恒一「僕が見崎の一番なんだって」未咲「は? 私だよ?」(666)

恒一「あ?」

未咲「やんの?」

鳴「はぁ…」

未咲「鳴に付きまとうの止めてよストーカー」

恒一「ストーカー? あぁ、学校帰りに毎回校門で待ち伏せしてる君の事?」

未咲「あれは鳴が変な奴に絡まれたりしないか心配してるの! あんたみたいに邪な考えじゃないし」

恒一「見崎は僕が守るからいいって言ってるよね?」

未咲「あんたみたいな変態モヤシに任せられるわけないでしょ!」

鳴(左右から唾飛ばしあうの止めてほしい…)

恒一「はぁ…見崎かわいいよ見崎」ハァハァ

未咲「はぁ…鳴かわいいよ鳴」ハァハァ

恒一「ちょっと、真似しないでよ」

未咲「は? あんたが真似したんでしょ。キモい」

恒一「見崎、あんなのの言う事聞いちゃダメだよ? 口が汚くなっちゃうからね」

未咲「鳴、こんなの無視した方がいいよ」

恒一「は?」

未咲「あ?」

鳴「不毛ね…」

恒一「そもそも何で君がいるんだよ。今日は僕と見崎二人っきりの筈だったのに…」

未咲「それこっちの台詞。今日は鳴と二人で過ごす予定だったのに」

恒一「勝手に決めるなよ。僕は見崎に呼ばれて来たんだぞ」

未咲「は? 私は三日前から約束してたし」

鳴(…どっちも呼んだ覚えないけど)

鳴「二人は入院してた頃から仲悪いよね。何で?」

恒一・未咲「だってコイツが!」

鳴(むしろコレ仲良いのかな…?)

未咲「コイツの顔見てたせいで入院長引いちゃった。死ねよ」

恒一「君が後から僕の病室来たんじゃないか」

未咲「鳴ー。コイツ看護婦さんと逢引してたよ」

恒一「だから水野さんとは違うって言ってるだろ!」

未咲「ほらね。必死で否定するとことか怪しいでしょ?」

鳴「ふーん…」

恒一「ち、違う! 誤解だ!」

未咲(ざんまぁ)

鳴「…ま、それは榊原君の勝手だからいいけど。いいけど」

恒一「ぼ、僕は見崎だけだよ!」ギュッ

鳴「っ///」

恒一「信じて…?」

鳴「わ、分かったから…離して…///」

未咲「」ゲシゲシ

恒一「よかった…」

未咲「離れろ変態」ゲシゲシ

鳴(いいにおいしたな…)ポケー

未咲「おい! 鳴が気絶しちゃっただろ変態!」

恒一「そんなに嬉しかったのか…」

未咲「聞けよ!」

鳴(私だけ…ふふ…)

未咲「む、無視すんなぁ…」

恒一「ん? あ、まだ居たの?」

未咲「あーもう切れた!」ブンッ

恒一「うわっ!」ヒョイッ

未咲「避けんな!」ブンッ

恒一「無茶苦茶言うなよ!」ヒョイヒョイ

未咲「このっ…!」

恒一「そのリーチで当たるかよ」

未咲「ううぅ~!」

未咲「鳴、飴食べる?」

鳴「うん」

未咲「はい、あーん」

鳴「おいちい」コロコロ

未咲(天使)

恒一「ほら見崎。ガムあるよガム」

鳴「おいしそう…」

恒一「僕が噛んで柔らかくしてあげるね」モグモグ

未咲「流石に引くわ」

鳴「最近は二人でよく喋ってるよね」

未咲「コイツが話しかけてくるの。壁にでも話してろって感じ」

恒一「この娘が話しかけてくるんだ。空気読んで欲しいよね」

未咲「はぁ? なに言ってんの? この前だって――」

恒一「あれは君から――」

ペチャクチャ

鳴「…」イラッ

恒一「ほら、見崎の学校での写真」ピラッ

未咲「おぉ…! やるじゃないモヤシ。要らないのが横に写ってるのが不快だけど」

恒一「いいから約束のモノ出しなよ」

未咲「ちっ。ほら、悪用しないでよ」ピラッ

恒一「ロリ見崎…どっかのそっくりさんが写ってるのが邪魔だけど」ハァハァ

未咲(…まぁ写真切るのはアレだし、このまま取っとこう)

恒一(拡大コピーして壁紙にしよう。いらないのは消せばいいし)

鳴「未咲は榊原君のこと好きなの?」

未咲「……は? は?」

鳴「仲良いじゃない…」

未咲「え? え? どこが? むしろ機会があれば謀殺してやりたいレベルなんだけど」

鳴「違うの?」

未咲「違う! あんな貧弱そうなの…」

鳴「あ、榊原君」

未咲「っ!?」バッ

鳴「う・そ」

未咲(やっぱアイツは消すしかない…)

恒一「見崎…見崎ぃ…」ハァハァ

怜子『恒一くーん? 見崎さん来てるわよー』

恒一「!?」ガタッ

怜子『女の子を待たせちゃダメよー?』

恒一「見崎!」ガラッ

未咲「よう」

恒一「帰れ」ガラッ

未咲「だって鳴。帰ろ」

鳴「…うん」ショボーン

恒一「いらっしゃい見崎。狭いけどゆっくりしていってね」

未咲「ちっ」

鳴(壁一面に私の写真が貼ってある…)キョロキョロ

未咲「変態」ペリペリ

恒一「取るな」

未咲「壁紙以外つまんない部屋だなー」ゴソゴソ

恒一「漁るなよ…」

鳴(榊原君の布団…)ゴソゴソ

未咲「うわ…なにこれ…エロ本?」ツマミ

恒一「!?」

未咲「…」ペラペラ

恒一「ちょっ、何読んでんの!」

未咲「…不潔」ジトー

恒一「ち、違う! それは勅使河原が…友達が持ち込んだんだ!」

未咲「ねー鳴! こいつこんなん持ってるよー」

恒一「うわあああああああ!」ガシッ

未咲「ん!? んーんー!」バシバシ

恒一「暴れんなよ!」ドサッ

未咲「んー!/// んーんー!///」バタバタ

鳴「…何してるの?」モゾッ

恒一「あ」

未咲「んむー! んーんー!」バシバシ

鳴「…さ・か・き・ば・ら・君?」

恒一「ち、違うんだ。これはたまたまこういう体勢になっただけで…」アセアセ

鳴「たまたま、私が見てないとこで、未咲を押し倒したんだ? ふーん…」イライラ

恒一「誤解だ! 見崎は勘違いしてる! 僕がこんな顔以外最悪の女に欲情するはずないだろ?」

未咲「ん!?」

鳴「ふーん…ふーん…」

恒一「僕が愛してるのは見崎だけだよ…」ジッ

鳴「…ほんと?」

恒一「はい」コクコク

鳴「…///」

未咲「んー!? んんー!?」ガスガス

鳴「とりあえず放したら?」

恒一「う、うん…(エロ本は…っしゃ確保!)」スッ

未咲「あぅ…/// おま、お前マジ殺すからな…///」

恒一「はいはい。懲りたらもう漁るなよ」

未咲「鳴ー! コイツの本棚からこんなん見つけたー!」バサッ

鳴「…『ドS29歳女教師・調教編』…? なにこれ榊原君…」

恒一(それ望月のぉぉおおおおおおおおお!?)

恒一「そ、それは望月のだって!」

鳴「何で望月君のがここにあるの? 何で? 借りたの? そうでしょ?」

恒一「そ、それは…(鑑賞会してたなんて言えない…)」ダラダラ

未咲「ばーかばーか!」

恒一「コイツ…!」

未咲「ね? コイツはこういうの見てるんだって。うわー、ほらほら鳴。これ見て見て」

恒一「見崎に変なもの見せるな!」

未咲「アンタのでしょ!?」

恒一「違うって!」

鳴「…うわぁ///」ペラペラ

未咲「アンタのせいで鳴が変なものに興味持ったらどうするのよ!」

恒一「君が見せたんだろ!」

未咲「人のせいにするなー!」

恒一「あぁもう…」


怜子「うるさいなぁ…」

鳴「じゃあね榊原君。また」フリフリ

恒一「うん。いつでも来てね」ニコニコ

未咲「もう来ないから!」

恒一「二度と来るなマジで」


恒一「疲れた…」

怜子「恒一君…? こ、これ…/// その…部屋の前に置いてあったんだけど///」モジモジ

『ドS29歳女教師・調教編』

恒一「」

未咲(今日も鳴をお迎えだー♪)ルンルン

未咲(にひひ…突然抱きついて驚かせてやろう…)コソコソ

恒一「でさぁ――」

未咲(アイツの声がする…という事は鳴も…。鳴はいつも右側だから…)

未咲(今だっ!)

未咲「待ってたぞー♪」ギュッ

恒一「は?」

未咲「え?」ギュー

望月「え? み、見崎さん?」

未咲「あれ? 鳴? アンタ…え? え? 何で?」ギュー

恒一「…見崎なら早退したよ?」

未咲「え!? 何で!? 風邪!?」グイッ

恒一「…昼間お弁当食べすぎて腹痛起こしちゃって…」ハァ

未咲「あぁね…」

恒一「ていうか放してよ。いつまでくっついてんの」

未咲「あ…///」バッ

未咲「す、すけべ…!」

恒一「何言ってんだよ…」

望月「あの…誰?」

恒一「見崎の…親戚」

未咲「そっちは? 彼女?」

恒一「男だし友達だって。望月優矢」

未咲「あぁ…あのエロ本の」

望月「!?」

恒一「(スマン望月…)じゃあ僕見崎ん家行くから」スタスタ

未咲「ま、待てよー!」スタスタ

望月(彼女、かな?)

恒一「ついてくるなよ」スタスタ

未咲「アンタ歩幅広い。もっとゆっくり歩いて」テクテク

恒一「我儘言うなよ…」テクテク

未咲(あ、少し遅くなった…)

恒一(見崎大丈夫かな…重箱一つ丸ごと食べるなんて…いや、見崎の食欲を侮ってた僕が悪いか)

未咲(身長高いな…)

恒一(あぁ見崎。見崎…見崎見崎見崎)

未咲(ま、まぁ顔はいいよね。顔は、顔だけは…///)

恒一(見崎ペロペロペロペロ)

鳴「来たんだ…」グッタリ

恒一「大丈夫? ごめんね、明日はもっと少なめにするから」

鳴「そのかわりデザート多めにね」

恒一(カロリー計算とか大変なんだけどなぁ…)

未咲「鳴に変なもの食べさせないでよ?」

恒一「健康も気を使って作ってるから大丈夫だって」

未咲「ふーん…」

恒一「はぁ…弱ってる見崎もかわいい…」ジー

未咲「…やっぱただの変態か」ボソッ

恒一「さて…じゃあ見崎の顔も堪能したし帰るかな」

鳴「もう…?」クイクイ

恒一「きゃわわ…じゃなくて、病人なんだから安静にしてなきゃダメだよ?」

鳴「…うん。またね」

未咲「もう来んな」

恒一「君も帰るんだよ」ズルズル

未咲「き、気安くさわるなー!」

鳴「うまうま」モギュモギュ

恒一「口一杯にご飯詰めてるの可愛いよ見崎可愛いよ」

未咲(なにこれウマー!)パクパク

恒一「ちょ…それ僕の!」

未咲「ケチケチするなよー」ゴックン

恒一「あぁ僕の…」グー

鳴「…」クイクイ

恒一「? どうしたの?」

鳴「…あ、あーん」

恒一「あーん…あーん!? い、いいの!?」

鳴「う、うん。いつも作ってくれるから、お礼」

恒一「生きてて良かった…! じゃ、じゃあ…」アーン

鳴「はい」ドキドキ

恒一「もぐもぐ…」

鳴「どう?」

恒一「最高」グッ

鳴「そう…///」

未咲「わ、私も私も!」

鳴「はい、あーん」

未咲「あ、あー…///」

鳴「おいしい?」

未咲「うん! あ、言っとくけどアンタが作ったからじゃないから」

恒一(そういえばこれって間接キスだよね…ふへへ///)

未咲「聞けよ!」

恒一(でも足りないな…いや愛は十分満ち足りてるけど物理的に)チラッ

未咲「?」モグモグ

恒一「ねぇ、一口ちょうだいよ。元々は僕のなんだからいいだろ?」

未咲「はー? いや」モグモグ

恒一「しょうがない…じゃあ見崎から――」

未咲「それはダメ」ガシッ

未咲「しょうがないから一口だけね。それ以上はあげないから」

恒一(無理やり奪っておいて…)

未咲「………じゃ、じゃあほら、口開けて…」アーン

恒一「ちょっと味付け薄かったかな…」ヒョイモグ

未咲「…」

恒一「どうしたの? スプーンこっち向けて。ごちそうさま」ゴックン

未咲(ばーかばーかばーか!!)

未咲「私は鳴だけだよ」ギュー

鳴「?」

未咲「おいモヤシ。さっさとアイスティー持ってきて」

恒一「僕は君の小間使いじゃないんだけど…はい見崎」

鳴「ありがと」クピクピ

未咲「私のは?」

恒一「あるよ。また僕の取られちゃたまらないからね」

未咲「…ふん。ミルクとシロップも」

恒一「それぐらい自分でやれよ。あ、見崎は遠慮無く言ってね?」

未咲「はよ」ゲシゲシ

恒一「ったくもう」シブシブ

鳴「榊原君、私もミルク欲しい」

恒一「だろうと思ってミルク入りも用意しておいたよ」

鳴「やった」

未咲「私もレモンティー飲みたい」

恒一「スーパー行ってこいよ」

未咲「やだよ。あ、アンタのレモンティーちょうだ――」

恒一「ごくごくごく…ふー。え? 何か言った?」プハー

未咲「……しんじゃえ変態ばか」

恒一「…」ジー

未咲「…なによ」ジトー

恒一「いや、流石に似てるなと思って」

未咲「双子なんだから当然でしょ」

恒一「まぁ中身は天使と悪魔というか、月とすっぽん、見た目一緒でも中身の差でここまで違って見えるのも凄いね」

未咲「喧嘩売ってんの? 買うよ?」ポキポキ

恒一「さぁね」

鳴「でも顔は良いんでしょ? 前言ってたし」

恒一「見崎の100分の1ぐらいは好みかもね。多分」

未咲「嬉しくないわよ!」

ごめん今日夜勤だった
2時には帰る

未咲(こっそり部屋行って鳴驚かせちゃお)ニヒヒ

未咲(そーっとそーっと…)コソコソ

「んっ…もうダメぇ…」

「見崎、かわいいよ」

「そんな事ばっかり言って…あぅっ」

「本当の事じゃないか。ほら…」

「さ、触っちゃ…ひゃぁ…」

未咲「」

未咲(え? え? 何? 何が起こってるの部屋の中で!)キキミミ

「ほら…見崎のココ、もうこんなに…」

「ほ、ホント…?」

「うん。だからほら、もっとしよう?」

「分かった…んっ、んっ」

「凄いよ見崎」

未咲(……………………)プチン

未咲「こらぁああああああああ!! い、いけないんだぞ中学生が――」

鳴「ふっ、ふっ…」ギシギシ

恒一「98、99、100! よし見崎よく頑張ったね」ナデナデ

鳴「うん」

未咲「……あれ? なにやってんの?」

鳴・恒一「腹筋だけど?」

恒一「最近見崎食べすぎで体重がその…ね。まあ僕はどんな見崎でもオッケーだけど」

鳴「榊原君がおいしいの作るから」

未咲「で、でも可愛いよとか触っちゃダメって…」

恒一「見崎が可愛いのは当たり前だろ」

鳴「榊原君がおへそ触るから…」

恒一「チラチラ見えて正直我慢きかんかった」

未咲「あ、あれー?」

鳴「それで、何がいけないの?」

未咲「そ、それは…えと…///」

恒一「どうせ変な想像してたんだろ」ボソッ

未咲「ち、違うよ! 違うからね!」

恒一「ふーん…」ニヤニヤ

未咲「っ! アンタ私が外いるの気付いててあんな事…!」

恒一「さぁ? それでも君が何を想像するかなんて分からないから、結局は君の責任――」

未咲「~~!!/// 変態!! 変態!!」バシバシ

恒一「それは君だろ」

未咲「…鳴ぃー。あいつが虐めるよー」ダキッ

恒一「見崎、そんなのの話聞いちゃダメだよ?」ギュッ

鳴「腹筋…楽しいかも」

未咲「めーい。遊びいこ?」

鳴「え? でもご飯まだ食べてないし…」

未咲「ありゃ、そうなんだ。じゃあ食べてからだね」

鳴「榊原君が来て作ってくれるからそれまで待って――」

未咲「やっぱ今行こう! ほら鳴はやく!」グイグイ

鳴「えー」

未咲「はよ!」

鳴「もう…」シブシブ

未咲(今日という今日は邪魔されてたまるか!)

未咲「ねぇねぇ! アイスあるよアイス!」

鳴「アイス…」ジュルリ

未咲「うーん…よし! 奢ってあげようではないか! 待っててね!」

鳴「うん」コクコク

未咲(今月ピンチだけど…鳴の為だ! おねーさんは強いのだ!)

未咲「アイス二つくださーい。三段と一段一つづつ」

店員「マイドアザーシター」

鳴「三段…」キラキラ

未咲「私はこっちー」


鳴「あれ? 未咲ひとつ?」

未咲「ダイエット中なんだよね」アハハ

鳴「そうなんだ…」ペロペロ

未咲(かわいい…)ボケー

男「いてっ」ドンッ

未咲「あ。ご、ごめんなさい」

男「ってーな…お、姉ちゃんかわいいなぁ」

未咲「はい。知ってます」

鳴「どうしたの?」

男「増えた!? まぁいいや、とりあえず謝らんかい」

未咲「(謝ったじゃん…)サーセン」

男「痛いのー。こりゃ骨までいっとるわー」

鳴「え? ど、どうしよ未咲…」

未咲「…行くよ鳴」グイッ

男「まてや。慰謝料払わんかい」

未咲(面倒なのにからまれたなぁ…)

男「金ないならこっちの子でも…」グイッ

鳴「え…」

未咲「鳴に触んな!」ゲシッ

男「痛っ! …この餓鬼!」ドンッ

未咲「あうっ…」ベチャ

鳴「あ、アイスが…」

男「へっへっへ…」

未咲「く、くんな!」

未咲(あーもう! こうなったら鳴だけでも――)


恒一「おい…!」ゴゴゴ

未咲「あ…」

男「え?」

恒一「なに僕の女に手を出してんの? スライスされたいの?」

男「え? スライス?」

恒一「スライスだよ」

ナンダナンダー ケンカカー? ケンカナラマカセロー

男「ちっ。おぼえてろよ…」

恒一「あ、もしもし。霧果お義母さんですか? いい蝋人形の素材が見つかったんですけど…」

未咲「…」ポカーン

恒一「これでよしと」ピッ

未咲「あ、アンタ…」

恒一「見崎! 大丈夫? 怪我はない? 触られた所早く消毒しなきゃ!」

鳴「アイス…」ショボーン

恒一「アイス? アイスなら持ってるじゃない」

鳴「違うの。未咲のアイスが…」

恒一「え? あ、いたんだ」

未咲「おい!」

恒一「冗談だよ。大丈夫?」

未咲「今からアイツぶっ飛ばすつもりだったのに…つーか何でここにいんの」

恒一「匂いを辿って」キリッ

未咲「この変態…あれ?」

恒一「?」

未咲「た、立てない…」

鳴「ん…重い…」グイグイ

未咲「重くないよ! それもこれもアンタが変な事言うから…」

恒一「へ?」

未咲「な、なんでもない…///」プイッ

恒一「あーもう…仕方ないか…」ダキッ

未咲「へぇ!?」ビクッ

恒一「暴れるなよ」

未咲「へ? へ?」オロオロ

恒一「立てないんじゃこうするしかないだろ」ギュー

恒一「はぁ…見崎にもまだしたことないのに…」

未咲「あ、あぅ…///」

恒一「そういえば君のアイス…」

未咲「え? あ…」ベチョー

恒一「…」

未咲「べ、別にいいよ。私ダイエット中だし、甘いの苦手だし…」

鳴(嘘つけ)ペロペロ

恒一「…はぁ…すいません、三段ひとつ」

店員「アザーッシタ」

恒一「ほら」ヒョイ

未咲「…」

恒一「いらないなら僕が食べるよ?」

未咲「…ふん」ペロ

鳴「榊原君、私も私も」クイクイ

恒一「すいません一番大きい奴ください」キリッ

未咲(ふん…なんだよカッコつけて…変態のくせに…)ペロペロ

鳴「Zzz」スピー

恒一「見崎…見崎…」ハァハァ

未咲「ちょっと、起きちゃうでしょ」コソコソ

恒一「ごめんごめん…あぁ可愛い…」

未咲「ホント可愛い…」

恒一「見崎かわいいよ見崎…あ、涎…ペロペロペロペロ」

未咲(変態が…ペロペロペロペロ)

恒一「見崎は寝顔もかわいいよ見崎」

未咲(…見崎見崎って…)

恒一「見崎…愛してる」

未咲(未咲…愛してる)

未咲「…って! 何を言ってんのよ!///」バシッ

恒一「はぁ!?」

鳴「最近榊原君、未咲と仲良いよね」

恒一「え? どこが?」

鳴「私抜きでずっと喋ってるし…この前お姫様抱っこしてたし…」

恒一「あ、あれは緊急事態だったから…」

鳴「口だけなら何とでも言えるよね」

恒一「え、えーっと…こう?」ギュッ

鳴「…もっと」ギュー

恒一(嫉妬…? それにしても可愛い。天使だ…)

恒一「…」クンカクンカ

鳴「…」ギュー

恒一「…」クンカクンカ

鳴「…何か言って」

恒一「好きだ」キリッ

鳴「ん…」ギュッ

未咲「そう言えば私たち名前で呼び合った事ないよね」

恒一「言われてみれば…」

未咲「呼んでみる?」

恒一「別にいいけど…」

未咲「こ…恒一」

恒一「なに藤岡さん」

未咲「何で名字なのよ!」

恒一「見崎と被るだろ」

未咲「じゃあ鳴を名前で呼びなよ」

恒一「そ、そんな…名前で呼ぶとか、恥ずかしいじゃないか…///」

未咲「…」

恒一「…」

未咲「今のままでいいわ」ハァ

恒一「だね」

未咲「ねぇモヤシ」

恒一「だからそれ悪口だろ!?」

人いないし寝る
残ってたら9時には再開するからネタくれさい

望月「・・・・あのさぁ」パタン

勅使河原「んー?」ペラッ

望月「この前恒一くんとさぁ」

勅使河原「漫画中断するほど面白い話か」ペラリ

望月「たぶん」

望月「一緒に帰ってる時に見崎さんそっくりの娘が急に恒一くんに抱きついてきてさぁ」

勅使河原「ほう」

望月「どう思う?」

勅使河原「彼女か」

望月「彼女だ」

望月「まあ見崎さんの親戚らしいんだけどさ、可愛いの。見崎さんそっくりで」

勅使河原「見崎って割と可愛いだろ?似てるなら」

望月「健康的で厨二病患ってない見崎さんって感じ」

勅使河原「ああ・・・」

望月「それでこの前さぁ」

望月「その見崎さんと親戚の娘両方連れてアイス食べてる恒一くんを見かけたんだけど」

勅使河原「許せん」

望月「許せないよね」

望月「まあ僕は年上趣味だけどさ、それでも美少女2人はべらすのはどうよ」

勅使河原「ありえない」

勅使河原「というか片方欲しい」

望月「聞いてみたらどう」

勅使河原「よう榊原、お前彼女2人居るんだって?片方かしてくれよ!」

望月「スライス確定」

勅使河原「だろ」

勅使河原「どうせ2人連れ歩くなら似てるの2人より違う娘選んだほうが楽しくね」

望月「いやいや、雰囲気ぜんぜん違うって陰と陽」

勅使河原「でもそっくりさんなんだろ」

望月「そのそっくりさんに両側からしゃぶらせてみろよ」

勅使河原「!」

望月「どう」

勅使河原「許せん」

勅使河原「俺も双子捕まえよっかな」

望月「ポケモンみたいに言うね」

勅使河原「ふたごじまに居るだろ多分」

望月「ボールで捕まえる気なの」

勅使河原「きんのたまでな」

望月「ちょうど2つあるって?」


勅使河原「腹減ったしコンビニ行くか」

望月「うん」

勅使河原「双子じゃなくてもいいから彼女欲しい」

望月「あかざーさんは」

勅使河原「無能かー・・・」

望月「子宮まで無能だったら中出しし放題だよ」

勅使河原「!」

望月「どう」

勅使河原「赤沢ー!俺だ!付き合ってくれ!」

望月「片目持ってかれる」

勅使河原「赤沢を一度イメチェンさせてみたい」

望月「絶対ショートカットのが似合うよね」

勅使河原「わかるわー、髪質もロング向きじゃない」

望月「なんで髪質まで詳しいの」

勅使河原「あ?」

望月「ん?」

勅使河原「モンスターってどっちのが美味い?」

望月「緑」

勅使河原「服はどうしよう」

望月「ホットパンツ、Tシャツ、膝上」

勅使河原「やっぱりお前は相棒と呼ぶに相応しいわ」

望月「そりゃ光栄で」

勅使河原「何か一つおごってやろう」

望月「じゃあこの天魔で」

勅使河原「やっぱりお前は相棒と呼ぶに相応しいわ」

望月「読み終わったらちゃんと貸すよ」

未咲「昨日の夜、熱かったね」

鳴「そうだった?」

未咲「寝苦しかったよね」

鳴「そう?」

未咲「鳴は熱いの平気なんだ」

鳴「熱いのは苦手、クーラかけて寝たよ?」

未咲「へええ・・・鳴の部屋にはクーラーあるんだ」ピキ

鳴「当然でしょ、日本じゃ貧乏人以外はみんなクーラー持ってるでしょ」

未咲「へええ」ピキピキ

鳴「クーラーのない生活なんてあり得ないよね、無様でwww人間の屑だよねwww」

                  ____
                 │≡≡≡ll│
      ______    ヽTTTTTヽ|
     ||//  .|    ∥  彡 ̄ ̄ ̄~
     ||/   |     彡   彡 ソヨソヨ

     ||    .|       彡
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄彡
        ─
    /     ヽ

    ,  八(}ノlハ) }\
   イ从{ ゚ー「ノ乂  )
      // 芥lつ    うー寒くて風邪ひきそうだね、未咲
    [し__]_ _|     でもこれがいいんだよね

     く/_|_|_>    未咲はクーラーの設定温度何度にしてるの?
      ∪∪

よし>>1が起きてくるまでの繋ぎはお前にバトンタッチだ

恒一「うへへ…見崎ぃ…Zzz」

鳴「…」

未咲「鳴…えへへ…ダメだよぉそんなとこ…Zzz」

鳴(起きたら二人仲良く寝てやがった…いいな…)

鳴「…」ムスッ

恒一「ねぇ、なんか怒ってるみたいだけど…」コソコソ

未咲「まさかアンタ…信じられない。近づかないでよ獣」コソコソ

恒一「まだ何もしてないって」コソコソ

未咲「まだ?」

恒一「だから言葉のあやだって。どうせ君がなんかしたんだろ。謝りなよ」

未咲「はぁ!? 人のせいにするなバカ!」

恒一「は?」ゴゴゴ

未咲「あ?」ゴゴゴ


鳴(また二人で話して…)ムスッ

鳴「榊原君、こっち来て。右」

恒一「?」テクテク

鳴「それで未咲はこっち。左側」

未咲「?」テクテク

鳴「これでよし」ムフー

恒一・未咲「どういう事?」

鳴「二人は今日一日このままね」ギュー

恒一(腕を組まれた…)
未咲(腕を組まれた…)

鳴「♪」

恒一・未咲(まあご機嫌だしいいか)

テレビ「ウェディングドレスがどうのこうの」

鳴「結婚式…」ボー

恒一「挙げよう!」

未咲「黙ってろ。鳴、結婚はできないけど私はずっと一緒だよ?」

恒一「僕は出来るからもっと一緒にいられるね」

未咲「こんなのと結婚したら苦労するよ?」

恒一「見崎は僕と話してるんだから静かにしてて。そしたら犬代わりに家に置いてあげるよ?」

未咲「は?」

恒一「あ?」

鳴(結婚式…ごちそう一杯…)ジュルリ

恒一「ラブレターを貰った」

鳴・未咲「はぁ!?」ガタッ

恒一「お、落ち着いてよ。貰っただけだから。ていうか何で君まで怒ってんの…」

未咲「は? 別に怒ってないけど?」ムスッ 

鳴「…それで、どうするの?」

恒一「断るに決まってるだろ。僕は見崎しか眼中にないよ」キリッ

鳴「ならいいけど…」

未咲「ふん…最初からそう言えよバカ…」


鳴「映画見たいな…」ボソッ

恒一「だと思って上映してる映画のパンフ揃えてるよ」

未咲「チケットも全部あるからね!」

霧果「車なら任せろー!」

恒一「映画と言えばホラーだよね」

未咲「は? ラブロマンスでしょ」

霧果「鳴、あっちに大人だけが見れる奴があるんだけど行かない?」

鳴「私はアクションが見たいかも」

恒一・未咲・霧果「でもやっぱりアクションだよねー!」

鳴「ポップコーンうまうま」モギュモギュ

未咲「コーラうめー」チューチュー

恒一「ちょっとそれ両方僕の…」

未咲「気にすんな」

鳴「な」

恒一「もう…あ、お義母さんどうぞ」

霧果「お義母さんやめろ」

鳴「…」ジー

恒一(真剣に映画見てる見崎かわいい)

未咲(集中し過ぎてポップコーン持ちっぱなの鳴かわいい)

霧果(はぁ…ペロペロ)

恒一「…おい、ジュース返せよ」コソッ

未咲「やだ」チュー

恒一「もう十分飲んだだろ。喉乾いたんだよ」

未咲「何で買ってこなかったの?」

恒一「この…いいから」グイッ

未咲「あ…」

恒一「なんだよ」チューチュー

未咲(く、口…/// 何で平然と…///)

鳴「おもしろかったね」

恒一・霧果「(見崎(鳴)の顔ばっか見てたから内容知らいけど)うん!」

未咲「…うん」

鳴「未咲? どうかした?」

未咲「へ? あ、あぁ面白い映画だったねー」アセアセ

鳴「ラストの展開が熱くて良かった。未咲はどこが好き?」

未咲「え、えっと…えっと…か、間接…///」

鳴「関節?」

恒一「関節?」

未咲「――お、お前のせいだー!!」バシバシ

恒一「へ? ちょ、何?」

未咲(こいつが変な事するから調子狂ったじゃない! あぁもう!!)

未咲(最近のアイツは言わなくてもご飯を用意してくれるようになった)

未咲(歩く時は歩幅会わせてくれるし、鳴と一緒の時以外はそれなりに話すし)

未咲(いや、だからどうって事でもないけどね。うん…うん)

恒一「や」ポンッ

未咲「ひゃああああああ!?」バッ

恒一「?」

未咲「い、いきなり後ろから声かけんな!」

恒一「見崎…見崎ぃ…」スリスリ

鳴「はいはい」ナデナデ

未咲「離れろ変態! そこは私のだ!」ゲシッ

鳴「未咲、暴力はダメだよ?」

未咲「あれはあれでいいの。めーいー」ギュー

鳴「もう…」

未咲(あー癒される…やっぱ鳴が一番だねー)

鳴「…」ナデ

未咲(…微かにアイツの匂いがする…)クンクン

鳴「未咲?」

未咲「な、なんでもない!」

霧果「さて、鳴ちゃんの下着洗濯しなきゃ」

霧果「もぐもぐ…今日は暑かったから汗かいたみたいね。もぐ、しっかり濯がないと」グチュグチュ

霧果「もぐ、うめっ…今日は飲み込まないように…むぐむぐ…しなきゃ…」

霧果「んー…ぺっ。うん、綺麗になった」ニコニコ

未咲(綺麗じゃないよ!)コソコソ

恒一(流石ですお義母さん…!)コソコソ

霧果「一番鳴の事を愛してるのは私よ。引っこんでなさい小僧共」

恒一「僕はお義母さんも愛してますよ。だって見崎のお母さんは僕のお母さんでもあるんですから」ニコッ

霧果「黙ってろ」

未咲「同じとこから出てきた私が一番だとおもいまーす」

霧果「まぁ下品…」

未咲(お前が言うな)

恒一「お義母さん! 僕と鳴さんの交際を――」

霧果「黙ってろ」

なんかネタくれさい

鳴「海行かない?」

恒一「海? 水着?」

鳴「うん。日帰りだけど」

未咲「いくいく! じゃあ水着買いにいこうよ!」

鳴「うん」

恒一(海か…水着…水着…うへへ…)

霧果(更衣室に仕掛けるカメラ用意しなくちゃ)



恒一「お義母さん、パラソルの取り付け終わりました」

霧果「御苦労さま。帰っていいわよ」

鳴「お待たせ」テクテク

恒一・霧果「Foooooooooo!!」

未咲「よ、よう…」

恒一「凄く似合ってるよ見崎。麦藁帽子も可愛いね」

鳴「そ、そう?」テレテレ

霧果「オイル塗りましょ鳴! さぁ早く!」

未咲「…」

未咲「…」ズイッ

恒一「ん? なに?」

未咲「…」ズイッ

恒一「なんだよ」

未咲「…」ズイッ

恒一「…水着見崎のと一緒だね」

未咲「ち、違う! そうじゃない!」

恒一「じゃあ何だよ」

未咲「あぅ…だ、だから、その…鳴みたいに…///」ボソボソ

鳴「もう…榊原君、未咲可愛い?」

未咲「は!?」

恒一「え? そりゃ可愛いけど」

未咲「はぁ!?///」

鳴「だって。よかったね未咲」ボソッ

未咲「ち、違うってば! そうじゃなくないけど、違うって…///」ワタワタ

恒一「あ、見崎の次だからね。一番は見崎だから」

未咲「うっさい!///」

恒一(それにしても…)ジー

未咲「鳴が変な事言うから…」

鳴「私は榊原君に質問しただけだよ?」

恒一(…そっくりなのは顔だけじゃないんだなぁ…)シミジミ

鳴「じゃあ海入ろうか」

未咲「うん!」

鳴「榊原君も――」

恒一「ジュース買って来ましたお義母さん!」

霧果「ありがと。あぁでも海と言えば焼きそばよね…」ボソッ

恒一「か、買ってきます!」ダッシュ

霧果「お肉多めにしてもらってね」

未咲「…二人で行く?」

鳴「うん…」ガッカリ

未咲「んー! 気持ち良いねー」プカプカ

鳴「…しょっぱい」

未咲「そりゃそうだよ。海だもん」アハハ

鳴「…来れてよかったね」

未咲「うん…」

鳴「もう体平気?」

未咲「うん。鳴のおかげ!」ギュー

鳴「んぶっ…もがもが…」バシャバシャ

未咲「あ、ごめんごめん」

鳴「溺れるかと思った…」

恒一(あれから数回のパシリを終えてようやく…今行くよ見崎!)

未咲「やったなー! ほりゃ!」バシャ

鳴「んっ! おかえし!」バシャ

未咲「生意気な…えいっ!」

鳴「んむっ…」

未咲「むふふ! 大勝利!」

鳴「…」グイッ

未咲「うひゃ!?」ザブーン

鳴「ふふ」

恒一(…………楽しそうだし、もうちょい待ってよ)

霧果「出来た」

恒一「おぉ…」

鳴「砂の像?」

霧果「そうよ。こっちが鳴で、こっちが私」ドヤァ

恒一(若干霧果さんの胸が大きくなってるな)

未咲(つーかこんなとこに作ったら…)

波「おじゃまーwwww」ザブーン

霧果「あああああああああああああああ!!!」

鳴「あー…」

恒一・未咲(流された…)

鳴「海と言えばスイカ割りだよね」

霧果「おい」

恒一「準備出来ました!」

未咲(奴隷かよ)

霧果「さぁ鳴。好きなだけ割りなさい」

鳴「はい」ワクワク

未咲「いいなー…私もしたい」

恒一「…」

霧果「鳴! ママの声がする方に来なさい! こっちよ鳴! カモン!」

鳴(うっさいな…)フラフラ

未咲「もっと前だよ! ほらアンタも――って、あれ? どこ行った?」キョロキョロ

鳴「えいっ」ブンッ

霧果「惜しい!! 頑張って鳴! 鳴! 鳴! 鳴ぃいいいいい!!」

鳴「すいません黙っててもらえます?」

霧果「」

未咲「まぁいいか。ほら鳴! 今だよ!」

鳴「んっ!」パコン

まだあるだと

鳴「やった」

霧果「Foooooooooooooooo!! 流石よ鳴!」

未咲「凄いよ鳴!」

鳴「えへへ…あれ? 榊原君は?」

未咲「どっか行ってるみたい。ったく何してんだか」

恒一「――ごめん、もう終わっちゃった?」テクテク

鳴「うん。どこ行ってたの?」

恒一「ちょっと買い物にね」ガサッ

未咲「スイカ?」

恒一「えっと…ほら、見崎はどうせ一つじゃ足りないかなって…」

鳴「む。そんなに食べないよ…食べるけど」

未咲「…」

鳴「で、どうするの? また割る?」

恒一「だね。じゃあほら」スッ

未咲「へ?」

恒一「割るの任せたよ」

未咲「い、いいの?」

恒一「(いいもなにも…)僕は疲れたし、見崎はもうスイカにがっついてるからね…」

鳴「うまうま」シャクシャク

霧果「天使」

未咲「で、でも…」

恒一「何がでもだよ。見崎もう全部食べちゃうよ?」

鳴「ウマー」パクパク

未咲「し、仕方ないなぁ」ニヤニヤ

恒一「…」クスッ

未咲「? なによ」

恒一「なんでもないよ。ほら目隠しして」

未咲「うひゃ!? ちょ…」

恒一「はい回って回って」グルグル

未咲「も、もう!」

未咲(気持ち悪…)ウップ

恒一「真っ直ぐ行って少し右ね。あ、ダメだよ見崎種吐いちゃ」

未咲(それだけかよ!)フラフラ

恒一「え? 僕はいいよ…じゃあ少しね。あーん」

未咲(自分だけ…! くそ! これ終わったら鼻の中に種詰めてやる!)フラフラ

鳴「あ。危な…」

恒一「へ?」

未咲「え?」

ドンッ

未咲「いてて…ひっかかっちゃった…」

恒一「ひっかかっちゃったじゃないよ…」

未咲「へ?」ノシッ

未咲「あ、あれ? スイカは?」

恒一「あっちだよ」


鳴「食べていい?」ジー

霧果「オッケー」グッ


未咲「あはは…」

恒一「笑いごとじゃないって…下手したら頭割れてたよ」

未咲「ご、ごめん…」シュン

恒一「もう…せっかく買ってきてやったのに…」ボソッ

未咲「へ?」

恒一「あ」

未咲「…もしかして聞いてた?」

恒一「…さぁ?」

未咲「私の為に買って来たんだ」ニヤニヤ

恒一「知らないよ」

未咲「意外と可愛いとこあるじゃん」ニヤニヤ

恒一「ふん…」

未咲「……ありがとね、恒一」ボソッ

恒一「…どういたしまして」

未咲「なーんだやっぱり私の為じゃん」ニヒヒ

恒一「…」プイッ

未咲「照れるな照れるな」ツンツン

恒一「もう退いてくれよ…」ハァー

鳴「おいしかった。ありがとう榊原君」ゲプッ

恒一「見崎の為だからね。当然の事だよ」キリッ

未咲「…二個目は違うけどねー」ボソッ

恒一「おい…」

未咲「にひひ」

鳴「?」

霧果(鳴が食べたスイカの皮…いけるか?)

鳴「Zzz」

未咲「寝ちゃったね」

恒一「疲れたんだろ。起こすなよ」

未咲「言われなくっても」

恒一「はぁ…海ではしゃいで疲れて寝ちゃう見崎ペロペロ」

未咲「口元のスイカの種ペロペロ」

恒一「おい。スイカ買って来たの僕なんだからその種をペロペロする権利は僕にある」

未咲「早いもの勝ちでしょ」

恒一「は?」

未咲「あ?」

ギャーギャー

鳴「んん…Zzz…」

霧果(スイカと鳴の唾液がミックスされてデリシャス)チューチュー

恒一「だから見崎は僕の方が好きだって言ってるだろ!」

未咲「なわけないじゃん! 恒一はこの前ラブレターくれた娘と付き合ってろ!」

恒一「断ったって言っただろ! 泣かれたよ!」

未咲「うわサイテー」

恒一「じゃあどうすれば良かったのさ」

未咲「付き合えよ」

恒一「だから――」

ギャーギャー

鳴「…あれ?」

未咲「恒一が好きな女の子なんて稀だよ? レアだよ? あーあ、これでもう最後のチャンスだったのに…」

恒一「僕には見崎がいるから」

未咲「ははっ。ねぇよ」

恒一「君こそ大丈夫なの? 僕以外にはその性格隠してた方がいいよ?」

未咲「どういう意味よ」

恒一「そのままだけど?」

未咲「ほう…つまり恒一以外の男とは喋るなと」

恒一「むしろ僕に喋りかけるのを止めてくれる?」

未咲「や・だ」


鳴「名前で呼んでる…!?」ガーン

鳴(わ、私だって榊原君が精一杯なのに…)グヌヌ

恒一「まったく…あれ? どうかした?」

鳴「…」ジー

恒一(かわいい)

鳴「…ち、くん…///」ボソッ

恒一「ん?」

鳴「こ、ぅいち…君…///」ジー

恒一「」

鳴「あの…こういち君」

恒一「」

鳴「…恒一君?」

恒一「」

鳴「恒一君? 恒一君?」グイグイ

恒一「」

鳴「…気絶してる…」

鳴(そんなにショックだったのかな…?)ズーン

恒一「…」

鳴(未咲なら平気なのに…赤沢さんとかも…私だけ…)グスン

恒一「み、みさ――鳴」ギュッ

鳴「へ?」

恒一「鳴」

鳴「…///」ギュー

恒一「鳴」

鳴「恒一君…///」

恒一「」

鳴「おい!」

恒一「見崎が天使過ぎて正気を保っていられない…」

鳴「もう…」

未咲「私は?」

恒一「生まれ変わって出直せよ」

未咲「酷い…ぐすっ…」

恒一「は? ちょっ…」アワアワ

未咲「と言うと思ったかバーカ」ベー

恒一「…は?」

未咲「え?」

恒一「もう怒った。帰る」スタスタ

未咲「ちょっ…え? ま、待って…」

恒一「と言うと思った? 騙された気分はどう?」

未咲「死ね」バシッ

恒一「だ、だから暴力は…」

未咲「うっさい! ばーかばーか!」ベシベシ


鳴「もう…」ハァ

イノヤ

赤沢「どう? ここのカフィーは?」

恒一「うん。おいしいね(見崎達と待ち合わせしてたら捕まった…)」

赤沢「ここのカフィーは本物よ」キリッ

恒一「うん。おいしいおいしい(まだかなー)」

赤沢「気に入って貰えたなら嬉しいわ」ウフフ

恒一「そうだね。おいしいね」

赤沢「ねぇ恒一君? もしよかったらこの後――」

鳴「お待たせ」

赤沢「え?」

未咲「あー! 自分だけ何か飲んでる!」

赤沢「え!?」

恒一「あ、やっと来た」

鳴「ごめんね。未咲が服どれがいいかなって迷って時間かかっちゃって」

未咲「そ、それは鳴もじゃん!」

赤沢「え? え?」

恒一「ごめんね赤沢さん。僕はこれで」ガタッ

未咲「ごめんねー。恒一借りていくね」

鳴「いこ」クイクイ

恒一「うん。じゃあね」スタスタ

赤沢「あ…」

未咲「置いていくなー!」スタタ

赤沢「…」ポカーン

未咲「あれ誰?」

恒一「クラスメイト」

鳴「何で赤沢さんが?」

恒一「偶然ね」

未咲「恒一あの人の胸見てたよ。やらしー」

鳴「へぇ…」ジトー

恒一「で、でたらめ言うなよ!」

未咲「前恒一の部屋で見た本もおっぱいだったしね」

恒一「だからあれは友達ので…」

鳴「でも見たんでしょ?」

恒一「お、男の付き合いってものがあるんだよ…」

未咲「変態」

恒一「ぐっ…!」

鳴「榊原君のえっち」ムー

恒一「うっ…!」ビクンビクン

未咲「さて、久々の恒一ん家だ」ゴソゴソ

恒一「来てそうそう何してんだよ!」

鳴「布団…///」モゾモゾ

未咲「ちっ…。隠し場所変えたな?」

恒一「返したんだって」

未咲「嘘つけ。この辺に…」ゴソゴソ

恒一「箪笥はダメだって!」

鳴「///」ギュー

恒一「昼ご飯作ってくるけど、大人しくしといてよ?」

鳴「うん」

未咲「はよ行け」

恒一「(飯抜いてやろうかコイツ…)頼むよホント…」スタスタ

未咲「さて…」ゴソゴソ

鳴「さて…」モゾモゾ

鳴(榊原君の匂いで一杯…)クンクン

未咲「ふへへ…」コソコソ

鳴(安心する…ふぁ…///)クンカクンカ

未咲「お邪魔ー」モゾモゾ

鳴「ん…」

未咲(うっとりしちゃってる…きゃわわ)

未咲「めーいー」ギュー

鳴「どうしたの?」

未咲「鳴が可愛いからつい…」

鳴「そう?」

未咲「食べちゃっていい?」

鳴「今からご飯食べるのに?」クスッ

未咲「そ、そうだった…」

鳴「未咲は抜けてるとこあるよね。ちょっと心配」

未咲「むー。鳴こそ私がいないとダメなくせに」

鳴「さ、榊原君、いるから、大丈夫…///」

未咲「ダメダメあんな変態。鳴は私の!」ギュー

鳴「そんなにダメかな…? たまに変な時あるけど」

未咲「顔はいいよ? 料理も上手いよ? 身長も高くて…あれ?」

鳴「…」ジー

未咲「と、とにかくダメ! 鳴は私のって決まってるんだからね!」ギュー

鳴「く、苦しい…」

未咲ちゃんもうリーチかかっとるやん

ちょっとご飯

恒一「お待たせ。あんまり凝ったのじゃないけど」

鳴「オムレツ…」ジュルリ

恒一「あとサラダね」

未咲「おぉ…お店で出てくる奴みたい」

恒一「ケチャップで名前書いてあげるね。み・さ・き…っと」

鳴「いただきます」モグモグ

未咲「…」ソワソワ

恒一「僕はケチャップいらないから…はい」ヒョイ

未咲(あーやっぱりかー…って、何ガッカリしてんだ…)

恒一「? いいの? 名前」

未咲「はいはい。自分で書きますよー」ムスッ

恒一「あ、自分で書くんだ」

未咲「…え!? か、書いてくれるの!?」

恒一「最初からそう言ってるじゃないか」

俺「書いてくれるの!?」

恒一「びちぐそ…っと」ブピピ

未咲「じゃ、じゃあ…はい」

恒一「結局か…み・さ・きっと。これでいい?」

未咲「…は、ハートも」

恒一「は?」

未咲「か、貸してそれ!」グイッ

恒一「?」

未咲「こっち見ないでよ!?」コソコソ

未咲(みさきって所の周りをハートで…よし!)

恒一「終わった?」ヒョイ

未咲「み、見るなって!///」


未咲(…ふふ///)

恒一「?」

鳴「榊原君、おかわり」クイクイ

恒一「あ、もう無いんだよ。ごめんね」

鳴「そっか…」ショボーン

恒一「僕のちょっと食べる?」

鳴「…じゃあ一口だけ」

鳴「あと一口」モグモグ

鳴「もう一口」モグモグ

鳴「最後に一口」モグモグ

鳴「本当に最後」モグモグ


恒一(全部無くなった…)

鳴「あ、あの…ごめんなさい…」シュン

俺「おじさんのをたべなよ」

かわいい

未咲「…あ、あの…私の食べる?」

恒一「いいの? じゃあ少しだけ…」

未咲「じゃあ口開けて」

恒一「自分で食べれるって」

未咲「それはダメ! あ、あと目閉じてて」

恒一「? もう…変なとこ突っ込むなよ?」アー

未咲「するか! じゃ、じゃあ…」ヒョイ

恒一「ん…もぐもぐ…」

未咲「おいしい?」

恒一「ケチャップかけ過ぎ」

未咲「う、うっさい!」

恒一「ごちそうさま」

未咲「もういいの?」

恒一「うん。君もお腹すいてるだろ?」

未咲「まぁ…だけど遠慮しなくていいのに」

恒一「それこそ今さらでしょ。遠慮とかする仲じゃないだろ?」

未咲「え…」ドキッ

恒一「あれだけ悪口やら言いあったのに、今さら食べ物で遠慮しないよ」

未咲「そ、そっか…」ドキドキ

未咲(なにこれなにこれなにこれ///)ドキドキ

恒一「本当に送って行かなくていいの?」

鳴「大丈夫。未咲もいるし」

未咲「…」ボケー

恒一「…本当に?」

鳴「…多分」

恒一「ま、明るいし寄り道せずに帰れば平気か。じゃあまたね」

鳴「うん」

恒一「君も気をつけて帰れよ」

未咲「…う、うん」モジモジ

恒一(本当に大丈夫か?)

未咲(やっと落ち着いてきた…)

鳴「大丈夫? 気分悪いなら戻るよ」

未咲「そ、それはダメ!///」

鳴「…そう」

未咲「鳴こそ恒一の分まで食べちゃって大丈夫なの?」

鳴「え? あの程度で?」

未咲「え?」

鳴「え?」

未咲「はぁ…なんかアホらしくなっちゃった。それもこれもあの変態のせいだ!」

未咲「急に優しくするから調子狂うんだよー!」

鳴「?」

未咲「ふーふー。あースッキリした。帰ろ」

鳴「そういえば未咲。明日の遊園地どうする?」

未咲「へ? 遊園地?」

鳴「さっき榊原君ん家で言ったじゃない。明日は三人で遊園地だって」

未咲「…………マジ?」

翌日

恒一「あ、おはよう見崎。少し遅かったけど何かあった?」

鳴「霧果がね…」

恒一「お義母さんが?」

鳴「昨日ぽろっと言っちゃって、そしたら自分も行く行くって駄々こねて、遂には泣きだしちゃってさ」

恒一(あの人ならあり得るな…)

鳴「本当はもう少し早く来れたんだけど、なだめるの長引いちゃって…」

恒一「ううん、気にしないで。今日は長いんだし、遅れた分楽しもう」ニコッ

鳴「…うん」ニコッ

恒一(マジ天使)

恒一「じゃあ行こうか」

鳴「うん。まずは未咲のとこ行って、それから遊園地」ギュッ

恒一「あ…」

鳴「…今日はこのまま、手、繋いでよ?」

恒一「…うん。そうしようか」ギュッ

鳴「い、いこ/// 早く///」グイッ

恒一(はぁ…恥ずかしがる見崎もペロペロ)

未咲「…」ソワソワ

未咲(遅いなー…まだかな…)ソワソワ


恒一「おーい」

未咲「あ…」

恒一・鳴「お待たせ」ギュッ

未咲「…」

恒一「ごめん、待たせちゃった?」

未咲「…何で手、繋いでんの?」

恒一「愛故に、かな」キリッ

キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!!!

未咲「鳴、離した方がいいよ。変な病気移されちゃうよ?」

鳴「もう…またそんな事言って」

未咲「この変態。鳴の可愛らしい手を離せよ」

恒一「見崎の可愛らしい手が僕の手を離さないんだよ」

未咲「は? どうせ手に接着剤でも付けてるんでしょ」

恒一「……それもアリだな」ボソッ

未咲「変態」

恒一「なんだよ…今日は嫌に突っかかってくるな」

未咲「あ、アンタが――」


鳴「ストップ。今日は喧嘩はダメ」

恒一・未咲「でも…」

鳴「ダメ。分かった?」

恒一・未咲「…はーい」シブシブ

鳴「せっかくのデ、デートなんだし、ね?」

恒一(天使)

未咲(デート…)チラッ

鳴「ほら未咲」コソッ

未咲「?」

鳴「手、繋がなくていいの?」コソッ

未咲「なっ!?///」

恒一「?」

未咲「…あ、ぅ///」

未咲(ど、どうしよ…手、手、手…繋いで、歩く…///)ドキドキ

未咲(あーもうまただ…落ち着け私! ただ手を繋ぐだけ! はぐれちゃアレだし! 危ないし!)

未咲「こ、恒一!」

恒一「ん?」

未咲「て、手…貸して」ドキドキ

恒一「こう?」スッ

未咲「…っ!」ギュッ

恒一「…」

未咲「…///」ギュー

恒一(腕に抱きつかれた…なにこれ)

未咲(あ、あれぇ!? なにしてんの私!)

恒一「あの…」

未咲「い、いいから!/// い、今は何も言うなバカ!」ギュー

恒一「…はい」

鳴「…モテモテだね、さ・か・き・ば・ら・君?」ゴゴゴ

恒一「え?」

鳴「未咲、私そこまでしていいって言ったっけ?」ゴゴゴ

未咲「だ、だってぇ…///」ギュッ

恒一「え? え?」

鳴「もう、この二人はもう…!」プンプン

未咲「し、心配するな鳴! 私は鳴一筋だからね!」

鳴「この状況で言うの? それ」

恒一「あの…な、何で腕に…」

未咲「うっさい!/// 今日はいいの! これで!」ギュッ

鳴「よかったね」ギュー

恒一「…と、とりあえず行こうか」

鳴「うん」

未咲「おー!」


恒一(…まぁいいか。これはこれで)

遊園地

未咲「おーおー。賑わってますなー」キョロキョロ

鳴「意外と多いね。どこから回る?」

恒一「うーん…見崎は行きたいとこある?」

鳴「三人で乗れるのがいいよね…」ウーン

恒一(悩む姿も可愛い。無敵だな)

未咲(ペロペロ)

しえん

恒一「あれはどう? メリーゴーランド」

鳴「いいかも」

未咲「よっし行くかー」


恒一・未咲「じゃんけんぽん! あいこでしょ! しょ!」


未咲「勝った! 私鳴の隣!」ダキッ

鳴「騒ぐと怒られるよ」

恒一「くっ…!」

未咲「ふふふ…これが愛の差だよ恒一」

恒一「後だしで勝っておいて良く言う…」

未咲「何の事? 証拠あるの?」

鳴「い、意外と揺れるね…」ギュッ

未咲(oh…)

恒一(怖がる見崎も可愛い…後でお化け屋敷行こう)

鳴「未咲は平気?」

未咲(萌え死にそうです)

未咲「お、お化け屋敷!?」

恒一「隣なんだって。行ってみようよ」

未咲「わ、私はいいかなー…」

鳴「未咲怖いの苦手だもんね」

恒一「ふーん…」

未咲「な、なによ…」

恒一「いや、じゃあ僕と見崎だけで行ってくるから」

未咲「……まった。私も行く」

恒一「怖いの苦手なんでしょ?」

未咲(恒一と鳴を二人っきりにさせる方が怖いの!)

未咲「…ひぅ」ギュー

鳴(重い…)

恒一「…あ、人魂」

未咲「ひぇ!」ビクッ

恒一「足もとに首が…」

未咲「ひゃ!?」ビクッ

恒一「あれ? なんか声聞こえない?」

未咲「うぅ…」ギュー

恒一「君の後ろに――」

未咲「ぐすっ…も、もうやだぁ…」ペタン

鳴「…」ジロッ

恒一「…すいませんやり過ぎました」

鳴ちゃんに睨まれたい

未咲「ぐすっ…ばか、ばか、きらい」ギュー

恒一「はいはい。ごめんって」

鳴(抱きつきながら言う台詞じゃないよね)ムスッ

恒一(見崎が嫉妬している…かわいい)

恒一「ほら、もう外だよ。降りて」

未咲「やだ」

鳴「…」ジトー

恒一「はぁ…僕の事嫌いなんでしょ?」

未咲「…死ね」

鳴「今のはないわ…」

恒一「え?」

鳴「お腹減った…」

恒一「お昼だもんね」

未咲「じゃあ恒一、買い出しよろしく。向こうに売店あるから。私ピザね。あとアイス」

鳴「私は…とりあえずあるだけ。あとアイス」

恒一「皆で行った方が――」

未咲「あ?」ギロッ

恒一「くっ…行ってきます」テクテク

鳴・未咲「ったく…」

未咲「ねぇ鳴。あれのどこがいいの?」

鳴「…秘密。未咲は?」

未咲「私? だから言ってるじゃん、き・ら・い」

鳴「ホントに?」ズイッ

未咲「私の一番は鳴だよ」ギュー

恒一「おまたせ」

未咲「遅い」

恒一「無茶言うなよ…」

鳴「ありがと。お金後で渡すから」

恒一「いいよ、デートなんだから。僕の奢り」

鳴「…こういう所とかね」コソッ

未咲「ふんっ…かっこつけめ」

恒一「君は払えよ」

鳴「もう食べれない…」ゲプー

恒一(とか言いつつアイスに手を伸ばす見崎も可愛いよ)

未咲「ん…」ヒョイ

恒一「へ?」

未咲「…一口あげる。ご飯のお礼」

恒一「いいの?」

未咲「いいから」グイッ

恒一「む…」

未咲「おいしい?」

恒一「ん」コクコク

鳴「榊原君、私のもあげる」グイッ

恒一「(見崎の食べかけ!?)いただきます!」パクッ

鳴「どう?」

恒一「幸せの味がした」

鳴「…あのね、未咲も素直じゃないだけだから」コソッ

恒一「?」

鳴「それだけ。変な事したら怒るからね」

恒一「?」

鳴「気持ち悪い…」グデー

恒一(そりゃあれだけ食べてジェットコースターに乗ればな…)

未咲「大丈夫? 次の乗れそう?」

鳴「ん…少し休んでるから、次のは二人で乗ってきて」

恒一「次って…観覧車?」

未咲「待ってようか?」

鳴「いいよ。行ってらっしゃい」

恒一「でも…」

鳴「行かないと嫌いになる」

恒一「わ、わかったよ…」

鳴「未咲」チョイチョイ

未咲「?」

鳴「これっきりだからね。素直にならなきゃダメだよ?」コソッ

未咲「…………うん」

恒一「…」

未咲「…」

恒一「…」

未咲「…高いね」

恒一「うん」

未咲「…」

恒一「今日は楽しかった?」

未咲「お化け屋敷以外はね」

未咲「ねぇ、ちょっと聞いていい?」

恒一「ん?」

未咲「鳴のどこが好きなの?」

恒一「全部」

未咲「そういうんじゃなくて…何で好きになったの?」

恒一「…笑うなよ?」

未咲「うん」

恒一「…一目惚れ」

未咲「ふーん…」

恒一「そういう君は?」

未咲「さぁ? 昔っから一緒で、ずっと好きだったから覚えてない」

恒一「へぇ…」

未咲「ねぇねぇ、一目惚れってどんな感じなの?」

恒一「なんだよ」

未咲「私、鳴以外に惚れた人とかいないから、どういうのか知りたくて」

恒一「…こう、出会った瞬間にときめいたと言うか…」

未咲「なにそれ。結局は見た目?」

恒一「違うって。…だって見た目同じの君と会っても惚れなかったでしょ」

未咲「…そっか」ギシッ

恒一「ん? 何でこっちに…」

未咲「よっと」ギュー

恒一「あぁもうまた腕に…」

未咲「じゃ、じゃあ今は?」

恒一「どういう意味?」

未咲「私に一目惚れはしなかったんでしょ?」

恒一「うん」

未咲「じゃあ今は? 一目惚れとか、そういうんじゃなくて、今は私に惚れそう?」

恒一「…」

未咲「正直私はね、鳴を好きになった時の事覚えてないから、恋とか惚れただとか分からない。恋ってどういう事?」

恒一「その…一緒にいたらドキドキしたり、触れたくなったり、喋りたくなったりするもの…じゃない?」

未咲「…私、今ドキドキしてるよ?」

未咲「恒一といたらドキドキするし、触りたくなるし、喋りたくなる。…好き、なんだと思う…///」

恒一「…」

未咲「恒一は? 私と一緒にいたらドキドキする?」ギュッ

恒一「…自分で聞けよ」ギュッ

未咲「あ…」

恒一「…」ギュッ

未咲「…」

恒一「…」

未咲「…ドキドキ、してるね」

恒一「…じゃあそういう事だろ」

未咲「ふふー。そうかそうか、恒一も私と同じか。参ったなー」ギュー

恒一「もういいだろ」

未咲「あれ? 自分で抱き締めたくせに?」

恒一「それは…///」

未咲「赤くなるな赤くなるな。ちょっと私に惚れた程度で…///」

恒一「自分で言って赤くなってどうするの…」

未咲「いやいや…あはは…は、恥ずかしいね!///」

恒一「でも勘違いするなよ」

未咲「それはこっちの台詞」


恒一・未咲「僕(私)の一番は見崎(鳴)だから」


未咲「私は鳴が一番好き。だから恒一は二番目」

恒一「僕は見崎を一番愛してる。だから君は二番目だ」

未咲「だってあんなに可愛いんだもん。マジ天使」

恒一「だってあんなに可愛いんだよ? マジ天使」

未咲「ふふ…」

恒一「はは…」

未咲「ふふふ、おかしいね。なにこれ」

恒一「いいんじゃない? お互い二番で、一番は見崎で」

未咲「あーなんかスッキリした。好きだぞ恒一。鳴の次に」

恒一「僕も好きだよ。見崎の次に」

未咲「これで後は鳴の一番か…私だな」

恒一「は? 僕だろ?」

未咲「いやいや私」

恒一「僕」

未咲「私!」

恒一「僕だって!」

鳴(遅いな…)ボケー


恒一「だから僕だって! 今日だって見崎から手繋いでもらったし!」

未咲「どーせまた病気のフリして同情させたんだろ! 変態!」

恒一「君に言われても嬉しくないよ!」

未咲「知るか変態!」

恒一「こうなったら見崎に直接聞くしかないね…」

未咲「上等じゃない…!」


鳴(喧嘩してないといいけど…ま、大丈夫かな)


恒一「僕が見崎の一番!」

未咲「私!」

恒一・未咲「ぐぬぬ…!」


鳴(さて次は何に乗ろうかなー)ルンルン


終わり

とりあえず終わりです
見てくれた人ありがとうございました

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