咲「最近変な事がよく起きます」久「ふーむ」 (76)

美穂子「何か悩み事ですか?」

咲「悩みと言うか……何と言うか」

京太郎「話してみろよ」

優希「だって私達仲間だもんげ!」

久「何か力になれる事があるなら協力するけど?」

咲「つい先週の事なんですけど」


先週の回想


咲「……」ゴシゴシ

咲「ううっ……寒っ。湯冷めしちゃう」

咲「お父さん、お風呂空いたよー。冷めない内に早く入って」

界「おぅ。今、行く」プルンプルン

咲「って、きゃああああああああ!脱衣所で脱いでよ!この変態!」

界「変態はないだろ変態は。ここから咲の種が出て来たんだからよぉ」プラーン

咲「も、もぅ///私だって思春期の女の子なんだからね。変な物を見せないでよ」

界「悲しいなぁ。昔は照も咲も俺のチンチン洗ってくれたのに」

咲「いつの話してるの!」

界「いつだっけ?あれは照の下の毛が生えてなかった頃の……。あー五年以上前か」

咲「もういいから。さっさと入ってね。お風呂のお湯は洗濯に使うから流さないように」

界「へいへい」プルンプルン



咲「全く。デレカシーの欠片もない。あんなのだからお母さんに愛想尽かされるんだよ、きっと」プンプン

咲「入浴剤、今日は何使うの?」

界「ラベンダーかな」

咲「はい、これ」ポイッ

界「サンキュー。じゃあ風呂入ってくるわ」プラーン

咲「はいはい」


お風呂場

カポーン

界「昔は一緒にお風呂入ってたのに、今じゃお父さんの後は絶対嫌とか言い出すもんなぁ」

界「悲しいなぁ」ガラガラ

界「……」ジーーー

界「……はぁ」

界「娘が嫌がらせするようになりました(泣)」

15分後

界「はぁ……咲も俺の事嫌いになったのか」

咲「何、変な事言ってるの?ずっと前から嫌いだよ」

界「はぁ~~~~~~~」ガクッ

咲「お風呂上りの牛乳飲む?」コトッ

界「いらね。暖まってないし。タバコ吸わせてくれ」

咲「お風呂はちゃんと肩まで浸からないとダメだよ」

界「シャワーだけしか浴びてないぞ」

咲「なんで?寒いのに変なの」

界「咲がお風呂の湯を抜くから……」

咲「はい?」

界「湯が浴槽に貯まるまで待ってられないだろ。寒すぎて」

咲「お風呂の湯なんか抜いてないよ。だって明日の洗濯で使うもん」

界「いや、お前が抜いたんだろ?父さんに嫌がらせしたくて」

咲「ん?んん?そんな事しないよ。ちょっと見て来る」テクテク



お風呂場

咲「あれぇ……浴槽の中が空っぽ。なんでだろう」

咲「わかった。お父さんが間違って浴槽の湯を抜いたんだ……」

咲「明日洗濯で使うって何回も注意してるのに」


咲「お父さん!ちょっと来なさい!」

界「なんだよー」

咲「私、嘘は嫌い。お父さんがお湯を間違って抜いたんだ!いつもそう!」

界「知らねぇよ……。最初から浴槽に湯なんか貯まって無かった。咲が抜いたんだろ?」

咲「抜くわけないよ!しっかり肩まで浸かって、100秒数えてたんだから!」

とある山小屋

ピーーーザザーーー

?「まぁ咲さんの100秒は正確には125.3秒なんですけどね」

桃子「こんなに大量の水どうするんっすか?」

?「私の食事や飲み物で使うミネラルウォーターですが」

桃子「マジっすか……。これなんか陰毛浮いてません?」

?「ほほぅ。これは間違いなく陰毛ですね。若かった頃、赤い毛を間違えて飲み込んでしまった事があります」

桃子「赤い毛?宮永さん、陰毛染めてるんっすか」

?「咲さんの陰毛は薄茶色です。赤色はあの忌々しい……」

桃子「陰毛なんか食べてお腹壊しませんか?」

?「赤い毛を間違って食べた日は一日中下痢してましたよ」

宮永家

咲「お父さんのばかあぁぁぁぁぁぁぁ!」パチーン

界「ひでぶぅ!?」



洗面所

咲「全くもう。水道代の節約にならないよ。冬はただでさえガス代も上がるのに」プンスコ

咲「歯磨きしよっと」


宮永家には四本の歯ブラシがある。赤、青、黄色、緑。
赤と青は照と母の歯ブラシなので誰も使わない。

そして咲のは緑。先週買ったばかりの歯ブラシである

咲「私の歯ブラシ歯ブラシっと。……あれ?」キョトン

咲「先週買ったばかりなのに……なんかボロっちい……」

咲「お父さん!?ちょっと来て」

界「今度は何だよ……」

咲「これ!この歯ブラシ見て」

界「緑。咲のか。何かボロボロだな。多分力入れてみがき過ぎだぞ」

咲「先週買ったばかりの歯ブラシがこんな風になるのはおかしいよ!お父さんが使ったんだ!」

界「えー俺?いや……、使った記憶はないが……」

咲「この家には私とお父さんしか居ないの!稀にお姉ちゃんが帰って来るけど……。でも先週は帰って来てない」

界「じゃあ俺になるのか?使ったかな……」ポリポリ

とある山小屋

桃子「いつも思うんっす」

?「何ですか」チュパチュパ

桃子「新品の歯ブラシを代わりに置いた方が良くないっすか」

?「新品だと私との間接キスにならないです」ゴシゴシ

桃子「バレそうな気がするっすね」

?「大丈夫でしょう。たまにお父様は間違って咲さんの歯ブラシを使います」ハムハム

桃子「じゃあ今、しゃぶってるの宮永さんのお父さんも使ったやつじゃ……」

?「ぶーーーーーー」ポロッ

?「にしてもお父様邪魔なんですよねぇ……」

桃子「そうっすね。たまに裸で歩き回るから辞めて欲しいっすね。見えてしまうし……見たくないのに」

?「それもありますけど、咲さんの服にお父様の匂いがついてたり……」

桃子「わかるっす。先輩の服にタバコの匂いついてたから、尾行したら家族がタバコ吸ってたとか」

?「ホントにね……。血が繋がってないなら、八つ裂きにするんですけど……」

桃子「おーこわっ」

?「あっこれ、500円玉10枚です。咲さんの豚の貯金箱に入れといて下さい」チャリン

桃子「了解っす」

咲「お父さん!私のは緑。お父さんのは黄色。わかった?」

界「お、おぅ……。おかしいな。気をつけてるんだけどな」

界「一応反論しておく。咲が力入れ過ぎて歯磨きしてる可能性がある」

咲「うーん。そんなに力入れてるかなぁ」

界「歯磨きは力を入れなくてもいいぞ。ゴシゴシじゃなくてコスコス」

咲「わかったよ。私も気を付ける」



咲の部屋

咲「明日の準備して寝ようかな」

咲「あーーーーーしまった!明日体育があるんだった!?」

咲「どうしようどうしよう……、体操服洗ってないよぉ……」

咲「前の授業でバレーしたから、汗いっぱいかいちゃったし……」

咲「臭いかもしれない。今から洗っても乾かせるかなぁ」

咲「ドライヤー使って無理矢理乾かすとか。はぁ~面倒だなぁ。寝ようと思ってたのに」チラリ



咲の部屋の隅っこにある体操服。キチンと折り畳まれている

咲「あれれ?私の体操服、鞄の中に入れたままのはずじゃ……。なんでこんな所にあるんだろう?」キョトン

咲「もしかしてお父さんが洗濯を!?」

咲「って年頃の娘の鞄を勝手に開けるなんて最低だよ!」プンプン

咲「でもキレイに畳まれてるし許してやるか……。はぁー助かった」

咲「おやすみなさーい」パチン

咲「すぅすぅ」zzZZZ…

明かりを消して寝る咲



桃子「はい、おやすみっす」

桃子「今日の分っす。宮永さん、たまには貯金箱の中身確認した方がいいっすね」チャリン、チャリン

桃子「さてと。使えそうな物は持って帰らないと……。生理始まってますかね?」ゴソゴソ



咲のパジャマの下を脱がす桃子

桃子「……」ジーーー

咲「……」スヤスヤ

桃子「まだみたいっすね。生理の日は忙しいから良かったっす」

とある山小屋

桃子「ただいまっす」

?「おかえりなさい。今日の収穫は?」

桃子「宮永さんの食べかけのパンです。ここに歯型がついてます」

?「お父様のじゃないでしょうね」

桃子「宮永さんの鞄の中に入ってたっすよ」

?「どれ一口。んっ………美味しいぃぃぃぃぃ!!!!!!!」ガブッ

桃子「普通のアンパンですけど」

?「そんな事ありませんよ。咲さんのiPSもSTAPも感じますよ」ハフハフ

?「外は寒かったでしょう。アイスティーを暖めてホットティーにしてみました」

桃子「頂くっす」

?「どうですか?」

桃子「美味しいですね。いい茶葉使ってそうです」

?「茶葉よりダシがいいんですよ。咲さんの体操服です」

桃子「ぶーーーーーーーーー!」

?「じっくりKOTOKOト煮込みました」ニコッ

桃子「変なもん飲ませないで下さいっす!」

宮永家、朝

界「あれ?味噌汁のダシ変えたのか」ズズズ

咲「えー変えてないよ」

界「なんかしょっぱくないか?別に美味しいからいいけど」ズズズ

咲「ホントだね。少しだけしょっぱい」ズズズ



~真相~

咲「さてと。朝食の準備出来たし、目覚ましテレビで今日の運勢チェックしなきゃ」


ヌウゥゥゥ

桃子「……」ササッ

桃子「これっすね。今日の朝食は……」

桃子「ボスに言われた通り、この液体を鍋に入れるっす。よーく溶けるようにかき混ぜて」トローリトローリ

桃子「私も学校あるからこれで撤退っす」ササッ

通学路

咲「あっ、和ちゃんに優希ちゃんだ!おーい」

優希「咲ちゃんだじぇ」

和「あっ……咲さん……おはようございます」ヨロヨロ

咲「和ちゃん顔色悪いね。風邪かな?」

和「い、いえ実は……」サスリサスリ

京太郎「おーいお前ら……」優希「和ちゃん、女の子の日の初日なんだじぇ!」



京太郎「ファッ!?」

咲「あーなるほどお大事に」

和「須賀君のエッチ!スケッチ!ワンタッチ!」Bakoooooooon



ザッシャアァァァァァァ!!!

そして再び部室に戻る

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咲「~~~~みたいに、なんか身に覚えのない事がよく起きまして」

久「ふんふむ」

美穂子「一緒に住んでるのはお父様だけなのね?」

咲「はい。父も知らないと言う事が多くなりました」

京太郎「なにそれ怖い」

優希「オバケだじぇ!オバケの仕業だじぇ!?」

久「よくわからないわね。体操服が勝手に洗われてる?そんなオバケ、うちにも欲しいかも」

美穂子「しましょうか?」ズィ

咲「いい事ばかりではないです。お風呂場のお湯が無くなってたり」

京太郎「浴槽の栓抜いてるだけだろ」

咲「私は栓を抜いた記憶ないよ」



咲「あとは……貯金箱の中身がものすごく増えてたり……。お姉ちゃんの仕業かなって思って聞いてみたら知らないって」

優希「お金増えてるのはいい事だじぇ。私の貯金箱も増えないかなぁ」

京太郎「座敷童でも居るんじゃねーの」

咲「座敷童かぁ……。それならいい妖怪だね」

久「セコムでもしてみる?誰か知らない人が住んでたりして」

優希「ひ、ひぇ~、白糸こんにゃくのチャンピオン、咲ちゃんに続いて三人目の宮永さんが居るのか」

京太郎「弟か兄かもしれん」



美穂子「……」ウンウン

美穂子「なるほど」フムフム

美穂子「はいはい、そう言う事ですか」ピキーン

美穂子「謎は全て解けました。真実はいつも一つです」

久「何かわかったの?」

美穂子「……おそらく。けど安心して宮永さん」

咲「は、はい?」

美穂子「貴方に危害が及ぶような事はないと思うの。むしろ逆。守られてると言ってもいいくらい」

咲「えーと、どう言う意味ですか?」

美穂子「私の口からは話せません。きっと貴方が知る日がやってくるでしょう」

咲「はぁ……」



美穂子「上埜さん。私、急用を思い出しました。今日は部活を早退してもよろしいでしょうか?」

久「いいけど、清澄の部活なんだし早退も何もないんじゃない?」

京太郎「福路さんの皆勤が48で止まりましたね。日誌に書いときます」カキカキ

とある山小屋


桃子「そろそろ休ませて下さい」

?「ダメです・貴方しか出来ない仕事です」

桃子「もう心も体も限界っすよ!いい加減、加治木先輩のあのファイルをよこすっす!」

?「またダメです。あぁ加治木さんの携帯電話ですが、盗聴出来るようになりましたよ」

桃子「ホントっすか!」


ドア、バァァァァアァン

?「なにやつ!」

桃子「ここに私達以外の誰かが辿り着くなんて!?」



美穂子「ふふふっ……苦労しましたよ。ここを見つけるのに」

とある山小屋


桃子「そろそろ休ませて下さい」

?「ダメです。貴方しか出来ない仕事です」

桃子「もう心も体も限界っすよ!いい加減、加治木先輩のあのファイルを下さいっす!」

?「またダメです。あぁ加治木さんの携帯電話ですが、盗聴出来るようになりましたよ」

桃子「ホントっすか!」パアァァァァァ


ドア、バァァァァアァン

?「なにやつ!」

桃子「ここに私達以外の誰かが辿り着くなんて!?」



美穂子「ふふふっ……苦労しましたよ。ここを見つけるのに」

美穂子「面白そうな事をしてますね。私にも一口かませて貰えませんか?」

桃子「ボス、どうするっすか?この人、風越のキャプテンさんじゃないっすか!」

?「この人は……信用出来ます」

桃子「はあぁぁぁぁ!?」



美穂子「流石、話がわかる。私は誰にも貴方の正体を言ってません」

?「バレたら咲さんの側には居れませんからね」

美穂子「私も少しだけ欲しい物があるんですよ」

?「わかりました。福路さんに全面的に協力します」

桃子(実行犯、私じゃないっすかーーーーー!もうやだーーーー!)



この後、久の身の回りにも異変が起こるようになったとさ。
異変は卒業するまで続いたらしい。


終わり

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