幼馴染「おっす筋肉ダルマ」男「なんでい牛女」(18)

幼馴染「今日も相変わらずの強面ですなぁ」クスクス

男「おどれこそ、相変わらずエェ乳してるわな」クックッ

幼馴染「う…うっさい///」ハラバンッ

男「ふんっ」ガチーンッ

幼馴染「痛ッ」ズキズキ

男「俺に腹バンは効かねぇでい」フフンッ

幼馴染「ホントそんな重装備して…アンタ正真正銘の筋肉バカだわ…」

男「最高の褒め言葉をどうもありがとう」

不良「よぉ、チビデブ」

男「不良か」チッ

不良「ちょっと缶コーヒー買いたいんだけどさ、また金貸してくんない?」

男「そんぐらい自分で買えよな」チャリーンッ

不良「おっ毎度ありがとよ。やっぱチビデブは最高のダチだわ」タッタッ

男「……俺ぁチビでもねぇしデブでもねぇ」

幼馴染「そりゃ168㎝は小さい方でしょ。それに服の下にそんな重り付きのベストを着てるからデブみたいに見えるんだよ」

男「後、足の靴も鉛入りだがな」

幼馴染「アンタも嫌な友達作ったねぇ」

男「あんな不良、一度もダチとは思った事ねぇよ」

幼馴染「それなら金貸さなかったらいいじゃん。アイツが怖い訳でもあるまいし、男なら軽く捻り潰せるじゃん」

男「問題起こして就職出来なくなるより、俺が金貸してさっさと穏便に済ませるに越した事ぁねぇよ」

幼馴染「そう言えばアンタ、警備の仕事を受けるんだって?」

男「ああ。だけどホントは自衛隊に入りたかったんだけどな」

幼馴染「まぁ、アレは男の所為じゃないでしょ」

男「母親の所為ってか?そんな言い訳進路の先生に愚痴ったら怒られるっての」

幼馴染「どっちにしろ、一緒の大学には行かないんだね」

男「ああ、悪ぃな」

男「それよか、さっさと自校に行こうや」

現代文先生「あ、男くんに幼馴染ちゃん。今帰り?」

男「せ…先生っどうもッス///」

幼馴染「これから自動車学校に行くつもりだったんです」

現代文先生「そう、頑張ってね」ニコッ

男「う…うぃっす!」ビシッ

幼馴染「……」ジトー

男「やっぱ美人だわぁ。現代文先生……」ポワー

幼馴染「でも卒業したら会えなくなるね」

男「ああ、それだけが名残惜しいのぉ」

幼馴染「それじゃあ卒業式で告白でもすれば?」ツーン

男「あ、それ良いかもな」

幼馴染「えっ?ガチで言ってんの?」

男「今の内に告白の練習でもすっかなぁ……」

幼馴染「…どうしよ。冗談だったのに」

後輩「あ、居た!男兄」ブロロロロッ

男「おぉ、我が妹分よ」

幼馴染「どうかしたの?」

後輩「これ遅れたけどバレンタインのチロルチョコ」ポイッ

男「なんでい。これだけか?」

後輩「男兄にはそれで十分だい」

幼馴染「去年もチロルチョコ一個だけだったねぇ」

男「おどれのは炭だったがな」クックッ

幼馴染「うるせい」ベシッ

後輩「相変わらず中良いねぇ」

男「なんでい、嫉妬か」グリグリ

後輩「アタイが嫉妬なんてするわけないでしょが」ゲシッ

男「アウッ!向う脛は卑怯だぞ!」

後輩「じゃあね」ブロロロロロッ

幼馴染「相変わらず後輩ちゃんは原チャリが似合うね」

男「さすがは俺の妹分」

自動車学校

ブロロロロロロロロロロ!!!

教官「ちょっと男くん!アクセル踏み過ぎ!」

男「スイヤセン!これでも軽くしか踏んでやせんっ!」アセアセ

教官「何時までクラッチ踏んでるの!?」

男「アイサー!」バッ

教官「ちょっそんな一気に戻したら……!」

男「へ?」

ガタガタガタタタタ……ブスン…ッ

男「あ」

教官「あーあ。交差点でエンストしちゃったよ……」

男「またやっちまった……」ズーンッ

男「ふぅ」

受付嬢「あら男くん、またやっちゃったの?」

男「これで三度目ですぜ。やっぱ二輪とは勝手が違うわ」

受付嬢「そうね、男くんの場合、力加減が苦手なんじゃないかしら?」クスクス

男「そうかもですねぇ…。それで次の配車は何時予約出来ますかい?」

受付嬢「ちょっと待ってて……。ああ、来週まで空いてないわね……」

男「この時期は多いからなぁ」

受付嬢「取り敢えず来週の金曜のこの時間で良い?」

男「良いですぜ。来週の金曜……っと」カキカキ

受付嬢「その仔犬のスケジュール帖カワイイわね」クスクス

男「良い趣味してるっしょ?」

幼馴染「あ、男。配車の予約取れた?」

男「今週はいっぱいらしい」

幼馴染「まぁこの時期はしょうがないよね」

男「そう言う幼馴染は今から原チャリの講習か?」

幼馴染「修了試験の日に受けてなかったからね」

男「俺は既に原チャリの免許を持ってるから免除だ」フフンッ

幼馴染「ぶっちゃけ普通免許を先に取ってた方が金が掛からなかったんじゃない?」

男「それは言えてらぁ」

幼馴染「男は今からどうするの?」

男「俺ぁさっさと帰って直ぐに稽古に行って来なぁアカンき」

幼馴染「そう。サムライも忙しいねぇ」

男「そ。サムライも忙しいんでさぁ」

道場

男「………」スゥ…

ダダダダダダッズバッザンッ!

男「………」フゥ…

師匠「男、虎走での移動は刀を抜きながら歩幅を狭く摺足で行かなきゃあかんぞ」

男「追風みたいですね。俺、追風苦手なんですよ」

師匠「そりゃアカンな。ちゃんと稽古せな」

男「はぁい」

師匠「ネズミになったつもりでやってみろ」

男「それじゃあ虎走じゃなくえて鼠走に改名するべきですね」

師匠「ハハッ。それも言えてるなぁ!」

自宅

男「たでぇまぁ」ガチャッ

幼馴染「あ、おかえり」

男「何時もすまねぇな、母親が毎晩あんな胡散臭ェとこに行ってるばっかりに」

幼馴染「法律上、宗教の自由でとやかく言えないからしょうがないって」

男「それで原チャリの講習どうだったよ?」

幼馴染「思ってたより簡単だった」

男「たりめえぇよ」

幼馴染「居合の稽古はどうだったよ?」

男「虎走が大変だった」

幼馴染「ふーん、あっそ」

男「興味ないなら聞くなよ」

幼馴染「どうせアタシにゃ居合は分かりませんから」

幼馴染「しかし明日から暇だねぇ」

男「高3の二月は何処も暇ってね」

幼馴染「自動車学校も来週まで行く必要もないし」

男「学科を早くに取り過ぎたからな。めっさ暇だ」

幼馴染「アンタは一応日曜に面接があるでしょうが」

男「面接って言っても企業説明とかそんなんだけらしい」

幼馴染「じゃあ明日どうする?暇つぶしに学校でも行く?」

男「うんにゃ、ジムに行く」

幼馴染「確かあそこって高校生以下は50円だったよね。アタシも行こうかな」

男「まぁインストラクターが付かないから安いだけどな。その分基礎知識はいるけど」

幼馴染「そこは男が説明してよ」

男「おーけー。そうと決まりゃあ、プロテインを作っとかなきゃな」ゴソゴソ

幼馴染「流石筋肉バカ。本格的ですなぁ」

男「一般常識でい」

幼馴染「だけどプロテインって不味くない?」

男「最近のはそうでもないぞ。色んな種類の味があるからな」

幼馴染「へぇ、どんなの?」

男「チョコレート味、ココア味、コーヒー味、バニラ味、バナナ味、ピーチ味、後色々」

幼馴染「甘そうな味ばっかりだね。それならアタシも飲めそう」

男「俺はCOFFEE味にするけど、幼馴染は?」

幼馴染「ならアタシはバニラ」

男「じゃあ、その粉を付属の摺り切りで2、3杯をシェイカーに入れて、牛乳に混ぜて振ってみろ」

幼馴染「おっけっけー」ドボドボ

男「あんま零すなよ」

幼馴染「れっつしぇーいく」シャカシャカ

幼馴染「………ねぇ、ダマが出来たんだけど」シャカシャカ

男「そういう時は、プロテインの粉に少し砂糖を混ぜてみろ。脱水作用でよく混ざるようになる」

幼馴染「ほえー。そう言うのは先に言いやがれ」

幼馴染「おぉっ。溶けやすくなった」シャカシャカプルンプルンッ

男「いいねぇ。もっと激しく振ってみ」ジー

幼馴染「こうっ!?」シャカシシャカシャカシャカッタプンタプンタプンタプンッ

男「もっといいねぇ。次は横に揺らしてみ?」ジーーー

幼馴染「調子に乗るな」ゲシッ

男「ちっ。バレてたか」

幼馴染「顔を胸に近づけてたら誰でも分かるわ」

男「そうそう、さっきのプロテインに砂糖の話だが、砂糖みたいな炭水化物とプロテインを一緒に飲んだら効果が良いらしい。又、砂糖よりブドウ糖の方が良いらしい」

幼馴染「なら初めから砂糖じゃなくてブドウ糖を入れればいいのに」

男「生憎、ブドウ糖は切らしてんだ」

幼馴染「ともかく、砂糖って便利だね」

男「摂りすぎには注意だけどな」

幼馴染「しぇーいくっしぇーいくっ……出来た」ジャーンッ

男「それじゃあ冷蔵庫に入れて来い」

幼馴染「へーい」ガチャッ

男「明日まで冷やしたら中々美味しいんでさぁ」

幼馴染「おぉ、楽しみだねぇ」

男「と言っても飲むタイミングは筋トレをした後の30分から60分の間に摂るのがベストだ」

幼馴染「ほえー」

男「ま、今日はこれまでと言う事で、飯にしようや」

幼馴染「今日は唐揚げと大根のサラダにしてみたよ」

男「成程。先に鶏肉をヨーグルトに浸して、米粉で揚げたか……。外はパリパリ、中は軟らか……」パクッ

幼馴染「で、味は?」

男「めっさうめぇ」

幼馴染「なら、良かった」ニパァ

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