れんげ「駄菓子屋、なんで照れてるのん？」
楓「べ、別に照れてなんてねーし。それよりこっちは仕事で忙しいんだがな」
れんげ「心配無用なのん。今日はちゃんとお客さんとしてきたのん」
楓「そいつぁ珍しい。で、何買うつもりなんだ？」
れんげ「餅は餅屋なのん。こういうときは店主に聞くのが早いのん」
楓「……お前、本当に小学生か？」
れんげ「さぁさぁ駄菓子屋、おすすめ教えるのん」
楓「あー、おすすめ、ねぇ。そうだなぁ……」ﾁﾗ
れんげ「わくわく」
楓「まあ、定番と言えばこいつか」ｽｯ
れんげ「おー、なんかハイカラな袋なのん！」
楓「その名もビッグカツだ」
れんげ「カツ！ 駄菓子なのにリッチなのん！」
楓「ちなみに原材料はタラだ」
れんげ「いきなり騙されたのん！」ﾊﾞｯ
楓「ふむ、バラす前に一度食べさせてみるべきだったか」
れんげ「だ、駄菓子屋が悪の枢機卿に見えてきたのん」
楓「安くて腹膨れて味も悪くないんだけどなぁ」
れんげ「いくらコストパフォーマンスが良くたって感動は取り返せないのん！」
楓「わかったわかった。じゃあ……こっちはどうだ？」
れんげ「赤くて中が透けてるのん」
楓「定番の一つだが好みは分かれるところだな。カットよっちゃんだ」
れんげ「あ、それ知ってるのん！ よっちゃんイカなのん！」
楓「へー、お前の年で知ってるってことは、やっぱり有名なんだな」
れんげ「一応聞くけど、原材料は」
楓「タラだ」
れんげ「やっぱりタラなのん！？」ﾊﾞｯ
楓「だがイカもしっかり入ってる」ﾆﾔﾘ
れんげ「は、謀られたのん！」ﾑｯｷｰ
楓「ところでれんげは酸っぱいのは」
れんげ「おにぎりの中に入っている梅漬けは好きなのん」
楓「お前んちの梅漬けレベルを求められると困るな。甘いのにしといたほうが無難か？」
れんげ「甘いの好きなのん！ ところでさっきから気になってたんけど、この白いのなんなのん？」
楓「あー、ヨーグルか。私も昔は好きだったな」
れんげ「ヨーグル、名前からすると……ヨーグルトなのん？」
楓「いや、グラニュー糖とショートニングだったかな」
れんげ「……３連敗なのん。大人って汚いのん」
楓「そ、そこまで言われるほどのことかよ？」
れんげ「グラニュー糖はなんとなく想像つくけど、ショートニングってなんなのん？」
楓「濃いマーガリンだと思ってくれればいい」
れんげ「……マーガリンって確か、こないだテレビで健康がどうのって」
楓「お、偉いじゃないか。ニュースちゃんと見てるんだな」ﾖｼﾖｼ
れんげ「それほどでもあるん！」ｴﾍﾝ
楓「毎日食べるんでもなきゃ問題ないが、ま、気にしてるなら他のにするか」
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