美希「飽きたから犬捨てるの」 (522)

美希「カワイイと思って買ったけど、すごくモノ噛むの。お気に入りの枕もめちゃくちゃにされたの」

美希「オシゴトで疲れてすぐ寝たいのに、遊び相手をねだられた時は流石にムカッてきたし」

美希「お姉ちゃん達もセキニンとって躾けなさいとかいって、全然ミキのストレスのこと考えてないの」

美希「部屋毛だらけにして美希の安眠をボーガイしてくるし、もう付き合いきれないってカンジ」

美希「最初は元気でいいな、って思ってたけどやっぱりカモ先生みたいな、ノンビリした子がミキには合ってるの」

美希「だからやむをえないの。サヨナラ、きゃらめる」


きゃらめる(コーギ―)「クゥーン・・・・・・」
 

美希「あふぅ……夜中の行動はミキのリュ―ギに反するの。早くかえろ……。お姉ちゃん達には勝手に脱走したことにしておくの」



春香「あれ、段ボール箱の中に犬? ひどいことするなー!」



美希(……!! あれは、春香!?)

美希「ど、どーしてこんな夜中に!? 実に春香らしくないの!」


春香「君、捨てられちゃったのかな?」

きゃらめる「ウウゥ……」

春香「どーしよぅ。家に連れ帰って学校で引き取り手探さなきゃ」ヨシヨシ

きゃらめる「クゥーン、クゥーン」
 

美希「あっ、でも春香が後始末してくれそう。あはっ☆ ラッキー」



真「おーい! 春香ー! なにサボってるのさ!」

春香「ひゃっ!? 真、違うよ。これは……」

真「トレーニングいっしょにやるんじゃなかったの? 昼は時間取れないからっていうから夜にしたのに……って犬?」

春香「うん、捨て犬みたい」

きゃらめる「ハッハッ」

真「うわー! かわいいなぁボクにも触らせて」



美希「真君まで!? ……もう少し様子を見るの」
 

最後まで頼むぞ

きゃらめる「ハフハフ」

春香「ほっておけないよね」

真「もちろん! 義を見てせざるは勇無きなりだ! 事務所で預かれるかなぁ」

春香「事務所かぁ。確かに都内の方が引き取り手見つかりやすいかも」

真「うん。どういう風に世話したらいいかは響に聞いてみて……あっ」

春香「どうしたの真」

真「そういえば美希も犬飼うことにしたって聞いたよ」

春香「ああっ、覚えてる。コーギーだって……この子もコーギーだね」

真「うん。色がキャラメル色だからきゃらめるって名前付けたって…………」

春香「待って、この子首輪付けてる……」


===【☆きゃらめる☆】====


はるまこ「」

春香「こ、これ」

真「う、嘘だろ?」

春香「み、美希に電話……」

真「も、もう寝てるだろ美希は……」

春香「ああっ、そうだね」

真「それに美希の犬って決まったわけじゃないよ……」

春香「うん、美希は生き物をカンタンに捨てるような子じゃないもんね」

真「とりあえず事務所に戻って、明日美希に見せてみよう」

春香「うん、万が一美希のワンちゃんだったんなら引き取ってもらえばいいし……」


美希「余計なことはやめて!」

 

 
美希(もー! 首輪忘れるなんて。やっぱり眠いと頭が働かないの)

春香「み、美希!?」

真「こんな時間に!?」

美希「そのコとはおなかを割った話し合いで、それぞれの道を行くことになったの。
   その方がお互い幸せになれるってゴーイしたの。だからほっといてほしいの……あふぅ」

真「美希! ホントに捨てたのかい!?」

美希「むぅ~……、だからお互いナットクした別れなの。そんなに興奮しないでほしいな」

真「納得って……」

美希「あ、でも他に引きとってくれる人は探してほしいかな。ミキも安心して眠れるし。
   あはっ、やっぱりミキって優しいの☆」

春香「……どうして、どうして捨てちゃうの!」

美希「もう! だから捨てたんじゃないの。幸せになるためのジリツなの!」
 

春香「わかんないよ! 美希の言ってること! こんな寂しそうなワンちゃん置き去りにしていく理由がそんなんでいいわけないよ!」

きゃらめる「クゥーン」

美希(むー、寂しそうな目で見てるの。そのくせちっちゃいシッポ揺らしてミキに会えたこと喜んでる)

春香「……美希、何かあったの? 捨てなきゃいけない事情とか」

真「そうだよ! 止むにやまれぬ事情があったんだろ。話してよ、協力できるかもしれないからさ」

美希「優しいね、二人とも……」

美希(早く寝たいのに、解放されそうもないの。やんなっちゃう)

春香「ねえ美希」

真「ねえ!」

美希(あー……なんかすごく)

美希「めんどくさいの」

真「え」

美希「そう、めんどくさいの。散歩も、エサやりも、フンの処理も、毛の始末も、遊び相手も。躾も……ミキにはちょっと辛すぎなの。
   メンドーなことはパスしたいの。……トップアイドルになるために集中したいし」

春香「めんどくさいって……」

真「そんな理由で捨てていいわけないだろ!」

美希「でもジッサイ、ミキには無理なの。それで不幸になっちゃうのはそこの犬なの。
   家族は責任取りなさいってミキに世話させようとするし、みんなイジワルだよね。きゃらめるの幸せだーれも考えてないの」

きゃらめる「ワフゥ……」

春香「…………!!」

美希「あ、愛情は注いだの。ミキの愛をい~っぱいあげたし、どうなってもいいとは思わないよ?」

美希「イイコト思いついたの! 事務所でみんなで飼ったらいいと思うな。役割分担してお世話をするの」

美希「みんなハッピーになれて万々歳だね♪ ミキはいっしょにお昼寝係で――散歩はあずさにやってもらって」

春香「美希っ!! いいかげんにしなさい!」

美希「ひゃうっ!?」

春香「この子の飼い主になろうって思ったの美希でしょ。それでかわいがったんでしょ?
   一方的に捨てちゃうなんてこの子かわいそうだよ。美希の元でしっかりかわいがってあげた方がいいよ! 飼い主の責任だよ!」

真「そうだよ。無理だっていうなら、まずは自分のできる範囲でやればいいよ。精一杯やってるとこみた御家族も協力してくれるさ。
  散歩だったらボクも付き合えるしさ」

きゃらめる「ハフハフ」

美希(なんでミキがお説教されてるの……こっちは悪くないのに! ミキだって辛いからこうするしかないのに!)
 

美希(もー! ふて寝したいの! て言うかホントに眠りたいの!)

春香「――! ――――!!」

真「――――、――――!」

美希(でもこの二人解放してくれそーもないの。もうミキ泣きたいよぉ……)

美希「――――わかったの」

真「え」

美希「このケンにつきましてはコチラがゼンメンテキにワルかったの。犬は連れて帰るの」

春香「え、え?」

美希「ほら、きゃらめる、いこ」

きゃらめる「ハッハッ! クゥーン! クゥーン!」

真「えっ、美希……わかってくれたの!?」

美希「うん。真君は流石なの! ミキ目が覚め……はしてないけど、眠いままだけど、まあ覚めたの。
   今日のところは家に帰ってでこれからのことを考えることにする。じゃあバイバイ、お休みなの」スタスタ

春香「あの、美希……ワンちゃんの世話辛かったら言ってね! 私手伝うから!」

真「そうだよ! 一人で抱え込んじゃだめだよ! 捨てるのはダメだけど、美希が潰れたら元も子もないからさ」

美希「ありがとう二人とも(早くこの場を離れるの)」

真「あっ、夜道一人じゃ危ないよ! 送って行こうか」

美希「け、ケッコウなの! (うー、真君のお誘いが……でも今はコブつきなの)」

きゃらめる「?」

美希「二人はトレーニングの最中でしょ! ここでお別れなの! ばいばい、オヤスミ!」

春香「あっ! ……行っちゃった」

真「……うーん」

春香「ねえ、真。美希、なんか『まき』が入ったよね」

真「うん……逃げるみたいだった」

はるまこ「…………」

真「と、トレーニング続ける?」

春香「うん、もうちょっとだけやろうか」








美希「響のマンションはこの近くなの」
 

押し付けか処分かと思た

美希「響なら一匹増えてもヨユーなの。プレゼントしてあげる」

美希「じゃあね、きゃらめる」ドス

きゃらめる「ワゥ! ・・・・・・?」キョロキョロ

美希「まて、なの。ここで朝まで待てばきっと響が拾ってくれるの。ミキが会いたくなったら会いに行くから心配しなくていいよ?
   会いたくなったら……だけどね」カチャカチャ

美希「それでー、この取った首輪はー、ぽーい!!」ヒューン!

美希「これでせいせいしたの」スタスタ

きゃらめる「ワウ!」

美希「……」スタスタ

きゃらめる「ワン! ワウワウ! ワンワンワン!!」

美希「眠いのー」スタスタ

きゃらめる「ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン!!!!」

美希「……うるさいの」クルッ
 

ドカッ

きゃらめる「キャン!!」

美希「何で箱蹴られたかわかる? 吠えたからだよ? そういうところずっと直さないからミキ、キミと別れたの」

美希「ほら、ボールあげるの。それでずっと遊んでて」ポイッ

美希「お願いだからこれ以上ミキを苦しめるのはやめて……」

きゃらめる「クゥーンクゥーン・・・・」

美希「こんどこそバイバイ」

 
  

――

――――

響「事務所に前のロケのお土産持っていくぞ――ってあれは……」

響「あ、捨て犬だ……! キミ、ウチに来るかー?」

きゃらめる「ウゥー」

響「怯えてる。こんな可愛い子を捨てるなんて酷いやつだなー! 保健所に連れていかれる前で良かったぞ!」





765プロ

響「というわけで連れてきたぞ」

きゃらめる「ワゥ」

あずさ「可愛らしいわ~。よしよし」ナデナデ

雪歩「ひぃぃ……!」
 

雪歩「ど、どーして事務所に連れてくるの~」

響「事務所来る時に見つけちゃったからしょうがないぞ。でも任せて! ちゃんと連れて帰るから」

あずさ「響ちゃん、またペット増やして大丈夫?」

響「うん……大丈夫さー。家族を飢えさせはしないぞ。安心しろよーいぬ次郎」

きゃらめる「ハフハフ」

雪歩「捨てられてたなんて、かわいそうだね……もしかしてなにか問題があるコなんじゃ……」

響「その可能性は、うん……考えてる。動物病院は行くし……」

あずさ「響ちゃん私もいっしょに行くわよ~」

春香「おはようございまーすっ……て、あれ」

響「おう、春香!」

雪歩「春香ちゃんこんにちわ」

あずさ「……どうかしたかしら?」

春香「あ、いや」

春香「その子、美希のワンちゃんですよね?」
 

響「へ?」

春香「美希、美希はどこにいるんですか?」

雪歩「美希ちゃんは、まだだよ……」

響「春香、この子は、自分が事務所に来る途中拾って来たんだぞ」

春香「えっ? だって、昨日……あれ?」

あずさ「美希ちゃんがどうして出てくるのかしら? 春香ちゃんお話聞いてもいいかしら」

きゃらめる「……」

春香「あ、はい……実は昨日――」
 

――
――――

響「それで……この犬、美希のだっていうのか?」

春香「うん、多分……。首輪は付けてないけど、この子とそっくりの犬を捨てようとしてた」

雪歩「……」

あずさ「……」

きゃらめる「ワフ……」

響「美希がそんなことするはずないさー……」

雪歩「……でも……美希ちゃんの方にも事情があって……」

響「雪歩! 美希は昨日きゃらめるを持って帰ったんだぞ! 捨てた前提で話しちゃだめさ!!」

雪歩「ひぅ! ご、ごめんなさい~!」

あずさ「美希ちゃんが来てから、お話を聞きましょう。もう来るはずだから……」

響「…………った!! いぬ次郎噛んじゃダメ!!」

きゃらめる「ゥゥー」ガジガジ

春香「ひ、響ちゃん大丈夫!?」

響「へ、へーきさ! まだちっちゃいから噛むのなんて当たり前なんだ!」

美希「おはよ……ふぁあああー」

春香「あ、美希!」

雪歩「やっときましたぁ」

きゃらめる「!! ワンワンワンワン!!」ジタバタ

美希「――!!!! な、なんで……!!」

響「いぬ次郎おちつけー! いた、ったた!」

美希「……」

美希(響……!! 拾ったのはいいとして、どうしてきゃらめるを事務所に連れてくるの!!)

美希(普通、オシゴトの場にドーブツ連れてくる? 管理がなってないの!! 前々から思ってたけど!!)

美希(そう……大体響は、今日事務所に来る予定なかったはずなのに何で来てるの!! おかげではち合わせちゃったの!)

美希(ここは、ショーネンバかな……!)

美希「あはっ、響新しい犬かったんだね! ウチのきゃらめると同じだね!」

30分ほど空けます

圧倒的保守

いぬを思いっきり蹴り飛ばしたい。
そのあと人間だれでもいいから、転倒させた後におもいっきり蹴り飛ばしたい。

美希サイテーだな、貰いていないなら俺が貰うよ

はよ

春香「……え?」

美希「かわいいの~! でもウチのきゃらめるには負けるかなっ?」

雪歩「この子、美希ちゃんの犬じゃないんですか?」

美希「え? なんでミキの犬だと思ったの? イミ分からないの! なんでなんで?」

雪歩「え」

美希「なんで? ん、なんで? 教えてほしいな?」

きゃらめる「ワンワンワンワン!!」

美希「……」

響「……うそだろ?」

きゃらめる「ワンワンワンワン!!」

美希「……! 響! この子の言うことに耳を貸しちゃダメなの!!」

いらなくなったものはさっさと捨てるべき

春香(……やっぱり)

響「美希……!! なんで!」

美希「あーもー……!」

響「いぬ次郎……いや、きゃらめるか。この子美希に会いたがってるぞ! いったい何で」

美希「あああああああああああああああもおおおおおおおおおおおうううう!!!!」

雪歩「ひっ!」

あずさ「美希ちゃん……!!」

美希「なんで……!! なんでみんなしてミキを追い詰めるの……! ひどいの、ひどすぎるの……!!」

美希「う、ひぐッ……」

春香「あ……」

美希「うえええええええええええええええん!!!」

きゃらめる「ワンワンワンワンワンワン!!」

春香「泣いちゃった……」

いいぞ

http://i.imgur.com/6r5we.gif

響「美希っ! 泣いてたら分からないぞ!! なんて無責任なマネをー!!」

あずさ「響ちゃん! 落ち着いて! 気持ちは分かるけど……!」

美希「ああぁああああぁー!!」

春香「み、美希……な、泣きやんで……!」

きゃらめる「ワンワンワン!!」

雪歩「ひぇえ~!!」

律子「う、うるさぁあああい!!! あんたたち事務所でなにやってんの!!」

春香「り、律子さん!」


ワァアアアアアン!!! ワンワンワン!! オイッ キイテルノカ!!
ダマリナサーイ!!! ヒェエエ!! ワァアアアアン……!!

――
――――
 

――――
――

P「なるほど、大体事情は分かった……」

春香「ごめんなさい、プロデューサーさん……」

P「犬を捨てようとした、か……うーん、難しい問題だな」

響「捨てようとしたんじゃなくて捨てたんだぞ! 危ないヤツに拾われたらどーするんだ!」

美希「そ、それでも……ぐすっ、死んじゃうってほとんど決まっちゃう保健所よりはマシなの……」

響「……! わからないぞ……どーしてなんだ! いっしょに寄り添うって決めた『命』だろ……」

響「家族じゃないか……!」

美希「ペットなの……! 手に負えなくなったらどーしようもないの……!」

きゃらめる「ワゥ」キョロキョロ

あずさ「よしよし、大丈夫よ」ギュゥ
 

>>152
他の作品も教えてほしいなぁーって

P「ああ、わかった。美希、こっちへ。二人で話をしよう……」

美希「うぅ、ぐすっ……!」

響「……むぅ……!」

春香「ゆ、雪歩大丈夫?」

雪歩「怖いよぅ……春香ちゃん」ブルブル

律子「ひとまずプロデューサーに任せましょう」

きゃらめる「?」

あずさ「……美希ちゃん」
 

P「少しは落ち着いたか?」

美希「……うん。コーヒーありがとうなの。もっと怒ってくるかと思った……」

P「まあ、響が先に怒っててな、タイミングを逃したってところだよ……。――犬捨てようとしたって……どうしてなんだ? 飼いきれなくなったのか?」

美希「うん……噛むし、暴れるし、トイレは覚えないし、うるさいし……いっこうに賢くならないの……家で気が休まる時が無いの」

P「そうか……家族の人は?」

美希「ミキが仕事の時は協力してくれるんだけど……帰って来てからは、責任を持って世話しろーって怒るの」

P(『怒られる』……美希の普段の振る舞いがわかるな……)

P「で、もう耐えられないから、捨てようとした、と」

美希「うん……見て。お肌が荒れちゃってる。寝不足とストレスが原因なの……あの子のせいでミキ、キラキラできないの」

美希「このままだと、ファンの皆にも……悪くて……!! うっうっ……!」

P「そ、そうか……うん。俺は嬉しいよ。美希がそんなに真剣にアイドルに打ちこんでくれるなんてな」

P「でもな、美希」

>>153 本格的に書くのこれが初めてって言っていいよ。
安価しか書いてないから。500万とか妖刀とかミスコンとかお年玉とか新年会とか

他作品聞くとかきめえよ

P「美希が、飼おうとしたんだろ」

美希「だってカワイイと思って……キャラメルマキアートの色を思い出して、いいなって……」

P「それでも飼おうとしたんだろ。美希。お前は生き物を飼う前に、覚悟と想像力が足りなかったぞ!」

美希「うっ」ビクッ

P「ペットは飼い主のために生きているし、飼い主によって生かされているんだ……命を託されているんだよ」

P「それを軽々しく放り投げるのは、悪いことだ。とても悪いことだぞ美希。人間として恥ずかしいことだ」

P「……なにより、きゃらめるか? あの子がかわいそうだろ」

P「人間の都合で簡単に生き死にが決まってしまうからこそ……飼い主にはそれに真剣に付き合う覚悟が必要なんだ」

P「それなのに、こんな無責任なことしたら、ファンだって幻滅しちゃうぞ?」

P「な、もう少しきゃらめるに付き合ってあげたらどうだ? みんなも手伝ってくれるはずさ」

P「な、美希?」

美希「……」

>>179
買ったんじゃなくて勝手に家に住み着いただけと考えれば何も責任はない
勝手に家に巣を作ったツバメの糞を掃除しろと言われたら知らんがなって思うでしょ?
要は解釈の問題だよ

>>185
買ったじゃん

なんか香ばしいのがいるな

P(うむ。今の説教は正論で、厳しくも優しい感じだった……これで美希もわかってくれるだろう)

美希「……不幸になるの」

P「ん?」

美希「また飼ったらミキ、また同じこと繰り返しちゃうの」

P「は、はあ?」

美希「周囲の手助けとか、そういうのは問題じゃないの。もうミキ自身に飼える自信が無いの……」

美希「あの子を見ると、心臓がバクバクっていって、すっごくイキが荒くなっちゃうの……」

美希「今だって、軽く目眩がしてるの……正直、もう絶対犬なんか飼いたくない……ていうか、美希じゃもう飼えないの」

美希「きゃらめるだって、ミキのところにいたら不幸になっちゃうよ……このままだと蹴っちゃうもん」

P「お、おい……なにいってるんだ」

美希「それに無責任なのは悪いって言うけど……ずっと昔から、今までドーブツを捨ててきた人はいっぱいいるって思うな」

「ハニーの子供がほしいのー」とか言っといて産まれたらネグレクトしそう

美希「人間なんだから、ペットよりも優先することがあるのはトーゼンなの……」

P「み、美希……! それ以上はアイドルとして言っちゃ、ダメだ。絶対外で話すんじゃないぞ」

美希「なんで……?」

P「動物好きな人はな、この世にいっぱいいるんだ。美希のファンの中にも、これからファンになるかも知れない人もな」

P「それなのに、そういうペットをないがしろにすること言っちゃあ、みんな怒っちゃうだろう」

美希「ピンとこないの……」

P(美希には同調ではなく、『発信者』の役割をさせてきたからな……自分の意見をあまり省みない……)

P(だが、このままでは『飼い主の気分次第で死んじゃうのもかわいそうだけどしかたない』とか言いだしそうだ……)

P「しょ、しょうがない……こっちに来い、美希。――音無さん!」

小鳥「は、はい! 呼びましたか」ガチャ

P「パソコンで美希に見せてほしいものがあるんですけれど……」

小鳥さんの秘蔵フォルダがピンチ

Pが見せたのは、とあるタレントが捨て犬を保健所に持っていったことに対するネットでの『叩き』の様子だった。
元は不憫に思い、拾って飼おうと思ったのだが、世話ができなくなり保健所に引き取ってもらったのだという。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

死ね。マジで死ね。殺処分の運命に叩き込みやがったこいつ


世話すらできないアホに拾われて、殺されたようなもんだなこの犬


責任すら果たさず、殺されてしまう保健所へ
自分が助かったと思ったら地獄にたたき落とされたらどういう気分になるんだ? クソが。


覚悟ないんだったら軽い気持ちで拾おうとすんじゃーねーよ、頼むから


こいつ自分の子どももバカで世話できないっつって殺すわ。バカなのは自分の方なのにな


犬だって人間と同じ命の重さがあるのに、あなたが殺したんですよ。
ずっと覚えていてくださいね。一つの命を消したこと。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
美希「……」

P(少々、ヘビーで、偏った意見という気もするが……これを見せれば、踏みとどまってくれるだろう)

美希「全然ナットクできないの。ちょっと頭おかしいのここの人達」

P「うぉぉおおぉおおおい!!??」

美希「いくらなんでも責めすぎなの。命を大切に思うから怒っているんじゃないの? なのになんで簡単に死ねとか言っちゃうの? ちょっと美希には分からないの」

美希「多分犬好きだからカンジョー的に気分で悪口いってるだけなの。それじゃケモノと同じだと思うな。人間としての責任とか言うシカク無いの」

美希「犬に対してはすっごく優しいのに、ヒトに対してはこんなイジメをするなんてチグハグなの」

小鳥「み、美希ちゃん!! ストップ! それは荒れる話題よ! 誰も得しない!」

P「そうだ、美希やめろ!! ……お前美希じゃないな? 誰に言わされてるんだ!?」

美希「……? ミキの意見だよ?」

P「そういうヤツじゃないだろ美希は!!」

美希「ミキをなんだと思っているの……? ハ、プロデューサーだって小鳥だって、若い時こういうこと考えなかったの?」

美希「勝手に、美希のコトこうだって決めないでほしいな」

小鳥「若い時……どうだったかしら……」

P「音無さん……」

美希「大体、人間として悪いことっていうのは同じっていうなら、ドーブツ捨てるのとニンゲン捨てるのじゃなんでホーリツの扱い違うの?」

P「え」

美希「美希、社会で習ったの。ホーリツは、それの元となるケンポーはみーんなが共通して持ってる意識を元にして作られているはずなの」

美希「ってことは、ドーブツ捨てるのとニンゲン捨てるのには違いがあるってみんな思ってるってことでしょ?」

美希「そういった人間が作ったシャカイで生きているのなら、なんていうのかな、ヘンな言い方だけど動物捨てるのは『人間のケースに比べればある程度オッケー』ってことにならないの?」

P「……」

小鳥「……」

P(なんか面倒くさい話題に踏み込んでしまった)

P「いや、オッケーってことは無いと……」

ガチャ

響「……」

小鳥「あ、響ちゃん!」

母「あら、たかしちゃんどうしたの」
(^p^)「何故、釣りに反応するようなレベルの低い者達が増えたのだろうか」
母「たかしちゃん?」
(^p^)「彼等は我々と同じいけぬまを装ってはいるが、
   これはただ文のはじめに顔文字をつけているだけであって」
母「あなた、たかしちゃんが」
(^p^)「文章自体は健常者のまさにそれである」
父「おい、たかしどうした」
(^p^)「そして、ついには顔文字すら用いない者達が現れた」
    つまり、健常者共は我々の――」
父「黙れ!」
ドゴゥ
(^p^)「…あうあwwwwwwぱしへろんだすwwwwwww」
父「ふう」
母「危ないところだったわね」

 
響「……もう、聞いてられないぞ!!」

響「ぐちゃぐちゃ言っても、きゃらめるを飼いたくないっていう美希のワガママだろ! ごまかすな!」

美希「別にそんなつもりはないの。ただ、おかしいなって」

響「きゃらめる飼うつもりあるのか、ないのか!」

美希「無いの。『できないの』」

響「――っどうしてもか」

美希「少なくとも、今の美希ではムリって断言できるな」

響「かわいそうだと、思わないのか」

美希「思うけど、美希とこのまま居た方がゼッタイかわいそうなの」

響「……なんか、すっごく、腹がたつぞ……」

春香「響ちゃん……」

美希「あっ、腕に歯の跡あるの! 響大丈夫だった? きゃらめる噛み癖あって大変なの」

響「――、あの子は、もういぬ次郎だっ!」バシッ!

美希「わっ!」

夫「カワイイと思って買ったけど、すごくモノ噛むの。お気に入りの枕もめちゃくちゃにされたの」

夫「オシゴトで疲れてすぐ寝たいのに、遊び相手をねだられた時は流石にムカッてきたし」

夫「お姉ちゃん達もセキニンとって躾けなさいとかいって、全然ワタシのストレスのこと考えてないの」

夫「部屋毛だらけにして美希の安眠をボーガイしてくるし、もう付き合いきれないってカンジ」

真「ストップ! 響! 止まれぇええ!」ガシィ!

響「このー! 美希ー! 謝れー!!」

美希「……ご、ごめんなさいなの」ペコ

春香「美希……響ちゃん……」

千早「予想以上の白熱ぶりね……」

雪歩「あ、千早ちゃん!」

千早「美希。あなたどうして命を大切にしないの。後から願っても戻ってこない命なんて……いくらでもあるのよ」

美希「ち、千早さん……」

P(おお、千早の言うことなら聞くのか?)

美希「ミキは……命を大切にしたいと思ってるよ。それは間違いないの」

千早「でも、今、真逆のことをやろうとしてないかしら」

美希「大切にしたいと思ってるよ、思ってるけど! ミキじゃ無理なの! それははっきり分かるの!」

千早「だから捨ててもいいというの」

美希「うっ……」

きゃらめる「ワフワフ!」

あずさ「この子、きっと美希ちゃんのこと大好きよ~!」

美希「……」

律子(お、わかってくれたのかしら)

美希「おかしいの」

真「あれ……?」

美希「みんな責任責任、って……無責任なの!」

律子「は? 無責任なのはそっちでしょ!」

美希「でも、ここまで責められるのはおかしいの!」

律子「あんたねぇ……」

あずさ「待って! 聞きましょう律子さん」

千早「おかしいって、どこがかしら」

美希「動物愛護センターとかいうところとか、保健所に、犬や猫を飼えなくなったって持ち込む人はいるの!」

響「今は厳しくなって……」

美希「でも、持ち込んでるの! 飼えなくなったヒトには駆けこむ所があるの」

千早「……」

美希「飼うの無理ってなった人達はそういうところに犬や猫を捨ててるってことでしょ? そういうシステムあるってことだよね!? ならなんでミキはいけないの?」

春香「美希は路上に捨てようとしてたじゃない!」

美希「なら! 路上じゃなかったらいいんだね!? センターか……里親探して明け渡すのだったらいいんだね!?
   じゃっ、みんなミキの家族を説得してほしいの! 『美希は犬を飼えなくなったので里親探しをするべきです』って!」

千早「あなたは飼える状況にあるはずよ」

美希「飼えないの! イライラが爆発しそうになって! ザラザラがお肌で! ドキドキ心臓がヒヤヒヤなの!!」

美希「セーシンテキにムリなのー!!」

響「そんなの……理由にならないぞっ! 躾をして、いい関係を築ければ、動物はココロを癒してくれるんだぞっ!!」

美希「それおかしいよ! なんで今の苦悩じゃ捨てちゃいけないの!? どういう理由だったらいいの!? アレルギー? それともミキが倒れるまでがんばらなくちゃダメ!?」

P「い、命を預かっているんだぞ美希……生の尊厳ってものが」

美希「人間が飼いならして、ペットにして、躾をすることにドーブツは満足して、生のソンゲンってものを感じてるの? そうは思えないの!」

美希「それって、人間側の視点に過ぎないと思うな! どういう理由で捨てられようが、動物はなんの違いも感じないもん!」

律子「興奮しすぎよ、美希! ……まあ、ペットとして飼うこと自体が、生き物を冒涜しているって可能性は考えたこと無かったけど」

雪歩「確かに……生き物に対する責任っていったい何なのか……管理することかなぁ。いっしょに幸せになることかなぁ」

美希「そう! どーして生き物をどうこうするルールが人間に決められるの!? きっと人間のセカイがうまく動くよーにっていう理由でしかないはずなの!」

美希「動物の幸せはこういうものだって決められるわけないの! 決められるっていうんなら、じゃあ、人間っていったい何なの!?」

P(やばいなんか話が広がってきた)

小鳥「なにこれ、真剣十代しゃべり場?」

みきたそ~

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/

あずささんぐう聖

P「わ、わかった。美希。お前の言いたいことはよくわかった。辛かったな。皆も落ち着こう。話が脱線してるから、な?」

美希「はーっ、はーっ……!」

P(ああ、ここで『わかった俺が飼う』とか言えたらかっこいいんだろうけど、帰ったら寝るだけの生活で犬を飼うのはムリだ……)

P(大体、俺ペット飼ったこと無いしな……一般論しか言えないんだよな……とりあえず『犬捨てゆとり』なんてあだ名がつかないよう全力を尽くさねば……)

P「お、音無さん、お茶入れてくれますか?」

小鳥「は、はい、すぐに!」

雪歩「あ、私も手伝います!」

きゃらめる「……」キョロキョロ

あずさ(この子、おびえてるわ)

春香(……どうなんだろう。生き物を捨てるのはダメで、生き物をペットにして飼うのはあり……『命』を保障してるから?)

真(じゃあ、食べるために、殺すために動物を飼ったり獲るのは……いや、食用の動物とペットは違う)

千早(違う? どうしてその区別ができるのかしら。ダメとかありとかどうしてそういう線引きが人間にはできるのかしら。基準は、根拠はなに?)

P(なんか、みんな考えてるな……)

失礼食事の時間だ

>>274
なんJ行け

可愛いは正義なの
アイマスなんてフィクションなの、リアルじゃないの
そんな熱くならないで欲しいなって思うの

バンバンバンバンバンバンバンバンバンバン
バン       バンバンバン゙ン バンバン
バン(∩`・ω・)  バンバンバンバン゙ン
 _/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
    \/___/ ̄
  バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
  / ミつ/ ̄ ̄ ̄/   
 ̄ ̄\/___/
    ドゴォォォォン!!
        ; '     ;
     \,,(' ⌒`;;)
   !!,' (;; (´・:;⌒)/
     (;. (´⌒` ,;) ) ’
Σ(* ・ω・)((´:,(’ ,; ;'),`
 ⊂ヽ ⊂ ) / ̄ ̄ ̄/
   ̄ ̄ ̄\/___/ ̄ ̄ ̄

          /\
     . ∵ ./  ./|
     _, ,_゚ ∴\//
   (ノ゚Д゚)ノ   |/
  /  /

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ポチポチポチポチポチポチポチポチポチポチ
ポチ     ポチポチポチポチポチポチ
ポチ(∩`・ω・) ポチポチポチポチポチ
 _/_ミつ/ ̄/_
      /_/

小鳥「みんな、お茶いきわたったわねー?」

「「「…………」」」

あずさ(静まっちゃってるわー……)

響「……幸せだって言いきれるぞ」ボソ

小鳥「……響ちゃん!」

響「ハム蔵も、へび香も、シマ男も、オウ助も、うさ江も、ねこ吉も、ワニ子も、ブタ太も、いぬ美も、モモ次郎も幸せだ」

響「自分にはわかるんだぞ……美希には分からないんだな」

美希「……む」

響「プロデューサー! 美希の家族の説得に行ってあげなよ! 美希の言うとおりこのままじゃこの子が可哀想だぞ。自分が里親に名乗り出るからさ」

美希「……」

響「これでいいんだろ、美希」

美希「ありがとう響」

響「ああ。――――――――それだけしか言うこと無いのかっ!!」バシィ!!

美希「きゃぶ……ッ!!!」ガシャーン!!

雪歩「ひっ!!」

暴力響こわーい

P「み、美希大丈夫か!」

真「だめだっ! 響!」ガシッ

響「うぅぅぅ!! 自分、自分……! 悲しくって!! くやしくって……!! うぅぅう!!!」

春香「響ちゃん……美希!!」

美希「あぁ……いたいの……いたいのぉぉおー……!」

あずさ「美希ちゃん……」

美希「いたいいたい……うぅぅぅぅひどいの、ひどいの、ひどいよぉおお!!!」

美希「わぁあああああああああああああああああああああああぁぁあぁん!!!」

雪歩「泣いちゃった……」

美希「なんでミキばっかり責められるの!? しょうがないからなのに! ミキだって辛いのに! やり方間違ってるって言うんなら誰か教えてよぉおおお!!」

美希「うぁわああああああああっっ!!!」

美希「どーして美希の味方いないのっ!? みんなも辛いときなにかを投げ出したことあるはずなのにっ!! ミキがクズならみんなクズだよ!? どうしてどうして? わからないのぉおおお!!」

律子(大号泣……)

P「美希……」

ペロッ

きゃらめる「クゥーン……」ペロペロ

あずさ「あっ」

美希「ああ……きゃらめる……っ?」

きゃらめる「クゥーン、クゥーン」ペロペロ

美希「…………やめてよ……ミキ、キミのこと……!!」

きゃらめる「ハッ、ハッ、ハフ・・・」ペロペロ

あずさ「……きゃらめる、ずっと美希ちゃんを舐めてる……慰めたいのね。ねえ、この子やっぱり美希ちゃんのこと好きなのよ」

美希「~~!! やめてっ! ミキにそんな資格は無いの!!」ドンッ!!

きゃらめる「キャァン!!」

真「あっ!!」

きゃらめる「……ワゥ」

きゃらめる「――!!」ダダダッ!!

春香「ひゃっ! 走り出したよ!?」

あずさ「驚いているんだわ! 捕まえてあげて!」

律子「あああ、事務所の出入り口の方に……!」

雪歩「で、でもドアは閉まって――」

社長「やあ、諸君!」ガチャ!

P「ああっ!!」

きゃらめる「――!」ダダッ!!

社長「おおう!? 一体何だね!?」

真「きゃらめるが外に出ちゃった!!」

あずさ「追いかけないと!!」

美希「……え」
 

社長…

真「階段を……いたっ! 下だっ!!」

律子「もうっ! 冗談じゃないわよ!」

小鳥「この時間、事務所の前交通量多いのよ!」

きゃらめる「~~!!」ダダダダダッ!!!

P「止まれっ止まるんだっ!!」




そして、きゃらめるは事務所を飛び出し、車道の前まで走っていった。

しかも車道にはスピードを出したトラックが走ってきている。


春香「ああああああっっ!! 飛び出すとトラックに……」


響「――――っ!!!」バッ!!


あずさ「響ちゃん……っ!?」 


 

疾駆。まるで地面を滑るように、我那覇響は疾走した。
トラックの地響きと、ようやく聞こえ始めたきゃらめるの息遣い――

きゃらめるは、混乱するまま車道に飛び出し――

そして、響はその後を追った。


真「ばっ」

P「バカッ!!!」



響「――――ッ!!」



P「『美希』っ!!!」


響(……え)

美希「きゃらめるぅうぅぅぅぅうう!!!」ダダッ!!
 

 
疾走する響をさらに速いスピードで追い越した美希が。
きゃらめるの後を追って飛び出し、庇う様にその小さな体に覆いかぶさった。

響「みきぃいいいい!!」

美希「……っ!!」ギュッ

きゃらめる「――!」


キキィイイイイイイイイイイイ―――――――――!!!!!


ゴガシャァアアアアアンンッッ!!!!!





――
――――
――――――

 

病院


美希「……むぅ~~~ん。ん? あれ?」

雪歩「あ、目が覚めましたぁ!! みんなぁ! 美希ちゃんの目が覚めたよぉ!!」

春香「よ、よかった! 美希! 近々Aランクに上がるアイドルの天海春香だよ!? わかる!?」

美希「わ、わかるよ……あれ、ミキ、どうしたんだっけ……?」

真「きゃらめるを追ってトラックの前に飛び出したんだよ!」

美希「ミキ、ひ、轢かれたの!?」

雪歩「轢かれてたらここにいないよぉ! トラックの運転手さんがかわしてくれたの!」

真「すごかったんだよ、後輪がドリフトみたいに……まあ荷台部分がガードレールに突っ込んじゃったけど」

春香「それで社長、いま後の処理に追われてるよ……。美希もあのまま緊張で気絶しちゃったんだよ?」

美希「そう、なの……」キョロキョロ

こんなんでも運転手が悪くなる法律ってどうよ?

響「きゃらめるならここにいるぞ」

きゃらめる「ハッハッハフハフ」

美希「……あっ!」

響「……」

美希「……」

響「……」

美希「……」

雪歩「わわゎ……!」

きゃらめる「?」

事務所に躾もできてない犬連れて来たら逃げました
逃げた先でトラックに犬が轢かれかけたので助けに向かった結果
私も同僚も犬も無事でしたが他は大惨事でした

こう書いてみると「響もなんで連れてきたし」になる

響「……生きてて良かったぞ」

美希「……ん」

響「……」

美希「……」

響「……」

美希「……ぁ」

響「……」

美希「……あのね」

響「悪かったぞ」

美希「え」

春香「! 響ちゃん」
 

悪かったゾ

響「叩いて悪かった。ごめん……」

美希「響……」

響「美希、外傷なんか擦り傷ぐらいなのにずっとずっと寝てたんだぞ。お医者さんが疲れがすごく溜まってたんだって言ってた」

美希「そ、そうなの……」

響「わかるよ。最初は慣れないことばっかで……いうことなんて全然聞いてくれなくてさー。イライラしちゃうし、自信無くしちゃうし……」

響「自分も、ペットもこのままだと壊れちゃうって恐くなっちゃうよな」

響「自分、その気持ち知ってたのに……ホントは一番優しくしてあげなきゃいけなかったのに……カーッとなっちゃって……ごめん」

美希「……もにょもにょ」

真「ん?」

美希「う、うん…………美希もコーフンして訳の分からないこと言ったし……その、なんか、いいっていうか……ありがとうなの」

春香「ほっ、良かった」

>>426
やめろwwwww

響「……『きゃらめる』は、ひとまず預かるぞ」

美希「……うっ、ぐすっ…………ごめん……! ごめん、響……!! ごめんきゃらめる……!!」

きゃらめる「?」

春香「美希……泣いたらいいよ」

真「事務所ですぐ泣くぐらい不安定だったもんね……」

美希「なんでか、わからないの……! 悲しいのか! 申し訳ないのか! 情けないのか……何で泣いちゃうのか、ミキわかんないの!!」

雪歩「だったら、全部はきだしちゃえばいいよ」

美希「う、う、ぅぅぅぅぅぅ…………うぁぁぁあああああああぁぁぁぁあああっぁああああぁっー――んっ!!!!!」



――

――――

事務所にお土産持ってくとしか書いてないしそれなら一旦家帰って事務所に犬連れて来るなよと

真「また眠っちゃったね……今度は泣き疲れて」

美希「……ぅぅ……ぅぇぇ……」

春香「きゃらめる、やっぱり響ちゃんが預かるの?」

響「そう、事務所で話がついてただろー……預かるさ。『預かる』だけだけどなっ!」

雪歩「えっ」

響「面倒になって、飽きて、離れたいと思うなら……まだ可能性はあるからな」

響「それは嫌になるくらい、真剣に触れ合った時間があるってことだから」

響「ペットがいなくなるとな。日常に『暇』が増えるんだ。ぽっかりと空いた穴のような感じでね」

響「普通の心持ちになった美希は、多分、その時間に色々考えてくれる……って自分は信じてるんだー」

響「あの時、自分さえ追い越してきゃらめるの元に向かった美希ならって」

春香「うん、そうだね。私、美希はわがままなとこあるし、責任とか迷惑とかそういうのに疎いけど……やっぱりいい子だと思う」

雪歩「あのね私、美希ちゃん、死んじゃうんだなって思ったの」

真「え、雪歩?」

運転手&社長「結婚します」

雪歩「美希ちゃん、あんなにわがままで無責任なこと言ったから……なんていうか、その『報い』で死んじゃうんだと思ったの」

雪歩「自業自得とか、身から出た錆びとか、そういう風に言える話になっちゃうんだって」

雪歩「でも、美希ちゃんは生きてて……私、それが何か、神様が生かしたように感じるの。『まだ見込みはありますよ』って」

雪歩「だからきっと美希ちゃん、きゃらめるを迎えに行くと思うの」

真「お、おおーなんかファンタジックな……」

雪歩「ええっ!! そう感じちゃった!? うぅ……恥ずかしいよぉ」

春香「あはは……でも、私もそう思うよ。きゃらめる見た時の美希の表情見たらピンときたもん『未練あり』って」

響「ははっ、それならわざわざ病院に許可とって連れて来ただけのかいはあったぞ!」

きゃらめる「ハフ?」

P「美希が起きたって!?」ガチャ
 

春香「もータイミング悪いなぁ……また寝たところですよ」

P「うっ、だいぶ向こうさんと話しこんでてな……」

雪歩「どうでしたか?」

P「――ベンショウ。コッチモチ」

真「か、片言になるほどですか。うわぁ……想定してましたけど……」

P「さすがにこっちの犬とアイドルが飛び出して、トラックとガードレール壊して知らぬ存ぜぬはできないよ。そんなことしたら評判の方に傷が付く」

P「まあ、765プロがこの件でかかった負担は、美希のモチベーションをあげるのに利用させてもらうさ」

春香「おおっ! 流石!」

P「それと、メディアには愛犬を見せびらかしに来た美希が誤って犬を放してしまった結果、今回の事件が起きたってことにしといたからな」

P「……お前ら頼むぞ」

雪歩「は、はぃい! く、口裏を合わせるの得意なんです!」

P「? ああ、そういう意味にとるか」

春香「え?」

P「俺が言ったのは――その話が本当になるように、美希を支えてやってくれってことだ」

春香「ふふふ、私は分かりましたよ! 言外のプロデューサーさんのプレッシャーが!」

真「そ、そうなんだ」

P「俺はな、こういう事後処理とか、調整とか、折衝とかの方が向いてるんだ。こういう仕事は俺に任せてくれていい」

P「でもな、俺今回のことについては、美希に一般論を突きつけることしかできなくて……
  それで、お前らがなんか全力で衝突してるの見てな……この件はお前らの助けを借りた方がいいって思ったんだ」

響「プロデューサー……」

P「できそうか? お前ら。それに、美希は」

春香「あっ、それについてはさっき共通の答えを得ました!」

P「ぜひ聞かせてもらいたいな……」

春香「ふふふ……」

雪歩「えへへ……」

真「はは……」

響「――それは」


――
――――

・・・
・・
司会「それでは今回のゲストの登場です!」

司会「この人を見ない日は無いと言っていいでしょう……トラックのラッピング広告に、駅前のパブリックビューイング、多種多様なCMにCDで次々とヒットを飛ばす天才!」

司会「だが、この人の知られざる一面があるのです……同じ事務所の我那覇さんなら知っているのでは」

響「なにかなーわからないぞ」

響「あっこの番組によばれるくらいだったらもしかして動物好きとかっ」

司会「おお、その通り。今回のゲスト――星井美希さん! 彼女にはなんと愛犬家としての一面があったのです!!」

響「うわーおどろいたぞ」

司会「では、星井さんどうぞっ!!」


美希「はぁーい!! 響ー!! 会いたかったのー!!」

きゃらめる「……ワウ!!」

響「おおっ!! 大きくなったなぁきゃらめる!」

美希「……あはは! 響、台本台本!」

響「あっ」

司会「わーわー!!」

司会「し、質問! 視聴者からも多く疑問に思っていることと思うんですけど!」

美希「ん、なぁに?」

司会「星井美希と言えば絢爛とも言える、金の長髪がトレードマークだったはずなのですが、どうしてその髪型に変更しようと思ったのかと!!」

響「あはは、聞いてるぞ美希ー!」

美希「ああ、これ。うーんトラックで轢かれかけてから、なーんか飼えなきゃいけない気がして」

美希「ま、生まれ変わってがんばろうってケツイかな! あはっ!!」

きゃらめる「ワン!」

司会「そ、そうなんですね! なるほど!」


響(美希……そんな上辺の理由、見てる人にも見抜かれてると思うぞー)

響(お前たちの中の良さと……似通った『色』で)




――――同じ、キャラメル色が揺れているから。




完!

おいお前、そう怒り狂ってるお前
お前が怒っているそのレスだけど、確かに文面を読めば不愉快極まりないものだろう
まっすぐなお前のことだ、スルー出来ないのも無理はない
だがお前が怒っているそのレス、信じられないかもしれないが き ゃ ら め る が 書 い て い る ん だ
わかるか?耳をうにうに動かしながらぷにぷにの肉球でキーを叩いている
「Eはどこかな?」なんて時々キーボードの隅々を見回している
そしてようやく書き上げたレスを尻尾をピンと立てながら「書き込み」ボタンを押しているんだ
後は自分にどんなレスがつくのか画面をじっと見ている
そう思えばお前もそんなに厳しいレスは返せないんじゃあないか?

あらまだあった。最後の飼えなきゃ→変えなきゃ、中→仲に脳内修正お願いします

読んでくれてありがとう

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