光「本当にこっちでいいんだな?美海」美海「うん」 (19)

凪のあすから 第十八話 「シオシシオ」 予想SS

美海 「間違いないよ。砂の音聞こえる」

要  「僕にも聞こえたはずなんだけな。今は駄目だ」

美海 (海の中だ。私本当に海の中にいる)

光  「何怖がってんだよ」

美海 「こ、怖がってなんかないよっ」

光  「とにかく無理はするな。何かあったらすぐ戻るぞ」

美海 「うん!」

OP  降り積もる粉雪が舞うー♫ 諦めかけた夢がまたー♫


光  「しかし、海の中すっかり変わっちまったな」

美海 「そうなの?」

要  「うん。不気味なくらいひっそりしてる。昔はもっと魚が泳いでたりしたんだけど」

美海 「そうなんだ。私も見たかったな」

光  (あいつに見せてやりたかったな。俺たちのシオシシオ)

美海 「こっち!」

要  「あれは!」

光  「ああ、間違いない。海村だ!」

要  「行こう」

美海 「うん!」

光  (ただいま。まなか今行くぞ)

要  「これは…」

美海 「ここがシオシシオ」

光  「なんだよ。これ…。まるで廃墟じゃねぇか!」

要  「ぬくみ雪。地上も酷かったけど。こっちはその比じゃないね」

美海 「誰も掃除する人がいないから。こんなに積もって」

要  「……。」

美海 (ずっと憧れていたシオシシオ。こんなことになってるなんて)

光  「くそっ。行くぞ。」

美海 「あ、光。待って」

要  「どこ行くの」

光  「決まってる。うろこ様のところだよ!」

光  「うろこ様! いるんだろ。出てこいよ!」

美海 「誰もいないね」

要  「うろこ様は海人ではないし。冬眠している訳じゃないと思うけど」

光  「くそっ。アイツに聞けば何か分かると思ったのに。まなかの事も…」

美海 「……。」

要  「とりあえず町全体を見て回ろうか」

光  「……。」

要  「駄目だね。人の気配もないし。家もみんな鍵がかかってる。僕も光も家の鍵無くしちゃったしね。」

光  「……。」

要  「みんな冬眠してると思うんだけど。壊して入るのも忍びないしね」

光  「……。」

美海 「ここが光達が暮らしていた世界なんだね」

光  「違う!」

美海 「光!?」

光  「違う。本当はこんなんじゃない!シシオはもっと明るくて楽しくて、みんな優しかった。空を見上げたら海越しに光が見えてさ。みんなで見たんだよ。
そうだ。巴日をみんなで見たんだ。…でもその光だって今は見えないままだ」

要  「光…」

光  「どうして! どうしてこんなことになっちまったんだよ。ここに来ればみんなに…。まなかに会えると思ったのに!」

美海 びくっ

光  「俺が!俺があの時しっかり手を掴んでいればっ!」

?? 「ほう。これは懐かしい顔が揃いも揃って」

美海  「あなたは…」

光   「うろこ様!」

美海  「え、この人が」

うろこ様「久しぶりじゃの。ん 一人見ない顔がおるの」

要   「この子はその…。あかりさんの娘です。」

うろこ様「ほぅ。あかりの。とすると以前海村を出たあやつの娘か。大きくなったな」

美海  「は、はじめまして。汐留美海です。」

光   「大きくなったなってうろこ様は会ったことないだろ」

うろこ様「いいや。そやつの事はよく知っておるよ。随分前からな」

光   「? そんなことより教えろよ!一体何がどうなってるんだよ。まなかは…」

うろこ様「全ては海神様のご意思のままに」

光   「答えになってねぇ。シシオのみんなは冬眠したままだし、海村も地上もぬくみ雪だらけ。おまけに美海にエナが出てきたり分からない事だらけだ」

要   「確かに。僕も少し説明が欲しいですね。どうしてぼくたちだけが先に目覚めたのか。今この世界で何が起こっているのか」

うろこ様「ふむ。その全てに答える訳にはいかないが。その子のエナについてなら教えてやろう」

美海  「えっ」

光   「どういうことだ」

うろこ様「シシオに伝わる伝承はお前たちも知っておるじゃろ」

美海  「伝承?」

光   「昔、おふねひきがあって、それで人間の女が生贄に使われていたって話だろ。それがどうしたんだよ」

要   「僕らはその生贄の女と海神様間に出来た子供の子孫…。!っ」

うろこ様「気づいたようじゃの」

美海  「?」

要   「つまり人間と海人の間でもエナを持って生まれてくる可能性があるって事ですか?」

うろこ様「可能性というのは違うの。海人と人間の間に産まれた子供はみんなエナを持っている」

光   「じゃあどうして、紡にはエナがないんだよ!あいつも人間と海人のハーフだろ!」

うろこ様「純然たる海人の間に産まれた子供は産まれた時から皮膚の表面にエナが現れておる。じゃが海人と人間の間に産まれた人間にエナが現れるにはある条件が必要になる」

光   「ある条件ってなんだよ。もったいぶらずに早く教えろよ!」

うろこ様「美海といったか。」

美海  「は、はい」

うろこ様「お前この間海に落ちたじゃろ」

美海  「!」

うろこ様「エナとは命を守るが為人間が海神様から与えられし羽衣。じゃから命の危機が訪れたときエナが厚くなり海人は冬眠に入るのじゃ。ここまで言えばもう分かるじゃろ」

光   「エナの覚醒条件は命の危機…。」

要   「でもそれはおかしい。5年前、紡…。僕たちの同級生男の子が海に落ちたんです。そいつは海人とのハーフでした。でもそいつにはエナが出てなかった。」

光   「紡が海に落ちただと!なんだよそれ」

うろこ様「ふむ」

うろこ様「エナの覚醒には個人差がある。真に命の危険が無くばすぐ現れない場合もある。しかし今は海神様の力が強まってきた時期じゃ。もうすぐそやつにも」

紡   「なんだ。これ」

うろこ様「兆候が出始めるじゃろう」

紡   「これは。エナ…。俺に」


ED むおーんの 言葉でー

おしまい

ありそうだな

>>14
おー 読んでくれた ありがとう
初SSで結構思いついたことばんばん書いてみた
製作時間約2時間だわ

他に読んで下さった方いたら
感想を聞かせてくれるとめっちゃ嬉しいです

微妙にありそうすぎてどうにも

あとがきとか感想求めたりとか
SS以外の書き込みはあまり望まれていないが
分かっててやってるならいい
初SSなら尚更感想聞きたいだろうしな

>>17
感想ありがとう!
そうなのか
実はSSもちょいちょいまとめで見ただけだから詳しく知らないのよ
むっちゃ恥かしいw新参過ぎてすまん

つかタイトルミスってることに今気づいた…
ちゃんと確認しなきゃ駄目だな

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