貴音「みそらぁめんを……」(97)

 
店員A「あいよ、ミソラーメン一丁!」

店員B「あい、ミソラーメン入ります!」


・・・・・・

店員A「あい、ミソラーメンお待ち!」

貴音「」モグモグ


貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ

貴音「まことに美味でした……」

貴音「……」

貴音「……」

貴音「あの……」

店員A「はい、ご注文ですか?」

貴音「しょうゆらぁめんをお願いします」
 
店員A「あいよ、しょうゆラーメン一丁!」

店員B「あい、しょうゆラーメン入ります!」


・・・・・・

店員A「あい、しょうゆラーメンお待ち!」

貴音「」モグモグ

貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ

貴音「まことに美味でした……」

貴音「……」

貴音「……」

貴音「面妖な……」

貴音「あの……」

店員A「はい?」

貴音「しおらぁめんをお願いします」

店員A「え?」

貴音「しおらぁめんをお願いします」
 
店員A「あ……あいよ、しおラーメン一丁!」

店員B「あい、しおラーメン入ります!」


・・・・・・

店員A「あい、しおラーメンお待ち!」

貴音「」モグモグ


貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ

貴音「……」

貴音「……」

貴音「……」ゴソゴソ

貴音「なんと……」


店員A(お、おい、あの客さ)

店員B(ん?)

店員C(どっかで見たような気が……)

貴音「あの……」

店員A「は、はい?」

貴音「ちゃあしゅうめんをお願いします」

店員A「はい?」

貴音「ちゃうしゅうめんをお願いします」

店員A「チャーシュー麺、ですか?」

貴音「ええ。ちゃあしゅうめんです」
 
店員A「わかりました……チャーシュー麺一丁!」

店員B「あい、チャーシュー麺入ります……って、ええ?」

店員A「オーダー繰り返します。チャーシュー麺一丁」

店員B「……チャーシュー麺一丁」

・・・・・・

店員A「あの、チャーシュー麺です」

貴音「」モグモグ


貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ


店員A(なにこいつ……)

店員B(マジか……)

店員C(……あ、テレビで見たことあるような気が)


貴音「……」

店員C(携帯出してる)

貴音「もやしらぁめんをお願いします」

店員A「……はい」


客A「すげぇ……」

客B「どうした?」

客A「あの子、ラーメン四杯目だ」

客B「マジか」

貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ

貴音「五目らぁめんをお願いします」

店員A「五目ラーメンですね……」

貴音「あ」

店員A「はい?」

貴音「餃子も」

店員A「」

貴音「」モグモグ

貴音「」ゴクゴク

貴音「」プハッ

店員B(……まさか!?)

店員C(どうした?)

店員A(おい、店員B? なぜ豚角煮を準備している!?)

店員B(黙って見てろ)

貴音「あの……」

店員A「はい」

貴音「豚角煮らぁめんをお願いします」

店員A(なんだと……)

店員A(何故だ!? 何故わかったんだ、店員B!)

客A「すげぇな、あの姉ちゃん」

客B「……あれ?」

客A「どうした」

客B「おい、メニューをよく見ろ」

客A「ん?」

貴音「餃子らぁめんをお願いします」

客A「!?」

客B「気付いたか」

店員B(くっくっくっ。餃子ラーメンは準備済みよぉ!)

店員A(こ、こいつ、メニューの並び順に注文してやがる!?)

店員C(どっかで見た顔なんだよなぁ……)


客A「馬鹿な、メニュー順だと?!」

客B「……いったい何が彼女を……」

店員A(順番通りなら次は……)

貴音「煮玉子ときむちとめんまと焼き豚をお願いします」

店員B(サイドメニューまで律儀に頼むだと!?)

店員A「煮玉子、キムチ、メンマ、焼き豚入りました」


客A「おいおい、このままメニュー全制覇する気か……」

客B「下手なテレビより面白そうだな」

客A「俺は見届けるぞ、おい、ビールと焼き豚追加!」

客B「あ、こっちもビールと餃子追加」

店員D子「はーい、少々お待ちくださーい」

貴音「ちゃあはんをお願いします」

客C「……ご飯ものに入りやがった」

店員A「お待たせしました、チャーハンです」

貴音「……」

店員A(? 何故こんな不満顔を……)

貴音「ちゃあはんにはすぅぷが付く、と品書きにありますが?」

客A「スープまできっちり頼むだとっ?!」

店員A「し、失礼しました! すぐに持って参ります!」

貴音「えびちゃあはんをお願いします」

店員A「スープ付き、ですか?」

貴音「? 品書きにはすぅぷ付きと書いてあるのでは?」

店員A「出過ぎた発言でした。平にご容赦を」

・・・・・

貴音「きむちちゃあはんをお願いします」

・・・・・

貴音「じゃこ入りちゃあはんをお願いします」

・・・・・

貴音「中華飯をお願いします」

・・・・・

客A「あ、こっちビール追加」

客B「こっちも」

・・・・・・・
・・・・・
・・・


客A「すげぇ、メニューの半分以上を制覇してるぜ……」

客B「ああ、なんちゅう胃袋だ」

客C「デブって訳でもないのになぁ」

店員C(思い出した。あれ、四条貴音だ)

店員A「次はエビチリの準備が出来ておりますが」

貴音「一分後に」

店員A「わかりました」

客A「メニューの最後尾には普通は飲み物が並ぶ」

客B「ああ。だが、この店のメニューの最後尾は……」

客A「定食ものだ」

客B「まさか……」

客A「俺は奇跡を信じる。いや、奇跡じゃない、これは必然だ」

店員C(貴音さんすげぇ……)

店員D子(さっきからお客さんが増えてるんだけど、みんなビールとつまみばっかり)

貴音「餃子定食を」

店員A「かしこまりました。少々お待ちを」

客A「定食行きやがった」

客B「……」

客A「どうした?」

客B「すいません、唐揚げ定食とラーメンください」

客A「な……」

客B「これが食わずにいられるか……この状況を見て、食わずにいられるかよっ!」

客A「客B……お前って奴は……」(今日初めて会った人だけど)

客C「姉ちゃん、こっち、チャーシュー麺と餃子二つ」

客A「くっ……おい、こっちにエビチャーハン頼む」

貴音「らぁめんせっとお願いします」

店員A「仰せのままに」

店員C「お皿お下げしますね」

店員C(貴音ちゃんの皿ペロペロ)

客「メニュー全部食いきったぞ!」
店員「すげーな!!」



貴音「あの…みそらぁめんを一つ…」

店員B(……メニュー制覇まで、アルコール除いてあと三品だと……)

店員A(何処の誰だか知らないが、見事だ……)

店員C(貴音ちゃんペロペロ)

店員D子「あの人以外にもオーダー来てんだから働けよコラ」

貴音「……」

客A「ウーロン茶で喉を湿して休憩中か」

客B「あと、三品……これは行けるな」

貴音「あの……」

客C「来たッ!」

店員A「はい」

貴音「プリンパフェを」

店員A「あの……すいません、当店にはパフェは……」

客A「おらぁっ!」ゴスッ

店員A「げふっ」

客B「だっしゃぁぁっ」ベキッ

店員A「がふっ」

客A「己は何考えとんじゃああああ!!!」

客B「この流れでメニューありませんが許されると思っとんかぁぁぁっ!」

客C「無かったら無かったで、近所の喫茶店かコンビニでも走って買ってこいやぁぁぁぁ!!!」

店員D子「行ってきまーす」

店員C「お客様、お皿お下げしまーす」(フヒヒヒヒ、貴音ちゃんの皿ペロペロ)

店員B「あれ? 皿が足りねぇ……?」

モトネタ野球漫画懐かしいな
実家帰ろう

・・・・・・・・

店員D子「すいません、プリンパフェあります?」

律子「あ、スイーツ類はそちらの棚にそろっております」

店員D子「あ、あったあった。これ、お願いします」

律子「×××円のお買いあげです」

店員D子「千円札で……あ、領収書下さい」

律子「はい、ありがとうございました」

店員D子「ロー○ンが近くにあって良かった」

・・・・・・・・

客A「やりやがった……」

客B「メニュー制覇だと……」

店員A「くっ……」

店員B「膝を屈するな、店員A。俺たちが弱いんじゃない。あの人が強かったんだ」

店員C「あ、ちょっと早退させてもらいまーす、さーせん」ガチャガチャ

店員D子「店員C君、なんでお皿持って帰ってるのかな?」

貴音「」スック

貴音「まこと、美味でした」ニッコリ

店員A「……ああ、喜んでくれて幸いだ」

店員B「次は、もっと凄いメニュー用意してやるからな」

店員D子「スイーツメニューも充実させなきゃね」

貴音「ではまた、いずれ……」スッ

客C「すげぇ……すげぇものを俺たちは……」



 感極まる客と店員。

 食い逃げされたことに気付くまで、あと三十分



                                    終

以上、お粗末様でした

ではまた、いずれ……

>>70
さすがにバレましたかw

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