佐天「無能力を感染させる能力かぁ」(140)

はよ

佐天「くんくん」

>>2
可愛い

これはいいぞ

初春「佐天さん!能力者になったんですか?」

佐天「まだLv1だけどね~」

初春「それでもすごいですよ~ どんな能力なんですか?」

佐天「無能力を感染させることができる能力らしいんだ~www」

御坂「こ、こっち来るんじゃないわよー」バチバチー

佐天「あれ~御坂さんどうして逃げるんですかー?友達じゃないですかー?」

>>12
はよ

佐天「白井さ~ん!逃げないでよ~!」

黒子「き、急用を思い出しましたの!(テレポートで逃げますの)」

……………

黒子「え……?」

佐天「」ニヤニヤ

レベル1: セックス感染

レベル2: キス感染

レベル3: ボディタッチ感染

レベル4: 空気感染

レベル5: ランダム感染

>>28こんな感じかな?
佐天「白井さん 御坂さんと本番やる前に私と練習してみません?」

黒子「佐天さんとですの? 私はお姉様と始めてがいいですの」

佐天「白井さん、もし御坂さんと本番するとき緊張して何もできなかったらどうするんですか?」

黒子「そ、それは・・・ 佐天さんわかりましたわ」

佐天「白井さん流石です!」

初春「佐天さん、補習お疲れさまでした!」
佐天「あははー、さすがにちょっと疲れたかなー」
黒子「あらあら、佐天さんらしくないですわね、そんな弱音を吐くなんて」

佐天「いやあ、もう補習も慣れっこなんで、体はそんなに疲れてないんですけどね、こうもレベルが上がらないと」
美琴「佐天さん…」
佐天「や!別に落ち込んでるわけでもないんですよ!ほら、ケーキも美味しいし」

黒子「…そうですわね、疲れたときは甘いものが余計に美味しいんですの」
佐天「そうそう、ちょっと得しちゃったなーって思っちゃったり」
黒子「この店は紅茶も美味しいんですわよ、補習疲れの佐天さんに、この黒子が一杯奢ってさしあげましょう」

佐天「えっ本当ですか! ラッキー! ありがとうございます!」
黒子「初春、ちょっと店員さん呼んで、あら?」
初春「黒子さんの端末ですね、鳴ってるの」

黒子「ああ、こんなときに。ジャッジメントの呼び出しですわ」
佐天「えーっ、黒子さん、帰っちゃうんですかあ!?」
黒子「仕事ですから仕方ないですわね、初春、私と佐天さんの分、これで払っといてくださる?」

初春「はいっ、お気を付けて」
美琴「気を付けてね、黒子」
黒子「おっ……お姉様、お姉様からそんなお言葉を頂けるなんてこの黒子」
美琴「ひっ、いいから、さっさと行け!」

黒子「ぐすっ、それでは皆さま、ごきげんよう」
佐天「また今度、黒子さん!」

初春「…?」
美琴「…黒子? どうしたの?」

黒子「え、いや、何かが変ですの」
美琴「変?」

黒子(演算開始、座標を設定、設定、設定)
美琴「黒子?」

黒子「……演算を、再開始、、、おかしいですの」
初春「何が、おかしいんですか? 黒子さん」

黒子「演算が、出来ないですの」

佐天「演算が、出来ないって、えっと?」
初春「テレポートができない…」

黒子「私の能力は11次元を経由してある3次元座標からある3次元座標に移動する能力ですの。けれど、その座標の設定が…」
美琴「…できない?」
黒子「ええ」

黒子「とにかく、ジャッジメントの招集には応じなければなりませんの、徒歩で移動して途中で車を手配しますわ」ガタッ
美琴「黒子…気を付けてね」

黒子「くぅー! お姉様のそんな顔が見れるなら、わたくしはいつでも能力が使えなくなってもいいですの! お姉様!さあ」
美琴「さっさと、行け!」

黒子「ごきげんようですの……」カラン...カラン...

佐天「いっちゃったね、黒子さん」
初春「突然能力が使えなくなる事なんてあるんですねー、びっくりしました」

美琴「普通、ないと思うんだけどね…」
佐天「え?」

美琴「うーん、あの子のテレポートって、すごく体調に左右されるみたいだからね、もしかしたら、ちょっと体調崩してたのかも」
初春「ええっ、全然、そんな風には見えませんでした」
佐天「ジャッジメントの風格、ってやつですかね、かっこいいなあ」

美琴「まあ、今晩あの子が帰ってきたら話でも聞いてみるわ」
佐天「そうですね、御坂さんが親身になってくれたら、すごく元気になってくれると思いますよ」

美琴「ほ…ほどほどにしとく」

白井さんじゃね

――夜、佐天の部屋

佐天「それにしてもびっくりしたなあ、黒子さん」
初春「びっくりしましたよね」

佐天「初春はさ、行かなくてよかったの?」
初春「あ、気になったんで一応調べたんですけど、そんなに大した事じゃなかったみたいです、ただ、黒子さんがやってる事件と関連してたから呼び出されたみたいで」

佐天「そっかー…ねえ、初春…」
初春「なんですか? 佐天さん?」

佐天「あのさ…」ずいっ
初春「ひゃっ、さ、佐天さん…近い…」

佐天「初春…目、瞑って」

>>44
誰?なおす

初春「…」きゅっ
佐天「初春の…」

初春「さ、さてんさ…」
佐天「牛乳…」

初春「えっ?」ぱち

佐天「いただきっ」
初春「あーっ、それ、私が飲んでた!」

佐天「いやあ、初春はいいねえ、名前のとおり初初しい! つい本当に襲っちゃおうかと思っちゃったよ!」
初春「さ…佐天さん! もう…」

佐天「あー、ぬくいねえー、初春のぬくもりだねえー」

初春「全部飲まないで下さいよ…?」
佐天「や、一口だけ、一口だけだって」

初春「そういいながら二口三口も飲んでるじゃないですか! 返してください!」バシッ
佐天「おっ、初春にしては強行策だ、取られたかー」

佐天「初春もさ、能力使えなくなったり、するの?」
初春「えっ…あ、えっと、私は使えなくなったことはないですけど」

佐天「そっか」
初春「だけど私の能力だって、電子レンジ使った方が便利ですよ」

佐天「うん、この話、終ーわりっ! ね、明日、どこ行こうか! ほら、白井さんとお茶会、仕切り直すって話」
初春「あ、そうですね! 調べたんですけど…」

――翌日、日の傾きかけた昼すぎ

黒子「すてきなお店ですわね」
美琴「へえー、いいじゃない、よくこっちの方のお店知ってたわね、ふたりとも」

佐天「いやあ、でしょう、すっごく調べたんですよ! 初春が!」
初春「なんで佐天さんが偉そうなんですか。このお店、生クリームのケーキがおいしいらしいんですよ」

美琴「そうなんだ、じゃあ、私は苺のショートケーキにしようっと」
黒子「では、わたくしはショコラにしますわ」

佐天「白井さんって、御坂さんとおそろいにしたりはしないんですね」
黒子「何を言ってるんですの佐天さん、同じものを頼んでしまうと、お姉様のケーキを頂いたりわたくしのケーキを差し上げたりできませんの! くうーっ!」

初春「私はシフォンケーキにします」

佐天「じゃあ、すみませーんっ、ショートケーキと、シフォンと、ショコラと、レアチーズのタルトと、あと紅茶四つ」

初春「あれ、レアチーズにするんですか?」
佐天「いやほら、初春のがあるじゃない?」
初春「別に、いいですけど…」

*****
初春「これ、おいしいですね」
黒子「ええ、クリームがとても上品ですわね、甘すぎない方がこのしっとりとしたスポンジに合いますの」

美琴「く、黒子、あんた私のショートケーキ食べたわね…」
黒子「ああ、それにクリームに加えてお姉様の」
 べきっ
美琴「うがあ! やめろ! 」
黒子「くう、いつもならテレポートでお姉様を襲えますのに、しかし! あえてお姉様の折檻を受けるのもまた」べきっ

初春「えっ、もしかして白井さん、能力使えないままなんですか?」
黒子「お…おねえさ…」

美琴「んー、そうみたいね」
佐天「えっ、大変じゃないですか!」

美琴「黒子に説明させるわ、ほら、黒子」
黒子「くうう…ええ、そうですわね、どうやらわたくしは、現在レベル0ですわ」
初春「ええっ!」

黒子「昨日の呼出しの後、学園に行って調べてもらいましたの、そうしたら、今のわたくしからはAIM拡散力場が検出できなかったようですわ」
佐天「えっと、つまり」
美琴「無能力者、ってことよ」

黒子「ジャッジメントの仕事からも外されましたわ、といっても、どなたかに引き継ぎするまでは本部に行かなければなりませんが」
初春「それ、本当ですか?」

黒子「こんなことで冗談なんて言いませんわよ初春」
初春「そ、そうですよね、すみません」

黒子「初春、ジャッジメントたるものそんな顔をしていては駄目ですの、それに、能力が戻ったらすぐ復帰しますわよ」
黒子「わたくしが抜ける分、あなたもジャッジメントを支えなければなりませんわよ」
初春「は、はい!」

美琴「とはいえ、困ったわよね、やっぱり原因不明なの?」
黒子「一切が不明ですわ、とにかく、今度もう少しちゃんと検査を受けてきますわ」

佐天「う、い、は、るー!」ぎゅう
初春「ひゃあっ、何するんですか! 佐天さん!」

佐天「今すっごい顔してたよ初春」
初春「えっ…」

佐天「ダメだよ、しっかりしなきゃ。青い顔してた」
初春「さ、佐天さん…」

佐天「何て言うのかなー、初めてとんでもないものを見せられた顔っていうか、あ、だけど今はこなれてきた顔だね」
初春「なんですかそれ」クスッ

美琴「まあほら、ケーキ食べに来たんだし、みんな食べましょう」
黒子「そうですわね、紅茶も熱いうちに楽しまないと、損ですわ」

佐天「あったかいものって、やっぱりあったかいうちが美味しいですよねー」
黒子「何事にも適当なバランスがあるんですの、この紅茶も、ケーキに合わせて淹れてあるようですわ」

美琴「カレーって冷めた方がおいしくない?」
初春「ええっ」
佐天「いやそれはおかしいですよ御坂さん、熱い方がおいしいでしょう」
美琴「そ、そうかな」

佐天「そういうとこだと初春の能力は便利ですよね、みんなの紅茶は冷めてるっていうのに、初春のだけはこんなに熱く」
初春「佐天さんっ、また人のをっ」

佐天「あれっ」
黒子「どうしたんですの?」

佐天「冷めてるよ…これ…」

ちょっといれ

――三日後、放課後、いつもの喫茶店

黒子「昨日、初春と二人で検査を受けてきましたが、佐天さんは、もう初春から?」
佐天「はい、なんかいまいち分からなかったんですけど、AIM拡散力場が体外への作用をどうたらとかで」

黒子「ええ、そうですわ、AIM拡散力場は一応発生はしているらしいんですの」
美琴「ただそれが、自分の体内だけ、ってことだっけ?」

黒子「AIM拡散力場が自分の体外に出ていないということは、能力を自分の外に発生させることができない、ということでしょう」
黒子「わたくしの場合座標を使いますし、初春は触れている物が対象ですわ、だから使えなくなったのでしょう」

佐天「やっぱり、原因は不明なんですか」
黒子「ですわね、今調べて貰っていますが」

黒子「これは重大な事件かも知れませんわ」

佐天「じ、事件!? ってことは、犯人がいるってことですか!?」
黒子「その可能性もあるってことですの」

黒子「おかしいと思いませんの? わたくしの能力は演算が必要ですからわたくしの体調にだいぶ左右されますわ。
 しかし初春は違いますの、もしかしたら多少の演算をしているかも知れませんが、あの能力がまったく使えなくなるのはおかしいですの。
 それに」

美琴「それに?」
黒子「この狭い範囲に、ほぼ同時に二人ですの」

佐天「は、犯人が近くにいるってことですか!?」

黒子「偶然、という可能性も、なくはないですが」

黒子「わたくしはまだジャッジメントに籍がありますから、提案をしてきました、今度、学園中で検査を実施します」
美琴「能力が使えなくなっているか調べるのね」

黒子「AIM拡散力場が体外に出ているかですから、無能力者も調べて貰いますの」
黒子「もし他に同じような現象が確認できたら、そこから調べていくしかないですわね」

美琴「黒子と初春さんでは関連性が見つからなかったってこと?」
黒子「関連性ばかりですわ、最近まで同じ事件の担当をしていたのですから」

佐天「あ、あの」
黒子「どうしたんですの?」
佐天「御坂さんは、今能力、あのー…」
黒子「――ッ、まさか」

美琴「使えるわよ」バチバチッ
黒子「驚かせますわね、佐天さん」

佐天「いや、すみませんっ」
黒子「違います、責めてはいませんの、お姉様も、十分用心したほうがいいですの」

美琴「えーっ、気をつけるのはいいけれど、気をつけようがないじゃない」
黒子「それもそうですが、とにかく、検査を待ちましょう、話はそれからですわ。では、わたくしはこれで、また本部に戻りますわ」

美琴「休んでるんじゃなかったの?」
黒子「そうもしていられませんわ、何しろ、今のところ被害者――被害者というのもおかしいですが、それは初春とわたくし、両方ジャッジメントの人間ですの」

佐天「ジャ、ジャッジメントが狙われているってことですか!?」
黒子「用心しておくに越したことはありませんわ」

佐天「行っちゃいましたね」
美琴「すごく忙しいみたい、検査の話にしたって、そんなに早くできるわけないじゃない、しかも学園の人間全員」

美琴「ほとんど休んでないわよ、あの子」
佐天「…何か、お手伝いできないですかね」

美琴「まあ、私も当たってみようかな、ってところが、まあ、あるには、あるけど」
佐天「私もいっしょにいきます!」

美琴「えっ、いや、私一人で大丈夫よ、ちゃんと能力使えるし」
佐天「…初春も、忙しそうなんですよね…あの日からうち遊びにこないし、今日も仕事だっていうし」

佐天「初春は言わないけど、仕事ってこの事件に関わる事ですよね、だったら」
美琴「そっか…うん、じゃあ、いっしょに行こうか!」
佐天「はい! 行きましょう!」

――学園内、自販機のある某所

美琴「あーっ! 見つけた!」
上条「げえっ」ダッ

美琴「逃げるなあっ」ビリビリビリ
上条「うわっ、なんだこいつらっ、清掃ロボット!?」

美琴「このへんに居る清掃ロボットの回路を一部ショートさせてあんたをゴミだって認識するようにしたのよ! 逃げらんないわよ!」
佐天(とんでもない能力だ)
上条「ごみと間違えられて捕まるなんて、不幸だーっ!」

上条「で、何だよ、ビリビリ、俺は急いでるんだよ」
美琴「急いでるってあんた、やっぱり事件に…」

上条「そうだよ、大事件だ! 今日はタイムセールで玉ねぎと人参が安いんだよ! で、それに別のスーパーの豚肉特価が重なってるんだ! カレー事件だ! それしかないだろ!」
美琴「か、カレー? 食堂行きなさいよ…」

上条「食堂で食うより作ったほうが十倍安いだろ、じゃあな」
美琴「待てえ!」ビリビリ

上条「おわあっ、街中で電撃はやめろって」
佐天「あ、あの…」

上条「あれ、ビリビリの友だちか?」

美琴「そうよ、それに、今日は対決で来たんじゃないわよ」
佐天「あ、あの、お二人はどういう関係なんですか?」

美琴「どういう関係って、いや! 別に特別そんな関係じゃなくて、何ていうかその」
上条「そう、突然おそわれるんだ」

佐天「み、御坂さんがっ、襲うっ?」
美琴「違あう!」

上条「違くないだろ…あ、俺は上条当麻、よろしくな」
佐天「さ、佐天涙子です、よろしくお願いします」

美琴 ピリッ

上条「う、なんか、ビリビリの方からプレッシャーが」
美琴「なんでもないわよ」

上条「で、何だよ、俺に用事って、金ならねーぞ」
美琴「違うわよ、あんたのその能力に用事があるの」

佐天「あっ、上条さんも能力者なんですか、わかったっ、探知系の能力で、犯人探しとか」
美琴「違うわよ、逆、逆」

佐天「逆? 逆探知?」
美琴「能力者じゃない、こいつは、レベル0」

佐天「でも、さっき御坂さん、能力って」
上条「あー、俺さ、レベル0なんだけど、簡単に言うと、能力者が起こした現象を消せるんだ、この右手で触るとな」
佐天「能力を、消す? 御坂さん、それって!」

ちょっといれ

御坂「もし、あんたがまた何かの事件に巻き込まれてるなら、それが原因じゃないかって思ったのよ」
上条「事件って何だよ、ここにビリビリがいるのは事件っちゃ事件だけど」

御坂「私の友だちが二人、能力を使えなくなったのよ」
上条「…何度も言ってるけどなビリビリ、俺が消せるのはこの右手で触れた能力であって、知らない人の能力消すなんてばかげた事はできないぞ」

御坂「知ってるわよ、あんたは、違うのね」
上条「違う、ってことになるんだろうな」

御坂「…面倒掛けたわね、佐天さん、ごめん、違ったみたい、一回帰ろう」
佐天「御坂さん、あのっ、上条さん、上条さんは能力を消せるんですよねっ」
上条「あ、ああ、そうだけど」

佐天「もし、初春と白井さんが、何かの能力によるものだとしたら」
御坂「! 消せる……?」

上条「ちょっと、いまいち何の話か上条さんはわからないんだが」
御坂「…」

上条「ビリビリ、困ってんのか?」
御坂 コクッ
上条「俺の右手が必要なんだな?」
御坂 コクコクッ

上条「わぁーった、ちょっとだけ付き合ってやるよ、どこ行きゃいいんだ」
御坂「ほ、ホント? カレーは?」
上条「友だちが大変なんだろ? そうだな、じゃあ後でカレー奢ってくれるか?」
御坂「あ! あ、ありがと…」
上条「ビリビリにそう言われると何か照れるな…」

佐天「うわあ、うわあ、うわあ」

御坂「さ、佐天さん、聞いてたの?」
佐天「聞いてたも何も、ずっとここにいるのに」

御坂「ちちち違う! 違うの!」
佐天「あ、あのー、上条さん? 聞いていいですか?」
上条「あ、ああ」
佐天「お二人は、どんな関係なんですかあ?」

御坂「違うって言ってんでしょ!」ビリビリビリビリ
上条「やばい、このパターンは警備ロボットだ、逃げるぞ!」
佐天「御坂さん、かわいーなー」クス

オリキャラって、やっぱあれ?微妙なもん?

鬱ルートか…

――ジャッジメント本部

佐天「こんにちわー」
固法「あ、佐天さん、初春?」
佐天「と、白井さんにも」
固法「二人とも、奥にいるわよ、あれ、御坂さん、と」

御坂「こんにちわ、固法さん、えっとこれは私の知り合いで」
佐天「知り合いー?」
御坂 ピリッ 佐天 ビクッ

上条「あー、上条当麻です、よろしく」
固法「固法美偉です、よろしく。御坂さん、レベル5だからって、あんまり部外者を本部に入れるわけにはいかないわ、こんなことは言いたくないけど、あなたはジャッジメントの人間でもないし」

御坂「固法さん、もしかしたらこいつは、黒子と初春さんの能力を復活させられるかも知れないんです」
固法「どういうこと?」

御坂「つまり――」


固法「にわかには信じがたいわね」
御坂「証拠を見せますか?」バチバチッッ
佐天「御坂さんっ!?」

上条「だああ、ビリビリ、こんなパソコンだらけのところで電撃はダメだろ!」ブシュウウ
固法「電撃が、消えた?」

固法「…分かった、だけど、困ったな」じぃっ
佐天「?」

固法「今、ちょっと立てこんでるんだ、散らかってて人があまり入れない状況なの」
佐天「やっぱり、初春と白井さんのことですか?」

固法「そう、だから上条さんと二人は合わせるけど、御坂さんと佐天さんはここにいて」
佐天「えっ?」

御坂「私も行きます」
固法「ダメ。あなたは、佐天さんといっしょにいて」

御坂「納得いきません」
固法「あなたは佐天さんといっしょにいなさい、説明はこれで、十分」

御坂 グッ
佐天「御坂さん、残りましょ」

固法「じゃあ、えーと、上条さん、行きましょう」
上条「は、はい」


美琴「おかしい、絶対何か隠してるじゃない」
佐天「いやあ、ひやひやでしたよお、固法さんもあんなに怖い顔して」

佐天「だけどほら、一応本部ですし、なんか機密みたいなのが散らかってるのかも」
美琴「だったら、入れないよね」
佐天「そうそう、だけど上条さんは入れてくれたから、何とかなるでしょう」

美琴(あいつは入れるのに、なんで私が入れないのよ、機密なんかじゃない)
美琴(それに、本部に入れないなら、黒子と初春さんに出てきてもらえばいいのに)
  固法「佐天さんといっしょに」
美琴(ぜったいおかしい)

上条「よお、ビリビリ、佐天さん」

佐天「あ、出てきた! どうでした?」
美琴「…」

固法「残念だけど」
美琴「能力者の仕業じゃ、ないってことですか」

固法「多分」
美琴「…二人は、どこですか?」

固法「ちょっと無理をしてたみたいだから、今休ませてるわ」
美琴「会えないんですか?」

固法「大げさな言い方ね、御坂さんは白井さんと相部屋なんでしょ? 夜には帰らせるわよ」

美琴「えっ、そ、そうですか」
佐天「ほら御坂さん、今日は帰りましょうよ、邪魔になっちゃいますって」
美琴「そうね…固法先輩、また今度」

固法「ええ、また今度」

――日も暮れた路地

美琴「何か、引っ掛かるのよね、ねえあんた、本当に何も聞いてないの?」
上条「俺か? いやあ、何も聞いてない、初春さんってのと白井さんってのの頭とか肩触って出てきただけだ」

美琴「頭とか、肩?」
上条「おう」

美琴「ちょっとそれ…私にもやりなさい」ピリッ
上条「なんで電撃が出るんだよ」
佐天「御坂さーん、私、いないほうがいいですかー?」

美琴「違くって! まあいいや、今日は帰るね! じゃね!」
上条「さーて、じゃあ上条さんも帰るとしますかね」

佐天「あ、二人とも、さよならー…」

佐天(初春、やっぱり忙しいのか…
  自分の事だしね、しょうがないよね。
  うん! 今度、なんかおいしいもの作ってあげよう!
  あの子何が好きって言ってったっけなー?)

――翌日、朝、柵川中学正門

佐天(初春、やっぱ電話でないなあ)
佐天(今日ちゃんと学校これるんだろうか)
佐天(放課後、家寄っていこう)

黄泉川「あー、佐天、佐天涙子?」
佐天「えっ?」

黄泉川「よかったじゃん、見つかった」
佐天「あれっ、えっと、講習の先生」

黄泉川「先生、先生な、いいけど」

黄泉川「えーと、お前は知ってると思うけど、今度検査があるじゃん?」
佐天「えっと、初春の」

黄泉川「そう、それを、人数が多過ぎるんで小分けにやることになったじゃんよ」
佐天「はあ…」

黄泉川「で、お前がそれの第一陣ってわけじゃん、ついてくるじゃん」
佐天「ええっ、学校は」

黄泉川「公欠じゃん、話は通ってるから、喜びな」
佐天「どこでやるんですか?」

黄泉川「保健室だよ、決まってるじゃん」

――ジャッジメント本部、昼も夜もない昼過ぎ

固法「結果の報告が来たわ」
初春「どうなりましたか!」

固法「…彼女に間違いない」

固法「今回の事件の原因は」

固法「佐天涙子――」

ちょっとふろ

――佐天の部屋、夜

佐天(初春、まだジャッジメントの本部にいるのかなー。
  やっぱり電話も出ないし、昨日の検査のあと家寄ってもいなかったし。
  本部じゃ今日も中に入れてもらえなかったし。
  ――23時。)
佐天「固法先輩もきっと、もう帰ってるよね、こっそり会いに行こう、おにぎり作ろうっと」


佐天「さてさて、準備完了、行こうかな」カチャッ
佐天「あれっ」
佐天(門のところにいるの、アンチスキル?)

佐天 カチャン
佐天(やだなあ、出づらいよ、表でなにかやってるのかな? …どうにか窓から出れないかな)

――ジャッジメント本部

初春「アンチスキルが…佐天さんを見失いました…」
固法「なんですって!」
黒子「佐天さんは部屋にいたんじゃありませんの?」

初春「今までの情報だとそうだったんですけど、ええと、佐天さんの部屋の明かりが消えて就寝と考えられる、から十五分くらいして、佐天さんの不在が確認されています」
黒子「不在って、どうやって確認したんですの? まさか寝ているところに忍び込んだだとかじゃないですわよね」
固法「生体反応の有無かしらね……いずれ良くない方法を使ったと思うけれど」

黒子「お、お姉様、どこに行きますの?」
美琴「探してくる」

固法「探してくる、って、当てはあるの!?」
美琴「初春さんの家じゃないかな」
初春「え、えっと……私の部屋の訪問記録は、最後は7時間前…佐天さんです」

美琴「当てがなくっても、探さないと。黒子と初春さんの能力がなくなった原因が佐天さんなら、また佐天さんが、誰かに!」


佐天「え?」


初春「わあ! さ、佐天さん!?」
佐天「原因?」

黒子「……」
固法「ここに、向かっていたのね」

佐天「あ、あ……いやあ、立ち聞きするつもりはなかったんですけれど、なんか大きな声が聞こえたから、入りづらくって」
黒子「……聞こえましたの?」
佐天「え、えっと、原因が、どうとか」
美琴「っ!」
佐天「え、私、とか……?」


固法「白井さん」
黒子「わかりました」

美琴「黒子、今、なにした?」
黒子「アンチスキルに連絡をしましたわ」
美琴「アンチスキルに引き渡そうっての!?」

黒子「お姉様、ここで佐天さんを匿っても何にもなりませんわ、それに引き渡すんじゃありませんの、保護を」

美琴「同じことでしょうがあ!」バリッ


佐天「え、ちょ…あの」
固法「佐天さん」
佐天「はい!」

固法「知られてしまった以上もう隠すつもりはないから言うけれど、今回の事件、あなたの能力が原因らしい」
美琴「…」

佐天「私の……能力? ってあの私の能力って」
固法「そう、あなたの能力はエアロハンド、だけど今回の事件、明らかにあなたから発生した能力が影響している」
佐天「どういう……ことですか」
固法「簡単に説明すると、初春さんと白井さんのAIM拡散力場が、何らかの力で相殺されている」
固法「AIM拡散力場は無意識の能力から発生する微小な能力の場、それが相殺されたところで何故能力自体が使えなくなるのかは現状では分かっていない」
固法「それも問題だけど、一番の問題は」
佐天「それを引き起こしているのが、私……」
固法「その何らかの力は、佐天さん、あなたから発生しているとしか考えられない」

固法「アンチスキルが到着次第、あなたは確保され、厳重な検査を受ける事になるでしょう、もう隠して検査する必要もない」
固法「御坂さんはあなたをここから逃げ出させてくれるでしょう」
御坂「!!」

固法「あなたは、どうしたい?」
佐天「私は……」

――アンチスキル本部

黄泉川「ターゲット確保? あーよかった、ジャッジメントから連絡なかったら、第一級警報出てもおかしくなかったじゃんよ」
鉄装「第一級って、そんなに大変なターゲットだったんですか」
黄泉川「大変も大変、レベル4と3と1が無能力者にされちまったじゃんよ、近くにはレベル5もいる、というか原因不明で誰がレベル0になってもおかしくない状況じゃん」

黄泉川「こんなに恐ろしい能力は、今まで聞いた事ないじゃん、レベルダウナ、になるのかねえ」
鉄装「わ、笑いごとじゃないんですよね」
黄泉川「私ら無能力者には何とも思えないけれど、能力者たちには、恐怖でしかないんじゃん?」
黄泉川(あの真っ直ぐそうな子が原因だなんて、それこそ恐怖でしか、ないじゃん)

――警備員の本部の一部屋、外が見えない昼過ぎ

佐天(私が、原因……)

佐天(白井さんがテレポートできなくって、初春のカップが冷たかった)

佐天(能力?)

佐天(エアロハンドじゃなかった)

佐天(そうだと思って、講習受けて、ちょっとでも、ほんの少しだけど、希望、みたいのがあって)

佐天(誰かの、初春の、白井さんの能力を)

佐天(無くす、能力?)

佐天(自分がレベル0だからって、誰かに嫉妬なんて、しなかった、し、誰かの能力が無くなれば良いなんて、思わなかった、はず、だ)

――ジャッジメント本部、同刻

美琴「佐天さんは、どうなったの」
黒子「アンチスキルの本部で拘留、専門家に検査を受けさせる、との事ですわ、今、初春が」
初春 カタカタカタカタ

美琴「こっちで預かることはできなかったの?」
黒子「ジャッジメントにそんな権限はありませんの、それに、ジャッジメントでは」

固法「これ以上無能力者を増やすことは出来ない」
黒子「ですの」

固法「せめて私の能力が使えたら、事前に佐天さんを見つけられたかも知れないのに」
美琴「……固法先輩のせいじゃないです、私が、あんなこと大声で言わなければ」
黒子「そんなことおっしゃるのならばわたくしだって同じですわ」

初春「皆さん! 止めてください…」
美琴「初春……」

初春「そうやって、もしなんとかだったらって後ろむくことが佐天さんのためですか? 私たちは今無能力者だけど、何もできませんか!? 無能力者って、何もできないんですか!? 佐天さんは、佐天さんは、何をしていましたか!」

初春「できることをするしかないじゃないですか! 私たちは今! 佐天さんのために何ができるんですか!」

黒子「……何故、固法先輩の能力が消えたのでしょう」
美琴「えっ?」
固法「私もそれを考えた、白井さんや初春さんはともかく、私が佐天さんと話したのは、このドアの外で五分くらい、三回」

美琴「それだけの接触で相手を無能力者にする能力?」
固法「それは考えられない、それならもっと無能力者が増える」

美琴「知り合いに限られる、とか?」

固法「それも有り得ない、なぜなら」

固法「御坂さん、何故あなたは無能力者になっていないの?」

黒子「わたくしは、その線で探ってみますの、お姉様、ここ最近に佐天さんに会ったときのレポートなど頂けませんか」
固法「私は別件の指示を出さなきゃならない、あまりこちらの事件は手伝えないかも知れないが、何かあったら呼んでほしい」

美琴「私は……」

初春「御坂さん」
美琴「え? 何、初春」

初春「AIM拡散力場の専門家とアポイントメントを取りました、それに学園都市からの外出許可もどうにか…行けますか?」
美琴「専門家?」
初春「御坂さんのお知り合いですよ」

――学園外、某所

木山「やあ、第三位、久しぶりだ」
美琴「見ないと思ったら、こんなところで暮らしていたのね」

木山「さすがに学園都市の中ではいろいろとやりづらくなってな」
美琴「やりづらく、って、何かやってるわけじゃないでしょうね」

木山「ふ、科学者としては何もやっていないよ、やりたいことはあるけどね、隠居さ」
美琴「そう、あの子たちのために?」
木山「そうだ」

木山「そんな話をしに来たわけじゃないんだろう、第三位。初春くんからはキミが来るとしか聞いていない」
美琴「うん……ちょっと、長くなるけれど――」

木山「レベルダウナ、ね」
美琴「そんな能力が本当にあるの?」

木山「少なくとも私は聞いた事がないな、ただ」
美琴「た、ただ?」

木山「AIM拡散力場の発生……抑制……逆位……うん…」
美琴「何?」

木山「そういう研究をしていた人間が、いた、というか」
美琴「誰!?」
木山「急いで調べる、学園都市に戻っていてくれ」

美琴「誰だ!」
木山「報告は初春くんを通してする、今こうしている時間すらロスじゃないのかい? 第一メールで十分な内容だったじゃないか」

美琴「くっ! 絶対に報告してよ!」ガタッ

木山「第三位、超電磁砲か、ふふ、或いはレールガンより気が早い」
木山「また会えて、ちょっとだけ嬉しかったかな」

――ジャッジメント本部、夜

初春「!! 第三次検査でのレベルダウナの被害者が…! 100人を越えた、と」
黒子「ひゃ、百人! 本当ですの!」

初春「アンチスキル本部にある検査結果を覗いているんですから確かでしょう」
黒子「第二次では10人程度だったはず」
初春「私たちを含め12人でした。たった一週間ほどで、十倍に」

黒子「まずいですわね…下手をすると…」
黒子「被害者の共通点は?」
初春「被害者同士の親交が多い……ですね、とても」

黒子「何ですの? 病気やウイルスみたいな能力だとでも言うんですの?」
初春「…ウイルスの感染経路とは、少し似ています」

黒子「アンチスキル……学園側はそれを把握していますの?」
初春「おそらく、しています」
黒子(最悪、佐天さんは……)

初春「白井さん…グスッ…これじゃあ…佐天さん……」
黒子「初春、このあいだ自分で言ったことを忘れましたの? ただちにその百人分のデータを寄こしますの」
初春「はいっ」グッ

――アンチスキル本部の一部屋

黄泉川「佐天涙子の処分が…それは、ああ、分かった」
鉄装「黄泉川さん、どうしたんですか?」

黄泉川「佐天の処分が決まったじゃんよ」
鉄装「処分…って、犯罪者じゃないんですよ!」

黄泉川「学園からの追放、だそうだ、だけど」
鉄装「追放って、生徒を…そんな…」
黄泉川「いや、今回の事件の損失を考えたら、やむをえない、結論じゃんよ」

黄泉川(胸糞悪いじゃん…いや、それだけでも胸糞悪いのに、もっと嫌な予感がするじゃんよ)

――ジャッジメント本部

初春「500人を…突破」
黒子「全員寄こすんですの」

初春「それと、佐天さんの処分、決定したみたいです」

ガチャッ

固法「私も聞くわ」
黒子「固法先輩、それに、あ、お姉様!?」
御坂「ただいま」

初春「御坂さん! …木山さんのところは、片道二日はかかる筈じゃあ」
御坂「すごい山の中だったわ、行きがあんまり遅い旧型の電車ばっかりだったから、ほら、昔の鉄線、何ていうのかな、使って、リニアモーターカーみたいに」
黒子「はしたない…」

御坂「いいじゃない、何か、重要な話をするところだったんでしょ」
初春「そう、佐天さん、学園外に…グス……追放って…」

御坂「追放! 何で!」

固法「いや、おかしい」
御坂「おかしいですよ、佐天さんは何も悪くないです!」
黒子「違いますわ、お姉様」

御坂「ちがうって?」
固法「生ぬるい」

黒子「お姉様がいない間に、被害者は500人を突破しました、これは、異例の大事件です」
御坂「それで?」
黒子「佐天さんは、もっと」

初春「まさか、殺される……?」
固法「違うわね、いいたくはないけど」

固法「人体実験の被験者にされても、おかしくはない」

――アンチスキルの本部の一部屋、月明かりの届かない夜

(……)

(夜は、ダメだなあ、色んな事を考えちゃう、暗いし…)

(昼か、夜かも、よく分からなくなってきたけど)

(起きたら、検査して、薬飲んで、寝て)

(薬…怖くてひとつも飲んでないけど、大丈夫だよね)

(だけど、もし、これが私の能力を消す薬だったら)

(飲んだほうがいいのかなあ)

(怖い、初春…)

(明日のお昼になったら、移動だって…お医者さんが言ってたな)

(誰とも喋ってない……水飲んでも喉がからからだ)

(移動ってどこに行くんだろ…)

(暗い…)

――ジャッジメント本部

美琴「時間は?」
初春「明日の、午前11時だと…」
美琴「オッケー」

黒子「早すぎますの! …五百人が効いたのでしょうか」

固法「移送先は?」
初春「今、調べています、だんだんプロテクトが厳重になっています、けどやはり、学園外かと」

黒子「学園から出られては手の出しようもありませんの」
固法「佐天さんを助け出すなら、移送中しかないわね」

初春「私たちのほうが、本当に犯罪者になっちゃいますね」
黒子「無能力ではずっと学園都市にいてもしかたないですの」
固法「私は、やだなあ、犯罪者」

黒子「固法先輩、きっと似合いますわよ」
初春「ふふ」

固法「やめなさい、初春、学園外の研究所の交信データを調べて、白井さんはデータの洗い出しの続き、って、あれ、御坂さんは?」
黒子「お姉様?」

初春「…学園内、アンチスキル本部近くで、妨害電波を確認!」

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