モバP「猫はこたつで……」 (28)

やまなし
おちなし
いみなし

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       がちゃっ

P「おはようー……って一番乗りかな?」

P「ちひろさんも居ないか、まあしょうがないよな」


         ぷちっ


『本日、首都圏では数年に一度の積雪により交通網に大幅な乱れが出ております』


P「車でやっとこさ来れたって所だもんなぁ……電車とかは大変そうだ」


P「……しっかしこうも雪が降った後だと寒い」

P「あ、そうだ。イヴのこたつ部屋があったな……あっちで少しの間仕事しよう」

P「少しくらいなら大丈夫だろうな。イヴは今日休みで寮に居る筈だし……」


          がちゃっ


P「おーこの部屋は暖かい……ってストーブもついて」

P「……寝てる」


みく「すぅ………すぅ………」

 
P(一番乗りはみくだったか、起こさないようにそっと……)


      すすす……もそもそ

P(こたつも暖かいままだ……これじゃゆっくりしてると眠くなるだろうな)

P(ま、なるべく静かに仕事仕事っと)



       かたかた  かたかた たーん

P(っといかんEnterを強く叩いてしまった。静かに、静かに……)

みく「…………すぅ…………ぅー……ん…………」


P(よし、起きてはこないな)



       かたっ かたかた かちっかちっ


――――――
―――――
――――

 
P(大分仕事のほうも進んできたかな、一区切りしたしそろそろデスクの方に……)


みく「ん…………んぅ~……んー……」

みく「にゃ……Pチャン……」

P「あ、みく。起こしちゃったか? すまない」

みく「んーん……くぁぁ……ちょっとだけ皆が来るまでお休みしてたにゃ」

みく「だから、大丈夫にゃ」

P「俺も寒くてたまらなかったからさ、こたつ部屋使おうって思ったら」

P「みくが寝てたから静かに仕事してたんだ」

みく「そっか、でもそのお陰で起きたら一番にPチャンの顔見れたにゃ……ふゎぁ」

P「まだ眠そうだな? 皆はまだ……来てないみたいだからもう少しなら寝ててもいいぞ」

みく「んーん、横にはなったままだけど……こうするにゃ」


       もそもそ ぽすっ

P「ん、こらこら。あまりひっついてくるんじゃないぞ」

みく「えへへー……Pチャンの膝枕……にゃふ……」

P「まったく……あまり体冷やさないようにな? 半分出てるぞ」

 
        ふぁさっ

みく「にゃ、Pチャンはスーツの上着脱いでも大丈夫なのかにゃ?」

P「ストーブもついてるし、体を床につけてる訳でもないからな」

P「それにこんな熱の塊がひっついてたらなぁ」


       なでなで なでなで

みく「ふにゃ……みくもぬくぬくだよ? Pチャンの膝枕あったかいもん」

みく「ふぁ……」


P「また大きな欠伸をして……ちょーっとはしたないんじゃないか? お嬢さん」

みく「ここにはPチャンだけしか居ないから大丈夫だもんー」

P「まぁ、あまり人前ではそういう姿見せないな、確かに」

みく「うん! この場所だからこうなってるだけだにゃ」ポンポン


P「膝枕だからか……」

みく「Pチャンのね♪」

 
P「んー……本格的に人来ないな、俺も皆が来ないと仕事を進められなくなってきたぞ」

みく「それだったらこのまま皆が来るまでゆっくりしてるにゃ」

P「たまにはそれも悪くはないかな、年明けまでずっと忙しかったもんなぁ」

みく「うんうん、クリスマスからずーーっとお仕事ばっかりにゃ」

みく「お仕事あるのは嬉しいけど……Pチャンと遊べないのはちょっとだけしゅーん、って」

P「……みくにはもう少し休みをあげられるようにするよ」

みく「Pチャンは?」

P「俺は……まぁ、大人だから」

みく「むぅー。そこはPチャンも一緒に休むの!」

みく「みくが居る間、Pチャンずっと仕事してばっかりだよ?」

みく「体壊しちゃうにゃ……」


P「そうならないようにだけは、ちゃんと注意してるから大丈夫」

みく「それにゃらいいんだけど……無理しないでね?」

 
P「まだまだ、無理なんて事はないぞ」

P「それに人気がもっと上がったら今よりずっと忙しくなるぞ?」


みく「にゃ、そうしたらPチャンとこうやって居られるのも少なくなる?」

P「そうかもなぁ……」

みく「にゃ~……トップアイドルにはなりたいけどそれは悲しいにゃ……」

P「でもファンの人はみくをもっともっと見たいって思ってるだろうな?」

みく「に”ゃ~~…………忙しくてもPチャンと遊べるようなトップアイドルになる!」

P「あはは、俺と遊ぶのは譲らないんだな」

みく「大変になるからこそ癒しが必要にゃ♪ にゃふふ」


      すりすり すりすり

P「あんまり顔を擦り付けちゃだめだぞー、スーツにしわがついちゃうからな」

みく「あにゃ、ごめんち」

 
P「じっと頭乗っけてるくらいならいいけどな」

みく「ん、じゃぁこのままじっとしてるにゃー……ふぁぁ……」

P「ん……ふぁぁ…………俺にまで欠伸が移った」

みく「Pチャンも少し寝る? それならみくももう一眠りするにゃ」

P「いや、他に人がいないとは言っても仕事の時間だからな」

みく「うにゃー……じゃあみくも起きてるにゃ」

P「膝枕されたまま言われてもな……みくは寝ててもいいぞ、起こしてあげるから」

みく「んーん、Pチャンとこうしてるのも好きだし、起きてるにゃ」

P「……はいはい」


       なでなで  なでなで


みく「んぅ……Pチャンに撫でてもらえるのとってもすきにゃ」

P「はは、目を細めて……ご機嫌だな」

みく「あったかぬくぬく、Pチャンと一緒」

みく「これで機嫌が悪くなるわけないにゃ……にゃふん」

 
       ぽん ぽん なでなで


みく「ふみゃぁ……眠く……だめにゃ、起きてるにゃ!」

みく「むむむ……こういう時は、そうにゃ!」

みく「おみかんとってー!」

P「ん? あぁテーブルの上か、ほい」スッ...

みく「ありっとうにゃ」


みく「おみかんべりべりー、おひとつぱくー」

みく「むぐむぐ……~~~っ。すっぱい」

P「横になりながら食べるのはお行儀悪いぞ?」

P「だらけきってるなぁ……人の膝の上で」

みく「こんな事滅多にないにゃ、いーっぱい堪能するにゃん♪」

P「まぁたまにならあまり言わないが……」

みく「ごろごろごろ……♪」

みく「おみかんもひとつぱくーっ……むぐむぐ……おいしいにゃ!」

P「どれ、じゃあ俺もひとつ食べてみようかな」


みく「あ、Pチャン待って待って、こっちからおひとつ……はい! あーんにゃ!」

 
P「ん? んー……」

みく「あーん!!」

P「はいはい……あー……むぐむぐ」

みく「えへへ」

P「ほんと美味しいな、このミカン」

みく「でしょでしょ、みくがあーんしてあげたからだにゃ!」

P「そういう事にしといてやるよー」


みく「むーっ……素直じゃないにゃ、もうひとつどーぞ! あーん」

P「あーん……むぐ……むぐ、さっきと同じだ」

みく「さっきもしてあげたからにゃん」

みく「じゃあ今度はPチャンがみくに食べさせてくれる番ね!」

 
P「はいはい、じゃあミカン取ってと……ほれ、あーん」

みく「あーーん」


        ぽいっ

みく「みゃ! もぐもぐ……おくちに放り込んじゃ嫌にゃー」

みく「ちゃんとあーんしてほしいにゃ!」

みく「もいっかい! あーん」

P「じゃあ次はちゃんとしてやろう……あーん、ほれ」

みく「もきゅもきゅ……にゃふふ♪ さっきよりおいしいにゃ♪」

P「たまたま当たりの奴だったかも知れんぞ?」

みく「それでもPチャンが食べさせてくれたからだにゃーん♪」


みく「えへ、えへへ、ふにゃぁぁ、ごろごろ……♪」

P「顔が緩みきってるぞ……まったく」

 
      なでなで なでなで

P「どうだー? 頭撫でられて」

みく「えへへへ……はにゃぁぁん♪♪」

P「おうおうこの上ないって表情だな」

P「まったく。しゃきっとしなさい、アイドルらしからぬ表情になりそうだぞ」


      なでなで なでなで

みく「そう言いながらPチャンが手を止めないだもんー」

みく「にゃふん、しぁわせー……」


P「たまにはいいって言ったしな……今だけだぞ?」

みく「ぶー、毎日してくれてもいいにゃ」

P「毎日雪降って皆遅れろーってか? そんなになったら大変だぞー」

みく「にゃ……それは困るかも……」

P「たまにだからその良さが分かるって事もあるもんだ」

みく「でもずーっとずーっとこうして居られたらいいかにゃーって」

 
P「んー……ずーっとは居られないかな?」

みく「にゃ……どうして?」

P「そもそもみくとこの先ずっと一緒とは限らないし?」

みく「…………ぇ」


みく「Pチャンはみくの前から居なくなっちゃうの……?」

P「居なくなるっていうか、居られないっていうか」

みく「……やだ」


みく「そんなの嫌」

P「あ、あー……」

みく「ずっと傍に居てくれるって前言ったじゃん」

P「あ、いや、そういうんじゃなくてな」

みく「みくの事そのうち放ってどっかいっちゃうなんてやだ」

P「えーとだな、よく聞いてくれ?」

 
P「俺のほうがみくより年とってるんだから先におじいちゃんになってしまうだろ?」

P「だからみくより先に……って事になっちゃうだろ」

みく「…………それも嫌にゃ」

みく「でも、それまでは?」

P「言った通り、離れるつもりは……まぁ、無いかな?」


     べちっ!

P「あだっ!? 猫ぱんちするなよ急に……」

みく「ふんっだ」


P「す、すまん冗談だったんだって」

P「ちゃんとこれからもずっと居るからさ」

P「元気じゃない時も元気なときも」


みく「つーん」

P(膝に頭のっけたままそっぽ向いてしまった……)

P「みくー? すまなかったって、機嫌直してくれよぉ」

 
      なで……ぺちっ

P「おうふ……手を弾かれてしまった」

みく「つーん、つつつーん」

P「めげずに……」


      なで……ぺちっ

      なで……ぺちっ

      なで……ぶしゅっ!

P「ぬおぉぉわ!?」

P「み、ミカンの皮かっ!」

P「ぐぬぬ……手のひらが柑橘類の香りに……ウッ、ツーンとした香りが」

みく「ふふふ……」

P「人が下手に出ていればいい気になりおって……!」

 
P「ええいミカン臭の手のひらアターック!」

みく「ふぎゃああ!?」

P「ほれほれミカン臭の手のひらをその顔で存分に味わうがいい!」


     ぐい ぐい

みく「みゃああああ! は、離すにゃ!」

P「ミカン汁をつけたのはみくだろうがっ、それそれ堪能するがいい!」

みく「みゃああぁぁ……かくにゃる上は」


     ぐい ぐい ペロッ ぞわっ!

P「うひぃ!?」

     ばっ


P「手、手のひら舐めるなっ」

みく「ふっふっふ……味わえって言ったのはPチャンだにゃん?」チロッ

P「ぐぬぬ」

 
みく「あーあー手のひら汚しちゃって……」

みく「はい、ハンカチでふきふき」


     きゅっ きゅっ

P「お、おぅ……って汚したのもみくだろうに」

みく「だからみくが拭いてあげてるにゃー」

P「ってかさっきまで機嫌悪かったろ」

みく「何のことかにゃー? 猫は気まぐれさんなのにゃ」

P「はぁ……よくわからん……機嫌直ったならよしとするか」

みく「でも気まぐれさんだから、また急に悪くなっちゃうかもよ?」

みく「そーならないように、ちゃーんと見ていてにゃ!」

P「ん、分かったよ……」


     なで なで

みく「あーっ! まだ拭き終わってないのにその手で撫でたー!?」

P「ぬおっ、すまん! ってかちょっと手洗ってくるよ!」


      ばたばた


-おしまい-

-おまけ-

         ざっ  ぎゅっ

     ざっ  ぎゅっ


「…………………」


    ざっ  ぎゅっ

「………………♪」


    ざっ ざざっ   ざっ ざざっ


「……………………ふふっ」


奈緒「おーいそろそろ行こう、ぜ……」


凛「あ」


           『…………………』


凛「……何か言ってよ」

奈緒「……ハナコは?」

凛「寒いからって外出たがらない」

奈緒「そうか……アタシは別に凛が雪踏んで嬉しそうにスキップしてたとか見てねぇから」

凛「いやぁぁぁ!」


-おまけおしまい-

犬は喜び庭駆け回り
猫はこたつでイチャラブだオラァ!

みくにゃんのイチャラブが少なくて絶望
特に反省はしていない

ねこ(15)
http://i.imgur.com/d0xAPaR.jpg
http://i.imgur.com/KFbx5YL.jpg

いぬ(15)
http://i.imgur.com/neaEvDW.jpg

いぬのおともだち(17)
http://i.imgur.com/eOvvoov.jpg

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