北島マヤ「>>2役のオーディション?」(58)

月影先生「このオーディションに合格できないようなら、あなたが紅天女を演じることはないでしょう」

マヤ「先生…」

マヤ「腸捻転を起こした豚の役… ですか?」

月影「ええ、 腸捻転症とは、大腸が何らかの原因で捻れることが原因でこの捻れによって腸内が詰まってしまい最終的には死に至る病… 」

マヤ「それが本当に紅天女に関係あるんですか?」

月影「マヤ、紅天女は人ではないの。風であり、火であり、腸捻転を起こした豚でもあるのよ」

マヤ「あたし…やります!腸捻転を起こした豚をやります!」

月影(マヤ… おそろしい子!)

月影「そのオーディションに参加するのはあなたを含め5人…」

月影「姫川亜弓、金谷英美、雪村みちる、そして>>5よ」

マヤ「亜弓さんにヘレンの時の金谷さん、失恋レストランの雪村さんに>>5…!」

マヤ「一体どんな腸捻転を起こした豚をやるのかしら…!」

ドラえもん

マヤ「ドラえもんさん…!」

月影「22世紀から来たという触れ込みで話題の三枚目俳優、色物に見えて演技の土台はしっかりしている。かの名優、大山のぶ代を彷彿とさせる演技力だわ」

月影「芝居というものがお金をとって行われる以上、彼の集客力を無視することはできない… 」

マヤ「先生…」

月影「マヤ、絶対的な差をつけなさい! あなたにしかできない豚を演るだけではダメ、豚といえばあなたしかいないと思わせなければこの役は勝ち取れませんよ!」

マヤ「先生、あたし演ります!腸捻転した豚をやります!」

月影「オーホホホホホホホホ」

養豚場

マヤ「まずは本物の腸捻転を起こした豚を見なきゃ…」

マヤ「うう… 臭い。豚小屋ってこんな匂いがするんだ」

マヤ「腸捻転を起こした豚は… あそこだ!」

豚「ブヒイイイイイ!ブエッ!ブッ!」

マヤ「うう… 激しい嘔吐に吐糞… 見てられない!」

マヤ「でも見なきゃ…!!これを演じなきゃ亜弓さんに勝てない!!」

豚「ブヒイイイイイ!」

マヤ「この豚の痛み、鳴き方、気持ち…」

マヤ「豚の気持ち…」

豚「ブヒイイイイイ!ブヒッ!ブヒッ!」

マヤ「豚… あたしは豚…」

マヤ「ブヒイイイイイ!」

豚「ブヒイイイイイ!ブヒッ!ブヒッ!」

マヤ「ブヒイイイイイ!ブヒッ!ブヒッ!」

豚「ブエッ!ブヒッ!」

マヤ「ブエッ!ブヒッ!」

豚「ブヒイイイイイイイイイ!」

マヤ「ブヒイイイイイイイイイイ!」


養豚場の人1「大変だ!女の子が苦しがってるぞ!」

養豚場の人2「うわわ、何かうつっちまったかな?」

養豚場の人1「腸捻転がうつるか、アホ!」

マヤ「養豚場を追い出されちゃった…」

マヤ「これからどうしよう?養豚場を回れるだけ回るにしても…全部の養豚場に腸捻転の豚がいるとは限らないし…」

マヤ「ううん、考えてても仕方ないわ!一軒でダメなら十軒、十軒でダメなら二十軒!こんなところで足踏みしてちゃ亜弓さんに勝てるわけがない!」

養豚場の人3「ごめんね、うちには腸捻転の豚はいないんだ」

養豚場の人4「腸捻転の豚?つい昨日まではいたんだけどな」

マヤ「どうしよう… 結局最初の養豚場でしか腸捻転した豚を見れていない…」

速水真澄「何してるんだい、おチビちゃん?」

マヤ「速水さん!?」

真澄「そういえば君もあのオーディションに出るんだったな。それで腸捻転になった豚を探していると言ったところか…」

マヤ「速水さんには関係ないでしょう…!」

真澄「なんだ、聞いていないのか?今回の芝居の主宰は大都芸能だぞ」

マヤ「大都芸能…!!」

小野寺「今回の芝居のために大都芸能は日本中の腸捻転になった豚を確保しているところだ。もっとも半分以上は亜弓さんに売り渡すのだけどね」

マヤ「うう…、あたしにそんなお金はないわ」

小野寺「オーディションであなたがどんな演技を見せるか、楽しみにしていますよ」

真澄「ちなみに今回の芝居のタイトルは>>13だ。覚えておいてくれよ」

人魚姫の復讐

真澄「人魚姫の復習だ」

マヤ「人魚姫の復習…」

小野寺「腸捻転になった豚によって下半身を魚に変えられてしまった王妃が、叶わぬ恋の恨み辛みを復讐という形で晴らそうとするイギリスの戯曲だよ」

マヤ「そんな… ただでさえ腸捻転なのに、復讐されるんですか?」

小野寺「何か問題でも?」

マヤ「いいえ…」

真澄「では、次はオーディションで」

マヤ「速水さん…!!」

マヤ「どうしよう… まだ腸捻転の気持ちも掴めてないのに…復讐だなんて…!」

亜弓の稽古場

亜弓「うう… この臭気!これが腸捻転した豚なの!?」

取り巻き1「すげえな、あの美人な亜弓さんが300匹もの豚と同じ部屋に入っているぜ」

取り巻き2「役者魂って言うのかね?さすが姫川歌子の娘さんだな」

亜弓「マヤ… 私のライバル…あなたには負けない!」

図書館

学生1「見て、オーディションに出る予定の金谷さんよ」

学生2「腸捻転の豚役候補に選ばれて稽古に大変だと思ってたのに…」

学生3「いったいどういう神経かしら?毎日図書館にきては本ばかり」

金谷(腸捻転の症状、当時のイギリスの歴史的背景、再演の歴史)

金谷(役になりきるには知識が必要よ… わたしの頭の中でしっかりと豚をとらえてから、わたしの豚はそれからよ)

野比家

ドラえもん「動物変身ビスケット!」

ドラえもん「これを食べると動物に変身できるのさ、うふふふふ」

のび太「すごい!これで今回のオーディションもいただきだね!」

水城「北島マヤ以外の参加者は順調に役を作っているようです」

小野寺「今度こそ北島マヤをつぶすことに成功しそうですね」

真澄「うむ…」

水城「どうなさいました?真澄さま」

真澄(いくらなんでもこの状況はおチビちゃんに厳しすぎる…)

真澄(俺が紫のバラの人として出来ることは…>>18)

豚のビデオを送る

真澄「なんてことだ。このおれが豚のビデオだと?」

真澄「今までどんな女性にも豚のビデオなど贈ったことのないこのおれが…!」

真澄「フッ、しかも10いくつも年下の少女に…」

マヤ「結局腸捻転の豚は見つけられなかった。オーディションまで時間もないのに…」

マヤ「あれ、ポストに何か入っている?」


「あなたが腸捻転になるのを楽しみにしています あなたのファンより」

マヤ「豚のビデオ…紫のバラの人だ!」

マヤ「ありがとう。あたし、あなたのためにも腸捻転になった豚を勝ち取って見せます…!」

豚のビデオ「ブヒッ!ブヒッ!ブヒイイイイイ!」

マヤ「これが腸捻転になった豚… ビデオで見るとまた違った苦しみを感じる…」

マヤ「昔の人魚姫の復讐の映像も入ってる… ありがとう、紫のバラの人…」

マヤ「演れる、あたし、豚を演れるわ!」

マヤ「ブヒ… ブヒ… ブヒ…」

翌日 稽古場

マヤ「ブヒッ!ブヒッ!ブヒイイイイイ!」

麗「すごい… 表情と動きで豚の苦しみを表現している…」

さやか「あの子…やっぱりすごい…」

月影「ダメです」

マヤ「!?」

月影「マヤ、あなたの豚には臭いが足りません」

マヤ「臭い…?」

月影「あなたが演じてる豚は飼育されている豚、病に苦しむ野生の豚のおぞましい臭気が感じられません…」

マヤ「そんな…」

月影「マヤ、ついてきなさい。>>22をします」


マヤ「先生…!」

山ごもり

マヤ「山ごもり…」

月影「多数の豚が生息し、糞尿を撒き散らしている豚糞山で生活してもらいます」

麗「先生、そんなことをしたら役作りどころか、本番前に病気になりかねません!」

マヤ「私… やります!」

麗「マヤ…」

マヤ「あたしの豚… 亜弓さんにも金谷さんにも、ドラえもんさんにもできない豚を演りたいんです!」

月影「オーホホホホ、それでこそ私が見込んだ女優です。ついてきなさい、マヤ!」

マヤ「はい!」

マヤ「臭い… これが野生の豚の臭い…」

月影「私は下山して他の人の演技指導をしています。あなたはここで一人で生活しなさい」

マヤ「そんな…」

月影(フフフ、ここで自力で役の本質を掴めないようでは紅天女など夢のまた夢…)

月影「3日後に戻ってきます。それまでにあなたの豚を創りなさい…」

月影「あとここに>>26を置いていきます。きっとあなたの役に立つでしょう…」

原作もこんなんだもんな…www
安価なら上

マヤ「月影先生はトリュフの入った箱を置いていった…」

マヤ「非常食…かな?あたしこんな高級なものに慣れてないし乾パンとかでよかったのに…」

マヤ「まずは豚を観察しないと…」

豚「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥ」

マヤ「違う… 街で見た豚と違う… 何でなんだろう…」

マヤ「街の豚の方が激しくのたうち回っていたはずなのに、山の豚の方が苦しそうに見える…」

豚「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥ」

マヤ「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥ」

マヤ「少しずつ野生の豚の演技に近づいてる気がする…」

マヤ「でもわからない… 野生の豚の気持ちがわからない…」

マヤ「今日は月影先生が戻ってくる日だ。先生が帰ってくるまでに豚の気持ちをつかまないと…」

豚「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥゥ」

マヤ「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥゥ」

マヤ「結局夜になっちゃった…」

マヤ「あれ?月影先生は?」

マヤ「何かあったのかな?でも月影先生がいないと帰れないし…」

マヤ「おなかへった…」

マヤ「そうだ!トリュフの箱開けてみよう!」パカッ

豚群「ブヒイイイイイイイイ!」

マヤ「え!?」

マヤ「この豚達、トリュフの臭いを嗅ぎ付けたの!?」

マヤ「…臭い?」

マヤ「この辺りは自分たちの嘔吐や吐糞ですごく臭いのに… ずっと嗅覚をはたらかせていた…!?」

マヤ「そうだ…!野生の豚は誰かから餌を貰えるわけじゃない、どんなに苦しくても、臭くても、自分の力で生きていかなくちゃいけないんだ…!! 」

豚群「ブヒイイイイイイイイ!」

マヤ「ブヒイイイイイイイイ!」

月影「ついに掴んだようね… マヤ、やはりあなたは、おそろしい子!」

稽古場

麗「すごい…!苦痛を押し殺して自分の糞尿の臭いを嗅ぎ続けてるのがわかる…!」

マヤ「ブウゥゥゥ、ブウゥゥゥ」

「食料だ!」

マヤ「ブヒイイイイイ!」

月影「マヤ…おそろしい子!ゲホッゴホッガホッ」

マヤ「月影先生!」

月影「大丈夫… 休めばよくなるわ。さあ、あなただけの豚を勝ち取ってきなさい…」

マヤ「はい!」

オーディション会場

亜弓「あなたには負けませんわよ、北島マヤ」

金谷「ヘレンの時の借りは変えさせてもらうわ」

雪村「あの時と同じようにはいかないわ」

ドラえもん「ぼくも頑張らないと、ウフフフフ」

マヤ「手強い人ばかり… あたし、本当に豚をやれるのかしら…」

司会「第一次審査では>>32をしてもらいます!」

豚の丸焼き

亜弓「豚の丸焼き?豚を捕まえて焼けばよいのですか?」

ドラえもん「その後に寿司でも作るのかな。ウフフフフ」

司会「いえ、鉄棒の技の方です。完全な豚を演じられるのならば、豚の丸焼きという初歩的な鉄棒の技でも人の心を打つことができるはずです。」

雪村「これはなかなか難しい課題ね」

金谷(病気の豚を丸焼きにするのは衛生上よくないのでは…)

マヤ「どうしよう… 鉄棒なんてほとんどやったことがない…」

司会「誰からやりますか?」

亜弓「私がいくわ」

マヤ「亜弓さん!?」

亜弓「見てなさい、北島マヤ。私の豚の丸焼きを…」


亜弓「ふっ」

審査員1「すごい!なんて美しい豚の丸焼きだ!」

審査員2「半端な大車輪よりも美しいですな。そしてこの舞台に必要不可欠な悲しさを感じさせる…」

審査員3「これが天才の資質と言うものなのでしょうか…」

司会「やめてよし!」

亜弓「ふう…」

マヤ「すごい… これが亜弓さんの豚の丸焼き…!!」

審査員1「金谷英美の豚の丸焼きも流石ですな」

審査員2「ええ、研究しつくされた体の動きという感じですな」

雪村「次は私がやるわ!」

雪村「それ!」

審査員1「なんというか、悪くはないといったところですかな?」

雪村「のってない…!みんなしらけているわ…!」

審査員2「ドラえもんさんは豚の丸焼きというよりタヌキですな」

ドラえもん「ぼくは猫型ロボットだよ!」

司会「では北島マヤさん、お願いします」

マヤ「あたしの… 豚の丸焼き…!」

マヤ「えいっ!」

審査員1「これは… その、平凡というかむしろ小学生にも見劣りするような…」

審査員2「いや…よく見てください」

審査員1「この動きは… 焼かれている豚を表現している…」

審査員3「彼女は体操としての演技ではなく、女優としての演技をこの技に持ち込んだ…」

審査員1「しかし、この審査で求めてきるものは姫川や金谷のようなものでしょう!」

審査員3「ああ、ただ私は見てみたいよ。この少女がどんな豚を見せてくれるのか…」

亜弓「やはり…あの子は天才だわ」

司会「止め!」

マヤ「ふう」

司会「第2次審査では>>38をしてもらいます!」

ブタミントン

司会「ブタミントンです!」

全員「え!?」

司会「この審査で2名にまで絞られるので真剣にやるように!」

マヤ「ブタミントンなんて、テレビでしかみたことない…」

雪村「友達の家で2、3回やっただけだわ…」

司会「第一次審査の結果を考慮し、対戦カードは次のようにする!」

第一試合 マヤ対雪村
第二試合 金谷対第一試合の勝者
第三試合 亜弓対ドラえもん

マヤ「あたしと雪村さんだけ2回勝たなきゃいけないんだ…」



亜弓「…ところで、ブタミントンって何のことかしら?」

全員「え?」

司会「昔流行ったおもちゃです。豚から空気を出して羽を相手の陣地に送る遊びです」

亜弓「体育館にいくお金もない人の遊びなの?」

司会「いえ、そういうわけでは…」

雪村「お嬢様っていやね」

金谷(ブタミントンを知らないことにイヤミを言うのもな…)

司会「まあ見ながら覚えていくということで、第一試合スタート!」

第一試合 雪村対マヤ

マヤ(正直初めてだから自信ないけど…)

雪村「それ!」

マヤ「えい!」

雪村「とう!」

マヤ「やあ!」

審査員1「北島さんは未経験と言っていましたが、健闘していますね」

審査員2「芝居にかける執念が動きを高めているのでしょうな」

マヤ「えい!」

司会「ゲームアンドマッチ!北島!6-4!」

マヤ「か、勝った!」

雪村「ほんと、あなたってすごいわね。私に勝ったんだから、ちゃんと役勝ち取りなさいよ」

マヤ「雪村さん…」

第二試合 金谷対マヤ

審査員1「これは北島さんが残りそうですね」

審査員2「しかし、金谷さんは先ほどの試合をずっとノートを取りながら眺めていましたよ」

審査員1「まさか…」

金谷「クロスの確率、92%」

マヤ「あ!」

審判「ゲーム!金谷!3-0!」

マヤ「私の返すところが全部読まれてる…!?」

金谷(奇跡の人のオーディションの時の屈辱、晴らさせてもらう!)

マヤ「この人にブタミントンで勝つなんて… どうすればいいの?」

マヤ「違う、これはオーディションなんだ。演技ならあたし、金谷さんとも戦えるはず…」

マヤ「ぼくは夜をさまよう浮かれ小坊主!妖精パック!」

全員「!?」

審査員1「いったいどうしたのいうのでしょう?」

審査員2「彼女はかつて野外ステージで真夏の夜の夢の妖精パック役を演じたことがあるんです」

審査員2「その際… ただの一歩も歩くことがなかったとか」

審査員1「!?」

金谷「スピードが上がった…!?わかってても反応できない…!?」

マヤ(そうよ… あたしは妖精パック…!)

司会「ゲームアンドマッチ!北島!7-6!」

金谷「また負けた…!役者としての心が計算外だった…」

金谷「北島マヤ!いつかきっとしのいでみせる…!」

第三試合 亜弓対ドラえもん

亜弓「はっ!ほっ!ふっ!」

マヤ「すごい…!!ついさっきまでブタミントンなんて知らなかったはずなのに…」

審査員1「これが天才の飲み込みの速さなのでしょうか?」

審査員2「ドラえもんさんが完全に押されてますね」

亜弓「今度こそ、あの子に勝利したい…!」

ドラえもん「しょうがないな~」

ドラえもん「テテテテッ 空気砲~」

ドラえもん「ドガン!」

亜弓「きゃっ!」

審査員1「ああ、空気砲で羽を飛ばす手がありましたね」

司会「ゲームアンドマッチ!ドラえもん!6-0!」

マヤ「亜弓さんが、負けた…!?」

マヤ「亜弓さん…!」

亜弓「そんなに心配しないで。実は私、どのみちそれなりの役で使ってもらえることになってたの」

マヤ「そうなんだ…!」

亜弓「まってるわよ」

マヤ「亜弓さん…!」

司会「最後の審査は実際に演技をしてもらいます!」

マヤ「あれ… 人魚姫役は?」

司会「今回のオーディションのためにスペシャルゲストを用意しました」

司会「>>48です!」

亜弓の母親

司会「姫川歌子さんです!」

亜弓「ママ!?」

歌子「ごめんね亜弓、驚かそうと思ってたんだけど、趣味の悪いサプライズになっちゃたみたいね」

マヤ「えっと…その…」

歌子「奇跡の人のオーディションを思い出すわね」

マヤ「はい…!」

歌子「あなたは…」

ドラえもん「こんにちは、ぼくドラえもんです」

歌子「…二人とも頑張ってね」

司会「今回の審査では、足を取り戻した人魚姫が腸捻転を起こした豚を追い詰めるシーンを演じていただきます」

司会「どちらから先に演じられますか?」

マヤ「あたし…やります!」

ドラえもん「!?」

マヤ(あたし… 演技したくてしかたない!)

司会「それでは準備のほうお願いします」

「人魚姫の復讐」第3部 復讐の場面

歌子「あなたは自分の苦しみを人に押し付けた… 相手がどれ程苦しむかも考えることもなく…」

マヤ「ブウゥゥゥ 」

歌子「私にはあったの!輝かしい未来が!あなたのような豚には想像さえも許されないような栄光が!」

マヤ「ブウウゥゥゥ」

歌子「全部… あなたのせいで… あなたごときのせいで…」

マヤ「ブウウゥゥゥ」


審査員1「すごい… あの姫川歌子を完全に食ってしまっている…」

審査員2「これではまるで、豚に復讐しているほうが滑稽に見えますな」

歌子(ここまではさすがと言ったところね。でも、これはどうかしら)

歌子「ねえ、見える?これは本当はあの人になるものだった真珠なの」

審査員1「え?こんなシーン台本にはたいですよ!?」

審査員2「アドリブでやりあおうということでしょうか?」

歌子「この真珠はとてもきれいよ。でもあの人の手に渡っていたら、もっと綺麗に輝くはずだった!」

マヤ「ブウゥゥゥ?」

歌子「まああなたには今の輝きもわからないんでしょうけどね。こんなもの捨ててしまうわ」

マヤ「ブヒイイイイ!」

審査員1「おお、捨てられた真珠を拾いに行った!」

審査員3「これですよ!私はこれが見たかったんです!」

マヤ「ブヒ?」

審査員1「おお!真珠を拾って姫に差し出しましたよ」

審査員3「この豚の行為は彼女にとって、非常に不愉快な行為なんです。でもその結果を産んだのは彼女の復讐が豚の価値観を変えたから… 復讐という行為のむなしさとどうしようもなさが伝わってくる」

審査員2「これをアドリブで… なんて恐ろしい少女なんだ…」

歌子(北島マヤ… おそろしい子!)

マヤ「ブヒィ…」

審査員1「さて、次はドラえもんさんの演技ですね」

審査員2「あの演技の後にどういった演技を見せてくれるのでしょう」


ドラえもん「あの~それが~」

全員「?」

ドラえもん「さっきトイレで~ 暗記パンを~ あれして~ つまり~」


ドラえもん「台詞を忘れてしまったんです」


全員「えー!!」

マヤ「こうしてオーディションは終わり、私は無事に主役になることがてきました」

マヤ「本公演の人魚姫役は亜弓さん… ひょっとしたら亜弓さんは確かめたかっただけなのかもしれません」

マヤ「あたしが亜弓さんのライバルにふさわしいか、そして…」

マヤ「あの不思議な俳優さんのことを」



のび太「ドラえもん~。いい加減にぼくにも俳優させてくれよー」

ドラえもん「まったくしょうがないな。のび太くんは。うふふふふ」


マヤ、ドラえもん「おわり」


ガラスの仮面はssに向いてるんじゃないかと思って書いた
後悔はしてない

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