【八幡視点】


寝戸　吏人。（ねと　りひと）

そいつは俺達のクラスへ転入してきた。

この時期に転校？と多少の疑問を持ったものの、はっきり言ってぼっち神である俺にとっては転校生などあまり気にすることでもない。
こいつが目の腐った俺に話しかける事は無いだろうし、こちらから関わる気だってさらさらないからだ。

文化祭が終わり数日が過ぎた今、俺の周りからの評価は以前にも増して最悪だが、
毎日挨拶してくれる大天使トツカエルや、たまーに思い出したように話しかけてくる（ボディタッチ多め）由比ヶ浜がいるこの教室での生活に俺は満足していた。

だから、転校生がイケメンだとクラスの女子が騒いでることなんて気にならなかったし、早速クラスのライバルを押しのけて相模が連絡先を交換していたことなんて本当にどうでも良かった。


クラスメイト数人に囲まれた転校生が言った。


寝戸「向こうの学校ではサッカー部だったんだよね。だからこっちでもやりたいなって」


相模「えー！そうなんだ！このクラスにサッカー部のエースがいるよ！呼んでくるね！」

葉山くーん！とイケメン同士の橋渡しが出来ることに心底喜んでる相模を尻目に俺は思った。


イケメンで転校生でサッカー部で高コミュ力……さすがに盛り過ぎだろう。


転校生なんて気にしないと言った俺の意思は三分ともたずに崩れ去った。

むしろ死んで欲しいと思うまである。

【寝戸吏人視点】

俺の名前は寝戸　吏人。(ねと りひと)

前の学校でちょっとした問題を起こして、この学校へやって来た。

性癖はNTR。もちろん寝取る方だ。

前に起こした問題というのはこの性癖のせいで失敗したからだ。まぁここで詳しく言うつもりはないが。


俺はこれまで数々の彼氏持ちの女に手を出してきた。

この学校のカップル共も俺の欲望のために犠牲となってもらおう。

まずは、手始めにこのクラスの女からいこうと思う。
パッと見ただけで、数人かなり高レベルの可愛い子がいる。

楽しみだ。

最初に情報を仕入れよう。

今しがた相模とかいうギャーギャーうるさい女からサッカー部のエースを紹介してもらった。

まだ詳しくは把握していないが、おそらく彼がこの教室でリーダー的存在なのだろう。
周りに集まってる人間を見たところカーストレベルの高さが容易にうかがえる。

クラスの権力者がサッカー部だというのは好都合だ。

閃光の右ウイングの俺にとって良い風が吹いている。

クラスでの立ち位置というのは後々大事になってくる。
上手く取り入ろうと思う。



寝戸「こんにちは、葉山くん」

【由比ヶ浜視点】

なんか今日転校生がきた。

クラスの皆はイケメンだー！って騒いでたけど、あたしはそんなに思わなかったなぁ。

放課後の今、その転校生の寝戸くんは隼人くんとお話している。

となりで由美子とさがみんが睨み合ってる。いや由美子が一方的に睨みつけてて、さがみんはちょっと震えてるかな……。

……あはは。可哀想だけどさがみんも怖いなら逃げればいいのに。
見てるとハラハラするのであたしはヒッキーの方を見ることにした。

相変わらずボーっとしてるなぁ。ふふ。

今ヒッキーは何考えてるんだろう。

はやくヒッキーとハニトー食べに行きたいな。


三浦「結衣ー。あんたも寝戸に自己紹介しな。」

由比ヶ浜「ふぇ！？ ……あ、こんにちは！由比ヶ浜結衣です！よろしくね、えへへ」

寝戸「よろしく。仲良くしてね」ニコっ

痛いな

由比ヶ浜(おお…たしかに顔は整ってるかも…。みんなが騒ぐのも納得…。でも私はやっぱり、)

由比ヶ浜「うん！学校で分からないことがあったら何でも聞いてね！」

由比ヶ浜「じゃあ、あたしは部活行くから！またねー」

タタタ

由比ヶ浜「とう！ヒッキー部活行くよ！」

八幡「……おう」

由比ヶ浜「えへへ」

由比ヶ浜(私はやっぱりこっちが良いなー)


寝戸「…………へぇ」

>>13
だよな

終わり