P「もし美希が最初から覚醒していたら」(165)

P「ただのメンヘラである」

美希「……ハニー」

美希「ハニー、ハニー、ハニー」

美希「ハニーハニーハニーハニーハニー……」

美希「……いま、行くからね」

――――――
――――
――



うん、メンヘラだ

P「765プロダクションへ入社した……がどうもプロデュースするに当たりいまいちピンとくる子がいない……」

小鳥「プロデューサーさん、しっかりしてくださいよ」

P「そうなんですけれどね……この子達はみんなセンスがありそうなんだけど……なんだか求めてるのと違うというか……なんというか」

小鳥「お仕事ですよ?何言ってるんですか……はやく決めてくださいよ、もう悩んで3日も経ちますよ?」

P「まあ、そうなんですけどね……俺だと不幸にしてしまいそうなんだよな……」

小鳥「……どうしても決めれないんですか?」

P「はい……今すごく自分が駄目だなって感じます」

小鳥「はぁ……社長さんってば他のアイドルを見つけるセンスはあるのに……」

P「ごめんなさい……」

小鳥「仕方ないですね……なら、新しく選択肢を増やしましょうか?」

P「……え?」

小鳥「こんど、765プロはオーディションを開く事になってます、そこで採用した子をプロデューサーさんにはプロデュースしてもらいます、よろしいですね?」

P「は、はい!」

小鳥「……じゃあ、明日、○○へ8時半にお願いします」

P「わかりました!」

オーディション会場

社長「はっはっはっ!よく来てくれたね!」

P「社長、何度も迷惑をかけてすみません……」

社長「かまわんよ!この私がティンと来たキミの事だ!琴線に触れるような娘を選んでくれて構わない!」

P「は、はい!社長、それにしても自分達でこんなに大きいオーディションを開けるほど765プロって大きいんですね」

社長「はっはっはっ!何人ものプロデューサーがトップアイドルを生み出して来た歴史の賜物だよ!」

P「な、なんだか……見習いの俺もこうやってこのまま座ってていいんでしょうか?」

社長「気にすることは無い!初めてわが765プロがトップアイドルを生んだ時のプロデューサーは――」

小鳥「社長、そろそろオーディションが始まるそうです!」

社長「音無君、すまないね……この話は後にしよう」

P「……はい」

社長「それじゃあ、1番の子からアピールをお願いしてもらおうか!」

*「はい、私は――」

――――――
――――
――

P(どの子も、最初からいた子同様素晴らしい素質を感じたが……どうしても決める子が出来なかった……)

社長「ふむ、この子で最後か……キミ、決める事ができたかね?」

P「え、ええ……なんとか……でも明日まで待ってていただけないでしょうか?」

社長「ふむ……なら明日、答えを聞く事にしよう」

P「ありがとうございます」

社長「構わないよ、それじゃあまた明日」

P(数時間に渡るオーディションが終わり、満たされない思いで事務所に帰ろうとした時)

P(奴は来た)

美希「ごめんなさい!遅刻したのー!」バンッ

小鳥「なっ……!?」

社長「うむ?」

美希「……もしかして、もうおわっちゃったの?」

P「あ、ああ……そんな所だが……」

社長「はっはっは!今回は特別だ!キミのアピールタイムを特別によういしてやろう!」

美希「……ホント?ミキ頑張っちゃうの!」

P(茶色の髪、緑色に輝く瞳、グラビア映えしそうな体、それでいて何処か幼さを感じさせる顔……見た目は悪くない)

P(それでいて……他の点もなかなかの出来であった……所謂天才肌ってやつか)

美希「ふぅ……終わりなの、どう?ミキを採用する気になった?そこの人」

P「え?あ、ああ……」

美希「ミキ的には楽勝……ってカンジかな?そんな事よりもさ」ガシッ

P「んなっ!?」

美希「プロデューサーさん、こんな所にいるって事はフリーでしょ?」

美希「ミキをプロデュースしてみたくならない?ならないの?」

P「う、なってきたような……なってこないような……」

P(か、顔近い!)

美希「むー……どっちなの!?男ならはっきりするの!」

P「じゃ、じゃあ、採用、かな……」

美希「……やったの!よろしくね?プロデューサーさん♪」

P「う、うん……俺なんかで良かったら……よろしく……」

P(な、なんだか押されて無理やり担当になってしまった……)

社長「おっほん……」

美希「あっ!近すぎましたなの!ごめんなさい!」バッ

社長「では、星井君、だったかな?」

美希「うん……!ミキは星井美希……15歳なの」

社長「なるほど、それで、キミはこのプロデューサーとやって行きたいのだな?」

美希「はいなの!」

社長「と言う事だが……キミは星井君をプロデュースすると言う事でいいかね?」

P「は、はい!」

社長「それじゃあ、握手してもらおうか!」

P「……星井さん、よろしくお願いします……」

美希「美希でいいの、よろしくね?プロデューサーさん」

P(こうして、巻き込まれるような形で俺は美希のプロデュースをする事になった)

P(……こんな楽な仕事、聞いた事ないぞ)

美希「Eランクになったのー!Dまで一直線なの!」

P(なんつー才能だよ、それでいて努力家)

P(俺の出る幕無し、こう言うのは大抵怠けてるのが定石だろ……)

美希「……ハニー、聞いてるの?」

P「ひゃいっ!?あ、あの美希、いくら二人きりとはいえその呼び方は……」

美希「別にいいでしょ、そんな事よりもさ、真面目にミキのプロデュースをする気あるの?」

P(な、何しろってんだよ……)

美希「今のハニーはダメダメなの、ミキに相応しいハニーになってもらわないと困るの!」

P「で、でも美希は十分やっていけてるし……このままでも……」

美希「……はぁ……ダメダメなの……」

P「美希?」

美希「……とにかく!ミキの行動は全部ハニーに任せるから!いいね!じゃないとお仕事サボっちゃうの!」

P「え、仕事サボる!?そ、それだけは……」

美希「イヤなら、頑張って成長するしか無いの♪」

P「はいはい……」

美希「じゃないと絶対許さないからね!」

P「……何もそこまで言わんでも」

美希「これくらい言わないとダメなくらいハニーはダメなの、ダメダメなの……」

P(ダメって言い過ぎだろ……俺を何かと比べてないか?)

美希「まあいいの、ハニー、お昼ごはんにしよ?おにぎりが食べたいってミキ思うな!」

P「はいはい、今作るかな、待ってろよ」

美希「はいなの♪」

美希「うん、やっぱりおにぎりは美味しいの!」

P「美希、明日の事なんだけど」

美希「うん、手帳見せて!」

P「ああ、学校は明日は午前で終わるだろ?だからな……」

美希「……あ、ここだね」パラパラ

P「いや、最初から今日の所開いてたろ……なんでわざわざめくり直す……」

美希「……ミキだって見落とす事あるの、とにかく、明日はこれだね」

P「ああ、かなり難しい所だが……いけるか?」

美希「当たり前でしょ?ミキに任せて!すぐに終わらせてきてあげるの!」

P(……これで本当にやってくるから恐ろしい)

美希「地道な活動は嫌いなの、ミキは一気にキラキラしたいって思うな!」

P「はは……なんだか美希が遠い所に行っちゃうような感じだよ……」

美希「そうならないように、ついてこないとね?」

P「そうだな……」

美希「それじゃ、仕事終わりに早速映画館についてくの!」

P「そ、それはついていくに入るのか!?」

美希「そうだよ、だからついてくるのー♪」

P(はは……これじゃあ二人三脚というより、タイヤ引きずって走ってるようなもんだな)

P(……頑張らないと、な)

――――――
――――
――

ごめん、仕事あるから昼残ってたらかく

なんで最初からハニーって呼んでるの?
ある程度仲良くなったあとじやね

>>25
ヒント:2周目

覚醒だけじゃなくて病んでそうなの

P(おかしい、今後の参考のために映画を見に行くって聞いてたのに)

P(目の前にはイチゴババロア、そして満面の笑みでスプーンを差し出す美希)

P(どこからどう突っ込めばいいのかわからない)

P「な、なあ……こ、これもプロデュースなのか?」

美希「そうなの、ハ……じゃなくてプロデューサーも食べるの」

美希「はい、あーんなの♪」

P(いやいやいやいや!おかしいだろ!さっきまでダメダメって言ってたのはどうなったんだよ!?)

美希「……腕疲れるの、はやく食べて」

P「あ、ああ……」

P「あむっ……」

美希「ミキのオススメなの、美味しいでしょ?」

P(うむ、なかなか……じゃなくて)

P「な、なあ?営業とかしなくてもいいのかなって」

美希「ホントプロデューサーは仕事好きだね……もう十分したでしょ?ミキ達は今デートしてるの、こんな堂々と出来るのは今くらいだよ?」

P「ま、まあそうだけど……」

美希「今のうちに楽しむの、後悔しても遅いからね?……はい、あーん」

P「……うん……あむっ……」

P(これじゃあカップルじゃないか……アイドルとプロデューサーなのに……)

美希「ねえ、ハニーも食べさせて欲しいな」

P「ああ……はい、あーん」

美希「あーんなの♪」ハムッ

P(まあ、深くは考えないでおくか……保護者だと思えば……)

美希「適度にお仕事、適度にお休み、やっぱりそれが一番なの!」

P「なあ、美希」

美希「どうしたの?プロデューサー」

P「……なんでそんなに頑張れるんだ?」

美希「何言ってるの?そりゃトップアイドルになりたいからに決まってるじゃん」

P「いや、そうじゃなくて……」

美希「他にも理由があるって?」

P「ああ、ないのか?」

美希「……内緒」

P「そっか……」

美希「ねえ、プロデューサー」

P「うん?」

美希「ちょっと、変な話ししていいかな?」

P「へ?」

美希「プロデューサーは、大切な人が明日もまた笑顔で居てくれるって考えてる?」

P「え?……人生何があるかわからないからな……そうは考えないな」

美希「そりゃあ、いつかはどっちも死んじゃうの……そういうことじゃなくて……」

美希「なんだろう……その……次の日に大切な事を伝えたかったのに、その日にその人がいなくなったとしたら、どうすればいいの?」

P「え?……いや……」

美希「わかんないよね……ごめんなさい」

P「いや、美希が謝ることじゃないよ、俺がわるい」

美希「そっか……ありがと……それじゃ映画、見にいこっか?」

P「ああ、このハリウッド映画でよかったか?……行きたいねえ、ハリウッド」

美希「そりゃプロデューサー次第なの、いくらミキでもハニーの金銭事情までは面倒見きれないの」

P「なんだよそれ!ミキがハリウッド連れてってあげるのー!とか言ってくれよ」

美希「ミキにばっかり頼らない!」

美希「次のオーディションも受かったの!ガンガンいっちゃうよ!」

P「おお、すばらしいな……しっかし化けもんだなお前……」

美希「まだまだ認知度が低いからいくらうまく歌ってもすぐにはファンはつかないの、そこは誰のお仕事か……わかるよね?」

P「はいはい、営業行って来ますよ、その後に飯でも奢ってやるさ」

美希「未来のファンとミキの為にせいぜい頑張るの、見習いさん」

P「言い返せないのが辛い……」バタン



美希「……ふぅ……だいぶいいペースかな?」

美希「ううん、まだなの、はやくトップアイドルにならないと……」

美希「…………」

数週間後

美希「次のオーディションも受かったの!ガンガンいっちゃうよ!」

P「おお、すばらしいな……しっかし化けもんだなお前……」

美希「まだまだ認知度が低いからいくらうまく歌ってもすぐにはファンはつかないの、そこは誰のお仕事か……わかるよね?」

P「はいはい、営業行って来ますよ、その後に飯でも奢ってやるさ」

美希「未来のファンとミキの為にせいぜい頑張るの、見習いさん」

P「言い返せないのが辛い……」バタン



美希「……ふぅ……だいぶいいペースかな?」

美希「ハニーが覚えてなかったのは残念だけど……思い出はいっぱい作り直せるの」

美希「だから、だからはやくトップアイドルになって……ハニーにこの思いを伝えたいの」

美希「今度こそ……後回しにはしないの」

美希「ねえねえハニー、次のライブ、どこか覚えてる?」

P「まあ……かなり駄々こねたからな……それでもチケットが当日分となるとかなり怪しい所だが……これより大きなライブハウスとなると、やはりドームしか……」

美希「さすがハニーなの、ミキの目は正しかったね!」

P「まさか担当アイドルに教えてもらうことになるなんてな……」

美希「ミキは何にも教えてないよ?ただちょっとだけハニーの助けになってあげただけってカンジかな!」

P「いやいや美希のおかげだよ、俺に出来ることはなんでもしてやりたい所だ……」

美希「……なら、キスするの」

P「いや、流石にそういうのは……」

美希「じゃあ結婚しよっか?」

P「あのなぁ……お前自分の立場わかってるのか?」

美希「むー……ならこないだ行ったあそこ、変装してでも連れてってね!」

P「それくらいなら、お安い御用だ」ナデナデ

美希「えへへ……♪」

美希「かつら、かつら……と」ゴソゴソ

伊織「美希……あなた何を?」

美希「あ、デコちゃん!お久しぶりなの!」

伊織「デコちゃん言うな!はぁ……相変わらずなに考えてるかわからないやつね……」

美希「ハニーとおにぎりとファンの事について考えてるの」

美希「あとは……笑顔の作り方?」

伊織「笑顔って……仕事熱心ね……そうそう、あんたのアドバイス、なかなかよかったわよ、感謝しているわ」

美希「でしょ?ミキに任せとけばそんなの楽勝ってカンジ!」

伊織「そうね……あいつとせいぜい楽しんでらっしゃい、それと美希」

美希「うん?」

伊織「最近この辺りで事故が多いから、よそ見しちゃダメよ」

美希「分かったの」

美希(……もう車のお世話にはなりたくないってカンジ)

美希「……」

P「なあ、美希、なんでくっついて」

美希「ハニー、前!」

P「え?――」

ブオオオオン

P「な……車が急に……」

美希「この時期はホントにこういうのが多いの……ハニー、気をつけてね?」

P「知ってたのか……美希、いくら今危なかったとは言え、警戒しすぎじゃないか?」

美希「警戒することに越したことはないでしょ……」

P「いや、なんかまるで轢かれたことでもありそうな……」

美希「………まあ、そんなこともあったからね、懐かしい思い出なの」

P「15でそれが懐かしい思い出ってどんだけ波瀾万丈な人生送ってきたんだよ……」

美希「……ほら、行くの」

だって今親戚来てるの

P「ふう、ここはいつ来ても落ち着くな」

美希「そうだね……はい、あーんなの」

P「あむっ……うん、いつもの味だな」

美希「そうでしょ!」

P「お前はずいぶんと立派になったけどな」

美希「え、そんなことはないよ?ハニーのが立派なの!」

P「そうか?最初の頃のお前だったらダメダメって言ってると思うけどな」

美希「それだけ今のハニーは立派になったってことなの……んーと……ちゃんとプロデューサーやってるってカンジ?」

P「そ、そうなのか……?俺は最初からプロデューサーやってたけどなあ……」

美希「やってないの、ミキとのデートだって行きたがって無かったの!」

P「どこにデートするプロデューサーとアイドルがいるんだよ……」

美希「ここにいるでしょ?」

P「ま、まあそうだけど…-」

P「なあ美希、俺とお前が765プロに入って大分経ったんだ、そろそろお前が入った理由を教えてくれたって……」

美希「……Aランク、トップアイドル」

P「い、いやその後の……」

美希「そこまで来たら教えてあげる、ま、今のミキ達にはAランクすら越えれる壁にすぎないの……だってもうそろそろBランク、だよ?あと少しじゃん」

P「まあ、行けない気もしないが……普通のアイドルじゃBすら無理だろうよ……何言ってんだ?」

美希「ミキがただのアイドルとは違うって知ってるでしょ?数ヶ月Aランクなんて楽勝なの……それとももっと上、目指しちゃう?」

P「……まずはトップアイドルになってから話を聞いてやる、それからだ」

美希「もう、待ってよ!ミキは真面目に話してるのに!」

P「俺は真面目に営業周りしてくるわ」

美希「……ハニーの馬鹿ー!」

美希「……もう……真面目に聞いてくれても……」

美希「まあ……いっか……」

美希「……ハニー……ああ、ハニー……!」

美希「やっとあの頃のハニーに近づいて来たの……方向修正大変だったの……でも……」

美希「……えへへ……ハニー……あの頃よりもっともっと近い関係になりたいな、なってくれるのかな……」

美希「ハニー、ハニー、ハニー、ハニー……ハニー……」

美希「ハニー……やっとここまで来たよ……」

美希「……あと少し……あと少しなの……」

美希「……準備、始めないと……」

美希「……時間が来た時、すぐに出来るようにね」

美希「……あはっ☆」

数週間後

P「まじでトントン拍子に上がっていくから困る……」

小鳥「そうですね……プロデューサーさんのおかげですよ!」

P「美希がある程度教えてくれたんですよ……俺はそのアレンジに過ぎませんよ」

小鳥「え?美希ちゃんが?あれですか?先生も学生から教わるってやつですか?」

P「それとは違うんですよ、プロデュースのコツを教えてくれて、最後は『最後はハニーに任せるの』と」

小鳥「け、結構本格的ですね……」

P「15とは思えないですよ……全く……好かれる理由もわからないし」

P「……さて、あいつの様子でも見にいくか」

美希「ハニー……ハニー……」ゴソゴソ

P「美希、いるか?」ガチャッ

美希「いっ!?」ビクッ……チャリン

P「チャリン?お前なんか小銭でも落としたか?」

美希「う、うん、小銭!なの!」

P「そうか……今度のドームライブなんだけど……全国を回ることになりそうだから親に連絡をいれてくれないか?……」

美希「え?……うん、わかったの!」

P(Bランクに上がった頃から、なんだか落ち着きが気がする)

P(トップアイドルになったらアイドルになった理由を教えてあげるってことと何か関係があるのか?)

P(……関係ないか、美希もなんだかんだで緊張してるのか)

美希「…………準備、続けるの」

――――――
――――
――

落ち着きが無くなった気がする
のミスです

美希『みんなー!今日もミキの為にきてくれてありがとなのー!』

ワアアアアア

――――――
――――
――
P(ライブってのはうるさいね、だが悪くない)

P(ドームライブか……)

P(いくら美希でもここまでこれるとは正直考えていなかった……)

P「美希だってそれは同じはずだ、なのにまるで何度もやってるかのように冷静で……」

P「最高に輝いてるよ、お前」

P「もう今度のライブで美希の人気がさらに上がることは間違い無いだろうな」

P(美希……お前の目標、これでかなったのか?トップアイドルになるお前の目標……)

P(いや……まだあるんだったよな、その先が)

P(聞いてやらないとな、あいつのためにも)

P(ほとんどあいつが作った成功だ、手伝える全ての事をしよう……それで……そのあとは……)

――――――
――――
――

美希「ハニー!やったの!ミキついにやったのーっ!」ギュッ

P「……ああ、よくやった、美希」

美希「ううっ……グスッ……うええぇ……」ボロボロ

P「泣くなよ、当然の事なんだろ?もしかしてあっけなさ過ぎて悲しいのか?」

美希「これは嬉し涙なの!当然の事でも嬉しいのは嬉しいんだよ、ハニー!」

美希「……うう……」

P(慰めてやるか……)ポンポン

P「……美希、折角頂点に立ったんだ、涙じゃなくて笑顔が欲しいな」

P「俺は、泣いてる美希より笑ってる美希のが好きだから、な?」

美希「ハニー……うん、そうだよね……そうに決まってるの!」

P「そうだ、まだ上目指すんだろ?」

美希「あはっ☆それじゃあいつもの店に行ってイチゴババロアと更におにぎり3つずつ頼んじゃうのー!」

P「み、みっつう!?そ、そんなに食いきれるのか!?」

美希「え?ミキがおごるからノープログラムなの!」

P「それを言うならノープロブレムな……それじゃ、いくか?」

美希「うんっ!」

美希(……本番はこれから、だしね?)

美希「はい、あーん♪」

P「あーん……ってこれは変わらないのな……」

美希「別にいいでしょ?減るもんでも無いし、ね」

P「そうだな……美希」

美希「うん、あむっ♪」

P「美希、急かすようでわるいんだけど……そろそろいいよな?」

美希「ずっと気になってたもんね、やっぱり気になるの?」

P「最初は興味本位だったけど……今は……その……」

P「美希の全部が知りたくてさ……なんというか……」

美希「……言いたい事は分かったの、本当にいいんだね?」

P「ああ、もちろんだ」

美希「……それじゃあさ、今からいう事は絶対に嘘じゃないから、聞いてくれる?」

P「言わなくてもわかるだろ?」

美希「うん、わかるの」

美希「なら、教えてあげる、だから目をつぶって」

P「ああ」

美希「静かに机に腕くんで……寝るように頭をおいてくれる?」

P「……」

美希「そのまま目線を下に……息を整えて……」

P(あれ?これって安眠法じゃ……)

P(あれ……なんだか…………うう……)

P「……zzz……」

美希「お薬が効きやすくなるから、ね?」

美希「……この時を何年待ち望んだのか……やっと、やっときたの……!」プルプル

美希「……やっと、やった、やっとやった、やった!」

美希「やったのーっ!」

――――――
――――
――

P「あ……あれ……俺は確かドームライブの帰りで……美希と一緒に……どこにいった?」

P「とりあえず……起きないと……え?」ジャラッ

P「あ……あはは……嘘だろ?なんで拘束されてるんですかね……?」

美希「ハニー、やっと起きたの?」

P「み、美希!」

美希「えへへ……ミキも一緒だよ?」

P「な、なあ美希!お前は縛られてないのか!?なら今すぐ助けてくれ!」

美希「え?」

P「えじゃない!俺はお前に理由を聞こうとしてから何も覚えてないんだ!あれから何があったんだよ!」

美希「うん、ハニーが起きたら言おうと思ってたの、だってあんな場所で言えるわけないもん」

P「な、何言ってるんだよ、だからまずは助けてくれよ……」

美希「ヤなの、なんでミキがやったのにわざわざ解く必要があるの?」ペロペロ



P「……へ?」

美希「だからミキがやったの、わからないの?あれ程鎖とか準備してたから気付くと思ったけど」

P「え?え?え?……嘘だろ?」

美希「だから嘘じゃないってば……脇の下、ハニーの味……」ペロペロ

P「ってさっきからどこ舐めてる!?くそっ!壊れない!」ガチャガチャ

美希「話が進まないよ?暴れても壊れないくらいきつくしてるから、黙っててよ」

P「くっ……なあ、美希……もしかして監禁趣味があって最初から狙ってた……とかか?」

美希「違うの」

P「じゃあ……一目惚れした相手を縛ろうと……」

美希「ミキはそんな軽い女じゃないの」

P「は?じゃあなんで!?肉を食う為とかか!?恋を抱いた男に絶望させる為か!?」

美希「あのさぁ……猟奇的犯罪者と一緒にしないで欲しいって思うな」ペロペロ

P「はぁ!?じゃあなんで――」

美希「ハニーを護る為なの」

P「……は?」

P「護る!?」

美希「そうそう、護る為なの」

P「な、なんでだよ!?俺は護られる必要なんでない!美希、お前がわからない……」

美希「知ってもらうつもりは無いの、分かってもらうつもりもないの」

美希「でも、護りたかった、ハニーを失いたくなかったの」ペロペロ

美希「ミキが変な事言ってるのは百も承知なの」

美希「ハニー、外の世界って怖いんだよ?」

美希「いつ何があるかもわからない、自分の後ろから爆発に巻き込まれるかとしれない、目の前からトラックが横転してぶつかってくるかもしれない、マンホールが抜けて落っこちちゃうかもしれない」

美希「そんな怖い世界にハニーをおいとけっていうの!?」

美希「……冗談じゃないの!」ドンッ

美希「もううんざり!そんなの耐えれないの!」

美希「だからミキがハニーを24時間見てあげるって決めたの!」

美希「ハニーにはずっとミキについてってもらう!」

美希「ミキがどうしても見れない時とかこの部屋にいる時はこうやって鎖に結びつけておく!」

美希「そうすれば!そうすればハニーは安心なの!だってミキがずっとみているからさ?」

美希「ミキだって常識はあるの……救急車をすぐに呼べるようにしておくから」ペロペロ

美希「トイレだってさ?ちゃんとそういう器械を用意してるから気にしないでいいの!」

美希「退屈にならないようにテレビとか本も用意したしハニーの好きなゲームだってし放題なの」

美希「それに……もしエッチな気分になった時は……ミキに言えばスッキリさせてあげる♪」

P(は、ははは……実家ぐらしなのにこんな部屋まで用意して、ずいぶんと用意周到なんだな……美希……)

美希「ねーえ、なんかいってよハニー」ユサユサ

P「いだだだ!美希!なら質問していいか!?」

美希「いいの、好きなだけ聞いて?」

P「み、美希……?いつからこんな事を考えてたんだ?いつ俺に惚れてこんな事をしようって思ったんだ?」

美希「え?うーん……絶対電波な話だって思うよね……笑わない?」

P「わ、笑わないよ」

美希「そう……なら、ミキは話すよ?」

美希「生まれるずっと前から、ミキはハニーの事が好きだよ?」

P「……は?」

美希「ミキとハニーは、あの日が初めてじゃなかったんだよ」

美希「遠い遠い昔に、今のハニーが生まれるずっと前に、出会ってたの」

美希「あの頃のミキはさ、ダメダメだったの」

美希「自分の才能を過信して、だらけて、他のみんなを困らせてた」

美希「その時にミキのところにきて、キラキラさせてくれたのが……ハニーだったの」

P「美希……?」

美希「最初はそこの人って呼んでたのに、皮肉な話なの」

美希「とにかく、ミキはトップアイドルになったの」

美希「辛かった道だけど……今は思い出なの」

美希「その時ね?ハニーが告白してきたの」

美希「美希、俺のそばでずっと笑っていてくれって」

美希「ミキ、返事がうまく言えなくて……返事、一日だけ伸ばしちゃった」

美希「あれだけ結婚しようとか、いってたくせに……本番になって戸惑ったの……」

美希「そしたらね、ハニー、死んじゃった」

美希「車に轢かれても、穴に落っこちても死ななかったくせに……死んじゃった」

美希「ミキは、ミキは……ダメだったの……立派なんかじゃなかったの……」

P「美希……?」

美希「たった一言、ミキも好きだよって言えたら……こんな辛い思いしないで済んだの……!」

美希「でも、ハニーだって悪いの……!たった一日、たった一日さえ待ってくれなかったハニー……」

美希「ミキを置いてどっかいっちゃったハニー……」

美希「……だから、こうやって縛ってるの」

美希「もうどこにも行かないように、縛っちゃえば死ぬまで一緒、そうだよね?」

P「美希……お前……」

美希「ハニーだって心の何処かで覚えてるの、だから妄想だって思わないんだよ」

美希「さっき言ったあの言葉で、それが分かったの、あはっ☆」

美希「だから、あの時の返事、今伝えるね」

美希「………ハニー………ミキね……」

美希「いつまでも、いつまでも……ミキはハニーのそばで、笑っていたい」

美希「だから……ハニーも、ミキのそばにずっといてください……」

美希「どうかこの部屋で……ずっとずっと美希と一緒にいてください……」

P(美希……?)

P(自然とこれを嘘だと思う気持ちも消えた……)

P(本当なんだろうな……ただの妄想じゃ辻褄が合わない……)

P(なあ……美希……俺はどうすればいい?どっちがお前の為になるんだ?)

P(鎖なんて無くても愛を伝えれる事を教えるか……それともこのまま縛られたまま愛されるか……)

P(どっちがお前の幸せなんだ?……)


ニア
   ・受け入れる
   ・断る
   
美希「さあ答えてよ……ハニー」

P「俺は……」

どっちがいいかわからないからこうしたけどどうしよう

ニア 断る

P「……断る」

美希「……どうして?どうしてなの!?」

美希「やっとここまできたのに!何年間苦しんできたと思ってたの!?」

美希「こうなるなら言わない方が良かったの!」

P「違う!俺は美希が好きだ!泣いている美希なんかより笑ってる美希のがずっと好きだ!」

P「でも俺はアイドルとしてキラキラしてるお前がもっと好きなんだよ!」

美希「……ハニー……?」

P「たとえ悩んでいようが、才能を惜しむ事無く全力でつぎ込んで!ファンのみんなを喜ばせる今のお前が好きなんだ!」

P「今の俺とお前ならもっと上を目指せるって言ったじゃないか!それを思い出してくれ!」

P「それさえ見れれば、Sランクアイドルとして輝いてるお前がみれれば……おれは……」

美希「ハニー……それでいいの?」

P「ああ、だから俺は断る!」

P「さあ、美希!解け!一緒に頂点のそのまた上を目指すぞ!」

美希「……うん……!」

数ヶ月後

P「どうだ?美希」

美希「……やったの!」

P「え?」

美希「やったのーっ!」ギューッ

P「うおい!?」

美希「えへへ……言ったでしょ?ミキにかかればAランクも壁でしかないって」

P「そこで満足して閉じ込めてたのは誰だっけか?」

美希「もう、その話は終わりだって言ったでしょ!?」

P「わりと本気で諦めてたところだよ」

ところだよ→ところだったんだよ

美希「えへへ……それじゃハニー、あそこに食べにいこっか?またあーんで食べさせあっちゃうの!」

P「ああ、美希……すまんな、昔の事思い出せなくて」

美希「いいの!昔に閉じこもってるよりは未来を向かってキラキラする方がいいにきまってるの!」

美希「それに、思い出はこれからいっぱい作ればいいんだから!」

P「ああ、そうだな……美希……これからも」

美希「うん、ずっと一緒なの!」

とぅるーえんど

ニア 受け入れる

P「……分かった、受け入れる」

美希「……えっ……?」

P「俺はこのままここにいてやる……縛られたままでいいよ」

P「だからその分愛してくれ……昔お前がしたかったように……」

美希「……うん……分かったの……ねぇ」

P「……うん?」

美希「……ハニー……キスしていい?」

P「……それで良かったら、俺は答えるよ」

美希「ありがとなの、ハニー……」

P(美希と唇が重なり合う、美希の舌と唾液が入ってくる)

P(俺の中にないはずの映像が流れてくる、これが思い出すってやつなんだろうな……)

P(金髪に染めて髪の長い美希の姿、サボった美希を探して街を探し回ってた時の汗、車に轢かれそうな美希をかばう俺)

P(告白した時の美希の驚いた顔、そして俺の命を奪ったあの包丁……)

P(美希の悲しみが伝わってくる、それと同時に喜びも伝わってくる)

P(美希を愛おしく思う気持ちがだんだんと増して行く、離したいなんてもってのほかだ)

P(ああ、美希、置いてってすまなかった……これからは一緒にいてやる……1秒たりとも離さない)

P(だから……今はこうして……)
――――――
――――
――

美希「ねえ、ハニー」

P「どうした?美希」

美希「はぁ……ミキ、今とっても幸せなの……」

P(美希の手と足には俺と同じ鎖、どうやってか世話は雇った召使にまかせて自分も縛られる道を選んだらしい)

P(いや、ある意味俺が縛ったのか)

P(縛っちゃいけない気もしたが……外の世界の事なんて、もう、知るか)

美希「ハニーがミキを思い出してくれたの、これってとっても嬉しい事なの」

P(美希の嬉し涙がこぼれて行く、笑顔に涙が映えてとても綺麗だ)

美希「二人でこうしてずーっと、思い出の中に生きていけるんだね」

P(こうやって、過去に生きて、ずっと繋がっている、これも一つの幸せの形……そうだろ?……美希)

P「ああ……美希」

美希「うん……ハニー♪」

「「大好き」」


はっぴーえんど

終わりなのなの
前書いたとあるSSの美希を救済したくてこんなのを書いたの

なんのSSかはお察しください、っていうかわかるか


朝から晩までお粗末さまでした
ばいばいなの、おやすみ

草生やす奴か

>>156
美希におふざけで草生やそうとしたけど露骨過ぎだからやめたのに……!

これってもともとssスレじゃないよね

美希安価はちんこだけじゃなくて草も生やすのか

草生える美希ってなんぞ

>>159
こうなるとは思ってなかったけどいいのが見れた

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