岡部「紅莉栖が好きすぎて生きているのが辛い」ダル「」 (169)

ダル「珍しく真面目な顔で相談がある、なんて言うから何かと思ったら……アホらし」

岡部「俺は真面目に悩んでいるのだ!」

岡部「最近は何をするにも手に付かん……」

岡部「俺はどうしたら良いのだ、ダル……」

ダル「……いやオカリン、最近何かと牧瀬氏に難癖付けまくってたじゃん、そもそも何で急にそう思い始めたん?」

岡部「あれはその……恥ずかしくて直視できぬというか」

ダル「は?」

岡部「だって紅莉栖だぞ?」

ダル「オカリンってこんなキャラだったっけ?」

岡部「自分でもキャラじゃないことはわかっている」

ダル「まあつまり最近しょっちょう喧嘩みたいになっていたのは照れ隠しだったと」

岡部「うぐ……いや、あのな」

ダル「オカリン、ここ正直に言ってもらわないと相談に乗るにしてもどうしていいかわからない件について」

岡部「っ……そう、だ」

ダル「まあ惚れた女に弱いのは誰にでもあることだお、キニスンナ」

岡部「く……」

ダル「とりあえずオカリンは牧瀬氏を気にしすぎてしまう、と」

岡部「ああ……狂気のマッドサイエンティストたる俺が……不甲斐ないことにな」

ダル「っつー設定っしょ」

ダル「んじゃあとりあえずその気にしすぎちゃうのを何とかしたいわけ?」

岡部「そうだ」

ダル「んー……とりあえずどの辺が気になるん?」

岡部「全部だ」

ダル「全部?」

岡部「最近は直視するのも辛くてな、なんというか、姿を見ただけでドキドキする」

ダル「おまいは何処の乙女なんだ」

岡部「黙れダル、俺とて好きでこうなったわけではない!」

ダル「んじゃ牧瀬氏のこと嫌いなん?」

岡部「そんなわけあるか!」

ダル「wwwwwwww」

岡部(こいつ殴りたい)

ダル「んで? 具体的には?」

岡部「というと?」

ダル「どういうところが気になるん?」

岡部「だから全部だ」

ダル「それじゃあ抽象的すぎるっしょ」

岡部「そんなこと言われてもだな」

岡部「紅莉栖はかなり顔も綺麗な部類だと思う」

ダル「ま、ね。でもそれを言ったらラボメンはほとんどそうだお」

岡部「お前と俺を除いてな」

ダル「それを言うなって」

ダル(っつーかオカリン実は結構イケメンじゃん)

岡部「いや、まゆりは幼馴染だしな。フェイリスは確かに可愛いとは思うが、あいつはそれが売りの職業だろう」

ダル「フェイリスたんは仕事でメイドやってるんじゃないお! みんなのメイドだから仕事もできるんだお!」

岡部「それはどうでもいい。萌郁は美人だとは思うが……如何せん性格がな」

ダル「まあ桐生氏ももうちょい明るくなればモテモテになれる素材だお」

岡部「それは認めよう。鈴羽は……まあ、可愛くないわけではないんだが」

ダル「阿万音氏は男友達に近い感覚?」

岡部「それだ。サバサバしているからな。実に話しやすい。そういった意味ではないが異性として思うことはあまりないな」

ダル「なんとなくわかるかも。でもそこが可愛いくね?」

岡部「言っただろう、可愛くないわけではない、と」

ダル「んじゃるか氏は?」

岡部「ルカ子は男だろう」

ダル「そうだったお」

ダル「ん~、つまりオカリンは牧瀬氏のおにゃのことしての部分に惹かれちゃうと」

岡部「端的に言えば、そうだ」

ダル「参考までにどの辺が好きなん?」

岡部「全部だ」

ダル「それはもう聞いたお」

岡部「しかたないだろう、全部なんだから」

ダル「え~もうちょいあるっしょ。顔がいいとかスタイルがいいとか」

岡部「うむ、恥ずかしいことにな、さっきから言っている通り最近はあいつの一挙一動が可愛く見えてな」

岡部「髪は長くて綺麗だし」

ダル「桐生氏もそれなりだお?」

岡部「ああ、そうだな。キリッとした目つきも良い」

ダル「阿万音氏も目つきは結構キリッとしているわけだが」

岡部「ああ、そうだな。アイツは胸の小ささを少し気にしているようだが俺は気にならん。むしろ線のよくわかる服を着ると似合うだろう」

ダル「それならまゆ氏だって」

岡部「ああ、そうだな。それにあいつの傍に行くとな、こう、なんていうか良い匂いがするんだ。紅莉栖の匂いに混じって柑橘系のうっすらとした匂いが」

ダル「はいはい! フェイリスたんも良い匂いがします!」

岡部「ああそうだな」

ダル「だめだこりゃ。オカリーンしっかりしてくれお」

岡部「お前が話せと言ったんだろう」

ダル「正直スマンかった、まさかここまで真剣に惚気られるとは思ってなかった」

岡部「お前な……」

ダル「つまり牧瀬氏の姿が今のオカリン的にストライクだと」

岡部「ストライクどころの騒ぎではない。9イニング三者三振スリーアウトパーフェクトゲームだ」

ダル「oh……そこまでとは」

岡部「だめなんだ……紅莉栖がそこのソファで洋書を読んでる姿、ラボのPCに向かってる姿、髪を気にしてかきあげながら物を食べる姿……どれも目に焼き付いて離れん」

ダル「思った以上に重症だお」

岡部「だからお前に相談したんだ」

ダル「把握」

岡部「俺はどうすれば……むっ? 待て、この話は中止だ!」

ダル「? どうしたんだお?」

ガチャ

紅莉栖「はろー」

岡部「遅かったではぬわぁいか助手よぉ!」バサァ

紅莉栖「な、何よ? 別に良いでしょ、時間が決まっているわけでもないんだし」

岡部「だーかーらー貴様にはラボメンとしての自覚が足りんというのだこのザ・ゾンビが!」

紅莉栖「いい加減その変なあだ名やめろ!」

岡部「そうだったHENTAI天才少女だったな」

紅莉栖「HENTAI禁止!」

岡部「クリスティーナよ」

紅莉栖「ティーナも禁止!」

岡部「フゥーハハハ! 今日も精々励むがいいセレセブ」

紅莉栖「だからいい加減にしろ!」

岡部「ぬるぽ」

紅莉栖「ガッ……あ」

岡部「フゥーハハハハハハハハハハ!!!!!!」

紅莉栖「~~~~~~っ!」

紅莉栖「おのれは私に何か恨みでもあるのか!」

岡部「ん~何を言っているのだあ? 聞こえんなあ」

紅莉栖「こら! ちゃんと人の顔見て話をしろ!」

岡部「ぬわぁぜこの俺、鳳凰院凶真が助手風情の顔を見なければいかんのだあ?」

紅莉栖「この……!」

ダル(うわぁ)

ダル(昨日まではオカリンおちょくるの好きだなーくらいにしか思ってなかったけど)

ダル(さっきの話を聞いた後だと……)

ダル(小学生が好きな女子にひたすらちょっかいかけている図ですねわかります)

ダル(これはひどい)

ダル(というかよく見るとオカリン顔赤いじゃん、そんなに直視するのも辛いのか、乙女ってレベルじゃねーぞ)

紅莉栖「あぁ~もうイライラする!」

岡部「カルシウムが足りていないのではないか?」

紅莉栖「アンタのせいだアンタの!」

岡部「人のせいにするとはこれだからセレセブは」

紅莉栖「セレセブ言うな! もう……プリンでも食べよ……ってあら?」ガチャ

プリンプリンプリンプリンプリン

紅莉栖「随分一杯あるわね」

岡部「フゥーハハハ! 俺とてラボの責任者! プリンくらい恵んでやらんこともないぞ? ケチなセレセブと違ってなあ!」

ダル(本当は牧瀬氏の為に買ってきたんですねわかります)

紅莉栖「どれだけ喧嘩売れば気が済むのよアンタは! もう、一つもらうわよ」

岡部「ククク……それを食べたが最後、貴様はもう逃れられん!」

紅莉栖「はいはいワロスワロス」

岡部「……っ」ガッツ

ダル(オカリンちっちぇー、自分が買ってきたプリン牧瀬氏が食べたことに喜んで小さくガッツポーズかよ、ちっちぇー)

岡部「」チラ

ダル「?」

岡部「」スササッ

ダル(なにやってんだオカリン?)

岡部「っ!」スササッスササッ

ダル(意味不、産業plz)

岡部「~~っ!」

紅莉栖「ちょっと、あんたさっきから何パントマイムやってるの?」

岡部「パントマイムではぬわぁい!」

紅莉栖「あぁもう、気が散るから向こうへ行って」

岡部「……お、おう」

紅莉栖「……?」

岡部「」ズーン

ダル(ちょ、牧瀬氏にちょっと冷たくされただけでこれとか……テラワロスwww)

岡部「」トボトボ

ダル「あ~オカリン?」

岡部「何だ?」ギロ

ダル(怖っ! 八つ当たりは御免だお)

岡部「はぁ……」

紅莉栖「狂気のマッドサイエンティストさんも溜息を吐くんですねー」

岡部「っ! 黙れこのヴィ~~~ッチが!」

紅莉栖「は、はぁ!? 私がいつそんなことをしたのよ!?」

岡部「フッ、そうこれはあの時、アーカンソーで雷に打たれたクリスティーナが……」

ダル「はいはい、オカリンちょっとメイクイーン行こう」

岡部「ぬっ!? わっ!? なんだ!? ほわっ!? 離せダル!」

ダル「はいはい」

岡部「ほわあああっ!?」ガチャバタン


紅莉栖「……なんなんのよもう」

岡部「一体なんのつもりだダル!」

ダル「それはこっちの台詞っしょ、仲良くする気あるん?」

岡部「……それは」

ダル「どんどん口が出ちゃうのはわかるけど、それだけじゃこの先やってけないのだぜ」

ダル「最悪喧嘩別れもあるし」

ダル「もうちょっと素直になるべきじゃね?」

岡部「そ、それはわかっているのだが、いざ紅莉栖を前にするとな、つい思ってもないことを」

ダル「それでも最後のあれはまずいっしょ」

岡部「やっぱりまずかったか?」

ダル「普通言われたくない言葉だ罠。そういう風に見られて嬉しい女子はそうそういないと思われ。オカリンだってヤリチンって見られたら嫌っしょ?」

岡部「そうだが……そうだな」

ダル(実際おにゃのこ一杯ラボにたらしこんでいる時点で十分そのケはあるわけですがね。まあオカリンはそういうヤツじゃないけど)

ダル「しっかしあのオカリンが本当に目も合わせられないとは」

岡部「気付いたか?」

ダル「バッチリ」

岡部「まさか紅莉栖にも?」

ダル「いんや、それは大丈夫じゃね」

岡部「そうか」ホッ

ダル「でもこのままじゃ牧瀬氏の中のオカリンのイメージは悪くなる一方だお」

岡部「ぐ」

ダル「そりゃそうっしょ、嫌なあだ名続けるわ、いちゃもんつけてくるわばっかりなら誰だって嫌いになるっしょ常考」

岡部「……ああ」

ダル「でもさ、こういっちゃなんだけど牧瀬氏ってそんなに美人?」

岡部「は?」

ダル「いや、可愛いとは思うけどさ、ちょっとキツイイメージもあるしオカリンがそうなるほどではないと思われ」

岡部「鳳凰院パンチッ!」ドゴッ

ダル「いたいお!」

岡部「次はボディじゃなくフェイスに飛ぶから覚悟しておけダル」

ダル「オカリン目が笑ってない件について」

岡部「だいたい俺は紅莉栖の見た目だけに惚れたわけではない」

ダル「え? そうなん?」

岡部「当たり前だ」

岡部「俺は紅莉栖の話す理論に痺れて、実は気の弱い一面もあって」

岡部「それでも必死にそれを隠そうとしている紅莉栖が可愛くてたまらない」

ダル「わ、わかったからオカリ……」

岡部「いいか! 実は@ちゃんねらーでありながらそれを隠しているつもりなんだぞ? 萌えるだろ?」

ダル「ちょ、落ち着いてオカ」

岡部「落ち着いてなどいられるか! そもそもあいつは本当に真っ直ぐなやつでな、自分を曲げることを良しとしないしっかりとしたやつなんだ」

ダル「メシマズはタマにキズだお」

岡部「確かに紅莉栖は料理が下手だがな、というよりあいつは実験精神旺盛なだけのようだ」

ダル「と、言いますと?」

岡部「あいつは半分分かっていてやってるんだよ。でもこうしたらよりよくなるかも、と手を加えるわけだ、ようするに実験だな」

ダル「流石実験大好きっ子」

岡部「ああ……その結果は常にANOZAMAだがな」

ダル「牧瀬氏、恐ろしい子ッ!」

岡部「だが、若干ナイーブなところもあるあいつが俺は良いと思う」

ダル「護ってあげたくなるんですねわかります」

岡部「そうだな、それでいてあいつはいつも人を気遣う。俺も何度助けられたことか」

ダル「ほっほ。それだけ優良物件ならアメリカに彼氏の一人でもいるんじゃねー?」

岡部「……だよな」ハァ

ダル「ちょ、冗談だってオカリン! 元気だしてお」

岡部「しかし」

ダル「いや牧瀬氏にかぎってそれはないっしょ」

ダル「流石に彼氏がいるようには見えないって」

ダル「そもそも牧瀬氏って向こうでモテてるようには見えないいたああ!?」

岡部「次はフェイスだと忠告したはずだ」

ダル「ひどいお……」ヒリヒリ

フェイリス「ニャニャッ? 呼んだかニャ?」

岡部「いや」

ダル「フェイリスたんキターーー!」

フェイリス「アイスコーヒーお待たせニャーン」

フェイリス「ダルニャンは砂糖とミルク入れるニャン?」

ダル「全部混ぜ混ぜでお願いしますお!」

フェイリス「まっかせてニャン♪」マゼマゼー

ダル「キタアアアアアア! 目を見て混ぜ混ぜ!」ハアハア

フェイリス「ニャニャ? ダルニャン顔が赤いニャ? ぶつけたかニャン?」

ダル「あ、これは」

フェイリス「痛いの痛いの、とんでけーニャン♪」

ダル「おほぉぉぉぉぉう!」

ダル「オカリン! 殴ってくれてありがとう!」

岡部「お望みとあらばMIGIUDEをもう一発くれてやるが?」

ダル「それは丁重にお断りしますお」

岡部「はぁ……何故俺はお前に相談したのだろうなダル」

ダル「友達少ないからっしょ常考」

岡部「……はぁ」

ダル「ま、とりあえず早目に謝るべきじゃね?」

岡部「謝る、か」

ダル「本気じゃないとは言え、結構キツイこと言ったし、最近事あるごとにちょっと牧瀬氏に絡み過ぎだったから丁度良いタイミングと思われ」

岡部「しかし、うむぅ」

ダル「なんなら食事にでも誘って奢ったら? 埋め合わせ的な感じで」

岡部「それだッ!」

岡部「紅莉栖を食事に誘い、美味い物を食べさせご機嫌を取る!」

岡部「ククク……完璧だ、完璧じゃないか、流石マイフェイバリットライトアームッ!」

岡部「これはオペレーションセーフリームニルと名付けよう!」

ダル「全く意味がわからない件について」

岡部「お前との付き合いも長い、そろそろ北欧神話を読め」

ダル「だが断る。ってそう言えば牧瀬氏は意外と北欧神話にも詳しかったね」

岡部「うむ、確かに」

──────

紅莉栖「っくしゅ!」

紅莉栖「風邪かしら?」

紅莉栖「えーっとセーフリームニルは北欧神話に出てくるイノシシで、何度料理されても元に戻る。へぇ、なんか岡部が好きそうな話ね」

紅莉栖「これも覚えとこ。べ、別にあいつの為じゃないけど」

ダル「でも言っておいてなんだけど何処いくん?」

ダル「さんぽはオススメできないお」

岡部「わかっている」

岡部「大丈夫だ、俺に妙案がある」

ダル「本当に大丈夫なん? おにゃのこ連れて行くならやっぱりそれなりにシャレてて綺麗なところがいいお」

岡部「わかってる」

ダル「あと軽食もある場所」

岡部「問題ない」

ダル「高級嗜好なら尚可」

岡部「フッ、計画に狂いはない!」

ダル(本当に大丈夫かな、どこにいくつもりだお?)

岡部「鳳凰院凶真、ただいま帰還したッ!」バンッ

紅莉栖「ひゃっ!?」

岡部「む? 助手だけか」

紅莉栖「助手じゃないと何度も言っとろうが」

岡部「まあいい助手よ」

紅莉栖「人の話を聞け、で、何よ」

岡部「……」

紅莉栖「……?」

岡部(おいダル! なんて言って誘えばいい!?)

ダル(だめだこりゃ)

紅莉栖「ちょっと、急に黙らないでよ、何なんのよ」

岡部「あ、いや……」

ダル(さっきまでの威勢はどうしちゃったんだよオカリン)

岡部「その、だな、実は……」

まゆり「トウットゥルー! まゆしぃ☆です!」

紅莉栖「あらまゆり、お疲れ様」

まゆり「お疲れ様なのです紅莉栖ちゃん!」

ダル(あちゃあ)

紅莉栖「で? 岡部? 話は?」

岡部「貴様に話など何もぬわぁいわぁ!」

紅莉栖「は?」

ダル(やっちまったなオカリン……)

紅莉栖「あんたね、人をおちょくるのもいい加減にして! なんなのよ最近は」

紅莉栖「あんたがそういう奴ってわかってるつもりだったけど、それでも最近はちょっと度が過ぎるわよ」

岡部「……っ」

ダル「ま、まあまあ牧瀬氏」

まゆり「まゆしぃ、け、喧嘩は良くないと思うなあ」

紅莉栖「話があるって言ってみたり、無いって言ってみたり。人を散々おちょくって、もう……」

岡部「……」

紅莉栖「……岡部?」

岡部「フゥーハハハハ! この程度で音を上げるとは情けないぞクリスティーナ!」

岡部「貴様それでも俺の助手か!」

紅莉栖「……だめだコイツ、早くなんとかしないと」

紅莉栖「もう……今日は帰るわ」

紅莉栖「ここにいるとイライラするし」

岡部「……っ」

ダル(あーあ)

まゆり「ご、ごめんね紅莉栖ちゃん」

紅莉栖「まゆりのせいじゃないわ、そうだまゆり、この後時間ある?」

まゆり「? 大丈夫だけど」

紅莉栖「一緒にご飯食べない? この前お店見つけたの」

まゆり「あ、それならみんなで」

ダル「僕はパース、ちょっとPC使いたかったんだお」

まゆり「じゃあオカリンは……」

岡部「ふん、俺にスイーツ(笑)の選らんだ店に行けと?」

紅莉栖「ッ! 行こうまゆり!」

まゆり「あ、まって紅莉栖ちゃん!」

岡部「」ズーン

ダル「同情の余地は無いと思われ」

岡部「なあダル」

ダル「なんだお?」

岡部「俺はどうしたらいい?」

ダル「それはオカリンが決めることだお」

ダル「牧瀬氏とフヒヒな関係になりたいなら素直にならないと」

岡部「いや、俺は紅莉栖が無事に生きているならそれで……」

ダル「じゃあ付き合えなくても良いのかお?」

岡部「……そうだな、俺はそれでもいい。アイドルを応援するような気持ちなのかもな」

ダル「はぁ……本当にオカリンがそれでいいなら良いけどさ、それならもっと気楽にいけよオカリン」

ダル「本当にそう思ってるなら嫌われたって大丈夫っしょ」

岡部「……それは」

鈴羽「おっはー!」

岡部「鈴羽か」

鈴羽「どうしたの岡部倫太郎? ずいぶん元気ないね」

岡部「いや、俺は……」

ダル「牧瀬氏と喧嘩してブルーちう」

鈴羽「牧瀬紅莉栖、か……やっぱりあいつは」

岡部「おい鈴羽」

鈴羽「え? 何?」

岡部「紅莉栖を悪く言うことは許さんぞ」

鈴羽「へ? う、うん……」

鈴羽「喧嘩中、なんだよね?」チラ

ダル「そこらへんは複雑っぽい、サーセン」

岡部「ちょっと出かけてくる」フラ

岡部「はぁ」

天王寺「おう岡部、どうした景気悪い面して」

岡部「ブラウン管工房ほど景気は悪くないないですよ」

天王寺「ああん? てめこの家賃値上げすっぞ!」

岡部「はぁ……」トボトボ

天王寺「なんだアイツ?」

萌郁「」パシャ

萌郁「岡部君、元気ない……」カチカチ ブーン メルメル

るか「あ、おか……凶真さん!」

岡部「ルカ子か」

るか「どうしたんですか? なんだか顔色悪いですよ?」

岡部「いや、なんでもないのだ、なんでも」

るか「あ、あの、僕で良ければ相談に乗りますよ?」

岡部「だが男だ」

るか「へ?」

岡部「いやなんでもない」フラ

るか「大丈夫かなあ」

まゆり「あ、萌郁さんからメールだ」

紅莉栖「なんて?」

まゆり「んー、オカリンが元気ないけどどうしたのって」

紅莉栖「岡部が?」

まゆり「やっぱりオカリンさっきのこと気にしてるんじゃないかな」

紅莉栖「そう、かしら」

まゆり「きっとそうだよ、あ、るかくーん!」

るか「あ、まゆりちゃんと牧瀬さん」

紅莉栖「はろー」

るか「あの、さっきおか、凶真さんに会ったんですけど、凄く元気なくて、何か知りませんか?」

紅莉栖「岡部が……」

まゆり「ねえ紅莉栖ちゃん、今日はやっぱりオカリンと行ってくれないかな?」

紅莉栖「え? でも」

るか「僕からもお願いします、なんだか凶真さん見ていられなくて」

紅莉栖「わ、私が行っても別に」

まゆり「そんなことないのです。オカリン、紅莉栖ちゃんがいるといつも生き生きとしてるから」

紅莉栖「そう、かな」

るか「僕もそう思います。ちょっと、羨ましいです」

紅莉栖「漆原さん……」

るか「今ならあの路地を使って回れば凶真さんのところへ先回りできると思います」

紅莉栖「……わかった、一応行ってみるわよ。でも期待しないでよね」

まゆり「うん!」

岡部「……はぁ」

紅莉栖「なぁーに溜息吐いてるそこの白衣DQN男」

岡部「ぬわっ!? 紅莉栖……?」

紅莉栖「っ! 久しぶりにまともに名前呼んだわね」

岡部「何故ここに?」

紅莉栖「みんながあんた元気ないって言うから」

紅莉栖「べ、別に私は心配してなかったけど、まゆりが様子を見て欲しいって言うから食事も中止してきたの。あーお腹すいた」

岡部「そうか……すまないな」

紅莉栖「別に。でも思ったよりも元気そうじゃない。やっぱみんなの気のせいか」

岡部「ああ問題ない」

紅莉栖「そう。さて、じゃあ夕飯食べにいかないと。折角だから付き合いなさいよ」

岡部「!そういうことなら良い場所がある、ついてこい助手よ!」

紅莉栖「だから助手じゃないと、あーもう待ちなさいよ!」

岡部「フゥーハハハ!」

岡部「ここだ!」

紅莉栖「ここは……」

岡部「ザ、スシターン!」

紅莉栖「回転寿司? へえ」

岡部(それなりに高級嗜好で、軽食もある。アメリカ暮らしが長いこいつには日本も感じられて一石三鳥だろう!)

岡部(回る方にしたのは予算の都合だが)

紅莉栖「岡部にしては良いチョイスじゃない」

岡部(どうだダル! 俺の選択眼は! フゥーハハハ!)

─────

ダル「へっくし! 風邪ひいたかお?」

PC「アンアンアン♪」

ダル「フヒヒ」ハァハァ

岡部「何でも好きなものを食べるがいい」

紅莉栖「なんでアンタが仕切ってる。当たり前でしょ」

岡部「フッ、今日のここの払いは俺持ちだと言ったら?」

紅莉栖「なっ!?」

岡部「どぉーした? 感動して声もでないか?」

紅莉栖「なんだか気持ち悪いな」

岡部「きも……!?」

紅莉栖「あ、いや変な意味じゃなくて、急に親切にされると、その……」

岡部「フ、フン! ただの気まぐれだ!」

紅莉栖「はいはい、じゃあ大トロ」

岡部「なっ!?」

紅莉栖「ふふっ、冗談よ、そんな高いのは」

岡部「っ! 大将! 大トロ二皿だッ!」

紅莉栖「ちょっ!?」

ごめん名前蘭消し忘れたorz
もう無効なので。

紅莉栖「ほ、本当にいいの?」

岡部「構わん!」

紅莉栖「う……じゃ、じゃあ遠慮なく」

紅莉栖「あ」

岡部「どうした?」

紅莉栖「フォ、フォークないかしら」

岡部「一応プラスチックのなら備え付けであるようだが」

紅莉栖「この際それでいいわ」

岡部「お前、そういえば箸が」

紅莉栖「う、うるさい! 仕方ないでしょ、はむっ」

紅莉栖「美味しい……」

岡部「そ、そうか」ホッ

紅莉栖「えっと、イカとサーモンと」

岡部「もっと高いものを選んでも良いのだが?」

紅莉栖「私は生憎そこまで厚かましくないわよ。それに好みの問題でもある」

岡部「イカとサーモン好きなのか?」

紅莉栖「それなりにね」

紅莉栖「向こうにもお寿司はあるんだけど、やっぱり日本の方が美味しいわ」

紅莉栖「アメリカのは結構なんちゃって感があってやっぱりちょっとね」

岡部「そういうものか」

紅莉栖「うん、だから今日はその……アリガト」

岡部「あ、ああ……」グッ

紅莉栖「……?」

子供「ねーねー、あのお姉ちゃんフォーク使ってるよー」

紅莉栖「」ビクッ

岡部「……」

親「こら、指差しちゃいけません!」

子供「えー」

紅莉栖「あ、あはは……やっぱ箸覚えた方がいいわね」

岡部「……紅莉栖」

紅莉栖「?」

岡部「口を開けろ」ズイッ

紅莉栖「ふえっ!?」

岡部「いいからさっさと食え」

紅莉栖「で、でででも!」

子供「あ、あのおねーちゃんオニーサンに食べさせてもらっムググ!?」

親「シーッ!」

アリアトッシター

岡部「……」

紅莉栖「……」

岡部「まあ、その、なんだ」

紅莉栖「うん」

岡部「美味かったか?」

紅莉栖「……うん。ごちそうさま」

岡部「ならいい」

紅莉栖「あ、あのさ」

岡部「うん?」

紅莉栖「箸、使えるようになるから、また来ない?」

岡部「フッ、その時は割り勘だぞ」

紅莉栖「もちろんよ」

紅莉栖「でも今日はなんで急に奢ってくれたの?」

岡部「気まぐれだ」

紅莉栖「それだけ?」

岡部「……埋め合わせもある」

紅莉栖「埋め合わせ?」

岡部「今日は、いや、最近はすまなかった」

紅莉栖「あ、そのことか……ん」

岡部「虫の良い話だが、これで水に流してもらえると」

紅莉栖「いいわよ、もう気にしてない」

岡部「そうか。一人で帰れるか?」

紅莉栖「ええ、また明日」

岡部「ああ、またな」

岡部「……」

岡部「……」グッ

岡部「俺だ」ガチャ

岡部「オペレーションセーフリームニルは無事成功した」

岡部「ああ問題ない。王の財宝(ゲートオブバビロン)はかなり寂しくなったがな」

岡部「フッ、俺を誰だと思っている?」

岡部「ああ、わかっている」

岡部「それではな」

岡部「エル・プサイ・コングルゥ」

紅莉栖「岡部も良い所あるんだな」

紅莉栖「ん? あれはメイクイーンにパトカー?」

紅莉栖「あ、フェイリスさんだ」

フェイリス「ニャニャ? クーニャンどうしたニャ?」

紅莉栖「フェイリスさんこそ。パトカーが停まってるけど」

フェイリス「ニャニャ、実は泥棒が入ったのニャ」

紅莉栖「泥棒?」

フェイリス「そうニャ、今店内の監視カメラで映像確認するところなのニャ」

紅莉栖「へぇ、なんだか大変そうね」

フェイリス「良かったらクーニャンも見ていくニャ?」

紅莉栖「え? 良いのかしら?」

フェイリス「良いのニャ」

紅莉栖「えっと」


岡部『一体なんのつもりだダル!』

ダル『それはこっちの台詞っしょ、仲良くする気あるん?』

岡部『……それは』

ダル『どんどん口が出ちゃうのはわかるけど、それだけじゃこの先やってけないのだぜ』


紅莉栖「岡部と橋田?  そういえばメイクイーンに行くって言ってたっけ」

フェイリス「丁度凶真たちがいる間にお店に来て、いなくなった少ししてから犯人は動き出したみたいなのニャ」

紅莉栖「ふむん」


岡部『そ、それはわかっているのだが、いざ紅莉栖を前にするとな、つい思ってもないことを』


紅莉栖「ん?」



紅莉栖「ん?」

フェイリス「あーそういえばダルニャンと凶真話し込んでいたニャン」

紅莉栖(あれ? なんか頬が熱い)


ダル『しっかしあのオカリンが本当に目も合わせられないとは』

岡部『気付いたか?』

ダル『バッチリ』

岡部『まさか紅莉栖にも?』


紅莉栖(なんか最近目を合わせないと思ったら……やばい頬が熱い!)

フェイリス「」ニヤニヤ

ダル『でもさ、こういっちゃなんだけど牧瀬氏ってそんなに美人?』

岡部『は?』

ダル『いや、可愛いとは思うけどさ、ちょっとキツイイメージもあるしオカリンがそうなるほどではないと思われ』

岡部『鳳凰院パンチッ!』ドゴッ

ダル『いたいお!』

岡部『次はボディじゃなくフェイスに飛ぶから覚悟しておけダル』

ダル『オカリン目が笑ってない件について』

岡部『だいたい俺は紅莉栖の見た目だけに惚れたわけではない』


紅莉栖「ふえええええええっ!?」

紅莉栖「惚れっ、惚れええええええええ///」

岡部『俺は紅莉栖の話す理論に痺れて、実は気の弱い一面もあって』

岡部『それでも必死にそれを隠そうとしている紅莉栖が可愛くてたまらない』

ダル『わ、わかったからオカリ……』

岡部『いいか! 実は@ちゃんねらーでありながらそれを隠しているつもりなんだぞ? 萌えるだろ?』


紅莉栖「はうあ///」

紅莉栖(やばい、なにこれやばい)

紅莉栖(お、落ち着くのよ牧瀬紅莉栖)

紅莉栖「この興奮もセルトリンによって徐々に沈静化されるはず……」


岡部『落ち着いてなどいられるか! そもそもあいつは本当に真っ直ぐなやつでな、自分を曲げることを良しとしないしっかりとしたやつなんだ』


紅莉栖「あわわわわわわわわ///」

岡部『だが、若干ナイーブなところもあるあいつが俺は良いと思う』

ダル『護ってあげたくなるんですねわかります』

岡部『そうだな、それでいてあいつはいつも人を気遣う。俺も何度助けられたことか』

ダル『ほっほ。それだけ優良物件ならアメリカに彼氏の一人でもいるんじゃねー?』

岡部『……だよな』ハァ


紅莉栖「モ、モウヤメテ……私のライフはゼロよぉぉぉぉぉ……」

フェイリス「ニャニャ? これからが良い所なのニャン。凶真がクーニャン可愛さにダルニャンの顔面をこうビシィ! っと」

紅莉栖「たははぁぁぁぁ///」

紅莉栖(お、岡部が最近いろいろちょっかいかけてきてたのは……そういうこと?)

紅莉栖(もしかして元気がなかったのは……)

紅莉栖(私を誘おうとして失敗)

紅莉栖(喧嘩)

紅莉栖(自己嫌悪)

紅莉栖(それって)

紅莉栖(うぴぃぃぃぃぃぃ///)

紅莉栖(良かった、これを見たの一緒に食事した後で良かった……!)

紅莉栖「やばい」

紅莉栖「とりあえず逃げるようにホテルに戻ってきたわけだが」

紅莉栖「どうしよう?」

紅莉栖「これって岡部も私が好きってことよね?」

紅莉栖「~~~~~///」ジタバタ

紅莉栖「お、落ち着くのよ、証明、そう証明が必要」

紅莉栖「ここは客観的に物を見ないと」

紅莉栖「こういうときは……」

1 :栗悟飯とカメハメ波 2014/01/13(月) 15:01:45.75 ID:2I4c9Z9Z0
   好きな人とひょんなことから相思相愛だったっぽい。
   どうすればいい?

2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:02:30.93 ID:jolVaF4F0
   2get

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:03:45.62 ID:4doc/hAeG
   SEX

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:03:56.63 ID:k4aRDFUi0
   kwsk

6 :栗悟飯とカメハメ波 2014/01/13(月) 15:04:45.75 ID:2I4c9Z9Z0
   偶然彼と彼の友人が話しているビデオがあって、二人はそれを取られていることを知らない。
   で、その中で私の事を好きだと言ってた。ちなみに今日その彼に食事奢られた。

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:05:20.97 ID:vn2vBiAy0
   釣り乙

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:06:44.68 ID:4doc/hAeG
   SEX

23 :栗悟飯とカメハメ波 2014/01/13(月) 15:23:58.05 ID:2I4c9Z9Z0
   告白とかした方がいいのかな。
   今思えば結構アプローチだったのかもってもある。実は私も大好きだった。

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:25:25.93 ID:jolVaF4F0
   >>1が好きならいいんじゃね?

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2014/01/13(月) 15:26:34.68 ID:4doc/hAeG
   SEX


紅莉栖「だめだ、あまり参考にならない。おまいらェ」

紅莉栖「そもそもコイツずっとせ、せ、せっく……///」

紅莉栖「もしかしてプリンが一杯あったのも私の好きなカップめんが増えてたのも、そういうことだったんだろうか」

紅莉栖「最近のあれは岡部の照れ隠し……?」

紅莉栖「///」

紅莉栖「は、はろー」

岡部「む、ああおはよう」

紅莉栖「」チラッチラッ

岡部「? どうした」

紅莉栖「な、ななななななんでも!?」

岡部「おかしな奴だな」

紅莉栖「べ、別に私はおかしくない、全然おかしくない!そもそも普段からおかしいアンタに言われたくない!」

岡部「む」

紅莉栖「あ、いやちが……ちがうの」

岡部「フ、貴様もようやくこの混沌を理解してきたようだな、フゥーハハハ!」バサ

岡部「俺だ、助手もようやく我が手中に落ちた! 何? 物資が切れかけている? ならば俺自ら手に入れてこよう!」

岡部「出かけてくる!」

ダル「オカリンヘタレ過ぎっしょ、あれだけで逃げるとか」

紅莉栖「あの、橋田」

ダル「なんぞ?」

紅莉栖「じ、人生相談があるわけだが」

ダル「僕は牧瀬氏の兄じゃない件について。でもま、聞くだけ聞くお」

紅莉栖「お、岡部が」

ダル「?」

紅莉栖「岡部が好きすぎて生きているのが辛い」

ダル「……」

紅莉栖「……」

ダル「……ファッ!?」



おしまい

ちょっと離席しなきゃいけなくなったからキリの良いところで終わらせた。
見てくれてありがとう。

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