モバP「マッドサイエンティスト」 (38)

モバP(俺に押された烙印・・・。)

モバP(俺はただ、夢を叶えたかっただけだったのに。)

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自力で思考を行う人工知能

それを搭載したロボットは、自分の意志を持ち活動する。

人間とそう変わらない動きで踊ったり歌ったたりする。

決して生きているわけではないそれを観て人は感動してくれる。

まさに偶像。俺のアイドルだった。

人間の脳に直接作用するメロディー。

そのメロディーに乗って人の思考に入り込み訴えかける歌詞。

これらによって形成される歌は人の思考を支配する。

万人に愛される歌。

俺の目指すアイドルには最適なものだった。

俺の求めたアイドル。

俺の作ったアイドル。

全てが彼女を祝福してくれると思った・・・。

でも、そうは行かなかった。

ロボットは人間と同じ思考をしてはいけない。

人間がロボットを崇めるような事があってはならない。

人間の思考を支配する歌など存在してはいけない。

周りの研究者たちは俺にそう言った。

俺はその言葉には耳を貸さずに研究を続けた。

『悪魔の兵器』

俺のアイドルは心無い者達にそう呼ばれ、壊された。

俺の目の前で。

「輝きたかった・・・。」

彼女は最後に俺に向かってそう言った。

俺は、研究所を追放された。

俺は小さい頃、画面の向こうで輝いているアイドルに憧れていた。

俺もあんなふうになりたい。

そんな事を考えていたときもあったがそれは無理だと悟った。

歌も上手くない、踊りも踊れない女の子でさえない俺には不可能だと・・・。

その代わりに持った夢があった。

自分がなれないのならアイドルを作れば良いのだ。

誰も魅了する歌声

見る者を圧倒するダンス

わけ隔てなく笑いかける明るさ

誰もが羨むボディ

全てを持ったアイドルを作ろう。俺はそう思った。

俺はアイドルを作るために勉強に励んだ。

自分の夢を叶えるのに最適なのは物理学だと思い一生懸命勉強した。

わき目も振らずただひたすらに、ひたすらに。

その結果俺は日本でも有数の大学にトップの成績で合格した。

大学内でも頑張り続け主席として卒業。

ある研究所に就職したのだ。

研究の末に俺は完璧なアイドルを完成させた。

だが、彼女は全てを否定され俺の目の前で無残にも打ち砕かれてしまったのだ。

全てを失った俺は行く場所もなく、やることもなく放浪していた。

そんな俺の前にPさんが現れたのだ。

俺を一目見て「ティンと来た!」

と言った彼はアイドル事務所のプロデューサーだと言った。

そして彼は俺を765プロに連れて行ったのだ。

生身のアイドル・・・

一度完璧なアイドルを作り上げた俺は彼女らに期待をしていなかった。

でも、そんなのはただの勘違いだった。

決して歌は上手くないけれどひた向きに笑い頑張る娘

魅力的なボディを持っているとは言い難いが、歌を愛し懸命に歌う娘

共に切磋琢磨しダンスを完成させようとする娘達

知らず知らずの内に俺は涙を流していた。

俺が本当に求めていたアイドルはこの娘達だったのだと。

それからしばらくは俺はPさんの下で働いた

そして、年月がたち俺は独立して事務所を開いた。

765プロの小鳥さんに紹介された千川ちひろさんと共に築き上げたCGプロは

瞬く間に業界最大手のプロダクションとなったのだ。

全てを内包した完璧なアイドルは作れなかった。

しかし、今俺の目の前には自らの持てる力で輝こうとするアイドルたちがたくさん居るのだ。

千川ちひろ「マッドサイエンティスト」

ちひろ(私に押された烙印)

私の母はあるアイドルプロダクションで事務員をやっていた。

高木プロデューサーとコンビを組んで

1人のアイドルをトップへ育て上げようとしていた。

来る日も来る日も頑張り続けていた。

努力の甲斐もあってか、

2人が育てたアイドル音無小鳥は徐々に人気が出始めてきた。

テレビへの露出も増え、雑誌にも良く掲載されるようになった。

喜ばしいことのはずなのに、母の元気は日に日に無くなって行った。

「今日は疲れてるみたいだからお休みにして!」

私は母に何回言っただろうか。

私が言うたびに母は

「小鳥ちゃんや私達にとって今が一番大切なの、だから休んで入られないのよ。」

と言って栄養ドリンクを飲んで出かけていっていた。

ある日、留守番をしていた私の元に電話がかかって来た。

「お母さんが、倒れた。」

電話越しにも分かるほど取り乱した高木プロデューサーの声が私の頭に滑り込んできた。

私が病院に駆けつけた時には既に母は帰らぬ人となっていた。

疲労のせいだと言われた。

私は、悲しみに打ちひしがれた。

そしてそれは高木さんも音無さんも同じだったのだろう。

ある時、音無さんが交通事故にあった。母の死の原因が自分だと考えて自殺しようとしたらしい。

幸いにも一命は取り留めたが、全身骨折し動けなくなった彼女が復帰するのにはだいぶい時間がかかる。

世間はそのときまで待ってくれはしないだろう。

音無さんはアイドルを辞めてしまった。

どうしたら、母は死なないで済んだんだろうか。

簡単だ、母が疲労を溜め込まなければ良かったんだ。

どうしたら、音無さんはアイドルとして輝けたんだろうか。

簡単だ、母の事を気にしなかったらよかった。悩みなんか持たなければ良かったんだ。

どうしたら、そう出来ただろうか。

考えている私の目の前に会ったのは母が生前愛飲していた栄養ドリンク・・・。

そうだ、薬だ。人間の体や思考を改善するための薬があれば良かったんだ。

母はもう居ない。

音無さんはもうアイドルになれない。

でも、これから不幸になってしまう人を助けられる。

頑張っている人を輝かせられる。

そう思って私は薬学者への道を志した。

並大抵の努力じゃない。

つらい勉強、放り投げたくなることもあった。

その度に、母や音無さんの顔が思い浮かんだ。

そして、励まされた。

その結果私は日本でも有数の大学に入ることが出来た。

そこで優秀な成績を収めた私は

ある製薬会社に入社した。

そこで私は研究を行いついに願いを達成することができたのだ。

疲労を体からも思考からも完全に抜くことができる薬。

悩みや不安を消滅させる薬。

私が求めていたものを完成させたのだ。そして、

怠け癖を抜く薬や

反抗的な考えをなくす薬など

人間の思考を直接操作するような薬を作ることにも成功したのだ。

私の人生の絶頂だった・・・。

『狂気の薬』

疲労を感じるのは当然のことであり、これを薬で消すなどと言うのは危険だ。

ましてや、人間の崇高な思考に直接影響を与える薬など存在してはいけない。

私の成功を妬んでいた周りの研究者達はそう言って私の研究を否定した。

私の願いが、私の希望が、踏みにじられ、破棄されていく。

薬の実物も成分表も私の成果の全てが彼らの手によって焼き払われた・・・。

クビを宣告されたわけではない。

でも、彼らの目は私に出て行けと言っていた。

私は自主退職を願い出て、承認された。

全ての輝きを絶たれた私は途方にくれ

あてもなくさまよっていた。

そんな時彼女が私に手を差し伸べてくれた。

音無小鳥、トップアイドルという夢を絶たれた彼女は

それでも諦めず765プロと言うプロダクションで事務員をしているらしい。

そしてそこの社長は高木さんなのだとか。

私は彼女に誘われるままに765プロに行った。

そして、そこでモバPさんに出会ったのだ。

モバPさんと一緒に作り上げたCGプロダクションは今や業界最大手

私の薬で多くの人を助けると言う夢は叶わなかった。

でも、いま私の目の前には私やモバPさんと一緒に頑張り、輝くアイドルたちが居るのだ。

幸子「ただいま戻りましたー!」

モバP「お帰り。」

杏「たっだいまー!」

ちひろ「お疲れさま。」

幸子「もう、聞いてくださいよ杏さんたら撮影中ずっとハイテンションで困ってしました。」

杏「良いじゃん、良いじゃん、こんな楽しいお仕事が出来るんだから自然とテンションあがるでしょ!?」

幸子「そうですね!それは全面同意です!ところでプロデューサーさんご褒美をくださいよ!」

モバP「そうだな、はいヘッドホン向こうの部屋で聞いて来いよ。」

幸子「やりー、この音楽が凄く頭に響いてきて気持ち良いんですよ!」

杏「ぶーぶー、杏も音楽聴きたかったのにー!」

ちひろ「じゃあ、杏ちゃんにはいつものドリンクですよ。」

杏「やっほー、これ飲むと頭がポワーとして嫌なこととか休みたい気持ちとか全部吹っ飛ぶんだよ!」

モバP「じゃあ、二人とも休憩終わったらレッスン行って来いよ?」

杏「ワカッテルワカッテルヨ!」ゴクゴクゴク

幸子「ハァーシアワセ」シャカシャカ

ちひろ「これからも」

モバP「皆がんばって輝いてくれよ・・・。」

終わりです。

何を書きたかったのか忘れました。

お、乙

晶葉の話だと思ってスレを開いたのは俺だけじゃないと信じたい

これはこれで乙
面白かった


あ、杏さん……?

シャロンアップルみたいなの作ったらそりゃマズいよね

おもしろかった、狂気的な終わり方だな
誰も不幸になってない風な所が特に

森久保はきっと

ウッヒョー仕事だーとか言ってるんですね?

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