男「あ、赤紙が来てしまった…」 (74)

注意
・フィクションです
ただ、歴史および一部の人物はノンフィクションです
史実と異なる展開はあり
・暴力的、性的な表現あり
・時代背景の理由で、差別表現あり
・安価スレ
・そこまで歴史に詳しいわけではありません

なお文章表現は地の文なし
「」の後に、擬音語ありなので注意


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391877193

~昭和16年・春~

【とある田舎】

男「……」ボヘ~

男「……」パラパラ

男「……そろそろお昼か。読書はこの辺にして、飯屋でも行くか」パタン

ガラッ!

母「ちょっと!学校卒業してから何年遊べば気が済むの!」

男「あぁ?別にいいだろう。皆が尋常小止まりの中、俺は進学し卒業したんだぜ?」

男「それにウチは金がタンマリあるんだ」

男「家業だって兄貴達が継ぐ予定なんだろ?俺が何しようが関係ない」

母「だからって…!せめて小作人の手伝いでもしてきたらどうだい」

男「冗談は休み休み言え」

ガサゴソ

母「ちょっと!あんたまた…」

男「いいじゃん、金はこんなにあるんだ」ペラペラ

男「へへへ、んじゃ小遣い貰ったんで、さいなら」

ガララ

母「ああもう!父ちゃんも何か言っておやり!」

父「グカアァァ…zzz…」

長男「父ちゃんは寝とる」

次男「昨日深夜まで酒を飲んでたからな…やれやれ」

母「もう!!!」

男「ぜぇぜぇ…自転車じゃきついな…」

男「だが車なんて流石にウチでも無いしな…はぁ、車乗りたい」

男「商店街まであと10キロ位か?」

男「……ん?あれは」

男「……」ゴクリ

男「お、おお、おーい…」チリンチリン

女「あ、男君!」

男「や、やあ…女ちゃん」ドギマギ

女「お散歩?」

男「う、うん…まあ…」

男(いや~いつ見ても女ちゃん、エライべっぴんさんだな~///)ニヘラ

女「私も畑でのお仕事終ったから、久しぶりに一緒に散歩する?」

男「うん///」

女「いいな~男くんの家は大金持ちで~」

男「ははは、運がいいだけだよ」

男「あ、この後、飯屋いくけど良かったら奢ろうか!」

女「……」

女「……ごめん、午後から用事あるんだ」

男「そ、そうなんだ…」ガク

女「……」

女「ねえ、男君。私ね…」

男「うん?」

女「あ…やっぱり後で話すね」

男「…?お、おう」

女「……ねえ、野暮なこと聞くけど。これから男君はどうするの?」

男「え?だから飯屋に」

女「そうじゃなくて、将来のこと」

男「……っ」

女「私達、幼馴染でしょ?だから大体わかっちゃの」

女「男君、いま働いてないでしょ」

男「いや…だから俺は、いつも勉強してるって前にも言ったけど…」

女「嘘」

女「それならなんで制服着てないの?」

男「……」

女「……私ね、男君を見捨てるなんて事できない」

女「それでも私は男君の友達だし、見方だよ」

男「……」

女「じゃあね、お互い頑張ろうよ」

男「女ちゃん…」

男「……」

~昼食後~

【河川敷土手】

男「よ~し!今日もスケッチブックに絵を書くぞ!!」

男「勿論、『今日も』女ちゃんの絵を描くんだ!!」

男「……」サラサラ

男「はぁ~女ちゃん…俺をあんなに心配してくれて…」カキカキ

男「……」サラサラ

男「将来…か。何年も遊び続けてきたが」

男「俺もそろそろ考えるべきなのかな」

男「地主の跡取りとして、その補佐をするのに二人の兄貴がいる…親父は未だに現役」

男「俺は…そうだな、漫画でも書こうか、いや恋愛小説でも書こうか?」

男「とりあえず、百姓じゃなけりゃなら良いや」

男「しかし女ちゃんも百姓で一生を終えるのは、ちょいと不遇な気もする」

男「よっしゃ!絵描きでも小説でもいいから成功して、女ちゃんと結婚して幸せにしてやる!」

男「遊びも今日で終いや。女ちゃんのスケッチも今日で最後だ」

~1週間後~

母「ちょっとあんた」

男「なんだよ、俺は今仕事中だぞ」

母「まだ小説家だか漫画家だか目指してるのかい?」

男「まずは小説家から始めることにした」

母「はぁ~…まあ良いわ。女ちゃん来てるよ」

男「マジか!!///」ダダッ

男「女ちゃん~!!///」

女「こんにちは男くん」

男「ん?なんだ隣にいる奴は」

女「彼はイケメンさんよ」

イケメン「はじめまして」ペコッ

男「お、おう…こちらこそ」ペコッ

女「えっとね男君」

男「な、なに?」キョトン


女「私、先日お見合いしてき、イケメンさんと結婚します」

男「」

~その晩~

男「」

母「いや~良かったね、幼馴染の女ちゃんもとうとう結婚する時が来て~」

母「あんたも早く身を固めなさいな」

男「」

長男「これは後で赤飯炊くしかないで」

次男「母ちゃん赤飯タンマリ作ってや」

母「全くあんた達が結婚するわけじゃあるまいし…」

男「ぅぅ」

母「どうしたのあんた」

男「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」

家族全員「!?」

~昭和16年・秋~

男(アレから俺は結局、元の生活に戻った)

男(来る日も来る日も、悶々と、読書と絵描きの日々)

男(最近は飯屋にも行く気が起きん、引きこもり状態)

ガララ

母「ちょっとあんた、お客さんきてるよ」

男「女ちゃんが今更なんのようだい」

母「女ちゃんじゃなくて、友くんだよ」

男「あ~…あいつか」

男「なにしにきた」

友「相変わらず無愛想なやつだな」

友「折角の幼馴染が来てやったってのに」

男「んでなんだよ、また俺に海兵になれとかほざくのか?」

友「ああ」

男「断る」

友「全く…お前も勉強は出来るんだから頑張ってみろ」

男「何が悪くて軍隊なんて行くか」

友「今の言葉、次は言わない方が良いぞ」

男「あ?」

友「ココだけの話だが」

友「戦争が始まるかもしれない」

男「始まるって…もうシナとやってるじゃないか」

友「いや違う、アメリカとだ」

男「は!?」

友「厳密にはアメリカとそれらを支持する国々とだな」

男「ぐ、軍の連中は頭イッチまってるのか?滅茶苦茶すぎるだろ…」

友「男、今の罵倒も最後にしておけ。俺でも庇え切れなくなるぞ」

男「な、なんだよ…いつにも増して堅苦しい…」

男「とりあえず茶でも飲めよ」

友「そんな気分じゃない」

友「とにかくお前も、今からでも良い。海軍の学校に…」

男「俺に闘えってか!?バカ言え。軍隊とか嫌いなんだよ」

男「陛下殿だって尊敬には値するが、なんでそこまで命かけて」

友「男!!!!」

男「っ!」ビクッ

友「陛下殿のことを軽々しく、値するなんて言い回しをするな」

友「本気で次からは、俺でも庇え切れん」

男「……とりあえず戦争が起きる可能性があるってだけだろ?」

友「ああ、だが忠告はしておく」



男(友の言っていた事は的中した)

男(昭和16年12月12日)

男(第二次世界大戦の一つとして…大東亜戦争が開戦した)

~昭和17年・年始~

【商店街】

男「……」テクテク

横断幕『贅沢は敵だ!』
横断幕『欲しがりません勝つまでは』

男「バッカじゃねえの。勝てるわけねえだろ」

婦人会「」ギロッ

国民「」ギロッ

憲兵「」ギロッ

男「ヒッ…」ビクッ

憲兵「貴様、今の『勝てるわけない』とはどういう事だ」

男「あ、い、いや違います。『買えるわけない』って言ったんです」

男「日本人なら高価な物は買えるわけ無いと…」

憲兵「……ふむその通りだ。だが少々紛らわしい、言動に気をつけろ」

男「す、すいません」ゝ

憲兵「うむ」

男「……」テクテク

男「はぁぁ…」

ガララ

男「ただいま~」

家族全員「」

男「なんだよ、お通夜じゃあるまい、どうした」

母「こ、これ…」

男「ん?」ペラッ

男「」


男「あ、赤紙が来てしまった…」

母「お、おめ、おめでとう…」ボロボロ

母「赤飯…沢山炊くからね…」グスグス

長男「母ちゃん…無理して愛国心ぶらんでええよ…」

次男「ここは家だぜ…ここで婦人会の根性出さんでも…」

母「ぅぅ…あんまりや、あんまりや…」ボロボロ

男「お…おおおお、おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいいおいおい」ガクガク

男「ウチは金があるだろう!!ワイロで免除できないのかよ!!!」ガクガク

父「金は出した、だが厳しい」

男「どうして!!」

父「さっき憲兵さんが来てな、何でも完全免除は出来ないらしい」

父「抽選で免除に選ばれるかも知れないって…だけらしい」

男「」ガクン

男「そ、そんな…」


男(その後、結局オレは戦地に行かされるハメになる)

男(荷物をまとめ、駅へと向かう)

【駅】

男「」

男(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ軍隊なんて行きたくない嫌だ嫌だ嫌だ戦争なんて嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ)ガクガク

母「あんた…」ダキッ

男「母ちゃんおれ嫌だよ戦争なんて嫌だよ」ボロボロ

母「ぅぅ…」ボロボロ

男「わるかった…俺がわるかった。もうマジメに働くから軍隊なんて」

父「……男、それ以上は言ってはダメだ」ボソッ

憲兵「……」ギロリ

男「うぅぅ…だけど…」

長男&次男「く、国の為に頑張って来いよ!!!」

長男(ほら、合わせろ!)

男「て、てて、帝国軍人として死力を尽くして参ります!!!」ゝ

憲兵「よしそうだ」コクリ

男(こんなのイヤだ…)グスッ

女「男くーん!」

男「お、女ちゃん…」

女「男君…行っちゃうんだね」

男「う、うん…」

女「……」チラッ

憲兵「……」ギロッ

女「えと…お国の英雄として!男君に」

女「バンザーイ!!」

家族全員「バンザーイ!!」

男「お、女ちゃん…」グスッ

男(チクショウ…取られたけどやっぱ嬉しいわ)

女「あ、あと…」タタッ

男「?」

女「あなた…頑張ってね」

イケメン「ああ」

男「っ!?いつの間に隣に」

イケメン「あ、君はいつかの…」

女「帰り待ってるからね」ボソッ

イケメン「……目を瞑ってくれ」ススッ

女「え?」

チュッ

女「///」

イケメン「必ず生きて帰る」ボソッ

女「う、うん…///」


男「」

~汽車内~

イケメン「いや~同時に赤紙がくるとは奇遇だね」

イケメン「しかも君と同じ部隊に所属とはね」

男「……」

イケメン「キミとは何かと縁がありそうだ」

イケメン「お互い頑張ろうよ」スッ

パシッ

男「握手なんてよせよ、気持ち悪い」

イケメン「……まあ気を落したくなる気持ちはわかるけど、いつまでも下ばかり向いていられない」

イケメン「力を合わせて、お国の為に闘おうよ」ススッ

男「触るな。ただの小作人の風情が」バシッ

イケメン「ははは。そういえば君は大地主の息子さんなんだっけか…」

イケメン「いや~大将、ごめんごめん!でも隊内では身分は平等だから仲良くしようよ」ニコッ


男(はぁぁぁ…もうダメだ、何もかもイヤだ)



男(こうしてオレは寝取り野朗と日々を過ごすことになる)

男(俺達はまだ未成年で徴兵された事もなく闘う技術が無い)

男(暫くは基地での訓練といった所だろう)

男(そして俺達が軍隊で、想像を遥かに凌ぐ地獄の生活を送ることを)

男(このときの俺達は、まだ知らない)

ここまで
次回から安価取る予定

時代背景に詳しい訳じゃないので、違和感も何かと多いかもしれないけど、目を瞑ってくれると助かる

主人公は、男かイケメンか、全て安価で決めてしまうか…色々悩んだけど前者にしました

なお主人公が死んだら、コンティニュー制でやり直します(予定)
仲間も増える予定

乙。コンティニューは強くてコンティニュー?

>>27
詳しくは決まってないけど
多分、安価かアンケで、ある一定の状況下まで巻き戻して、やり直すと思う

~とある基地~

兵長「よく聞け!貴様達ごときが勿体無くも、我が帝国陸軍の一員と慣れたのだ」

兵長「光栄に思え。そして命を賭して任務に掛かれ」

男(っざけんじゃねぇつーの)

兵長「それではこれより、非道上等兵からお前達にを餞別を授ける」

兵長「ありがたく思え!」

イケメン(なんだろ、美味しいものでも御馳走してくれるのかな)ヒソヒソ

男(……だといいけど)ヒソヒソ

非道「俺が非道だ。階級は先ほど紹介の通り上等兵だ」

非道「よし、まずは一番気合の入った自己紹介をしてくれた…男、貴様から授けるとしようか」

男(俺が一番気合を入れてただと?)

男(この中で一番適当にやったつもりだが…さては皮肉っているのか?)

非道「おい返事はどうした」

男「あ、は、はい」

非道「では俺の前に立て」

男「……?」テクテク

非道「返事」

男「は、はい」ゝ

非道「……よし、歯を食いしばれ」

男「は?」

パァァン!!

初年兵全員「!?」

ドサッ

男「」ボーゼン

イケメン「な、なんでビンタを…」

非道「立て」

男「……??」

非道「立て!!!」

男「は、はははい!!!」ムクリ

非道「何かいう事は無いのか?」

男「えと…なぜ私にこんな酷い事を…」

非道「馬鹿者!!!!」

パァァン!!パァァン!!

男「ぐぁぁぁ!!」

ドサッ

非道「この俺が自ら、餞別を授けてやっているのではないか!」

非道「帝国軍人なら礼儀を弁えろ!」

男「あ…ぅぅ…」

非道「礼儀を弁えんか貴様!!!」

バシィィン!!

男「ぐあぁぁ!!」

男「あ、ありがとうございます…」ゝ

非道「これからは毎日、この餞別をお前達にくれてやろう…」

非道「ありがたく思え!!!」

バシィィン!!
ドサッ

男「」

非道「次…そこの中性」

イケメン「え?は、はい」ゝ

非道「色男のようだが、帝国軍人としてはあまりに覇気のない有り様だ」

非道「今にその軟弱顔を変えてやる、こっちへこい!!」

イケメン「」

~その晩~

初年兵全員「」グッタリ

イケメン「み、みんな派手にやられたね」ボロロッ

男「お、お前もせっかくの顔が台無しじゃないか」

イケメン「男君こそ、もうパンパンに顔が腫上がって別人だよ」

男「ぐ、軍隊ってのは想像以上に過酷だな…」

イケメン「そ、そうだね…あしたも早いし、早く寝よ」

男「おう…」

~翌朝~

パラララ~!

男「ラッパうるさいな…」

男「むにゃむにゃ…zzz…」

ガララ!

兵長「起床時間だ!起きろ貴様ら!!!」

イケメン「おはようございます!」ゝ

兵長「うむ」

男「zzz…」

イケメン「男くん…朝だよ、朝」ユサユサ

非道「どけ」ドガッ

イケメン「痛っ…」

非道「起きんか貴様ぁぁ!!!」ブンッ

ボゴォォォン!!!

男「ぐわああ!!?」

初年兵1「男の奴、だいぶ非道さんに目を付けられてるな」

初年兵2「あいつ、戦場行く前に殺されちまうんじゃないか?」

非道「お前も男を起こすなら、これ位の勢いで起こさんか馬鹿者!!!」

バシィィィン!!!

イケメン「ぐあぁぁ!!」

初年兵1「イケメンの奴も、とばっちり食らってらぁ…」


男(それより俺達は日々、非道先輩を中心に、上等兵の先輩達に何かと理不尽なシゴキを受けた)

男(始めの1ヶ月間は専ら雑用)

男(そして2ヶ月目から雑用に加え、基礎体力作りが始まる)

男(3ヶ月目からようやく銃を扱う事になる)

~3ヶ月目・深夜~

イケメン「毎日毎日、訓練ばかりで辛いね男君」

男「……ああ、でもお前はさすが百姓なだけ合って、動きが機敏だな」

男「俺と違って」

イケメン「男君も始めに来た頃より、随分体力が付いたじゃない」

男「あ?」ピキッ

イケメン「男…くん…?どうしたのそんなおっかない顔して」

男「随分と上から目線な持ち上げ方するじゃないか?」

男「自分の方が体力あるからって」

男「どうせ内心、俺を見下してるんだろう?」

イケメン「べ、別に…僕は男君と仲良く頑張りたいだけなんだ」

男「仲良く…だと?」

男「流石、べっぴんさんと結婚できた美男子のいう事は違うねぇ~」

男「ヘドが出る」

ペッ
ビチャッ

イケメン「うあああ!?」

男「お前、もう来んなよ。近づくな」

男「毎日毎日キレイ事ばっかり吐きやがって…虫唾が走るんだよ」

イケメン「……こんな状況だ。心が荒みたくも成る。その気持ちは解る」

イケメン「でもどうして僕にそこまで酷い事を…」

男「うるさいな…」ガシッ

イケメン「ちょ!胸ぐらを掴まないで!?」

初年兵1「お、なんだ。あのコンビが喧嘩か?」

初年兵2「いいぞ、やれやれ!」

初年兵3「ばか!兵長達に見付かったら大変な事になるぞ!みんな止めろ!!」

男「俺から女ちゃんを奪っておいて!!いい気になってんじゃねえよ!!!」

男「クソ野朗が!!!!!」

ボゴォォォン!!!!

イケメン「ぐああぁぁ…!!」

ドサッ

初年兵1「いいぞいいぞ!!」

初年兵2「やれやれ!やっちまえ!!」

初年兵3「おい!男よ落ち着け!」ガシッ

男「うるさい離せ!!!」ジタバタ

初年兵3「どうしたんだよ!お前らいつも仲良く先輩達に、シゴかれてる身じゃないのかよ!」

男「……お前ら、俺がそこの色男と仲良しだと言うのかよ」

男「お前ら脳みそが相当に腐ってるな」

初年兵1・2「あ?」

初年兵3「お前らもよせ!」

男「おいイケメン、それなりに出来るお前が、なぜ俺といつも先輩達に扱かれるか…わかるか?」

イケメン「……」

男「もう気付いてんだろ?」

男「単に俺といつも行動を共にしてるから、とばっちり喰らってるんだよ!」

男「無駄に顔もカッコいいしな」

男「俺と一緒にいたら、ずっととばっちり喰らい続けるぜ?」

男「俺もお前といるとイライラすんだよ」

男「もう来んなよ」

イケメン「男くん…」

~翌日~

兵長「これより射撃訓練を行う」

兵長「あの的に向かって、順番づつに撃て!」

全員「はい!」ゝ

パァン!パァン!パァン!

イケメン「よしっ!」

非道「おおイケメン。お前は射撃も上手いな」

非道「更にもっと精進しろ」

バシィィン!!

イケメン「ぐあっ…」ドサッ


初年兵1「昨日から踏んだり蹴ったりだなアイツ」

初年兵2「全くだ」

イケメン「ははは…また殴られちゃったよ男くん」

男「」プイッ

イケメン「男くん…」

非道「男ぉぉ!お前は射撃がヘタクソだな!!」

非道「気合を入れてやる」

バシィィン!!バシィィン!!バシィィン!!バシィィン!!

男「ぐああぁぁ!!!」

初年兵1「うわぁぁ…往復ビンタ」

イケメン「へ、兵長!」

兵長「ん?」

イケメン「その…ちょっとあれは止めた方が良いのでは?」

バシィィン!!バシィィン!!バシィィン!!バシィィン!!

非道「お前はたるんでるんだよ!!!」

男「」

兵長「……イケメン、ここは軍隊だ。わかるな?」

イケメン「……」

兵長「私からも一発、気合を入れてやる」

バシィィン!!!

イケメン「ぐああぁぁ…」ヒリヒリ

兵長「次に上官に逆らってみろ!」

兵長「……地獄を見るぞ。良いな」

イケメン「申し訳ございません」ペコッ

~深夜~

男「」グッタリ

イケメン「ははは…今日も散々だったね」

男「……」プイッ

男(あーうぜぇぇな…昨日あれだけ、ボロクソに言ってやったのによ)

男(しかし…イケメンの奴は、射撃も上手かった)

男(俺も強くならないと、生きて家に帰れないからな…)

男(……)

男(なんでも良い、得意分野を作ろう)

男(そうじゃないとオレは実家に帰れない)

安価+2
男の今後、得意となる分野は?
①射撃
②白兵戦(体力、腕力など)
③戦況おいての生きる為の状況判断(生存本能、勘)

※ 男のステータス
(レベル1~100まで)
射撃2
体力6
腕力3
頭脳40

※因みにイケメンは
射撃20
体力30
腕力40
頭脳20

※初年兵平均
射撃10
体力10
腕力10
頭脳10

~翌日~

兵長「本日は模擬訓練を行う」

兵長「この森の中に幾つか的を用意している」

兵長「更に罠も沢山ある…時間内に全ての的当て、無事に任務を遂行しろ」

兵長「心して掛かれ」

全員「ハイ!!」ゝ

~森~

パァン!パァン!パァン!

男(時間内に全ての的を当て、基地に帰等…)カチャッ

男(しかし森の中だと、視界が悪くて誤って誰かを撃ちかねない)パァン

男(ん?)

イケメン「……」パァン

男(女ちゃんと結婚したイケメン…)

男(あいつさえいなければ…)

男「……」カ

男(訓練中の事故は罪には問われない…ハズ)

男(アイツをぶっ殺せば…)

男(……)カチャッ

男「……」

男「……」ググッ

男「……」ススッ

男「アイツを殺して…何になるんだ、一体」

男「酷い罪悪感しか残らないじゃないか…それこそ俺が死にたくなる」

男「女ちゃんにも顔向け出来ない…」

男「ん?」

初年兵1「よし!ガンガン進んでいくぜ!!」チャキッ

男(あの距離からあの角度…)

男(それにあの辺は、細長い木々が密集してる……おいマズイんじゃ!?)

男「イケメン!!」

イケメン「え?」

男「しゃがめ!早く!!」

イケメン「……?」ススッ

パァン!

キィィン!!

イケメン「俺の後ろに…的が…」

初年兵1「あっぶなかった!!!おい、大丈夫かイケメン!!」

イケメン「ああ、大丈夫だよ」

初年兵1「よかった…」ホッ

~訓練終了後~

イケメン「さっきはありがとう男君、助かったよ…」

男「……」

イケメン「戦場で死ぬならまだしも、こんな形で死にたくないからね」

イケメン「本当に感謝してる」

男「……周りをもうちょっと良く見ろよ」

男「戦場は単に、体が強いだけじゃ生き残れない」

男「女ちゃんに会いたいなら、意地でも生き抜くことを考えろ」

イケメン「男君…まるで百戦錬磨の兵士みたいだ!」

男「ったく…おだてるんじゃねえよ」

イケメン「所で…」

男「ん?」

イケメン「男君は…もしかして女さんが好きなのかな?」

男「……」

イケメン「幼馴染って言ってたもんね…」

男「う、うるさいな…関係ないだろ。ほっとけよ」

イケメン「俺も最初見たときはビックリしたよ、こんなキレイで優しい子と結婚できるなんて」

男「惚気話なんか聞いてねえよ!!」

イケメン「全く羨ましいよ、男君が」

男「はぁぁ??」

男(こっちの台詞だっつーの…)

イケメン「女さんからは良く、男君との思い出話をよく家で聞かされてたんだ」

男「……」

イケメン「正直、嫉妬したくなったよ。そんな昔から仲が良かったなんて」

イケメン「そのキミとまさか、同じ戦友になれるとは思ってもいなかった」

男「……」

イケメン「女ちゃんはキミの帰りも待ってるんだ」

イケメン「一緒にがんばって生き残って、故郷に帰ろうよ」

男「……お前にいちいち言われなくても、俺は意地でも生き残るつもりだ」

男「死にたくいないしな」

※男のステータス
(レベル1~100まで)
射撃2
体力6
腕力3
頭脳40→50

~ある日~

兵長「少々気が早いようだが、米英に勝つために戦力補強を行おうと思う」

兵長「非道上等兵……誰を戦地へ送るべきか」

非道「はい。ならばあのコンビでよろしいかと」

兵長「ふむ、男とイケメンだな」

非道「イケメンは言うまでも無くですが、男は頭が良い」

非道「身体能力は隊内では低い方ですが、それは戦地に行けば自然と体力も付いていくハズです」

兵長「ふむ、わかった。では戦地へ送り出す時期は…」

※アンケート
①ミッドウェー海戦前(昭和17年5月頃)
②ミッドウェー海戦後(昭和17年7月頃)
③ミッドウェー海戦の1年後(昭和18年8月頃)

締め切りは大体1時間後って事で

~数日後~

兵長「ただいまより、戦地へ送る者を発表する!」

初年兵1(え…早くないか?)ヒソヒソ

初年兵2(俺達はまだ訓練受けて半年しか経ってないぞ)

兵長「光栄に思え……男!イケメン!」

男(つ、ついにきやがった…)

イケメン(せ、戦場…)

兵長「それと、非道上等兵もいる」

男&イケメン「」

非道「お前達…戦地でもヨロシクな」

イケメン(やっとビンタ地獄から開放されると思ったのに…)ヒソヒソ

男(ドコに言ってもあんな奴はいる)ヒソヒソ

男(まあ…非道の場合、やりすぎだけどな)

兵長「では3人!健闘を祈る!」ゝ

~港~

非道「それではこの輸送船に乗って、移動をする」

非道「気合を入れてやる…歯を食いしばれ!!」

バシィィン!!!バシィィン!!!

男&イケメン「あ、ありがとうございます…!」ゝ

男(じょ、冗談じゃねえよ移動の時まで…!!)ヒリヒリ

~船上~

男「あ、友!!」

友「おおお!!男じゃないか!!」

イケメン「知り合い?」

男「まあ一応、幼馴染。海兵やってるよ」

友「どうも」ゝ

イケメン「初めましてイケメンです。幼馴染ってことは…女さんも知り合いですか?」ゝ

友「ああ。前に手紙で、結婚したってのは聞いてるけど」

イケメン「どうも。夫です」

友「ほう!アンタが夫か…こりゃ凄い偶然だ」

男(……あーイライラする)ピキピキ

男「それよりお前…どうしたんだ」

友「え?」

男「その体だよ…酷い怪我じゃねえか」

友「前に零戦に乗り空中戦をしてな…その時、負傷した」

男「……よく生きてたな」

友「……」

友「男、イケメン…ちょいと話がある、俺の部屋まで付いて来てくれないか」

男&イケメン「?」

~部屋~

男「なんだよ話って」

友「実は一ヶ月前、ミッドウェーでアメリカと争ったんだ」

男&イケメン「……」

友「その戦いは重要な物だった…真珠湾の時よりもな」

友「だが負けた」

友「それからという物…連戦連勝だった我が大日本帝国軍は敗走の色を増している…」

男「つまり…今は相当ヤバい局面にいるという事か?」

友「……まだ一ヶ月しか経っていない、これからどうなるかわからんが」

友「ただ言っておきたい」

友「俺達が死のうと生き延びようと…この戦争に勝たなければ占領される…」

友「故におれ達は何としても勝たなければならない…!!」

イケメン「占領されたら俺達はどうなるだ…」

男「……」

男(故郷には家族がいる…)

男(俺がもし死んだとして、それでも絶対に国が勝つわけじゃない)

男(生きて帰ってきても、負けるかも知れない…)

男(負けたら…どうなる…?)

~深夜~

イケメン「男君は戦争終ったらどうするの?」

男「未定だ。でも何かやる」

男「小説でもまた書こうかな…」

イケメン「読書好きなのか、凄いな」

男「別に。それに小説家に絶対なれる保証は無い」

イケメン「男くん頭良いし、なれるよ」

男「なれても売れるか分からないし」

イケメン「きっと売れるよ!やるんなら前向きに行こうよ」

男「……それ以前に。日本が負けて、占領されるかもしれんし」

イケメン「……」

男「そしたら俺達の生活は…どうなるんだろうな」

今日はここまで

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