男「この奴隷をもらおうか」俺「ぷるぷる」 (403)

奴隷商「さすが旦那お目が高い!この奴隷は入荷したてでねえ」

男「やはりそうか。他の薄汚い奴等とは気品が違うと思ったんだ」

奴隷商「こんなに器量が良いモノは珍しいですぜ。その分、値段もちと張りますが……」

男「構わん。キャッシュで払おう」

奴隷商「毎度ありい!」

俺「ひいい……」ガタガタプルプル

男「いやあ、良い買い物をしたなあ」

俺「たすけてえ……」プルプル

男「そんなに心配しなくてもいいさ。大事にしてあげるからね」

俺「ほ、ほんとう……?」

男「ただし!!」

俺「ぴいいい!!!?」ビクッ

男「逃げ出そうとした場合は……何をされても文句は言うなよ……」

俺「ふみゅう……」ガタガタ

男「さあ、ここがお前の部屋だぞ」

俺「わあ……」

男「狭いかもしれんが、清潔にしてあるし、最低限の家具も揃えてある」

俺「ほ、本当にここを使ってもいいんですか……?」

男「ああ、好きに使っていい」

俺「前のおうちよりおっきいなあ……」

男「ただし!!!!」

俺「ぴゅえっ!?」ビクッ

男「ぜったいに逃げ出してはいけないよ」ニッコリ

俺「はひい……」ガタガタプルプル

男「では、私は仕事を済ませてくる」

男「長旅で疲れたろう、ゆっくり休め」

俺「はい…あ、ありがとうございます……」


俺「すごいや……ふかふかのベッドだ……」ボフンッ

俺「あったかいな……それに手足も伸ばせるくらいおっきい…」

俺「……」ウトウト

俺「ふにゅう……」スヤ...

翌朝

俺「よいしょ…よいしょ……」

男「おはよう、昨夜は……む?」

俺「あっ、おはようございますご主人サマ」

男「掃除をしているのか?十分清潔にしておいたつもりだが」

俺「い、いえ!べつにお部屋が汚いとかそういうことではなく!」アセアセ

男「ではなぜ?」

俺「癖、みたいなものなんです……掃除とか、何か仕事をしていないとおちつかなくて……」

男「ふむ……」

俺「めっ、目障りでしたらすぐにやめます!申し訳ありません!」ペコペコ

男「いや、そうではない。もともと君には私の身の回りの世話をしてもらうつもりだったからな」

男「掃除だけではなく……炊事洗濯、いやというほどさせてやろう……覚悟しておけよ?」

俺「は、はい!よろしくお願いします!」

男「まったく、美しいだけでなくその献身的な態度……本当に良い買い物をしたよ」

俺「はわわ、めっそうもありません!」

男「はっはっは。とにかく、まずは食事にしよう。下に用意してあるから行こうか」

俺「うわあ……」キラキラ

男「今日は初日であるため、私が作っておいた。口に合えば良いのだが」

俺「こ、これ!全部、た、食べてもいいんでひゅか!?」

男「ああ、遠慮せずに食え。その代わり、相応の働きはしてもらうぞ?」

俺「あ、ああ……」プルプル

俺「ありがとうございます!ありがとうございます!頂きます!」モグモグムグゥ

男「はっはっは、そんなに焦らずとも食事は逃げんよ」

俺「はっぷぅ……ごちそうさまでしたぁ」

男「そこまで美味そうに食べてもらえると、作った甲斐もあるというものだな」

俺「あっ、あの!次からは私が!頑張ってご主人さまの舌を満足させてみせます!」

男「それは楽しみだ。さて……」

俺「ふみ?」


俺「ご、ご主人さま……これって」

男「寝間着のまま仕事はできまい。君に合う仕事着を用意しておいたよ」

俺「かわいいメイドさんの服……わ、私には似合いませんよ!それに着たことも無いですし……」

男「なに?着方がわからないのか?ならば教えてやろう。さ、こっちに来なさい」

俺「ひええっ!!」

俺「ひ、ひどいですよお……」シクシク

男「はっはっは、よく似合っているぞ。ほうら、鏡を見てみるといい」

俺「えっ……?」

俺(こ、これが私……?すごい、ふりふりのお洋服なんて……着ちゃってる……)カアァ...///

男「気に入ったか?」

俺「はひゅい!私にはもったいないくらいです……!」

男「我が家の使用人に粗末な格好はさせられん。破れたり汚れたりしたら言え。新しいものを用意しよう」

俺「はわあ……(ぜったい汚さないようにしなきゃ……)」

男「では早速だが、君に仕事を命じるとしよう」

俺「は、はひ!なんでもお任せください!」

男「私はこれから仕事場へ出かける。重要な案件を抱えているのでね」

男「おそらく帰りは夕刻になるだろう……そこで」

俺「そこで……!」ドキドキ

男「とりあえず屋敷を一通り簡単に掃除でもしといてくれ。中を把握するのも兼ねてな」

俺「……へっ」キョトン

男「どうした?何か不満があるのか」

俺「い、いえ!そんなことはありません!……ですが」

俺「そ、そのくらいでいいのかな、って、思いまして……」タドタド

男「どういうことだ?」

俺「あの……前の雇い主さんのところでは……もっと、大変な仕事を」

男「簡単すぎてやり甲斐が無いかね?」

俺「め、めめめめめっそうも!!」

男「前の雇い主がどんなだったかは知らんが、私は私だ。嫌と言っても従ってもらうぞ」

俺「はひ、それはもちろんです!不肖わたくし、全身全霊を尽くしますぅ!」ビシッ!

男「うむ、それでいい」

男「ああ、そうだ。せっかくだし夕食の準備も任せようかな」

俺「おまかせください!お料理は得意です!」

男「それは楽しみだな。食材の買い出しも任せるから……ええと、このくらいで足りるだろう」チャリン

俺「ひゃっ……(500ガバスも…すごい、初めて見ました)」

男「西の坂を下ったところにマーケットがある。買い物はそこで済ませろ」

俺「わかりました!ご主人さまがどんなに疲れて帰ってきてもすぐ元気になれるお食事を用意します!」

男「ふふ、帰って来る楽しみが増えてしまったな」

男「おっと、もうこんな時間か。では、行ってくるよ」

俺「はい!行ってらっしゃいまs……あっ!」ピコーン!

男「どうした?」

俺「あの、首輪をまだ頂いていないのですが……」

男「……首輪?」

俺「はい。首輪を付けずに外に出ては、私がご主人さまの奴隷であることが分からな」

男「私をバカにしているのか?」

俺「ふにゅみゅ!!?」ビクッ!!

俺「ご、ごめんなさ」

男「どこの世界に!人間に首輪を付ける馬鹿者がいるというのだ!あ!?」

俺「ひいいい!!ごめんなさい!ごめんなさい!」ガタガタ

男「前の雇い主がそうだったのか!?人間であるお前に!首輪を!?」

俺「は、はいぃ!所有者が誰なのか、しらしめる必要があるって……!!」

男「……ッ!まだ、そんな時代錯誤の愚か者が居たとはな……」

俺「ごめんなさい……ごめんなさい……ぶたないでください……」プルプル...

男「……すまない、驚かせてしまったな」

俺「……い、いえ、私がいけなかったのです。ご主人さまに不快な思いをさせてしまって……」ビクビク

男「ひとつはっきりさせておく。私は君のことを所有物、モノであるなどとは思っていない」

男「先程も言ったな。前は前であり、私は私だ。君のことは一人の人間として扱うつもりだ」

俺「……」プルプル

男「首輪などを付けるつもりは無い。それとも、お前は首輪が無ければ私の元を離れてしまうのか?」

俺「そっ、そんなことは!!」

男「ならばそんなものは必要ない。そうだな?」

男「……そうだな、どうしても証が欲しいというのなら」スッ..

俺「ふみっ!?ご、ご主人様、な、なにを……あっ」

男「…………その首のキスマークを証としよう。よく見えるようにしておけ」

俺「あ、あ、あふっ……ふぇっ……!!」ワタワタ

男「おっと、もう急がねばならんな。それでは後を頼んだぞ」

俺「あっ……い、いってらっしゃいませえ……」ポー...


俺「……」

俺「こ、腰抜けちゃった……////」

(//ω//)

俺「……いけない!ちゃんとお仕事しなくっちゃ!」シャキッ!

俺「まずはお掃除です!すみずみまでピカピカにしますよ!」


俺「玄関はきはき!窓をふきふき!」

俺「机もぴかぴか!棚をぱたぱた!」

俺「ご主人さまの部屋!あかない!」

俺「地下室!あかない!」

俺「花瓶におみず!花壇もおみず!」

俺「冷蔵庫!からっぽ!」

俺「ではそろそろ買い出しに行きましょう!」ハリキリ!

マーケット

モブ「がやがや!がやがや!」

通行人「わいわい!わいわい!」


俺「ふええ……広いマーケットだなあ……それに人もいっぱい」

俺「野菜も果物もたくさん売ってるみたい……これじゃ迷っちゃいますね」

おっちゃん「おう!そこのメイドさん、見ねえ顔だな!」

俺「はひゅぃ!?わ、わたしですかあ?」ビクッ

おっちゃん「他に誰が居るんだよお!そんなフリフリ、他に着てる奴がいるかっての!」

俺「あ、あはは……(ご主人さま、首輪は無しでもフリフリなんですね……)」

おっちゃん「よう、いったいどこのメイドさんだい?それとも単なるコスプレか?んがっはっは!」

俺「えっと……昨日から、丘の上のお屋敷でお世話になっている者です……」

おっちゃん「丘の上?するってーと、男さんトコかい?」

俺「はい、そうです、けど……」

おっちゃん「へえ!あの変人が人を雇ったのかい!珍しいこともあるもんだなあ!」

俺「へんじん?」

おっちゃん「おうよ。あのあんちゃん、仕事熱心で有名なんだが、逆に仕事以外での人付き合いが無くてよお!」

おっちゃん「いっつも屋敷に一人で住んでんさ。買い出しも自分で来るからマーケットじゃ有名よ!」

俺「へえぇ……そうだったんですかぁ……」

おっちゃん「ま、悪いやつじゃねえことは確かさあ!ここはひとつ、良くしてやってくれよ!」

俺「もちろんそのつもりです!私を買っt……雇って頂いたお礼をするのです!」

おっちゃん「んがっはっは!その意気だあ、メイドさん!がんばれよう!」

俺「そのために、まずは美味しいお食事を作るのです!おじさん、そのお魚さんはおいくらですか?」

おっちゃん「こいつは1匹20ガバス!だが、あのあんちゃんはコッチの魚のほうが好きだぜ?」

俺「なるほど!ではそちらをふたつ頂きます!」

おっちゃん「まいどお!挨拶代わりに、1匹オマケしとくぜえ!」

俺「ありがとうございます!」

オッサン「おうい、そこのメイドさん!その魚には、この香草がよく合うぜえ!」

俺「うわあ、いいにおい!包み焼きにしたら美味しそうですね!」

おじさん「おおっと、魚だけじゃあ物足りない!ウチの肉も新鮮だよお!」

俺「ええ!?こんなに安くていいんですかあ!?」

おいちゃん「待った待った!だったら俺んとこのスパイスも要るだろう?」

俺「んー!これはご飯がすすみそうです!」

おいたん「食後にぼくんとこのフルートゥはどうだい?旦那さんと甘いひと時を過ごせるよぉー?」

俺「や、やめてくださいよ!もうっ///」テレテレ

おまえら寝る前にきいてくれ
俺は
俺がドビーにしか聞こえなくなった…

>>94
やめれ

俺「よい、しょ……よい、しょ……」

俺「はうう、つい買いすぎてしまいました……」ドッサリ

俺「だけど、これでご主人さまに美味しいお食事を作って差し上げられます!」

俺「よーっし、頑張りますよぉ!えいえいおー!です!」


俺「あっ、肝心なお米を買い忘れちゃいました……」

俺「ダッシュで戻ります!」トテテテ....

ドビー「ぴゅえっ?」

ドビー「はひぃ!」


だめだ
ごめんな
おまえら
>>1がんがれ

男「これはまた、えらい豪勢だな……」

俺「腕によりをかけてお作りしました!」エヘンッ

俺「それと、ご主人さまの好みも知りたいので色々な味をご用意しております!」

男「はっはっは……これは確かに、疲れも吹き飛びそうだ」

俺「お口に合わないようでしたらすぐにお申し付けください!」

男「では、さっそく頂くとしよう……」

俺「はい!」

男「…………」

俺「…………」ワクワク

男「おい」

俺「はひっ!!?」ビククゥッ!!

俺「も、も、申し訳ありません!何か至らない所がございましたでしょうか!?」アセアセ

男「食べると言っているのだから早く席に着かないか。料理が冷めてしまうだろう」

俺「……ふえっ?わ、私もご一緒してよろしいのですか?」

男「……なるほど、そうだったな」

俺「私などがご主人さまと同席するなどと、そんな……」

男「こっちに来い」

俺「ふみゅ!?」

男「ここだ。ここに座れ」チョイチョイ

俺「そ、そんな……だってそちらは、ご主人さまの隣……!」

男「何度も言わせるなよ。こ、こ、だ」

ドビーの声はよ

俺「…………/////////」シュー....

男「ふむ、さすが自信をもつだけのことはあるな」モグモグ

俺「あ、ありが、ごじゃまひゅ……////」

男「どうした、全然進んでいないじゃないか……食わせて欲しいのか?」

俺「はひゃぃぇ!?そ、それには及びませぇん!!」

男「ならばどんどん食え。これだけの量を二人で食い切らねばならないのだからな」

俺「はいぃ……(こんなに美味しいのに……ぜんぜん喉を通らないよお!)」

男「……ふう、食った食った」

俺「では、すぐにお片付け致します」

男「ああ、私も手伝おう」スック

俺「それには!及びません!」ビシィッ!

男「そう遠慮をするな。一人でこれだけの量は骨が折れるだr」

俺「大丈夫ですから!問題ありません!これくらい!及びませんとも!」

男「む……そ、そこまで言うなら任せよう」

俺「ありがとうございます!(後片付けまで一緒だなんて、また腰抜かしちゃうよお><;)」

男「さて、次は風呂に入ろうかな」

俺「はい!調度良い湯加減ですよ!」

男「うむ、よろしく頼むぞ」

俺「はい!よろしく頼まr……れれれぇ!?」ドッキンコ

男「どうした?」

俺「あっ、あの、えの……け、経験はありませんが精一杯頑張ります!」ビシィッ

男「なに?初めてなのか?」

俺「はっ、恥ずかしながらぁ!!前の雇い主さまには専用の湯浴み係がおりまして私なんかはそんなお世話まd」

男「そんなに難しいことじゃあない。背中を流すくらい誰だってできるから心配するな」

俺「しかし知識だけはそれなりに有るつもりで……せなか?」

俺「お、お待たせしました」ヨロヨロ

男「なんだその目隠しは」

俺「私なんどが!私なんどがご主人さまの裸体を拝見するなどそんな恐れ多く!」

男「いや、タオルは巻いているから。それに目隠ししながら背中は流せんだろう。目隠し取れって」

俺「それには及びません!」

男「取れと言うに」

俺「大丈夫でしゅ!」

男「……まあいい、とりあえずやってみろ」

俺「はいい!!」

俺「ごしごし!」

男「ふむ……良い感じだな」

俺「ごしごし!」

男「自分一人だと背中は上手く流せんからな。助かる」

俺「もったいないおことば!ごしごし!」

男「うん……」

俺「ごしごし!」

男「……さっきから同じ所ばかり洗ってないか。やっぱ目隠し取ったほうが」

俺「それには及びません!」

男「ならばしっかりやってくれ」

俺「かしこまりました!ごしごし!」

男「ちゃんとまんべんなく頼むぞ。でなければ目隠しとるからな」

俺「頑張ります!」

俺「ごしごし!(ご主人さまのせなか……広いなあ)」

俺「ごしごし!(お父さんが生きていたら……こういうこともあったのかなあ)」

俺「ごしごし(こうやって背中を流してあげたり……一緒のお風呂に入ったり……)」

俺「ごし…ごし…(私…お父さんどころか……家族のことも…何も知らない……)」


男「どうした?手が止まっ」

俺「うええええ……うっ、ひっく……ぐすっ……」ボロボロ

男「!!?」

男「……落ち着いたか?」

俺「は、はひぃ……お、お見苦しい所をお見せしてしまい申しわけ……」ズビズビ

男「構わん。家族のことを想えばノスタルジックな気持ちにもなるだろう」

俺「も、もう大丈夫です……二度とこのようなことには」

男「……もしも、の話だが」

俺「はひ?」

男「もしも、それが気休めになるのであれば……私のことを家族と思ってくれてもいい」

俺「!!そ、そそそそんなめっそうみょ!」ワタワタ

男「嫌か?」

俺「い、いいいい!!いや!では!ないの、ですけど!」アセアセ

男「……冗談だ。全く、君は本当にからかい甲斐のあるやつだな」

男「今日はもう寝るとしよう。明日も早いからな」

俺「はい!あの、朝食は何時頃にいたしますか?」

男「7時には用意しておいてくれると助かる。朝は自分で起きるから、食事の準備だけしておいてくれ」

俺「かしこまりました!」

男「よろしく頼むぞ。……それと、だ」

俺「ふみ?」

男「寝る前に、メイドには最後の仕事があるな?」

俺「……ぴいいいいい!!??い、いえ、私なんどがそんなご主人様と寝所を共にするなどそんな恐れ多く、恐れ多く!いやしかしご主人様がお望みであれb」

男「戸締まり、しっかり頼んだ。近頃は物騒だからな」

俺「かしこまりました」キリッ

ぴいいいいで吹く

俺「まったくもう!ご主人さまときたら、すぐ私をからかって!」プリプリ

俺「……だけど、とっても良い人なのは間違いないのです。魚屋のおっちゃんの言うとおりです」

俺「ちょっと変な人だけど……」

俺「…………」

俺「そういえば……どうして一人なのにこんなにおっきなお屋敷に住んでいるんだろう」

俺「お部屋もたくさん、食器もたくさんあるのに、ご主人さま一人、どれ、使用人も私だけ」

俺「…………」

俺「もう寝ましょう。明日も早いです」

俺「それから、たくさん日が昇り、たくさん日が沈みました」


俺「見てくださいご主人さま!立派な花が咲きましたよ!きれいですねえ!」

男「これはすごい。毎日君が世話をしているおかげだな」


おっちゃん「ようメイドさん!今日は大物がたくさん入ったぜえ!」

俺「わあ!そうですねえ…じゃあコレとコレとコレと……うーん、迷います!」


男「なに?字が読めないのか?」

俺「はうう……学校に行ったこともないのです……」

男「仕方ないな、日常的な読み書きくらいは私が教えてやろう」


男「今日で君が来て1年だな。久しぶりに私が腕をふるおう」

俺「やったあ!ご主人さま大好きです!」

ある日

俺「ふんふふーん!わったしっはメイドさーん!ごっしゅじんさっまの!メイドさーん!!」

俺「あるっじの!るっすを!まっもりーま……ほえ?」ピコピコ

俺「地下室の鍵……開いてます」キイッ....

俺「そういえば……今朝はずいぶん早くから起きてましたねえ……ご主人さま」

俺「…………ふみゅ」

俺「ぷええ……ずいぶん暗いですねえ」

俺「うーん、物置き?暗くてよく見えません……」

俺「明かり明かり……あっ、これかな?」カチッ

俺「みゅっ!まぶしっ……!」

俺「」

俺「…………ッ」

俺「……これって」

夕刻

俺「お帰りなさいませ!」

男「ただいま、今日もくたくたさ。取引先がゴネるのなんのって」

俺「ふふふ、毎日お疲れ様です。今日のお夕飯は特に美味しく作りましたからね!」

男「はっはっは、君の食事はいつだって最高だ。今日も期待しているよ」

俺「めっそうも!ちゃんと残さず食べていただけるだけで私は満足です!」

男「Zzz....Zzz.....」

俺「ごめんなさい……ご主人さま」ゴソゴソ

俺「あった。ご主人さまの部屋の鍵」

俺「私はメイド失格です……だけど、あんなの見ちゃったら……」

俺「確かめないわけには……いかないんです……!!」

ご主人さまの部屋


俺「これでもない、これでもない……」ゴソゴソ

俺「……【Diary】……あった、これだ……!」

俺「ご主人さまはマメなお方……きっと日記を付けていると思いました」

俺「ごめんなさい……!」ペラッ....

俺「…………」ペラッ....

俺「……」

俺「…………うぅっ…」ジワッ....

俺「うっ……うう……そんな……そんな……!!」ポロポロ

男「そこまでだ」

俺「ふみゅっ!?」

男「我が屋敷の秘密、そして私の正体を見たからには消えてもらう」

俺「ふみゅ、…」グサッ

男「……見て、しまったんだな」

俺「!!! ご、ご主人さま……!なんで、起きて……薬は効いていたはず……!」

男「君が一服盛るのはわかっていた。なんせ今日は、地下室の鍵を閉めなかったのだから」

俺「ひゅえっ……!!?」

男「私は卑怯者だ。いつかは話さないといけないと思っていたのに、勇気が無かった」

男「私の口から話すことができなかったから……君自身に気付いてもらおうとしたんだ」

俺「……わざと、だったんですね」

男「君の性格は理解しているつもりだ。几帳面で、献身的で、私が見ていないところでも決して手は抜かない」

男「無論、開け放たれた地下室の鍵にも気が付かないはずがない」

男「……てっきり君は、私を殺すと思っていたのだがね」

俺「何も知らないまま、あなたに危害を加えるわけにはいきません」

男「では、全てを知った今は?」

男「君の決断に従おう。私はそれだけのことをした」

俺「……まだ、です。まだ何もできません。あなたの口から直接聞くまでは」

俺「あの地下室にあった写真……あれは私の写真、ですね。そして、一緒に写っているのは、私の……」

男「本当の家族、だよ。君の予想通りだ」

なんかごめんね…

IDも見れない奴がこんなにいるのか

俺「物心付いていない頃の写真でも……自分の顔は分かります。それに、映っていた場所は私の故郷でした」

男「そうだ。あの写真は幼いころの君と、君の家族だ」

俺「……では、私の家族は」

男「それに関しては、君が答えを手にしている」

俺「…………嘘と、言ってください」

男「わざわざ日記に嘘は書かない。全て本当のことだ」

男「君の家族は、私が殺した」

IDって知ってる?
のコピペおもいだした

俺「…………ううっ……!!」ガクッ...

男「私は表では貿易商を営んでいるが、その裏、武器の密売も請け負っている」

男「私自身も軍人上がりでね。ルートはいくらでもあった」

男「世界には大小を問わず、あらゆるところに戦争はある。需要は絶えないさ」

男「私が武器を送り、その武器が人を殺す。私は手を染めずとも、既にこの身は血まみれだ」

男「君は、君自身の家族について、そして境遇について、何か覚えていることはあるかい?」

俺「……物心ついた頃には、既に前の雇い主さまのところで働いていました」

俺「だけど……戦争孤児の一人であると、聞かされています」

男「うん、それはある意味正しい。だが、より正確に言えば、君の故郷は過激派ゲリラによって襲われたんだよ」

男「連中は勢いこそあれど金は無い。物も無い。誰かを襲い、奪った物資で、奪った金で、武器を買う」

男「そんな奴等を相手に私は商売をしている」

俺「どうして……そんな……」

男「私自身もどうかしていたのさ」

男「私も若かった。金さえあれば人は頭を垂れたし、操ることも容易だ」

男「金に頼った偽物の優越感に酔っていたのだ」

男「あの日、ゲリラ集団のリーダーが私に交渉に来た」

男「勝利のためにはどうしても武器が必要であると。今は無いが、必ず金は払うと」

男「だから私は仕方なく一日の猶予を与えた。もし破れば、二度と武器は卸さないと言ってね」

俺「…………」

男「彼らは普段から金払いも悪かったしね。私はコレきりで縁を切るつもりだったのだが」

男「追い詰められた彼らは……全く無関係の人々を襲い始めた」

男「その人々の中に……君たち家族はいたのさ」

俺「……あなたが私の家族を殺した原因を作ったのは分かりました」

男「君が生かされていたのは、子供は商品価値が高いからだろうね。殺すより、売ったほうが利益になる」

俺「だけど!あの写真は!?どうしてあなたが私の家族の写真を持っていたのですか!」

男「……ほんの好奇心だった。連中が蹂躙し、奪い尽くした集落というものがどんな惨状であるのか気になったのさ」

男「全てが終わった後、私は現地に赴いた」

男「そうして、すぐに後悔したよ。やめておけばよかったって」

男「あらゆる家屋は破壊され、物は奪われ尽くし、大人は誰もが殺されていた」

男「目が覚めた思いだった。胃の中身を全て吐き出してしまったよ」

               ,, -―-、
             /     ヽ
       / ̄ ̄/  /i⌒ヽ、|    おぇーー!!!!

      /  (゜)/   / /
     /     ト、.,../ ,ー-、
    =彳      \\‘゚。、` ヽ。、o
    /          \\゚。、。、o
   /         /⌒ ヽ ヽU  o

   /         │   `ヽU ∴l
  │         │     U :l
                    |:!
                    U

男「そのうちに、とある家屋の中で写真を見つけた」

俺「……それが」

男「写真の中では満面の笑顔でいるものが、自分のすぐそばに転がっていた」

男「その瞬間、私の中の何かが切れたような気がしたんだ」

男「私は無意識に写真を握りしめ、その場を逃げ出した」

男「それからだよ……私が武器の扱いを一切止め、人間を拒絶しはじめたのは」

男「写真を見るたびに罪の意識に苛まれた」

男「だからこそ……だからこそ、奴隷市で君を見つけた時はまさしく肝を抜かれた思いだったよ」

俺「……前の雇い主さまは、ある日から急に生業が立ち行かなくなったと」

男「きっと彼も私のように悪どい連中を相手にしていたのだろう。君の居た地域は私の卸先の一つだったからね」

男「ともかく、君を見つけた私は罪の意識からか、君を拾わずにはいられなかった」

男「贖罪になるなどとは思っていない。私は君の人生を奪ってしまった」

男「…………これが、私の語る全てだ」

(=´ω`=)y─┛~~

俺「…………」

男「さあ、私を殺してくれ。この日が来ることを、私は心の内で望んでいたんだ」

男「私の財産は信頼できる人物に任せてある。その日記帳に書かれているところへ行けば、全て君に譲渡されるよう手配もしてある」

男「せめて君が残りの人生を幸せに生きられること……それが私の望む全てであ」

俺「勝手なことッ!!言わないでください!!!」

男「……私は勝手な男だよ。君にもわかっているだろう」

俺「そうじゃないです!!言いたいことだけ言って!あとはハイさよならですか!」

俺「何が!贖罪ですか!!何が私の幸せですか!!」

俺「急に真実を知って……ご主人さまも勝手に居なくなって……」

俺「私は……どうしたらいいんですか……!!」

        ____

       /      \  
     /  _ノ  ヽ、_  \ そんなこと言われても
    /  (●)  (●)   \    どうすりゃいいのさ
    |     (__人__)    |
    \     ` ⌒´     /
   /´           `\
  /  /          l  l
__l  l_.[] _____/_/__

  \, ´-'ヽ
    ヾ_ノ
     |
     |
     |__   コロ・・・・
    _____\    コロ・・・・
   ()__)」

男「君は残りの人生を好きに生きるといい。十分に贅沢出来るだけの金は用意してある」

俺「違います!お金があったってなんでもできるとは限らないって……ご主人さまにも分かっているでしょう!?」

俺「私は!孤独なんです!家族も知らない、頼れる人もいない……そんな私を、放り出すつもりですか……!?」

男「君ほどの器量ならすぐにパートナーも見つかるさ」

俺「うっ、うう……うううう~~~~ッ!!!」ワナワナ

俺「ご主人さまの……バカァ!!」ペチンッ!

男「ッッ!!」

ID:Lizjw7fN0はある意味有能

俺「ご主人さまは……本当に、卑怯者です」

俺「どうして、もっとはやく真実を言ってくださらなかったのですか……」

俺「もっとはやく真実を知っていたのなら……あなたを、嫌いになれたのに!」

男「……すまない」

俺「……私の料理をおいしいと言ってくれたのも、嘘だったんですか。気を使っていたのですか」

男「いや、君の料理は本当に美味しかったよ。嘘ではない」

俺「私が風邪を引いてしまった時に看病してくださったのも、罪の意識からですか」

男「そんなわけがあるか。あの時は本気で心配したな……急に倒れるのだから」

俺「私に……ご主人さまを本当の家族だと思ってもいいって言ったのも……嘘だったんですか」

男「…………」

     *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

糞ワロタやめろスレ潰しwwwww

なんだうそか

俺「私を!家族だと言ってくれたのは!嘘だったんですか!!」

男「嘘ではないッ!!君のことは心から大切に思っていた!」

男「できるならばいつまでも一緒に居たかった!だがそれはできない!私は君にそれだけのことをした!!だから……」

俺「死んで償う、ですか!!あなた一人の命で償えると思うな!!」

男「ならばどうすれば!」

俺「一生をかけて償え!死んでさよなら、なんて通りません!」

俺「……あなたの。残りの人生を、ぜんぶ私にください」

おかしいな
ホモスレのはずなのにホモスレじゃない

>>303
これは純愛だ

俺「もう隠し事は無しにしてください。素直な気持ちで、本当のあなたで私と向き合ってください」

男「……私を許すというのか?」

俺「まさか。許しませんよ。あなたの全てで、私を幸せにするよう尽くすのです」

男「ははっ……主従逆転というわけか」

俺「いーえ。ただ、これから言う約束を守ってくださればいいのです」

男「……聞こう」

俺「私のご飯を美味しいと言って食べてくれること」

男「……?」

俺「私が起こしに行ったらちゃんと一回で起きてくれること」

俺「私がもしも病気になっちゃったら、ちゃんとお仕事を休んで看病してくれること」

このあとのホモセクロス展開に期待

俺「週に一回くらいは、いっしょにお出かけしてくれること」

俺「私の作ったお洋服を着てくれること」

俺「……あっ、そうそう、新しい冷蔵庫を買ってくれることも」

男「それは……」

俺「そ、し、て」

俺「私と、本当の家族になってくれること」

\   / .::::::::::::::::::::::::;;:;;::,ッ、::::::   )  く   ホ  す
  \ l  ,ッィrj,rf’”‘”‘”    lミ::::::: く   れ  モ  ま
     Y           ,!ミ::::::: ヽ  な  以  な
`ヽ、  |           くミ:::::::: ノ   い  外  い
     |、__  ャー–_ニゞ `i::::,rく   か  は
``”ー- ゝ、’l   ゙̄´彑,ヾ   }::;! ,ヘ.)  !  帰
      ゙ソ   ”"”"´`     〉 L_      っ
      /          i  ,  /|    て    r
≡=- 〈´ ,,.._        i  ’t-’゙ | ,へ     ,r┘
,、yx=”” `ー{゙ _, -、    ;  l   レ’  ヽr、⌒ヽ’

        ゙、`–─゙      /!         `、
  _,,、-     ゙、 ー”    / ;           `、
-””_,,、-””    ゙、    /;;’ ,’  /         、\
-””    /   `ー─”ぐ;;;;’ ,’  ノ
   //    /     ヾ_、=ニ゙

男「…………」

俺「守って、くれますか?」

男「……本当に、君という奴は」

俺「答えを聞かせて下さい」

男「……要求を呑もう。ただし、最後以外は」

俺「……ひゅえっ!?」

男「なぜなら。最後の要求に関しては私から頼まねばならないことだからだ」

男「私で良ければ……どうか、家族になってくれないだろうか」

俺「……!!」


俺「よろこんで!!」

   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
  |   i 、ヽ_ヽ、_i  , / `__,;―'彡-i     |
  i  ,'i/ `,ニ=ミ`-、ヾ三''―-―' /    .|

   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
   .i i.| ' ,||  i| ._ _-i    ||:i   | r-、  ヽ、   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
   丿 `| ((  _゛_i__`'    (( ;   ノ// i |ヽi. _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
  /    i ||  i` - -、` i    ノノ  'i /ヽ | ヽ     |    |  /    |   丿 _/  /     丿
  'ノ  .. i ))  '--、_`7   ((   , 'i ノノ  ヽ
 ノ     Y  `--  "    ))  ノ ""i    ヽ
      ノヽ、       ノノ  _/   i     \
     /ヽ ヽヽ、___,;//--'";;"  ,/ヽ、    ヾヽ

けつ展開…

男「これが家族…というものか…!」パンパン

俺「ふにゅう……」

俺「こうして、私とご主人さまの間に、他言無用の秘密協定がむすばれました」

俺「私は今までと変わらず毎日お屋敷のお掃除、洗濯、お食事作りなどに追われていますし」

俺「ご主人さまも今まで以上に張り切ってお仕事に取り組んでいます」

俺「あ、そうそう、最近はご主人さまも一緒にお買い物にでかけたりするんです」

俺「ご主人さまったら、お仕事の話は上手なのに、普通の世間話とかは苦手なんですよ」

俺「マーケットの人たちはみんな気の良い人なのに、話しかけられるとすぐ私の後ろに隠れちゃうんです」

俺「それと……もう一つだけ、私たちの間で大きく変わったことがありました」

wktk

ほぅ…

ウルセー!!((;`Д´)≡⊃)`Д)

男「それじゃあ、行ってくるよ」

俺「行ってらっしゃいま……あっ!」

男「なんだ?……と、んお!?」

俺「ふっふっふぅ……“証”、消えていたので新しく付けておきましたよ!」ドヤッ

男「おいおい……今日は特に大きな取引を……」

俺「ん」

男「…………」

俺「私のも薄くなってます。ん!」

男「……お前は他の場所にたくさん付いてるからいいだろ」

俺「ぴいえええええ!??そ、それ、他の人に言ったらダメですよ!絶対ですよ!?」

男「行ってきまーす」

俺「絶対内緒ですからねええええええ!!!!ぷるぷる!!!」



おわり

     *      *
  *   乙です   +
      , '´  ̄ ̄ ` 、
+    i r-ー-┬-‐、i   *
     | |,,_   _,{|
 *   N| "゚'` {"゚`lリ    +

     n ト.i   ,__''_  ! n   
 + (ヨi  l\ ー .イ| E)
       Y    ̄  Y    *

これは掘られてますわ

ぴいえええ!?とかリアルで言われたらぶっ頃だけどな

どびーで"証"想像しちゃうからやめてくれよ…

            r-┐
            /  |
           ̄|  |
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            |.__,|      _ _   lヽ,,lヽ
              _| ::|_      | |Θ| (     ) ))
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_|   し   i
        |___|__|_|  |_|    しーJ ....



     ウニョッ
      _____  ヾ

    ((  l、___   /
         / /
       /   /           チャリーン
       (  (__/| ))
        ヽ___ _,/      _ _ lヽ,,lヽ
      `ー      _| ::|_       | |Θ(     )
        | ̄ ̄ ̄| ̄ ̄|_ |_|_と   i
        |___|__|_|  |_|  しーJ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月04日 (水) 19:32:40   ID: BIrg-SO5

俺って女の子なの?

2 :  SS好きの774さん   2015年08月08日 (土) 14:32:35   ID: Lcs0MoE_

↑自分の性別も知らないの?

3 :  SS好きの774さん   2015年09月30日 (水) 10:13:54   ID: aF5kLDbW

俺ってなんだよ(混乱)

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