卯月「765プロのみなさんに、果たしあいを申し込みます!」(398)

千早「みなさん、こんにちは」

春香「生っすか!? サンデー! スペシャルですよ、スペシャル!」

美希「今日はゲストの人達が来てるの!」

春香「それではさっそく……」

??「はぁーっはっはっはっはー!」

美希「はっ、な、何者なの!?」

卯月「この素晴らしい番組は、我々がのっとらせてもらいますよ!」

千早「……な、なんてことなの、どうしましょうかー」

春香「うわぁ、これは大事件ですよ! 見逃せませんね!」

卯月「そう……私達は、765プロのみなさんに、果たしあいを申し込みます!」


島村卯月(17)

うじゅき

千早「というわけで、今回の生っすかは特別企画。CGプロモーション出身アイドルの方々との対決をします」

卯月「よろしくお願いします! 頑張ります!」

春香「うん、正々堂々……負けないよ!」

凛「よろしくお願いします」

美希「スペシャルだけあって、放送時間も拡大らしいの……最初の対決は……」

美希「あれ? ミキ?」

千早「そうみたいね」

卯月「対決内容は、事前に決めてきました!」

美希「ふーん、でもどんな勝負だってミキ負けないよ?」

凛「……うちのジョーカーを切りますから、どうなるかはわかりませんよ」

美希「へぇ、上等なの! どーんと来いってカンジ!」


渋谷凛(15)

ジョーカーといえば、きらり か 杏 か

春香「最初の対決はこちら!」

卯月「『記憶力・演技力・気力! 誘惑に打ち勝て、リトルパフォーマンス!』」

凛「これから、対決する2人には台本をお渡しします」

卯月「そして、しばらく台本を読んで暗記する時間をとります!」

凛「そのあと、2人には台本通りの演技をしていただきます。ただし……」

卯月「暗記するためにある部屋にはさまざまな誘惑がいっぱい!」

凛「……この誘惑に打ち勝って、なおかつしっかりとした記憶、さらにはそれを披露する演技力が必要となる対決です」

美希「うん、わかったの……それで、そっちのヒトは?」

卯月「えぇ、星井美希さんといえば天才アイドル。あふれる才能……つまり、うちのアイドルでもとびっきりのを呼んでいますよ!」

凛「……いろんな意味で、だけどね」

卯月「さぁ、杏ちゃん! おねがーい!」

やる気ないのキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

 ……シーン……

卯月「……あ、あれ?」

春香「え、えーっと……」

凛「……ちょっと呼んでくる。卯月、お願い」

卯月「あ、うん! ……え、えーっと。お、お腹がいたいのかなー?」

春香「た、大変ですね! あはは……」

卯月「えぇ、そ、そうなんですよー! あはは、あはははは……」

千早「……生っすか!

 ――CM――

 ――CM明け――

凛「ご迷惑をおかけしました」

卯月「改めて、うちのジョーカー!」

杏「……ふたばあんずでーす、印税生活狙ってまーす」

春香「よ、よろしくね……?」

杏「うぅ、詐欺だ……すごく楽な仕事だって聞いてたのに対決なんてめちゃくちゃ疲れるじゃないかー!」

美希「ミキとの勝負だったらミキが勝つに決まってるから、サクッと終わらせられるよ?」

杏「あ、それは楽かも……」

凛「杏?」

杏「……はーい。わかってるってば、もう……」

杏「悪いけど、杏にも負けられない理由があるんだ! やる時はやる女ってところみせてあげるよ!」

美希「ふぅん、やれるものならやってみやがれ、なの!」


双葉杏(17)

wkwk

千早「さて、これが台本……でいいのかしら?」

卯月「はい! そしてこれの内容は私達も知りません!」

美希「へぇ……思ってたよりも分厚いね……」

杏「う、重い……やっぱり帰って……」

凛「……」

杏「……はーい、がんばりまーす」

春香「そして2人にはそれぞれ控室が用意されてますよ!」

卯月「心地よい環境音楽、さまざまな娯楽アイテム、美味しいおやつにおにぎり、飴、ふっかふかのお布団!」

凛「……正直、これで集中を乱されるのはどうかと思うけど」

卯月「凛ちゃん、そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」

凛「なんで今ちょっとえなりかずき風になったの?」

千早「美希、頑張ってね」

美希「任せて! お布団なんかには絶対負けないの!」

入室一番に負ける

美希「……やっぱりおふとんにはかてなかったの……むにゃむにゃ……」

千早「美希ィ!」

春香「開始直後、いきなり布団にくるまるとそのまま睡眠の体制に……のび太くんもびっくりです」

卯月「チャンスだよ杏ちゃん! 今のうちに……」

杏「……zzZZ」

卯月「既に寝てる!?」

凛「……とりあえず、暗記時間が終わるまでは行動は自由ってことになってるからそっとしておこうか」

春香「えー、とりあえず……次の対決にいきましょう!」

千早「いきなり幸先が悪い気がするわ……」

卯月「す、すみません……」

千早「次は……響チャレンジ特別編みたいね。我那覇さん?」

響『はいさーい! 中継繋がってるぞ!』

卯月「我那覇響さんといえば、活発な運動量、何事にもひるまない挑戦力!」

響『えへへ、褒められると照れるなぁ……まぁ、自分完璧だからな!』

卯月「そして、自分のことを完璧だと言えるほどに高めている自己研磨の精神……」

凛「プロだからね、やっぱりすごいと思う」

卯月「そんな響さんに対抗できるアイドルは、この子しかいない! という子を連れてきましたよ! 間もなくそちらにつくはずです!」

響『へぇ……楽しみだなぁ』

春香「響ちゃん、映像そちらにお渡ししまーす!」

響「はーい!」

響「はいさい! 今週の響チャレンジの時間だぞ!」

響「それで、自分と対決するっていう子は誰かな?」

??「どうもすみません、お待たせしました」

響「お、キミかな? 名前は?」

幸子「ボクですか? ボクの名前は輿水幸子!」

幸子「このアイドル界で一番カワイイ女の子です!」

響「お、おぉ……」

幸子「我那覇さんもカワイイですけれど、ボクはその上をいくかわいさですからね! まぁ落ち込まないでください」

響「なんだか、変わった子だぞ……」


輿水幸子(14)

響「それで、対決って何をするんだ?」

幸子「さぁ、それはボクも聞いてませんでしたから」

響「え、そうなの? うーん、一緒に走るとかなのかな……」

幸子「おや? どうしたんですかスタッフさん……これを読めって?」

響「えーっとなになに……?」

響「『響チャレンジでは、これまでマラソンや卓球など陸の競技、スキューバや素潜りなど海の競技をしてきました』」

響「『そしてそのいずれでも成功をおさめ、やはり我那覇響は完璧だという証明をしてきました』」

響「ふふん、あたりまえだぞ!」

響「えーっと……」ペラッ

響「『今回のゲスト、輿水幸子さんは自称・天使とのこと。確かにとてもカワイイです』」

幸子「ふふん、それほどでもありますけどね」

響「『そのため、天使にふさわしい企画として……』……!?」

幸子「おや、どうしたんですか?」

響「『スカイダイビングに挑戦していただきます』」

幸子「……え?」

響「こ、今回の響チャレンジは……スカイダイビングだって……」

幸子「ちょ、ちょっと待ってください! 聞いてませんよ!?」

響「自分だって聞いてないぞ!」

幸子「ちゃんとインストラクターの人と一緒だから安全です、じゃなくて、ちょっと!?」

響「うぎゃーっ! 流石に空は飛べないぞー!」

幸子「だいたいこれでどうやって勝敗を……え? チャレンジすることが大事? そういう話じゃなくてっ……!」

春香「……あっ、戻ってきてます? え、えーっと」

千早「壮絶ね……」

卯月「……スカイダイビングとは聞いてませんでした」

凛「アイドルのお仕事ってなんだっけ?」

春香「と、とにかく! 気を取り直して次の対決にまいりましょう!」

千早「我那覇さん達は今ヘリコプターで移動中らしいです。チャレンジスタートは追って連絡が入るようなのでご心配なく」

卯月「そ、それでは次は……」

凛「萩原雪歩さんへの挑戦です」

春香「雪歩へ……かぁ」

千早「真とのペアではなく、雪歩個人との対決なのね?」

凛「はい」

春香「つまり、菊地真改造計画的な他の人へのコーディネート対決ではないということだね?」

卯月「はい、そうですね……萩原雪歩さんといえば、その強い芯」

卯月「さらにいえば、一見引っ込み思案にも見える優しさ。そしてお茶の淹れ方の上手さというのも有名ですね」

千早「お茶のCMにも起用されていたわね」

卯月「そんなわけで……と、思っていたんですが」

春香「どうしたの?」

卯月「……えー、実は本人からどうしても『萩原雪歩さんに会いたい!』という希望があったので」

卯月「対決するアイドルを変更してしまいました」

春香「雪歩のファンの子ってことかな? いやぁ、光栄かも」

凛「……卯月、あれ通しちゃったの?」

卯月「だって、すごく悲しそうな顔されちゃって……ダメって言えないよ……」

千早「? ……あ、中継が繋がっているみたいですね。萩原さん」

雪歩「は、はい! ……あの、私1人で対決なんて……」

雪歩「やっぱり無理ですぅ! あ、穴掘って埋まってます!」

<にょわー☆ 待ってまってー!

雪歩「ひっ!?」

??「うきゃー! 雪歩ちゃんだ! 本物? 本物だよね? ハピハピすぅ!」

雪歩「あ、あなたが……私と対決する……」

きらり「にょわっ! そーそー! きらりね、雪歩ちゃんのことだーい好きなんだにぃ☆」

雪歩「……や、やっぱりむりですぅ……」

きらり「うきゃ?」


諸星きらり(17)

雪歩「だ、だって……こんな大きな人と対決だなんて私……」

きらり「はっ、そうだ! あのねあのね、きらりこれで対決して欲しいんだにぃ!」

雪歩「ひぅ……え、これって……」

きらり「お茶の淹れ方たいけつー☆」

雪歩「お、お茶……なの……?」

きらり「そーそー☆」

雪歩「……」

きらり「あのね、きらりおしとやかーになりたいんだにぃ……」

雪歩「そ、そうなんだ……」

きらり「きらりね、テレビで雪歩ちゃんみてて、すっごく乙女ー☆ ってかんじでかわいーって思ってたんだにぃ」

雪歩「あ、ありがとう」

きらり「それでね、今度のテレビでは雪歩ちゃんとしょーぶ! って聞いたから、きらり雪歩ちゃんに会ってみたいと思ったんだにぃ!」

雪歩「そうなんだ……」

きらり「きらりね、好きなものいーっぱいあるけど、でも落ちつきがなーいって怒られちゃうの……」

雪歩「……」

きらり「だから、雪歩ちゃんにお茶の淹れ方を教えてもらったらおしとやかーでしっとりきらりんになれるかもって思ったんだにぃ!」

雪歩「ふふっ……そっか。うん、わかった」

きらり「ほんと!?」

雪歩「うん。いいよ、一緒にお茶を淹れてみようか」

きらり「にょわー! りょーかいだにぃ!」

勝負とは異なるほのぼのした雰囲気になりそうな予感
ただしセットは壊れる

雪歩「お茶の葉の種類にもよるけど、今回は緑茶でやってみようか」

きらり「うん!」

雪歩「まずはお湯の温度がね……」

きらり「ふむふむ……」

雪歩「それで、茶葉を蒸らして……あと、ちゃんと湯呑の温度も考えたほうがいいかな」

きらり「むつかしーにぃ……うむむむ……」

雪歩「大丈夫、ゆっくりやっていこう?」

きらり「にょわっ!」

雪歩「それじゃあ、まず最初から順におさらいしてみよう。大丈夫かな?」

きらり「がんばるにぃ!」

きらり「えーっと、まずはお湯の温度を下げてー」チャプチャプ

雪歩「その時に湯呑みもあっためるといいんだよ。うん、上手」

きらり「うぇへへへー☆ ……えーっと、それで、お茶っ葉をー」スッ

雪歩「あっ……気をつけないと」

きらり「にょわっ!?」ドザッ

雪歩「……いっぱい入っちゃったね」

きらり「……ご、ごめんなさい……」

雪歩「ううん、大丈夫だよ。失敗は誰にでもあるから」

きらり「でも、きらり……」

雪歩「大丈夫、大丈夫……ね?」

きらり「にょわ……」

やっぱりにょわっちゃったかー

雪歩「失敗しちゃっても、終わりじゃないよ。こうして……」

きらり「うきゃ?」

雪歩「私のお茶も一緒に淹れちゃおうかな? それならちょうどいい分量になるし」

きらり「そっかー、やっぱり雪歩ちゃんすごいにぃ!」

雪歩「え、えへへ。そんなことないよ……」

きらり「きらりやっぱりやまとなでしこーでおとめーな雪歩ちゃんのこと大好きだにぃー☆」ギュゥウー

雪歩「きゃっ!? ちょ、ちょっときらりちゃ……」

きらり「んにぃー☆」ギュゥ…

雪歩「ふふ……うん、ありがとう」ポンポン

きらり「うぇへへー☆ きらりしゃーわせー☆」

かわいー

常にバストアップの1カメ2カメ切り替えかまたは
ひたすらカメラ引いてきらり基準の撮影、結果雪歩がえらいちっちゃく……
ぷちます(意味深)

卯月「友情っていいですね!」

春香「うん、とってもいいものを見れたね!」

凛「……対決ってなんだっけ?」

千早「私も少しわからなくなってきたわ」

春香「えーっと、しばらく一緒にお茶の練習をするそうです!」

卯月「そ、それでは次のアイドルを呼ばせていただきます!」

春香「よし、ばっちこーい!」

卯月「続いては……ってそろそろCMの時間じゃないですか?」

春香「え? 本当だ……続きはCMのあとで!」


 ――CM――

<あみまみちゃーん \とくべつへん/


亜美「……」スッ

真美「……」ススッ

亜美「……」ペタ

真美「……」ペタペタ

亜美「……」ムクリ

真美「幽体離脱」

じわじわくる

城ヶ崎莉嘉(12)
城ヶ崎美嘉(17)



美嘉「……」スッ

莉嘉「……」サッ

美嘉「っ……」ググッ

莉嘉「……」バッ

美嘉「サボテン」

かぶとむしキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

――

春香「生っすか!」

卯月「はい、というわけで」

凛「ちょっと待って」

卯月「どうしたの、凛ちゃん?」

凛「今のは?」

卯月「姉妹アイドルには姉妹アイドル。双海亜美さん、双海真美さんには城ヶ崎姉妹をぶつけました!」

凛「対決だったの!?」

卯月「……そういう見方もありかな」

凛「今までので一番対決っぽくないけど?」

卯月「それはほら、見解の相違ってやつだよね!」

てかよく考えたらこれ全身タイツだよな?
おねえちゃん「っ……」とかいってんのもしや恥ずかしがって……?

春香「勝敗はつかなかったみたいですね!」

凛「春香さんもそれでいいんですか?」

春香「これからも時々あみまみちゃんは挟みますから、そこで決着がつくかもしれませんしね!」

凛「……」

千早「まぁ、なんでもいいですけれど」

卯月「そして次の対決に参ります!」

春香「はい、次はなんでしょう!」

卯月「次に挑戦させていただきたいアイドルは……菊地真さんです!」

春香「ほほう?」

卯月「菊地真さんといえば、王子様……というのが一般的なイメージです」

春香「ということは、それ以外の要素を使うってことなのかな?」

卯月「はい! 当社の調べでは菊地真さんは誰よりもお姫様に憧れる純情乙女という結果が出ているんです!」

春香「なるほど!」

卯月「よってこちらもお姫様に憧れる女の子をぶつけさせていただこうと思います!」

凛「え、あれは却下って……」

卯月「ぶつけさせていただこうと思います!」

凛「……」

春香「それじゃあ、中継繋ぎます。真ー!」

真「はーい!」

真「へへっ、いやぁ……今回はお姫様対決なんですって?」

真「ボクにもやっと、そういうイメージが……嬉しいなぁ」

真「それで、今回の対戦相手の子は……?」

??「むふふっ……よろしくおねがいしますぅ」

真「うわぁっ!? え、えーっと」

日菜子「失礼しましたぁ……喜多日菜子です。よろしくお願いしますぅ」

真「ひ、日菜子ちゃんだね? よろしく!」

日菜子「あぁ、呼び捨てで結構ですよぉ」

真「う、うん……じゃあ、よろしく。日菜子」

日菜子「……むふっ♪」


喜多日菜子(15)

真「『とりあえず、理想の王子様のイメージを語れ』……だって」

日菜子「うーん、理想の王子様のイメージですかぁ……そうですねぇ」

真「白馬に乗ってる、なんて……古いかな?」

日菜子「……! むふっ、やっぱりわかってますねぇ」

真「えっ?」

日菜子「日菜子もやっぱり、王子様は白馬に乗ってやってくるものだってイメージですよぉ……そしてそのままさらわれちゃうんです」

真「王子様にさらわれる、かぁ……強引なんだね」

日菜子「でも、実は王子様は昔から自分のことを知ってるんですよぉ」

真「あ、それならちょっとわかるかも! 何年も前にお忍びで外に出た時に一目ぼれされちゃうんだよね!」

日菜子「その通りですぅ……むふふっ♪ ロマンチックですよねぇ」

真「それで、さらわれて一緒に暮らすの?」

日菜子「王子様と一緒に暮らすのもいいですねぇ……そこで幼馴染の男の子が助けに来るっていうのもなかなか……」

真「愛の板挟みだね……あぁ、切ない恋! いいなぁ」

日菜子「まったくで……あれ? はぁい、わかりましたぁ」

真「んーと……『では、そんな王子様にさらわれてしまう女の子のファッションをしてください』……?」

日菜子「むふふっ……はりきっちゃいますよぉ」

真「王子様にさらわれる女の子か……よーし、負けないからね!」


――しばらくおまちください――

卯月「というわけで、今回の審査員は私達です!」

春香「王子様にさらわれる女の子かー。真じゃないけど、憧れる気持ちもわかるなぁ」

千早「私は特に……」

凛「……なんというか、ようやくまともな対決になる気がするけど」

春香「……それは、どうかな?」

凛「え?」


日菜子『準備できましたよぉー』

千早「あぁ、もう大丈夫みたいですね。それでは先に喜多さんから疲労してもらいましょう」

>>74
誤字った 疲労→披露

日菜子『むふっ……♪』

春香「おぉっと、これは!?」

卯月「なるほど、今回のテーマを生かしてきましたね!」

千早「はぁ、そうなのかしら……?」

凛「確かに、村娘って感じにまとめてあるね……」

日菜子『王子様が一目ぼれして、思わずさらってしまった女の子……』

日菜子『それはつまり、王子様が見たこともなかった女の子ってことですよぉ』

春香「清楚系ながらも、強く生きているイメージ!」

卯月「なるほど、田舎娘というテーマでここまで仕上げるとは流石日菜子ちゃん!」

春香「すごいですね!」

卯月「妄想癖以上にファッションリーダーですから!」

千早「……春香、楽しそうね」

凛「また卯月が暴走してる……」

日菜子『あぁ、どうして日菜子のことをさらおうなんて思ったんですかぁ……?』

日菜子『日菜子はただ、毎日を一生懸命生きていただけなのに……家に帰してください……』

春香「小芝居が始まったぁ!」

卯月「日菜子節全開だぁ!」

凛「……そろそろ得点発表してもいいんじゃないかな」

千早「そうね、私もそう思うわ」

日菜子『あぁ、でもそんなに強く求められたら日菜子はもう……って、えぇ、終わりですかぁ?』

春香「もう少し見たかったなー」

卯月「凛ちゃんのケチー」

千早「春香、まだ先はあるんだから……ね」

凛「私達が何をしに来たのか忘れそうだね、卯月……」

春香「さて、改めて得点は!」

卯月「9点!」

千早「8点」

凛「……8点」

春香「私は10点あげちゃいます! 合計は……」

卯月「35点! 高得点ですね!」

日菜子『むふふっ……ありがとうございますぅ』

春香「しかし、真の準備は……え、できた?」

卯月「おぉ、菊地真さんのファッションですね! 楽しみです!」

凛「……」

千早「……大丈夫かしら?」

真『きゃっぴぴぴ~ん☆ うぇぇん、おうじさまってばひどいナリぃ……』

真『ボ……わたしがかわいいからって、強引なのはダ・メ♪』

卯月「」

春香「」

千早「……あぁ、やっぱり」

凛「……なんというか、その」

千早「どうしたの?」

凛「個性って、大切ですね」

千早「……そうね、個性よね」

真『あれ? おかしいなぁ……マイクと映像繋がってるー? 春香ー?』

千早「えぇ、大丈夫よ。繋がっているわ」

真『そう? よかったぁ……へへーん、さてはあまりにも可愛すぎて言葉を失っちゃったナリね~♪』

凛「……」

千早「……えぇ、そうね」

卯月「……はっ!?」

春香「まさか、歴史は繰り返すってことなの……!?」

真『あ、ようやく聞こえた。どうかな?』

卯月「えーっと、なんというか、その」

春香「……フリッフリですよ、フリッフリ……」

千早「……王子様がさらった目的が変わってくるんじゃないかしら?」

凛「……すみません、こういう時になんて言ったらいいかわからなくて」

春香「……得点は?」

卯月「えっと……ろ、6点……」

千早「2点」

凛「……さ……5点」

春香「……ごめんね真、3点で。合計は……」

卯月「16点、です……」

真『えぇー!? なんで!?』

春香「いや、うぅん……その、ね」

千早「真……あなたはあなたのままでいいと思うの」

真『これだってボクだよ! 可愛い服着たらダメなの!?』

真「なんだよ、もう……皆ひどいよ……」

日菜子「うーん、でも日菜子も同感ですねぇ」

真「な、なんだと!?」

日菜子「せっかく菊地さんは良い素材をもっているのにもったいないですよぉ……」

真「え?」

日菜子「まずはその健康的な身体。それは今回の条件ではかなり有利な方向に進むはずでしたよぉ」

真「そ、そうかな? でも可愛い服を……」

日菜子「可愛い服は王子様に選んでもらえばいいんですよぉ……その王子様に、見つけてもらえる服を着るのが大切なんです」

真「な、なるほど」

日菜子「まずはフリフリをやめてですねぇ……」

日菜子『できましたよぉ……むふふっ♪』

真『こ、こういうのはあんまり着ないんだけどなぁ……に、似合わないような……』

春香「ありったけの夢をかき集め!」

卯月「探し物探しにいくのさ!」

凛「……ワンピース?」

千早「なるほど、ボーイッシュさとかわいらしさを両立するために小物を使っているのね」

日菜子『とってもかわいらしい女の子なんだから、無理に着飾る必要はないんですぅ……』

真『可愛い女の子だなんて……うん、ありがとう、日菜子……』

日菜子『王子様はやっぱり男の人に限りますよねぇ……むふっ♪』

真『……うん』

卯月「初勝利です!」

凛「というか、初めてまともに勝負をしたような気が……」

卯月「このまま勝たせていただきますよ、765プロさん!」

春香「はーっはっはっはぁ! できるものならやってみるがいいわー!」

千早「は、春香……」

春香「というわけで、まだまだ対決は続きますよ!」

卯月「はい! 次は……と、その前に」

春香「美希と、杏ちゃんの様子を見てみましょう!」

卯月「お願いします!」

春香「まずは美希! 映像繋がってます……どれどれ」

美希『……』

千早「今起きたところみたいね……あれは?」

春香「ゆっくりと起き上がって……台本に手をかけるのか!?」

美希『……あふぅ。お腹すいたの……』

春香「あぁーっと違う! 台本の近くに置いてあったおにぎりだぁ! おにぎりを掴んだ!」

千早「そのまま口に持っていったわね」

美希『……!』

春香「おっと、なにかに気がついた様子だ! 何をしないといけないのか思い出したのか!?」

千早「寝ぼけていて忘れていた可能性もあるわね……さぁ、台本に手を伸ばすのかしら?」

美希『このおにぎりすっごく美味しいのー!』

春香「違ったよ、千早ちゃん!」

千早「そうね、そうだったみたいだわ」

??「やっぱりこんなの誰得誰望だったんです!」

卯月「春香さん達の方は前途多難みたいですね!」

凛「うちはどうなってるかだいたい想像がつくけどね」

卯月「さぁ、それはどうかな!?」

凛「……楽しそうだね」

卯月「うん! さぁ、杏ちゃんはどうなってるかなー!?」

杏『……』

凛「……」

卯月「……」

杏『……zzZ』

凛「寝てるね」

卯月「そうだね」

凛「最初に確認した場所から移動もしてないね」

卯月「そうだね……」

凛「……次の対決いこうか」

卯月「そうだね!」

 ~~~♪

貴音「四条貴音の、らぁめん探訪」

貴音「今週は特別編となっております」

??「ふ、ふはぁーっはっはっはっは!」

貴音「むっ、何奴!」

蘭子「我が名は神崎蘭子! 漆黒の闇に、包まれるがよい!(神崎蘭子です。よろしくお願いします!)」

貴音「面妖な……」


神崎蘭子(14)

蘭子「私は招かれざる客なれど、あなたへの憧れは消えぬ!(今回の特別編のゲストは私です! 実は私貴音さんの大ファンで!)」

貴音「ふむ……わたくしへの憧れですか?」

蘭子「う、うむ! 銀の女王たるあなたの傍にいると……ククク、血が、滾る……!(は、はい……も、もうそばにいるだけでドキドキしちゃって……)」

貴音「ふふふ……此度の出会い。また素晴らしきものとなりそうです」

蘭子「これもまた、出会いの引力……フフフ……(が、がんばります……)」

貴音「それでは、参るといたしましょう」

蘭子「ふははは! 望むところよ!(はいっ、よろしくお願いしますっ!)」

貴音「これはこれは、心強いですね」

貴音「らぁめん二十郎です」

蘭子「」

貴音「今回の二十郎は本店ではなく、府中に参りました」

蘭子「に、じゅうろう……」

貴音「はい。今回はやる気も十分とのことでしたので」

蘭子「……うむ……」

貴音「こちらの店は本店に比べ、麺が太いとのこと。それによる絡みの違い……まこと、楽しみです」

蘭子「うむ………」

貴音「どうかなされたのですか?」

蘭子「……ふはは、児戯に等しいわー……(だ、だいじょうぶですー)」

貴音「やる気は十分なようですね。それでは……」

貴音「まずは食券を購入いたします」

蘭子「お前に相応しいソイルは決まった!(それじゃあ、この小を……)」

貴音「ここはやはり、ちゃぁしゅうダブルで参りましょう」カチッカチッ

蘭子「」

貴音「ご安心ください。こちらの支払いはわたくしがいたします」

蘭子「ふ、ふははぁ……く、くるしゅうないぞぉ……(あ、ありがとうございます……)」

貴音「ふふっ、そして注文を……」

蘭子「そ、それでは……」

貴音「メンカタカラメヤサイダブルニンニクアブラマシマシ」

蘭子「わ、私は……えっと……」

蘭子(う、うぅ……なんていえばいいんだろう……わ、わからないよ……)

蘭子「お、同じものを……?」

貴音「ほほう……」

 ドンッ!

蘭子「これは……聳え立つ山がごとく……(ま、まるで山みたいな量……た、食べれるかなぁ……)」

貴音「ふふふ……それでは、いただきます」

蘭子「……我が血肉となるがいい……(いただきます……)」

貴音「やる気も十分ということですね」

蘭子「……はぃ……」

貴音「……」モグモグ

蘭子「……」パクッ

貴音「ふむ……なるほど」

貴音「こちらのほうが若干辛みが強いようですね。これもまた、良きものです……」

蘭子「……」パクパク…

蘭子「う……うぅ……」

貴音「おいしゅうございました」

蘭子「我が身にも、限界は存在する……(も、もうおなかいっぱいだよぉ……)」

貴音「ふむ、限界ですか……しかし」

蘭子「私の前に立ったものは、例外なく屍となるのだ……(でも、残しちゃだめだもん……食べなきゃ……)」

貴音「素晴らしい気力です。それならばわたくしが――」

??「その必要は無いわ」

貴音「何奴っ!」

のあ「……名前は所詮記号。意味などないけれど……そうね……私の名前はのあ……」

蘭子「……寡黙の、女王よ……(のあ……さん……?)」


高峯のあ(24)

かな子、早く来てくれ

貴音「ふむ……こちらの、神崎蘭子の同僚ということでしょうか」

のあ「そう……私の、オフだったのだけれど……これもまた絆。縁というものかしら……」

蘭子「う、うぅ……私……このような……(私……食べきれなくて……)」

のあ「あなたの分と……私自身の分……あわせてロット内に食べきれば問題ないでしょう……?」

貴音「なんと……本気ですか?」

のあ「……えぇ……これもまた、星の導きかもしれないわ……」

貴音「……星の?」

のあ「この場で、あなたに出会ったこと……それも、縁……まるで星達が流れるその時のよう……」

貴音「もしや、あなたは」

のあ「この場では、お互いにただの……ラーメン好き。でしょう?」

貴音「ふふっ、そうですね……その通りです」

蘭子「むぅ? こ、この異様な圧力はいったい……(え? な、なんですかこの空気……?)」

のあ「……ごちそうさま。食は、身体を作る要素……そうね」

蘭子「なんと……まさにあれは、宇宙……?(す、すごい食べっぷり……あっという間に無くなっちゃった……)」

貴音「まこと、素晴らしき時間でしたね」

のあ「そうね、またいつか……巡りあうこともあるでしょう……」

貴音「その時はよろしくお願いいたします」

のあ「こちらこそ……」

蘭子「……まさかこの身が置いていかれることがあろうとは……(か、会話についていけないよ……)」

貴音「四条貴音の、らぁめん探訪……今週のげすとは、神崎蘭子と、高峯のあ嬢でした」

貴音「それでは、また……」

蘭子「あっ……闇に飲まれよ!(お疲れさまでした!)」

春香「はい、というわけで今週の貴音さんのラーメン探訪でした!」

千早「その、途中から何を言っていたのかわからなかったのだけれど……」

卯月「大丈夫です! 頑張ればどうにかなります!」

千早「……そういうものなのかしら?」

凛「卯月、変なことを吹き込むのはやめて」

春香「ここで、一旦CMです!」

――CM――

<あみまみちゃーん\とくべつへん/


亜美「……」スッ

莉嘉「……」スッ

亜美「……」グッ

莉嘉「……」クルクル

亜美「ドリル」

莉嘉「からのー」スッ

亜美「……」グルッ

莉嘉「ロケット」

美嘉「……」ググッ

真美「……」ピッ

美嘉「……」ピタッ

真美「東京タワー」

美嘉「からの……」スッ

真美「……」ゴロゴロゴロ…

美嘉「池田屋事件」

卯月「生っすか!」

春香「はい、というわけで次の対決ですよ!」

凛「……というか、美嘉も全身タイツってどうなんだろう。画的に」

卯月「いいんじゃないかな、なんだかふっきれた様子だったから!」

凛「それがよくないんじゃ……あぁ、えーっと……次の対決は……」

卯月「765の良心、水瀬伊織さんに挑戦です!」

春香「伊織に?」

卯月「はい! 伊織さんといえば、お嬢様でありながらそれとは別、自らの実力でスタートした努力家です!」

卯月「そんな伊織さんにぜひ勝負してほしいという子が、こちらにいたんです!」

春香「ほほう……いったいどんな子なのかな?」

卯月「それは……中継、繋がりましたか?」

春香「お、待ってくださいね……はい、大丈夫みたいです! 伊織ー!」

伊織「はーい♪ 水瀬伊織ちゃんです♪」

伊織「えーっと、今日は対決ってことなので緊張してまーす……ドキドキ」

伊織「それじゃあお相手の方に登場してもらいましょう!」

??「ふふっ……流石、プロですわね」

伊織「あっ……あなたは」

桃華「櫻井桃華と申します。テレビの前の皆様は初めまして、の方が多いかしら?」

桃華「以降、お見知り置きを」


櫻井桃華(12)

伊織「櫻井の……」

桃華「えぇ、伊織様にあうのはお久しぶりですわ」

伊織「……芸能界に、入ったのね」

桃華「わたくし自身の力で、わたくしを見ていただくために、ですわ」

伊織「そう……」

桃華「えぇ。この場にいるのは櫻井でも水瀬でもない。ただの『桃華』と『伊織』ですわ!」

伊織「いいわ、上等じゃない! 受けて立ってあげる!」

桃華「負けませんわ!」

伊織「さぁ、勝負の内容は……」

伊織「……はぁ? 初めてのおつかい対決ぅ?」

桃華「まぁ!」

伊織「……おつかいだなんて、そんなもの……はっ」

伊織「伊織困っちゃうー♪」

桃華「いまさら遅いと思いますの」

伊織「……こほん。まぁ、そこはいいとしておつかいだなんて……」

桃華「あら、やはり1人での買いものぐらいはしたことがあると?」

伊織「……そういえば無いわね」

桃華「ふふっ、わたくしもですの」

伊織「だからってねぇ……こんなの、小さな子供向けの企画じゃない……」

桃華「もちろんただのおつかいではありませんわ!」

伊織「へぇ?」

桃華「いかに優雅に、華麗に……素早く目標のものを買って帰ってくるか。その対決ですの!」

伊織「なるほどね……いいわ、受けてあげる!」

桃華「細かな内容についてはわたくしも知りませんの。ですからフェアな対決ですわね」

伊織「にひひっ♪ 伊織ちゃんに勝負を挑んだこと、後悔させてやるんだから!」

桃華「えぇ、いい勝負にいたしましょう!」

春香「これは、まともな対決になりそうですよ!」

卯月「様子は追って放送いたします!」

春香「そしてこのあとは、やよいのスマイル体操のコーナー!」

凛「こちらからもゲストをお送りさせていただきました……大丈夫かな」

千早「高槻さん……聞こえるかしら?」

やよい『うっうー! 大丈夫ですよー!』

千早「それじゃあ、そちらにカメラを渡すわ」

やよい『はーい!』

やよい「今日はゲストの人達もいっしょですー!」

??「ふっふっふ、カエルの気持ちになるですよ……」

やよい「これはカエルじゃなくてべろちょろだよ?」

仁奈「な、なんと……こいつは不覚でごぜーます……」

やよい「大丈夫大丈夫、一緒にうっうー!」

仁奈「う、うっうー!」

やよい「ハイターッチ!」

仁奈「とぉっ!」ペシッ

やよい「いぇい♪」

仁奈「いぇい♪」

やよい「というわけで、市原仁奈ちゃんでーっす!」

仁奈「げろげろー! べろちょろの気持ちになるですよ!」


市原仁奈(9)

やよい「それから……あれ?」

??「あ、あの……私はいいんじゃ……」

やよい「大丈夫です! すっごーくかわいいですよ!」

??「そ、それでも……スモックは、あの……」

仁奈「だいじょーぶでやがりますよ! よく似合ってますから! 幼稚園児の気持ちになるですよ!」

美優「あっ……仁奈ちゃん、ひ、ひっぱらないで……あぁ……えぇと……三船、美優、です……」

やよい「うっうー! 今日は一緒に踊りましょー!」

仁奈「おー!」

美優「お、おぉー……」


三船美優(26)

やよい「みんなー! あつまってーー!」

仁奈「スマイル体操、いくですよー!」

園児「「「わーー!」」」

やよい「絶対ハッピー!」

仁奈「全体ハッピー!」

美優「は、はっぴー……」

園児「おねーさんもっとおどろーよー」

美優「う、うん……」

仁奈「心も身体もほら絶好調♪」

やよい「デキルような ヤレルような♪」

美優「元気いっぱいになったなら……」

やよい「ピカ!」

仁奈「ピカ!」

美優「始めちゃおうっ!」

園児「わー!」

――

凛「……あっ、生っすか!」

千早「なんというか、その」

卯月「美優さん、素敵でしたよね!」

春香「うん、いいよね!」

凛「……いいのかな」

千早「私にはわからないわ」

春香「千早ちゃんもまだまだ青いね……蒼い鳥だけに」

卯月「うまい!」

凛「うまいの?」

千早「……っ……ふふっ……」

凛「え、ツボだったんですか……?」

凛「というか卯月、対決は……」

卯月「気を取り直して対決の続きにまいりましょう!」

春香「よーし、こいっ!」

凛「……完全に忘れかけてたよね」

卯月「なんのことかなー?」

凛「今のはもう対決というか……ねぇ」

卯月「えへっ♪ ……でも、次の勝負は……の前に」

凛「どうしたの?」

春香「おーっと、ここで初めてのお使いに動きがあったようです!」

千早「映像出しますね」

ちーちゃんが笑い死んでまう

子供『うぇぇぇぇん……えぇぇぇん……』

春香「こ、これは」

卯月「泣いている子供! 伊織さんと桃華ちゃんはそれぞれ別のスーパーに向かっていますが、偶然にも! ほぼ同地点にあたる場所で子供が泣いています!」

千早「それって仕込みじゃ……」

春香「偶然だよ!」

凛「……でも、子供が泣いているのに対してどう対処するのか。お嬢様な2人には意外とハードルが高いんじゃないかな」

卯月「流石凛ちゃん、いい目の付けどころだね!」

千早「……いいのかしら」

春香「大丈夫だよ、向こうもプロだからね!」

卯月「まずは765プロ所属、水瀬伊織さんの反応から参りましょう!」

伊織「まったく、おつかいだなんて子供じゃないんだから……あら?」

子供「ぇぇぇん……グスッ……ヒグッ……」

伊織「……」

子供「……グスッ……うぅっ……」

卯月『泣いている子供を発見しました!』

春香『さぁ、どう出る!?』

伊織「……」スタスタ…

春香『おっと、これを意外にもスルー!?』

凛『見破られてるんじゃ……』

春香『そこは抜かりなしだよ! うーん……あれ?』

伊織「……」スッ

卯月『戻ってきましたね!』

春香『どうやら、一旦回り込んで様子をうかがったようですがやはりほおっておけなかったみたいですね!』

卯月『流石です伊織さん。いいえ、いおりん!』


伊織「ねぇ、ぼく?」

子供「……グスッ……だれ……?」

伊織「私は……うーん、まぁ通りすがりの女の子、よ」

子供「……なに……?」

伊織「なんで、泣いてたの? ほら、涙拭きなさい」スッ

 ペシッ

子供「……かんけいないじゃん、べつにっ……ほ、ほっとけよ……」


春香『はねのけたぁ! この子供、いじっぱりだぁ!』

卯月『ここで、じゃあいいよ! となるのか!?』

伊織「……うーん、でもね」

子供「……?」

伊織「そんなぐちゃぐちゃの顔で、関係ないなんて寂しいこと言わないの」

子供「……えっ、あ……」

伊織「ねぇ、お姉ちゃんに相談してみない? 何か困ってるなら力になってあげるから」

子供「い、いいよ……お、俺……ひとりでだいじょうぶだし……」

伊織「……1人で大丈夫、か。そんなことないわ」

子供「な、なにがわかるんだよ……」

伊織「1人でなんでもできるって思ってても、他の人に知らないうちに助けられてたりするのよ? パパやママや、きょうだいにだって」

子供「……でも……」

伊織「うん。なぁに?」

子供「俺、おかあさんが……」


春香『そのままお話を聞く体勢を続けるぅ!』

卯月『流石です! 面倒見がいい!』

春香『あのお話には、経験談も多少含まれていますね……』

凛「……あの2人、イキイキしていますね」

千早「そうね……楽しそうだわ」

凛「卯月にはいつも振り回されていて……」

千早「私も春香にはいつも……でも、それがすごく楽しくもあって」

凛「あぁ、同じですね」

千早「やっぱり? ねぇ、このあとのことなのだけれど」

凛「台本では、あずささんとこちらの代表との対決の後に歌対決、でしたよね」

千早「えぇ……手加減はしないわ」

凛「こちらこそ。胸を借りるつもりで……いいえ、超えるつもりで挑ませてもらいます」

千早「ふふっ、楽しみね……」

春香「ガッツリ話を聞いてあげる体制になった! これは大幅な時間ロスです!」

卯月「でも、そんな優しさ……プライスレス!」

春香「続けて、こちら。CGプロモーションの櫻井桃華さんのほうの映像に移ってみましょう!」

卯月「桃華ちゃんは、どうなんでしょうか……」

春香「さぁ、見させていただきましょう! 千早ちゃん!」

千早「……えっ? あ、映像、どきゅーん……?」

春香「YES!」

凛「……アイドルって大変だなぁ」

ご飯、食べてきます

桃華「ふう、まぁ道に迷うことはありませんが……」

桃華「こうして外をゆっくり歩くというのは、そういえばあまりしておりませんね……」

桃華「……あら?」

子供「うぇぇぇぇぇ……ングッ……グスッ……」

桃華「……子供」

春香『はっきり認識したようです!』

卯月『さぁ、うちのお嬢様はどうでるのかぁー!?』

桃華「……ねぇ、あなた?」

卯月『迷わず話しかけましたぁ!』

凛『卯月、うるさい』

卯月『ごめんなさい』

子供「……なんだよっ……」


春香『おっと! 伊織の時の子供より生意気そうです!』

卯月『良い眼をしていますね!』


桃華「なにって……そうね、あなたが泣いていたから気になったんですの。如何なされたのかしら?」

子供「……かんけーし」

桃華「関係ない? そうかしら」

子供「……グスッ……べつに、なんもねーし……」

桃華「あなた、今泣いていたじゃありませんか」

子供「泣いてねーし! べつにっ、そうでも、かんけーないだろ!」ドンッ

桃華「きゃっ……!?」

子供「ぁ……」


春香『プッシュだぁ!』

卯月『おっと、手が当たってしまったようです! 大丈夫でしょうか!?』

桃華「……」スクッ…

子供「あ、俺……」


春香『立ち上がりましたね』

卯月『子供のほうも、戸惑っています……これはハプニングですが……』


桃華「関係ない、とおっしゃいましたわね」

子供「……う、うん……」


卯月『何事もなかったかのように淡々と話を始めました』

春香『静かな怒りを胸に秘めっていうパターンも考えられます、さぁどうなる……?』


桃華「そのようなことはありえませんわ」

子供「……なんで……?」

桃華「ふふっ……この世に、わたくしに関係のないことなど存在いたしませんの」


卯月『なんと』

春香『ほくと』

子供「な、なにいって……」

桃華「なぜならわたくしは、この世のすべての人に認められる人間になるからですわ」

子供「……」

桃華「ですから、わたくしはこの世のすべての人を認めます。故に、関係のないことなどありえませんの」


卯月『こ……これは……』

春香『ノブレス・オブリージュ……』

凛『……なんですか、それ?』

千早『聞いたことがあります……確か古代中国で』

凛『千早さん!?』

千早『ごめんなさい、なにか話題に混ざらなくちゃとは思ったのだけれど』

千早さんwwww

春香『高貴たる者には、高貴たる振る舞いを、っていう意味だね』

卯月『つまり……桃華ちゃんはお嬢様として、あの子の相手を勤め』

春香『伊織は、相手の目線に合わせて腰を下ろした……』

卯月『どちらがいいという話でもありませんね!』

春香『そうですね、そこは好みでしょう!』

卯月『春香さんは?』

春香『一石二鳥じゃ物足りない。二兎を追うもの二兎とも取れ!』

卯月『なるほど、私もどっちも大好きです!』


桃華「ほら、言って御覧なさい。わたくしが力になるからには必ず解決してみせますわ」

子供「……うん、あのさ……おれ、母ちゃんが……」

桃華「えぇ、それで……?」

春香「2人は子供たちの問題解決に向かったようです」

卯月「お嬢様、その意味。深いですね! 私も頑張らなきゃって思いました!」

春香「それでは続いて、あずささーん!」

あずさ『は~い、こちらあずさです……あら? 聞こえてるのかしら?』

春香「はい、中継がつながってますよ!」

あずさ『あぁ、よかった……その、このあと私の出番だと聞いたのだけれど……』

卯月「三浦あずささんといえば、そのおちゃめさと年に不相応なほどの落ちつきっぷり! ですね!」

あずさ『なんだか恥ずかしいわ~……』

卯月「そんなあずささんに負けないよう、こちらからも大人で、なおかつ年につりあわないようなものをもっている人を推薦いたしました!」

あずさ『あらあら……』

卯月「765の裏の歌姫、とも呼ばれるその美声……やはり対抗できるのはあの人しかいませんからね! 歌対決楽しみです!」

凛「……あれ? 卯月、2回続けて歌対決だったっけ。次は確かダジャレ対決じゃ……」

卯月「映像そちらにお渡しします! おねがいしまーす!」

凛「ちょ、ちょっと?」

あずさ「あらあら……えーっと、あら、もう映っているんですか?」

あずさ「三浦あずさです。今回は対決ということで緊張していますが……」

あずさ「まずは、お呼びいたしましょうか~、よろしくおねがいします」

あずさ「……え、このボタンを押してゲートを開かないとだめ? すみません、つい~」ポチッ

 プシュウゥゥゥゥ……

あずさ「お待たせしました、えーっと……」

??「……予備の、呼び出しボタン……用意しておかないといけませんね」

あずさ「え?」

楓「……はじめまして。高垣楓です」


高垣楓(25)

おばさんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!

好きな処刑方法を選ばせてやる

あずさ「よろしくおねがいします~」

楓「今回は……最初はダジャレ対決と聞いていたんですけれど……」

あずさ「私があまり得意ではないので……すみません」

楓「あぁ、あの……大丈夫です。私も、お話はあまり得意ではなくて……」

あずさ「そうなんですか? でも、普通に……」

楓「途中で何を話したらいいかがわからなくなるので、ついダジャレを……」

あずさ「ダジャレですか~ ……だじゃれをいうのは、だれじゃ~?」

楓「……ふふっ」

あずさ「あ、あら……?」

楓「あ……すみません。その、思わず笑ってしまって」

あずさ「い、いえいえ~、てっきり面白くないと思われてしまったのかと……」

ごめんよーちょっと間違った

綺麗なおば お姉さん

楓「歌での対決ということですけれど……」

あずさ「あまり、自信はないんですけれど……千早ちゃんがするとばかり……」

楓「謙遜は、するだけそん……なんて」

あずさ「そんな、謙遜だなんて……」

楓「……本心で言っていますよ。私は、三浦さんとの対決が楽しみでした」

あずさ「まぁ……そこまで言ってもらえると、張り切っちゃいますよ~」

楓「私も、やるからには負けませんが……」

あずさ「あらあら……えぇ、それでは、ステージの方へいきましょうか」

楓「舞台へ、だいぶ……」ボソッ

あずさ「じゃーんぷ?」

楓「ふふっ……ノリが、いいんですね」

あずさ「あら……間違えたかしら……?」

楓「いいえ、素敵ですよ」

素敵です

卯月「まずは765が誇る裏の歌姫!」

卯月「21歳とは信じられない! 何故か喪服が似合うとネットで話題に!?」

卯月「最近は我那覇さんの家のペットのみんなとお散歩をすると迷わずに済むので助かるそうです!」

卯月「三浦あずささんで、『隣に…』です。どうぞ!」


あずさ『……空に抱かれ雲が流れてく……』


凛「やっぱり、うまい……」

千早「えぇ、そうね……」

凛「あ、千早さん……その、私達の対決は」

千早「このあとだと、ハードルも上がりそうね……でも、だからこそ歌いがいがありそうだと思うわ」

凛「そう、ですね」

あずさ『側にいると約束をした……あなたは嘘つきだね……♪』

あずさ『……』ペコッ

 \ワァァァァァ!/

卯月「流石の盛り上がりです。特設ステージに押し掛けたファンの皆さんの中には泣いている人もいる模様です!」

春香「あずささーん! 聞こえますかー?」

あずさ『あ、はーい。聞こえますよ~』

春香「お疲れ様です! ファンの皆さんも大盛り上がりですね!」

あずさ『うふふ、やっぱり嬉しいわね~』

春香「このあとは、高垣楓さんの歌ですがどうでしょう?」

あずさ『私は、私にできる精一杯をしたし……あとは観客として楽しませてもらおうかしら?』

卯月「ありがとうござます! きっと損はしませんよ!」

あずさ『あらあら、それはとっても楽しみだわ~』

卯月「はい!」

春香「それではこちら、CGプロモーションの25歳児!」

春香「好きな飲み物は日本酒。銀杏や砂肝が好物だそうです!」

春香「おじさんっぽさと子供っぽさ、両方が備わり最強にみえる!」

春香「高垣楓さんで、『こいかぜ』です。どうぞー!」


楓『渇いた風が……心通り抜ける……♪』


千早「……!」

凛「……正直、私よりも楓さんの方が歌はうまいですから。凄いですよね」

千早「……正直驚いたわ」

凛「でも。私が千早さんと対決をしたいと言った時、卯月が応援してくれて……」

千早「なるほど、お互いベストを尽くしましょうね」

凛「はい!」

楓『あの雲を抜けだして……鳥のようにLike a Fly……♪』

楓『……私が、トリでしたね。なんて……ふふっ』ペコッ

 \ワァァ……?/

春香「あーっと、観客の人が困惑しているー! どういう意味だったんでしょうか」

卯月「鳥のように、と最後に歌ったって意味でのトリをかけていたんですね」

千早「くっ……ふふっ……」プルプル

春香「なるほど! 千早ちゃんのセンサーには反応していますね!」

楓『ありがとうございました』

春香「あ、はい! こちらこそありがとうございました!」

楓『こんなに大きなステージで歌うなんて、あまりありませんから……楽しかったです』

春香「それはなによりです。ありがとうございました!」

春香「そしてファンの方の投票結果が出ました!」

凛「……」

千早「……これは」

卯月「三浦あずささん、1260pt! 楓さん、1120pt!」

春香「あずささんの勝ちです!」

あずさ『あらあら……光栄です。ありがとうございます~』

楓『わたしまけましたわ……』

春香「いやぁ、良い戦いでした!」

卯月「流石の貫録ですね。しかし投票結果はこうなりましたが……」

春香「ファンの方々からはアンコールの声が鳴りやみません!」

あずさ『うふふ……嬉しいことですね』

楓『それでは、私が一席……』

凛「え、ちょっ……すみませんあずささん! 楓さんを止めてください!」

あずさ『え? あ、はい。わかりました』

千早「なぜ止めたの?」

凛「アンコールに立つと、ふざけ過ぎるんです……」

千早「ふざけ過ぎる、って……」

凛「そのままギャグのステージにしてしまったり、ノリノリで……」

千早「なるほど、それは確かに危険ね……」

卯月(なんだか違う部分で心配している気がします! 島村卯月です!)

春香(千早ちゃんはダジャレに弱いからね!)

卯月(はっ……流石は春香さん! 直接脳内に!?)

春香(それより、次は千早ちゃんと凛ちゃんの対決だよね! 準備は大丈夫?)

卯月(もちろんです! 島村卯月です!)

(からあげくんください)

千早「でも、このままだとあずささんと高垣さんのアンコールの雰囲気だわ……大丈夫かしら」

春香「あ、千早ちゃん! そこは大丈夫だよ!」

千早「あら、そうなの?」

卯月「三浦あずささんと楓さん。2人にはアンコールに応えてもらおうかと思っています! ファンの皆さんも待ってますから!」

凛「え? ……そのあと改めてでるのはプレッシャーだな」

卯月「え?」

凛「……あれ? 何か変なこと言った?」

卯月「あー、そっか。凛ちゃんはまだ対決内容を知らないんだったよね」

千早「え? ちょっと待って、春香……いったいどういうこと?」

春香「どうって……ふふふん、さぁどういうことだと思う?」

千早「わからないわよ……私は、てっきり」

凛「そうだよ、台本にも私達は歌対決って……」

卯月「なるほど、そういう考え方もあるね!」

春香「私達は、魅力的な千早ちゃん達を見てもらいたいんだ!」

千早「だ、だったら歌を……」

凛「卯月、いったいなんの話を……」

卯月「対決内容はこちらです! じゃじゃん!」

{無茶ぶりにこたえろ! アイドルものまね対決!}

千早「」

凛「」

千早「これは……いったい……」

春香「説明を!」

卯月「はい! この対決は、同じ事務所のアイドルのものまねをしてもらうんです!」

凛「同じ事務所の、アイドル……?」

卯月「うん! そして私と春香さんに誰の真似をしているか当ててもらうの!」

春香「早かった方の勝ちだよ、がんばって千早ちゃん!」

千早「そ、そんなの」

凛「聞いてな……」

卯月「さぁ、誰の真似をするかは私達にはまったくわからないからね! がんばってね凛ちゃん!」

春香「私も一生懸命当てるからね、がんばって! 千早ちゃん!」

凛「卯月……こんなのって……」

千早「……こうなったら、仕方ないわ。正々堂々勝負よ」

凛「……はい、そうですね。どんな形であれ、勝負は勝負ですから」

千早「やるからには後悔のないようにしましょう」

凛(……大人の人達だと少し難しいかな。できればわかりやすいところがいいけれど……)

千早(真や我那覇さんだったらすぐに……萩原さんだったらどうしようかしら……難しいところね)

春香「それでは、どうぞ!」

[渋谷凛お題]:諸星きらり

[如月千早お題]:高槻やよい

凛「」

千早「」

卯月「どうしたの凛ちゃん! 早く! ハリー! ハリー!」

春香「千早ちゃん! 私達のほうが人数が少ない分有利だよ!」

凛「え、いや……ちょっと……これは」

千早「……」

凛「千早さん、あの」

千早「う……」

凛「千早さん……?」

千早「う、うっぅー……」カァァ…

春香「YES!」グッ

千早「は、春香! 今のでわかったでしょう!?」

春香「ごめん、わからないよ千早ちゃん!」

千早「だ、だって今YESって……」

春香「高須クリニックのCMの依頼が来たらどうしようって思ってて口からでちゃっただけだから!」

千早「は、春香ぁ……」

卯月「今だよ凛ちゃん! 頑張って!」

凛「でもこれは……」

卯月「バカっ! プロなんでしょ!? だったらこれもそれもないよ! やらなきゃ、闘わなきゃ!」

凛「卯月……」

卯月「私も頑張るから、凛ちゃんも!」

凛「……うん、そうだね。私も……」

卯月「……」

凛「……にょ、にょわぁ……?」

卯月「っよぉし!」グッ

こいつら楽しんでんなぁwww

凛「わ、わかった?」

卯月「ううん、全然!」

凛「だって今『よし』って……」

卯月「視界が一瞬ふさがったから、視界回復したのを指さし確認しただけだよ!」

凛「……卯月……」

卯月「頑張って凛ちゃん! 私も頑張る!」


千早「は、はいたーっち……」スッ

春香「うーん、もうひと声!」


凛「は、はぴはぴさせちゃう……にぃ……」カァァ…

卯月「ここまで来てるんだけどなぁ!」

千早「うぅ……う、うっうー! 如月千早です! がんばりまーす!」

春香「いいよ千早ちゃんもっと!」

凛「にょ、にょわー! りんちゃんはぴはぴしちゃうー!」

卯月「よーしよしよし! 最高だよ凛ちゃん!」

千早「せーのっ、はいたーっ……」

凛「卯月ちゃんも一緒にはぴはぴすー! せーのっ」

春香「あれ? ちょっと待って千早ちゃん近――」

卯月「凛ちゃん、そんな本当に飛び――」

千早「ちっ!」ベシィッ!

春香「ひでぶっ!?」

凛「にょわー!」ドギャッ!

卯月「あじゃぱー!?」

はいたっち(物理)

にょわ~☆(物理)

千早「まったく、とんだ悪ふざけだわ」

凛「同感です。流石にやりすぎだよ」

春香「ひ、ひどいよ千早ちゃん!」

卯月「私達頑張ったのに!」

千早「どの口が言うのかしら……?」グニグニ

春香「ひはひひょひははひゃん……」

凛「この勝負は引き分けってことで流すよね?」グニィー

卯月「ひゃい……」

千早「はぁ……もう」

凛「なんというか。その……お互い苦労してるみたいですね」

千早「えぇ、まったくだわ……」


春香「千早ちゃんてば照れ隠しがすぎるよ……」ヒリヒリ

卯月「凛ちゃんも、素直じゃないんだから……」ヒリヒリ

千早「今なにか?」

卯月「いいえ、何も!」

春香「はぁ……あれ、中継が繋がってる?」

卯月「あ、本当ですね……これは」

千早「我那覇さん?」

響『は、はいさい……聞こえてる……?』

千早「えぇ、大丈夫よ。どうしたの?」

響『さ、流石に自分……空の友達はいないから助けは呼べなくって、このヘリ揺れるしもう……』

千早「……大変そうね」

響『笑いごとじゃないぞ!? 本当にこれ、大丈夫なんだよね!?」

凛「あ……そちらに映像移します」

響「こ、今週の響チャレンジ……天使になろう……」

幸子「ふ、ふふーん、ボ、ボクは、て、天使にふさわしいかわいさな、なので、し、しかたないですね」

響「ゲストのさっちゃんも震えてるぞ……」

幸子「さ、さっちゃん?」

響「うん、幸子のさっちゃん……だめかな?」

幸子「ま、まぁ……好きに呼んでくれて構いませんけど……」

響「ありがとう、さっちゃん……」

幸子「ボクはカワイイだけじゃなく、優しいので……」ドヤ…

響「顔が引きつってるぞ……」

幸子「ま、まぁ! て、天使になれるほどカワイイのはボクだけなので! が、我那覇さんの分もボクが飛んであげてもいいんですが!」

響「幸子!」

幸子「な、なんですか?」

響「不安なのは自分もいっしょさー。大丈夫、1人にはしないぞ」

幸子「我那覇さん……」

響「自分、海も陸も制覇してきたんだ! その中でいろんな動物とも友達になってきた!」

響「そんな自分がついに空も制覇しちゃうなんて、本当に自分は完璧だなぁ! あはは!」

幸子「ふ、ふふ……そうですね! カワイイボクと、完璧な我那覇さんの2人ならなんだってできますよね!」

響「そういうこと! うん、もう……大丈夫」

幸子「えぇ、ありがとうございます……震え、止まりましたね」

響「さっちゃんこそ止まったみたいでよかった……よし。インストラクターの人! 準備オッケーだぞ!」

インストラクタ「OK.all right」

響「ふぅ……本当に、自分かんぺきぃぃぃぃ……」

幸子「こんな高いところからのスカイダイビングでもこなすなんて、ボクって本当にカワイぃぃぃ……」


響「うわぁぁぁあああああああ!? 速い速い速い速い! パ、パラシュートまだ開いちゃダメなの!?」


幸子「ちょっ、ちょっとまってください! これ食いこんでいたたたたたっ、なれっ、なれろって、むりっ……!」


響「あ、あぁぁぁぁ! こ、これ自分燃えてないか!? なんだか寒すぎて熱いぞ!?」


幸子「い、衣装に着替えるってあれは冗談ですから! 脱いだら凍え死んじゃいます! 無理ですって! む、むーりぃー!」


響「うわぁぁぁああああっ!? あ……ぱ、パラシュート開いた……ってそれでも速いぞ!? こ、これ大丈夫なの!?」


幸子「速度落ちたから安心しろって、無理です! インストラクターの人が女性だから安心しろ? そういう意味じゃないですから!」

千早「我那覇さん達、壮絶ね……」

凛「本当……に? え? 楓さんのほうに映像を移せ?」

千早「どういうことかしら……あずささん?」

あずさ『はーい、なんでしょう? 今、私と楓さんとでデュエット曲なんて歌っているんですけれど……』

楓『デュエットは、えーどー……』

千早「クフッ……ん、そ、それ、で……」プルプル

凛「……そちらに何か異常はないですか?」

あずさ『異常ですか? えーっと……あら? あれは何かしら』

楓『……あれは……』

凛「え? ……あれって、パラシュート?」

あずさ「あ、こっちに映像が来たんですね……あの、あそこに何か……どんどん近付いて来てますけど」

楓「……幸子ちゃん……?」

あずさ「え? あ……響ちゃん……!?」


 ザザザッ…バサッ

響「は、はいさい……じ、じぶん完璧だからな……」

響「ぶ、無事に、ライブ会場に到着したぞ……」

 \ワァァァァァ!/

響「さ、幸子は……」


 ガシャーンッ! バササッ

幸子「……」

 \ワァァァァ…!?/
 
響「さ、幸子! ひ、ひっかかってる……」

幸子「ふ、ふふん! ボクは高いところから見下ろすぐらいでちょうどいいんです! わざとですから!」

響「意地はっても仕方ないと思うぞ……」

響「今下ろすからなー」

幸子「ちょ、ちょっと。危ないから大丈夫ですって!」

響「でもそのままだと疲れちゃうぞ! だから、遠慮しなくていいんだってば」

幸子「そ、それじゃあ……って、そうじゃなくて! 急に外したら」

響「え?」カチャッ…

 ドサッ!

幸子「い、いたたた……こ、こうなるっていうのはわかってたじゃないですか!」

響「あ……そっか、ごめんね?」

幸子「もう……まぁ、ボクは優しいので許してあげますけど……」ブツブツ

響「あ、ありがとう! ケガとかない?」

幸子「まぁ、大丈夫です……あと、その」

響「うん?」

幸子「……ありがとうございました。あのままだと、固定具の痕とか残っちゃいそうでしたからおろしてくれて助かりました」

響「……! 幸子は可愛いなぁ!」

幸子「うわっ!? ちょ、ちょっと! 抱きつかないでくださいよ! やめっ……もうっ!」

あずさ「あらあら……仲良くなったのね~」

響「うん! ちょっと意地っ張りだけど幸子って可愛いんだ!」

幸子「ちょ、ちょっとやめてください! ボクがカワイイのは本当ですけど、そんな風に……」

楓「意地っ張りと、れっつぱーりー……」

幸子「え?」

あずさ「あ、そうそう。一緒に歌っていかない?」

響「自分たちがここで……?」

幸子「……ふふん、仕方ないですね! ボク達の歌も聞きたいですか!?」

\ワアアアァァァァァ!/

幸子「まぁ、ここまで言われたら断れませんよね、我那覇さん!」

響「そうだね、だって自分完璧で!」

幸子「ボクはカワイイので!」

卯月「いい話だなー」

春香「いやぁ、響ちゃんと幸子ちゃんの間に友情が芽生えたみたいですね! よかったぁ……」

千早「……くっ……ふふっ……ぱーりぃ……」

凛「……勝敗って、どうなるんだろ……」

卯月「さて、そろそろ制限時間のようです!」

凛「制限時間? ……あっ」

卯月「杏ちゃーん!」

春香「美希、大丈夫かな?」

杏「……ん、んぅ……え? 何……?」

凛『案の定寝てたね』

卯月『おはよう! 台本覚えれたかな?』

杏「……だいこん……? え、おでん……?」

卯月『台本だよ、だ・い・ほ・ん!』

杏「あー……これかぁ……」

凛『やっぱり分厚いね……やっぱり読んでなかったんだ』

杏「……」ペラペラ…

卯月『このあと即興で台本通りにお芝居してもらうからね! 終わったら飴用意しておくよー!』

杏「え、飴? ……ん、わかったー」パラパラパラ…

春香『そして美希はどうなってるかな!?』

美希「あふぅ……おはよーなの……」

千早『こちらもある意味予想どおりね……美希、大丈夫?』

美希「今回はマジメにやろうと思ってたのに、このお布団あなどれないの……」

春香『なんでもかなりの品物で、最高の寝心地を保証するんだって!』

美希「へぇー、すごいんだぁ……これ、ミキにくれない?」

春香『勝ったらたぶんもらえるよ!』

美希「わっ、それじゃあなおさらがんばるの! よーし」ペラペラ…

千早『今から読んで間に合うのかしら……』

美希「……」パラパラパラ…

春香『真剣な表情の美希はカッコイイねー』

千早「もう残り時間もないけれど、大丈夫なのかしら……」

卯月「杏ちゃんも、美希さんもラストスパートをかけてますよ!

凛「ここまでだいぶ時間があったような気もするけど、いいのかな」

卯月「いいんだよ! だって美希さんのイメージカラーは?」

凛「ライトグリーンだね」

卯月「ね?」

凛「わかった、納得してあげるからドヤ顔をやめて」

春香「さぁ、注目の対決はCMのあとで!」

千早「……生っすか」

 ――CM――

ライトグリーンじゃなくてフレッシュグリーンでしたごめんなさい

<あみまみちゃーん\とくべつへん/

美嘉「……」カチッ

亜美「……ウィーン、ウィーン」トコトコ

美嘉「……」カチッ

亜美「……」ピタッ

美嘉「……妹コントローラー」

しえん、なんか秋の特番みたいにめっちゃ長いな

真美「……」スッ

莉嘉「……」ピタッ

真美「……真美です」

莉嘉「……莉嘉です」

真美「髪型を……」ゴソゴソ

莉嘉「……」ゴソゴソ

真美「りみです」

莉嘉「まかです」

真美「これがほんとの」

莉嘉「まかふしぎ」

真美「……」グッ

亜美「……」ググッ

莉嘉「……」グググッ

真美「トーテムポール」

美嘉「……」スッ…ポン

真美「……」ゴロゴロ…

亜美「……」ポテッ

美嘉「……」ポン

亜美「……」ゴロゴロ…

莉嘉「……」ポテッ

美嘉「だるまおとし」

――

凛「……生っすか」

春香「はい! 2人の準備は整ったようです!」

卯月「ドキドキしますね! 演目はなんでしょう?」

春香「ロミオとジュリエットです!」

千早「ロマンチックな悲劇ね……」

卯月「演じていただきましょう! 星井美希さんと、双葉杏ちゃんで」

春香「ロミオとジュリエットです!」

千早「それでは、どうぞ……」

杏「おぉー、ロミオ……あなたはどうしてロミオなの……」

美希「ジュリエット……キミが望むのならば、この名など捨てましょう……」

杏「ロミオ……」

美希「ジュリエット。そうすれば僕と君はただの男と女。そうすれば……」

杏「ええ、そうしましょう……」

美希「……?」

杏「……あれ?」

美希「確かにそうなればハッピーエンドだよね」

杏「うん。めんどくさいことなんてやめちゃえばいいと思うんだ」

美希「キミ、なかなかいいセンスしてるってカンジ」

杏「褒めても何もでないよー?」

美希「それじゃあさっさと駆け落ちするの!」

杏「ロミオー、ジュリエットはひ弱だから歩けないー」

美希「えーっ!? そんなこと言われたって……じゃあこの馬車でいくの!」

杏「ってこれ、ただの一輪車じゃ……」

美希「さぁのって! はいよー!」

杏「ちょ、ちょっとまってこれお尻がいたっ、あぁぁっ!?」

美希「思ってたよりもいい感じなの! さぁジュリエット、駆け落ちだよ!」

杏「待って! よく考えたらロミオのこと見捨てて家に引きこもってればお金もあるし将来安泰じゃないか! 帰る! 帰らせて!」

美希「動き出した歯車は、止まることを知らなかったの――」

杏「それって確かナレーションのセリ、ふっ……いたい! お尻が痛い! がんがん跳ねるよ、んもう!」

春香「……これは……うん!」

卯月「……ハッピーエンドです! おめでとうございます!」

凛「いや、演技とか台本とか……」

千早「何もかもを捨てる強さ。そういうものもあるかもしれないわね……」

凛「千早さん!?」

卯月「なんの問題もないよね、凛ちゃん?」

凛「いや、どう考えても問題しか……」

卯月「?」

凛「……もう、いいや。うん、そうだね」

卯月「凛ちゃんの賛同も得れたようで私、満足!」

凛「そう。幸せそうで何よりだよ」

卯月「うん!」

春香「おっと、中継が……雪歩?」

雪歩『は、はい!』

春香「どうしたの?」

雪歩『実は、きらりちゃんが……』

きらり『うきゃー! きらりね、やっとおいすぃーお茶淹れられたんだにぃ☆』

雪歩『お茶淹れに成功したんですぅ!』

春香「おぉ! おめでとうございます!」

きらり『お届けにいきまーす☆』

春香「え?」

雪歩『ちょ、ちょっと待ってきらりちゃん、私は……あぁぅっ!?』

きらり『きらりんデリバリー☆』

春香「あ……映像……って、誰も映ってませんね」

凛「……雪歩さん、大丈夫かな……」

きらりは可愛いなぁ!!

春香「……あ、伊織の方にも動き?」

卯月「お嬢様達のおつかい対決、どうなってるんでしょう!」

春香「どれどれ……これは……」

凛「あ、映像入ります」

――

伊織「そう……よかったわ」

子供「うん、ありがとうお姉ちゃん! 俺、ファンになっちゃったよ!」

伊織「にひひっ♪ ま、当然……ってあら? 私のこと知ってたの?」

子供「あっ……」

――

桃華「それでは共に参りましょう。その問題児とやらのところまで」

子供「わ、悪いしいいよ! 大丈夫だから!」

桃華「いいんですのよ。わたくしに任せてくださいな」

子供「う、うぅ……」

桃華「……何か変ですわね?」

春香「これは……バレたかー」

卯月「この先には男に絡まれている少年とか、いろんな仕掛けがあったんですけどね……」

春香「このあとは普通にお買いものしてきてしまいそうですね」

卯月「残念です」

凛「……」

伊織『ま……いいわ』

桃華『よしといたしましょうか』

伊織『だって――』

桃華『すべてが嘘だということはつまり――』

伊織・桃華『『困っている人がいなくて、良かった』』

伊織『悪趣味よねー。この伊織ちゃんだったら普通にお買いものぐらいできちゃうけど♪』

桃華『まぁ、騙されたわたくしが悪いということなのでしょう……あなたの演技、見事でしたわ』

伊織『さーって、さっさと買い物を終わらせて勝っちゃいましょう!』


桃華『それにしても、スーパーで1人買いものというのは……ふふっ、初めてというのはとても胸が高鳴りますわ♪』


伊織『確か卵と人参と……ちょっと、どの卵よ? 赤いのと白いのがあるじゃない……』


桃華『キャベツを1/4……ということは、割ればよいのかしら……? でもこれを手で割るのは一苦労ですわ……』


伊織『あれ? リンゴ……って、品種はどれなのかしら……うーん、困ったわ……』


桃華『仕方ありませんわね。それから海老……これでよいのかしら? ずいぶんと小ぶりですわね……』


伊織『えぇい、こうなったらまるごと買ってやるわ! カードよ!』


桃華『仕方ありません、多めに購入することにいたしましょう。キャベツもこちらで割ればよいのですし……支払いはカードで』


伊織『えっ?』

桃華『なんと』


伊織・桃華「……カードが使えない?」

伊織「……」

桃華「……」


伊織「今回のところは、勘弁してあげるわ……」

桃華「残念ですわ……」


伊織「え? あ、はい……戻します……」

桃華「元の場所へ、ですか? かしこまりました……」



春香『……』

卯月『……2人とも、微妙に抜けてますね』

春香『あぁ、いいなぁ! はじめてのおつかいって感じだね!』

凛『2人とも買えていませんけど』

春香『買おうとする意志が大切なんだよ!』

千早『……そもそも2人にお小遣いを渡していたかしら? 本当はそこから始めるべきなんじゃ……』ブツブツ

春香「次々にこれまでの結果が送られてきてますね!」

凛「まともな勝負の方が少なかったような気もしますけれど」

春香「あはは、気のせいだよ!」

千早「……そうなのかしら?」

凛「騙されないでください千早さん。この人達はものまねさせて喜んでいたんですよ?」

千早「あっ」

春香「可愛いものがみたいというのは自然の摂理だからね。仕方ないよね!」

卯月「はい! 仕方ないんだよ、凛ちゃん!」

凛「……もう、いいけど」

春香「あははは……そして、卯月ちゃん」

卯月「はい!」

春香「最後の、対決だよ」

卯月「……はい!」

卯月「最終対決は、ライブでのアピール合戦です」

春香「ここまでの対戦成績は1勝1敗……互角だね」

凛「……」

千早「頑張って、春香」

凛「千早さんはそれでいいんですか……?」

卯月「はい……私、あなたのことを尊敬しています! だからこそ、超えたい!」

春香「うん、わかった……私も、本気で相手をしてあげる」バサッ!

凛「脱いだ!? ……いや、あれは」

千早「パンキッシュゴシック……!」

凛(……いつから中に着てたんだろう……)

春香「……」

千早「春香……あなた……」

卯月「は、春香さん……?」

春香「……『跪いて』」

卯月「うっ……!」ガクッ

凛「えっ?」

千早「こ、この圧力……春香、あなたやっぱり!」

春香「ふん……如月千早。久しいな」

千早「くっ……閣下化している……!」

凛「え、え?」

春香「私を呼びだしたからには、相手は完膚なきまでに叩きつぶすということだろう。下がっていろ小娘」

千早「春香……!」

凛「……あの、千早さん。どういうことですか……?」

千早「春香には……封じるべきともいえるほど強力な力があるの」

凛「は、はい……」

千早「……それがあれ。通称『閣下』よ……」

凛「そうなんですか……それは、どういう……?」

千早「春香……いいえ、閣下の言葉は、強制的な命令よ。その前に立ったものは誰であれ跪く……!」

凛「……それって、つまり」

千早「まともなライブにはならないわ。立ちあがることすら……」

凛「卯月……」


卯月「……うぅ……!」グググッ…

春香「『私』が『私』を呼びだしたというのに……この程度の相手か? つまらんな……」

卯月「わ、私は……私は!」ググッ…!

春香「ほう……立つか? 立てるのか?」

卯月「ま、まだがんば――」

春香「だがそこに『跪いて』もらおうか」

卯月「あうっ!?」ビタッ!

春香「……ふん」

卯月(だ、ダメだ……身体が、少しも動かない……!)

卯月(頑張ってきたのに……私……もう……頑張れないの……!?)

凛「卯月!」

卯月「りん、ちゃ……」

凛「あんたはこんなことで折れる女だったの!? いつも、あんなに頑張る頑張るって言ってるのに!」

卯月「う……うん……そんなの……」

卯月(あと、少し……そうだよ、あと少しなのに……私、頑張れ、頑張れ私……!)

春香「……『堕ちろ』」

卯月「がっ……!?」

卯月「う……うぅぅぅ……!」

春香「泣くか? まぁ、雑草にしてはよくやったほうだな」

卯月(……ダメだよ、立てないよ……凛ちゃん、ごめんね、私……)

凛「卯月! 卯月ぃ!」

春香「さぁ、後は私のライブで豚どもを啼かせるのみ……むっ!?」

??「そこまでよ!」

春香「……覆面だと? 何者だ」

ミオ「私は……そう。未だいたらぬ、王。マスクド・ミオ……」

春香「ほう。私の前で王を名乗るか!」

ミオ「残念だけれど、私じゃあなたを止めることはできないかな……だから未だ、っていってるでしょ?」

春香「ならば退け。死にたくはないだろう?」

ミオ「えっへへー、それも嫌だなぁ……卯月!」

卯月(だ……れ……?)

ミオ「あんた……いつものはどうしたの!?」

卯月「いつ……も……の……?」

ミオ「笑顔! 頑張るって、頑張れるって、卯月が誰よりも、笑って努力を積んできたんでしょ!」

卯月「え……がお……」

ミオ「私に! ふてくされた私を! 頑張ろうって、やれるって励ましてくれたのは誰!?」

卯月「未央………ちゃん……?」

ミオ「立てよ卯月! 頑張ってよ! じゃなきゃ、笑えないよ!」

ミオ「私に笑顔と努力を教えてくれた、卯月と一緒じゃなきゃ!」

卯月「……!」

春香「……ふん、つまらんな。与太話にしてももう少しましな内容にしろ……『跪いて』」

ミオ「ぐあっ……! うづ……き……」ガクッ

春香「……もはや、あれは……なに?」

卯月「……ります……」グッ…

春香「バカな……何故だ、何故立てる……!?」

卯月「がんばり……ます! 島村卯月! 頑張ります!」グオッ!

春香「バカな! 『跪いて』いろ!」

卯月「頑張ります!」キンッ!

春香「何故だ……何故跪かない!?」

卯月「私が、頑張っているからです!」

春香「努力……だと……!?」

千早「……閣下。いえ、春香」

春香「私は……また負けるのか……!?」

千早「戻りましょう。あなたはやっぱり、そのままが一番よ」

春香「ふっ……ふははは! なるほど! 私を成長するためのコマとして使うか!」

春香「流石は『私』だな……だが、またいつか必ず私は『私』を――」ガクッ

千早「……」

凛「千早さん、あれは……」

春香「……んっ……」

凛「っ!」

千早「大丈夫よ。もう、いつもの春香だから」

春香「……あぁ、やってくれたんだね」

千早「そう。あの子は、閣下を超えたわ」

春香「よかった……私は間違えてなかった」

凛「……どういうことですか?」

千早「閣下は、凄い力を持っているわ。だけど……大切なものが足りない」

凛「大切な、もの?」

千早「アイドルとして。人を、ファンを思う心よ」

凛「……」

千早「一度、私達も閣下に支配されかかったわ」

凛「765プロの人達が……ですか?」

千早「えぇ」

千早「その時は、仲違いや、もめあったり……いろんなことがあったけど。閣下の力を撥ね退けた」

凛「……その、撥ね退けた力っていうのが……」

千早「アイドルとしての、芯……かしら。私達が、絶対に譲れないもの。それを、忘れないこと」

凛「……そっか。卯月、一皮剥けたんだ。置いてかれちゃったかな」

千早「大丈夫よ、まだまだこれからだもの」

凛「はい……」


卯月「というわけで!」

春香「最後の曲は、765・CGプロ合同で歌います!」

未央「私も歌うよ!」

凛「え、あれ? 未央、大丈夫なの?」

未央「あ……うん! 当たり所がよくって! えへへ」


本田未央(15)

凛「芯か……」

卯月(まじめに考え込む凛ちゃん可愛い!)

春香(卯月ちゃんも、いいパートナーがいるんだね!)

卯月(はい!)

千早(……少し罪悪感が……)

春香(でも、迫真の演技だったよね?)

千早(……ほんの少しだけ、亜美や真美の気持ちもわかった気がしたわ)

春香(んっふっふー、千早ちゃんってば意外とイタズラっ子?)

凛「あの、みなさん何を?」

春香「ううん、なんでもないよ!」

卯月「あ、対決してた他の皆も来たみたいですね!」

未央「こんなこともあろうかとー! あ、私本田未央っていいます! 実は私今度――ってカメラさん待って!」

楓「……人が多いと、おいおい泣いちゃいそうです」

あずさ「あの~、ここがライブ会場であってるんでしょうか……」

幸子「ふふん、ボクの道案内はやっぱり完璧ですね!」

響「じ、自分カワイイ……ってうがー! これは流石に恥ずかしいぞー!」

亜美「あれあれ、ひびきんなにやってんのー?」

莉嘉「あっ、わかった! 幸子ちゃんと決め台詞交換してるんだ!」

真美「えっ、決めゼリフ!? なにそれチョーカッコイイじゃーん!」

美嘉「……全身タイツはもうやだなぁ……」

やよい「そのまま来ちゃいましたー!」

仁奈「げろげろー! 楽しくなってきやがりましたよー!」

美優「に、仁奈ちゃん……やっぱりこの服のままはその……」

きらり「お茶おまたせしましたー☆ ……ありゃ? みんないるの?」

雪歩「あ、あぅぅ……クラクラしますぅ……」

伊織「失礼しちゃうわ。勝負無効だなんて」

桃華「ですが、とても楽しかったですわ……またいずれ決着をつけましょう。舞台で!」

伊織「ふんっ、上等じゃない! いつでもかかってらっしゃい。ま、伊織ちゃんは負けないけどね。にひひっ♪」

真「ねぇ、やっぱりこれってちょっとボクには……」

日菜子「家にこもりっきりじゃあいくら可愛くても王子様が見つけてくれませんよぉ……さぁ、歌いましょう。むふふっ♪」

貴音「ふむ……なるほど。そういうことでしたか」

蘭子「我が身中は既に満たされきっている……(お、お腹いっぱいできもちわるいよぉ……)」

凛「……すごい人数。大丈夫なのかな」

千早「とりあえず、ようやく歌えるわね……」

凛「あ……そういえばそうですね。……よろしくお願いします」

千早「こちらこそ」

春香「それじゃあ、曲はCGプロモーションの方々のものを――」

卯月「聞いてください! S(mile)ING!」

 \ワァァァァァァァァァァァ!/


おわり

おまけ


律子「……はぁ、とんでもない一大企画ね。やれやれだわ」

??「やっと見つけました!」

律子「は? えーっと、あなたは」

春菜「上条春菜、通りすがりの眼鏡好きです!」

律子「は、はぁ……そう……」

春菜「お願いします! 私と眼鏡対決してください!」

律子「め、眼鏡対決って、ちょっ……」

春香「私の眼鏡好き? 嫌い?」

\いやぁぁぁぁぁ!?/


上条春菜(18)

書きたいもの書き切った感
本当は、もっと別の対戦やアイドル、対決も考えていたんですがとりあえず今回はこうなりました
765もモバも好きですよ。アイドル同士の絡みももう少し増えたらいいなって

保守支援ありがとうございました!

>>350
最後の最後で春香さんでてるがな……
はい、春菜です。すみませんでした

長丁場お疲れ様。

いつも長いの書いてるのか?

>>378
あ、普段は割と短めのが多いかな
長編やら日をまたぐようなのは数えるぐらいしか書いてないと思う


真VS幸子やら真VS押忍にゃんも考えてたし、響チャレンジ『動物と触れ合おう』できらりがにょわー(威圧)しちゃう話も考えてた
765との絡みは書いてて面白いから、またいつか書くと思う。その時は、また

>>384
普段どんなSS書いてるの?

>>386
んーと……今月だと……

モバP「安価でシャイニーフェスタ!」
モバP「安価でシャイニーフェスタ!!」
幸子「プロデューサーさんがパッション溢れすぎていて辛い……」
モバP「おっぱいもみもみ!」(のっとり)
蘭子「ククク……集え、真なる『瞳』に目覚めし者よ!」
モバP「おまわりさん、俺です!」
モバP「うちの事務所のアイドル達の格闘ゲーム、ですって?」

かな?
数だけは書いてるけどクオリティはまぁ、それなり

モバマスばっかりなんだ?765はあんまり?

>>389
765も好きだけれど、うまくいかせられるタイトルが浮かばなかったりで
書いたのだと、両方のっとりで昔のだけど

P「俺が、女……?」アイドル達「私達が男の子……?」
P「朝起きたら小学生体系になっていた」

とか、そんな感じ
個別スレもいくらかのっとったことがあるけど自分で建てて書いたのは覚えてないや

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