男「とある物書きの末路」 (10)

今から書く事は「フィクション」である。

そんな前口上を付ける必要性はないのは当然なのだが(ましてや、こんな所に記そうとしている時点でその事については証明されているのだから)。

また、これは物語と言って良いものか分からない。

物語にしてはあまりにも短すぎるし、創作にしてはストーリーが練りこまれていないのだから。

だから、これは「伝記」と表すのが正しいのかもしれない。勿論、「フィクション」である事は前提だがね。

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僕は昔から物事を変化させる事が好きだった。

後味の悪い結末をハッピーエンドにする事から始まり、宇宙の法則まで、幅広く考える事が好きだったんだ。

勿論、こんな事は特別ではない、皆やっているのだから。

ただ、僕はそれに対する執着心、関心が人一倍あったんだ。

道端に落ちている石ころを主人公にさせる人はそうはいないだろうからね。

「アイデアマン」などと人から呼ばれた事もあったが、今はしがないサラリーマンだ。

理由? それは僕がディティールまで考える事をしなかったから。

抽象的な概念は膨らませる事はできても、数学的知識や歴史といった具体的な要素を盛り込ませる事は何分めんどくさく、僕に足りなかった才能の1つでもあったんだ。

おっと、話がそれてしまったけど、要するに短編小説を創るのが趣味なんだ。

それもとびっきり短いやつ、長編小説の1章にも満たない奴をね。

ところで、僕はオカルトが結構好きなんだ。

お化けや妖怪や時には神様まで。

これらのキャラクターは映像に起こすととても恐ろしい物になるけど、文字の中でならファンタジーのように感じる物は少なくないのではなかろうか。

事実という事を前提にされているけど、この物語のようにフィクションであるものもあるだろう。

まぁ、それの判別は僕には分からない。人間の脳は偉大だからね。「錯覚」による間違いもあるのかもしれない。

物語を書く大抵の人物はまず想像から始めるのだろう。そして、それはある1シーンであると思う。

キャラクターの設定から始める者は恐ろしく非合理的であり、勤勉さと根気強さがあり、恐らくは小説を書きあげられる才能を持ち合わせているだろう。


すまない。また、唐突に話は変わるけど



人間はどうやったら操る事ができるのだろうか。

就寝以前に行う想像はそれ以外に行う想像と違う事は経験則から分かるだろう。

音も光も遮断され、集中すればする程、密度はあがり、やがては想像している事すら忘れる。

想像と夢の狭間など誰が判別できるものか。それを可能にするには客観的に脳を見る必要があるのだから。

1つの体に2つの意識を存在させる事は可能なのだろうか?





ところで、山にはどうやって行けばよいのだろう?

人生をより楽しむためには睡眠……もとい夢を充実させる事にある。

夢を自在に操る事ができれば、睡眠が何よりの娯楽に変わるだろう。

一晩で願望に満ち溢れた1つの人生を過ごす事ができるのだ。

空を飛ぶ事も瞬間移動する事も、王になる事だってできる。

勿論、夢を興趣するためには脳を操る必要が出てくるが……。





有難う。次は魂を分離させる方法について尋ねたいのだが。

よく「顔に出てる」なんて言う人がいる。

つまりは何を考えているのか分かっていますよと言いたいのだ。

十人十色なんて言葉があるのに、表情に関しては同じなんて事があるのだろうか? 

テレパシーというものがあるように、もしかすると頭の中から何か情報が漏れているのかもしれない。






有難う。最後にもう一度お礼を言っておくよ。

――

俺はSSという物を見るのが好きだった。

そして、自分で書く事も好きだった。

後味の悪い結末を変えるのが好きで、人によっては蛇足と言う人もいるが、そのための創作なのだ。

悪い部分など消してしまっていいに決まってる。

今から書く物語もそうだ。

ネットに転がるオカルト話の1つを改良して良い結末に変える。

この話はとても有名でとても後味が悪い物なのだが、1つとして俺と同じような考えを持った者……もっと言えば、これを題材にした作品すら見当たらない。

だから、これを書くことに決めたのだが……何かおかしい……。

まぁいい。こんな事は気にしても杞憂の範疇だ。

さて、確かこの話は森の中の祠に








ところで












そろそろ後ろを振り向いてくれないかな?

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