兄「姉が欲しかった」妹「…」(136)

兄「…ハァ」

妹「溜息ついてる暇があったら早くお風呂入ってください」

兄「……はい」

妹「それから、数学の課題の期日が明日までですよね。お風呂から出たら忘れずにやってくださいね」

兄「へ?」

妹「へ?じゃありません。どうせ終わってないんでしょ。終わるまで寝ちゃだめです」

兄「……」

妹「兄さん、ちゃんと聞いてるんですか?困るのは自分なんですよ?」

妹「――さん」

兄「……」

妹「兄さん!!」

兄「!」

妹「もう朝ですよ。さ、起きて下さい」

兄「ん~…まだ6時50分じゃないか。7時に目覚ましセットしたんだぞ」

妹「兄さんは起きてくるまで時間かかるんですから、これぐらいに起こさないと駄目なんです」

兄「あと10分は眠れたのに…」

妹「何か言いましたか?」

兄「…いいえ」

妹「よし、戸締りオッケー」

兄「ふぁ~…」

妹「だらしない。欠伸をするときはせめて手で口を隠してください」

兄「お前しか見てないんだから、隠す必要ないだろ」

妹「普段から心がけてないと出来ないものなんです」

兄「今度から気をつけるよ」

妹「兄さんの今度からはアテになりません」

兄「…ハァ」

妹「だいたい兄さんは普段から――」

兄「えーと、それより早く学校行かない?遅刻しちゃうぞ」

妹「そうですね、兄さんへのお説教は帰ってきてからすることにしましょう」

兄(どのみち説教か…)

妹「あ、兄さん後ろの髪が」

兄「ん?あー、寝癖でハネてんな。学校着いてから直せばいいや」

妹「駄目です!今直しましょう!」

兄「つっても鍵開けて洗面所行って~、じゃ時間かかるしなぁ」

妹「ハンカチを水で濡らして押さえつければすぐに直りますよ」

妹「ちょっと待てってください。水道でハンカチを濡らしてきますから」

兄「……」

妹「と、思いましたが兄さんも一緒にきてください」

兄「な、なんで?」

妹「逃げられるのもなんなので」

兄(バレてる)

妹「やっぱり逃げる気だったんですね」

兄「いえ、そんなことは…」

妹「なら大人しくしててくださいね、兄さん」

兄「いいよ、自分で直すから。こんなん適当に水付けてやれば…」

妹「にーさん?」

兄「…はい」

兄「――ハァ」

友「朝はおはようだろ」

兄「今のは溜息だ。ワザと言ってんだろ」

友「また妹ちゃんのことか?」

兄「まーな」

友「いい子じゃん。何が不満なんだよ」

兄「口うるさい。とにかく口うるさい」

友「うちの姉とは正反対だな」

兄「アレやれコレやれ。アレやったかコレはどうしたとかまいっちゃうよ。今朝だってさ…」

友「……」

兄「過保護なんだよな」

友「妹ちゃんの頭ん中は、それだけ大好きなお兄ちゃんでいっぱいってことじゃねーの」

友「だから何かと口出ししてくるんだと思うぜ」

兄「ないだろ」

友「好きの反対は無関心って言うじゃん。ほんとに嫌いだったら口すらききたくない」

兄「……」

友「それから、お前妹ちゃんに冷たいんじゃね?」

兄「俺が?」

友「口うるさいからっていっつも素っ気無い態度だろ」

兄「…まぁ、そうかも」

友「だからさ、逆に優しくしてみたらいいと思う」

友「案外コロッといくかもしんねーぞ」

兄「コロッとってなんだよ」

友「そりゃおめーアレだよ」

兄「どれだよ」

俺「俺だよ」

友「携帯貸してくれ」

兄「携帯?急にどうしたんだ?」

友「いーから貸せって」

兄「…ん」

友「……」ポチポチ

兄「変なことに使うなよ。怪しい掲示板に書き込みするとか」

友「17歳男子高校生です。年上のお姉さん僕の童貞を貰ってください…」ポチポチ

兄「ふざけんなっ!!」

友「冗談だよ、冗談!」

友「うし。ほらよ」

兄「何したんだ?」

友「メール送った」

兄「なっ、勝手に!……妹に送ったのか」

友「おう」

兄「一緒にお昼ご飯食べようって…」

友「兄妹水入らずで楽しく弁当つついてりゃググッっと縮まるぜ」

兄「何がだよ。それ以前に断れると思う」

友「飯の誘い?なんでさ?」

兄「……なんとなく」

兄「!」

友「お、携帯ブルってんじゃん」

兄「……」

友「お相手は?」

兄「…妹」

友「早い返信だったな」

兄「……」

友「で、なんだって?」

兄「それは――」

妹「こうして兄さんとお昼ご飯を一緒に食べるのは久しぶりですね」

兄「休みの日はだいたい一緒に食ってるだろ」

妹「学校では、という意味です」

兄「そーかもなぁ」

妹「……」

兄「どーかした?」

妹「い、いえ、別に…」

妹「あの、友さんは?」

兄「あいつは学食だよ。なんで?」

妹「てっきり前のように4人で食べるものかと思っていましたので…」

兄「そいやよく屋上に集まって、こうやって飯食ってたっけ」

妹「友姉さんが生徒会長になってから、集まる機会も減ってしまいましたね」

兄「……」

妹「…わ、私は」

兄「うん?」

妹「私は兄さんと二人だけでも…その…」

友姉「やぁ、お二人さん」

妹「!」

兄「友姉さん!どうして屋上へ?」

友姉「生徒会の仕事が一段落したからね、ちょっと外の空気を吸いにきたんだ」

友姉「それよりもおいしそうな物食べるじゃないか。妹ちゃんの手作り?」

妹「ええ…」

友姉「やはりそうか。さぞかし上手いのだろーなぁ」

兄「ちょっと!」

友姉「どうした?」

兄「なんで毎回毎回抱きついてくるんですか!」

友姉「君は私の弟も同然だしな。なんだ、照れてるのか?ういやつめー」

兄「や、やめてください!やめてー!」

妹「……」

友姉「どうだ!まいったか!?」

兄「ギブ!ギブだって!ほんとに締まってるから!!」

妹「…あの、私先に失礼しますね」

友姉「ん?そうか。私も一緒にと思っていたのだが」

妹「実は先生に手伝いを頼まれてて」

兄「なら無理に付き合ってくれなくてもよかったのに」

妹「……っ」

兄「?」

妹「失礼します」

このまま友姉の猛烈アタック→エッチ

友姉「悪ふざけが過ぎたな」

兄「毎度のことじゃないですか」

友姉「はは、違いない……」

兄「友姉さん?」

友姉「私も戻るよ」

兄「あれ?お昼ご飯一緒に食べるんじゃないんですか?」

友姉「やめてくよ。今度はうちの弟も誘ってまた4人で食べよう」

兄「いいですね、それ」

友姉「4人仲良く、な…」

友「――で、お前一人で飯食って帰ってきたのか」

兄「おう」

友「うちのアホ姉がすまん!」

兄「お前が謝ることじゃねーだろ」

友「いーや、今回はあいつが悪い!」

兄「前から思ってたけど、友姉さんに容赦ないよな」

友「んなことないだろ」

兄「お前はボロクソ言ってるけど、友姉さん人気あるんだぞ」

友「見てくれだけはいいからな」

兄「姉御肌で頼りになるお姉さんじゃないか」

友「学校だけだ」

兄「家じゃ違うの?」

友「ひっどいぞー。風呂上りとか下着姿でウロウロしてるし」

兄「……」

友「今妄想した?下着姿でうろつくとこ妄想しちった?」

兄「し、してねーよ!」

友「ま、乳だけはでかいからなー」

兄(たしかに)

友「…妄想した?」

兄「いいから話の続き!」

友「とにかくONとOFFの差が激しいんだよ」

兄「でもうちの妹みたく口うるさくないだろ」

友「お前妹ちゃんのことそんなに嫌いなのか?」

兄「嫌いってわけじゃないけど。なんかうざったいって言うか」

友「ふーん」

兄「友姉さんぐらいサバサバしてるほうがいいよ」

兄「スキンシップが過剰なとこはあるけどさ」

友「……」

兄「家でもあーなのか?」

友「ねぇよ」

兄「…え?」

友「俺にはしてこない」

兄「そ、そっか」

友「……」

友(俺だって男のこと…!)

すごいことに気がついた

友「うちのアホ姉はどーでもいいや。それより妹ちゃんだ」

兄「あ、ああ…」

友「放課後なんかあるか?暇だよな?」

兄「暇だな」

友「じゃ妹ちゃんと一緒に帰れ」

兄「…まだやんのか」

友「まずはお前から歩みよらねーとな」

兄「……」

友「シャキッとしろよ、お兄ちゃん!」バン

兄「いつっ!」

兄(妹が嫌いなわけじゃない…)

兄(でもことあるごとにお節介焼いきて、なんかうざったいし)

兄(どうせなら友姉さんみたいな姉が欲しかったな)

妹「お待たせしました、兄さん」

兄「あ、うん」

妹「帰りましょうか」

兄「そだな」

妹「……」

兄「……」

妹「珍しいですよね」

兄「ん?何が?」

妹「お昼一緒に食べようとか一緒に帰ろうとか…」

妹「何かあったんですか?」

兄「んー、とくに理由はないんだけどな。嫌だった?」

妹「そういうわけでは…ただ気になったので…」

兄「そっか」

妹「…はい」

兄「……」

妹「……」

兄(会話が続かない。えっと、とにかく感謝と褒めることだっけ?)

兄「今日の弁当もうまかったよ」

妹「何ですか、急に…」

兄「毎日うまい弁当作ってくれてありがとな」

妹「……」

兄(黙り込んじまったぞ。ほんとにこれでいいのか、友……)

妹「今日の兄さん、気持ち悪いです」プイ

兄(ひどい言われようだ)

妹「もし本当に感謝しているのなら、態度で示して欲しいですね」

兄「何すりゃいいんだ?」

妹「一緒にテレビ見たり…」

兄(微妙な…)

妹「一緒に…」

兄「風呂入ったり?」

妹「だ、誰が兄さんなんかと!!」

兄「欲しい物とかないの?」

妹「新しい洗濯機が欲しいです」

兄「そーゆーんじゃなくて、妹の欲しい物だよ」

妹「私の欲しい物ですか?」

兄「うん」

妹「……」

兄「何?」

妹「べべ、別になんでもありあません!ジロジロ見ないでください!」

兄(見てたのはそっちじゃないか…)

妹「お夕飯の買い物がありますので、兄さんは先に帰っていてください」

兄「なら一緒に…」

妹「けっこうです!!」

兄「ちょ、待てよ!」

兄「……」

兄(何かまずいことでも言っちゃったかな。めちゃくちゃ怒ってるみたいだったし…)

兄「…仕方ない、言われた通り先帰るか」

兄「……」

妹「……ハァ」

妹(意識しちゃうと駄目だな)

妹「しっかりしないと…」

兄「何がしっかりしないと何だ?」

妹「に、兄さん!?」

兄「よっ」

妹「どうしてここに…」

兄「それ」

妹「え?」

兄「荷物持つの手伝うよ。かしてみ」

妹「あ…」

兄「けっこー重いぞ、これ。お前意外と力あるんだな」

妹「女性に対してその発言はどうかと思います」

兄「今度から気をつけます」

妹「兄さんの今度からは…」

兄「アテにならないんだっけ」

妹「はい」

兄「…ハァ」

妹「ふふ♪」

妹「荷物、ありがとうございました」

兄「別にいいって、これくらい」

妹「早速お夕飯の支度しちゃいますので、テレビでも見てて待っててください」

兄「何か手伝おうか?」

妹「不器用な兄さんに手伝われたら、お夕飯の時間が遅くなってしまいます」

兄「ぐっ…」

妹「大人しくしていてくださいね、兄さん」

兄(一時はどうなるかと思ったけど、戻って正解だった)

兄(機嫌もいいみたいだし、いつもこんな感じなら助かるんだけどな)

兄「……」

兄「することないし、風呂でも入れるか」

妹がよかったな

俺18才、姉22才
俺が風呂に入ってたら
ガラッ
姉「なんだ、入ってたんだ」
湯舟に浸かってる俺を見て一言
俺「入ってたよ、てか出てけよ」
姉「は?別にいいじゃん、出ていくんなら俺が出ていけば?」
俺「俺が先に風呂入ってたんだからお前が出ていけよ」
姉「関係ないしwww」
言いながらシャワーを浴び始める
姉「まさか出ていけなくなったの?」
俺「意味わかんね」
姉「見せてみな」
湯舟の中を覗きこむ
俺「やめろよ」
姉「なんだ、ちっさいwww」
俺「お前でおっきくなる訳ねーだろ」
姉「これでどう?」
俺「ムリムリwww」

姉弟なんてこんな感じだから

姉(しょぼん)

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