ほむら「アパートの部屋の電気を全部消して寝るのが怖い」(59)

ほむら「やっぱり照明全点灯は安心するわね」


みたいな

ほむら「ワルプルギスの夜が現れるのはココよ」

杏子「ほぅ… よくわかるなぁ」

ほむら「統計よ」

杏子「じゃあ罠を張る場所とかも、アイツの通りそうなとこ選んでんの?」

ほむら「ええ、抜かりは無いわ」

杏子「そりゃ心強い」



杏子「あ、もうこんな時間か」

ほむら「作戦会議で遅くなってしまったわね」

杏子「泊まってってもいいかな? ここなら安心して寝られそうだし」

ほむら「着替えは私のでいい?」

ほむら「そろそろ寝ましょうか」

杏子「のんびり寝られるっていいなぁ! それじゃ電気消すよ~」

ほむら「えっ…」

 パチン

杏子「……」

ほむら「」キュッ

杏子「…!」グイグイ

ほむら「」ズリズリ

杏子「なんだよさっきから! 広いんだからくっつくなよ!」

ほむら「だって……」クスン

杏子(え、どしたの!? 泣いちゃったの?)

ほむら「電気消すとこわい……」

——ワルプルギスの部屋——

三周目のワルプルギスの夜「毎回毎回俺らの邪魔をする暁美ほむらの弱点がわかった」

一周目のワルプルギスの夜「あの子戦闘要員だったのか」

四週目のワルプルギスの夜「ああ、俺の時は一人だったけど、けっこうしぶとかったぞ」

二週目のワルプルギスの夜「どっちかっていうとピンクの方が強いだろ」

五週目のワルプルギスの夜「アイツ今回は契約してないからいいの」

四周目のワルプルギスの夜「それで、弱点ってのは?」

三周目のワルプルギスの夜「夜がこわいらしい」

全員「……俺らじゃん」

ワルプルギスの夜「お~い新入り」

オクタヴィア「なんスか先輩? 俺、ケンカ強いッスよ」

ワルプルギスの夜「暁美ほむらの弱点、聞いた事ある?」

オクタヴィア「ないッスね。アイツに弱点なんて……」

ワルプルギスの夜「暗闇が怖いらしいんだ」

オクタヴィア「なんだと……」

ワルプルギスの夜「もうね、部屋の電気消すとプルップルすんの」

オクタヴィア「それはいいことを聞いた…」シュウウウ

ワルプルギスの夜「ん? どうした新入り!?」

さやか「それ聞いたら希望が溢れて元に戻っちゃった! ありがと!」タタッ

ワルプルギスの夜「待ってよ……」

QB「死体の鮮度を保ってどうするつもりだい?」

杏子「どうにかなった時のためにさ」

QB(無理だと思うけどな… まぁいっか)

QB「勝算はあるのかい?」

まどか「そのためにわたしも協力するんだよ」

QB「危険だよ。魔法少女でもない君が行くなんて」

マミ「その時は私たちが鹿目さんをしっかりガードするわ」

杏子「ほむらは… たぶんこんな作戦、手伝ってくれないだろう」

 ムクッ
さやか「そのほむらのことなんだけどさ」

マミまどあんこ「おぅわあああああ!!!!!!!」

QB「ウソだろ!!!?」

まどか「さやかちゃん… 元に戻ったんだね」ブワッ

マミ「本当に『奇跡も、魔法も、あるんだよ!』を地で行ったのね……」

さやか「いやそんなの後でいいから! とにかくほむらが」

杏子「バカ言うなよ! さやかが戻って来て、どうでもいい訳ないだろ!」

さやか「落ち着きなって! ほむらが大変なんだよ!」

マミ「…今度は暁美さんが?」

まどか「ほむらちゃんは、いつもいろんな意味で大変だけど」

さやか「ほむらがね… 暗い部屋にいると泣いちゃうんだって」

まどか「」ゴクリ

杏子(知ってた)

まどか「それは… 『あの』ほむらちゃんが?」

さやか「うん」

マミ「人は見かけによらないわね……」

まどか「誰に聞いたの?」

さやか「ワルプルギスの夜っていう、なんかすっごい魔女から」

マミ「まさか美樹さん、あれに会って来たの!?」

さやか「あの人有名だったんですね」

杏子「でもほむらが夜怖いのって、あたし知ってた」

まどか「どうして教えてくれないの!」ガクガク

杏子「やめてよ」

まどか「じゃあ早速ほむらちゃんの所へ行こうよ! そして泣かそう!」

マミ「待って。気持ちはわかるけど…」

杏子「あたしらはこれから、そのワルプルギスの夜と戦うために練習しないと」

まどか「え~…」

さやか「この四人掛かりなら勝てそうな感じだったよ。ほむらの事は、その後ゆっくりね」

まどか「みんな… 無事で帰ってきてよ!」

マミ「当然でしょ!」

さやか「帰って来ないわけないよ!」

杏子「こんなお楽しみが待ってるんだからな!」

まどか「だよね!」

——当日——

マミ「みんな、作戦通りにね、いい?」

杏子「ほむらの罠で進路を誘導して」

さやか「避難所から距離を置いたら集中砲火ね!」

杏子「早いとこ終わらせようぜ!」

ほむら「来たわ!」

ワルプルギスの夜「ヒェーッヒヒヒヒ!!!」


ほむら「えっ…」

マミ「しまった!」

 プツッ
まどか「停電!?」

QB「外も真っ暗だ! これじゃあ」

まどか「ほむらちゃんが!」


さやか「ほむら!」

マミ「しっかりして!」

ほむら「ヒック…… くらいよぉ……」ペタン

杏子「マミ! 照明弾とか撃てないの!?」

マミ「ダメよ! この暗さ、魔法の力で光が遮られているわ」

さやか「街ごと暗闇で包むとはね… これがワルプルギスの力か……」

まどか「ほむらちゃん!」

ほむら「ふぇっ… まどか……?」グスッ

まどか「ごめんね、ほむらちゃんが心配で… 来ちゃった…」

ほむら「まどか… こんなくらいのに……」

まどか「もう、泣き止んでよ……」ナデナデ

まどか(……)

ほむら「うぅっ… まどかぁ……」

まどか(…アリだわ)

まどか「ほむらちゃん、時間を止められるんでしょう?」

ほむら「うん、できるよ!」

まどか「ならお願い、わたしをワルプルギスの夜のところへ連れて行って!」

マミ「私も連れて行って! リボンの魔法で道を作るから!」

ほむら「じゃあ二人とも、私につかまって!」

まどか「ふぅ… けっこう登ったね」ハァハア

マミ「意外と高度とってたから…」

ほむら「着いたよ! これからどうするの?」

まどか「ありがとう。もう時間止めなくていいよ」

ほむら「解除するわね」カチッ


ワルプルギスの夜「おわぁ! お前らいつの間に!?」

まどか「ワルプルギスの夜……」

まどか「あなたにお願いがあって来たの!」

まどか「見て、ほむらちゃんを!」

ほむら「くらい… マミさん、こわいよぅ……」ヒシッ

マミ「はいはい。もうすぐ終わるからね~」イイコイイコ

ワルプルギスの夜「これが… 『あの』暁美ほむら……」

まどか「この暗くする魔法ってさぁ」

ワルプルギスの夜「はい」

まどか「……いつでもできるの?」

——それから——

まどか「さやかちゃん、上条くんとうまくいったみたい」

杏子「よかったなぁ! 一時はどうなるかと思ったよ」

まどか「わたしにも、あんな素敵な人がいてくれたらなぁ~」

ほむら「私たちにはまだ早いでしょう?」

まどか「」キリッ

ほむら「ひっ!?」

まどか「どうぞ、やっちゃって!」

ワルプルギスの夜「はいよ~」

ほむら「やめて! くらくしないでよぉ~」ポカポカ

まどか「ほむらちゃんがおとなしくなるまで、やめてあげな~い」

ほむら「もぅ… やだよぉ」クスン

マミ「あ~あ、泣かしちゃった……」


  おわり

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