P「酒の席だしぶっちゃけてもいいですか?」 (58)

小鳥「は、はい、どうぞ」

社長「うむ、遠慮なく言ってくれたまえ」


P「この事務所、すごく疲れます」


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小鳥「え? ど、どうしてですか?」

社長「ふむ、何か問題でもあるのかね?」

P「だって… だってこの事務所…」


P「この事務所のアイドルはみんな可愛いすぎるんですよ!」


小鳥「…へ?」

P「俺なんでこの子達の保護出来てない保護者役やってるんだろうって思うんですよ!」

小鳥「あ、あの?」

P「俺はアイドルとプロデューサーとしてじゃなくて、普通に友達として出会いたかったです!」


社長「つまり私の目に狂いはなかったと?」

P「ええ、まったくです!」

社長「はっはっは、それは嬉しいなぁ」


P「……」ゴクゴク

P「…ぷはー!」

P「あ、すみません! ビールもう一杯お願いします!」

 はーい


P「春香ですよ! いつも明るく笑顔、ああかわいい!」

P「しかもこの前残業してたら『お仕事お疲れさまです』ってドーナツくれたんですよ! 春香だってアイドル忙しいのにわざわざ作ってくれたんですよ!」 

P「今までバレンタインすら家族からしか貰ったことないのに突然これですよ!もう自分嬉しくて泣くかと思いましたよ」


 ビールでーす

P「あ、ありがとうございます」

P「……」ゴクゴク

P「…ぷはー! ビールが美味い!」


P「美希を見てくださいよ! 普段はぐーたら寝てるだけだと思ったら、仕事になればあれですよ!」

P「あんな綺麗な子が俺の腕に抱きつきながら『ハニー』って呼んでくれるんですよ!」

P「もう俺女の子と付き合ったこともないから向こうからギュってされるだけでもう頭真っ白! あれで落ちない男はいないんですよ!」

P「……」ゴクゴク

P「…っくー!」



P「雪歩はもう見ての通りですよ! 天使なんですよ!」

P「あの控え目な動作、そしてふわふわした雰囲気! 男なら誰でも守ってあげたくなる何かがあるんです!」

P「あの雰囲気見てるだけでもう自分は幸せなんです! …欲を言えばもう少しこちらを信用してほしいですけど」

小鳥「あ、あれは信用してないってわけじゃなくて…」

社長「まあまあ音無君、ここは他の子についても聞いてみようじゃないか」


P「真は女子はカッコいいって言いますけど、あいつは可愛いんですよ!」

P「確かに俺なんかより遥かにイケメンです。仮に並んでもモテるのは真のほうでしょう」

P「でもそんな凛々しい表情してるのに、少女物の趣味ときた!」

P「可愛いドレス着て喜んでる時なんかこいつ可愛いって抱きしめたくなりましたよ!」

小鳥「それについて今度詳しく教えてくださいね」

社長「まあまあ音無君」


P「千早は元々歌に熱心で、自分のことすら人間として見てくれてないんじゃないかと思いました」

P「でもその歌に対する熱意を尊敬するべき人間だと思ってました」

P「ところがどうですか! 自分のクッソ寒いオヤジギャグを聞いて笑いのツボに入ってるんですよ!」

P「普段はドライそのものだけど、可愛いところがある普通の女の子じゃんって思いましたね!」


P「やよいはいつもいい子なんですよ! そう、いい子なんです!」

P「春香と並ぶ事務所の太陽ですよ! しかも家庭的ときた!」 

P「食生活がまるでダメな俺にも料理作ってくれー!」

P「…取り乱しました。もしやよいが妹で『お兄ちゃん、私結婚するんだ』って言われたら自分一週間は泣いてますよ!」


P「伊織はええ率直に疲れます。どうしてもプロデューサーのほうが立場が弱いのであまりどうこう言えないのですが…」

P「もし伊織が女じゃなかったらどこかで殴ってたかもしれません」

P「でも時々見せるあの口は悪いながら気配り上手な場面を見るとどうですか! 」

P「ジタバタするのを押さえこんで「伊織ちゃんはいい子でちゅねー」って頭撫でてやりたいですよ!」



P「……」ゴクゴク

P「…ぷはー! すみません、もう一杯!」

 はーい



P「あずささんはもう説明不要ですよ!」

P「おっとりした優しいお姉さん! 俺もこんなお姉ちゃんがほしかったです!」

P「『プロデューサーさん』って声を聞いただけでもうそのまま飛びついて思いっきり甘えたいですよ!」

社長「三浦君が来ていたら聞けない話だったな」

小鳥「そうですね。来れなかったことが幸いしたのかも」


P「亜美と真美はなんかヤバイんですよ!」

P「兄ちゃんって呼んでくるんですよ! 自分妹いないのに、まるで妹が出来たような錯覚に陥るんですよ!」

P「お前ら妹か? よーしよしお兄ちゃんがゲームでも何でも遊んでやるよ!」


 ビールでーす

P「はいどうも。…あー美味い!」

社長「あ、お姉さん。日本酒一つ頼むよ」

 はーい


P「響はちょっと抜けてるところがあるけど、それがまたいいんです! いや、悪い意味じゃないですよ?」

P「自分で完璧って言いながら不憫な役、…何故か毎回やって来るのが不憫な役割なんですよね」

P「でも響はそれを乗り越えて輝く存在なんですよ!」

P「その時の『プロデューサー!やったぞ!』って笑顔がなんかもうこっちを殺しにきてるんじゃないかと思いましたよ!」


 日本酒ですー

社長「ありがとう」

小鳥「お注ぎします」

社長「うむ、すまないね」



P「貴音は確かに自分もあまりわからない部分が多いです」

P「雪歩以上に心を開いてくれない存在です」

P「でも常に余裕があるように振る舞いながら、時折弱い姿勢を見せる! そこに痺れるぅ!」

P「そしてたまに見せる無知な一面! ああ手取り足取り教えたい」

小鳥「……」

P「いや、変な意味じゃないですからね? 勘違いしないでくださいよ?」



P「……」ゴクゴク

P「…あー飲んだ!」



P「律子は確かに厳しい面が多いです。自分と違って仕事が出来るから、自分が仕事が出来ないように見えるかもしれません」

P「今まで律子に仕事のことで散々言われて何度事務所やめようかと思いました」

P「でも口では色々言いながら、ちゃんとフォローしてくれるんですよ! まるでよく出来た妻みたいですよ!」

P「妻か!? お前は俺の妻なのか!? ダーリンって呼ばせるぞちくしょう!」



小鳥「い、色々あるんですね…」

P「でも自分が一番納得いかないのは、小鳥さんですよ!!」

小鳥「ええ!!? わ、私ですか?」

P「そうですよ! 何故アイドルじゃないんですか!」

小鳥「な、何故って言われても…」

社長「はっはっは、音無君なら確かにまだ続けられるかもしれんな」

小鳥「しゃ、社長!」

P「スタイル抜群! しかも可愛い! 事務所のみんなのお姉さん! これはもうアイドルの素質間違いなし!!」

小鳥「そ、そんなことないんだけど…」

P「そんな控え目なところも可愛い! 自分今ちょっとときめいた!」

小鳥「え? え!?」


P「ははは、はぁ…」

P「……」

社長「どうかしたかね?」

P「すみません、少し酒が入って暴走しすぎました。今日は帰ります」


小鳥「そろそろ遅いですもんね。帰りましょうか」

社長「そうだな。じゃあ2千円ずつもらおう。後は私が持つ」

P・小鳥「ごちそうさまです」


 翌日

P「おはようございます」

小鳥「プロデューサーさん、おはようございます」

P「あ、小鳥さん。昨日は申し訳ありませんでした」

小鳥「え? ああ、いいんですよ。ふふ。さ、お茶どうぞ」

P「? ありがとうございます」


春香「プロデューサーさん!おはようございます!」

P「ああ、おはよう、春香」

春香「あの、いつもお世話になってるプロデューサーさんへのお礼を込めてお菓子作ってきました。食べてください!」

P「お、おう、ありがとうな」

春香「えへへ」


響「なあ、プロデューサー。今度の収録なんだけど…」

P「ああ、あれはやりたくないよな。断るか」

響「ううん! 自分頑張るからさ、見ててよ!」ニコッ

P「そ、そうか…。じゃあ頼んだぞ」


律子「プロデューサー殿、例の書類なんですけど…」

P「あ… 済まない。忘れてた」

律子「…私が書いておきましたから」

P「え? そ、そうか、ありがとう」


律子「ま、プロデューサー殿には期待してますから頼みますよ」


律子「…ダーリン」ボソッ

P「ん? 何か言ったか?」

律子「い、いえ! 何でもないです!」

P「?」


亜美「兄ちゃん兄ちゃーん」

P「ん? どうした?」

真美「ゲームやろうよーゲーム」

P「今日は営業だから無理だよ」

亜美「えー? ゲームやりたいよー」


P「また今度な」

真美「じゃあ明日やろーよー」

P「わかったわかった。明日な」

亜美「わーい! じゃあ明日約束だかんね!」

真美「約束破ったら、兄ちゃんが生涯独身になるように呪いかけちゃうよ」

P「何だよそれ」


雪歩「あ、あの、プロデューサー」

P「ん? 何だ?」

雪歩「ひぅっ お、お茶のおかわり、良かったらどうぞ…」スッ

P「ああ、ありがとうな」

雪歩「は、はい! えへへ」

P「?」



千早「プロデューサー」

P「どうかしたか?」

千早「…いえ、やっぱり何でもありません」

P「そうか。お、春香のお菓子はケーキか。これは景気がいいな、なんちゃって」

千早「ケーキ、景気… ふふ」

P「? なんだか楽しそうだな…」


あずさ「プロデューサーさん、おはようございます」

P「おはようございます、あずささん。今日は機嫌が良さそうですね」

あずさ「はい、うふふ」

P「何か良いことがあったんですか?」


あずさ「ファンレターに優しいお姉さんって書かれていたんです。それに…」

P「それに?」

あずさ「いえ、なんでもないです。うふふ」

P「? なんであんなに機嫌が良いんだろう?」


真「プロデューサー、おはようございます!」

P「おお、おはよう。今日も元気だな… ってどうしたんだそれ?」

真「へっへーん、今日のボクはいつもとは違いますよ」

P「違うって… お前それ完全にワンピースじゃないか」

真「今日はこれでバリバリいきますよ!」

P「そ、そうか。まあ頑張れよ」


伊織「ちょっとアンタ」

P「ん? 何かあったか?」

伊織「これ、使いなさいよ」スッ

P「これは… 腕時計?」

伊織「アンタこの前腕時計が壊れたって言ってたでしょ?」


P「まさか買ってきてくれたのか?」

伊織「勘違いしないでよ。それでアンタが仕事に遅れたらアンタだけじゃなくて事務所が困るんだから…」

P「ありがとう、大切に使わせてもらうよ」

伊織「だ、だから勘違いしないでって言ってるでしょ! それは…もう!」スタスタ

P「…これ高そうだな」


貴音「プロデューサー殿、おはようございます」

P「ああ、おはよう」

貴音「本日もご指導よろしくお願いします」

P「いや、俺何も教えないから」

貴音「ふふ、私はプロデューサー殿の行動を見て学ぶことが多々ありますので、本日も学ばせていただきます」

P「そ、そうか。 …俺ってそんなに何かしてるのか?」


やよい「プロデューサー、おはようございまーっす!」

P「おはよう、今日も元気だな」

やよい「はい! あ、でもプロデューサーはちょっとお疲れですか?」

P「ん? ああ、そうでもないよ。ここのところそんなに大変な仕事はないし」

やよい「でも、なんか疲れてるって感じがします!」

P「え? そうか? なんだろうな…」

やよい「あの、良かったらこれ食べてください!」


P「これ、やよいが作ったのか?」

やよい「はい! 今朝はちょっと作りすぎちゃったので、食べてくれたらなーって」

P「そうか、ありがとうな」

やよい「えへへ、じゃあ失礼しまーす!」

P「…やよいの手料理、美味しそうだな」


美希「ハーニィー」ギュッ

P「わっ。美希、どうしたんだ?」

美希「あはっ、ただこれがやりたかっただけなの」

P「そ、そうか」


美希「あふぅ、ミキ眠くなっちゃったの」

P「そこで寝られるとすごく困るんだが」

美希「ハニーがソファまで運んでくれるとミキ嬉しいな」

P「わかったわかった。…よっと」



P「ふう…」

美希「……」スヤスヤ

P「もう寝てるし…」


P「よいしょ、仕事しますかね。…ん?」

小鳥「……ふふ」

P「俺の顔、変ですか?」

小鳥「あ、ごめんなさい。そういうことじゃなくて、プロデューサーさん愛されてるなって。…ふふ」



P「みんながいつもと違う… 何故だ?」


 おわり

今回はタイトルだけネタとして提供していただきました。
提供していただいた方が胸糞系にしかならなそうだと仰っていたので、なるべくコメディ寄りを目指しました。

ここまで見ていただいて本当にありがとうございました。

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