アンガ田中「ええ~?俺が放課後ティータイム~?」 (20)

唯「あ~ずにゃん」

梓「なんですか、唯先輩?」

唯「実は軽音部に新入部員が入ったんだよ!」

律「なんだとー!?」

澪「本当か?」

紬「唯ちゃん、すごい」

唯「えへへ」

澪「それで肝心の新入部員はどこなんだ?」

唯「あ、もう入ってきていいよ~」

ガラガラ

田中「こんにちは~、アンガールズの田中です~」

梓「………」

澪「おい、梓」ヒソヒソ

梓「なんですか?」ヒソヒソ

澪「あれって、男じゃないか?」ヒソヒソ

梓「澪先輩もですか?実は私も…」ヒソヒソ

澪「な、なあ唯」

唯「なあに、澪ちゃん?」

澪「あれって男だよな?」

唯「やだなあ、桜高に男子がいるわけないじゃん」

律「そうだそうだー」

紬「そうだー」

澪、梓「……」

律「ところで田中~」

田中「んも~、なあに~田井中さん?」

律「なんで田中は軽音部に入ったんだ?」

田中「だって~、軽音部に入れば好きなだけ紅茶が飲めるって平沢さんが~」

紬「田中ちゃんは紅茶が好きなの?」

田中「ん~、紅茶に関してはちょっとうるさいよ~」

律「よーし、さっそくお茶にしよー!」

唯「そうしよー!」

紬「じゃあ、いま紅茶いれるから待っていてね」

澪「お、おい…練習…」

紬「はい、お待たせー」

田中「え、ええ~?ちょ、なにやってんの琴吹さ~ん?」

紬「え?どうしたの田中ちゃん?」

田中「なんでこんないれかたしてんの~?」

律「いったいどうしたー?」

田中「紅茶は最後の一滴、ゴールデンドロップをいれるのが常識でしょ~?こんないれかたしちゃってさ~」プンプン

紬「ご、ごめんなさい」

田中「琴吹さんは紅茶をいれる資格がないから~、今度から俺が全部やるからさ~」

梓「な、なんだか面倒臭い人ですね…」ヒソヒソ

澪「そうだな…」ヒソヒソ

梓「ところで田中先輩?」

田中「なあに~、中野~?」

梓「田中さんは何の楽器ができるんですか?」

田中「何もできないけど~」

澪「でもハーモニカくらいは吹けるだろ?」

田中「ごめ~ん~、できないよ~」

梓「じゃ、じゃあ、軽音部の意味がないじゃないですか!」

律「待て、梓!」

梓「なんですか、律先輩?」

律「明日だ、明日までに田中のできそうな楽器を探しておくから!」

梓「律先輩がそこまで言うなら…」

次の日

唯「りっちゃん、これは?」

律「ふふふ、これかー?」

梓「なんなんですか?これ…」

律「田中の楽器だー!」

澪「楽器ってこれ、牛の銅像じゃないのか…」

律「違うぞー、これは吹奏楽器だぞー!」

紬「まあ、これはファラリスの雄牛ね」

唯、澪、梓「ファラリスの雄牛ー?」

律「この金属製の牛の中は空洞になっていて人が入れるんだ、田中ちょっと入って」

田中「ん、あは~」

律「で蓋を閉めてと…田中、思いっきり吹いてみてー」

田中「ん~」

ンモ~

唯、澪、紬、梓「おお~」

律「こんなふうに音が出るんだ」

唯「すごいよりっちゃん!」

梓「さっそく練習しましょう!」

唯、律「そうしよー!」

紬「しよー!」

律「じゃあふわふわ時間な?ワン、ツー、ワン、ツー、スリー、フォー!」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャン

ンモ~

ジャカジャカジャンジャンジャカジャン

ンモ~

澪「お、おいストップ!」

唯「どうしたの澪ちゃん?」

澪「田中の音が全然聴こえないぞ」

梓「アンプに繋いでるわけじゃないですからね」

紬「田中ちゃん、もっと大きな音は出せない?」

田中「んも~、無理言わ~な~い~で~」

唯「どうしよう、りっちゃん…」

さわ子「ふふふ、いい考えがあるわよ」

唯、律「さわちゃん!?」

澪「いつの間に…」

さわ子「あなたたち、そもそもファラリスの雄牛の使い方が全然なっていないのよ」

梓「どういうことですか?」

唯「まさか使い方が違うの?」

さわ子「そうねえ…でもこれは教師として教えていいものか…」

律「ムギ!」

紬「先生、今日はミルフィーユですよ」

さわ子「教えるわ!」

梓「即答ですね…」

澪「それで本当の使い方ってどうするんですか?」

さわ子「そ、れ、は」

一同「それは?」

さわ子「火をつければいいのよ!」

唯、律、紬「おお~」

澪、梓「え?」

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