ルパン3世vs名探偵コナン&相棒! (326)

ルパン×コナン×相棒の多重クロスssです

まず諸注意ですがコナンと相棒で役職が被るのは基本相棒のキャラを優先しますので

※(警視総監とか刑事部長とか)

作者のコナン知識は40巻で止まってます、正直40巻で挫折しましたので

なのでそれ以降の新キャラとかあまりよく知りません…

かなりオリジナル設定が入るのでそれが嫌だという方は正直すみません

それでもいいという方はよろしければ読んでやってください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1386763246

この物語は映画『ルパン三世vs名探偵コナン THE MOVIE』の後日談である。


プロローグ


~関西の某寺院~


そこでは現在大捕り物が行われている最中であった。
追われているのはなんとあの世界的な大泥棒ルパン3世なのだから。

ルパン「だ~から俺じゃないっての~!」

服部「やかましいわボケ!そんな言い訳通用すると思うなや!」

大滝「平ちゃん!大阪府警の意地に掛けて絶対に逃がしたらあかんで!」

追っているのは西の高校生名探偵服部平次、泣く子も黙るという大阪府警の名物刑事大滝警部率いる大阪府警の警察官たち。

そしてもう一人…

カイト「おらー!待ちやがれー!」

警視庁特命係の甲斐亨巡査部長、何故彼がこの関西でルパン3世を追っているのかというとそれには理由があった。

大滝「いやぁすんませんなぁ、警視庁の刑事はんにまで捜査を手伝わさせてもろて!」

カイト「いえ…こっちにはたまたま出張で来てたし…お手伝いできるのはむしろ光栄ですから…」

カイト(本当はただの雑用で大阪府警遥々まで来ただけなんだけどまさか帰る間際にこんな大捕り物に駆り出されるとは思わなかった…)

服部「コラ二人とも!口っちゃべっとる場合やないで!さっさと捕らえんとキッドに逃げられてしまうわ!?」

カイト(どうでもいいけどさっきから追ってるあの怪盗キッドだけど…
確か怪盗キッドって白いスーツとマントのシルクハットなんだよな。
あれどう見ても全身黒のタイツだしおまけに加齢臭漂ってそうなおっさんぽくねえか?)

ルパン「ムムッ!何か失礼な事を言われた気がするぜ。ま、それはともかくとしてだ…」

怪盗キッドの罠の所為でキッドと人違いで追われるルパン。
そんなルパンだが余裕にも懐にしまってあるスマートフォンである生中継の動画ニュースを見ていた。
そのニュースは東京都内の米花町で行われている催しである。
そしてニュースで取り上げられている一人の女性がカメラの前に現れ、ルパンはその女性の名を呟いた。


ルパン「クラリス…立派になったな…」


その頃東京都米花町の毛利探偵事務所では…



~毛利探偵事務所~


毛利探偵事務所、ここはあの眠りの小五郎で有名な毛利小五郎が営む探偵事務所である。
そしてその眠りの小五郎を活躍させている張本人、江戸川コナンも一緒に同居している。

その日、いつもながら暇な毛利探偵事務所では小五郎と蘭、それにコナンがTVである光景を視聴していた。


<TV>


アナウンサー『え~本日この米花町通りをあのカリオストロ公国のクラリス・ド・カリオストロ女公の車が送迎されております!
ようこそ日本へ!クラリス女公!!』


野次馬「「おおおお!」」


小五郎「ケッ、何がカリオストロだよ!知らねえってんだよそんな国…」

蘭「もうお父さんったら!昼間からそんなお酒飲んで…
でも確かにカリオストロなんて国聞いた事も無いわね、コナンくん知ってる?」

コナン「う~ん、僕も知らないなぁ…」

コナン(カリオストロ公国、ヨーロッパにある小さな国で世界で一番小さな国連加盟国とされている。
確か俺が生まれる何年も前に一時期大きな事件で取り上げられたらしいがその事件の詳細は不明。
現在は即位したクラリス・ド・カリオストロ女公が女手一つで切り盛りしているって話だが…)

アナウンサー『おっと!車から出てきましたクラリスさまです!なんとお美しい御方でしょうか!?』

小五郎「ムムッ!?おお…スッゲー美人だぁぁぁぁ!!」

蘭「ちょっとお父さん!?」

小五郎がクラリスの姿に鼻の下を伸ばしていると同時に探偵事務所にドタバタと大勢の足音が響く。
それはコナンの友達である彼ら少年探偵団の仕業であった。

元太「おいコナン!ニュース観たか!?」

光彦「カリオストロ公国のクラリス女公が今米花町通りに来てるんですって!
この事務所からでも見れるんですよ!」

歩美「ねぇねぇ、コナンくんも一緒に行こうよ!」

コナン「えぇ~嫌だよ…人が大勢いるし面倒だし…」

灰原「あら、子供のくせに爺臭い事言うのね。あなた本当に小学生なの?」(クスッ)

コナン(お前にだけは言われたくねえっての…俺の身体を小さくさせた張本人が!?)

コナン「わーったよ!それじゃ蘭姉ちゃん、僕ちょっと出かけてくるから!」

蘭「気を付けるのよ!」

小五郎「クラリスちゃ~ん♡」(ブチュッ)

蘭(…TVの画面にキスしてる…このダメ親父…)

そしてコナンは少年探偵団たちを引き連れて米花町通りへ向かう訳なのだが…



~米花町通り~


アナウンサー『え~今クラリス女公が少女から花束を貰おうとしています!
なんと美しい光景でしょうか!』

そんなアナウンサーの声が響く中、ようやくコナンたちも到着していた。

元太「おい早くしろよ!」

歩美「もう…待ってよ元太くん!」

コナン「うわっ!スゲえ野次馬だな…俺たちもだけど…うん?あれは…」

コナンが注目する先には今回クラリスの来日に備えて護衛する日本警察官の姿があった。

その警察官とは…

神戸「…という訳ですのでこの配置でよろしくお願いしますね。」

伊丹「へいへい、まさかあの神戸警部補殿に顎で使われる日が来ようとはね…」

芹沢「先輩!今は神戸『警視』ですから!あの後階級が元に戻ったらしいですよ…」

伊丹「警視か…俺の3階級上にまた繰り上げ出世とか警視庁の人事はどうなってんだ?」

神戸「コホン…とにかく急いでください!」

伊丹「わかりましたよ、行くぞ芹沢!」

芹沢「待ってくださいよ先輩!」

渋々神戸の命令に従う伊丹と芹沢たち、そんな神戸の近くに一人の男が近付いてきた。

右京「キミも大変な仕事を任されてしまいましたね、神戸くん。」

神戸「杉下さん…」

その男の名は杉下右京。
警視庁の陸の孤島と呼ばれる島流し用の左遷部署、特命係に所属する警察官である。
何故今回彼が駆り出されたかというと…

神戸「とりあえずご協力は感謝しますよ、急な要請によく応えてくれましたね。まあどうせ…」

右京「特命係は暇ですからね、それにしてもキミがクラリス・ド・カリオストロ女公の護衛任務を任されるとは…」

神戸「まったく…以前警視庁の警備局にいたからって現場責任者にされるだなんて溜まったモノじゃありませんよ…
特命係に左遷されたと思ったら今度は警察庁に戻されて…おまけにいきなりこんな大任押し付けられて…
上は僕の人生をどれだけ振り回せば気がすむんですかね?」

右京「キミも大変ですねぇ、相手は一応国連加盟国のカリオストロ国ですからね。
もし今回クラリス女公に何かあれば…その責任は我々日本警察に…そして現場責任者のキミに全ての責任を押し付けられるかもしれません。」

神戸「ちょっと…本当に勘弁してもらえますか…
本気で胃がキリキリしてきましたから…まあこんな厳重な警備の中で騒ぎを起こす奴はまずいないでしょうが…」

右京「…」

神戸「それにしても奇妙な話ですよね。
いくらカリオストロ公国が国連に加盟する国でも少し警備が厳重じゃありませんか?
まるで政府が何かに警戒しているような気が…」

右京「警戒…ですか…一体何に警戒しているのでしょうかね…」

そんな右京と神戸の会話が行われている最中にアナウンサーがクラリスにインタビューを試みる。

アナウンサー『クラリス女公、今回の来日の目的は?』

クラリス「ハイ、私が今回来日した目的はサルウィン国との同盟をこの日本の地で果たしたいと思い遥々やってまいりました。
日本のみなさま、今回は私どもカリオストロ公国とサルウィン国の架け橋の場を提供成された事を心よりお礼申し上げます。」

サルウィン、クラリスの口から出たその右京にとっても因縁のある地の名を聞くと…
右京は思わず苦い顔をしてしまった。

右京「サルウィンですか…」

神戸「確か以前特命係でお勤めになっていた亀山さんが旅立った国ですよね。
未だに内乱を繰り返し…国内情勢も悪化の一途を辿ったまま…
政治家たちは賄賂は当たり前、最早倫理も正義も存在しない国だと聞いていますよ…」

右京「未だに日本などの先進国の援助無しではろくに機能も出来ない政府だと聞いています。
まったく…餓えた国民を蔑にしてはあの国の将来が不安ですよ…」

神戸「確かサルウィンの首相ってトーゴ・ドルザーラという名前ですよね。
彼が首相になってからサルウィンは武力や賄賂の独裁政治により国が乱れ始めたんでしたっけ?」

そしてクラリスの手元に花束を持った少女が現れて花束を渡そうとしたその時であった!



ドンッ!!


クラリス「キャァァァァァァ!?」


   「「!?」」


一発の銃声が辺りに響く、それと同時にその場に倒れ込むクラリス。
銃声が響いた現場では野次馬たちがパニック状態になり辺りは騒然となった。

伊丹「この銃声は何だ!?」

神戸「クラリス女公は大丈夫なんですか!?」

芹沢「うわぁぁぁ!みなさん押さないでください!」

警察関係者ですら事態を掴めない状況に陥っていた、それは少年探偵団も同じであった。

元太「い…今のなんだよ!?」

光彦「あそこ…見てください!クラリス女公が倒れてますよ!?」

元太「よっしゃ!こういう時こそ俺たち少年探偵団の出番…うわぁっ!」

歩美「あぁ…ダメだよ…周りの人たちが逃げ回ってるから身動きなんか取れないよ…」

そんな中、コナンはクラリスが倒れた背後の古いビルである人影を目撃した。

コナン「あれはまさか…おい灰原!俺は犯人を捕まえる!お前は子供たちを頼んだぞ!」

灰原「わかったわ工藤くん!ほらみんな、さっさとここを離れるわよ!」

コナン「クソッ!このビルエレベーター無いのかよ!?歩いて行くしか…」


ガシッ


犯人を追おうとしたコナンであるが突然誰かに肩を叩かれた。

右京「キミ、ここは危険ですよ…すぐに逃げてください!」

コナン「刑事さん?いや…そんな事言ってる場合じゃないですよ!屋上に怪しい人影が!?」

右京「えぇ、僕もそれに気付いたのですが…
キミは一般人、ここは僕たち警察官に任せてすぐに安全な場所に避難してください!」

コナン「なら建物の近くが安全だと思うな、外はいつ狙撃されるかわからないんだし…
それに…急がないと犯人を取り逃がしちゃうよ?」

咄嗟なコナンの出まかせ混じりの言い訳だが、確かにこの状況で外に出す方が危険であるのも一理あった。
仕方なく右京はコナンを同行させてビルの屋上へと登って行った。

右京「いいですか、キミはくれぐれも無茶な行動は控えてください。」

コナン「ハ~イ。」

コナン(しかし気になるのはあの銃声だ、音からしてS&W M19 コンバット・マグナム!
俺が知る限り、そんな銃を持つ男は一人しかいない!そいつはもしかして…)



ガチャッ


右京はコナンへ注意を促すと同時に屋上への扉を開けた、そこにいた人物はコナンが予測した通りの人物であった。

右京「そこのあなた、止まりなさい!警察です!」

そこにいたのは一人の男…
紺系のダークスーツと視線を隠すようなソフト帽を被り、立派に整った顎鬚を生やした奇妙な男がいた。
コナンは思わず口にしてしまった。

コナン「パパ!?」

次元「パパじゃねえ!」

右京「その風貌、以前資料で見た事があります!
あの国際指名手配されている大泥棒のルパン3世の一味である射撃の名手次元大介さんですね!
事情を聞きたいので我々と一緒に警視庁までご同行願いますか?」

右京は彼から事情を聞くために警視庁への動向を要請した。
だが彼から帰ってきた返答は言葉ではなかった。



ドンッ!!


次元「悪いな、俺はサツとは相性が悪くてね。ここでおさらばさせてもらうぜ!」


バッ


コナン「ま…待てー!」

右京「待ちなさい!相手は銃を持っているのですよ!」

コナン「クソッ!?」

愛用のリボルバー銃による威嚇射撃でコナンと右京の動きを封じる次元。
さすがの右京も子供を同行しているので手が出せず、結局次元を見す見す逃がす結果に終わってしまった…

一方その頃、関西の方でも…


ルパン「クラリス!?」

クラリスが撃たれた事態を察知したルパン、それと同時にルパンは逃げ回るのを止めてしまった。
逃げるのを止めたルパンを一網打尽にしようと大阪府警の警察官たちが挙ってルパンに迫ってきた。

大滝「今や!キッドを捕まえるんや!!」

服部「待った大滝はん!キッドがそんな簡単に捕まる訳ないで!というかあいつキッドやない!?」

カイト「やっと気付いたのかよ…」

ルパン「そう…俺はキッドなんかじゃねえ…ルパン…ルパン3世だ!!」

そう言うとルパンは背中に隠し持っていたジェット噴射器を使い、大阪府警の警察官たちを吹っ飛ばしながら逃走してしまった。


警察官「「うわぁぁぁぁぁ!?」」


服部「おんどりゃー!端からこれをやるために俺らを誘い込んどったわけか!?
根性ババ色なやっちゃな!降りて勝負しいや!!」

カイト「平次くん落ち着いて、こんなとこで怒鳴っても何もならないから…」

ルパン「そういうこった、悪いが遊びの時間は終わりだ!楽しかったぜ坊主たち♪」

ジェット噴射器でそのまま関西を後にするルパン、彼はそのまままっすぐ東の方角を目指した。


ルパン「何処の誰だか知らねえがあの子を傷つけたんだ、タダじゃおかねえ!!」


その決意を胸に東京を目指すルパン、これから待ち受ける幾多の出会いと再会、そして別れがある事を彼はまだ知らない…

OPルパンver.

http://www.youtube.com/watch?v=MSYXz-M8DWc

OPコナンver.

http://www.youtube.com/watch?v=jOQEO3YHfQI&list=PL144307E9A166F1B4

OP相棒ver.

http://www.youtube.com/watch?v=iDBQG3yc278

ルパン3世vs名探偵コナン&相棒!


泥棒と探偵、そして刑事の物語が今交差する!!



~警視庁~


警視庁ではさっそく今回の事件の捜査本部が設置され大々的な捜査会議が執り行われていた。
その中には目暮警部の部下である高木、佐藤、千葉の姿もあった。

高木「ひゃー、凄いですね…
そうそうたる顔ぶれ…あそこにいるのって警察庁の警察庁長官である金子文郎長官に甲斐峯秋次長ですよ!」

千葉「それに我らが警視庁の田丸寿三郎警視総監まで…
以前起きた警視庁籠城事件以来敬遠の仲だった警察庁と警視庁の合同捜査なんてねぇ…」

佐藤「警察のTOP、それもNo.1とNo.2がお出ましってわけか。この事件の重大さを物語らせてるわね…」

高木「それに前の席にいるのは内村刑事部長に中園参事官、大河内主席監察官、
小田切警視長に松本管理官まで…
更に最前列には目暮警部に白鳥警部、捜査2課の中森警部、そしてインターポールに帰還するはずだった
あの銭形警部を呼び止めて警視庁の名物刑事が一挙に集合してるんですからね!
こりゃ層々たる顔ぶれですよ!」

千葉「まったく並の犯罪者ならこの顔ぶれに驚いて自分から自首するな…」

佐藤「でも今回の犯罪者はそうはいかないわ、なんといっても並の犯罪者じゃないんだからね!」

そんな警視庁の内部事情を話し合う佐藤たち、だがそんな佐藤たちを後ろから注意する男が…

伊丹「おいお前ら、いい加減その口閉じろ!うるさくて仕方ねえ!」

芹沢「どうも~♪」

高木「うわっ!伊丹さんに芹沢さん!?
そうか、合同捜査だから七係の伊丹さんたちもここにいてもおかしくないんだっけ…」

佐藤「今回は現場に居ながら散々な失態でしたね伊丹さん。」

伊丹「うるせえ!お前ら三係に言われたかねえや!
まったくお前ら三係ときたら高校生探偵だとか眠りの小五郎とかいう素性の怪しい一般人を
勝手に捜査に参加させるわ警察官としての常識を疑う行動ばっかしやがって…
お前らの上司の目暮警部殿はあれでよくクビにならねえもんだと七係じゃもっぱらの噂だぞ!」

佐藤「あら言ってくれますね!知ってますよ、おたくの七係も実は…」

高木「ハイハイ!佐藤さん抑えて抑えて!」

芹沢「先輩もですよ、こんなとこで同じ捜査一課の仲で喧嘩してどうすんですか?」

伊丹「フンッ!」

芹沢「すみませんね、先輩最近荒れ気味で…」

千葉「その原因ってやっぱり…」

芹沢「えぇ、三浦係長の退職が…」

伊丹「おいコラ!余計な事を言うんじゃねえ!?」


中園「「コラァァァァァ!そこ!いい加減に静まらんか!?」」


内村「いいか、今回は警察の威信が丸潰れになるかどうかの事態なんだ!
そんな舐めた態度で事件に臨むというなら今すぐこの場から出て行け!!」


「「ハッ、申し訳ありませんでした!!」」


目暮「それと今回我々警察の他に特別にオブザーバーとして名探偵の毛利小五郎君にも来てもらった。」

小五郎「どうも!名探偵の毛利小五郎であります!」

捜査員たちが頼もしい助っ人が来たと喜んでいる一方で伊丹だけがその存在を疎ましく思っていた。

伊丹「ケッ、何が名探偵だよ…」

芹沢「あれ?先輩って毛利探偵の事知ってるんですか?」

伊丹「あぁ、ヤツとは警察学校が同期でな。
一緒に警視庁の捜査一課に配属されたが…あの野郎のドジっぷりといったらな…
結局最後はヘマして辞めた元ヘッポコ刑事が今や世間でもてはやされている名探偵さまとはな…
一体世の中どうなってんだ?」

そんな中、コナンたち少年探偵団も警視庁を訪れていた。
だが…

蘭「もう!コナンくんたち何処行っちゃったのかしら?」

阿笠「まぁいつもの事じゃしな、たぶん大丈夫じゃよ。」

さっそくコナンたちはお約束にも蘭の隙をついて単独行動を取っていた。

その頃コナンたちはというと…

元太「まさか迷子になるなんてな…」(バクバク)

光彦「元太くんがうな重の匂いがするからって言うから変な部屋に来ちゃったじゃないですか!
どうすんですか!?」

元太「しょうがねえだろ…腹減ってたんだから…」(ガツガツ)

歩美「ていうかまだ食べてるし…」

ちなみに探偵団たちが訪れているのは幹部職員たちの弁当が置かれている部屋。
捜査会議とは何の関係も無い部屋である。

コナン「まったく元太の嗅覚は大したもんだよ…」

元太「やめろよ照れるだろ♪」

コナン「いや…褒めてないから…」

灰原「それでどうする気?
あのヘボ探偵の付き添いで来たのに肝心の捜査本部に入れないんじゃ意味無いと思うんだけど…」

コナン「まぁ…そうだよな…
さすがに今回は俺たちも捜査本部に入れそうにねえし…」

そんな時である、幹部職員の仕出し弁当の残りを持って右京が現れたのだ。

右京「おや?キミは…」

コナン「あの時の刑事さん!けど何でお弁当持ってるの?」

元太「刑事って弁当まで作る仕事までやらされるのか?」

歩美「大変だよね~!」

灰原「たぶんこの人はお弁当を用意しただけよ、作ってまではいないはずだから。」

右京「まあ頼まれたら何でもやるのが特命係ですからね、ところでキミたちは何故ここに?」

コナン「実は僕たち小五郎おじさんの助手なんだけどそのおじさんとはぐれちゃって…」

右京「小五郎おじさん…?あぁ、あの眠りの小五郎で有名な毛利探偵の事ですね。
なるほど、そうとなれば僕は保護者である毛利探偵のところまでキミたちを案内しなければいけませんね。
ちなみに毛利探偵は現在クラリス女公が撃たれた事件の捜査本部におられるはずです。
そこに僕がキミたちを案内する事は何の問題もありませんねぇ…」

コナン(何だろ、さっきから辻褄合わせに俺たちを利用されている気がする…)

右京「それでは捜査本部に行きましょう、僕についてきてください。」


元太、光彦、歩美「「ハ~イ♪」」


コナン「大丈夫かな?」

灰原「そんな心配今更でしょ…」

コナンと右京が捜査本部に向かっている間にもこちらではその場にいる全捜査員に対して
事件についての説明が行われていた。



~捜査本部~


米沢「鑑識の米沢です、今回使用された銃弾なのですが恐らくは狙撃中ですな。
現場で採取された弾丸は二発確認されています。
さらにですが被害者であるクラリス女公は花束を進呈された瞬間真正面から撃たれています。
犯人は相当な腕の持ち主である事には違いありませんな!
ちなみにですがクラリス女公に当った弾は真ん中の部分が凹んでいて、もう一発は彼女の足元から弾痕が採取されました。」

内村「では犯行はプロによるものと断定すべきだな。被害者に恨みを持ちそうな人間は?」

伊丹「捜査一課の伊丹です、入国管理局からの情報ですが彼女に恨みを持ちそうな人間が入国した形跡はありません。
怨恨の線は薄いのでは?」

甲斐「いや待て、彼女は公人だ。
つまり犯人はカリオストロ公国とサルウィン国の協定に反対する勢力かもしれん。
いいかね諸君、今回の事件は非常にデリケートな事件だ。
対応一つ間違えれば日本警察、いや…日本政府の信用問題にも関わる!
既に我々は一度クラリス女公の護衛に失敗してしまった…
その上もしも犯人を取り逃がし…おめおめと海外に逃亡されてみたまえ!
我々は世界中に恥を晒す事になるのだぞ!!」

今回の事件は警察の威信にかけてなんとしても犯人を逮捕せよと指示を出す甲斐次長。
しかしそんな甲斐次長とは裏腹に警視庁の田丸警視総監は冷ややかな目で見ていた。

田丸「我々ねぇ…今回恥を晒したのは警察庁でしょう、私たち警視庁を一緒くたにしないでもらいたいですな。」

金子「田丸総監は何が仰りたいのですか?」

田丸「ではこの場を借りて進言しましょう、今回の事件は警察庁の責任は免れないでしょうな。
現場責任者である警察庁の職員にはそれ相応の責任を負ってもらうのが筋だと思いませんか?
そうしなければカリオストロ公国に対しても面目が立ちませんからな!」

田丸の発言に騒然とする会議場内、いきなりの険悪なムードになる警視庁と警察庁の両職員たち。

伊丹「おいおい…今ここで言うべき事じゃねえだろ!」

芹沢「自分たちを擁護するみたいになっちゃいますけど神戸さんの指示は的確でしたよ!
あんな狙撃なんてそう簡単に防げるわけがないってのに…」

佐藤「まったく…こんな時に責任の押し付け合いだなんて上は何考えてんのよ!?」

千葉「本当ですよ!田丸総監も空気を読んでもらわないと…」

高木「待ってください、大河内監察官が何か言うみたいですよ!」

高木の指摘する通り、大河内が田丸の意見を前もって想定していたのか今回の事件の現場責任者である
神戸尊の処分を公表した。

大河内「今回現場責任者である神戸警視は現在自宅謹慎処分を命じています。
正式な処分はこの事件が収束してから行いたいと思っています。」

田丸「そんな手緩い処分であってたまるか!もっと厳正な処分を下したまえ!
そうでなければカリオストロ公国だけではない、他の諸外国にも示しがつかんだろう!」

金子「そんな事は警視庁に言われなくてもわかっている、我々警察庁の人事に口を出さないで頂きたい!」

目暮「田丸総監も金子長官も落ち着いてください!」

白鳥「我々が言い争っても仕方ないでしょ!」

小五郎(うわぁ…偉い時に来ちまったな…正直気不味い…)



「「もう結構だ!!」」


そんな田丸総監と金子長官の言い争いに呆れて大声を上げた人物がいた、
それは同じくクラリスと一緒に入国した護衛の人間であった。

ジョドー「私はカリオストロ公国クラリスさまの執事であるジョドーだが…
まったく…これ以上くだらない茶番に付き合ってられん、犯人は我々が捕まえる!」

田丸「お待ちください、今回は確かに我々警察の不手際でした。
よって今回の責任者である神戸尊警視には多大な処罰を課す予定であります。」


  「「!?」」


会議場内がさらに騒然となる、あの大河内ですら知らされてないと面を喰らうほどに…

大河内「田丸総監!ここは捜査会議の場ですよ!
そのような一警察官の処分を決めるのはまた後日でもよろしいでしょう!?」

田丸「何を言っているんだ、『我々』の所為でこのような事態を招いたのだろう。
いざとなれば神戸警視をカリオストロ公国に引き渡してそちらで裁判にかけてくれても構いませんよジョドー氏!」

ジョドー「くだらん、私はもう失礼する。だが…貴公らの発言は確かに覚えておこう!」

会議場を後にするジョドー、そんな捜査本部に嫌気がさしたのかもう一人この会議場を出ようとする男がいた。

銭形「悪いがわしも失礼します、わしは人事処分に興味は無い。興味があるのは…」

白鳥「ルパンですよね。
実は今回あなたをお招きしたのはそのルパン一味の一人が事件に関わっている可能性があるからですよ!」

銭形「何!?」

中園「あ~、話は脱線してしまったが現場に居た『とある捜査官』の証言でルパン3世の一味である
次元大介という男が現場付近で目撃されたという情報がある。
この男は裏の世界では射撃の名手でクラリス女公を狙撃する事も可能ははずだ!」

小五郎「わかりましたよ警部殿!つまり犯人は次元大介!」

目暮「毛利くん、眠ってない時のキミの意見は正直どうでもいいから…」

小五郎(ガクッ)

銭形「なるほど、確かに次元ならクラリス女公の暗殺は可能なはずだ。しかし…」

松本「何か不満そうだな。」

小田切「言ってみたまえ!」

銭形「この事件と同時刻にルパンが関西にいるのが確認されている。
次元がルパンと別行動を起こす事は多々あったが今回は明らかに不自然な点が多い!
第一…ルパンたちは女子供を傷つける真似はせん!」

ルパンたちが女子供を傷つける真似はしない、しかしそんな意見を内村は聞き入れはしなかった。

内村「くだらん、犯罪者が何を仕出かすのかキミに予測できるはずがないだろう!
現にキミとて何度もルパンを取り逃がしている、その程度の憶測で捜査方針に口を出しては…」

その時、内村の意見にもう一人口を出す男が現れた。

右京「しかし銭形警部の仰る事ももっともだと思いますよ。
ルパン3世といえば銀行、美術館、他にも高価な場所をターゲットにしている泥棒ですからねぇ。
そんな彼らが果たして国家の要人の暗殺を企てていたのか僕には些か疑問に思います!」

中園「なっ!お前は!?」

内村「杉下!何故お前がここに!?
お前には幹部の方々の弁当の用意を命じてたはずなのに!?」

伊丹「そんな事したって無駄だろ…」

芹沢「警部殿は神出鬼没ですからね…」

高木「杉下警部ってあの…」

佐藤「伊丹さんたち七係が担当する事件を影ながら手助けして全て解決したっていう噂の特命係!」

千葉「すげぇ…俺初めて見たよ!」

中園「しかし杉下…次元大介を目撃したのはお前自身だろ!何故否定する?」

右京「確かに次元大介を目撃したのは他の誰でもない僕自身ですが…
それでもこの事件の犯人をルパン一味に絞るのは早計かと進言したまでですよ。」

右京の登場により怒りを露わにする内村、何故この場にいるのか右京に詰め寄った。

内村「杉下!お前に捜査権限は無い、即刻ここから立ち去れ!」

右京「一応用事があって来たのですがね、毛利探偵がお連れしたお子さまたちが迷子でしたので…」


探偵団((気不味い…))


小五郎「あいつら…」

甲斐「まあいい、これにて捜査会議は終了とする!
各捜査員はこれ以上警察の失態を晒さないように、また非常にデリケートな案件でもある!
くれぐれも迂闊な行動は慎み速やかに犯人逮捕に勤めてくれ!」

こうして捜査会議は警視庁、警察庁の両職員に因縁を残すという後味の悪い形で終了する。

伊丹「まったく冗談じゃねえよ、あんな話聞いて捜査しろって言われてもな…」

芹沢「ヘマしたら神戸さんみたく…上は下に責任押し付けたがりますよね…」

佐藤「確かにこれから捜査しようって時に勘弁してほしい話だったわね…」

気を引き締めるどころか露骨に不機嫌を露わにする各捜査員たち、ちなみに探偵団も小五郎にこってりと怒られていた。

そんな中、コナンは先ほど再会したばかりの右京を見つける、右京は大河内や甲斐と何やら内密な話をしていた。

右京「先ほどの話は聞かせて頂きました、神戸くんの処分は…」

大河内「まさか田丸総監があのような発言をするとは予想外でした。
恐らく総監は神戸をスケープゴートに仕立てて今回の責任を全て警察庁に押し付ける予定なのでしょう。
こんなやり方…さすがに納得がいきません!
杉下さん、私は今回の処分に対して異議を申し立てます!」

甲斐「私の方からも色々と手を尽くしてみようと思う、杉下くんキミには…」

右京「えぇ、僕の方でも捜査をしてみたいと思います。ただ…」

甲斐「どうかしたのかね?」

右京「いえ、個人的な事ですが今回相棒がいないというのが少し手元寂しいような…」

甲斐「安心したまえ、あんな頼りにならん倅がいなくてもキミなら一人で事件を解決できるだろう。」

右京「…」

それからすぐにその場を足早に立ち去る甲斐と大河内。
二人を見送る右京であるがその表情はまるでどうしたものかと思い悩んだ表情であった。

コナン「ねえ、確か杉下さんだったよね。どうかしたの?」

右京「キミは確か毛利探偵の…」

コナン「江戸川コナン、探偵だよ!それで…何か悩み事?」

右京「悩み…そうですねぇ…いつもならいるはずの相棒がいないというのが悩みですかね…」

コナン「なら僕が杉下さんの相棒になろうか?僕も小五郎おじさんに事件を調べるよう頼まれてるからさ!」

コナン(ま、こんな事言って本気になる大人はいないだろうけど…)

冗談交じりで自分が右京の相棒になると言うコナン、コナンもまさか右京が本気にしないと思っていたが…

右京「なるほど、それはいいですね!キミは毛利探偵の助手、僕としても相棒が欲しい!
これで利害が一致しました♪」

コナン「え?」

右京「そういう訳ですので毛利探偵、コナンくんをお借りしていきます。」

小五郎「あ…ど…どうぞ…」

蘭「ごはんまでには帰ってくるのよ!」

元太「ごはんと言えば腹減ったな…」

光彦「さっきうな重二箱食べたばかりでしょ!」

その頃、幹部職員の控室では…

田丸「私の弁当のうな重が…」

金子「私のも米一粒残さず食べられてる…」

内村「バクバク、モグモグ!(これ以上付き合ってられるか!?)」



~米花町通り~


クラリスが撃たれた事件現場に訪れた右京とコナン、さっそく右京は事件時にクラリスがいた場所に立つがここで奇妙な疑問を抱いた。

右京「妙…ですね…」

コナン「妙って…その位置からじゃ次元大介はクラリス女公を狙えないって事?」

右京「そう、その通りです!クラリス女公は正面から撃たれたはずです!
それなのに僕たちが目撃した時次元大介はこのクラリス女公がいた背後のビルにいたのです。
これでは正面からクラリス女公を撃てるわけがないのですよ!」

コナン「しかもあの時次元大介が持っていた銃はリボルバー銃だった。
事件現場から採取されたのは狙撃中の弾、そんな物はあの時次元大介は所持していなかったし
その後の捜査でも狙撃銃なんて発見は出来なかった…」

右京「となると…犯人は…ふむ、あのビルですね!」

右京は改めて自分が立つクラリスが事件現場に居た時の位置から正確な狙撃場所を割り出す。
そこは事件現場から3キロも離れたビルの屋上であった。

右京「ここに狙撃不ライフルの二脚の跡がありますね、やはりここが本来の狙撃位置でしたか。」

コナン「うん…?このタバコは…!」

右京「どうかしましたか?」

コナン「い…いや…なんでもないよ!」

右京「とりあえず鑑識の米沢さんを呼んでこの辺りを調べてもらいましょうか。」

コナン「う…うん、そうだね!」

コナンは何を思ったかそのタバコの吸殻を右京から隠してしまった。

その夜…


~花の里~


右京はコナンを連れて花の里にやってきた、しかしそこで思わぬ出会いがあった。

幸子「あら杉下さん、今日は…随分小さなお連れさんとご一緒なのですね。」

右京「そういう幸子さんこそ…そちらの女性はどなたなのですか?」

花の里にいたのは女将である月本幸子の他にもう一人見た目は彼女と同世代の女性がいた。
コナンはその女性を見ると思わず大声を上げてしまった。

コナン「あぁっ!?峰不二子!?」

不二子「あら?ボクじゃない!久ぶりよね~♡」

右京「おやおや、お知り合いでしたか。」

コナン「ま…まぁ…ていうか不二子さん何でこの店に?」

不二子「じ・つ・は・この前のお仕事で経費は尽きちゃうし金づるのルパンはいなくなっちゃうわで…
正直手元にお金が無くてね、それでこのお店で店員さん募集の張り紙を見て雇ってもらったわけなの♪」

幸子「雇ってあげました♪」

そんな経緯を説明する不二子と幸子、そこへもう一人…男が店に入ってきた。

次元「ここか、ムッ!お前は…」

コナン「あ、パパ!」

次元「パパじゃねえって言ってんだろ!まったく俺の行く先々に居やがって…
お前は俺のストーカーか!?」

不二子「ボク~♪お肌擦り擦りさせて~!若さにあやかりたいの~♪」

コナン「ちょ…俺は健康食品の類じゃないって…!」

コナンとルパン一味である次元と不二子のやり取りを見て右京は思わず質問をしてみた。

右京「コナンくん、キミは随分とルパン一味と親しいのですね。
確か毛利探偵は何度かルパン3世絡みの事件を担当していましたがその時にお会いしたのでしょうか?」

コナン「え…あ…いや…そう!そうなんだ!
その時次元さんや不二子さんとお友達になったみたいな…」

次元(こいつまだ猫かぶりしてんだな…)

不二子(この子も大変なのよ♪)

右京「ところで…キミ…何故先ほどの現場からタバコを持ち出したのですか?」

コナン「え?」

右京「先ほどキミはタバコの吸い殻を発見したはず。
なのにその吸殻を僕やあの後駆けつけた鑑識の米沢さんにも渡さなかった。
毛利探偵からの指示…いえ…そうではないでしょう、キミは何か隠しているのではありませんか?」

コナン「…」

コナンは右京の鋭い眼光を見て彼に隠し事が出来ない事を悟り、ある事を呟いた。

コナン「…M16…」

右京「はぃ?」

コナン「たぶんそろそろ鑑識の人から連絡が来ると思うけど犯行に使われた銃はM16だと思うよ。」

そのコナンの言葉と同時に右京の携帯から米沢から連絡が入った。
米沢からの連絡は先ほどのコナンからの連絡と同様に使用された狙撃銃がM16であるという報告であった。

右京「驚きましたね、何故そんな事がわかったのですか?」

コナン「杉下さん…あなたが警視庁でも切れ者だという話は僕も何度か聞いた事があります…
けどこの事件…犯人の正体を知ればあなたの命が狙われる危険があるよ!」

コナンからの警告、普通の大人なら笑い飛ばすであろうが右京はコナンの警告が本当だと確信する。
しかしそんな事で引き下がる右京ではなかった。

右京「申し訳ありませんがたとえ命が狙われる事になっても捜査を止める気はありませんよ。
それでは僕の信念を曲げる事になるのですからね!」

コナン「杉下さんの信念?」

右京「僕の信念は真実を導き出し犯人を暴く事です!
たとえどのような妨害があろうと、僕は真実の追及を止める事はありませんよ!!」

右京の言葉を聞くコナンたち、コナンはまるで驚いた顔をして次元は思わず笑い飛ばしてしまった。

次元「フハハ、アンタ組織じゃ出世しそうにないタイプだな!
見た目は頭良さそうな感じのインテリなのに残念だなおい!」

右京「僕は出世には興味ありませんので、あぁ…それと今回の事件であなたの無実を証明しておきましたよ。」

次元「俺の無実?」

コナン「パパはあの時クラリス女公を撃とうとした訳じゃない。
何故ならあんな背後の位置からターゲットを正面から狙い撃てるなんて出来ないんだからね。」

右京「恐らくあなたはあの場にいた誰よりも早く狙撃に気付いた!
しかし既に銃弾は発射されてしまった…
そんな時あなたは咄嗟にクラリス女公に当る弾の弾道を自分のリボルバー銃の弾丸で逸らしたのですよ!」

コナン「その証拠に狙撃銃の弾丸には凹んだ痕があった。
凹んだ理由は狙撃銃の弾丸がパパのリボルバー銃の弾丸に当ったから、そうなんでしょ?」

右京とコナンの推理に思わず苦笑いする次元、観念したのか事件の状況を説明した。

次元「まったくたまげたモンだな。
そこの坊主はともかくそっちの刑事も大したヤツだぜ、まさかサツに銭形のとっつぁん以上のキレ者がいるとは…」

右京「お褒めに頂き恐縮です、よろしければ事件の時の事をご説明して頂きますか?」

次元「いいだろう、俺はクラリス嬢ちゃんが日本に来るってんでちょいと様子を見てたのさ。
その時あの離れたビルから妙な光が見えてな。
あの光は狙撃に使われる際のスコープだ、それに気付いた俺だがさすがに愛用のリボルバーじゃ奴さんには届きゃしねえ。
仕方なく弾道をずらしたって訳さ。」

コナン「ハハ、それでも神業レベルだよ…」

次元「今度は俺からの質問だ、あの時嬢ちゃんには弾は当たってなかったはずだ。
あの子は無事なのか?」

右京「それは…」



ガサッ


その時、店の外から奇妙な物音がした。
次元と不二子は咄嗟に身構えた態勢を取り、そんな二人の動きを見て右京とコナンも思わず警戒をした。

幸子「あの…みなさんどうしたんですか?」

右京「幸子さん、今日はもう店仕舞いなされた方が良いと思いますよ…」

不二子「私もそう思うわ、この店を壊されたくなかったらね!」

右京、コナン、次元、不二子の4人は店の外に出た。
しかしそこには誰もいなかった、だが次の瞬間!

すげぇ
久しぶりだわこんなSS

キャラクターに違和感しかない

あとルパン3世じゃなくルパン三世な



バッ


次元「上だ!?」


ズバッ


??『チッ!』

コナン「何だこいつは!?」

右京「全身黒い覆面で覆われていますね…」

そこに現れた一人の男、男は黒い覆面と鋼鉄の鍵爪で次元を斬り殺そうとしていた。

次元「こいつ…まさか俺が狙いか!?」


ダンッ


不二子は覆面の男を銃で撃つが効果は無かった。

次元「無駄だ、こいつにはマグナムだって効きゃしねえんだ!お前ら死にたくなけりゃ手出すな!」

迂闊に手を出せば殺される、確かにその通りであるが言われて黙っているようなコナンと右京ではなかった。

コナン「キック力増強シューズで倒すか、いや…ダメだ!
マグナムの弾だって効かないような防弾性だ…当然麻酔銃も使えない…どうする…そうだ!」

コナンは自分が持つ伸縮サスペンダーを取り出し、片方の部分を右京に渡した。

コナン「杉下さんこれを使って!
これは伸縮サスペンダーといってかなり丈夫なロープになるんだ!これを使って…」

右京「なるほど、わかりました!」

不二子「ちょ…ちょっとあなたたち何をする気よ!?」

不二子が心配する中、右京とコナンは伸縮サスペンダーを限界近くまで伸ばした。

コナン「今だ離して!」

右京「ハイ!」



バシィンッ!!



充分伸びきった伸縮サスペンダーが当り覆面の男はその衝撃で吹っ飛ばされてしまった。

コナン「パパ大丈夫!」

次元「まったく…この俺とした事が…まさかお前に助けられるとはな…
しかしこいつはまさか…」

だが男はまだ意識があった、すぐに立ち上がり再び襲い掛かろうとしたが…

―「大人しく寝てなっての!」


バチッ


??『ぐはっ!?』

―「時代は進歩してるんだぜ、今はスタンガンっていうカタギでもネット通販で買えるモンがあるわけよん♪」

突然背後に現れた男により気絶させられてしまった、その男とは…

ルパン「よぅ、また会ったな名探偵!」

コナン「ルパン!?」

右京「彼が…ルパン…」

次元「遅かったなルパン。」

ルパン「悪い、関西の警察がしつこくってさ~、西の高校生探偵だっけ?
最後まで俺の事追いかけてきたんだぜ…」

コナンと右京の危機を救ったのは本来彼らの敵でもあるルパン自身であった。
こうしてこの場にこの物語の主役であるルパン、コナン、それに右京の3人が出会った。

??『うぅ…』

それと同じく先ほど気絶させられていた男が目を覚ました。
しかし男は先ほどコナンの伸縮サスペンダーで縛られて満足に動く事は出来なかった…

ルパン「変な真似すんなよ、アンタが妙な動きをすれば俺の相棒がお前を撃つぜ。」

その言葉の通りに次元は男に対して銃を構えていつでも撃てる準備をしていた。

右京「一応警察官が見てる目の前なのですがね…」

ルパン「固い事は言わないで~、さーてとアンタのその格好だが覚えてるぜ!
カリオストロ公国でやり合った仲だもんなぁ!」


バッ


ルパンは男の覆面をはぎ取った、すると男の素顔が出てきたのだ。
男の素顔を見た右京とコナンは思わず驚いた、何故なら彼は捜査本部にいた顔なのだから…

ルパン「やっぱりアンタか、かつてカリオストロ公国の執事で暗殺専門の特殊部隊を率いていた男ジョドー!」

ジョドー「久しぶりだなルパン…」

ルパン「何故俺たちを狙う?もう伯爵は死んだはずだろ!」

ジョドー「私はある物を探していただけだ。
私はお前がそれを持っていると思うのだが…その様子だと違うようだな…」

ルパン「その前に聞きたい事がある、クラリスは…クラリスは無事なのか!?」

先ほどまで冗談交じりな口調であったルパンだがここにきて急に真面目な素振りを見せた。
彼にとって仲間の命を狙ったジョドーの事よりもクラリスの安否の方が心配なのだろう。

右京「ご安心くださいクラリス女公は無事ですよ。
あの時次元さんが弾道を逸らしてくれたおかげでかすり傷の軽症ですみました。
現在は一部の関係者しか知らない場所に匿っていますのでどうかご安心ください。」

ルパン「ハハ、そうか…無事か…よかったぜ!」

思わず安堵の表情を浮かべるルパン、しかし一息着くと同時に再び真面目な顔つきに戻り再度ジョドーを問い詰めた。

ルパン「それでお前はまたクラリスの命を狙ったのか?
ヤツは…伯爵はもう死んだはずだ!それなのに何故狙う!?」

ジョドー「私がクラリスさまを…ふざけるな!昔はともかく今は王家に忠誠を誓う身だ!
そんな私がクラリスさまを裏切るわけがないだろ!」

ルパン「何だと?それじゃお前の他に誰がクラリスを殺そうとしたんだ!?」

ルパンはおろかカリオストロ公国に仕えるジョドーですら犯人に心当たりが無いという始末。
だがコナンには一人だけ心当たりがいた。

コナン「クラリス女公を殺そうとした犯人ならもう心当たりは付いているよ。」


ルパン、ジョドー「「何!?」」


右京「その心当たりは先ほど現場でキミが採取したタバコですね、犯人は一体誰なのですか?」

コナン「そう…あのタバコはゴロワーズ・カポラル、外国産のタバコだ。
あんな外国産のタバコを好き好んで吸っていておまけにM16なんて本来なら遠距離の狙撃には不向きな銃を好んで使う男は一人しかいない!」

ルパン「そいつは一体誰なんだ?」

コナンは躊躇っていた、もしその男の名を言えばこの場にいる全員の命が危険に晒される心配があるからだ。
しかしこの場にいる全員の殆どは幾多の修羅場を乗り越えてきた人物、そんな心配は無用であった。

次元「言っちまいな、俺たちに心配は無用だ。危険は慣れっこだしな。」

右京「そうですね、我々に構う事はありませんよ。」

コナンは全員が危険を承知だという事を知りその男の名を明かした。


コナン「犯人は俺が追っている黒の組織の一人であるジンという男だ!」


黒の組織、江戸川コナンの正体である工藤新一の身体をこのような小学1年生にまで小さくさせた組織である。
そしてその組織の一員であるジン、何故彼がこの事件に関わっているのか?
謎に包まれた事件はこれからどのような展開を迎えるのかまだ誰も知らない…

とりあえずここまで

>>48
素で間違えました、次からは三世で統一しますので…



~???~


何処かの暗い室内、そこで数人の男たちによるある話し合いが行われていた。


ジン「…」

ウォッカ「ではこれで取引成立だな…」

黒装束の格好の男が二人、一人は帽子にサングラス、もう一人はタバコを吸い腰まで伸びている長髪が特徴の男。
高校生探偵工藤新一をアポトキシンAPTX4869で身体を小さくさせた張本人、ジンとウォッカの二人である。
話し合いは順調に行われるものかと思った、しかし…

「ふざけるな!公式発表はまだだがクラリスは死んでいない!我々の情報網を甘く見るな!」

ジン「依頼はあくまでカリオストロとサルウィンの協定の妨害だ。抹殺じゃあ…ないだろ?」

「何をふざけた事を!?女公であるクラリスを殺害すれば事は簡単に運べたはずだ!
だが貴様らが失敗した所為でクラリスの所在がわからなくなってしまった!この始末をどうつける気なんだ!?」

相手側の部下の一人がその事を喚き立てていた。
無理もない、裏の世界の人間なら狙った相手は必ず殺す。
それが暗黙の了解であるはずなのに…

「貴様…舐めてるのか!?」

ウォッカ「なんだと?俺たちを相手に戦争でもおっ始める気か!」

「いや…そういう訳では…」

ウォッカに嗜められる部下、見かねたボス格の男が仲裁に入る。

「やめろ、下らん争いはよせ。」

「で…ですが!」

「協定式まであと3日、それまでに仕留めてもらおう。さもなくば…」

ジン「安心しろ、協定は間違いなく俺たちが潰してやる!我が組織に失敗はあり得ないからな!」

そう言い残し倉庫を後にするジン、だが彼の心中もあまり穏やかではなかった…

ウォッカ「兄貴…大丈夫ですかい?」

ジン「フンッ…」

ジン(俺の銃弾は間違いなく命中するはずだった、報告を聞く限りじゃ次元大介…
俺の代わりに狙撃犯の濡れ衣を着せられたヤツが妨害したわけか…クソッ!)

不機嫌そうなジンとウォッカが立ち去るのを見送る謎の男たち…
先ほどウォッカに突っかかった部下が仲裁に入った男に訊ねていた。

「ヤツら…大丈夫なんでしょうか?」

「心配するな、彼らもプロだ。二度も失敗する事はなかろう。
それにクラリスがカリオストロの王である事はありえない、何故ならあの女にはこれが無いからだ…」

男は自分の両手にはめられてある二つの指輪を見つめていた。
その指輪は一つは金、もう一つは銀のそれぞれカリオストロ家の山羊の紋章が入っていた。


「これが私の手元にある限り、クラリスが正統なカリオストロの王である事は絶対にあり得ないのだからな…」


不敵な笑みを浮かべる謎の男、果たして彼の正体は…?

とりあえずここまで

ご意見色々とありがとうございます、まさかここまで賛否両論の激しいスレになるとは…

ちなみに何でジンが使用した狙撃銃がM16かというとコナン映画5作目の天国へのカウントダウンで
ジンが間違って灰原と同じ髪型をした園子を撃とうとした狙撃銃がM16だったからです。
それをコナンも見てたので一応辻褄は合うと思うので採用したネタですので…




コナン「…」


花の里でルパンやジョドーと遭遇した翌日、コナンは右京の車に乗り込み昨夜の出来事を思い出していた。


(回想)


コナン「ねぇおじさん、さっきルパンさんが持っているかもしれない『ある物』を奪うために襲ってきたんだよね。
その『ある物』って何?」

コナンから聞かれるジョドーであるが何故か彼は口を固く閉ざし話そうとはしなかった。

ルパン「おいおい…言ってくれないとわかんねえんだけどな…
ま、アンタがそこまで血眼になって探さなきゃいけない物はある程度心当たりが付いているんだけどな~。
カリオストロ公国の王位継承に使われる山羊の指輪、あれが失くなっちまったんだろ?」

ジョドー「!?」

ルパン「そ~んな驚いた顔すんなよ、これでも裏の世界の人間なんだぜ。
その程度の噂ご近所の井戸端会議レベルでわかっちまうもんよ。」

ジョドー「なら話は早い、あれはお前が…」

次元「持ってるわけがねえだろ!」

ルパン「俺たちあの後銭形のとっつぁんに追われたんだぜ、あれを盗む暇なんかなかったつうの!」

ジョドー「それではやはり…」

ルパンたちの会話に付いていけないコナン、右京の二人。
そもそも山羊の指輪とは何なのか、コナンにはそれすら知り得ない話であった。

コナン「ね…ねぇ…山羊の指輪って…」

右京「カリオストロ公国の王家と伯爵家に代々伝わる正統な後継者のみに所有される物ですね。
指輪は二つあり銀が王家、金が伯爵家と特徴があったそうです。」

ルパン「はぁ~驚いちゃったよおい!
杉下さんだっけ?アンタよくもまあそんな事知っるねぇ…」

右京「昔スコットヤードで研修を受けた事があり、カリオストロの事件もその時に知りましたので…」

コナン「それじゃ教えてよ!カリオストロで何があったのかを!?」

右京「僕は構いませんが、しかしこの話は…」

そう言うと右京はジョドーに視線を送る、これから話す事はカリオストロ公国の過去の負の歴史。
それを部外者である自分が話すべきかどうかと悩んでいた。

ジョドー「知っているなら構わん、そこの坊主に話してやるといい。」

右京「ではお言葉に甘えて、この話をするにはまず『ゴート札』についてお話しなければなりません。
ゴート札、かつて本物以上と称えられた偽金。
中世以来ヨーロッパの動乱の影に必ず蠢いていたとされる謎の偽金の事です。
一説ではブルボン王朝を破滅させ、あのナポレオンの資金源ともなり…
1927年には世界恐慌の引き金の原因ともなったとされる歴史の裏舞台の主役ゴート札。
その秘密を暴こうとした者は尽く闇に葬られたと云われています、唯一人…彼を除いて!」

そう言うと右京はルパンを指差した。
彼こそがカリオストロ公国に代々伝わる闇の歴史を暴いた張本人であると!

右京「話を続けましょう、クラリス女公がまだ10代の少女だった頃の事です。
伯爵家のラザール・ド・カリオストロ伯爵がクラリス女公と結婚式を挙げようとしていました。
しかしその式の最中にルパン三世一味が乱入、式は中止に追い込まれ…
さらにルパンを追って現れた銭形警部と『どこかのTVスタッフ』がカリオストロ城の内部にある
ゴート札の印刷工場を世界中に中継してこの事件が暴露されました。
その時に城の付近にある時計塔で『なんらかの事故』が起きて伯爵は死亡したとの事です。」

不二子「どこかのTVスタッフねぇ…フフッ♪」

コナン「ルパンが!けど…どうしてそんな重大な事件がろくに報道されなかったんだ!?」

ルパン「そいつは簡単さ、他の国のお偉方もゴート札の御利益を受けてたんだ…
誰だって自分の痛い腹探られたくないだろ、だから事件はちょっと騒がれてお終いって訳!」

次元「ちなみにその事件を暴いたのはとっつぁんって事になったがな!」

不二子「私はあのお城からお札の原版盗めたけど…ダメね…
あの事件の前から偽札の質が低くなってたから使い物にならなかったの。
とんだくたびれ儲けよ!」

右京「ちなみに当時の事件の後、一時期カリオストロ公国は傾きかけましたが…
その直後に『ある歴史的な大発見』があり、それからすぐに即位なされたクラリス女公の手腕もあって、
カリオストロ公国は観光地として立て直す事ができたのです。」

ルパン「とまぁ…昔の話はさて置いてだ、率直に聞くがあの後何があったんだ?」

ジョドー「……あの騒動の後、私は時計塔に行き指輪を回収しようとした…
ところが指輪が二つとも無かったのだ!?
あの指輪は代々王家と伯爵家の正統な後継者に伝わる由緒正しき物だ!
その所為で未だにクラリスさまがカリオストロの正統な後継者でないという声もがあるというのに…」

ルパン「な~るほど、つまり読めたぜ。
この事件はクラリスではなく自分こそがカリオストロの後継者だっていうヤツの仕業って事か!
誰かそんな事をするヤツに心当たりはあるのかい?」

ジョドー「心当たりだと?ルパン…貴様も知っての通り伯爵家の血筋は途絶え…
王家の生き残りも今はクラリスさまただお一人なのだ!
たとえ指輪を持っていたとしても血筋でない者にカリオストロの後継者になり得る訳が……!?」

その時ジョドーは何か思い当たる節がありそうな顔をした。
しかしその事を悟られまいと隠していた特製のナイフでコナンの伸縮サスペンダーを切断。
すぐにその場を去ってしまった。
ジョドーがいなくなるとルパンたちもそのまま姿を消し、残ったのは右京とコナンだけであった。

それが昨夜の出来事の全容である…



………


コナンの回想が終わり、再び右京の車…

右京は昨日コナンが隠し持っていた証拠品となるタバコの吸い殻を見て少し悔しげな事を呟く。

右京「それにしても惜しいですね、せっかく犯人の重要な手掛かりであるタバコの吸殻を持っているというのに
調べる事が出来ないとは…」

コナン「もしそれを警視庁のデータベースで照合したら…
たぶん杉下さんと、それにその吸殻を調べていた鑑識の人たち全員が殺される可能性があるからね。
ヤツらはそういう事を平然とやる恐ろしい連中だから…」

コナンのその緊張感のある口ぶりからそれが本当だと確信する右京。
つまり敵は警察内部にも手が回っている恐ろしい組織であると、右京も驚きを隠せなかった…

コナン「それで杉下さんは何処に向かっているの?」

右京「サルウィン国の大使館です。
実は甲斐次長に許可を頂きサルウィン大使館への入館許可を頂きました。」

コナン「え?じゃあ…僕は入れないんじゃ…?」

右京「安心してください、キミも入れるように手筈を打っておきましたのでご安心してください。」

コナン(ハハッ、手回し早いな…)

コナン「け…けど何でサルウィンの大使館に行くの?サルウィンの方は何もないんじゃ…」

右京「一応念のため…ですよ。」

コナン「?」

とりあえずここまで

右京さんが説明したのはルパン映画カリオストロの城でのお話です。
このSSではあまり詳しく描きませんが気になる方は映画カリオストロの城をご覧になってください



~サルウィン大使館~


右京とコナンが訪れた入口付近には既に伊丹、芹沢、高木、佐藤の4人が先に到着していた。
しかし…

伊丹「だから…さっきから言ってるように事情聴取させろって言ってんだよ!」

芹沢「ちょっと…伊丹先輩!そんな失礼な態度じゃダメですって!?」

高木「あの…我々は警視庁の者です!決して怪しい者では…」

佐藤「いいから上の人たち呼んでよ!アンタたちじゃ話にならないっての!」

職員「お引き取りください、許可の無い方はお通し出来ないので…」

警視庁の刑事といえど大使館には勝手に立ち入る事は出来ない。
おまけに言えば捜査一課といえどサルウィン国とアポを取れるほどのコネクションなどあるわけもない。
そんな伊丹たちが地団駄を踏んでいる時に右京とコナンが彼らのところへやって来た。

右京「みなさんお揃いですね。」

コナン「高木刑事、佐藤刑事こんにちは!」

佐藤、高木「「コナンくん!?」」

伊丹「か~っ、また出たよ!?警部殿…今回はあなたでも…勝手には入れませんよ!」

芹沢「そうっすよ、俺ら捜査一課の刑事でもここの大使館に入るには彼らの上役の許可が必要なんですよ!
それなのにウチの課にはサルウィン国とのコネが無いから許可が取れないんですよ…」

伊丹「まったく事情聴取兼護衛も兼ねて来てるってのに問答無用でお断りしやがって…
だから今回は杉下警部でも…うん?」

職員「杉下さまと江戸川さまですね、警察庁の甲斐次長よりお話は聞いています。
どうぞお通りください。」


伊丹、芹沢、佐藤、高木「「「「えぇー!?」」」」


右京「それでは我々が代わりに聴取に行ってきます。」

コナン「戻ってきたら教えてあげるからね~!」

高木「な…何で甲斐次長の名前が!?杉下警部って窓際部署の人じゃないんですか!?」

芹沢「その甲斐次長の息子が特命係にいるんですよ…たぶんその関係で…」

佐藤「けど何でコナンくんと一緒にいるのかしら?」

伊丹「おのれ…特命係め!!」

歯軋りを立てながら悔しがる伊丹。
そんな彼らはさて置いて右京とコナンはこの大使館にいるトーゴ・ドルザーラと対面する事になる。


トーゴ「初めまして、私がサルウィンの首相トーゴ・ドルザーラです。
今日はどういったお話でしょうか?」

トーゴ・ドルザーラ、サルウィン国の現首相である。
年齢はまだ30代でクラリスよりも年下、サルウィン国はアジア圏内だというのにヨーロッパ系の移民。
10年前突如サルウィン国の首相となるが…彼が首相となると同時に腐敗した政治が蔓延し出したのだ。

右京「警視庁の杉下です、カリオストロ公国のクラリス女公が何者かに襲われた話はもうご存知ですよね。
実はその件で伺いに来たのですよ、もしかしたら心当たりのある人物がいるのではないかと思いまして…」

トーゴ「申し訳ない、そのような人物に心当たりは…我が国の国民はみな従順な者たちばかりですから。」

右京「従順…ですか…」

コナン(よく言うぜまったく…)

トーゴの言葉に嫌悪感を露わにする二人、無理もない。
サルウィンは採掘資源が豊富で決して貧しいという訳ではない。
だが彼が首相になってからといものの、政治は腐敗し賄賂は当たり前…
国民の4人に1人は飢え死にするという悲惨さは世界中で周知の事実とされていた。

トーゴ「それで他に要件は?」

右京「表にいる彼らから聞いたのですが我々警察の護衛を断ったそうですね、何故ですか?」

トーゴ「まぁ…日本の警察に頼まなくても私には優秀な護衛がいますからね。
正直彼ら以外は信頼できなくて…」

トーゴを守る黒服の男たち、確かに相当な手練れである事は右京も察する事が出来る。
しかし右京はさらに質問をしていった。

右京「なるほど、しかし護衛は多いに越した事はないと思いますがね。
クラリス女公も危害を加えられた今、あなたにも危険が及ぶのでは?
それとも…犯人はあなただけ狙わないようにしているのでしょうかねぇ?」


「!?」


トーゴ「どういう意味ですか?」

右京「申し訳ありません、刑事という職業は色々な可能性を視野に入れなければならない職業でして。
たとえば首相にその気が無くても側近の方々が国を思ってこの協定を破棄しようという可能性もあるかもしれないと申し上げたまでです。」

トーゴ「そのお気遣いは感謝します、しかし…無用な心配ですので。
それにしてもあなたは勇敢な方だ、サルウィンで私にそのような助言をする者は…」

右京「そうでしたか、僕も不躾な質問をしてしまい失礼しました。」

コナン「…」

緊張感に包まれる室内、先ほどの右京の質問攻めにさすがの側近たちも多少なりとも身構え出した。
そんな雰囲気を宥める為にコナンはある行動に出る。

コナン「ねぇねぇ首相さん、僕ね手相がわかるんだよ!おじさんの手相も見てあげようか?」

トーゴ「ハハハ、面白い少年だ。いいだろう私の手を見るといい。」

コナン「……う~んとね、この手相は結構長生きできる手相だね!
おじさんは将来絶対長生きできるよ!」

話は一応終わり大使館を後にする右京とコナン、それを窓から眺めるトーゴ。
その表情は嫌悪感と疑惑に満ちたモノであった…

とりあえずここまで
また書き溜めてから再開します

それからすぐに右京はコナンを車に乗せて再び走らせる、その行き場所は…

コナン「杉下さん、次はどこへ行くの?」

右京「気になるところへ…その前にちょっとお花を買いに行きましょうか。」

コナン「お花?」


~フラワーショップ〈FUJIWARA〉~


米花商店街にある花屋、ここは以前光彦が起こした家出騒動で聞き込みに来たコナンにとっても馴染のある場所であった。

コナン(米花町で花屋って言えばここだけだよな…)

少女「あ、キミ…この前の?」

コナン「こ…こんにちは!」

右京「おやおやお友達でしたか、お嬢さんお花が欲しいのですが。
お墓参り用のお花を一つよろしいでしょうか?」

コナン「お墓参りって…杉下さんこれからどこへ行く気なの?」

右京「それは行ってみてからという事で…」

コナン「そういえば…あのクラリス女公が米花通りに来た時受け取っていた花もここのお花なの?」

少女「そうよ、警察の人が来てウチのお花を買って行ったのよ♪」

コナン「そうか、元々あの花の進呈は事前に警察に打ち合わせされていたのか!
それならひょっとして…」

右京「おや、何か気づいたようですね。」

それからすぐに右京とコナンは花屋を後にしてとある墓地へとやって来ていた。


~墓地~


そこには一人の老人が『小野田家之墓』と刻まれている墓石に手を合わせていた。
その老人に右京が声を掛ける。

右京「瀬戸内先生、お久しぶりです。」

瀬戸内「おぉ!杉下くんじゃないか!まさかこんなとこで会うとは奇遇だな!
おやおや、今度の相棒はまた随分と小さない坊やだね。
坊主に坊やとは…何かの洒落かい?」

右京「お家の方に連絡を入れたらこちらだと伺ったものでして…」

コナン(この人…確か元法務大臣で衆院議員の瀬戸内米蔵!
確かサルウィン国への援助物資を横流ししてた罪で逮捕されたけど釈放になったんだな。
けど何でこの人に?)

瀬戸内米蔵、かつては衆院議員であったが現在はその職も辞めていた。

瀬戸内「ま、一応出れたがよ…仮釈放だが…それでわざわざ俺に何を訊ねに来たんだい?」

右京「その前に…小野田官房長に僕もお墓参りをさせてください。」

コナン(小野田官房長…そうか…この墓は警察庁の小野田公顕の墓か!?
数年前に起きた警視庁籠城事件、その直後に亡くなったんだよな…)

右京と共に小野田を弔うコナン、それも終わり右京はこの場所を訪れた理由を瀬戸内に話し始めた。

右京「実は今日こちらに伺ったのはサルウィン国についてです。
瀬戸内先生は逮捕される直前までサルウィン国に関するお仕事をなされていましたね。
出来れば先生の口からあの国の詳しい事を教えて頂きたいのですが…」

瀬戸内「サルウィンか…あの男はまだ首相をやってんだよな…」

右京「ハイ、トーゴ・ドルザーラ。
彼が首相になってから国が傾いたと聞いています。」

瀬戸内「俺も色々な政治家を見てきたが奴さんほど酷いヤツは見た事がねえな…
ありゃまるで利益とかそんなんで動いてるんじゃねえ、私怨でやってるとそう思うよ…」

コナン「私怨…?」

瀬戸内「以前はサルウィンだって貧しいながらも少しは良い国だったんだ…
それなのにヤツがサルウィンに来てからというものの軍の拡張、政治の腐敗、国民の事など二の次だと思っているんだよ!
まぁ…サルウィン国への支援物資を横流ししちまっていた俺が言えた義理じゃないがな…」

コナン(でも確か瀬戸内さんが物資を横流しした理由って…)

瀬戸内「俺もヤツの政治手腕を見て思うんだがありゃ生き急いでいる感じがしたな。
まるで何かの目的のために手段なんか選んでいられねえと…
さすがに奴さんが何を企んでいるかだなんて俺にはわからんがね。」

コナン「…」

右京「それでは質問を変えますが瀬戸内先生は今回のサルウィンとカリオストロの協定をどう思いますか?」

瀬戸内「協定か…それが結ばれればサルウィンの軍備は縮小されるだろうし…
そうすればあそこもちったぁマシな国になろうだろうな。だが…」

右京「もしや…先生はそのお考えを否定なさいますか?」

瀬戸内「国なんてモノがそう簡単に変わるモノじゃないからな…
俺だって法務大臣時代は苦労したから身に染みてるのさ。
しかしクラリス女公の暗殺未遂、もしサルウィンの連中がやったとするなら…
次のターゲットは俺だろうな。」

コナン「何で瀬戸内先生が狙われるの?」

瀬戸内「俺がヤツらに渡されるはずだった支援物資を横流して本当に支援を必要としてる人たちに渡しちまったからさ。
拘置所から出た俺なんて格好の標的だろうに…うん?」



ダーンッ!


その時、後方から銃声が発せられる。それと同時に誰かが倒れ込む音が…


瀬戸内「「ぐわぁぁぁぁ!?」」


右京「瀬戸内先生!?」

撃たれたのは瀬戸内であった、すぐにコナンは付近を見渡すと銃弾を撃ちこんだと思われる男を発見。
一人追跡を開始する。

コナン「クソッ!逃がさねえぞ!」

右京「待ちなさいコナンくん!危険ですよ!?」

コナンは右京の警告を無視して逃走する犯人を追いかける。
しかし右京も怪我を負った瀬戸内から離れるわけにもいかず、コナンの犯人追跡を許してしまう。

右京「瀬戸内先生しっかりしてください!救急車はすぐ来ますから!」

瀬戸内「い…いや…これでいい…
俺は…サルウィンの餓えた人たちを助けるためとはいえ…前途ある若者の命を噤み…
それに小野田くんの…最後の願いも…叶えてやれなかった…
そんな俺が償うには…こうして死ぬ事でしか…」

右京「バカな事は仰らないでください!生きてください!
そのような死ぬ覚悟がおありだというのなら生きてもう一度サルウィンの人のために役立ててください!!」

瀬戸内「ハハ…相変わらず厳しいな…杉下くん………」

右京「瀬戸内さぁぁぁぁぁん!!!!!」

右京の叫び声も虚しく、瀬戸内は意識を失ってしまった…

一方、先ほど瀬戸内を撃った犯人を追うコナン。
だが犯人は先ほど瀬戸内を撃った拳銃でコナンを撃ってきた。


ダンッ!ダンッ!


コナン「クソッ!近づけねえ!?」

迂闊に近付く事は出来ないコナン、相手は相当な手練れ。
不用意に近付けば間違いなく殺されるからだ。

コナン「こうなればキック力増強シューズで!」

ダンッ! ダンッ!

コナンがキック力増強シューズで対抗しようとするが犯人は銃を連射。
その隙を与えなかった!

コナン「こいつ…」

結局犯人はそのまま車で逃走、捕まえる事は出来なかった…

コナン「クソッ!うん…これは…」

そこには犯人が落とした物であろうメモ用紙が…

コナン「明日の夜、OBにて取引する…なんだと?」

時は遡り、クラリスが撃たれた直後…


~サルウィン国~


ここはサルィン国、政治の腐敗により国民の殆どがその煽りを喰らい貧困に追い込まれた国である。
そこに一人の行き倒れている男がいた…

??「腹が減って動けぬ…」(ぐぅぅ~)

男は袴姿で腰には剣とまるで侍のような風貌の持ち主、そこへ車に乗った二人の夫婦らしき男女が現れる。

美和子「薫ちゃん、あれ行き倒れじゃない?」

亀山「おいアンタ!大丈夫か!?」

通りがかった夫婦はかつての右京の相棒、亀山薫とその妻美和子であった。
二人は行き倒れになっているこの男を自分たちのキャンプ地に連れて行き食事を与える。



ガガガガガガガガ!!


その時であった、外から何やら轟音が響く。サルウィン国の戦車が押し寄せてきたのだ!

五右衛門「何っ!?これはどういう事だ!」

亀山「俺たちが気に入らねえんだよ、俺たちはこの国にボランティアに来てるんだが…
この国じゃ賄賂でも払わないとまともな事が出来やしない!
そんなモン突っぱねてる俺たちにああやって危ねえモン突きつけて脅してやがるんだよ!」

いつもは警告だけですませるサルウィン政府、だが今日は違った!


ドッカーン!!


なんと戦車がいきなり砲弾を発射したのだ、すでに脅しなどではない。
強硬的手段に訴えてきたのだ!

亀山「なっ…何!」

美和子「か…薫ちゃん逃げよう!これじゃいくら私たちでも…」

亀山「バカ言うな!このキャンプには身動きできない怪我人や病人の子供たちが大勢いるんだぞ!?
その子たちを置いて逃げられるか!」

美和子「薫ちゃん…でも…」

不安がる美和子、それもそのはず。この状況下では何も打つ手が無いのだから…

五右衛門「ならば一宿一飯の恩のためにここは拙者が相手を仕る!」

五右衛門はそのまま戦車の方へと向かって行くと腰に備えた剣を抜きだした!

亀山「バカヤロー!そんな剣で戦車に立ち向かえるわけが!?」

五右衛門「心配ご無用、拙者の剣は…斬鉄剣だ!!」


ズバッ!!


斬鉄剣を抜いた五右衛門は戦車を一刀両断、これに恐れを為した軍はすぐさま撤退してしまう…

五右衛門「また…つまらぬものを斬ってしまった…」

亀山「すげーなアンタ!戦車を一刀両断するなんてよ!?」

美和子「その斬鉄剣って…もしかしてあなたあのルパン一味の石川五右衛門!?」

五右衛門「如何にも、それでこれからどうする気だ?」

亀山「あぁそうだった、美和子はこのキャンプ地を安全な場所へ移動させてくれ!
俺は行かなきゃいけない場所がある!」

美和子「まさか薫ちゃん…日本に行って来日してるこの国の首相に直談判する気?
やめときなって!こんな避難民の子供たちに戦車持ち出すヤツだよ!まともに話なんか…」

亀山「だが誰かがやらないとダメなんだよ!それがたとえ命を失う事になってもな…」

五右衛門「ならばそなたの護衛をこの拙者が引き受けよう、先ほど仲間から日本に来るようスマフォで連絡があったからな。」

亀山&美和子(スマフォ持ってるのかよ…)

亀山「まあいいや!それじゃ日本へ出発だ!」

五右衛門「ついてはひとつ、日本への旅費はそちら持ちで頼む…金が一戦も無いのでな…」

美和子「ケチなお侍さんだねまったく…」

こうして亀山は五右衛門と共に一路日本へと旅立つ事になる。



~警察庁~


警察庁のとある一室。
そこで神戸尊は大河内首席監察官による監察官聴取を受けている最中であった。
ラムネを貪りながら苛立つ顔で聴取を行う大河内、しかし聴取を受けている当人の神戸は至ってマイペースであった…

神戸「こうして顔見知りである大河内さんに取り調べてもらえるって事は上が多少の便宜を取り計らっているからですかね?」

大河内「余計な口を叩くな、これでも一応監察官聴取の最中なんだぞ!」

神戸「ハイハイ、しかしお言葉ですがもう僕からお話するような事は何もありませんよ?
事件時のクラリス女公の対応についてはもう飽きるほどお話したので…」

大河内「そんな事はわかっている、何か他に変わった事は無かったのか?」

神戸「それがわかってたら真っ先にお話してますよ、まったく今抱えている仕事があるのに…
あ、僕が今やってる仕事ってどうなるんですかね?」

大河内「今抱えている仕事だと?」

神戸「えぇ、死刑宣告を受けたある死刑囚についてなんですけどいくつか気になる事が…」

それから神戸は大河内にその死刑囚を調べていた事を詳細に話した。
大河内もその話がこの事件になんらかの関わりがあるのではないかとある疑惑を持ち始める。

大河内「なるほど、今の話が正しければ恐らく…」

神戸「それにしてもこれで僕の左遷は間違い無しですね。
これで誰にも文句を言われずに特命係送りでしょうね…」

大河内「随分と嬉しそうな顔をしているな、まさかお前…
特命係に戻るためにわざと今回の事件を起こしたのでは!?」

神戸「ちょ…ちょっとバカな事言わないでくださいよ!大河内さんは冗談が通じないんだからまったく…」

しかしこの時二人は気付かなかった、まさかこの部屋での会話をドア越しから盗み聞きしている男がいるとは…

ルパン「おめえがベルモットか、中々いい女じゃねぇか。」

ベルモット「おほめに預かり光栄だわ、ルパン三世・・・・」

ルパン三世「誉めてねえ、皮肉だよ。外身は美しくても、ただのトシマだからな。」



~阿笠邸~


瀬戸内が撃たれた翌日、コナンは阿笠の家で不機嫌な表情でいた…

コナン「…」

阿笠「まったく落ち込んでおるようじゃのぅ…」

灰原「無理もないわ、あれだけ言われたらね…」

コナンが不機嫌でいるのには理由がある。
昨日、瀬戸内が撃たれた直後急いで病院に担ぎ込まれなんとか一命は取り留めたのだが…
駆けつけた小五郎と蘭には怒涛の如く怒られ、おまけに右京にこう言われたからだ。

右京『キミは今回自分がどれだけ危険を犯したのかわかっているのですか!
確かにこの様な危険な事件に撒き込んだのは僕に責任があります!
しかし拳銃を持った犯人に民間人でしかも子供のキミが立ち向かうのは無謀でしかありません!
この様な事ではキミはいずれ間違いなく危険な目に合う事になりますよ!』

…と珍しく怒り心頭な右京に釘を刺されてしまったからだ…

コナン「バーロー、もうその『危険な目』に合って身体を小さくされちまったんだよ…」

灰原「全部本当の事じゃない、勝手に一人で突っ走って危険な目に合って…
いいクスリよ、今回は大人しくしていなさい。」

コナン「…」



~特命係~


部屋で紅茶を飲みながら事件資料を読み漁る右京、しかし彼はそれよりも昨日コナンに行った事が気がかりになっていた…

右京「ハァ…」

角田「よ、暇か?どうしたんだい。ため息なんかついちゃって?」

右京「いえ、実は昨日少年が危険な事をしたので叱りつけたのですが少し言い過ぎたのではと思いましてね…」

角田「普段は温厚な警部殿がねぇ、でもいいんじゃないのかい?
子供なんて叱らねえとわからねえしそうやって叱れば二度とそんな事はしねえもんだしよ!
それよりもちょっと警部殿に頼みたい事があるんだけどさ…」

右京「はぃ?」

角田が特命係のコーヒーを飲みに来たついでの頼み事とは…
以前トロピカルランドで起きたジェットコースター殺人事件の事であった。
事件が起きた日の夜、マスコミには知られていないとある事件が起きていたというのだ。

右京「ジェットコースター殺人事件、確かあの目暮警部と知り合いの高校生探偵工藤新一くんが解決した事件ですね。
そういえばあの事件を境に工藤くんの話を一切聞かなくなりましたが…」

角田「事件が起きた日の夜、怪我を負って血塗れになった少年が発見されたらしい。
だが発見された少年は名前も名乗らずそのまま逃げちまったんだがこれがアンタ好みの妙な話でな…」

右京「妙とはどういう事なのでしょうか?」

角田「目撃者の話だとその少年が着てた服が丈の合っていないまるで大人が着るサイズの服だったんだ。
でな…頼みって言うのはもしかしたら事件性があるかもって話だから一応警部殿に捜査をって…もういないし…」

角田の話を聞いたと同時に足早にある場所に向かう右京、その場所とは…



~再び阿笠邸~


落ち込んでいるかと思われたコナンであったがスケボーを片手に何処かへ遠出しようとする準備をしていた。

灰原「まぁ、わかってはいたけどあの程度で落ち込むような工藤くんじゃないわよね。」

コナン「ハハ、わかってるじゃねーか。
もう一度事件について調べ直さなきゃいけないからな、あの事件で気になっていたのは狙撃のタイミングだ!
クラリス女公に花が進呈される瞬間を犯人が予め知っていたのであれば、
厳重な警備の中でも位置を把握してれば犯行は可能なはず!つまり犯人は…」

灰原「警察関係者にいるって事?けどそれをどうやって調べる気?
あのヘッポコ探偵の助手だから教えてくれだなんて言ってもさすがに通用しないわよ!」

コナン「まぁ…そりゃ…工藤新一の名前でも使って目暮警部から聞きだすなり方法はある!
とにかく俺は警視庁に向かう、この事は誰にも言うなよ!」

灰原にそう言いながら阿笠邸を出ようとするコナン、しかしそんなコナンの前に一台の車が現れる。

コナン「この車…まさか…杉下さん!」

右京「やはり…何かしようとする気でいたのですね…
まったくキミという少年は目を離すと何を仕出かすかわかりませんからね。
灰原さんと言いましたか、僕が江戸川くんの相棒兼お目付け役をしますがよろしいですか?」

灰原「えぇ、是非ともお願いするわ。
そこの探偵さんは一人で勝手に突っ走っていつも危険な目に合うんだから…どうかよろしく…」

コナン「コラ!お前は俺の母親か!?」

右京「それでは行きましょうか。」

結局、半ば強引に右京に連れていかれるコナン。

灰原「これであのやんちゃ坊やも少しは懲りるでしょうね、フフ…」

右京の車を見送る灰原はどこか安堵した表情で見つめていた…

一方右京の車に乗り込んだコナンは先ほどの阿笠邸での不機嫌さが一層増していた。

コナン「…」

右京「おやおや、そうやってふて腐れている内はまだまだ子供ですねぇ。」

コナン「それでどこへ行く気なの?
クラリス女公を撃った犯人を捕まえるにしても手掛かりなんて…」

右京「手掛かりならあります。
実はここに来る途中で神戸くんの監察官聴取をしている大河内さんから連絡があったのですが…
神戸くんは今回のクラリス女公の護衛の案件の他にある死刑囚の調査も行っていたそうです。」

コナン「ある死刑囚の調査?」

神戸が調査をしていた死刑囚、その死刑囚はコナンも以前に因縁のある人物であった。

右京「沼淵己一郎、かつて3人もの被害者を出した強盗殺人を犯した死刑囚です。」

コナン「何!?」

右京「神戸くんは沼淵の犯行が明らかにまるで殺しの訓練を受けたプロの手口である事に疑問を抱いていました。
その調査を行っていた最中に彼はクラリス女公の護衛任務を任されたのです。
ですから我々はこれから沼淵が収監されている東京拘置所に向かいます。
沼淵から詳しい話をお聞きしなければいけないので!」

その頃…


~東京拘置所~


沼淵の収監されている独房に一人の男が近付いてくる。

ルパン「ヌッフフフ!こんな場所に入り込むのは俺にとっちゃ朝飯前よってね!
さあーてと沼淵くん、例の組織についておじさんに教えてもらおうかなぁ?」

沼淵「…」

得意のピッキングで独房のドアを簡単に開けるルパン、だが中にいる沼淵は不気味なまでに無言のままであった。

何かがおかしい、ルパンが思ったその時…



シュバッ!


突然隠し持っていたナイフでルパンを刺しにきたのだ、突然の出来事に驚くルパン!

ルパン「お前…沼淵じゃねえな?正体を露わしな!」

ベリッ

沼淵ではない何者かが変装を解く、すると変装を解いたその顔はルパンも知る…いや世界中の男なら知らぬ者はいないあの女であった!

ベルモット「ハ~イ、ルパン三世!お会いできて光栄だわ!」

ルパン「クリス・ヴィンヤード…こんな便所臭い場所でハリウッドが誇る大女優さまがまさかのお出ましかよ…
可愛い子ちゃんのお願いならおじさんなんだって聞いちゃうよ、言ってごら~ん?」


ベルモット「あなたがクラリス女公を狙撃した犯人を捕まえるために沼淵から情報を聞き出そうとするなんて想定の範囲よ。
単刀直入に言うけど、この事件からは手を引きなさい。今なら警告だけで許してあ・げ・る・!」

ルパン「うっひょー!わかりましたー!…と言いたいところだが…厚化粧で若作りしてる婆さまの言う事はちょっとなぁ…」

ベルモット「何ですって?」

ルパン「ま、これでも裏の世界の住人でな。
アンタがあの組織の一員だって話はその伝手で聞いてるんだぜ!」

ベルモット「フフ、長生き出来ない性格してるのね。なら…死になさい!」

ルパン「おわわわわわ!?」




ドッガァァァァァン



ベルモットは隠し持っていた起爆スイッチを押すと突如沼淵が収監されていた独房が爆破する!
その爆発に巻き込まれるルパン、ベルモットは看守に化けて逃走する…


それから1時間後、現場に到着する右京とコナン。
拘置所は爆発騒ぎでとても建物の中に入る事などできはしなかった…

コナン「なんてこった…これじゃぁ…」

右京「僕は拘置所の様子を見に行きます、キミは車の中で待っているのですよ!」

右京は車から降りて騒動を起こしている拘置所に向かう、車に残ったコナンだがまたもや右京の忠告を無視して車から降りようとする。

するとそこへ…

ベルモット「ハイ、Cool Guy!」

コナン「ベルモット!何でお前が…そうかこの爆発騒ぎはお前の仕業なのか!?」

ベルモット「まあ確かにその通りよ、あなたがこの事件に関わってるのはもう知ってるわ。
どうせ警告したって聞かないだろうからちょっとだけ手助けしてあげる♪」

コナン「手助けだと?」

ベルモット「今夜22時に米花ホテルに秘密裏に泊まっているクラリス女公、狙われるわよ!
それじゃ確かに伝えたわ。Good Luck、Cool Guy!」

ベルモットはそのまま前もって用意していた自前のハーレで逃走、コナンはその姿を黙って見送るしかなかった…

コナン「今夜22時、米花ホテルか…」



~警視庁~


東京拘置所の爆破、この一件を聞き捜査本部に内村刑事部長の怒号が響く。


内村「「いい加減にしろ!!!!!」」


中園「内村部長、お…落ち着いて…興奮すると血圧が上がりますよ!
この前の定期検診で医者から高血圧を注意されたばかりじゃないですか!?」

佐藤「内村部長荒立ってるわね…」

高木「そりゃそうですよ、クラリス女公の狙撃犯を捜索中の最中にこの爆破騒動ですからね…」

伊丹「こりゃ…その内こっちまで飛び火が来るぞ…」

芹沢「クワバラクワバラ…暫く近付かないようにしよっと…」

そこへタイミング悪く右京とコナンがやってきた。

内村「杉下…今はお前の顔など見たくもない…とっとと失せろ!」

右京「その前に重大な手掛かりがわかりお伝えに来ました。
東京拘置所が爆破されたのはある死刑囚が収監されている独房の一室。
その死刑囚とは沼淵己一郎、今回のクラリス女公が狙撃された事件の責任者である神戸くんが調査をしていた死刑囚です!
確認しましたが独房には沼淵の死体は発見されませんでした。
つまり彼はあそこから脱獄した可能性があるのですよ!」

目暮「つ…つまり杉下さん!犯人はまさか…」

小五郎「沼淵己一郎!そいつに決まりだ!」

右京「いえ、まだそこまではわかりません…しかし重要な手掛かりである事は確かだと思いますよ。
それともうひとつ重要な手掛かりが、独房の中で見つけたモノです。」

右京が見つけたモノは焦げ付いた赤い布切れであった。
一見何なのかわからないが、たった一人だけ一目見ただけでこれが何なのかわかった者がいた。

銭形「ルパン!間違いない、この赤い布切れはヤツの赤いジャケットの切れ端だ!?」

佐藤「銭形警部…そんな布切れ一枚でわかるんですか?」

銭形「ワシが何年ルパンを追いかけていると思っとるんだ!間違いなくこれはルパンのモンだ!!」

高木「その自信は一体何処から…」

銭形「長年ルパンを追いかけているワシの勘だ!!」

芹沢「勘って…で…でも待ってください!それだと当のルパンは一体どこに…?」

右京「現場にはそれ以外にルパンのいた痕跡はありませんでした、恐らく…」

小五郎「わかりましたよ警部殿!
ルパンは沼淵を脱獄させて共にクラリス女公の暗殺を謀ろうとしたのですよ!」

いつもの頓珍漢な推理を披露する小五郎、そんな小五郎に対して伊丹がついにキレた!

伊丹「いい加減にしろ!犯人がこいつだあいつだ適当な事言って捜査本部を混乱させやがって!?
さっさと帰れ!ヘボ探偵の毛利!!」

小五郎「なにぃ!誰がヘボ探偵だ!?」

伊丹「お前の事言ってんだよ!ヘボ探偵の毛利!!
大体お前が世間じゃもてはやされてる名探偵だって事がおかしい!
どうせ誰かがの影武者で推理してんのを勝手にテメェの手柄にしてるんじゃねえのか!?」

コナン(おぉ、あの伊丹って刑事案外鋭いな!)

小五郎「おのれ…言わせておけばぁ!」

中園「いい加減にせんかお前ら!
とにかくこの拘置所を襲った犯人がクラリス女公の狙撃犯と何らかの繋がりがある!
各捜査員はその事を頭に入れて捜査をするように、解散!」

険悪な雰囲気の中、中園の一声で解散する捜査本部…
右京とコナンはこの場から出ようとする銭形に声を掛けた。

右京「銭形警部、少々お話があるのですがよろしいですか。」

銭形「杉下さん…だったか…
アンタの話は聞いとるよ、神戸警視は元はアンタの部下だったそうだな。
元部下の身を案じるのはよくわかる…カリオストロは今でこそ平和的な国だが一昔前は…」

右京「僕たちはその一昔前のカリオストロの話を聞きたくてあなたにお聞きしたい事があるのです。」

コナン「銭形警部は昔カリオストロで起きた事件の当事者なんだよね、なら聞きたい事があるんだ!
あのカリオストロ伯爵が死んだ状況を詳しく教えて!」

都内某所

中年男性 「この仕事引き受けてはくれないだろうか?」

某人 「了解した 引き受けよう」

銭形「伯爵の死んだ状況だと…?
まぁワシも伯爵の死に際を遠くからしか見えなかったし事件の後すぐにルパンを追って行ったからなんとも言えんが…
伯爵の死体は発見された当時時計塔に設置されていた巨大な時計針に挟まっていた…
いや…潰されていた状態でな。
しかもその発見された死体というのが…こんな事子供の前であまり言いたくはないが…
首無しだったんだよ!
あの後カリオストロに強制捜査を行ったICPOの連中も血眼で探したが結局伯爵の首は見つからなかったそうだ…」

コナン「時計台に首無しの死体…けどどうして?」

銭形「奴さんは時計台で何かを細工をしていたんだ…
それで妙な具合に時計台に身体を挟まれ…おまけにその時首を切断されてしまったという訳だよ…」

右京「なるほど、つまり伯爵は他殺ではなく事故死であったと…」

銭形「まさかこの事件に伯爵の死が関わっているとそう睨んでいるのか?」

右京「えぇ、狙撃犯…恐らくこの狙撃犯は単なる実行役…依頼主に頼まれてやったにしか過ぎません。
そうなると犯人は…自らの手で下せば社会的地位が危うくなると危惧する人物ではないかと僕は思っています!」

右京の推理を聞き、銭形の脳裏にはかつてあのカリオストロで起きた忌まわしい出来事が甦った…

銭形「もしかして…あいつが…いや…まさかな…」

コナン「銭形警部、何か心当たりがあるんだね!」

右京「出来ればお聞かせ願いますか?」

銭形は右京とコナンを信用して、これまで誰にも語らなかったある話を始めた。

銭形「ここだけの話にしてくれんか、実はワシもこの話に些か自信がなくてな…」

コナン「自信が…ない…?」

右京「それは何故でしょうか?」

銭形「まぁ…あの状況ではな…
カリオストロの城で起きた事だ…かつてワシがルパンの所為であの城の地下に閉じ込められ彷徨っていた時だ…」

そして銭形は右京とコナンの前で語り出す、それはかつてカリオストロの城の地下で銭形自身が体験した奇妙な出来事であった…



(回想)


銭形『おのれルパンめぇ…よくもワシをこんな目に合わせてくれおって!』

ワシはルパンの罠にはまりカリオストロの城の地下に閉じ込められてしまった…
辺りは白骨の死体だらけで生きた人間なんて一人もいなかった…その時だった…


ガサッ


物音が聞こえた、それから一瞬だが人影が見えたんだが…

銭形『おい!誰かそこにいるのか!?』

ワシはその人影に思わず声を掛けた、そいつもこちらに気付きワシは持っていたライターで灯りを付けてみると…

銭形『なっ!?お前は…』

そこにいたのは少年だった、年齢は14~15くらいの当時のクラリス女公と同じくらいのな…
しかし少年はワシを見るととまるで怯えるようにいなくなっちまった…


………


銭形「まぁそんな訳だ…あの後カリオストロの城の付近にある水門が壊れちまって大量の水が流れたんだ…
ワシはその少年が気がかりで水が引いたらすぐに地下に行き少年を探したんだが…」

コナン「見つからなかったんだね…」

銭形「そうだ…城の連中にあの少年の事を聞いても知らぬ存ぜぬだしもしかしたらワシの見間違いかもしれん…
だから今まで誰にも言えなかったんだが…」

右京「ちなみにその少年ですが生きていればクラリス女公と同い年…いえ…少し年下くらいの年齢になっているのでしょうねぇ。」

銭形「まぁ生きていれば確かに…うん…まさか…!」

右京の言葉を聞き、銭形はある結論に辿り着く。

銭形「杉下さん…この事件の犯人はもしや!」

右京「銭形警部、まだ確定的な証拠は掴んでいません。その人物の名を言うのは避けてください!」

コナン「けどそうなると指輪は…伯爵の死体に指輪は無かったはずだよね?
指輪はどうなったんだろう?」

銭形「指輪ってカリオストロ家の指輪ってヤツか?
そういえば伯爵は死ぬ直前に時計塔にある山羊の彫刻の…あそこに指輪を入れていたように見えるな…」

右京「その時の事を見ていたのですか!?」

銭形「あぁ、ワシの視力は4.0くらいあるからバッチリ見てたぞ!」

コナン(視力4.0ってアフリカの原住民くらいの視力だよな…)

銭形「その指輪を入れた直後に時計塔の針が動いて奴さんはグシャッとお陀仏になっちまったわけだが…
そういえばあの時計塔の針が動き出した時だが…伯爵のヤツめ慌てて何かしてたな…」

コナン「慌てて何かを?」

銭形「あぁ、時計塔の針が動き出した時にもう一度山羊の彫刻のところを弄ってたように見えるが…」

右京「なるほど、そういう事でしたか!」

銭形「それじゃワシはこの辺でな!ルパンを探さなきゃならんのでね!」

一人立ち去る銭形、残った右京とコナンは推理を続ける。

コナン「これで犯人の動機は見えた、けど…」

右京「『OB』、それとキミの言う黒の組織とやらが何故この事件に絡むのかですね。
恐らく僕の推理が正しければその黒の組織とやらが欲する物は単なる金銭ではないと思っています。
国家の要人を暗殺となれば当然リスクが高いですからね、黒の組織もそれに見合った報酬が欲しいのでしょう。」

コナン「恐らくその報酬は金銭以上に価値のある…だがOBって何だ?
待てよ、もしも黒の組織が目的としているモノが俺たちの考えている通りなら取引場所は…」


ピリリリリリ


コナンと右京が推理をしている最中であった、突如二人の携帯が鳴り響く。
コナンに連絡してきた相手は西の高校生探偵服部平次、それに右京に連絡を入れたのは現在関西に出張中の甲斐亨からであった。

服部『おぅ工藤俺や!そっちは今クラリス女公が暗殺と物騒な事になっとるそうやのう!
こっちはこの前から来とるカイトさんっちゅう若い刑事さんと大阪案内しとる最中や!
いやぁ~カイトさんがお偉いさんの息子でお互い親父嫌いっちゅう事で話が弾んでのぅ…』

カイト『…という訳です杉田さん…そっちに帰るのはもう暫くかかりそうなんで…』

右京「なるほど、まぁ西の高校生名探偵服部平次くんと仲良くなれたのは何よりだと思いますよ。」

コナン「ハハ…そっちは気楽でいいなぁ…
あ、そうだ服部!実はちょっと聞きたい事があるんだけどよ…」

コナンは試しに服部にOBについて聞いてみる、すると思わぬ反応が…

服部「OBやと?それはあれやろ…」

コナン「何だって!?」

服部からの思わぬ答えを聞き驚くコナン、その頃…



~花の里~


傷ついたルパンは花の里の奥の部屋で治療の真っ最中であった。

ルパン「…う…うぅ…次元?それに…え~と…そっちの美人のお姉ちゃん誰だっけ?」

幸子「初めましてルパンさん、私は月本幸子です。幸せな子と書いて幸子ですよ♪」

次元「まったく俺が助けに行かなかったらとっくにあの世に行ってたぞ…
それで何があったんだ?」

ルパン「何がって…そういや今何時だ?」

次元「何時ってもう20時だよ、お前がうわ言でぼやいてた時間まで残り2時間だぞ!」

ルパン「何だって!?こうしちゃいらねえや!
姉ちゃん食い物をジャンジャン持ってきてくれ!喰ってすぐに治しちゃる!!」

次元「バカ言ってんじゃねえ!喰ったくらいですぐ治るわけが…」


((ガツガツムシャムシャバクバク!))


幸子「あらスゴイ!あっという間に食べ尽くされちゃいました…」

次元「そういや以前もこんな事あったなぁ…」

ルパン「ったくよぉ!のんびり怪我を治してもいられねえや…
あの女癖の悪いロリコン伯爵の…置き土産の悪さの後始末をつけなきゃいけねえからなぁ!」


そして警察庁でも…


~とある一室~


神戸「暇だな…」

監察官聴取も一通り終えて一人部屋の中で暇を持て余す神戸、そんな彼がいる部屋の前に怪しい男たちの影が…

???「あの部屋に神戸尊がいる、やれ!」

バンッ!

神戸「何だアンタたち!?」

一人の男の指示を受けて複数の男たちが突如部屋に押し寄せて、部屋に居た神戸を何処かへ連れ去ってしまった…

???「さて…一体どうなるかな…」

トントントン

指示を出した男は癖なのか何やら足踏みで妙な足音を出し不敵な笑みを浮かべると、
神戸を連れ去った男たちを見送るとその場を後にした…

とりあえずここまで

長らくお待たせしてすみません…

先月辺りここが不調だったんで暫く放置してたら復活しててなによりです

というかさっきやってた相棒最終回…それに金子長官役の宇津井さんの死去…

瀬戸内先生に至っては本編でまだ刑務所入ってたとは…

ssで仮出所させてしまったし…少し修正が必要になってきましたので…でも出来たら今月中に終わらせたいなと思っています。



~米花ホテル~


【PM21時】


コナンはベルモットに言われた時刻の1時間前にホテルに辿り着いていた。

コナン「さてと、行くか!けど待てよ…俺は何度もこのホテルに出入りしているし…
もしも黒の組織の連中が俺の顔を見られて正体がバレたら…
しゃーねえな、時間もまだあるし売店で帽子でも買ってルパンじゃないけどちょっと変装するか…」

そう思い、近くの売店に行こうとした時である。

ポフッ

誰かがコナンの頭に帽子を被せたのだ、驚いたコナンが顔を見上げるとそこにいたのは…

右京「これで多少は変装できると思いますよ。」

コナン「す…杉下さん!?けどどうして…?」

右京「キミが一人で何か無茶をするのはわかっていましたからね。
だからこそキミを泳がせて彼らが現れるであろう場所まで案内してもらったのですよ。
それにこんな時間です、子供一人でいるよりも大人と一緒にいた方が自然に思われると思いますがねぇ。」

コナン(ムッ!囮に使われるとか嫌な感じだな…ていうかこの帽子トロピカルランド来場記念者プレゼントの…
どう考えてもこの人が行くようなとこじゃないだろ…)

右京「さぁ、ホテルの受付に行きますよ。」

ホテルの受付にやってきたコナンと右京は受付窓口で宿泊者名簿を見ていた。
さすがにVIPのカリオストロ公国の人間の名前は載っていなかったがコナンはある興味深い名前を見つける。

コナン「ハハ、相変わらずこの偽名使ってるのか…」

右京「偽名?」

コナン「この名前だよ、『若護茂英心』(わかごもえいしん)。
この名前アナグラムになってて石川五右衛門の偽名なんだよ。」

右京「なるほど、アナグラムですか…」


『!?』


『アナグラム』、この言葉をヒントに二人はこの事件で一番引っ掛かっていた謎がようやく解けた!

コナン「そうかわかったぞ!全ての謎は解けた!!」

右京「えぇ、僕たちの推理が正しければこの事件の真犯人は間違いなくあの人です!!」

しかし右京はもうひとつ気になった名前を見つける。
それは若護茂英心の名前が書かれた欄の隣にある名前であった。

右京「亀山薫…まさか亀山くんがこの事件に関わっているとは…」

ヴィー、ヴィー、ヴィー

右京「おや、僕の携帯に着信が…はぃ?」

コナン「?」

連絡を受けた右京は誰かと何かのやり取りをしていた。
それがすむと二人は急いでホテルのある場所へと向かった。

とりあえずここまで

出来れば4月になる前に終わらせたいけど…できるかな?



【PM22時】


ベルモットが言っていた約束の時刻がやってきた。
米花ホテルにあるVIP専用の部屋に一人の大柄な男が突っ立っていた。
彼の名はグスタフ、カリオストロ公国で衛士隊の隊長を務める屈強な男。
一見完璧だと思われる守りであるが、こんな大柄な男が部屋の前にいればターゲットがこの部屋に居ると筒抜けであった。
そんな部屋の前の様子を眺める数人の怪しい男たちの姿があった。

「愚かな男だ、あれでは我々の標的はここにいると宣伝しているようなものではないか。」

「しかしあなたさまほどの御方がわざわざこのような場所にお出でになるとは…」

「そう言わないでくれ…最後は私自身の手で決着を付けたいのだ、この忌まわしい血統の宿命をな…」

そしてボス格の男はグスタフの排除を命じる、サイレンサー付の銃で射殺しようとしたその時であった。



「「待て!!」」


バシュッ!


「ぐはっ!?」

「一体何だ!?…これはサッカーボール?」

「くっ…こうなれば一先ず逃げるぞ!屋上へ行くんだ!」

突然犯人一味の一人に強烈な威力のサッカーボールが直撃する。
直撃を受けた男は気絶、残った犯人たちはそのまま屋上へと急ぐ。

だがそこで彼らを待ち受けていたのは…



カッ!


屋上に上った男たちを待っていたのは無数に光るライト、さらに待ち構えていた警視庁の刑事たち。

伊丹、芹沢、それに高木、佐藤、彼らに指示を出す目暮、それに小五郎と大勢の警官に囲まれていた。
コナンの動きを予め察知していた右京が警視庁の刑事たちをこのホテルに配備させていたのであった。

目暮「もうお前たちに逃げ場は無いぞ!諦めて大人しく逮捕されろ!!」

警告を促す目暮、そしてそんな男たちの前に二人の探偵と刑事が近付いてきた。

右京「ようやくお目に掛かりましたね。」

コナン「さてと、俺はその前に…頼むぜおっちゃん!」

ピシュッ!

小五郎「ふにゃっ!?」

時計型麻酔銃を使い小五郎を眠らせるコナン、右京と共に眠りの小五郎としての推理ショーを開始する。

小五郎(コナン)「みなさんお待たせしました、それではこの事件の真相を今こそお話しましょう!」

目暮「おぉ!待っておったぞ毛利くん!」

伊丹「これが噂の眠りの小五郎…おい…これ本当に寝てんじゃねえのか?」

芹沢「先輩!?邪魔しちゃダメですって!」

本当に寝ているのか(実際そうであるが)と疑う伊丹を放って右京たちはそれぞれの推理を語り始めた。

右京「今回の事件の謎を解く鍵はかつてのカリオストロ公国の事件にありました。
それは…かつてカリオストロ公国で起きたカリオストロ侯爵が死亡された事件が全ての発端だったのです!」

小五郎(コナン)「そう、杉下警部の言う通りです!全てはカリオストロ侯爵の血筋による犯行なのですよ!!」

目暮「本当かね毛利くん!?…というか血筋ってどういう事だね?」

右京「それは以前…僕がスコットヤードで研修を受けていた頃の話です。
伯爵の友人であったという方に聞いた話なのですが『伯爵は女癖が悪い』と…
死亡当時伯爵は40歳前後、ここである可能性が浮上しました。」

小五郎(コナン)「伯爵には隠し子がいたのではないかとね!」


「「なにぃー!?」」


銭形「その件について詳しく知る人間を連れて来ましたぞ。」

全員が驚く中、そこに銭形がある人物を連れてやってきた。

その人物とは…

銭形「さぁ、全てを話してもらえますかな…ジョドーさん。」

現れたのはカリオストロ家の執事であるジョドーであった。
ジョドーはその当時のカリオストロ家の内情の全てを知る唯一人の人物である。
長年仕えるカリオストロ国の内情について彼が知らない事は無かった…

ジョドー「よかろう…あれは伯爵が関係を持ったある女の話だ…
その女の出自は平民の出、伯爵も遊び程度の付き合いだったのだろう…
だが女の方は真剣だった、私は伯爵に女と別れるように何度も忠告をした!
だが伯爵は鼻で笑い相手にもせんかった…そんなある日…女が妊娠し…赤子を生んだ…」

「…」

ジョドーの話を聞き、犯人の一味であるボス格の男の表情が険しくなっていた。
まるで過去の忌まわしい出来事を暴かれたかのような険しい表情を浮かべながらその話を聞いていた。

ジョドー「私はその事を伯爵に報告した、伯爵は唯一言冷酷にもこう告げた…『殺せ!』とな…」

無理もない話であった。
仮にも王家の伯爵が何処の馬の骨とも知れない女との間に作った出自の怪しい子供である。
生きていては後々厄介な火種になると思ったのであろう、だが…

ジョドー「命令を受けた私はさっそく女を殺し、次に赤子を手に掛けようとした!しかし私は殺せなかった…何故なら…」

右京「恐らくあなたはお家の事を心配したのでしょうね。
当の伯爵は当時なんとしてもクラリス女公と結婚をお考えであった。
しかし、当時のカリオストロ家はクラリス女公と今は亡きカリオストロ伯爵のみ…
もし万が一二人の身に何かあればという時を考えたあなたは伯爵の命に逆らいその子供を密かに養育していたのでしょう。」

小五郎(コナン)「そしてその子供が成人してクラリス女公の殺害を企んだ、そうですね!」

ジョドー「…恐らくな…」

彼らの推理に驚く面々、そんな中で銭形は唯一人ある事を呟く…

銭形「やはりあの時ワシが見たのは幻ではなかったのか…あの少年は実在したんだな!」

高木「なるほど…それじゃあまさかその少年はこの犯人一味の中に居るって事になるんじゃ…」

右京「その通り、ではその件の人物は誰なのかですが…」

目暮「そうだ!一体誰がそのカリオストロ伯爵の血を受け継いでいるというんだね!?」

小五郎(コナン)「恐らくその人物は偽名を名乗っているのでしょうな。
しかし犯人の意思なのか定かではありませんがその偽名はカリオストロ公国にまつわる偽名なんですよ!」

偽名、その言葉が出た時であった。
犯人一味のボス格の男の表情は何やら険しい表情になってきた。

右京「おや、図星のようですね。
ではその偽名ですが実はあるヒントがあります、それは既に亡くなられたカリオストロ伯爵の名前です。」

小五郎(コナン)「伯爵の名はラザール・ド・カリオストロ。これをアナグラムしてみるとどうなると思いますか?」


「「アナグラム?」」


その場にいる刑事たちがまるで不思議そうな顔で名前のアナグラムを試そうとする。
しかしどれも一致しそうなものは思い付きはしなかった…

伊丹「アナグラムと言われても何もピンとくるものなんかねえぞ…」

芹沢「杉下警部!勿体ぶらずにちゃんと教えてくださいよ!」

右京「わかりました、それでは…
アナグラムは文字をランダムに組み替えた事を言います。
では伯爵の名前のラザールですが…これを『ドルザーラ』に置き換えたらどうですかね?」


「!?」


高木「ドルザーラ…外人ですねぇ…」

佐藤「待って!この名前って確か…!?」

小五郎(コナン)「そして最後に名前です!
確かカリオストロ王家の紋章は代々山羊がその象徴であったと伝えられています。
山羊は英語でゴート、これをアナグラムで変えればトーゴになりませんか?」

目暮「確かに…だが待てよ…
『トーゴ』…それに…『ドルザーラ』…これは…まさか!?」



小五郎(コナン)、右京「「そう、この事件の犯人はアナグラムの偽名を名乗った…
サルウィン国首相『トーゴ・ドルザーラ』あなたです!!」」



コナンと右京の推理により暴かれる真犯人の正体。
そして夜の闇を照らすライトが犯人一味のボス格の男を映した、その男は確かに二人が指摘する通り『トーゴ・ドルザーラ』本人であった。

トーゴ「…」

目暮「まさか国家の要人が犯人だったとは…」

伊丹「こいつはとんでもない大物が網に掛かってくれたもんだぜ!」

国家の要人が犯人だった事に驚く刑事たち、しかしそんな中で唯一人ジョドーは彼の顔をまるで幽霊でも見るかのような目で見ていた。

ジョドー「まさかあの騒動の中で生きておられたとは…それにしてもお顔がお父上にそっくりであられる…」

このジョドーの個人を懐かしむ言葉に…トーゴはこれまで溜め込んできた忌まわしい感情を露わにした!
そしてその怒りの矛先をジョドーに向け、拳銃を発砲させる!


ダンッ!


ジョドー「ぐっ…」

トーゴ「貴様…あの男を懐かしむような口ぶりをするのはやめろ!あの男の所為で…私は…私は…」

高木「大丈夫ですか!ジョドーさん!?」

伊丹「何だ?一体何を言ってやがる!?」

突然の銃声、怒り任せによる発砲。
状況を察する事の出来ない刑事たちは混乱するが…

銭形「そうか…あの時の子供が…なるほど…彼を撃つのも…
それにカリオストロ公国に復讐を抱く気持ちもわからんでもないが…」

芹沢「ちょ…ちょっと銭形警部何言ってんですか!?」

仮にも警察官が何と不謹慎な発言をと言おうとした芹沢、だが…

銭形「あの暗い…地下深い場所に長い間…一人きりでいれば誰だって恨みは持ちたくなるわい…
ワシもカリオストロ城の地下に閉じ込められた時はもうダメかと思ったしなぁ…」

右京「銭形警部の仰る通りならば、彼は生まれてからずっと母親と引き離されて…
たった一人で地下に幽閉されていたのでしょうね。
そして月日が経つ毎にその恨みを募らせていったのですね!」

小五郎(コナン)「そんな時、あなたにとってチャンスが訪れた。
それがかつてあのルパン三世一味が騒動を起こした事件、その騒動に便乗してあなたはあの城から脱出する事が出来た!」

右京「そしてあなたは脱出する際にある物をカリオストロ公国から持ち出した。
それこそが…」

ジョドー「まさか…カリオストロ王家に代々伝わるあの金と銀の指輪か!?」

右京「その通りです、伯爵家は元々カリオストロ王家の分家的な扱いでした。
もし唯一の血族であるクラリス女公が亡くなれば彼にも王位継承の機会はあるはずですからねぇ!」

事件の確信のある推理、するとコナンと右京の推理を黙って聞いていたトーゴが遂にその口を開き話し始めた。

トーゴ「フン、まさかここまで見事に見破られるとはな…いつから気付いていたんだ?」

小五郎(コナン)「あなたが怪しいと思ったのはコナンが大使館であなたの手相を見た時からですよ。
あなたの指ですが両手の人差し指が妙に血行が悪くなっていた。
恐らくあなたは普段両指の人差し指に指輪をはめる習慣がある人物ではないかと疑いました。」

右京「両手に指輪をするなんてさすがに男性は滅多にやりませんからね。
もしかしたらと思いましたが…」

トーゴ「ハハハ、そうだ!見るがいい、これがカリオストロ王家に代々伝わる金と銀の指輪だ!!」

トーゴは自分の指にはめられている二つの指輪をこの場にいる全員に見せつけた。

トーゴ「私こそ、カリオストロ王家の次期後継者だ!!」

彼はその場にいる全員にそう高らかに宣言してみせた!

ジョドー「間違いない…確かにあれはカリオストロ王家に伝わる金と銀の指輪…
しかし何故あの指輪が…あの時失われたはずではなかったのか!?」

銭形「そうだ、何故地下に閉じ込められていた彼があれを手にしておるんだ!」

当時の事件を知る銭形とジョドーの疑問はもっともである。
そんな二人に右京とコナンは何故トーゴが指輪を持つに至ったのかの経緯を説明した。

右京「恐らく全ては偶然、いえ…これは運命と言えるべきなのかもしれませんね。」

銭形「運命…だと?」

小五郎(コナン)「えぇ、トーゴ氏に指輪を渡したのは他の誰でもない…伯爵自身だからですよ!」

銭形「な……なにぃぃぃぃぃ!!???」

ジョドー「そんなバカな!?」

トーゴ「…」

右京「そう、信じられないのも無理はありません。しかしそれが真実なのです。」

ジョドー「だがどうやって…?あの時伯爵は時計台に…!誰かに渡す事なんて不可能なはずだ!?」

右京「確かに、僕たちもそこに疑問を抱いていました。
死亡間際の伯爵は時計台に挟まれ両手両足を塞がれていたはず、そんな彼が咄嗟に時計台から取り出した指輪をどうしたのか…
そこでひとつだけ、可能性を考えました。」

小五郎(コナン)「それは……『口』……ですよ!」

銭形、ジョドー「「口!?」」

小五郎(コナン)「そう、口です!伯爵は死ぬ間際の咄嗟に口の中に指輪を入れたんですよ!
そうすれば両手で時計針を防げますからね、しかし結局その甲斐虚しく伯爵は時計針に挟まれて死亡…」

右京「そして時計針により刎ねられた伯爵の首ですが…これは我々の想像でしかありませんが…
恐らくまったくの予期せぬ偶然だったのでしょうね、その首はその後に起きた水門の破壊された事により発生した激しい濁流により…」

小五郎(コナン)「ドルザーラ首相、あなたが当時囚われていたカリオストロ城の地下に指輪の入った伯爵の首が流れ着いたんですよ!!」

トーゴ「!?」

「「なんだって!?」」

小五郎(コナン)と右京の大胆な推理を聞き思わず驚きを隠せない刑事たち。
そしてトーゴも暴かれた過去に驚きを隠せずにいた。

そんな彼の脳裏にはあの日の思い出が甦ってきた…

暗く冷たい地下牢で唯一人過ごした少年時代を、誰も頼る者もいない…
ただ生きる事だけを許されていた事を、そんな状況で彼が望んでいたのは…たったひとつ…それは…

トーゴ「悪いがキミたちに構っている時間は無い。何人たりとも…いや…たとえ神でも私の邪魔はさせんぞ!」

伊丹「ふざけんな!外国の首相さまだろうが俺たち天下の警視庁捜査一課の刑事の目の前で殺しが出来るなんて思うんじゃねえぞ!!」

佐藤「そうよ、ここは既に包囲されているわ!無駄な抵抗をするのはやめなさい!」

部下「首相…ヤツラの言ってる事は本当ですぞ…この周囲は警察によって包囲されています!?」

伊丹と佐藤の言う通り、トーゴの周りには警視庁の刑事たちで囲まれている。
仮にこの場を抜け出せたとしても既に日本警察に身元が判明されているので国外への逃亡も困難であり、
通常の犯人なら観念するのだが…

トーゴ「フン、事前にあの組織の連中に頼んでおいたのが功を奏したようだな。」

トーゴは懐から自分の携帯電話を取り出し、ある番号を打っていた。

♪♫♬♪♫♬♪♫♫♬

右京「おや?このボタンの音はまるで…」

コナン(これは七つの子!?ま…まさか…)

トーゴ「あぁ、もしもし私だよ。ちょっとトラブルが発生してしまってね…出来ればそちらの部下に頼んで…わかっている。
例の物はそちらに必ず渡す、だから…そうかやってくれるか。」

伊丹「なんだあいつ?誰と話してんだ?」

芹沢「もうまどろっこしいっすよ!早く確保しましょうよ!」

高木「そうですよ、いくら首相とはいえこの状況下で見逃す必要なんかないですからね!」

目暮「よし、全員トーゴ首相とその部下たちを確保だ!」

目暮警部の指揮の下、警視庁の刑事たちが一斉にトーゴ以下犯人を確保しようとしたその時であった。

小五郎(コナン)「待ってください警部殿!?彼らから離れてください!!」

目暮「な…何故だね毛利くん!?」

トーゴ「フフフ、さすがは噂に名高い毛利探偵だ。どうしてだか知らんが察しが良いな。」

突然の小五郎(コナン)からの警告に驚く目暮、状況は優勢なはずなのに何故なのかという疑問があったが…

コナン(さっきのあれは…黒の組織のボスへ繋がるメールアドレスの番号を打つ時に発せられる七つの子!?
つまりトーゴ首相は黒の組織のボスに何か大事な指示を伝えたに違いない!)

右京「…」

トーゴ「それではみなさん、ビルのヘリポートにご注目いただけますかな!」

伊丹「ヘリポートだぁ?……なっ!?」

バタバタバタ!

芹沢「何すかありゃ!ヘリコプターが…!?」

佐藤「まさかあれに乗って逃げるつもりなの!」

目暮「馬鹿な!?我々が黙って逃がすわけが…」

トーゴ「そうだ、神戸尊の身柄はこちらで預かっている。
彼を無事に返してほしければキミたちはこのまま大人しくしているんだな!」

神戸を人質に取り、再度クラリスの抹殺を企むトーゴ。
先ほどの電話でのやり取りは黒の組織に命じて人質の神戸を連行させてくる事だった。
しかも人質を取っているだけではない、ヘリの中から狙撃用のライフルでこの場にいる刑事たちに狙いを定めていた!

伊丹「チッ!これじゃ迂闊に動けやしねえ!」

芹沢「下手に動いたら神戸警視の命が危ないっすからね!」

高木「それだけじゃないですよ!僕たちも狙われてますよ!」

佐藤「これならもっと大がかりな人員を総動員すべきだったわね…」

目暮「おのれ…なんとかならんのかね毛利くん!?」

コナン(ダメだ…神戸さんはヘリの中にいる!外にいる俺たちじゃどうする事も出来ない…)

右京「…」

トーゴ「さぁ、わかったら我々の邪魔をしないでもらおうか!
我々はこのままクラリスを殺し、そのまま日本から脱出するのだからな!」

ジョドー「馬鹿な…そんな事させるものか…くっ…さっきの銃弾の所為で動けん…!?」

銭形「おのれ…万事休すか…!」



一方ヘリコプターの機内では…


キャンティ「まったく、ボスの命令だからあのドルザーラとかいういけ好かない男と手を組んでるけどあいつ調子に乗り過ぎだよ。
あの手の手合いは調子に乗り過ぎて自滅するのがオチなんだけどね…」

コルン「俺も…あいつ嫌い…」

キャンティとコルン、あのジンとウォッカと同じく黒の組織の一員である二人はボスの命令を受けているのだがあからさまに不満を露わにしていた。

キャンティ「そもそも何でアタイたちがジンとウォッカの仕事の後始末をしなきゃならないんだい!」

コルン「文句言うな…これ…ボスの命令…それにジンたち…別の仕事がある…」

キャンティ「チッ!気に入らないね!」

舌打ちするキャンティ、そんなキャンティに対してヘリのパイロットたちが嗜めていた。

??「おやまぁ、お仕事中にぼやきとはねえ…おじさんちょ~と感心しないなぁ。」

??「まったくだ、プロならどんな仕事も愚痴を溢さずやり遂げるもんだぜお嬢ちゃん。」

キャンティ「あぁ?」

コルン「何だ…お前ら…?」

キャンティとコルンの乗るヘリを操縦する二人のパイロットたち、だが何かがおかしい…
そう感じた時だった!

??「ヌフフフ!人質が可愛い女の子じゃなく男ってのがちょ~っと気に入らないけど…」

??「ま、これも何かのついでだ。ちょいと荒っぽいが…行くぜ!」

神戸「え?えぇっ!?」

キャンティ「おいお前ら!何を…ってうわぁぁぁぁ!?」


ガコンッ!


突如ヘリコプターは急上昇を始めてヘリの機内は大きく揺れる。
その隙をついてパイロット2名は人質となっていた神戸を連れて機内から脱出しようとした!

コルン「人質が…逃げるぞ…!」

キャンティ「そうは…させるかい!」

ダンッ!

機内で銃声が走る、キャンティが狙ったのはパイロットの一人。
しかしその銃弾はパイロットの顔をほんの少しかすめた程度に終わってしまう。
だがそのパイロットの顔は実は…

キャンティ「ちょっと…アンタら…何さその顔は!?」

コルン「その顔…変装だな…」

??「おっと!うひゃっ、顔の変装が取れてやんの!?」

??「ならもう変装する必要もねえわな!」

ビリッ!

パイロットたちは顔の変装を取る、するとそこには…

ルパン「ぷはぁー!これでさっぱりしたぜ!」

次元「…だな、せっかくの二枚目な男前を隠す必要はなくなったわけだ。
まったくいつもながらこの変装は顔が痒くて仕方ねえな!」

キャンティ「アンタたちは…ルパン三世!?」

コルン「それに…次元…大介…」

神戸「あ…あの有名な怪盗ルパン三世とその相棒の次元大介…!?世界的に有名な怪盗がどうしてここに…?」

ルパン「そ~んな心配は後でしな、それよりも今は逃げるぜ!あらよっと!!」

神戸「うわわっ!?」

そしてルパンはヘリコプターから神戸を投げ出した。

銭形「お…お前はルパン!?何故お前がここにいるんじゃ!?」

目暮「まあ落ち着いて銭形警部、けど神戸警視が解放されてこれでこちらが有利に…」

芹沢「でも…大変だ!神戸さんがヘリから投げ出されたぞ!?」

高木「こんな高さから落ちたら死んじゃいますよ!」

上空から落下してくる神戸を心配する一同。
それにヘリコプターもパイロットがいないためコントロール出来ないたいために墜落しようとしていた。

佐藤「ねえ…ちょっと…あのヘリ…こっちに落ちてくるんじゃないの!?」

伊丹「冗談じゃねえ!こんなとこでヘリに墜落されたら大惨事だぞ!!」

佐藤と伊丹が指摘する通り、ヘリは全員がいるホテルの屋上に墜落しようとしていた。
こんな場所に墜落すれば最悪の場合この場にいる全員の命が危ない、だが…

ルパン「そんなに心配すんなって、こっちだってちゃんと考えてやってんだからさ。
さぁ、五右衛門ちゃん!出番だぜ!!」

五右衛門「心得た!」

そしてもう一人、この場に現れたのは石川五右衛門。


五右衛門「でやぁー!!」


スバッ!


すぐに斬鉄剣を抜き出し、一瞬のうちに空高くジャンプしてヘリコプターを真っ二つに斬り裂いてみせた!

伊丹「す…すげぇ…ヘリが真っ二つに…」


ドッガァァァァァァン!!


真っ二つになったヘリは屋上に墜落せずに上空で爆発を起こした。

次元「まったく…相変わらずおいしいとこばっか持って行きやがってよ!」

五右衛門「真打故にな…」

ルパン「ま、お前出番少ねえかんな。」

そして神戸も…

神戸「あのー!ちょっと…このままじゃ危ないんですけど…」

右京「まずいですねぇ…このままでは落下した神戸くんが屋上に落ちてしまいます。
彼はどうやら頭から落ちてしまいますし、いやはやどうしたモノでしょうか…」

目暮「何を呑気な事を…!」

銭形「彼はアンタの元部下だろ!もっと慌てなさい!」

右京の代わりに慌てふためく目暮と銭形、だが右京は二人に対して冷静にこう言った。

右京「お気遣いは感謝します、しかし…彼は僕の元部下ではなく『相棒』ですので。
それに…僕の相棒はもう一人いますので。そうですよねぇ、亀山くん!」

亀山「うっす!せーの…うらぁぁぁぁ!!」

ガシッ!

右京の言う通り、突然現れたかつての彼の相棒である亀山がなんと落下してきた神戸をその身体でなんとか受け止めるのに成功した!

亀山「だ…大丈夫っすか…?」

神戸「は…はい…けどこういうシチュエーションは女の子がやるべきですよね…」

亀山「ハハ…同感っすね…ていうか五右衛門さん!もっと丁寧に助けてあげてくださいよ!これ結構ギリギリだったんですからね!?」

五右衛門「すまん…」

伊丹「元特命係の亀山!?一体何がどうなってんだ?」

芹沢「本当にもう訳わかんなくて展開に付いていけないや…」

こうして無事に神戸の救出に成功できた一同は喜ぶのも後にしてすぐさまある行動に移る。

目暮「よーーーーし!今だ!全員逮捕しろ!!!!」

「「了解!!」」

目暮警部の号令、全捜査員がその場にいるトーゴ・ドルザーラとその部下たちの一斉逮捕に踏み切った。

銭形「まずはルパン逮捕―!と言いたいが仕方ない…だがこの次はルパン!お前だかんなー!!」

伊丹「おらー!大人しくしろや!」

佐藤「外人だろうが首相様だろうがこの日本で事件を起こせばこうやって日本の警察官に逮捕されるだけなのよ!」

芹沢「二人とも張り切ってますね…」

高木「今までの鬱憤晴らしも兼ねてるんだろうな…」

次々と逮捕されていくトーゴの部下たち、だが…

トーゴ「ふざけるな!私はまだ終わっちゃいない!
もう一度だ…今度こそクラリスだけでも必ずその息の根を止めてみせるぞ!」

キャンティ「こいつ…どんだけ意固地に…まったくアタイとした事がとんだ貧乏くじを引いちまったよ…」

コルン「文句…言うな…これ…ボスの命令でもある…誰も逆らえない…」

トーゴだけはキャンティとコルンにより連れ出されなんとかその場を脱出する事が出来た。
そして三人はこの屋上から再びクラリス女公のいる部屋に行こうとしたその時であった

ジン(?)「待て!」

キャンティ「この声は…ジン?」

コルン「何で…ここに…?」

ジン(?)「計画は変更だ、すぐにそこからずらかれ!」

トーゴ「なんだと!?」

どこからともなく聞こえてくるジンの声に驚くキャンティとコルン。
だが二人は即座にこの声がジン本人ではないと気付いた。

キャンティ「いいや…そんなはずないよ!
わざわざアタイらにこの仕事を請け負いさせたジンがここに来るはずがない!お前は一体誰だい!?」

ジン(?)「フン、まあこんな事で騙せるとは思ってはいなかったが…
それよりもだ、お前たちが今回そこにいるサルウィン国のトーゴ・ドルザーラ首相に手を貸している理由はわかった。
それはサルウィン国で採掘される資源だな!」

コルン「何故…それを…?」

ジン(?)「瀬戸内元議員を狙撃した時、『明日の夜、OBにて取引をする。』というメモを落としたな。
それがヒントになった、サルウィン国で採れる資源は採掘資源。
恐らくお前たち黒の組織の目的はその採掘資源を手に入れてそれを武器の製造に使う事なんだろ!」

キャンティ「そこまで知ってるとはね…」

ジン(?)「そうなれば話は簡単だ、採掘資源の取引となれば相当な物量の取引がされるはず。
そんな物を取引するのは港か空港、まあ恐らくは検査の甘い港での取引なはずだがな。」

キャンティ「だから何だってんだい!お前が誰だか知らないけどその場所が判明したって…」

右京「それは関西に関係しているのではありませんか?」

キャンティ「お前は…さっきのサツ!?」

コルン「…顔…絶対に見られるな…身元が割れる…」

右京の登場により思わず顔を隠すキャンティとコルン、そんな二人に構わず右京もまた推理を続ける。

右京「現在この関東…というか主に東京では、
ご存じの通りそちらにいらっしゃるドルザーラ首相とクラリス女公の、
サルウィン国とカリオストロ公国の同盟を結ぶために警察は現在かなりの警戒を敷いています。
それは港も同様のはず、そんな最中にこの関東の港で危険な取引を行うとは僕には到底思えないのですがねぇ。」

ジン(?)「なら考えられるのは関東以外の何処か他の場所で取引を行うという事だ。
しかし東京湾規模の港を考慮するとそれは幾つか絞られるが、そこで先ほどの『OB』という暗号だが…」

右京「これはその港の略称ですね。東京湾規模の港でOBの略称…それは…」

ジン(?)「関西にある『Osaka Bay』つまり大阪湾だな!」

キャンティ「まさかそこまでバレるとはね…」

コルン「だが…それがわかっても…」

右京たちの推理は確かに当っていた。
しかしここは東京の米花ホテル、今から関西に行ったところで手遅れなのだが…

ジン(?)「別に俺たちが行く必要はない。既にあっちには俺たちの仲間が行ってるからな。」

右京「えぇ、僕の相棒と地元大阪をこよなく愛する西の高校生名探偵がね。」

キャンティ、コルン「「?」」



~大阪湾~


一方その頃、ここ大阪湾では何やら怪しげな取引が行われていた。

ウォッカ「これでブツは全部だな。取引は無事完了したぜ。」

そこにいたのはサルウィン国の人間たちと黒の組織の一人であるウォッカの姿があった。
ウォッカは取引を無事に成功させて後は引き上げようとしたその時である!

服部「そこまでや悪党どもが!」

大滝「神妙にしいや!」

カイト「さぁ、全員大人しく逮捕されてもらおうか!」

ウォッカ「なっ…何だこりゃ!?」

誰にも知らされていないはずの取引現場は既に西の高校生名探偵服部平次とそれに特命係の甲斐亨、
それに大阪府警の警官たちに囲まれていた。
ウォッカはこの事態を全く想定しておらず黒の組織の一員たちはさすがに混乱を期していた!

ウォッカ「クソッ!何がどうなっていやがる!?おい野郎ども!全員引き上げるぞ!?」

服部「逃がすかい!おんどれら全員捕まえて東京にいる工藤にええ大阪土産にしちゃるわ!」

大滝「平ちゃんの言う通りや!この前はルパンの所為で大阪府警のカッコ悪いところ見られてもうたからな!
ここで名誉挽回せなあかんで!!」

カイト「ちょっと平次くん!それに大滝さんも落ち着いて!?」

意気揚々とウォッカたちを捕まえようとする服部とそれを宥めるカイト。
そんな時であった…

ガコンッ、ウィィィィィ

港にある巨大な積み込み用のクレーンが勝手に作動して黒の組織のメンバーたちが、
サルウィン国との取引で得た採掘資源を持ち上げて別の船へと移動させていた!

服部「な…何や!誰が動かしとるんや!?」

カイト「この港の作業員は捜査のために全員いないように手筈をしておいたはずだぞ!人なんか要るわけがないのに何で…」

二人が疑問を持つ中、そのクレーンを軽々と作業する一人の女の姿が見えた。

不二子「ハ~イ坊やたち、ゴメンなさいねぇ。こ・れ・は・お姉さんが貰って行くわね♪」

そこに現れたのはルパン三世一味の一人である峰不二子であった。

カイト、服部「「お…おばさん!?」」

不二子「ムッ…」

ウォッカ「と…とにかく今の内にボスに連絡を…指示を仰がなければ」



~再び米花ホテル~


そして東京の米花ホテルにいるキャンティとコルンに七つの子の着信音が鳴る。
それは彼らのボスからの連絡であった。

キャンティ「了解ボス…ボスからの命令だ、引き上げるよコルン。」

コルン「わかった…」

トーゴ「ま…待て!まだ私の目的は果たされていないんだぞ!それなのにどこに行く気だ!?」

キャンティ「黙んなクソ野郎!たった今ボスからの命令でアンタとの取引は失敗に終わったんだよ!
これ以上ここにいてアタイたちまで巻き添えを喰うのはゴメンだからね、後はテメェでやんな!」

トーゴ「そんな勝手な真似が…」

トーゴがキャンティを押さえつけて強制的に命令を聞かせたその時である。

ジャキッ!

キャンティがトーゴに銃を突きつけ逆に彼を脅しつけた。

トーゴ「な…何をする…やめろ…私は…一国の首相だぞ!?」

キャンティ「アンタ、ウチの組織舐めてるだろ?
一国の首相だぁ?だからどうしたよ?アタイらの組織はそんなモンを屁とも思わない程に巨大なんだよ!
むしろ感謝してほしかったんだけどね、アタイらが邪魔者のアンタを始末せずに去ろうとした事をさ!
けどもう無理、悪いけど殺すわ…」

コルン「なんとかの切れ目が…縁の切れ目…悪く思うな…」

ジン(?)「お前たちまさか…」

右京「やめなさい!」

キャンティ「邪魔するんじゃないよ!こいつを殺したら次はアンタらだ!
組織の事をよーく知っているみたいだしたっぷり拷問して吐かせてやるから覚悟しな!!」

キャンティとコルンは邪魔者になったトーゴを排除しようと銃を突きつける。

キャンティ「死にな!」

コルン「…」

トーゴ「うわぁぁぁぁぁ!?」

ダーンッ!

ズバッ!

そこにトーゴを救う銃声と斬撃が響いた!

キャンティ「くっ…」

コルン「だ…誰だ…?」

次元「お前らの相手は…」

五右衛門「拙者たちがいたす!」

そこに現れたのは先ほどヘリから神戸尊を見事救出した次元大介、それに石川五右衛門の両人であった。
ルパン一味と黒の組織の激しい撃ち合いが行われる!

次元「おい嬢ちゃん、あのジンとかいう若造はここには来ないのかい?」

キャンティ「ああそうだよ、代わりにアタイらが来てんだよ!」

次元「ならこう伝えといてくれや………ってな!」

キャンティ「なっ…!?」

そんな激しい撃ち合いが行われている間にトーゴはこの場を脱しクラリスの下へと行こうとする、が…

右京「何処へ行こうというのですか?」

ジン(?)「もうお前に逃げ場は無いぜ!」

トーゴ「お…お前たちは…お前たちは一体何者なんだ!?」

かつてここまで追い詰められた事の無かったトーゴは思わず自分を追い詰めた者たちの素性を問い質した!

右京「既にご存じのはずですよ、僕は警視庁特命係の杉下右京。そしてもう一人は…」

コナン「江戸川コナン、探偵だ!」

そこに姿を現すコナン、先ほどからのジンの声はコナンが蝶ネクタイ型変声機で声を偽っていたものであった。

トーゴ「杉下…?それに江戸川…?ハハハ…この私が…こんな…窓際部署の刑事と小学生の子供に追い詰められただと…」

杉下「お気に召さないのは分かります、しかしここまでですよ。」

コナン「潔く逮捕されるんだね、今ならまだ間に合うよ。」

トーゴ「だ…黙れ!」

トーゴはコナンに銃を向け撃とうとする、しかしその銃弾がコナンに当る事は無かった!

バシッ!

トーゴ「ぐはっ!?」

ルパン「まったくいつもながら危ねえ事ばっかしやがって名探偵、守ってあげるおじさんの身にもなれっての!」

コナン「別に助けてくれって頼んだわけじゃ…」

右京「まあいいじゃないですか、さてトーゴ・ドルザーラ首相。
いえ…恐らく本当の名は違うのでしょうがいい加減大人しく逮捕されてくれませんかね。」

トーゴ「冗談じゃない…誰が逮捕されるものか!」

ルパン「まったく…何だってまあクラリスの命に拘るんだかねぇ…」

トーゴ「それは…」

右京「それは恐らく彼の目的がカリオストロ家の真の後継者になる事ではないからでしょうか。」

トーゴ「…」

ルパン「な~るほど。」

コナン「そう、杉下さんの言う通り仮にこの場でクラリス女公の抹殺が成功したとしてもこの人が王位に就ける可能性は無いに等しい。
昔ならともかくこの時代に暗殺なんかして国のトップに立つなんて事をしたら国民や世界各国が納得するわけがない。」

右京「つまりあなたの真の目的はカリオストロ公国の崩壊にあったのではないのですか?」

トーゴ「そうさ、私の青春をあんな暗く惨めな場所に押し込めた者たちを許すわけにはいかない!
幼くして母を殺されそして私を忌まわしい運命に導いた父親は死んだ…
それに私には…杉下とか言ったな…先ほど貴様は私に本当の名があるのではと言ったがそれは間違いだ…
私は生まれた時から名前なんてない…だからこの『トーゴ・ドルザーラ』という名は私が自分で名付けた本名なんだ。
そしてルパン三世、貴様が現れてあの事件があった!
私自身もあの父親の死と引き換えにようやく自由を手に入れた…
なのに…あの女…あの女が…」

ルパン「あの女?クラリスの事か?」

トーゴ「ああそうだ!あの女が…」

コナン「なるほど、アンタはあの事件の後カリオストロ公国がこのまま衰退していくと思っていたんだね。
しかしその思惑は外れた、それがクラリス女公の存在だった。」

トーゴ「その通りだ!偽札作りを止めたあの国は最早衰退の一途を辿るしかなかったはずなのに…
新たに王の座に就いたあの女がカリオストロの国を再興させたんだ!
お前たちにわかる過去の気持ちが!?
私に屈辱の日々を与えられ続けたあの国が衰退するどころか再興していく様を見せつけられた気持が…!!」

右京「だからこそあなたはカリオストロ公国を崩壊させるためにサルウィン国の首相になったのですね。
ヨーロッパで一番小さな国連加盟国とはいえ仮にも国家が相手です。
そんな相手では個人では刃が立ちませんからね、それが瀬戸内先生があなたから感じられた執念というモノの正体ですか。」

彼の人生の幼少期はカリオストロのあの薄暗い地下から始まった。
実の父親によって母親を殺され頼る者も無く唯一人この場で生きる事だけを許された少年時代。
たまに上から落ちてくる事があってもそれはこの城を探ろうとした探索者や伯爵の裏切り行為を働いた者たちの死体。
そんな地獄のような思いをした彼には確かに同情の余地はある、だが…

ルパン「くっだらねえなぁ。」

トーゴ「なっ…なんだと!?」

ルパン「くだらねえって言ってんだよ!
いつまでも女々しい手前勝手な恨み言を抱えてそれを関係の無いクラリスに押し付けて、男ならそんなモン酒飲んでさっぱり忘れちまうんだよ!」

トーゴ「き…貴様!?私を侮辱するのか!!」

ルパン「侮辱だぁ?本当の事を言ってるんだよ。お前さんの我が儘にこれ以上聞く耳を持つ気はないぜ!」

ルパンはそんなトーゴを真っ向から否定をする、そしてそれはコナンと右京も一緒だった!

コナン「トーゴさん、確かにアンタの人生は悲惨だったかもしれない。
だがアンタはそんな地獄から一度は抜け出せたはずだった、それで人生をやり直すべきだった。
それなのにアンタは復讐の道を選んだ、そんなアンタに共感できる事は何もないよ…」

右京「ドルザーラ首相、たとえどのような理由があろうとそれが人を殺していい理由になる事は絶対にあり得ないのですよ!」

トーゴ「貴様らぁぁぁぁぁ!!」

懐にしまってある銃を取り出そうとするトーゴ、だがその動きは既にルパンに読まれていた。

ダンッ!

トーゴ「うぐわぁぁぁぁぁ!?」

ルパン「やめろ!もう決着は着いてんだ!これ以上ジタバタすんない!」

ルパンは自身の銃であるワルサーP38を取り出しその銃口をトーゴの前に向ける。
そしてこう言った。

ルパン「なぁ、もうこれ以上クラリスに危害を加えないっていうなら何もしねえ。
だがこれでもまだ諦めねえってのなら…」

トーゴ「ふざけるな!私の人生はカリオストへの復讐のためにあったんだ!今更諦める事なんて出来るか!?」

ルパン「なら…仕方がねえな…」

ルパンは最後のチャンスをトーゴに与えようとする、
だが…それをトーゴはすぐに退け更にあろう事かまだクラリスの命を狙うとすら言いのけた。
さすがにもう議論の余地は無い、ルパンがワルサーの引き金を引こうとしたその時だった。

コナン「待って!」

ルパン「名探偵…?」

コナンがトーゴの前に立ち彼を守るように防いでいた。

そしてもう一人…

右京「僕もあなたの行動を無視するわけにはいきませんよ。」

ルパン「杉下…右京…退きな。お二人さんを撃つ気はねえんだ…俺がやるのはアンタらが庇っているそいつだけさ。」

コナン「だからさ、俺たちは探偵で…」

右京「そして刑事です、そんな僕たちの目の前で殺人を犯させるわけにはいきませんよ!」

ルパン「だがこいつはまたクラリスの命を狙うかもしれねえんだぜ?
そうなっちゃ遅いんだ…なあに、汚れ仕事は俺が引き受けてやっから安心しなよ。」

汚れ仕事は自分に任せろ、そんな事を申し出るルパン。だがそんなルパンに対してコナンは…

コナン「ルパン…憶えてるかこの前の事件での事を…」

ルパン「この前の事件?」

コナンの言う事件とはそれは先日アラン・スミシーが起こした事件の事であった。
主犯であるアラン・スミシーとその一味はその殆どが死亡という事で事件は結末を迎えたがその事に対してコナンは未だに納得がいかなかった…

コナン「俺はあの事件を誰の犠牲も出さずに終わらせたかった。
それなのに俺は…結局見す見す犯人を死なせちまった…そんな犯人を死なせるような探偵は殺人者と変わらねえんだ…
それにルパン…アンタにそんな汚れ仕事をしてくれだなんて誰も頼んじゃいないんだ…だから…」

思わず感情を露わにしながらルパンに訴えるコナン、そして右京も…

右京「まったく素直ではありませんね。
ルパンさん、コナンくんはこう言いたいのですよ。あなたに殺人を犯してほしくないと…
その気持ちは僕も一緒です、あなたがこの様な汚れ仕事に手を染めなくても彼はこれから司法の下で裁かれるべきだと思いますよ。
それだけの事をしたのですからね!」

ルパン「ハハ…名探偵は甘くて…そっちの名刑事さんは結構クールだね、あぁわかったよそうまで言われちゃしゃーねえや…」

コナンと右京の説得に応じたルパンがワルサーを収めようとしたその時だった!

トーゴ「フ…フフ…ハハハ…このまま貴様らに捕まれば私はサルウィン国で晒し首か…?
冗談じゃない!そんな無様な真似だけはゴメンだ!!」

ルパン「よせ!これ以上何をする気だ!」

右京「待ってください、彼は何か持ち出していますよ!」

コナン「あれは…まさか…時限爆弾!?」

コナンの指摘する通りトーゴは時限爆弾を取り出していた。
どうやらクラリス抹殺に爆弾まで持ち込んでいたようだ。

トーゴ「こうなればここで死んでやる!」

コナン「冗談じゃねえ!こんなとこで爆破されたらこの屋上は火の海に包まれてみんな死んじまう!?
そんな事…させてたまるか!!」

コナンはキック力増強シューズのパワーを最大にしてトーゴの前に立ち向かう!
だがトーゴはすぐに先ほどルパンに弾かれた銃を拾いそれをコナンにむける!

トーゴ「邪魔はさせん!こうなればみんな道連れだ!!」

コナン「ふざけんな!誰も死なせるもんか!」

ルパン「おいバカッ!ダメだ名探偵が邪魔で撃てやしねえ…」

右京「これでは…」

ガッ!

その時である、右京の目の前にある刀が突き刺さった!

五右衛門「それを使え!」

なんとそれは五右衛門の斬鉄剣、事態を察知した五右衛門がなんとか斬鉄剣だけを貸してくれたようだ。

右京「どうもありがとう、それではお言葉に甘えて使わせて頂きます!」

斬鉄剣を受け取った右京はそのまますぐにトーゴへと斬りかかって行った!

ザシュッ!

トーゴ「うわぁぁぁぁ!?」

ルパン「あの刑事さん斬りつけやがった!?」

コナン「いや違う!あれは……巻き技だ!?」

巻き技、それは剣道の一種で相手の竹刀を崩してその竹刀を巻き上げるように飛ばす技である。
右京は斬鉄剣を使い巻き技でトーゴが持っていた時限爆弾を弾かせる事に成功した。

コナン「やった!時限爆弾が犯人の手元から離れたぞ!」

トーゴ「おのれ…よくも!」

ルパン「おっと!邪魔はさせねえよ!」

トーゴは急いで爆弾を取り戻そうとするがその行動を一気にルパンに阻まれてしまう。

ルパン「よーし!今だ!!」

右京「やりなさいコナンくん!!」

コナン「あぁ、わかっている!キック力増強シューズパワー最大でいっけぇぇぇぇぇぇ!!」


ドオオオオン!!


コナンの最大キックで時限爆弾は空高く舞い上がった、そして次の瞬間…



ドッゴオオオオオオン!!


そして上空で大爆発を起こした、これにはその場にいる全員が驚きを隠せなかった!

伊丹「ま…また爆発だと!?」

佐藤「今度はさっきのより威力が大きいわ!」

銭形「おのれルパン!何がどうなっているのかちゃんと説明しろ!?」

ゴオオオオオ!

爆風は相当激しく全員地面に伏せるのに精一杯だった、そんな最中…

トーゴ「おわぁぁぁぁ!?」

コナン「なっ…しまった!このままじゃトーゴが落ちてしまう!」

運悪く爆風の近くにいたトーゴはその威力に巻き込まれてしまいビルの屋上から落ちそうになってしまう。

コナン「掴まれ!」

バッ!

コナンはトーゴの腕を掴みなんとか落ちないようにと支えてみせる、だが所詮は大人と子供…
その体格差が災いしてコナンも一緒に落ちようとしていた!

コナン「クソッ!このままじゃ…そうだ伸縮サスペンダー!
いやダメだ…花の里でジョドーさんに襲われた時に斬られちまったんだ!」

まさに万事休すかと思われたその時であった。

ガシッ!

誰かがコナンの腕を掴んでみせた、その腕はなんと…

コナン「杉下さん!?」

右京「まったく…キミという少年は…本当に無茶ばかりしますね…
しかしその無茶がこうして人を死なせずに済んだわけですが…」

コナン「アハハ、けど杉下さん…腕を…!」

そう、右京も無事という訳ではない。
どうやらさっきの爆風で腕を怪我しているようでそう長くはもちそうになかった…

右京「僕とした事が…迂闊ですね…このような傷を負うとは…これではキミに対して強く言えませんね…」

コナン「もういい!杉下さん離して!このままじゃあなたまで一緒に死んじまうよ!」

右京「いいえ、そうはいきませんよ!
キミのような少年が歯を喰いしばり頑張っているというのに…
僕のような大人が命惜しさに見捨てるなど断じてあってはいけない事なのですから!」

コナン「杉下さん…クソッ!なんとかならねえのか…なんとか!?」

コナンはこの場を脱する事の出来る方法はないかと模索する、だが…
先ほどの爆風で他の刑事たちも満足に動く事は出来ず辺りは騒然としている真っ只中。
それどころか今のコナンたちの状況を把握できる人間がどれだけいるのか、不安要素は尽きなかった。
そして…

ズルッ ズルッ

コナン「し…しまった…これ以上掴んでいられない…チクショウ…!?」

子供の身体であるコナンの腕が限界に達していた。
最早トーゴの身体を支えるのは不可能に近い、そんな時である。

ガシッ!

ルパン「そういう時は、素直に誰かに『助けてー!』叫べばいいんだよ。
そしたら誰かが助けてくれるかもしれないんだぜ。」

コナン「ル…ルパン!?」

コナンに救いの手を差し伸べたのはルパンであった、だがルパンだけではなかった…

亀山「右京さん!大丈夫っすか!」

神戸「まったくしっかりしてくださいよ…って人質にされた僕が言っても説得力が無いんですけどね…」

右京「亀山くん、それに神戸くんも…」

怪我を負った右京を担ぐ亀山と神戸、かつての右京の相棒たちによりコナンと右京はこの危機を脱する事が出来た。

トーゴ「うぅ…ここは…」

ルパン「おや、やっと気付いたようだな。まったく世話焼かせやがって…どんだけの人間巻き込んでんだか…」

トーゴ「まさか私は…失敗したのか…冗談じゃない…こうなればもう一度…」

再度自殺を行おうとするトーゴ、しかしそんなトーゴに対して右京が遂に怒りを露わにする!

右京「いい加減にしなさい!!」

トーゴ「なっ…」

右京「あなたはこれだけの事をしておいて自分だけ自殺をして逃げようというのですか!?
それではあなたが忌み嫌う父親と何も変わらないじゃないですか!!」

トーゴ「あ…あぁ…」

そしてもう一人、そんなトーゴに対して怒りを隠せない人物がいた!

亀山「おいトーゴ・ドルザーラ!俺は亀山薫!アンタの国でボランティアをしてるモンだ!
アンタの事情はさっき大体聞いたよ!確かにアンタの生い立ちはちょっとは同情する!
けどなぁ、アンタの所為でサルウィンじゃ今も親のいない餓えた子供たちで一杯なんだよ!
アンタは何の罪もない子供たちの幸せを踏みにじんでいやがるんだ!それに俺のダチも…
だから簡単になんか死なせねえぞ!アンタが犯した罪をサルウィンの国の人々の前で堂々と裁かれてもらうんだからな!!」

コナン「そうだ、今のアンタがすべき事はクラリス女公を殺す事でも…ましてや死ぬ事でもない…
自分が犯した罪を償う事にあるんだ…」

トーゴ「う…うぅ…うわぁぁぁぁぁぁ…」

亀山の言葉を聞き泣き叫ぶトーゴ、こうして一連の事件は幕を閉じる…


――――――

――――

――



~警察庁~


米花ビルで同時刻、ここ警察庁でもある出来事があった。
警察庁の一人の幹部職員が自室で何者かによって襲われたいた。

「う…うぅ…」

ジン「もう虫の息のようだな。」

ベルモット「それじゃ早く済ませましょう、私たちの犯行ではないように見せかけないとね。」

ジン「俺はあのお方へ報告をする。後は任せたぞ。」

そこにいたのはジンとベルモット、黒の組織の主要メンバーであった。
事を成し遂げたと思った二人は別行動を取りジンは連絡を、ベルモットは隠蔽工作に移っていた。

「このまま…には…させておけん…」

カチッ

しかしその幹部職員もなんとかもがこうと自分のデスクに隠してあるスイッチを入れる。
だがそれと同時に力尽きたのか倒れてしまった…

バタッ

ジン「フン、くたばったか。ここにあっちゃ面倒だ。さっさと運んでずらかるぞ。」

ベルモット「ええ、もうここに用は無いわ。早く引き上げましょう。」

こうしてジンとベルモットはその場を後にする。
しかしこの時二人は気付かなかった、その幹部職員が押したスイッチが後々重要な事になるとは…

とりあえずここまで

3月中に終わらせる予定だと言いましたがやっぱり無理、残りは明日になりそうです…

すんません…



~特命係~


大木「…」

小松「…」

いつもの様に珍しいものを眺めるように特命係の部屋を覗く組対5課の大木と小松の二人。
それもそのはず、米花ホテルでの事件があった翌日に特命係の部屋にコナンとそれに少年探偵団の子供たちが押し掛けてきていた。

角田「よ、暇か?…って何だよこのちびっ子たちは!?」

右京「あぁ角田課長。彼らは毛利探偵と一緒に事件を解決している噂の少年探偵団です。
先日の事件でコナンくんにお世話になったのでお礼をと思ったのですがどうも賑やかなお友達まで連れてきてくれたようですよ。」

コナン(ハハ、別に俺が連れて来たわけじゃないんだけどね…勝手についてきただけだし…)

元太「コナンだけズリーぞ!俺たちだって活躍したかったのによお!ていうかここなんか狭くね?」

光彦「そうですよ!大体コナンくんは普段から抜け駆けばかりして!
それと元太くん、そういう事言っちゃいけませんよ!警視庁にだってこういう狭い部署があるんですよたぶん…」

歩美「そうそう、そこがコナンくんの悪いとこだよね!
それに…二人ともさっきから失礼だよ!けど本当に狭いよ…私たち5人も押し掛けると尚更…」

灰原「全部本当の事だから反論の余地は無いわよね江戸川くん?
けどここが狭いのはたぶん窓際部署だからじゃないかしら。」

コナン「うっせー!バーロー!ていうかお前らみんなさっきから失礼過ぎじゃね?」

珍しく大人数で賑わう特命係の部屋、そこに亀山と神戸も現れた。

右京「おやおや、亀山くんに神戸くんまで。」

角田「おいおい二人とも懐かしいじゃねーか!」

亀山「いやー、すぐにサルウィンへ帰ろうと思ったんですけどね…懐かしの我が家といいますか特命係を思い出しまして♪」

神戸「お言葉ですが、僕も同じですね。結局大河内さんのおかげで暫くは謹慎処分ですから…
その間は暇ですのでこちらでゆっくりしようかなと思いまして♪」

角田「そ、そうか…まあ程ほどにな…俺もう行くわ。
あ、子供たち…こんな暇を持て余した大人にだけはなっちゃいけないよ…」

元太「なぁ…ここって警察だよな。何でこいつらこんなにのんびりしてんだ?
警察って忙しいとこじゃなかったのかよ?」

光彦「きっとこの人たち不良警官なんですよ!こういう人たちが不正や汚職をしたりするんですよ!」

歩美「ダメだよ二人とも!そういう事言っちゃ失礼だって…」

亀山「あの、バッチリ聞こえてるよ…おじさんたちだってそんな風に言われると傷つくからね!」

神戸「僕たちって子供たちの視線からだとそういう風に思われているんですね…」

右京「でしたら仕事していきますか?角田課長たちが押収した裏DVDの検品作業があるのですがね…」

コナン「おわわわわ!?」

亀山「右京さーん!子供の前でなんてモノ持ち出してんですか!?」

右京「まぁこれは冗談で…」

コナン、亀山、神戸((冗談かよ…))

右京「さぁ、みなさんの紅茶を用意しましたのでどうぞ召し上がってください。」

歩美「わぁ、ありがとうございます!これ美味しい!」

光彦「本当ですね!僕たちのような子供にもわかるような美味しさですよ!」

灰原「そうね、杉下さんこれはセイロンティーね。」

右京「おや、まさか小学生の方が知っているとは意外ですねぇ、さすがは少年探偵団と言ったところでしょうか。
これは海外で栽培された物ではなく日本の奈良県で作られた物でして、ちなみにこれは友人からの受け売りですよ。」

コナン、亀山、神戸「「友人!?」」

亀山「右京さんお友達がいたんですか!?」

神戸「お言葉ですが…正直意外です…」

コナン(この人の友達って本当に想像できねえや…)

右京「えぇ、ですが今は塀の中ですけど…さ、キミたちもどうぞ。」

亀山「いや俺は無類のコーヒー派なんで!」

神戸「僕もガス入りミネラルウォーターを持参していますから、飲み物はこれ以外余り受け付けないんですよねぇ…」

右京「まったく…特命係の相棒というのは何故か飲み物に拘りますねぇ…」

コナン「ハハ、確かに…」

神戸「ところであの事件の後、ルパン三世一味はいきなり姿を消しましたね。
カリオストロ公国のクラリス女公もサルウィン国の首相が逮捕されて安全の配慮で緊急帰国しましたし…」

亀山「主犯のトーゴ・ドルザーラも今回の事件で首相の座を追われましたからね。
今はサルウィン国に護送中で裁判に掛けられるようですよ。
ま、これまでの罪状からして極刑は確定でしょうねぇ…」

右京「これでサルウィンとカリオストロが協定を結ばなくてもサルウィンは平和な道を歩めるかもしれませんね。
協定を結ぶのはサルウィンにより国民の事を理解してくれる指導者が現れてからでも遅くはないでしょう。」

神戸「それと瀬戸内先生も無事意識が戻ったそうですよ。
けど仮釈放直後にこんな騒動に巻き込まれてしまいましたからね。
まあ瀬戸内先生の所為ではありませんがまたもう一度拘置所の方に戻されるみたいです。
今度こそちゃんとお勤めを果たして出所後はサルウィン国のために尽力を尽くしたいと言っていたそうです。」

右京「そうですか…」

神戸「これで終わりなんでしょうか?」

ピリリリリ

コナン「お…電話だ、関西にいる服部からだもしもし?」

その時、コナンの携帯に関西にいる服部平次から連絡がきた。
どうやら昨夜の事件についてのその後の顛末についてであった…

服部『………まぁそんなわけや、サルウィンの連中は全員捕まえたんやけどお前の言う黒の組織の連中はなぁ…
あと、そっちにいる杉下さんにもカイトさんは帰ったと伝えといてくれや。
まぁ…そういう訳ですまんな工藤、堪忍な…』

コナン「いや、まあしゃーねえよ。今回は準備不足だったんだ。それにまだヤツらを倒すチャンスは消えたわけじゃない。
また何かあったら手を貸してくれじゃあな。」

そして右京にも…

ヴィー、ヴィー、ヴィー

右京「ハイ杉下です。」

大河内『どうも、大河内です。実は緊急な要件で連絡した次第です。大至急杉下警部のお耳に入れたい情報がありまして…』

右京「はぃ?」

そんな賑やかな中、関西へ出張していたカイトがようやく特命係へと帰ってきた。

カイト「ただいま戻ってきました。あれ…随分と大人数っすね?」

亀山「あれ?この若いヤツはもしかして…」

神戸「僕たちの後輩のですよ。」

右京「おや、カイトくんお疲れ様です。関西はどうでしたか?」

カイト「いやー、大変でしたよ。ルパン三世は現れるわ、峰不二子は現れるわで…
ま、美人のお姉さんに出会えただけマシですけどね…
ちなみにサルウィンと黒の組織が取引していた発掘資源はすべて峰不二子が掻っ攫って行きましたよ。
ルパン一味の真の目的は連中の取引のブツの横取りだったみたいですね。」

右京「…」

コナン「…」

カイト「あ、美味そうな紅茶ですね頂きます!(ゴクゴクッ)プハーッ!うめーや!」

その時、右京は何かを察知したのか亀山に子供たちを連れて警視庁の案内を勧めた。

右京「亀山くん、どうせお暇ならちょっとそこの子供たちを連れてこの警視庁内を案内させてもらえますか。
コナンくんは僕たちと大事なお話がありますので一緒に行けませんが…そうですねぇ。
捜査一課を案内させてあげてはどうでしょうか、今ならあの目暮警部や銭形警部など名刑事がいらっしゃいますからねぇ。」

コナン「悪いなお前ら。」

元太「えぇー!?俺たち昨日の事件の話をもっと聞きてーぞ!」

光彦「そうですよ!コナンくんだけズルいです!!」

歩美「そーだ!そーだ!」

コナンだけズルい、そういって言う事を聞かない三人。だが…

亀山「ハイハイ、文句言わないの!おじさんが警視庁の捜査一課をちゃ~んと案内させてあげるから!」

灰原「そうよ、江戸川くんはこれから杉下さんにいつも勝手な事ばかりしてるからお説教を受けなきゃいけないの。
邪魔しちゃ悪いから私たちは一先ずこれで退散しましょ。」

元太「なんでぇお説教か、じゃあしょーがねーな!」

光彦「そうですね、抜け駆けばかりするコナンくんにはいいクスリですよ!」

歩美「それじゃ杉下さんはコナンくんをみっちり叱ってくださいね!」

灰原「さ、行きましょうか。江戸川くんは大変だしね。フフ…」

亀山「じゃあ、この子たちを連れてちょっと捜査一課のとこに挨拶にでも行ってきますよ。
その間に……しっかりやってくださいね右京さん!」

それから亀山は少年探偵団を連れて特命係の部屋を出て行った。
部屋に残ったのは右京、カイト、神戸、それにコナンの4人であった。

神戸「まるで亀山さん…杉下さんに何かを察して子供たちを外に連れ出したように思えるんですけど…」

右京「彼はそういうところが妙に察しが良くて、恐らく長年僕の相棒だったからなのでしょうかねぇ?」

神戸「お言葉ですが僕だって4年くらいあなたの相棒だったんですけどねぇ…」

カイト「ちなみに今の相棒は俺ですけどね!」

今の相棒は俺だ、カイトがその言葉を発した時である。
コナンと右京の二人はまるで鋭い視線でカイトを睨みつけた!

右京「いいえ、僕の相棒はキミではありませんよ!」

コナン「杉下さんの言う通り、アンタは杉下さんの相棒なんかじゃない!そうだろ?」

カイト「ちょ…ちょっと二人とも何を言ってるんですか?神戸さんも何か言ってやってくださいよ!」

神戸「いや…僕も長年杉下さんの相棒だったからね。この人が訳もなく人を疑うはずがないよ。」

カイト「……ならあなた方が俺を疑う根拠ってヤツを…出来れば教えて頂けませんかね?」

勿論カイトもただ疑われる訳はなかった、疑うだけの根拠を説明しろとそう要求してきた。
そして右京とコナンはそれぞれの推理を始める。

右京「まずキミは最初に戻って来た時に『ただいま戻ってきました。あれ…大人数っすね?』と仰いましたね。
確かにキミは関西へ出張に行っていました、しかしこれだけの人数でしかも本来のカイトくんなら初対面のはず。
それなのにキミは『初めまして』と挨拶をしていない。
僕の知る甲斐亨という人間はたとえ子供であろうとそういった礼儀を欠かさない人間ですよ。
つまり、キミは以前にも少年探偵団やそれに亀山くんや神戸くん、そしてコナンくんに会った事があるのではないのですか?」

コナン「そして戻ってきた直後に峰不二子の事を『美人のお姉さん』と評していたよね。
けど大阪にいる服部から事件の詳細を聞いたけど、服部と甲斐さんの二人が峰不二子と遭遇した時に二人は『おばさん!』と言ったんだ。
そんな甲斐さんが痛い目に合った峰不二子の事を『美人のお姉さん』と評するのは何か違和感があると思わないかな?」

神戸「なるほど、筋が合っているような合っていないような…他の人間が聞いたら言い掛かりにも聞こえそうですけど…」

カイト「そうですよ!神戸さんの言う通りこれもう言い掛かりのレベルですよ!?もっと確実な証拠はないんですか!」

確実な証拠、その言葉を聞いた瞬間右京の口から笑みが浮かんだ。

右京「証拠ならあるじゃないですか。先ほどキミが飲み干した紅茶ですよ。」

カイト「紅茶?」

右京「実はこの特命係に所属している人間には奇妙な拘りがありましてね。
僕は紅茶、亀山くんはコーヒー、それにそこにいる神戸くんはガス入りのミネラルウォーターと、
それぞれ飲み物に関して中毒的なまでの拘りを持っています。
それなのにキミはいとも容易くこの紅茶を飲み干してしまった。
ちなみにカイトくんは普段からこのコーラを好んで飲んでいます、そんな彼が自ら進んで紅茶を飲んだ…
僕にはこれがとても奇妙な光景に思えてならないのですがねぇ。」

カイト「………プッ…ククク…うひゃひゃひゃひゃ!まさか飲み物ひとつで違和感を持つとは恐れ入ったぜ!」


ビリッ!


カイトは自らの顔を手で掴むとなんと顔がゴムのようにビリッと破れた。
そして出てきた素顔がなんと…

神戸「なっ…そんなバカな…」

右京「やはりあなたでしたか。」

コナン「まったく相変わらず神出鬼没だね、ルパン三世…」

ルパン「よぅ名探偵、それに名刑事さんも!
けどなぁ、不二子ちゃんをおばさん呼ばわりはいくら俺が変装の名人でもそれはできない相談だぜぇ。
俺の不二子ちゃんへの愛はな、海よりも深く、山よりも高いってワケなのよ!」

神戸「ハハ、まったく信じられませんね…ここは天下の警視庁ですよ。そこに世界的に有名な大泥棒が単身で忍び込むだなんて…」

ルパン「まあまあ、固い事言わないの!
ちなみに本物の亨くんは今頃新幹線で富士山見ながら駅弁でも食ってる頃合いだから安心しな!
ま、俺がここに来た理由はちょっとした答え合わせってところかな。」

神戸「答え合わせ?」

右京「なるほど、あなたもこの事件の真相を知りたいとそういう事ですか。」

ルパン「そういう事!勿体ぶらずに教えてちょーだいよ♪」

コナン「まったくしゃーねえなぁ、この事件で一番気になったのは最初のクラリス女公が暗殺未遂の時の配置についてだ。
狙撃を行った黒の組織のジンは間違いなくクラリス女公に花束を渡されるタイミングを把握していたはず。
つまり警察関係者に黒の組織に内通している者がいるはずなんだ!」

神戸「ちょ…ちょっと待って!黒の組織って一体何の事!?」

ルパン「まあまあ、とりあえず落ち着きになって。」

右京「えぇ、その推理は僕も同感です。
あの事件で我々警察の動きを内通していた者は間違いなくそれ相応の地位の人間のはず。
何故ならば仮にも国家の要人の護衛です、それを一捜査員ではあそこまで完璧に知り得る事は不可能なのですからね。」

神戸「警察関係者でそれ相応の地位の人間、かなり絞られますね。
……ってだからその黒の組織って何ですか!?」

ルパン「あらまあ…正義の味方警察が俺ら犯罪者と手ぇ組んでるとは世も末だねぇ…」

コナン「ハハ…ルパンが言える事じゃないけど…」

右京「誠に耳の痛い話です、ですがそうなると先ほどの話が関係してきますね。」

神戸「先ほどの話…?」

それはつい先ほどの右京に掛かってきた大河内からの連絡についてであった。

右京「実はこれはまだ関係者に伏せられているのですが、昨夜米花ホテルでの一件があった後に…
警察庁の金子長官が突然失踪したそうです。」

コナン「な…何!?」

神戸「それは本当ですか!?」

右京「えぇ、大河内さんからの情報ですから間違いありません。
昨夜、金子長官の運転手の方が自宅に帰る際にいくら待っても長官が現れないために長官の部屋に行ったところ…
置手紙を遺して失踪したそうですよ。それも誰にも知らせずに…」

金子長官の置手紙には以下の内容が記されていた。

『今回のカリオストロ公国の代表であるクラリス・カリオストロ女公の暗殺未遂事件。
我々警察の不甲斐無さと至らなさを切に実感し、また警察庁の代表として責任を取るためにも、
誠に急でありますが私こと金子文郎は本日只今をもって警察庁長官の職を辞任する所存であります。
これをもって我が日本国とカリオストロ公国の両国への禍根が残らぬ事を切に願います。』

その内容は自らが警察組織のトップの座を退く事により今回の事件の責任を取るといった内容である。
一見ただの辞表にも取れるが…

神戸「これ明らかに出来過ぎですよ!?
僕と杉下さんも以前金子長官と対面した事がありますが長官はこんな殊勝な人物じゃありませんよ!?」

コナン「確かに、今の推理を照らし合わせるならこれは間違いなく偽造された置手紙だよ。
その警察内部のそれ相応の地位にいる人物が邪魔な金子長官に全ての責任を取らせてそして恐らく口封じに…」


「…」


静まり返る室内、そんな中右京は先ほど大河内から聞いたある情報を告げる。

右京「その金子長官ですが恐らく失踪する直前にある重大なヒントを遺してくれました。」

神戸「ヒント?」

右京「神戸くん、覚えていますか?
かつてこの警視庁内で起きた警視庁幹部職員の人質籠城事件の事を。
そしてその時に使用された盗聴器の事も。」

神戸「盗聴器ってまさか…!?」

右京「長官は何者かに襲われてる間に室内に仕掛けてあった盗聴器を作動させていたようです。
そしてその盗聴器からある音声が拾われました。」

右京は大河内から送られてきた音声のデータをこの場にいる全員に聴かせた。
それは一瞬の音でよく澄まさなければ聞き取れないほどの小さな音であった。

♪♫♬♪♫♬♪♫♫♬

ルパン「こいつは…携帯の着信音だな…」

神戸「けどこの着信音…なんだか独特な音ですよね、一定のリズムがあるというか…」

右京「確かに、実は僕はこの着信音に聞き覚えがあります。
それは昨夜、トーゴ・ドルザーラ氏が何者かに連絡をしようと携帯電話の番号を打っていた時に聞いた音です。
この音…コナンくんならわかるのではありませんか?」

コナン「そうだ、この着信音は七つの子。
黒の組織の連中がボスへの連絡に使う着信アドレスに間違いない。
つまり金子長官の失踪を偽装したのは黒の組織の連中の連中の仕業だ!」

右京「この盗聴器の音声データは金子長官が命を懸けて録った大事な証拠です。
どうやら彼らは我々警察のトップを少々甘く見ていたようですね。」

ルパン「そんで結局真犯人ってのは誰なんだ?
最初の捜査会議で警察庁の長官を詰った田丸っていう警視総監か?」

右京「いいえ、その可能性は低いと思います。
もし仮に田丸総監が内通者であった場合、あのような詰り方をした直後に金子長官が失踪したのでは第一に怪しまれますからね。
そうでなくても二人は犬猿の仲だと警視庁、それに警察庁でも有名です。
そんな真っ先に疑われそうな田丸総監が内通者であるとは僕にはどうしても思えませんねぇ。」

コナン「つまり田丸総監以外の警察幹部でそれ相応の地位にいる人物…一体誰だ?」

コナン、ルパン、それに右京が頭を悩ませている時である。
神戸が思い出したかのように気になる事を告げた。

神戸「実は…ちょっと気になる事があるんですけど…
僕が警察庁で大河内さんの聴取を受けていた時、妙な連中に捕まった際なんですけど…
あの時、僕を連れ去る時に一人だけ妙に気になる足音をしていたんです。
あの足音とそれに杉下さんが先ほど仰った以前警視庁内で起きた籠城事件、これである人物が思い浮かんだんですけど…」

ルパン「ある人物だぁ?」

コナン「確か僕も以前その事件をニュースで聞いたけど警視庁の幹部職員が捕まっていたんだよね。
捕まっていたのは警視総監の田丸総監、それに長谷川宗男副総監、他にも部長クラスの13人が人質にされたって!」

右京「その通りです。その事件の後長谷川副総監は暫く人事異動になり…!?
待ってください…警視庁籠城事件…人質…まさか!?」

神戸とコナンから告げられた重大なヒントで右京はある人物に対して一気に疑惑を持った!

神戸「杉下さんもお気づきになられましたか。」

右京「えぇ、なるほどそういう事でしたか。
警察内部の情報を黒の組織に流したのは…
かつて公安の維持のために影の管理官として暗躍し、
そして警視庁籠城事件の際に足音をモールス信号代わりに殺人の指示を出した長谷川宗男元副総監ですよ!」

コナン「そうか!神戸さんがその足音というのは…その長谷川副総監の足音だったんだね!」

神戸「現在彼は僕の直属の上司です。
そして今回…僕は長谷川元総監の指示でこの護衛についていたんですよ…」

ルパン「そんじゃあ裏で手を引いてたのはその長谷川って野郎か?
随分と手の込んだ真似しやがるぜ、ちょっとTV付けてみ。
ここに来る途中で聞いたニュースだがどうやら妙な事になってるみてえだからな。」

コナン、右京、神戸「「妙な事?」」

ルパンの言われた通りにTVを付けてみるとなんと先ほど東京湾で男性の変死体が発見されたという報道であった。

アナウンサー『こちらは東京湾です。
先ほど発見された男性の遺体の身元が分かりました!どうやら昨日拘置所を抜け出した沼淵己一郎との事です!!
また沼淵の遺体の近辺にM16のライフルが発見されており、警察は沼淵がクラリス女公暗殺未遂の犯人ではないかという見解です!』

その報道を見た右京はすぐに現場で鑑識作業を行っている米沢に連絡を取った。

右京「もしもし米沢さんですか、実は早急にお聞きしたい事が…」

米沢『ああ杉下警部、例の沼淵己一郎の自殺の件についてですな。』

コナン「自殺だって!?」

米沢『えぇ、捜査本部は既に沼淵は自殺したと判断を下しました。
沼淵はM16のライフルを所持したまま東京湾に飛び込みそして自殺したと…捜査本部はそう見立てたそうですな。
まったくいくらなんでも判断を下したのが早急だと思われますがあの長谷川元総監が直々に仰いましたから…
これでは一鑑識の私なぞは口を出す事もできませんなぁ、では失礼…』

米沢からの報告は以上であった。
しかしそれだけで充分だった、これで今回の事件の全容は明らかになった。

ルパン「まったく俺さまとした事が…最後の最後でベルモットの婆さまにやられちまったぜ…」

右京「なるほど、つまりはそういう事でしたか。
どうやら今回の事件は複数の計画が同時進行していたようですね。」

神戸「複数の計画?」

コナン「つまりはこういう事だよ。
黒の組織の連中はサルウィン国の資源とクラリス女公の暗殺を条件に取引を始めようとした。
しかしそのためには犯人役を用意しなければいけない。
そのための犯人役が沼淵己一郎だったんだ!」

神戸「そうか…だから沼淵は…」

右京「えぇ、沼淵は死刑宣告を受けていましたが神戸くんに再度の調査を受けていましたからね。
もし沼淵の口から組織のなんらかの秘密がまかり間違って漏れでもすれば…
つまり沼淵は犯人役と、そして組織の秘密を口封じされるという両方の目的で殺害されたのですよ!」

ルパン「ベルモットの婆さんがわざわざ拘置所まで忍び込んで沼淵を連れ出したのはそういう事かよ…
まったく面倒な事するもんだぜ。」

コナン「そしてこの事件の責任を取るという形で金子長官を失踪させた。
そうする事により長谷川元副総監は閉職の身から再び表舞台に立つ事が出来る。
今度の事件でヤツラの真の目的は自分たちの息のかかった人間を警察組織の中枢に置く事だったんだ!!」



~警察庁~


その頃、警察庁の長谷川元副総監の部屋にある男性職員が訪ねてきた。

職員「失礼します。」

長谷川「来たかね、………ここには私とキミ以外誰もいないよ。いい加減その変装を取ってはどうかな?」


ベリッ!


長谷川元副総監の言う通り、その職員は変装用の顔を外して素顔を露わにする。
するとその素顔の主はベルモット、二人はこの事件で手を組んでいた。

ベルモット「ふぅ、これで捜査本部は一連の事件を全て沼淵の仕業と信じたようね。
真犯人はここにいるというのに、フフ…」

長谷川「まったく恐ろしい女だ、しかしこれで私は閉職の身から晴れて表舞台に戻れる。
警察庁の金子長官も始末できたしこれからは今まで以上に活動もしやすくなるだろう。」

ベルモット「ほとんどの警察官たちが思いもよらないでしょうね。
まさか私たちの組織の内通者が仮にも警察の幹部だなんて…
これで私たち組織もこの日本でこれまで以上に活動しやすくなるわ。
まったく全国の警察官がこの事実を知ったら嘆くどころの騒ぎじゃないわね…」

長谷川「何も私は私利私欲でキミたちの組織と繋がっている訳じゃない
全ては日本国家の安全を守るため、そのためならどのような汚れ仕事とて私はやってのけるよ。」

ベルモット(悪い男ね、今後はやりづらくなるわよCool Guy。私のSilver Bullet…)

長谷川「今回は感謝するよ。しかしベルモット、キミは何者なんだ…?
私にはキミがただの組織の一員だとは思えんのだが、キミ自身も組織には言えない秘密を抱えているのではないかね…?」

ベルモット「A secret makes a woman woman.女は秘密を着飾って美しくなるものよ…」

不敵な笑みを浮かべながら本心を隠すベルモット。
今回の事件で影ながらコナンを手助けした事を長谷川には知らせたくはない一心から出た言葉であった…

ベルモット「さぁ、どうかしら?
ただ、言えるとしたら我々組織と末永く付き合うなら私怨で動くのはやめなさい。
そんな安い復讐劇に組織は付き合う気はないし…それにいずれは誰かさんに足元をすくわれるわよ…」

長谷川「誰かさんか…わかったよ。
私とてキミたちに狙われてはひとたまりもない、肝に銘じておくよ。」

ベルモット「けど今回の事件でひとつだけ引っ掛かっている事があるわ。
神戸尊の事だけど、何故あなたは彼を捨て駒にしたのかしら?
確か彼はあなたが特命係とかいう警視庁の人材墓場とかいう窓際部署から引き抜いたと聞いたけど…
もしかして沼淵が彼に何か組織の秘密でも話していたというの?」

長谷川「私が彼を捨て駒に…?
酷い事を言うね、私は彼を捨て駒にする気なんてなかったよ。
むしろその逆だよ、言うだろ。獅子は我が子を千尋の谷に突き落とすと………」



~特命係~


そして再び特命係の部屋、神戸は今回の事件で自分が長谷川元副総監に捨て駒扱いされた事に対して怒りを露わにしていた。

神戸「つまり僕は今回の事件で体のいい捨て駒にされたという事ですか…
まったく…冗談じゃない!大河内さんに頼んで今度こそ特命に戻ってやる!!」

コナン(ハハ、ここって確か警視庁の人材墓場って言われてる部署だよな…
そんな場所に自分から戻りたがるなんてこの人も変な人だな…)

右京「いいえ、今回の事件で長谷川元副総監は神戸くんを捨て駒にする気はなかったと思いますよ。
むしろこれは試練…というかテストだったのではないのですかね。」

神戸「テスト?」

コナン「なるほど、そう考えれば納得できる点が多い。
本当に神戸さんが邪魔なら殺す機会はいくらでもあった筈だ。
それなのにわざわざ手の込んだ人質として扱い今もまだ神戸さんを生かしている。
恐らく神戸さんは長谷川元副総監に試されていた、そして…もしかしたら彼を自分と同様に組織の内通者に迎え入れようとしていたんじゃ…」

神戸「組織ってさっきから杉下さんやコナンくんが言っている組織の事かい?だからその組織って何なの!?」

右京「恐らくそう考えて間違いないでしょう。
まあこの推理は所詮憶測です、どこまでが本当の事なのかはわかりませんが…」

神戸「あの~お言葉ですけど何で僕の事を無視して話を進めるんですか?
ここに居た頃から思っていましたが杉下さんは僕の話に少しは耳を傾けるべきだと思いますよ!?」

ルパン「まあまあ、世の中知らない方が幸せって事もあるから気にすんなって。
それじゃあ、俺はもう行くぜ。じゃあな名探偵、それに名刑事さんも!
また一緒に遊んでくれよ!」

立ち去ろうとするルパン、だがコナンはそんなルパンに対してひとつだけ疑問に思っていた事を尋ねた。

コナン「その前に…この事件でまだ疑問に思っている事があるんだ。
それはルパン、何故アンタが今回の事件に関わっていたんだ?
今回はお目当てなお宝なんて何もないはずだ。
泥棒がこんな何も得る事の出来ない事件に進んで関わる理由が…どう考えてもわからないんだけど…」

得る物は何もない…そんなコナンの言葉を聞いたルパンは不敵な笑みを浮かべると共にポケットからある物を取り出した。

ルパン「得る物は何もないだって?俺さまだってそこまでおマヌケじゃないんだぜ!」

神戸「それは…指輪!?」

右京「もしやその指輪はトーゴ・ドルザーラが所持していたカリオストロ家の指輪では…!」

コナン「まったく、抜け目が無さ過ぎだろおい…」

ルパン「そういう事!盗るモノ盗ってあとはトンヅラってな!」

カリオストロ家の王家の指輪を確かに頂いたというルパン。
だがコナンとルパンにはその言葉が妙に引っ掛かっていた。

コナン「なんだか…無理矢理理由を作っているよね…?」

ルパン「あん?」

右京「おかしい話ですよねぇ、確かにあなたはかつてその指輪を盗もうとしたのは事実です。
そして一時は確かに指輪を頂戴したはずのあなたです、それを再度盗み直すというのは些か引っ掛かる話だと思いましてね…」

コナン「ひょっとしてだけど…その指輪…ルパン…もしかして…」

ルパン「おっと、それ以上は無しだ!これ以上はお互い詮索するのはよそうや。
なんたって俺は泥棒…」

右京「僕たちは刑事と…」

コナン「それに探偵、確かに相容れない存在なんだろうね。」

ルパン「だからこれでもうこの話はお終いってわけ!今度こそ本当に…」

今度こそ本当に去ろうとするルパン、だがその前に…


ガシャンッ!


ルパン「へ…?」

銭形「見ーつーけーたーぞー!ルパァァァァァァァァァァン!!」

ルパン「銭形のとっつぁん!?これどうなってんの!?」

銭形「観念しろ!そのワッパは手癖の悪いお前でも簡単には外せんようになっておる!ご協力感謝しますぞ杉下警部!」

右京「いえいえ、礼には及びませんよ。」

ルパン「へ?何これ?」

神戸「確かに…これは…どうなっているんですか!?」

コナン「それは…さっきの亀山さんだよ。
彼はこの部屋を出る時に『しっかりやってくださいね右京さん!』と言っていた。
つまり亀山さんは何かを察して子供たちを部屋から連れ出しただけじゃなく…
その直前にもうひとつ杉下さんが言っていた、
『目暮警部や銭形警部のいる捜査一課』の話を聞いて銭形警部にこの事を伝えたんだよ!」

銭形「フッフッフッ!
貴様の事だ、事件が解決した後は調子こいてこうやって事件の当事者に会いに来るだろうと思ったワシの勘は当たったようだな!
さぁ、お前ももう年貢の納め時だ!潔く観念しろ!!」

ルパン「悪いけど…そいつはゴメンだぜ!」


ガシャッ!


銭形「馬鹿な…ワシの特別製のワッパがいとも簡単に抜けおった…」

ルパン「こっちだって長年とっつぁんと追いかけっこしてるわけじゃないんだぜ!
それと…人が悪いな名刑事さんよぉ、せっかくいい気分で帰れると思ったのになぁ…」

右京「すみませんねぇ、いくら事件の協力者といえども犯罪者を見過ごすのは一警察官としてどうかと思いまして…」

ルパン「これだもんなぁ…やっぱり泥棒と刑事は分かり合えないって事なんかね…」

コナン「ま、わかりあいたきゃ泥棒を辞める事だね。けどあんたは泥棒を辞める気はないんだろ…?」

ルパン「当然だろ、これが俺の…宿命なんだからよ!!」

銭形「待て逃がさんぞルパン!既に部屋の外で待機している警視庁の全捜査官で貴様を逮捕してやる!!」

目暮「さぁ、我々も後れを取るな!」

佐藤「ルパン!先日はよくもやってくれたわね!今度は逃がさないわよ!!」

高木「そうですよ!これ以上好きにはさせませんからね!」

芹沢「三係の人たち頑張ってんな…俺たちも負けてらんないっすよ先輩!」

ルパン「悪いがとっつぁん!まだ野暮用が残ってんだ!それが済んだらまた遊んでやらぁ♪」

※ ここからエンディングを2パターンに分けます。

まずはコナン、相棒サイドもエンディングから。

そしてルパンは警視庁の捜査員に追いかけられながら特命係の部屋を去って行った。
そんなルパンを見送るように眺めているコナンと右京たち。

右京「まるで…何か本音を隠しているみたいですね。」

コナン「彼は泥棒だよ、僕たちに秘密に死体隠し事なんていくらでもあるよ。」

神戸「ですね、人間の本音なんて簡単にわかる様な事じゃありませんよ…」

そんな部屋に残った右京たちの下へ伊丹がやってきた。

伊丹「まったく警部殿…今回もまたよくも我々を顎で使ってくれましたね…」

右京「おや伊丹さん、あなたはルパンを追い掛けなくていいのですか?」

伊丹「その前にちょっとだけ伝えたい事があってね…」

神戸「伝えたい事?」

伊丹「その…負傷を負って退職しちまった三浦元係長の事ですよ…
あの人から連絡がありました…怪我の療養も兼ねて今は海外に旅行へ行っているそうですよ。
まったく呑気なもんですよ、こっちはクソ忙しいってのに…
ま、今まで頑張って働いてたんだから少しは報われてほしいもんですけどね…」

神戸「そっか、三浦さん警察を辞めちゃったんですね…」

右京「ですがお元気そうでなによりですね。」

伊丹「そんで話は変わるが…江戸川コナンってのはお前か!?」

コナン「そ…そうだけど何かな~?」

伊丹「お前んとこのヘボ探偵の毛利だが…昨日の事件の後本当に寝ちまって全然起きねえぞ!
まったく警部殿と同じくらいの推理をしやがったから少しは見直してやろうと思ったのにあの騒ぎで眠りこけるとは、
大物なんだかそれともただのマヌケなんだか…
今警視庁の捜査一課に寝かせてあるからさっさと連れて帰れ!!」

そう言い残すなり伊丹もまた芹沢たちと共にルパンを追いかけて行った。

コナン(やべえ…おっちゃんまさかあの後本当に寝ちまうとは…)

コナン「じゃあ僕そろそろ行くね!おじさん連れて帰らなきゃ!」

コナンは事務所にいる蘭に連絡を取り自分もまた捜査一課にいる小五郎の下へ行こうとしたその時であった。

右京「隠したい本音がある…それは果たしてルパン三世だけなのでしょうか?」

神戸「へ…?」

コナン「…」

右京「もう一人いるはずですよ、今回の事件で一番本音を隠している者がね…
そうですよね、江戸川コナンくん。
                     
                     ………いいえ、高校生探偵工藤新一くん!!」

神戸「工藤新一って確か都内でも有名な高校生探偵ですよね…でも…そんなまさかこの子が…!?」

右京「えぇ、信じられないのも無理はありません。僕ですらまだ半信半疑なのですからね。」

コナン「杉下さん…一体いつから気付いていたの…」

右京「実は先日、まったくの偶然なのですが隣の組対5課の角田課長に頼まれて工藤新一くんが恐らく最後に解決した、
ジェットコースター殺人事件の合ったトロピカルランドにてある奇妙な少年に関する捜査に向かったのですよ。
そこで事件当時の警備員の方にお尋ねしたところある事が一致しましてね。」

神戸「ある事が一致…?」

右京「その少年…目撃情報によると7歳くらいの頭部に怪我を負った男児との事です。
しかも奇妙な事にその少年はまるで背丈の合っていない服を着ていたとか…
そこで僕は試しにジェットコースター殺人事件の際に工藤くんが着ていた服を警備員の方に見せてみました。
ちなみに工藤くんはあの事件の時に多数の方に目撃されていましたからね、事件当時の彼の服装を知るのは意外と簡単でしたよ。
するとどうでしょうか、工藤くんの服装とその怪我を負った少年の服は見事に一致したのですよ!」

コナン「…」

右京「そして次に僕はもしやと思いキミの顔写真をその警備員の方に見せたところ…
なんと驚いた事にその少年と顔が同じだったとの事です。
あとは簡単です、警視庁の戸籍データで『江戸川コナン』という恐らく他に同姓同名のいない珍しい名前を探せばいいのですからね…
たとえキミが海外で生まれたとしても戸籍は記載されていますからね、ですが奇妙な事に…」

コナン「何処を探しても僕の戸籍に関するデータは存在していなかった…でしょ?」

右京「えぇ、この日本に戸籍の無い人間は存在するはずがない。
ですがキミには戸籍が無い、そうなるとキミは一体何者なのでしょうか?
そして先ほどのトロピカルランドでの一件、この件を照らし合わせてさらにキミが黒の組織とやらに誰よりも必要以上に固執している。
そうする事でひとつの真実が導き出されました、それは……」

コナン「工藤新一は黒の組織になんらかの理由で身体を小さくされてしまい、
元の身体に戻るためにヤツらを追っている…そういう事だよね。」

右京「やはり…そうだったのですね。」

神戸「信じられない…キミがあの高校生探偵の工藤新一くんだなんて…!?」

コナンから告げられた驚愕の真実に驚きを隠せない右京と神戸。
しかし自分の正体を知られたのに驚きもしないコナンを見て右京はコナンにある質問をした。

右京「それにしても恐らく誰にも告げていないご自分の正体がバレたというのにキミは至って冷静ですね。
もしや最初から自分の正体がバレているとどこかで気付いていたのではありませんか?」

神戸「そ…そうなのかい?」

コナン「あぁ、瀬戸内先生が撃たれて杉下さんに怒られた後に杉下さんが再度俺のところにやって来た時になんとなくね。
あんな発砲事件があった後でさらに危険な事件だというのがわかっているのに子供を現場に連れ回す刑事なんてまずいやしない。
それに確信を得たのはあの米花ホテルに行った時に杉下さんが俺に被せたあの帽子さ。」

右京「なるほど、そういう事でしたか。」

神戸「え?どういう事ですか…?」

コナン「杉下さんが俺に被せた帽子はトロピカルランドの入場者限定で貰える帽子だったんだ。
けど普通に考えてみれば杉下さんがプライベートでトロピカルランドに行くなんてまずあり得ない。
つまり杉下さんは何らかの理由でトロピカルランドに行ったと、それもこの俺に関する要件で…
だから確信が持てたんだ、この人は事件を探りながら俺の正体にも気づいているんじゃないかって!」

右京「なるほど、大した推理力です。やはりキミは本当に高校生探偵工藤新一くんのようですね。」

コナン「あぁ、自力で俺の正体に気付いたのは西の高校生探偵の服部に次いであなたで二人目ですよ。
そう、俺の本当の名は工藤新一…探偵さ!!」

神戸「じゃあキミは…本当にあの工藤新一くん…けど人を小さくする技術があるなんて信じられませんよ…」

コナン「そうだろうね…この俺だって今でも自分がこんな身体にされた事が信じられないよ。
恐らく俺の身体を小さくさせた黒の組織の連中もね…」

右京「という事はつまりキミは意図的に小さくされたのではなく…偶発的に小さくされたという事でしょうか?」

コナン「はい、APTX(アポトキシン)4869という組織が使っている薬物を飲まされて気が付いたらね…」

灰原「ちなみにその薬の開発者は私よ。」

右京「おや、あなたは…」

神戸「さっきの少年探偵団の…まさかキミも…」

灰原「えぇそうよ、私も元は組織の一員だけど抜け出して江戸川くん…いえ工藤くんと一緒にあいつらを追っているの。
ちなみにAPTXは元々未完成の薬だから人体にどんな影響が出るのかわからなかったけど…
まさか人間を小さくさせるだなんて組織も予想すらしていなかったでしょうね。
だから組織の内部には私たちが小さくなった事を知る人間はほとんどいないわ。」

右京「『ほとんど』?待ってください、それはつまり組織の中にもあなた方が小さくなった事を知る人間が少なからず存在しているというのですか?」

コナン「ベルモット、表の世界じゃクリス・ヴィンヤードの顔で女優をやってる女さ。
恐らく組織の中で俺たちの正体を知っている唯一人なんだが…
どういうわけだか俺たちの正体を自分だけの秘密にしているようでそのおかげでこっちも無事でいられるんだけどね…」

神戸「クリス・ヴィンヤード…アメリカの女優であの大女優シャロン・ヴィンヤードの娘…
まさかそんな大物まで組織の一員だなんて信じられない…」

右京「なるほど、キミが昨夜何故米花ホテルにトーゴ・ドルザーラの襲撃を知る事が出来たのか不思議に思っていましたが、
クリス・ヴィンヤード…いえベルモットが手を貸してくれていたからなのですね。
恐らく組織は最初からトーゴ・ドルザーラとは最初から手を切る気でいた、そう考えれば辻褄が合いますからね。」

コナン「ところで悪いな灰原、秘密を喋っちまって。けどこの人たちなら信用できると思ってよ…」

灰原「もう今更って感じだけどね、あなたの無茶な行動に付き合わされてこっちもいい加減慣れたわよ。
さ、早く行くわよ。みんながいい加減待ちくたびれているんだから!」

コナン「いっけね!それじゃあね杉下さん、それに神戸さん。」

右京「その前に一言よろしいですか?」

コナン「は…はぃ?」

立ち去ろうとするコナンを敢えて止める右京、何かと思いコナンは思わず足を止めた。

右京「今回キミは黒の組織を相手と思い単独で散々な無茶をしていました。
キミは探偵でありながら熱くなりすぎて冷静さを欠く面が見られます。
そんな事ではこの先逆に組織に足元をすくわれてしまうのがオチですよ。」

灰原「確かにね、工藤くんは組織の事になると我を忘れる傾向があるのは確かだわ。」

コナン「バーロ、んなんじゃねーよ!ていうかお前まで何なんだよ!」

右京「ですから敢えて忠告します。
キミは……もっと他人を頼りなさい、少なくとも今回僕たちはキミの正体とその行動を知る事が出来ました。
いざとなれば我々特命係にも協力を惜しまないでください。
それだけの強大な組織にたった独りで立ち向かうのは些か無謀ですよ。」

コナン「………ありがとう杉下さん。けどその気持ちだけで充分だよ…」

神戸「なら…!」

コナン「けど悪いがこれは俺の事件だ!俺が解く!!
この事件は俺自身の手で決着を付けなきゃいけないんだ!……だから……」

コナンの決意の目を見つめる右京、その目に何の迷いも無かった。

右京「そうですか、ですが何かあった時はいつでも僕たちを頼ってください。
僕たち特命係はキミの味方である事だけは信じてください。
それと…これは本来なら警察官として許されるべきではありませんキミが持っていた方がいいのかもしれませんね。」

コナン「こ…これは…」

右京からコナンに手渡された物は今回の事件で黒の組織がかかわったとされる証拠品、ジンのタバコの吸い殻だった。
事件の際に右京に手渡した物であったが今の段階で調べれば命を狙われるのが明白で調べる事が出来ない代物…
それを右京はコナンに預ける事にした。

右京「その証拠品がいつかキミを真実に導いてくれる日を願っていますよ。」

コナン「ありがとう杉下さん、いつか必ず黒の組織の連中を捕まえてみせるよ!」

そしてコナンは灰原と共に特命係の部屋を後にした。
コナンと灰原が立ち去る姿を見届けながら改めて神戸はコナンが何者なのかと聞いてみた。

神戸「さっきの話を聞いても僕には未だにあの少年が工藤くんだとは信じられませんね。
本当に工藤くんなんでしょうか?」

右京「いいえ、今の彼は工藤くんではなく……
たったひとつの真実見抜く、身体は子供、頭脳は大人、名探偵コナンですよ。」


名探偵コナン&相棒side -FIN-


※ 次にルパン三世サイドのエンディングです。



~酒場~


ワイワイ  ガヤガヤ

その夜、とある酒場にて黒の組織のジンが愛飲の酒を飲みながらある者たちを待っていた。

ウォッカ「兄貴、遅くなりやしてすいやせんでした。」

彼の相棒ウォッカ、大阪での一件の後どうやらうまい事逃げ出して都内に戻ってこれたようだ。

ジン「それで…そっちはどうだった?」

ウォッカ「とんだ邪魔が入って取引は中止に…
なんとか組織の情報だけは漏らさないように隠蔽しましたが結局は唯の骨折り損でしたぜ…」

ジン「フン、ルパン一味か…出来れば二度と関わりたくない連中だな…」

キャンティ「よく言うよ!面倒な事はアタイらに押し付けて自分たちだけ楽な仕事をしてさ!」

コルン「…」

そこへキャンティとコルンも現れた、二人は今回の事件の結果をジンに報告。
そこで洗いざらい愚痴をぶちまけた。

キャンティ「まったく!冗談じゃないよ!
アタイらにこんな面倒事を押し付けてさ!ベルモットはどこだい?
あいつの顔に弾丸をぶち込みたいんだけどね!」

ウォッカ「おいバカやめろ!こんな人目の付く場所でところで大声出すな!?」

コルン「…安心しろ…みんな…TVに夢中…誰も…俺たちの事…気付いてない…」

ジン「悪く思うな、依頼主の安い復讐劇に付き合う気は端からなかったんでな…
ま、いずれこの件の埋め合わせはしておいてやる。」

キャンティ「けっ…」

ウォッカ「ところで兄貴、沼淵は殺っておきやしたがドルザーラの野郎はどうする気ですかい?
奴さんはあれでも国のお偉いさんですぜ、組織でも簡単に手を出せないんじゃ…」

ジン「心配するな、どうせヤツは近い内にサルウィン国に送還される。
サルウィンに戻ればヤツは裁判する事もなく絞首刑だ。
あの国にはろくな司法が無いからな、ブタ箱か死刑かの二択しかないシンプルな国なのが途上国のいいとこさ。」

「おいおい…」 「マジかよ!」 「ありえないだろ…」

そんな時であった、周囲の客が全員TV画面に注目してざわめき始めていた。

ウォッカ「あ…兄貴!とんでもない事になってますぜ!?」

ジン「何…?」

アナウンサー『昨日、米花ホテルで起きた一連の事件。
逮捕されたサルウィン国首相のトーゴ・ドルザーラ氏が送還されるために空港へ護送されていたところ、
何者かがドルザーラ氏の乗った車を襲撃されました!
そして襲撃した者たちはそのままドルザーラ氏を連れ去ったとの事です!』

ジン「何だこれは…どうなってやがる…?」

キャルン「そんな…あいつの部下は全員日本警察に逮捕されてんだよ!?
今更助けに来る部下なんているわけが…」

ジンたちがTVの速報に驚く中でさらに驚くべき情報が流れてきた。

アナウンサー『え…なんだって!?
失礼しました、たった今入った情報です!どうやら襲撃したのはかの有名な大泥棒ルパン三世とその一味だそうです!!』

ウォッカ「な…何ー!?」

コルン「わからない…何故…こんな事をする必要がある…」

ジン「…」

ウォッカ「あ…兄貴…?」

ジンは無言の表情でいるがその目はまるで今にも人を殺しそうな怒りに満ちた目をしていた。
そしてそんなジンに追い打ちをかけるようにキャンティは昨日の次元から言われた伝言を伝えた。

キャンティ「そうそう、次元大介からアンタに伝言だって。
『この世界、どんな理由があろうと仕事をやり遂げられない野郎はろくなヤツじゃない!』だってさ!
キャハハハ!言われちゃったねぇ!!行くよコルン、もうこんなとこに用は無いよ。」

コルン「あぁ…ジン…俺たちの仕事は終わった…後はお前の勝手…もう知らない…」

そう言い残して二人は去って行った。それと同時に…

ガシャンッ!

ウォッカ「あ…兄貴!?て…手が…」

ジン「構うな…!」

自分が飲んでいたグラスを割るジン、今は手の痛みなどよりも怒りが彼の身体に満ちていた…


――――――

――――

――



~???~


「ここは…ここは…何処だ…?」

一人の男がある場所で目を覚ます、そこは美しい山と湖に囲まれた自然豊かな国であった。
そこに自分をここまで連れて来た男たちが声を掛けてきた。

ルパン「よぅ、御目覚めかい?」

次元「ご気分はどうだい、ドルザーラ元首相さんよぉ。」

トーゴ「そうか…私をここに連れて来たのはお前たちなのか…ところでここはもしや…」

ルパン「そ、お前さんの故郷のカリオストロ公国さ。どうだい、懐かしいだろ?」



~カリオストロ公国~


ルパンが言うようにそこはカリオストロ公国。
トーゴにとってはあの日、父親であるカリオストロ伯爵が死んだ日から一度も帰った事のない生まれ故郷であった…

トーゴにとってそこは懐かしい…というよりも自分の人生を踏みにじってきた忌まわしい場所…といった方が正しい場所でもある。
そこへ一人の女性が彼らの下へ近付いてきた。

トーゴ「お…お前は…」

ルパン「よぅ、久しぶりだなクラリス。」

クラリス「はい、おじさまもお元気そうでなによりです。」

その女性は自分が暗殺しようと企んでいたクラリス女公本人であった。
その時、トーゴは悟った。クラリスが自分をここに招いた訳を…

トーゴ「なるほど、そういう事か。
ルパンに依頼をして私を自分の手で殺そうというつもりか…
いいだろう、どの道サルウィンに帰ったところで最早私に生きる道などない。
無様に絞首刑にされるくらいなら…いっそ一思いに殺してくれ…」

ルパン「あらまあ…」

次元「こいつ…何を勘違いしてんだ?」

クラリス「いいえ、あなたを殺す気なんてありません。
それよりもあなたに見て頂きたいものがあるのです。」

既に殺される覚悟でいたトーゴ、しかし彼がここに連れて来られた理由は他にあった。

その理由とは…?



~大公家跡地~


かつての大公家の跡地に連れて来られたトーゴ。そこでトーゴが見たものは…

トーゴ「な…なんだこれは…」

そう、彼が見たのはかつてローマ人たちが湖に沈めたローマの町であった。
この物語でも右京が語ったかつてこの国で発見された『ある歴史的な大発見』、それがこの光景である。
今ではこのカリオストロ公国の観光名所として知られておりゴート札を作らずともこの国が栄えていた。

トーゴ「こ…これは…どういう事なんだ…?」

クラリス「この光景は私やあなたの代々のご先祖様がローマ人から密かに受け継いできたモノです。
あのカリオストロの指輪はこの町の封印を解くための鍵だったのです。」

ルパン「まさに人類の宝ってやつさ、俺のポケットには大きすぎらぁ…」

次元「前にも言ったなその台詞…」

トーゴ「これが我々カリオストロの者たちが代々守り抜いてきた光景…
何故だ…何故私にこれを見せる!?お前たちは私をどうする気なんだ!?」

ルパン「そいつはこのお姫様…いや女王さまに聞いてみな。俺だって一応止めたんだぜ。」

クラリス「あなたの出生は全ておじさまから聞きました。
あなたがカリオストロを滅ぼす気持ちはよくわかります。
私だって一度は自らの境遇を…そしてこの国が亡くなってしまえばと思ったのですから…」

トーゴ「貴様が…だと?」

そしてクラリスもまた自分の境遇をトーゴの前で語る。
それはトーゴと似た境遇でもあった…

クラリス「あなたもご存じの通り…
私は10代の頃にあなたの父であるカリオストロ伯爵と半ば無理矢理婚礼をさせられそうになりました。
あの頃、私は自分の境遇を呪いました。
何故私はこの国に生まれついてしまったのだろう、こんな国滅んでしまえばいいのにと…」

トーゴ「同じだ…私と…」

クラリス「ですがそんな時におじさま…いえルパン三世が現れて私を救ってくれたのです。
それにこんな素敵な財宝を私にくれて…
だから今では感謝しているのです、この国に生まれた事を…そして私の運命を…」

トーゴ「そうか…」

クラリス「そしてあなたにも一言どうしても伝えたい事があるのです…どうしても私の口から伝えたい大事な事が…」

トーゴ「何だ…?恨み言ならお断りだが…」

クラリス「確かにあなたの父は…いえ…この国はかつて何の罪もなかったあなたを苦しめた…
それに関してはこの国を代表して私自身が深くお詫びをします…
けど…この国は…あなたの愛すべき故郷であってほしいと…私はそう願っています…
だからあなたにこの光景を見せてあげたかった…かつて私と同じ…いえ…それ以上の境遇を生きてきたあなたに…」

トーゴ「愛すべき故郷…ここがか…」

クラリス「はい、私たちが生まれ育ちそして今を生きるこの地を…どうか憎しみと苦しみだけを募らせないで…
それはあまりに寂しい事です…」

トーゴは暫く黙ったままでいた、今の彼に言葉を掛けるのは無粋であると誰もがそう思ったからだ。
だがそんな無粋な輩が…突然理由もなく現れた!



銭形「「ル~パ~ン~!!」」


ルパン「げっ…とっつぁんだ!?」

次元「おいおい…五ェ門が足止めしてたはずじゃねえのか…?」

そこへ五ェ門からの連絡が…一言…

五ェ門『すまん…』

次元「だってさ…どうやら足止めできなかったらしい…」

ルパン「そんじゃ…またなクラリス!前にも言ったけど困った事があれば地球の裏側からでもすーぐ飛んできてやるからな!!」

そう言いながらルパンはクラリスの手にある物を託す。
そして用意していた自前のアルファロメオの車でこの場を後にした。

銭形「おのれルパン!またしても…」

クラリス「お久しぶりですね、警部さん。またあの方は何も取らずにいなくなりましたわ。
それどころか…ほら。」

銭形「それは…指輪…!」

トーゴ「その指輪…もしや…」

クラリス「えぇ、カリオストロの山羊の指輪。これを返してくれたようです。だから…」

銭形「いや、ヤツはどうやらまたとんでもない物を盗んでいきました!それは…」

銭形が何かを言おうとした時、トーゴがそれを遮り何故ルパンがこの様な事をしたのかその疑問をクラリスに訊ねた。

トーゴ「それよりも…何故ルパンはお前に協力したんだ。ヤツは何故…?」

銭形「ワシの決め台詞が…」

クラリス「さぁ、ただ…遠い昔あの人に出会った気がして…」

そんな時である、彼らの下に松葉杖を持った足の不自由な一人の日本人が現れた。

三浦「すみません。あ~外国が初めてでね…私は日本人の観光客でして…
実は怪我で仕事を退職してツアーでこのカリオストロの地まで来たのはいいんですけど、他のお客さんと逸れてしまって…
どちらへ行けば合流すればいいのかご存知ですか?」

クラリス「それなら…」

トーゴ「なぁ、これも何かの縁だ。旅の人…アンタに聞きたい事があるんだが…」

三浦「聞きたい事…?」

トーゴ「私は数え切れないほどの罪を犯した…今更その罪を償う事が出来るのだろうか?」

思わず見ず知らずの三浦を前にそんな事を聞いてしまうトーゴ。
そんなトーゴに対して三浦はこう告げる…

三浦「実は俺も少し前は警察官の仕事をしててね…
そこで何人もの罪を犯した人たちを逮捕してきたよ。だが…みんな好きで犯罪なんか犯した訳じゃない…
アンタに何があったのかは俺は知らないだが…
もしアンタに罪を償う気があるならそれは遅くはないはずだ。
どんな人間にだって罪を犯したのなら…それを償うチャンスはあるはずだからな!」

そこへそんな三浦を呼ぶ声が…

優作「お~い!三浦さんこっちですよ!」

三浦「あぁ、工藤さん。道に迷ってしまってすいません。」

優作「いやいや、あなたのお話は次の小説を書くのにとても参考になりますよ!
それにしても杉下警部でしたっけ?とてもユニークな刑事さんだ!
次の小説の主人公にしたいくらいですよ!!」

有希子「もう!あなたったらこんな観光地まで来て仕事の話をするのはやめてよ!」

三浦「ハハッ、こんな話でよければいつでもしてあげますよ。なんてたって暇…ですからねぇ…」

それから三浦はやってきた二人の夫婦と思われる男女に連れられてその場を後にした。

トーゴ「そうか…」

そしてトーゴはある決意を露わにして銭形の前に両手を差し出した。

銭形「な…何だ!?」

トーゴ「私を逮捕してくれ。」

クラリス「!?」

銭形「ど…どういう事だ!」

トーゴ「私は復讐のためにサルウィンで多くの者を犠牲にした…
今更償える事ではないかもしれない…だがもし罪を償えるとしたら今しかないと思ってな…」

クラリス「トーゴ…」

銭形「わかった、トーゴ・ドルザーラ。日本国でのクラリス女公暗殺未遂の罪とその他諸々の余罪で逮捕する!」

そのまま銭形に連行されるトーゴ、そんな彼にクラリスはある事を伝えた。

クラリス「あの…待ってください。
トーゴ、いつか…罪を償ったら…もう一度この国に帰ってきてください!
ここは…あなたにとっては忌まわしい場所かもしれない…ですがあなたの故郷なのです!
私はいつまでもあなたの帰りを待っています!だから……」

トーゴ「………ありがとう……」

銭形「さ、行くぞ。」

『ありがとう』、確かにそう言い残して彼は銭形に連行されて行った。

銭形「あぁ、そうだ。さっき言い掛けてた言葉なんですがね…
やはりヤツはとんでもない物を盗んでいきましたよ!あなた方の悲しみをね……」

そして車で逃走中のルパンと次元も…

次元「あのトーゴとかいう野郎、銭形のとっつぁんに捕まったらしいな。
今頃とっつぁんの野郎が何か柄にもなく寒い事言って雰囲気台無しにしてるような気がするが気の所為か?
せっかく俺たちが助けてやったのに…これじゃ例の黒の組織とやらにまた命を狙われるんじゃないのか?」

ルパン「いやぁ、もうその心配は無いだろ。
さすがにICPOのとっつぁんの目の黒い内はヤツらだって手を出せないはずだからな…」

次元「なるほど。
ところでルパン…おめぇ…今回クラリスの嬢ちゃんを助けた理由をあの探偵の坊主や杉下とかいう刑事に最後まで言わなかったな。」

ルパン「よせやい、まさか若い頃ヘマやって助けてくれた恩があるだなんて連中に知れたら恥ずかしくってしょうがねえや!」

そんな事をボヤきながら車を走らせていると次元はこれからあの二人の行く末はどうなるのかと案じめいた事を呟いた。

次元「これからあいつらどうなるのかねぇ…?」

ルパン「いばらの道も…凍てつく夜も…二人で渡って行きたい…」

次元「あん?何だそりゃ?」

ルパン「忘れちまったけど…確か何かの歌だな…」

次元「それでそりゃ一体どんな意味なんだ?」

ルパン「さぁ~?」

恍けた振りをして誤魔化すルパン。こうしてルパンと次元の二人はカリオストロの国を去って行った。
それから、トーゴ・ドルザーラはこれまでの罪により長い事幽閉される事になる。
数年後、罪の償いを終えた彼は生まれ故郷のカリオストロ公国へと帰り、
そこで自分の帰りを待つとある女性の下で残りの人生を過ごす事になるのかもしれないが…

最早それは全ての物語とは関係の無い出来事であった。


ルパン三世side -FIN-

これにてこのssは完結です。

本来なら去年の間で終わらせるつもりでしたが色々と重なってしまいこんなに長引いてしまいすみません。

それに皆さんからご指摘があったようにルパン側の名前間違いなど多々あり申し訳ありません。

そして金子長官の失踪の件ですが、先日亡くなられた金子長官役の宇津井氏の死去で
今後何も語られずにいなくなるのはあまりにも不憫かと思い、せめて黒の組織に一矢報いる(?)形にしました。
この場を借りて宇津井氏のご冥福を祈ります。

ちなみに>>252の右京さんの友人についてですが相棒シーズン12の13話に出てきた毒島さんの事です。

終わってみると相棒色の濃いssになってしまい申し訳ない限りです。それでは…

追記で…

今回の悪役のトーゴ・ドルザーラは映画カリオストロの城でルパンと次元が山盛りスパゲティ食べてた食堂お姉ちゃんが言ってた
「伯爵って女癖がものすごく悪いのよ!」の台詞でそんな女癖が悪いならどこかの女と関係があってもおかしくないのでは?
と思い描いたオリジナルの悪役です。
ですのでキャラ設定とか作者が勝手に考えたオリジナルの設定になっています。

シーズン12の1話で退職された三浦さんのその後を描きたくこのssではカリオストロの地を旅行してもらっています。
本編でも三浦さんのその後を描いた描写があればいいのですが…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年12月27日 (金) 21:22:31   ID: WxTFNEN_

一瞬3キロからM16の狙撃ときいて
ゴルゴ13かと思ったわ
てかゴルゴ好きだからゴルゴ出て欲しかった

2 :  SS好きの774さん   2014年01月28日 (火) 20:30:12   ID: 2gyfEyt7

実にいいクロスだ。

※1
主要人物殺す気か、ゴルゴからんじゃアウトだろʬ

3 :  SS好きの774さん   2014年06月11日 (水) 22:55:17   ID: rq5x04Bx

いやあ、映画かしてほいしな……右京さんの2次化がみたい

4 :  SS好きの774さん   2016年06月11日 (土) 12:34:43   ID: r0_zPYDL

感動したっす!

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