの実力を持つ『一航戦』の一人。
その名に恥じない実力を持つが、その分ボーキサイトを沢山食べてしまう事にコンプレックスを抱いている。
何時も瑞鳳や大鳳の艦載機の整備を手伝っている。

長門型戦艦1番艦 長門
世界のビッグ7の一人。
砲撃力だけでなく、装甲もパンチ力も高い。
騒動が治まった後は平和なポップスター噛み締めつつも暇を持て余している様子。

長門型戦艦2番艦 陸奥
姉である長門と同じく世界のビッグ7の一人。
包容力と色気が高く、艤装のカッコよさも相まって町の子供達に人気。
装甲空母である大鳳と同じように爆発が苦手、その為火遊びを極端に嫌っている。

大和型戦艦1番艦 大和
言わずと知れた戦艦。
居住性も高く、よく子供達にラムネなどを振る舞っている。
普段は町やウィスピーの森などを歩いて回っている。
とんでもない艤装の重さを持て余している。

大和型戦艦2番艦 武蔵
有名な戦艦大和の妹、武人。
褐色の肌に眼鏡と言うこれまた移植の組み合わせを持つ艦娘。
セクトニアの本拠地に建設されたばかりの頃から潜入しており、反旗を翻すチャンスを伺っていた。
そのスニーキングの腕は目敏いタランザやセクトニアでも発見出来ない程。

ーーー深海棲艦ーーー
駆逐級
深海棲艦の下位種、その割には意外と図体がデカい。
言葉は全部カタカナと漢字のみで喋る。
雄が多いと思われるが性別は不明。

軽巡級
駆逐級より上のクラス。
ここから艦娘と同じサイズに。
相変わらず性別は不明。

重巡リ級
完全に人の形となり、明確な言葉も話せる様になる。
一見した見た目は同じでも髪型とか性格とかが違う。

軽母ヌ級
深海棲艦の軽空母。
ヲ級に勝るとも劣らない底知れない実力を持つ。
何故か方言が混じった口調の個体が多い。

空母ヲ級
深海棲艦の空母。
頭にヌ級の様な艤装をかぶっている。
大体の個体は物静かで、ミステリアスな雰囲気を漂わせている。
デデデは一つの個体を拿捕し、その後はデデデ海軍の仲間入りを果たす。

戦艦ル級
深海棲艦の主力。
長門と同じ様な雰囲気を漂わせている。
意外と沢山配備されている。

戦艦タ級
艦娘にそっくりな外見の戦艦。
姉的存在のル級より強い、そのため配備している海域は少ない。
火力と装甲に自信を持っている。

潜水ヨ級
基本的に語尾をのばして喋る。
何時も艤装の中にこもっているからか、服は着ていない。
カ級とは友達。

潜水カ級
ヨ級とは対照的に無口な個体。
しかし水の中に潜るとその言いたい事が分かる。
好きな物はマスク、地上から流れ着いて来た物を横領して自室に置き、後で身につけるのが趣味。

泊地棲鬼・姫
深海棲艦の上位種の『鬼』に属する個体。
名の通り深海棲艦の泊地を治める存在。
冷静な性格でどんなトラブルが起こっても慌てる事は無い。
しかし心の内には熱い心を持っており、ライバルと認めた相手と戦う事を望んでいる。
ちなみに深海棲艦の鬼と付く個体は『姫』に変身が可能。

装甲空母鬼・姫
深海棲艦の上位種の『鬼』に属する個体。
サンタクロース海域に進軍するデデデ海軍を止めるべく南方棲鬼と共に配備された。
普段は気怠げな正確だが、情に厚く一度信頼している者が傷付けられると、必ず傷付けた相手を沈めようとする。

南方棲鬼 南方棲戦鬼・姫
深海棲艦の上位種である『鬼』に属する個体。
両腕の爪と砲による攻撃が得意。
装甲空母鬼とは大の親友。
ノリが良く歌と踊りが好き。
贅沢な事に彼女だけは南方棲戦鬼 南方棲戦姫と形態が3つもある。

飛行場姫
通称:ヘンダーソン
金剛とは何かしらの因縁がある様だが詳細は不明。
日本で流行っているとある小説にハマり、その特徴的な言葉遣いを真似している。
戦闘や装備開発、作戦参謀などオールマイティーに行動するが精神が弱い。

戦艦棲姫
深海棲艦の支配者。
全ての海を納め、汚染を防ごうとしていた。
霧のコンゴウとは仲が良い。
戦艦レ級を自分の娘の様に愛している。

戦艦レ級
嘗て水上機母艦級を建造しようとして失敗した時に出来た艤装と、戦艦棲姫が作り出した人間体を複合させた所謂キマイラ。
その恐ろしい戦闘力故に艤装が仲間を捕食してしまったがそのまま破棄される事は無く、艤装を抑止する手段として艤装を手なずけさせられた、
ようやく外に出ると言う所でタランザに攫われてしまうが、途中で横須賀鎮守府に落下。そして母である戦艦棲姫と再開する事になる。

ここで忘れちゃった子を…

金剛型戦艦1番艦 金剛
イギリス製の戦艦。
提督と紅茶が大好きな艦娘。
持ち前の火力と速力で提督にアピール!
当然妹想いだぞ!

金剛型戦艦2番艦 比叡
金剛の妹分。
何時も気合いを入れて頑張っているぞ!
気合いを込めた火力で敵を薙ぎ倒す!
だけど料理の腕は……お察しください。

金剛型戦艦3番艦 榛名
何時も礼儀正しく、ひたむきな姿勢が目立つ子。
金剛に負けないくらい提督の事が好きだぞ!
その自慢の速力と砲撃力で敵を圧倒せよ!

金剛型戦艦4番艦
艦隊の頭脳。
姉妹の中の末っ子で、艦隊の頭脳と呼ばれる様に頑張っている。
…の割には敵を積極的に沈めようとしたり、怒ると怖かったりと頭脳とはちょっと遠い。
特徴はやっぱり眼鏡ですぞ。

給糧艦 間宮
戦いに疲れた艦娘達を癒すお姉さん。
その仕事柄、料理の腕前は達人級。
何時もマルクがそばで手伝いをしており、だんだんと惚れて行って…一悶着ありながら無事に付き合う事になった。
体のスタイルも抜群、駆逐艦達のあこがれの存在。

任務娘
任務を管理する娘さん、デデデ達からは大淀と呼ばれている。
朗らかな口調が目立ち、普通に笑顔も出来るが…その正体はカスタマーサービスがデデデの仕事ぶりを確認する為に送って来た遠隔操作式のロボットだった。
その為彼女は厳密には艦娘ではない。
その後は横須賀鎮守府に滞在している。

メタナイト卿
仮面の騎士。
宝剣ギャラクシアを持つ銀河戦士団の一員。
カービィの事を知っている様な雰囲気があるが詳細は不明。
カービィに試練を与え、今より強く鍛えて行くのが目的。

シリカ
銀河戦士団の娘。
嘗てメタナイトとは一悶着あったが解決しており。
その後は気ままに旅をしていたが、鏡の国に迷い込んだ事によって4人に分かれたカービィと共に鏡の国の異変を解決した。
自在に変形するクロスガンが武器。

おお、新作ですか

黒の大王・・・まさかディメンションミラーの?

ごめん…疲れが出て爆睡してしまった…

ーーー蒼き鋼のアルペジオ勢ーーー

潜水艦イ401 イオナ
霧が誇る潜水艦。
メンタルモデルを有しており、群像達を乗せて海を渡る。
途中、セクトニア達に船体ごと強奪され、本拠地で蜘蛛の糸に包まれた状態になる。
最終的にはセクトニアに寄生され、巨大な華と化すが、スターロッドを装備したカービィによってセクトニア共々救出される。
その後はクルーや他の霧と同様地球に滞在し、地球の海を渡っている。

千早群像
イ401の艦長。
物事を冷静に見る力を持つが、予想外の事には対応が出来ない(ヤマトのメンタルモデルが幼馴染に似ている等)。
しかし度胸はある、その後は流れでヤマトの艦内に乗り込み、イオナが残した演算補助ユニットをたどってセクトニアの本拠地の発見を提案した。

橿原杏平
所謂イ401の矛、火器管制を担当する男。
アニメオタクで普段は持って来た映像データをイオナと一緒に観覧している。
また、共にゲームにも勤しんでいたりと楽しくやっている人。
ロリコン扱いされるのはアニオタの宿命。

織部僧
千早群像の第二の幼馴染。
常にマスクを被っており、謎が多い人物。
しかし意外と影が薄かったりする。

>>19
はい、腹が開くアイツです。
しかし今回の彼は少し違う生まれ方で出てきました…クフフ…

四月一日いおり
機関調整やメカニックを担当する子。
名字がとんでもなく読みづらい。
彼女は何時もちびイオナと一緒におり、そのちびイオナを辿って捕われたイオナの行方を探し当てた。

八月一日静
ソナーを担当する子。
眼鏡と黒髪ロングが特徴。
地味だね、地味だと言われても、頑張るよ。

大戦艦ハルナ
霧の大戦艦。
タランザに攫われ、洗脳を施されて現れた。
しかし暁達にコートを脱がされ、何時もの調子に…と思いきや。
タランザに体内に魔力を注がれて今度は殺戮マシーンに、最早万事休すと思われたが、突如『何か』によって再起動された。
騒動が収まった後は安息を求め、キリシマと蒔絵と共にポップスターに移住。

大戦艦キリシマ
体が小さくなって以降。着ぐるみが好きになってしまったメンタルモデル。
騒動が治まった後はハルナと共にポップスターに移住する。
前に中身を執拗に詮索された事もあり、デデデは苦手気味。

刑部蒔絵
ハルナとキリシマの『友達』
騒動が治まった後はハルナ、キリシマと共にポップスターに移住。
町で子供達と遊んだりして子供らしく過ごしている。

重巡洋艦タカオ
彼女の愛は…沈まないッ!!!
以上ッ!!!!


……冗談はほどほどにして、タカオとは千早群像ラブなメンタルモデルである。
騒動が治まった後は地球に滞在、そのまま群像達と海を歩む。

大戦艦ヒュウガ
彼女もまた愛に狂ったメンタルモデル…
彼女は自分を圧倒したイオナを溺愛し、それはもうストーカーの域に達するまでに追い回している。
イオナからは若干ウザがられて居るが、彼女がそれに気づく事は無いだろう…

大戦艦ヒエイ
残念であるが故に一番可哀想な人。
生徒会を築いたけどその参加者に逃げられるわタランザに攫われるわおまけに艦艇まで失うわ悲惨な道を歩んでいる。
しかし生徒会を再建しようとする心意気は消えず、今もコンゴウと一緒に作戦を立てている(コンゴウは呆れ気味)。

重巡洋艦ミョウコウ
霧のメンタルモデルの一人。
ローアに敗れて以降は横須賀鎮守府に居着いていた。
その後は再開した姉妹とも和解し、戦いの末にデデデ海軍側に全員引き入れる。
その後、姉妹共々ローアのクルーとなる。仕事は副船長。

重巡洋艦ナチ
何時も正座ばかりしていたが、横須賀鎮守府に居着く様になってからは立っている事が多くなった。
礼儀正しい口調で何時も独断先行するアシガラに手を焼いている。
ローアのクルーとしてのお仕事は作戦参謀。

重巡洋艦アシガラ
飢えた狼の名に恥じず猪突猛進な子。
食べる事が大好き、横須賀鎮守府に居着いてからは間宮の料理を楽しみに生きている。
少しお馬鹿さんだが、姉妹想いなのだ。

重巡洋艦ハグロ
ちょっと面倒くさがりやのメンタルモデル。
不良みたいな態度を取る事もあるが、本当は姉想いの良い子。
生徒会の服装になんだかんだ良いながら適応してしまっている。

重巡洋艦マヤ
コンゴウの友達。
タランザに攫われて洗脳を施され、本拠地に乗り込んだコンゴウ達と戦う事になる。
その後はHR-D3に乗り、二度コンゴウ達を倒そうとする。
元々402らが生み出した監視ユニットだったので、タランザが操った時点で402達が操っていた頃の記憶は無い。
倒した後は普通の人間と大差ない状態になり、ここからもう一度育て上げて行くとコンゴウは誓う。

大戦艦コンゴウ
霧の大戦艦。
堅物な正確だが、マヤの事となるとそれを最優先に解決しようとする。
マヤを取り戻した後は、再び友達としてマヤを教育すると決意する。
その後は地球に滞在し、何とか再構築した自分の艦艇にマヤを乗せ、色々遊び等に付き合っている。

>>24
さ、早速間違えてしもうた…正しいの置いとくね。

○堅物な性格だが、マヤの事となるとそれを最優先に解決しようとする。


大戦艦ビスマルク
霧の大戦艦
メンタルモデルを二つ有しており、その両方が月と太陽を彫った何かを装備しているが
決してキッタリハッタリともMrブライトともMrシャインとも関係がない。
艦艇を失った後はズイカクの船に世話になっている。

海域制圧艦ズイカク
霧の海域制圧艦。
その名に似合わず普段は釣りをして楽しんでいる。
釣った魚で人間と交流したりする事も。
セクトニアの本拠地を先に発見しており、潜入した後独自で囚われの霧等を解放していた。
しかしタランザに見破られ、天空に吹き飛ばされる……がその後落下の勢いを利用してタランザにトドメ。
完全に勝利した…と思われたが、今度はセクトニアに後ろから吹っ飛ばされ、以降は登場しなかった。
その後は何事も無かったかの様に、自分の船に霧を招き入れたりして過ごしている。

大戦艦ナガト
コンゴウの話し相手。
ビスマルクと同様、メンタルモデルを二つ有する。
ナノマテリアルを使って何時も桜吹雪を降らしている。
日本の『KABUKI』と言う文化に興味があるらしい。

超戦艦ムサシ
霧の超戦艦の一人。
真っ白な外見が特徴で、何時も千早翔像に付いて回っている。
イ401と同じく沢山のクルーを持っており、クルーとは毎日話したりして過ごしている。
その目は常に閉じられているが、伝えたい感情は大体分かるので安心。

千早翔像
超戦艦ムサシの艦長。
知っての通り千早群像の親父さん。
長い間家族に会っていない事を群像に咎められる。
地上に降りて外出する時はサングラスを外す。

超戦艦ヤマト
霧の超戦艦にして、霧の艦隊の総旗艦殿。
幼馴染に酷似した外見のメンタルモデルで群像を困惑させた。
演算能力と火力には定評があり、ユキカゼにメンタルモデルを与えたのは有名。

潜水艦イ402&イ400
超戦艦直属の潜水艦。
主に霧の統制や監視などを担当する。
イオナとも姉妹で意外と仲が良かったりする。
騒動が収まった後は地球に滞在して普段通りに暮らしている。

駆逐艦ユキカゼ
ヤマトに演算能力の2%を与えられ、メンタルモデルを持てる様になった霧。
鉄底海峡最深部に配備され、撃破される。
その後はセクトニア達に誘拐され、檻に幽閉されるがデデデ達に救助される。
……しかし、セクトニアへと続く道の開き方を教えた直後、操られたマヤにコントロールを奪われてしまう。
マヤが倒された後はどうにか逃げ果せた模様・
騒動が治まった後はヤマトの船の上で過ごしている。


アドミラリティ・コード
霧に指令を与えた張本人。
全てが謎に包まれているが、暴走するハルナを再起動させ、デデデ達に激励の言葉を贈る。
それ以外の詳細は一切不明。




ふー…まさか登場人物紹介だけでこんなに食うとは…キャラが多過ぎやね…
肝心な本編の投稿は明日になりそう…すんません…

よし…今から本編を開始します。

ーーーーーー

ここは…ポップスター。
呆れ返る程平和と称されるこの星は、美しい自然が沢山あり、町で暮らす人々もありました。
そんな美しい星だからこそ、狙われる事も少なく無い訳で……



「…完成したか?」

「ああ、全て順調だ」

「そうか…ならば…送り込む準備を進めろ…」

「了解した…」

「フフフ…デデデ…カービィ…目に物を見せてやる…!」



???「…」ギランッ




第1話『果無き平和』


ーーーデデデ城 王室ーーー

デデデ「ふー…」

一人の男が椅子に腰をかけ、ため息を吐く。
そこからモニター越しに語りかける者が。

カスタマー『陛下…深海棲艦と…クィン・セクトニアの件、お疲れ様でした』

デデデ「ああ…もの凄く疲れたZOY…」

カスタマー『陛下の依頼の達成に乗じて、ホーリーナイトメア社も艦娘を販売するサービスも始めました』

エスカルゴン「ちょとまてよ、それ正視に建造した奴でGESよね?」

カスタマー『無論拿捕した物に御座います、わざわざ資源を溶かすのもアレですし』

エスカルゴン「だからぁ!そーいうのが行けないっつってんでしょ!!」

カスタマー『ホホホ、ではお伝えしましたので…今後もご利用は計画的に』

エスカルゴン「オイちょっと待て…!」

カスタマーサービスは足早にモニターを消す。

エスカルゴン「…ったくあの悪徳金融業者が…」

デデデ「全くだZOY」

バダンッ!!

金剛「てぇーいとくぅーっ!!」ガバッ

デデデ「おわっ!?」

扉をぶち開け、そのままデデデに抱きつく少女が一人。
彼女は戦艦『金剛』、艦娘の一人である。

金剛「提督!今日はどこに行くネー!?」

デデデ「今日は…このププヴィレッジを回るZOY」

金剛「Wow!それは楽しみデース!」

エスカルゴン「ちょっとちょっと…何時も扉を乱暴に開けるの止めて欲しいでGESよ!ネジとかが緩むでしょうが!」

金剛「気にするなデース!」

エスカルゴン「全くもう!」

デデデ「ハハハハ、では早速行くZOY!」

金剛「YES!」

エスカルゴン「ったく!いっつも人の話聞かないんだから…!」

ーーーーーー

ワドルドゥ「では、お気をつけて!」

金剛「私が居るから安心デース!」

デデデ「心配は無用だZOY!」

金剛「では…出撃デース!」

デデデ「おう!」

ーーー町中ーーー
金剛「ワーオ…ここが提督が治めているププヴィレッジデスネー!」

デデデ「ああ、ワシが陛下をやっているZOY」

フーム「あら?デデデじゃない」

ブン「女の人連れて何やってんのー?」

デデデ「今日は金剛をププヴィレッジに案内している故、邪魔をするでないZOY!」

金剛「そうネー!今日は提督とデートの日なのデース!」

ブン「えぇ?で、デートぉ?」

フーム「…聞き違いかしら?」

デデデ「兎に角!ワシは何も企んでいない、だから邪魔は無用だZOY!」

フーム「ふーん…まあ良いわ、魔獣を送ってこないならね」

ブン「そこのお姉さんも無理すんなよー!」

金剛「大丈夫ネ!提督は優しいから!」

ブン(何を根拠に言ってんだか…)ヤレヤレ

ーーービブリの本屋ーーー

デデデ「ここが本屋だZOY」

金剛「本屋デスかー…始めてきますネー」

ビブリ「ゆっくりしていってくださいな、立ち読みさえしなければ良いですよ」

金剛「立ち読み?」

ビブリ「最近多いんですよ、この間だって半日ぐらい漫画雑誌等を立ち読みされましたし…」

デデデ「注意すれば良いだろうに」

ビブリ「その時は忙しかったんですよ、丁度新しく入荷した小説とかの整理で…」

金剛「小説?」

デデデ「…例のアレかZOY?」

ビブリ「パピーポッティーですか?残念ながらあれとは違います」

デデデ「まあ出ても文字ばかりだから読みづらいだろうがな…」

金剛「えーと…字、読めないんデスか?」

デデデ「何を言う!ただ絵がある本が好きなだけだZOY!」

金剛「ふーん…ま、今度読み聞かせてあげるネ!」

ビブリ「えーと…どうでも良いんで用があるなら…」

デデデ「今日はププヴィレッジを回りに来ただけだZOY!だから欲しい物など無いZOY!」

金剛「提督ー!この本面白そうデース!」

デデデ「…って言ってる側から…!」

ビブリ「ふむ…貝類のおいしい食べ方、海の魚図鑑ですか…」

金剛「おいくらデスか?」

ビブリ「えーと…少々お待ちください?」

金剛「ハーイ!」

デデデ「…はぁ」

ビブリ「えー…合計450デデンになります」ピッピッ

デデデ「仕方ない、現金で払うZOY」チャリンッ

金剛「カッコいいネー!」

ビブリ「毎度ありがとう御座います、またのお越しをお待ちしております…」

デデデ「今回だけだZOY!」

ビブリ「…陛下も変わりましたね」

デデデ「何?」

ビブリ「前はお金を払えと言ったら激しく怒ったのに今は怒りませんでしたねえ」

デデデ「…」

金剛「そうなんデスか?」

デデデ「…も、もう行くZOY!」ダッ

金剛「あぁ!提督ー!待つデース!」

チリリン……

ビブリ「…ほほ」ニコ

ーーーーーー

金剛「はぁ…はぁ…な、何で急に走ったネー?」

デデデ「き…気にするでない!」

金剛「デスか…じゃあ次は何処に行くネ?」

デデデ「次は…タゴのコンビニエンスストアにでも行くか」

金剛「了解ネー!」

ーーーコンビニーーー

ガチャッ…

タゴ「いらっしゃーい!」

デデデ「邪魔するZOY」

金剛「オー!ここがコンビニデスねー?」

タゴ「あら陛下と…その子誰?」

デデデ「もう忘れたのか?戦艦金剛だZOY!」

タゴ「…ああ!金剛さんね!いやー…陛下が連れて来た艦娘って子、数が多くて覚えきれないんだよね!」

金剛「仕方ないネー、結構種類あるしサー」

タゴ「それで、何をご用立てで?」

デデデ「金剛、何か欲しい物はあるかZOY?」

金剛「紅茶が飲みたいネーッ!」ピョンピョン

デデデ「あるか?」

タゴ「調べてきます!」トテテテテ……


デデデ「…所でだ、何故紅茶が飲みたいと言った?」

金剛「分かりまセーン!」パァッ!

デデデ「分からないだと!?自分で言っておいて何事だZOY!」

「ん?デデデ大王ではないか、どうしたのだ?」

デデデ「誰ぞ…おお、ハルナか」

金剛「どうしてここに?」

ハルナ「キリシマの代わりに買い出しにでていた所だ、お前達は?」

デデデ「ワシらは…まあ、金剛とププヴィレッジを回っていた所だZOY」

金剛「所謂……デートって奴ネー!」

ハルナ「デート…仲の良い男女同士が、その中を更に深める為に外に出かける事、信頼する者との交流…タグ添付、分類:記録」ピピッ

金剛「ところで…どうしてキリシマは居ないデース?」

ハルナ「ああ…キリシマは以前デデデ大王に追いかけ回された事がトラウマになっている、少しお前に怯えている様だ」

金剛「あー…提督?余り女性を追いかけ回しちゃノー!なんだからネ!」

デデデ「ぐう…好奇心が上回ったばっかりに…」

タゴ「お待たせしましたー!この茶葉ですねー?」

金剛「それデース!」

タゴ「ではー…120デデン頂きまーす!」

デデデ「ワシが払うZOY!」チャリン

タゴ「おぉ!?陛下がお金を出すなんて…明日は砲弾が降って来るかな?」

デデデ「五月蝿い!さっさと茶葉を渡すZOY!」

タゴ「はいはい、紅茶の茶葉ねー」スッ

デデデ「うむ…確かに受け取ったZOY」

ハルナ「おやっさん、これが欲しい」ドサッ

タゴ「はいはーい!」

金剛「おやっさんて…」

ハルナ「変か?人間は慣れ親しんだ店の店長にはこう呼ぶとネットワークにあったぞ」

デデデ「霧のネットワークはどこか可笑しいな、全く持って可笑しいZOY」

ハルナ「変…なのか…次から気をつける」

金剛「…はぁ…提督、キツく言い過ぎネー」

デデデ「むう…少し言い過ぎたか…」

ハルナ「まあ良い、そんな意見も取り込む事によって霧は強くなるのだからな」

金剛「そうデスかー…では、失礼するネー!」

タゴ「またのお越しをー!」

ーーーーーー

金剛「ふふー…ププヴィレッジは楽しいデスねー!」

デデデ「これはまだまだ序の口ZOY、次はカワサキのレストランに行くZOY」

金剛「カワサキ?」

デデデ「ああ、作る料理が凄い不味い料理人だ、今は間宮とマルクにスパルタ指導をされている様だがな」

金剛「そうなんデスか?少し不安になって来たネー…」

デデデ「まあ…少しはマシになっているだろう、行ってみるZOY」

金剛「…ハイ!提督の命令ならば行きますネー!」

ーーーレストラン・カワサキーーー

チリーン…

デデデ「お邪魔虫」

金剛(え…!?)

「あー!デデの旦那ー!」

金剛「えっ…?」

デデデ「げ…この声は…!」

アドレーヌ「久しぶり!元気してた?」

デデデ「あ、アドレーヌ…!」

金剛「…提督、この女の子は誰デース?」

デデデ「む…昔この星に危機が迫った時に星を救う旅に着いて来た奴だZOY!」

アドレーヌ「旦那こそ…そこの女の人は誰?」

デデデ「これは…か、艦娘?カスタマーサービスに地球に連れてこられた時に出会った…みたいな…」

アドレーヌ「ふーん…」

金剛「ヘー……」

デデデ「な…何ZOY…?」


アドレーヌ「へー!この人が?何か弱そうねー!」

デデデ「!?」

金剛「エー?貴方程ではアリマセーン!」

アドレーヌ「でもさ!えーと…旦那ー、艦娘って何が出来るの?」ヒソヒソ

デデデ「えーと…種類によっては…索敵とか雷撃とか…砲撃とか…」ヒソヒソ

アドレーヌ「へー…ま、でも書いたモノを実体化させる事の出来る私には敵わないわね!」

金剛「What!?わ、私は恐ろしい敵を何人も倒していマース!!」

アドレーヌ「私だって世界を滅ぼすかもしれない奴を一緒に倒したのよ!?」

金剛「アナタは何も分かっていまセーン!大体私の方が提督との付き合いが長いんデース!!」

アドレーヌ「ぐう…で、でも!こっちだって旦那が好きなの!貴方なんかよりずーっとねッ!!」

金剛「Oh My God!!?そこまで言うならば提督に決めてもらうデース!!」

デデデ(どきっ)ビクッ

金剛「提督!!」

アドレーヌ「デデの旦那!!」



金剛・アドレーヌ「「どっちが好きなのッ!?」」バンッ!!

デデデ「…………」ウーン…

デデデ「…カワサキ!何でも良いから料理を3人前持って来るZOY!」

<「あー!ちょっと待つねー!」

<「カワサキ!ここで練習の成果を見せてやれよ、こっちも出来る限りはやる!」

<「まずは一人分の料理を作ってください!」

<「いえっさー!」


デデデ「ほう、マルクと間宮も居るのか」

アドレーヌ「旦那!質問に答えて!」

金剛「どっちか好きなんデスか!?」

デデデ「まあまあ、飯でも食って落ち着くZOY」

ーーー数分後ーーー

カワサキ「はぁ…はぁ…あいよー!とりあえず…ポテトサラダと、オムライスと、紅茶とケーキのセットねー!」

デデデ「おお、これは美味そうだZOY」

金剛「ちょっと待って、何で私が紅茶好きだって事知っているネー?教えてないのに」

カワサキ「マルクさんと間宮さんに教えてもらったねー!金剛さん達は紅茶が好きだって!」

アドレーヌ「…ま、食べるわよ…一時休戦ね」

金剛「食べ終わったら提督に意見を聞いてもらうデスからね!」

ーーー数十分後ーーー

デデデ「…」


アドレーヌ「へー…それでカー君も一緒だったんだ!」

金剛「ハイ!最後はばばんと大団円にしたデース!」

アドレーヌ「凄ーい!やっぱりカー君って可愛くてかっこいいね!」

金剛「デスね!愛でたくなる様な可愛さでは彼が一番ネ!」

アドレーヌ「ふー…今日は良いお話が聞けちゃった♪ありがと!」

金剛「こちらこそ、前の提督に付いて詳しく聞けたデース!」

アドレーヌ「またね!でも旦那は渡さないからね!」

金剛「See you!こっちこそ!いずれ決着を付けるネー!」

タッタッタッタ……


デデデ「で…アドレーヌとは仲良くなれたかZOY?」

金剛「ハイ!カービィの話で盛り上がったネー!」

デデデ「そうか、ならばワシを取り合う事はないな?」

金剛「No!提督は私の物ネ!たとえ仲が良い友達でも渡さないデース!」

デデデ「はぁ…そうか…」

カワサキ「あのー…味は…」

デデデ「味?」

カワサキ「うん」



デデデ「普っ通、美味くも不味くも無いZOY」

カワサキ「Oh…まだまだ修行が足りないねー…」

金剛「でも普通に美味しかったデスよ、これからもっと精進するネ!」

カワサキ「任せるねー!」

デデデ「では次の所に行くかZOY」

金剛「次って…どこに行くデース?」

デデデ「そうだな…お、そうだ、レンに会いに行くZOY」

金剛「レン…って…確かこの村の村長さんデシタよね?」

デデデ「ああ、そいつには帰ってからまだ挨拶していなかったからな、艦娘の紹介序でに行くZOY」

金剛「了解ネ!」

ーーーレン村長の村役場ーーー

レン「それで…わしの所に来た訳ですな?」

デデデ「ああ、そういう訳だZOY」

金剛「村長さん、初めましてデース!私は艦娘の金剛と言いマース!」

レン「ご丁寧にどうも…わしはこの村の村長のレンじゃ、困った事があったら何でも言ってくだされ」

金剛「宜しくデース!」

レン「ふむふむ…中々に礼儀が良いお嬢さんですなー、陛下に仕えさせるのが勿体ないくらいじゃ」

デデデ「そ、それはどういう意味だZOY!」

レン「ほほほ、昔はあんなに意地悪だったのに…」

金剛「あー…その件はアドレーヌから聞いたネ」

レン「もし貴方達と交流したお陰で陛下が少し変わっていれば…いやいや、わしの独り言じゃ、気にせんでも良いですよ」

金剛「それなら…問題ないデスよね!提督!」

デデデ「あ?ああ…それは自信を持って言えるZOY」

レン「それはさておき…艦娘とは何ですかな?」

金剛「えーとデスね…」

ーーー解説中ーーー

レン「成る程…それで陛下は長い間居なかった訳ですな?」

デデデ「そんな所だZOY」

レン「ほっほっほっほ!そうですかそうですか!陛下が居ない間、わしらは思う存分平和に過ごさせて頂きましたぞ!」

金剛「…む」

レン「あ、いや…申し訳ありません、本音がでてしまいました」

金剛「…別に良いデスよーだ」プイ

デデデ「それも仕方ない…だから金剛、例え憎くても責めてやるな」

レン「陛下…変わりましたなぁ」

デデデ「はっはっは、外の空気を吸ったりしたら色々学んだZOY」

金剛「…提督、早く次に行くデース」グイグイ

レン「申し訳ございません…次に話せる時はゆっくりご飯でも食べながら話しましょうぞ」

デデデ「ああ、分かったZOY」

金剛「じゃあまた後ほど…」

デデデ「あああ、引っ張るな引っ張るな…」ズルズル…


レン「うーん…乙女心は難しい物ですなぁ」

ハナ「あなた、女性の心はそういう物ですよ」

レン「は、ハナ…いつの間に…」

ーーーーーー

デデデ「…」

金剛「…」

デデデ「金剛…何故怒っているZOY?」

金剛「あ…だ、大丈夫デス、怒ってないネ」

デデデ(むーん…どうしたものか…お!そうだZOY!)

デデデ「なあ金剛」

金剛「なんデスかー?」

デデデ「…この村には喫茶店もあるのだZOY、そこに行ってみたくは無いか?」

金剛「本当デスか!?行くデス!」

デデデ「では早速向かうZOY!」

サモ「…それで、俺の所にやって来たって訳かい?」

金剛「ハイ!貴方のお店は喫茶店だと聞きマシタ!」

デデデ「こいつには紅茶を持って来るZOY」

サモ「じゃあ陛下は…?」

デデデ「…ジュース?」

サモ「畏まりました…」スタスタ……


金剛「…何だか、いい雰囲気デスね、提督」

デデデ「…ああ、そうだな…」

金剛「…あの…」モジモジ…

デデデ「何ZOY?」

金剛「さっきは…ごめんなさいネ…提督を貶されたからイライラしていたみたいデース…」

デデデ「やっぱり怒っておったか…そういうのは早く言うZOY」

金剛「誰だって好きな人にあんな事言われたら…怒るでショウ?」

デデデ「まあワシにもその気持ちは分かる、好きな物を貶されたら激しく怒る輩も居るらしいからな」

サモ「お待たせいたしました…」コト…

デデデ「おお…ご苦労だZOY」

サモ「はい、紅茶も…」コト…

金剛「ありがとうデース…」

デデデ「…うーむ、やはりジュースは美味いな!」ズズ……

サモ「ジュース以外の物も自身がありますよ…」

デデデ「ほれ、お前も飲むZOY」

金剛「は、はいデース」

ズズ…

金剛「うーん…中々美味しいネー!今度妹達も誘うネ!」

サモ「ふふ、自信を持って作ったからね」

金剛「あはは…美味しいからなんで怒ってたのか分かんなくなっちゃったデース」

デデデ「そうかそうか、機嫌を直すにはサモの店だと思ったが…正に効果抜群だZOY!」

サモ「…ありがとうございます」

金剛「提督、素敵な所に連れて行ってくれて…ありがとうネ…」

デデデ「はっはっは…これくらい良いZOY」

それから、デデデと金剛の二人きり…ではないけど、充実した時間が過ぎ…


デデデ「…勘定はここに置いておくZOY」

サモ「毎度あり…」

金剛「さあ…帰るネ?」

デデデ「そうだな…デートの締めとしては十分だろう」

金剛「あれ…?何でいつの間にかデートに…?」

デデデ「お前が言ったんだZOY」

金剛「あー…そうデシタね…あははー…」

デデデ「また頼むZOY」

サモ「ありがとうございました…」

金剛「さて…帰るネー!」

ーーーデデデ城ーーー

バタン……

金剛「ただいまデース!」

エスカルゴン「お帰りでGES、どうだったんでGES?」

デデデ「ああ、大体は案内出来たZOY」

金剛「いつの間にかデートになっちゃいましたけどネー」

エスカルゴン「その顔でデートかぁ…もう世も末あぼぉあっ!?」ゴズッ!!

デデデ「そのような口をきくでないZOY!!」

エスカルゴン「いってぇな…何もぶたなくたって…!」

金剛「提督…今日はありがとうネ!」

デデデ「はっはっは、また他の連中と一緒に行きたい物だZOY」

エスカルゴン「全く…」


バタン!

榛名「姉様!提督とのお出かけはどうでした?」

金剛「最後に連れてってくれた喫茶店が良かったネ!今度一緒に行くデース!」

霧島「喫茶店ね…あるって事は聞いてたけど…姉様が喜んでるなら心配なさそうね」

比叡「今度行く時は私達も連れて行ってください!」

金剛「ハイ!皆もあの雰囲気を堪能するデース!」

デデデ「さてと…ワシは先に部屋に戻るZOY」

金剛「あ…またネ!今日はありがとうデース!」

デデデ「ああ…エスカルゴン、行くZOY」

エスカルゴン「ああもう…分かったっての…」

ーーーデデデの自室ーーー

デデデ「はあ…今日は充実した日だったZOY…ん?」ガチャッ


島風・卯月・雷・暁・球磨「「「「「おじゃましてまーっす!」」」」」

デデデ「おいおいおい…勝手に入るなと言ったろう?」

球磨「でも鍵が開いてたクマ」

島風「探索ついでに閉めようって思ったらついつい調べちゃって…」

暁「それでずっと過ごしちゃったのよ…あ、ご飯は食べたわよ?」

デデデ「鍵が開いていたか…うむ、こればかりはワシの不注意だな…これを機に気をつけるとするZOY…ふふ…」ニヤリ

雷「あ、これもう入れないかも…隅々まで調べといて良かった~…」

卯月「でもベッドの下にエロ本のえの字も無かったり結構つまんなかったぴょん」

デデデ「ワシのおもちゃに手を出していないだろうな!?」

島風「大丈夫!壊してないから!」

デデデ「うむ…なら良いが…」

球磨「それより…提督はもう寝てしまうクマ?」

デデデ「いや、仕事をする。その途中か終わった頃に寝てしまうかもしれん」

雷「じゃあ今日はこのままお手伝いするわ!」

卯月「別に部屋漁ったりはしないから安心するぴょん!」

デデデ「うむ…頼んだZOY」

島風「早く終わらせて早く寝よっ!」

ーーー数時間後ーーー
デデデ「ふう…何とか終わったな」

雷「書類のまとめって結構大変なのね~」

暁「セクトニアも大変そうよね…」

デデデ「まあこれでも早く終わった方だ…助かったZOY」

島風「へへっ、これからもお手伝いは島風にお任せを!」

球磨「こらー!球磨も頑張ったんだクマ!手柄を独り占めしないで欲しいクマー!」

デデデ「はっはっは…ではワシはもう寝る、お前達も早く寝るZOY」

雷「はーい!司令官も余り遅くまで起きてちゃダメよ!」

http://www.youtube.com/watch?v=-bgaJNGcFPg(おねむりカービィ)

その後、村に住む人々は皆眠りに付き始め…


カワサキ「よーし…明日は…もっと頑張るぞー…」


レン「ぐー…陛下も…変わりました…なぁ…」


暁「すぴー…まだ…起きれる…からぁ…」

雷「ぐぅ…司令官になら全部見せても…良い…にょ…エンジンとか…」

その頃、ハルナ達の家でも…

ハルナ「さて…蒔絵、キリシマ、もう寝るぞ」

蒔絵「お休み!キリキリ!」

キリシマ「だからキリキリ言うな!」

ハルナ「気に入られて良かったな、キリキリ」

キリシマ「五月蝿い…!ハルハル…!」

彼女らも眠りにつく為、ベッドに潜り込む。

蒔絵「ハルハルー…明日も楽しい一日だと良いね…!」

ハルナ「そうだな…」

キリシマ「…」

蒔絵「キリキリ…?もう寝ちゃったの?」

ハルナ「…その様だ、私たちも追いかけるぞ」

蒔絵「うん!早く寝なきゃねっ!」

そして、彼女達も眠りにつく…


皆が寝静まった頃…


キリシマ「…すー…何故いびきはガ行が似合うのだ…」

刹那、カーテンから謎の光が差し込む。
その光に照らされ、キリシマだけが目を覚ます。

キリシマ「ん…?何だ…?」

カーテンに寄り、光を確かめようと開けると…


デデデ?「……」

キリシマ「デデデ…?」

キリシマに向かって歩いているデデデの姿があった。

デデデ?「…」ギランッ

突如、デデデは黒く染まり、腹が横に大きく裂ける。

キリシマ「っ!?」

黒く染まったデデデは窓を蹴破り、部屋の中に侵入する。

キリシマ「な、あ、ああ…?」

倒れたキリシマが再び彼を見上げる頃には、部屋の高さ程の大きさになっていた。

キリシマ「ハルナっ!蒔絵っ!大変だ!化け物が…うわっ!」ズベッ!

慌てて足を取られ、転倒しながらもハルナ達に駆け寄り起こそうとする。
しかし一向に起きる気配がない。

キリシマ「くっ…!」グッ…

仕方ないので二人とも背負い、扉に向かって開けようとするが…

ガチッ、ガチガチガチッ…

キリシマ「何故だ!?何故開かないッ!?」ガチャッ!ガチャガチャッ!

何故か扉が全く開かなくなっていた。
開けようと苦闘している合間にも黒いデデデはゆっくりと、そのまま一気に追いつめるまでもなく、じわじわと迫る。

キリシマ(何故だ…何故こうなった…!?)

デデデ?「…」ズン…ズン…

気づけば、巨体がすっかり扉を覆い込んでいた。

キリシマ「くっ…!」

完全に万事休すの状況。
そんな中、彼女が取った行動とは…

キリシマ「…うぉぉぉぉぉっ!!!」ブンッ!!

デデデ?「!」

偶然そこにあったフライパンを手にし、そのまま黒いデデデに向かって振り下ろす。
ーーーーーー

バシィィィィィィィィィィィンッ!!!!!

「ぐえっ!!」

キリシマ「っ…ん?」

気づくと、フライパンは遊びに来たブンの頭を的確に叩いていた。
黒いデデデの姿等無く、辺りは平凡な部屋の風景だった。

キリシマ「ぶ、ブン…!?何故ここに!?」

突然の出来事に素っ頓狂な声を出すキリシマにハルナがこう語る。

ハルナ「知らないのか?お前は急に暴れだしたのだぞ」

キリシマ「暴れ…?」

ハルナの言葉を聞き、少し頭を整理し、ある結論に達した。

キリシマ「…はぁ、柄にも無いな…兵器が夢を見るなどな…」

蒔絵「結局、夢オチって事?」

キリシマ「…そうなるらしい…」

ブン「いってぇな~…じゃあ俺殴られ損じゃねぇかよ~!」

キリシマ「わ、悪かった!後で美味い物食わせてやる、だから機嫌を直してくれ…!」

ブン「てて…ま、良いけどさぁ…何か怖い夢でも見たのかよ?」

キリシマ「ああ…黒いデデデが巨大化して私たちに襲いかかったんだ」

ブン「黒いデデデねえ……なんでキリシマがそんな夢見るの?」

キリシマ「前…私は着ぐるみを被るのが好きだったんだが…中身を執拗に詮索されて…色々あってアレから少しデデデの事が苦手なんだ…」

ブン「はー…あいつ、地球に行ってもあんな調子かよ」

フーム「ブン!大丈夫!?今の音は!?」

ブン「あ、姉ちゃん!ちょっとこいつがさあ…ごにょごにょ…」

フーム「ふんふん…着ぐるみの中身を調べようとされて苦手になったのね?」

キリシマ「恥ずかしながらその通りだ、このままでは行けないと分かってはいるんだが…」

フーム「いいえ、無理しなくて良いわ!全く…デデデったら何で何処でもああなのかしら」

ハルナ「だが、タランザに攫われ、私が操られた時は仲間と対応してくれたぞ」

フーム「その話も聞いてるけど…何か胡散臭いのよね、そもそも深海棲艦を退治しに行ってたんじゃないの?」

蒔絵「それは…!」

キリシマ「まあ信じられなくても無理は無い、アレは常識離れした騒動だったからな…」

ブン「それより行こうぜ、今日はたっぷり遊ばなきゃ損だよ!」

カービィ「ぽよ!」

蒔絵「あ、ポヨポヨいつの間に…」

ブン「さ、行こうぜ!ホッヘ達が待ちくたびれてるよ!」ダッ

フーム「あ!待ちなさーい!」

キリシマ「はぁ…私たちも追いかけるぞ」

ハルナ「分かった…蒔絵、行くぞ」

蒔絵「うん!今日はいっぱい遊ぶよ!」

ーーー町中ーーー

ブン「よー!待たせたなー!」

ホッヘ「あ!ブン!大変なんだ!」

イロー「カワサキがお魚釣ってたら変な物が釣れたって!」

フーム「変な物?」

ハニー「うん!キュリオさんでも何なのかが分からないみたいで…」

フーム「それで…その変な物ってどこにあるの?」

ホッヘ「今広場で皆で正体を考えてる所だって!早く行こうよ!」

ブン「姉ちゃん!」

フーム「ええ、魔獣かもしれないし…行ってみましょう!」

カービィ「ぽよ!」


キリシマ「変な物か…ハルナ、心当たりはあるか?」

ハルナ「いや、その変な物が如何なる物であるかを確認しなければ何とも言えない」

蒔絵「とにかく広場に行ってみよう!」

ーーー広場ーーー

ブン「おーい!」

フーム「みんなどうしたの!?」

キュリオ「おお、フーム殿!」

カワサキ「聞いたと思うけど、海で釣りしてたらこんな変な物が釣れたねー!」スッ

イ級「」ピチピチ

ハルナ「」

キリシマ「」

フーム「何かしら?見た事無いわ…」

キリシマ「は、ハルナ…今私が何を考えているか分かるか?」

ハルナ「ああ、100%な」

キリシマ「これってもしかして…」

ブン「知ってるの!?」

キュリオ「何と!?教えてくだされ!」


ブロロロロ!!

キキーッ!

デデデ「何ZOY?みんなして騒がしいZOY!」

キュリオ「あ!陛下!」

カワサキ「これ何だか分かるー?」スッ

イ級「」ピチピチ

デデデ「こ、これは…!?」

エスカルゴン「陛下、どうしたでGES?」

デデデ「見ろ、カワサキが深海棲艦を釣り上げたZOY!」

フーム「え?ごめんなさい…上手く聞こえなかったわ、何て言ったの?」

ハルナ「これは…深海棲艦、駆逐イ級だ…!」

ブン「し、深海棲艦って…デデデが倒しに行った奴!?」

フーム「えぇ?!デデデ!どういう事なの!?」

デデデ「知らんZOY!騒動を解決したら」そのまんま海の底で静かに暮らすと言って去ったのに…何故ここに居る!?

エスカルゴン「と、とにかく誰かコイツを水ん中に入れるでGES!」

ホッヘ「僕バケツ持って来る!」

ハニー「私はお水!」

イロー「おれも!」

タッタッタッタ…

>>67

×デデデ「知らんZOY!騒動を解決したら」そのまんま海の底で静かに暮らすと言って去ったのに…何故ここに居る!?

○デデデ「知らんZOY!騒動を解決したらそのまんま海の底で静かに暮らすと言って去ったのに…何故ここに居る!?」

間違えちまったネーHAHAHAHAHAHAHA
すんません。


フーム「…どういう事か、もう一度詳しく教えてくれない?」

キュリオ「お聞かせくだされ!」

デデデ「分かった…エスカルゴン、ワシが話をしている間に艦娘達を招集してこい」

エスカルゴン「はいはい分かりましたよ」

ブロロロロロロ……

デデデ「さて…どこから語った物か…」

ーーー地球での出来事を説明中ーーー

エスカルゴン「陛下ー、広場に入れそうな人数だけ呼んで来たでGESよー!」

デデデ「おお、こっちも丁度解説が終わったZOY」

キュリオ「成る程…陛下が行った地球でそんな事が起きていたとは」

カワサキ「それで、カービィが解決してくれたんだね~?」

デデデ「ああ、スターロッドを掲げる姿はかっこ良かったZOY」

ブン「やっぱりカービィは何処行ってもヒーローだな!」

天龍「でもよお…何でイ級がこんな所に居るんだよ?」

摩耶「あたしらに紛れ込んで来た事は無いと思うしなあ…」


ホッヘ「持って来たよー!」

ハニー「お水も!」

デデデ「よし、早速イ級を入れるZOY!」

ドポポポポ……

イ級「…」チャプ

ホッヘ「さあ、もう大丈夫だよ!」

ブン「お!早速聞いてみようぜ!」

イ級「フウ…助カッタ、感謝スル」

デデデ「イ級、お前とまた会えるとは思わなかったZOY」

イ級「何ダ、ココハオ前ノ住ム所カ?」

デデデ「ああ、地球から遠く離れたポップスターにあるププヴィレッジだZOY」

イ級「ソウカ…ヤレヤレ…運ガ良イノカ悪イノカ…」

フーム「どうしてここに…」

天龍「どうしてここに居るんだよ!?」

フーム「ちょ、割り込まないでよ!」

天龍「あ…わりぃ…」

摩耶「それで…どうしてここに居るんだ?」

イ級「聞キタイカ?聞キタイノカ??」

カワサキ「お願いだよー!話してくれたら海に離すから!」

エスカルゴン「上手い事言ったつもりかよ」

イ級「良イダロウ…アル日、俺達ハオ前達ガ去ッタ後、暫ク海ノ底デ暮ラシテイタ…」


ソコデ…海ノ中ニ、黒イ霧ノ様ナ物ガアッタノダ……


ーーーデデデ達が地球から離れてから数日後ーーー

イ級「戦艦棲姫様」

戦艦棲姫「おやおやどうしたのかしら?」

イ級「アソコニ黒イ霧ノ様ナ物ガ…」

戦艦棲姫「あらら…どうしてかしらねえ?」

イ級「イキナリ現レタノデ、詳細ハ不明デス」

戦艦棲姫「兎に角、近づかない方が良いわね、レ級にもそう言っておくわ」

イ級「デハ、レ級ヲ捕マエマショウ」

戦艦棲姫「……えっ?」

イ級「ホラ、アソコニ…」



レ級「わー…あの霧の中気になるなー…」スイスイ


戦艦棲姫「あ…レ級が霧に向かってるわね」

イ級「デスネ」

戦艦棲姫「…」




戦艦棲姫「深海棲艦全軍に告ぐッ!!黒い霧に向かうレ級を全勢力を投入してでも確保しなさいッッ!!!」

一同「御意ッ!!」

ーーーーーー

デデデ「成る程、それでレ級を追いかけて…」

フーム「深海棲艦の全員がここに来ちゃった訳?」

イ級「アア、アノ黒イ霧ハココニ繋ガルワープホールダッタラシイ…」

天龍「お前ら…思ってたよりもすげえお人好しなんだな…」

イ級「任セテクレ」ドヤッ

摩耶「威張る所違う」ビシッ

フーム「貴方達の事はデデデから聞いているわ、今はポップスターのどこに居るの?」

イ級「アア、今ノ所ハ…確カ…『シークレットシー』ト呼バレル場所ニ集マッテイル」

エスカルゴン「シークレットシーって…どこだったっけ?」

キュリオ「シークレットシーとは…世界のへそと呼ばれる地下世界を抜けた後に広がる海の事ですな」

ブン「何か大変そうだな…で、お前は…ここでお使いみたいな事してたの?」

イ級「アア、周辺海域ヲ探索シテイタラ…釣リ上ゲラレテ、今ニ至ル訳ダ」

カワサキ「釣っちゃってごめんね~…」

イ級「イヤ、ココニ味方ガ居ル事ガ分カッタ。思ワヌ収穫ダヨ」

デデデ「では…こいつを離して来るZOY」

カワサキ「あいよ~!」

ブン「またなー!」

フーム「何時でもいらっしゃーい!」

タッタッタッタ……

ホッヘ「…不思議な奴だったね」

ハニー「でも…何で黒い霧が?」

イロー「そもそも霧って海の中にでてくる物なのかよー?」

キュリオ「うーん…現段階では分からない事だらけですな」

デデデ「とにかく、集まったお前達には悪いが…ここで解散ZOY」

ブン「えー」

摩耶「はいはい、今日はもう解散だよ!後は普段通りに過ごしな!」

キュリオ「分かりました、フーム殿…ここは言葉に甘えて…」

フーム「…分かったわ、気になる事は沢山あるけど…それは後で調べるわ」

デデデ「では解散ZOY!」

一同「は~い」


そして、解散の言葉を聞いた国民達は、再び思い思いの生活を始めていった…



ーーーその夜ーーー

フーム「うーん…」

ブン「姉ちゃん、まだ気になるの?」

フーム「ええ、何で深海棲艦がここに迷い込んだのかが…」

パーム「うーん…まあ危害を加えないならほっといても良いんじゃないか?」

フーム「そうは言ってもねぇ…」

メーム「そんな事より早く食べましょう?」

ブン「そうだよ姉ちゃん!」

カービィ「ぽよ!」

フーム「…ま、そうね!じゃあ頂きま…」


ドゴォォォォォォン!!!!

フーム達が料理に手をつけようとした瞬間、謎の爆音が鳴り響く。

フーム「な、何!?」

カービィ「ぽよぉ!?」

続けざまに、1回、2回と爆音が響く。

バダンッ!!!

長門「てっ、て、て、て、て、敵襲かッ!!?」

パーム「落ち着いてくだされっ!」

フーム「一体どうなってるの!?」

長門「分からない!突然爆音が響いて…その後も続けざまに響いた!」

ブン「一体誰がやってるんだよ!?」

長門「だから分からないと言っているだろう!とにかく安全な場所に居ろ!今動き回るのは危険過ぎる!」

パーム「わ、分かりました!」

長門「よし…お前達、ちゃんとじっとして居ろよ?」

フーム「わ、分かってるわ!貴方も気をつけて!」

バタン!

ーーーーーー

ワドルディ「…」ゾロゾロゾロゾロゾロ!

ワドルドゥ「各ワドルディ兵士は戦闘態勢と索敵を行え!敵の位置を掴む事が重要だ!」


赤城「ワドルドゥさん!私たちも手伝います!」

大鳳「空からの索敵は空母の艦載機にお任せください!」

ワドルドゥ「おお…頼みました!」

赤城「よし…じゃあ広い所で艦載機を発艦させましょ?」

大鳳「了解ですっ!」

タッタッタッタ……

ーーー町中ーーー

キリシマ「何だ何だ!?何の騒ぎだ!?」

ハルナ「キリシマ!外に出たら危険だ!」

ドガァァァァァァァァァン!!!

キリシマ「うわっ!?」

ハルナ「っ…早く!」

キリシマ「わ…分かった…しかし一体何者が…!?」

ハルナ「音が鳴った方向を察するに…恐らく海から放たれた物だと思われる」

キリシマ「くそ…離れた所から攻撃とは…卑怯だぞ!近くに寄ってこーい!!」


バサッ…バサッ…

ハルナ「…?」

キリシマの声に答えたのか、何かの羽音がゆっくりと降りて行く。

キリシマ「な、何者だ…!?」

「おうおう、折角オレ様自らが出向いてやったってのに、怪訝そうな返事だねぇ」

『生憎、突然テレポートシテカラユックリ降リテ行クノハ驚クノモ無理ハ無イ』

「そうだったなぁ…ま、自己紹介してやらんと…ねっ!」スタッ

何者かは、大きな鳥の様な物から降り立つ。
その姿を見たキリシマは、突然震え始める。

キリシマ「う…嘘だろう…!?」ガクガク…

ハルナ「どうした!?キリシマ!!」

キリシマ「お前は…夢に出て来た黒いデデデ…!!」

そう、降りて来た者は、キリシマが見た夢に出て来た者だったからである。

「んん~?正夢ってかぁ?こりゃ傑作だなぁおい!」

ハルナ「…名を名乗れ!」

「良いよ…オレ様は『ブラックデデデ』、んでコイツは『スフィアローパー』を従える…『グランドローパー』って奴だ」

グランドローパー『以後、宜シク願ウ』

ハルナ「…私はハルナ、お前達は何故ここに来た?」

ブラックデデデ「良い質問だねェ、オレ様はね…このポップスターを闇に包み、支配してやろうと思ってるんだよ」

キリシマ「そ、それが目的か…!?」

ブラックデデデ「あぁそうだよ、光りある所闇あり、その光を闇で包むってのは快感だろ?」

ハルナ「…ほざいていろ、私たちはお前達に屈しはしない!」

ブラックデデデ「…良いねぇ…最高だよ…オレ様の野望に抗おうとする奴、そう言う奴…物語ってもんを演出する大事な物だよなァ」


ブロロロロロロロ…!!

デデデ「大丈夫かZOY!?」

エスカルゴン「さ!早く車に!」

キリシマ「へっ?いや、でも…!」

自家用車に乗り、キリシマ達を乗せに来たデデデ。
その姿を見てブラックデデデは挑発をする。

ブラックデデデ「へぇ…オレ様の元になった奴が、あろう事かのんきにドライブか。お偉くなったもんですねェ」

デデデ「貴様は…何者ZOY!?」

エスカルゴン「陛下のコピーでGESな!?」

ハルナ「…!そうか!何者かが作ったデデデのコピーと言う可能性も…!」

ふと生まれた『ブラックデデデはデデデのコピーではないか』という考え。
しかし、彼はその考えを粉々に砕き割る。

ブラックデデデ「ヘッ…何を証拠にオレ様をコピーだと言えるんだよ?今オレ様は生きている…!」

キリシマ「た、確かに生体反応はあるが…!」

ブラックデデデ「ま、ここでごちゃごちゃ言ってても仕方ないし、先に言っちまいますね」



ブラックデデデ「オレ様は…いや、オレ様達は、何故こんなちんけな村に攻撃してくるのか…そォ考えてんだろ?」

エスカルゴン「はい、ポップスター征服するならここなんか襲っても仕方無いでGESょうが」

ブラックデデデ「敢えて理由を言うならば…気に入らなかったんだよ、テメェが」

デデデ「何ぃ?ワシが気に入らないだと?」

ブラックデデデ「ああそうだ、前までは悪の王者(笑)として君臨してたのにさ、今じゃこのザマだよ」

エスカルゴン「言ってる意味が分からないでGESが…まあ単に陛下を先に倒そうと思った訳でGESな?」

ブラックデデデ「その通り、オレ様はよ…私情での気に入らない物は消さなきゃ済まねえ性格なんだよ」

ハルナ「最悪な正確だな」

ブラックデデデ「サンキュー、オレ様はそういう悪意のある言葉が好きなんだよ」

エスカルゴン「ドMでGESな…」

ブラックデデデ「テメェだけには言われたくねぇよ、ナメクジが」

エスカルゴン「何をぉ?!テメェなんざ陛下よりバカでアホで間抜けだーよ!!」

キリシマ「なっ…無駄な挑発は止めろ…!」

ブラックデデデ「…クカカッ、よお本物さんよ。てめぇのとこには物好きのお人好しの奴らが湧いてるみたいですなぁ?」

デデデ「ふん、全てワシの偉大なる威厳が成せる技だZOY!」

ブラックデデデ「へぇそう…だが、味方が居るのはこっちも同じ。オレ様にはスフィアローパー達という強ぇ味方が居るぜ?」

グランドローパー『不外、我モ忘レテ貰ッテハ困ル…』

ブラックデデデ「忘れちゃあ居ねえよ、お前は大事な奴なんだからよぉ」

ハルナ「…」

ブラックデデデ「似合わねえ、って顔だな?」

ハルナ「…ああ」




ガヅィィィィィィンッ!!!!

ハルナ「…ッ!」グググ…

突然、鉄のハンマーの一撃が襲いかかる、何とかクラインフィールドで防御するが反動が体に掛かってしまう。

ブラックデデデ「ほー、不意打ちを見切るなんてな。やるじゃねぇか」

デデデ「やる気かッ!?」

ブラックデデデ「ああ…テメェはここで叩き潰して…」


「そこまでですっ!!」

ブラックデデデ「ん?」

キリシマ「今度は一体…!?」


大和「先ほどの話…聞かせてもらいました、直ちにここから撤退してください…!」

ブラックデデデ「ふっ…嬢ちゃん、年上には敬意ってもんを払う物だぜ?」

大和「…ですが、貴方の様な悪を前に…引く訳には…行きませんッ!!」ガシャガシャッ!!

大和は瞬時に艤装を展開し、そのままブラックデデデに砲撃する。

ドゴォォォォォォォォォォンッ!!!!!

エスカルゴン「っ…ひゃー!?何ちゅー事を!」

大和「……」

爆煙が消えると、そこには防御を固めたグランドローパーが彼を守っていた。

ブラックデデデ「ほー…つええ砲撃じゃねぇか、何もんだ?」

大和「…戦艦大和です」

ブラックデデデ「へー、大和ねぇ…平和に暮らしてのんきにドライブだけじゃなく、今度は女まで囲ってると来た…腑抜けたなあ?」

エスカルゴン「へんだ、元々陛下には腑抜ける意気地なんて無いでGESよ」

デデデ「エスカルゴン?」

エスカルゴン「あ、いや…何でもないでGESよ!?」

デデデ「…罰金はお前のへそくりから差し引かせてもらうZOY」

エスカルゴン「あ…あ…い…う…えぇぇッ!?Oh My God!!!」ガビビビビーン

ブラックデデデ「っかぁ…アホらし、こんな奴何時でも倒せるか…」

大和「て、提督を侮辱するのは許しませんッ!!」

グランドローパー『無駄ダ、オ前デハ我ノ防壁ヲ破レマイ』

ブラックデデデ「そうそう、初登場補正が掛かってるからな」

エスカルゴン「あのね、そう言う事は言わないで欲しいでGESよ!」

キリシマ「夢を壊す気か!?」

ブラックデデデ「Yes…それがオレ様なんだよ」

ハルナ「…最低な奴だな、お前と言うのは」

ブラックデデデ「…ま、いいか。じゃあな」

大和「え!?ちょ、待ちなさい!」

ブラックデデデ「ポップスター闇に包む為に色々やる事あるんだよ、ま…本物を揶揄えて楽しかったぜ?」

キリシマ「こっちは全然楽しく無いがな…!!」

ブラックデデデ「じゃーな、暇だったらオレ様の行き先探してみろよ~」

デデデ「待つZOY!!」

グランドローパー『…然ラバ』


バサッ…バサッ…


ハルナ「…去っていったか…」

キリシマ「くそ…まさか正夢になるとは…私があんな夢を見たばっかりに…」

大和「いや貴方の所為じゃ無いと思いますよ…?」

エスカルゴン「しっかし…どこに逃げたんでGESかねえ…」

大和「先ほど艦載機の姿が見えたので…恐らくどこに向かうかは分かるかと」

キリシマ「しかし…さっきグランドローパーはテレポートとも言っていた…そう簡単に見つかるとは思えんな」

ハルナ「…当分は手探りか、全く迷惑な奴だ」

デデデ「…まあ、今日はもう休むか。あいつの事はまた明日考えれば良い」

エスカルゴン「…でGESな、今行動するにしても遅過ぎるし…」

大和「では…お騒がせして済みませんでした」ペコリ

キリシマ「いや、お前の所為じゃない、謝る事は無いぞ」

ハルナ「私達は…どうすれば良い?」

デデデ「…明日にでも良いが、もしも襲撃された時の為に村の防衛を固めてくれZOY」

ハルナ「分かった、十分に警戒を強める」

エスカルゴン「じゃあこっちは大和連れて戻るでGES」

キリシマ「分かった…また明日」


ーーーそして翌日ーーー

デデデ「うーん…今日もサワヤカな朝だZOY!」

大鳳「はいっ!」シャキッ!

デデデ「…昨日、あんな事が無ければ」

大鳳「はい…」ゲンナリ

ーーー廊下ーーー

デデデ「全く…ほっほっ…何で…ほっほっ…ワシに喧嘩を…ほっほっ…売って来たZOY!」タッタッタッ……

大鳳「うーん…単に本物の提督が気に入らなかっただけとか…」タッタッタッ…

デデデ「何と言う理由!そんな事をする奴は、大隊を率いて極刑に処すZOY!!」タッタッタッ…

大鳳「はいはい、それにはまず居場所を探さないと」タッタッタッ…

デデデ「ぜぇ…ぜぇ…そう言えば…艦載機はどうなったZOY?」

大鳳「お疲れさまです…艦載機によると…全く居場所が掴めませんでした」

デデデ「く、くそー…」

大鳳「ですが…アイスクリームアイランドにある『マジルテ』と呼ばれる洞窟が…お宝満載なんだとか、悪者がこれを狙わない筈がありませんよね?」

デデデ「そうか…!敵はマジルテに向かっているかもしれないと言う事だな!」

大鳳「そうです!まずはマジルテから行ってみましょう!」


注:ポップスターの地域の場所、情報等はとある笑顔動画で動画活動している
エスカルゴンが好きな人の自主制作rpgを準拠しているのでご了承ください。

ーーー大広間ーーー

デデデ「…と言う訳で、これからワシらは先回りしてマジルテに向かう事にしたZOY」

金剛「早いデースねー!」

暁「つまり…洞窟探検?」

雷「何だかワクワクするわね!」

デデデ「そして…旗艦の大鳳と…5人の艦娘の編成で行く」

エスカルゴン「行きたい奴は名乗り上げるでGESよー!」

金剛「はい!はーい!私達行きたいデース!」

霧島「私も行きたいです!」

雷「あっ…あー!先を超すなんてズルいわよー!」

比叡「フッ…こういう物は早い者勝ちなんですよ…!」

響「まあ…仕方ないよ」

デデデ「では金剛姉妹が行くとして…もう一人は?」

球磨「クマぁ!球磨と多摩も連れて行くクマ!」

エスカルゴン「えっ…あのねえ、一人までだって…」


球磨「球 磨 と 多 摩 も 行 き た い ク マ ! !」ズイッ

エスカルゴン「いやでもそりゃ不公平でしょうが!!」

多摩「艦隊一隊における設置可能艦艇は7隻にゃ、いいにゃ?」ヌッ

エスカルゴン「…アッハイ」

木曾「おいおい、俺はどうするんだ?」

球磨「一番の末っ子はお留守番だクマ」

木曾「オイィィィィ!?」

球磨「嘘だクマ、木曾も付いて来るクマ」

木曾「ふっ…そうか、そうだよなぁ、洞窟探検には俺を外せないもんなぁ!」

エスカルゴン「あのねぇ!勝手に話を進めないでくれます!?」

球磨・多摩・木曾「「「……何で?」」」

エスカルゴン「いや何でって…さっき7隻までってほざいてたでしょうが!!」

球磨「残念だクマ、ルールは1分ごとに変わる物だクマ」

エスカルゴン「ていうか探検に行ければ満足なんでしょあんたら!?」

多摩「うんにゃ、お宝いっぱいゲットしてお魚いっぱい買うにゃ」

木曾「金銀財宝で大儲けだ!」

金剛「Oh…欲に目が眩むとこうなるんデスねー…くわばらくわばらデース…」

大鳳「…まあついでにお土産として持って行くのは良いですけど、飽く迄も提督の偽物がマジルテに付く前に行ってしまおうと言う目的ですからね?」

球磨「はっ…そうだったクマ」

多摩「危うく目的を忘れちゃう所だったにゃ」

木曾「考えてみれば俺達船に金銀財宝は扱えなかったな…失敬失敬」

エスカルゴン「はぁ…もう良いよ着いて来て」

球磨「クマぁ♪お許しが出たクマ!」

暁「ずーるーいー!私たちも連れて行きなさいよー!」

エスカルゴン「だーめ!あんたらはお留守番!」

雷「けちんぼー!」

電「まあまあ…落ち着くのです」

響「電、やけに落ち着いているね」

電「最初よりも電は成長したのです!」エッヘン

北上「へー」ニギッ

電「ひゃぁっ?!い、いきなり後ろから握ってくるのは反則なのです!」ビクッ

北上「あっはっはっは、まだまだだねー」

電「もう!」

響「…」クスッ

今更名前が間違っていた事に気づく主。ブラウザも重さに耐えきれず消えてしまうので散々じゃ。
だがニンジャはこんな理不尽じみた状況にもへこたれないのだ。


デデデ「では…出撃メンバーは大鳳と金剛姉妹と…球磨型の3姉妹だな」

エスカルゴン「残った奴は村の防衛を固めるでGESよ!」

長門「任せておけ!」

エスカルゴン「よーし…じゃ出撃はどうするでGES?」

デデデ「何時出撃するの?」

瑞鳳「今でしょ!」

エスカルゴン「ん、じゃ長い間放置してあるアレをぱぱっと改装してくるでGES」

瑞鳳(…ツッコんで貰えなかった)


金剛「…提督ってさ、何か放置してあるもの多いよネー」

デデデ「その時には欲しかったのにいざ作ると忘れてしまうんだZOY…」

比叡「ダメですよー!付喪神になって襲われても知りませんからね!」

ーーーーーー

デデデ「…で、完成したのがこれか」

エスカルゴン「はい、飛行砲台カブーラーでGES。といっても…前の奴に部屋を一つ付けただけでGESが」

球磨「まぁ移動はこれで十分だクマね」

金剛「これで紅茶の茶葉があれば…」

エスカルゴン「わがまま言わないの、近くにあるから何とか日帰りで済むし」

デデデ「飯は外で食うZOY」

木曾「フッ…良いねぇ、サバイバルって事だ」

多摩「む…にゃらば多摩のサバイバル術を見せてやるにゃ」

エスカルゴン(別にサバイバルでも無いんだよなぁ、町もあるし)

榛名「では、出発しますか?」

デデデ「だな…皆よ!行って来るZOY!」

ワドルドゥ「お気をつけて!マジルテにはトラップ等が沢山とあります!」

雷「お土産楽しみにしてるからねー!気をつけてねー!」

エスカルゴン「それでは…カブーラー!発進!!」

一同「おーっ!!」

起動スイッチが押され、長い間動いていなかったカブーラーが今、空に飛び立つ。

雷「いってらしゃーい!」

電「なのですー!」

こうしてデデデ達は、艦娘達に見守られながらアイスクリームアイランドに出かけて行きました。

果たして、ブラックデデデ達の野望を阻止する事は出来るのでしょうか…?



第2話へ続く…

ーーーおまけーーー

小話その1


『マホロアの野望』

ーーーローア 甲板ーーー

ゴォォォォォォォォォ……

飛び立ったカブーラーを見守りながら、バカンスチェアに腰掛けるマホロア。

誰もいない甲板で、静かに声を出す……



マホロア「ハァ…癒されたいナァ…」

そんな嘆きは、カブーラーの飛行音に掻き消される。

マホロア「大体サァ…マルクと間宮はどこデモかんデモイチャイチャし過ぎなんダヨォ!」

マホロア「居なけりゃ居ないで惚気られるし…モウやってらんナイヨォ!!」プンスカ


ウィィィン

ハグロ「だ…大丈夫?なんか叫んでたみたいだけど…」

マホロア「ん、こっちの不満を大空にぶつけてた所ダヨォ」

ハグロ「何の不満?」

マホロア「最近サァ…マルクと間宮、イチャイチャし過ぎダヨネェ?」

ハグロ「んー…言う程じゃないと思うけど…」

マホロア「ウーン…やっぱりボクの様な奴ダトそう考えちゃうのカナァ」

ハグロ「でもさあ、やっぱり違和感抱えてるなら無理しないで吐き出した方が良いよ」

マホロア「…どうした物カネェ」

ハグロ「うーん……」

マホロア「やっぱサァ、こういう時って…」



「彼女、欲しいよネェ」



ハグロ「……えっ?」

マホロア「だからサァ、彼女欲しいナァって」

ハグロ「いや…何でアタシに言うのさ?」

マホロア「…何でだろうネェ」

ハグロ「後先考えずに発言するのは良く無いって言われなかったの?」

マホロア「言う人ナンカ居ないヨォ」

ハグロ「…それでよく常識的に育って来れたわね…」

マホロア「…ま、小さい頃にマルクと一緒に過ごして来たからカナァ」

ハグロ「…やっぱり知り合いだったの?」

マホロア「ウン、小さい頃何でか親も居ないままそこに居てネェ…その時にマルクと知り合ったんダヨォ」

ハグロ「…どうしてそこに居たとかは分からなかったの?」

マホロア「分からなかった、ダカラ暫くの時をマルクと過ごしたんダ」

ハグロ「それで…常識とかは覚えているんだ」

マホロア「ウン、マルク程じゃないけどボクも好き嫌いには五月蝿いヨ?ひじきを一個投げ捨てた奴に一日掛けて説教したモン」

ハグロ「船長も船長で酷いわね、マルクの方がマシって…」

マホロア「…デモ、人間生きてれば色々起きるもんダネェ。旅行先の地球でマルクと再開した時は心の底でガッツポーズしたヨォ」

ハグロ「へー、まあ古くから付き合って来た人と再開すると嬉しくなっちゃうよね…アタシはまだその感覚が分からないけど…」

マホロア「ダカラサ…マルクに先を超されたボクに劣等感を感じてイライラしてるのカモネェ」

ハグロ「…ふーん、人間ってのは色々複雑だね…」



ポフッ

マホロア「ん?」

アシガラ「よ、唐揚げ食べる?」

ハグロ「あのねえ…人がまじめに話してる時にさあ…」

アシガラ「良いじゃん良いじゃん、美味しいよ?」

マホロア「…ん、美味しいネ」カリッ

アシガラ「皮の所とか良いでしょー、それに油で手がべとべとにならないんだってさー!」

マホロア「へー、これは特別な唐揚げダネェ」モグモグ

ハグロ「んむ…おいひい」パクッ

アシガラ「やっぱり最高なのは肉だよね!」




ズバッ!!!

マホロア「ん?」

ハグロ「んむっ?!」

アシガラ「何者だ!?」



ミョウコウ「その言葉…斬らせて貰う!!」

ナチ「貰います!」

マホロア「さっきの効果音?」

ミョウコウ「ああ、リアルな音が臨場感を醸し出すだろ…ってやかましい!」

ナチ「最高なのは肉、それは違います」

アシガラ「何でさー!あのジューシーな肉汁…食感…鍋の中で丹精込めて、入念に揚げられた…そんなチキンこそ美味しいの!」

ミョウコウ「ふん、味でしか語れないとは…寂しい奴よ。魚介類や野菜類にもそれぞれの美味さがある!!」

ナチ「ピーマンは焼くと美味しいですよ、コンゴウ様は嫌いみたいですけど…」

ハグロ(そりゃあねえ…)

ミョウコウ「それにだ、知っての通り野菜には栄養が満点だ!食べると大人になっても安心だ!」

マホロア「カロリーメイトで良いんジャ…」

ナチ「…」ギロッ!!

マホロア「…ゴメン」

アシガラ「分かっちゃ居るけどさー…ぱさぱさしててどーもなぁ…」

ナチ「それは気合いで乗り切りましょう」

ハグロ「肉食系のアシガラには無理な相談かもしれないけどね」

アシガラ「なんだとー!?大体ハグロだって何時もめんどくさがりじゃんか!!」

ハグロ「今はそれ関係ないでしょ」

ミョウコウ「と、マグロの様に華麗にスルー!」

ハグロ「誰がマグロよ!?」

ナチ「そうですよ!ハグロは電車に轢かれていません!!」

アシガラ「そっちのマグロじゃないと思う!」

ミョウコウ「ともかく!肉が最高と言う独りよがりは通らぬッ!!」

アシガラ「なにおう!?このベジタリアン!」

ハグロ「つまんない奴ー!」

ナチ「貴方達こそ!お肉ばっかり食べてると太りますよ!?」

アシガラ「残念!メンタルモデルにはそんな概念無いのでした!」


マホロア「黙れ黙れ黙レェ!!!」

DAMMM!!!!


ミョウコウ・ナチ・アシガラ・ハグロ「「「「!?」」」」

マホロア「…食う食べ物に、好きだとか嫌いだとか、健康だとか不健康だとか…そんなチャチなもん断じて関係ネェ!!」


マホロア「出されたモンは全部食う!!うめーから食うッ!!」

ミョウコウ「…!!」

アシガラ「そうだった…確かに出された物は食べるのが、作った人にとっても食べる自分にとっても良いよね」

ミョウコウ「健康ばかりに気を取られて重要な事を忘れていたよ…ありがとう」

ハグロ「確かに…どっちが良いかなんて関係ないよね」

ナチ「好きな物を食べる…それも一つの道かもしれませんね…」

マホロア「ウンウン…皆分かってクレテ嬉シイヨォ!」





マホロア「ただ…ボクがあの時食べた物は、特別美味しい訳でもなかったけどネェ」

ハグロ(えっ…?)

ミョウコウ(何の話だ…)

アシガラ(折角綺麗にまとまってたのに台無しだよぅ…)


小話その1 

『マホロアの野望』

おしまい。

ーーー次回予告ーーー

エスカルゴン「全く…何でGESか!あの茶番は!」

デデデ「知らんZOY!大体なんでマホロアがどたばたやっている所をワシらが見れているZOY!?」

木曾「そんなの気にしたら負けだ、如何なる異常事態にも対応出来なければ…視聴者を楽しませる事など出来る訳が無いッ!」

金剛「それより次回予告をするデース!」

エスカルゴン「ああはいはい…えー、ある日突然ブラックデデデが現れた、奴らが野望の達成に行きそうな所に先回りして…マジルテに行く事になったでGES」

デデデ「また旅か…ここ最近玉座に座れてないZOY」

比叡「まあまあまあ…来てない事を確かめたら一旦戻りますから!」

エスカルゴン「洞窟には一体何が眠っているのか!お宝か!?怪物か!?はたまた異世界への道か!?」

霧島「次回は!」

第2話 『お宝いっぱい!マジルテ哨戒作戦!』

霧島「を、お届けします!」

金剛「次回も絶対見るデース!!」

ーーー数分後ーーー

エスカルゴン「陛下、見えて来たでGESよ」

デデデ「おお、割と早かったな」

球磨「おぁー…何だか暖かそうな場所だクマ」

比叡「アイスクリームってあるのにアイスで出来てないんですね…」ガックリ

エスカルゴン「そりゃそうでGESよ」

多摩「お宝がいっぱいある洞窟はどこにゃ?」

金剛「あそこの穴じゃないデスかね?」

デデデ「では村の近くに降ろすZOY!」

エスカルゴン「了解でGES」

ーーーバブリークラウズーーー

「お?お客か?」

「マジルテの噂を聞きつけたのかもな」

「とにかく丁重に持て成すのじゃ、失礼があってはならんぞ!」

デデデ「おー!何だか雲みたいな地面だZOY!」

エスカルゴン「ここは…バブリークラウズでGESね」

球磨「バブリークラウズ?」

多摩「この地面…食べたら美味しそうだにゃ…じゅるり」

エスカルゴン「ダメダメダメ、雲で出来てるから下手したら真っ逆さまでGESよ?」


「旅の方々、ようこそいらっしゃいましした!」

デデデ「お!ワシら歓迎されているZOY!」

金剛「良かったデース!もし怪しまれたらどうしようかと…」

「さあさあ、中に入ってくだされ!」

ーーー村長さんの家ーーー

球磨「…いきなり団体で来てしまって…ごめんなさいクマ…」

「いえいえ、あの洞窟に挑むならば安心出来る人数です」

木曾「俺達の目的を知っているのか?」

「はい、マジルテに挑むのでしょう?」

霧島「ええ、何でもお宝がいっぱいって聞いたけど…」

「うむ…あの洞窟には神秘と奇蹟に満ちておる、発見されている分だけでも兆単位は下らないとか」

球磨「兆単位クマ!?」

比叡「そ、それは確かにそそられます…!」

エスカルゴン「あの…私達はとある悪者がこちらに向かってこないかが心配で…先回りしようと来たのでGES」

「悪者…?」

デデデ「実は…」

ーーー説明中ーーー

「成る程…あなた様の偽物と…グランドローパーか…」

金剛「大体の悪者って、こういうお宝がいっぱいの所を先に狙うのが当たり前デース!」

「それで居ないか散策すると言う事じゃな?」

エスカルゴン「そんな所でGES」

「そうか…では気をつけてくれ、あの洞窟の中には危険がいっぱいじゃからな…!」

木曾「上等だ、それ位じゃないと歯ごたえが無い!」

「それと…ドロッチェ団にも気をつけるのじゃぞ」

デデデ「ドロッチェ団?」

「彼らは宝集めや泥棒等を生業とした奴らじゃ、このマジルテにも来ているじゃろう」

金剛「ドロッチェ団…分かった、気をつけるネ!」

多摩「何だか無償に行きたくなって来たにゃ」ウズウズ

木曾「何でだ?」

多摩「分からんにゃ」

「この町で準備を整えておいた方が良いぞ、何事も備えあれば嬉しいなじゃ」

榛名「備えあれば憂いなしの間違いじゃありませんか?」

「そうとも言うのぅ…ほっほっほ」

榛名「…」

ーーー数分後ーーー

榛名「とは…村長のおじいさまは言ってたけど…準備って言ったってどうやってすれば…」

球磨「回復するためのアイテムとかそう言うのを集めるんじゃないかクマ?」

多摩「そう言うのは対外お店で買えるにゃ」

金剛「んー…お金デスかー…」

デデデ「お前達…は持ってないよな?」

比叡「あの…私持ってますよ」

霧島「えっ!?」

エスカルゴン「何と!?」

比叡「もしもの為に金庫から勝手に取っちゃったんですけど…ダメでしたか?」

デデデ「…いや、今回ばかりは助かった、それで回復アイテムを…」


パシッ!!

比叡「…はい?」

デデデ「か…金が消えた!?」



「チュッチュチュチュ!マジルテには行かせないッチュよ!」

比叡「どっ…どろぼー!!」

多摩「うにゃっ!!?」ビクッ

スピン「おれっチュの名はスピン!ドロッチェ団の一員だッチュ!」

金剛「返すデース!」ジャキッ!!

ドォン!!ドォン!!

スピン「残念ッチュね!お前達の事は既にリサーチ済み!攻撃なんて予測出来るッチュ!」

榛名「人から物を盗んではいけないのですよ!?特にお金は!!」

スピン「ふんだ!結局はその程度だって事ッチュよ!」

デデデ「返すZOY!!極刑に処されたいか!!」

スピン「べ~~~っだッチュ!」アッカンベー

デデデ「ぐぬぬぬぬ…!大王の前で無礼を働きおって…!」

エスカルゴン「所詮盗賊は盗賊、常識は通用しないでGESな」

多摩「ふーっ…ふーっ…!!」

スピン「な、何だッチュ!?そいつは!?」

球磨「クマ…?あ!分かったクマ!多摩!あいつを追いかけるクマ!」

多摩「しゃーっ!!」ピョンッ!!

ネズミであるスピン=サンを視界に捉えた多摩=サンは猫の如き跳躍力で彼に飛びかかる!ワザマエ!!

スピン「う、うわぁ!?は、離せッチュ!!」ジタバタ

多摩「ふしゃーっ!!」


金剛「一体どういう事デース?」

球磨「多摩は猫っぽい、あの泥棒はネズミ、もう分かるクマね?」

エスカルゴン「あっ…」

多摩「さあ!金を返すにゃ!さもなくばこの牙で引き裂くにゃ!!」

スピン「くっ…おい止めろ!離れるッチュ!!」

多摩「ならばお金を返すにゃ!!」

スピン「チッ…やなこった!」シュッ!!

多摩「あ!待つにゃッ!!」

スピン「しつこいッチュ…!ドク!救援要請だッチュー!!」

スピン=サンが叫ぶと、どこからとも無く眼鏡のネズミを乗せた円盤が!

エスカルゴン「あ、ありゃUFO!?」

金剛「えぇ!?宇宙人を仲間にしているデース!?」


ドク『スピン、茶番はこのくらいにしてお宝探しに行くのじゃ!』

スピン「いやだから!コイツらから金ぶんどったんだけど!猫みたいな女に追われてるから助けを…!」

ドク『猫じゃと…?それはワシの得意分野ではない!お前一人で何とかせい!』

スピン「だから!UFOに乗せてくれって言ってるッチュよーッ!!」

多摩「隙ありにゃ!」パシッ!!

スピン「あ"っ…!」

多摩「ふっふふ…お金は返してもらったにゃ」

球磨「口程にも無いクマね!」


「それはどうかな?」

多摩「えっ…?」


BGM:http://www.youtube.com/watch?v=LpBp-fUMvp4(ドロッチェ団のテーマ)

ドロッチェ「残念、ソイツは俺の予備マントだ」

多摩「えぇっ!?」

金剛「Wow!?」

スピン「チュッチュチュチュ!本物はこっちだッチュ!」

ドク『最近のわかもんは慌てん坊で行かんのう』

スピンが奪った本物のお札をひらひらと見せつけ、ドクが挑発をする!周りは一気に険悪な雰囲気に変化して行く!

ドロッチェ「先に言っておこう…俺がドロッチェ団の団長…ドロッチェだ」

エスカルゴン「お、お前が!?」

榛名「貴方も…マジルテに?」

ドロッチェ「ああ…マジルテにあるお宝を全て頂く、それが目的だ」

スピン「噂によれば、美しくて力強いお宝があるとか…それをおれッチュ達は見逃さなかったッチュ」

ドク『まあ、要するにお前達が手に入れられる宝は無し、じゃな』

霧島「さっきから好き勝手言っちゃって…砲撃しちゃうわよ?」

木曾「ああ、さっさと返せ、鉛玉の的になりたいか?」

ドロッチェ「ついでにお前らも的になりたいのか?」

比叡「え?」


ズオオオ……

ストロン「…ふんぬー」ググググ……

比叡達の後ろに、岩石を振り下ろさんとする大きなネズミが!

比叡「わ、わあぁぁぁ!?」

金剛「ちっ…!」ドォン!!

バゴォォォォン!!!!

ストロン「おわー」

しかし金剛の手早い砲撃が岩を砕き、大きなネズミを怯ませる!

金剛「どうデスか!私たちの力、嘗めない方が…」


シーン…

金剛「良い…デス…?」

エスカルゴン「…逃げられちった」

ストロン「じゃーこれでー…」ノソノソ…

逃げた他のメンバーに続き、大きなネズミもそそくさと去って行く。

辺りには、もう彼らは居なかった。

多摩「…すばしっこいネズミ共だったにゃ」

比叡「…ごめんなさい、私がお金を見せびらかしたりしなければ…」

デデデ「…いや、こうなった以上はもう仕方が無いZOY」

エスカルゴン「でも…準備はどうするでGES?」

木曾「…こうなったらあるだけの物で整え、洞窟に乗り込むしか無いだろう」

球磨「むむ…!あいつらめ…!今に見ているクマ!」

デデデ「うむ…お前達、今何持っているZOY?」

榛名「私は一応…予備の燃料や弾薬を」

多摩「多摩もにゃ、洞窟の中で補給が出来ないのはキツいからにゃ」

エスカルゴン「陛下、何とかなりそうでGESか?」

デデデ「うんむ…まあ何とかなるだろう」

霧島「うーん…提督がそう言うなら…そうなのかしら…?」

金剛「そうデスねー」

デデデ「しかし…このままでは厳しいな…」


「ヘイヘイヘーイ!みんなしてどったのさー?」

霧島「ああもう!今度は誰なのよ!」

「誰かって?そんなのどうでもいいっしょ?それよりさ…おろ」ポロッ

エスカルゴン「な、何か落としたでGESよ?」

「あ、マキシマムトマト落とした…」


球磨「…ん?拾わないクマ?」

「ん?皆が自分のポケットに入れるの待ってるんだよ?」

デデデ「落とした物を拾えと言うのか!?」

「うん、マジルテに行くんだったらこれは必要でしょ」

エスカルゴン「な~んか怪しいでGESな」

「…何?何すれば信用してくれるのさ?」

榛名「とりあえずお名前を…」

グリル「しょうがないなぁ~…ボクちんはグリル!さっきお金を盗まれたの見てたんだ」

比叡「それで…回復アイテムを渡そうとしたの?」

グリル「そ、ほら拾って拾って」

木曾「待てよ…まだお前がどうしてこんな事をするのかが分からないな」

多摩「うにゃ、理由を教えるにゃ」

グリル「…気に入らないから?あの盗賊が」

金剛「ドロッチェ団の事デスか?」

グリル「せいかーい、アイツらにはボクちんも盗まれそうになった経験があるからね~、どんな形になろうと何れ仕返ししてやりたかったんだよ!」

霧島「…どうするの?」

榛名「信じましょう、あの盗賊に困っているとなれば放っておく訳には行きません!」

金剛「…よーし!哨戒するついでに終わらせちゃうネー!」

グリル「ホントに!?ありがと~!」

木曾「…まあ、奴らは倒しても損はしないだろう」

エスカルゴン「そうでGESな、ならず者は躾けないと…」

デデデ「やる事が増えたZOY…」

グリル「んじゃ、回りくどくなっちゃったけど、これ人数分のマキシマムね」ポスッ

球磨「何でも略すなクマ!」

グリル「頑張ってね~ん」


比叡「…行っちゃった…渡すだけ渡して」

デデデ「まあいい…とにかく奴らを見返してやるZOY!!」


「「「「「おーーーっ!」」」」」



グリル(…ゴメンね、ちょっと君たちを利用させてもらったよ、ドロッチェ団…)

グリル(あの子達がどれほどまで成長出来るか、見物だからね…!)




グリル「まあでも……少し前に旅行に行ってたら絡まれたし…嘘は言ってないよね?」

グリル「うん…嘘は言ってない、だいじょぶだいじょぶ…」

ーーーマジルテ 入り口ーーー

デデデ「ここが入り口か…」

球磨「何だか物々しいクマね…」

木曾「ここから先は…恐らく未開の洞窟だ、様々な不条理が襲いかかるかもしれない」

霧島「そうね…提督の偽物も乗り込んでいるかもしれないし…」

多摩「十分に警戒するにゃ」

比叡「では…洞窟探検、気合い入れてしゅっぱーつ!」

金剛「デース!」

ーーー地底の木々ーーー

球磨「提督」

デデデ「何ZOY?」

球磨「洞窟って言わなかったクマ?」

デデデ「言ったZOY」

球磨「…じゃあ何でジャングルが広がってるんだクマ」

デデデ「そんなの知らんZOY!」

榛名「ここは…地底の木々と言うそうです、ガイドブックに書いてありました」

木曾「ふむ…洞窟とは言うが…只の洞窟とは違うらしい、これは面白くなって来たぞ」

球磨「何だか先が思いやられそうだクマ…」

デデデ「だがお宝が満載だ…奥まで調べない訳にも行かないだろう」

霧島「ええ…あら?あそこに宝箱が…」

多摩「え?もうあったのにゃ?」

球磨「…ちょっと開けて来るクマ」

タッタッタッタ…

球磨「こんな近くにあるんだクマ、どうせ大した物じゃ…」パカッ


きんメダルをてにいれた!

値打ち 10000D

球磨「きん…メダル?」

比叡「どうだったですか!?」

球磨「きんメダル!きんメダルがあったクマ!」

木曾「金メダル?何かの冗談だろう?」

球磨「でも…値打ち10000デデンって書いてあったクマ」

榛名「もしかしたら…オリンピックの優勝景品?」

エスカルゴン「それが何でこんな所にあるでGES!」

多摩「うーん…これは開けるとき身構えないと予想外の物が出て来てびっくりするかもにゃ」

金剛「とにもかくにも色々ありそうデース!先に進んで出来るだけ手に入れちゃうネ!」

比叡「はい!お宝を手に入れて皆のお土産にしましょう!」

球磨(皆最初の目的忘れてるクマ…)

ーーー先に進む事数分…ーーー

多摩「…」

榛名「どうしました?」

多摩「…この壁の奥から怪しいにおいがするにゃ」

エスカルゴン「怪しい匂い?」

木曾「……この壁は脆いな、破壊してみるか?」コンコン

デデデ「よし、ワシに任せるZOY!」

金剛「だ、大丈夫デスか?」

エスカルゴン「ハンマーがあるから大丈夫でGESよ」

デデデ「ほぁぁ……やらいでかぁッ!!」ブンッ!!


ドッゴォォォォ!!!

ガラガラ……

木曾「おお!壊れた!」

球磨「中身は一体…!」

ハンマーの一撃でぽっかり開いた穴を覗き込むと、そこにはまたもや宝箱が

金剛「やったネー!コングラッチュレイション!」

比叡「成る程!こうやって見つけて行くのね!」

デデデ「開けてみるZOY!」

球磨「任せるクマー!」

パカッ


こばんを手に入れた!

値打ち 1000D

球磨「これって…小判?」

多摩「多摩にくれにゃ!!」

球磨「え?良いクマ…はい、どーぞ」ポスッ

多摩「にへへ…この手触り…輝き…何故だか興奮してしまうにゃ」スリスリ

金剛「すりすりしてるデース…そう言う使い方じゃないと思いマース」

霧島「…猫に小判ってこういう事かしら…?」

球磨「こら!妹を批判するのは許さんクマ!!」

霧島「あぁ!ごめんなさい!」

榛名「まあ…あれも一つの使い方かもしれませんし…」

木曾(いや、その理屈は可笑しい)

多摩「すりすり~…あっ!」ポロッ

球磨「小判が落ちたクマ!」

多摩「待つにゃー!」タタッ

木曾「バカ!一人で先行するなッ!」ダッ

球磨「二人とも待つクマー!!」タタッ

タッタッタッタッ……


デデデ「戻ってこーい!迷子になっても知らんZOーY!!」

金剛「あぁ…行ってしまったデース…」

エスカルゴン「ったく…小判なんて諦めりゃ良いのに…」

比叡「とにかく追いかけないと!」

霧島「ええ!あの子達を助けないと…何があるか分からないもの!」

金剛「提督!早く追いかけるネ!」

デデデ「分かっておる!」

エスカルゴン「…ん?はぐれていると言えば…大鳳は?」

金剛「…えっ?」

デデデ「あいつは…あれ?どこ行ったZOY?」

榛名「さ、さっきまでは着いて来てたのに…?」

デデデ「…ぐぬぬ…まずは球磨達を探せ!大鳳は後ZOY!」

霧島「提督!?」

比叡「大鳳は…!?」

エスカルゴン「後で見つけりゃ良いでGESよ!そもそも何時はぐれたのよ!?」

榛名「えっ?ええと…確か…入り口辺りまでは着いて来てた様な…」

エスカルゴン「うーん…どっかで違う道行っちゃったんでGESかね?」

比叡「ドロッチェ団に攫われたりとかは…!?」

金剛「有り得マース!!」

エスカルゴン「しかし…アイツらは好んで人を攫う奴でGESか?」

霧島「まだドロッチェ団については分からない事があります、比叡姉様の一言も可能性の一つとして捉えておくべきかと」

デデデ「ううむ…仕方ない、洞窟を進みながらドロッチェ団と球磨達を探せ、出来るな?」

金剛「了解ネ!絶対に見つけてみせるデース!」

大鳳の事は完全に忘れちゃってました、ごめんよ…

ーーーーーー

多摩「止まるにゃー!」タッタッタッ

球磨「止まれクマー!」タッタッタッ

木曾「止まる時ーッ!」タッタッタッ


パシッ!

多摩「にゃ…ようやく捕まえたにゃ」

球磨「ぜえ…ようやく止まったクマー」

多摩「…にゃ?どうしたのにゃ?」

球磨「どうしたのにゃ?じゃないクマー!さっさと皆の所に戻るクマー!」

木曾「はぐれるのは得策ではない、早く戻るぞ」

多摩「ごめんなさいにゃ…」シュン

球磨「…クマ?」

木曾「姉さん、どうした?」



ストロン「だんちょー、凄いお宝見つけたぞー」

ドロッチェ「凄いお宝?見せてみろ」


はるのおもいで

250000D

ドロッチェ「…何だコレ?」

ストロン「はるのおもいでだって」

ドロッチェ「…何だそれ?」

ストロン「分かんない、けど桜の良い匂いがする」

ドロッチェ「…まあ、お前が気に入ったなら…良かったじゃん?」

ストロン「うん」

ドロッチェ「俺も負けないからな、油断するなよ」

ストロン「大丈夫、多分」

球磨「あれは…ドロッチェ団!?」

木曾「やはり来ていたか…!」

多摩「追いかけるにゃ?」

球磨「いや、ここは戻って提督に報告を…あれ?」

木曾「どうしたんだ?」

球磨「球磨達…どこから多摩を追いかけていたクマ?」

多摩「ふえ?」

木曾「それなら…んん?ど、どっちだったか…?」

多摩「えええ…?」


球磨「球磨達…遭難しちまったクマ…」

木曾「そうなんだ」

球磨「…」ジロッ

木曾「…悪い、ちょっとしたジョークのつもりなんだ…」

多摩「とりあえず…どうするにゃ?」

木曾「とにかくここでじっとして居るんだ、無駄に体力を消費するのは良くない」

球磨「分かったクマ」

多摩「だけど暇だにゃ」

球磨「何か無いクマ?」

木曾「ふむ…そうだな…」

ーーーその頃ーーー

デデデ「…見つかったかZOY?」

霧島「いえ…全く見つかりません…」

榛名「この洞窟自体、結構入り組んでいますもの…」

比叡「ていうか広過ぎるからですよ!」

エスカルゴン「ホンットここには謎が多いでGESな」

デデデ「どこかでじっとして居れば良いが…」

金剛「おーいー!!どこに居るネー!!聞こえたら返事をplease!!」

痺れを切らした金剛は、どこかにいる球磨達に届く様に思い切り叫ぶ、しかし…

シーン……

その声は、空しく空間を漂うだけとなった。

金剛「くぅ…どうしたら良いネ…」

霧島「魚の匂いで釣ってみたらどうでしょう?」

エスカルゴン「良いでGESな……って魚はどこで調達するのよ」

霧島「それは…ええと…」

エスカルゴン「思いつかなかったんでGESね」

霧島「あ、あははは…」

比叡「しかし…良い案ね、どこかに水場は無いかな…?」キョロキョロ

「水場なら地底の木々の奥にあったよ!」

金剛「この声は…?」


シャドーカービィ「カービィかと思った?残念!シャドーカービィでした!」

デデデ「シャドーカービィ!?」

霧島「えーと…どうしてここに?」

シャドーカービィ「暇だから!」

金剛「暇って…アナタねー」

エスカルゴン「奥に水場があるでGESか!?」

シャドーカービィ「ホントだよ、ただ…そこに居る主に許可を取らないと魚釣りは出来ないけどね」

金剛「主?」

シャドーカービィ「奥の水場に済む大きい鯨、『ファッティホエール』。彼が水場の主だよ」

金剛「ファッティ…ファット……うっ、頭が…」

比叡「大丈夫ですか!?」

シャドーカービィ「ごめん!もしかして嫌な事思い出させちゃった…?」

金剛「だ、大丈夫…もう、終わった事デス…」

シャドーカービィ「なら良いけど…でね、そのファッティホエールに予めお願いしておかないと釣りしちゃダメだって」

霧島「ふーん…気を付けなさいって事ね」

シャドーカービィ「それに…今日は機嫌が悪いみたいだし…もしかしたら暴れだすかもしれない、そんな時は殴って泣かせて落ち着いた頃に話をして上げると良いよ」

比叡「いやそれ余計にダメでしょ!?」

デデデ「要は襲われそうになったら戦えと言う事だな?」

シャドーカービィ「うん、僕も手伝ってあげたいけど…すぐに戻らなくちゃ行けないんだ」

金剛「それは残念デース…」

霧島「大丈夫よ、あともう一つ質問良いかしら?」

シャドーカービィ「何かな?」

霧島「球磨ちゃんっていう…長い茶色の髪の毛の女の子、どこかで見なかった?」

シャドーカービィ「…見たけど…友達?なのかな…青い髪の子が落ちてって行く小判を追いかけてたよ」

エスカルゴン「そいつでGES、我々が探しているのは」

シャドーカービィ「さっき言ってた球磨って子がその子を追いかけてたなー…あと眼帯付けた子も」

霧島「見てはいるけど…肝心のどこに向かったまでは覚えてないって訳ね」

シャドーカービィ「ぎくり…どうして分かったの?」

霧島「何となくよ」

シャドーカービィ「…」

霧島「…ごめんなさい」

シャドーカービィ「…ま、良いよ。でなんでお魚が欲しいの?」

比叡「小判を追いかけてた子…猫っぽいところがあるの、というか完全に猫?」

金剛「だからお魚を焼いてその匂いで釣ろうと言う作戦デース!」

シャドーカービィ「そっか…だったらなおの事僕は出て行かなくちゃ…」

榛名「そんなに…用事って言うのは大変なの?」

シャドーカービィ「それもあるけど…僕はこんなんでもカービィのコピーだから焼き魚の匂い嗅いだら齧り付くに決まってるじゃん!」

デデデ「ああ、そうなる前に出て行くと…」

シャドーカービィ「うん、だけど僕の事は気にしないで…食事は外で済ませて来るから」

エスカルゴン「…お前も大変でGESなあ」

シャドーカービィ「じゃ、皆も頑張って!」

金剛「任せるネ!」

タッタッタッ……

金剛「足早に走ってったネ…」

霧島「さて、その水場とやらに行きましょうか?」

榛名「ですね!」

比叡「でも…大鳳は?」

デデデ「按ずるな、多摩達をおびき寄せた後に探すZOY」

エスカルゴン「そうと決まればさっさと行くでGESよ!」

比叡「う~ん…」



その頃、大鳳は…

大鳳「うー…ここはどこ…?」

ただ今、絶賛迷子中。

大鳳「凄いお宝が見えたから行ってみたら…まさか迷子になっちゃうなんて」

大鳳「艦載機を発艦しようにも、効果があるのか分からないし…困っちゃったな…」

大鳳「おーい…誰か居ないのー…?」


「あー、キミー」

大鳳「へっ?」

龍驤「えーと…まずは初めまして、ウチ…じゃなくて私は龍驤と申します」

大鳳「龍驤…?艦娘がどうしてここに?」

龍驤「あの騒動以来、ホーリーナイトメア社では艦娘販売サービスも初めまして、私も雇われてここの取り締まりをしている者です」

大鳳(騒動って…セクトニアが地球侵略に乗り出した時の事かな…?)

龍驤「えっとですね、この洞窟では最近多いんや…じゃなくて…多いんですよ、ゴミのポイ捨てとか…ラジコン飛ばしたりとか」

大鳳「はあ…」

龍驤「ですから、ここでは何か飛ばしたりとか…そう言うのはしたらアカンで…じゃなくて…あきまへんで…でもなくて…」

大鳳「???」



龍驤「ぅっぁああああああああッ!!!!メンドいッ!!やっぱ敬語メンドいわッッ!!!」

大鳳「ひっ!?」

龍驤「大体なあ!?ここにはマナーのなってない人が多過ぎなんやねんッ!!こっちの都合も考えて欲しいわッ!!」

大鳳「あ、あの…!」

龍驤「ぜえ…ぜえ…ぜえ…け、血圧が…」

大鳳「大丈夫ですか?」

龍驤「ぜぇ…あんまり、毎回マナーが悪い人の元に凄い剣幕で叱ってるから…」

大鳳「…お疲れです」

龍驤「ぜぇ…それでな、さっきの続きやねんけど…ここはね、お宝や綺麗な自然とかがいっぱい残る美しい洞窟、マジルテ」

龍驤「出来るだけそう言う所を汚す様な事はせんと毎回提案させてもろてますねん」

大鳳「ふんふん」

龍驤「やけど…やっぱりマナーの悪い奴は居るもんやなあと、サルと言うのは進歩せんなあ、と…」

大鳳「…そんなに、マナーの悪い人が多いんですか?」

龍驤「それももう沢山や、その人らに毎日怒っているお陰で…血圧が上がり過ぎて寝込んでまう事もあって…」

大鳳「まあ…」

龍驤「それでな?キミも同じ艦娘みたいやし…同胞として注意したいねん」

大鳳「分かりました…どうぞ」

龍驤「では…ここで、ポイ捨てやラジコン飛ばしたりはアカンで?次やったら…たとえ同胞だとしても容赦なく注意しますわ」

大鳳「はい…」

龍驤「んなもん、洞窟を攻略する人の勝手やろ!というのも分かるけど…そこはまあ、同じ探検家の迷惑にならない様にして頂きたい訳で…」

大鳳「…」

龍驤「…あ、また話が長くなってしもた…ウチの悪い癖ですわ…」

大鳳「…そうなんだ」

龍驤「とにかく、不法行為はダメ!分かる?」

大鳳「ええ、それはもう」

龍驤「…うん、分かってくれたらエエねん…そろそろお暇するわ」

大鳳「お気をつけて…体を大事にしてね?」

龍驤「ありがと…あ、そうそう最後に一つ」

大鳳「?」


龍驤「『歯は、毎日ちゃんと磨こ!』」

大鳳「えっ…?」

龍驤「ほな!」ビシッ!

タッタッタッタッ……

大鳳「…あ、今どこに居るのか聞くの忘れた…」

ーーーその頃、球磨達はーーー

球磨「…暇だクマ」

多摩「暇だにゃ」

木曾「暇だな…」

球磨「何か無いクマ?」

多摩「何も無いにゃ」

木曾「何も無いな」

球磨「…クマ…」

多摩「…にゃ」

木曾「…わん」

球磨「…そこはキソーだクマ」

木曾「何で俺がそんな事言わなきゃならない!?」

多摩「言ってみて欲しいにゃ」

球磨「お願いだクマ!」

木曾「仕方ないな……」

球磨「どきどき」

多摩「わくわく」

木曾「き…木曾だ…き、き…きき…」

球磨「がんばーれ!」

多摩「がんばーれ!」

木曾「き…きき…ききき……///」

球磨「何を恥ずかしがってるクマ!さあ!勇気を出して!」

多摩「さあ出してにゃ!」


木曾「き…キソぉぉぉぉぉッ!!」

球磨「おー」パチパチ

多摩「良く出来たにゃー」パチパチ

木曾「く、くそ…///」

多摩「もう一回言って欲しいにゃ!」

球磨「頼むクマ!」

木曾「ダメだ!!さっきので満足しろ!」

球磨「お願いだクマ!これで最後にするから!」

木曾「ち…だったら…録音機持ってないか?俺のかけ声を録音して毎日聞けば良いだろう?」

多摩「それだにゃ!」

球磨「さっき落ちてたのを使うクマ!」

木曾「じゃあ…行くぞ?」

球磨「待ってクマ…はい、スイッチ大丈夫クマ!」カチッ

多摩「それではお願いするにゃ!」

木曾「よし…すーー…木曾だキソーっ!!」
カチッ

球磨「ばっちり撮れたクマ!」

木曾「どうだ?再生してみろ…」

多摩「にゃ」カチッ

<キソダキソーッ!

球磨「良いクマ!これは良いクマッ!!」

木曾「そ、そこまで褒められると逆に恥ずかしいな…///」

多摩「恥ずかしがる事なんて無いにゃ、木曾は殻を破れたんだからにゃ」




龍驤「くぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」ガーーッ!!

木曾「ッ!?」

球磨「クマ!?」

龍驤「洞窟の中で録音するなって!!看板に書いてあるやろがァァァァァ!!!!」

多摩「えええええええええええ!!?」

龍驤「ぜえ…ぜえ…またか!またなんやな!?」

木曾「何の話だ?」

龍驤「とぼけるなや!!キミらも艦娘なんやろォ!?」ビシィ!

多摩「どうして知ってるにゃ!?」

龍驤「さっきも同じ艦娘に会ったんや!そこでちょっとマジルテを探検する為に守らんとあかんルールを教えてやね…!」

球磨「…!ねえ!その艦娘って誰だったクマ!?」

龍驤「え?えーと…何か茶色い髪の子でな、白い服と黒い装甲を持ってたわ」

球磨「それじゃあやっぱり…」

多摩「お姉ちゃん、この人が会ったって言う艦娘って…だ、誰なのにゃ?」

球磨「大鳳だクマ!球磨達その人の事すっかり忘れてたクマよ!!」

木曾「あ…何か忘れていると思ったら…」

龍驤「なんや…知り合いか、怒って損した…なんて言うと思ったんかいな!?」

球磨「ご、ごめんなさいクマ!」

龍驤「エエか?洞窟の中で録音したらアカンの!」

木曾「何故ダメなんだ?」

龍驤「それは…知らへん、ルールに書いてあっただけで何でアカンのは分からへん」

多摩「にゃんだそりゃ…」

龍驤「とにかく…録音はダメ。良いね?」

木曾「…アッハイ」

球磨「はいクマ…」

龍驤「では、次から気ぃ付けやーよ」

球磨(あれ?注意だけで終わりクマ…?)

龍驤「じゃ、ウチちょっち休まんと…」

木曾「どうでも良いが…何で録音してるって分かったんだ?」

龍驤「個室の警報が鳴るんよ、結構種類があってそこからどういう悪い事してるか分かるんや」

多摩「へー…」

龍驤「鳴ったらなぁ…例え休憩の途中でも駆けつけなアカンしもう大変…」

球磨「…お疲れさまだクマ」

龍驤「あ、そうそう…最後に一つ」

木曾「何だ?」

龍驤「大鳳って子なら…古代の塔の近くにおったよー」

球磨「本当かクマ!?」

龍驤「何か探してるみたいやったから…」

木曾「済まないな、こんな不届き者に情報をくれて」

龍驤「ええんや、キミらも道中気ぃ付けてな…」

球磨「またなクマー!」

タッタッタッタッ…

木曾「さて…どうする?」

多摩「…でもやっぱり合流してからの方が良い気がするにゃ」

球磨「クマ…でもどこに居るのかクマ…?」

木曾「肝心な時に必要な情報って手に入らない物なんだな…」

「「「はぁ…」」」

ーーーその頃、デデデ達はーーー

霧島「…ここが、その水場ね」

榛名「大きい泉ですね!」

金剛「これなら主が居ても可笑しくないネ!」

デデデ「さて…あの主をどう呼び寄せる?」

比叡「さあ…大きい音で引きずり出すとか?」

榛名「水面を叩いてみては?」

金剛「こうデスか?」パチャパチャパチャ…

シーン…

霧島「何も…起きないわね…」

デデデ「…おーい!!ワシの声が聞こえるかー!?」

エスカルゴン「どうせ聞こえやしないよ…」


ザバァァァァ……

ファッティホエール(何用か…)

デデデ「見ろ!ワシの声に答えたZOY!!」

エスカルゴン「偶然だよ偶然…」

ファッティホエール(余は今気分が悪い、用事があるなら率直に申せ…)

榛名「あの…この大きな泉で釣りをして良いでしょうか…?」

ファッティホエール(釣りじゃと…?無益なる享楽の為ならば許さぬぞ…)

比叡「違います!私たちの仲間を助けるのに必要なんです!」

ファッティホエール(…空腹を満たしたいが為か?)

金剛「えっと…はぐれた仲間を焼き魚の匂いでおびき寄せたいネー…」

ファッティホエール(……)

デデデ「頼む、この泉で釣りをさせてくれZOY…」

エスカルゴン「私からもお願いするでGES!」

ファッティホエール(…其方らの意思は伝わった、魚を捕りたくば…余の憂さ晴らしに付き合え)

霧島「へ?」

比叡「憂さ晴らし?」

ファッティホエール(先程ネズミ共に石を投げつけられてのう、誰かに八つ当たりをしたくて辛抱堪らなかった…其方らに相手をしてもらうぞ)

榛名「結局戦う事になるんですね…」

デデデ「ん……ネズミ?」

ファッティホエール(ネズミがどうした?)

霧島「そのネズミって…複数居ましたか?」

ファッティホエール(…うむ、徒党を組んでおった。確か洞窟中の宝を全て頂くとか申していたな…)

エスカルゴン「やはりドロッチェ団もここに来ていたでGESか…」

ファッティホエール(その他にも色々あってだな…まあ鬱憤が溜まっていたのだ)

金剛「でも…怒ってるって聞いたけど…思ったより話が通じたネー」

ファッティホエール(其方らとは念で会話をしておる、こうして話せるのも余が強靭なる精神を携えるが故…)

霧島「さっきから心に声が聞こえると思ったら…テレパシーだったの!?」

デデデ「…何時まで話をするZOY?とっとと終わらせて釣りをするZOY!」

金剛「あ"…ソーリー…」

ファッティホエール(では…余の力、篤と見るが良い!)

エスカルゴン「戦闘態勢、入れーッ!」

戦闘開始!

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=ogMIovVoCIo(ボスとの戦い)


ファッティホエール(…ぶるぁぁ!!)ブシャーーーッ!!!

霧島「え…潮吹き!?」

比叡(かけ声がダサい…)

金剛「くっ…水が艤装に入られると厄介ネー…!」

ボゴッ!!

エスカルゴン「あぼッ…」

比叡「な、なに!?」

榛名「フグがエスカルゴンさんに…!?」

デデデ「貴様ぁ!なんて者を食っているZOY!」

ファッティホエール(食っているのではない、寝ている間に腹の中に居たのだ)

比叡「…ジャブジャブ様…」ボソッ

デデデ「…あちらの世界とこちらの世界は関係ないZOY、其の様な発言は慎め」

比叡「も、申し訳ありません!」

霧島「こちらも行かせてもらうわ…痛いかもしれないけど許してッ!!」ドォン!!

ドゴォォォォォン!!!


ファッティホエール(これが砲撃か…少し衝撃があるが…我が分厚き皮を破るには至らぬ)

霧島「あらら…見かけによらず丈夫なのね」

金剛「ならばもう一発叩き込むデース!!follow me!!」ドォン!!

比叡「はい!姉様ッ!」ドォン!!

ファッティホエール(温いわッ!!)

ドプンッ…!!

比叡「潜水して躱された!?」

金剛「一体何を…!」

暫くした後、彼は水中から思い切り飛び出しそのまま勢い良く水面に体を叩き付ける。
その衝撃で辺りに大きな水飛沫が飛び散る。

榛名「きゃぁぁ!」

金剛「提督ぅー!」

発生した水流により、彼女達は壁まで流されてしまう。

エスカルゴン「おーい!無事でGESかー!?」

比叡「うう…なんとか…!」

榛名「く…こんなッ!!」ドォン!!

ファッティホエール「…!」ブゥンッ!!

榛名が放った砲弾は、彼の巨大な尻尾に打ち砕かれる。

榛名「つ、強い…!」

デデデ「伊達に長い事ここを守っていないな…」

ファッティホエール(次は…余から行かせてもらおうッ!!)スォォォォ……!

大口を開け、力を溜める彼を見た霧島は…

霧島「嫌な予感…皆!ファッティホエールの正面から離れてッ!」

比叡「!?了解っ!」

声を荒げて比叡達に回避指示を出す、その直後…


ドバァァァァァァァァァァァァ!!!!!

開かれた大口から高水圧の水流が吐き出される。

エスカルゴン「あ、あれは…ハイドロポンプ?!」

霧島「何ですかそれ!」

榛名「そんな事より、早く後ろに回り込みましょう!」

彼女達は早々に後ろに回り込もうとする。
負けじと敵は金剛と比叡が走る方向に体を回す。

比叡「こ、こっちに向かってきましたぁぁ!!」

金剛「どうすればいいネー!!」

デデデ「怯ませろー!!砲撃してアレを止めるZOY!」

霧島「了解っ!!」ドォン!!

ドゴォォォォォン!!!!

ファッティホエール「…」ゴォォォォォォォォォォォォォ…!!!!

霧島「効き目なしです!」

エスカルゴン「もっともっと沢山撃ちまくるでGESよ!」

金剛「…良し!比叡!撃つデスよ!!」

比叡「はい!特訓の成果を見せてやります!」

霧島(特訓!?やったかしら…?)

疑問に思う彼女を尻目に、ひたすら敵に砲撃をする金剛と比叡。


ドゴォォォォォォォォォン!!!!!

ファッティホエール「ごぼぉっ!!」

金剛「YESッ!!水を止められたネ!!」

比叡「皆!この隙にいっぱい攻めてー!!」

霧島「分かったわ!」ドォン!!!

ファッティホエール(ちぃ!)

ドボン…!

金剛「また潜って…!正々堂々と戦うデース!!」


ザバァッ!!!!

金剛「ぐへぇっ?!」ドゴォッ

榛名「ね、姉様ーッ!」

水面からの強襲に成す術無く吹き飛ばされ、水面に叩き付けられる。

金剛「あ、アウチー…ズ…」小破!

エスカルゴン「次はダイビング…中々の手だれでGESな…!」

霧島「だから何ですかそのハイドロポンプとかダイビングっていうのは!!」

デデデ「だが…艦娘達は皆鋼タイプ…コイツの技は普通の効果しか与えられない…」

エスカルゴン「普通の威力を小破で耐えるとは…改二は伊達じゃないでGESな」

金剛「いやアレ結構痛いのデース!!私たちに良く分からない物で例えないでくだサーイ!!」

ファッティホエール(…茶番は終わったか?)

比叡「はい…ついでに貴方との戦いもねっ!!」ドドォン!!

比叡は顔を覗かせた敵に向け、一斉に弾丸を放つ。

ドガァァァァァン!!!!

ファッティホエール(ぐぉ…!)

比叡「っ…どうです!この威力!」ドヤッ

霧島「さすがにこれぐらいだったら傷がつくんじゃない?」


ファッティホエール(いやあ…参った参った、頭に傷が付いてしまった…中々やるのう)

比叡「おお!?てことは…!」

ファッティホエール(うむ、十分に満足したわい…魚釣りを許可しよう)

比叡「ぃやったー!!さっきの台詞の通りに戦いを終わらせられました1」

デデデ「でぇはははは…ふぅ…既に疲れてしまったZOY…」

エスカルゴン「魚を釣って、魚焼いて、多摩達をおびき寄せて、それから食うでGESよ」

ファッティホエール(ところで其方らは…宝探しで来ておるのか?)

霧島「それも兼ねた…何ていうか…先回り警備?」

金剛「私たちの提督にそっくりな黒い奴が、スフィアローパーを率いてこの洞窟に来るかもしれないと思ったのネ」

ファッティホエール(成る程…宝があるこの洞窟が襲われるかもしれないと踏んだのだな?)

デデデ「そんな所だZOY」

ファッティホエール(そう言う事ならば…図々しい様だが、この先の宝も確保してくれ)

金剛「勿論デース!悪者に盗まれる位なら、私たちが貰っちゃいマース!」

ファッティホエール(うむ、確保した宝は褒美にやるぞ)

エスカルゴン「ファッティホエールのお許しも出た事でGESし…これで心置きなく宝を取れるでGESな!」

比叡「さて話を戻して…魚釣り、して良いですか?」

ファッティホエール(勿論だとも…んむ?其方らは釣りの道具を持っているのか?)

金剛「提督、持ってマスか?」

デデデ「食料不足に陥った時の為に持って来た…この本格サバイバル道具の中にあるZOY!!」

エスカルゴン「流石陛下!抜け目がないでGES!」

金剛「あと…焼く機械は?」

デデデ「ん?…大丈夫だ、それも入ってたZOY」

ファッティホエール(そうか…では早速やってみい…)




龍驤「あーちょっとキミー」

霧島「あら…艦娘?」

榛名「はて…私たちの所にあんな子居たでしょうか?」

龍驤「えっと…魚釣りしようとしてたでしょ?」

比叡「はい、ちゃんと主様にも許可を頂きました」

龍驤「あ、そなの…ならエエんよ。いやあ最近無断で釣りする奴が増えて来てねえ…あははは」

エスカルゴン「ところであんた誰よ」

龍驤「ウチは龍驤、近くの村の村長さんに雇われて洞窟の治安を守ってるんや」

榛名「はあ…」

龍驤「そう言う訳でこの洞窟の自然を傷付ける様な事したら…例え同胞(はらから)でも容赦なく説教したるで」

金剛「き、気をつけるネ」

龍驤「あそうそう…何やよう白い服に黒い装甲来た子が古代の塔の近くにおったよ?長い茶髪のアホ毛ちゃんにも伝えたで」

霧島「そう…もう根回ししてくれてるのね」

龍驤「この洞窟の法度に背いたりせぇへん奴には出来るだけ相談に乗る…それがウチのもう一つの信条や」

エスカルゴン「あぁ…良い子でGESな…」

デデデ「ああ、ワシの所に欲しいZOY」

龍驤「冗談やめてーな…さて、ぼちぼち戻るわ!キミらも気ぃつけてな!」

金剛「また後でネー!」

タッタッタッタッ……


榛名「…つむじ風みたいな子でしたね」

金剛「つむじ風…カ…」

ファッティホエール(…あの少女は本当に優しき子だ…たった一人でマジルテの自然を守っているのだからな…)

榛名「ほ、他に人とかは…?」

ファッティホエール(…居らぬ、まだあの様な者がまだ出回っていないのだろう)

榛名「まあ…」

ファッティホエール(…どうだ、もし良い者が居れば…後で良い、紹介してくれぬか?)

金剛「えっと…提督、どうするネ?」

デデデ「うーむ……まあ、良いZOY!ただし…騒動が治まったらだZOY」

ファッティホエール(おお…何から何まですまぬのう)

エスカルゴン「…釣りはどうするのよ」

デデデ「おお忘れる所だった…皆の衆!釣り竿を掲げい!」

比叡「はーい!」

ーーー数分後ーーー


<ジョウズニツレマシター

金剛「ふー…こんな物ですかネー」

榛名「…なぜ湖にマグロが居るのですか?」

ファッティホエール(何、気にすることはない)

榛名「はあ…」

エスカルゴン「では早速焼いちゃうでGES?」

デデデ「うむ、その匂いで多摩をおびき寄せるZOY!」

エスカルゴン「了解…では魚焼き、スタート!!」

金剛「待ってましター!!」パチパチ

まさか続編書いてたとは気付かなかったよ
しかも書き始めてから一月近くも立ってたのかよw

何はともあれ支援




ジュワ~~~…

比叡「こんが~りこんが~り」

榛名「こんが~りと~♪」

デデデ「ウルトラじょ~うずに」

金剛「焼っけるっかナ~♪」

霧島(…?)


金剛「今ネッ!」スッ!!

<こんがり魚を手に入れた>

デデデ「ウルトラ上手に焼けましたー!!」

エスカルゴン「言うと思ったよ!!」

>>164
このssも見てくださってありがとうございます。
今作はちゃんと完結させられるのかどうかすら不安ですが、まあ気長にやっていきますのでお付き合い下さい。


ホワワ~ン…

霧島「う~ん…良い匂いがしますね!」

エスカルゴン「これなら多摩達も誘き寄せられる筈でGES」

榛名「暫く待ってみましょう!」

ーーーその頃、球磨達はーーー

球磨「…暇すぎる」グデー

木曾「暇すぎて語尾も忘れてる…早く何とかしないと不味い…」

多摩「そんなこと言ってもしょうがないよ…一緒にダメになろうよ…」グイグイ

木曾「断るッ!ここで俺まで脱落したら一体誰が姉さん達を引っ張るんだ!!」

球磨「引っ張らなくて良い…面倒だ」グマー

木曾(ぐ…!クマクマ言っていない姉さんに威圧されるとは…!)

ホワワ~ン……

球磨「…ん?」ムク

多摩「んお?!」ガバッ

木曾「この匂いは…」

多摩「この匂い…数時間ぶりの食べ物の…!」

球磨「ああ…間違いない…焼き魚だ」

木曾「一体誰が焼いて…」

多摩「魚ッ!!飛び込まずには居られないッ!!!」ダダッ!

球磨「球磨の愛するお魚ちゃん!今行くクマよーッ!」ダッ!!

木曾「あ!待ってくれ!姉さーんッ!」タッ!

タッタッタッタッタッ……


ドドドドドドドドド……


デデデ「この足音…もう感づきおったな」

霧島「他のも焼いておきますよ?」


ドゴォォォォッ!!

デデデ「ぐふぇぁっ!?」

金剛「て、提督ーッ!?」

多摩「御用にゃ御用にゃァ!!」

球磨「焼き魚は何処だクマ!答えないと砲雷撃戦でボコボコに泣かすクマ!!」

金剛「は…は…はい!これデスね!?」スッ


多摩「……一つだけ…?」

金剛「え?」

多摩「一つだけ……!?」

多摩「一つだけにゃァァァァァァァッ?」

金剛「まだそれしか焼いてないのデース!」

多摩「それしか焼いてにゃーにゃと!?沢山釣った魚を一つだけしか焼かにゃーとか!お前焼き魚嘗めとんのかにゃァ!!」

霧島「次のを焼く前に押し掛けてきたんでしょうが!!」

球磨「ならさっさともう一つ…いや、二つ焼き上げるクマ!!木曾も暇で疲れ果ててるクマよ!!」

木曾「違……高速で走っていった姉さんに追いつこうと…したから…疲れているんだ…よ…」ピクピク

霧島「貴方たち!私が他のも焼いてるから余り怒らないで!」

多摩「早ようせーにゃ!」

エスカルゴン「ていうか多摩、さっきからなんで名古屋弁になっちゃってんの?」

多摩「そんなん知らにゃー!!良いから早う持ってくるにゃー!」

ジューーー…

霧島「はぁ…はぁ…出来たわよ…」

多摩「おー…こりゃえれえ美味そうだにゃー」

球磨「では早速いただくクマよ、新入りくん」

霧島「新入りじゃないわよ!…新入りだっけ?」

金剛「少なくとも鉄底海峡の奥まで進んだ辺りで来たから…割と新入りネ」

バクッバクッ……

ムシャムシャムシャ……

霧島「お、お味は…?」


多摩「う~ん…焦げた所の苦みがまた良いにゃ…」モグモグ

球磨「やっぱり魚は焼いてこそ、だクマ!!」

木曾「…!…!!」シャリシャリシャリシャリシャリシャリ

霧島(みんな相当お腹減ってたのね…)

多摩「こらこら…余り焦っちゃダメにゃ」

木曾「はぐはぐ…んぐっ、ふぅ…生き返る…!」ガツガツ…ゴクンッ

榛名「もっと焼きますか?」

木曾「もっと食わせろ!!」

球磨「まだまだお腹に入りそうだクマよ」

多摩「これで…鰹節があればにゃぁ…」

エスカルゴン「家に帰るまで我慢するでGESよ」

多摩「にゅぅ…」

比叡「はい!おかわりですよ!」スッ

ファッティホエール(余にもくれぬか?)

エスカルゴン「あんた仮にもこの湖の守護者でしょうが」

ファッティホエール(ふぉふぉ…冗談だ)

球磨「貴方にはあげないクマ、大体誰なのかも分からないのに食べ物を渡したくないクマ!!」

ファッティホエール(だから冗談と言っておろう…)

多摩「にゃ…にゃにゃ…ふふ…」モグモグ

木曾「美味い…!うーまーいーぞーー!!」

比叡「……私たちも食べます?」

金剛「デスねー、ちょうどお腹も減っちゃったシ」

デデデ「うむ…ではワシらも続くZOY!」

榛名「はいっ!」

ーーー数分後ーーー

球磨「ぐふー…幸せだクマー…」

木曾「食った食った…これであと十年は戦えるぞ」

多摩「それ、言い過ぎだにゃ」

木曾「それ位満足したんだ、ここの魚は美味いなあ」

金剛「ごちそうさまデシター…」ポンポン

エスカルゴン「骨は…どうするでGES?」

ファッティホエール(湖に入れてくれ、後は余がやる)

霧島「後って…なんですか?」

ファッティホエール(其方らには知る必要のない事だ、さあ入れるのじゃ…)

榛名「では…ありがとうございます、そしてごちそうさまでした…」ス……

チャプ……

木曾「…俺たちも入れよう!」

球磨「クマぁ!」

多摩「多摩達の空腹を満たしてくれて…ありがとうでしたにゃ」

チャプ…

比叡「……さて、次はどこに向かいます?」

デデデ「大鳳が居るという古代の塔へ向かうZOY!」

ファッティホエール(気を付けるのじゃぞ…道中には面倒くさい奴が居るからのう…)

金剛「面倒くさい奴…?」

ファッティホエール(話が通じない…そんな奴じゃ、出来れば放っておいた方が良い)

霧島「そう…じゃあ気をつけるわ」

球磨「お世話になったクマ」

多摩「クジラさんも気をつけるにゃ」

エスカルゴン「はいはい皆さん、もう準備は良いでGES?」

木曾「当たり前だとも!」

デデデ「では、次に進むZOY!」

<おーー!

タッタッタッタッ……

ファッティホエール(ほっほっほ…忙しない奴らじゃったのう…)


バサ…バサバサ…

ファッティホエール(ぬ…?)

スフィアローパー「…」バサバサ…

ファッティホエール(彼奴は…)

ーーー洞窟第二層 水晶の畑ーーー

金剛「oh…今度は水晶が見渡す限り広がってマース…」

霧島「姉様、突っ込んだら負けよ…ここはそういう所だから」

球磨「ガイドによると…水晶の畑って言うらしいクマ」

比叡「むーん…本当に謎が多いですねー、どうしてこんな所があるのでしょうか?」

多摩「そんなのは気にしない事にするにゃ、大事なのはお宝にゃ!」

木曾「悪者に奪われる前に、取れる物は全て取るぞ!」

デデデ「では、早速奥に進んでいくZOY!」


テクテク……

榛名「さ、流石に目がチカチカします…」ゴシゴシ

球磨「そりゃ水晶の畑だクマ、水晶だらけなのは当たり前クマ」

木曾「けどなあ…採ろうとしても採れないのは問題があると思うぞ」

デデデ「何で飛び出してる様な水晶も地面の一部ってガイドに書いてないZOY!」

球磨「これはそういう本らしいクマ」

多摩「何と悪徳な品物だにゃ…いたっ!」ガツッ!

エスカルゴン「多摩!ちゃんと足下にも気をつけるでGESよ!」

多摩「ごめんにゃ…ん?」

多摩が足をぶつけた物体は、何故かちょんと鎮座する宝箱だった。

多摩「…宝箱にゃ」

榛名「中身は何でしょう?」

デデデ「ふむ…開けてみるZOY!」

洞窟大作戦のワムバムロックはガキの頃は何故かすげえ怖かったな

>>177
なんだろう、相手の体の殆どが闇に隠れていると怖くなるよね。
そもそもワムバムロックには体があるのかって話だけど。


多摩(良い物だと良いにゃ…)

ギィ……


じゅうえんだまを手に入れた!

10D

多摩「……」

ガチャッ!

霧島「こらこら戻さないの、十円玉でも価値があるかもしれないのよ?」

多摩「十円分の価値しかにゃいけどね」

エスカルゴン「十円パンチとかされたらどうするでGESか!」

多摩「あ…それはヤバいにゃ、やっぱり持っとこ」ガチャッ

多摩は戻した十円玉を拾い直した!

球磨「クマー…足にぶつかった宝箱の中身がそれクマか…」

木曾「だが、金が手に入った事には変わりないぞ?」

デデデ「そもそもこれはポップスターで使えるのかZOY?」

榛名「提督!それに皆さんもわがまま言わないで!」

デデデ「榛名…」

榛名「金剛姉様を見てください!じっと十円玉を見つめていますよ!?」


金剛「Wow…これが日本のお金デスかー…!」キラキラ

多摩「よーく見れば小判ほどのキラキラはにゃいけど、落とすと色んな方向に動いて面白いにゃ」


榛名「ね?」

デデデ「…確かに、あれを見たら十円玉にも価値があるような気がしてきたZOY」

球磨「…なんだか納得がいかないクマ」

木曾「盗まれない様になー!」

多摩「ふふん、この十円玉を盗む奴なんて居ないにゃ」

パシッ!

多摩「にゃ!?」

金剛「what!?」


タック「しめしめ…盗めたぞー!」

多摩「ど、どろぼー!」

榛名「返しなさい!!」

タック「やーなこった!……って、何だよ…只の十円玉かぁ…」ガックシ

金剛「只の十円玉ッ!?御主…今、只の十円玉と言いましたネ!?」

タック「う、うん」

金剛「その十円玉は只の十円玉に非ず!落とせばころころ不規則に動き、手を出せばまた別の方向に動くのデース!」

多摩「その十円玉は!お値段じゃない…もっと尊い価値がある事を金剛が教えてくれたにゃ!!」

タック「そっか…十円玉にもそんな価値が…!」

多摩「そうにゃ!!」



タック「…でもやっぱり只の十円玉じゃないか」

多摩「…」

金剛「……」


ドガァァァァァァン!!!!ドゴォォォォォォォォォン!!!!!

<イ゛ェアアアアアアアアアアアアアアアアア!

タック「」プスプス……

金剛「ふん!十円玉は返してもらうネ!」

多摩「そこで黒こげになってろにゃ!!」

デデデ(可哀想な名も無き泥棒よ…)

タック「ま…待って…」

金剛「何デスか?もう一度焼き払われたい?」

多摩「さっき焼き魚食べちゃったから焼き物は後1週間は見たくないにゃ」

タック「ご、ごめんてば…お詫びに凄い宝の話するから…」

木曾「…凄い宝?」

霧島「一体何の宝?」

タック「いてて…おほん!よくぞ聞いてくれました!そのお宝は…古代の塔にある!」

金剛「…古代の塔の宝…その話もう少し詳しく聞かせるネ」

タック「気になるそのお宝は…『三つ星の杖』!」

エスカルゴン「三つ星の杖?」

タック「そう!何てたって三☆つ☆星☆ですよアナタ!そりゃ凄いって物ですよ!」

比叡「塔のどこらへんにあるんですか!?」

タック「一番てっぺん、ちょうどガメレオアームが守っている部屋の壁に埋まってるんだ!」

球磨「ゔぉー…なんだか凄い価値がありそうだクマ!」

金剛「何処で知りマシタか?」

タック「ドロッチェ団が…この洞窟のお宝を全部盗むって話の時にこっそり聞いたんだ、その三つ星の杖も盗むってね」

デデデ「何ぃ!?ドロッチェ団?!」

榛名「そんな!?早く行かないと取られてしまいます!」

タック「うん、だから欲しかったら早く行った方が…」

多摩「情報ありがとうにゃ、そうと決まれば早速急ぐにゃ!!」

デデデ「ドロッチェ団めぇ~…!三つ星の杖を手に入れられたらボコボコにしてやるZOY!!」

ダダダダダダダ……

タック「行っちゃったよ、途中のお宝も取ってれば良いけど……」



タック「取らないなら…僕が全部取っちゃおうかな…しししっ」

ーーーーーー

デデデ「ぜぇ…ぜぇ…待つ…ZOY…長距離は苦手なんだZOY…」

エスカルゴン「だらしねぇな…じゃなくて、だらしないでGESなぁ…」

榛名「殆ど提督走りっぱなしでしたよね…」

比叡「お宝取る時しか休んでなかったような…」

多摩「でも途中で一万円玉見つけたにゃ」

木曾「見つけた時の姉さんの気の変わり様は凄かったぞ…」

金剛「多摩は良いデスよ……私が見つけた不発弾って何処で処分したら…」

霧島「何で置いて来なかったんですか!仮に途中で爆発したらどうするんですか!?」

金剛「そうネー…置いてくれば良かったデース…このままじゃ…」


「おお こんごうよ しずんでしまうとは なさけない」ピロロン♪


金剛「途中で爆発して、それから沈んでしまって情けないと言われても仕方ないデース…」

霧島「……」

デデデ「……」

金剛「……って、誰デスかぁ!!失礼な事を言ったのは!!」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=lAN0bQ3SyC0

ピロン♪ピロン♪ピロン♪

「バトルウィンドウズ が しょうぶをしかけてきた!」

榛名「バトル…ウィンドウズ?」

球磨「変な奴だクマ」

「バトルウィンドウズは スライムを くりだしてきた!」

ポン!

スライム「ピキー」 HP:64

デデデ「何かウィンドウみたいなのからスライムが出てきたZOY!」

多摩「勝てるかにゃ…薄い本で良くある展開にならにゃいと良いけど…」

木曾「そんな物をやったら確実にダレる、無いから安心しろ」

「スライムの こうげき!」

スライム「ピキッ!」ポシュ!

霧島「えっ?!」

比叡「危ないっ!」


ベチャッ……

霧島「……」ネチョ…

「しかし こうかがなかった!」

榛名「大丈夫ですか!?」

霧島「ええ…何かちょっと怒りが出てるけど…」ムカムカムカ

「きみたちの 攻撃!」

霧島「…」ドォン!!


ドガァァァァァァァァァァァン!!!

スライム「プキャー」 HP:0

「スライムを たおした!」

霧島「…で?貴方に構ってる暇はないのだけれど」


「おどりにんぎょう があらわれた!」

おどりにんぎょう「カチャカチャ…」 HP:80

霧島「また出てきた…」

球磨「今度は人形…楽勝そうだクマ」

金剛「ていうか…バトルウィンドウズって何なのサー?」

木曾「知らんな、提督。何か分からないか?」

デデデ「あんな奴は見た事無いZOY!」

木曾「…そう」

「おどりにんぎょうは かくミサイルのボタンをおした!」

おどりにんぎょう「カチャッ」ポチッ!

一同『えッ!!?』

「しかし こうかがなかった!」

球磨「グマっ」ズコッ

木曾「地味に恐ろしい事しようとするなッ!!」

「きみたちの こうげき!」

多摩「くにゃっ!」ドン!

木曾「発動しない木偶の坊より恐ろしい物がある事を教えてやるよ!」ドドン!!

ドゴォォォォン!!

おどりにんぎょう「カラカララ…」 HP:43

「きそたちは 73のダメージをあたえた!」

「おどりにんぎょうは みをかためた!」

金剛「元々固いんじゃ…」

比叡「姉様、それを言ってはダメですよ!」

>>189
寝ぼけながら書いてたからHP計算間違えてる…正しくは37だった。
やっぱ眠い時に書いちゃダメだな(確信)


「きみたち のこうげき!」

金剛「一気に畳み掛けさせて貰いマース!!」ドォン!!

霧島「沈みなさいッ!!」ドォン!!

ドゴォォォォォォォォォォン!!!!

木曾「やったか!?」

球磨「ちょ、それダメっ…!」


おどりにんぎょう「カラコララ…」 HP:23

「こんごうたちは 20のダメージを与えた!」

金剛「…!?」

榛名「そんな…四人掛かりの砲撃を耐えるなんて…!?」

比叡「もー!!木曾ちゃんがあんな事言うから!」

木曾「す、すまない…」ズーン…

おどりにんぎょう「カラカラカラカラカラカラカラカラカラカラカラ」カチャチャッ

「おどりにんぎょうは ふしぎなおどりをおどった!」

金剛「…」

霧島「…」

榛名「…」

「しかし いみがなかった!」

金剛「…はぁ」

比叡「姉様!?何ですかその飽きれたような声は!」

金剛「いや…何か凄くがっかりしたネ…」

霧島「私はさっきから敵が挑発してる様にしか見えないけど…」

木曾「確かに意味の無い行動が多いし…何より弱過ぎるッ!」

球磨「もしも嘗めてるなら…バラバラに引き裂いてやりたいクマ…」イライラ

「きみたちの こうげき!」

球磨「っクマぁ!!その綺麗な顔を吹き飛ばしてやるクマ!!」ジャキッ!



デデデ「地球の果てまで飛んでいくZOY!!」ボガッ!!

球磨「えっ」

SMAAAAAAAASH!!!!

おどりにんぎょう「カララララ~!!」ヒューン……

「デデデは おどりにんぎょうをかっ飛ばした!」

デデデ「…どや?」

球磨「あ~…うん…まーそのー…良いクマよ?」

デデデ「なぜ反応に困っているZOY!?」

エスカルゴン(倒そうとやる気出してる時に誰かに取られたらそりゃ萎えるでしょうに…)

「まほうつかいが あらわれた!」

まほうつかい「よ!僕まほうつかい!」

霧島「や、やっとまともそうなのが…」

多摩「ていうか…まだバトルウィンドウズが何者か分からにゃいんだけどにゃ…」

「まほうつかいの ほのおのまほう!」

多摩「え!?ちょっとまって!!質問する暇も無しにゃ!?」

榛名「そんな事より早く避けてっ!!」

ボォッ!!

金剛「ぎゃーー!!?熱い!かなり熱いヨこれっ!!」

霧島「姉様ーっ!どうしよう!何か水を…!!」アワアワ

デデデ「くそう…こんな時にカービィが居ればー!」

木曾「無い物を強請ったってしょうがないだろ!?今は避けろッ!」

金剛「み、水!何か水をplease!!」

まほうつかい「はいはい、いま冷やしてあげるよ!」カッ!!

「まほうつかいの こおりのまほう!」

カッチィィィィィィィィィン!!!!

金剛「」ヒュォォォ……

球磨「こ、今度は凍らされたクマーー!?」

霧島「くっ…提督!姉様をお願いします!」

デデデ「なぬ!?それは氷を砕くという意味だろう!?」

比叡「そうですよ!お願いしますっ!!」

デデデ「わ、分かった!エスカルゴン!手伝え!」

エスカルゴン「ぐ~ぐ~…」

デデデ「おい!聞いているのかZOY?!」

エスカルゴン「あ?んん~…」











エスカルゴン「もっかい、言ってみな?」

デデデ「……」


バコォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!

エスカルゴン「ア”ァァァァァァァァ…ッ」ヒューーーーッ……

デデデ「くそ!こうなったら腰抜けには頼らんZOY!!」ガキンッ!!ガキンッ!!

金剛「」カチンコチン

「きみたちの こうげき!」

霧島「一気に決めるわよッ!!」ドォン!!

球磨「了解クマー!!」ドドン!!


ドゴォォォォォォォォォン!!!

まほうつかい「あだぁぁー!」 HP:60

「まほうつかいに 40のダメージをあたえた!」

比叡「よし…!」

多摩「上々だにゃ」

「まほうつかいの ほのおのまほう!」

まほうつかい「でやぁ!!」カッ!!

霧島「回避して!」

木曾「了解!」

ボォッ!!

球磨「を”ぁーーー!?か、髪の毛に火がぁー!?」

「くまは かみに火がもえうつってしまった!」

木曾「チッ…出来れば温存しておきたかったが…やむを得ないッ!!」ブンッ!

バシャッ!!

「きそは くまの火にすいとうのみずをかけてけしとめた!」

球磨「うぅ…すこし焦げてしまったクマ…」


ガキィン!!ガキィン!!

デデデ「か…固いZOY!どうして割れないんだZOY!?」

まほうつかい「その氷はふつうのよりかたいよ、ハンマーなんかじゃきかないね」

デデデ「何ぃ!?一体どうすれば良いZOY!!」

まほうつかい「僕を…ただしくはこのバトルウィンドウズを倒さないととけないよ」

デデデ「ふむ…それでお前で最後なのか?」

まほうつかい「えーと…まあ、ね。バージョンアップしてないから」

霧島「バージョンアップ?」

まほうつかい「うん、前にやってみたらなぜかきどうできなくなってしばらく動けなかったんだよ…それがもう怖くて怖くて」

霧島「…結構古いのね、それって」

まほうつかい「そのとおり、もう何十年も前からここを守ってる」

多摩「そんな話は良いから、さっさとこっちのターンにするにゃ!」

デデデ「長話で時間を稼ぐのは止めるZOY!」

まほうつかい「…はぁ、じゃ行くよ」

「きみたちの こうげき!」

デデデ「それ一斉放射ーッ!!」

一同『ヨロコンデー!!』ドドォンッ!!

ドゴォォォォォォォォォン!!!

まほうつかい「…ざんねん」 HP:20

「きみたちは 40のダメージをあたえた!」

霧島「えぇ!?そんな筈は無いわ!!」

まほうつかい「すんぜんでガードのまほうをかけたの、なかみはふつうのぼうぎょだけどね」

球磨「ぐぬぬ…こっちのターンに行動できるなんてズルいクマ!!」

まほうつかい「いまじゃあいてのこうげきのときにこうどうができるRPGも珍しくないんだよ?」

榛名「そんな勝手な…!」

まほうつかい「じゃ、そういうことで…もう少したたかわせてもらうよ!」カッ!!

「まほうつかいの こおりのまほう!」

まほうつかいのはなった大粒の氷が、放射状に飛び散る!

バヅンッ!!

球磨「クマッ!?危ないクマー!!」

ドガッ!!

榛名「うあっ!!」バキッ!

「はるなは かんしゅにダメージをうけた!」

榛名「うう…頭に当たってしまいました…」サスサス

「まほうつかいの こおりのだんがんは ふきやんだ!」

比叡「よ、良かった~…」

木曾「…さて、降りてくるぞ」

「きみたちの こうげき!」

比叡「これで…とどめッ!!」ドォン!!

ドゴォォォォォォォォォン!!!


まほうつかい「ぬわーーっ!」 HP:0

「きみたちは ぜんぶのてきを やっつけた!」

比叡「やったぁ!」

シュゥゥ……

金剛「ん……あれ?敵はどうなったネ?」

榛名「姉様の氷も溶けました!」

デデデ「むぅ…面倒くさいと言えば確かに面倒くさかったな」

金剛「???」

「きみたちは 980のけいけんちを手に入れた(いみはない)」

木曾「意味は無いのかよっ!!」

このSSのどこかでアドレーヌみたいなチョイ役でもいいんで、
何とかバンダナワドルディ出せないっすかね?
やっぱ厳しいです?

「かりょくが 3あがった!」

霧島(何か変なのが出たわね…)

球磨(ショボいクマ…)

木曾(何を言う、この1桁の数字が圧倒的な差を生み出す事も…無いな、うん)

「むねのおにくが 4あがった!」

榛名「っ!?」カァァァ

霧島「ちょ、何言ってるのよ!」

デデデ(胸の肉…?)

「ぎそうのつやが 2あがった!」

木曾「つやか…」チラッ

多摩「あんまり分からないような気がするにゃ」

「デースが 8あがった!」

金剛「デースってなんデースか?」

デデデ「お前の口癖ZOY、通称は…似非外国人口調だったかな…」

金剛「似非外国人じゃないネ!そこはカタコトって言ってほしいデース!」

>>203

イイね!どこかで出してみようかと思います。



「しきのうりょくが 5あがった!」ピロン♪

比叡「あら?ウィンドウが一つ消えましたよ?」

「ふくのきょうどが 6あがった!」ピロン♪

球磨「また一つ消えたクマ!」

「てきは おたからをおとしていった!」

ピロン♪


ポフッ…

霧島「…宝箱ね」

榛名「何だかRPGの画面みたいな敵でしたね…」

木曾「…開けてみるか?」

球磨「クマ!ちゃんと落としたって出たし…気兼ねなくオープンできるクマ!」

デデデ「では早速…How match!!」ガバッ

金剛「ヒュー!発音良いネー!」

デンデンデンデン

ダラダラダラダラダ!


まほうのえふでを 手に入れた!

  値打ち  222000D

金剛「…?これは…筆?」

比叡「綺麗な虹色をしていますね…」

エスカルゴン「んなになに…そいつは書いた物が実体化する能力を持つらしいでGESな」

デデデ「書いた物を実体化か……ってエスカルゴン?!お前何時から居たZOY!?」

エスカルゴン「『きみたちは 980のけいけんちを手に入れた(いみはない)』辺り?」

木曾「戦いが終わってから来たのかよ!こっちは大変だったんだからな!?」

比叡「そうよ!金剛姉様が凍り付いちゃって大変だったんだから!」

エスカルゴン「まあまあま、そんな話は抜きにして次ぎに行くでGESよ」

球磨「次は確か…古代の塔だったクマ?」

榛名「早く大鳳さんを助けないと…ですね!」

木曾「じゃ…その筆は俺が預かるよ」

デデデ「何でZOY?」

木曾「良いから預けろ」

デデデ「ぐぬう…ほれ、変にいじるなよ?」

木曾「分かってる分かってる…へっへっへ…」

球磨「…約束クマよ」

木曾「わ、分かってるって…変な事には使わないから…姉さん…」

球磨「…なら良いクマ、早速行くクマよ!」

多摩(大丈夫かにゃ…)

アドレーヌとペイントローラーとドロシアとペインシアって結局誰が一番凄いの?

>>208
ドロシアじゃね(適当)


ーーーその頃、古代の塔ではーーー

大鳳「……」ジー

大鳳「やっぱり…待ってた方が良いよね…」


大鳳の見ている先にあったのは、宇宙のような空間が広がっている星の形の穴だった。

大鳳「…何なのかな…アレ…」


『…s…イ…』

大鳳「何か変な声も聞こえてきたし…こ、ここは塔の中に入ろーっと…」ソロ~リ

『sァ…コ…ヨ…』

大鳳「何も聞こえない!何も聞こえないから!」


『サァ…オマエモコッチニコイヨ…』

大鳳「嫌です!時間を削る訳にも行きませんから!」

『……』

大鳳(静かになった…今のうちに…!)



スフィアローパー『イヤナラバ ムリヤリイレル ジヒハナイ』

大鳳「……ッ!?」

逃げようとする大鳳は、目の前に現れたスフィアローパーにより異空間の穴に突き落とされる。


大鳳「やっぱりーーっ!!!」

シュォォォォォォォォォォォォォ!!!!

ーーーーーー

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=4sdBPRliIkM(アナザーディメンション)

大鳳「…んん…ここは…?」

大鳳が目を覚ますと、白と黒の色で構成された洞窟のような場所に居た。
そして後ろからには紫色の壁のような物が。

大鳳「……どうしよう」

そう考えている間にも紫色の壁は次第に迫ってくる。

大鳳「考えても仕方ないな…とにかく先に進まなくちゃ」

そう決心し、彼女は単身この異空間を進んで行くのでした。

時には穴に落ちそうになったり…

大鳳「くっ…!穴の下って足場無いの!?」

道に迷って壁に挟まれそうになったり…

大鳳「あぁ…ちょっとマズいかも…」

そんなトラブルを乗り越えた後…なんとか奥に進めました。


大鳳「ふぅ…ふぅ…燃料大丈夫かなぁ…」

『マサカココマデコレルトハナ オンナニシテハジョウデキダナ』

大鳳「いい加減にここから出して!」

スフィアローパー『ソウハイカナイ オマエハココデエイキュウニネムルノダ』

大鳳「…生き残りたければ…勝つしかない様ね」ジャキッ

スフィアローパー『サア セメテネムルマエニアガケ』

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=XDqEmlqLTYg(スフィアローパー戦)

バシュン!!バシュンバシュン!!!

スフィアローパーの口からプラズマめいた紫色の弾が放たれる!

大鳳「っ…攻撃隊!発艦して!」ビシュンッ!!

続いて大鳳もボウガンのめいた艤装にカートリッジを差し込み、多数の艦載機を放つ!
放たれた鉄達は鳥の様に空を舞い、敵に向かって飛翔する!

スフィアローパー『イヤーッ!!』バサッ!!

負けじとスフィアローパーも遠くに飛翔する!無論逃がすつもりの無い艦載機はそれを追って行く!
大鳳も彼を追うが、吐き出された紫色のプラズマ弾が阻む!

ドガガンッ!!!

大鳳「きゃっ?!」

スフィアローパー『ファー!』ゴォォォッ!

ある地点で止まり、力を貯めた後に大鳳に向かって突進する!
艦載機の追跡にも対応すべくプラズマ弾も放っている!おお…ゴウランガ!

大鳳「くっ…!」ギリッ

芳しない状況を前に歯ぎしりする大鳳!このままでは沈められてしまう!

大鳳「っ…てぇ!!」バンッ!!

しかし次の瞬間、彼女は突進するスフィアローパーに向けてボウガンから鋼材を発射する!


スフィアローパー『アバーッ!?』ドゴォ!!

頭を上にして突進していた彼はもろに鋼を食らってしまう!
そこを逃さず艦載機が攻撃を加える!ワザマエ!

大鳳「やった!」

手応えを感じ、大鳳は無邪気にガッツポーズを取る!

スフィアローパー『グ オオオ…!』

大鳳「さて…もう退場の時間よ、ええと…名前…なんだっけ?」



スフィアローパー『サヨナラ!!』

ボガァァァァァン!!

大鳳「っ?!」

しかし彼女が投げかけた質問に答える体力がなくなった彼は哀れ爆発四散!
爆発の衝撃で大鳳は少し怯む!

大鳳「…消滅したみたい…」

色が戻った洞窟に爆風が残る光景を見た彼女は、勝利を確信した。

ボトッ

大鳳「痛っ!?」

突如、彼女の頭に何かの物体が落ちてきた!

大鳳「いたたた…これは?」


かけたおちゃわんを手に入れた!

値打ち 50D

大鳳「……………………」

けど置いた。

大鳳(見なかった事にしよ…)

シュォォォォォォォォォォォォ!!!

ーーー古代の塔ーーー

大鳳「ふー…結局何だったんだろ…」

金剛「あ!大鳳が出てきたネー!」

エスカルゴン「ちょっと!旗艦が何処いってたのよ!」

大鳳「変な異空間の様な所です、そこで紫色の丸い鳥の様な奴と戦いましたよ」

球磨(対応力高いクマ…)

霧島「異空間…?ねえ、紫色の丸い鳥の様な奴って…どんな名前だったの?」

大鳳「いや…聞く前に爆発して消滅してしまったものですから…名前は分かりません」

霧島「そう…なの」

大鳳「それがどうかしたんですか?」

霧島「いえ…もしかしたらスフィアローパーかなって思っただけよ」

大鳳「スフィアローパー?」

榛名「黒い提督が引き連れていた者たちです」

大鳳「………あー!あいつか!」

デデデ「おん?」

大鳳「あーそっかー…私、そのスフィアローパーに異空間に引きずり込まれたのね…」

霧島「えぇ!?大丈夫だったの!?って……言わなくても分かるか」

デデデ「そんな事より問題なのは!スフィアローパーが来ているという事は…ここにも奴の手が伸び始めているという事だZOY!」

球磨「クマ!先に三つ星の杖を手に入れないとヤバいクマ!」

大鳳「それじゃあ…早速行きますか!」

多摩「にゃ…一刻も早く頂上に急がにゃいと…!」

デデデ「よし!では続くZOY!」

金剛「Yes Sir!」

デデデ「ただし!!」

エスカルゴン「はい?」

榛名「た…ただし?」



デデデ「旗艦なのに迷子をしでかした大鳳、テメーはダメだ」

大鳳「え……えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」ガーン

金剛「ノォォー!!そんな仕打ちは余りネー!!」

エスカルゴン「せめて嘘だと言っておくれでGESよ!」



デデデ「勿論嘘だZOY☆」

大鳳「ほっ…よかったぁ…」

金剛「提督?冗談でもそういう事を言うのは良くないデスよ?」

霧島「そうですよ、冗談は言っても良くて、それでいて面白い物にしてくださいね?」

デデデ「分かったZOY」

エスカルゴン「では改めて…中に潜入でGES!」

多摩「にょぉーっ!」

ーーー古代の塔 1階ーーー

比叡「…ここが塔の内部ですか…」

球磨「如何にもって感じだクマ」

木曾「あの時の様に、最上部へと続く道を探しつつ、宝も頂いて行くぞ」

榛名「はい!」

ーーー数分後ーーー

大鳳「ねえねえ!これ見てください!」

木曾「ん?」


つ ファルシオン

値打ち 325000

木曾「何だ?その剣は…」

大鳳「分かりません!でも何だか強そうな力を感じます!」

木曾「ふむ…良かったら、俺にくれないか?艤装を改装したら使ってみたくてな…」

大鳳「そのつもりで見せたんです!どうぞ!」

木曾は、ファルシオンを手に入れた!

木曾「おぉ…これは中々…」

大鳳「切れ味は結構良いので気を付けてくださいね」

エスカルゴン「おーい、喋ってると置いてっちゃうでGESよ~」

大鳳「はーい!今行きますってー!」

木曾(ふふふ…これで…俺も遂に…)

球磨(幸せそうだクマ…これなら魔法の絵筆が取られる心配は無いクマね)

ーーーーーー

金剛「ネ~提督~」

デデデ「何ZOY?」

金剛「提督って戦うのも行けマスか?」

デデデ「過去に何度かあったからな、大丈夫だろう」

金剛「じゃあ…アレ、お願いシマース」

デデデ「『アレ』はさすがのワシでも壊せんZOY!」

金剛「お願いデース!邪魔で邪魔で仕方ないんデース!」

デデデ「断る!例えお前の頼みでも、出来ない事は出来ないZOY!」

金剛「そんな~っ!」


ゴルドー「…」

木曾「コイツは…?」

エスカルゴン「ゴルドーでGESな、どんな攻撃も効かないんでGESよ」

榛名「どんな攻撃も効かない?それは本当ですか?」

エスカルゴン「嘘じゃないでGESよ」

霧島「…あり得ないわね、形ある物は何時か壊れるわ」

エスカルゴン「ところがぎっちょん、そいつは形あるけど壊れないんでGESよ」

多摩「魚雷でもダメにゃの?」

エスカルゴン「ダメ」

比叡「…ちょっと胡散臭いかも…」

エスカルゴン「じゃぁ触ってみる?」

比叡「…そんなとげとげの玉に触ったら痛いに決まってます」

エスカルゴン「ん、触らない方が賢いでGESよ」

霧島「結局どうしたら消えるのかしら?さっきから扉を塞いでて進めないのよね…」

球磨「それが分かれば良いけどクマ…って木曾!?何やってるクマ!」

木曾「何って…魔法の絵筆でこいつを塗りつぶしてるだけだよ」


暫くすると、木曾に魔法の絵筆で塗りつぶされたゴルドーが水をかけられた絵の具めいて消滅したのだ!フシギ!

大鳳「あ!みて!魔法の絵筆を塗られたゴルドーが消滅しましたよ!?」

エスカルゴン「なんと!?」

金剛「a…ameijng!」

木曾「コイツ…物も消せるのか?」

デデデ「謎ZOY?不思議ZOY?怖いZOY!」

木曾(物を生み出すだけじゃない…本当にコイツは一体なんなんだ…!?)

球磨「木曾!お前は天才だクマ!自慢の妹だクマ!」ダキッ

木曾「うわっ!急に抱きつくなよ……しかし、この筆は恐ろしいな」

多摩「うーん…だけどこれだったらどんな仕掛けも怖くないにゃ!」

エスカルゴン「よーし諸君!そいつをどっかに落とさない様にするでGESよ!」

木曾「よし!ならコイツは改めて俺が持ってるよ」

球磨「ふむ…少し心配な所があるけど…まあ良いかクマ」

金剛「じゃあ早速2階に行くネー!」


ーーー古代の塔 2階ーーー

球磨「クマ…雰囲気は1階と変わらないみたいだクマね」

比叡「まだまだ先は長そうですねー…そろそろ補給しないと拙いんじゃないかと…」

デデデ「そうだな…よし!2階に上がったばかりだが、各自持ってきた資材で補給を行うZOY!」

大鳳「了解です!」

ーーー補給中ーーー

木曾「ぷふぅ…よし、これで行ける!」

大鳳「さて!引き続きの探索いきますか!」

球磨「おー!」

ーーーーーー


球磨「んー…?」


宝箱<ヤァ

球磨「あそこに宝箱があるクマ!」

霧島「周りには棺みたいなのがある…これは近づいたら襲われるパターンね」

球磨「しかし!そこで後回しにせずに宝に向かうのが球磨クオリティだクマ!」ダッ

木曾「待て!独断専行するな!」



球磨「…っと、あっという間に宝箱についたクマー!」

多摩「罠とかはにゃいかー!」

球磨「ないない!ここまで来たらもう開けてしまうクマ!」

霧島(本当に何も無いのかしら…?)

球磨「それじゃぁ…パカッとぉ!!」



球磨「…な…ッ!?」

木曾「何が入っていた!?」

球磨「……これ…」スッ


ビンボー神のお守りを手に入れた!

値打ち 55D

木曾「何だ…それ…?」

比叡「上と下が削られた…鉛筆?」

球磨「こんなのいらねークマ!!」ポイッ!!


ヌッ……

マンビーズ「…」

球磨「クマっ!?誰なんだクマ!?」

霧島「ほらやっぱりあったじゃない!!」

バンダナワドルディの話が出てふと思ったけど、
ワドルディは口が無いのに水兵ワドルディやバンダナワドルディって
どうやって喋ってるんだろ?


エスカルゴン「ありゃ魔獣マンビーズ!?」

デデデ「何!?奴は消滅した筈だZOY!!」

エスカルゴン「ふーむ…他の惑星に送られてきた物が、間違ってこの星に来ちゃった訳でGESな」


球磨「そこをどくクマ!宝箱に下らないもの入れるなクマ!」

マンビーズ「戻セ…戻セ…」

球磨「何だお前ら!何を戻せば良いクマ!」

マンビーズ「オ宝…オ宝…」

球磨「お宝って…あの貧乏削りされた情けない鉛筆の事かクマ!?」

マンビーズ「戻セ…!戻セ…!」

球磨「かわりの物じゃダメかクマ!?」

マンビーズ「戻セ…!!戻セ…!!」

>>228
ドゥ隊長だって目玉だけなのに喋ってるじゃろ?
あれと同じじゃよ。



球磨「あーもう!分かったクマ!戻せば良いクマね!?この鬱陶しいトイレットペーパーめ!!」パシッ!


球磨「グマァ!!」

ズポッ!!

ガチャン!!

球磨「おら、これでどーだクマ」

マンビーズ「…丁寧ニ…丁寧ニ…」

球磨「わがまま言うんじゃねークマ、さっさと棺で眠ってるクマ!」ムンズ

ポイッ

バァン!!

球磨「そこで永遠に眠ってろクマー!!」

マンビーズ(……)

球磨「ふー…さて、さっきのは見なかった事にするクマよ」

霧島「……」ジー…

球磨「…ごめんなさいクマ、でもああいう宝箱を見つけたら期待する筈クマ」

霧島「それは分かるけど…だからって嵐の様に進んで行く?」

球磨「はい、何も言えないクマ……」

金剛「あのう…反省してるみたいだからサー…もうそれぐらいにするネ…」

木曾「説教は帰ってからでも遅くはないだろう」

霧島「…そうね、じゃあ続きは帰った後ね」

球磨「はいクマ…」

デデデ「次やったらそのアンテナを引っこ抜いてやるZOY」

球磨「これはアンテナじゃないクマ!!れっきとしたくせ毛だクマ!」

エスカルゴン「さ、さっさと行くでGESよ」

比叡「はいー!」


デデデ「ぶん♪ぶん♪ぶん♪」

金剛「はちがー…」

エスカルゴン「デブが行く♪」

金剛「へっ!?」

エスカルゴン「塔の床を揺らして、ふてぶてしく♪先行く♪」

デデデ「貴様ァ!!」

ボガァッ!!

エスカルゴン「ほげーっ!!」

比叡「痛そ~…」

デデデ「次言ったらカラを叩き割るZOY!!」

エスカルゴン「へい、しーまっしぇん」

榛名「あの、大丈夫なんですか?」

エスカルゴン「それがね、大丈夫らしいんでGESよ」

榛名「そ、そうですか…」

ヘビーロブスターMK2の設定を教えてくれ
アニメだとヘビーロブスターは最終章に出てくるから
ナイトメアがまだ健在のこのSSではまだ出てきてないんだろ?

金剛「んー…?」

エスカルゴン「金剛、どったでGESか?」

金剛「あれって…宝箱?」

霧島「…みたいね」

球磨「金剛さん、ここは焦らずに状況を伺ってから取りに行くクマよ」

デデデ「と、経験者は語る」

球磨「何かしらの罠があるかもしれないクマ……ってあれ?」


金剛「取ってやるデーーース!!」タッタッタッタッ…

球磨「あ"ぁぁぁ!!戻れクマー!!もどってこーーい!!」

比叡「人の話はちゃんと最後まで聞いてくださぁぁい!!」

金剛「no problem!お宝ゲットして提督のハートを掴んでやるネーー!!」


カチッ

金剛「…what?」

>>233
ヘビーロブスターMK2
初代ヘビーロブスターと深海棲艦から鹵獲した兵器を結合させ、完成した防衛兵器。
新しく鋏を持つ尻尾と、強力なビーム兵器、ミサイルを搭載。
主にハルバード内部や、デデデ城の警備をしている。

今んとこの設定はこんな感じです。
あとナイトメアは…残念ながら、このssには一切絡まない予定となっております。
メインはあくまでもブラックデデデ(+etc)なので、登場を期待していた方はごめんなさい。
ヘビーロブスター自体はどこかで活躍させるつもりなのでそれで許して。



榛名「い、今…」

大鳳「カチって…」

プシューーー!!

金剛「?!」

木曾「金剛っ!」

大鳳「大丈夫ですか!?」


金剛「あ、れ…?何か眠く…なって…きた…デス……zzzzzz」

比叡「あわわわ…姉様が寝ちゃった…!」

霧島「眠りに陥ってしまったわ…もしかして催眠ガス?」

エスカルゴン「スイッチを踏んじゃうと起動するんでGESなぁ」

木曾「あの宝箱を取りたいなら…スイッチに気をつけて接近しなければならないって事か」

大鳳「あ、それなら…」ズルズル

榛名「あのぅ…姉様をもうちょっと大切に運んでください…」

バシュッ!バシュッ!

球磨「艦載機…なるほどクマ、スイッチを踏まずに回収できるクマね」

多摩(ぶっちゃけ、水上偵察機で良いんじゃにゃいか?)

比叡(それは禁句です)

ゴォォォォォォ…

大鳳「はいはーい!蓋にクレーン引っ掛けてー!」

ガッ…ガッ…

大鳳「そのまま急速浮上!そのままー!オーライ!オーライ!しー!」

エスカルゴン「そんな商品運んできたトラック誘導する様に言わなくたって…」


ギィ…ィィ…

多摩「あ!開き始めたにゃ!」

大鳳「ちょっと前進してー!もう少ーし!」

ィィィィィ…

榛名「成功ですねっ!」

大鳳「よーし!今度はお宝をクレーンに引っ掛けてー!」

ガシッ

ゴォォォォォ……

大鳳「いいよいいよー…その調子ー!」

球磨「…!あー!上上!気をつけるクマーー!!」

カチッ

大鳳「あっ」

比叡「あちゃー」


パヅンッ!!

金剛「っ!?何の音デース!?」ビクビクッ!

霧島「お…音量兵器…?」


フラフラフラ……

球磨「か、艦載機が落ちて行くクマ!」

大鳳「嘘っ?!」

デデデ「あまりの音に妖精が気絶してしまったZOY!?」

ゴドッ……

大鳳「あう…お宝傷ついてないと良いけど…」

霧島「流石にそんなに柔じゃないと思うわよ?」

金剛「まああそこまで歩いて拾えば『ガシッ!!』…木曾、その手は何デース?」

木曾「さっき一人で進んでトラップを踏んだの忘れたのか!?」

金剛「そんな事言ってたらあのお宝も取れないネー!!」

多摩「ならば、ここは多摩に任せあれにゃ」

エスカルゴン「何か秘策でもあるでGESか?」


ソロ…ソロ…

多摩「猫足…差し足…忍び足…」

球磨「踏んだら意味ないクマ」

榛名「足下に気を付けてください…」

多摩「にゃ…にゃ…」ソロ…ソロ…

木曾(こうして見てみると…可愛いな)

球磨(ふふん、木曾も含んで自慢の妹だクマよ)

木曾(動きが良い…猫じゃないと言いつつ猫背になってる所とか)

球磨(それは直した方が良い気がするクマ…)


多摩「お宝って…これかにゃ?」ポスッ

どせいさんのぞう

値打ち 120000D

別に金で出来ている訳でもないけど、何故だか引きつけられてしまう。
お金よりも大切な物を感じさせてくれるこの石像、寂しくなった時に眺めては?

球磨「よーし!そのままこっちまで来るクマー!」

多摩「はーいにゃ!」タタッ

木曾「あ、バカッ!走るなっ…!!」

カチッ♪

木曾「あぁ…」

球磨「やっちまったクマ…」


パンパカパーン♪

<大当たり~!

多摩「え?大当たり?」

ゴゴゴゴゴゴ……

霧島「な…壁が動いてる!?」

榛名「あ…分かりました!きっと隠された扉が開くんですよ!」

比叡「えー?そんなゲームみたいな事が…」


ゴォォォ…ン…

多摩「おぉ…階段が現れたにゃ!」

比叡「…本当にあった…」

シャコッ!

多摩「にゃ?他のスイッチが無くなったみたいにゃ」

エスカルゴン「今のが正解みたいでGESな、大量の罠の中から一つのみの正解を押すと階段が現れるらしいでGESな」

比叡「じゃ、早速進みます?」

デデデ「うむ、多摩!その石像は落とすなよ!」

多摩「大丈夫、艤装にしまっておくにゃ」

球磨「じゃあさっさと行っちゃうクマ!」

タッタッタッタッ……

ーーー古代の塔 3階ーーー

金剛「ここは…3階くらいカナ?」

霧島「ちょっと雰囲気変わってきたわね…」

エスカルゴン「さて…どうすんの?」

球磨「そりゃお宝探しつつ道を開くんだクマ」

エスカルゴン「それは分かってるでGES、私が聞きたいのはどっちに行くか?って事でGESよ」

球磨「適当に歩けばどうにかなるクマ」

エスカルゴン「適当って…貴方ねぇ」

球磨「みんなはどうしたいクマ?」

榛名「ええと…私はどちらでも…」

大鳳「むむ…あ!あそこの曲がり角に進みたいです!」

デデデ「曲がり角か…まあ他に行きたい道も無いし…」

金剛「ここは大鳳の言う通りにしちゃうネー」

大鳳「それでは決定ですね!早速行きましょー!」

多摩(にゃんだかとても先回りをしてるとは思えないくらい平和だにゃあ)

木曾(目的を忘れてないと良いが…)


テクテク…テクテク…


金剛「むむ…今度は扉が沢山ありますネー」

デデデ「一つずつ開けて行くZOY、この人数ならすぐに終わるだろう」

大鳳「では、私から…」

ギィィィィィィィ……


大鳳「……」

霧島「どうだったの?」

大鳳「…スカです」

比叡「スカかぁ…そう言うのもあるのね」

木曾「気を取り直して…こんどは俺がこの扉を開くぞ」

球磨「気をつけるクマー!」

ギィィィィィィィィ……




ギャラクティック・ノヴァ「READY・>」

木曾(な、何だコイツは…!?デカ過ぎて口の一部しか見えてない…!?)

球磨「な、何が出たクマ!?」

木曾「…分からない、ただ…単なるデカブツじゃない事は確かだ…!」

比叡(ていうか何でこんなでっかいのが塔の中に!?)

ギャラクティック・ノヴァ「アナタの・ねがいを・ひとつダケ・カナえt」

バタン!!

木曾「……」

エスカルゴン「…えっと…木曾ぉ…?」



木曾「今俺たちは何も見なかった、良いね?」

デデデ「でも何か見えたZOY」

木曾「今俺たちは何も見なかった、良いね?」

霧島「いいや見たわよ!何なのあの大きいのは?!」


木曾「今俺たちは何も見なかった、良いね?」ズイッ

霧島「う…アッハイ…」

球磨(はいしか言わせないなんて酷過ぎるクマ…)

球磨「じゃあ…次は球磨が開けるクマ」

大鳳「一体今度は何が…」

ギィィィィィィィィィ……


コックオオサカ「へいらっしゃい!」

球磨(こ、今度は高級レストラン!?)

コックオオサカ「何に致しまひょうか?」

球磨「え、ええと…弁当を一つ」

コックオオサカ「毎度ォ!!」ダッ

カッカッ…

球磨「…一体どういう事だクマ」

大鳳「扉の先に別の空間が繋がっているとか…?」

金剛「そんな訳ないネー!」

エスカルゴン「いいや、我々ポップスターに住む人々の技術力を嘗めてはいけないでGESぞ?」


コックオオサカ「ほれ!注文の弁当や!遠慮せず食え!」

球磨「あ、ありがとうございますクマ…」

大鳳「あの、代金はどうしましょう?」

コックオオサカ「ん?せやな…」

多摩「あの…こ、小判じゃだめかにゃ?」

木曾「多摩姉さん!?」

コックオオサカ「ふうん…どんなもんや、見せてみい」

多摩「では…どうぞ」スッ…


コックオオサカ「ふむ…一枚だけか…しかし、とても古いもんや…何処で拾った?」

多摩「…マジルテで」

コックオオサカ「…」ウーン

球磨(あの…良かったクマ?)ヒソヒソ

多摩(にゃ、気に入ってたけど…やっぱりお皿洗いとかを逃れるにはそれしか無いって思ったにゃ)ヒソヒソ

金剛(あー…今の私たちはmoneyが無いからネー)ヒソヒソ

コックオオサカ「…うむ、じゃあ勘定代わりはこれでええか?」

多摩「はいにゃ…」

コックオオサカ「そんな情けない顔せんでもええやろが、将来もっと大きなもんが手に入るかもしれへん」

大鳳「大きな物…?」

コックオオサカ「それが何なのかは分からん、お前ら次第やな」

球磨「…じゃあ、弁当ありがとうだクマ」

コックオオサカ「今度くる時は金に余裕ができてからにしや!」

バタン…

球磨「…はぁ…何やってんだろクマ」

木曾「そりゃ探索だろ…」

エスカルゴン「さてと次は私が…」

霧島「お願いしますね」

ギィィィィィィィ……


シャーーーーーー……

セクトニア「ら~らら~…らららら~らら~…」

エスカルゴン「…は?」

セクトニア「ら~らら~………?」

エスカルゴン「…は?」

セクトニア「……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

霧島「な、何の声!?」

デデデ「エスカルゴン!!貴様のぞきをしたな!?」

エスカルゴン「いや、違うんでGESよ!これには訳が!」

セクトニア「出て行け!出て行ってくれぇぇぇっ!//////」バシュッ!!バシュッ!!

エスカルゴン「ぶふぇっ!?」ドガッ!!

バダァンッ!!!

球磨「…提督、明日からエスカルゴンさんの給料をカットするクマ」

デデデ「エスカルゴン、自業自得だZOY」

エスカルゴン「そんなぁ~…不可抗力だってのにも~…」



<セクトニア様ー!大丈夫ですかー!?

セクトニア「………あまり、大丈夫ではない…」

<ど、どう致しましょうか!?

セクトニア「暫く…放っておいてくれ…話は後でする…」

<分かりました…無理しないでくださいね…


タランザ「ああ…セクトニア様…大丈夫でしょうか…」

セクトルディ「きっと仕事で疲れているんですよ、暫くそっとしてあげましょう」

タランザ「うう…心配なのね…」



セクトニア「くそっ…妾の肌は…タランザに見せるつもりだったのに……」シクシク…

デデデ「お前たち!てんでダメダメだZOY!!」

大鳳「そんな事を言われましても…」

デデデ「全く…ワシが手本を見せてやるZOY」

エスカルゴン「…陛下の…お手本?」

木曾(扉を開けるのに手本も糞もないと思うが…)

デデデ「ど・れ・に・し・よ・う・か・な…」ビッ ビッ

球磨「それで本当に大丈夫なのかクマ…?」

デデデ「お・う・さ・ま・の・い・う・と・お・り!」ビッ


比叡「…右の扉、ですか…」

エスカルゴン「じゃぁ陛下、さっさと開けるでGESよ」

デデデ「よし…ぐぃっと!」

ギィィィィィィィィ……

多摩「あぁ…あれは…!」

エスカルゴン「え…?んなまさか…!」

デデデ「おぉ…見ろ!宝箱だZOY!」

木曾「…右か左かどっちかしか無かったとは言え、一発で当てるか…」

デデデ「このワシの偶然力、思い知ったか!」

霧島「自分で偶然って言っちゃうのってどうなの…?」

大鳳「そんな事より箱を開けましょう!」

多摩「よし、多摩が開けるにゃ」フンス

球磨「独り占めするなクマよー」


多摩「では…」

ギィィ……


せんりょうばこを手に入れた!

値打ち 100000D

小判がぎっしりの和製宝箱。
小判を全部取り出して売る?それとも先の為に保存する?
それとも和菓子の下に引く?それとも小物入れ?
さまざまな使い方が浮かび上がるこの箱は正に『夢の箱』
さあ、アナタだけの使い道を開拓してみませんか?

多摩「ふぉぉぉ…これは…!」

デデデ「何が入っていたZOY?」

多摩「千両箱だにゃ!」

木曾「千ッ…!?」

霧島「凄いお宝じゃない!」

多摩「あっちにもこっちにも小判…幸せにゃぁ…」

大鳳「料理人さんが言ってた大きなもの…思ったより早く手に入っちゃいましたね」

多摩「ふへへ…ぬへへへへへへ…」スリスリ

球磨「あ…ダメだクマ、何かトリップしているクマ」

金剛「平仮名のぬに、へが6回でございマース」

デデデ「ふーんむ…」

榛名「…どうしました?」

デデデ「うむ…どんでん返しが有りそうな気がするZOY…」

榛名「そんな事はありません!向いてきた運のままに進んでしまえばいいのですよ!」

デデデ「そういう物か?」

榛名「はい!例えどんなに悪い結果になったとしても…私は提督に着いて行きます!」

デデデ「…そうか…」

榛名「何時でもどんな時でも…榛名の気持ちは、バーニングラブ!ですっ♪」

金剛「ホァッ!?」

木曾「ん?」


デデデ「………あー、もう一回言ってくれるかZOY?」

霧島「わ、私からも!」

木曾「おいおい、さすがに何度もは…」

榛名「はい!何回でも申してみせます!」

木曾(貴方ももう少し不満という物を覚えてくれッ…!!)

榛名「何時でも…何処でも…榛名の気持ちは、バーニングラブ!でしゅっ♪」


霧島「……」ホワ~ン…

デデデ「……」ホワ~ン…

榛名「す、すみません…最後の所、噛んでしまいました…」

霧島「…ううん、耳が癒されたわ。ですよね?提督」

デデデ「うむ、こんな事なら録音機を持ってくるべきだったZOY…」

球磨「ダメだクマ、持ってるけど龍驤さんに怒られるクマ」

エスカルゴン「龍驤って…魚焼いてたら来た奴でGES?」

大鳳「ああ、私の所にも来た子ね」

球磨「洞窟の自然を守る為に、ルール違反を厳しく取り締まる為に何時も出ずっぱりなんだクマ」

木曾「出来れば、あいつの仕事量が増えるのを防ぎたい」

デデデ「そうか…録音は帰ってからか…」

榛名「申し訳ありません…」

エスカルゴン「んま、城に性能良いのがあるからそっち使うでGESよ」

金剛(何か録音する前提で話が進んでるネー…)

多摩「…んにゃ?そういえばお宝を見つけたのに階段みたいなのが出てこないにゃぁ……」

霧島「そういえば…何か出てくると思ったんだけど」

大鳳「一旦戻って別の道に行きますか?」

デデデ「うむ…それしかなさそうだZOY」

ズゴゴゴゴゴゴ……

球磨「な、何の音だクマ!?」

木曾「っ!扉が閉まり始めている!!」

金剛「えぇ?!早くescapeしないと!」

比叡「って無理ですよ艤装背負った状態じゃ!!」

ガゴ…ン…

球磨「あぁ…」

霧島「閉じ込められたわね…」

『ピンポンパンポーン♪』

比叡「今度は何…?」

『コノ度ハ、塔内移動用装置ヲ発見シテ頂キ、誠ニ有リ難ウ御座イマス』

木曾「何だ…罠じゃなかったのか」

金剛「アナウンサー付きとは豪華ネー」

『古代文明ガ残シタ最先端設備ヲ御緩リト楽シンデ頂キツツ、最上階ヘト案内シマス』

球磨「最上階まで移動できるクマ!?それは思わぬショートカットだクマ!」

比叡「…?今、古代文明が残したって言いましたよね?」

『ハイ、古代ノ文明ガ開発シタ磁力デ稼働シ、上下ニ移動スル装置デス』

比叡「てことは…もしかしてこれってエレベーター!?」

大鳳「えーーっ?!もしそうだとしたら大発見ですよ!」

デデデ「キュリオが喜びそうな話だZOY」

『貴方達、古代文明ガ残シタ言葉使ウ者ナラバ、ソンナ横文字ナンテ使ウンジャネエ、ダス』

球磨「いきなり怒られたクマ!」

エスカルゴン「そんな頭の固いお年寄りじゃないんだから…いや、お年寄りに入るでGESか…?」

『コノ装置ノ中ニ居ル以上、テメエラヲドウシヨウトワタシノ勝手、余リ怒ラセナイ方ガ良イ』

木曾「そこまで言うか?」

球磨「謝るから怒らないで欲しいクマー」

『チッ…デハ、発射シマス。ユックリオ楽シミクダサイマセ……ギギギギギギギ…』

ゴゴン…ゴゴゴ…

デデデ(これは…絶対許して無いZOY…)

エスカルゴン(意外と器がちっちゃいんでGESなあ…)


チーン♪

大鳳「あれ?もう着いたの?」

『イイエ、相乗リノ客デ御座イマス』


タック「いやー、今日は沢山宝が取れたぞ」スタスタ

大鳳「えーと…誰?」

タック「タックだよ、ここのお宝取る為に毎回挑戦してるんだ」

デデデ「大鳳が出会うのは初めてだったな」

大鳳「初めまして、タック君で良いのかな?」

タック「好きな様で良いよ」

大鳳「じゃぁ…タッくん!宜しくね!」

タック「やっぱタック君でお願い」

大鳳「そう?」

木曾「それより、どんな宝を手に入れた?」ワクワク

タック「あ、見る?個人的に今回は豊作だと思うんだー」ゴソゴソ

エスカルゴン「どきどき……」

タック「例えば…これ!」パサッ


マシンのパーツ

値打ち 121300D
緑色のトライデントホーンが輝いてる伝説のエアライドマシン、ハイドラのパーツ。
X Y Zのパーツを揃えたら最後、目の前の物質は無惨にも破壊される。
(殆ど大げさっぽいですが、売り文句などそんな物。派手に説明しておけば注目を集めるのです)


大鳳「これは…」

タック「とあるレース大会で使われたハイドラのパーツ、完成させたら凄まじい破壊力を持つマシンになるよ」

デデデ「マホロアがそれとスターシップを融合させた物を作っていたな」

タック「ホント!?今度機会があったら見せてよ!」

エスカルゴン「固いバリアも簡単に突き破るから乗っちゃダメでGESよ」

タック「お…オッケー、じゃあ次行くよ…」ゴソゴソ


クイーンクラウン

値打ち 528000D
金ぴかに輝く由緒正しい女王の冠。
どこかの美しい誰かが似合いそうなのn…げふんげふん、ですね。
実際カリスマ性も高く、頭に被りさえすればバカな奴でも女王になれたりする(だけど女性限定なのね!)。

金剛「ホァァ…Beautiful!!」

タック「でしょ?これはね、冠りさえすれば誰だって女王になれるんだ…女の人だけ」

木曾「うーん…これはまた触っちゃいけなさそうなブツだなぁ…」

球磨「ねえねえ、試しに被って良いクマ?」

木曾「おい!何でお前はそうホイホイと進んで行くんだよ!?」

球磨「ん"っん"ん"…口調」

木曾「あ、ゴメン…じゃなくて!何でヤバい方向に進むんだよ!さっきので反省してなかったのか!?」

球磨「何故なら球磨は…wild challenger, だからクマ!」

エスカルゴン「無駄に発音良いなオイ」

霧島「発音が良くても許しません」

木曾「つまり無謀って事か」

球磨「う………………オ、オッホン!そんなのはどうでも良いクマ!タックは分かってくれると思うクマ!」

木曾「ハァ…どうなんだ?タック」



タック「ダメ」

球磨「なんでやクマ!」

木曾「適切な受け答えだな」

霧島「タック君は常識人ね」ナデナデ

タック「だって…被った瞬間威張り散らしそうなロクでもない物被らせちゃダメじゃん」

タック「こういうのはね、持って帰って深い深い土の中に封印するに限るの」

球磨「被らせて欲しいクマー!!」

タック「何で被りたいの!」

球磨「だって…なんだか強くなれそうな気がするんだクマー!」

タック「ならないよ?なったとしてもそれはプラシーボだから!」

デデデ「さすが弱いの来い!」

球磨「うぐ…変な理屈は良いクマァ!!球磨は被れるのか被れないのか、もうそれだけ教えるクマー!!」



タック「無理!」ニカッ

霧島「す、凄い爽やかに答えた…」

球磨「ですよねー」

木曾「そして球磨姉さんも諦め早いな!」

エスカルゴン「じゃあ何で被りたがったのさ」

球磨「何だか強くなれそうな気がしたからだクマ、確証はないけど」

木曾「…はぁ」

霧島「何となくで物事を進めようとしちゃだめ、良い?」

球磨「グマ…気をつけるクマ」

タック「さてと…他にもあるけど次でラストにするよ」ゴソゴソ


なつのおもいで

値打ち 250000D
皆さん夏にはどんな思い出がありますか?
海に泳ぎに行ったり、山に行ったりは勿論。家でのんびりしたり
それぞれの思い出があります、これはそんな思い出が結合した物質。
故にこの世の金銀財宝よりも価値があるとされています。

多摩「緑色の…心臓?」

タック「心臓言うな!『なつのおもいで』と言うお宝!」

比叡「夏の思い出かあ…外見からは想像がつきませんね」

タック「やっぱり夏に関する思い出がいーっぱい詰まってるよ、例えばお祭りの様子とか」

大鳳(綿飴…うちわ…盆踊り…)

エスカルゴン(烏賊焼き…たこ焼き…お好み焼き…)

榛名「エスカルゴンさんは焼き物が好きなんですね♪」

エスカルゴン「そぉ~なのよ~……」

榛名「そうですか!…………」

エスカルゴン「……」

霧島「…ど、どうしたの?」

エスカルゴン「いや、こっちは絶対にツッコまないから、続けて?」

榛名「」コクコク

霧島(そこ緊迫した表情する所…?)

タック「ビーチで泳いだり…川で鼻毛を釣ったり…」

大鳳「ちょっと待って!?鼻毛って釣れるの!?」

タック「放置されている青いところてんとガムを見てガムを先に食べるとか…」

デデデ「ガムなんてねちゃねちゃしててとても食えたもんじゃないZOY」

金剛「行儀も悪いしネ」

大鳳「おーい、質問に答えてくださーい」

霧島(青いところてんってあるの…?)

タック「みんなにはさ、印象に残ってる夏の思い出とか無いの?」

デデデ「あー…前に遠い星に行っていた時期があったんだZOY」

球磨「遠い星?」

デデデ「そこで艦娘達と出会い、騒動を解決したのが…今となっては良い思い出だZOY」

比叡「提督…」

球磨「でもそれ夏の思い出じゃないと思うクマ」

デデデ「気にするな!」

タック「へー、色々あったんだー(棒)」

エスカルゴン「あの、興味なさそうにあしらわないでくれますかね」

タック「だってそれ新聞に載ってたし!」

霧島「え、新聞に載ってたの?」

タック「うん!艦隊を引き連れ、地球の危機を救ったポップスター出身のペンギン!今や有名になってるんだ」

デデデ「新聞でもペンギン扱いされるのかァァァァァァァ!!!!」ダン!!

『五月蝿ェ!!静カニシロ百貫デブ!!』

デデデ「」

球磨「うわ、このアナウンサー口が悪すぎるクマ」

霧島「素行も悪そうね、乗客を傷つけるかもしれないタイプだわ」

『貴方ラ、ソンナ事ヨリソロソロ最上階デスゾ、サッサト降リヤガレ』

デデデ「ワシへのフォローは無いのかZOY?!」

『下ニ落トシマース』

エスカルゴン「わーやめてやめて!謝るでGESから!」

デデデ「全く…乗客を傷つけようとしてまで静けさを取り戻そうとするとは…」

大鳳「…何でエレベーターやってるんですかね」

『ウルサイウルサイ!私ダッテ好キデコンナ上ガッタリ下ガッタリスル設備ニ付ラレタタンジャナイヨ!!』プンスカ

『モウチョット…コウ、格好良イ機械トカニ付ケテ欲シカッタヨ…』ズーン…

榛名「まあ…可哀想に…」

エスカルゴン「…今も昔も、人ってのは変わらないもんでGESね」

デデデ「技術だけ進化させ、自分たちそれぞれの中にある本質は全く変えない。そんな物だZOY」

多摩「良い事言ってる…のかにゃ?」

比叡「ていうか、蒼き鋼の皆さんとしか本物の人間と関わってないって言うのに人間の何が分かるんですか」

金剛「そう言えば提督はあんまり普通の人間を見た事って無いノ?」

デデデ「意外と無いZOY、上の連中とも殆ど報告書越しだったからな」

タック「…あれ?その人らはカウントされないの?」

エスカルゴン「コイツらは飽く迄も『艦娘』、だからノーカンでGESよ」

タック「あ。そう…」

金剛「提督…アドレーヌの事も忘れないであげてネ…」

デデデ「ああーそうだった、奴が書いた物が実体化する能力のせいですっかり忘れてたZOY」

木曾「俺が持ってる魔法の絵筆みたいな物か」


『オマエラ、降リルノカ、降リナイノカ、ドッチナンデェ!』

木曾「わーい、江戸っ子口調だーい」

多摩「分かった分かったにゃ、降りるにゃ」

球磨「そこで一人寂しく過ごしているが良いクマ!」

『……………』

ーーー古代の塔 最上階ーーー

デデデ「…さて、なんやかんやあったが最上階に辿り着いたZOY」

霧島「ガメレオアームはまだ健在かしら?」

比叡「もう倒されちゃったりして…」

ゴゴゴゴ……

ーーー古代の塔 三つ子星の間ーーー


ガメレオアーム『小賢しいトリめ、私の前に跪けッ!!』

ドロッチェ「鳥じゃねぇ!俺達はネズミだ!!」

比叡「良かった…まだ間に合ったみたいです!」

金剛「ok……御用だ御用ダー!!」

ストロン「ぬ?」

ドク「おん?おぬしらも三つ星の杖目当てに来たのか?」

デデデ「ああ、さあさっさとそこを退くZOY!」

ドロッチェ「…たいした覚悟も無ぇのに手を出そうとするなよ」

木曾「何?俺達に覚悟が無いってのか?」

多摩「女だからって嘗めんにゃよ!」

スピン「み…見て分からないっチュか!アイツはただ者じゃない!」

デデデ「ただ者じゃない…?」


ガメレオアーム『んふふ…さあボウヤ、たっぷりと遊んであげよう』コォォォォォ…

多摩「…何処がだにゃ、どこかで聞いた台詞を吐いている他には違いは無いにゃ」

デデデ「というか元が何なのかが分から無いZOY」

ドロッチェ「気づかねぇのか、黒いオーラがちょこっと出ているだろ!」

霧島「……あー、確かに見えるわ、輪郭とはまた違った黒いもやがかかってる」

タック「分かるの!?」

大鳳「ええ、それに…さっきから電探も不思議な反応を示しているわ」

エスカルゴン「いや船以外に使ったらそうなるでGESよ!」

大鳳「そう…かなあ…?」

ドロッチェ「ともかく、アイツは厄介だ…さっさと帰りな」

今思えば「この新しいオモチャで遊んであげよう」って台詞は卑猥だったなぁ
でもアサルトではあいつ結構やることがイケメンだったなぁ





デデデ「断る」

ドロッチェ「…はァ?」

榛名「私たちだって、この先の宝を出来るだけ頂いて行く為にも来てるんです」

金剛「簡単には譲れないネ、特に三つ星の杖と言うお宝は!」

ドロッチェ「…はぁ、やっぱりそれ目当てに来たクチか」

比叡「言っておくけど、悪者に取られない為にゲットするんだからね?」

球磨「盗賊とは訳が違うクマ」

ドク「団長、こいつらには何を言っても無駄じゃ、好きにさせた方が良い」

ドロッチェ「何?ここで諦めるつもりか?」

ドク「年寄りの話は最後まで聞け!要するにじゃな…!」サッ

ドロッチェ「…?」

>>274
んんw数年ぶりの新作での活躍に期待ですなww



ドク(つまり…奴らがガメレオアームを倒して、三つ星の杖を手に入れるじゃろ?)

ドロッチェ(ああ)

ドク(そしておそらく『ワムバムロック』とも戦う筈じゃ)

ドロッチェ(…ん?)

ドク(…察しが良いのう、つまり疲弊している所を…)

ドロッチェ「ッざけんな!!」

ボガッ!!

ドク「ゴスペラ!?」

大鳳「ちょ、喧嘩はやめ…!」

ドロッチェ「俺達は飽く迄も宝集めを生業としている!人から物を盗む為にやってる訳じゃねぇ!!」

ドク(だ、だんちょ…)

ドロッチェ「人や、他の同業者から宝を強奪するようになったら…もう只の強盗だ。盗賊じゃ無くなる」

榛名「…!」

ドク「…団長……すまん、ワシが間違っていた…!」

ストロン「やっぱり…団長はカッコいい…」ポー


霧島「…あの人にも常識と言うか、その…自分なりの正義は持っていたのね」

エスカルゴン「はぁ…敵ながらあっぱれと言うか…」

デデデ「ワシの陰が薄くなるZOY」

エスカルゴン「今度は斧でも練習するでGESか?」

デデデ「要らんZOY!」


ドロッチェ「…ずらかるぞ」

球磨「!」

金剛「杖は諦めたんデスか?」

ドロッチェ「ああ…お前達が取れるなら取ってみろ、俺達はその事に関して何もしようとは思わない」

榛名「ドロッチェ…さん…」

金剛「ふーん、後で欲しいって言ってもあげないからネ?」

ストロン「大丈夫、他にもお宝はある」

スピン「そんな後から欲しいなんて子供っぽい事言わないっチュ」

比叡「ふーん…じゃ、私たちが頂いちゃいますよ!」ジャキッ!

ドロッチェ「…気をつけろよ」

球磨「念押しされなくても分かってるクマ、お前達こそ…やられるんじゃないクマ」

スタスタスタ……

木曾「行ったか…意外とあっさり引いたな」

多摩「…それぐらい、目の前の奴は強い事だにゃ」

大鳳「単に猫っぽい多摩ちゃんが怖かったからじゃない…かな…?」

多摩「幾らなんでもそれは無いにゃ、怖かったらさっさと逃げる筈だにゃ」

霧島(あれ?そう言えばタック君は…?)キョロキョロ

ガメレオアーム『シャッ!!』ビュッ!!

木曾「!来るぞ!」

ガメレオアームの口からゴム質のネバネバした舌が伸ばされ、それが地面に打つかり乾いた音を鳴らす。

球磨「やっぱりカメレオンだからベロが長いクマ!」

霧島「あれを引っ張ったらどう?」

金剛「すぐに引き寄せられちゃうと思うヨ?」

デデデ「物は試し、早速試すZOY」

ガメレオアーム『そう簡単に行けるとでも?』

ズォォォォ……

黒い何かが、彼女達の周囲を取り囲むように湧き出てきた。

霧島「なっ…!?」

そしてそれは玉の形を取ると、それぞれバラバラに直進した。

多摩「うにょぉぁ!?」シュッ

榛名「っ!これは…?」バスッ!!

明らかに彼の外見から放たれるべきでは無い黒い弾丸に一同はざわつく。
そこに困惑を突き破るようにして、彼から声が流される。

ガメレオアーム『フフ…どうだ?驚いただろう』

金剛「ぐ…どうしてそんな事が出来るネ!?」

エスカルゴン「そうでGESよ!何かトリックがあるんでGESか!?」

ガメレオアーム『良いだろう…教えてあげよう』

ガメレオアームは不敵に笑みを浮かべながら、ある事実を伝える。

ガメレオアーム『まず、こんな見た目なのに何で喋れるの?と思っただろう?』

木曾「ん?何故だ?」

霧島「別に?ただ今までの人も喋ってたから貴方も喋るのは普通かなって思ったのよ」

ガメレオアーム『考えても見ろ、カメレオンに発声器官は無い』

デデデ「お前がそれ言ってしまうのかZOY」

球磨「じゃぁテレパシー?」

ガメレオアーム『半分正解と言った所か、コイツの体にはそう言った能力も備わってないからな』

木曾「さっきから何を言っているか分からないぞ!結論だけ言え!」

業を煮やした木曾が結論だけ述べろと急かした時、ガメレオアームの体から出ていた黒いオーラが
すぐ上で固まり、やがて一つの黒い球体を形成した。

ダーク・リムロ「私の本当の名はダーク・リムロ…コイツを乗っ取って居た訳さ」

金剛「なッ…!?」

霧島「これは…今までの敵とは違います!」

デデデ「ダーク………貴様ら、まだ諦めていなかったのかZOY!!」

ダーク・リムロ「さあ、何の事だかな」

怒りを露にするデデデに対し、ダーク・リムロは惚けてみせる。
それは挑発でもあるし、自らが知る事実を隠す為の『ウソ』でもある。

多摩(ダーク…提督の昔の話にもそんな名前の奴が出たような…?)

ダーク・リムロ「さて、これでからくりは分かっただろう?」

金剛「ええ、貴方が何者かはまだ分からないけどネ」

ダーク・リムロ「直に分かる、その時まで待って居なさい」

比叡「あれ?でもそう言う事って戦いの中盤辺りで教える物じゃ…?」

ビュンッ!!

疑問を打つけようとする比叡に凶器とも言える早さで舌が伸ばされる。

ドガァッ!!

比叡「え?あ?え、えええっ…ええっ?」

余りの早さに彼女が自分の顔のすぐ真横に舌が付かれていた事を理解するには数秒かかった。

ガメレオアーム『そういう事には茶々を入れないのが道理と言う物だよ、ボウヤ』

霧島「コイツ…強いわね、多分」

大鳳「出方が分からない以上、気を抜かずに行くしかありませんね」

球磨「ていうか球磨達はボウヤじゃないクマ」

俺だけかもしれんが、カメレオンキャラでパッと思い付いたのは
スーパーペーパーマリオのカメレゴンだな

>>283
他にも任天堂の黒い所あったよね。
最近じゃピクミン3のワニノフグリ(アボガド)とか。



デデデ「隙ありィ!」

ガヅンッ!!

ガメレオアーム『うげッ!?』

ボトッ……

ダーク・リムロ「ごふっごふっ……何をする!!」

デデデ「今ZOY!全艦突撃ィ!!」

多摩「イエッサー!大佐!!」ダッ

大鳳「大佐じゃなくて提督です!」バシュン!!

彼女達は不意打ちを食らって飛び出してしまったダーク・リムロに向かって一斉突撃する。

ダーク・リムロ「チッ…卑怯は行けないよ、ボウヤ!」シュバッ

彼も負けじと即座にガメレオアームの体に戻り、足を伸ばして壁に捕まる。

木曾「くっ…どこに逃げた!」

大鳳「焦らないで!電探を使って位置を特定して!」


ガメレオアーム(んっふ…これぞこの体の能力の一つ、『風景同化』)

ガメレオアーム(周りの風景に同化して相手をかく乱し、奇襲する…これがコイツの取っていた戦法のようだね)

球磨「隠れてないで出て来るクマー!」

ガメレオアーム『お望み通り出てきてあげようッ!』ビュッ!!

球磨「クマっ!?」

出来た隙を突き、ガメレオアームの口から放たれた長大な舌は彼女の体を絡め取る。


球磨「ゔぉーー!?は、離すクマ!!」

木曾「姉さんッ!」ジャキッ

ガメレオアーム『遅い!』グイッ!

球磨「わ、わぁぁぁぁぁっ!?」


ゴクンッ…

絡めた彼女を口の中に引きずり込み、そのまま腹の中に飲み込む。

ガメレオアーム『ふむ…女性の味はこんな味がするのか』


多摩「く、球磨お姉ちゃんが…」

榛名「食べられた…!?」

木曾「っクソ!姉さんを出せッ!!」ドォッ!!

ガメレオアーム『その下手な鉄砲を当ててから言うんだね!』シュッ!

ガメレオアームは縦横無尽に壁を移動し、放たれる砲弾を次々と躱す。
激しく動いている所為で彼の腹の中はぐわんぐわんと大きく揺さぶられる。

球磨「うぉ、おぁ、わぁぉぁおぁあぁっ!??ゆ、揺れる揺れる!!酔っちゃうクマ!そんなに揺らしたら酔うクマぁ!!」グラングラン…!!


ドゴォン!!バゴォン!!!

比叡「もぉ~…全然当たらない!」ムキー!

木曾「早く助けないと…姉さんが溶かされる…!」

ガメレオアーム『慌てなくても良いよ、直にボウ…ん"っん"ん"、嬢ちゃん達も食べてあげるよ』

大鳳「呼び名を変えてもダメですっ!」ビッ!

先に放った艦載機に合図をかけ、攻撃指令を出す。

ガメレオアーム『ふん…数で攻めても、当たらなければどうと言う事は無い!』

艦載機の一撃も軽々と躱すガメレオアーム。
しかし、そんな余裕に満ちた彼の心は、次の瞬間に変わり果てる。


球磨「う、うぶ…吐きそっ……」グルグル

ガメレオアーム(ん…!?)

そう、激しい揺れに耐えきれなくなった球磨は吐く寸前にまで陥っていた。
その事を察知し、焦り始めた彼は腹の中の彼女に対して叫ぶ。

ガメレオアーム『お、おい!吐かないでくれるか!?絶対だぞ!!』

球磨(む、無茶言うな…クマ…っ)プルプル


大鳳「はぁ?」

金剛「吐くって…まさか…」サー…

彼が発した『吐く』という言葉に、周りも球磨が何をせんとしているのかを理解し始める。
普通なら脱出する為に力を絞って暴れるか、艤装を動かして腹の中を攻撃する事はするかもしれない。
でもまさか揺さぶられた所為で腹の中で吐きそうになって居る等と一体誰が予想しただろうか。

球磨「も、もうダメ…っ」モゴモゴ

ガメレオアーム『やめろォ!道連れは無益だァッ!!』

木曾(この隙に…ッ!)グッ……



大鳳「もう、遅いですよ」

ガメレオアーム『…あ"』

彼は気づいた、空中から多数の弾薬が放たれている事を。
次の瞬間、彼は艦載機の攻撃を直に受ける。


ガメレオアーム『ぐわァァァっ!!!!』

大鳳「やったぁ!」ガッツ!

ガメレオアーム『ぐ…ほっっ』ペッ

大きなダメージを与えたお陰で、腹の中から球磨が吐き出された。

木曾「あ…」

木曾(…俺は…何も出来ないのか…?)

大鳳「大丈夫!?」タタッ

球磨「うぇ…ちょっと臭うクマ…」

金剛「それで…アレは…?」

球磨「あ…あれクマ?あれは……飲んじゃった…」

霧島「ちょ…飲んじゃったの!?」

球磨「だってさっき補給した資材がもったいないクマ!」

木曾「…………」

多摩「?どうしたにゃ?」

球磨「匂いが気になるクマ?」

木曾「…何でも…無い」

球磨(む、これは何か思い詰めてるクマ…)

大鳳「そう言えば…敵は?」

榛名「あっ!そうでした!」

デデデ「艦載機で集中攻撃したとは言え、相手は…油断ならない奴だZOY、気を緩めるな」



ダーク・リムロ「ク…グク…やって…くれた…ね…!」

榛名「ま…まだ動いています!」

大鳳「あれだけの一斉爆撃を耐えるなんて…!」

デデデ「ふん、それでこそダークマター一族の端くれだZOY」

ダーク・リムロ「ここまでされちゃあ…こちとらお礼もせずに帰る訳には行かないね…!」キィィィ…!


エスカルゴン「エネルギー反応確認!何か来るでGES!」

球磨「そ、それって食らったら不味いクマ?」

金剛「絶対不味いヨ!」

ダーク・リムロ「ケケッケケケ…抵抗しても無駄さ…大人しく消えるがいい!」

デデデ「っ!」


ドガァァァァァァァァァァン!!!

ダーク・リムロ「ぐふぁあぁぁぁッ!!?」

霧島「っ!?」

大鳳「う、上から何か降ってきた…!」

ストロン「どっ…こらせ、大丈夫?」

比叡「え、ええ…」

「ったく、最後まで気を抜くなよ」

榛名「その声は…」

球磨「ドロッチェ!」

ドク「団長の奴、やはり心配になったらしくてのぉ」

エスカルゴン「心配?」

ドロッチェ「言うな!…まあつまり、美味い所を貰いに来た。という事だ」

多摩「とどのつまりツンデrスピン「言わせないっチュよ?」

多摩(は、早い…)

デデデ「ところで…ダーク・リムロは?」

ストロン「完全に潰れたと思う、潰す時に『ブチッ』って音したよ」

木曾「…まあ、あんなバカデカい奴に押しつぶされたらひとたまりも無いな」

ドロッチェ「アイツは脳筋とか言われるが、頼りになるぞ」

ストロン「ぶふん」ヌンス

ドク「いいや!頭脳明晰のワシこそ強い!そうじゃろ団長!?」ズイッ

スピン「頭が固くて、周りに文句を垂らすのは頭脳明晰とは言わないっチュよ?」ズズイッ!

ドク「ふん!格好付けたいだけのスピード狂の若モンには分からんじゃろうなぁ?」

スピン「何を言うか!スピードがあればどんな事だって有利にできるっチュ!」

スピン「そもそもゆっくり物事を進めるなんて誰だって出来るっチュ、ザコでも死に物狂いで修行すれば最強になれるし、バカでも生涯をかければ傑作小説が書けるっチュ!」ペラペラペラ

スピン「つまりこの世の中を支配するのは火力権力財力運力魅力体力健康力判断力身体力抵抗力開発カ想像力統率力でも無く!早さッ!これこそが世の中を支配するのだっチュ!!」ペラペラペラ



スピン「だからF-1ドライバーはモテるんだっチュ」ドヤァ

金剛「私たちは戦艦なのに早いから人気が出るんだネー!!」

榛名「実際の艦種は巡洋戦艦だったらしいですけどね」







ドク「知 ら ん が な 」モシャモシャ

スピン「ほらそれだよ!そうやって寝転がっておせんべしゃぶってる所がもうダメダメだよ!!」

ドク「ったく、最近の若モンはすぐ興奮するわい…全く持って怪しからん!」

ドク「だいたいのぉ、何時も興奮してると寿命が来るのも早いのは知らんのかぇ?」

スピン「知 ら ん が な 」

ドク「ワシの発言パクるな!そして興奮しすぎると寿命が短くなるのは本当じゃからな!?」

エスカルゴン「常時興奮している奴は大変でGESょうなぁ」

ドロッチェ「まあドライバーがモテるとか興奮しすぎると寿命が近くなるのは今の我々には全くもって関係がないので置いといて…」

スピン&ドク「「いや、『置いといて』じゃないっチュよ(じゃろ)!!」」

球磨(大変そうだクマ…)

ドロッチェ「ところで…三つ星の杖は?」

大鳳「あ…!そういえば、どこにあるんだろう?」

ズゴゴゴゴ……

多摩「壁が…!」

ドロッチェ「上に競り上がったな、場所は大丈夫なんだろうな?」

ゴゴン……

デデデ「あ、あれが…」

金剛「三つ星の杖?」

現れた小部屋には、小さな箱のような物が付いた棒が安置されていた。
その純金に見えてそれよりも貴重な物で出来ていそうな輝きは、思わず膝を屈したくなる。

榛名「触っても大丈夫でしょうか…?」

ドロッチェ「操られていたとは言え番人を倒したんだ、問題は無いだろ」

霧島「それじゃあ……頂っきまーすっ!」

三つ星の杖を手に入れた!

値打ち 222000D
古代の塔の中で発見された伝説の力を秘めた杖。
長い間安置されていたからか、降っても叩いても舐めても動かない。
動かせないから力が本当なのかも分からないし、確かめられない。
だからこそ溢れる夢とロマン、伝説が嘘か真かなんてちっぽけな事なのです

霧島「三つ星の杖、ゲットよ!!」

多摩「にゃー!」

霧島「とは言う物の…これ、本当に力なんてあるの?」

ドク「ワシの計算では、力が宿っておる確率は五分五分じゃな」

ドロッチェ「試しに振ってみろ」

霧島「分かりました、では…」


霧島「キューティー・ビューティー・ソサエティー!」ブンッ!

シーン


ドロッチェ「…」

スピン「…」

霧島(や、やってしまったわ…つい気が…)カァッ…

大鳳(え、ええー…)

デデデ「エスカルゴンよ、ソサエティーとは何ZOY?」

エスカルゴン「社会や、団体などを意味する言葉でGES」

デデデ「成る程…タグ添付、分類:記録だZOY」

エスカルゴン「ハルナの物まねのつもりでGESか?」

霧島「お願いですから無視しないでくださいよぉぉッ!!」ボカッ!!

デデデ「ごふぉぁぁッッ!!!コークスクリューブローで殴られると、凄く痛いZOY!!」

デデデ「ワシの事がそんなに嫌いだったのか……霧島のバカーッ!!」ブワッ

霧島「えっ………!?」ガーン…


金剛「泣ーかせター」

霧島「え…ね、姉様?」

ドク「泣ーかせたー」

霧島「え、えぇぇ?」

多摩「いーけにゃいんだー」

霧島「そ、そんな子供っぽい事言われても…」

比叡「いーけないんだー!」

霧島「比叡姉様まで…何なの、もうっ!」



エスカルゴン「たーつたさんにー」

デデデ「言ってやろー!」

霧島「提督まで言わなくていいんですよぉぉっ!!」ボガッ!!

デデデ「ぐぉぉぉぉぉッッ!!!」

ドシャァァァァァァァッ………

デデデ「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ…中々やるZOY…我が一生のライバ…」

霧島「今度は何なんですか!いい加減本題に入りましょうよッ!!」

デデデ「ごめん」

エスカルゴン「なさーい」

霧島(どうしたというの…皆は…)

球磨「…どうして何もおこらなかったクマ?力が宿ってるって言ったクマ」

ストロン「多分…すごい奴じゃないと何もおこらないんだと思う」

木曾「凄い奴か……提督か?」

デデデ「ならばさっそk「いやダメだ」

デデデ「何でZOY!?何で言ってる途中で否定するZOY!!」

比叡「いやいやいやいや…突っ込むところはそこじゃないですよ!」

エスカルゴン「どうせ星の戦士じゃないと使えないとか言うんでしょ?」

ドロッチェ「多分な」

霧島「多分なって…確実な事は分からないの?」

ドロッチェ「ああ…三つ星の杖に関する噂には、星の戦士が使ったという記述は無かったぞ」

エスカルゴン「う~む、そりゃまた難しい話でGESな」

スピン「その口ぶり…知り合いっチュね?」

多摩「知り合いどころか…何時も助けられてるにゃ」

大鳳「とても頼りになったのよ、カービィ君は」

スピン「カービィねぇ…そんな名前の奴って居たっチュか?」

ドロッチェ「さあな…ま、そのカービィって奴がいればどうにかなるのか?」

多摩「多分」

ドク「なんじゃその主張性に欠ける言いぶりは!若者ならガツンと断言せんか!」

金剛「そう言われてもナ……」

エスカルゴン「まあとにかく、こいつは私達の物でGESな」

ドク「ああ、持ってけ持ってけ」

榛名「じゃあ…どうしましょうか?」

霧島「ここまできたら、ずっと奥まで行くっきゃないでしょ!」

大鳳「そうね…悪者がいないかも気になるし…」

ドロッチェ「気をつけろよ、『神秘の楽園』は…誰も辿り着いた事の無い正真正銘の未開の地だ」

多摩「うーん…一応ガイドには書いてあるけどにゃぁ……」

スピン「名前だけ教えて詳しい事は教えない、ゲームとかでよくある展開っチュよ」

デデデ「よし!ワシらは神秘の楽園に向かってみるZOY!」

ドク「調子に乗って落とし穴を踏まぬようにな!」

球磨「じゃーなクマー!」

ーーー古代の塔 入り口前ーーー
金剛「いやー!古代の塔では結構大量だったネー!」

多摩「小判もいっぱいゲットできて満々足にゃ!」

木曾「…ん」

球磨(木曾がさっきからあからさまに元気が無いクマ…どーしたもんか…)

エスカルゴン「さてと、こっから先は気を引き締めて……ん?」

霧島「どうしたの?」

エスカルゴン「……何あれ?」ビッ


エスカルゴンが指を指した先には、塔の屋根に立つトゲトゲ頭の黒い剣士が立っており
その剣士は、エスカルゴン達をじっと見据えていた。

???「…………」

大鳳「あれは…私たちと同じ探検家?」

デデデ「……じゃ無さそうだZOY」



???「……ぜぁッ!!」バサッ!!

暫くの時が過ぎた時、剣士は纏っていたマントを開いて自らの体を見せつける。
そのボディは黒く、まん丸であった。

霧島「え?!まさか変態!?」

球磨「いやいや…体がどう見ても黒いボールだクマ!」

金剛「こ…こ…」


???「サービスだ、見ておけ」ニヤッ

周りが動揺する中、剣士は一つ目をにやつかせ不適に語る。

金剛「こんのあほんだらァァァァァーーーッ!!!!」ドドドッォォォッ!!!

比叡「ぴゃ?!」

ドガォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!

激昂(?)した金剛は勢いにまかせ、剣士に向かって主砲をフルに撃ちまくった。
しかしその後には塔に開いた穴以外には剣士の姿は見当たらなかった。


金剛「shit……逃がしたネ…」ギリリ……

比叡「ちょっとちょっと何やってんですかーーっ!?」

金剛「ハイ?」

比叡「はい?じゃないですよ!!貴重な古代遺産を壊してどーするんですか!?」

金剛「……………………あーーーーー!!!私はなんて事をォーーーッ!」

比叡「どうするんですか!?弁償できませんよ?!」


「なんや!?さっきの音は!?」ドタドタ

金剛「ヤバッ……さっさと奥にずらとんするネー!」

エスカルゴン「とんずらなんて完全に悪者の台詞じゃないのよ!」

デデデ「と、とにかくさっさと逃げるZOY!」ダダッ

比叡「うぅ~…ごめんなさ~い!お手伝いの時は徹夜でやりますからぁ~!!」

ダッダッダッダッ……

龍驤「なんやなんや…………あ」

パラ…パラパラ…

龍驤「………………」



龍驤「ぐふっ」

バタッ……

その後古代の塔の前には、一人倒れた少女が居たと言う…

GAME OVER

おお りゅうじょうよ ▽
しんでしまうとはなさけない ▽


龍驤「うちは死んどらんてッ!!まだ死ねへんてッ!!」

ーーー神秘の楽園ーーー

金剛「ぜぇ…ぜぇ…あれ?皆は?」


デデデ「金剛、遅かったではないか!」

金剛「提督!?何でここに?」

エスカルゴン「たまたまトロッコがあったんでGESよ!」

大鳳「ぐらぐらして怖かったですけどね…」

金剛「あぁ…なんだろう、私…今日はあんまり調子が良くないみたいネ……」

榛名「誰かに呪われてたりは……」

金剛「無いネ、するとしたならヘンダーソンぐらいだネ」

霧島「それにしても……随分と空気が美味しいですね、ここ」

球磨「確かに…何だか無償にシャケが食いたくなって来たクマ」

木曾「というか…ひょっとして屋外に出たか?」

多摩「多分、神秘の楽園は恐らくここ……にしても、相変わらずポップスターは意味不明だにゃ」

比叡「にしても…んー!何だか思いっきり寝転んでみたいですねー!」

デデデ「頼むから艤装を付けた状態で寝転ぶなよ?」

エスカルゴン「なーに!陛下じゃあるないんだしさぁ…「ボギャッ」あどべッ?!」

大鳳(相変わらず痛そう…)

木曾「……取り敢えずここでじっとしていても始まらない、先へ進むぞ」タッ

球磨「待つクマ!一人で行動しちゃマズいクマー!」

デデデ「追いかけるZOY!」

金剛「ハイ!」
ーーー何かの建物の前ーーー

木曾「……」ガサゴソ…

球磨「はぁ…はぁ…やっと追いついたクマ」

大鳳「どうしたの?いきなり早歩ききしだして…」

木曾「…何でも無い」

球磨「木曾…いい加減にするクマ!そうやって一人で悩んで八つ当たりしたって解決しないクマ!」

比叡(わ、分かるの…?)ヒソヒソ

多摩(そりゃねーちゃんだもんにゃ、多摩達の事はお見通しにゃ)ヒソヒソ

木曾「……」

球磨「さあ、何を悩んでいるクマ?さっさと吐いちまうクマ!」

木曾「………実は」


「ああ……何て煌びやかなの…」

木曾「…?」

球磨「誰だクマ?」

港湾棲姫「この鱗…日に当てると明滅する…とてもキレイ……」キラキラ

ラミアの鱗

値打ち 12800D
半人半蛇の妖魔から採れた鱗………らしい。
実際下半身が普通の蛇らしいので嘘っぱちかもしれない。
ただ、普通の蛇のと違ってラミアの鱗には鉱石のような質感がするとか

金剛「あれって……ヘンダーソン?」

比叡「雰囲気は似ていますけど…ちょっと…いや、かなり違いますね」

木曾「…あんな奴居たか?」

大鳳「いえ、確認はしていないと思います…」

デデデ「……にしても、デカいZOY(爪が)」

エスカルゴン「はい?」

金剛「なッ!?」

大鳳「やっぱり…大きい方が好きなんですか?」

デデデ「何の話ZOY?」

霧島「どうなんです?男子たる物大きい物にはロマンを持つと言うけれども…」

デデデ「…?まあ確かにあの大きさには一瞬惹かれたが…」

金剛「そうはさせないネ!比叡、榛名、霧島!手伝うネ!」

比叡「了解ですっ!」

デデデ「あ、バカ!何をする気ZOY!!」

エスカルゴン「陛下が言っているのは爪の話!胸のサイズじゃないでGESよ!」

大鳳「……あれは絶対に聞いていませんね」

金剛「HEY!そこのホムンクルス!」

港湾棲姫「…?私の事?」

ババッ!

港湾棲姫「え?え??」

霧島「その大きな物をしまいなさい?」

港湾棲姫「えっと、何の事か」

榛名「幾ら既に同盟を結んだ関係でも、提督を誘惑するような真似は許しません!」グニッ

港湾棲姫「ひゃっ!?や、やめて…!」

霧島「コラ!その粗末な物を揺らしながら暴れないの!」ギュッ!

港湾棲姫「だから何の事か…痛っ!」

ワーワーギャーギャー

デデデ「……あれが修羅場という物かZOY」

エスカルゴン「こうして陛下は男として少し一歩を踏み出したのでした」

多摩(勘違いって恐ろしいにゃ…)

大鳳「それで…悩んでる事って…」

木曾「…ここじゃ駄目だ、場所を変えるぞ」

エスカルゴン「何でよ?」

木曾「…あいつらを見ろ」

多摩「成る程、納得だにゃ」

デデデ「じゃあこいつらはほっといて、建物の中で話すか…」

球磨「そうしようクマ」

ーーー建物の中ーーー

木曾「…ん、ここが良いか」

球磨「じゃあ木曾、気を取り直して話してもらうクマ」

木曾「ああ、実は……」


「もー!超サイアクー!」

『…』

木曾「もう今度は何なんだッ!!俺が悩みを打ち明けようとすると何時も決まって邪魔をして!」

球磨「あ、あれって…!?」

離島棲鬼「マジであのハニワヤロー腹立つー!」プンスカ

グランドローパー『然リ、愚民ノ奴等ナラバ当然ノ事…』

離島棲鬼「あのハニワ共、コウちゃんの事をイヤラシイ眼で見つめるだけじゃなくて…もうベッタベタ触ってくんのよ?!」

離島棲鬼「もうセクハラよ!セクハラったらセクハラ!」ムキーッ!!

グランドローパー『按ズルベカラズ…ソレモ、我ラガコノ星ヲ黒デ覆ウマデノ辛抱トヤ……』


離島棲鬼「所でアナタ、誰?」キョットン

グランドローパー『忘レシカ…我ガ名、グランドローパー…』


デデデ「ぐ……グランドローパー!?」

木曾「なッ…やはりもう来ていたのか…!」

多摩「三つ星の杖に気づかれなかったのが幸運だにゃ…」ボソッ

離島棲鬼「あ!愚民!」

デデデ「なぬ!?」

離島棲鬼「いや~ん!!聞かれちゃってたの~っ!?」ブンブンブンブン



ドッ!!!

エスカルゴン「ごぉ……ッ!?」

木曾「う…!?」

離島棲鬼「嫌だったらぁぁぁーっ!!!」バッッキィィィッ!!!

一同「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

離島棲鬼「えぇぇん……もぉぉぉぉ…!」タッタッタッタッタッ……


金剛「さぁ!分かったら提督を誘惑した事を詫びるネー!」

港湾棲姫「だッ…だから!私には何の事かさっぱりと…!」

離島棲鬼「コウちゃーん!今助けるよーっ!」シュイィィィ……!

彼女は黒く禍々しい艤装を展開し、彼女等に狙いを定める。


離島棲鬼「発ッッッ…射ぁっ!!!!」バキュンッ!!!

ドガァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!!

金剛「グワーーッ!!」大破!

榛名「きゃー!」大破!

比叡「ごぼーーっ!」大破!

霧島「あぁっ!!」大破!

港湾棲姫「っ……離島」

離島棲鬼「コウちゃん、大丈夫?」

港湾棲姫「…助かったわ…ありがとう」


大鳳「ったたた……っ!皆は!?」

木曾「ええと……た、大破が…四隻!?」

球磨「そ、そんなのありクマ!?」

デデデ「…恐らくあの深海棲艦に群がっていた所を叩かれたのだZOY」

エスカルゴン「そぉれより!見た!?あの黒い子、グランドローパーと一緒に居たでGESよ!?」


「そりゃ、オレ様の小間使いだからなぁ?」


デデデ「その忌々しい声は…!」

金剛「まさか…!」

ブラックデデデ「ご名答、オレ様だよ、ブラックデデデ様さ!」

大鳳「ぶ、ブラデ!?」

ブラックデデデ「んがっ!?」

デデデ「ブラデ?」

大鳳「あの人のあだ名です、何となくカワイイでしょう?」

多摩「う~ん…可愛い、のかにゃぁ…?」

ブラックデデデ「へぇ…オレ様も人気あがったんだねェ…」

霧島(正直、名付けられた人の性格の所為でカワイイとは思えない…)

木曾「チッ…次から次に…何なんだよッ!!」

ブラックデデデ「ん~?そこのチビ、随分と不機嫌の様じゃねェか?あんまキリキリすると生え際が後退するぜ?」

木曾「五月蝿いッ!!」

港湾棲姫「ひ…や、野蛮…」ガタガタ

離島棲鬼「もぅ…誰に似たのかしらねッ!」

大鳳「貴方だけには言われたくないし…」

デデデ「おっと、ハルナの悪口はそこまでにするZOY」

ブラックデデデ「はァ?」

榛名(私…ではないですよね、多分)

ブラックデデデ「それよりも…てめェら疑問に感じる事は無ェのかよ?」

球磨「はっ!そいつらは…一体なんでお前と一緒に居るクマ!?」

ブラックデデデ「よくぞ聞いてくれましたぁ……」



オレ様はな…あの日からてめェらを完璧に叩き潰すって決めたんだよ。

でもな?それにはやっぱり相応の準備が必要だ。

グランドローパーの奴が居るとしても、やっぱりまだまだ戦力を集めたいってのもある。

そんで、最大最高のカリスマを持つオレ様が、いろいろ準備を進めて行く内に…


ブラックデデデ「コイツらが仲間入りした、以上です」ニッコリ

エスカルゴン「ちょ、ちょっと待ってちょうだいよ!詳しい事がよくわかんないでGESよ!!」

ブラックデデデ「まだまだ序盤だろ?この時点で話したって最後に使うためのネタが尽きるだけだって」

離島棲鬼「重要なのは、私たちがこの『提督』に仕えている事よ…」

港湾棲姫「そう…何れはグランドと並び、提督の最高のパートナーになる…素敵よね…」テレテレ

金剛「で、でも…!」

ブラックデデデ「おっと、『操っているんじゃないの?』という在り来たりな質問は現金だぜ」

霧島「…違うの?」

ブラックデデデ「ンでも残念でしたァー!こいつ等は自分の意志でオレ様に着いて来てんだよ!」

大鳳「本当なの…?今ならまだ間に合うわよ、本当の事はっきり言ったら?」

ブラックデデデ「ケッ、疑うとこは疑うんだなァ…疑うべき所には全く手を付けずに」

港湾棲姫「可哀想ね…きっと味噌汁のしじみも食べずに捨てるのよ…」

大鳳「な…何を訳の分からない事を!」

金剛「ちなみに私はしじみも食べマース」

大鳳「えっ」

エスカルゴン「うぇ、私はなーんかヤなんでGESよねー」

デデデ「あんなに美味いのにおかしな奴ZOY」

ブラックデデデ「さ……て、いつまでもごちゃごちゃ話してちゃ進まねぇな」

球磨「あっ…そうだったクマ!」

木曾「…お前らの目的は何だ?」

ブラックデデデ「この先の『ワムバムジュエル』に決まってんだろ?」

デデデ「また随分とダサい名前だZOY」

ブラックデデデ「いやー、ちょっくら弄ってみたけどよォ…あのキラキラはイカすぜ!」

離島棲鬼「あれ使ってお城を作ったらもうモテモテよ…!」ウフフ

多摩「そんなくだらない事が目的じゃないはずにゃ」

ブラックデデデ「ホントだぜ!?ホントホント!」

デデデ「つまり目覚めさせて帰り道を塞いだ訳かZOY?」

榛名「えっ?帰り道を塞いだ…?」

エスカルゴン「丁度この先に出口へ一気に出れる場所があるんでGESよ」

比叡「て事は…!?」

ブラックデデデ「へっ、まあ悪く思わないでくれよ?」

港湾棲姫「体を揉まれる苦痛……貴方達もしかと味わいなさいな…」フワ…

霧島「ま、待ちなさいっ!」

ブラックデデデ「じゃあな!」

フッ……

彼はワムバムジュエルを目覚めさせた、それだけを伝えるとワープでどこかに消え去っていく。

球磨「逃げられたクマ……」

比叡「もう…!アイツは一体何がしたいんでしょうかね!」プンプン

エスカルゴン「んなん知らないよ!次に会ったら本人に聞いてみれば?」

デデデ「それより…ワムバムジュエルか……」

大鳳「知っているの…?提督」

デデデ「いや、知らん」

大鳳「あらっ」ズコッ

金剛「しかし…このままじゃ帰りはちょっと苦労しそうデスねー」シャリシャリ

榛名「あ、それはグリルさんから貰ったマキシマムトマト…それで傷が消えるんでしょうか…?」

金剛「消えなきゃ困るヨ!……あむっ」シャリシャリ…

エスカルゴン「…さて、木曾…改めて悩みを打ち明けてもらうでGESよ」

木曾「……」

球磨「さっさとねーちゃんに言っちまうクマ!胸の閊えがとれるクマよ!」

木曾「…俺は……」

球磨「…」ゴクッ



木曾「…いや、やっぱり止めておくよ」

エスカルゴン「え"…」

球磨「…ねーちゃんじゃ不満かクマ?」

木曾「そうじゃない、ただ何時迄も姉さんに頼ってばかりじゃ駄目だと思っただけだ」

球磨「そんな!何時でも頼っていいんだクマ!」

木曾「…気持ちだけ受け取るよ、そんな心配は要らないね…俺の事は、俺自身でなんとかしてみるさ」

多摩「…にゃぁ」

球磨「……」ジッ

木曾「……ま、まあ…駄目だったら…姉さんに相談する」

球磨「うむ、良い子だクマ」ナデナデ

木曾「…っ//」


金剛「ふ……ふぉぉぉぉぉぉッ!!力が!力が漲るネーーッ!」全回!

比叡「もう…傷が治ったくらいで大げさですよ、姉様!」

榛名「でも、これで艤装も直りましたよ?」テカテカ

霧島「ふうん…そうと決まれば、早速食べましょう!」シャリッ

比叡「は、はい!」シャリッ!


木曾「……」グギュルル……

球磨「木曾も食べたいクマ?」

木曾「ひ…被弾していないから…別に大丈夫だ!」



ほっぽっぽちゃんと遊んでたら浦風出たんじゃー
皆、恨んでけえの!

霧島「ふー……さて、どうします?」キラリーン

比叡「一応来た道から戻るという手もありますが…」

デデデ「……面倒くさい、このまま先に進むZOY」

大鳳「分かりました、じゃあこのまま先に行きましょう」

金剛(それにしても…あの黒い提督と深海棲艦……一体…?)

ーーー遺跡の内部ーーー

球磨「右の方だけ壁が無いクマ…気をつけた方が良いクマ」

木曾「ああ…得物の調子をチェックしとけよ」

金剛「…」ゴクッ



『ゴッデェェェェェェェスッ!!!!!』ババァンッ!!

比叡「で、出たぁぁぁぁぁぁぁ!?」

榛名「ワムバムジュエル…名に違わず、輝きがあります…!」

ワムバムジュエル『何だ汝等はぁぁ?このワシの住処を踏み荒らす物はぁぁぁ!』

大鳳「いや、そんな力んで喋らなくても大丈夫ですよ」

ワムバムジュエル『ウヌゥ……!先も我が従者が討たれ、遺跡の肥やしと成る憂き目ぇぇ……!!』

霧島(従者を討たれた…黒い提督の仕業ね)

榛名(私たちの邪魔をする為に関係のない者まで…許せません!)

ワムバムジュエル『仕方あるまいぃ…我が意趣晴らしに、捻らせてくれぃ!!』グォォッ!!

開戦合図としてダイヤの手が落石の如く叩き落とされる。

大鳳「っ…いきなり!?」

比叡「あんなのに当たったら即死ですね…」

球磨「床が脆くないのが救いだクマ……」

ワムバムジュエル『グハハハハハッ!さあ、大人しく足掻けぇ!』

エスカルゴン「どっちよ!」

デデデ「総員!戦闘態勢移行だZOY!!」


「「「「「「「「ラジャ!」」」」」」」」

大鳳「さあ出番よ!パパッとやっちゃって!」バシュッ!

ボウガンからの弾は分断し、飛行機の形状を取って敵に立ち向かう。

ワムバムジュエル『ヌ…小蠅を使役するか、小賢しいぃ…!』

大鳳「せめて鳩と言ってください!」

エスカルゴン「奥さん見た~?豆鉄砲がこんなに沢山あるでGESよ~!」

デデデ「あんなデカブツ相手じゃ、鳩の様に放心させるのは無理ZOY!」

大鳳「…どっちの味方なんですか…」

ゴゴォォォォォォォ………!!

艦爆隊の攻撃によって、当たりに埃が舞い散る。

霧島「…さあ、どうかしら?」


ワムバムジュエル『ゴッデス……緩い、緩いぞよ…!』

大鳳「き、効いてない…?」

霧島「流石、宝石で出来てるだけはあるわね」

ワムバムジュエル『どんなものだぁぁ…王冠も両腕もダイヤモンド製だぞぉ…?』

デデデ「敵じゃなかったら御持ち帰りしたかったZOY…!」

ワムバムジュエル『さて…!次はこちらから行くぞぉ…!!』ギギ……!

彼の手から固い物同士が擦り合うような音がする。

榛名「力を溜めてる…?」

多摩「や、ヤバそうにゃ…!」プルプル

ワムバムジュエル『ぬぅんッ!!』ゴォッ!

球磨「よ、避けるクマっ!」

金剛「チッ…!」サッ

戦艦の砲撃を受けて尚宝の手は突き進み、こちら側の床に突撃する。
凄まじい轟音と共に先ほどのとは比較に成らない量の埃が吹き散らされる。

比叡「けほっ…大丈夫ですか!?」

金剛「大丈夫ヨ!」

木曾「だが…何時迄避け続けられるか…?」

ワムバムジュエル『目を攻撃しようとしても無駄だぁ…この手で防ぐんです…』

エスカルゴン「あの両手が邪魔いでGESなぁ」

デデデ「何とか簡単に壊せないかZOY!?」

霧島「ダイヤモンドは瞬間的な衝撃には弱い…割れるまで地道にやって行くしかないです」

ワムバムジュエル『さぁ…どうする!?』

エスカルゴン「う~ん…あっ」

デデデ「どうしたZOY?」

エスカルゴン「ちょと耳貸して?ごにょごにょ…」

デデデ「ぺにょぺにょ……あ、そうだったZOY」スッ

木曾「て、提督……それは…?」

デデデ「ハンマーだZOY!」

金剛「えぇ!?でも、New DeDeDe Hammer に改造しちゃったんじゃ…!」

エスカルゴン「あれは予備を改造したもの、こっちは初代でGESよ」

デデデ「衝撃を与えれば崩せるのだろう?ならば今使わずして何時使う!」

ワムバムジュエル『今ぞぉぉ……!』

比叡「そこ!つまんないコントをやらないで下さい!」

デデデ「それじゃ!行くZOーーY!!」ピョンッ!

霧島「提督ッ!」


スカッ

デデデ「…おろ?」

霧島「そんな距離じゃ届きませんって言おうとしたのに…」

ワムバムジュエル『ほれぇ…!』ベシッ

デデデ「あぁんっ」

情けない事に人差し指で軽く吹き飛ばされ、そのまま壁に激突する。

球磨「うぁ…目も当てられないクマ」

多摩「大丈夫かにゃ?」

エスカルゴン「多摩、ちょっと呑気過ぎでGESよ」

金剛「っ…よくも提督をッ!!」ドォォンッ!!

ドゴォォォォン!!!!

金剛「どーヨ!?」

ワムバムジュエル『………』

比叡「こ、ここはノーコメントという事ですか?」

ワムバムジュエル『』ピンポーン

球磨「でも…手を見る限りあんまり傷ついてないクマ」

木曾「やっぱり提督に破壊してもらうしか無いか…」

デデデ「やらいでかァァァァ!!!!」

ワムバムジュエル『それぇッ』ベシッ

デデデ「ざなどぅっ!」

木曾「ああもう!俺達が相手の隙を作るから待てってのが分からないのか!!」

エスカルゴン「本人はギャグのつもりでやってるからカリカリするだけ無駄でGESよ」

比叡「べ~~っ!」ベー!

霧島「ちょ、何であっかんべー!?」

ワムバムジュエル『ぶるわぁぁぁぁぁぁ!!』バァァッ!

負けじと相手も口と目を大きく開く。

エスカルゴン「アンタも乗るなよ!てか怖ぇよ!!」

比叡「その目と口にドーーーーンッ!!」ドォォンッ!!!

ワムバムジュエル『ん!?』

比叡が放った二方の弾群の一方が彼の口の中に入り、もう一方は目に向かって直進する。

ズガガガガァァァッ!!!!

ワムバムジュエル『ぐぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁッッッ!?』

多摩「にゃ…え、ええ?!」

ワムバムジュエル『あっ』ゴクッ

飲み込まれた弾丸は、彼の口の中で盛大に爆ぜる。

ワムバムジュエル『』シュゥゥゥ……

比叡「どぉですか!」

木曾「…外道め」

エスカルゴン「ドイヒーだ…ドイヒーが居る…!」

デデデ「今度こそぉぉぉぉ!!」ブゥンッ!!

動きの止まったダイヤに大王の木槌が振り下ろされる!

ガギッ…!!

金剛「こ、今度は当たったネ!」

ピシッ…パシッ……

霧島「ひ、罅が…!」

罅は次第にダイヤの手の全域に広がり、ゆっくりと崩れ落ちる。

木曾「おぉ…やったな!」

榛名「後は左だけですね!」

すんごく遅くなってごめんなさい……
MI作戦でボーキが逝ったのとスランプで放置してしまいました…


ワムバムジュエル『おのれェェ…!!』ゴゴゴゴゴ……!

デデデ「だっはははははは!玉砕!粉砕!!大喝采ッ!!!」

エスカルゴン「あんたは大王でしょうが!」

球磨「自称じゃなかったクマ?」

ワムバムジュエル『ふんッ!』バババッ!

残された手は横に移動しながら爆弾を落とす!

多摩「ば、爆弾だにゃ!?」

霧島「散って!!」

榛名「は、はい!」

ボゴォォン!!

エスカルゴン「何やってんの陛下!さっさと安全な所へ!」

デデデ「否!ワシは退かんZOY!!」

ワムバムジュエル『ふん!愚かな探求者よ、消え去れッ!』

大鳳「提督っ!!」

落とされた爆弾がデデデの頭上に迫る!



デデデ「バッター、第一球!」ズッ…

ガキィンッ!

榛名「跳ね返した!?」

ワムバムジュエル『何っ……ごぁぁッ!!』ドガァァァン!!

デデデ「相手に当たった!そしてすぐさまバッターが走る!」ダッ!

そのまま一気に片方の腕まで跳躍し、木槌を振り上げる!

デデデ「デデデ選手、そのまま打ち崩すっ!!」ドガッ!!

エスカルゴン「さっきから何よその実況者みたいな喋り方!」

バリィンッ!!!

木曾「おぉ!両腕を破壊した!」

デデデ「とどめZOY!!」

渾身の力で吸い込み、ワムバムジュエルを吸い寄せる!

デデデ「どぅぉりぁァァァァァァァァァ!!!!」

ボガッ!!バゴッ!!!

比叡「ちょ、流石に殴り過ぎ!?」

大鳳「私がトレーニングに付き合わせた所為…?」オロオロ

霧島「どうしてオロオロするの…」

デデデ「ほっ!」ガッ!

敵をそのまま打ち上げ、巨大な爆弾を取り出す!

球磨「今度は爆弾!?」

木曾「お、オーバーキルするつもりか?!」

ハンマーを持つ腕にに力を入れ、そのまま勢いで…!


デデデ「ワンダフル・グランドフィナーレ・デデバーストッ!!!」ドガッ!!

必殺技の名前と共に飛ばした爆弾は、そのままワムバムジュエルの体に向かう!

ドガァァァァァァァン!!!

ワムバムジュエル『ぐぅぅぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁァァァァァ!!!』

打ち出された爆弾は、ダイヤの王の体を粉々に爆砕する!

デデデ「決まったZOY!!」

金剛「」ポカーン……

そのまま降り立ち、木槌をしまうデデデ。

デデデ「さあ、お前達も早く艤装解除するZOY」

木曾「お、おう…」

それと同時に艦娘達も艤装を解除し、普通の人間の姿に戻る。
遺跡には、再び静けさが戻った。

エスカルゴン「陛下、ちょっと質問いい?」

デデデ「何ZOY?」

エスカルゴン「何よさっきのセリフ、必殺技でGESか?」

デデデ「『ワンダフル・グランドフィナーレ』の部分はつい口が滑ったZOY」

大鳳「つまり…殆ど提督のアドリブと」

デデデ「うむ、アドリブは得意だZOY」

榛名「素敵です!榛名、感動致しました!」キラキラ

比叡「だ、ダメ!榛名はそのままで居て!!」

木曾「…」

球磨「どうしたクマ?」

木曾「いや、あんな爆弾何時手に入れたのか…」

球磨「あ、それは気になるクマ」

デデデ「爆弾をどう手に入れたかだと?」

木曾「ああ」

デデデ「エスカルゴンに作ってもらったZOY」

木曾「まぁ、そうなるか」

エスカルゴン「何でGESか!その『私が作って当たり前』みたいな目!」

球磨「違うクマ?」

エスカルゴン「いや違わないけどさぁ!もうちょっと他に考えつかないの!?」

木曾「さぁ…どうなんだ?」

霧島「……」

比叡「……」

金剛「……」

エスカルゴン「……」

デデデ「という訳だZOY」

エスカルゴン「は~…信頼されてるのか、パターンと見られてるのか…」

榛名「私は信頼していますよ?」

エスカルゴン(おぅ…ス、ストレート…!?)ドキッ

デデデ「さぁ、邪魔者も居なくなったし、さっさと外に出るZOY!」

球磨「おー!!」

タッタッタッタッ……

???「…ワムバム一族の王を倒したか…」

龍驤「えらい凄い戦いやったなぁ」

???(フフ…この計画、少しは面白みが出そうだ…)

龍驤「所でキミ、誰や?さっきはあんな変態な行動して」

???「………散ッ!」バッ!

龍驤「あっ!逃げた!」

ポツン……

龍驤「全く…何やねんアイツ…マントの下黒いボールだったし」

龍驤「……ま、良っか、お仕事お仕事」

ーーー洞窟の外ーーー

金剛「んーっ!空気が美味しいネー!」

デデデ「暗い所に居たから眩ちいZOY」

エスカルゴン「結構お宝取れたでGESなぁ」

榛名「ええ、皆にこんな物が取れたと話すには十分では無いでしょうか?」

グリル「へぇ、良い成果上げられたって事かー」

比叡「ええ、文句なしです!」


比叡「……ってタマネギさん!?」

グリル「タマネギじゃない!グリルだっての!!」プンスカ

デデデ「どははは!グリルよ見たか!ワシらはもう宝を大体手に入れてしまったZOY!」

グリル「だから知ってるって!」

エスカルゴン「途中、変な奴らに会いまくったでGESが」

グリル「例えば?」

エスカルゴン「え、えーと…仮面を付けてマントを羽織った変なウニ頭の剣士だったり…」

グリル(ウニ頭…まさか…)

グリル「ねえ、マントの下ってどうなってた?」

エスカルゴン「え?確か……黒い球体だった気が…」

グリル「……!」

球磨「それはそうと、ドロッチェ団の奴らに出会ったクマよ」

グリル「あ!それそれ!どうだった?ちゃんと足洗うって?」

木曾「いや、話してみれば割と悪い奴らでも無さそうだったぞ」

グリル「そぉ?」

霧島「ええ、何かに操られた守護者と戦っている時の窮地に助けてくれましたもの」

グリル「へぇ、割とバカな奴を放っとけないタイプかな?」

球磨「バ、バカって…」

グリル「…あ、口が滑っちゃった。イカンね…遺憾です」

デデデ「その駄洒落に免じて許すZOY」

金剛「マキシマムトマトも役立ったヨ!thank you!」

グリル「…貴方達は強いねぇ、やっぱり」

大鳳「当然です、皆を守るのですから」

グリル「…なるほど、じゃ。後ほど?」

多摩「えぇ~…もうちょっと話したいにゃ」

エスカルゴン「うち等が忙しいのと同じでグリルも忙しいんだから無理言わないの」

比叡「では、また会う日まで!」

グリル「うん!気をつけてなー!」

タッタッタッタッ………

グリル(…やっぱ、師匠の言う通り。か…)

グリル(デデデ……今回もまた大変な事になるよ…)


ーーーカブーラー 船内ーーー

デデデ「さて!我々はこれより、ププヴィレッジに帰還するZOY!」

金剛「ハーイ!」

大鳳「紆余曲折ありましたが、楽しかったですね!」

木曾「それにしても…何故あの黒い提督はここに来ていたのか?」

球磨「決まってるクマ、スターロッドと魔法の絵筆を奪いに来たクマ!」

デデデ「じゃあ何故あいつ等は持っていなかったZOY?」

球磨「うーん、そう言われると…」

木曾「案外下らない理由だったりしてな」

霧島「あり得ないわ…と言いたいけど、あの白い深海棲艦がウロコに夢中になってた事を考えると…」

エスカルゴン「でもワムバムジュエル嗾けたじゃないでGESか」

大鳳「むー…そこがねぇ…」

デデデ「まぁ、考えていても仕方ないZOY」

金剛「YES!触らぬ謎に祟り無しネー!」

デデデ「もっとマシな台詞は無いのかZOY?」

霧島「触らなかったら何も分かりませんよ?」

金剛「首突っ込んでそのまま千切られるのも駄目ヨ!」

エスカルゴン「何よそのグロい例え…」

榛名「さあ、帰りましょう!」

多摩「早く大量の小判に埋もれたいにゃー」

デデデ「やるならこっそりやるが良いZOY」




マジルテを探索し、ほんの一部の財宝を持ち帰ったデデデ一行。
ドロッチェ達やグリル等、新しい人物とも接触した。
しかし、洞窟にローパー達を送り込んでブラックデデデが何をしようとしていたのかは分からない。
付き添っていた未確認の深海棲艦の正体も、未だに分かって居ない。
果たしてこれから先何が起こるか、どんな運命が待っているか。
そして、三ツ星の杖と魔法の絵筆が、まさか彼らを新たな戦いに誘うなど


今のデデデ達には、知る由もない……



第2話 『お宝いっぱい!マジルテ哨戒作戦!』

作戦終了、我帰投ス。








おまけ

『深海の空母のお話』


ーーーシークレットシー海域 深海棲艦急設本部ーーー

ゴボボ……

ヲ級「……」

南方棲鬼「あ、ヲ級ちゃん?どうしたのさ?そんな辛気臭い顔してさ」

ヲ級「あ…南方棲鬼様……」


ヲ級「皆、ここに慣れていないからか落ち着きが無いなと…」

南方棲鬼「ま…急に訳の分からない星の海に飛ばされて、おまけに変な奴らが彷徨いてるとなりゃね」

ヲ級「…早く、落ち着いて行動出来ると良いな…」

南方棲鬼「……」

南方棲鬼「さて、と…」

ヲ級「…?」

ゴボ………


南方棲鬼「貴方、あそこに居て楽しかった?」

ヲ級「え…?」

南方棲鬼「ホラ、あのペンギン提督…名前何つったっけ…」

ヲ級「デデデ」

南方棲鬼「良く覚えてるね…」

ヲ級「あの人は…私にとって大切な人…初めて私達に優しい目を向けた…」

南方棲鬼「その割には結構容赦無かったけどね」

ヲ級「でも、あの虫達から救ってくれた」

南方棲鬼「…あの時は本当にお世話になったよ、今はあの虫達と仲良く出来てるのかな」

ヲ級「今まであそこに居た時、私達を拒絶する目しか向けられなかったから…」

南方棲鬼「そう…でもさ、もっと大切な人も居たんじゃないの?」

ヲ級「もっと…大切?」

南方棲鬼「そう、尊敬や感謝とは違う、友達や同僚みたいなさ」

ヲ級「………」


ゴポッ………

ヲ級「赤城……さん…?」

南方棲鬼「へぇ、赤城さんって言うの」

ヲ級「いや…何故か先に思い浮かんで来て…」

南方棲鬼「それなら大切な人と一緒でしょ?デデデと同じくらいのさ」

ヲ級「……」

南方棲鬼「で?赤城さんと何してたの?」

ヲ級「………艦載機の上手い使い方を教えてくれた」

南方棲鬼「ほほう」

ヲ級「ほら、私達って今までゴリ押しだったから、戦術ではからっきし」

南方棲鬼「あー、霧と同じ風にね」

ヲ級「私も、飛ばして数で押す事しか知らなかった…そんな時に、赤城さんが上手い使い方を教えてくれた」

南方棲鬼「へぇ…つまりアナタの大切な同僚は、赤城さんだったワケね」

ヲ級「…それに…」

南方棲鬼「それに?」

ヲ級「……始めて会った気がしない、赤城さんとは…」

南方棲鬼「…」

ヲ級「何だか…昔から知り合っていた様な…あんな風に一緒に艦載機を飛ばしたのも、懐かしい気がして…」

南方棲鬼(そろそろ、記憶が戻る頃合いかな…?)

ヲ級「…ごめんなさい、変な事を言って」

南方棲鬼「…別に?そう言った昔の記憶が出てくるのって、珍しい事じゃないから」

ヲ級「昔……?」

南方棲鬼「…そう、アナタが私達にとって初めての『空母ヲ級』となる前の」

ヲ級「…………」


ヲ級(これは…何…?思い出せない…)

ヲ級(あの…赤城さんと一緒に居るのは誰?)

コポ……

ヲ級(私は、誰?)



南方棲鬼「……ま、色々あるのよ、ウチにはさ」

ヲ級「…」

南方棲鬼「秘密抱えてんのはアナタだけじゃないから、皆抱えてる」

ヲ級「南方棲鬼様も?」

南方棲鬼「うん、何でか今になっても思い出せないけど」

ヲ級「……そう、ですか…」



南方棲鬼「…さ、仕事に戻るよ。早く皆が安心出来るようにしなきゃ」

ヲ級「…ヲ…」


『深海の空母のお話』

おしまい


ーーー次回予告ーーー


ブン「カービィー!遊びに来たぜー!」

シーン……

ブン「…あれぇ?」

フーム「変ね…返事が無いなんて…」

ブン「むぅ…カービィー!!返事しないならご飯食べさせてやんないからなー!!」


<ぽよー!

フーム「あ!居たわ!」

ブン「本当だ!おーい!こっち来ーい!」

カービィ「ぽよー!」

カービィ02「ぽよーっ!」ピョンッ

フーム ブン「「えっ?」」

カービィ03「ぽよ~!」

カービィ04「ぽよぽよ!」

カービィ05「ぽーよ!」

ゾロゾロゾロゾロ……

フーム「……カービィが…」

ブン「いっぱい……」


「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇぇぇッ!!?」」

         ーーー陛下と艦娘と黒の大王ーーー
             ーーー第三幕ーーー

                       本
                 骸     外
                 中     題
                 百
                 乱
                 十
                 桜

               通称:髑髏団

                お楽しみに

書き始めてから約6ヶ月、ようやく第二話完結…
情けない事に、二話を書いている途中からだんだんとダレかかってしまい、
投稿も一日一回ペースにダダ下がりし、遂には失踪しかけました。
そんな中でも、話を再び書こうという気持ちを再熱させてくれたのは
ここまで見てくれた視聴者の続きを要望する気持ちがあったからです。
視聴者の皆様、本当にありがとうございます。そして申し訳ありません
皆様の気持ちを裏切りかけた償いは、最早ジャンピング土下座をし、より面白い話を書く他ありません。
これからは、出来るだけ一日に沢山進めたいと思います。

こんなバカな作者ですが、宜しくお願いします。

艦隊がマジルテから戻ってから数日後…


ーーーデデデ城 廊下ーーー

卯月「だん、だだだ、だん、だん、だん、だだだだんだだん♪」ズンズン

卯月「い~つで~もあ~ら~あらう~ふっふふ、やさ~しいた~つた~♪」ララ~♪

卯月「でも本当は、こ~わ~い~ぴょん、う~らの~かおっ♪」クルクルッ

ガチャッ……

皐月「笑ってお仕置きご~ま~か~し、続~き~を、押ーしっつけ♪」ゴソゴソ

龍田「……」ニコニコ

卯月「ホ~ント、怖す~ぎ~るよ~♪」

龍田「…」チャキッ

卯月「で~も頼り~にして~るよ、龍田さんっ♪」


龍田「……あらぁ」

卯月「…あ"っ」

皐月「聞こえたぞ~?先輩の悪口はいけないんだぞ!」チャッ

龍田「…」ニコニコ

卯月「あ、あ、あのいや!こ、この口に特別な意味は無いぴょん!」

龍田「慌てなくて大丈夫よ~」

卯月(た、タツタ=サン…)


龍田「お仕置きは直に終わるから、早く受けましょうね~?」

皐月「あの、くれぐれも魚雷当てるだけでお願いしますよ?」

卯月「あ、あわわ…ヤバいぴょん、こ、こうなったら…」

皐月「『逃げるんだよォォォーーッ!!!』とでも言うつもりだったのかな?」

卯月「あ!それいいぴょん!」

皐月「えっ」

卯月「という訳で!ばいぴょんぴょらぴょーーん!」ダッ

ガチャッ

卯月「あんばらんすっ!」ドゴォッ!!

天龍「あ?」

龍田「あら~、天龍ちゃんナイスよ~」

卯月「」T.K.O!!

天龍「そんな事より聞いてくれよ龍田!」

皐月(そ、そんな事って…)ガーン

龍田「どうしたの~?」

天龍「カービィの奴、コピー能力だけじゃ飽き足らず、今度は10人に増えたんだってよ!」

龍田「え~?そんなに要るかしら~?」

天龍「いま村の広場に居るっていうからさ、早速行こうぜ!」

龍田「はいはい、じゃあ今から行きましょっか~?」

天龍「そう来なくちゃな!おい皐月!ソイツも連れてくぞ、背負っとけ!」

皐月「えぇぇ…分かったよ…」

卯月「」ヒョイッ

天龍「じゃ、さっさと行くぜッ!」ダッ!

龍田「待って~」

ーーーププヴィレッジ 広場ーーー

ザワザワ…ザワザワ…

天龍「おーい!カービィはどこに居んだー!」

フーム「あ…天龍さんに龍田さん!」

皐月「ボクらも忘れてもらっちゃ困るけどー!?」

フーム「ふふ、ごめんなさい」

皐月「たく…」

ブン「それより見ろよ、カービィが…!」

天龍「お、噂の10人カービィってのは此処か…?」



カービィs「「「「「「「「「「ぽよ~」」」」」」」」」」


天龍「ほぉぉぉぉ…」キラキラ

龍田「あら~、選り取り見取りね~」

エスカルゴン「こうも沢山居ると中々に創刊…いや違う、壮観でGESな」

皐月「い、居たんだ!」

天龍「な、なあ、埋もれて来て良いか?」

ブン「何言ってんだよお前…確かに気持ち良さそうだけどさぁ…」

龍田「でも、どうして急に増えたのかしら~?」

フーム「それが…分からないの」

エスカルゴン「それに、どうやらこの10人という数まで分解されると吸い込みが出来なくなるらしいでGES」

皐月「マジで!?じゃあ今敵に来られたらヤバいじゃん!!」

天龍「おい急に大声出すなよ、コイツらが怖がるだろ」プニュプニュ

ブン「さ、早速埋もれてやがる…」

フーム「もう…」

エスカルゴン「…一体、何だってこんなわらわらした姿に…」

キュリオ「ううむ…確か前にこれと同じ出来事が記された石盤があった様な…」

天龍「へえ、でもゆっくりで良いんじゃねーか?」ムニュムニュ

フーム「良い訳無いでしょ、キュリオさん!その石盤を探して来て!」

キュリオ「分かった、直に探してこよう!」

エスカルゴン「まあ、敵に張り付いてぽかぽか殴りゃそれなりに対処出来るんじゃないの?」

龍田「何だか何処かの運送屋が敵を倒すのに小さな生き物を張り付かせてるって聞いたわね~」

天龍「へー…」ムンズ

フーム「そこ、投げようとしちゃダメよ」

天龍「ちぇっ…へいへい」

皐月「だけどどうして分裂したのかなぁ?」

ブン「ほんとだよな、しかも吸い込みまで出来なくなってるし」

「あ、あのー」

エスカルゴン「カワサキ、何か質問でGESか?」

カワサキ「今朝…カービィの家の方に紫色の雷が落ちたけど、まさかそれとは関係ないよね?」

天龍「紫色の雷ねぇ」

エスカルゴン「…あ、トッコリなら何か知ってんじゃないの?」

ブン「あ、忘れてた」

フーム「先ずはトッコリを探した方が早いかしら…」

「よお、お呼びかい?」

天龍「…コイツが噂のトッコリか?」

龍田「随分と美味しそうね~」

トッコリ「んだと!?」

皐月(た、龍田さんに歯向かった…流石だ…)

ブン「おい!トッコリは何も見てねえのか?」

トッコリ「見てないどころか、うっかり第二の被害者に成りかけるところだったんだぞ!?」

フーム「じゃあ教えて!その時何が起こったの?」

トッコリ「おいおい…そんなに聞きてぇのか?」

皐月「…うん!」

龍田「………ふふ」ニコッ

トッコリ(!?)ゾッ

トッコリ「ま、まあ…話してやっても良いけどよ」

エスカルゴン「話が終わったら餌をやるでGESよ」

トッコリ「俺はオウムか!!…耳の穴かっ穿じってよく聞けよ」

フーム「…」ゴクッ…

ーーー遡る事、朝ーーー

日が柔らかく照る朝。周りはすっかり明るい一日を迎える準備が出来ていた

トッコリ「ふわぁぁぁ…やっぱ枝で作った巣は最高だなァ…」

そんな柔らかな空に、突如黒い雲が…

トッコリ「…ん?何だ?大雨でも降ろうってか?」

当然そのあまりにも突拍子も無い異変に、普通の事が起きる事も無く…

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=n9Y2giJ6kDM(ドクロだんのテーマ)


???「ワッハッハッハッハッハ……!」

そこに、大量のドクロの様な物と、杖を持った一際大きなドクロが居ました。

トッコリ「ななな、何だありゃ!?」

???「さらば、カービィ!!」ビカッ!!!

そして大きなドクロは、手に持った杖から雷を落としてカービィの家に直撃しました。

トッコリ「ぐわぁッ!?」

哀れトッコリも吹き飛ばされ、カービィの家からは至る所から煙が出ていました。

???「これでカービィも形無しだ…フッハハハハハハハハッ!!!」

満足そうに勝利の笑いを上げると、ドクロたちは一斉に消えて行きました。

トッコリ「……」ポカーン

ーーーそして、現在ーーー

トッコリ「…って事があってだな…」

フーム「…カービィはそのドクロに分裂されたのね?」

トッコリ「間違いねぇ、絶対アイツらの仕業だぜ!」

カワサキ「でも~、何で雷を当てようと思ったんだろーねー?」

ブン「カービィを弱くするためじゃねえの?」

エスカルゴン「何か悪い事をしようってんなら、此処で一番強いカービィを弱体化させようというのは理に適っちゃ居るでGESが…」

皐月「むむ…何だかきな臭いなぁ…」


「フーム様!見つかりましたぞ!」

フーム「キュリオさん!見つかったのね!」

キュリオ「うむ、この石盤に違いない!」

天龍「早速読んでみろよ」

キュリオ「えーと…」


キュリオ「昔、星々を闇に包んでは自らの住処とする宇宙でも名高い悪党団が居た…」

キュリオ「その団の名前は『ドクロ団』、そしてその首領は『ネクロディアス』と名乗っていた記録があるんじゃ」

フーム「ネクロ…」

皐月「ディアス?」

エスカルゴン「ギリシャ語のNecroとラテン語のDeusで死神と言う意味でGESな」

天龍「死神…強そうじゃねぇか」

キュリオ「死神か…星を闇に包む理由は分からないが、もしかしたら闇に包んだ星の生命の魂を奪っているのかもしれんのう」

ブン「げぇ……またとんでもねぇヤツじゃん…」

龍田「…そのネクロディアスに、このポップスターが目を付けられたって事~?」

キュリオ「うむ、無理も無い話じゃ…なんせ此処は、光り輝く美しい星じゃからのぉ…」

カービィ01「ぽーよ」

天龍「で?どーすんだ?」

トッコリ「今から探すったって、何処に消えたかまでは知らねーぞ?」

フーム「ううん…確かに行き詰まってるわね…」

エスカルゴン「今度こそ間違いなくデデデ王国最大のピンチでGESな」

皐月「いや、ププヴィレッジだった筈だよ」

「どっはっはっはっはっはー!」

皐月「あ、その声…」

カワサキ「陛下!」

デデデ「ワシが正義のデデデZOY!」

シーン………


デデデ「音はまだかー!」

弥生「そんな事言われても…」

エスカルゴン「何やってんのよアンタ!さっさと会議を開くでGESよ!」

龍田「会議?」

フーム「ネクロディアス達にどう対処するか話し合うのね?」

エスカルゴン「うむ、一歩遅れたらガメオベラでGESからね」

デデデ「分かっておる…者共、カービィを城の中に連れて行けぃ!」

ワドルドゥ「は!総員、かかれーっ!」

ゾロゾロゾロ……

カービィs「「「「「「「「「「ぽ、よー?」」」」」」」」」

ワドルディ達はそれぞれ一人ずつカービィを抱えて城に向かう。
その姿はさながら巣に戦利品を運ぶ蟻の如し。

エスカルゴン「はいはーい、運んで運んでー!」

フーム「ちょ、ちょっと!私達は!?」

エスカルゴン「子供にはまだ早いでGES!」

ブン「でもおれ達抜きで大丈夫なのかよー?」

天龍「王に仕える兵士となりゃぁ不足の事態に備えるだけで終わらず、付いてくる部下達の英気も養わなきゃならねぇ」

天龍「結構大変なんだよ…対策時に部下でもないガキまで話は入れてやれねえな」

トッコリ「んな言い方ねぇだろ!!」

龍田「大丈夫よ~、提督が助けを求めたら話に入れてあげるから~」

フーム「うー…」

皐月「安心してよ!ボクらでちゃちゃっと立ててくるからさ!」

弥生「…」コクコク

フーム「…じゃあ話が行き詰まったら呼んでね?」

天龍「へっ、国民に助け求めるほど落ちぶれちゃ居ねぇよ」

カワサキ「あのー、一応大臣の娘だから姫様って事に成るんじゃないの?」

天龍「う、うるせぇ!行くぞお前等!」

龍田「はいは~い」

皐月「ちょっと!置いてかないでよー!」

タッタッタッタッ……

ブン「早…」

フーム「…心配だわ…」

ーーー数十分後 デデデ城ホールーーー

デデデ「えーという訳で、お前達に諸人挙って貰ったのは他でもないZOY」

エスカルゴン「カービィを十人に分裂させたネクロディアス、ドクロ団にどう対抗するかでGES」

摩耶「はーい」バッ

エスカルゴン「久しぶりの摩耶クン、何か質問でGESか?」

摩耶「何時に成ろうと、やっぱ最終的には倒すんだろ?」

デデデ「当たり前ZOY」

摩耶「なら簡単じゃねーか、そのネクロディアスって奴を探し出すのはどうだ?」

エスカルゴン「だからどうすんのよ?」

摩耶「そりゃぁ、水上偵察機やアタシらが海に出向いて奴らについての情報を…」

天龍「でも結局ザコしか探せねぇじゃん、根本的な解決が出来る前に侵略されちまうよ」

ワドルドゥ「ええ、確実に、且つ迅速にドクロ団を討伐する方法を考えるべきです」

摩耶「んー…」

大和「あのう…」

デデデ「大和か、どうした?」

大和「やはり摩耶さんの言う通りに、こつこつと親玉を誘き寄せるしか無いのでは…」

デデデ「だからそれじゃあ時間がかかり過ぎるZOY」

摩耶「でもそれ以外に何があるんだよ?」

天龍「ぐぬぬぬ……」

皐月「もう早速行き詰まってるね…」

弥生「…」ソロソロ……

暁「あ、はいはい!」

デデデ「何ZOY?」

暁「餌で釣るって言うのは?」

摩耶「好きな物が何なのか知ってんのかよ」

暁「知らないわ、だから先日取って来たお宝で釣るのよ!」

エスカルゴン「んで、艦隊総出でフルボッコと?」

暁「ええ、奴らを誘き寄せるにはそれしかないわ!」

大和「成りません」

暁「えぇっ?!」

大和「そんな方法で勝っても…意味はありません」

暁「でも…」

長門「大和の言う通りだ…誘き寄せて叩く等、下劣の極みだからな」

陸奥「そうよ、迅速に確実にも大事だけど…やっぱり誇りを捨てる様な事はしちゃダメよ」

暁「うぅ…」

エスカルゴン「もう八方塞がりでGESな」

デデデ「ならば…カスタマーサービスに相談ZOY!」ピッ


ヴン

カスタマー『これは陛下、本日もまたご機嫌麗しゅう…』

デデデ「黙れ!ドクロ団に付いて何か知っている事は無いのかZOY!?」

カスタマー『ドクロ団ですか、それなら聞き及んでいますよ』

天龍「本当か!?」

カスタマー『商売客が住む星を幾つも落とされ、我が社としても大変解決せねば成らない問題でして…』

エスカルゴン「今までさんざん悪徳商法を行なって来た罰でGES」

デデデ「貴様らがどうなろうとワシらには関係ないZOY、苦しめ苦しめ」

カスタマー『ホホホホ、またまたキツいご冗談を…』

カスタマー『…でしたら、全ての艦娘を艦隊ごとに分け、全ての地域に展開して探すというのはどうでしょう?』

デデデ「なぬ?」

カスタマー『つまり、ポップスター全土に艦隊を展開し、各地から情報を掻き集めるのです』

エスカルゴン「それだったら深海棲艦に協力を要請した方が早いでGESよ」

カスタマー『ではシークレットシー海域に赴くのですか?』

天龍「…ま、あいつ等なら強いし大丈夫だろ」

陸奥「数もこちらより上ね、それで行きましょうか?」


弥生「…提督」グイグイ

デデデ「あ!お前会議をさぼって何処に行ってたZOY!」

弥生「…ん」

フーム「じー…」

エスカルゴン「あ"…ふ、フーム!」

フーム「デデデ、やっぱり困り果ててる?」

弥生「私が連れて来た」

エスカルゴン「何やってるのよ!」

フーム「デデデ、そういう時は誰かに相談するのが一番よ?」

デデデ「今カスタマーに相談しているZOY」

フーム「そんな怪しい人の事を信用するの?」

デデデ「…」チラッ


カスタマー『……』

デデデ「…まあ、色々と問題はあるが…」

フーム「それよりもっと頼りになる人に相談したら?」

エスカルゴン「頼りになる……」


長門「…あ、セクトニアはどうだ?」

デデデ「セクトニア…おぉ、そいつが居たZOY!」

フーム「確か、ここよりずっと上にある国の女王様なんでしょ?」

ワドルドゥ「そんなお方の元に連絡が行くんですかねぇ?」

カスタマー『それなら、たった今より回線をセクトラトアに移行しますので、御緩りと…』

エスカルゴン「え、ちょっと事前に連絡をs」

ザザザザザ……

長門「…砂嵐か、もう移行する準備がされているのか」

デデデ「全く人の話を聞かなくて困った奴だZOY」

ザザザザザザザザ………ビュン!

タランザ『…フンフフン…シャボン……』

映し出されたのは、タランザの入浴風景だった。

フーム「え…誰?」

エスカルゴン「タランザ、セクトニアの側近でGES」

デデデ「人格を一言で表すならば…『タランザは切なくて女王様に出会うとすぐキュンキュンしちゃうの』だZOY」

大和「普通に女王様大好きで良いと思います」

タランザ『……何もかも清潔に、ハニー石けんなのね!』

天龍「はぁ?」

カチッ……ザザザザザ…

エスカルゴン「え、あれで終わりぃ!?」

長門「今のは…CMか?」

デデデ「おのれ…デデデ石けんのCMをパクりおって!」

エスカルゴン「あ、でも本当に発売はしてないからセーフなんj「グキャッ」っっぉ……!!?」

デデデ「言葉を慎めというのが何故分ーかーらーんZOY!!」

弥生「ダメ…し、死んじゃう…」

カチッ

セクトニア『おお、すまぬすまぬ…今この国の放送で使う広告が流れてしまったようだ』

フーム「この人が…セクトニアさん?」

デデデ「それはそうと、あのCMはワシらのCMをパクっt」

セクトニア『さて本題に入ろう、本日はどの様な問題がある?』

デデデ「スルーされたZOY!」

フーム「ドクロ団の事、知らない?」

セクトニア『ふむ…ドクロ団か」

長門「ああ、そいつの頭領ネクロディアスにカービィが10人に分裂された」

セクトニア『フロラルドは長い事天空から色々な事を見て来た筈。ドクロ団に付いても分かるだろう…暫し待ってろ』


デデデ「おお、何だか分かりそうだZOY!」

フーム「ほらね、信用出来そうな人に相談するのが一番よ?」


セクトニア『ふむ……此処だ、有ったぞ』パララララララ……ピッ

エスカルゴン「本当でGESか!?」

セクトニア『えー…宇宙歴史書第4章、命を食らひて生くる者』

天龍「何か凄いかっけぇ題名だな」

セクトニア『だろう?今考えたのだ』

皐月「えっ?」

セクトニア『んん……昔、星々を渡りては闇に包み命を食らう者達が居たそうだ』

フーム「それが…ドクロ団…」

セクトニア『長い年月を生き、魂を食らい、力と体を成長させた者が頭領となり、悪の組織としてドクロ団を立て上げた』

陸奥「それがネクロディアスね」

デデデ「そんな解説は良いから、早く対処法を教えるZOY」

セクトニア『…彼らはその力を支えるだけの器を長い時を経て作り上げ、それを本拠地にして宇宙を彷徨う様になった』

フーム「その本拠地って言うのは!?」

セクトニア『通称:ネクロネビュラ、それは宇宙の果て無き道を行き、目に付いた星を闇に落とす…』

摩耶「…そのネクロネビュラってのは何処にあんだ」

セクトニア『この星に接近している、そこからドクロ団は侵略して行く』

デデデ「ふむ…近くに有るのか」

セクトニア『ああ…特にフロラルドからは丸見えでな、何時襲われるか国の皆も不安を抱えている』

長門「良し…それで、どうやって行けば良い!?」

エスカルゴン「普通にローアじゃ駄目でGESか?」

セクトニア『駄目だ、普通に近づけば周囲を覆う黒雲に擂り潰されるぞ』

天龍「…なんだと…!?」

フーム「じゃあどうするの!?これじゃあ一方的じゃない!」

セクトニア『無論、こじ開ける手だてはある』

デデデ「早く教えるZOY!!」

セクトニア『分かった、一刻を争う状況なのだな…その手だてとは、『虹の秘宝』だ』

エスカルゴン「虹の秘宝?」

セクトニア『うむ、その凄まじき光の力は黒雲すらも消し去るだろう』

大和「それは何処に…?」

セクトニア『今は五つに分けられ、この星の何処かに隠されている』

セクトニア『リップルフィールド、アイスバーグ、イリュージョンアイランズ、マグマウンテン、そしてサラサンドーラに欠片がある』

エスカルゴン「そりゃまた色んな所に…」

デデデ「ふむ…艦隊を同時展開し、一気に集めてしまうかZOY」

フーム「皆は何か異議はないー?」

大和「特に有りません」

天龍「対処法見つかればこっちのモンだ!」

デデデ「ぐふふふ…これで奴らに一泡吹かせられるZOY!」

セクトニア『どうやら、方針は定まった様だな』

フーム「セクトニアさん、ありがとうございます!」

セクトニア『フ……揃ったらフロラルドまで来い、そこで秘宝を完成させるのだ』

長門「感謝するぞ…セクトニア」

セクトニア『直にでも始めた方が良い、数日以内にこの星が闇に包まれる』

デデデ「うむ、ワシらに全て任せるZOY!」

セクトニア『では、無事を祈るぞ…』

プツンッ

デデデ「よし、これで何をするかは決まったZOY」

摩耶「その秘宝の欠片がある所を探せば良いんだよな?」

エスカルゴン「ただ時間が無いのも事実でGES、その五つの土地に艦隊を同時展開し、一気に獲得するでGESよ」

天龍「任せな、あっという間に取って来てやるからよ」

フーム「場所は分かるの?」

エスカルゴン「世界地図でも持たせときゃ良いでGESよ」

デデデ「それより編成ZOY!」

エスカルゴン「今回もお前達の挙げ手で決まるでGESぞ」

フーム「じゃぁまずは、リップルフィールドに向かう人ー!」

デデデ「分かってるとは思うが一艦隊につき、六隻までだZOY!」


ーーーーーー

ーーー数十分後ーーー
リップルフィールド担当
旗艦:長門
天龍
龍田
弥生
皐月
摩耶

アイスバーグ担当
旗艦:陸奥
赤城
瑞鳳
球磨
多摩
木曾

イリュージョンアイランズ担当
旗艦:北上
大井
島風


卯月

マグマウンテン担当
旗艦:大和
武蔵


エクゼター
大鳳

サラサンドーラ担当
旗艦:金剛
比叡
榛名
霧島
吹雪
那珂

デデデ「では、この編成で行くZOY!」

エスカルゴン「渡した世界地図を頼りに任務を遂行するでGES!」

一同「了解!」

フーム「…大丈夫かしら…?」

デデデ「では総員、出撃してくるZOY!」

敬礼を取った後、グループに分けられた艦娘達がそれぞれ別の方向に出て行く。


フーム「上手く行くかしら…?」

エスカルゴン「探し物をするだけだし大丈夫でGESよ」

デデデ「カービィ達はここに居させるZOY」

フーム「え…?」

エスカルゴン「ん?何か文句あるの?」

フーム「い、いいえ?ただびっくりしただけよ、カービィを城に置いておけなんて」

デデデ「嵐を呼ぶ~それがワシ~♪」

エスカルゴン「森まで泣いて~困っちゃう~♪」

フーム「…暫く待ってましょ」

デデデ エスカルゴン(無視かよ…)


風邪ひいちまった、だるい。

ーーー艦隊が出撃してから数時間後ーーー

夕立「…しくしく…私だけ会議に呼ばれなかったっぽい…」

*忘れてました

「…」ポンポン

夕立「…なあに?ワドさん」

バンダナ「わぎゃ」

夕立「…?バンダナって呼んで欲しいっぽい?」

バンダナ「わぎゃ!」

夕立「私は夕立よ、宜しくっぽい?」スッ

バンダナ「わぎゃ」ギュ

夕立「…あのね、私…会議に呼ばれなかったんだ。会議があった事を聞いたのも終わっちゃった後だし…」

バンダナ「わぎゃ?」

夕立「何でかな?私じゃ力不足っぽい?」

バンダナ「わぎゃわぎゃ」フルフル

夕立「…きっと忘れちゃってたって言いたいの?」

バンダナ「わぎゃ」

夕立「うーん…まあ、数が多かったら忘れちゃう事もある…のかな」

バンダナ「わぎゃわぎゃ」

夕立「…そっか、そうだよね。ありがとうバンダナさん!夕立、元気をもらったっぽい!」

バンダナ「わぎゃー」

夕立「よし!私もへこたれずに頑張るっぽい!」


突如、謎の光弾が地面に直撃する。

夕立「きゃっ!?」

バンダナ「わ、わぎゃ!?」

第二、第三の弾が矢継ぎ早に地面に落ちては爆ぜる。

夕立「て、敵襲っぽい!!皆が居ない時に仕掛けるつもりね!?」

バンダナ「わ、わぎゃわぎゃわぎゃ!」

夕立「は、早くお城に…!」

バンダナ「わ、わぎゃぎゃ!!」

夕立「え…!?」

バンダナワドルディが指差す先には、異形の魔物が口を開けて迫る。

夕立「っ…!!」ボシュッ!!

咄嗟に魚雷を発射してその場から離れる。

グランドローパー『ングッ…』

ボガァァン!!!

グランドローパー『グォォ!?』

夕立「っし…!」

「へぇ、少しはやるじゃねぇか」

夕立「あ、貴方は…!」

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=osVWAufnauE(the wonderful 101より、プリンス・ヴォークンのテーマ)

ブラックデデデ「ここの艦娘が皆出張ってると聞いたから叩きに来たが…まだ一匹残ってたかよ」

グランドローパー『不覚…』

夕立「一体何のつもり?答えないと攻撃するっぽい!」

ブラックデデデ「いやあ、オレ様自信は何にもしてねえよ?」

ブラックデデデ「ちょっと前、良い星があるってドクロ野郎共に知らせただけだ」

夕立「今朝現れたドクロ団…貴方の差し金だったのね!」

バンダナ「わぎゃ!」

ブラックデデデ「お前、さっきの奇襲を避けるなんて中々じゃねえか…名前、何つーんだ?」

夕立「駆逐艦夕立よ、これでも昔はソロモンの悪夢なんて呼ばれてたんだから!」

ブラックデデデ「バケモンの悪夢、夕立か…面白い渾名だねェ」

ブラックデデデ「オレ様はブラックデデデ、今後とも厄介になるぜ?」

バンダナ「わぎゃ…!」チャッ

夕立「貴方が噂の黒くて悪い提督さんね…無駄な事は止めて大人しく退いて欲しいっぽい!」

夕立「じゃないと、私達で痛い目にあわせちゃうんだから!」

ブラックデデデ「大人しく引き下がれ…?ぎゃっはははは!そりゃ出来ねェなァ!?」

グランドローパー『我等ニハ我等ノ、戦フ理由有リ』

ブラックデデデ「そう言うこった…それ、聞きてェか?バケモンの悪夢」

夕立「ソロモンの悪夢!それに、話をしている合間に潰そうなんて考えない方が良いっぽい!」

ブラックデデデ「あらそう、一生聞けないかもしれねぇのに?」

夕立「それでもどうでも良いっぽい、分かったら大人しく引き下がって!」


ブラックデデデ「では話そう、それは、ある暗い星々の間から起きた…」

夕立「ちょ、完全スルー!?」

バンダナ「わぎゃ!?」

ブラックデデデ「時は遡る事1ヶ月前、ある者の復讐の為にこのオレ様は誕生した」

ブラックデデデ「作った奴らに取っての同盟だったローパー族を任され、戦闘のありとあらゆる技術を叩き込まれたオレ様は、遠路遥々この星に足を付けた」

ブラックデデデ「だが、そこで…只任務を遂行するつもりで居たオレ様の心境はガラリと変わっちまった…」

夕立「え…?」



ブラックデデデ「大王の名に置けず、女をしこたま連れて満足している、クソだらしねぇデブの姿を見る事によって…!!」

夕立「つまり見てられないから倒したいの!?」

ブラックデデデ「有ッたり前だろ!?あんなだらしない奴がオレ様のホンモノなんて信じたくねェよ!腹かっ裂いて死にてェよ!」

夕立「つまり、今の貴方は私怨で提督さんを倒したいの?」

ブラックデデデ「正解、そこでポップスターを闇に包み…あわよくば、オレ様がホンモノの座に腰を掛ける」

グランドローパー『ソノ終ハ、ブラデノ元ヲ絶ツ意外ニ非ズ』

ブラックデデデ「おい、お前までブラデって呼ばないでくれ」

グランドローパー『不悪、友人ニ等シキ呼ビ名…変エル事ニハ成ラヌ』

夕立「何だか凄いがっかりした様なしてない様な良く分からないけど…提督さんに手を出すなら、容赦しないっぽい!」

ブラックデデデ「へ、敵に対してその態度…そうじゃなくちゃなァ?」

ブラックデデデ「外見は兎も角、中身もダメダメなら、アイツを私怨で殺す価値もねェ」

バンダナ「わぎゃ!わぎゃぎゃぎゃわぎゃ!!」

夕立「もう怒ったっぽい!提督さんをバカにするなら掛かって来なさい!」

ブラックデデデ「…百聞は一見に如かず、先ずはグランド達と殺り合ってみな」

グランドローパー『了解…総員、突貫セヨ!』

グランドローパーの言葉を合図に、上空から大量のスフィアローパー達が降りてくる。


夕立「わ、わぁぁ…!?一体どれくらい居るっぽい!?」

ブラックデデデ「チームスフィアローパー25、やっちまいなァ!!」

グランドローパーはブラデを乗せてそのまま上空に移動する。


BGM:http://www.youtube.com/watch?v=-UFpIGL3dgc(夢の泉)

スフィアローパーs「@:aprgaer!!」

夕立「やって来た…バンダナさん、一体ずつ片付けるっぽい!」

バンダナ「わぎゃ!」

夕立「せいっ!」ボッ!!

スフィアローパー「aeorkg!!」

バンダナ「わぎゃ!」ブスッ!

スフィアローパー「awirjga…」ジュゥゥゥ……

とどめを刺された一体目は消滅する。

夕立「先ずは一体!」

バンダナ「わぎゃ!」

ーーーその頃、デデデ城ーーー

パーム「ん…?何だか外が騒がしいなぁ?」

メーム「まあ、一体誰が騒いでるのかしら」

ブン「あ!!姉ちゃん、あれ!あそこの方で誰かが戦ってる!」

フーム「嘘!?」

フーム(まさか…ドクロ団!?)

窓を開け、ブンが指差した所に目を通す。

フーム「あ、あれは…!」

メーム「まあ…バケモノ!?」

ブン「姉ちゃん…!」

フーム「ええ、多分デデデが言ってた…」

ダッ!

メーム「何処行くの!?戻って来なさい!」

フーム「すぐ戻ってくるから!」


ーーーーーー

スフィアローパー「aowirmao!!」バシュッ!!

夕立「ほっ!」サッ

スフィアローパー「oaeirmga!!」ゴォッ!

バンダナ「わぎゃ!」サッ


ドン!!

ザシュッ!!

スフィアローパー「「aoergbiaoer@4g!!」」ジュゥゥゥゥ……

夕立「よし…これで3体!」

スフィアローパー「「「aoierjgivaoe!!」」」

バンダナ「わぎゃ!?」

夕立「げ、今度は三体同時っぽい!?」

ブラックデデデ(先は長ぇぞ?ホラ、ガンバレよ)

夕立(何か変な声が聞こえた気がするけど気のせい気のせい…)

バンダナ「わぎゃっ!」ガツッ!!

バンダナワドルディが体当たりで一体を吹き飛ばす。

スフィアローパー「aoeirmbaieor~…」ヒュルルルル……

夕立「吹っ飛んだ…それもokっぽい?」ドン!!

スフィアローパー「aoerkbma!」サッ

砲撃を悠々と躱し、直にエネルギーを貯める。

夕立「ふふ、そんなの当たらなきゃ…ッ!?」ガクンッ

スフィアローパー「oimeiakxae」グググ……

彼女はもう一体のスフィアローパーに拘束されてしまう。

夕立「っぐ!」スッ

直に魚雷を取り出し、拘束するスフィアローパーに突き立てる。

ギッ!

スフィアローパー「!?」ボガァァンッ!!

衝撃を与えて魚雷を爆発させ、その勢いでもう一体に飛びかかる。

夕立「でやぁッ!!」ドドッ!!

そのまま砲撃を叩き込み、消滅させる。


スフィアローパー「mboiaeosrgk!!」バッ!

夕立「ちょ、それズルい…!」

ザクッ!!

何処からか飛んで来た槍にスフィアローパーの体は貫かれる。

夕立「バンダナさん!」スタッ

バンダナ「わぎゃ!」

夕立「これで七体っぽい!」

ーーーーーー

デデデ「何ぃ!?スフィアローパーが!?」

フーム「ええ!今誰かと戦ってるみたいなの!」

エスカルゴン「ぐぬぬ…守備が手薄の時に…!」

デデデ「ぐぐ…ワシが向かう、エスカルゴンはここを頼んだZOY」ダッ

エスカルゴン「あ!陛下!!」

フーム「待ちなさーい!もぉ…!」


すまぬ、今日は寝ます。

スフィアローパー「「「「「oiaeotrb!!」」」」」

夕立「うー!やっぱり一体ずつじゃ埒が開かないっぽい!」

バンダナ「わぎゃ!」

夕立「こうなったら…!」チャッ

魚雷を四つ取り出し、敵に向けて飛ばす。

バシュッ!!


スフィアローパー「「otieametfb!!?」」ボガァァァァン!!

夕立(ち…四つの魚雷の内、二体か…)

バンダナ「わぎゃ!!」

バンダナワドルディが手に持った槍を投げ、魚雷を避けた個体を為留める。

夕立「バンダナさん、やるー!」

バンダナ「わぎゃ!」

夕立「うん、これで十二体…!」

スフィアローパー「「「「,itaoerbmaw!!」」」」ゴオッ!!

夕立「今度は四体か…何だか楽しくなって来たっぽい!」ドォンッ!!

砲撃を避け、固まっていた群れが散り散りに成る。
夕立はバンダナワドルディを掴みながら臆する事無く飛び上がる。

バンダナ「わ、わぎゃ~~!」バタバタ

夕立「我慢してバンダナさん!今度はこっちから仕掛けるっぽい!」ドォォッ!!


ボガァァァァァン!!!

スフィアローパー「ikaeorbmawr…」ジュゥゥゥゥゥ……

もう一匹のスフィアローパーが、夕立に向かって突進してくる。

スフィアローパー「teaoeirmga!!」

夕立「バンダナさん!」バッ

バンダナ「わぎゃ!」

天高く持ち上げられたバンダナは自らの得物をグルグル回し、そのまま夕立をぶら下げながら飛行する。

しかし依然としてスフィアローパーは突進の途中、回避は間に合わない…

ブラックデデデ(お、ここで選択ミスったか…?)


ガリッ!!

スフィアローパー「maoer aoerkmbv?!」バタバタ

夕立「ふふ…」ギギ…

…と思われたが、何と向かって来たスフィアローパーの翼に噛み付き、そのまま咥えていた。

ブラックデデデ(…オイオイ、マジかよ?)


夕立「~~~~~~ッ!!!」ブンッ!!

そのままもう一匹のスフィアローパーに向けて投げ飛ばして激突させる。

スフィアローパー「aeorivmae!?」ドガッ!!

スフィアローパー「oaiemr ae!!」


彼女はそのままバンダナワドルディが回している槍を掴み、取り上げる。

バンダナ「わぎゃ!?わぎゃわぎゃ!!」

夕立「大丈夫…よっ!!」ブンッ!!

そのまま槍を投げ、二体のスフィアローパーを貫く。

スフィアローパー「「oaermabaer…」」ジュゥゥゥゥ……

夕立「計、十六体!もっとどんと来るっぽい!」

ブラックデデデ(へえ…中々イカれた戦い方じゃねェか)


デデデ「おーい!夕立ー!!バンワドー!!」

夕立「て、提督さん!?」ヒュルルルルル


ブミッ!!

デデデ「ぐえッ!!」

夕立はそのままデデデの頭の上に落ちてしまい、大きく尻餅を付いてしまう。

夕立「痛たた…提督さん、大丈夫っぽい?」

デデデ「それはこっちの台詞ZOY!何故バンワドと二人だけでローパー共を撃退しようとしたZOY!」

夕立「そ、それは…」

>>364
いえいえお気になさらないでください。
エタらせないだけ主さんは凄いっすよ。


「オイオイ、もう邪魔を入れるのかよ?」

夕立「!」

デデデ「貴様…!」

グランドローパーに乗ったままブラックデデデが降りてくる。

ブラックデデデ「もしかして、気長に待てない奴?」

デデデ「ああ待てんZOY、悪いか?」

ブラックデデデ「ぶっ…割りとそう言うのは率直に言うんだなァ?」

夕立「あ、当たり前っぽい!提督さんは嘘付かない!…よね?」

デデデ「あ、ああ?嘘は付かんZOY!」

ブラックデデデ「ケケ…まァ良いや、邪魔入られちゃつまらんし、さっさと切り上げるぜ」

夕立「…帰ってくれるっぽい?」


>>412
そう言ってもらえると気分が楽になります。



ブラックデデデ「いや、お前にグランド嗾けて先に帰る」

夕立「えぇ!?」

ブラックデデデ「予定より早く終わるんだ、少しは感謝して欲しいぜ?」

グランドローパーから離れ、ローパー達に運ばれるブラックデデデ。

ブラックデデデ「じゃ、グランド。後は頼んだぜ」

グランドローパー『御意』バサッ

夕立「ま、待ちなさい!」

バンダナ「わぎゃ!!」

グランドローパー『不行、ココカラハ我ガ塞グ』

デデデ「く…!今はコイツを追っ払うっぽい!」スッ

夕立「真似しないで欲しいっぽい!」ジャキッ

バンダナ「わぎゃ!」チャッ

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=9U3DAmE0nWw(新・光神話パルテナの鏡 ボス戦)


グランドローパー『突進!!』ゴォッ!!

その黄金色の体を震わせ、一直線に標的に体当たりを仕掛ける。

夕立「当たらないっぽい!」サッ

デデデ「間抜けZOY!」

バンダナ「わぎゃ!」ブンッ!!


グランドローパー『不当!』スッ!

夕立「提督さん!空の攻撃は私に任せて!」ドン!!!

デデデ「何!良く聞こえんZOY!」


グランドローパー『光線!』バシュ!!

吐き出された巨大な弾は、瞬く間に大量の小さな弾に分裂する。

夕立「沢山降って来たっぽい!?」

デデデ「頑張って避けるZOY!」

ズガァァンッ!!!

ズガァァァン!!!!

夕立「くっ…このッ!!」ドォッ!!

グランドローパー『!』

ボガァァァァ!!!

グランドローパー『…』バシュバシュバシュッ!!!

ビームの様に小型の弾を連続して放つ。

夕立「っち…!」タッ!


バンダナ「わぎゃっ!!」ブンッ!!

ブスッ!!

グランドローパー『グ…!』ゴォォ!!

夕立「向かって来た…提督さん!」

デデデ「うむ!」スッ!



デデデ「さぁ来い!!」

グランドローパー『当然!!』ゴォッ!!



バゴォォッッ!!!

デデデ「ぐっ…!」ギギ……

グランドローパー『不屈…!』ギギ……


バッ!!

デデデ「ちぃ!」

グランドローパー『…』バサッ

夕立「そこッ!!」ドォォッ!!


グランドローパー『転移!』バシュン

夕立「ぽい!?」


デデデ「こらァ!隠れてないで出てくるZOY!!」

夕立「…」

彼女はふと足下を見ると、自分の影が異様に大きくなっている事に気づく。

夕立(!)スッ!

魚雷を取り出し、直にも退避出来るように体制を整える。


グランドローパー(好機!!)ギラン!

夕立(今っ!)タッ

グランドローパーが彼女を捕らえようと飛び出すのと同じくして夕立も魚雷を下に投げて退避する。

グランドローパー『確保…!』バグンッ!

夕立「ふふ…お間抜けさんね?」ボソッ

グランドローパー『何…!』

ボガァァァァァァン!!!!!

グランドローパー「owik4iemrgboa@woergakeorig!!!」

内部からの衝撃で本体が飛び出る。

夕立「提督さん、バンダナさん!こっちよ!」

デデデ「む!?そこに居たか!」ダッ

バンダナ「わぎゃ!」

敵に出来た大きな隙を逃さず総攻撃に掛かる。


デデデ「どらどらどらどらどら!!でらでらでら!!」ガズガズガズガズガズ!!

デデデはハンマーで腕がつるほど殴りつけ。

バンダナ「わぎゃッ!!」ドスッ

バンダナワドルディは的確に弱点と思われる部位を突き。

そして夕立は……

夕立「はむはむはむ…」モグモグモグ

緊急用に持ち込んでいた弾薬を食して補充していた。


グランドローパー「kaieotba…!!」バサッ

身を振い、何やら粉の様な物を撒き散らす。

デデデ「…ふぁ、ふぁ、ぶぁっくしょい!!」

夕立「しょぼ!?」

グランドローパー『…成レド、我ガ翼焼クニ至ズ』

夕立「ふふん、やせ我慢は良くないっぽい」

デデデ「そうだZOY、本音を隠して死に行くなど愚かの極みZOY」

グランドローパー『良ヒ、其レガ姿、全テニ定メラレシ形トヤ…』

夕立「…」ドォッ!!

グランドローパー『…』ヴンッ

夕立「…」フー

グランドローパー『ヤレヤレ、ト言イタキ気色カ…』

夕立「ええ、良く分かんない事言ったりするから」

グランドローパー『今ハ解セズトモ、何レ解ズ時来ヨウ』

夕立「……」


グランドローパー『…ム、良キ時ト言ウ所ニ…邪魔ナ虫ガ湧イテキオッタ…』

夕立「!」

デデデ「お!思ったより早かったZOY!」

グランドローパー『陸ニ上ガラレル前ニ、決着ヲ付ケルベキト断ズ』

夕立「…そうね、皆に迷惑はかけられないっぽい」ジャキッ

デデデ「えぇ~?救援を待たんのかZOY?」

夕立「提督さん、それじゃ情けないよ!此処で食い止めなきゃ!」

バンダナ「わぎゃわぎゃ」

グランドローパー『ソレデコソダ…射撃!』バシュバシュッ!!

夕立「即決ね…それっ!」ドォッ!!

ボガァァァァァァン!!!!




グランドローパー『堅守』ピキーン

夕立「い、石になった…?」

デデデ「守るなら押せば良いZOY!撃て撃てぇ!」

夕立「ふふっ…喜んで!」ジャキッ

砲を構え、何回も何回も弾を放ち続ける。

夕立「落ちろ落ちろッ!!」ドドドドドドドドドドドドッ!!!!


グランドローパー(…熾烈)ピキ…パキ…

夕立「もう少しっぽい!」


ブラックデデデ(オイ…その場から戻れ)

グランドローパー(ブラックデデデ…)

ブラックデデデ(耐えたら敵の増援、防御を緩めれば過酷な攻撃、今の状況はお前に有利じゃねェ)

ブラックデデデ(命令だ、戻れ)

ドドドドドド…

ミシ…ペシ…

グランドローパー『…御意』ニヤッ

殻を一気に脱ぎ捨て、破片を全て地面に向けて飛ばす。

夕立「わっ!?」

グランドローパー『仕方無シ、今宵ハ此レニテ勘弁…』ヴンッ

瞬間移動で消え去り、そのまま辺りは静まる。

夕立「逃げた…の?」

デデデ「決着を付けろと言ったのに逃げるとは情け無いZOY」

バンダナ「…」

夕立「…何とか、無事に済んだっぽい?」

デデデ「うむ、卑怯な手を使われても耐えるのは良い気分だZOY」

夕立「良かった…」ヘナヘナ

デデデ「さあさっさと戻るZOY、掃除をする暇は無いZOY」スタスタ

夕立「ふぇぇ、もうちょっと優しく扱って欲しいっぽい~」ズルズル

ーーー数分後 デデデ城ーーー

フーム「へぇ…そんな事があったの」

夕立「うん、暫くはバンダナさんと一緒に戦ってたよ」

バンダナ「わぎゃ」

デデデ「しかし…ワドルディ兵士の中でも恐らくスピアカービィと同じくらい強いと墨付きを頂いたとは言え、全く無茶をするZOY」

夕立「そうよ、夕立が居なかったらキツかったっぽい!」

エスカルゴン「一人で挑んで来たアンタが言えた事じゃないでしょ」


ワドルドゥ「陛下!艦隊が城の前まで戻ってきました!」

デデデ「よし、早速通すZOY!」


1分後…


長門「提督!無事か!」

天龍「村が焦げだらけだったり地面に破片が刺さってたが大丈夫かよ?」

デデデ「おうとも、ワシはこの通りピンピンしてるZOY」

夕立「そ、そうよ、夕立も大丈夫っぽい」

暁「夕立『も』?」

夕立「そ、それより!虹の秘宝の欠片は?」

大和「しっかり集めて来ました、勿論守護者を倒してですが」

フーム「だ、大丈夫なの?」

天龍「問題ないだろ、それよりさっさとフロラルドに行こうぜ」

エスカルゴン「補給はしなくて良いでGES?」

天龍「んー…提督、どうする?」

デデデ「まず、ドクロ団と戦う度胸のある者は?」


天龍「…」ビッ

龍田「?」ビッ

夕立「提督さん!提督さん!」ピョンピョン

摩耶「おう」ビッ

長門「…」ビッ

赤城「こちらに」ビッ

吹雪「はっ!」ビッ

デデデ「成る程、では今手を上げた者は先に補給を済ませてローアに乗ってくるZOY」

大和「私達は後で補給を済ませれば良いと」

エスカルゴン「の様でGES」

デデデ「ただし!」

天龍「あ?」

大鳳「おっと、言わせませんよ?」

デデデ「何でZOY!」

大鳳「ネタは一回までです!」

デデデ「それでも言わせるZOY!!」

大鳳「私が代わりに言いますから!」

デデデ「ではさっさと言うZOY!」

夕立「???」



大鳳「夕立ちゃん、貴方はダメ」

夕立「え?もっかい言って?」

大鳳「貴方は疲れてるんだから休みなさい」

夕立「ヤダ!夕立も戦いたい!」

スパンッ!!!

夕立「っ……」

エスカルゴン「あらま…!」

夕立「た…いほう…さん?」


大鳳「怪我したでしょ?休んで来なさい」ニコ

夕立「は、はい…」

吹雪(こわ…)

デデデ「なら大鳳、赤城と入れ替わって出撃するZOY」

大鳳「え、えぇ!?」

デデデ「言い出しっぺだ、当然だろう!」

大鳳「いや、そうじゃなくて何で赤城さんと入れ替えるんですか!龍田と入れ替えれば良いじゃないですか!」

龍田「あら~?」ギラ

デデデ「龍田は…ほら、アレZOY」

大鳳「アレ?」

エスカルゴン「所謂今回のメインキャラクターって事でGES!」

大鳳「そんな理由で?」

デデデ「どんな理由を付けても許されるのが特権階級ZOY!」

大鳳「納得いきません」

エスカルゴン「支配者は絶対でGES」

赤城「大鳳さん、私の事は気にしないで良いから…ね?」

大鳳「うぅ…分かりました、気張って行きます!」

デデデ「じゃあさっさと補給済ませてローアに乗るZOY!」

吹雪「あの…」

エスカルゴン「何でGESか?」

吹雪「ローアには間宮さんとマルクが乗ってたから向かいながら補給した方が良いと思うんです…」




デデデ エスカルゴン「……………あ」

吹雪(『あ』って…ダメじゃん)

摩耶「おいおい…大丈夫か?」

エスカルゴン「大丈夫大丈夫、行ける行ける」

長門「ふむ…まあ、弱体化したカービィを守れるかが不安だが、何とかなるだろう」

天龍(というか単なるその発言と考える奴は居ないのか)

エスカルゴン「じゃあさっさとローアに乗っちゃうでGESよ」

大鳳「では、私達でネクロネビュラに向かいますね」

陸奥「ちょっと、忘れ物しちゃダメよ」スッ

つ秘宝の欠片×5

大鳳「…はい、しっかりと持ちました」ギュ

デデデ「では出撃してくるZOY!」

フーム「あの、聞きたい事が有るんだけど…」

デデデ「何ZOY、手短に頼むZOY」

フーム「カービィの事、今はどう思ってるの?」

デデデ「ぬ?うーん…」

エスカルゴン「あ、もう!また考えが長引きそうな話して!」

フーム「だって!デデデがカービィを助ける為に何かをするって無かったもの!」

エスカルゴン「前の戦いでは協力したでGESよ?」

フーム「そうじゃなくて…なんていうかその…」

デデデ「分かっておるZOY、お前が何を言いたいか」

フーム「デデデ…」

デデデ「だがワシは何も特別な事は考えていないZOY」

フーム「え…?」

以前バンダナワドルディを出して頂けないかどうかお願いしたものですけど、
本当に出してくれたうえにこんな可愛いキャラにしてくれてありがとうございます

>>432
喋らせようとも思ったけどやっぱりワドルディは『わぎゃ』が基本よね。


デデデ「仲の良い者は助けたいし守りたい、それではいかんのかZOY?」

フーム「!………ううん、大丈夫よ」

デデデ「そうか、間違って無いか…」

エスカルゴン(あらまあ、いつの間にかクサい事言える様になっちゃって…)

デデデ「で、他には?」

フーム「あ…だ、大丈夫よ…気を付けてね?」

デデデ「余裕も余裕ZOY!」

赤城「提督…慢心しては駄目、全力で戦い、そして帰って来てください」

デデデ「…任せろ、いざと成ればマルク砲でドーンZOY」

エスカルゴン「いい加減過ぎるだろーがよ!そんなんで提督勤まると思うでGESか!」

デデデ「そ、そんな事お前に言われたくないZOY!」

エスカルゴン「へん、こちとら毎日艤装のメンテナンスしてんのよ!」

デデデ「貴様、その口の聞き方は何ZOY!」

エスカルゴン「ああごめんなさい!私は毎日艤装のメンテナンスをしておりまするでござりまするでGES~!」

フーム「良いから行って来なさい!!」

デデデ エスカルゴン「は、はい!」

ーーーそしてローアーーー

デデデ「では、行ってくるZOY」

天龍「カービィを必ず戻して帰ってくるぜ」

龍田「待っててね~」

夕立「お土産期待してるっぽい!」

吹雪「無いと思うよ」

摩耶「何だよそのツンツンした言い方、小魚食った方が良いぞ?」

大鳳「まあ、戦えばストレスも晴れるでしょ」

長門「では、無事に戦果を上げてくるぞ!」

カービィs「「「「「「「「「「ぽよ!」」」」」」」」」

フーム「頑張ってねー!」

こうして、デデデ達を乗せたローアは旅立って行く。
カービィを戻す為に…

ーーーローア 船内ーーー

デデデ「さて、マホロア!フロラルドへの道のりは分かるな?」

マホロア「分かるケドサァ…久々のボクに何か言う事無いノォ?」

天龍「久しぶりだな!といっても、この船に乗る事自体は初めてだがよ」

マホロア「モウ、コッチはリア充共に見せつけられてクタクタダヨ…」

大鳳「あ、あれから上手く行ってるのね」

マホロア「マァ…敵が来たらコキ使ってやるヨォ」ニタァ

吹雪(こ、こんな人だったっけ…?)

ミョウコウ「おい、その邪な笑みを止めろ」

マホロア「エー、良いジャン別にィ」ブーブー

長門(すっかりグレている…これは早くなんとかしなければ…)

アシガラ「何か美味しい物食べなよ、元気出るよ?」

マホロア「ウーン、そうダネェ…何にしようカナァ」

デデデ「さっさとしゅつぱつするZOY!」

マホロア「エ?何ダッテ?」

デデデ「さっさと!出発を!!するZOY!!!」

マホロア「ハイ、進路オールグリーンー、目的地フロラルドー、相乗りは不要ダヨォ~」

エスカルゴン「シャキッとしろよ!!こんな誤摩化しの茶番見せたって視聴者は満足しないでGESよ!!」プンスカ

マホロア「オォ、怖イ怖イ」

ミョウコウ「では代わりに…進路、フロラルドに設定!ローア、発進せよ!!」

『合点、進路フロラルド、全速力で行きます』

デデデ「おお、持つべき者は副長だZOY」

エスカルゴン「役立たずな総本山なんて宝の持ち腐れ!船の恥でGES!」

マホロア「何かミンナが凄い辛辣なんだケド」

吹雪「刺々しすぎるいじりでしょうか?」

マホロア「裂傷出来ちゃうヨォ、肉齧って治したいヨォ」

エスカルゴン「しゃがみゃぁ良いじゃないっすか」

マホロア「その間に乙っちゃうヨォ!!」

摩耶「んな変な話題良いからさっさとやる気出せやる気!!」

マホロア「ハ、ハイ!」ビクッ

大鳳「あら、摩耶はしっかりしてるのね」

摩耶「ったりまえだろ!?アタシがきちんとしなきゃ雰囲気崩れるっての!」

デデデ「周りの雰囲気をまとめる役は重要ZOY」


バンダナ「…」シャッ…シャッ…

エスカルゴン「それで、なんだかんだバンワドの奴も来てるでGESか」

デデデ「こうして見るとつくづくカービィと瓜二つだZOY」

アシガラ「お餅みたいで可愛いなー」

天龍「分かるぜ!モチモチした感触がたまんねぇよな!」

エスカルゴン「あのね、相手は触った事無いんでGESよ?」

摩耶「何で相手に共感求めんだよ」

天龍「良いじゃねぇか、な?」

アシガラ「え?あーうん、そーだね」

吹雪「そういえば、補給は…」

マホロア「あ、マルクに願い届ければやってくれるヨォ」

摩耶「言っておくけど、メシだよな?」

マホロア「メシの様ダヨォ、しかも本日のはかなり気合い入れてるミタイ」

アシガラ「しめしめ、ラッキーだねぇ」

シーン……

アシガラ「…あれ?」

エスカルゴン「…ツマンネ」

アシガラ「ちょ、何でカタカナ!?」

エスカルゴン「はい、じゃ茶番は飛ばしまーす」

アシガラ「と、飛ばすって何!?おしえt

ーーーマルクと間宮のお料理で回復する事30分ーーー

*エスカルゴン「はい、無事に飛ばせましたGES」

デデデ「そろそろメタ発言は控えるZOY」

吹雪(飛ばすって何だったんですかね?)

大鳳(知らぬが仏、不知火は天使って奴です)

吹雪(不知火って誰ですか?)

大鳳(そう言う駆逐艦が居るの、ウチにはまだ来てないけど)

デデデ「さて、フロラルドは何時着くZOY?」

マホロア「もうスグ、心配しなくても大丈夫ダヨ」

天龍「ドクロ団の奴らを倒す為に、虹の秘宝で奴の本拠地にカチコミに行くんだっけな」

摩耶「お前等、もう一度確認するが欠片は持って来たよな?」

大鳳「私が全部預かっています、無くしたら大変ですから」

摩耶「うし、なら話は早いな」

マホロア「んで、その本拠地にはコノ船で行くよネ?」

エスカルゴン「何?送ってくれんの?」

マホロア「カービィを守るのには申し分無いヨォ」

吹雪「じゃあ、宜しくお願いします」

マホロア「ウン、荒っぽくなるけど、運転とかマルクの扱いとか」

マルク「オイ最後なんつったよ」

マホロア「それは、オ・タ・ノ・シ・ミ♡」

ピーー ピーー

『只今、フロラルド、ロイヤルロードに到着しましたことをお伝えします』


デデデ「では、セクトニアの所に行ってくるZOY」

吹雪「気をつけて行って来ますね!」

マホロア「終わったら戻ってくるんダヨォ」

ーーーフロラルド 城下町ーーー

セクトニア「……」

タランザ「セクトニア様、何も外で待たなくても…」

セクトニア「疲れる様な足は持ち合わせておらぬ、問題は無いぞ」

タランザ「そう言う事じゃなくてですね…なんと言うか、こう、噂立てられたら面倒じゃないですか」

>>438
バンワドのシャッ…シャッ…って何の効果音なの?

>>443
モンハンみたいに槍を入念に研いでる音です。
<しゃきーん 切れ味最大、何時でも行けるぞ


セクトニア「そんなもの立てさせておけば良い、事実なのだからな」

タランザ「も、もう!セクトニア様ったら…//」


エスカルゴン「あ、居た居た、何で外に居んのよ?」

吹雪「割と簡単に見つかったと割り切りましょうよ」

セクトニア「…ぬ、もう来たか、早いな」

デデデ「早くしろと言ったのはお前ZOY」

大鳳「集めるの苦労したんですから」

セクトニア「…ふむ、では欠片を…」

大鳳「はい…」つ

彼女はしまっていた秘宝の欠片を手渡す。

セクトニア「ふむ、キチンと数は揃えてある様だな」

デデデ「艦隊を別々に展開させて一気にゲットしたからな」

セクトニア(…やはりか)

摩耶「で?どうすりゃ良い?」

セクトニア「見ていろ…」スッ…

欠片を天に掲げると欠片が光を纏って浮かび上がり…

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=PPvBenCAlxo&index=63(虹の秘宝の輝き)

何と、二つの輪を持つ虹色の惑星の様な物にと戻った。

吹雪「これが…!」

エスカルゴン「何とも美しいでGES!」

タランザ「セクトニア様と秘宝の輝きが合わさり最美に見えるのね」

セクトニア「おお…伝承通りの輝きぞ…!」

皆が見とれている合間に、虹の秘宝から一筋の光線が伸びる。

天龍「ひ、光が漏れたぞ!」

龍田「天龍ちゃん!あそこ!」

指差す所には、その光が宇宙に浮かぶ暗雲を消し飛ばし、その様相を露にしていた。

摩耶「あれが…!」

長門「ネクロネ…ネクロ…ネ…」

セクトニア「ネクロネビュラ…今ぞ、その道開かれん」

吹雪「あの、言い回しが少し変わってません?」

セクトニア「野暮な奴だな、少し雰囲気に乗ったというのに」ムッ

長門「しかし、これで敵の本拠地に行けるな」

デデデ「後は都落ちを狙うZOY!」

エスカルゴン「それ大富豪だから!」

セクトニア「足はもう有るのだろう?」

長門「足…乗り物の事か」

タランザ「どうなのね?」

エスカルゴン「大丈夫でGES、ローアで来たからローアで行くでGESよ」

セクトニア「そうか…自らの本拠地を晒され、敵は混乱している…今が決起の時だ」

摩耶「おう、必ずあいつ等に一泡吹かせてやるぜ」


タランザ「こっちは兵士を総動員して防衛に専念するのね」

セクトニア「我々の事は気にせず、敵を殲滅する事だけを考えよ」

デデデ「では、大志を抱き、凱旋してくるZOY!」

吹雪「頑張って来ます!」

セクトニア「武運を祈っているぞ…」



ーーーローア 船内ーーー

長門「戻ったぞ」

マホロア「ウン、何も言わなくても分かってるヨォ、あのブキミな島に向かえば良いんダネ?」

摩耶「ああ、頼むぜ!」

マホロア「よーシ!モノ共!これカラあの島に向カウ!目の前に出てくる奴はミーンナ敵!OK?」

アシガラ「アイ サー!アタシらの根性見せてやろー!」

マホロア「各員!ネクロネビュラへ前進!」


BGM:http://www.youtube.com/watch?v=Dv003dNJnWE(不気味な島へ)

空に浮かぶ輝く船は、錨を(無いけど)上げて骸の島へと向かう。

長門「…後は、親玉を落とすだけか」

デデデ「カービィ、何れ戻ってくる、ゆっくりしているZOY」

カービィ01「ぽよ?」

大鳳「そう言えば、地球での最後の作戦で結構壊れた筈なのに、割と動いてますね」

エスカルゴン「そりゃ徹夜で治したに決まってるでGESが」

マホロア「クルー達にも手伝ってもらったヨォ」

ハグロ「ホント大変だったんだから、皆も経験すれば分かるよ」


ビー!!ビー!!

『敵、多数接近!』

マホロア「お、こちらを落としに来たネェ」

ミョウコウ「船長、どうする?」


マホロア「…」ニヤッ

マルク「?」

マホロア「マルク、キミは甲板に行っててネ」

マルク「その笑みは何だ!何か企んでんのか!?」

マホロア「オ願イ!キャンディ上ゲルからサァ!」

マルク「断る!報酬と仕事が釣り合わない予感がするんだよ!!」

マホロア「やらなきゃクビ、間宮さんともイチャイチャ出来ナーイ」ノラリクラリ

マルク「んなッ…!」

長門(外道め…)

エスカルゴン(一体何処で変わっちまったんでGESかねぇ…)

マホロア「サァ、どうスル?」

マルク「……キャンディは大盛りで頼もうか…!!」ビキビキ

マホロア「オウ、じゃあ行って来てヨ」

マルク「…ぐぐ」

タタタタタタタ………

ハグロ「船長、一体何させるつもりなのさ…?」

マホロア「……クッククク…」

アシガラ「…く?くくく!」

マホロア「クックック!」

アシガラ「イャンクック!」

天龍「何だそりゃ!?ふざけるのもいい加減にしろよ!」

デデデ「先生に向かってそれは何ZOY!」

エスカルゴン「地面から掘り起こした玉投げて欲しいでGESか!?」

天龍「あーもう!誰か止めてくれ!」

マホロア「さてと、こんな茶番はしまいにしテ…」

天龍「ったく、頭がどうにか成りそうだよ…」

龍田「大丈夫よ~、世の中には天龍ちゃんより苦労してる人が居るから~」

デデデ「バb「ローア!竜巻を放って、奴らを絡め取レ!」

『サー!』

吹雪「ちょ!?マルクを巻き込むつもり!?」

マホロア「ハグロ!向きを変えて奴らを多く絡めとレ!」

ハグロ「りょ、了解!」

吹雪「無視しないでー!!」


摩耶「旋回はローアに任せた方が良いんじゃねぇの?」

エスカルゴン「演出には口突っ込まない方が無難でGESよ」

大鳳「あの、突っ込むとこ違いますから」

デデデ「マルク…骨は拾ってやるZOY」

ローアの帆から風が生まれ、次第に竜巻と変ずる。
宇宙なのに何故竜巻が起きるのかは言及を求めず。
それより重大なのは……


マルク「うわぁぁぁぁぁ!!あんのヤロォォォォォ!!!」

甲板に向かったマルクが、哀れ風に巻き込まれそうになって飛ばされまいと必死にしがみついている事。

マルク「アイツ!!日頃の妬みを晴らす気かよ!?」

突然頼まれた時点で嫌な予感しかしなかったが、その予感は見事的中した。
帰ったら懲らしめてやると意気込む間にも、竜巻は敵を大量に捕らえていた。

ドクロンs「わ~~~~!」グルグルグル……


マルク「…サンドバッグがあんなに沢山……丁度良いねェ」

飛ばされているドクロン達に目を付けた彼は、そのまま体の向きを変えて彼らを双眼できっちり見える様にする。

マルク「ちょっくら、動かないでくださいよ…ッ!」コォォォォォォ……!

口の中にエネルギーを溜め、発射準備に取りかかる。


『高出力エネルギーの増幅を感知、光線を発射するつもりのようです』

マホロア「オ、やっぱりダネェ」

吹雪「やっぱりって?」

マホロア「こうしとけば何も言わずにビーム吐いてくれると思ったんダ」

吹雪(正直、普通にお願いした方が良いと思う)


マルク(エネルギー…100%ォ!!)

エネルギーが満タンにまで溜まり、そのまま狙いを定め…



マルク「逝ねやァァァァァァァ!!!!!」バシュォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

そのままドクロン達に向かって発射する、久方ぶりののマルク砲である。

エスカルゴン「おぉ、ブランクを感じさせない威力でGESなぁ」

アシガラ「魔法弾で倒した方が早いと思うんだけど」

マホロア「ヤッパリ宇宙を行く船にはビームが無いト!」

デデデ「戦艦でもないのに大見得張り過ぎZOY」

大鳳「カブーラーだってビーム撃ちませんからね?」

マホロア「ソレはソレ、コレはコレ」

ミョウコウ「何とも便利な諺だ」

ナチ「故に表現をそれに頼り切る者は得てして、信用されない…と」

天龍「そもそも諺じゃねーし」

ナチ「そ、ソレはソレよ?」

デデデ「貴様は先ほど出した言葉の並びと意味を覚えているか?」

マホロア「コレぞ正しくブーメラン、相手に当たらず、自分だけに当たる欠陥品ダネェ」

ナチ「大人げないものですね…」

「逝ね」ってるろ剣以外で初めて見たでござる

>>457
ムムカさんも言ってなかったっけ…?


『敵の消失を確認、防衛戦力の殲滅に成功』

マホロア「おホォ、やっぱりビームは最高ダネェ」

長門「…ぶっちゃけ、このビームで本拠地を殲滅したらどうなんだ?」

マホロア「何で野暮な事を言うんダイ?それに、あのビームはまた貯めるのに凄い時間掛かるんダヨォ」

デデデ「長門は効果的な作戦(野暮)が好むと思われー」

エスカルゴン「三次元派の思考でちゅ~」

大鳳「ちょっと、いい加減にして…」


バダン!

マルク「……」ザッ……

マホロア「…帰って来たネェ」

マルク「……」

吹雪「や、やっぱり怒ってる…」

マホロア「何も言わなかったのは悪かったっテ思ってるヨォ、だからそんなに…」

マルク「……」

マホロア「…ゴメン!分かっちゃ居たケド!」

エスカルゴン(分かってて行かせたのかよ!)




マルク「まあ、その、なんだ、殴らせてくれれば許す」

マホロア「ぐ……優しくシテヨ?」


ボギャッッ!!!!!!

マホロア「グホッ……!」

長門「な…手抜き無し…!」

ミョウコウ「だ、大丈夫なのか!?」

マホロア「優しく…ッテ…言ったノニ…」ドサッ

ハグロ「船長ぉ!」


マルク「…………ふぅ」テカリーン

デデデ(凄いすっきりしているZOY…)

ーーー1分後ーーー


『間もなく、敵本拠地に到着します、戦闘態勢を』

長門「…早いな」

デデデ「快速だが、どうにも肌に合わんZOY」

エスカルゴン「やっぱり…とは言わないでGESが、古き良きとは上手いもんでGESな」

吹雪「ですねぇ」

アシガラ「不便な所に味が有るって事…?良く分かんないなぁ」

ハグロ「アンタに理解出来なくても良いの」

マホロア「サテト、カービィはどうすル?」

大鳳「復活早い!」

デデデ「…ここに置いて行くかZOY?」

ミョウコウ「ここならシェルターにも成る、少なくとも連れて行くよりは安全だろう」

マルク「ボクらも居るしなー」

いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ
キス島クリア出来たぜぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ


カービィ01「ぽよ?」

天龍「心配すんなよ、別に死にに行く訳じゃないんだから」

龍田「不吉な事言わないでね~?」

エスカルゴン「は、実際に手ぇ出す奴に言えた事じゃないだろーがよ…」

龍田「何か言いました~?」

エスカルゴン「何でも無~い~」

長門「さあさあ、無駄話はこれ位にして…そろそろ行くぞ」

マホロア「ボクらは此処で待ってるネェ」

デデデ「心配無用、では、出撃ZOY!」

吹雪「おー!」

ーーーネクロネビュラーーー

BGM:http://www.youtube.com/watch?v=HcElF5t5eaE(ネクロネビュラ)


エスカルゴン「ここがネクロネビュラでGESか、至る所岩ばかりでGESなぁ」

デデデ「こういう所は非常につまらん故、さっさとブッ壊すZOY!」

長門「どうやってだ」

デデデ「ボガンボガンズッコンバッコンすれば良いZOY」

天龍「何だその適当な例え!!」

吹雪「あ、でも司令官!みてください!」

デデデ「ん?」

吹雪「あれが…ポップスターなんですね…」

デデデ「む…おぉ!相変わらず光り輝いているZOY!」

大鳳「…ホントに、星の形してるんですね」

長門「『それでもポップスターは、輝いていた』…」

摩耶「へー、外から見ると全然違うんだな」

エスカルゴン「そういや、地球を外から取った写真もあったでGESよ」

長門「おお、終わったら見せてくれ」

エスカルゴン「はいよ、それはそうと…」

デデデ「うむ…」



これより我らが王の石像の部屋、部外者よ、入りたくば力を示せ。

デデデ「これ…どうやったら開くZOY」

エスカルゴン「力を示せってどういうこっちゃよ」

龍田「あれですよね?壁を殴るとか、敵を倒すとか…」

天龍「やっぱタダって訳にも行かねぇか」

吹雪「それか、何かカッコいいデモンストレーションをキメるとか…」

デデデ「6人そろって、ゴレンジャー!」

摩耶「それ可笑しいだろ」ボガッ

デデデ「確かに、ゴレンジャーはもう居たZOY」

摩耶「そうじゃねぇっての……ってかもうワザとだろ?絶対ワザとだろ!?」

天龍「…大抵の場合、ボスを守る四天王が待ち構えてるもんなんだよ…」

大鳳「それを倒せば、頭領への道が開けると」

天龍「それしかありえねぇ」

摩耶「だな、ボケモードの提督に任せちゃダメだな」

エスカルゴン「へっ、なーにを今更……『ベグッ!!』あどぅぉッ!?」

デデデ「ならさっさとボスらしい所に一回ずつ叩きに行くZOY!」

エスカルゴン「あーはいはい…………いってぇなもう」

ーーーーーー

暫く歩いていると、草と花が茂る広い場所に出た。
生憎色は付いておらず、気分が高揚する物ではない。


長門「広い場所に出たな…」

エスカルゴン「あー、何か有るわコレ」

天龍「ドクロ団の奴らは何を思ってこういう場所を作ったんだよ…」

大鳳「もしかしたら、印象に残った物を真似たのかも…」

そんな話の途中、吹雪が何かに感づく。


吹雪「!皆さん…」

摩耶「ん?どうしたよ」

吹雪「早速、来たようです」

摩耶「…おう」チャッ



『何か』は、地面を破り顔を覗かせる。

デデデ「は、早いZOY!」

長門「もう察知したか…!」

その何かは、頭に大量の花を付けたモグラの様な外見をしていた。
禍々しい風貌を想像していた周囲は小規模の肩すかしを食らう。

エスカルゴン「……なんじゃこりゃ」

天龍「しまらねぇなぁ、こんなのが最初かよ」

エスカルゴン「あれは…モーリィ?」

デデデ「誰それ」

エスカルゴン「ZOYを付けてくださいZOY」

デデデ「誰ZOY!」

エスカルゴン「単なるモグラでGESよ、コイツは図体がデカいだけかも」

その発言は割と酷い物で、本人が聞いたら激怒しそうな物。
しかしこのモーリィは、全く反応する素振りすら見せない。

摩耶「…変だ、幾らなんでも静かすぎる」

デデデ「当たり前ZOY、コイツは偽物、周りの光景と同じZOY」

『善くぞ当てた…』

吹雪「何者!」

ネクロディアス『我こそがネクロディアス…ドクロ団の主にして、この島の主』

天龍「」

デデデ「ネクロディアス、コイツは偽物なのだろう?」

ネクロディアス『…そいつはこの星に居た奴を魔力で模倣した傀儡…即ち戦闘機械…』

長門「何…!」

大鳳「…あなた方は、何故此処に来たのですか」

ネクロディアス『……丁度な、黒い奴に教えてもらったのだよ』

長門「……ブラックデデデか…」

ネクロディアス『確かそんな感じの名を言っていたな…』

吹雪(ここまでブラデの手が広まっている…行動範囲広いのかな…)

ネクロディアス『まあ、お前達が我が場所まで来る事を待っているぞ、摘みでもしゃぶりながらな』

摩耶「待ってろ、ぜってーブッ倒すからな!」

ネクロディアス『では、健闘したまえよ…』


BGM:http://www.youtube.com/watch?v=4W9T5D4bqPU(手強い敵だ!)

モーリィが地面から岩を引きずり出し、そのまま投げつけてくる。

摩耶「散れ!」

それぞれ分散し、飛ばされた岩は虚ろに地を鳴らす。

デデデ「こんな奴、ワシ一人で十分ZOY!」ダッ

大鳳「あ!また突っ切って!」

デデデ「モグラには、ハンマーをぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」ズォォォォォォ!!!

スカッ

デデデ「……」

天龍「くく…潜って逃げられてやんの…!」プクク

龍田「しまらないですね~」

デデデ「誰か音響兵器を持ってこい!!」

エスカルゴン「無いよんなもん!」

デデデ「なら作れ!」

エスカルゴン「地面叩いて揺らしゃ良いじゃないっすか!権利を渡さない癖に義務ばっかり押し付けないで欲しいでGES!」

デデデ「そんな事お前に言われたく無いZOY!!」

エスカルゴン「てかこんな事話してる場合じゃ…」


ヅガァァァァァァン!!!!

デデデ達をモーリィが下から突き飛ばす。

エスカルゴン「あァァァァ!!だから言ったのにィィィィィィィ…!!」ヒューン

デデデ「お約束!守らねばァァァァァァァ……!!」

摩耶「ったくあのバカ!」ジャキッ!

天龍「ちゃっちゃと終わらせるぞ!」ダッ


モーリィは両手で岩を容赦なく投げつけてくる。

摩耶「おっせぇよ!」

龍田「え~い」ズバッ!!


近接用の艤装がモーリィの体を切り裂く、そこから開いた口からは血も何も出なかった。

龍田(文字通り血も涙もない…文字通り生き物の形の剥製ね~)

吹雪「えーいっ!」ダァンッ!!

放たれた弾丸はモーリィの脳天を貫く。

モーリィ「…」ズズ……

しかし、穿たれる前と変わらずに岩を構える。

吹雪「そんな…効いていない…?」

長門「ああ、その程度じゃ壊せない…」

吹雪「……木っ端微塵に、じゃないとですか…?」

長門「何、私に任せろ!」ジャキッ!

主砲を整え、モーリィへと砲身を向ける。

モーリィ「!」ゾゴゴゴゴッ!!

危機を察知したか、爪で土を掻き出して身を沈める。

長門「くっ…これでは火力を叩き込めない…!」

天龍「割とちょこまか動けるじゃねぇか、えぇ?」


デデデ「親父ィ~の為~なら、エイコーラ!」グオォォ……

ズガンッ!!

デデデは何かの歌を乗せて木槌を大地に叩き付ける、続いてエスカルゴンも…

エスカルゴン「も一つ御負けに、エイコーラ!」ズガンッ!!


大鳳「何の歌でしょうか…?」

吹雪「知りません、割と古そうですね」

*デデデ「おっか~さんの~為~な~ら、エイコーラ!」ズガン!!


エスカルゴン「ンも一つ御負けに受け取れやァァァァ!!」ゴォッ!!

ズガァァァァァン!!!

デデデ「のわぁぁぁぁぁぁ!」ヒューー…

天龍「何やってんだマジで!!」

龍田「あらあら~…」

吹っ飛ばされたデデデはそのまま勢いで地面を掘り進み、体を地中に沈める。

大鳳(?もしかして……)


ドカッ!バキ!!ボガッ!!グシャッ!!

何とも陳腐な音が微かに地中から響いてくる。

長門「……」キリ……

摩耶(一体何しようっての…?)

ズボォォォン!!!!!


デデデ「フィーーーーーーッシュッ!!!!」

吹雪「司令官!?」

デデデ「さァ長門!遠慮は要らん!」

エスカルゴン「思いっきりィ!!」

長門「!」ジャコッ!



長門「全主砲、一斉射ッ!!」

鉄の口は、今ぞ轟音と弾丸を飛ばし、空間を切って進む。


ズュッ!!!

モーリィ「!!」

弾丸は敵の体ど真ん中を穿ち、そのまま彼方へと消えてゆく。

モーリィ「…」パキ…ピシ…

穿たれた所から罅が広がり、消滅して行く。

長門「……」

吹雪「やった……の?」

天龍「みてぇだな」


ズンッ!!

デデデ「きょ~うも楽し~お笑いコントショ~~~!!」

大鳳「は?(威圧)」ジトッ

摩耶「あぁ?(たかい)」ゾゾッ

龍田「あら~(さむい)」ブルッ

天龍「へぇ(こわいダス)」ガクガク

エスカルゴン「……アンタらねぇ」ハァ

ネクロディアス『…おめでとうおめでとう、第一の護衛を突破したか』

デデデ「ネクロディアス!」

摩耶「んで、残りは?」

ネクロディアス『予想の通りだ…後3体は居る』

龍田「待っててくださいね~?その首を落としてあげますから~」

ネクロディアス『落とせる物なら落としてみろ……序でに命も落としてみろ』

長門「…させるものか」

ネクロディアス『では次の関門に進みたまえよ、我は死神が来るのを心待ちにしているぞ?』

摩耶「ほざいてろ!」



大鳳「…もう切られたみたい」

吹雪「せっかちですねぇ、何をそんなに急いでるのかな…」

天龍「てかお前、何で見てるだけだったんだよ!艦載機放つとかあっただろ!?」

大鳳「飛ばされた岩でごっそり落とされるわ、それに地中に対する攻撃何て無いもの」

エスカルゴン「何で終わった事をグダグダ抜かすかねぇ」

デデデ「そうZOY、終わり良ければ皆嬉しいなだZOY」

エスカルゴン「終わり良ければ全て良し、でGESぞ」

デデデ「まあ茶番は作らずちゃっちゃと進むZOY」

エスカルゴン「無視すんな!」



ーーーその頃、ポップスターの何処かの海ではーーー


港湾棲姫「提督…貴方の元らが、ドクロ団の本拠地に乗り込んだそうよ……」

ブラックデデデ「……それがどうしたよ?」

離島棲鬼「…多分、もう守備は一人やっつけてるんじゃないの?」

ブラックデデデ「およよ、オレ様が遊びに行った後なのに何てスタミナだよ?」

港湾棲姫「あの後グランドは割と疲れていたわ……暫くは休養が必要よ」

ブラックデデデ「そいつァ羨ましい、良いだろ…?あの風呂……」

港湾棲姫「……ええ…確かに……素晴らしいですよ…」

離島棲鬼「もしもーし、おーーい」

ブラックデデデ「……とまァ、どうすっかねェ」

離島棲鬼「提督はどうしたいのさ、私達は何時でもイケるけど?」

ブラックデデデ「…別に、お前達は何もしなくて良いぜ」

港湾棲姫「……そう」

ブラックデデデ「この後だって色々予定が立て込んでんだよ、無理に動く必要なんて無ェよ」

離島棲鬼「ま、それがベターだよね?戦力の構築もあるしさ」


ブラックデデデ「…フフ、素敵だ…楽しみだよ……」

離島棲鬼「…なーにがさ」

ブラックデデデ「考えても見ろよ?俺達だけ無敵モードに等しくて一方的に攻撃出来るなんて、最高に絶頂モンだろ」

港湾棲姫「実際は傀儡による肉壁、私達が無敵な訳じゃないわ…」

ブラックデデデ「結果は同じ、過程ってのは所詮は道程に過ぎねェ」

離島棲鬼「……ワルい人だねー」

ブラックデデデ「ククッ…ステキな褒め言葉をありがとうよ、『ピーコック』」

離島棲鬼「っ……その名前で呼ばないで欲しいなー」

ブラックデデデ「自信を持てよ!誇りを持てよ!お前等の魂はナイスだからさァ!」

港湾棲姫「…提督は…私達の事は質で選んでいるの…?」

ブラックデデデ「……いや?オレ様が気に入ったのがたまたま質が良かっただけだよ」

離島棲鬼「…強力な戦力の製造の為に保存してる魂が有っても言える?」

ブラックデデデ「……………ヒッ、ヒヒッ」

港湾棲姫「…?」

ブラックデデデ「やっぱお前等、人臭ぇよ」

離島棲鬼「クサくないしー、お風呂はキチンと入ってますしー」


ブラックデデデ「…お前等は戦の最中、己が語る術は戦力のみ、己の行く末は破壊、撃沈、炎上、そんだけの物言わぬ建造物…」

ブラックデデデ「ただの喋れない楼閣にも、魂が宿る、人に頼られ、人に信頼された物には、魂が宿る…」

ブラックデデデ「その魂を取り出し、命にし、体と言葉を与えた後の反応や仕草を見た時はもう…心が躍るッ…!」

離島棲鬼「……」フー

ブラックデデデ「へへッ、魂から命を作る力を与えてくれたおっさん達には感謝しかねぇな……」







「……全く、『ダークマター』様々だぜ……」


ーーー場面は戻って、ネクロネビュラーーー

暫く歩くと火山の火口の様な場所に出た。
暑さも感じるし、マグマも揺らめきを見せるが、やっぱり色は付いて居ない。
それどころが飛び出す火の粉すら色が付いて居ない始末。

摩耶「うぇ、暑い所かよ」

デデデ「ガウン着てくるんじゃ無かったZOY」

吹雪「艦内温度が上がる前に早く倒したいですね…」

突然、マグマから丸く膨らんだ物が飛び出す。
そのまま地面に降り立ち、デデデ一行と目を合わす。

摩耶「へぇ、次はソイツか」

天龍「カエルか…暑くねぇのか?」

長門「話は後…先手必勝だッ!」ドォッ!!

ドゴォォォォォォォォン!!!!!

吹雪「っ…いきなりですか!?」

長門「早く為留めるに超した事は無い」

天龍「やったか!?」

エスカルゴン「何でそう言う事を言うかねぇ!?」

天龍「アッサリ退場だと可哀想じゃねぇか!」

煙が晴れると、そこには口からボイラーの様に煙を吐く灰色の巨大なカエルが居た。

吹雪「…あらら」

長門「天龍、帰ったら城の庭を1万周しろ」

天龍「やなこった」

長門「あまり私を怒らせない方が良いぞ…?」ボキボキ

デデデ「お前等、鬱憤ならカエルをサンドバッグにして晴らせば良かろう!」

エスカルゴン「車でわざとプチプチ潰すのもOK!」

摩耶「実際に敷いたド畜生居なかったか?しかもワザと」

龍田「それは都市伝説よ~?」

カエルは首を擡げ、天に向かって叫びを上げる。
戦の始まりを告げる音、炎が最も輝く時の訪れを。

大鳳「…やるしか!」


カエルはマグマの中に飛び込み、そのまま潜行する。

摩耶「げ、飛び込みやがった!」

吹雪「あ、あれって爆雷は聞かないですよね?」

エスカルゴン「ムリムリ、マグマでGESよ?マグマ」

長門「上がるのを待てという事か…」

大鳳「艦爆や艦攻は駄目?」カチッ

エスカルゴン「さぁ?ハエみたいにアイツに食われて終わりじゃないでGESかね」

吹雪「か、艦載機はハエじゃないですよ!あんなに気持ち悪く有りません!」

大鳳「物は試し、一度やってみますね」

バシュッ!!

ゴォォォォォォォ……


灰色のマグマから灰色の舌が飛び出し、そのまま艦載機を舐めとってしまう。

大鳳「あ…」

天龍「あ~あ」

エスカルゴン「やっぱり待つしか無いみたいでちゅ~」

吹雪「あの、そう言う喋り方はちょっと…」

カエルは足場に降り立ち、そのまま王冠から火山弾を出す。

摩耶「あっちも砲撃してくるのかよ!」

長門「怯むな!今が好機だ!」

摩耶「食らえっ!」ドォッ!!

ドゴォォォン!!!

弾丸はカエルの体に当たり、爆ぜる。
しかし煙から飛び出し、カエルは軽々と別の足場に跳躍する。

摩耶「やっぱり一発位じゃ怯まねぇか」

長門「チッ!」ドドォ!!


バゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

吹雪「す…凄い音…!」

デデデ「あれであのカエルも粉々ZOY!」


『ゲッゴォォォォォォォォォォ!!!!』

摩耶「うわッ!?」

天龍「ぐ…うるっせぇ!」

カエルはこちらを完全に敵と判断し、咆哮を上げる。
その勢いで弾が着弾した時の煙は吹き飛ばされる。

『ゴゲッ!』ドブン!

カエルはマグマに飛び込む、するとどうだろう。
奥の方から火山が迫り上がって来たでは無いか。

大鳳「か、火山を呼び出すなんて…!」

龍田「まるでお立ち台ね~」

吹雪「あの一撃が効いたみたいです!」

長門「気を抜くな!確実に為留めろ!」

『ゲゴォォォォォォォ!!!』

カエルが声を上げると、マグマも柱状に吹き上がる。
吹き上がったマグマは意志を持ってそのまま突撃してくる。

摩耶「お、おいおい!?アレ向かってくるぞ!?」

龍田「私達じゃちょっと無理じゃないかしら~?」

エスカルゴン「陛下~!」

デデデ「そ、総員!退却!退却ZO~~Y!!」

ダダダダダダダダダ………

急いでマグマが流れない場所まで待機する。

ゴォォォォォォォォォォ……

マグマはデデデ達の横を通り過ぎ、そのまま消え去る。

長門「……行ったか?」

吹雪「はい、通り過ぎて行きましたよ」

デデデ「まさかマグマを津波として押し出すなんて聞いてないZOY」

エスカルゴン「流石、ヴォルゲロムは格が違うでGESな」

摩耶「…あ?何だって?」

大鳳「ヴォルゲロムと言うのですか?」

エスカルゴン「そうでGESよ」

天龍「何で最初に言わねぇんだよ!」

エスカルゴン「嫌なんでって言われたって…聞かれなかったし…」

龍田「その目玉、赤いビー玉と付け替えたいですね~」

エスカルゴン「やめろオイ、解体するぞコラ」

デデデ「して、どうする?」

長門「幾ら装甲は比較的柔らかいと言っても、あの様にマグマに潜られては…」

吹雪「爆雷も効きませんし…」

天龍「ああいう奴に限って、何か直に触られると嫌そうだよな」

デデデ「むーん………お!」

大鳳「何か思いつきました?」

デデデ「ちょっと待て、直ぐ戻るZOY」

ダダダダダダダダダダ……

摩耶「おい提督!…っち、行っちまったよ…」

長門「あの早さ、島風以上ではないか?」

大鳳「さぁ…」

ーーー数分後ーーー

デデデ「どる~ん、待ったー?」

天龍「どこ行ってたんだよ……ってそいつは!?」


カービィs「「「「「「「「「「ぽよー」」」」」」」」」

デデデ「見ての通りカービィ軍団ZOY」

摩耶「いや、ローアに置いて行くんじゃなかったのかよ!?」

デデデ「アイツは引っ付かれたら多分払おうとその場に留まる時間が一瞬だけだが増える…はずZOY」

龍田「まあ、振り払うので地上に飛んで直ぐ別の所に飛ばれるのは無くなるかもしれませんね~」

デデデ「その隙に超火力で叩くZOY」

長門「ふむ…カービィへの被害は?」

エスカルゴン「うーん…よっぽどの事が無い限り大丈夫じゃないの?コレ」

大鳳「…行ける、かな」

吹雪「物は試し、やってみましょうよ!」

ーーーそして再び、火口地帯へーーー

『………』

カエルは静かに、火山地帯の真ん中に座している。

ツカ…ツカ…ツカ…

多数の足音が再びこちらに向かってくる。

『…』ズン

カエルが待ってましたと言わぬばかりに足音の方角へ顔を向ける。

大鳳「…地上に居る?」

長門「……待っていたのだろう、再び来るのを」

摩耶「…」ヒュー


天龍「んで結局どうする気だよ、カービィ」

デデデ「お前が投げるZOY」

天龍「は?」

エスカルゴン「だから、アンタが投げるでGESよ、ちっちゃい人参と小人ハイブリッドみたいに」

大鳳「みゃー、ってね」

天龍「はずしたら?」

デデデ「よんでもどすです、ぴぴーっ!とです」

天龍「マグマのうえではずしたら?」

エスカルゴン「そりゃもうカリッとフライドされるでGESよ、ジューシーなたつたあげのごとく」

天龍「一匹減ったら?」

デデデ「気にせず投げろ、一心不乱に」

天龍「…分かったよ、気にせず投げれば良いんだろ!?」

デデデ「その通りZOY!さあ、ピンク玉を掴め!」

天龍「ぐ…カービィ、ゴメンな…」

カービィ01「ぽよー」

『ゲゴォォ!!』ズン!!ズン!!

吹雪「あの、ヴォルゲロムが急かしてますよ…」

デデデ「お待たせしましたZOY!さあ続きをやろうじゃないか…」

『ゲゴ!』


長門「主砲発射!てぇッ!!」ドォッ!!!

『ゲゴッ!』ビョンッ!!

摩耶「オイ!さっきより早くなってるぞ!?」

『ゲロッロッ!!』ビュッ!

長い舌を一瞬の内に延ばし、鞭の様に周りに叩き付ける。

吹雪「痛っ!」ビシッ!!

早さに対応出来ずに被弾した吹雪、しかしカエルは間髪入れずに彼女を投げ上げる。

長門「吹雪っ!」

『ゲロッ!!』ビョンッ

透かさず吹雪に向かって飛び上がり、そのまま……

バズンッ!!

吹雪「ぎゃっ!?」

頭で殴り飛ばす。

龍田「あら~、頭突きで飛ばされちゃった~」

天龍「呑気な事言ってる場合かッ!早く受け止め…!」


ボヨンッ!

吹雪「っ……?」

デデデ「?」

長門「あ…」

大鳳「あら、丁度提督のお腹に」

エスカルゴン「あの三段腹も役立つもんでGESな~」

デデデ「エスカルゴン、お前の給料は全部吹雪に回すZOY」

エスカルゴン「え、え、え、え、ええェェェェェェェエ!?」

吹雪「あんまりですよ!どうせなら皆に振り分けてください!」

摩耶「お前もお前でヒドいよ」

カエルは足場に向かって体を跳ね、音を立てて足場に着地する。

デデデ「投げろー!」

天龍「っうらァァ!!」ブンッ!!

カエルに向かって投げられたカービィは一直線に進む。


ヒシッ!

カービィ01「ぽよ!」

『ゲゴ!?』

次の足場に飛ぼうとしていたカエルは突然引っ付かれて動きが止まる。

デデデ「今だ!撃てーッ!」

長門「本当に良いのか!?」

エスカルゴン「良いから撃ちなさいよ!んもう!」

長門「なら…遠慮なく行かせてもらうッ!!」ドドォッ!!!

ドゴォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!

吹雪「あぁ…そろそろこの衝撃にも慣れそう」

摩耶「駆逐艦のお前が慣れてどうすんだよ」

ヒュルルルルルル……

摩耶「むぐっ」ポスッ

大鳳「あ、カービィが戻って来ました」

カービィ01「ぽよ!」

摩耶(何だコイツ、めちゃくちゃやわけぇ……って何考えてんだこんな時に!)ペシペシ

天龍(羨ましいなぁ)ジー


突如煙の中が炎の様に輝く、長門に何やら嫌な予感が巡る。

長門「避けろ!!」

吹雪「えッ…!?」

煙に穴が形成され、数秒遅れて炎の線が飛び出る。

龍田「きゃん!?」

摩耶「ぷはっ…ッてうぁ!?」

大鳳「火炎放射…!」

飛び出た炎の線は、灰色の大地に黒という彩りを飾る。

大鳳「…」ゾッ

デデデ「熱そうだZOY」

エスカルゴン「そりゃそうでしょ、なーにを今更」

炎の線の出火元は、先の長門の砲撃の影響か周囲が凄まじく揺らいでいた。
灰色の筈なのに今にも赤く染まりそうな雰囲気が漂う。

龍田「色が無くてもあんまり変わらないわね~」

大鳳「…来るんじゃなかった…」ガックン

デデデ「何を弱気な事を言っているZOY、あと二回当てれば死ぬ筈ZOY」

摩耶「てかアタシも砲撃すれば良いんじゃ…」

天龍「そうだ、何でさっきは…もう良いや、次で決めろよ!」

摩耶「おうよ!」

『ゲゴッ!!』バシュバシュッ!!

冠の様な突起から火山弾が射出される。

吹雪「うわわ、動きづらい…!」

大鳳「あの王冠が厄介ですね…水でも持ってくれば良かった…」

エスカルゴン「もうね、やっちまったのにね、後に成って後悔するとかアホかと」

摩耶「うるっせぇ!なら一回位苦労してみろや!!」

エスカルゴン「あたしゃ散々苦労してんだよ!一年間何もしないで寝ていたいよもう!」

カエルはマグマから思い切り飛び出し、奥の火山に入る。

大鳳「あ…火山の中に…」

長門「何をする気だ…」


火山はその大きさに見合わぬ大噴火を起こし、そこからカエルと一緒に同じくらい大きさの岩が降ってくる。

摩耶「…どうすんだよこれ」

長門「私に付いて来い!避けるぞ!」

吹雪「はっ、はい!」

火山弾は次々と黒い爆発を起こし、デデデ達に迫る。


摩耶「うああああ!?おい!艦載機でブッ壊せねぇのかよ!」

大鳳「そんな暇無いですよー!」

続いてははカエルが炎を纏って落ちてくる。

吹雪「ヴォルゲロム、来ます!」

摩耶「長門!」

長門「構わん…撃ち落とす!」ガシャッ!




長門「斉射ッ!!」ドォッ!!!

摩耶「堕ちろぉ!!」ドドドドッッ!!!

摩耶と長門の渾身の一撃が、降って来たカエルに風穴を開ける。

『ゲ……ゴォ…』

カエルはそのまま堕ち伏し、そのまま消滅する。

摩耶「はぁ……やったぜ…!」

長門「敵も中々やるな……!」


ネクロディアス『ピ・ピー、第二関門消失ー、次にお進みくださーい』

敵を倒した達成感に浸る暇もなく、頭の中に素っ頓狂な声が響く。

天龍「ぶっ!?」

吹雪「何ですかそれ…」

ネクロディアス『さあさあ来い、我だって早く済ませて此の星が欲しいのじゃ!』

デデデ エスカルゴン(´・ω・) (・ω・`)

大鳳「あの…どうしました?」

長門「そんな顔、生まれて初めて見たぞ」

デデデ「……決めた、倒す、必ず倒す」

龍田「え?」

ネクロディアス『その意気だ!さあ!ハリー!ハリーハリーハリーハリー!!』

天龍(えぇぇぇぇ……さっきとは雰囲気が全然違うじゃねぇかよ…何が有ったんだよ…)

長門「…向かうぞ、事は早くした方が吉だ」

デデデ「あたぼうZOY」

天龍「…さっきから何だってんだよ」

龍田「暑さで頭が可笑しくなったのね~」

カービィ01「ぽ~よ」

ーーーーーー

補給も済ませつつ歩き続けると、極寒地帯の広場の様な場所に出た。
気温もさっきとは打って変わって寒い。

デデデ「さささささささささ、寒いZOY…!」ガタガタガタガタガタ

エスカルゴン「きき、きっと、さっきの、駄洒落の所為でGES!謝罪と賠償を要求するでGES!」

摩耶「カスがトンデモ理論に縋って、無い罪まで追求する様になったら終わりだぞ」

デデデ「何でお前は平気な顔してるZOY!」

エスカルゴン「そうでGESよ!ノースリーブ・ノーブラの癖に!」

摩耶「何か偉人の名前みたいだなソレ」

天龍「ノースリ・ブノーブラ(1832~2000)」ボソッ

デデデ「お、面白くなんか、無いZOY」カタカタ

摩耶「ま、アタシらはエンジンがあるからな、何時でもホカホカだぜ!」

長門「ぎ、艤装を付けていればな…」カタカタ

摩耶「……え?今アタシ艤装付けてる?」

大鳳「付けてないですよ…」カタカタ

摩耶「……」


   <耐寒効果が切れた!>ドン!

デデデ「と、ところで次の相手は…?」


ズズン!!!

灰色の大地に黒い物体が着地する。

『………』

摩耶「さ、サル?」

大鳳「サルですね、たてがみの付いた」

天龍(どっかで見た事有るな…)

エスカルゴン「あ、ゴライアス」

吹雪「ゴライアスって言うんですか、強そうですね…」

ゴライアスは腕をぐるぐる回し、狙いをつける。

龍田「あら~、もう始めるんですか~?」

天龍「せっかちだなぁ奴だな……避けるぞ龍田」


一行は散り散りに離れて行く、ゴライアスの次の一撃を避ける為に。

ヅガァァァン!!!!

ゴライアスの拳はそのまま目の前の壁に衝撃を与える、破壊するまでもなくただ衝撃のみを与える。
その腕は異様に伸びていた。

天龍「当たったらめっちゃ痛そうだな…」

長門「装甲を破壊する為ではなく、内部に振動を与えて体力を奪う為か…」

大鳳「装甲が固かったら危なさそうね…」

デデデ「じゃあ薄かったらどうなるZOY」

エスカルゴン「いや、衝撃は逃げるんじゃないの?」

天龍「痛いのは確実ってか」

ゴライアスはこちらに目を向け、腕と腕を打ち付けて威嚇する。

長門「ふ…さあ来い!殴り合いなら歓迎だ!」ザッ

エスカルゴン「た、頼むから中破しないでね?治すの私なんでGESから」

天龍「うし、カービィ頼んだぞ!」ムンズ

カービィ01 02「「ぽよっ!」」

長門「お、おい!何をする気だ!」

天龍「お前は大人しく動かぬ的を撃てば良いんです!」

大鳳「コラッ!目上の人に向かってそれはないでしょ!?」

天龍「ほーれ!」ポポイッ!

上の小言などどこ吹く風、風に乗せてカービィを投げ飛ばす。

ガシッ

カービィ01 02「「ぽ、ぽよ?」」

しかしゴライアスは上手くキャッチし、慣れた手つきでそのまま投げ返す。

天龍「ぶげっ」ポスッ

長門「ぐあっ!」ポスッ

吹雪「あぁ!天龍さんと長門さんに投げ返されました!」

エスカルゴン「そんなタイミングで使ったらそうなるでしょうがよ!」

ゴライアスは腕を後ろに合わせ、そこに気を溜める。

龍田「あら、何か溜めてるわね」

デデデ「摩耶!」

摩耶「っ!」ジャキッ!!

ドォッ!!

放たれた弾丸はゴライアスに直撃し、それなりの爆煙を撒き散らす。




刹那

ヒュンッ!!!

摩耶「っ!?」ヂッ

ドゴォォォォォォォン!!!!!

光弾が頬を掠め、壁を穿つ。

摩耶「…っ」ゾ…

デデデ「もう近づいて殴るしか無いZOY」ダッ

大鳳「あぁ、待ってください!」

ザッ

デデデ「さぁ来い!ワシは負けんZOY!!」

長門「て、提督!下がれっ!」

大鳳「…!」バシュッ!

艦上戦闘機が打ち出され、ゴライアスの周りを飛び回る。

『…!?』

デデデ「大鳳かZOY!?」

大鳳「そこでよおく見ててください!」カチッ

流星改のカセットを入れてゴライアスに向ける。

大鳳「行けっ!」バシュッ!!

攻撃隊はバラバラに散しつつ、ゴライアスの周囲を取り囲む。

『!』

ゴライアスは艦上戦闘機を振り切り、周囲を跳ねる様に動き回る。

大鳳「!」

透かさず流星改が魚雷を落としに掛かる。

ボガァァァァァァァァァン!!!!!

しかし飛び上がられて躱される。

摩耶「クソッ!外れた!!」


大鳳「後ろにも気を使いましょうね?」

飛び上がったゴライアスの後ろにもう一機、流星改が迫る。
そのまま魚雷は落とされ、避ける暇を与えずに爆ぜる。

吹雪「わぁ…素敵ですっ!」

大鳳「ふふ!」エヘン

デデデ「久々に良い所を見たZOY」

エスカルゴン「流星改の一撃を食らえば敵も只では済まんでGESなぁ」

ゴゴゴゴゴゴ……


摩耶「肌がぴりぴりする…何だこれ?」

大鳳「相当効いたみたいね…」


『ウォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!』

雄叫びで煙が吹き飛ばされる。

エスカルゴン「おわぁっ……なんじゃこりゃァ!?」

天龍「き…キンキラ…」

長門「黄金…!?」

なんという事でしょう、黒かったゴライアスは見る影も無く、黄金に輝いていたでは有りませんか。

摩耶「奴のホンキ度が上がった…!やられるなよ!」

ゴライアスは丸太の様な腕を振り回しながら前進してくる。

吹雪「き、来ます!」

長門「間合いを取れ!奴の近くに接するな!」

龍田「言われなくても分かりますよ~」

摩耶「何時もの様にしてれば良いんだろ?簡単な事だよッ!」ドォッ!!


ズボォッ!!

ゴライアスは腕を地面に突っ込み、何かを引きずり出そうとする。

吹雪「な、何かやばそう…!?」

天龍「させるかよ!」ポイッ!

カービィ01「ぽよっ!」


ガシッ!

『フンッ!!』ポイッ!!

カービィ01「ぽよ~~っ!」

天龍「っ!やっぱダメかよ…!」パスッ

龍田「カービィちゃん投げるのは諦めた方がよさそうね~」

ズズズズズズ……!

大鳳「な…!」

摩耶「なあ…っ!!?」

ゴライアスが引っ張り出したのは槍の様に尖った大きな氷柱、それを処刑者に見せつけるかの様に掲げる。

吹雪「ま、不味いですよあれ…!」

長門「させるか!」ドォッ!!ドォォッ!!


重い氷柱を持ったままゴライアスは跳ね回り、砲弾を軽々と避けて行く。

ドゴォォォォォン!!!

『!』

長門「止まったなッ!」ドォンッ!!

『ウォァァァァ!!』ゴォォッ!

持っていた氷柱を思い切り地面に突き刺し、自らを守る即席の盾とする。

ドゴォォォォォォォォォォォッ!!!

長門(手応えが固すぎる…!あの氷柱を盾にしたか…!)

『ゴァァ!!』

煙の中から勢い良くゴライアスが飛び出してくる。

長門(っ!)

吹雪「長門さんっ!」

相手は長門に向けて拳を向けてくる、長門も負けじと拳を突き出す。

ズッッッガァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

拳と拳がぶつかった衝撃で周りに雪やくだけた小さな氷が吹き飛ばされる。

摩耶「うぉぁっ!?何てパワーだよ…!」

天龍「カービィ捕まってろ!吹き飛んじまうぞ!」

カービィ01「ぽ…よぉ……!!」ググ……


長門とゴライアスは己の全力を持って鍔迫り合いをしていた。

長門(ぐ……なんと言う力…!腕が消えてしまいそうだ…!)ゴゴゴゴゴゴゴ……!!

『……』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

長門「ぐっ……ぅぅぅぅ…!」ギギギギギギ


ビギッ…ブヂッ……

デデデ「何をしているZOY!長門を支援するZOY!」

摩耶「ダメだ!衝撃波で弾が当たる前に爆発しちまう!」

天龍(…前が見えねェ)


長門「ぐぐ……!!」ギギギギギギギギ……!

『グググ…!』ギギギギギギギ……!

長門は両足を踏みしめ、拳に全身全霊を叩き込む。

長門「ビッグ7の力……!!舐めるなァァァッ!!!」ギュゴォォッ!!

『!?』

バギャァァッ!!!!

両者の全てを込めた鍔迫り合い、最後まで地面に立っていたのは長門だった。

長門「御負けだ…持って逝け!」ジャコッ!

ドォォンッ!!!!

『!』

バギッ!!

御負けが気に食わなかったのか、拳で思い切り横にはじき飛ばす。

長門「ほう……気に入らなかったか…?」

『…』グルルルルル……

吹雪(す、凄すぎる…)

エスカルゴン「かぁ~…長門はカッコ良いでGESな~」

デデデ「呑気な事言ってないで、早く何とかせい」

エスカルゴン「私は頭脳労働担当なんでGES」

デデデ「役立たずだZOY…」

エスカルゴン(それでも殴らなくなったんだよなぁ)

吹雪「あの、どうすれば良いでしょうか…?」

エスカルゴン「…隙を見て一斉攻撃すれば良いでGES」

摩耶「つまりそれまでは留守番と」

天龍(…折角の実践なのに…これじゃあ面白くねぇなぁ…)


『ウォォォォォォォォ!!』バッ!

長門(飛び上がった!?)

そのままゴライアスは両腕を上空に掲げ、エネルギーを球体状にして増幅させて行く。

長門「ほぉ…!」


摩耶「あれは…g」

エスカルゴン「言わせないから」

摩耶「真珠七個やるからさぁ…頼むよ」

エスカルゴン「駄目!更にダメだから!」

長門「あれは…どうだろう、行けるか…」

デデデ「流石に無理ZOY!」

長門「…そうか」

流石の長門も危機を察知して、さっさとその場から離れる。

天龍「こっちだ!周りの尖ってる所に捕まれ!」

龍田「冷たいけど死なないわよ~」

天龍と龍田が先に高い所に逃げていた、天龍にはカービィ10人が乗っかっている。

天龍(あ、頭が…重い…)

そんな天龍には目もくれずに全員は安全な場所へと退避する。
丁度その時、ゴライアスのエネルギー球は投げ落とされていた。

大鳳「さて…どうします?」

デデデ「エスカルゴン」

エスカルゴン「イヤでGES」

デデデ「このままだとお前の影が薄くなるばかりZOY」

エスカルゴン「それもイヤでGESな…」

エスカルゴン「えー…じゃあ天龍、龍田はそこで待機、合図が出たらカービィを投げるでGES」

天龍「でもさっきはダメだったじゃねぇか」

エスカルゴン「獲物を集中させておけば横からの一撃には対処出来ない物でGESよ」

天龍「あ……そっか」

龍田「それで残りは前線に立つという訳ね~」

デデデ「あぁ、そこで見ていろZOY」バッ

再び戦地に降り立つ。

長門「よし…どうすれば良い?」

デデデ「まあ、死なない様にするZOY」

吹雪「結論は、いつも通り!」ドォッ!

大鳳「こら!先んじては駄目ですよ!」

デデデ「さあ、お前の相手はワシZOY!」

『!』

後者は拳を振り上げ、前者は木槌を振り上げ

ガヅヅッ!!!

デデデ「…ふっ」ニヤッ

『…!』ニ

武器は音を立てて打つけ合いて離れ、顔は睨み合う。


摩耶「今度はアタシだッ!」ドォォンッ!!

『!』グッ

摩耶の弾丸を拳を突き出して撃ち落とす。

摩耶「ちっ…だったら!」ジャコ!

副砲と機銃を標的に向け、これでもかと連射する。

『ウォォォォォォォォォォ!!!』ドカドカドカドカドカドカ!!!

相手も負けじと拳を機関銃の如くに高速で突き出す。

摩耶「はぁ!?ウッソだろお前…!」

ボガァァッ!!!!

拳の一発が、摩耶の体を抉る。

摩耶「ぐ…ふ…ッ!」

そのまま摩耶は紙切れの様に吹っ飛ぶ。

大鳳「この!」

艦上爆撃機を放ってゴライアスに弾幕を張る。

長門「おっと…私も忘れてもらっては困るな!」ドォォン!!



ドゴォォォォォォォォォォン!!!!!

吹雪「っ…敵は!?」



『ゴァァァアァァァァ!!!』バッ!!

長門「!」

バギッ!!!!

摩耶「長門っ!」



ギギギギ……

長門「はぁ…はぁ…何だ、どうした、まだ足りないのか?」ギギ……

『フーッ!フーッ!』ギギ……

デデデ(息が荒い…奴も長門も、相当消耗しているな…)


デデデ「…」チラッ

エスカルゴン「ん…今でGESな」バッ

エスカルゴンは上で待機している天龍に合図を送る。

天龍(了解っと!)ムンズ

カービィ01「!」キッ

天龍は片手でカービィを持ち、もう片方の手を頭のカービィにあてがう。

天龍(さあ、取っときなっ!)ブンッ!

カービィは一直線にゴライアスにへと飛ぶ。

ヒシッ!!

『!?』

突然飛んで来たカービィに反応が遅れ、引っ付かれてしまう。
その所為で長門に掴み掛かっていた腕から力が落ちる。

長門「天龍!」

天龍(さあさあもっと持ってけドロボー!)ポイッ

2にカービィ、34が無くて5にカービィと次々と投げられてゆく。

デデデ「今ZOY!今度こそブチのめしてやれえ!!」

長門「…分かった!」ジャコッ

照準をゴライアスに合わせ、再び弾薬を燃やす準備を放つ。

『ッ!!』

カービィ「「「「「ぽよっ!?」」」」」

体に引っ付いていたカービィを振り払うが、時は既に遅い。


長門「さらばだ…ゴライアス、今度は偽り無しでやり合おう…!」

『…』

長門「全門…斉射ッ!!」ドッッッッッッ!!!!!

今再び、別れの言葉と共に、渾身の弾薬は放たれ


ドゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!

デデデ「爆風と共に、去りぬZOY」

エスカルゴン「前にもそんな台詞聞いたよーな…」

デデデ「何を…いや、何でも無いZOY」

デデデ(もう殴るのも飽きたZOY)


長門「ふう……皆、無事か?」

吹雪「はい!大丈夫です!」

大鳳「私も以上は有りませんよ」

天龍「俺も龍田も大丈夫だ」

摩耶「アタシはアバラが少し逝ったが、まぁバケツ被れば大丈夫だろ」

ネクロディアス『見させてもらったぞ、中々楽しい戦いだったではないか』

デデデ「お前こそ、ワシらが戦った後に何時も何時もテレパシーかけて来てご苦労な事だZOY」

吹雪「他にする事無いんですよ、多分」

ネクロディアス『ああ無いとも、この星を乗っ取る意外にはな』

天龍「そんな事、絶対させるかよ!」

ネクロディアス『…だから早く、こっちに来てくれ、頼んだぞ…』

エスカルゴン「何でちょっと寂しそうなのよ」

シーン……

摩耶「またあっちから切りやがった…」

大鳳「何で毎回何時も勝手に繋いで勝手に切るんでしょうか?」

デデデ「知らんな」

長門「兎に角、残る守備は一つ、このまま押し切るぞ!」

龍田「悪あがきやカウンターにも気をつけましょうね~」

デデデ「ではー、何時もの様に進めー!」

ーーーーーー

歩み続ける事4分、最後の守備が住む場所に着いた。
その場所は、大きな大きな湖だった。

天龍「お、今度は湖かよ」

エスカルゴン「艦娘にとっちゃ最高のホームグラウンドでGESな」

長門「だが、慢心すれば直に墓場に成る。油断するなよ」

デデデ「…じゃあ、ワシらは此処で待っていれば良いかZOY?」

摩耶「ああ、地球の時みたいに二人で平泳ぎで来られても困るからな」

エスカルゴン「ローアが出来たときは本当に助かったでGESよ~」

ザバァッ!!

吹雪「わぁッ!?」

大鳳「さ、鮫!?」

長門「く…敵は待ってはくれないか!」

浮き輪を装備した恐ろしい顔つきの鮫はそのまま水中に潜る。

天龍「げ…潜水艦タイプかよ…」

龍田「爆雷でなら倒せるわ~」

吹雪「じゃあ…ここは私達に!」


エスカルゴン「アイツは確か…ガブリエルザメという鮫の一種でGESな」

デデデ「そこまでモチーフに広く手をつけているとは…ネクロディアスは割と凝っている物を好むのかZOY?」

エスカルゴン(…節操が無いだけなんじゃないの?)

吹雪「てか…水が透明ですね…」

天龍「これじゃあ何処に居るのか丸わかりじゃねぇか」

龍田「全然力を生かしきれていませんね~」

そんな事を言っている内にガブリエルが大口を開けながらこちらに向かってくる。

吹雪「み、皆さん!対潜の準備を…!」

天龍「おうよ!」





ブズッ!!!

吹雪「えッ…!?」

龍田「…え?」

こちらに向かってきたガブリエルの体に魚雷が一本刺さり

ザギュブジュグジャッ!!!

続いて多数の魚雷がガブリエルを貫き、爆砕する。

ボガァァァァァァァァァァァァン!!!!!!

吹雪「きゃぁっ!」

天龍「な……何だってんだよ…!」

長門「どうした!?新手か!?」

それに呼応するかの様に湖周辺が黒い霞が包む。

吹雪「こ、これは…!?」



暫くの静寂の内に、何かが水の上に立つ音が響く。

摩耶(新手かよ…聞いてないぞ)

吹雪(あの強そうなのをいとも簡単に…一体何者…!?)

そして後に続く様に水の中に何かが飛び込んだような音が響く。

長門「…何かが来るぞ!」

大鳳「…!」

霧が少し晴れ、相手の姿が少し露になる。


「………」

吹雪「あれは…深海棲艦?」

大鳳「見た事が無い個体です…」

周りに足や手が生えた駆逐級を従え、ずんと構えるそれは
割と目立ちそうな大きい両腕と、長門より少し高いであろう身長を備えていた。

長門(戦艦……いや、あの砲からして軽巡か…)

吹雪「貴方は…一体…?」


ツ級「……ツ級、軽巡ツ級だ」

大鳳「なっ…」

長門「『ツ』級…!?」

今までに聞いた事の無い名前に周囲が驚く中、ツ級は続けて口を動かす。


ツ級「…我等は闇の力の代理人、上が与えた任務の遂行者…」

ツ級「我等が使命は、行く手を阻む障壁を、その破片の最後の一辺までも撃滅する事」

天龍「……!」ゴクッ



ツ級「………AMENッ!!」ドォォッ!!!

腕に付いた莢砲が弾丸を放ち、デデデの艦隊に向かう。

長門「来るぞ!」

吹雪「は、はい!」

摩耶(さっきのエイメンって…何だよ?)

大鳳「先ずは制空権をッ!」バシュッ!!

艦上戦闘機が放たれ、黒いもやが掛かった空に舞う。

ツ級「愚かだ、愚かすぎる…」ジャコッ!

ドォンッ!!ドォンッ!!

莢砲が飛翔する艦載機に狙いをつけ、次々に撃ち落として行く。

大鳳「なっ…!?」

長門「あれほどの数の艦載機が撃ち落とされた…!?」

ツ級「そんな程度で調子に乗られては困る…」

ツ級は凄まじい瞬発力で移動し、大鳳の懐へと向かう。

大鳳「っ…?!」

摩耶(一瞬であそこまで!?)

ガギィィッ!!

ツ級の巨大な腕が彼女を殴りつけ、吹き飛ばす。
吹き飛ばされた大鳳は水面に大きく叩き付けられる。

吹雪「大鳳さんッ!」

ツ級「さあ、次はどいつだ…」

摩耶「軽巡の癖に…何てパワーだ!」

ザバァッ!!

駆逐イ級後期型が摩耶を一呑みにしようと襲いかかる。

摩耶「あー、お前じゃない、座ってろ」ドォンッ!!

イ級後期型「ギェッ!!」中破!

吹雪「貴方達…一体なんなの!?」

長門「答えろ!」

ツ級「何を答えろと言うのだね?小娘」

天龍「な…何で深海棲艦のお前が俺達に攻撃して来るんだよ!」

龍田(一昔前だったら凄い可笑しい台詞だったわね~)

ツ級「何故……………ああ、私は前期型の様なジャンクとは違うのでね…」

長門「前期型…?」

ツ級「我々は『深海棲艦後期型』、ブラックデデデ提督に仕えし矛だ」

『ブラックデデデ』、その名で全員が身構える。

長門「何だと…!」

吹雪「じゃあ!提督がマジルテで出会った新しい深海棲艦も…!?」

ツ級「あぁ…港湾棲姫様と離島棲鬼様から、お前達の事は聞いている…」

天龍「…成る程、な……んで、その矛が何の用だよ」

ツ級「我々は矛として、異物として、真直ぐ伸びる血管に刃を立てよと命を受けた」

摩耶「乱入しに来たってか?、スパイスのつもりで?」

ツ級「その通りだ…敗残兵…」

相手は摩耶達に向かって中指のみを立てて挑発する。
長門の顔が明らかに顰める。

長門「ほう…随分と余裕があるのだな…」

ツ級「ナメてるとも言う…お前達は我々に付く取るに足らない錆と成るのだ…」

ツ級はすぐさま遠くに離れ、体制を整え直す。

ツ級「さぁ来い、少し遊んでやる…」

長門「望む所だ…私達に挑発した事を後悔させてやる」

摩耶「後期型だかケーキ型だか知らねえが、ブッ潰す!」

戦闘開始!

長門「吹雪は大鳳を!」

吹雪「わ、分かりました!」


ハ級後期型「グバァァ!」ザバァッ!!!

天龍「うぜぇんだよ!」ザシュッッ!!

ハ級後期型「グィッ!」中破!

龍田「どうして砲撃しないのかしら~」

天龍「知らねーよ、肉弾戦が好きなのか?」

ツ級「立ち止まって撃って避けるだけの時代は終わった…」ヌウ…

天龍「おわっ!?」シュッ!

咄嗟に降られた天龍の刀は、当たり前と言わんばかりにツ級の腕に撥ね除けられる。

ツ級「我々を今までの奴らと同じに思うな、敗残兵…」

ヅグシュッ!!

龍田「黙りなさい~?」

長刀の様な艤装がツ級の体に刃を立てる。

ツ級「……」

龍田「貴方達が知った様な口をきかないで~?」

ツ級「……」

天龍「何とか言ったらどうなんだよ?オイ」

ツ級「…黙れと言われたから黙っているだけだが…?」

龍田「真に受けちゃうんですね~、可愛い~」

ボガァァッ!!


龍田「がっ…!」

真っ正面から殴りつけられ、龍田の体は真っすぐ吹き飛んで行く

天龍「龍田ぁ!」

摩耶「ッ野郎!」ドォンッ!!

怒りで放たれた砲撃を避け、ツ級は魚雷を放つ。

長門「忘れたか?下は透明な水、お前の魚雷は丸見えだぞ?」

ツ級「……こほん、後方」

長門「何?」

長門の後ろにはロ級後期型が齧り付こうとしていた。

長門「チッ!」ドォォッ!!

ドゴォォォォォォォンッ!!!!!

ほぼ近距離で戦艦の砲撃を受けたロ級は哀れ爆発四散する。

ボガァァァァァァンッ!!!!

長門「っつ!?」小破!

ツ級「…中破まで行くと思ったのがね」

長門「お前の行動はそれだけか?ならば…こちらからも行かせてもらうぞ!」ドォンッ!!

摩耶「助太刀するぞッ!」ドォンッ!!

摩耶と長門が二人掛かりでツ級に砲撃する、しかし全てが悉く躱されている。

ツ級「緩い、緩いぞ敗残兵!」

長門「敗残兵ではない!ビッグセブンの長門だッ!!」

ドガァァァァン!!!!

ドゴォォォォォォォォォン!!!!!


吹雪「ひゃぁ…二人掛かりの砲撃を容易く躱してる…!」

大鳳「相当…速力が高いみたいね…」

吹雪「あんなデカい図体なのに早いなんて…」

大鳳「対空の為の莢砲も有って、しかも火力はあの腕で補い、さらに速力もある」

大鳳「これで耐久、もしくは装甲が固かったらオールラウンダーね」

吹雪「…………はだか腰巻きなのに」ボソッ

大鳳「…」スッ

吹雪「…大丈夫ですか?」

大鳳「ええ、さっきので艦戦は殆ど落とされたけど…艦爆は残ってるから」

バシュッ!!

艦上爆撃機は期待を乗せ、飛び立つ。

大鳳(どうかこれで……!)

ツ級「どうしたどうした、弾幕ばかり張って居てはどうにもならんぞ…?」


摩耶「クソッ!アイツ早過ぎだろ!」

長門「…確かに、今までの深海棲艦とは全く違うな…」

摩耶「クソが…」

長門「……攻撃、止めるぞ」

摩耶「…闇雲に撃ってもどうにもならねぇ…けど、撃たなきゃ勝てない…どうしたら良いんだよ…」

長門「大丈夫だ…きっかけは、有る」チラ

摩耶「あぁ…?」



ツ級(砲撃が止んだ…さて次は…)

ゴォォォォォォォォォ……

空を飛ぶ爆撃隊を見つけ、バイザーに隠れた目で睨む。

ツ級(撃ち落とす!)バッ!

莢砲を上に向け、爆撃機達に狙いを付ける。

ドォッ!!ドォッ!!

次々と穿たれ、空中で爆ぜる艦爆隊達。
黒い莢砲は無慈悲に飛ばされた期待を打ち砕く。

ツ級(パイロットの練度も、艦載機の性能も関係ない、この私の前では…)

そんな最中、ツ級は水中を何かがこちらに向かうのを見た。

ツ級(……魚雷!)

莢砲を水中の魚雷に向け、そのまま弾丸を放つ。

ボガァァァァァァァァァァァン!!!!

ツ級「フン……洒落臭い真似を…」


ヒュンッ!!

ツ級「?!」

水柱を貫いて戦艦の弾丸がツ級に向かう。

ボガァァァァァンッ!!!!!

摩耶「っっしゃぁ!!」

長門「…」ニッ

コォォォォォォォ……

長門「……なッ!?」

摩耶「…んだと!?」

煙が晴れて見えた光景に長門と摩耶は揃って驚く。


ツ級「…今のは少し危なかったな…」小破!

イ級後期型「」撃沈!

ツ級はとっさに自らの倍以上は有るイ級を盾にして砲弾を防いでいたのだ。
尤も、自らも小破はしているが。

長門「何と言う事を…!」

ツ級「明日の戦場の為その1、自らの死は、何としてでも防げ」

ツ級「主力なら尚更だ、主力がやられたらどうにもならん」

長門「貴様ッ!!」

摩耶「だからって他の奴を犠牲にしなくても良いじゃねぇかよ!」

ツ級「…ならば死ね」

長門「何だと…?」

ツ級「手出しもせず、足掻きもせず死ね、我が仲間の為に」ポイッ

息絶えたイ級を淡々と、感情を込めずに放り捨てる。

ツ級「敵の仲間を気にかけるならば、戦人の様にではなく、藁の様に死ね」

長門「……」

摩耶「…そうかよ、だったらこの『チャンス』でお前をブッ殺す」

ツ級「…」

口が開く時以外は線に等しかったツ級の口の端が僅かに上がる。

天龍「うらぁぁぁぁぁ!!」バッ!

龍田「え~いッ!」バッ

ツ級の後ろにこっそり回り込んでいた天龍と龍田が武器を振り上げて切り掛かる。


スカッ!

天龍「な…」

残念ながらツ級は長門に向かって走り出していた所だった。

龍田「あら~、私達の事は興味ないみたいね~」

お前達の相手は俺達で十分だと言わんばかりにニ級とハ級後期型が行く手を塞ぐ。

天龍「チッ…舐めやがって!」


長門「向かってくる…!迎え撃つぞ!」

摩耶「分かってる!」

走りながら腕を振り下ろし、殴り掛かってくる。
長門も腕を突き出して応える。

バギィッ!!

長門「肉弾戦を所望か…良いだろう、応えてやる!」

ツ級「ふん…ッ!」ゴォッ!

巨拳を突き出す、長門も再び拳を突き出す。
見た目では長門が力で不利に見えるが、実際は互角。

長門「良い拳をしてるじゃないか……心が冷たいのが勿体ないな!」

摩耶「おらァァァ!!」ドォン!!

摩耶がツ級に狙いを付け、弾丸を発射する。

ドガァァァァァァァァン!!!!

ツ級「…」大破!

摩耶「どうだッ!」



ツ級「…素敵だ」

摩耶「うぇっ!?」

長門「素敵だと?」

ツ級「そうだ、私が求めていたのはこれだよ、その情も迷いも無い戦い方」

ツ級「自らの敵は必ず殺す、そんな心無き戦いこそが私の望む物だ、何とも素晴らしい…」

その声色は全く変わらないものの、口は完全に笑っていた。

摩耶(コイツ……どうかしてるんじゃねぇのか?)

長門(…冷たく戦う、それが唯一の望みか…)


パシャッパシャッ

天龍「長門!こっちは片付いた!」

龍田「漸くツ級一人ね~」

吹雪「大丈夫ですか!?」

長門「ああ、私を誰だと思っている」

ツ級が大破したのを確認すると散り散りになっていた一行が再び揃う。

大鳳「さあ…観念しなさい?」

ツ級「ふ、ふふ…こんなに楽しい事は、久しぶりだ…」

摩耶「あ…ダメだコイツ、早く何とかしようぜ」

ツー!ツー!ツー!ツー!ツー!

突然ツ級から音が鳴り出す。

長門「?何の音だ!」

ツ級「……なんだ、もう時間か…」

摩耶「あ?何の事だよ!」

ツ級「すまないね、任務の時間が終了したのでね…」スクッ

それまで周囲を覆っていた黒い霞がツ級の元に集まって行く。

吹雪「な、何!?」

大鳳「これは…!?」







ツ級「然らばだ、兵士達……次は本気でやろう…」ザワワワワワワワワワ……!

黒い霞が集まってツ級を包み、そのままツ級と共に消え去る。


戦闘終了

長門「………」

天龍「…一体何がしたかったんだろうな」

龍田「さぁ、分からないわ~」

吹雪「…戻りましょうか」

摩耶「…そーだな、勝利した事だしな!」

長門(……兵士、か)



ーーーーーー

長門「提督、帰投したぞ」

陸上に戻り、デデデに呼びかける。

シーン……

が、返事が無い。

吹雪「あれ?司令?司令官?しれいかーん!?」

摩耶「おーい!何処行ったんだよー!ぅおーーい!!」

大鳳「まさか、別働隊に攫われたんじゃ…」

天龍「オイオイ、まだそうと決めつけるのは早いぜ?」

龍田「そうね~、一回あの石像の部屋って所の前まで戻りましょうか~」

長門「ああ、ガブリエルもやられてしまったし…もしかしたらそこに居るかもしれない」


そして長門達は修復と補給を済ませ、万全の状態にしてから石像の部屋の前へと向かった。


ーーー数分後 石像の部屋の前ーーー


カービィs「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

エスカルゴン「…どうするんでGES?入るでGES?」

デデデ「ネクロディアスが急かすから来たが…やっぱり長門達が心配ZOY」

エスカルゴン「じゃあ待ってる?」

デデデ「でもネクロが急かすし…うーむ」


<提督ー!

エスカルゴン「あ、噂をすれば」

大鳳「良かった…見つかって…」

天龍「やっぱここに居たのかよ!俺達を置いてくなんてあんまりだ!」

デデデ「いや、ネクロが急かしたんだZOY」

吹雪「せ、急かされたんですか…?」

エスカルゴン「そりゃあ早く来い早く来いって五月蝿かったもん」

摩耶「何でそんなに急ぐんだかなぁ、死にたがり屋なのか?」

長門「さあな、兎に角私達は何時もの様に敵を倒すだけだ」

天龍「違ぇねえな…」

エスカルゴン「んじゃぁま、さっさと親玉の所に行くでGESぞ」

吹雪「はいっ!」

ーーー石像の部屋ーーー
長い道を進むと、とても大きい部屋に出た。
それはぽっかりと天井が空き、ぽつんと石像が建っている場所だった。

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=dfwZRmkHfy(石像の部屋)

長門「ネクロディアス!望み通り来たぞ!」


『来たか……待っていたぞ…!』

天龍「アイツが…」

吹雪「ネクロディアス…!」

URLこっちね…ごめん https://www.youtube.com/watch?v=dfwZRmkHfy8



ネクロディアスの杖から黒い雷が落とされる。

長門「っ!」

雷は石像に堕ち、粉々に砕け散る。

摩耶「っ…手荒い歓迎してくれるじゃん!?」

ネクロディアス「ふはは…こうして直に目見えするのは初めてだな、お嬢さん方」

デデデ「お前か、カービィを十人に分けたのは」

ネクロディアス「そうだ、星の戦士を分けてしまえば此の星はあっという間に乗っ取れると思ったが…」

大鳳「残念でしたね、私達が居るんですよー」

ネクロディアス「…だがまあ良い、倒してしまえば同じなのだから」

長門「でもその杖だと倒せないのでは?」

ネクロディアス「何故だ?」

長門「それで攻撃しても十人に分かれるだけだ」

ネクロディアス「……あ、そうか」

摩耶「いや気づけよ」

ネクロディアス「長い事使ってないからな、仕方ない」グバァッ


ゴグンッ

大鳳「あっ!?」

エスカルゴン「つ、杖が!?」

ネクロディアス「さあ…杖を取り戻すには我を倒すしか無いぞ?」

デデデ「良く喉に詰まらなかったZOY」

吹雪「突っ込む所そこですか?」

ネクロディアス「日々の練習の賜物だ」

吹雪「貴方も真面目に返答しない!」

ネクロディアス「さあ…行くぞ!此処がお前達の墓場と成るのだ!」

摩耶「その台詞、そのまま変えさせてもらうぜ?」

デデデ「安心するZOY!刻む碑文は格好良くしておくZOY」


BGM:https://www.youtube.com/watch?v=zqP2tIxaY90(おそろしいてきだ!)

ネクロディアス「はぁっ!」ゴォッ!

骨の拳を握って、地面に向けて振り下ろす。

吹雪「よっ、と!」タッ

摩耶「まあこれは避けれるよな」

龍田(あの手の甲の水晶…あれを壊してみたらどうなるのかしら)

龍田が長刀を水晶に突き立てようとした時、拳はそのまま元に戻って行く。

龍田「……あらぁ」

天龍「何しようとしてたんだよ」

龍田「うーん…あの水晶、壊せないかな~って」

天龍「どうやって」

龍田「分からないから少し考えさせて~」

天龍「…分かった」


ネクロディアス「何をコソコソと話しておる!」コォォォォ

手に禍々しい色の光玉を生成し、そのまま投げつける。

摩耶「…ちっ、安全な所からチマチマと…!」

エスカルゴン「あー、一番イヤなタイプだわアレ」

長門「兎に角攻撃しない訳にはいかんだろう!」

大鳳「私の艦爆隊で何とか行ける筈!」バシュッ!

艦爆隊がネクロディアスのずっと上に飛び、そこから急降下して魚雷を落とす。

ドゴォォォォォォォ!!!

ネクロディアス「ふん…こんな物、擦り傷程度だ」

大鳳「効かない、か」

長門「やはり、弱点を探しだしてそこを叩くしか無さそうだな」


大きな骨の手が、中指と人差し指を足にして迫り来る。

吹雪「ひいぃ!?は、走ってくる!?」

天龍「蹴られるぞ!ボヤっとすんな!」ガシッ

吹雪の服を掴んでそのまま手から離れる。

天龍「っ…あんのヤロ…吹雪、大丈夫か?」

吹雪「は、はい!」

天龍「あの水晶が壊せそうなんだがなぁ…」

摩耶「あぁ…あの丸いコアみたいなのか」

龍田「それについてちょっと思いついた事あるんだけど~」

天龍「考えついたのか?」

龍田「おみみを貸してね~」

摩耶「お、おう……」

長門(龍田達はさっきから何を話しているんだ…?)


天龍「…成る程な」

摩耶「押さえきれるのかよ?」

龍田「この世で何が恐ろしいか、それは?」

吹雪「…数の暴力?」

龍田「正解よ~」

天龍「物量作戦だ、今までじゃ出来なかった事だぜ」

吹雪「わぁ…」スゲェ

天龍「やらないよりはマシだろ?」

ネクロディアス「逃げないのなら当てさせてもらうぞ!」ゴォッ!

天龍(作戦開始だ!必ず決めるぞ!)

吹雪(は、はい!)

ドゴォオン!!

拳が当たる前に皆一斉に散り散りになり、拳は意味も無い事をする羽目と成った。

吹雪「てやぁっ!」ドォッ!

摩耶「食らいやがれっ!」ドォンッ!

長門(皆が動いている…!私も負けていられないな!)


ネクロディアス「効かぬよ…そんな物!」ゴォッ!

もう片方の拳が、何時もより力を強くして向かってくる。

吹雪「とうっ!」サッ!

摩耶「来た来た!」タッ

摩耶と吹雪を狙うもまたまた避けられ、力も強く入れた為に地面に少し埋まる。

天龍「よし!出番だカービィ!あの拳を押さえつけろ!」

カービィs「「「「「「「「「「ぽよーっ!!」」」」」」」」」」

天龍の号令を受け、カービィ達は埋まった拳に突撃する。

ネクロディアス「あ…コラ!何をする!」

拳に辿り着いたカービィは、そのまま拳を押さえつける。

ネクロディアス(こ、こいつら…!)


天龍「今だ!!撃てっ!」

長門「!分かった!!」

ドォォンッ!!

放たれた一撃は拳の甲の水晶を砕き、左手の機能が停止する。


ネクロディアス「ぐゥ……一ツやられた…!」

天龍「ビンゴ、だな!龍田!」

龍田「やった♪」

長門「よし…此の調子で」

ネクロディアス「そうは成らぬ…!」パチン!

残った手の指ででぱちんと鳴らすと、ドクロス達が機能停止した左手に群がる。

天龍「あ!治すつもりだな!?」

ネクロディアス「両腕が破壊されなければ何の事も有らん!」

摩耶「て事は破壊すれば良い訳だ」

大鳳「自分の弱点を喋るとか…」

ネクロディアス「……」ゴォォォォ

右手が大鳳に向かい、そのまま指を閉じて掴む。

大鳳「あッ…!?」

長門「大鳳!」

吹雪「大鳳さんっ!」

ネクロディアス「さあどうする?このままでは手出し出来まい」

長門「卑怯者ッ…!」

天龍「確かに手出しが出来ねぇな、お前が」

ネクロディアス「何?」

天龍はカービィに固いヘルメットを被せ、柔らかい所を掴んで投げる体制に入る。

天龍「左手は修復中、右手は握っててカービィを弾けないとなりゃ…選択ミスったなぁ!」ブンッ!

カービィはメットを前にして水晶に向かって直進する。


ネクロディアス「…だが、手首など無い。そのまま移動させてしまえば何の事も無い」

ヒュンッ!

大鳳「ひゃぁ!?」

ネクロディアス「何ぃ!?」

移動しようとした右手の横擦れ擦れに弾丸が飛ぶ。


ガッ!

固い音を響かせ、カービィは水晶に罅を入れる。

ネクロディアス「っ…正気か!」

天龍「ああ正気だよ、こうでもしないと如何にもならねぇからな」

龍田「言わば消去法ね~」

ネクロディアス「この…!」ギリリ

大鳳「…」ガチャッ!

大鳳はクロスボウ型の発着艤装を構え、艦載機を発射する。

ネクロディアス「ぬぉ!?」

大鳳(機関砲掃射、やっちゃって!)

ダダダダダダダダダダ!!

ネクロディアス「ちぃっ!」パッ!

大鳳「ほっ!」

指からの締め付けが緩んだ隙にそのまま退避する。

天龍「っし、救出成功だぜ!」

摩耶「悪いな、さっき驚かせちまって」

大鳳「あ、いえ…大丈夫です」


ネクロディアス「ならばこれはどうだ!」

右手をリンゴを掴む様に広げると、指先からレーザーが点射される。

摩耶「な、なんじゃそりゃ!?」

ネクロディアス「安心しろ、触れても体全体に電気が走る程度だ」

吹雪「ふ、触れた瞬間に消滅はしないんですね?」

龍田「何だかそれを聞くと安全に聞こえるわね~」

天龍「超重力砲なんかヤバいもん、マジもんのビームだもん」

長門(何故避けながら当たる前提で会話しているのだ…)

摩耶「兎に角、これじゃあ埒が明かねぇな」

長門「手の甲が上に有り、ビームで行く手を阻まれてるとなるとこれは…」

大鳳「飛ばした艦載機も爆撃とかじゃ無くて戦闘機だし…耐えるしかなさそうね」



デデデ「ワシらが忘れ去られてるZOY」

エスカルゴン「ここで颯爽といい結果を残すでGESぞ!」

ネクロディアス「どうした?このままでは我の自慢の部下が左手を治してしまうぞ?」

長門「く…!」


エスカルゴン「それじゃー!行くぞデデ太郎くん!」グッ

デデデ「分かった!鉄人!」

デデデを抱え、そのまま投げ上げようとする。

エスカルゴン(お、重ッ…)グググググググ

エスカルゴンは渾身の力を出し、そのまま両腕を振り上げる。

エスカルゴン「現役のプロを……舐めんなァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

デデデは右手に向かって奇麗に放物線描きながら飛んで行く。

デデデ「食らえ!必殺ファッティ・アンカー!!」

そのまま勢いで右手にのしかかり、そのまま地面に叩き下ろす。

吹雪「司令官!?」

デデデ「さあ今こそがチャンス!撃てーッ!!」

摩耶「アタシがやるぜ!」ジャコッ!

目を食い縛り、絶対に外さないと確信出来るまで狙いを付ける。



摩耶「ブッ壊れろ!!」ドッォォ!!!!

的と成った水晶に向けられた一撃、それは当然の如く功を奏した。

パリィンッ!!

ネクロディアス「ぐぉ…!」

天龍「しゃぁ!」

エスカルゴン「完璧でGES!陛下!」

両腕の水晶が破壊され、そのまま木っ端微塵に消える。

ネクロディアス「く…調子に乗るなよ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!!!!

長門「な、何だ!?」

地面と周りの壁に大きく罅が現れ、次第に瓦礫と成って宙に浮き始める。

大鳳「こ、これは…!?」

デデデ「…ワシが行く!」ダッ!

エスカルゴン「ちょ、何考えてんの!?」

最近エスカルゴンがあんまりGESって言わないなぁ…
別にいいけど

>>565
エスカルゴン「今それどころじゃねぇから放っとくでGES!」

吹雪「あの、誰に向かって言ってるんですか…?」


デデデは宙を泳ぎ、そのままネクロディアスを睨みつける。

ネクロディアス「ほう…大した護衛も無しに、動きづらい空間で我に挑むとは、勇敢な男だ」

デデデ「あいつ等はこう言う所は慣れてない…多少経験の有るワシの方が良いんだZOY」

ネクロディアス「そう言う物か…」

デデデ「それに、護衛はキチンと付けているZOY」

デデデの後ろから、10人のカービィ達が出てくる。

ネクロディアス「…」

デデデ「ワシとて実態が分からない奴とのケンカは弱い…真っ向から挑んでやらんZOY」

ネクロディアス「…能書きは終えたか?」

デデデ「ああ…では参ろうか」

カービィs「「「「「「「「「「ぽおよっ!」」」」」」」」」」

ネクロディアス「ばぁっ!」バッ!

十字に丸い突起が出ていて、怪物の顔が刻まれた何かが吐き出される。

デデデ「む…!」

何か達は上下左右からビームを放つ。

デデデ「指先だけではないのかZOY?」

ネクロディアス「ああそうだ、欲を言えば我の口からも出る」グバァ

ネクロディアスの骸骨の口から、禍々しい色の目玉が露出する。

デデデ「!突撃ぃッ!」

何かを悟ったデデデに呼ばれ、カービィ達が目玉に突撃する。

ネクロディアス「…あー、あー、あー、あー、あー、あー、」コオオオオオオ

目玉に引っ付いたカービィは一心不乱に目玉を叩き続ける。
その間にもエネルギーはチャージされてゆく。

デデデ(ち…倒しきれんか!)

デデデ「戻れッ!」

声を聞き付けて、声の主に下へ戻ってゆくカービィ達。

デデデ(アレが恐らく真の弱点の筈、あれに一撃を加えられれば…)




ネクロディアス「ブルァァァァァァァァァァ!!!」ゴバァァァァァァァッ!!

エネルギーが完全に溜まって目玉から光線が発射される。
今までのより太さも違う。

デデデ「…あれに当たったら割とひとたまりも無い気がするZOY」

紫の光線が細まり、そのまま消え去る。

ネクロディアス「さあどうする?」

デデデ「どうするって…そりゃあ戦うに決まっているZOY!」

決意を露にしたデデデの後ろに、星の様に輝く帆船が舞う。

ネクロディアス「なっ…!」

デデデ「ローア!」

船の甲板から顔と帽子を出し、手を差し出して叫ぶ者が一人。


マルク「早く乗れ!どうなっても知らないぞ!」

デデデ「カービィ、付いて来るZOY!」

カービィ01「ぽよ!」パシッ

一人目がデデデの手を掴み、その足を二人目、三人目、四人目が続けざまに掴む。

ネクロディアス「ドクロス!逃がしてやるな!」

何処からともなくドクロス達が現れ、デデデ達を追う。

ドォンッ!!

甲板からの砲撃が追跡者を捕らえ、落とす。

長門「提督に手出しはさせないぞ!」

デデデ「お前達まで!」

マルク「一緒に助けたまでだよ!早く乗れ!」

デデデは宇宙を泳ぎ、ローアの下へと駆け寄って手を伸ばす。
伸ばされた手は、マルクの手と繋がり、そのままローアの上に引き摺り下ろされる。

デデデ「ぜぇ…ぜぇ…すまん!」

吹雪「大丈夫ですよ!司令官が無事なら!」

マルク「ちっ…あのネクロディアスって奴、相当やるな」

摩耶「両手落としてもまだ生きてやがるぜ」

デデデ「…奴の口の中に、変な色した目玉が有ったZOY」

天龍「え?マジ?」

デデデ「マジ」

大鳳「じゃあそこが弱点ね」

エスカルゴン「どうやって狙うでGES?」

デデデ「そりゃ…うーむ」


ネクロディアス「おのれ…姑息な真似を…!」ゴゴゴゴゴゴゴ……

大鳳「あ…凄い怒ってる…」

マルク「これは早めに為留めないとヤバいな」

ネクロディアス「お前達は…躊躇なく此処で倒す!」

次々にとドクロスが現れる。

吹雪「こんなに沢山…!?」

天龍「幾らなんでもこれは食いきれるかどうか分からねぇな」

デデデ「皆の衆!此処で何としてでもアイツを倒すZOY!」

長門「ああ!そして帰ろう!」


無数のドクロス達が迫り来る。

龍田「さてと…どうしようかしら~?」

大鳳「ああは言ったけど…数が多すぎる…」

マルク「……」


マルク「マホロア、バリアの展開を頼む」

エスカルゴン「はい!?」

マルクの言葉が聞こえたのか、ローアの周囲にバリアが張られてドクロス達は近づけなくなる。

ネクロディアス「何!?」

龍田「あら~、これなら心配は無いわね~」

マルク「悪いが、ちゃっちゃと終わらせてもらうぞ!」

ネクロディアス「く…あまり連発はしたく無いが…!」グバァ

再び目玉が現れ、エネルギーを溜める。

長門「あれか!」

デデデ「マルク!このまま全力で突っ込めとマホロアに伝えるZOY!」

マルク「ああ…マホロア!今度はそのまま頭突きだ!」

少し例えも交えてマホロアに伝える。
数秒の間の後、ローアが全速力でネクロディアスに突っ込む。

ガギィィィィィ!!

ネクロディアス「ぐう!?」

デデデ「お前達!そのまま目玉に攻撃を叩き込むZOY!」

摩耶「合点!」ドォォンッ!!

長門「任せろッ!」ドォォンッ!!

露出した目玉に次々と攻撃が加えられてゆく。

ネクロディアス「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!?」バリィィンッ!!

目玉に大量の負荷が掛かった事によって、巨大な頭蓋骨はボロボロになって見る影も無い。

デデデ「カービィ!止めを刺してくるZOY!!」ムンズッ

天龍「頼んだぜっ!」ガシッ!

そのままカービィ達は投げられ、目玉にしがみついて殴りつける。

カービィ01「ぽよ!ぽよ!」ポカスカ

カービィ02「ぽよよ!」ポカカッ

ネクロディアス「くそ…ここまでと言うのか…!」

長門「ああ…お前は負けたんだ」

ネクロディアス「幾多の命を食らったこの我等が…消える…のか…」


ネクロディアス「よう…やく…きえる…のk」

天龍「ごちゃごちゃ五月蝿いんだよジジイッ!!」ブンッ!!



バキィィィィィンッ!!!!

しびれを切らして投げられた刀が目玉を貫き、叩き割る。

一同「「「「「「「「「あ」」」」」」」」


BGM:https://www.youtube.com/watch?v=ue8daQfFrOk(一人に戻ろう)

骸骨の王は破れ、そのまま宇宙に一瞬の目映い光を点す。
その光を、彼女達は一番間近で感じていた。

長門「………」

天龍「…ふぅ」

マルク「…一番美味しい所を持って行きやがったよ、コイツ」

デデデ「今日のMVPは天龍だZOY、ドハハハハハ」

摩耶「ふざっけんなよ!?アタシや吹雪だって頑張ったんだぞ!?」

龍田「良いじゃないの~、天龍ちゃん、久々に実戦で成果を収めたんだから~」

天龍「そうだよ、お使い要因で終わって溜まるかっての」

摩耶「いや別に遠征行ってろとは言わないけどさあ…」

長門「まあまあ、今日は天龍を誉め称えるべきだ」

吹雪「そうですよ!」

摩耶「へっ…細かい事は言いっこ無し、てか」


光が治まると、そこにはカービィ達と主人の失った杖が残された。

天龍「お、杖も出て来たぜ?」

エスカルゴン「良く壊れなかったでGESなぁ」

デデデ「漸く一人に戻るか…」

カービィ達は杖に集まり、光に包まれてゆく。




カービィ達は、漸く一人の『カービィ』と戻った。

カービィ「ぽよ…」

天龍「よ…よっしゃぁ!」

摩耶「やったぜッ!」

エスカルゴン「長いようで短かったでGESなぁ」

デデデ「ああ…腰が辛いZOY」

マルク「無理するからだよ、バカ」


大鳳「カービィ!おいでー!」

カービィ「ぽよー!」フヨフヨ


カービィも戻り、ドクロ団も滅び、デデデ達は勝利を収めた。
終わりは、全て命に取って良い方向で終わった。



目的を果たした一行は、星の船に乗ってポップスターへと帰る。


この宇宙は、数々の星が有り、その中に闇もまた存在する。


世界という物が輝いているのは、沢山の光と、それを包もうとする闇があるからだと。

カービィは考えたとか、


カービィ「ぽよ~?」ムニュムニュ

天龍「やっぱ…良いわ…この状態の方が格段にやわけえ…」

摩耶(…戦い終わったらこのザマかよ…)


考え…られなかったとか。

そんな事より、今日のポップスターは一段と輝いて見えたそうです。



ーーーその頃、ポップスターの何処かの海域ーーー


離島棲鬼「…ねえ提督」

ブラックデデデ「何だねフロイライン」

離島棲鬼「さっきさぁ、ツ級がボロボロで帰って来たんだけど」

ブラックデデデ「そうだね」

離島棲鬼「何もしなくて良いんじゃなかったの?」

ブラックデデデ「ああ、『お前ら』は何もしなくて良いんだよ、敵情視察なんて下級のやる事さね」

港湾棲姫「人はそれを詭弁というのよ…」

ブラックデデデ「…まあ、アイツがボロボロって事はだ、ドクロ団の奴らもボロボロって事じゃねぇの?」

離島棲鬼「…そうみたいね、アイツら中々やるみたいよ?」

その時、とても目映い光が彼女達を照らす。

港湾棲姫「っ…」ビク

離島棲鬼「…ひゃー、眩しいなぁ」

ブラックデデデ「今の光、何だと思う」

港湾棲姫「え…?多分…ドクロ団が消えた光じゃないかと…」

ブラックデデデ「…そォかよ…」

離島棲鬼「あちゃー…ヤラレチャッタかぁ…」ハァ

ブラックデデデ「…」

港湾棲姫「…提督、大丈夫?気をしっかり持って…」


ブラックデデデ「…クク……クッククククク……クッハハハハハッ!」

港湾棲姫「…あら」

ブラックデデデ「あの命を食らい、独り占めし続けて来たドクロ団がまるで襤褸雑巾の様に消えたって!?」

ブラックデデデ「やっぱり強ぇなホンモノ…!べらぼうに強ェ…!」ゾクゾク

離島棲鬼「…ゴメン、少しアイツらを舐めてたね…」シュン



ブラックデデデ「そうだな……だが作戦は大成功に近い!」

離島棲鬼「え…?」

ブラックデデデ「何たって、オレ達はアイツらの陣営に対して一定の損害を与えた」

ブラックデデデ「これは小さいようで驚くべき大きな一歩だぜ…!」

港湾棲姫「…」

離島棲鬼(負けたのに…嬉しそう?)

ブラックデデデ「奴らが出るのなら此方も打って出よう、お前ら錆艦の錨を下ろす時だ!」


ブラックデデデ「命を構築し、命を兵装し、命を教導し、命を編成し、命を兵站し、命を運用し、命を指揮する」

ブラックデデデ「そうして出来たお前らこそが命にして最強の兵器群、深海棲艦後期型!」

ブラックデデデ「素晴らしいじゃねェか!その強さに恥じない様に、悔いなく存分に力を振るわなきゃなァ?」

離島棲鬼「…そーですね!提督!」ニコッ

港湾棲姫(良かった…何時もより元気ね)



ブラックデデデ「では、諸君!水面下で静かに待っている時も、もう終いだ…」


ブラックデデデ「そろそろ始めようじゃねェか、戦に向けての準備を…!」

離島棲鬼「…了解!」

港湾棲姫「…jawohl」


こうして、黒い大王は深海棲艦を連れ、戦に向けての準備を始めた…




第三幕『骸中百乱十桜』

今宵は、これにて御勘弁…








おまけ(何時もよりちょっと長いよ)

『妖精さんププヴィレッジにあらわる』

ーーーカービィ十人増えて選り取り見どり事件から、数週間後ーーー


デデデ城では、響が二回目の改装を済ませて『ヴェールヌイ』と成ったお祝い会が開かれていた…

暁「響ー!」

金剛「響!」

「「「「「「「改二、おめでとー!!」」」」」」」

ヴェールヌイ「…хорошо///」テレッ

霧島「漸く貴方も改二になれたのね!」

ヴェールヌイ「霧島さんこそ、改二に成った気持ちは?」

霧島「当然嬉しいわよ?もっと活躍が出来るんだから!」

暁「羨ましいわー…私も改二になりたい!」

金剛「貴方じゃ絶対無理デスねー」

電「しょうがないのです、私達は私達で上手くやるのです!」

雷「そうよ、改二に慣れないからって腐っちゃダメ!」

暁「…むー」

金剛「それじゃあ響ー!紅茶を入れて上げるネ!」

ヴェールヌイ「大丈夫だよ、私にはこれがある」スッ

そう言うと、懐から大きな瓶の様な者を取り出した。

榛名「な…何ですか?それ」

ヴェールヌイ「これぞ、ロシア人の長年のお供…ウォッカさ」

ガシッ!

ヴェールヌイ「あ!何をするんだ姉さん!」

暁「お酒は二十歳になってからよ!?今飲むのはダメ!」ググググ

比叡「そうだよ!感心しないよ?」

ヴェールヌイ「…分かってるさ」

雷「え?」

暁「分かってるなら何で…」

ヴェールヌイ「今の私はロシアの艦…こうやって暖かいウォッカを呑んで、力を入れるのさ」キュポッ

酒瓶の蓋を開けると、何を思ったか徐にウォッカ金剛のティーカップに注ぐ。

金剛「ぎゃあ"あ"あ"あ"あ"!!?何すんじゃこの露助ェェェェッ!!」ガダッ

当然金剛は許せる筈も無く、ヴェールヌイに向かって怒号を放つ。

榛名「ね、姉様落ち着いて!」

暁「ちょっとぉぉ!?幾らなんでもお酒をティーカップに注ぐロシア人がどこにいるのよ!?」

霧島「未だ酔ってないのにいたずらが過ぎるわよ!謝りなさい!」

ヴェールヌイ「……мне жаль」

電「ロシア語じゃなくて日本語で謝った方が良いと思うのです!」

ヴェールヌイ「…ごめんなさい」

金剛「……はぁ、まあ淹れ直すから良いけどサー…次は無いからネ?」

ヴェールヌイ「…はい」

比叡「ふぇー…もう突然何するのかとびっくりしちゃったよ…」

暁「はぁ…何だか何時もよりはっちゃけてて困っちゃうわ…」

金剛「もうウォッカ呑んでいいからサー、紅茶に混ぜる真似だけはしないでネ?」

ヴェールヌイ「ありがとう、言葉に甘えておくよ」

雷(響…最初からそれが目的だったのね…)


ヴェールヌイ「所で…何かお客さんが来るみたいな事を言ってたけど…」

霧島「あ…レ級と戦艦棲姫も来るって行ってたけど…まだ来ないわね」

電「レ級ちゃん、今はどんな感じなのかなぁ」

雷「さあ、案外昔と変わんなかったりして?」

<コンコン!

金剛「ハーイ!誰デスカー?」

ガチャ、と小さくドアが開かれる。
小さな隙間からレ級が覗いていた。

レ級「あのー…」

雷「レ級!久しぶりねー!」

レ級「今さ、ちょっと時間良い?」

ヴェールヌイ「どうしたんだい?」

レ級「実は…ね」ギィィ

扉が完全に開かれ、レ級の背中に抱えられている小さな子共が見えた。

霧島「あら可愛い…って何よそれ?何処で拾って来たの?」

レ級「浜辺で倒れててさ…揺さぶっても叩いてもしゃぶっても起きないんだよ」

暁「しゃ、しゃぶるって…」

レ級「それでさ、ここってお医者さんとか居ない?」

比叡「ヤブイさん…」

レ級「いや、名前からしてダメそうじゃん。そんな人に小さい子を任せられないよ」

霧島「まあそうね」

雷(と、棘が有る…)

榛名「困りましたね…ここにはヤブイさん以外のお医者さん何て居ないし…」

電「どうしたら……」


ヴェールヌイ「そうだ…デリバリーシステムは?」

一同「「「「「「「「え?」」」」」」」」

ヴェールヌイ「司令官によれば、最近HNM社は艦娘も商品として取り扱う事を決定したらしいし」

ヴェールヌイ「治すのが得意な人も見つかるんじゃないかな」

金剛「へー…艦娘を販売…って待つネ、聞き逃せない言葉が聞こえた様な…」

レ級「それだ!」

金剛「えっ、ちょっt」

レ級「んでそのデリバリーシステムって言うのは何処にあるのさ?」

ヴェールヌイ「玉座の間だよ、司令官が良く居る場所さ」

レ級「そっか、じゃあそこに行ってくるよ」

雷「それより、紅茶ちょっと飲まなくて大丈夫?」

レ級「子供が倒れてるんだ、その横で茶を飲めるの?」

雷「それは…」

霧島「レ級の言う通りよ、ここは行かせた方が良いわ」

電「早く行って来て?私達は気にしなくていいから…」

レ級「うん!じゃあ失礼しました!」

バタンッ!

扉が閉じられる、お祝いムードだった部屋は少し鳴りを潜める。

金剛「あの子供…一体何なのデスかネー」

暁「分からないわ…無事なら良いけど…」

ーーー玉座の間ーーー

レ級「…広いなぁここ」

戦艦棲姫「レ級!何処行ってたのよ!」

大和「貴方の母さん心配してましたよ?」

レ級「母さん!大和!ちょっとね、この子治す為のお医者さん探そうと思うんだけど…」

大和「医者…ですか?」

戦艦棲姫「医者……ヤブイは、ダメよね」

レ級「ダメダメ、きちんとしたお医者さん探さなきゃ」

大和「…それで、どうやって探すのですか?」

レ級「決まってるでしょ…」トッテッテッテ

戦艦棲姫「あ、コラ!」

大和「提督の玉座に座っちゃ駄目ですよ!」

玉座に座ったレ級は、直ぐ横に有るボタンを押す。

レ級「HNM社で探すんだよ!優秀なお医者さんをさ!」

床からはデリバリーシステム、壁からはモニターが展開される。

戦艦棲姫「あ~ああ…後でデデデに怒られても知らないわよ?」

大和「勝手に使っちゃ駄目ですってば…」

モニターに映像が出る。

カスタマー『ようこそ、ホーリーナイトメア社の商品配信サイトへ、本日は…おや?』

画面の中のカスタマーサービスが覗き込み、レ級を凝視する。

カスタマー『…本日のお客様は貴方で御座いますか』

レ級「今背負ってる子を治す、それか容態が見れるお医者さんが欲しいな」

カスタマー『では、医者の魔獣を…』

レ級「いや、魔獣じゃなくて…何ていうかこう、あれだ、ちゃんと人の形したお医者さん」

カスタマー『……艦娘の医者が欲しい、と』

レ級「」チラッ

戦艦棲姫「え…?まあ良いんじゃないの?デデデに怒られる覚悟が有るなら」

レ級「じゃあそれで…てか有るの?」

カスタマー『はい、それも特上の品が』

レ級「じゃあ…御願いします!」

カスタマー『畏まりました……本日はドクロ団撲滅記念キャンペーン期間中でして、4隻程艦娘を無料で御付け致します』

大和「よ、4隻もですか!?」

レ級「まさかお医者さんの方に合わせて5隻分の値段を掛けるとかは無いよね?」

怪訝そうに聞くと、カスタマーは笑う。

カスタマー『…ホホホホホ……いやはや、初めてのお客様と舐めておりました。やはり陛下の様には行きませんね』

レ級「で、幾らなのさ」

カスタマー『………7000万デデンで…ここはどうか…』カチャカチャ

レ級「ゼロを入力し過ぎてるよー」

カスタマー『………まあ、初めてですのでね、ここはそう言う事にしておきましょう、700万デデンで』

レ級「よし…買った!」パチン

戦艦棲姫(嗚呼…何時からこんな子に…)

カスタマー『お金の方は…』

レ級「あ、待ってて…持ってくるから」スタッ

大和「…えっと、金庫の場所分かる?」

レ級「…知らないや」

戦艦棲姫「地下の方に有ったわよ?」

レ級「地下か…じゃあここで待ってて!」

そそくさと駆け出し、地下に向かうレ級。

タッタッタッタッタッタッ……

カスタマー『ホホホホ……現金をきちんと支払ってくれる点では陛下よりやり易そうですね』

大和「お金は提督のですけど」

カスタマー『それは…陛下の借金の支払い金として、有り難く納めさせて頂きます』

戦艦棲姫(どっちに転ぼうが自分に取ってハッピーエンドか、話の組み立てが上手いわね)

ーーー3分後ーーー

レ級「ぜぇ…ぜぇ…も、持って来たよ」

戦艦棲姫「ど、どうしたの!?何が有ったの!?」

レ級「いや…割と重かったからさ…」

大和「大丈夫ですか?」

レ級「大丈夫、傷はついてないから大丈夫…」ボスッ

金庫の中からくすねてきたお金をデリバリーシステムの上に乗せる。

カスタマー『お支払いはそれで宜しいですね?』

レ級「うん、お願いしまーす」

カスタマー『ホホホホ…では、おまけの艦娘を4隻お選び下さい』

レ級「……お勧めは?」

カスタマー『オススメですか……ドイツの艦娘は如何でしょう、丁度ろか…仕入れたのが4隻居ますよ』

レ級「じゃあそれでお願いします!」

カスタマー『御買い上げ頂き、誠に有り難う御座います。今後ともご利用は計画的に』

大和(さっきから話がトントン拍子に…)

戦艦棲姫(まあ、おまけだから)

デリバリーシステムが光を放つ、先ずお金が転送される。

レ級「……」ゴクリ

続いて光が輝き、何かが転送される。


「おわぁっ!?」ドスンッ!

転送された女性は大きく尻餅を付いてしまい、痛そうにしている。

「あ痛たたたた…どこよここは…?」

レ級「おぉ!本当に届いた!」

「え…ひぇぇぇぇぇえぇぇ!?な、何で深海棲艦が!?」

レ級「あー……ゴメンちょっと訳ありで…」

大和「あのー…この子達は一応敵じゃ有りませんよ」

「え?違うんですか?」

大和「はい、理由は後で話します」

「…まあ、良いけど」

戦艦棲姫「名前は?」

明石「…工作艦の明石です、装備の改修や艤装のメンテナンス、他にも生身の子の治療も出来るわよ?」

レ級「じゃあ早速看て欲しい子が居るんです!」

明石「(下手だなぁ…)どの子ですか?」

背中におぶっていた子供を差し出す。

明石「うーん……気を失ってるわね、特に酷い怪我は無いから大丈夫よ」

レ級「そっかぁ……良かった…」

明石「一応安静に出来る場所に連れて行きたいけど…何処かに有る?」

大和「司令室はどうでしょう、このお城の最上階に有りますよ」

明石「有り難う御座います、事情もそこで聞きますので……お先に!」

タッタッタッタッタッ……

レ級「さてと……ボクも追いかけた方が良いのかな…」

戦艦棲姫「…正直、勝手にお金使って買い物した事は話した方が良いわよ、親として注意するわ」

レ級「……そうだよね、ボクの口から話した方が良いよね」


ピロピロピロリロリロリロ……

続いて光が輝き、沢山何かが転送される。

大和「ドイツの艦娘と聞きましたが…一体どの様な者が…」


「っ……?どこよ…ここは!?」

「何かお城みたいな所だけど…」

「…鎮守府かしら?」

「分からないよぉ…」

レ級「この子達が…」

大和「ドイツの軍艦?」

「!!敵!」ジャコッ!!

レ級「え?」

長身の女性は艤装を展開し、そのままレ級に一撃を叩き込む。

ドゴォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

大和「っ…!大丈夫!?」

戦艦棲姫「レ級!」

「凄いなぁ…」

「流石です!ビスマルク姉様!」

レ級に砲撃した女性は、ビスマルクと呼ばれた。

ビスマルク「当然よ、良いのよ?もっと褒めても」キリッ

煙が晴れ、レ級の姿が露になる。
その姿を見てビスマルクは驚愕する。


ビスマルク「…Lüge…効いてない…!?」

レ級「……」小破!

力が込められた戦艦の一撃も、レ級は中破寸前の所まで耐えた。

流石に今日は此処まで、ドイツ艦は前々から出したかったのじゃ。
ちなみに主はプリンツしか持っていません。

レ級「痛いなぁもう……」

ビスマルク「この私の一撃を耐えるなんて…貴方、何者?」

レ級「ボクは戦艦レ級だよ、それよりおねーさんの名前は何なのさ」

ビスマルク「ふん…敵の貴方に教える名前なんて無いわ」

レ級「…敵、ねぇ」

大和「……あの」

ビスマルク「?何よ」

大和「言いづらいんですけど…この子達…敵じゃ無いですよ?」

ビスマルク「……Ist ? 何を言っているのよ貴方は」

大和「実はかくかくしかじか…」

レ級「核拡散防止条約で…」

事情を気かされたビスマルク達は豆鉄砲を食らった鳩の様な顔をしていた。

ビスマルク「……あの…えっと…嘘よね?」

レ級「ホントです」

ビスマルク「…えぇ…?」

レ級「ホントにホントです」

ビスマルク「…でm」

レ級「ホントです、ホントなので、おねーさん達の名前を教えてください」

ビスマルク「……」ムム

「ビスマルクさん…ここは教えた方が良いと思うよ」

レ級「あ、ビスマルクって言うの?」

ビスマルク「そ、そうよ!誇り高いドイツの戦艦よ」

大和「それで、後の皆さんの名前は?」

レーベ「僕は駆逐艦、レーベレヒト・マースだよ。宜しくね」

マックス「私はマックス・シュルツ、レーベと同じ駆逐艦よ」

オイゲン「私は重巡洋艦のプリンツ・オイゲンです!」

大和「そうですか……私は超弩級の戦艦、大和です、宜しく御願いします」

ビスマルク「大和……強そうね、その内手合わせ願いたいわね」

大和「その内…ね」フフ

レ級「おーい、ボクとはやりたくないのー?」

ビスマルク「アンタは……止めとくわ、戦っちゃ行けない気がするのよ」


オイゲン「あのう…話に出てたアトミラールさんは…?」

大和「あ……提督なら、司令室ですよ。挨拶しに行きますか?」

ビスマルク「当然よ、皆も行くでしょ?」

マックス「行くわ」キッパリ

レーベ「えーと…僕も、挨拶したいかな…」

大和「では行きましょうか、提督はなんだかんだで優秀で優しいからきっと慣れると思いますよ♪」

レ級「ボクも付いてって謝りに行くよ」







「あらあら、それは是非御目見え願いたいですわね」

後ろから海の流れの様な声が響く。

戦艦棲姫「ッ!?」ジャキッ

ビスマルク「今度こそ敵!?」ジャキッ

皆が一斉に振り向いた先には、全身が真っ白で、大きい純白のドレスを着た女性が居た。
僅かなコントラストとして固そうな黒色部分が見えるが、明確な色は赤く輝く目だけというのが異様な雰囲気を出している。

「……」ニコニコ

レ級「母さん、あれは…?」

戦艦棲姫「分からないわ、見た事無いもの…」

ビスマルク「…どうやらアンタらの味方じゃ成さそうね…」

異様な雰囲気を出していた女性は、すっとぼけた様に口を開く。

「…あら行けませんわ、少し御邪魔の様かしら…?」

オイゲン「あ、貴方は誰!?」

一触即発の空気の中、オイゲンが勇気を振り絞って問いただす。

「あらそうでしたわ、先ずは自己紹介でしたわ…」オホホ


中間棲姫「私は深海棲艦後期型の中間管理職をやって居ります、『中間棲姫』と申しますわ」

中間棲姫「近しい者からは、ミッドウェーの名で呼ばれる事も有ります」

レ級「ミッドウェー…?」

大和「……貴方も、あのブラックデデデという者の仲間ですか」

中間棲姫「ええ、数種間前はツ級が御世話に成ったそうですわね」

レ級(手負いにしたのは長門達みたいだけどね)

大和「…あの任務は大事な任務だったんですよ、それを邪魔するなんて…」

中間棲姫「どんな任務ですの?教えて下さいな」

戦艦棲姫「ちょっと貴方、いきなり現れ出て来てそれは虫が良く無いかしら?」

中間棲姫「…」ピク

戦艦棲姫「ブラックデデデの配下が何の用か知らないけど…直に出て行きなさい」






中間棲姫「たかが敗戦者が図に乗らないで下さる?」

戦艦棲姫「何ですって!冷静に対処出来たから良いけど、一歩間違えれば轟沈が出ていた可能性が…!」

今までとは代わり、ドスの聞いた声が響く。

中間棲姫「それがどうかしたのですか?」

戦艦棲姫「…!?」

中間棲姫「下手に出て喋らせてあげれば調子に乗りますわね…?」

ビスマルク「それはアンタもでしょう?」

中間棲姫「…大体貴方方敗残兵が一人死のうが一兆人死のうが知った事では御座いませんわ」

中間棲姫「私が来た目的と言うのも、此処に運良く辿り着いた妖精を探す事、そんな目的も無ければ貴方方と話をしたりはしませんわ」

自分の身を乗り出し、戦艦棲姫に向かって強く言い放つ。

中間棲姫「口で汚物を吐く前に妖精の場所を吐き為さいな、敗戦国の雌豚ッ!!」

レ級「!!こんの…ッ!母さんの事を雌豚と呼んだな!?」

戦艦棲姫「落ち着きなさい!こんな安易な挑発に乗るメリットなんて無いわ!」

レ級「だからって…自分の母さんを雌豚と呼ばれて落ち着いてられないよッ!!」

自らの尻尾の主砲を前に出し、烏賊魚雷も取り出して戦闘態勢に入る。

大和「私も参ります!」ザッ

レ級「大和…!」

大和「このまま言われてばかりでは…ダメです!」


ビスマルク「えっと…私も入った方が良いのかしら…?」

オイゲン「ダメですよ姉様!ここは様子を見ましょう!」


中間棲姫「宜しゅう御座いますわ…精々気張る事ですわね……」ゴゴゴゴ





デデデ「何ZOY!さっきから騒がしいZOY!!」

赤城「近所迷惑になるでしょ!」

レ級「あっ」

中間棲姫「!」

大和「提督!」

レーベ「え、もしかして…」

マックス「この…太った男が…提督?」

デデデ「だ、誰だZOYお前達は!さっきの明石といい訳分からんZOY!!」

レ級「ごめんデデデ!この子ら…実は…!」


中間棲姫「……久しぶりですわね、赤城」

赤城(!あれは…!?)

中間棲姫「まさかこんな所で相見えるとは…何かの悪戯でしょうか?」

赤城「あ、貴方は…」

オイゲン「し、知り合いなの??」

デデデ「いや知らんZOY、あんな白い奴は見た事も無いZOY」

レ級「ごめんなさいデデデ!この子らは…明石さんを買ったおまけでついて来て…」

デデデ「今それどころじゃないZOY、後にするZOY」


赤城「……っ」

中間棲姫「まあ怖気付いてしまうのも無理は有りませんわ、貴方は慢心した末に無様に沈んだんですもの」

赤城「あ、貴方達に沈められた訳では有りませんよ!」

中間棲姫「細かい事は如何でも良いのです、此処で会ったが百年目。今度こそ私の手で貴方の五体を沈めたく思いますわ」

赤城「くっ…!」チャッ

戦艦棲姫「ちょ、そんな距離で弓を放つつもり!?」

赤城は弓を引き、艦載機の矢を中間棲姫に向けて放つ。



ガシッ!!


赤城「っ!?」

艦載機の矢は、中間棲姫に刺さる直前で何者かに掴まれた。
何者かは素早い動きで中間棲姫の近くに来た様だ。

中間棲姫「流石ですわ…私の最高の兵士、空母棲鬼…!」

デデデ「空母棲鬼…!?」

空母棲鬼「………」グググッ

そのまま腕に力を入れ、掴んだ矢を圧し折る。

マックス「何時…そこに居たのかが見えなかった…」

中間棲姫「人の形を得たからこそ、出来る芸当ですわ」

レ級「…だからってどうしたのさ、そっちが不利なのは変わらないよ?多分」

戦艦棲姫「そうよ、それにここは戦場じゃないわ…やり合うなら海の上でも良く無い?」

中間棲姫「…まあそうですわね、大量の戦力に囲まれては如何し様も有りませんわ」

ビスマルク(以外と潔いわね…)

敵意を納め、空母棲鬼を連れて出口に向かう。

中間棲姫「帰りますわよ、ヨークタウン」

空母棲鬼「……」ツカツカ…

中間棲姫「…?妖精の場所は聞か無くても良いのかと?」ツカツカ……

空母棲鬼「…」コク

中間棲姫「…此処に居る事は確実ですわ、絶対にこの城に居る」ツカツカ……

中間棲姫「任務は成功、何の問題も有りませんわ」ツカツカ…

にわか雨の様に怪しい雰囲気を振りまき、中間棲姫らはそのまま姿を消す。

レーベ「行った……みたいだね」

オイゲン「何がしたかったのかな…?」

赤城(あの二人の雰囲気……まさか…)



デデデ「それで、だ」

レ級「はい」

デデデ「説明するZOY、こいつらは何故やって来たZOY」

レ級「買っちゃいました」

デデデ「……幾らZOY」

レ級「700万デデン、お金は金庫から引っ張り出して来ました、ゴメンナサイ」

デデデ「…………」

レーベ「もしかして……怒ってる?」

マックス「……まあ、お金を勝手に使われて怒らない人なんて居ないわ」



ゴスッ!!

レ級「ぐえっ!」

デデデ「まず、金を勝手に使った事はこれでチャラZOY」

レ級「は、はい……すんません……」

デデデ「……それで……何故侵入を許したZOY」

レ級「それは…」

ビスマルク「私が突っかかっちゃったのが悪いのよ、多分気が取られたんじゃないかしら」

戦艦棲姫「いえ、私は見ていたけど完全に気が付かなかったわ」

マックス「索敵にも引っ掛からなかったわ」

赤城「提督、あの深海棲艦は一体…何を狙っていたのですか」

デデデ「ん?ああ…多分ワシの後ろに居る奴の事だと思うZOY」

赤城「後ろ…?」



???「……」モジモジ

レ級「あ!明石に看てもらった子!」

戦艦棲姫「そんな子供を狙うなんて何を考えていたのかしら?」

デデデ「知らんZOY」

大和「ねえ?名前は言える?」


リボン「あ…はい!わたちはリボンと言いましゅ!宜しくお願いしましゅ!」

レ級「リボンちゃんって言うのか、宜しくね!」

リボン「皆しゃんは誰でしゅか?」

レ級「ボクはレ級、キミが浜辺で倒れてた所を運んで来たよ」

大和「私は大和です、そしてこの4人は左から順に、ビスマルク Z1 Z3 プリンツ・オイゲンよ」

ビスマルク「よ、良おく覚えておきなさい!」

リボン「はい!宜しくでしゅ!ビスマルクしゃん!」

ビスマルク「……」プルプル

リボン「ど、どうしまちたか?」

ビスマルク「な、何でも無いわ?宜しくね!」

リボン「はい!」パァ


マックス「……ねえ」

レーベ「マックス、言わなくても分かるよ」

オイゲン「うん……あの子……」


(((スゴく………カワイイ……っ!)))

マックス(まさかあの深海棲艦…可愛いから攫おうとしてたのかしら?)

レーベ(流石に無いと思うけど…)


デデデ「時に……ビスマルクだったか」

ビスマルク「な、何?」

デデデ「お前はレ級を見た時、何をしたZOY?」

ビスマルク「……撃ったわ、一切の躊躇無く、殺すつもりで撃ったわ」

レ級「…怖いなぁ」

デデデ「…それは、深海棲艦が居たからか?」

ビスマルク「ええ」

デデデ「……ビスマルク」

ビスマルク「……何よ」

デデデ「…お前は、HNM社に鹵獲されたのだろう?」

レーベ「あの、何が言いたいの?」

マックス「勿体振らないで」

ビスマルク「ちょ、ちょっと貴方達…」

デデデ「では単刀直入に言うZOY……」







デデデ「地球に、深海棲艦は居たのか?」

ビスマルク「ええ……居たわよ?」

デデデ「……大和から大方の事情は聞いただろう、深海棲艦の事も」

ビスマルク「ええ、深海棲艦全部がここに移動してしまった部分は信じられないけど」

デデデ「本当の出来事だ、深海棲艦は何か黒い霧に突っ込んでしまってここに来てしまったZOY」

戦艦棲姫「全兵力が此処に来ちゃったのよ」

デデデ「なのに、何故、地球で艦娘と深海棲艦は戦っているZOY?」

ビスマルク「私に聞かれても知らないわよ、只只敵を倒せと命じられて動いてたのだから」

デデデ「ワシは気になるZOY、さっきの奴らと言いツ級と言い、裏では何が手を引いているZOY?」

大和「ブラックデデデでは…?」

デデデ「…それよりも深く、汚れなく、純粋な大きな『闇』が有る様な気がしてならんZOY」


『流石です陛下、そこまで気づくとは…賢くなられましたね』

レ級「!?」

オイゲン「あ、貴方は!」

大和「接続を切って居なかったのですか?」

カスタマー『ええ、こっそり見て居りましたよ』

デデデ「……貴様もそう思うか?カスタマーサービス」

カスタマー『…お察しの通り、貴方の偽物の裏には暗躍する大掛かりな組織…いや、一族が居ます』

レーベ「誰かな?その一族って言うのは」

カスタマー『…教えて欲しいですか?』

デデデ「どうせ何か有るんだ、何かに付いて知っている事が有るなら吐くZOY」

カスタマー『……ホホホ、では……』


BGM:https://www.youtube.com/watch?v=R43g-ZILLTw(MILLENNIUM)

カスタマー『嘗て、貴方はカービィ、アドレーヌ、ワドルディとチームを組み、打ち倒した存在が御座います』

デデデ「……『ダークマター』」

ビスマルク「え?誰よそれ?」

カスタマー『はい、ですが奴らは…しぶとく生き延び、水面下に潜めて行動を開始していました』

カスタマー『奴らは、ポップスターに満盈していた陛下の悪の感情を用いて、ブラックデデデという存在を作り出しました』

デデデ「それが…奴の正体…!」

大和「何と言う…」

カスタマー『そして奴らは、同盟族のローパー族に続く戦力に成り得る存在を模倣しました』

レ級「それがさっきの奴か…!」

カスタマー『はい、幾多の星々に溜まっている負の感情やコアに成る魂で作るだけですので、量産は容易です』

カスタマー『故に、自軍を増強し、長く軍を持たす為の資材や感情や魂を集める為に、数々の星にそれを投入しています』

マックス「それが……私達が戦っていた存在、深海棲艦…」

カスタマー『…仮に深海棲艦後期型、奴らはダークマター一族がブラックデデデに続く兵力を与え、陛下に対する復讐を成功させる為に作った存在であります』

デデデ「そういう事だったのか…懲り無い奴らめ…」ギリリ

リボン「あの……な、何でそんな事を知っているんでしゅか…?」

ビスマルク「そうよ、奴らとは何の関係も無いんでしょ?」

カスタマー『…簡単な事です、この情報は全て、我が社が育成した隠密艦によって齎された情報なのですから』


ビスマルク「……一気にきな臭くなって来たわね」

レーベ「僕の知らない所でそんな事が起きてたなんて…」

オイゲン「ビスマルク姉様、私は夢でも見ているのでしょうか?」

ビスマルク「いいえ、今私達が聞いていた事…全て事実なんでしょう?」

カスタマー『ハイ、噓偽り有りません、値段をぼったくっても嘘は言いませんよ、ホホホ』

戦艦棲姫「世間はそれを悪徳金融業者って言うのよ」

大和「……提督」

デデデ「な、何ZOY」

大和「これからは兵力の増強、兵站、練度の向上を徹底的に済ませましょう」

デデデ「……」

大和「貴方とて、ここまであからさまに喧嘩を売られて黙って居られる程甘くは無い筈です」

デデデ「……良く知って居るな、大和」

大和「ええ、提督の艦ですもの」

リボン「み、皆しゃん何だか怖いでしゅ…」

デデデ「大丈夫だZOY、彼奴らはお前が欲しい様だが…そう簡単には渡さんZOY」

戦艦棲姫「…私達も、重い錆錨を上げる必要が有るわね」

レ級「デデデ、ボクらに何でも言ってよ!」

ビスマルク「提督、まだ状況は上手く飲み込めないけど…今の私は貴方の艦よ、貴方の指示に従うわ」

マックス「ちょ、ちょっと、簡単に信用していいの?」

ビスマルク「あんな雰囲気じゃ信じるしか無いでしょ、それに深海棲艦を模倣した奴らを一度は倒してるんだもの、期待は出来るでしょ?」

オイゲン「ビスマルク姉様が言うのなら…!」

デデデ「よし…ではお前達、今日から我がデデデ海軍の仲間入りとするZOY!」

レーベ「提督、宜しくね」



ドイツの艦艇が仲間になった!

ビスマルク「取り敢えず何をしたら良いの?」

デデデ「取り敢えずまぁ…練度向上?」

大和「演習、付き合って上げましょうか?勿論妹やビッグセブン、空母込みで」ニッコリ

ビスマルク「そ、それは流石に…大和と私の一騎打ちでお願い」

レ級「さあ!ボクに頼って良いんだよ?」

デデデ「ああ、お前は防衛戦や実戦の時に頼むZOY」

赤城「魚雷も撃てて艦載機も放てる貴方は正に鬼札ね」

戦艦棲姫「私は?」チラッ

大和「もう間に合ってます、ダメです」キッパリ

戦艦棲姫「じゃあ装甲空母や陸上基地は?」

大和「今は大丈夫です」

戦艦棲姫「ご一緒にポテトなんかも」

大和「要りません」

戦艦棲姫「……ウチって、割とやる事無いのね…」

デデデ「まあ仕方ないZOY、今出来る事をやって行けば良いZOY」

オイゲン「アトミラールさんの言う通りだよ!出来る事からやって行こ?」

レ級「話が凄い逸れちゃったけどさ」

デデデ「む?何だZOY」

レ級「リボンちゃんって何で浜辺で倒れてたんだろうね?」

リボン「えっと……それは…」

マックス「思い出せない?」

リボン「……少しだけしか」

大和「話してみて?」

リボン「……何だか、黒くて丸いのと、白くて丸い奴の攻撃を受けて…それからとその前は思い出せないでしゅ」

レ級「大方その時のショックで記憶障害か…」

デデデ「黒い方はダークマターとして…白い方は大きかったかZOY?」

リボン「いえ、黒い奴らと同じサイズで…角とか付いてたでしゅ」

レ級「…うーん、取り敢えずキミが少し怪我したけど死んじゃいないって事は分かった」

リボン「何も分からなくてしゅみません…」ションボリ

赤城「無理に思い出そうとしてもダメな時はダメ、その内思い出せば良いじゃない」

デデデ「そうだZOY、子供と遊んだり艦娘と話をしたりしていれば良いZOY」

リボン「…そうでしゅね、皆しゃんの言う通りでしゅ!」

レーベ「事は未だ動き始めたばかり、焦らずに行こうよ」

リボン「では…不束ものでしゅが、宜しく御願いしましゅ」ペコリ

大和「はい、宜しくね♪」

こうして女の子の妖精、リボンがポップスターにやって来ました。
彼女が何故此処に辿り着いたのか、何故彼女は狙われているか等分からない事だらけです。

只分かるのは、今漸く物語の歯車が動き出したという事だけです。
渦の様に歪んだ闇の一族の盛大な復讐劇、デデデ達はそれにどう応えるのか。


おまけ 『妖精さんププヴィレッジにあらわる』

おしまい

ーーー次回予告ーーー

ドゴォォォォォォォォォォォン!!!!!!!

球磨「っしゃー!木曾が決めたクマー!」

北上「どしたのさ木曾っち!最近自信満々じゃん!」

大井「そうね!せっかく改二に成っても覇気が無かったもの」

木曾「まあ……な、色々有ったんだよ」

球磨「色々って何だクマー」

木曾「良いだろそんな事は、演習も終わったんだし早く戻るぞ!」

北上「あーい」

木曾(……良いんだよ、俺は姉さんを守れる力が手に入った、それだけで……)

姉の球磨を見つめながら感傷に浸り、休憩の為に戻る木曾。
一回り回って男前に成った彼女に、一体どんな自信が付くきっかけが有ったのだろうか…







???「えー、ここで番組変わりましてー」ピョコッ

木曾「え!?」

アミーボ「アミーボとー」アミーボー

アモーレ「アモーレのー」アモーレー

アミーボ・アモーレ「「天気予報だアミーボッ!!」」アミーゴッ!

木曾「ちょ、どこから湧いて来た!?」

アミーボ「来週ー」ウーッ

アモーレ「毛糸の国ー」ウールッ

アミーボ・アモーレ「「血の雨だアミーボッ!!」」マンボーッ!

木曾「邪魔だ!早く帰ってくれ!」ガーッ


第四話 『毛糸の木曾』。
アミーボ・アモーレ「「見ないと毛糸でぐるぐる巻きにして燃やし尽くしてやるアミーボ」」

木曾「せめて視聴者には優しくしろ!!」

という訳で、次回は改二になっても自信が出せない木曾がアミーボ等と戦って自信を付けるお話です
今回は少し終わりが駆け足気味だった様な気がしますがどうでしょう。
リボンがやって来て、ブラデも本格的に行動を開始した事によって物語が大きく進み始めます。
では此処でこの物語の敵、ブラデサイドや、新たにやって来た艦娘の紹介をしましょう。


ブラックデデデ
ダークマター一族によって生み出された意志を持つ戦闘兵器、武器は斧。
彼自身もデデデを倒したいという気持ちに溢れている為良くデデデサイドに突っかかって来る。
深海棲艦後期型とローパー族を束ねて文字通り水面下に潜んでいた。

離島棲鬼
ブラデが従える深海棲艦後期型の幹部の一人。
ゴシックなドレスと長い黒髪が特徴で、仲間に対してはフレンドリー。
港湾棲姫とブラデに何時も甘えている可愛い一面も有るが、力はかなり強い。

港湾棲姫
深海棲艦後期型の幹部の一人。
容姿は出る所が出ていてとても艶やか、両手に大きな爪を備えている。
離島棲鬼とは何時も助け助けられの関係、それでいてブラデを巡るライバル。
北方棲姫という妹が居る。

中間棲姫
深海棲艦後期型の幹部の一人で、中間管理職。
容姿は白にも程が有る程白く、港湾棲姫に負けない艶やかさを持っている。
口調も御淑やかで目上に対しても目下に対しても、例えブチ切れしても口調は絶対に崩さない卓越した精神力の持ち主。
性格は仲間に対しては優しく厳しく扱う、時々大胆な一面も。

空母棲鬼
深海棲艦後期型の幹部の一人。
黒い服と鎧を纏い、中間棲姫の護衛を主な役目としている。
基本喋らず、表情も全く変えないため心の内が全く読めない。
艤装無しでも戦闘力は高い。

軽巡ツ級
深海棲艦後期型の兵士の一人。
全力で戦える事を何よりの至上として居り、その為に自らの練度を上げ続けている。
感情は人並みに有る様だが、声色が絶対に変わらない模様。
巨大な両腕に付けられた莢砲と魚雷が主兵力、弾幕を平気な顔で避ける程度の速力を備えている。

工作艦 明石
リボンの容態を確認する為にHNM社から700万デデンで取り寄せられた工作艦。
艦の修理や武器の改修、生身の生き物の治療など戦闘以外の所で活躍出来るとてもとても大事な人。
スカートの中は禁則事項。

ビスマルク級戦艦 ビスマルク
明石を買った時におまけで付いて来た艦娘
自分の実力に自信を持っては居るものの、勝てない者に対して無闇に突っ込んだりしない慎重さも持っている。
忠誠心は強く、主と定めた者からの命令は絶対に従う覚悟を持って働いている。

アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 プリンツ・オイゲン
ビスマルクを姉様と慕い、彼女が行く場所に何時もお供している。
声も仕草も何もかもが可愛いの一言だが、戦闘力以外にも精神力も有る。
運勢も良い方で相手に魚雷を撃ったら割と急所に当たる。

Z1型駆逐艦 レーベレヒト・マース
ドイツの駆逐艦で皐月に続く僕っ子。
他国の文化はあまり知らない様で、日本では少し苦労しそう。
艦としての性能はあまり他と変わらない。

Z1型駆逐艦 マックス・シュルツ
物静かだが面倒見の良い子。
友人のレーベと同じ制服を纏っている。
戦闘では冷静な判断力が光る。

リボン
何処からともなく(迷い込んで)来た妖精。
襲われる以前の記憶が思い出せず、そのままププヴィレッジに住む事に。
空も自由に飛べて速度も割と速い。


紹介はこれにて終わりです。
休憩を入れて来ますが割と直ぐふらっと戻ってくるかもしれんので宜しく。

ではスタートです

ーーーそれは、有る日の昼下がりーーー

球磨「木曾!改二おめでとうだクマ!」

北上「あたしらと同じ雷巡かぁ、まあ良いんじゃないの?」

木曾(改二)「……」

大井「どうしたの?せっかくの改二なのに浮かなそうな顔ね?」

木曾「…正直さぁ、雷巡って不安な所しか無いよな」

北上「何さその言い方、言いたい事をハッキリと言ってよ」

木曾「つまりだ、雷撃だけが極端に強くて他はからっきしの艦種じゃん」

大井「私達のアイデンティティーを否定しないで下さい!姫クラスの敵だって一発で為留められるんですよ!?」

球磨「先制雷撃だって出来るクマ」

木曾「甲標的が有ればな」

北上「…何だよその卑屈でツンツンした態度!」

木曾「ぶっちゃけ、姉さん守るのには北上姉さんと大井姉さんで事足りてしまうし…」

球磨「それが良いたいが為に自分や球磨の妹のアイデンティティーを否定したのかクマ」

木曾「まぁ、そうなるな」


ゴヅンッ!!!

木曾「っ……!?!?」

球磨「そうなるな、じゃないクマ!!そうなんだクマよ!!」

北上(あ……これガチだ、ガチで怒ってる)

大井(やっぱり自分の姉が切れてるの見ると…こう、足がすくみますね)


球磨「今から外出て頭冷やして来いクマ、そんで北上と大井の活躍を思い出して雷巡が如何に戦艦に負けない艦種か思い知って来るクマ!!」

球磨「それまで帰って来んなクマ!!!」

大井「ちょ、ちょっと!?それ言い過ぎじゃ…!?」


木曾「……分かったよ、姉さん」

大井「えっ…?」

木曾「出て行けば良いんだろう?出て行けば」

球磨「…クマ、そんで頭冷やして来いクマ。たっぷりと」

木曾「……」ギィィ……

バタン!!

北上「ちょ、ちょっと…球磨…さん?」

大井「幾らなんでも…あんまりじゃあ」

球磨「…球磨はガツンと言っただけだクマ、後は木曾次第だクマ」

大井「……」

球磨「あの言葉を受けて大人しく出て行ったんだ、きっと木曾も頭を冷やさなきゃと思って出た筈だクマ」

北上「……末っ子は大変だねぇ…」

ーーー廊下ーーー

ツカツカツカツカ……

木曾「……」

木曾(頭を冷やして来い…とは、言われたものの、何をすれば良いんだ?)

木曾(他の皆に相談するにしても……これは俺自信の問題だ)

木曾(…メタナイトに剣術でも鍛えてもらうか?)

木曾(いやダメだな……戦いに目を向けて頭が冷えるとは思えない…)

「あのー」フヨフヨ

木曾(……そうだ、こんな良い天気だし、散歩でもしよう)

「ちょっとー」フヨフヨ

木曾(静かな所を見つけてゆったりと頭を冷やすか…ナメクジみたいに)

「ぅおーい!」フヨフヨ

木曾「あ…何だ、お前かリボン…全然気が付かなかったぞ」

リボン「もしかちて考え事をしてまちたか?」フヨフヨ

木曾「………まあな」

リボン「そうでしゅかぁ」

木曾「……俺はこれから外を歩いて来る、今日中には戻るつもりだ」

リボン「あ、わたちも付いて行って良いでしゅか?」

木曾「…一人で良い」

リボン「ダメでしゅ、今の木曾さん、放っといたら死んじゃいそうでしゅ」

木曾(…コイツに苦悩している事を見破られるとはな、俺もまだまだか…)

リボン「こう言う時、お供は必要でしゅよ?」

木曾「…ああ分かったよ、好きにしろ」

リボン「良いんでしゅか!?」

木曾「良いって言ってるだろ、置いてくぞ」

リボン「ありがとうございましゅ!木曾さんとお出かけでしゅ!」

だれか居るのかー?

ーーーデデデ城の外、どこか離れた野原ーーー

リボン「それででしゅね、わたち、ここに来てから友達が一杯できまちた!」

木曾「…」テクテク

リボン「最初みんな怖そうで不安だったけど…それでも打ち解けられまちた!」

木曾「……」

リボン「……あのー、木曾しゃん?聞いてましゅか?」

木曾「ああ聞いてるよ、只少し考え事もしていたが」

リボン「…人の話はちゃんと聞いた方が良いと思いましゅ」

木曾「聞いてたよ」

リボン「聞いてただけじゃダメでしゅ!」プンスカ

木曾(…乙女の心というのは難しいな…)

木曾「…お、あそこに丁度いいサイズの木があるな」

リボン「休んで行きましゅか?」

木曾「ああ、あそこで頭を冷やすよ」

リボン「頭を冷やすって…何か有ったんでしゅか?」

木曾「ああ、ちょっとした『俺』の問題がな」

リボン「……」

木曾はそう言うと、木の下に腰を掛けました。

リボン「……気持ちいいでしゅね」

木曾「ああ、ここならゆっくり出来る」

リボン「木曾しゃん、何か悩み事ならわたちに相談してくだしゃい、一人で背負い込んじゃダメでしゅ」

木曾「否……気持ちだけ受け取っておくよ、これは俺自身が何とかしなくちゃ行けないからな」

リボン(木曾しゃん……何だか強いお人でしゅ)

木曾「……ん?」

リボン「どうしまちた?」

木曾「あれ見てみろ、アレ」

リボン「アレ?」

木曾が指を指した先には、何やら変わったトマトが置いてありました。

木曾「……何だか毛糸っぽいな」

リボン「食べられるんでしゅかね?」

木曾「……食ってみるか」

木曾がトマトに手を取ったその時、何やら怪しい男が飛び出して来ました。

「「待つでアミーボ!!」」

木曾「ん?」

リボン「だ、誰でしゅか!」

アミーボ・アモーレ「「ワシの名は『アミーボ・アモーレ』でアモーレ!」」

木曾「どうした?そんなに血相変えて」

木曾はそう言いながら、トマトを口に運ぼうとしていました。

アミーボ・アモーレ「「いや、毛糸だから糸相…ってそんな事は如何でも良いでアミーボ!」」

一人ノリツッコミを済ますと、男は続けて言いました。

アミーボ・アモーレ「「それはワシの大事な大事なだいーじなメタモルトマトだアモーレ!」」

アミーボ・アモーレ「「勝手に食べたら許さんでアミーボ!!」」

木曾「…」アー

アミーボ・アモーレ「「って話をしている途中で食おうとするなアモーレ!!」」

木曾「だって…最初に見つけたのは俺だし…」

リボン「そうでしゅよ、横から出て来て図々しいでしゅ」

アミーボ・アモーレ「「と、兎に角食べるなよ!絶対食べるなよ!?」」

木曾「……それは、フリという物か?」

アミーボ・アモーレ「「フリじゃ無いでアミーボ!良い子だからこっちに寄越しなさいアモーレ!!」」

木曾「……渡せば良いのか?」

アミーボ・アモーレ「「そ、そうだ!さあこっちに返しなさいアミーボ!」」



木曾「…悪い、今少し腹が減ってるんだ、食わせてもらうぞ」パクッ

アミーボ・アモーレ「「Noooooooooooooooooooooo!!!ジーザァァァァス!!!!」」

お腹がすいていた木曾は、呼び止めも聞かずにトマトを食べてしまいました。
そのまま、ゆっくり、味わい、食べました。

木曾「……うーん、見た目は毛糸っぽいが…味と食感は普通のと同じだな」

リボン「こんな普通のトマトを何で返ちて欲しかったんでしゅかね」

男はトマトを食べてしまった木曾を尻目に、何故か薄ら笑いを浮かべていました。

アミーボ・アモーレ「「……ク、クク…ク…ククク…!」」

木曾「ど、どうした、笑ってしまう程悲しかったのか?」

アミーボ・アモーレ「「クク……あんなに言ったのに食べちゃったー、食べられちゃったアミーボー」」

木曾「何が言いたいんだ!」

リボン「そうでしゅよ!怖いでしゅ!」

すると突然、男の首に下げていた靴下が光りだしました。
男の笑いもヒートアップし、遂には両手の編み棒を掲げて高笑いし始めました。


アミーボ・アモーレ「「ファッファッファッファ!!さあもう逃げられないアミーボ!さあもう誰も助けてくれないアモーレッ!!」」

光は凄まじくなり、木曾とリボンを包み込みました。

木曾「うぁぁぁぁぁっ!?」

リボン「きゃぁぁぁぁ!!」

あっという間に、木曾達は靴下の中に吸い込まれてしまいました。

ーーーーーー

木曾「………っ、ここは…?」

リボン「木曾しゃん!大丈夫でしゅか!」ユサユサ

木曾「リボンか!どうやら…何とか俺達は無事な様だな」

ふと周りを見ると、周りは布や毛糸で出来て居ました。

木曾「っ……!?おい!お前毛糸になっているぞ!?」

リボン「木曾しゃんもでしゅ!」

そう言われ、顔を下げて自分の体を見ると…

木曾「……何てこった、俺もリボンも毛糸に成っているのか」

木曾の自慢のマントも、軍刀も、服も全部が毛糸に成っていた。

木曾「ここは一体どこだ…何か分からないか?」

リボン「いいや、全然」

木曾「……困った事になったな…」

何処かも分からないこの場所で悩んでいると、何やら声が聞こえて来ました。

「た、助けてーっ!」

何処からか、少年の声が聞こえました。

木曾「…何処からの声だ?」

リボン「あ!あそこでしゅ!」

リボンが指差した所には、少年が怪物に追いかけられているでは有りませんか。

木曾「待ってろッ!」ダッ

木曾は直に怪物の下へと走り出し、そのまま軍刀(毛糸)を抜いて…

スパンッ!!

あっという間に怪物をまっ二つにし、少年を助け出しました。

木曾「ふう…」

木曾(毛糸だし、切れるかどうか不安だったが…この世界では切れそうだ)

すると木曾に少年がお礼を言いに駆け寄って来ました。

「あの…助けてくれてありがとう!」

木曾「…当然の事をしたまでだ」

少年は、続けて言います。

フラッフ「ボクはフラッフ、この毛糸の国の王子なんだ」

ここは毛糸の国という所で、しかも自分は王子様と言いました。

木曾「王子?お前が?」

リボン「カービィしゃんと全然変わらないでしゅね」

フラッフ「(無視)最近、妙な噂が立っているんだ」

木曾「妙な噂?」

フラッフ「うん、何でも『アミーボ・アモーレ』という男が、毛糸の国をバラバラにしてしまおうち考えてるって噂さ」

木曾「何…?!」

フラッフ「キミも多分アミーボに放り込まれた口だろう?ここに外の命が来るというのは珍しいからね」

木曾「……元の世界に帰る方法は?」

フラッフ「…この国の宝の靴下は、自分が行きたい場所、行かせたい場所を思い浮かべればそこに連れて行ってくれるという不思議な物だよ」

木曾「そりゃありがたい、是非共使わせてもらいたい!が…そうも簡単には行かないんだろう?」

リボン「え?」

木曾の推測は正解だったのか、フラッフが少し悔しそうに言います。

フラッフ「ああ、今は両方ともアミーボ・アモーレに奪われてしまった」

ここには誰もいないのか?

リボン「しょんな…」

フラッフ「今はキミたちの居た所に繋がっているみたいだけど…何時あの男が標的を変えて別の場所に行く可能性が無いとも言えない」

フラッフ「そこ、でだ」

木曾「そこで?」

フラッフ「キミ達にアミーボ・アモーレを倒して欲しいんだ」

木曾「事が大きく広がる前に?」

フラッフ「うん、ボクも出来る限りの協力はするから…」

リボン「木曾しゃん…どうするんでしゅか?」

木曾は不安そうなリボンに対してか、何を言っているんだという様な感じで言います。

木曾「何の道奴を倒さなきゃ元には戻れないんだ……断る理由が無いだろう?」

フラッフ「良いのかい!?」

木曾「ああ…だろう?リボン」

リボン「え…は、はい!その通りでしゅ!」

フラッフ「ありがとう!三人で何としてもアミーボを倒そう!」

木曾「ああ!」

フラッフ「所で…キミ達の名前は?」

木曾「俺は木曾だ、元々地球に居たんだが、やる事果たして提督が住んでいたポップスターに移動して来たんだ」

リボン「わたちはリボンでしゅ!」

フラッフ「そっか…宜しく、木曾、リボン!」

こうして二人は、フラッフと協力してアミーボ・アモーレを倒し、元の世界に戻る事にしました。


木曾「ところで、だ」

フラッフ「どうしたの?」

木曾「アミーボ・アモーレを倒すにしても、何処に居るのかも知らないじゃないか?」

フラッフ「まあね、噂とかを掻き集めないとダメだし」

木曾「やはり長い間世話になるという事か…少し屋内の拠点が欲しいな」

フラッフ「じゃあ、ボクに付いて来てよ、良い所が有るからさ!」

木曾「良い所?」

リボン「付いて行きましょう!木曾しゃん!」

木曾「…ああ、頼む」

ーーーキルトのまちーー

フラッフに連れられた先は、大きなお城の前に有る城下町が有りました。

木曾「ここは…?」

フラッフ「ここはキルトのまち、ボクの城の城下町さ」

木曾「へぇ、割と整っているな」

フラッフ「ここは毛糸の世界だからね、出来ない事は無いよ」

リボン「しょれで、ここがどうかしたんでしゅか?」

フラッフ「ルーム・ウールって言う人に聞いて、マンションを一部屋借りられないか聞いて来るよ」

木曾「雨風凌げれば構わないが…お前の城では駄目か?」

リボン「そうでしゅよ」

フラッフ「え、いや、えっとね、その、キミ達二人城に連れて行くというのは、その」

木曾「何だ、怒らないからはっきり言え!」

フラッフ「だ、だから!ボクの家に女の子二人連れ込むなんて恥ずかしいんだよッ!」

少し、いやかなり恥ずかしそうなフラッフの言い分を聞いて、二人は思わず笑ってしまいました。

木曾「く、くくっくっ…ww」

リボン「ぷぷぷ…あはは…www」

フラッフ「わ、笑うなぁ!それと草を生やすな!」

木曾「済まない…余りにも少年らしくて…」

フラッフ「まあ、王子って言っても…特に政治とかは無いから…」

木曾「本当に皆が『集まっている』だけなのか?」

フラッフ「ああ、毛糸で何でも代用出来るから税金も電気代も要らない、何かを交換する為の一応の通貨としてビーズというのは有るけどね」

リボン「そう言えば、マンションは?」

木曾「そうだな、また話が少し逸れているぞ」

フラッフ「そうだったね、じゃあまたまたボクに付いて来てよ」

木曾(今日は良く連れられるなぁ…)

リボン(まだ二回目でしゅよ、気張るでしゅ)

ーーーマンション前ーーー

フラッフ「さあ付いたよ、ここがルームのマンションさ」

木曾「……なんだか」

リボン「思ったよりも建物してるでしゅ」

木曾「だな、てっきり綿毛の塊が出てくるのかと思ったが…」

フラッフ「フッフッフ、毛糸の国を未だ舐めている様だね」

何故か得意げに笑うフラッフ、丁度その後ろから一人の老人がやって来ました。


「御戻りになられていましたか!フラッフさま」

フラッフ「やあ、ただいま!」

あぁん、>>642でミスってる……ケジメ物だこれは…

○フラッフ「うん、何でも『アミーボ・アモーレ』という男が、毛糸の国をバラバラにしてしまおうと考えてるって噂さ」



木曾「…ソイツがルーム・ウールって言うのか」

フラッフ「ああ、最近マンションを作って売ろうと決めたんだって」

ルーム「ええ、未だ居住者は居ませぬが、何れ来るでしょう」

フラッフ「じゃあ、ちょっとこの二人を住まわせて貰っていいかな?」

ルーム「ふむ……?所でそのお二方は…?」

木曾「木曾だ、んで横の奴はリボン」

リボン「リボンでしゅよ!」

ルーム「そうですか、私はルーム・ウールと申しますぞ」

ルーム「それで、住まわせて欲しいというのは…?」

フラッフ「アミーボ・アモーレに毛糸の国をバラバラにされる前に探し出して倒したいんだ」

木曾「どうせ見つけるのは時間がかかる、暫く雨風凌げる寝床が欲しくてな」

ルーム「構いませぬぞ」

木曾「軽ッ!?」

ルーム「ええ、誰か一人でもここに住めば、噂が立って直に居住者が来ます」

リボン「そう言う物でしゅか?」

ルーム「ええ、それに王子と一緒の屋根の下で世話になるなど成りませぬ」

フラッフ「そうそう」

木曾「で、ここに止まっていいのか?」

ルーム「一晩と言わず、フラッフさまの言う男が倒されるまで居ても宜しいですぞ」

リボン「わぁ!ありがとうございましゅ!」

木曾「ありがとう…暫く厄介になるよ」

ルーム「貴方方外の住民は割と珍しいので、他の人々にも外の世界の事を話してやって下され」

木曾「…割と警戒しないんだな」

フラッフ「まあね、皆それぞれに平和で暮らしてるよ」

ルーム「それでは、本日は如何なさいますか?」

フラッフ「木曾にこれからここで出来る事を教えて来るよ」

木曾「出来る事?」

フラッフ「自分の体が毛糸に成った事を利用した技…かな」

リボン「それって、毛糸の国の住民なら誰でも出来るんでしゅか?」

フラッフ「もちろんさ!ここに居る奴は全員出来るよ!」

木曾「そりゃ凄い」

フラッフ「じゃあルーム、ちょっと木曾達に教えて来るね」

ルーム「お気をつけ下され、フラッフさま」

木曾「よし、じゃあ付いて行くぞ!」

リボン「おー!」


ーーー近くの草原ーーー

フラッフ「…ここで良いかな…」

木曾「で、教える事と言うのは?」

フラッフ「まあ、見ててごらん」シュルッ

フラッフは自らの体の一部を延ばし、目の前に有るブロックに巻き付けて…

フラッフ「それっ!」ヒュバッ

あっという間に解いてしまいました。

木曾「ほぉ…!?」

リボン「しゅ、しゅごい!」

フラッフ「今みたいに、毛糸で出来た体を使って目の前の物体を巻き付けたり解いたり出来るんだ」

木曾「どうやるんだ?」

フラッフ「そんなに難しく無いよ、只心であれを引っ張ったり、結んだりしたいと思うだけで出来るよ」

リボン「酷く簡単でしゅね」

フラッフ「うん、先ずはやってみようよ」

木曾「…分かった」

置いてあるブロックに向けて手をかざし、フラッフに言われた通り念じて見ると…

ヒュバッ!

木曾「うおっ!?」

木曾の右腕から先が一本の毛糸になり、ブロックを解いて毛糸玉にしてしまいました。

フラッフ「ね?簡単でしょ?」

木曾「ああ……これは凄いな、リボン」

リボン「オドロキでしゅね……!」

木曾「んで……さっき解いたブロックが毛糸玉に成ってるが…」

嘗てブロックだった毛糸玉を持ちながら、フラッフに聞きました。

フラッフ「それかい?それはまあ…意志がない奴にぶつければ崩れるよ」

木曾「意思?」

フラッフ「そう、自分を自分と認識する意思、ここではそれが有れば、切られても殴られても崩れないんだ」

木曾「ソイツは凄いな、意思が有る限り不死身って訳か」

リボン「誰かの思うがままのお人は、直に死んでしまうって事でしゅか…?」

フラッフ「暫くは攻撃にも耐えるけど、さっきの怪物みたいな奴は死んでしまうね」

木曾「……気になったんだが、右手を一本の毛糸に変えられたって事は……体全体も変える事が出来るのか?」

フラッフ「もちろんさ!重たそうな物に変身して敵を押しつぶしたり、スピードの有る物に変身して素早く移動したりとかね!」

木曾「何でも出来るんだな、ここじゃ」

リボン「常識じゃ考えられない事ばかりでしゅ」

フラッフ「だけどそこまでは…その…」

木曾「何だ?」

フラッフ「いやね、1000年に一度に、一個しか実らないメタモルトマトを食べないとダメなんだ」

木曾「ん?」

フラッフ「しかもその一個もアミーボ・アモーレに靴下と一緒に奪われちゃったし…」

木曾「悪い、それ食った」

フラッフ「え?」

木曾の突拍子もない暴露に、フラッフは口を大きく開いてしまいました

フラッフ「食ったって何を?」

木曾「そのメタモルトマト」

フラッフ「奪ったの?」

木曾「いや、草むらに落ちてたんで食べてしまったよ、その後アミーボにここに送り込まれてしまったけどな」

リボン「もちかしてアミーボは、奪ったトマトを落としちゃって…あんなに怒ってたのも探してたから…?」

フラッフ「そう……だったら気をつけなきゃ、今頃奴はカンカンに怒ってるだろう」

リボン「仕返しを受けるかもしれないって事でしゅね…!」

木曾「……そうか」


三人の話に割って入る様に、風が強く成り始め、草々が揺らめき始める。

木曾「……風が強くなって来たな」

フラッフ「おかしいな、普段はあんまり強い風は吹かないんだけど…」

その風はどんどん強くなり、草も更に揺らめく。

リボン「と、飛ばされちゃいましゅよ!?」

木曾「…これは一体…!」

フラッフ「っ…何かが…来る…!」

木曾「何!?」

やがて上空の青空から一つの影が舞い降りる。

ズズン!!

降りて来た影の正体は、怪獣ドドワンでした。

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=8JwLUsasPnI(ドドワン)

木曾「何だコイツは!?」

フラッフ「分からない!」

ドドワンは此方に向かって大きな叫びを上げて威嚇して来ました。

リボン「と、兎に角戦わなきゃ!」

木曾「ちっ…行くぞ!」

フラッフ「ああ、行くよ!」

ドドワンはそのまま木曾達目掛けて突っ込んで行きました。
危ない!と言う所で三人は避け、後ろに回り込みます。

木曾「後ろが空いているぞっ!」シュルッ!

長い毛糸を伸ばし、尻尾に搦め捕って縛り上げました。

リボン「それっ!」ヒュバッ!

リボンも体から毛糸が伸ばし、ドドワンの羽を縛り上げました。

リボン「や、やった…わたちにも出来た!」

しかし縛り付けた場所が悪く、やはり羽を羽撃たかれて吹き飛ばされてしまいます。

リボン「きゃぁ!」

フラッフ「リボンちゃん!」

フラッフは直ぐさま飛び出し、リボンを上手くキャッチしました。

リボン「あ、ありがとうでしゅ…」

フラッフ「う、うん……木曾!そっちは!?」

木曾「ダメだ、見た目は毛糸のくせに鱗が固い、外に一撃を加えても無理だ」

突然、ドドワンの口から舌が飛び出て来ました。
危ないとフラッフが叫ぶ前に木曾は華麗に躱してみせました。

フラッフ「!そうだ!外が駄目なら中に攻撃して!」

木曾「舌か…!」

フラッフの言葉を受けて敵の弱点を悟り、ドドワンの前に飛び出しました。

木曾「さあ来い!俺はここだ!」

目の前に現れた木曾を獲物と見なし、ドドワンは舌を突き出して来ます。

木曾「よっ!」バッ

次々と突き出される舌を木曾は避ける避ける避ける。
流石艦娘の力は伊達では無いようです。

リボン「す、すごい…!」

フラッフ「……相当戦い慣れてるな…!」

その内ドドワンはばて気味に成ってしまい、そのまま舌をだらんと垂らしました。

今日はここまで、地の文は一応原作通りに紙芝居の語り風に。
後ここを見てる人居る?好評悪評何でも良いんで誰か何か言って下せぇ…

木曾「隙有りっ!」シュルッ!

木曾は透かさず毛糸を伸ばし、垂らされた舌に絡み付かせます。
ドドワンは直ぐさま暴れ出し、木曾を弾き飛ばそうとします。

木曾「うおぉぉっ!?」

フラッフ「木曾!」

リボン「あわわわわ…!」

その内、木曾が伸ばした毛糸と、ドドワンの舌がこんがらがってしまいました。

木曾「………」

木曾は振り回されながらも、お前なにやってんだ、みたいな顔でドドワンを見ていました。

木曾「ちっ!」シャキンッ!

木曾は空いている左手で軍刀を持ち、絡まっている舌に向けて降りました。

「ガアァァァァァァ!!!!」

舌は当然の如く切断され、そのまま切った所から先が取れました。
流石のドドワンも痛い様で叫びをあげます。

木曾「効いている様だぞ!」

リボン「で、でも…右手…」

木曾「ん?」

木曾が目を右手に向けると、切り落とされたドドワンの舌が絡まったままだった。

木曾「あー……これか、どうするか…」

フラッフ「普通に引っ込められるよ?ソレ」

木曾「本当か?」

フラッフ「ああ、体全体に絡まるとどうしようもないけどね」


「グゴォォォォォォォォォォ!!!!」

痛みで怒ったドドワンは空を飛び、炎を吐いて来ました。

木曾「如何にもドラゴンらしい攻撃だな!」

そう易々と当たる訳もなく、木曾はブレスを躱して行きました。

痺れを切らしたドドワンはブレスを止め、そのまま地面スレスレを滑空して突っ込んでいきます。

木曾「何!?」

巨体に合わない速度に対応出来ず、そのままぶつかってしまいます。

木曾「っぐ…!」

フラッフ「大丈夫!?」

木曾「ああ、速度には驚かされたが…戦闘に支障は無いぞ」

リボン「ど、どうしましゅか…?」

木曾「む……」


木曾(どうするか…?舌は切ってしまったし、体内に入って切り刻むんでも危険すぎる)

木曾(口の中に砲撃、雷撃を加える…にしても、弾薬がここで調達出来るとも限らない)



木曾「…よく考えてみたら…どうするんだこれ」

リボン「ダメじゃないでしゅか!!」




フラッフ「大丈夫…当ては有るよ」

木曾「何だって?」

リボン「まだ手段は残ってるんでしゅか?」

フラッフ「ああ、というか、奴がへばっている所を捕まえて投げ飛ばすだけでも十分何とか成るね」

木曾「つまり隙を見つけて思い切り殴り付けろと」

フラッフ「うん、変に考えなくても大丈夫だと思うよ」

リボン「チャンスの時にはずんずん進んじゃうでしゅ!」

木曾「……そうだな、別に難しく考えなくても良いか…!」

フラッフ「ボクらも、出来る事はやってみる」

リボン「三人集まれば文殊の知恵でしゅ!」

木曾「知恵……?」

フラッフ「(物理)だね」

木曾「よし……じゃあ、行くぞ!」

リボン「は、はい!」


ドドワンは意気込む三人の下に再び滑空して来ました。

木曾「あの滑空、どうする?」

フラッフ「伏せるんだ!ぺったんこに成った感じで!」

木曾「分かった!」ヘコッ!

フラッフの指示通りにぺったんこに伏せ、そのまま攻撃をやり過ごしました。
しかしドドワン、そのまま木曾達の後ろに降り立ってしまいました。

リボン「後ろ!?」

木曾「…向こうから降りて来てくれるなんて、律儀な龍だな」

木曾達もそのままドドワンの方へと体を向け、再び地上戦に入ります。

ドドワンかわいいよな~

>>666
飛行能力も折り紙付きで乗り捨ての心配もナシ!むしろ突っ込んで行くのであります!
てか見てくれてる人居たよ…これで心配も無く書きたいもん書ける。


「ゴォォォォォォォ!!」

ドドワンは口から炎のブレスを吐き出し、木曾達に挑みかかります。

木曾「さあ来い!」

その図は炎を吐く龍を前に、剣を構えて戦う戦士の図で中々に絵に成りそうな光景です。

リボン「か、カッコイイ光景でしゅ…!」

フラッフ「見とれているヒマは無いよ、ボクらはボクらで何とかしよう!」

リボン「任せて下しゃい!」フンス


木曾「そらっ!!」ギィンッ!!

軍刀で木曾はドドワンを切り付け、少しでもダメージを稼ごうとしていました。
しかし、ドドワン本人も黙って切られる訳も無く……

「グォァアァァ!!」

ゴガァァッ!!

木曾「うお!?」

前足で地面が抉り出される程思い切り引っ掻き、木曾を撃退しようとします。

木曾「何て力だ…伊達に龍ではないな!」ヒュバッ!

降って来る瓦礫を縛り、解いて大きな毛糸玉にして掲げます。

木曾「受け取れっ!」ブンッ!!


投げられた大きな毛糸玉は、ドドワンの五体に直撃して崩れ落ちました。
ドドワンにも大きなダメージが入った事でしょう。

「ガァァァァァァ!!!」

ですが、ドドワンもまだ諦めていない様で口から火炎を放射します。

木曾「おぉ、毛糸と舐めていると痛い目を見そうだ」

吐き出される火の柱を躱す木曾。

一方フラッフ達は相手の動きを伺っています。


リボン「…よし、相手はこっちに気づいて居ないでしゅ!」

フラッフ「うん、行こう!」

こちらへの注意が完全に無くなっている事を確認し、尻尾に向かって突撃して行きます。

リボン「それっ!」ヒュバッ!

リボンは声を上げ、毛糸で尻尾を再び強く縛り上げます。

「ギォォォォ!?」

後ろからの攻撃に驚いた隙にフラッフが素早く前足を縛り付けます。

フラッフ「今だ!木曾!」

木曾「!…おう!」

木曾は暫くの間、動きを止められたドドワンを切り続けていました。
しかし、一向にとどめは刺せません。

木曾(…このまま切り続けてもあまりダメージは与えられない、と成れば…)

木曾は懐から魚雷を一本だけ取り出し、ドドワンの口の中に向かいます。

木曾(どうせなら、虎の子を放つ位のの気でやってやる!)

開き直りが入った木曾は大きく腕を振りかぶり…

木曾「そらよ!最後に一本、くれてやる!」ブンッ!

そのままドドワンの口の中に魚雷を投入してしまいました。

木曾「フラッフ!離れろ!」

フラッフ「え!?分かった!」

三人がドドワンから一斉に離れ、暫くの時が流れた後………

ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

大きな爆発とともにドドワンは四散、そのまま消滅してしまいました。

フラッフ「……」

リボン「……」


木曾「ビューティホー……」

フラッフ「……えげつない止めだね、随分と」

木曾「あのまま切り続けたって意味が無かっただろ、大火事に如雨露で水を掛けても意味が無いのと同じだよ」

リボン「お、恐ろちいでしゅ……悪魔でしゅ…」

木曾「いいえ、艦娘です」

フラッフ「ゾンビみたいに言わないでよ」

木曾「……しかしまあ、何だったんだろうなコイツは」

フラッフ「……もしかしたら、アミーボ・アモーレが送りつけて来た奴かもしれない」

リボン「未だそうと決まった訳じゃないでしゅよ?」

フラッフ「それはそうだけど、毛糸玉が効いたんだ、自分の意志が若干無い可能性だってある」

木曾「……頭の隅に置いておくか、その事も」

フラッフ「兎に角、何とかこの場は退けられたね」

木曾「そうだな、魚雷を一本失ってしまったが……」

フラッフ「そう言えばさ、魚雷とか軍刀とか、まるで軍人や軍艦みたいな武器を使うけど…」

木曾「あ…まだ艦娘の事は話してなかったな」

リボン「そういえばわたちも気になるでしゅ」

フラッフ「艦娘って一体何?」

木曾「ま、まあまあ…立ち話も何だ、そう言うのはマンションでしないか?」

フラッフ「んー…分かった、キッチリと話してよ?」

リボン「絶対でしゅぞ」

木曾「……それは、誰のマネだ?」

リボン「さっきのヒゲのお人の真似でしゅ」

フラッフ「……口調だけ似せてもダメだよ」

ドドワンを退けた三人は、一旦マンションに戻る事にしました。
取り敢えず、今日の所は木曾とリボンは元の場所に戻れなさそうです。



ーーーププヴィレッジーーー


その頃、ププヴィレッジではアミーボ・アモーレが悔しそうに独り言を呟いていました。

アミーボ・アモーレ「「ぐぐ……あのトマトを食われたのは痛かったアミーボ……」」

アミーボ・アモーレ「「…あれさえ有れば、毛糸の国はワシの物だったと言うのに…」」

アミーボ・アモーレ「「……まあ、良いでアモーレ、誰もあのお方達の計画に気付きさえしなければ良いのだアミーボ」」


アミーボ・アモーレ「「…なあ?」」

アミーボ・アモーレが振り向いた先には、妖艶な風貌の女性と、幼い少女が立っていました。


港湾棲姫「……貴方、どうしたの?メタモルトマトは?」

アミーボ・アモーレ「「食われたアミーボ………一応、食った奴は毛糸の国に閉じ込めたアモーレ」」

港湾棲姫「……毛糸の国の出入り口は?」

アミーボ・アモーレ「「両方ともワシが確保したでアミーボ、奴がここに凱旋を奏すのは不可能だアモーレ」」

港湾棲姫「そう……慢心は駄目よ、計画が台無しになってしまうわ」

アミーボ・アモーレ「「心得ているでアミーボ、それと…」」

港湾棲姫「…何?」

アミーボ・アモーレ「そこの小さいのに毛糸の国に行って貰って、ワシの噂を更にバラ撒いて欲しいアモーレ」

港湾棲姫「小さいのって…北方棲姫を?」

北方棲姫と呼ばれた女の子は、姉の言葉に首を傾げて居ました。

北方棲姫「…?もっと噂を立てれば良いの?」

アミーボ・アモーレ「「そうだアミーボ、送り込んだ奴らがワシの方へと注意が向けば良いでアモーレ」」

港湾棲姫「待って、ほっぽは未だ小さいのよ?そんな子を何処とも分からない世界に送り込む何て…!」

北方棲姫「大丈夫だよ、おねーちゃん!」

姉の心配をよそに、北方棲姫は自信たっぷりに言います。

北方棲姫「ほっぽはね、もの凄く強い深海棲艦後期型の姫なの、絶対負けないから!」

アミーボ・アモーレ「「おい待つでアミーボ、何でオマエが奴らと会敵し交戦する前提と成っているでアモーレ!」」

北方棲姫「だって…おっちゃんが送り込んだ部下…あんまり倒せそうな気がしないの」

アミーボ・アモーレ「「な、何!?」」

北方棲姫「だから、ほっぽがね、おっちゃんがうっかり送っちゃった奴らを叩き潰しに行く!」

アミーボ・アモーレ「「ダメだダメだアミーボ!オマエが戦いを挑んだら、深海棲艦が関与してる事がバレるでアモーレ!」」

北方棲姫「大丈夫!バレなきゃ犯罪じゃないから!」

港湾棲姫「それでもダメよ、噂をばらまくだけに止めておきなさい」

北方棲姫「……むー」

アミーボ・アモーレ「「良いか?オマエは噂をバラ撒いてくれれば良いんだアミーボ」」

アミーボ・アモーレ「「それで注意がワシの方に向いて時間が稼げればそれで良いんだアモーレ」」

港湾棲姫「そうよ、今回の貴方のお仕事はね?戦闘をする事じゃないの、分かって?」

北方棲姫「……分かった、おねーちゃんがそう言うんだったら」

アミーボ・アモーレ((ワシが何を言っても無駄と言う事かアミーボ))

アミーボ・アモーレ「「…じゃあ、上手くやるでアモーレ」」

北方棲姫「分かった、おっちゃんもね!」

北方棲姫は、アミーボ・アモーレにそう言うと、毛糸の国へ繋がる靴下の中に吸い込まれて行きました。


アミーボ・アモーレ「「……港湾棲姫、あの妹は大変じゃないかアモーレ?」」

港湾棲姫「そりゃ大変よ、我がままな所も有るし、勝手な所も有るし」

港湾棲姫「この間だって零戦だけじゃなく烈風までねだられて…」

アミーボ・アモーレ「「やはり子供はきちんと教育してあげないとダメだアミーボね」」

港湾棲姫「…でも、とても良い子なんです、私に取って…とても大事な子なの」

アミーボ・アモーレ「「目に入れても痛く無い、か」」

港湾棲姫「出来れば何時も私の目に居て欲しいのだけれど…」

アミーボ・アモーレ「「流石に過保護だアモーレ、そう言う奴の子供は大抵我が侭になると言う法則が…」」

港湾棲姫「え……そ、そうなの?」ガーン

アミーボ・アモーレ「「……有るかどうかは知らんが、そろそろ一人で何かをすると言う事を学んでも良い頃だアミーボ」」

港湾棲姫「……そうね」

アミーボ・アモーレ「「それにああいう奴はな、大体苦境に立たされても何とかなるんだアモーレ」」

アミーボ・アモーレ「「その上で、ホラ、お前の妹じゃないか…心配事は、全部すかしっペで終わるアミーボ」」

港湾棲姫「…あの、そう言う言い方って…」

アミーボ・アモーレ「「気にするなアモーレ、男なら仕様の無い事も有る」」

港湾棲姫「……」


アミーボ・アモーレ「「さて、ワシもそろそろ後を追うでアミーボ」」

港湾棲姫「…そう」

アミーボ・アモーレ「「オマエも気をつけるでアモーレ、妹はワシに任せるアミーボ」」

港湾棲姫「…宜しく、御願いします」

アミーボ・アモーレは北方棲姫の後を追い、毛糸の国へと向かって行きました。
港湾棲姫達は、一体何を企んでいるのでしょうか。

ーーーキルトのまち ルームのマンションーーー

ここは再びキルトのまち、ルームのマンション。
ドドワンを退けた三人は話をする為にマンションの部屋の中に集まっていました。


フラッフ「…へえ、それで、今はブラックデデデと言う提督の偽物を倒すのが最終目標なんだね」

木曾「ああ、どうやら俺達は戦いから離れられないらしいからな」

リボン「…」

フラッフ「そうなると、一刻も早くここから出なきゃ行けない訳だ」

木曾「まあそうだな、ここには軍港とか補給が出来る物と言うのは無いだろう?」

フラッフ「まあね、ここって戦争と無縁だから」

木曾「だろうな」

リボン「戦争をするって感じじゃないでしゅよね」

木曾「そうか……」

木曾(…暫くは軍刀で接近戦か…)

フラッフ「……ゴメン、あまり役に立てなくて」

木曾「いや……大丈夫だ、こう言う事は本当は俺が何とかしなきゃ行けないんだからな」

リボン「木曾しゃん?」

木曾「元はと言えば、俺が悪いんだ、俺が好奇心をむき出しにしなければ…」


フラッフ「何言ってるのさ、木曾」

木曾「?」

フラッフ「君がトマトを食べて、ここに送り込まれたお陰で…アミーボ・アモーレを討てるかもしれない可能性が生まれたんじゃないか」

木曾「……だったら、ヤツは…俺一人で…!」

リボン「木曾しゃん……こう言う時は、一人で何でも背負わず、誰かに頼れば良いんでしゅよ?」

フラッフ「そうだよ、何をそんなに急いでるのかは知らないけど…さっきも言った様に、三人集まれば文殊の知恵じゃないか」

フラッフ「この先、誰かに頼りたくても頼れない事が沢山ある…今のうちに頼れる所は頼りつつ責任は自分で果たす、これが大事なのさ」

木曾「……そう、なのか…?」

フラッフ「そう…ボクは王子さ、人の悩み事の一つどうって事無い」

リボン「んまあ、自信満々でしゅね」

木曾「…そうか…」

フラッフ「そうだよ、完璧な一つの命なんてこの世には存在しないからね」

木曾(……雷巡も、艦娘も…そうなのか…?)

リボン「うんうん、だから!皆でアミーボ・アモーレを倒ちましょう!」

木曾「先ずは探し出すのが先決だがな」

リボン「あ……そういえばどこに居るんだろ…」

フラッフ「…まあまあ、そう慌てずに、別に今倒さなきゃ死ぬ訳じゃないんだし」

フラッフ「じゃ…木曾はどうする?」

リボン「どうちましゅか?」

木曾「……今日は、このまま休むよ、これでも色々有って頭がごちゃごちゃになっている」

木曾「じっくりと頭を冷やしたい…」

リボン「ずっと気になってたんだけど、何で頭を冷やちたいんでしゅか?」

木曾「……何、少し姉さんと喧嘩してしまっただけだよ」

フラッフ「そりゃ大変だ、それじゃあ一刻も早く戻って仲直りしないと!」

木曾「……だな」

リボン「元の場所に帰れるよう、頑張りまちょうね!」

木曾「ああ!」

こうして三人は、アミーボ・アモーレを倒すと言う決意を再び固めました。
はてさて、木曾とリボンは、無事に元の場所に帰れるのでしょうか?



ーーー翌日ーーー



木曾「……」zzz

リボン「……」zzz

コンコン

<御起き下されー

木曾「ん…」モゾモゾ

リボン「むえ…?」ムクリ

<起きて下されー!

リボン「はーい、今出ましゅよー」

眠そうな声を上げるとリボンは布団から降りました。
でも、まだ眠いのか床にべたっと落ちてしまいました。

リボン「…っ…」

痛みで少し意識がハッキリして来たリボンは、そのまま浮遊してドアに向かいました。

ガチャッ

ルーム「リボンさま、私が用意したベッド、気に入っていただけましたかな?」

リボン「ふかふかで気持ちよかったでしゅ!」

ルーム「ほほ…所で、木曾さまは?」

リボン「あ…起こして来ましゅ!」

そう言うとあっという間にベッドの横に移動し、思い切り布団を捲った。

リボン「起ーきろーでしゅー!!」バサッ

木曾「…?な、もう朝か…?」

リボン「そうでしゅ!早く起きるでしゅよ!」

木曾「……」ポケー

リボン「どうしたんでしゅか!さっさと起きるでしゅよ!」

木曾「……眠い」

リボン「もぉぉ…こうなったら!」ヒュバッ!

リボンは毛糸を伸ばし、木曾を縛り付けてそのまま運ぶ事にしました。

リボン「んんっ…重っ…」ググググ

ルーム「早くしてくだされ、フラッフさまがお待ちかねですぞ」

リボン「だ、だったら…てて、手伝ってくだしゃい…」プルプル

ルーム「そうしたいのはやまやまですが、生憎手も足も御座いません」

リボン「ぐぐ…もう…!」パッ

このまま運んだら時間がかかると踏んだリボンは、伸ばした毛糸を戻し、そのまま木曾を落としました。

ドスン!!


木曾「…ッ~~っ!!?ってぇなお前!何しやがる!」

思い切りお尻から堕ちてしまった木曾、痛みで眠気も吹っ飛んでしまいました。

リボン「良いから早く起きるでしゅ!フラッフが待ってるみたいだから!」

木曾「だったらあんな起こし方をしなくても良いだろう!?」

リボン「普通のやり方で起きると思う?」

木曾「え?、ええ、えっと…」


リボン「さ、行きましゅよ?」

木曾「あ…ああ…」

ルーム(…リボンさま…母君の素質が御座いますなあ…)

甲斐甲斐しく木曾を連れ立つリボンを見て、ルーム・ウールは一人微笑ましそうに見ていました。

ーーーマンション前ーーー


リボン「フラッフー!」

フラッフ「リボン!木曾!早かったね!」

木曾「ああ、うっかり寝過ごしそうに成ったがな」

リボン「わたちが起こしまちた!」

フラッフ「そりゃ凄い!」

木曾「それで?今日はどうする?」

フラッフ「取り敢えず、町の皆に聞いてみたけど…」

木曾「ふんふん…」

フラッフ「何でも、ホットランドという所で見かけたって子が居たらしいんだ」

木曾「ん…?何だ、その『子』ってのは」

今日はこの辺で、皆さんアニメはどうでしたか?

>>687
アニメって何のアニメの話っすか?

>>688
艦これ、今日放送されたんだって

フラッフ「いや、女の子が見たって言ってたらしいよ」

木曾「女の子?」

リボン「ホットランドって…具体的にどんな場所でしゅか?」

フラッフ「火山が有る所だよ、とても熱くて焼けそうだよ」

木曾「……怪しいな」

リボン「まあまあ、ここは毛糸の国だから…こっちの常識はあまり通用ちないかも」

フラッフ「兎に角、今は噂が示す通りの場所に行くしか無いよ?」

木曾「…どうも腑に落ちないが、まあいい、早速行こうじゃないか」

フラッフ「そう来なくちゃ、ご飯は大丈夫かい?」

木曾「要らないな、下手に腹を膨らませても少しキツいだけだろう」

リボン「そうでしゅね、吐いちゃったら嫌でしゅし」

フラッフ「じゃあ、一応弁当を持って行くだけで良い?」

木曾「ああ、頼む」

リボン「うっかり落とさない様にして下しゃいね?」

木曾「大丈夫だ、そんな事をしでかすと思うか?」

リボン「うーーん……」

木曾「…何だ、その長さは」

フラッフ「まあ良いじゃん」

木曾「むう……あっ!一つ大事な事を忘れていた!」

リボン「何でしゅか?」

木曾「水だよ、ああいう灼熱の場所に水は必要不可欠だ!」

フラッフ「乾燥してないから大丈夫と思うけど…」

木曾「仮にお前等が大丈夫でも俺には必要なんだ、軍艦が灼熱地獄に晒されると、どうなるか分かるだろう!?」

フラッフ「…軍艦て?」

木曾「まあ…戦う船だ、エンジンやらタービンやら廃熱機構やら色々備えた戦闘する為の船だ」

フラッフ「精密機械な訳だ」

木曾「それで、その機構が一杯詰まった艤装が熱されれば?」

フラッフ「…ショートみたいな事が起きる?」

木曾「大当たりだ」

リボン「成る程、だから冷却しなきゃ行けないんでしゅね」

木曾「その通り、艤装がぶっ壊れたら戦闘に支障が出る、探索も出来るだけ早めに終わらせたいと思っているが…」

フラッフ「…分かった、飽く迄も噂だからね、行ける所まで行って帰ろうか」

リボン「しょれで良いんでしゅか?」

木曾「ああ、目的の完遂も大事だが、難しい事に簡単な手段でやっても駄目だ」

リボン「…ふんふん」

フラッフ「じゃあ、出発する?」

木曾「ああ、出るか」

リボン「気をつけて行きまちょう!」

こうして三人は、灼熱の地帯ホットランドに足を運びに行きました。



コソコソ……

北方棲姫「よしよし…ほっぽの撒いた噂に皆突っ込んで行ったな」

北方棲姫「あとはおっちゃんの部下が善戦してくれれば良いけど…」

北方棲姫「それにしても、この毛糸の体…スカスカするー」

旅立つ三人を後ろから見守る北方棲姫、スカスカする体に違和感を覚えつつも
何かを企んでいる様です。

ーーー数時間後、ホットランドーーー


木曾「…暑そうだな」

フラッフ「暑そうだね」

リボン「いや、暑いでしゅ」

木曾「…なあ」

フラッフ「何?」

木曾「本当にこんな所にアイツが居ると思うか?」

フラッフ「分からないよ、確かめる為に此処に来たんじゃないか」

リボン「全く持ってその通りでしゅね」

木曾「さて…砂漠と密林と色々あるが…何処に当たる?」

フラッフ「うん、目撃情報が有った場所は火山の方だから…火山から行ってみよう」

木曾「初っ端から最高に暑い場所か…最悪だ」

リボン「頑張って下しゃい!何だったら親父ギャグで背筋を凍らせてあげましゅ!」

木曾「お前に出来るのかよ?」

リボン「勿論でしゅ!」

フラッフ「言ってみてよ」

リボン「ダメでしゅ、こう言うのは突然言うのが決まりなんでしゅ」

木曾「何だその拘りは!」

リボン「さあ!張り切って行くでしゅよ!」

フラッフ「おー!」

木曾「はぁ……応!」

ーーーあっちっちやまーーー

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=5xjwHmCEZpw(あっちっちやま)


木曾「麓まで来たが…入り口は何処だ?」

フラッフ「さあ…何処かに有ると思うけど…?」

リボン「…外をこのまま上ったらどうでしゅかね?」

木曾「そうだな、それならわざわざ内部に入る必要も無い…どうする?」

フラッフ「そうだね…ただこの姿のまま上るのは辛そうだよ」

木曾「む…どうするか…」

リボン「………」ポク…ポク…

木曾「…ん、どうした?」

リボン「……!」チーン

フラッフ「何か思いついたのかい?」

リボン「そうでしゅ、悪路に強い乗り物に変身してそのまま上って行くでしゅよ」

木曾「悪路に強い乗り物?」

フラッフ「バギーかな?あれなら悪路にも強いって聞くよ」

木曾「ふむ…だが、肝心のバギーは見た事が無いんだ」

リボン「そうでしゅか…それじゃあ変身出来ないでしゅね」

木曾「うーん……」

フラッフ「何か悪路の強い物って覚えて無いかな?」

木曾「ちょっと待て…うーん……………」

木曾は深く念入りに考えて自分の頭の中を探っています、何か思い当たる物でもあるのでしょうか。

木曾「…………」

リボン「………」

フラッフ「ちくわ大明神」

リボン「ぶ!?」

木曾「……ん?何だ?何か言ったか?」

フラッフ「嫌別に?」シレッ

木曾「…邪魔するなよ、考えが途切れたらどうするってんだよ…」

フラッフ(実を言うと一度こう言う事を言ってみたかったんだ)

突然の言葉に邪魔された木曾は再び目を閉じ口を閉じ、頭を整理し始めます。

木曾「………」ムムム

リボン「………」

フラッフ「………」

木曾「…!」

リボン「何か、ありまちた?」

木曾「…そうだ、戦車なんてのはどうだろう」

フラッフ「戦車?」

木曾「強力な砲台と装甲を持ち、キャタピラと言う歩行機構で悪路にだって耐えられる軍のスグレモノだ」

木曾「此れを無しにして、陸上での作戦は語れないな」

リボン「見た事あるんでしゅね?」

木曾「ああ、ずっとずっと昔にな」

フラッフ(どれ位昔なんだろう…)

リボン「じゃあ、変身出来ましゅか?」

木曾「勿論だとも、この目でしっかりと見て来たからな」

リボン「早速やっちゃうでしゅ!」

木曾「その返事が聞きたかったぞ…良し!」バッ

聞きたかったと言う返事を受けて思い切りジャンプし、空中でクルクル回転して…

木曾「メタモル・パワー!全開ッ!!」

言う必要が有るか分からない台詞を叫ぶと、毛糸の体がスルリと変化し、戦車の形を取ったではありませんか。
どうやらこれが、メタモルトマトによる力の様です。

リボン「おー!カッコいいでしゅ~!」

木曾「だろ?砲撃だって出来るぞ」

リボン「凄いでしゅ!」

フラッフ「……あの、別にさっきの台詞を言わなくても変身出来ると思うけど…」

木曾「う、うるさい!こう言うのは気持ちの問題なんだよ!」カァァ

リボン(戦車が頬?染めてる…変なの)

木曾「ほら、さっさと乗れ!」

リボン「え?中に入れるんでしゅか?」

木曾「ああ、外面だけじゃないぜ、内面だって大事だ」

フラッフ「それなら敵の攻撃を受けないし安心だね!」

リボン「けど……もの凄く暑そう…」

フラッフ「贅沢言わない、何時敵が襲って来るかどうか分からないんだから」

木曾「ほら早くしろよ、中に入られる俺が一番暑いんだからな!」

リボン「じゃあ…言葉に甘えて」

フラッフ「失礼しまーす」

二人はハッチから戦車の中に入り、そのまま頂上に向かって移動する事にしました。

木曾「それじゃあ行くぞ!90式戦車、発進!」

リボン「おー!」

フラッフ「おー!」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=dVmDZyJ2990(シュータービークル)

毛糸で出来た戦車はそのまま山の外にキャタピラを乗せ、悪路でも難なく進んで行きます。

リボン「す、進めてましゅか?」

木曾「大丈夫、思った通りに問題ないぞ」

フラッフ「何時間かかりそう?」

木曾「うーん…多分日帰りは出来るんじゃないのか?」

リボン「具体的な時間は?」

木曾「知らんな」

フラッフ「そんな無責任な事を言わないでよ!」

木曾「しかし…俺だって生きている、兵器に成ったとは言え生きている、疲れたら休憩しても良いか?」

リボン「それはモチの…」

フラッフ「ロン、体力が無ければ先に行けないからね」

木曾「そうか…良かった、ならば幸先良く前進するぞ!」

リボン(あれ…わたち達がラクしてる事にはノータッチ…?)

フラッフ(そのつもりで変身したんでしょ、そもそも変身したらって提案したのはリボンちゃんじゃないか)

リボン(しょれはそうだけど…)

木曾「どうした?静かだぞ?」

フラッフ「ん、いやあ、その…何でもないよ」

リボン「う、うん」

木曾「そうか?なら良いが…」


キュラララララララララ……


フラッフ「結構揺れるね…」

木曾「仕方ないだろ、これでも大分良い方だと思うぞ?」

リボン「でも…揺られてると…その…うぷ…」

フラッフ「ちょ、ちょっと!?こんな狭い所で吐かないでよ!?」

木曾「それ以前に俺の中だぞ!?」

リボン「ご、ごめんなしゃい…でも、大事な情報は吐きましぇんから…」

フラッフ「大事な情報って何!?良いから浮いてなよ!」

リボン「うぷ…成る可くぶつからない様に…おぇ」

木曾「オイオイ大丈夫か?辛かったら言え」

リボン「だ、大丈夫…頑張る」

フラッフ「無理しない方が良いよ?」

木曾「若しも吐きそうになったら飲み込め、不味いだろうが飲み込んでくれ」

リボン「うう…酔い止めの薬を持って来ておくべきでちた…」

木曾「*過ぎた事を言っても如何にも成らないぞ…」

フラッフ「所で…今はどの辺かな?」

木曾「未だ動き出したばかりだぞ?気が早い!」

フラッフ「そうか…」

木曾「お前も無理はせずに、早めに言った方が良いぞ」

フラッフ「あ、ボクは大丈夫だよ、ありがとう」

リボン(…何だろう、この二人…中が良いでしゅ…)

ーーー暫く進む事…1時間ーーー



フラッフ「……」

リボン「フラッフしゃん、起きるでしゅよ」

フラッフ「ん…?」パチ

木曾「どうした、体があったまって眠たくなったか?」

フラッフ「ううん…揺られてると、何だかこう…眠くなって…」

リボン「へえ…羨ましいでしゅ」

木曾「まだ頂上は見えない、もう少し掛かりそうだぞ」

フラッフ「木曾、お腹は大丈夫かい?」

木曾「ん…未だ小腹が空いた程度だ、何ともない」

リボン「もう少し進んだらご飯にしましゅか?」

木曾「ん…そうだな、少し早い気もするがな」

フラッフ「あれから…何時間?」

木曾「一時間だ」

フラッフ「…未だ早いね」

木曾「だろうな…休むにしても…後もう一時間くらいだな」

リボン「そうでしゅか…」

木曾「……!」

フラッフ「どうしたんだい?」

木曾「…空から何か、来るぞ」

リボン「空…?」

木曾(戦車)の中から顔を出し、空を見上げるとパラシュートでふわりと落ちて行く何かが見えました。

リボン「あれは…?」

木曾「…分からない、敵なのか味方なのかすらも」

フラッフ「数は?」

木曾「……五つ程か、敵なら直に殲滅出来そうだが…」

フラッフ「一人で大丈夫?」

木曾「ああ、見た感じはザコそうだ…心配は要らないぜ」

黒い帽子を被った赤い何かが、地面に降り立って行きます。

ホーヘー「……」

木曾「…」

リボン「…ど、どうする気なんでちょうか…」

ホーヘー「…!」

突然、何かは黒い帽子を此方に向け始めました。
そして…

ドォォン!!

リボン「え…!?」

木曾「砲撃して来たか!」

木曾は横に移動し、砲弾を躱して照準を敵に合わせます。

木曾「リボン、隠れてろ!ここは俺が行く!」

リボン「は、はい!」

そう言われ、リボンは直ぐさま木曾の中に隠れました。

木曾「お返しだ!」ドォン!!

狙いを定め、そのまま毛糸弾をホーヘーに放ちます。

バキャッ!!

ホーヘー「!?」ワニャワニャ

当たった個体はそのままバラバラになり、周りの個体も反撃を食らって混乱しています。

木曾「追撃!追撃ス!」ドォン!!

混乱状態のホーヘーに容赦なく毛糸弾を打ち込んでいきます。

ホーヘー「!」ドォン!!

やはり黙ってやられるつもりも無い様で、ホーヘー達も一斉に攻撃して来ます。

木曾「そうでなくちゃ…さあ来い!」

今ここに、謎の軍団ホーヘーと、メタモルトマトの力で戦車に変身した木曾の砲撃戦が勃発しました。


リボン「な、何だか凄い音が聞こえましゅ」

フラッフ「何かが飛ばされる音だね、多分弾丸だろうけど…」

ガゴンッ!!!

突然戦車の中に衝撃が襲いかかります。

フラッフ「っぐ…!」

リボン「な、何でしゅか!?」

木曾「一発貰っちまったんだ、揺れただろうが大丈夫か?」

フラッフ「そ、そっちは大丈夫なの!?」

木曾「ああ、そんなに痛くは無かった」

フラッフ「ふ。ふーん」

リボン「毛糸だったから?」

木曾「毛糸だったからだな」

フラッフ「毛糸凄いでしょ?」ドヤァ

木曾「何で誇らしげなんだ」

リボンはかわいいなぁ!

>>711
有り難う御座います、この子の口調は一部漫画版のでしゅましゅ口調で喋らせていますが
人の名前や漢字の一部とかはキチンとしとすと発音出来る口調にしています。

梨穂子はかわいいなぁ!

>>713
流石パッケージヒロインは格が違った



ホーヘー「!」ワニャワニャ

木曾の被弾を見届けたホーヘー達は、そのまま捕獲しようと襲いかかって来ます。


木曾「確保する気か…そうは行くかよ!!」

木曾は自分の体をスルリと組み直し、元の姿に戻って臨戦態勢に入りました。
フラッフとリボンはそのまま外に出されてしまいました。

ホーヘー「!?」

木曾「驚いている暇は無いぜ!」ブンッ!

軍刀を抜き、そのままホーヘーを一体バラバラに切り落としました。

ホーヘー「!?」ワニャワニャ

さしもの相手も人形に変形するとは思わなかったのか、今度の混乱は直に収まりそうも有りません。

木曾「驚いたか?踊れ踊れ!」

気分が高揚した木曾は、そのまま周り残ったホーヘーも切り刻みます。

ホーヘー「!」ドォン!

木曾「当たらん!」ズバッ

苦し紛れの砲撃も躱し、軽々と切り裂いて行きます。

ホーヘー「!」ワニャア

木曾「!?」

そこへホーヘーが後ろから被さり、木曾の動きを封じます。

木曾(ち…!艤装を出すか…!)


ヒュバッ!

ホーヘー「!?」

伸びて来た毛糸に、拘束していたホーヘーが巻き取られて毛糸玉にされてしまいました。

木曾「!」

リボン「大丈夫でしゅか?」

木曾「!」

フラッフ「さあ、気にせず続けるんだ!」

木曾「…おう!」ダッ

不利と判断して逃げようとするホーヘーに走って行き、手を伸ばして乱暴に捕まえました。

木曾「おらっ!」ブンッ!

そのまま上に放り投げ、思い切り蹴り飛ばします。

ホーヘー「~~~~!」ワニャワニャー

蹴り飛ばされたホーヘーは、そのまま山を転がり落ちて行ってしまいました。

木曾「…」

フラッフ「やったね!」タッタッ

リボン「カッコよかったでしゅ!」

木曾「ん…そ、そうか?//」テレ

フラッフ「…敵は何だったの?」

木曾「わからねぇ、ただ毛糸玉で崩れた所を見ると…」

リボン「アミーボ・アモーレが送って来た手下…で間違いないでしゅね」

フラッフ「…噂は本当だった様だね」

木曾「ああ、驚いた事にな」

フラッフ「こうしちゃ居られないね!早く頂上に向かおう!」

木曾「ああ、でもその前に…」

リボン「その前に?」

木曾「……メシ、食って良いか?さっきの戦いで腹が減ってしまったよ」

リボン「え?」

フラッフ「だめ、もう少し我慢して」

木曾「何ぃ!?そりゃ無いぜボス!」

フラッフ「誰がボスだ!良いから全速前進だ!!」

リボン(お、鬼だ…)

ーーー更に進む事、二時間ーーー

キュラララララララ……

フラッフ「…何時間位進んだ?」

リボン「二時間、計三時間でしゅ」

フラッフ「よし!木曾!」

木曾「…」

フラッフ「木曾?木曾ー!」

木曾「………ん!?あ、いや、寝てない!寝てないぞ!?」

フラッフ「知ってる、寝てたら動けないでしょ」

木曾「な、何の用だ?」

フラッフ「あれから二時間走り続けてるよ」

木曾「そ、そうか」

フラッフ「そろそろ良いんじゃないの?」

木曾「……何が?」

フラッフ「ゴハンだよ、ゴハン」

木曾「!?」ガタッ

フラッフ「揺らさない、もうそろそろ良いよ?ゴハン」

木曾「え?」

フラッフ「いやいや、『え?』でねくて」

木曾「マジか!?」

フラッフ「マジで」

木曾「………」


シュルン!

木曾「なら早く食おうぜ!腹が減って仕方ないんだ!」ニコッ!

リボン(スゴい笑顔…)

フラッフ(女の子みたいで…可愛い笑顔だなぁ…)

ーーー食事タイムーーー


木曾「んで、これが弁当と」

フラッフ「うん、昨日木曾に教わって作ってみたよ」

リボン「美味しそうでしゅね~!」

木曾「…先ずサブは?」

フラッフ「はい、健康に気を使って、弁当箱に入る様に刻んだレタスの切り身と大根、人参の角切り」

フラッフ「それに地味だけど美味しいモヤシを少々付けたよ」

木曾「そうか…じゃあ中堅クラスは?」

フラッフ「合わない物は無い、日本食のオトモ、お米を中量盛ったよ!」

フラッフ「さらに只のお米じゃなく、発芽玄米を使用しているから栄養も取れるよ」

木曾「栄養に抜かりが無いな……最後にメインは」

フラッフ「最後はお弁当に欠かせない最高のメシ…唐揚げ!しかも竜田揚げだから外身のぼこぼこ加減と中身のジューシーさが口に染み渡ると思うよ!」

木曾「……レモンは?」

フラッフ「一応持って来てないよ、戦争が起きてしまうからね」

木曾「………」



木曾「パーフェクトだ、フラッフ」グッ

フラッフ「おぉー、早速お褒めの言葉が!」

リボン「わー、良いなー」

フラッフ「リボンちゃん、キミにも同じ内容で弁当を持って来たよ」スッ

リボン「本当でしゅか!?」

フラッフ「うん!」

木曾「でもさ…」

フラッフ「何?」















木曾「これ、全部布なのよね」

フラッフ「悲しい事言わないでよ、味と食感と匂いは保証するから」

リボン「そうでしゅよ!作ってもらって文句は非道でしゅ!」

木曾「そ、そうだよな、じゃあ…」


いただきまーす!



ーーーーーー

ーーー飯テロの危険性がある為、食事シーンカットーーー



木曾「ぷぅ…食った食ったぁ」

リボン「野菜が一番美味しかったでしゅねー」

木曾「どう見てもワッペンだったけどな」

フラッフ「それなら竜田揚げだってワッペンでしょうが」

木曾「でも、味は良かったな!竜田揚げはサクサクしてて肉汁が溢れてたし」

リボン「お米も、色んなのに合ってて美味しかったでしゅ!」

木曾「モヤシも忘れちゃ行けないぞ、あれ地味に美味しいんだからな」

フラッフ「そう、地味にね」

リボン「ちょっと、目に優しい色してるのに地味な人だって居るんでしゅからね!」

木曾「…っし!じゃー行くぞー!俺に乗れー!」

フラッフ「サー・マーム!」

リボン「ああもう!」

ーーー更に更に進む事、1時間ーーー


キュララララ

フラッフ「木曾!頂上まではどうだい?」

木曾「もうすぐだ!もう両眼で捉えられるぞ!」

リボン「そうでしゅか!?」

木曾「ああ!もうすぐーー」

その時、火山が唸りを上げ、音を立てて揺れ始めたのです!

木曾「…何だ!?これは!?」

フラッフ「まさか、噴火!?」

リボン「そう言えば火山だってことをすっかり忘れていたでしゅっ!」

今日はここまで、もうすぐ着くと言うタイミングでの噴火。
しかしここはファンシーな世界なので火山弾が飛ぶだけです。

今日も艦これアニメが放映された様です、私はコーチン県なので明日待ちです。

ドォォォォォォ!!!!!!

負荷が最高潮に達した火山は、一斉に噴石を飛び出させました。


木曾「マズい…マズいぞ…!」

フラッフ「どうするんだ!?」

木曾「どうにか切り抜ける!」

リボン「ええ!?」

ギュラララララララ!!!

木曾「しっかり捕まってろ!」

全力でキャタピラを動かし、噴石が降る中頂上へと突き進んで行きます。

リボン「きゃああああああ!」

フラッフ「し、静かに!騒いだら駄目だって!」

リボン「で、でも雪山じゃないから大丈夫の筈でしゅ!」

野球ボールサイズから電探サイズまでの様々な噴石が山肌を叩き、頂上へ行く者の道を削り取って行きます。

ズズンッ!!

木曾「ぐっ!」

フラッフ「大丈夫!?」

木曾「大丈夫だ!後少しで着く!」


ゴォォォォォォォォ……

噴石だけに足らず、今度は熱風が音を立てて吹き起こり始めました!

リボン「今度は熱風!?」

フラッフ「一体何が…!」



木曾「うおぉぉぉっ!!!」

度重なる脅威に負けず、木曾は遂に頂上まで辿り着きました。

ドズン!!

フラッフ「っ…着いた!?」

木曾「ああ!何とかな!」

シュルン!

リボン「木曾しゃん、さっきから一体何なんでしゅか…?噴火するのは分かるけど熱風が吹くなんて…」

木曾「……なあ、噴火しても熱風て吹くか?」

フラッフ「風が熱いとは感じるけど…音が鳴る程って聞いた事が無いよ」

木曾「……そうか、どーやら……」


周囲の温度は更に上がるのを合図に、火口から何かが飛び出して来ました。


『クオォォォォォォォォ!!!!』

木曾「…噂は本当だったみたいだな、こんな奴が居るなんてな」

フラッフ「あれは…!」

リボン「火の鳥!?」



アミーボ・アモーレ「「お…思い通りに来てくれたアミーボ…クックック」」コソコソ

アミーボ・アモーレ「「お前の火山を操る力…とくと見せてやるが良いアモーレ!」」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=d-ys2Qz4XVw(フェニクロウ)


木曾「さあ!先ずはコイツを静めるぞ!」

フラッフ「ど、どうするつもりなの!?」

リボン「相手は空を飛んでるんでしゅよ!」

木曾「ああ、だが的は大きい…対空射撃に当たりやすい筈だ」

木曾「先ずは対空射撃で力量を確かめる!」ダンッ!!

先ずは対空射撃でフェニクロウに牽制を試みる木曾。

『クォォ!!』バサッ!!

相手の機動力が思ったよりも早く、中々射撃が当たりません。

木曾「早いな……これは近づける距離に入ってから攻撃した方が良いな」

フラッフ「難しいね…!」

『クォォォォォォォ!』

体が輝きを上げると、マグマがが激しく吹き出しました。

木曾「な、何だぁ!?」

フラッフ「よ、避けて!」

マグマは生きているかの様に木曾に襲いかかって行きます。


木曾「っ!アイツの力か!?」

リボン「もう神様の域でしゅ!」

『クォォォォォォ!』

後ろにフェニクロウが襲いかかり、逃げ道を塞ぎます。

フラッフ「く…!道を塞がれた!」

木曾(強い…!正直…龍の方は対した事無かったのに…!)



アミーボ・アモーレ「「何だかもの凄く失礼なことを言われた気がするアミーボ」」

木曾「どうする!?あの燃えている体にはあまり攻撃が効きそうに無いぞ!」

フラッフ「何か…衝撃を与えられれば良いんだけど…!」


『ク!』バサッ!

フェニクロウは為留めるつもりか、体から小さな分身を飛び出させる。

木曾「!」ダッ

リボン「木曾しゃん!?」

ヒュバッ

木曾は今ぞがチャンスだと悟り、フェニクロウが召還した部下を巻き取ってしまいました!


木曾「ありがとうよ!お返しだ!」ブンッ!

巻き上げて出来た毛糸玉をそのままフェニクロウに投げ返します。

バシン!!

『!?』

するとどうでしょう、フェニクロウの体から炎が消え、見るも情け無い姿と成っているでは有りませんか。

ドスン!!

木曾「……そんな姿なのな」

フラッフ「情け無いねぇ」

リボン「え、えっと、どうしたら」

木曾「縛って投げてみるか?」

リボン「そ、そうでしゅね……それ!」ヒュバ!

火が消えたフェニクロウを縛り付け、そのまま固い場所に向けて投げ飛ばします。

『ビェっ!!』

リボン「うあ…痛そう…」

フラッフ「自分でやっておいてそれは無いよ」

フェニクロウはそのままマグマへと真っ逆さまに堕ちて行きます。

木曾「あ……」

リボン「え?」

ドブン……!!


木曾「……落ちたな」

フラッフ「……うん」

リボン「……もしかして、これって不味い…?」



ドバァァァァァァァァァァァァン!!!!!

そんなリボンの不安を肯定するかの様に、マグマとともに再び日を纏ったフェニクロウが飛び出して来ました。


フラッフ「あーあ…やっぱり…」

木曾「まあ一回殴られてハイお終いって訳にも行かないだろう」

リボン「ごご、ごめんなしゃい…」

木曾「構わないぜ、戦いはこうでなきゃ…面白くねえよ!」

『クォォォォォォォォ!!』

炎を得たフェニクロウは仕返しと言わぬばかりに、空に飛翔して日の光を吸収していきます。

フラッフ「あ、あれは何を…!?」

木曾「……どうみても嫌な予感がする」


フェニクロウは吸収した光を口から照らし、照らされた所は焼け焦げて行きます。

リボン「……っ」ゾッ

木曾「…っ避けるぞッ!!」ダッ

フラッフ「リボンちゃん!」ヒュル!

リボン「あ…は、はい!」

フェニクロウの光は地面を焦がしながら木曾を追っていきます。


木曾(…あれは…?ソーラービームって奴か?)

木曾(兎に角、当たったら良い思いはしなさそうだな)

『クォォォォォッッ!!』

一点にのみ注がれていた光が分かれ始め、次第に四方八方を焼き焦がしつつありました。

木曾「全方位に!?」

フラッフ「木曾!前っ!」

木曾「な…っ!」

バッ!!

フラッフのお陰で、自分に光が照らされると言う所で何とか避けられました。


木曾(ヤバい…!もしフラッフが居なかったら…!)

木曾は起きたかもしれない未来を想像し、暑い所に似合わぬ鳥肌が背中を伝いました。


リボン「ど、どうすれば…!?」

フラッフ「空を飛んでいるのが厄介だね…」

木曾「く…!」

木曾「……!?」


その時木曾の目に何かが映りました。

木曾(あれは……?)

木曾が凝視する先には、フェニクロウの後ろに微かに見える線の様な物が見えていました。

木曾「おい…何かの線が見えたぞ!」

フラッフ「せ、線?」

木曾「ああ、微かにだが…光る線の様な物が見えた」

リボン「じゃ、じゃあ、もしかしたら操られてるって事?」

木曾「恐らくな、奴を止めるには…」

フラッフ「その線を抜き取る、若しくは破壊しなければ成らないね」

そんな話をしている内に光が全部使い切られたのか、光が収まって行きました。

木曾「光が収まって来たな…」

リボン「ここからが勝負所でしゅね!」


『クォォォォォォ!!』

フェニクロウは体から再び自らの小さな分身を出して行きます。

木曾「またそれか、無駄な!」ヒュバッ!

前の様に糸を伸ばし、巻き取ろうとします。


が、避けられてしまいます。

木曾「ちっ…!ちょこまかと!」ヒュバッ

フラッフ「この!」ヒュバッ

二人がかりで巻き取ろうとしますが、前より素早く成っているので中々掴めません。

ボッッ!!

木曾「っ!?」

フラッフ「く…!」

フェニクロウから炎の弾が吐かれ、木曾達の動きを邪魔しています。


木曾「くそ…!」

リボン「このっ、さっきから早すぎるでしゅ!」ヒュバッ!

フラッフ「駄目だ!このままじゃ…!」

木曾「分かってる!」

木曾(もうこう成ったら!)バッ!

此方が不利な状況に木曾はメタモルトマトの力を使う事にしました。

木曾「行くぞ!変身するッ!」

フラッフ「な、何にさ!」

木曾「決まってるだろ!?空を飛べる素早いのに変身して、アイツを追いつめる!」

リボン「そ、それで敵を止められるんでしゅか!?」

木曾「分からねえ…が、やらないよりはマシだ!」

木曾は思い切り飛び上がり、くるくる回って台詞を言い放ちます。


木曾「メタモル・パワー全開ッ!」

見る見るうちに体が変化して行き、戦闘機の姿をとって行きます。


木曾「零式艦上戦闘機(実物大)、変身完了!!」

フラッフ「おぉ!?強そうだね!」

リボン「行っけー!」

戦闘機と化した木曾は空を飛び、フェニクロウに接近します。

『クォォォォォォ!!』

フェニクロウは自分の分身に先立たせ、木曾を撃ち落とそうとしますが…


バババババババババッ!!!

木曾「遅い!」

機銃によってすべて撃ち落とされ、無意味な火の粉となって堕ちて行きます。

木曾「我突撃ス、目標『不死鳥』!目標『不死鳥』!!」

『クォォォォォッ!!』

防壁が外され、両者が真っ向から打つかる時が来ました。

『クゴォォ!!』ゴォォォォ!!!

木曾「そらそらァ!!」バババババババッ!!!


フラッフ「おおお…!?」

リボン「す、凄い…!」

木曾「そこっ!!」ババババババッ!!!

ベギッ!!

機銃の弾がフェニクロウの後ろに有る糸に打つかり、鈍い音を響かせます。

ブヂッ!

そのうちに、糸の一本が千切れました!

木曾(線を一本取れたか!)

アミーボ・アモーレ((ま、不味いでアモーレ!))


『クォォォォォォォ!!!』

線を取られた事で怒りを買ったのか、フェニクロウが突っ込んで行きます。

リボン「前っ!」

木曾(分かってるよ!)

ヒュバッ

木曾「よっ!」ガッ!

そのまま変身を解き、突っ込んで来たフェニクロウに飛び乗ります。

木曾「熱っ…!」

燃え盛るフェニクロウの炎に耐えつつも、フェニクロウを垂らしている糸を掴もうとします。


ギシッ!

木曾(良しっ!)

妙に固い糸を掴んだ後、そのままぐいぐいと、ぐいぐいと上に引っ張ります。

『グゥゥウウヴッ!!』

糸を引っこ抜かせまいと、フェニクロウは炎の勢いを強くします。

木曾(っ…!!耐えろっ!)ギギギギ…!

それでも木曾はめげず、力を入れて糸を上に引っ張り上げます。



ブヂィッ!!!

木曾「…っしぁぁっ!!」

『ギァァァァァ!!』

糸が抜かれて痛いのか、体が苦しみに暴れ、そのまま振り落とされてしまいます。


木曾「後……三本か!」バサッ

動じる様子も無くマントをパラシュート代わりにし、そのままゆったりと降り立ちます。


フラッフ「大丈夫!?」

木曾「ああ、只…あの方法は少し危険だな」

リボン「叩き落としてから一気に引っこ抜いちゃいましゅか?」

フラッフ「あ…良いんじゃないかなそれ?」

木曾「良いな…それで行くか!」

『クォォォォォォ!!!!』

最早手加減はせぬと、マグマを呼び起こして木曾達に向かわせます。

木曾「来るぞ!」

リボン「は、はい!」

フラッフ「今度も多いな…!」

一つ一つが生きているかの様に蠢き、追い回すマグマの流れ。
それは全て、フェニクロウの力によるもの。


『クォォォォォォォッ!!!』バサッ!

その間にも、彼は再び自分の分身を展開して行きます。

リボン「ぶ、分身が出まちた!」

フラッフ「こんな時に出すなんて、姑息な真似を…!」

木曾「逆に相手はこれで余裕を持った…今からその腹、ひっくり返す!」

ブブブブブ!!

木曾「オラッ!!」ザキュッ!


ゴバァァァッ!!!

木曾「っち!?」

フラッフ「ひっくり返すったってどうひっくり返すのさ!」

木曾「喋るな!害に目を合わせろ!」

溶岩が太陽フレアの様にうねり、彼女達に襲いかかります。

リボン「はわわ…!まるで地獄でしゅ~!」

木曾「こんな程度で地獄?まだ緩い方だぞ!」

『クォォォォォ!!』ボッ!!

フラッフ「木曾!前!」

木曾「ちっ…この欲張りが!」

吐き出される火炎弾、うねる溶岩、飛び回る分身。
三つの攻撃が一度に繰り出され、躱すのは困難な状況です。


木曾「ぐっ!」ジュッ!

リボン「木曾しゃん!」

木曾(く…!)


ブブブブブブブブ!!

フラッフ「木曾っ!」

木曾「!今だ!」

ヒュバッ!

接近して来た分身を巻き取り、毛糸玉に仕立て上げます。

木曾「此れを打つけるっ!」

フラッフ「…!一発で決めてよ!」

リボン「頑張ってーっ!」

>>689
亀&横槍ですまん。今初めて知ったぜ

>>748
色々話題が上がっていますが、まだ三話です(恐怖)



木曾「しっかり食えっ!!」ブンッ!!

投げられた毛糸玉は、マグマの間を縫う様に進み、そのまま……


バコォッ!!!

『クピェッ!!』

フェニクロウの体に直撃し、再び体の炎が消えます。

木曾「っし…!戦果一!『不死鳥』撃墜!」

リボン「仕上げに突撃でしゅー!」

フラッフ「ウラァァァァァ!!!」ダッ!!

木曾「ヘイホォォォォォ!!」

三人は一斉に落ちたフェニクロウに突撃し、体に乗っかって糸を引っ張ります。

グッ!!グッ!!

木曾「ん…?こんなに引っ張ってんのに暴れないな」

リボン「だったら早く抜くでしゅ!気にするより動くでしゅ!」ギギギッ

フラッフ「うん、その通りだ……行くぞぉぉ!!」グィィィッ!!

木曾「うぉりゃぁぁぁぁぁ!!!」グィッ!!



ブチッ!!

ブチッ!!

木曾「抜けたぞッ!」

フラッフ「こっちも!」

リボン「ご、ごめんなしゃい…ん~っ!こっちは、まだ…!」グググ

木曾「何やってんだバカ!待ってろ、今…!」

『クォォォォォォァァ!!!』

リボン「!?」

木曾「や、ヤバい!!」バッ!

目を覚ましたフェニクロウを見て、これは不味いと思った木曾は最後の糸に飛びかかります。

木曾「リボン!しっかり引っ張れ!」

リボン「は、はい!」

覚醒したフェニクロウは飛び上がり、振り落とそうと大暴れします。

木曾「うおぉぉっ…!?」

リボン「よ、酔っちゃう……うぷ」

木曾「おいおいマジかよぉ!?吐くなよ?!」ギギギギ

正に色んな意味で絶体絶命。そんな状況を切って捨てようと、木曾は糸を思い切り引っ張ります。

リボン「木曾……しゃ…無理でしゅ…さっきのもまた戻って来て…」

木曾「分かったから!もう少し我慢してくれ!」ギギギギギ

木曾は渾身の力を出し、糸を思い切り引っ張ります。

『クォォァァァァァァ!!!』

木曾「抜け……ろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!!」



ブチィィィッ!!!

『クォ……』

糸が全て抜かれた瞬間、フェニクロウから動きが消えて正に人形の様に落ちて行きます。

木曾「やった……!」

リボン「」

木曾「何ぼさっとしてんだよ、行くぞ!」バッ!

木曾はリボンを抱え、そのままフェニクロウから離れます。


フラッフ「木曾ー!」

木曾「おう!抜いて来たぜー!」フヨフヨ

パラシュートに変身し、ゆったりと降りて行きます。

ドボォォォォォォン!!!


フラッフ「お、落ちたよ!?」

木曾「案ずるなよ、糸を全部抜いたから、もう襲ってくる事は無い」

フラッフ「な、なら良いけど……」



アミーボ・アモーレ「「あのフェニクロウを静めるとは……お前思ったよりも中々やるでアミーボ」」

リボン「そ、その声は!?」

木曾「出たな、悪人」

アミーボ・アモーレ「「あのフェニクロウはポップスターのギラウエア火山に居た所を捕獲し、試製の鋼糸で操って居たのだアモーレ」」

リボン「やっぱり操っていたんでしゅね…!」

フラッフ「アミーボ・アモーレ!お前の目的は何だ!」


アミーボ・アモーレ「「クックック……ワシの目的は、この世界に決まっているアミーボ」」

木曾「……」

木曾「この世界を……どうする気なんだ?」

アミーボ・アモーレ「「それは…オマエ達がよおく知っている事だアモーレ」」

フラッフ「…!」

リボン「そこの悪者!大人しくお縄に付くでしゅ!」

アミーボ・アモーレ「「そんな気はさらさら無いアミーボ、捕まえたかったら自分の力でやるでアモーレ!」」

木曾「ま、それが一番妥当だろうな」

アミーボ・アモーレ「「クックック……それに、オマエ達にワシを倒すのは不可能だアミーボ!」」

フラッフ「何だって!?」

アミーボ・アモーレ「「見るでアモーレ!!」」ヒュバッ!

アミーボ・アモーレの体が見る見るうちに変化して行き、次第に大きな二つの首の竜に成りました!


「「ギィィェェァァァァァァ!!!!」」

木曾「な…相手も変身した!?」

フラッフ「どうして!?メタモルトマトは木曾が食べた筈…!」

「「クックック!これぞが奇跡と言う物だアミーボ!」」

リボン「!」

木曾「どうした!?」

リボン「…ヤツの本体、あの、編み棒の方でしゅか…!」

フラッフ「な、何!?」

「「え、もう気付いてしまうか!?」」

リボン「え、やっぱりそっちが本体だったんでしゅか!?」

木曾「当てずっぽうで言うな!」

「「当てずっぽう……ま、まあ良いでアモーレ」」

「「例え見破れたとしても、状況が変わらない事には…なあ?」」

フラッフ「く…!」

木曾「奴の言う通りだ、フラッフ!」

フラッフ「木曾!?」

木曾「先の戦いで消耗している時に挑んでも勝ち目は無い!ここは戻るぞ!」

「「それがお前の答えか……」」

木曾「ああ、お前はどうするつもりだ?」

「「無論、ワシもこのチャンスに齧り付かせて貰うでアミーボ」」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!

フラッフ「な、何!?」

リボン「ま、また火山が蠢いてるでしゅ!」

木曾「まさか……落ちたフェニクロウの力に反応して…!?」

「「……どうやら答えがどの様でも、今が戦う時ではないのは変わらなかったアモーレ」」

フラッフ「幸か不幸か…ラッキーなのかアンラッキーなのか…」

「「んでは!ワシを倒そうとするヒーロよ、明日から頑張んなさいネーっ」」

アミーボ・アモーレはそのまま飛び上がり、一目散に逃げて行きます。

木曾「俺達も逃げるぞ!」シュルン

木曾も再び戦車の姿に成って、搭乗を促します。

リボン「は、はい!」

二人を乗せた戦車は、全速力で山を駆け下りて行きます。

バサッ…バサッ…

「「……フフフ、彼奴等、思った以上にワシに釘付けだアミーボ」」

「「後は、奴らが良くやってくれれば良いがね」」

「「その辺は心配要らないアミーボ、奴らは人一人居なく成ったら大騒ぎする様な連中だ」」

「「……あっそ」」

ーーーその頃、麓ーーー

木曾「ぜえ…ぜえ…だ、大丈夫か?」

リボン「大丈夫でしゅけど…結局噴火しなかったでしゅね、逃げて損しちゃったでしゅ」

木曾「どっちにしろ逃げるつもりだったんだ、問題なんて無い」

フラッフ「大丈夫なの?早く倒さないと行けないんじゃ…」

木曾「…勝ちを急ぎすぎて、自分の命を代償にしちゃ本末転倒だろ?」

フラッフ「……」

木曾「前なら俺の命に代えてでも、と思ったかもしれないが……もう、俺一人の命じゃあ無いからな」

フラッフ「木曾…」

リボン「まあ焦らず地道に行くのは、大事な事でしゅよね」

フラッフ「…そうか、良かったよ」

木曾「何が?」

フラッフ「木曾がさ、そこまで焦って居なくて良かったなって」

木曾「あ、焦っていると思ったのか?」

リボン「違うんでしゅか?」

木曾「り、リボンまで…」

リボン「あ、ごめんなしゃい、口が滑って…」

フラッフ「じゃあ、今日の所は帰ろうか!アイツが黒幕だって事もハッキリと分かったし」

リボン「お腹も空いちゃいまちたし!」

木曾「お前さっき吐きかけてなかったか?」

リボン「あ、フリは起きるけど本番は無いから大丈夫でしゅよー」

木曾「何時もフリを出されたら心臓が保たないっての」

フラッフ「あはは…」

リボン「さ、帰りましょう」

木曾「…おう」

ーーールームのマンションーーー

木曾「ただいまー」

フラッフ「帰って来たよー」

ルーム「皆様、御帰りなさいませ…御待ちして居りました」

木曾「噂は本当だったぜ、黒幕に会えた」

ルーム「そうで御座いますか、それは…」

フラッフ「明日からは、本格的に動こうと思ってるんだ」

リボン「余り長く世話になったらダメでしゅし…」

ルーム「私としては、不謹慎ですが…ずっと居て欲しいと言う願いも有ります」

木曾「そうかい、じゃあもうちょっとゆっくりで行くかね」

フラッフ「ちょ、木曾?」

木曾「冗談だよ、お前って騙されやすいんだな」

リボン「気をつけてくだしゃいね!」

フラッフ「え、あ……そうだね」

ルーム「仲が宜しくて羨ましい限りです、こちとら年を取るとなると余り動けぬ者で、友は居ても会えませぬ」

…アミーボ・アモーレはCV茶風林で脳内再生される……

>>761
アミーボ・アモーレ「「貴方は、世界征服と言ったら何を思い浮かべますか?」」
兄弟二人とも同じ声優で。


フラッフ「あはは……じゃあ、今日は部屋に戻ってぐっすり眠るよ」

ルーム「そうなさった方が宜しいかと」

木曾「お前も、戸締まりはしっかりとしてから寝た方が良いぞ」

ルーム「心得て居りまする故、貴方方も心配せず御休み下さい」

リボン「ふふ…おやすみなしゃーい!」

ルーム「御休みなさいませ…」

タッタッタッタッ……

ーーーその頃、現実の世界ではーーー

球磨「……」

大井「あ、あのー…」

球磨「大井…まだ木曾は帰って来ないのかクマ?」

大井「もう、あれから2日位経ってるわよ?」

球磨「エ……2日!?マジでクマ!?」

大井「マジだクマ」

球磨「く……クマショッーークっ!!」

大井「まだ余裕有りそうね、球磨姉さん」

球磨「いや、これでも凄く驚いてるクマ!」


球磨「……ていうか、そんなに経ってたのかクマ」

大井「ええ、誰かに攫われた可能性も…」

球磨「………」ムム

コンコン

大井「入って良いわよ、誰?」


那珂「ひっさしぶりのっ!那っ珂ちゃんでーーーっすっ!!」ババーン

球磨「おお、確か前作の終盤ぶりの登場だクマね」

大井「どうしたのよ、もうすぐ夜も更けるのにテンション高いわね」

那珂「那珂ちゃんは何時も上機嫌!心のリバウンドはダイエット要らず!」

球磨「血……いや、油は争えないクマね」

那珂「油ってなーに?」

大井「貴方の姉さん、居るでしょ?」

那珂「あ…川内お姉ちゃん?那珂ちゃんお姉ちゃん程じゃないしー!」

球磨(姉と離れて末っ子一人……辛そうだクマ)

那珂「所で皆ー、何をお話ししてたの?」

球磨「……木曾が、帰って来ないんだクマ」

那珂「帰って来ないの?」

大井「もう今日で2日目に成るのよ」

那珂「え……えぇぇぇぇ!!?それじゃあ、二日間も帰って来てないって事ぉ!?」

球磨「クマ」

大井「皆も、その話題で持ち切りに成り始めてたんだけど……知らなかったの?」

那珂「……」

大井「…」

那珂「……ごめん」

大井「何で謝るのよ」

那珂「いや、そんな話題で持ち切りなのに一人だけ騒いでバカみたいだなって…」シュン

球磨「何言ってるクマ、そう言うバカは一人居た方が良いんだクマ」

那珂「あ、そう?」ケロッ

大井「そうよ、そのウザさが貴方のアイデンティティーなんだから」

那珂「大井さんも、北上さんが居なかったら成り立ちませんよね!」

大井「よおく分かってるじゃない」

球磨「寧ろ村人も知ってて当たり前の事だクマ」

大井「え、そうなの?」

球磨「そうだクマ、もう白日に晒されてるクマよ」

大井「クマs」

球磨「それは球磨の専売特許だクマ、妹が使うのは許さんクマ」

大井「えぇー」


那珂「あのー……木曾が帰って来ないんだよね?」

大井「ええ、そうよ」

球磨「ちょ、切り替え早いクマね」

那珂「今から行って、私が探してこようか?」

大井「あら、良いの?」

球磨「ちょちょ、待つクマ!こんな夜中に行かせるつもりかクマ?」

大井「大丈夫でしょ、敵がこの島の周囲に居るって伝えも無いし」

那珂「それに、途中で手伝ってくれる人捕まえるから!」

球磨「捕まえるって…魔物じゃないんだクマ」

大井「さっきからクマクマ突っ込んでばっかで五月蝿いわね、艦首を折ってやりましょうか?」

球磨「お前にも頭を冷やさせたって良いんだクマよ、それで木曾と同じ運命を辿っても構わないクマ」

大井「…ごめんなさい」

那珂「大丈夫!何が有っても自己責任で行くから!」

球磨「……むー、そこまで言うなら……」

那珂「ホント!?」

大井「ただし、何があっても自己責任よ?」

那珂「了解!アイドルに二言は無いよ!」

球磨「はいはい…じゃあ行って来るクマ」

那珂「行って来まーす!」

バダン……


球磨「………大井」

大井「どうしたの?姉さん」

球磨「……球磨の…言った事は正しいのかクマ、それとも誤って居るのかクマ?」

球磨「…分からないクマ」

大井「それはそうよ、良い悪いなんてこの世に存在しないの、私達が勝手に意味を付けてるだけ」

大井「世の中って言うのは以外と難しく出来てないのよ」

球磨「……そうじゃなくて、球磨は馬鹿なのかそうじゃないのか…教えて欲しいクマ」

大井「ああそれ…流石にそれは分からないわ、運命は私達に決められないもの」

大井「ただ…妹である私が言える事は一つ…」

球磨「……」

大井「私の姉であるべき人物は、今ここに居るわ」

球磨「………そうか、クマ…」

大井「…それじゃ、お夜食に何か作る?今日採れたばかりの新鮮なアジがあるわよ」ニコッ

球磨「……じゃあ、一つ、捌いてくれ…クマ」

大井「…了解♪」

ーーー廊下ーーー

那珂「…~~♪」


オイゲン「あら?あの子は…」

那珂「~~♪……お、プリンツちゃん?」

オイゲン「あのー…那珂ちゃん、で良いんだよね?」

那珂「正解!那珂ちゃんだよー!」ピンポーン

オイゲン「あぁやっぱり!こんな時間にどうしたの?」

那珂「木曾が帰って来てないのは……知ってるっけ?」

オイゲン「うん、皆が噂し始めて、アドミラールさんも捜索作戦を立案しようかって話が出てるんだ」

那珂「知ってるなら良いや!これから探しに行くけど、一緒に行こうよ?」

オイゲン「え、探すって誰?」

那珂「木曾だよ?」キョトン

オイゲン「……ええ?」

那珂「ええ?って何さー!?」

オイゲン「だって!アドミラールさんの指示を待った方が良く無いかな!?」

那珂「案外ひょっこり見つかるかもしれないでしょ?」

オイゲン「でも…」

那珂「大事に成らないなら、その状態に甘えて障害を取り除いた方が良いと思うんだよね」

オイゲン「……」

那珂「…だーいじょうぶだって!何が有っても那珂ちゃんが責任取るから!」

オイゲン「いやえっと……そうなの?」

那珂「ぐぅと!」

オイゲン「……じゃあ、一緒に探そっか」

那珂「良いの?ありがとーっ!」

オイゲン「うん…そうだ!ビスマルク姉様も呼んで来て良いかな?」

那珂「びす…?」

オイゲン「探す人は多い方が良いでしょ?特にビスマルク姉様はとっても頼れるんだから!」

那珂「へえー!じゃあ、早速呼んで来てよ!」

オイゲン「うん!行って来るから待ってて!」


ーーー新設:ドイツ艦娘の部屋ーーー

ビスマルク「それで、私を呼びに来た訳ね」

オイゲン「はい!姉様、一緒に来てくれませんか?」

ビスマルク「駄目」

オイゲン「そうですか!じゃあ行きましょう!」

ビスマルク「ちょっと待ちなさい、私の話聞いてた?」

オイゲン「え……何て言いましたっけ」

ビスマルク「駄目よ、駄目、大事な事だから二回言うわ、駄目よ」

オイゲン「そ、即答ですかぁ!?」

ビスマルク「当たり前じゃない、ここの規律を定め、自分の練度を上げるのにもここを去る訳には成らないわ」

オイゲン「そんなあ…仲間が一人居なくなっちゃったのに…」

ビスマルク「……」ウーン


ビスマルク(いや……待てよ、話を聞く限り…軽巡二隻、重巡一隻だけで探すつもりなのよね)

ビスマルク(だとしたら…私が付いて行った方が逆に安全かもしれないし…それに…)



オイゲン「姉様ぁ…」ウルウル

ビスマルク(こんな…オイゲンの上目遣い、耐えろって言う方が無理よ)

ビスマルク「……待って、気が変わったわ」

オイゲン「え!?」

ビスマルク「一緒に行くわ、貴方達だけじゃ不安だもの」

オイゲン「…!!danke!有り難う御座います!姉様!」パァッ

ビスマルク(…niedlich…相変わらず可愛いわ…)

ビスマルク「只し、何が有っても一人で突っ走らない事、困った時は私を頼りなさい?」

オイゲン「はい!勿論!」

ビスマルク「gut、良い子ね」

オイゲン「では改めて…一緒に参りましょう!」


ーーー廊下ーーー

那珂「今日の日を開けて、道々のドアを破り、hai yai yai yai yo~♪」


オイゲン「連れて来たよ!」

ビスマルク「gutten abend、貴方が那珂ね?」

那珂「あ、はい!」

ビスマルク「私がビスマルクよ、聞いてるとは思うけど…宜しくね」

那珂「宜しくぅ!」

オイゲン「早速出発する?」

那珂「勿論!善は急げだから!」

ビスマルク「死に急いで突っ込ま無い様にね。何が起きるか分からないから常に博打打ちをするつもりで居て」

那珂「そんな大げさな…」

ビスマルク「…大げさじゃないの、何が起きても可笑しく無いのよ」

那珂「…でも、何か起きても責任は那珂ちゃんが取るから大丈夫だよ!」テュピーン

ビスマルク「そう言う事じゃなくて…はぁ、もう良いわ」

那珂「じゃ、出発ぅ!!」ビシッ!

ーーー夜のププヴィレッジーーー

那珂「さー!やって参りましたっ!」

ビスマルク「…見つかるのかしら」

オイゲン「そ、祖国の最新のレーダーも有りますし…大丈夫ですよ、多分」

那珂「先ずは手がかりからだよねー、何かを知ってる人は居ない?」

ビスマルク「居ないわよ、私はオイゲンから初めて話を聞いたんだから」

オイゲン「まあ、そうだったんですか!」

那珂「……お、オイゲンは知らないの?」

オイゲン「ごめんなさい、話しか聞いてなくて…手がかりは分からないんだ」

那珂「……積んでる?」

ビスマルク「積んでるわね」

那珂「……ぐぬぅ…どうすれば良いのかなー…」


「お嬢さん方」

オイゲン「へぁっ!?」ビクッ

ビスマルク「きゃあああ!?お、お化けぇ!?」

那珂(え、ビスマルクさん、お化け嫌いなんだ)

「怪しい者じゃあ御座いませんよ、私の名はランプキン。しがないマジシャンをやって居ります」

那珂「ランプキン?」

ビスマルク「っ…おほん、そ、そのマジシャンが何の用なの?」

オイゲン(あれ、このマジシャン…暗がりで見えないけど、中身が無い…?)

>>775
那珂ちゃんのプリンツの呼び名間違えてしまったよ、眠いとやっぱり駄目だ。

○那珂「…ぷ、プリンツちゃんは何か知らないの?」

ランプキン「何か探している様ですな、何を御探しですか?」

那珂「何じゃないよ、誰かだよ?」

ランプキン「人でしたか、では、その人は見つけにくい者ですかね?」

ビスマルク「見つけにくいわよ、貴方は知らないでしょ?」

ランプキン「そりゃあ存じませんよ、特徴とか教えてくれなければ」

オイゲン「特徴かあ……那珂ちゃん、知ってる?」

那珂「知ってるよ!確かねえ、セーラー服に海賊の様なマントを羽織っててカッコ良かったよ!」

ランプキン「おや、その人ですか。居場所の手がかりなら知っていますよ」

那珂「ホント!?教えて!」



オイゲン「ビスマルク姉様」

ビスマルク「…どうしたの?」

オイゲン「あのマジシャン…何だか怪しい気がします」

ビスマルク「……奇遇ね」

ランプキン「無償で教える訳には参りませんなあ、やはりそれなりの報酬が無いと」

那珂「な、何をすれば良いの?」

オイゲン「…」

ランプキン「何、取り敢えず私の後を付いて下されば何が欲しいかをお話しします」

那珂「…要するに、ここじゃ話しづらい事?」

ランプキン「まあそうですな、誰かが盗み聞きしてるとも限りませんし」

那珂「なんだぁー!それならそうと最初から言ってよー!」

ビスマルク「ちょっと待ちなさい、話が可笑しく無い?」

那珂「…え?」

ランプキン「…」

ビスマルク「報酬が欲しいのは分かるわ、でもそれって態々ここから離れて言う様な事?」

ランプキン「…」

オイゲン「そうだよ、ここで話したら良いでしょ?」

ビスマルク「何か怪しいのよね、そもそも、何で暗がりに紛れてるのかしら?」

オイゲン「見られたら困る物でも有るの?」

ランプキン「……」

バッ!

ビスマルク「!」

那珂「え、え?!」

ボフンッッ!!!!

一瞬で煙幕が張られ、ビスマルク達は視界を妨げられる。

オイゲン「けほっ!これ…煙!?」

那珂「何だか…綿みたいな形してるけどっ…」

ビスマルク「っ…やっぱり黒ね、正体を現しなさい!」


ランプキン「お嬢さん方、私が嘘が下手だとは言え…その判断は大変GOOOD  GOOOD VEEERRYY.GOOOOD」

ランプキン「併し、少々気付くのが遅かった様ですなあ」

ビスマルク「何ですって…!?」

ヒュバッ!!

オイゲン「うあっ!?」ギシッ!

ビスマルク「な…ぐっ!?」ギシッ!!

那珂「み、皆っ!?」

ランプキン「中々の上玉が二つ手に入った時点で私の任務は果たされた、萌え始めた芽は摘んでおかなければね」

那珂「わ、私達の事…知っているの!?」

ランプキン「さあ、どうですかな」スッ

マントの中から靴下を取り出し、穴をビスマルク達の方へ向ける。

ビスマルク「な、何をする気よ!」

ランプキン「君等の身柄は私が貰う、君等は戦果を上げる事無く平坦な世界にて放棄される事に成る」

ランプキン「我が雇い主、Mr,アミーボ・アモーレの邪魔はさせんよ」

靴下が強烈に光り出し、そこにビスマルクとオイゲンが吸い込まれて行く。


「「きゃあああああああああっ!!」」

那珂「皆ぁぁっ!」

二人が完全に靴下の中に入った事を確信すると、ランプキンは那珂に語りかける

ランプキン「…さて、厄介な毒花の芽は摘んだ。そこの君はどうする?」

ランプキン「仲間の誘拐を、群れに伝えに行くか?」

那珂「く…」


那珂(こう成っちゃったのは…私の所為だ…だったら…!)

拳を握りしめ、ランプキンに強く言い放つ。

那珂「……助ける、私が…二人を助ける!貴方から、プリンツちゃん達を奪い返してやる!」

ランプキン「OK…ならば行って来い、死も病も終わりも無い世界へ!」コォォォォォ…

那珂の豪語を受け止め、そのまま靴下で吸い込んで毛糸の世界へと連れて行く。

那珂「わ…わああぁぁぁぁあぁぁっ!」

キュポンッ!

那珂も靴下に吸い込まれ、夜の村には再び静寂が戻った。


ランプキン「……さてさて」

ランプキン「少しばかり…楽しませて頂くとするかね」

不敵に笑みを浮かべながら、そのまま自身も毛糸の世界へと向かって行く。


港湾棲姫(……今の所は、順調そうね)

港湾棲姫(上手く時間を稼いでくれるかしら…ほっぽは無事に帰って来てくれるかしら)


ーーーそして、早朝:毛糸の国ーーー

数時間後、毛糸の国では朝日が昇り、そこに住む者に柔らかな光を与えていました。
その光を浴び、起き始める者も居ればまだまだ寝ぼけ眼な者も。

さて、木曾達は一体、どんな朝を迎えているのでしょうか。

リボン「むにゅう…zzz」

フラッフ「リボン、起きるんだ」

リボン「むにゅ…あ、ふらっふしゃん」

フラッフ「良く眠れた?」

リボン「ううん…焼き鳥やら鳥の唐揚げやらに囲まれて胸焼けする夢を見たでしゅ」

フラッフ「そうかい、ボクは夢の中で一年間も過ごしていたよ」

リボン「え…何を言ってるのか分からないでしゅ」

フラッフ「…うん、ボクもさ」


木曾「…ぐがー…ぐがー…」

リボン「……さて、また寝坊してましゅね」

フラッフ「起こす?」

リボン「当然でしゅよ、さあてと…」グググ…



木曾「……んあ?」

リボン「…あれ?今日は自分で起きまちたね」

フラッフ「何時もはこうじゃないのかな」

木曾「……んー」ショボショボ

リボン「…朝に弱いだけでしゅかね」

フラッフ「かもね」

リボン「おーい、起きるでしゅー、今日も頑張りましゅよー」ユサユサ

木曾「んん…んお、ああ?……ああ、お前は…」

リボン「目、さめまちたか?」

木曾「お前は…何時か俺が助けた気圧性の高い田舎娘、元気そうじゃないか」

リボン「やっぱりまだ寝ぼけてるでしゅね、さっさと起きるでしゅよ!」バシッ!!

木曾「っ…正午に通りかかった俺が、不在通知だったら…お前はカップ麺の露に消えてたぞ?」

リボン「なーに寝ぼけてるんでしゅか!いい加減目を覚ます!!」グオッ!


バキィィッ!!!

木曾「ぐおっ……」

ドサッ!

フラッフ「ちょ、ちょっと流石にそれはやり過ぎだよ!?」

リボン「そ、そうかな…?」


木曾「痛ってて…また、寝ぼけてたのか」

リボン「そうでしゅよ、疲れてるからって寝坊しない事でしゅ」

木曾「相変わらず良い力してるな、女の子がしていい力じゃあ無いぞ?」

フラッフ「キミも人の事は言えないと思うよ」

木曾「んなこたぁ無い!俺は軍人だ、戦う為に生まれて来た」

木曾「戦争に女も男も無いんだよ。そりゃあもう…」

リボン「だからって寝坊して良い理由には成らないでしゅよ」

木曾「……ああ、そうか、寝坊した理由を尋ねてたのか」

リボン「……はあ」

フラッフ「こりゃ大変そうだね…」

木曾「単に疲れてたんだ、悪いな」

リボン「まあ、昨日も一昨日も戦い続きでちたからね」

フラッフ「それじゃあ、今日は一日中羽目を外すかい?」

木曾「羽目?」

フラッフ「そう、ウォーターランドのザブン・ビーチに行って、肌を焼いたりとか海を泳いだりとかしようよ」

木曾「…悪い、海の光景はもう見慣れているんだ」

リボン「あ…そう言えば、艦娘って海の上で戦うんだっけ…」

フラッフ「でも、海中までは見た事無いよね?」

木曾「…確かに」

フラッフ「キミなら大丈夫さ、うっかり沈まないって」

木曾「慢心は駄目だ、コレ良く言われてるぞ」

リボン「それで、行くんでしゅか?行かないんでしゅか?」

木曾「……」

フラッフ「疲れてるならリフレッシュが一番、コレも良く言われてる事じゃない?」

木曾「…そうだな、中々に疲れが取れそうだ」

リボン「じゃあ、色々準備して行きましゅか!」

フラッフ「大丈夫じゃないの?手ぶらで良いよ」

木曾「俺は一応念の為に軍刀は持って行くぞ」

リボン「艤装は?」

木曾「あ、それ呼び出したらドックから転送されて来るから大丈夫だぜ」

リボン「へえー、別の世界でも届くもんでしゅねー」

フラッフ「所で、ポップスターって言うのは…大きな星の形をしてる?」

木曾「してるぜ、それがどうかしたんだよ?」

フラッフ「やっぱり、実は…毛糸の世界でも見えるんだ、何千年か位の周期でね」

木曾「何?てことは…ここは別の次元じゃないってことか?」

フラッフ「飽く迄も『かもしれない』けどね、それに…見えた所で自力で帰るのは無理があるだろう?」

リボン「へえ…」

フラッフ「そもそもこの世界が周りから見えているのかすら分からないんだ、他の星々が襲撃を受けている事件があるけど、ボクの所には来ないね」

木曾(…ブラックデデデや、その上の奴らでさえも…この世界は把握しきれていないのか?)

木曾(だとすると、ここは可成り安全な場所に成りそうだな…市民の避難にはもってこいだ)

リボン「まるで…『夢』の様な場所でしゅね」

フラッフ「そうだね、ボクらからは外の様子が見えるけど、外からはボクらの事は見えない」

フラッフ「改めて考えると、ここって存在自体があやふやなのかもね」

木曾「…」

フラッフ「さ、そんな事より、出発しようじゃないか?」

木曾「そうだな、今日はとことん楽しむぞ」

リボン「羽目は外しすぎない様にするでしゅよ」

フラッフ「よし、じゃあ早速!」

木曾「所で…朝飯は食わなくていいのか?」

フラッフ「…あ」

リボン「…あ」


ーーー食事中ーーー

フラッフ「…」モッチュモッチュ

リボン「どうでしゅかー、今日のカレーの出来…」

木曾「んー…まあまあ、だな…辛さと具の調和があまり取れてないな」

フラッフ「まだまだ、と言った所だね」

リボン「そうでしゅか、でも自分で食べる分には格別美味しいから問題ないでしゅ」

木曾「まあ、自分で作った飯は誰もが美味く感じるよな」

フラッフ「だったら何で今日の出来を聞いたって話だけどね」

コン、コン

木曾「ん、誰だ?」

ガチャ

ルーム「おや、お食事でしたか」

木曾「ああ、腹が減っては戦は出来ぬと言うからな」

リボン「お腹が空くと何も出来ないでしゅからね」

ルーム「カレーですか、確か海軍でよく食べられていますね」

フラッフ「そうなの?」

木曾「ああ、海軍のメシと言ったらカレーだからな」

木曾「日本の海上自衛隊でも、時々カレーコンテストが開かれるってよ」

リボン「へー」

ルーム「私も、若い時は船に乗って海の上でブイブイ言わせてたモンですぞ」

フラッフ「え、ルームって海軍だったの!?」

ルーム「懐かしう御座います…仲間と共に今日の大物を釣り上げた日々…」

木曾「って、釣り人かよ…」

お風呂入って来やす。
最近展開が少しぐだぐだ過ぎるかしら…?

ルーム「まあ、年寄りの戯言です、御気に為さらず」

木曾(……)

フラッフ(良く分からないなあ…)

リボン(これだからお年寄りは…)

ルーム「さて、食事をとられた後は?」

木曾「ザブン・ビーチに行って、今日一日はハッスルしてくるぜ」

フラッフ「たまには休みも必要だからね、木曾の朝が割と酷いから解消に成ると思って」

ルーム「そうですか、気をつけて行くのですぞ」

木曾「分かってるって」

フラッフ「楽しむだけ楽しんだら帰って来るつもりだから」

リボン「心配はしなくて良いでしゅよ」

木曾「さ、そうと決まれば早いとこ食おうぜ」

フラッフ「喉に詰まらせないでよ?」


ーーー食事…終了ーーー


リボン「さあ、お腹一杯食べて元気回復でしゅ!」

フラッフ「早く行こうよ、余りぐだぐだしてると視聴者が飽きるから」

木曾「そもそも見てる人居るのか?今」

ルーム「さて、ロードが入ります。しばしお待ちを」

木曾「ゲームじゃないぞこれ」

リボン「ゲームとゲームのクロスでしゅけどね」

木曾「良いんだよ細かい事は」

フラッフ「良いのかなあ…」




                                    NOW LOADING……









ーーーザブン・ビーチーーー

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=v5403rsRjVU(ザブンビーチ)

フラッフ「さあ!やってまいりました!ザブン・ビーチ!」

リボン「ひゃーー!タリーーホーっ!!!!」

木曾「ロードって凄ぇな、乗り物要らずだ」


<キャッキャッ

リボン「結構混んでましゅねー」

フラッフ「毛糸の国じゃあ、一番の人気スポットなんだ」

木曾「へえ…」

木曾「お前等は何する?」

リボン「わたちはスイカ割りがしたいでしゅ!」

フラッフ「ボクは、やっぱり太陽の光にあたって来るかな!」

木曾「そうか…俺は…ん?」



<ァァァァァァァァァァァアアアアアアアーーーー!!

木曾「…」

<ァァァアイドルヨリオヨビダシイイイイー!!カイゾクフウコーデノセーラーノコハオリマセンカァァァァァァ!!!


フラッフ「すっごいなあ、あの女の子海の上をスケートしながら何か叫んでるよ」

リボン「熱く無いんでしゅかねえ、あんな格好で」

木曾(あの叫んでるの……那珂か?)




那珂「スカートも履いてて乙女なのに、喋らせたら男らしい子は居ませんかぁぁぁぁぁ!!」ザザァァァァァァァァァ

木曾「……」

フラッフ「どうしたの?あの人の事何か知ってるの?」

木曾「……ああ、俺の仲間だ」

フラッフ「ええ?て事は…あれが艦娘!?」

リボン「どうしてこんな所に…!?」

フラッフ「あの、一応こんな所呼ばわりは…」

木曾「十中八九、アミーボ・アモーレか、その部下に連れ込まれたのだろう」

フラッフ「……」

木曾「……ちょっくら、泳ぎに行って来る、水着も借りて来る」

リボン「え、ちょ…」

木曾「またな、お前等は二人でゆっくりしてろよ」

リボン「き、木曾しゃん!」

木曾「ん?」







リボン「そ、その、め、捲れてまちゅ!」

木曾「何が?まさか…す、スカートが!?」

リボン「はい!出かける時からずっとでしゅ!」

木曾「なん…だと……!?」ガァァン


フラッフ「いや、捲れてないよ?」

木曾「え?」

フラッフ「リボン、脈略も無くボケるのは止めてくれるかな。面白く無いし」

リボン「え、えーと、えへへへへへ…」

木曾「…そう言う事か…心配するなって、俺はちゃんと帰って来るぜ」ポンッ

リボン「木曾しゃん…」

木曾「じゃあ、行って来るぜ!」

フラッフ「ああ、グッドラック!」

ザッザッザッザッ……

リボン「……」

フラッフ「大丈夫だよリボン、木曾の事を心配してボケたんでしょ?咎める気はないさ」

リボン「……そうじゃないでしゅ…言い間違えちゃっただけでしゅ…」

フラッフ「?」



リボン「捲れてたのは…実は、眼帯のあの金網みたいな模様でしゅ…」

フラッフ「え"……」

リボン「凄く言いづらくて……あの場ののりで…嘘言っちゃったでしゅ…」

フラッフ「……リボン」

リボン「………はい」


フラッフ「あれってさ、後付けの模様だったんだね」

リボン「はい、今まで知りませんでちた…」

ーーー数分後ーーー

木曾「さあて、水着も借りて来た事だし、いっちょ泳いで話しに行って来るか」

<HEY!カノジョー!

木曾(ん?誰だ?)

木曾「誰だよ?俺は今…」



フェニクロウ『あ、やっぱりアンタか、もし良かったらアタイがあの女まで運ぼうかー?』

木曾「」

木曾(コイツ水にクソ弱そォォォォォォォォォォォッ!!!!)

木曾「じゃなくて!何でここに居るんだよ!」

フェニクロウ『エ?あの時アンタ助けてくれたじゃん、礼をしたいのよ礼を』

木曾(助けたって…鋼糸を引っこ抜いた事か)

木曾「と、兎に角!お前は今出番じゃない!あっち行ってろ!」ゲシッ!

                                    フェニクロウ『はっはっはー、この恥ずかしがり屋めー』ヒューン…

木曾「ったく…油断も隙も無い…」

木曾(何でアイツここに居たんだよ…復活したにしても早すぎるだろ…)

木曾(新人か?ひょっとしてもっと表舞台に出たいって言う困った新人か?)

木曾(…それか幻影……疲労による幻覚……それだとしたら…)

木曾(……ああもう、今日はじっくり疲れを吹き飛ばしたかったのに…)ズーン…


木曾「…もう良いや、この服のまま泳ごう…」

チャプッ……

木曾(あぁ……冷てぇ…)

突然の事に水着に着替える気力も無くなり、そのままの格好で海を泳ぐ事にしました。
頑張れ、木曾。

ーーー数分後ーーー

その数分後、木曾の特徴を叫んでビーチの客に捜索を願っていた那珂は疲れ果てていました。

那珂「ぜえ…ぜえ…叫ぶのって意外と疲れるんだね…」

那珂「歌は基本、声の入れ方とか結構重要だから…頑張らなきゃ…」

そんな感じにぼやいていると、那珂に泳いで近づく影が有りました。

那珂「…ん?」


ザバァッ!!

木曾「ぷはっ…さ、探してるのは俺だろ?おr」

那珂「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!海坊主だァァァァァーーッ!!」

木曾「え?」

那珂「那珂ちゃんダッシュ!!」バッ!

勘違いした那珂は、不幸にも出力を最大にして木曾から逃げて行きます。

木曾「あ!?コラ!待て!ぅおぉぉぉぃッ!!」

那珂「え…今の声木曾?」ピタッ

まだ動き出したばかりなのが幸いし、木曾の叫びは那珂にキチンと届いたみたいです。

木曾「…すまない、髪がぐしょぐしょだから分からなかったか」

那珂「うん…ってそんな事より!やっと見つけたよ!木曾!」

木曾「え?俺を探してたのか?」

那珂「そうだよ!他の皆も心配し始めてたんだから!」

木曾(そうなのか…)

那珂「でも良かった…見つかったから…後は連れ戻すだけだね!」

木曾「何処に」

那珂「勿論ププヴィレッジに!」

木曾「どうやって」

那珂「え?ソレはーそのー……」

木曾「……」

那珂「……ごめん、考えてなかった」

木曾「……はぁ」

那珂「…ところでさ、何でこんな所に居るの?」

木曾「実は……かくかくしかじか」

これまでに会った事を木曾は手短に話しました。

那珂「成る程…そのアミーボ・アモーレってのが全ての元凶な訳だね!」

木曾「ああ、奴を倒し、魔法の靴下を手に入れない限りは帰る事は出来ない」

那珂「ううー…何だか凄い大変な事に成りそうな…」

木曾「大丈夫だって、そう長くは成らないさ」

那珂「どうしてそう思うの?」

木曾「何かそう言えって誰かが言ってた様な気がするんだ」

那珂「変なのー」

木曾「笑うな…さて、話が済んだからさっさと戻るぞ」

那珂「はーい!」



那珂「そう言えばさー」

木曾「どうした?」

那珂「さっきからずーーーっと気になってたんだけどー」

木曾「何だ?勿体振らずに言え」


那珂「空に沢山浮かんでる、白いたこ焼きみたいなのって何?」

木曾「え…たこ焼き?」




深海地獄艦爆「・-・-- -・-・・ ・-・・ ・-・-・ ・-・-- ・- -・・・  -・-- ・-・-・」

深海地獄艦爆「---- --- -- --・  -・・・ ・・ ・・・- -・-- ・・ -・-・・ ---・-」


大量の白いたこ焼きの様な物体は、木曾達を見つけると一斉に急降下爆撃をしてきました。

ボガァァァァァァァン!!!!!

那珂「うぉわ!?攻撃して来た!!」

木曾「あれは…艦上爆撃機か!?」

那珂「私達を攻撃するってことは…深海棲艦後期型!?」

木曾「く…あれが気になるけど、今は逃げる事が先だ!」

那珂「ど、どうやって逃げよう!?」

木曾「俺に良い考えが有る!」

那珂「え?」

木曾の身体は解かれ、新たな形へと変化して行きます。

那珂「え?ええ??!」



木曾「ワンダラーイズ・サブマリン!!」

また前回と違うかけ声を放ち、見る見る内に潜水艦を形作って行きます。

木曾「さあ乗れっ!」

那珂「え、ええ!?木曾!?」

木曾「良いから早く乗れ!どうなっても知らんぞ!」

那珂「わ、分かった!」

那珂は急いで変身した木曾の中に入って行きます。

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=l9-LzulxJLI(映画 パプリカより劇中曲:Escape)

ドゴォォォォォォォォォォ!!!

那珂「うっ…早く潜って!」

木曾「分かってる!急速潜行!」

急いで身を海へと沈ませ、爆撃から身を隠します。


深海地獄艦爆「・-・-- -・-・・ ・-・・ ・-・-・ ・-・-- ・-  ・---・ ・-・-・ ---- ・・- ・--- ・-・・ ・- --・-・」

深海地獄艦爆「-・ -・ ・・ ・・-・ -・-・  ・-・・ ・-・-・ ---- ・・- ・・-- -・・・  ・-・・ ・-・-・ ・--- ---- --・・」

海中にも、未だ続けられている爆撃の鈍い音が次々に響いて来ます。

那珂「…こ、これで大丈夫なのかな…?」

木曾「まだ安心は出来ないぞ、ずっと深くに潜るまではな」

那珂「そ、そうだよね」


その頃、空中では増援として出撃した敵の艦上攻撃機クラスが、艦上爆撃機クラスにモールスで自分の存在を示していました。

深海復讐艦攻「-・- ---  ・-・・ ・-・-・ ---- ・・- -・ ・-  ・-・・・ ・・- ・・-・・ ・・- ・---・ --」

深海地獄艦爆「-・-・ ・-・-・ --・-・ -・-・・」

深海地獄艦爆「-・-・・ ・・ -- ・・・ ・-  ・・-・・ ・・- ・-・・ -・-・- --- -・ --・-・」

深海復讐艦攻「-・-・ ・-・-・ --・-・ -・-・・  ・・-・・ ・・- ・-・・ ・-・・ ・- --・-・」

司令を受けた艦攻隊は、次々に魚雷を落して行きます。

ドボォン!ドボォン!!

木曾「…お」

那珂「どうしたの?」

木曾「魚雷が追いかけて来るぞ、多分艦上攻撃機のだろうな」

那珂「え、えええええええ!?」

木曾「狼狽えるな、これから目の前の岩場に潜り込んで攻撃やり過ごす!」

那珂「で、出来るの!?海に潜るって初めてでしょ!?」

木曾「それでもやるしか無いんだ!行くぞ!」

速力を上げ、海底の岩場に姿を隠します。


ドゴォォォォォォン!!!

ドゴォォオォ!!

魚雷が何処かの岩場に衝突したのか、爆発音が鈍く響いて来ます。

那珂「音が凄い…」

木曾「ああ、こっちは直に感じてる」

那珂「…大丈夫かな、浮上するまでに攻撃が止めば良いけど…」

木曾「……確かに、このままじっとしていたら鴨撃ちだからな」

那珂「どうしよう……」

木曾「……」ウーン

ゴボボ……

木曾「ん…!?」

那珂「ど、どうしたの!?」

木曾「近くに…何かが居る…?」

那珂「え…!?」


イカスタコス「ぬぬ…何だかさっきから騒がしいぞー、一体誰なのかなー」

木曾「……」

那珂「な、何が居たの!?ねえ!」

木曾「イカ……か、あれは?」

イカスタコス「ぬ…さっきから何かが居る様な気がするぞー」

イカスタコス「ぬぬぬ……ちょっくら五月蝿いってクレーム出すぞー」

木曾「…まあいい、近づかなければ害はないだろう」

木曾「海底を這う様にしながら移動するぞ、良いな?」

那珂「え、あ、うん」

那珂(大丈夫かな…イカって目がいいって聞くけど…)



木曾「………」

イカスタコス「ぬーん、何処に居るのかなー」

木曾(慎重に……慎重に…)ゴゴゴゴ…

イカスタコス「……意外と近くに居そう、でも中々見つからなそう」

イカスタコス「手は多いし、長いのに痒い所に手が届かないぞー」


那珂「………」

木曾(慎重に…慎重に…)ゴゴゴ…

那珂「…すぴー…」


ボボォォォォォォォォォォ!!!!

木曾「っ!」

イカスタコス「ぎょぎょー!?」

木曾(危ない、後もう少しずれていたら…!)


ズズゥン……

何と、さっきの爆発で木曾が隠れていた岩場が破壊されてしまいました。
このままでは、イカスタコスからは丸見えです。


イカスタコス「あ……」

木曾(…!?岩が……!?)

イカスタコス「……」ジー



イカスタコス「お前かァァァァァァァァァァ!!!!」

木曾「う、うわああ!?違う、違うんだ!!」

那珂「え!みみ、見つかっちゃった!?」

イカスタコス「よくも静かな海を荒らしてくれたな!絶対にブチのm…」

次の瞬間、他の魚雷がイカスタコスに命中してしまいます。

ドゴゴゴォォォォォォォォォ!!!

木曾「っ!?」

那珂「え…」

木曾「くっ、大丈夫か!おい!」


イカスタコス「……大丈夫、大丈夫ー」

木曾「お、おう…」

イカスタコス「ところで、この爆弾君のじゃない」

木曾「あ、ああ、違う」

イカスタコス「そっか、犯人は上か…」

木曾「……ああ」


イカスタコス「よーし、じゃあちょっくらあいつらにクレーム出して来るぞー」

木曾「いや、聞いてくれる筈が無い、それに爆撃もされるから無事で済むとは…!」

イカスタコス「んー、大丈夫」

木曾「いや、大丈夫ってお前…!」

イカスタコス「ねえ、名も無き変な人」

木曾「へ、変って…」

イカスタコス「近くに、ひみつの島が有るぞ、そこが安全だから安心出来るぞー」

木曾「え、空から見つかったら…」

イカスタコス「大丈夫、大丈夫だから」

木曾(何だコイツ…ぬぼーっとした喋り方に反してぐいぐい話を進めようとして来る…)

イカスタコス「さ、早く、急がないと死ぬぞー」

木曾「……分かった」

木曾(何だろう、無理矢理に目的を決めさせられた…)


木曾(…まあ良いか、誤解も解けたし、安全な場所も教えてもらった)

木曾(良い事しか無い、良い事尽くめじゃないか)

木曾(……良い事、なんだろうけどなぁ)

那珂「あのー、大丈夫?」

木曾「…ああ、誤解が解けたら安全な所を教えるだけ教えて敵に向かって行った」

那珂「ええ!?大丈夫なの!?」

木曾「知らん」

那珂「し、知らないって…」

木曾「…兎に角行くぞ、ひみつの島とやらを探す」

那珂「…直に見つかるかなあ」

木曾「なあに、いざという時はロードが有る」

那珂(道?それとも…読み込み??)

ーーーその頃、海上ーーー

イカスタコス「……あの丸い真珠の様な奴らが犯人かー」ザバァッ


深海地獄艦爆「・・-・- ・-・・ ・・・- -・-・ ・-・-・ --・・ ・・ ・--・ -・ ・- -・・・ ・--・ -・-- ・-・-・」

深海地獄艦爆「---- --- -- --・ -・・・ ・・ ・・・- -・-- ・・ -・-・・ -・-・ ・・- ・--・ -・--・ 」

艦爆隊はイカスタコスを発見すると、一斉に急降下して爆撃を始めます。

ドドォォォォォォン!!!

イカスタコス「っぐぁぁぁ!!何してくれんじゃこの豚ァァァァァ!!!」ビュオッ!!

遂にブチ切れたイカスタコスは、触手を素早く伸ばして艦爆を叩き落としてしまいます。

深海地獄艦爆「・-・-- -・-・・ ・・-- ---- ・・- -・-- ・・ -・-・・ ・-・・ ・- --・-・」

深海地獄艦爆「・---・ ・-・-・ ・・-・・ ・・- -・ ・- ・---・ ・-  -・-- ・- ・---・ ・- -・-・- --- -・ --・-・」

ボガァァァァァァン!!!




リボン「何だか…海が爆発したり騒がしいでしゅ…」

フラッフ(……木曾…!)

ーーーそして、ひみつの島ーーー

木曾「……あそこか?ひみつの島は」

那珂「そうじゃないかな?上陸しよー!」

木曾「…よし、敵に気付かれない様に、そっと上がるぞ」


ザバァ……

ゆっくりと砂浜に乗り上げ、木曾は姿を元に戻します。

那珂「わっ」トサッ

木曾「悪い、痛かったか?」

那珂「大丈夫だよ……それより、本当に変身が出来るんだね」

木曾「ああ、メタモルトマトを食べた所為でな」

那珂「凄いなー、那珂ちゃんも変身したーいー」

木曾「無理だ、諦めておけ」

那珂「ちぇー…」

木曾「取り敢えず、早く内陸に行くぞ」

那珂「あ、待ってよー」

タッタッタッタッ…

ーーーーーー

木曾「……」

那珂「ここなら…大丈夫かな…」

木曾「ああ…」

那珂「……ごめん」

木曾「何が?」

那珂「……何も、出来なくて」

木曾「まだその機会が無いだけだ、今がお前のステージじゃあない」

那珂「木曾…」

木曾「それに、俺達は仲間と共に戦うのが看板だからな。一人じゃそりゃ何も出来ない」

木曾「俺だって、この見知らぬ世界でやって行けたのは…リボンとフラッフが居たからさ」

木曾「あの二人が居なきゃ、ここまでは行けなかった……自分の力の弱さを呪うよ」

那珂「……木曾」

那珂「そう言えば…リボンって子も一緒だったの?」

木曾「ああ、知らなかったか?」

那珂「うん、木曾と違って話題に成らなかったから」

木曾「………(´#ω;`)」

那珂「何その顔、新しい表情出しても那珂ちゃんが流行らせないからね」

木曾「ちっ、まあそんな事は…」


「「置いといて…」」

那珂「……これからどうしよっか」

木曾「さあな……ん?」

那珂「……どうしたの?」

木曾「…何か、臭く無いか?」

那珂「すんすん……確かに、磯っぽい匂いだね」

木曾「…これはもしかして……」

那珂「もしかすると……」

木曾「取り敢えず、匂いのする方へ向かってみるか」

那珂「うん、出来れば弱い奴で居て欲しいけど……」

突然蒸し返して来た磯臭い匂い。二人は匂いがする方向へと向かう事にしました。

ーーー海が見える崖ーーー


北方棲姫「ふっふっふー、どうだ!新型の艦載機の力は!」

北方棲姫「あの新型艦載機は……スペースプラチナム製の外殻で覆われていて、生半可な攻撃じゃ絶対に撃ち落とされないの」

北方棲姫「さらにさらに、エンジンにR5型機動補助炉を使用していて、向きを変える事無く全方位に移動が可能なの!」

北方棲姫「も一つおまけに宙空間対応!どうだ!崇めよ、ひれふせー!」


ビスマルク「……誰に言ってるの?」 緊縛状態▼

北方棲姫「…さて、誰かなー」

磯の匂いがする場所には、踏ん反り返って自信満々の北方棲姫と、毛糸にキツく縛られたビスマルクが居ました。

北方棲姫「しかし、やっぱりおっちゃんは頼りに成らなかったなー。雇った人もうっかり貴方を送って来るしさ」

ビスマルク「……仲間なの?」

北方棲姫「うん、あの手品師さんは雇われたみたいだけど」

ビスマルク(となると…私達を捕らえたのは…)

北方棲姫「…でも、あのアホ毛団子の子…縛っておいたのに何で逃げてるのかなー」

ビスマルク「知らないわよ」

北方棲姫「ほんとは知ってるんでしょ」ズイッ

ビスマルク「近寄らないで、うざったい」

北方棲姫「縛られてる癖に偉そうだねー」

ビスマルク「当たり前でしょ、私は誇り高いドイツの艦よ?」

北方棲姫「誇りかぁ、戦争には何の役にも立たないのになー」

ビスマルク(ぐっ…分かった様に…!)グサッ

北方棲姫「戦争は一度起こったらさあ…強いのも弱いのも、男も女も老人も子供も、金持ちも貧乏も、権力者も国民も…」

北方棲姫「誇りも歴史も、自然も文明も何もかもが平等に価値が無くなっちゃうんだよね」

ビスマルク「…戦えない命も、戦える命も?」

北方棲姫「うん、ほっぽや、貴方だって死ぬ時は死んじゃう。殺されたら死んじゃう。それでおしまい」

北方棲姫「分かりやすいルールだよ、殺されたら殺されるんだから」

ビスマルク「……死ぬ事に、恐怖、後悔は無いのね」

北方棲姫「うん、戦争の中で起きる…攻勢期はもちろん…窮地に立たされた時も……ゾクゾクシチャウ」

ビスマルク(……狂ってるわ、コイツ等…)

北方棲姫「そんな、大好きなお祭りをするには…資材だよ、資材」

北方棲姫「宇宙には大量の資材と成る物質が有る、それを採取する為にほっぽ達は数々の星に仲間達を送り込んでるんだ」

ビスマルク(何か勝手に話を始めてるわね…ここは黙っときましょう)


ザッザッザッ……

北方棲姫「その場所に立ち塞がる壁が有るなら、歓喜を持って崩す。ほっぽ達は戦えば戦う程士気が上がるんだー」

ビスマルク(ん?何かが近づいてる…二つかしら)

北方棲姫「ポップスターは、私達の歓喜を最高潮に煮る最高のお誕生日ケーキなんだ」

北方棲姫「最高のお誕生日ケーキには、最高のお皿とスプーンとフォークが無いと…美味しく成らないもん」

木曾「……」

北方棲姫「だからこそ……へ?」

木曾「……(`# ω・´)/」ヤァ

那珂「だから、その表情は流行らないって言ってるでしょー?」

木曾「……(´・ω・`)」

那珂「良いからきちんと喋ってよー」

ビスマルク(な、那珂に…木曾!)

北方棲姫「…誰?何?誰??」

木曾「えーと、敵です」

那珂「敵です」

北方棲姫「え、て 敵?どこに?」

木曾「ここに」

北方棲姫「だ、誰が?」

木曾「俺」

北方棲姫「貴方が?」

木曾「YES」

北方棲姫「アミーボのおっちゃんが送っちゃった奴って…貴方?」

木曾「ああ、良い迷惑してるぜ」

北方棲姫「そっかー、おっちゃんがご迷惑御かけしましたー」

ビスマルク(何をぬけぬけと…)


北方棲姫「じゃ、今ここでやっつけちゃおっと」ゴゴゴゴ……

木曾「!」

ビスマルク「気をつけて!そいつは…!」

ガスッ!!
北方棲姫「オぶっ」

那珂「それっ」ガチッ

北方棲姫「あばっ」

木曾「どっこいせ!!」ゲシッ!!


「ああぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァ……」ヒュルルルルルル……

ドボン…

ビスマルク「」

木曾「さあもう大丈夫だ、敵は排除した」

ビスマルク「いや蹴落としただけじゃない!」

那珂「てへ☆」

木曾「て…てへへ」

ビスマルク(…何て体たらく…規律が緩んでいる証拠ね)


暫くの後、ビスマルクは毛糸を切って貰い、身が漸く自由になりました。

ビスマルク「ん……でも、助かったわ。danke」

木曾「おう、どういたしまして」

那珂「きゅぴーん!」

木曾「しかし、それにしても…奴と深海棲艦が繋がっていたとは」

ビスマルク「聞いてたのね、さっきの話」

木曾「…ここが奴らにバレていたとするならば、可成り拙い状況だ…攻め込まれる前に奴を叩かないと…!」

那珂「何で?」

木曾「奴の事だ、ここを制圧する為に大量に深海棲艦を送るつもりだろう」

那珂「それは何としても防がなきゃ成らないよね」

ビスマルク「……」


ビスマルク(本当に……それだけかしら?)

木曾「さあ、早い所戻るぞ」

那珂「ええ!?もう少し待った方が…」

木曾「今ので指揮系統が落ちた、艦載機達も混乱しているだろう。」

木曾「それに戻って来るかもしれない、厄介な事に成る前に戻るぞ!」

那珂「そ、そっか…」

ビスマルク「そうね、一刻も早く……って、何処に戻るのよ!」

木曾「取り敢えず宛ては有るんだ、俺に付いて来てくれ」

ビスマルク「……分かったわ、オイゲンも探さなきゃならないし」

那珂「い、居なかったんだ?」

ビスマルク「ええ、多分別の場所に居ると思うわ」





「さ、させぬ……させないよ…!」

「「「!?」」」


北方棲姫「よくもこの…深海棲艦後期型機動連合軍陸上基地型個体。北方棲姫を蹴落としてくれたなー!」

木曾「長い、三行で」

北方棲姫「そっちの方が長いのっ!!文章的に!」

ビスマルク「どうするつもり?私はとっくに自由の身よ?」

北方棲姫「全員叩き潰す!そんでもっておねーちゃんにいっぱいなでなでしてもらう!」

那珂「動機が凄いカワイイ…」

北方棲姫「どーでも良いのそんな事は!やるの?やらないの?」

ビスマルク「……どうするの?」

木曾「……仕様がない、ガキの我が侭に付き合うのも、大人の役割だ」

北方棲姫「が、ガキじゃないもん!」プンスカ

那珂「……戦うの?」

木曾「ああ、奴が望むならな」

ビスマルク「……ま、出来れば潰しましょう。こんな悪い芽は」

北方棲姫「よーし!早速戦闘フィールドに移動だよ!」

ーーーひみつの島、沿岸部ーーー

北方棲姫「と言う訳で、ルールの説明をしまーす!」

ビスマルク「はいはい」

北方棲姫「ルールは基本何をしても良いよ、貴方達が戦闘不能になるか、ギブアップで勝負が付きまーす」

那珂「ふんふん」

北方棲姫「制限時間は15分!それまでにほっぽを混乱状態にさせてごらん!」

北方棲姫「無論、ほっぽも無抵抗じゃないから。最初から本気で行かせてもらうよ」

木曾「成る程、接待と言う小賢しいのは無しと」

ビスマルク「存分に壊しても良いのね?」

北方棲姫「うん、目に付いた物は片端から壊し、目に付いた物は片端から食べちゃって」

那珂「うわ…不味そ……」

北方棲姫「……良いからさっさと戦闘位置に付いてよ」

ビスマルク「後悔は言いっこ無しよ」

北方棲姫「能書きは良いから、ハリー!ハリー!!ハリー!ハリー!ハリーー!!」

木曾「さあ、位置に着くぞ!」

ビスマルク「ja!」

那珂「りょうかーい!」


北方棲姫「それじゃ!ほっぽのワクワクドキドキ制圧防衛戦。START!!」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=yRSChkTtWSE(AL作戦:ボス戦)

北方棲姫「さあ、先ずは艦上戦闘機と爆撃機。全機スクランブル用意!!」

背負っている艤装の滑走路から、丸い艦載機が沢山出されて行きます。

木曾「く…あれは、さっき俺達を襲った…!」

那珂「ど、どうするの!?」

ビスマルク「対空は私が行なう!貴方達は回避に集中して!」ガゴォ……

木曾「了解!」

那珂「はい!」


ドォォン!!


地獄猫艦戦「・-・-- -・-・・ ・---・ ・-・-・ ・-・・ ・-・-・  -・ ・- ・・・- ・・- -・-- ・・ ・- -・-- ・・ -・-・・ ・-・・ ・- --・-・」

地獄猫艦戦「・-・・ ・-・-・ -・・・ ・・ ・・・- -・ ・-  --・ -- ・・- ・-・・ ・-・-・ -・・・ ・・ ・・・- -・-- ・・ -・-・・ -・-・- --- -・ --・-・」

深海地獄艦爆「-・-・ ・-・-・ --・-・ -・-・・  -・・・ ・・ ・・・- -・-- ・・ -・-・・ ・-・・ ・- --・-・」

艦戦の打電を受け、艦爆隊は木曾と那珂に向かって爆撃します。

ドゴォォォォォン!!!

那珂「わっ!?」

木曾「素早いな…気を付けろ!」

那珂「分かってる!」


躱し続ける二人に、二機の爆撃機が迫って来ます。

那珂「!」

木曾「止まれ!ブレーキでやり過ごすんだ!」

那珂「う、うん!」ザザザァァァァッ!!

緊急静止し、そのまま爆撃をやり過ごします。

那珂「っ…危なかった…」


北方棲姫(甘いなあ…)

安堵も束の間。那珂の後ろに四機の艦爆隊が迫って来ています。

木曾「!!」

木曾は咄嗟に手を伸ばし、那珂の服を思い切り掴みます。

那珂「え?え!?」

木曾「ブーストで切り抜けるぞ!!」

出力を最大にし、その場所から即座に離脱します。

那珂「な、何なのぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

ボガァァァァァァァン!!!!

木曾「ふ、標的はとっくに動いてるよ……」

那珂(か…か…っこいい…)

木曾「さあ、一気にカタを付けるぞ!!」ザァァァァァァァッ!!



ビスマルク「く…ちょこまかと!」ババババババ

地獄猫艦戦「」ボギャッ!!

ビスマルク「壊れた……スペースプラチナム云々は嘘っぱちだったのね」

ババババババババッッ!!
ビスマルク(早く撃墜して、敵の元に向かわないと…!)

ギュンッ!!

ビスマルク「!?」

黒い何かがビスマルクの艤装を掠めて通り過ぎて行きます。

ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!

ビスマルク(な…砲撃?)



北方棲姫「……外しちゃったかぁ、潰せれば良かったけどなあ」

北方棲姫(他の二人は魚雷が主な矛。ほっぽは陸に居るから実質使えなくなる)

北方棲姫(片方は火力も弱いから唯一にして最も厄介な戦艦を潰せたら勝ちは確定だったけど…)

北方棲姫「…そう簡単には行かないか」

ザァァァァァァァァァァァ……!!

北方棲姫「?」


木曾「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉォォォォォ!!」

那珂「お、下ろしてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

北方棲姫「来たね…さあ、雷撃は届かないよ、どうする?」

木曾「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」バッ!

那珂「え」

急に離された那珂は、そのまま水面にずっこけてしまいました。

那珂「もお!急に話さないでよー!」

木曾「てへ☆」

那珂(何だろう、木曾…ここに来てから少しウザくなってる!?)


北方棲姫「さあどうするのかな!?貴方の自慢の魚雷も陸には進まないよ!」

木曾「うぉぉぉぉぉ!!」

那珂「き、木曾ー!」


バッ!!

北方棲姫「……え!?」

木曾はそのまま跳躍し、軍刀を抜きます。

木曾「フツーに、切り掛かるけど?」

そのまま落下の勢いに任せて矛を落します。



北方棲姫「っぶな!?」サッ!

木曾(躱したか…やるな)

北方棲姫「な、何てめちゃくちゃな奴なの!」

木曾「悪いな、めちゃくちゃじゃないと、アイツに勝てないんでね」

北方棲姫(アイツ……おっちゃんの事か)

北方棲姫「成る程、おっちゃんも良くやってたって事か」

木曾「…」

北方棲姫「だったら、ほっぽも負けてられないよ!」ガゴッ!!

木曾「主砲…!」

北方棲姫「ファイエル!!」

ドォンッ!!

木曾「ほっ!」バッ!

砲撃を避け、一気に距離を縮めます。

木曾「うぉらっ!!」ビュッ!!

北方棲姫「ほ!」

ぱしっ!!

木曾「な……白刃取り!?」

北方棲姫「ほっぽぽぽぽぽぽ!どうだ!奥の手も敵わなかったの!」

木曾「手袋してる状態でどうやって!?」

北方棲姫「練習の賜物なの」

木曾(流石姫……強い…!)

バシィ!

北方棲姫「さあどうしたの?もっとほっぽを満足させて!ほっぽに、愛のもう一攻めを!」

木曾「お前頭可笑しいだろ!?」

北方棲姫「皆よく言われる!だから狂ってる!それで良いの!」

木曾(うわー…これ対処が面倒臭いタイプだ…)

ドゴォォォォォォォォォォォ!!

北方棲姫「うわぁ!?」

木曾「お、那珂の攻撃だな」

北方棲姫「ぐ、ぐぬぬ…!い、良い気にならないでよ…一兵卒め!」

木曾「お前こそ舐めて掛かってないか?本気で来いよ!」

北方棲姫(くそー…本気を出してないと思って!!)

ドゴォォォ!!

北方棲姫「っ…痛いなァ!!」バシュッ!!

木曾「!」

凄まじい速度で艦上攻撃機が発射され、そのまま那珂に特攻して行きます。

ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

木曾「…ほう!漸く殺気を出したな、お前!」

北方棲姫「北方棲姫だよ!…怒ってついアヴェンジャーを投げ飛ばしちゃったけど、殺気は殺気だね」

北方棲姫「大方、あの爆発だと大破か轟沈かな?」

木曾「……」





北方棲姫「さぁて、願いましては…そろそろ転…ほっぽのターンだよ」


バッ!!

今度は北方棲姫の方から木曾に向かって行きます。それももの凄い速度で

木曾「何…早い!?」

北方棲姫「そらっ!!」ギュオッ!

ガギィィンッ!!

木曾「強い…!」

北方棲姫「…あの早さで受け流された…けど、何時まで続くかな?」

木曾「……続けるさ」

北方棲姫「?」


木曾「続けるさ…!主役が来るまで…続けてやる!!」

北方棲姫「ひゅー……じゃあ、耐え抜いてみせてよ!」バッ!!

木曾(来る!)

ガギィィンッ!!
北方棲姫「えいっ!!」ブンッ!

木曾「!」

ガッ!!

今度は軍刀ではなく、上手い事腕を捕らえて持ち上げます。

北方棲姫「え、うぇ!?」

木曾「甘い!」グォッ!

そのまま投げに入り、地面に叩き付けてしまいます。

ドガァッ!

北方棲姫「っ…このォ!沈めっ!!」ジャコッ!!

ギュォッ!!

北方棲姫「な…」

ドゴォォォォォォォォォォォォォ!!!!

どこからか放たれた弾丸が北方棲姫に直撃し、爆風で砂を散らします。

木曾「来たな…主役が!」



ザザァァァァ……

ビスマルク「……当たったわね、確実に」

そこには自分の攻撃が当たった事を確信し、自信にあふれた顔をしているビスマルクが居ました。


ビスマルク「さて……何時まで寝てるの?起きなさい、那珂!」


那珂「寝てないってばー!体勢整えるの大変だったんだから!」中破!

ビスマルク「中破…ギリギリ行けるわね、そろそろチェックメイトよ!」

那珂「っも~…アイドルはお肌が大事なのに!」

二人は軽口を叩きながらも、揚々として北方棲姫の元へと向かいます。


北方棲姫「…くそー!横からなんて卑怯なのー!!」混乱!

木曾「大丈夫か?混乱しているぞ」

北方棲姫「し、してないもん!」

木曾「負けを認めないか…ならば全力で最後まで叩き潰す!」

北方棲姫「え、ちょ、ちょっと待っt」

ガギィィッ!!

北方棲姫「っ止めてよ!?危ないの!!」

木曾「ほらほらどうした!?その程度か!」

ズバッ!!

北方棲姫「わあ!?ふ、服がぁ!」

木曾「更にっ!」ヒュバッ!!

北方棲姫「!?」

木曾は毛糸を伸ばし、北方棲姫に巻き付けます。


北方棲姫「し、しまっ!?」ギチッ

木曾「さあ!今だ!!コイツを倒せ!」




ビスマルク「敵の動きが封じられてる…今よ!」

那珂「了解!」ジャコッ!

両者は主砲を構え、北方棲姫に狙いを付けます。


「Feuer!!」「そりゃぁぁ!!」

ドォォォンッ!!!


北方棲姫「わ、わああ!!離してー!離してー!!」ジタバタ

木曾「はい離す」パッ

北方棲姫「えっ」


ドガァァァァァァァァァァァンッ!!!

木曾「っ…流石に衝撃が強いな…!」ググッ

二人で一人の一撃が見事北方棲姫に刺さり、大量の風と砂を吹き飛ばします。


北方棲姫「……きゅぅぅ」破壊!

ザザァァァ……

ビスマルク「やったわね!私達の勝ちよ!」

那珂「おっ疲れー!」

木曾「おう……只、少しやり過ぎたか?」

ビスマルク「良いのよ、あの無鉄砲な子供には此れ位が丁度良いの」

那珂「兎に角、那珂ちゃん大勝利ぃ!」

木曾「だが慢心しちゃ駄目だ。罠が仕掛けられている可能性だって有るからな」

ビスマルク「早い所出ましょ、返り討ちに成らないうちにね」

木曾「そうだな……これより帰投する、俺に付いて来てくれ」

ビスマルク「ja!」

那珂「はーい!」

北方棲姫を制した三人は、北方棲姫が倒れている内にさっさと戻って行きます。
轟音と爆音が響いていた海には、再び静寂が戻って来ました。




北方棲姫「……っ、痛たたたた…」プルプル

ムクッ
北方棲姫「全くもう…全力で掛かって来ちゃって…混乱させたら良いって言ったのに…」



北方棲姫「…好きだよ、そう言うの。」

北方棲姫「今度艦隊戦でやり合う時は…どんな強さを見せてくれるのかなあ…♪」

短き激闘の末に敗北した北方棲姫。しかしその顔は、どこか清々しい物が有りました。

ーーーザブン・ビーチーーー

ザワ…ザワザワ…

木曾「…さあ、着いたぞ」

ビスマルク「ここが…」

那珂「何かざわざわしてるけど…」

木曾「そりゃそうだろう…海の上を良く分からない奴らが空爆してたなら…ん?」

ビスマルク「どうしたの?」


イカスタコス「えぐ…えぐ…」

木曾「アイツ……あの時のか??外套膜が無くなってるが…」

那珂「え?生きてたの?」

ビスマルク「知り合いなの?」

木曾は赤くなって泣きじゃくれてるイカスタコスの元に駆け寄ります

木曾「どうした、お前…大丈夫か?」

イカスタコス「うん……丸いのも全部落した、でもね……」

木曾「でも…?」

イカスタコス「…帽子、燃やされちゃったの…」

木曾「」

木曾(それ……帽子だったのか…!?)

イカスタコス「僕、嘘付いてたの…本当はイカじゃなくて…タコなの」

木曾「た、たこ…」

イカスタコス「いっつも海の怖い化物の座をイカに取られちゃってて…」

木曾(ん??)

イカスタコス「それで…イカみたいな帽子作って…立場に肖ろうと…」

木曾(他人のふんどしで相撲を取ろうとした訳か)

イカスタコス「でもッ!でも…僕の母さんは、イカなんです!!」

木曾「お、おう」

イカスタコス「母さんは…ちゃんと怖くて、ちゃんと優しかったんです!ちゃんとイカだったんですっ!!」

イカスタコス「本当なんですっ!お願いです!信じて下さいッ!!」


木曾(って言うか、俺、お前の名前すらも知らないんだけど…)

木曾「まあ、その……タコの癖に、頑張ったな」

イカスタコス「ぐすっ……ぐすっ…」

木曾「お前が居なかったら…俺…俺達は帰って来れなかったよ」

イカスタコス「……ホント…?」

木曾「ああ、お前は…その、なんだ、化物の座を争うんじゃなくて、自分が出来る事で自分の存在をアピールしたら良いんじゃないか?」

イカスタコス「僕の…出来る事?」

木曾「ああ、人助けとか…怪しい奴を撃ち落としたりとか…有るだろう」

イカスタコス「……」

木曾「そういう自分にしか出来ない事で、勝負したら良いんじゃないか?」

イカスタコス「……そっか、そうだよね……」


イカスタコス「そうだよねっ!!甘ッたれてたよ…僕、やってやるさっ!!」

木曾「その意気だ!明日からお前は富士山だっ!!」

イカスタコス「おうっ!!」


木曾「……ところで、お前誰?」

イカスタコス「イカスタコスって言います、今まで知らなかった?」

木曾「知らなかったよ、美味そうな名前だな」

イカスタコス「食べちゃいやん」

木曾「食わないから!」

木曾「兎に角、腐らずに明日からでも頑張れ!」

イカスタコス「はい!」

ビスマルク(あれ……?何だか私達…置いてけぼりじゃない?)

那珂(うーん……慣れとこうよ)

<おーい!

ビスマルク「?この声は…?」

フラッフ「木曾ーっ!!」

リボン「木曾しゃーんっ!」

木曾「お、お前等!ただいま!」

フラッフ「『ただいま』、じゃないよ!あんな爆発が有ったのに一体何処ほっつき歩いてたのさ!」

リボン「巻き込まれたらどうするつもりだったんでしゅか!!」

木曾「大丈夫だって、キチンと身を隠したし、仲間にも出会えた」

フラッフ「仲間って言うのは…」


ビスマルク「……?」

那珂「…や、やっほー?」フリフリ

フラッフ「あの、二人の事?」

木曾「ああ、どうやらアミーボ・アモーレの手先に連れて来られたらしい」

フラッフ「艦娘…か」

リボン「二人とも綺麗で可愛いでしゅ!」


リボン フラッフ「「……じゃなかった」」

フラッフ「兎に角、ああいう危険な事が会ったらまずボク達と合流する事、良い?」

木曾「…悪い」

リボン「……生きて帰って来てくれたから良いけど…」ムス

木曾「だから怒るなって、二人の事を紹介するから」


木曾「この二人の片方が軽巡洋艦の那珂、もう片方がドイツの戦艦のビスマルクだ」

ビスマルク「Guten Tag. 私がビスマルクよ、良おく覚えておいて」

那珂「初めまして!艦隊のアイドル、那珂ちゃんだよー!」

フラッフ「ボクが毛糸の国の王位継承者、フラッフさ。宜しく」

リボン「わたちはリボンでしゅ!宜しくお願いしましゅ!」

ビスマルク「ふんふん、毛糸の姿が可愛いわね」

木曾「俺だって毛糸だよ?」

フラッフ「キミだって毛糸じゃないか」


ビスマルク「……え?止めなさいよ、そんな冗談」

那珂「気が付かなかったけど、那珂ちゃんも毛糸なんだねー」

ビスマルク「え」

リボン「ビスマルクしゃん……諦めるでしゅ、貴方も立派な毛糸でしゅ」

ビスマルク「そ、そんな……ドイツの…重厚、かつ洗練されたデザインが…」

木曾「まあ、戻るまでの辛抱だ」


フラッフ「所で、何が有ったのか聞かせてくれるかな」

木曾「おう、実は…かくかくしかじか…まるまるぶたぶた…」

ビスマルク(…!?)

フラッフ「ふむ…つまりは深海棲艦後期型というキミ達の敵が、ここにも送り込まれていたと」

木曾「ああ、アミーボ・アモーレとも繋がっている」

ビスマルク(つ、伝わっている…!?あんな頓珍漢な言葉で!?)

ビスマルク(ヤパンの情報伝達術…侮りがたし…!)


リボン「だとすると…アミーボ・アモーレの狙いは何でしょうか…?」

フラッフ「分からない、今は部下を潰して行くしか無い」

木曾「それにしたって行く宛てが無いだろ?どうするんだ」

フラッフ「それは……」


ビスマルク「あの……私達が誰に送り込まれたのか、気にならない?」

フラッフ「??知っているのかい?」

那珂「態々名乗られて姿まで見せられちゃ知ってるよ、知り合いレベルだよ」

木曾「ほお…?」

リボン「聞かせて欲しいでしゅ!」

ビスマルク「シルクハットを被ったカボチャのマジシャン…ランプキン。彼はそう言っていたわ」

那珂「私達の他に、プリンツ・オイゲンって言う子も攫われちゃって…」

リボン「おぉ!それなら丁度良かったでしゅ!」

フラッフ「ホント、まさか割と行き先が直に決まるなんてね」

ビスマルク「??」


フラッフ「実はファンタジーランドのメロディタウンで、そのランプキンによるマジックショーが今日開かれるんだって」

リボン「そこにプリンツって人も居るかもしれましぇん!」

ビスマルク「…ふむ」

木曾「どうする?」

ビスマルク「…行くしか無いでしょ」

那珂「行くしか!」

木曾「っし…決まりだな!」


木曾「ランプキンのマジックショーに殴り込みだ!」

ビスマルク「gut!」

リボン「待つでしゅ」

ビスマルク「?」

リボン「真っ正面から行ったんじゃあ、追い出されるだけでしゅ」

リボン「ここはチケットを買って入場して、隙を見て挑んだ方が良いでしゅよ」

ビスマルク「確かに…いきなり喧嘩腰で居れてもらえるとは思えないものね」

木曾「隙を見て奴に挑むと、中々に良いアイデアだな!」

フラッフ「これで行こう、ランプキンを倒してプリンツさんを助けなきゃね」

那珂「よーし!そうと決まれば正義は急げ!早く行こうよ!」

木曾「応!では気を取り直して…」



「「「「「いざ、ファンタジーランドへっ!!」」」」」




                                     ☆ NOW LOADING……





ーーーファンタジーランド メロディタウンーーー

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=OKhNXNjSQkU(メロディタウン)

木曾「さあ、着いたぞ!」

ビスマルク「え、あら!?さっきまでビーチに居た筈じゃ!?」

フラッフ「それがロードって奴だよ」

那珂「凄い便利だね!でも乱用は良く無さそう…」

木曾「そりゃあな」

メロディタウンの真ん中に、お客で賑わっているとても大きなテントが有ります。
あそこにランプキンが居るのでしょう。

木曾「テントが有る…」

那珂「あそこにランプキンが……!」

フラッフ「…よし、行こう…予定通りにチケットを買おうね」

ビスマルク「分かってるわ、行きましょう」

続きは明日の未明です。
次回はいよいよランプキンとの戦い。
ランプキンは個人的に気に入ったキャラなので強化がされています。

ーーーテント前ーーー


ザワザワ……

木曾「結構混んでるな」

那珂「そんなに凄いマジックショーなのかな?」

ビスマルク「さあ…種も仕掛けも有りますよって書いては有るけど」

フラッフ「まあ、見てみない事には分からないんじゃない?」


フエヘー「ナランデー」ピッピッ ピッピッ

リボン「でも、行列整理が出来る程度には凄いって事でしゅよね」

木曾「ふむ…しかし、これじゃあ中々入れないな…」

ケンヘー「ア、オキャクサン」

ビスマルク「?何よ貴方」

ケンヘー「ハイッテッテ、ハイッテッテ」

那珂「さ、先に入れって言ってるのかな?」

フラッフ「何のつもりだろうね」

リボン「ていうか、わたち達が来る事…もうバレてるんでしゅか?」

木曾「当たり前だろ、俺達は人形なんだ、こんな形の奴何て何処探したって地球しかねえよ」

ビスマルク「確かに…少し目立ちすぎてるわね」

ケンヘー「ハヨハヨ」ピョコピョコ

那珂「…まあ、ここは言葉に甘えとこっか」

木曾「そうだな…行くぞ」

フラッフ「ラジャー」

ケンヘー「ゴメイサマ、ゴアンナーーイ」


ーーーテント 内部ーーー

ワイノワイノ

ビスマルク「うわっ、結構人が入ってるわね…!」

フラッフ「相当に手品の品質が良いんじゃないかな、種も仕掛けも有るけど」

リボン「まあ、先ずは席について待つでしゅね」

ケンヘー「セキハコチデスヨー スワテクダサーイ」

ケンヘーに連れられた一行は、用意されている席に座る。

フラッフ「さて、何時始まるのかな」

那珂「待ってるのは流石に退屈だよねー…」

ビスマルク「まあ、もう少し待ちましょう」

ーーー数分後ーーー

木曾「……」ウツラウツラ

ビスマルク「…………」

那珂「……あのー」

ビスマルク「え…?いや、寝て居ないわよ?バカ言わないで」

那珂「そうじゃなくて…もうすぐ始まるよ?」

ビスマルク「あ…そうなのね、木曾。始まるわよ」

木曾「ん…?お、おぉ…」

フラッフ「お疲れさん、もう少し頑張って」

木曾「ん…」ゴシゴシ


パフパフ…パフパフ…

木曾「ん…?」

ビスマルク「車……?ちっさいわね」


呆気て居ると、小さすぎる車の扉が開いて、少しキツそうに手品師が出て来ます。
ランプキンです。


ランプキン「おい…しょっと」


ビスマルク「出たわ!」

木曾「ああ…だがまだだ、もう少し待て」


手品師は指を軽快に弾き、ショーの始まりを告げます。



ランプキン「it's Great Show time!!」

かけ声に呼応するかの様に、大量のトランプがテントの中を舞います。

オォォォォォ!!

木曾「ほー…凄いな」

ビスマルク「見た?見た!?指鳴らしの後にトランプがぶわーって!」

那珂「はいはい、はしゃがずに見ましょうねー」

ビスマルク「おぅ」


トランプに隠されながら、蓋が開けられた大きな箱が現れて行きます。

ホーヘー「」ワニャワニャ

ホーヘー達は、どうやらその箱に入って行く様です。

ランプキン「」クイッ

空を舞っていたトランプが一斉に箱に向かって飛び、箱をそのまま八つ裂きにしてしまいました。

木曾「何だあのトランプ!?」

リボン「箱を切断した…!?」

切断された箱からは鳩が飛び出し、トランプとともに空中を舞って行きます。

オオオオオオオオ!!!

ビスマルク「す、凄い手品ね…!」

フラッフ「アレで本当にタネとしかけが有るの?」

木曾「さあな、あのトランプは危険なブツだってのは分かる」


ゴトトトトト……

カーテンの奥から、キャリアーに乗せられた籠が出て来ます。
その中には、何とプリンツ・オイゲンが入っている様です。

ビスマルク「ぷ、プリンツ!?」

リボン「ほら、やっぱりアイツの元に居まちた」



ランプキン「さあて皆さん、この籠の少女にご注目下さい!」

テントの中の客の視線が籠の中に居るプリンツに集中します。

オイゲン(す、凄い…見られてる…)

ヴァサッ!!

オイゲン「わっ!?」

ランプキンは直ぐさまにプリンツが入った籠に大きな布を被せます。

カッ!!

木曾「っ!?」

那珂「な、何!?」

今度は木曾達の座っている席に光が照らされます。

ランプキン「今度は、あちらの婦人にご注目下さい」

客の視線が、今度は木曾の方に向かれます。

木曾(一体……何をする気だ…?)



ランプキン「さあ……eins zwei dreiッ!!」ヴァサッ!!

布を思い切りめくると、籠の中に木曾が入れられていました。

ワァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!

木曾「なっ………!?」


凄まじい手品に、会場に強い歓声と拍手が鳴り響きます。

ビスマルク「え、えええ?!wahrscheinlich liegen !?」

オイゲン「え……何でビスマルク姉様が隣に!?」

ビスマルク「え…もう!何なのよ!?」

今まで木曾が座っていた席には、プリンツが座っていました。
どうやらあの手品は、物体を入れ替える手品だった様です。

フラッフ(物体の……入れ替え!?)

リボン(たかが大きいだけの布きれでそんな事が…!?)

五人が目の前で起きた事を必死で把握しようとしているのを尻目に、客達は未だに歓声と拍手を送っています。

ランプキン(フッフッフ…どうです皆さん、この手品は)

ランプキン(このディメンションズ・クロースは、相手を入れ替えたり、絵を実体化させたり出来るのです)

ランプキン(私の自慢の手品……存分に御賞味あれ)

スルルル……

ランプキン「ん?」

閉じ込められていた木曾は一本の糸に変身し、狭い間を通って脱出します。

ランプキン「ほぉ?」

脱出した後、一本の毛糸から元の姿へと変えて行きました。
そのまま軍刀を抜いて…

ザシュッ!!

そのままランプキンの首を落とします。

キャァァァァァァァァァッ!!!

フラッフ「ちょ!?公の場で何やってるんだよ!?」

リボン「皆が驚いてましゅよ!?」

ビスマルク「私はもう既に驚くだけ驚いたんだけど」

オイゲン「えっと…何がどうなって」

ヴァララララララララ……

木曾(!?)

突然、切り離された首と身体はトランプへと代わりバラバラになって散って行きます。

木曾(偽物…!)


「どうですかな?私の手品は」

木曾「…本当に種としかけはあるのか?さっきから夢を見ている様な気分だ」

ランプキン「有りますとも、是非共解いて下されば…ね」


木曾「お前かな、アミーボ・アモーレと繋がっているランプキンってのは」

ランプキン「ほほう、私も有名になったものだ……その通りだよ、お嬢さん(フロイライン)」

木曾「……深海棲艦とは、どういう関係なんだ」

ランプキン「まあまあ、そう焦らないで下さい。私とて全てを知っている訳でもありませんし、知るのも面倒臭い」

木曾「………」

ランプキン「楽しんでくれたまえよ、我が手品の見本市…マジックショーを!」

指を鳴らすと、木曾の真上から重りが落ちて来ます。

木曾「!」

咄嗟に木曾は後ろに飛び、重りの一撃を逃れます。

ザワザワ……

木曾「ふ…場所さえ有れば十分だ、お前を無力化するにはな」

ランプキン「…ヒュゥ」


リボン「た、戦いが始まりましゅ」

フラッフ「大丈夫かな…ランプキン、予想以上に手強そうだぞ」

ビスマルク「何、いざと言う時は私が居るわよ」

オイゲン「???」

フラッフ「あの、ゆっくりで良いから…状況を理解しよう、ね?」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=4g4_0PSt3XY&spfreload=1(ランプキン)

ランプキン「」ビュォッ!!

ランプキンは木曾に向けてトランプを投げ飛ばしますが、木曾は躱します。
切り落とされたのは重りの上半分。

木曾(あのトランプ…やっぱり厄介だな。)

木曾(何をして来るかも分からない…ここは回避に徹するか)


ランプキン「おっと、後ろががら空きですよ?」

木曾「!」ビュッ!

咄嗟に軍刀を振るい、ランプキンに攻撃します。

ガギィン!

ランプキン「ふん!」ギッ!

相手も負けじとトランプで受け止め、そのまま弾きます。

木曾「くっ!」

ワァァァァァ!!

ランプキン「さあ、私の手品を見せてあげましょう。」

ランプキンはミサイルが描かれたスケッチブックを取り出し、それを布で隠します。

木曾(さっきの布…!)

バサッ!

布が取られ、実体化したミサイルが襲いかかって来ます。

木曾「うぉぉ!?」サッ

ドガァァァァァァァァァン!!!

キャアアアアア!!

木曾(コイツ…大勢の人が居る所でも構わずやって来やがる…!)

ランプキン「どうです、これぞ私の手品の一つ。ディメンションズ・クロース」

ランプキン「私の手品に、一切の常識は通用しません。何故なら私は…」



ランプキン「マジシャンだから!!」

木曾「……」

木曾(どうする、艤装を出して牽制するか?)

ランプキン「さあさあ、マジックショーはまだ始まったばかりです。存分に…」


「Feuer!!」

木曾「!」

ドォォン!!

突如、何処からかランプキンに向けて砲撃がされます。

ランプキン「」サッ!

彼は反射的に2の数字が書かれたトランプを取り出し、容易く砲弾を受け止めます。

木曾「な…!?」


ビスマルク「…!受け止められた?」

那珂「そんなあ!完全に隙を付いていたのに!?」

フラッフ(やはり強い…!)

ランプキン「チ!」バサッ!

ランプキンは大きな布を瓦礫に被せ、そのままビスマルクと入れ替えます。

ビスマルク「……!?」

そのまま間髪入れずに大きな爆弾を取り出し、毛糸で縛って括り付けます。
この間、僅か1秒。何と凄まじい手さばきでしょうか。

ビスマルク「…がっ!?」

木曾「び、ビスマルク!!」

ビスマルク(な、なんて手が早いの…!)

ランプキン「私が手品を疲労している時の横槍や不意打ちは許さない。何故なら私は…」


ランプキン「マジシャンだから!!」

木曾「大事な事なのか、それ」



オイゲン「え…ビスマルク姉様!?姉様ぁ!」

リボン「何でしゅかアイツ!手を動かすのが早すぎましゅ!」

那珂「これは…那珂ちゃん達も乗り込まなきゃ勝てないかも…!」

>>869で間違いですよー

○ ランプキン「私が手品を披露している時の横槍や不意打ちは許さない。何故なら私は…」



フラッフ「四の五の言ってられないね…ボク達も乗り込もう!」

オイゲン「や、ja!」

那珂「中破してて不安だけど…頑張っちゃうよ!」



ビスマルク「ちょっとちょっと貴方、強すぎるでしょ!不意打ちも見切って短い間に一気に攻めるとか!」

木曾「戦士だったら敵にしたく無いな。」

ランプキン「当然。手品からのどんなに小さな目逸らしも見逃さない。何故なら私は」


ランプキン「マジシャンだから!!」

木曾「それは聞き飽きた、レスの無駄だからちゃっちゃと始めるぞ!」

フラッフ「木曾ー!」

木曾「フラッフ!来てくれたか!」

リボン「私達も、何とか戦いましゅ!」

那珂「囲んで棒で叩くよ!」

木曾「…有り難い」

ランプキン「おやおや、お客様がこんなに…手品師冥利に尽きますなあ」

オイゲン「貴方!ビスマルク姉様を離して!」

ランプキン「折角捕まえたのに?可笑しいと思いません??」

オイゲン「…!」ギリッ

ランプキン「助けたくば、自らの力で助ける事だ」パチンッ!

爆弾の導火線に火が付きます。

那珂「ああっ、火が!」

木曾「俺が助ける、お前達はランプキンに付き合っててくれ!」

フラッフ「?わ、分かった!」

ランプキン「さあ、追加のお客もたっぷり持て成しますよ」

フラッフ「望む所さ、来い!」

再びトランプが大量に空を舞い、フラッフ達に襲いかかる。

オイゲン「わあ!?」

那珂「ちょっと数が多いよー!」

ランプキン「ふははは!手品に真っすぐ立ち合ってくれる客程嬉しい物は無い!」

リボン「このぉ!」ヒュバッ!

リボンは毛糸を伸ばし、トランプを摘み上げて投げつけます。

ランプキン「ぐ!?」

トランプの強さのお陰か、当たったランプキンも受け流しきれずに落ちて行きます。

リボン「今でしゅ!ものどもかかれー!」

オイゲン「分かったっ!」ジャコッ!

那珂「やっちゃうよー!」

ドゴォォォォォォン!!!

艦娘が一斉に射撃している横で、木曾はビスマルクに巻き付いている毛糸を切り落としていました。
丁度、最後の糸が切られる様です。

木曾「よっ……そらっ!」ズバッ!

ビスマルク「っ…ありがとう、また助けられてしまったわね」

木曾「もう少し回りにも気をつけた方が良いぞ」

ビスマルク「そうね…さあ、離れましょう」

木曾「ああ」

二人は爆弾からそそくさと離れて行きます。

パァァァン!!

爆弾はそのまま爆発し、間の抜けた音と共に紙吹雪になって散って行きます。

ビスマルク「……何よアレ、馬鹿にしてるのかしら?」

木曾「さあ、只、ランプキンは戦いのつもりでやってる訳じゃないだろう」

ビスマルク「舐められたものね、完膚なきまでに叩き潰して…」

木曾「無理だな、奴は手品を邪魔されたら何をして来るか分からないぞ」

ビスマルク「……深海棲艦後期型やその仲間には狂った奴しか居ないのかしら」


コォォォォォォォ……

その頃、那珂とプリンツの砲撃によって、ランプキンが居た所に煙に包まれていました。

オイゲン「……」

那珂「やった……よね?」

オイゲン「あーっ!?それいっちゃダメぇ!!」

那珂「え?」

煙が晴れ、傷ついたランプキンが見え始めて来ます。

オイゲン「あ…良かった、やってる…!」

しかし喜びも束の間、ランプキン…偽物のランプキンは、トランプと変わり、バラバラに散って行きます。

オイゲン「に、偽物……そんなあ……」

那珂「ご、ごめん!那珂ちゃんの所為で…」


ランプキン「いやいや、貴方方は良く踊ってくれましたよ。お陰で私の手品も一層映えました」

オイゲン「!後ろ…!?」

那珂「な、何なの貴方!さっきの偽物は何!?」

ランプキン「これぞ私の手品の一つ。『イミテーション・ロックフォーゲル』…トランプで私の偽物を作り、デコイとする手品です」

オイゲン「と、トランプで作った割にはまるっきり貴方にしか見えなかったけど!?」

ランプキン「私の自信作、気に入って頂けたかな?」

那珂「頂けませんね!」

ランプキン「私としては、こう言うのは割と好きなんですよ」


ビスマルク「ふん、人が知れるわね」

オイゲン「!ビスマルク姉様!」

ランプキン「おやおや…如何でしたかなお嬢さん?我が手品は」

ビスマルク「そうね……正直、あんなに超常的で、種もしかけも有るのは凄いと思うわ」

ランプキン「そうですか、御褒めに預かり歓喜の極み」

木曾「その手品への執念をもう少し他の事に生かしたらどうかなとは思うがな」

ランプキン「私が何をやろうと私の勝手です、貴方方が口出しする権利は無い」パチンッ

指を鳴らして大きな帽子を三つ出現させ、真ん中の帽子に隠れてしまいました。

ビスマルク「今度は自分がコインかしら?」

フラッフ「隠れるなんて卑怯だ!」

ランプキン「開かぬと不平を言うよりも、進んで扉を開きたまえ!」

三つの帽子はくるくると移動し、真ん中の帽子は右へと左へと動き回ります。


ランプキン『さあどっちがどっちだか分からないだろう?私の居る帽子を当てて見せろ!』

木曾「く…奴は何処に…!」

オイゲン「……あれ、那珂ちゃんは!?」

リボン「あ…本当だ、居なくなってましゅ!」

フラッフ「な…こんな時に何処行ったんだよ!」

木曾「……」


ランプキン(ふふふ……さあどうした、早く見つけろ、もたもたしている暇は無いぞ?)

フ・フ・フ・フ

ランプキン(?声が…どこからだ?)

ウフフフフフフフ……

ランプキン(誰だ、何者だ!!)

ギュウウウウウウウ…


那珂「つ・つ・つ・つ・つ。捕まえた♡」

ランプキン「」



「んんのぉわあァァァァァァァァァァァァッ!!!!!??」

一同「「「「「!?」」」」」

突然、左側の帽子が大きく飛び上がりました。中で何が有ったのでしょうか

「ちゅーちゅー!!」

「の、の、にょぉわあああああああああああアッーーーーー!!!!」

飛び上がった帽子は大きく揺れ始め、ぱたぱたと激しく蠢いています。

フラッフ「ま、まさか…」

オイゲン「あの中に…?」

チーン

暴れる様に動いていた帽子はぴたっと止まり、静まり返りました。

ビスマルク「………?」

木曾「……」


モゾモゾ

ランプキン「ぜえ…ぜえ…まさか潜入されてたとは…」

帽子から疲れた様子のランプキンが這い出て来ます、それに続いて誰かが帽子を出ます。

那珂「ぷはー…反撃大成功!」スクッ!

ランプキン「どわっ!?」ゲシッ!

フラッフ「な、那珂!」

オイゲン「何時帽子の中に居たの?」

那珂「ひ・み・つ☆」

フラッフ「ウザっ」


ランプキン「ぐぐ…中々やるじゃないか…!」プルプル

木曾「おお…相当追いつめられた様だな」

ビスマルク「追撃よ!」ダッ!

オイゲン「はいっ!」ダッ!

ビスマルクとプリンツは二人でランプキンに狙いを付け、攻撃の準備をします。

ビスマルク「さあ、食らいなさい!!」ドォォン!!

オイゲン「ふぉいやー!ふぉいやー!!」ドォン!!

ドゴォォォォォン!!!

ランプキン「ぐぉぉっ!!」

冷静さが欠かれた隙に一気に攻められ、受け流すのも精一杯になりました。これはチャンスです

那珂「今だよっ!」

木曾「おうッ!!」ダッ

木曾は一気に跳躍し、ランプキンの元に向かいます。

ランプキン「ち…ふん!!」ビュッ!

ランプキンはトランプを一枚投げつけ、迎撃を試みます。

木曾(…っ!)

フラッフ「させるか!!」ヒュバッ!

寸での所でフラッフが掴み、そのまま投げ捨てます。

フラッフ「行け!木曾!」

木曾「分かってるっ!!」シャキンッ!!

ランプキン「!」

木曾が軍刀を抜き、止めに入ります。
ランプキンも負けじとエースのトランプを出し、迎撃態勢に入ります。

木曾「うぉぉおおぉォおおオォッッ!!」ギュオッ!

ランプキン「なあァあァァァ*めぇええェェるゥゥゥうなあぁッ!!!」グォォッ!!




ドッッギャギャギャギャギャギギギギギギッ!!!

リボン「ひゃっ!?」

ビスマルク「しょ、衝撃が…!」

木曾の軍刀、ランプキンのAトランプが打つかり、鍔迫り合いを引き起こします。

ギギギギッギギイギギギ……!!

木曾(っ…!力が強い……腕が折れそうだ…っ!!)

強すぎる力が身体にも走り、歯を食い縛って耐えます。

木曾(こうなったら!)ガコンッ!

艤装を展開し、魚雷発射管を向け発射姿勢に入ります。

ランプキン「!」

木曾「チェックメイトだッ!!」


ボシュッ!!


希望を乗せて魚雷が放たれ、ランプキンに直撃します。

ボガァァァァァァァァァァァァァン!!!!!

木曾(やっ…たか!)

爆風で木曾は吹っ飛ばされながらも、柱に捕まって体勢を整えました。

フラッフ「木曾っ!」

ビスマルク「やったわね!」

木曾「お……う、やった…な」

力が抜けた木曾は、そのまま柱からずるずると落ちます。

ドサッ!

リボン「木曾しゃんっ!」

フラッフ「大丈夫っ!?」タッ

皆が一斉に倒れた木曾の元に駆け寄ります。

木曾「っ……悪い、連日で動き詰めだったから……身体が動かねぇ」

木曾「ガチで、大マジで、身体が岩みたいに動かねえ」

那珂「そうなんだ……よく保ったなぁ…」

オイゲン「無理し過ぎだよ…」

フラッフ「……お疲れさま」

木曾「……おぅ、お前も……皆も、ありがとうな」

リボン「と、当然でしゅよ!ね?」

ビスマルク「そうよ、当たり前じゃない」

木曾「そう…かい……へへ」



パラ…パラパラ……


「ぐ、ぐぐ……う」

那珂「!」

ランプキン「…たたたた……危うく死んでしまう所だった…」ボロ……

ビスマルク「貴方も可成りボロボロじゃない」

木曾「おお……お前も、俺と同じで満身創痍か」

ランプキン「それは、違うねえ…ほらっ」ポイッ

木曾「?」

そう言うとランプキンは、木曾に向けてMの文字が書かれたトマトを投げつけました。

リボン「!」パシッ!

フラッフ「これは……メタモルトマト!?」

ランプキン「いや、マキシマムトマトだよ」

フラッフ「なんだ、マキシマムか」

ビスマルク「どういうつもりかしら?」

ランプキン「……礼ですよ、礼」

ランプキン「久しぶりに私を追いつめた…手品の改善、新たなるレパートリーの切っ掛けをくれた事のね」

那珂「徹頭徹尾手品の事しか考えないんだ」

ランプキン「ええ、それが私の欲ですから…」

リボン「…はあ、まあ良いでしゅよ。毒が入っていないのなら」

ランプキン「勝利が欲しい訳では御座いません…手品で皆が驚けばそれこそ歓喜…」

ランプキン「それにねお嬢さん、疲れ果てるのはまだ早い。まだ私以外にも敵が居るじゃないか」

木曾「?」

ランプキンは続いて、靴下を投げ渡します。
あの魔法の靴下を。

フラッフ「わわ…ま、魔法の靴下?」パシッ

那珂「それだ、那珂ちゃん達が吸い込まれたの」

ビスマルク「帰してくれる……訳じゃあ、無いわよね?」

ランプキン「ええ、帰るには…そこのお嬢さんの敵を倒さねばね?」

木曾「……アミーボ・アモーレか」

リボン「でも、居場所さえ教えてくれれば自力で行きましゅよ?」

ランプキン「……結論から言おう、Mrアミーボ・アモーレの狙いは毛糸の国等ではない」

一同「「「「「「!?」」」」」」

ランプキンの口から衝撃的な事実が出て来ました。アミーボ・アモーレの狙いが毛糸の国ではないとは、どういう事でしょうか。

フラッフ「どういう事かな?」

ランプキン「そのままだ、毛糸の国を狙うと言う目的自体、お前達を引き寄せ、疲弊させる為の寄せ餌でしか過ぎない」

ランプキン「どうやら北方棲姫は、それの演出、補佐を良くやってくれた様ですねぇ」

リボン「噂をバラまいてたのは…敵自身だったんでしゅか!?」

ランプキン「ああ、間接的な果たし状の様な物だ、『ここまで来い』とな」

オイゲン「…それで、その…編み棒・ナンチャラの目的は?」

ランプキン「アミーボ・アモーレだ……彼はその魔法の靴下を使い、沢山の惑星に深海棲艦達を送り込んで資源地としての制圧に貢献している」

ランプキン「可哀想に、今は地球がターゲットと成っているらしい」

木曾「…!」

ビスマルク「!」

ランプキン「分かっただろう?その靴下は地球にと繋がっている、大方私が勝利したら行ける様にと設定されていたのだろう」

フラッフ「……帰るなら、アミーボ・アモーレを倒し、チンキュウを救えと」

那珂「地球だよ地球」

ランプキン「その靴下の片方はMrアミーボ・アモーレが持っている、何の道彼を倒さねば貴方方は帰れないのだ」

木曾「はは……少しした事件のつもりが、計画に巻き込まれるなんてな…こりゃ、一日中寝られる時は二度と無いかもな…」

ランプキン「全く持って迷惑千万、大層な目的等持つだけ無駄だと言うのに」

ビスマルク「……どうして貴方は、私達にそれを教えたの?」

オイゲン「雇った人を裏切る様な真似したら…!」

ランプキン「興味ない。あの様な大掛かりな目的を楽な手で解決しようとする連中でも、私の手品のレパートリーを増やすのに役立ってくれた」

ランプキン「私は最初から、奴らに手を貸すつもりで雇われた訳じゃあ無いのでね」

フラッフ「……」ヤレヤレ

ランプキン「それに、貴方方がその靴下を使った位で、私が裏切った事には成らない…冷める熱りも無いから、楽だよ」

リボン「貴方、凄くムカつくお人でしゅね」

ランプキン「ぐ…直に真っすぐ言われると少しクる…」

ビスマルク「良心は有るみたいね」

那珂「良くも悪くも手品師なんだなあ」

ランプキン「ま…まあ…とどの詰まりは『元気出して奴を倒して大団円にしろ』。だ…後もうひと頑張りですよ」

フラッフ「…言葉に甘えさせて頂くよ」

ビスマルク「フラッフ…」

フラッフ「どうせ奴を倒して靴下を取り戻さなきゃ解決しないんだ、だったらここは大船に乗ろうじゃないか」

木曾「そう…だな、俺もそのつもりだ…」

リボン「あ……ほら、トマトでしゅ」スッ

木曾「おう…」


ランプキン「では、皆様…私はそろそろこれにて離れます」

フラッフ「もう帰ってしまうのかい?」

ランプキン「ええ、こっ酷くやられましたから」

ビスマルク「私達の実力、痛い程知った様ね」

ランプキン「ええ、とても面白い」

ランプキン「では皆様……Achtung(気を付けて)、また会う日まで」

リボン「二度と来なくて良いでしゅよ」

ランプキン「相変わらずキツい……では」

ランプキンはマントに身を隠し、そのまま何処かに消えてしまいました。
辺りにはいつの間にか客も消え、すっかり静かになっていました。


シャリシャリ……

木曾「……ぷはっ、相変わらず美味いなぁ、マキシマムトマト!」

ビスマルク「そんなに美味しいの?」

木曾「美味いぞ、元気にもなるから食ってみろって」テカテカ

ビスマルク「じゃあ一齧り貰うわ」シャリッ

オイゲン「……ど、どうですか?」

ビスマルク「………」

オイゲン「ね、姉様??」


ビスマルク「(`・ω・´)b」グッ!!

オイゲン「うわっ、凄い笑顔だ!」

木曾「美味いだろ?」ピカピカ

ビスマルク「ええ、こんなに美味しいのは初めて食べたわ」キラキラ

オイゲン「わ、私にも下さい!」

ビスマルク「ええ、仲良く食べてね」

オイゲン「ありがとうございます!あむ…」ショリッ

那珂「あむ!」ショリ!

リボン「あむ!」ショリ!

フラッフ「パクッとな」シャリッ!

オイゲン「ぷわっ!?」

那珂「うーっ」

リボン「うー!」

フラッフ「うー」


「「「マンボ!!」」」

オイゲン「っ…鯉みたいに群がらなくていいから!」

フラッフ「美味しいねこれ」

リボン「うん!とっても!」

那珂「那珂ちゃんなんてさー、食べたら中破してたのに治っちゃったよー!」

木曾「どうやらそれ、回復もしてくれるらしいぜ」

オイゲン「ひゃー…便利だねー」

ビスマルク「一齧りでも効果あるのね」

木曾「……よし、元気も出したし行くか!」

リボン「はい!」

ビスマルク「早く終わらせて帰るわよ!」

オイゲン「じゃあ!出撃ぃ!」

木曾「何でお前が仕切るんだ」

オイゲン「えぇー」

木曾達は、地球に居るアミーボ・アモーレを倒すべく、靴下を使って地球へとワープします。


ーーー地球 北太平洋 ウェーク島ーーー
場所は変わって地球、北太平洋ウェーク島の深海棲艦基地。
アミーボ・アモーレと離島棲鬼が何かを話しているようです。

アミーボ・アモーレ「「離島棲鬼よ、地球侵攻の具合はどうだアミーボ?」」

離島棲鬼「御陰様で順調だよ順調。大西洋方面艦隊からの通信だと、U-ボートのVII型を鹵獲したってさ」

アミーボ・アモーレ「「艦娘?」」

離島棲鬼「そう、艦娘…ここにはそれが一杯居るからさ、鹵獲して良い様に使える、言って見れば地球の特産品だね」

アミーボ・アモーレ「「そうかそうか、それは何よりでアモーレ」」

>>893
IXC型だった……ごめんぬ

○離島棲鬼「御陰様で順調だよ順調、大西洋方面艦隊の通信だと、U-ボートのIXC型を鹵獲したってさ」

アミーボ・アモーレ「「…しかし、損害が無い訳じゃあ無いだろう?」」

離島棲鬼「…ああ、あの『霧』ね。割と邪魔いよ彼奴等。特に蒼森の鋼とか言う奴」

アミーボ・アモーレ「「蒼き鋼…黒き艦隊…緋色の艦隊…ざっと見ただけでも厄介者だらけだアミーボ」」

離島棲鬼「ま、仕様がないよ…何れ、ダークマターの力を思い知らせてやるんだから」

アミーボ・アモーレ「「アミーボッボッボッボ、御主も悪よのう」」

離島棲鬼「いえいえ、貴方様程では~」

「「「おほほほほほほほ」」」


そんな他愛の無い話をしていると、アミーボ・アモーレの靴下が光り出しました。

離島棲鬼「わ、光ってるよ」

アミーボ・アモーレ「「お、ランプキンが上手く殺ってくれたアモーレ」」


木曾「俺☆参上!!」バッ!

靴下から飛び出して来たのは、木曾でした。

アミーボ・アモーレ「「んな…っ」」

離島棲鬼「艦むっ…ブミッ!!ぶぇ!?!」1HIT!

続いてフラッフ、リボン達が順番に出て来ます!

フラッフ「ウンジャラゲーの!」ゴッ!!

離島棲鬼「おぐ!?」2HIT!

リボン「ハンジャラゲ!」ゴスッ!!

離島棲鬼「あだっ!?」3HIT!

那珂「スイスイスーイのモーリモリ!」ズン!

離島棲鬼「あばっ!!」4HIT!

オイゲン「キンキラキンの!」ドゴッ!

離島棲鬼「ざなどぅ!」5HIT!

ビスマルク「ギンギラギン!」ドグッ!!

離島棲鬼「ふぁざなどぅっ!!」6HIT!!!

木曾「っ……ランラ ランラ ランで!」スタッ

「「「「「 一 週 間 ! 」」」」」


EXCELLENT!!!

六人の連携が綺麗に刺さり、離島棲鬼はあっという間にのびてしまいました。

離島棲鬼「はうう……」ピヨピヨ

アミーボ・アモーレ「「なっ…何故お前達が!!」」

木曾「ふ、見て分からないのか?奴と戦い、勝って、靴下を奪い返したんだよ!」

フラッフ「後はキミだけだ!アミーボ・アモーレ!」

リボン「悪が栄えた試しは無いんでしゅよ!!」

アミーボ・アモーレ「「……クックック、善くもまあ、我々の計画に気付き、邪魔をしに来てくれたでアミーボ」」

オイゲン「うん、貴方の悪い営みもおしまいよ!」

那珂「観念しろー!」

アミーボ・アモーレ戦のBGMって64の通常ボス戦のBGMに似てるよね…

アミーボ・アモーレ「「ぐぐぬぬぬ……!」」

アミーボ・アモーレ((拙い……今、艦娘の艦隊を撃退するのに深海棲艦は全員出払ってしまっているアミーボ……))

アミーボ・アモーレ((仕方ない…こう成ったらワシ自ら…!))

アミーボ・アモーレ「「ふん…お前達なぞ、ワシが三秒で潰してやるでアモーレ!!」」

木曾「望む所だ!来い!」

ビスマルク「ドイツの科学力を嫌という程味あわせてやるわ!!」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=NW3jUDZg9Hw(アミーボ・アモーレ)

アミーボ・アモーレ「「まずはこれを食らうでアミーボ!!」」ヒュバッ!

アミーボ・アモーレは沢山の毛糸を伸ばし、木曾達に向けて放ちます。

木曾「躱せ!」

木曾の呼びかけに応え、全員は上手く毛糸を躱して行きます。

那珂「へたっぴー!」

リボン「そんなの当たりましぇんよー!」

アミーボ・アモーレ「バカが!後ろを良く見るでアモーレ!!」

オイゲン「え…!?」

>>898
どう見てもインスパイアしています、本当にありがとうございます。




伸ばされた毛糸は徐々に形を作り、深海棲艦の戦艦ル級を3隻形作ります。

木曾「う、生み出した!?」

オイゲン「嘘!?」

フラッフ「奴の能力の一つか!」

アミーボ・アモーレ「「ファファファファ!これぞライフ・クリエイト!」」

アミーボ・アモーレ「「さあ戦艦共よ!やっておしまい!」」


ル級(毛糸)「「「あらほらさっさー!」」」

三隻のル級に任せ、アミーボ・アモーレは安全な所に退避して行きます。

ビスマルク「っ、卑怯じゃない!?」

木曾「卑怯も戦法の内だ、戦い方としては間違っちゃ居ない!」

那珂「と、兎に角戦わなきゃ!」

ビスマルク「だったら、先手必勝よ!」ドォォン!!

彼女はそう叫び勇んで、ル級を砲撃します。


ドゴォォン!!!!
ル級「ぎゃっ!?」大破!

ル級「ち……くそ!」ドォン!!

ガギッ!!

ビスマルク「痛っ……ば、爆発しない?」

那珂「多分、弾薬までは編めなかったんじゃないかなあ」

オイゲン「舐めてくれちゃって……沈めるよ!」ドォォン!!

ドゴォォォォォォン!!

ル級「おっ」バラァッ

大破していたル級に攻撃がささり、バラバラの毛糸と成って消滅します。

ル級「このお!」ドォン!!

オイゲン「うげっ!?」ガィィン!!

木曾「隙有り!」ヒュバッ!!

ビシッ!!

ル級「ぐ!?」

毛糸を巻き付けたまま、そのまま別のル級に叩き付けます。

ル級「痛っ!!」

リボン「はーい、直に楽になるでしゅよー」ピシッ!

リボンが受け止めたル級に毛糸を巻き付け、そのまま解き捨てます。

木曾「ふんっ!」ヒュバ!

ル級「あ"っ」バラッ!

ビスマルク「えええええ!?ど、どうやるのよそれ!?」

木曾「簡単だ、掴みたいと思った物に手を向けて感覚を集中させろ」

ビスマルク「感覚…………こ、こう?」

ビスマルクの腕から毛糸が伸び、フラッフを捕まえます。

フラッフ「わあ!?何をするんだ!」

ビスマルク「ごめんなさい、手近に有ったから」


アミーボ・アモーレ「「バ、バカモーン!!倒すのが早すぎるでアミーボ!」」

那珂「らくしょーらくしょー!!」

ビスマルク「隙有りっ!」ブンッ!

フラッフ「え!?」

ビスマルクはそのままフラッフを投げ飛ばし、アミーボ・アモーレに当てます。


アミーボ・アモーレ「「ooohhhhhhh!?アウチッ!」」

フラッフ「な、何をするんだ!」

ビスマルク「ごめんなさいね、勝たないと行けないから」

木曾「簡単に勝利に貪欲になったな」

今日はここまで、明日アミーボさんと決着が付く……かも。このスレ中には第四話を終わらせます
またね陛下

ただいま陛下。さあ、書いて行きます。


アミーボ・アモーレ「「ぐぐぐぐ……ならばこれを喰らえ!!」」ヒュバッ!!

アミーボ・アモーレは凄まじい棒さばきで何かを生み出して行きます。

木曾「さあ、次のが来るぞ!」

那珂「よーし!センター取れる位に頑張っちゃうよー!」


ザバアアアアア!!

木曾「な……水!?」

ビスマルク「ちょ、ちょちょ!?」

フラッフ「!敵が出たよ!」


カ級(毛糸)「……」ゴボボ

ヨ級(毛糸)「……」ゴボボボ

離島棲鬼「がぼぼぼ……」ブクブク

リボン「あああああああ!!て、敵の一人が溺れてるでしゅーー!!」

アミーボ・アモーレ「「てへ☆気が付かなかったでアミーボ☆」」

木曾(うぜぇ)

アミーボ・アモーレ「「さあ、次の相手は潜水艦だアモーレ!」」

アミーボ・アモーレ「「自慢の巨砲も届くまい!」」

那珂「だったら爆雷で落すだけ!」

フラッフ「僕らは潜って奴らを解きに掛かる!」

リボン「攻撃出来ない人は回避に専念しててくだしゃい!」

オイゲン「う、うん!」

リボン、フラッフが水に潜り、潜水艦の元へと向かってゆく。

カ級「!」ボシュ!

ヨ級「…」ボシュ!!

察知した潜水艦は、迎撃の為に魚雷を放ちます。
でもフラッフとリボンはそれを読んでいました。

フラッフ(当たらないよ)サッ

リボン(べー!)サッ!

魚雷が外れ、挑発までされて敵の潜水艦は悔しそうに腕を振ります。

ドポォ……

カ級「!」

そんな時、海の中に爆雷が投げ入れられました。
それを察知した潜水艦達は、爆雷を避ける行動に入ります。

ボォォン!

ヨ級「!」小破!

カ級「!」中破!

装備が壊れつつも、何とか移動を続けます。


リボン(残念でした!)ゴボ

カ級「!」

フラッフ(もうちょっと探知制度を上げないと、只でさえ視界が悪いんだから)

リボンとフラッフが先回りして二隻に肉薄していました。

カ級「!」

潜水艦達は魚雷で対抗しようとしますが、時既に遅かった様です。

フラッフ(それ!)ヒュバッ!

リボン(でしゅっ!)ヒュバッ!

二人二隻ずつに毛糸で縛り、解いて毛糸玉にしてしまいます。


アミーボ・アモーレ「「あ!ならば増援だアミーボ!!」」ヒュバッ!

アミーボ・アモーレは素早く棒を振るい、潜水艦の増援を三つ繰り出して来ました!

リボン(フラッフしゃん!)

フラッフ(…OK!)

二人は一斉に毛糸玉を投げつけます。

ベギッ!!

カ級「!」バラァ

ヨ級「!」ググッ

一体はバラバラになりましたが、もう一体は持ちこたえた様です。

ヨ級「!」ボシュッ!

生き残った潜水艦は反撃にと魚雷を放って来ます。

リボン(わわ…どうしたら)

フラッフ(迷うな…行くよ!)

フラッフは魚雷を躱し、落ちていた爆雷を解いて毛糸玉にします。

フラッフ(ほら、キミも!)

リボン(は、はい!)ヒュバッ

リボンも爆雷を解いて毛糸玉にし、潜水艦に狙いを付けます。

リボン(当たって!)

フラッフ(それっ!)

二人が投げつけた毛糸玉は、海の流れを無視し潜水艦達に向かって直進します。

ドボォォォォォォォォォォ!!!

潜水艦に打つかった毛糸玉は海中で爆発を起こし、そのまま二隻をバラバラにしてしまいました!
何と言う破壊力でしょう。

リボン(ひゃあ……凄い…!)

フラッフ(ああ、そうだね…)

ザバァァ……

時間が経ったのか、水が引いて行きます。

木曾「!やったか!」

フラッフ「ああ、潜水艦は蹴散らしたよ!」

アミーボ・アモーレ「「おのれ~…!善くも散々コケにしおって…!」」

ビスマルク「喋る暇があったら避ける事ね!」

そういうと、アミーボ・アモーレに向けて自信満々に砲撃を放ちます。

アミーボ・アモーレ「「ほっ!そんな物当たらんでアモーレ!」」

アミーボ・アモーレは綺麗に回避し、体勢を整えました。

ビスマルク「へえ…少しはやるじゃない」

アミーボ・アモーレ「「お前達こそ…ならば、ワシの新発明を味あわせてやるでアミーボ!」」


アミーボ・アモーレは身体のどこからか鋼糸を出現させ、編み棒に絡ませて操ります。

オイゲン「あ、あれは!?」

木曾「気をつけろ!あれは只の毛糸じゃないぞ!」

鋼糸は一斉に伸び、気絶している離島棲鬼に向かって行きます。

ビスマルク「な……!?」

そのまま鋼糸は離島棲鬼の皮膚の隙間から血管に無理矢理入り込み、マリオネットの様に釣り上げて行きます。

離島棲鬼「……!?あ"あ"…っ!」グジュグジュ

アミーボ・アモーレ「「クックック……さあ、鬼の力を見せて貰うでアミーボ!」」

離島棲鬼「う"げ"……お"ぁ"……」グジュグジュ


オイゲン「……っ!?」

木曾「な……なんて事を!!」

那珂「な、仲間じゃなかったの!?」

アミーボ・アモーレ「「動かねば只の木偶の坊!ならば自ら動かそう、時鳥!」」

アミーボ・アモーレ「「さあ!やってしまえ!」」

離島棲鬼「…ぁ…」ジュグ…ジュグ…

無理矢理に操られた離島棲鬼は艤装を展開し、木曾達に立ちはだかります。

ビスマルク「く…こうなったらもう容赦は要らないわ、相手は鬼よ!全力で掛かりなさい!」

オイゲン「は、はい!」

木曾「ああ…奴は、俺が倒す!」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=z42yftFIHdg(ピーコック島攻略作戦)

操られた離島棲鬼は艦載機を繰り出して来ます。

那珂「ちょ、屋内なのに!?」

木曾「撃ち落とせば同じだ!かかれ!」

対空迎撃を行ない、艦載機を撃ち落として行きます。

アミーボ・アモーレ「「フハハハハハ!制空権はワシの物だアモーレ!!」」

ビスマルク「く…少し厄介ね…!」

那珂「どうしよう!?」

木曾「……むむ…」

ズズゥゥン……!

突然、基地の内部に揺れが起こります。

オイゲン「な、何?」

アミーボ・アモーレ「「クソ、艦娘の奴らがここに攻撃してきたか…」」

木曾「艦娘…味方か!」

ビスマルク「決まりね、増援が来るまで持ちこたえましょう、出来ればヤツを破壊するわよ!」

アミーボ・アモーレ「「そうはさせんアミーボ!!ここがお前達の墓場と成るのだアモーレ!!」」

離島棲鬼の艤装が鈍い音を立てながら砲を整えます。

アミーボ・アモーレ「「砲撃用意!てェェ!!」」

離島棲鬼「」ドォォン!!


オイゲン「わあ!」サッ

離島棲鬼「」ドォォォン!!

木曾「油断するな!連撃だ!」

オイゲン(連撃!?)

木曾の声にプリンツは気付きますが、少し判断が遅れて二発目に被弾してしまいます。

オイゲン「うっ!」小破!

ビスマルク「大丈夫!?」

オイゲン「は、はい…少し傷が付いただけです」

アミーボ・アモーレ「「…ヨケイナコトヲ」」ボソッ

木曾「何か言ったか!?」

アミーボ・アモーレ「「いいえ~」」


ビスマルク「く…何時までもやられてばかりでは無いわよ!」ドォォン!!

状況を覆そうと、ビスマルクが力を込めて砲撃をします。

ボガァァァン!!

離島棲鬼「」小破!

ビスマルク「か、固い…!」

木曾「ホレボレする強度だな」

那珂「く…な、那珂ちゃんアターック!!」ドン!!

アミーボ・アモーレ「「ほっ!」」シュバァァァァァ!!!

ギギィ!!

鋼糸が引っ張られて固まり、防壁と成って弾丸を防いでしまいました!

那珂「ええ!?そんな事も出来るの…!」

アミーボ・アモーレ「「ファファファ!これがワシの新発明の鋼糸だアミーボ!」」

フラッフ「あのフェニクロウも、それで操っていたのかい?」

アミーボ・アモーレ「「YES!使い勝手も良いでアモーレ!」」

リボン「むう…!」

木曾「どうすれば…!」

ビスマルク(…このままだと拮抗が続いてしまう…)

ビスマルク(それもとても脆い拮抗……敵が大きく動けば、状況は一気に変わる…)

ビスマルク(……奴の隙が見えるまでは、痛手を負わない様にするしか無いわね)

ビスマルク「…貴方達、奴に隙が出来るまでは防御と回避に専念して」ヒソヒソ

木曾「…」

オイゲン「え?」

ビスマルク「一度でも油断したら状況が悪くなるわ、絶対に気を緩めないで」ヒソヒソ

木曾「…分かった」ヒソヒソ

オイゲン「は、はい」ヒソヒソ

アミーボ・アモーレ「「何をひそひそ話しているでアミーボ!!さあ来いや!」」

ビスマルク「どうせ罠でも張ってあるんでしょ!」

アミーボ・アモーレ「「チッ、これだから臆病者は」」

ビスマルク「何と言われようが隙は見せないわよ」

アミーボ・アモーレ「「あーそうかい!この腐れフンのクラウト一族が!!」」

ビスマルク「安っぽい挑発ね、そんなのに乗るとでも…」

オイゲン「ビスマルク姉様に向かってそんな言葉を吐くなァァァァ!!!」ジャコッ!!

ビスマルク「えーー!?貴方が乗るの!?」

オイゲン「落ちろカトンボーーっ!!」ドォン!!

プリンツは怒りで全力の一撃を放ちますが、離島棲鬼には当たりません。

アミーボ・アモーレ「「やーいやーい!外してやんのアモーレー!」」

オイゲン「貴方に撃ったんだけど」

アミーボ・アモーレ「「え?」」

そう、離島棲鬼『には』

ドゴォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!

アミーボ・アモーレ「「カルボナァラァァァァァァァ!!!」」

そのまんまアミーボ・アモーレに直進し、彼を大爆発と衝撃で包みました。

ビスマルク「」

オイゲン「」ドヤァ……

ビスマルク「」

オイゲン「あれ?姉様?ねーえーさーまー!」


「「ぐ、ぐぐ……良くもここまでボコボコにして…もう許さんでアモーレ!!」」

オイゲン「う、嘘!?まだ生きてる!?」

木曾「ほらほら、油断するな」

アミーボ・アモーレ「「こうなったら…最も無惨な方法で、お前達を…!」」

ゴゴゴォォォォォ……

アミーボ・アモーレの怒りも尻目に再び基地が揺れ始めます。

那珂「な、何何!?」

フラッフ「来た!?」

アミーボ・アモーレ((あ、ヤバい、これヤバいでアミーボ))

ドガァァァァァァン!!!!

壁が破壊され、破片がアミーボ・アモーレに直撃します。

アミーボ・アモーレ「「あボぉっ…!」」ボゴォ

オイゲン「あ、破片が!」

リボン「い、痛そうでしゅ」

そのまま瓦礫はアミーボ・アモーレを押しつぶし、操られて居た離島棲鬼は糸が切れた様に横倒れに成りました。


離島棲鬼「」ドチャッ

明かりは消えて変わりに日の光が刺し、砂埃が辺りを舞う光景が出来てしまいました。

木曾「っ……」


「姉様!敵基地、破壊確認です!」

「お手柄よ、山城!これで敵の侵攻も少しは止まるわ」

「作戦、成功だね」

木曾「…ん?この声は…もしや?」

那珂「おーい!こっちー!」



「……?今誰かの声が聞こえた様な…」

山城「為留め損ねたのが居るの?時雨」

時雨「そんな筈は無いよ…道中の敵は全て撃滅したから」

「取り敢えずさあ、見に行ってみようよ?」

木曾「おーい!おーーい!!」

ビスマルク「ちょ、ちょっと、余り叫ぶとしつこいと思われるわよ?」

「待っててよー!今行くから!」


暫くの後、ゾロゾロと七人の艦娘がやって来ました。

時雨「ええと……君たちは?」

木曾「んー……まあ、お前と同業だ」

山城「……はあ?何で私達と同じ存在が毛糸なのよ?」

「一応、本物よね?」

ビスマルク「ええ、そうよ、私達は艦娘よ」

時雨「じゃあ…この小さいのは?」

フラッフ「えっと、ボクとこの子は…少し訳ありで」

「ああもう!何だかもの凄くややこしい!!」

「落ち着いて~?朝雲姉~」

朝雲「アンタは落ち着き過ぎなのよ!山雲!!」

「取り敢えずキミ達は……敵じゃ無いんだね?」

木曾「ああ……事情を話すと長くなる上に、信じてもらえそうに無い内容だからその認識だけで良い」

扶桑「分かったわ、取り敢えずは味方なのね」

山城「簡単に信じちゃって良いの!?」

扶桑「大丈夫よ、先っちょだけよ」

山城「さ、先っちょって…」

オイゲン「取り敢えずは…自己紹介しない?」

時雨「そうだね……僕は時雨、扶桑や山城の皆と一緒に、この島の基地を叩きに来たんだ」

扶桑「私は扶桑よ、以前誰かに助けられて…それ移行は呉で練度を重ねて改装されたわ」

山城「山城よ、事情は扶桑姉様と同じ」

木曾「助けてもらったって………ペンギンにか?」

扶桑「あら…貴方あの仮面を付けたペンギンの所属だったのね?なら大丈夫そうね」

山城「ええ!?」

「知ってる!横須賀の人鳥、デデデでしょ?」

山雲「あら~、そんな有名な人の所属だったのね~、安心だわ~」

山城「貴方、あそこの所属だったのね…まあ、なら…良いけど」

木曾(あ、良かった…信じてもらえた!?)

山雲「私は山雲よ~、それでもって、隣に居るのは朝雲姉~」

朝雲「……宜しく」

木曾「ああ」

最上「ボクは最上さ、良く他の子とブツかっちゃう癖が有るみたいなんだ」

ビスマルク「あらそう……私はドイツの戦艦、ビスマルクよ」

オイゲン「その妹分のプリンツ・オイゲンです!」

那珂「流れに乗じて那珂ちゃんでーす!」

リボン「ど、怒濤の紹介でしゅね」

フラッフ「ほら、リボンも紹介して」

リボン「は、はい……わたちはリボンでしゅ、宜しくでしゅ」

フラッフ「ボクはフラッフ、毛糸の国の王子をやっているよ」

最上「毛糸?やっぱりもふもふしてるのかな?」

木曾「毛糸に見えるのは視覚だけだぞ、水に入ったらちゃんとぬるぬるするからな」

ズッ……
ヅッ…

次第に賑わって来た話し声を、何かの音が遮ります。

時雨「……何?」

扶桑「音…?」

そこには、アミーボ・アモーレが持っていた編み棒が立っていました。

フラッフ「アレは確か…アミーボ・アモーレが持っていた…?」

朝雲「何そのダサい名前」


アミーボ「くそ……このままだとヤバい」

アモーレ「兄ちゃん……こうなったら最後の手段だ、アレを使おう」

アミーボ「アレ?何だよアレって」

アモーレ「バカ!アレって言ったら決まってるだろ…?」






アモーレ「  合 体 だ ァ ッ ! ! 」クワッ!!

二つの編み棒は浮かび上がり、鋼糸を自信に巻き付けて離島棲鬼を吊り上げました。

リボン「あーーーっ!?そうでちたぁぁぁぁ!!?」

リボン「あの編み棒が本体だったでしゅーー!!」

ビスマルク「何でそれをもっと早く言わないのよバカ!!おたんこなす!」

フラッフ「すっかり忘れてた…ッ!」

木曾「まだやる気か?俺は何時でも行けるぜ」

扶桑「皆!構えて!」

時雨「!」ジャコッ

山城「く…まさかあの編み棒が全ての元凶だったりしないわよね!?」

オイゲン「実を言うと、地球全体に貴方達が戦ってるのを送ったのって、コイツだったり…」

山城「そ、そんな…」ガビーン


アミーボ達が巻き付けている鋼糸、刺さっている離島棲鬼から、何やら黒いもやが伝って行きます。

フラッフ「あ、あれは…!?」

黒いもやは次第にアミーボとアモーレに辿り着き、彼らに力を与えます。


アミーボ「ウォォオォッォォ!!キタキタキタキタキタキタァァァァァ!!!」

アモーレ「俺に入る闇が疼く!真っ黒に燃える!目の前の敵を倒せと轟き叫ぶッ!!」

力が漲って来た彼らは、凄まじく気分が高揚し、口に目玉が現れ始めました。
そして彼らのオーラはアミーボ・アモーレの形を作って行きます。

木曾「な、何をする気だ、どうなるんだ!?」

リボン「う……闇の、力が…!」フラッ

フラッフ「り、リボン!?」





アミーボ「機は熟した……今こそ駒鳥が望んだ勝利の鐘を響かせる時!!」

アモーレ「行くぜ…最終奥義!」

彼らに渡る闇のエネルギーが、最高潮に達しました!



アミーボ・アモーレ「「暗黒物質でちょびっと変身(ダークマター・メタモルフォーゼ)ッ!!」」

彼らが叫んだ瞬間、黒いもやが強まりムクムクと大きくなって行きます。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!!

朝雲「お、大きくなってる!?」

最上「あー…ちょっと拙いかな…」

木曾「く…呑み込まれちゃ冗談に成らない!退避するぞ!」

ビスマルク「分かったわ!」

リボン「は、はい……!」

闇に飲まれる前にに、木曾達は急いで基地を出ます。

暫く走り、海に出ます。


木曾「っはっ…はっ…大丈夫か!?」

山雲「何とか~」

扶桑「く…どうなるの!?」


キュピンッ!!

大きく膨れ上がっていた黒いもやは、一気に小さくなり、艤装と女性の形を取ります。


「……」

山城「あれは……離島棲鬼?」

木曾「知っているのか山城?」

時雨「僕たちは何回もここを破壊しようとやって来ているんだ」

木曾「そうか…なら知っていても可笑しくは無いな」

女性はゆっくりと、地面に降り立って行きました。




「ふう……やっぱり、操られるより、合体だよねー」

女性が声を放つ、遠くに居るのにも関わらず耳に直接聞こえて来ます。

離島棲姫「私の名は離島棲姫…公式にも無いオリジナルの姿で居られるのはあと70レス以内が限界なのよね」

離島棲姫「さっさと…始めましょッ!」ドスッ!!

離島棲姫は持っていたアミーボとアモーレを地面に突き刺し、そのまま海に闇のエネルギーを送り込みます。

最上「!来るよ!」

扶桑「全艦、砲戦用意!」

時雨「!」ジャコッ!

海に送られた闇のエネルギーから、深海棲艦が五隻形作られて行きます。

木曾「…深海棲艦を生み出したか」

朝雲「流してるけど、可成り凄い事だから」

離島棲姫「さあ、この肉壁を退け…私を見事倒してみてよ!」

離島棲姫「倒したら、アミーボ・アモーレが持ってたこの魔法の靴下はあげちゃいまーす」

フラッフ「あれは…もう片方の!」

リボン「あれがあれば、両方そろいましゅ!」

離島棲姫「更に今なら出血大サービス!ここに放り込んだ深海棲艦達も撤退させちゃいます!太っ腹ー!」

ビスマルク「本当にそれをやってくれるのかしら!?」

離島棲姫「勿論!その分、戦いは手強いよ?」

オイゲン「……」ゴクッ

離島棲姫「大丈夫!自分の意志でここまでこれた貴方達なら、私達と言う化物を踏破出来るさ!」

離島棲姫「信じなさい?信じなさい……!」


扶桑「行きましょう」

山城「姉様?」

扶桑「あれを倒し…全て終わらせましょう!」

山城「……はい、ですよね!」

最上「そうだね、アイツを倒せば全て終わり!後もう一息だよ!」

木曾「ああ…大団円は間近だ!」


扶桑「私達はこれから、私を旗艦にした連合艦隊で、あの姫を叩きます」

木曾「!」

扶桑「私と山城、プリンツさんと最上ちゃんが最初に敵に攻撃します」

扶桑「その後…木曾さん、ビスマルクさん、山雲ちゃん、朝雲ちゃん、時雨で破壊を狙うわ」

扶桑「皆…行けるかしら?」

時雨「うん、行けるよ」

山雲「勿論ですよ~」

ビスマルク「勿論よ、私の力を見せてあげるわ!」

離島棲姫「準備は良い?」

扶桑「勿論にょ…」

山城「……姉様、にょって…」

離島棲姫「……痛い?」

扶桑「……」プルプル

時雨「あ…僕が変わりに言うよ」

扶桑「ごめんなさい……」

時雨「おほん…大丈夫、何時でも行ける」

離島棲姫「良し!じゃあ………戦争を始めよう……戦闘開始ッ!!」

時雨「皆!行くよ!」

木曾「応ッ!」

朝雲「暁の水平線に勝利を刻んでやるわっ!」

続きは明日、アミーボ・アモーレと合体した離島棲姫さんの強さやイカに……?
因に敵の編成はこんな感じ。

旗艦:離島棲姫
ル級(flagship改)
タ級(flagship)
ヲ級(flagship改)
リ級(flagship)
イ級後期型

さて、もう直ぐこのssもお終い…ではなく、第5話からはpart2として新しいスレで進みます。
初代から…約一年。前作から引き続いて見てる人居るかしら。
見ている人へ、まだまだ続きますごめんなさい。

では能書きもおしまいにして、おやすみ陛下。

因に、味方の編成は此方。折角だからここで西村艦隊を出したかったのだよ

第一急設艦隊
旗艦:扶桑(改二)
山城(改二)
プリンツ・オイゲン
最上(改)

第二急設艦隊
木曾
ビスマルク
山雲
朝雲
時雨

あ、言い忘れてたけど時雨は改二、山雲と朝雲は改です。
満潮ちゃんは前のウェーク島攻略で大破してしまって出れません。
眠いと良い忘れる事多くてクマった。
では今度こそお休み陛下

戦闘開始!

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=B7rA5yYggOk(第三次渾作戦ボス戦)

離島棲姫「さあ、先ずは貴方達から来なよ」

山城「何ですって…?」

離島棲姫「ハンデだよ、ハンデ」

最上「へえ……後悔しないでよっ!」ガゴンッ!

扶桑「観測機、発艦!飛び立って!」

観測機が飛び立ち、敵の艦隊の動向を探って行きます。

ヲ級「…」ス…

離島棲姫「ダメ、艦載機はナシ」

ヲ級「……?」

離島棲姫「なーに、着弾観測が出来る位で、当たらなきゃどうにも成らないよ」

離島棲姫「それに、うちの布陣だって結構強いから…ね?」

ル級「……」

バババババババ……

観測機が戻り、敵の情報を持ち帰って来ました。

最上「帰って来たね」

山城「何々…敵の僚艦は、戦艦が二隻、空母が一隻、重巡が一隻 駆逐が一隻。」

山城「内戦艦の一隻と空母はflagship改……?」

オイゲン「……ハンデ付ける理由ってそれかあ…」

最上「美味しい話には裏が有る…今回は教えてくれたから良かったのかな?」

扶桑「何れにしても、慢心しては駄目よ」

オイゲン「そうだよねー…じゃ、早めに叩こう!」ジャコッ!!

プリンツは主砲を構え、敵の駆逐艦に狙いを付けます。

オイゲン「先ずは駆逐艦を沈める!」ドォォン!!

プリンツの弾丸は少し軌道がブレるも、何とか駆逐艦級に命中します。

ボガァァァァァァァァァン!!!!

イ級後期型「」撃沈!

離島棲姫「あ…一隻やられたわ」

リ級「…」

離島棲姫「分かってるって分かってるって、そろそろオフェンスだよね」パチンッ

指示されたル級は新調された艤装から砲を伸ばし、狙いを付けます。

離島棲姫「この長さ16inchの主砲……さあ、どれだけ響かせられるかな!!」

ル級「……」ドォォン!!

ル級の主砲が火を噴き、艦娘に向けて弾を放ちます。


山城「…!砲弾が来るわ、避けて!」

最上「っ!」

回避行動をとり、攻撃を避ける動きをします。

バギッ!!

オイゲン「あ"ーっ!?」

砲弾はプリンツの主砲一基を捥ぎ、使い物に成らなくしてしまいました。
直撃しなかっただけラッキーでしょうか。

オイゲン「しゅ、主砲がぁ…」

最上「い、一基だけで良かったじゃん」

扶桑(毛糸が固い砲弾を一瞬受け止めて、その後破片を散らしながら捥がれる……凄まじく不思議な光景ね……)


離島棲姫「……ち、外しちゃったね」

ル級「……」

離島棲姫「…ま、最初はこんな物だし…ここからが勝負だよ」

ヲ級「……」

扶桑「只では済まさないわよ…!」ビシュッ!

扶桑は観測機を飛ばし、敵の元へと向かわせます。

最上「ちょ、もうアレやるの!?」

扶桑「今叩かずして何時やると言うの!?」

最上「……今だよねぇ」

扶桑は主砲を整え、タ級に狙いを付けます。

扶桑「着弾観測用意……さあ、喰らいなさいッ!!」ドォォォッ!!

最初から全力で主砲を放ち、タ級を落しに掛かります。



ボガァァァァァァァァァァッ!!!!

タ級「……っ!」大破!

結果は、大破したもののまだ持ちこたえて居ました。
それでも、可成りの一撃が与えられた筈です。

扶桑「…敵戦艦、大破したわ」

山城「わあ…凄いわ!流石姉様ね!」

最上「この調子でがんがん行っちゃおう!」

離島棲姫「…大破が出たか……さあ、そろそろこっちも本気で行きましょうかね!」パチンッ

ヲ級「…!」ヴヴンッ!

ヲ級は深海地獄艦爆を展開し、そのまま艦娘に肉薄させに掛かります。


オイゲン「…!艦載機、来ました!」

扶桑「皆、何としてでも被弾を防いで!」

最上「りょ、了解!」

扶桑達はジグザグに移動し、回避行動をとります。

ボガァァン!!

ドガァァン!!

最上「うわっ…激しい!」

オイゲン「これが、敵の新しい艦載機の力…!」

ガギンッ!

扶桑「っ!」

山城「姉様!大丈夫!?」

扶桑「…っ、ええ…直撃は逃れたわ……!!」

彼女の目に輝く何かが移り、咄嗟に甲板を構えて盾にします。

ドギギッ!!

扶桑「ぁうっ!!」小破!

山城「!何処から!!」

オイゲン「…重巡の、攻撃…!」


リ級「……」

離島棲姫「よしよし、あの損耗具合は……小破かな?」

リ級「……」

離島棲姫「…そんなに落ち込まないでよ」

リ級「……」

ヲ級「…」ジッ

離島棲姫「……え?何で艦載機放たないのかって?」

ヲ級「…」

離島棲姫「知らないよ、使おうと思っても無いんだもん」

ヲ級「…」

離島棲姫「本当なんだって、信じてよ」



山城「善くも…姉様を!!」ガゴンッ!

最上「ま、待って!気を落ち着かせて!」

山城「黙ってて…発射ッ!!」ドォンッ!!

怒りに任せて撃たれた弾丸は、リ級の元に向かって行きます。

リ級「……!」


ガッッ!!!

併し、艤装の口部分で砲弾を挟み、そのまま脅威を無くしてしまいました。

リ級「…」ブンッ!!

報復としてそのまま挟んだ砲弾を投げ返します。


山城「外れた……」

最上「だから言ったじゃないか、気を落ち着かせてから攻撃してって」

山城「でも……!?」

ボガァァァァァァン!!!!

最上「っ!?」

オイゲン「山城さん!」

山城「あぁ……無様ね、私ったら」中破!

扶桑「山城……大丈夫?」

山城「ごめんなさい、姉様…」


最上「く…どうすれば良いかな?」

オイゲン「先ずは大破してるのを沈めて僚艦を少なくして!」

最上「…分かった!」ガゴンッ!

最上は主砲を構え、タ級に狙いを定めます。

最上「撃てぇーっ!!」ドォォン!!


ドガァァァァァァァァン!!!

タ級「……」撃沈!

弱り目に祟り目の如く、タ級は海の中に黒いもやと成って消えて行きます。

離島棲姫「…バカが、隙を見せたね?」ガゴンッ

強化された砲塔を出現させ、前に出た最上に当たる様に調整する。


離島棲姫「さあ…鬼の金棒でも喰らえッ!」

ドォォォォォッ!!

最上「!」

ドガァァァァァァァァァァァン!!!!!

山城「最上ッ!」



最上「く……ッ…直撃かよ、冗談じゃないよ…っ」プルプル

離島棲姫の一撃をマトモに喰らい、大破してしまっていました。

オイゲン「最上!」

最上「ぼ…ボクの事は気にしないで、それよりも、僚艦を…!」

オイゲン「っ…分かった!」グッ!

プリンツも観測機、ar196改を発艦させ、着弾観測射撃の姿勢に入ります。


オイゲン「狙いは空母……!」ゴゴッ!

計三基に成った主砲を揃え、ヲ級flagship改に狙いを定める。

オイゲン「ふぁいぁー!!」ドォォンッ!!


ドゴォォォォォォォン!!!!

ヲ級「……」中破!

オイゲン「やった……中破だ!」

ル級「…!」ジャゴンッ!

ル級はプリンツに痛い目を見せてやろうと砲撃の姿勢を取ります。

ドォォン!!

オイゲン「!」

プリンツは相手の砲撃を悟り、素早く身を伏せます。

ベギギ……ギャッ!!

オイゲン「っ…?あーーっ!?」

二発目直撃は逃れたものの、また主砲が根元から捥がれてしまいました。

オイゲン「しゅ、主砲が…二基に…」

最上「ど……どんまい」


扶桑「…あまり、落せなかったわ」

時雨「気にしないで、後は僕たちが決めるよ」

木曾「空母も中破、仮に艦載機が放てる状態だとしても、落してしまえば恐るるに足りんさ」

那珂「それより那珂ちゃんが忘れられてた事に怒ってるんだけど」

扶桑「あ……ごめんなさい、本当にごめんなさい」

山雲「大丈夫~、貴方が忘れても山雲は覚えてるから~」

時雨「僕の台詞、取らないでくれるかな」

ビスマルク「…さあ、来るわよ」

朝雲「私達の出番ね!」


木曾「先ずは…俺の先制雷撃を喰らいな!」

ボシュッ!

那珂「そういえば、木曾は改装されてるから重雷装巡洋艦だったね」

時雨「どうなのかな?」

木曾「いや、どうって……」

木曾(そう言えば…重雷装巡洋艦に改装されても、前と殆ど変わらないって言って城を出たのが…事の始まりだったな)




ドボォォォォォォォォォォォォォン!!!!

朝雲「当たった…みたいね」

時雨「誰に当たったのかな?」

ル級「……」ボロッ

山雲「う~ん…ル級、小破したわね~」

木曾「小破かよ、糞ッ!」

ビスマルク「怒らないの、私は堅実に中破した空母を狙うわ」ガゴンッ

ビスマルクの艤装がヲ級に狙いを定め、妖精達が弾薬を詰め込みます。

ビスマルク「さあ、良おく味わうのよ!!」ドォォン!!


ドガァァァァァァァァン!!!!

ヲ級「」ズブ…ズブ…

朝雲「敵空母……撃沈よ!沈んでるわ!」

ビスマルク「あら…駄目元でも行けるのね」

那珂「駄目元ぉ!?そんなんで良いの!?」

ビスマルク「仕様がないじゃない、flagship改の装甲なんて固いに決まってるから」

離島棲姫「…ちっ、全然駄目じゃん!」バッ!!

木曾「!」


ザジャッ!!

離島棲姫「やっぱり、私自ら出なきゃ成らないみたいね」

何と、離島棲姫が艤装の足部分をパージし直接背負って海の上に立ちました。
自らも前線で行こうと言うのでしょう。

ル級「……」

離島棲姫「見てなよグズ共、深海棲艦に有るべき…闘争を!」

手に持っていたアミーボを海に突き刺し、闇のエネルギーを送り込みます。


ビスマルク「な…離島棲姫が自ら出た!?」

朝雲「チャンスね、魚雷が当てやすいわ」

時雨「油断しちゃダメだ、あの様子……きっと何かして来る!」

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

離島棲姫は黒いもやから引きずり出す様に、凄まじく巨大な砲台を生み出します。
それを支える為の腕もキチンと生成します。

ビスマルク「な……アレは!?」

那珂「な、何?」


離島棲姫「くひぃー…!さあ、皆死んでしまえッ!」ズンッ!!

彼女は足を強く踏みしめ、自信の何十倍は有ろうかと言う砲台を支え、狙いを付けます。


ビスマルク「80cm列車砲(ドーラ)っ!?」

木曾「何!?ソイツは一体なんだ!?」

ビスマルク「とても拙い兵器よ!皆!ここからバラバラに散ってッ!!」

朝雲「え!?」

ビスマルク「早く!死にたく無いなら逃げなさい!!」バッ!

ビスマルクの叫びからただ事ではないと判断した全員が、その場から全速力でバラバラに散って行きます。
一方、離島棲姫は発射する覚悟が出来ていました。



離島棲姫「散ィィれえぇエえやァァァァッッ!!!」


ザガァァァァァァァァァンッッッ!!!!

凄まじい音と衝撃波が生まれ、周りの僚艦が吹っ飛びかけます。

ル級「…っ!」


木曾「か、躱しきれるのか!?」ザジャジャジャジャジャジャッ!!

ビスマルク「く…総員!耳を塞いでで衝撃に備えて!!」ザジャジャジャッ!!

時雨「っ!」

ビスマルク「大破してる艦は近くの子に支えてもらって!!」

オイゲン「最上!こっち!」

最上「わ、分かった!」ジャジャッ

ビスマルク「着弾するわ……!!」






数秒の沈黙の後、筆舌に尽くし難い程凄まじい音と衝撃波が空間を裂き。
周りに居る有象無象全てを吹き飛ばしてしまう。


扶桑「っ……!?」ギギギッ!!

山城(な、何て衝撃なの…口が動かせない…っ!)


時雨(す、凄過ぎる……吹き飛びそうだ…!)

朝雲「……っ!!」プルプル

那珂(ひー…!フラッフとリボン、無事だと良いけど…!)


木曾(ぐ…っ……よく見たら、ル級とリ級まで吹っ飛んでいるじゃないか…!)

木曾(全く…無茶をする……!)


ゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオ……………!!!!!!!

衝撃は暫く続き、凄まじい反動で離島棲姫の身体にもダメージが入ります。


離島棲姫「く……き、気、もち…良い………ッ!」ゾクゾクッ

周りの生き残った僚艦も、衝撃をもろに受けて吹き飛んで居るのに何故か気持ち良さそうな彼女。




ゴオオォォォォォォォォォォォォォ……


暫く経って漸く衝撃が弱まり、木曾達は立ち上がってお互いの無事を確認し合う。

木曾「っ……皆、無事か!?応答してくれ!」


時雨「うん…何とか…」

朝雲「全く…あんなのブッ放すなんて聞いてないわよ!」

那珂「本当に…死ぬかと思ったよー…」

ビスマルク「私は無事よ、それより、大破した最上は…!?」



『姉様!大丈夫です!』

ビスマルク「!オイゲン!」

オイゲン『何とか私が支えたから沈んでいません!』

オイゲン『扶桑さんと山城さんも無事です!艤装が一部剥がされちゃってるけど…』

ビスマルク「そっちも無事なのね……良かった」


時雨「さて……どう反撃しようか」

ビスマルク「どうするも何も決まってるわよ…あの厄介な奴、二度と海の上に立てなくしてやれば良いのよ」

木曾「つまり……完全排除、だな」

山雲「海に居るから魚雷も効くね~」

朝雲「キッツ~いお仕置きね!それぐらいしないと割に合わないわ!」

那珂「決まりだね……皆、頑張っちゃうよ!!」

木曾「応っ!」

時雨「決めてやるさ…!」



離島棲姫「クフ……kヒヒヒヒヒっ!!あっはははははああがhhあああ!!」

離島棲姫「圧倒的ではないか!我が力は!!」

離島棲姫「やはり…自分の力こそが、強靭…無敵……最強!!」

離島棲姫「粉砕っ!!玉砕ッ!!大 喝 采 ッ!!!」

木曾「それはどうかな!?暗黒大魔王!」

離島棲姫「?」

木曾「自分だけが強くて、戦争に勝てると思うか?」

離島棲姫「敵より愚かな身内、一人が強くて一人が勢力そのものならば被害は無いッ!!」

木曾「ち…俺だって、前は自分が強く無きゃいけないと思ってたよ…だが!!」

離島棲姫「だが?」

木曾「俺は気付いたんだよ…俺達は…一人一人はそりゃ弱いもんだって、たった一人で全てを帰られる程強くは無いって」

木曾「だからッ!だからこそだッ!俺達は…一緒であってこそ成り立つ!!」

木曾「皆が一人一人を支え合い、助け合った時こそ、本当に強くなるんだッ!!」

木曾「だから俺達は!艦隊を組んでお前達に挑むんだッ!!」


離島棲姫「ほお……実に人間らしい言葉だね…!」

離島棲姫「たった一人では、何も出来ない…『人間』のね」

木曾「…何!」

離島棲姫「だったら…踏破してみせろよ、人間!」

離島棲姫「この醜く、狂った、哀れな化物に、その矛を突き立ててみせろよ!」

離島棲姫「私の……心の臓腑に、突き立ててみせろ…!」


木曾「ふ……望む所だ!行くぞッ!!」

離島棲姫「来い!人間ッ!!」

夜戦開始!

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=h37oTZEGRXE(the wonderful 101より EV22 因縁)

ビスマルク「先に私が行くわ!」バッ!

木曾「行けっ!」



ビスマルクは前に出て、嫌に赤く輝く離島棲姫に狙いを付けます。

ビスマルク「Feuer!!」ドォォン!!!

ドゴォォォン!!!

離島棲姫「どうしたどうした!!もっと力を上げろ!!」小破!

ビスマルク「く!やはり…私だけじゃ無理ね!」

朝雲「早く下がって!私達がやる!」

那珂「駆逐艦と軽巡の強さ、見せてあげる!」

ビスマルク「頼むわね!」フフッ

朝雲「さあ、朝雲の魚雷!受け取りなさいッ!!」ボシュッ!!

那珂「那珂ちゃん、突撃しまーす!!」ボシュッ!!


ボガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!

朝雲「どうかしら…!?」

グオッ!!

離島棲姫「ギャッギャギャギャギャ!甘いよ甘い!」ジャコッ!!

朝雲「!」

ドッ!!

朝雲「うあッ!!」大破!

那珂「朝雲ちゃん!」


山雲「朝雲姉、後は任せて~」バッ!!

朝雲「山…雲…!」

那珂「御願いします!」

山雲「ふふ…!」ジャコッ!!

海に赤く輝く星を、山雲は狙い澄ます。

離島棲姫「さあ来いよッ!」バッ!

山雲「後悔しないでね~…!」ドンッ!!


離島棲姫「うぷッ」ドグチャッ!

山雲「もう一発~!」ダダンッ!!

山雲の連撃が見事刺さる。しかし…


離島棲姫「っ…あっははは!その程度か!?もっと足掻けよッ!」ヒュバッ!

山雲「!」

両手のアミーボ・アモーレから、黒いもやが糸の様に伸び、山雲の首に絡み付く。

ギリギリッ

山雲「く……っ」

離島棲姫「さあ、どうする…!どうやって逃れるのかなァ!?」グギギ……!

離島棲姫は後ろの艤装の首を伸ばし、艤装の口部分を山雲に近づける。

那珂「山雲ちゃんッ!」ジャコッ

山雲「……」クスッ

絶体絶命の状況の中、山雲は静かに笑みを浮かべる。

離島棲姫「…!?」

山雲に気を取られている隙を付き、時雨が後ろを取っていた。

時雨「次は僕が相手だッ!」ギッ!

魚雷を取りだし、艤装の露出した駆動部に突き刺す。

離島棲姫「ぐっ!?」

時雨「う…うぁぁぁぁぁッ!!」グッ!!!

ブヂ…ブヅヅッッ!

そのまま力ずくで魚雷を動かし、艤装を千切り落す。

離島棲姫「ちっ……やってくれるねえ!!」ブンッ!

時雨「とっ!」ガッ!

時雨はそのまま跳躍して退避し、背中の主砲を動かしてトンファーの様に構える。


時雨「ここは……譲りはしない!」ドドンッ!!

離島棲姫「ぐふぉッ…!?」大破!

ビスマルク「やったわ、あと一息よ!」

木曾が大破した離島棲姫に向かって直進する。

那珂「き、木曾!」

木曾「皆、ありがとうな……最後は俺が決めるッ!!」ジャジャジャッ!!

魚雷発射管を整え、魚雷を発射する。

木曾「これが…俺の一撃だッ!!」

ドボォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!!

巨大な水柱が、離島棲姫を白く包む。


ビスマルク「やった……倒したわよね!?」

那珂「やったぁ……最後は木曾に奪われちゃったね…えへへ」

木曾「……終わった、か」


突如、水柱を突き破り、離島棲姫が木曾に奇襲を仕掛けます。

時雨「!危ないッ!!」

木曾「!」シャッ!

木曾は軍刀を抜き、防御の姿勢に入ります。

「終わった…?ダメだね」

「そう終わらせてたまるか…こんなに楽しい事を!」


ガギィィッ!!!

木曾「ぐ……!」

離島棲姫「残念だったよ…貴方の矛も、あと一歩届かなかったね…」ギギギギギッ!

ピシッ…ピシッ…

木曾(ヤバい、刀に罅が…!)

離島棲姫「貴方の人生は、貴方の仲間の日常は、今…台無しになった」

木曾「く……!」

時雨「待って!今…!?」チャッ

近くに居た時雨は木曾を助けようと砲を向ける、が……

チャッ、チャッ

時雨(弾が…もう、無い…!?)

道中で弾薬を消費してしまった為、弾切れが起きてしまっていた。

離島棲姫「サヨウナラ、貴方の心…誰かが忘れても私が覚えているから」

木曾(く……ここまで、なのか……っ!)







「誰か、忘れてないかな?」

離島棲姫「!?」

フラッフ「慢心、ダメだよ絶対!」ブンッ!!

フラッフは巻き付けたル級を叩き付ける!

ドグォッ!!

離島棲姫「ぐが…!?」

リボン「弱り目に祟り目!これ最高でしゅ!」ブンッ!!

リボンは黄金のオーラを放つ黒い毛糸玉を投げつける。

離島棲姫「ぐほぉッ!?」ドゴッッ!!


ドッッザァァァッ!!

フラッフ「どうしたのさ木曾、その様子はらしく無いよ?」

那珂「フラッフ!リボン!」


木曾「……そうだな、俺とした事が…油断してしまったよ」

リボン「一人で抱え込もうとしちゃ駄目って言ったじゃないでしゅか、わたちにだって頼って欲しいでしゅよ」


木曾「分かってる、俺は皆が居てこそ…だろ?」

フラッフ「…うん、ボクらは、キミが居てこそ」

リボン「でしゅ!」

木曾「…よし、じゃあ行くか!」

フラッフ「うん!行こう!」

「「「奴を倒しにッ!」」」

BGM:https://www.youtube.com/watch?v=tIG20J-lTi0(戦え!ワンダフル・ワンダブルオー)


三人は、一気に止めを刺そうと離島棲姫に向かう。

離島棲姫「クッ……いい気になるなよ!一兵卒よッ!」ズオッ!!

離島棲姫は海にアミーボとアモーレを突き刺し、黒いもやで三人を呑もうとする。

時雨「気をつけてッ!」

木曾「心配するなッ!」ジャジャッ!!


木曾はそのまま黒い包囲網の間を潜り、徐々に離島棲姫に迫って行きます。
リボンはフラッフを運び、上からこっそり離島棲姫に肉薄します。

朝雲「す…凄い……あんな避けづらそうなのを…?」

ビスマルク「ええ…確かに、私にはあんな真似は無理ね」

那珂「木曾…重雷装巡洋艦では…北上と大井さんには少し劣るけど…」




「白兵戦させたら……凄いんだね…!」



木曾「はっ!大破しているのにやるじゃないか!」ジャジャジャッ!!

離島棲姫「戦いの最中に喋ってていいの!?」

木曾「うおっ!」ジャジャッ!

攻撃を躱しつつも、何とか接近を続ける。


木曾「うらぁああぁああッ!!」ジャジャジャジャッ!!

離島棲姫(何だコイツ……遠距離の時とは動き方が違う…!?)

木曾「そこだッ!!」ブンッ!!

離島棲姫「!!」

ガギィッ!!

直ぐさまアミーボとアモーレを海から抜き、そのまま刀を受け止める。

離島棲姫「貴方も流石だよ、言う事無い。併し…ここまでだッ!」

木曾「お前がな!」

離島棲姫「何っ…!?」


リボンに運ばれていたフラッフが毛糸を伸ばし、離島棲姫に巻き付けました。
そのままグッと投げ上げます。

離島棲姫「う、うわあ!?」

リボン「それっ!」ヒュバッ!

リボンも毛糸を伸ばし、離島棲姫を勢いのまま投げ上げます。

リボン「今でしゅっ!」

木曾「ああ!ここで決める!」ダッ!

木曾は思い切り跳躍し、リボンが離したフラッフが踏み台に成ります。

フラッフ「木曾!行けっ!」

木曾「フッ!」スッ!

離島棲姫より高く飛んだ木曾はそのまま刀を上に構え、止めの体勢に入ります。


離島棲姫「フ…私の負けだよ、人間……やっちゃって」

木曾「言われずともやってやるさッ!」

そのまま勢いのまま振り下ろし…


ズバババババァッ!!

離島棲姫の五体をまっ二つに仕上げます。

離島棲姫「が……!」


フラッフ「やったッ!」

リボン「今度こそ為留めたでしゅ!」

木曾「っ!」ダン!

そのまま海面に降り立ち、勝利を確信します。
それを見た仲間達も駆け寄って来ました。

時雨「やったね……ええと」

木曾「木曾だ、そう言えば…俺だけ自己紹介してなかったな」

那珂「どーでもいいよー…そんな事ーー」ギュウウ

木曾「うぉ…あまり強く抱きつくなよ…?」

ビスマルク「木曾……貴方も、とても強いじゃない」

木曾「そんな事は無い…皆が、居てくれたお陰さ」



「ちょっと待てやァァァァ!!」

一同「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」


離島棲鬼「まっ二つにするって何考えてんのよォォ!?危うくご褒美の魔法の靴下まで切れる所だったじゃんかァァ!!」

何と彼女は真っ二つに成りながらも辛うじて生きていました、魔法の靴下が分かれかけた事に腹を立てている様です。

木曾「あ……」

フラッフ「忘れちゃってたね、ははは…」

木曾「そうだな…すっかり忘れてたよ…アレが無いと帰れないのに」

朝雲「ちょ、放っといて大丈夫なの?」

木曾「ああ、恐らく長くは保たない」


離島棲鬼「ぐ、ぐぐ……は、やく…受け取って…」プルプル

離島棲鬼は魔法の靴下を受け取って貰おうと瀕死の身体で持ち上げます。

木曾「分かった、今取りに行く」ジャジャッ

ビスマルク「ちょ、待ちなさ…」

木曾「大丈夫だ、直ぐ戻る」

木曾は足取りを軽くし、息も絶え絶えの離島棲鬼の元に駆け寄る。

離島棲鬼「は、ハイ……ゴホウビデス……オメデトウゴザイマス……」プルプル

木曾(早く受け取った方が良さそうだな)

木曾は手を出し、差し出された魔法の靴下を手に入れる。

木曾「ああ…しっかり受け取ったぞ」

離島棲鬼「よ、良かった良かった…あとは…撤退命令…だ…け…」

木曾「……お前」

離島棲鬼「な、なにさ……」


木曾「強かったよ……お前…」

離島棲鬼「へ、へへ……そ、そりゃ……どー…も…」ズブブブ……

離島棲鬼は心無しか満足そうに笑みを浮かべながら、アミーボとアモーレと共に沈んで行きました。
辺りはすっかり、暁の明るい光が海を照らしていました。



木曾「強かったよ……とても、とてもな…………」

木曾は沈んで行く離島棲鬼に敬礼を捧げ、その場を後にします。


木曾「やあ、戻って来たぞ」

那珂「よ、良かったぁ…戻って来たよお…」

木曾「……心配性だな、那珂は」

山城「全く……正直、負けるかと思ったわよ」

ビスマルク「ドーラを放たれた時にはもうね…死ぬかと思ったわ」


扶桑「でも……勝ったのよね、私達」

木曾「ああ……勝利を、皆の手で掴んだんだ」

フラッフ「うん……やったね、木曾」

時雨「あ……そう言えば、毛糸だったのから元に戻ってるね」

木曾「え?」

オイゲン「え?……本当だ!戻ってる!」

ビスマルク「本当だわ…戻ってるわね」

リボン「わ、わたちもでしゅ!」

山雲「へえ…可愛いわね~」

最上「ちょっと大きい妖精さんかな…?」

リボン「?さ、さあ」


フラッフ「兎も角、これで靴下が二つ揃った…これで、木曾が言っていたポップスターに帰れるね」

木曾「ああ…本当に骨が折れたよ…」

時雨「もう…帰ってしまうんだね」

朝雲「一日位、私達の鎮守府で休んで行けば?」

木曾「そう言う訳には行かないさ……俺達にも、帰りを待つ仲間が居るんだ」

ビスマルク「そうよ…言葉には甘えたいけどね」

扶桑「そうなの……気を付けてね」

最上「死なないでよ、僕らも頑張って生きるからさ」

木曾「ああ、お前もな」


フラッフ「じゃあ…木曾、那珂、リボン、プリンツ、ビスマルク、準備は良い?」

木曾「ああ、勿論」

那珂「やっと帰れるよ~」ヨヨヨヨヨ

ビスマルク「早くシャワーを浴びたいわね…ね、オイゲン?」

オイゲン「そりゃあもう!」


扶桑「気をつけて…貴方達の武運を願っています…」

時雨「また…会えると良いね」

木曾「会えるさ、世の中…旅は道連れだからな!」

フラッフ「それじゃあ行くよ……行き先、ポップスター!!」

両方の魔法の靴下が輝き、次元の穴を作って行きます。

フラッフ「よし…みんな、付いて来て!」

木曾「了解!」

那珂「さよーならーっ!」

「「「「「「さようならーっ!」」」」」」

皆、口々に別れの言葉を放ちます。
永遠の別れではなく、また会おうと言う気持ちのこもったさようならを…


ーーーポップスター ププヴィレッジーーー


木曾「ん………こ、ここは?」

フラッフ「ここが、キミたちの星か…綺麗で良いね」

那珂「えっ…じゃ、じゃあ…」

ビスマルク「かえって来れたのね、私達」

リボン「よ、良かったでしゅ…無事に帰れたんでしゅねえ…」

木曾「……フラッフ、今回は…有り難う」

フラッフ「気にしないで、キミにも良くしてもらったからね」

木曾「…」

ビスマルク「……貴方も、毛糸の国へ戻るのよね?」

フラッフ「うん、キミ達の家がこの星である様に…僕の家は、毛糸の国だからね」

那珂「また…会えるよね?」

フラッフ「うん……そうだ、念の為、靴下の片方を渡しておくよ」

木曾「良いのか…?」

フラッフ「ああ、毛糸の国はこの靴下以外には決して入ることの出来ない安全な場所……もし何か有ったら、避難しに来て」

木曾「ああ…ここの住民達が、厄介になる」

フラッフが差し出した靴下の片割れを、木曾は受け取る。

フラッフ「じゃあ……またね」

木曾「ああ……またな」

フラッフは靴下の行き先を毛糸の国へ設定し、そのまま帰って行きます。


リボン「……行っちゃった、でしゅね…」

木曾「ああ……そうだな」

ビスマルク「…さて、問題は…何日も居なくなってた私達……どう怒られるやら」

オイゲン「まさか、4時間こってりしぼられるとか…」

那珂「うー…疲れた身にそれは勘弁して欲しいなー」

木曾「ははは……今回は、色々有って、少し疲れたな…頭も冷やせたのかどうか分からないよ」



「良いでは有りませんか」

木曾「……?」

そこには、あのカボチャの男が立っていました。


ランプキン「全て、運命が定めた事です」

木曾「……ランプキン?」

ランプキン「人は、縁の示し道の通りに道を行き、人と出会い、別れを経験し、進んで果てるのです」

ランプキン「貴方方は、今回の荒れ道を通った結果、沢山の良き友を得た」

ランプキン「…運命からの贈り物、大事にするのですよ」

ランプキン「私の様な、欲に全てを注ぎ、全てを捨てる大バカ者には成らない事です」

木曾「……ああ、俺は…縁の示した通りに行くよ」


那珂「木曾ー!どうしたのさー!」

ビスマルク「置いて行くわよー!」

木曾「ふ……今行く!」

仲間達の呼び声に目を傾けた時、あのカボチャの男はもう消えていました。








この後、めちゃくちゃ怒られた後、めちゃくちゃ美味しい物を食べさせられた。

さらに姉にも怒られた、でも仲直りした。めでたしめでたし


第四話  『毛糸の木曾』


おしまい


ーーーーーーーー





ーーー次回予告ーーー



アミーボ「アミー坊ー」

アモーレ「アモー霊ー」

アミーボ・アモーレ「「天気よほー」」


アミーボ「いやー外しちゃいましたねー」

アモーレ「外しちゃいましたー、兄ちゃん、後ろに居るの何?」


離島|棲鬼「ははっ、貴方等と御揃いで二つで一つになっちゃったー」

アミーボ「きゃー、まっぷたつおんなだー」

アモーレ「きゃー」


アミーボ「そんな事より、俺達沈んでっぞ」

アモーレ「オ"ウ!」

離島|棲鬼「どうもならねー」

次回 第五話 『絵画とU-ボートと鬼と敵新型潜水艦と艦隊迎撃と序でに港湾破壊と(ry』


アミーボ・アモーレ「「次回もまた見てくださーい」」

U-511「ゆ、ユーからも……お願い、します…」

アミーボ「あ?君の出番は本編からだけど?何予告に出しゃばっちゃってんの?」

アモーレ「作者の嫁だからって調子こいてんなよ」

U-511「え…と……あ、あの…」ビクッ

離島|棲鬼「アタシだって退場するんだから自重しろよ潜水艦風情が」

U-511「」ヒ、ヒドイ

ネ級「まあまあ……さて、次回の陛下と艦娘と黒き大王は!」


U-511「『絵画防衛戦!対潜艦隊とUボートの模造型深海潜水艦』」

U-511「『軽巡棲鬼艦隊先行撃滅戦』」

U-511「『港湾棲姫、序でに撃たれた三式弾にビビる』の、さ、三本です…」

ネ級「良ーく言えまちたねええ、さ、お姉さんと一緒にお部屋で遊びましょうネー」

U-511「う、うう…っ」ビクビク

ーーーおまけーーー




『ガス、彼の者の世に、春来れり』


ーーー翌日デデデ城 工廠ーーー

デデデ「明石、木曾 那珂 ビスマルク プリンツ・オイゲンの艤装の修理はどうなったZOY」

明石「あ、提督!たった今終了した所です!ちょっと損傷が多かったけど…エスカルゴン博士が居たお陰で何とかなりました」

エスカルゴン「私に掛かれば、高度な技術を隅々まで吸収するのだって朝飯前でGES」

デデデ「ほうほう、良くやったZOY」

明石「有り難う御座います!」

エスカルゴン「ただ、今でもちょっと人手が足りないでGESな」

デデデ「ほうほう、まあ二人では仕方ないZOY」

明石「そうですね…やっぱり、後もう一人欲しいです」

エスカルゴン「何か、暇そうで機械いじりが得意な奴って居ないでGESかねえ」

明石「特に力仕事が出来そうな人」

デデデ「そんな奴都合よく………」


1:仕事は有るが無いに等しい

2:力が有る

3:機械いじりが得意


デデデ「……居たZOY」

エスカルゴン「え?誰が」

デデデ「行くZOY、明石、エスカルゴン!アイツの元へ行くZOY!」ガシッ!

エスカルゴン「え、ちょ、アイツって誰でGESか!」

明石「ら、乱暴にしたら危ないです!」


ーーーそんなこんなで、ガスのガソリンスタンドーーー

ガス「……っかー……村で車持ってる人何て村長ぐらいだしなあ…」

ガス「暇だなあ……まあでも、毎朝大和さんがここ通って来るからなあ……」

ガス「……うへへへ、綺麗だよなあ…大和さn「御邪魔虫」うえぇへっ!?」

デデデ「……」

ガス「な、何だ…陛下かよ、驚かすなよ」

デデデ「ガスよ、良く聞け!」

エスカルゴン「たった今からお前のガソリンスタンドは、営業停止処分でGES!」

ガス「……なんで?」

デデデ「お前に新しく付いて欲しい仕事が有るからだZOY」

エスカルゴン「しかも毎日可愛い女の子と一緒に機械いじり!こんな所で日に当たってるよりはずっと素晴らしいでGESぞ!」

ガス「え、ええ?何か裏とかあるんだろ?」

デデデ「いや?工廠の人員補充で目に付いたのがお前だったZOY」

エスカルゴン「つまり何となく」

ガス「なら……良い、か?」

エスカルゴン「じゃあ……この人を見てもらえれば納得してくれるでGESね?」スッ

ガス「……?」



明石「あ、あの……工作艦、明石です」

ガス「………ッッ!!?」ズギュゥゥン!!

ガス「え、えと……俺、ガスって言うんダだ……」カクカク

明石「ガスさん、ですか!覚えておきますね!」

ガス(ナ、なんだこの子……か、かわえええええ……)

ガス(大和さんとは違った方向性だけど……か、かあわいいいいい!)

ガス(エ?何?俺毎日こんな可愛い子と趣味の機械いじり出来る訳??)

ガス(な…な…)

ガス「何この突如の地獄から天国状態」

デデデ「話は決まった様だな」

ガス「え?」

エスカルゴン「明日から、お前は城の工廠で働くでGES」

ガス「あ、お、おう」

明石「じゃあガスさん、明日から宜しく御願いします」

ガス「は、ははいっ!!喜んで!」

デデデ「では、明日から頼んだZOY!」

ガス「ら、ラジャー!」

スタスタスタスタ………

ガス「………」

ガス「……明日から、かあ」

ガス「…俺、あの子と…一緒に…機械の仕事するんだよな」

ガス「……………」


ガス(今日のフロ……身体しっかり洗っとくかあ)


おめでとう!工廠の主任にガスが入って来てトリオに成ったぞ!▼



おしまい、ぎゃふん

つかれた、今日はねてしまいます。
次のスレ立ては明日にします。ごめんなさい

最近このssを知った人には、あらすじとして前作を見て下さい。ご都合主義駄文だらけなのはご了承を

その1:醜き陛下とカタツムリ - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1390866226/)

その2:醜き陛下とカタツムリ その2 - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/14562/1392998562/)


眠いので今日はどろん。

次のスレ立てました。
読み終わったら進んで下さい。 URL:陛下と艦娘と黒の大王 その2(カービィ×艦これ) - SSまとめ速報
(http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1425095698/l50)

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