宥「阿知賀に麻雀部を作ろうと思う」(314)

宥「麻雀クラブが解散しちゃって玄ちゃんの元気がない…」

宥「…麻雀部ができたら元気になってくれるかなぁ」



宥「部活を作るのには5人必要なんだ…」

宥「私と玄ちゃんとあと3人…」

宥「そういえば確かあの子は麻雀できるって聞いたことが…」

>>5

美穂子

宥「確か隣のクラスの福路さんは麻雀ができるって聞いたことが…」


宥「こ、こんにちは…あの…福路さんですよね…?」

美穂子「は、はい。あなたは確か隣のクラスの松実さんですよね?」

宥「初めまして…実は麻雀部を作ろうと思ってるんです…」

美穂子「麻雀部を?」

宥「それで福路さんに入っていただけたらなって…」

美穂子「…その、私は中学生以来麻雀をまともに打ったことがないんです」

美穂子「それでもよろしければ…」

宥「ほ、本当ですか!ぜ、ぜひお願いします!」

美穂子「新しく部を作るには5人必要ですよね。私と松実さんで二人ですね」

宥「あの…玄ちゃん…私の妹も麻雀ができるから…」

美穂子「松実さんの妹さんですか…ではその方も含めるとあと二人ですね」

宥「福路さんは心当たりないかなぁ…?」

美穂子「そうですね…心当たりはあります」


>>10

すばら

美穂子「一つ下の花田さんは麻雀ができます」

宥「じゃあ…誘ってみよう…」

宥(玄ちゃんと同じ学年…仲良くなれるといいな…)


美穂子「すみません、花田さんはいらっしゃいますか?」

煌「あら、福路先輩。今日は何か御用ですか?」

美穂子「実はこちらの松実さんが…」

宥「あ、あの…麻雀部を作ろうと思うんだけど入ってくれないかなって…」

煌「麻雀部ですか…?」

宥「ど、どうかな?」

煌「すばらです!ぜひ私も入部させてください!」

美穂子「ふふ、よろしくね。花田さん」

煌「ふむ、あと一人足りないというわけですか…」

宥「うん…玄ちゃんは入ってくれると思うから…あと一人…」

煌「ではあの人ならどうでしょう?」

福路「ああ、あの人ね!」


>>15

ニワカ先輩

煌「小走先輩ならきっと入ってくれるはずです!」

美穂子「そうね、小走りさんなら」

宥「福路さんと同じクラスの小走りさん…?」

美穂子「ええ。麻雀もできるって聞いたことがあるわ」

煌「では早速行きましょう!」


美穂子「小走りさん、ちょっといいですか?」

やえ「よーどしたー?」

煌「実は私達で麻雀部を作ろうと思いまして」

やえ「ほぉ…麻雀部を…」

宥「小走りさんも麻雀できるって聞いたから…入ってくれないかな…?」

やえ「しばらくご無沙汰だったけどそれでもいい?」

煌「もちろん!すばらです!」

やえ「じゃあ、よろしく」

宥「ありがとう…小走りさん…」

玄「…」ポケー

宥「玄ちゃん」

玄「あ、お姉ちゃん…と、花田さんそれに…?どうしたの?」

宥「実はね、お姉ちゃん麻雀部を作ろうって思うの」

玄「麻雀部を…?」

煌「それで、あと一人必要なのです」

宥「玄ちゃんも入ってくれないかな?」

玄「お姉ちゃん…本当に…?」

宥「うん」

玄「も、もちろんだよ!」

美穂子「私は、3年の福路美穂子です。よろしくね、玄さん」

玄「はい!よろしくお願いします、福路先輩!」ペコリン

やえ「同じく小走やえだ。よろしく」

玄「あ、はい」

やえ「じゃあ、せっかく麻雀部を作ったんだしインターハイでも目指すか」

煌「随分と軽く言いますね。ですか、その姿勢はすばらです!」

宥「インターハイ…できるかな…?」

やえ「まあ、奈良には王者晩成高校があるから難しいことは確かだな」

美穂子「でも、やってみましょう」

玄「みんなで力を併せればきっとできます!」

煌「諦めていては何も始まりませんからね」

宥「みんな…」

玄「頑張ろう!お姉ちゃん!」

宥「うん…!」

県大会

煌「あっというまでしたね」

宥「私たちの一回戦は…」

玄「あ、あそこ!あったよ!」

やえ「って…おい、いきなり晩成高校と当たってるぞ」

美穂子「初戦では当たりたくなったわね…」

玄「うう…どうしよう…」

煌「弱気はいけません!いずれ当たる相手なのだからここで勝てばもう優勝したも同然!」

美穂子「…そうよね。煌の言うとおり、いずれ当たる相手なんだから」

やえ「ここで蹴散らしてしまえば敵はもういない」

宥「じゃあオーダーを確認しよっか?」


>>36から出た名前順で

キャプテン

先鋒 福路美穂子
次鋒 花田煌
中堅 松実玄
副将 松実宥
大将 小走やえ


美穂子「じゃあ、行ってくるわね」

玄「がんばってください!」

宥「美穂子ちゃん…がんばって…」

煌「応援していますからね!」

やえ「油断するなよ、美穂子」

美穂子「ええ、がんばってくるわ」

先鋒戦

美穂子「よろしくお願いします」

紀子(どこも大した学校はない…この試合貰った!)


紀子「リーチ!」

美穂子(この人の癖や視線から考えると…)

紀子(なっ!?そこを切ってくるなんて…!)



美穂子「ありがとうございました」

紀子「ぜ、全然稼げなかった…」

美穂子(まだ、昔に比べたら本調子じゃないわね…)

美穂子「ただいま」

宥「おかえり、美穂子ちゃん」

煌「すばら!いきなりトップに立てるとは思いませんでした」

玄「次は煌ちゃんの番だね!」

やえ「飛ばされたりするんじゃないぞ」

煌「心配無用です!ちゃんと玄さんにつないで見せますから」

玄「がんばって!」

次鋒戦

煌「では、始めましょうか」

日菜(ここで稼がないと…)



煌(とりあえず、いつも通りに)

日菜(守りが固くて抜けない…)



煌(少し追いつかれましたが、まあよしとしましょう)

日菜「差を縮められなかった…」

煌「すみません、差を広げられませんでした」

やえ「晩成が相手なんだし、こんなもんよ」

宥「うん…まだうちがトップだし大丈夫だよ…」

煌「そう言っていただければ幸いです」

美穂子「玄ちゃん、準備できてるかしら?」

玄「ばっちりです!」

宥「玄ちゃん…」

玄「大丈夫だよ。私におまかせあれ!」

中堅戦

憧「玄…まさか阿知賀女子で出場してくるなんてね」

玄「憧ちゃん…」

憧「手加減はなしだよ」

玄「もちろん、こっちも全力で行くから!」



玄(ど、どうしよう…)ブルブル

憧(変わってないな、玄…槓すれば、玄の手は一気に狭くなるからなぁ)

憧(悪いけど…)

玄(こ、これしかない…)トンッ

憧「ロン!」

玄「は…はい…」


憧「なんとかトップになれた…」

玄「ううう…」

玄「ご、ごめんなさい…一気に点棒取られちゃった…」グスッ

美穂子「そ、そんなに泣かないで…」

煌「そ、そうです!まだ逆転は十分できます!」

宥「そうだよ、憧ちゃんは玄ちゃんのことよく知ってるんだし…」

玄「でも…でもぉ…」

やえ「あの子、玄に狙いを絞ってたからね」

宥「…大丈夫だよ」

玄「え…?」

やえ「私と宥で取り返してくる」

宥「うん…だから、安心して待ってて」

玄「お姉ちゃん…やえさん…」

宥「…いってきます」

副将戦

宥「…お願いします」

良子(新子の話では牌に偏りがあるらしいけど…)

宥(…必ず取り返す)


良子(中と萬子じゃないの!?)

宥「ロン!」

良子(このままじゃ追いつかれる!)


宥「…ありがとうございました」

良子「な、なんとかトップは守れた…」

玄「お姉ちゃん!」

宥「ごめんね…ちょっとしか取り返せなった…」

煌「気にすることはありません。勝負はまだわかりませんから」

玄「でも、私のせいで…」

美穂子「誰のせいでもないわ。これは団体戦なんだから」

煌「そうです!誰かがダメでも誰かが取り返せばいいんです」

玄「美穂子さん…煌ちゃん…」

宥「良かったね、玄ちゃん」

玄「うん…うん…」

美穂子「やえ、お願いね」

やえ「心配しなさんな。ちゃんと逆転してくるから」

大将戦

やえ「よろしく」

由華「…新参校がうちに勝てると思ってるんですか?」

やえ「…かつて王者を倒したのはうちだよ?あれをまた再現してあげるから」

由華「…」

やえ「王者様にお見せしよう…挑戦者の打ち筋を」


やえ「ツモ!」

由華(この人うちの先輩たちよりよっぽど強い…!)



由華「ま、負けた…」

やえ(何とか逆転できたよ…みんな…)

玄「やえさーん!」

美穂子「お疲れ様、やえ」

煌「実にすばらな逆転劇でした!」

やえ「まあ、みんなが繋いでくれたからね」

宥「ありがとう…やえちゃん…」

美穂子「とはいえ、まだ一回戦だから」

宥「…まだ油断できない」

やえ「うん、晩成を倒したんだから」

玄「このまま全国に行きましょう!」

玄「県大会…」

煌「優勝してしまいましたね…」

やえ「おーす」

宥「二人とももう来てたんだ」

煌「ええ…」

美穂子「どうしたの?」

玄「なんか全国にでるなんて夢みたいで…」

煌「なんというか燃え尽き症候群みたいなものです…」

やえ「そんなこと言ってる暇はない」

宥「全国まですぐだよ…」

煌「そう…ですね」

美穂子「ええ。折角全国大会にでるのだから全力を尽くしましょう」

玄「それで、これからどうするんですか?」

やえ「とりあえず玄は練習あるのみ、だね」

玄「うう…はい」

美穂子「それと出場校のビデオ分析なんかは私ががんばるわ」

やえ「…煌、手伝ってやって」

煌「わかっています」

美穂子「…?」

宥(麻雀部を作ろうって思った時はこんなことになるなんて思わなかった…)

宥(みんな…あったかいなぁ…)

全国大会

美穂子「とりあえず、一回戦は突破できたわね」

宥「うちはどちらかといえば無名校だから…」

やえ「あまりデータがなかったのに救われたね」

煌「とはいえ、二回戦からはシード校も出てきます」

美穂子「第四シードの千里山女子…」

宥「もっとも気を付けるのは先鋒の園城寺さん…」

やえ「それに、中堅の江口セーラもいる」

玄「が、がんばります!」

美穂子「とにかく、やれることはやったわけだからがんばりましょう!」

宥「うん…」

二回戦 先鋒戦

怜「よろしくお願いします」

美穂子(この人の一発リーチは脅威だけど…やり方次第では対応できる…)


怜(あかん、阿知賀の人から点が奪えへん…)

美穂子(捨て牌と視線…理牌の状態から大体の狙いは読める…)

怜(それなら…)

怜「ロン!」

美幸(また私…もーやだこれ)


美穂子「ありがとうございました」

美穂子(何とか二位には食らいつけたわね…)

怜(あかんわ…この人はうちの手を読んでるみたいや)

美穂子「やっぱり、うまくいかなかったわ」

やえ「そんなことはないよ。ちゃんいい打ち筋だった」

宥「うん…千里山からは直撃を受けてなかったから…」

美穂子「煌、悪いけどお願いね」

煌「ええ。できる限り攻めていきます」

玄「煌ちゃん、ファイト!」

次鋒戦

煌(さて、シード校相手に私がどこまでできるか…)

泉(確かこの人…原村のいた中学の…)


煌(攻めが速いですね…)

泉(阿知賀のさすが、原村の先輩ってところですかね)

泉(まあ、負けませんけど)


煌「差をあけられてしまいましたね…」

泉「これなら十分全国でもやれる…!」

煌「差を広げられてしまいました…」

玄「そんなに悪くないよ。まだ二位だもん」

宥「うん…まだ私達もいるから、ね?」

煌「ありがとうございます、お二人とも」

美穂子「とはいえ、次の相手も一筋縄ではいかないわね」

やえ「相手は準エース。油断はしないようにね」

玄「わ、わかってます!」

玄(憧ちゃんにも練習してもらったんだ!大丈夫、やれる!…はず)

中堅戦

セーラ「よろしくっ!」

玄(この人が江口セーラさん…やってみせるもん!)


セーラ「ロン!」

玄「はうっ!」

セーラ(まあ、データ通り守りがうっすいうっすい)

玄(ど、どうしよう…お姉ちゃん…)


玄「あ、ありがとうございました…」

セーラ「おおきに~」

やえ「う~ん、帰ってこないな」

煌「玄の打ち方を考えれば仕方のないことではあるのですが…」

やえ「とはいえ、帰りづらいんだろう」

美穂子「じゃあ、みんなで迎えに行きましょうか」

宥「ま、待って…」

美穂子「宥?」

宥「私が…行ってくる…」

玄「うう…」グスッ

宥「玄ちゃん…」

玄「おね…お姉ちゃぁん…また、いっぱいとられっちゃったよぅ…」

宥「…大丈夫、またお姉ちゃんが取り返してあげるから」

玄「でも…私みんなの足引っ張っちゃって…」

宥「…玄ちゃんがいないと意味がないから」

玄「え…?」

宥「みんな怒ってないよ。みんなと一緒にお姉ちゃんを待ってて」

玄「お姉ちゃん…うん!」

美穂子「おかえり、玄ちゃん」

玄「た、ただいまです…あ、あの…」

やえ「謝らなくていいよ。ここは全国大会なんだから」

煌「やえ先輩の言うとおりです。全国二位の実力者が相手なんですからこのくらい予想の範囲内です」

玄「みんな…」

美穂子「はい。私のお弁当でも食べて宥を待っていましょう」

玄「はいっ…!」

玄(お姉ちゃん…頑張って…)

副将戦

宥(がんばらなきゃ…玄ちゃんのためにも…)

浩子(松実姉妹の姉…牌の偏りは分ってるからここで決めたる)


宥「ツモ!」

浩子(あ、あれ?萬子でも中でもない…?どういうことや…?)

宥(あったかい牌に頼りすぎないように…)


宥「…逆転はできなかった」

浩子「分析…間違ってたんかな…?」

宥「ただいま…」

煌「宥先輩!大変すばらな試合でした!」

美穂子「これなら一位で通過できるかもしれないわね」

玄「お姉ちゃん、ありがとう…」

宥「でも、まだ大将戦も残ってる…」

やえ「わかっているよ。相手は名門校の部長、不足はない」

玄「やえさん…」

やえ「やれるだけやってみる。おとなしく待ってて」

煌「やえさん、お願いします!」

大将戦

やえ(二回戦ともなると重圧感が違うな…)

竜華(なんかドリルついてる…)


竜華(結構…)

やえ(やる…!)

竜華(どうやら、うちと阿知賀でほぼ決まりやな…)


やえ「…勝てなかった」

竜華「いや~ひやひやしたわ…」

やえ「ごめん…勝てなかった…」

宥「やえちゃんは十分頑張ってたよ」

美穂子「ええ。準決勝に進出できたんだから十分だわ」

やえ「だが、次を考えると…ね」

煌「ええ…全国大会連覇中の強豪中の強豪…」

玄「白糸台高校…!」

やえ「千里山に加えて白糸台高校、さらに九州の強豪新道寺もいる」

美穂子「確かに厳しいわね…」

やえ「ここで一位で抜けていれば少しは自信につながったんだけど」

煌「過ぎたことをいっても仕方ありません」

宥「だね…次の試合のことを考えよう…」

玄「うう…次の試合もたくさんとられちゃったらどうしよう…?」

宥「玄ちゃん…」

美穂子「…」

やえ「…」

準決勝

美穂子「…」

宥「美穂子ちゃん、緊張してる…?」

美穂子「ええ。さすがにチャンピオンと戦うことになるなんて思わなくて…」

やえ「それはみんな同じ。まさか、寄せ集めた麻雀部で白糸台に挑むこのになるなんてね」

煌「ここまで来たのですからそれはいいっこなしですよ」

玄「うん…行けるところまで行きましょう!みんなで!」

美穂子「…そうね」

やえ「うん、私たちの…挑戦者の意地を見せつけてやろう」

安価忘れてた
新道寺の先鋒

>>155

小蒔

先鋒戦

照「お願いします」

美穂子(さて、宮永さんはもちろんのこと)

怜「よろしくお願いします」

小蒔「…」

美穂子(あの園城寺さんに、去年一気に名前を挙げた神代さん…)

美穂子(…考えても仕方ないわ。全力を尽くしましょう)

照「ツモ」

怜(チャンピオンの上がり…やけど)

小蒔「ロン」

美穂子「はい」

美穂子(この人…全く読めない…癖とかがないの…?)

怜(阿知賀は神代は苦手みたいやな)

怜(神代が低い打点のうちに止めてくれるからどうにかなりそうや)

小蒔「…はっ!」

怜(あ、あれ…?雰囲気が何か…?)

小蒔「すみません!ちょっと眠っちゃってたみたいで」

美穂子(ね、寝てたから全く読めなかったってことかしら…?)

照(それで見えずらかったのかな?)

小蒔「ここからは全力でいきます!」

美穂子(全力…油断できませんね)

オーラス

小蒔(わわわ…このままじゃ…)

怜(なんや、神代さん。急に弱くなってる気がする…)

美穂子(おかげで追いつけたけど…この違和感はなにかしら?)

照「…リーチ」

怜(来た…!)

美穂子(すでにチャンピオン連荘の七本場…)

小蒔(あ……眠っちゃ…だ…め)ウツラウツラ

小蒔「…」ゴッ

怜(!?)

美穂子(様子が変わった…?また眠っちゃったのかしら…?)

照(これはリーチかけるの早かったな…)タンッ

小蒔「ロン」


美穂子「…最下位なんて…みんなに会わせる顔がないわ」

怜「点差はあんまりひらいとらん…みんな…頼むわ…」

小蒔「…」

照(みんな強かったな…)

美穂子「最下位…さすがに申し訳ないわ…」

やえ「何言ってるの。今までは美穂子が稼いでくれたんだから」

玄「そうです!私なんて…」

宥「美穂子ちゃんは頑張ってくれてるよ…」

美穂子「…みんな」ポロポロ

煌「みなさんの言うとおりです」

煌「やえ先輩も言っていましたが私たちは挑戦者なんですから」

美穂子「…煌、お願い」

煌「…任されました、美穂子先輩」

次鋒戦

菫「…」

泉(白糸台の弘世菫…)

美子「…」

煌(千里山の二条さんにさらに、新道寺の安河内さんですか…)

煌(この中では…私が最も非力…まさしく挑戦者ですね…)

煌(ですが…)

美穂子『…煌、お願い』

煌(…いきます)

泉(あかん…狙い打たれるわ…速攻食らうわ上手くいきひん…)

美子「ロン」

泉「ぐっ…」

菫(千里山は沈み始めたか…)

菫(…ここはこっちだな)ピクッ

煌「…」タンッ

菫(避けられた…!?)

煌(さすが美穂子先輩…すばらな洞察力です)


煌「ロン!」

全国大会前

やえ「宮永照は当然だけど…この弘世菫も脅威には変わらんな…」

玄「相手を狙い打ち…」

煌「玄とは相性が悪そうな相手ですね。まあ、戦うのは私ですが」

宥「何か分かった、美穂子ちゃん…?」

美穂子「…狙う前に視線が狙う相手に動いてる」

やえ「視線か…」

美穂子「絶対ではないけど…何かもう一つ…」

準決勝前日

煌「もう、休んだ方が…」

美穂子「ううん。もうちょっと…」

煌「美穂子先輩…無理をしては…」

美穂子「…今のところ!」

煌「え?」

美穂子「見つけた…!弘世さんの癖を…!」

煌(美穂子先輩…)

煌(あなたのおかげで、戦えています…)

菫(…阿知賀には当てられそうにないな)



煌「三位浮上…私としては十分な結果です…」

泉「あ、ありがとうございました…ました…」

美子「ありがとうございました」

菫(千里山を落とせたのでよしとするか…)

煌「戻りました」

美穂子「お疲れさま、煌」

煌「…ありがとうございました」

美穂子「…?」

やえ「とりあえず、三位か…希望が見えてきたかな」

宥「うん、追いつけるよ…玄ちゃん…」

やえ「準備はできてる?」

玄「お、おまかせあれ!」

やえ「落ち着きなって。ちゃんとやれば大丈夫だ」

玄「は、はい!がんばります!」

中堅戦

セーラ「また、よろしくです」

玄(…)ジー

尭深(何か視線を感じる…)

仁美(蚊帳の外の予感…!)


セーラ(…何か配牌に違和感があるなぁ)

仁美(う~ん…?)

玄「…」

仁美(さてと…松実玄の傾向ならっと…)

玄「ロン!」

仁美「うえっ!?」

セーラ(そうか…何か違和感あると思ったら…!)

尭深(阿知賀の人にドラが来てない…)


玄(これなら、ドラはないけど戦える…!)

やえ「奇襲はうまくいっているみたいだね」

美穂子「序盤だけだけど、少しはやりやすいのじゃないかしら」

やえ「向こうがドラ体質で対策を立ててきているなら最初からドラを集めさせない」

煌「おかげで相手も少し動揺しているようですね」

宥「玄ちゃん…ドラがなくて大丈夫かな…?」

美穂子「大丈夫よ、宥」

やえ「そうだ。玄だってここまで戦ってきてるんだ」

煌「信じましょう、玄を」

宥(…お姉ちゃん失格だなぁ)

玄(美穂子さんややえさんの分析どおりなら…白糸台の渋谷さんは…)

尭深「…」

玄(それにまだ…もう一つ…)

セーラ(阿知賀の手作りが早い…)

セーラ(渋谷尭深対策っちゅうわけか…)

セーラ(まあ、ええわ…!こっちはこっちでやらせてもらう!)


セーラ「ツモ!」

オーラス

尭深(来た…)

玄「…」

セーラ(さて、ここが正念場か…)

仁美(さあて、どげんしよか…?)

セーラ(兎に角渋谷尭深を警戒しながら手をすすめて…)


玄「ツモ!」


尭深(…!?)

セーラ(ドラが…戻ってきてる…!?)

煌「すばらです!」

美穂子「こんな絶妙なタイミングでくるなんて…」

宥「玄ちゃんの牌符も分析しててよかったぁ…」

やえ「ドラが戻ってくるまでのに必要な局数が変わらないってのはありがたいことだな」

美穂子「上手く調節すれば試合中に戻すことも可能って読みは当たったわね」

煌「ですが、ここまでベストなタイミングは予想外でしたね」

宥「玄ちゃん…頑張ったね…」

玄「ありがとうございました!」

セーラ「一位はとれんかったし…三位とも差がつけられんかった…」

仁美「なんも…かんも…」

尭深(…ふぅ、これは怒られるか)


玄「よかった…本当に良かった…」

玄「ただいま戻りました!」

宥「お帰りなさい、玄ちゃん」

煌「見事に出し抜けましたね、玄」

玄「でも、まだ三位…」

美穂子「そうね…」

やえ「なあに、私達で奪えばいいだけだよ。ね?」

宥「私とやえちゃんが必ず…」

玄「お姉ちゃん…頑張ってね!」

宥「ありがとう、玄ちゃん」

さて、俺はコミックス派なわけだが…どうしよう?

こういう時は安価で

やめるかどうするか

>>211

やる

副将戦

浩子(二回戦では阿知賀にしてやられたけど…)

浩子(傾向は中と萬子じゃなくて赤い牌…まあ、対策は難しいか…)

浩子(ちゅーかそっちよりも、後の二人の方が厄介やな)

亦野「…」

白水「…」

宥(亦野さんと新道寺の部長白水さん…)

宥(玄ちゃん、お姉ちゃん頑張るよ…)

誠子「ポン」

哩(来た…)

浩子(亦野誠子の鳴き麻雀…)

宥(…ここかな?)

誠子「ツモ」

浩子(また差をあけられた…)

哩(…とりあえず、追いつくしかなかね)

哩(とはいえ、低いままじゃ最下位脱出もままならん…)

哩(…この配牌なら3翻…いや、4翻か)

宥(…美穂子ちゃんの言ってた通りなら)




控室

美穂子「来た…」

やえ「美穂子の見立て通りなら、ね」

煌「新道寺も動き出してますし、千里山も早く流すことを狙っているようですね」

玄「…お姉ちゃん」

宥「まだ三位のまま…勝てなかった…」

やえ「よ」

宥「やえちゃん…」

やえ「善戦してるよ、私たちは」

宥「…でも」

やえ「わかってる。ここで負けるつもりもない」

やえ「にわかなうちにだってやれるってところを王者どもに見せつけてくるよ」

宥「…あとはお願いね、やえちゃん」

美穂子「お疲れ様、宥」

宥「うん…ごめんね…」

玄「なに言ってるの、お姉ちゃん。やえさんならきっと大丈夫だよ」

煌「そうです。そんな顔をしないで、やえ先輩を応援しましょう」

美穂子「はい。お菓子でも食べて落ち着きなさい」

宥「うん…」

大将戦

やえ(宥にはああ言ったが…)

竜華(うちは部長なんやからここで踏ん張らんと…)

姫子(見ててください…先輩…)

淡(あんまり強そうじゃないなぁ…)

やえ(どいつもこいつも大舞台に慣れてるようだし…)

やえ(緊張…か。らしくない…)

やえ(中学のころはもう少し、自信をもって打ててたんだけどな)



やえ「…よし。お願いします」

美穂子「副将戦で差が縮まったとはいえ難しいわね」

宥「やえちゃんの配牌…」

煌「この場面で5向牌ですか」

玄「…大丈夫だよ、やえさんなら」

美穂子「…やえは一番わかってるものね」

煌「ですね。私たちは挑戦者なのですから」

玄「…このくらい不利でもあきらめない」

宥「…やえちゃん、がんばれ」

オーラス

やえ(さて、この状況で6向聴か…)

竜華「…」

姫子「…」

淡「~♪」

やえ(顔色を見る限り白糸台以外は私と似たようなものみたいだな…)

やえ(二位に追いつくためには鳴いていくのは難しいか?)

やえ(…やれるだけやってみるか)

竜華(もうトップは狙えんし、ここは逃げ切ることをにするしかないか…)

姫子(一発大きいの狙うしかなかね…)

淡(あ~あ、やっぱり期待はずれだったなぁ…)タンッ

やえ「ロン」

淡「え…?」

竜華(聴牌してたん!?)

姫子(うちが敗退…)

淡「へぇ…やるじゃん」

やえ「…王者の余裕なのか知らないけど、にわかを舐めるなよ」

玄「勝った…?」

美穂子「…ええ!」

煌「すばら…すばらですよ、みなさん!!」

玄「決勝進出だよ、お姉ちゃん!」

宥「うん…!」

煌「これはもしかして阿知賀の優勝もあるのでは!?」

玄「がんばれば優勝できるかもしれないね!」

美穂子「まだ気が早いわよ。とりあえず、みんなで」

宥「やえちゃんを迎えに行こう」

玄「やえさーん!」

やえ「みんな…勝てたみたい…」

煌「はい、すばらな戦いはしっかりと見てました」

宥「やえちゃん…ちゃんと示せたね」

やえ「うん」

美穂子「さぁ次はいよいよ決勝ね」

やえ「ここまで来たら次も勝って優勝して見せる」

煌「当然です!」

宥(…決勝戦、玄ちゃんのために作った麻雀部でここまで来た)

宥(…みんなのおかげでここまで来れた)


宥「…決勝戦がんばろうね、みんな」


決勝戦やる?

>>240

やりたきゃやる
やりたくなきゃやらん

やえ「ついに決勝戦か…」

煌「相手は白糸台に加えて大阪の強豪校、姫松高校…そして」

美穂子「私達と似たような新参校、清澄高校…」

宥「玄ちゃん…」

玄「うん、和ちゃんのいる高校だね」

煌「ええ。最近の和の牌譜を見る限り中学時代とはくらべものにならないくらいミスが少ないです」

やえ「…倒そう、全部」

宥「うん…みんなで始めた麻雀部でここまでこれたんだから最後まで…」

美穂子「はい。そして優勝しましょう」

美穂子「さて、そろそろかしら」

煌「あまり気負わずに、楽しんできてください」

美穂子「ええ、もちろんよ」

玄「美穂子さん!ファイトです!」

やえ「行ってらっしゃい」

宥「行ってらっしゃい、美穂子ちゃん」

美穂子「…行ってきます」

先鋒戦

照「…」

美穂子(宮永さんはもちろんのことだけど…)

優希「…」モグモグ

漫「…」

美穂子(この二人も油断できない)

美穂子(特に二人とも一気にたたみかけてくるタイプだから慎重に行かなきゃ)

優希「ツモ!」

漫(やっぱり東場では強い…)

美穂子(長野で歴代最高…読み切る前に上がられてしまうわね…)


照「ロン」

優希「じぇ!?」

美穂子(宮永さんの連荘を止めながら二人を抑えるのは難しい…か)


美穂子(…なら、攻め手を変えましょう)タンッ

漫「あ、ポン!」

優希(これなら…)タンッ

漫「ロン!」

美穂子(先鋒はなるべく点差を広げられないようにする!)



美穂子の最終順位

>>253

2

照「…」

美穂子(宮永さんの最後の親番さえ流せれば…)

漫「…」

美穂子(あの子は聴牌してるみたいだけど…迷ってるみたいね…)

美穂子(…ならこれを切れば?)

漫(…!?これなら通るの?)

優希(あのお姉さん、危険なところ切るじぇ…)

照(やっぱりこの人強い…)

玄「お疲れ様です、美穂子さん!」

美穂子「何とか二位にはつけたわ…」

宥「決勝戦だもん…十分だよ…」

美穂子「そう言ってもらえれば助かるわ」

煌「では、次は私の番ですね」

玄「気を付けてね」

やえ「…清澄は気を付けるようにね」

美穂子「どういうことかわからないけど、あの子は他家の上がりに敏感だから」

煌「もちろん、わかっています」

宥「…煌ちゃん」

煌「心配はいりません。では、行ってきます」

次鋒戦

菫「…」チラッ

煌(白糸台…警戒されているようですね)

まこ「…」

煌(和のいる清澄…和了率全国1位の岩手代表を封じ手いましたし…)

煌(それに加えて姫松高校…こんな状況は…すばらです!)

煌(優勝のために次鋒戦、まかされました!)

煌(とはいえ、私たちの予測通りなら…)

菫(…阿知賀が二位とはいえ撃ちぬくにはリスクがある)

菫(ならば厄介なところを、射抜いておく)

菫「ロン」

まこ「くっ…」

まこ(やはりこの人の打ち筋は特殊じゃけぇ…読み切れんわい…)

煌(やはり、白糸台はこちらを狙ってはこない…)

由子(この二校が争ってくれるなら私にもチャンスはあるよー)

まこ(…少し、慣れてきたわ)

まこ「ツモ」

由子(この点差であんな安い手を…?)

菫(聴牌を潰されたか…)

煌(どうやら、清澄が対応し始めたようですね…)

煌(こちらもうかうかしてられませんね)

煌「はあ~上手くはいきませんね…」

やえ「お疲れ様。二位を守れているんだから悪くない」

煌「ですが白糸台には離されてしまい、清澄には追いつかれそうです…」

玄「私がなんとかするよ!」

宥「そうだね…まだ玄ちゃんも私達もいるから…」

煌「みなさん…」

美穂子「玄ちゃん、わかってると思うけどうえ…清澄の竹井さんには気を付けてね」

玄「はい!」

宥(美穂子ちゃんが昔苦しめられた相手…玄ちゃん…)

中堅戦

玄(わ…みんなもう席についてる…)

洋榎「お~随分遅い到着やな~」

玄「す、すみません!」

玄(今回はドラと一緒に戦う…頑張らなきゃ!)

久(確かこの子は和の話ではドラを大切にするって話なのよね~)

久(とはいえ、それを気にしすぎると準決勝の彼女みたいになる…か)

尭深(今度はリベンジさせてもらいます…)

久(ここは考え物ね…どうしたものかしら…?)

洋榎(おーおー悪いこと考えてるなぁ)

久「リーチ」

尭深(清澄の悪待ち…!)

玄(美穂子さんのアドバイス通りなら…これを)

久「ロン」

玄「え…!?」

尭深(悪待ちじゃない…?)

洋榎(やるなあ、清澄)

尭深「ツモ」

洋榎(あかん…やられた…)

久(役満は止められなかったか…)

玄(一気に最下位…みんな…)




美穂子「私の教えたことが裏目に出て…」

煌「いえ、美穂子先輩の教えは間違ってはいませんでした」

やえ「そう、清澄がこちらの上を行っていただけ」

美穂子「宥、お願いね」

宥「うん…行ってくる…」

宥(待ってね…玄ちゃん…)

玄「またやっちゃった…大事な決勝戦なのに…」

玄「最後までみんなの足をひぱっちゃった…」

玄「みんなで麻雀がここまで来たのに…また私のせいで…私がいたから…」

宥「そんなことないよ」

玄「お姉ちゃん…ごめ、ごめんなさい…」

宥「玄ちゃん、私がね麻雀部を作ろうって思ったのは玄ちゃんがいたからなんだよ」

玄「え…?」

宥「玄ちゃん、麻雀クラブが解散しちゃってずっと元気がなかったから…」

宥「だから麻雀部が出来たら玄ちゃんが元気になってくれるかなって」

玄「お姉ちゃん…」

宥「美穂子ちゃん、煌ちゃん、やえちゃん…」

宥「玄ちゃんが昔遊んだ子達じゃないけど…でも、みんな玄ちゃんと麻雀部をやれてよかったって思ってるよ」

玄「本当に…?」

宥「うん…それにもちろん、私も」

宥「…今からお姉ちゃんは玄ちゃんの『昔』と遊んでくるから『今』で待ってて」

玄「…うん。頑張って、お姉ちゃん!」

宥「ありがとう…玄ちゃん」

玄「…」

煌「何度も繰り返しますけど、私たちはチームで戦っています」

玄「煌ちゃん…」

やえ「私たちは五人で楽しむために大会に出てるの。もちろん、優勝は狙うけど」

美穂子「だから私達は団体戦にしか出ていない。あなたが欠けたら私たちは駄目なの」

玄「やえさん…美穂子さん…」

やえ「過ぎたことは気にしても仕方ない」

煌「今は宥さんを応援しましょう」

玄「うんっ!」

副将戦

和「…」

宥(原村和ちゃん…玄ちゃんの昔のお友達…)ペコ

和(この方が玄さんのお姉さん…)ペコ

絹(うちもこのままじゃ優勝は難しい…うちがここで頑張らんと!)

誠子(今度こそ…今度こそは…!)


宥(玄ちゃん、見ててね。玄ちゃんの代りにお姉ちゃん、和ちゃんと全力で遊ぶから)

和「…」ヒュッパシッ

宥(ビデオで見たままだ…判断がすごく早い…)

絹(これが前年度インターミドルか…このスピードにこっちまでつられそうになる…)

絹(多分うちが一年の頃よりも強いんちゃうかな…)

誠子(私だって…白糸台の代表だ…こんな場所で負けてられない…!)

宥(でも…負けない…負けらない…)

宥(私がみんなを誘ってここまで来たんだから…)


宥「ツモ!」


宥(ここで私が頑張らなきゃ…!)

和「…お疲れ様でした」

宥「お疲れ様でした…」

誠子(結局…落とされた…)

絹(点差はほとんど無くなってる…うちにできたのはここまでです)

絹(末原先輩、あとはお願いします)

和「あの…」

宥「は…はい…!」

和「玄さんに伝えてください。また一緒に麻雀をしましょう、と」

宥「…はい。必ず、必ず伝えます」

宥「ふう…」

玄「お帰り、お姉ちゃん」

煌「どうでしたか、和は?」

宥「うん…とっても強い子だったよ…」

宥「玄ちゃんにまた一緒に麻雀しようって伝えてって言ってたよ…」

玄「和ちゃん…」

美穂子「良かったわね、玄ちゃん」

煌(さすが、私の自慢の後輩です…)

やえ「さて、そろそろだね」

玄「やえさん、お願いします!」

煌「全力を出し切って、すばらな試合を!」

美穂子「これで最後…お願いね、やえ」

宥「やえちゃん…ありがとう、ここまで一緒に来てくれて…」

やえ「それはまだ早いよ。ちゃんとこの試合が終わってから」

宥「そうだね…優勝、しようね…」

やえ「うん。…待っててね、みんな」

大将戦

淡「この前はどーもにわか高校さん」

やえ「…よろしく」

咲「よ、よろしくお願します…」ペコ

咲(うう~緊張する…)

恭子(二匹の怪物…か)

恭子(とはいえ、今回は凡人が私一人ってわけじゃないのがせめてもの救い…)チラッ

やえ(泣いても笑っても最後か…右を見ても左を見ても全国区の化け物だらけだし…)

やえ(…せっかく大舞台だなんだし、私らしく楽しもう)




やえ(…さあ、かかってきなよ、王者ども)

やえ(相変わらず、ひどい配牌だな…)

恭子(これが白糸台の大星淡…か)

咲「カン」

恭子(来た)

咲「ツモ。嶺上開花」

淡(さすが、やるなぁ)

恭子(あと少しなんだからこんなことではめげてられんわ!)

やえ(本当に嶺上開花で上がるのか)

やえ(おそらく、私と似たような配牌から上がってるんだろうな…)

やえ(…弱気になるな、私)

玄「やえさん、緊張してるのかな…?」

宥「そうじゃないと思うけど、気負いすぎかも…」

煌「こんな大舞台ですからね」

美穂子「全国大会の決勝、しかも大将戦だもの…」

美穂子「きっと私達では考えが及ばない相手と戦ってるのよ」

宥「やえちゃん…」

やえ(前半戦はこれで終わりか)

やえ(焼き鳥ではないといえ、ひどいなこれは…)

やえ(…少し、気分を切り替えよう)



美穂子「やえ」

宥「やえちゃん」

やえ「…二人してどうしたの?」

美穂子「少し、喝を入れにかしら」

宥「もっと積極的になっていいんだよ…?」

やえ「でも…」

美穂子「私たちは挑戦者。失うものなんてないわ」

宥「うん。もっと挑んだっていいんだよ」

やえ「挑戦者、か…そうだったね…」

宥「相手は王者や怪物って呼ばれるような子達…」

美穂子「それに名門中の名門。私達はそんな相手にたった5人で挑んでるんだから」

やえ「…私達は寄せ集めだけど、そんな連中と同じ舞台に立ってるんだよね」

美穂子「ええ。宥が私を、煌を、やえを誘ってくれてそして玄ちゃんと5人でここまで来た」

宥「みんな…とってもあったかいよ…」ギュ

やえ「…二人とも、ありがとう」

やえ「お待たせ」

咲(なんか阿知賀の人…)

淡(雰囲気が変わったな…)

恭子(何かが吹っ切れたみたいやな…こうなった相手は怖いわ)

やえ(王者がなんだ、化け物がなんだ、名門がなんだ、強豪がなんだ…)

やえ(私たちはゼロから始まってるんだ…!)

やえ(美穂子の言うとおりたった5人で、みんなでここまで来たんだ)

やえ(抗ってやる…挑戦者の…いや、違うな…)




やえ「お見せしよう…反逆者の打ち筋を」

やえ「ツモ」

淡「っ…!抜かれた…!」

やえ(これで、オーラス!ここで二位に浮上できた…!)

恭子(…気迫がすごいな、阿知賀は。でも、私だってあきらめない!)



やえ(あと一歩!あと一歩で…!)

咲「カン」

やえ(みんなと…いっしょに…!)

咲「ツモ。嶺上開花!」

恭子(あかん…かったか…)

淡「まけ、ちゃった…」

咲「勝てた…勝てた…!」





やえ「あと一歩…届かなかったな…」

やえ「みんな…」

美穂子「お疲れ様、やえ」

煌「大変、すばらな追い上げでしたよ」

玄「さすが、やえさんです!」

やえ「でも、私…」

宥「ううん…みんなで頑張った結果なんだから言っちゃ駄目だよ」

やえ「…うん、そうだね」

煌「来年は私と玄で必ずリベンジしてみます!」

玄「うん!」

やえ「…ふふ、頼んだよ。二人とも」

宥「玄ちゃん…」

玄「お姉ちゃん、ありがとう」

宥「ううん。ここまで来たのは私だけじゃないみんなのおかげだよ…」

玄「そこじゃないよ。お姉ちゃんが私のために麻雀部を作ってくれたことだよ」

宥「お礼を言われるようなことじゃないよ…」

宥「だって、私も楽しかったから。玄ちゃんはどうだったかな…?」

玄「私もとっても楽しかったよ、お姉ちゃん」ニッコリ




宥(優勝、できなかったけど…玄ちゃんのあったかい笑顔が見れた…)

宥(…私はそれで十分満足だよ)





もうさるさんやだ…
初めての安価スレとはいえいろいろとすまない…
こんなスレにお付き合いありがとう

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